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2016年6月10日 第12回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 議事録

厚生労働省 医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部 生活衛生課

○日時

平成28年6月10日(金)10:00~12:00


○場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール2A


○議題

1.民泊サービスの制度設計について
2.必要な法整備(旅館業法の改正事項として考えられる事項)について
3.その他

○議事

【事務局(郷)】  定刻になりましたので、ただいまから第12回「民泊サービス」のあり方に関する検討会を開催させていただきます。

 構成員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、当検討会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 議事に入るまでの間は、観光庁観光産業課の郷が進行を務めさせていただきます。

 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表に続きまして、資料が1から3まで、議事次第に記載のとおり配付させていただいております。不足等ございましたら、事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。

 また、本日の構成員、オブザーバー、関連する省庁からの御出席につきましては、配付の座席表のとおりでございます。

 本日は、梅沢構成員が御欠席のため、相模原市健康福祉局保健所生活衛生課長の萩原尚志様が代理で御出席いただいております。また、川口構成員が御欠席のため、公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会理事、事務局長の稲本昭二様が代理で御出席いただいております。また、小林構成員は御欠席です。また、中島構成員が御欠席のため、神奈川県保健福祉局生活衛生部局の梶木富美恵様が代理で御出席いただいております。日本経済団体連合会の上田様も御欠席で、かわりに森島様がおくれての参加となります。

 冒頭カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの方は御退出いただきますようお願いいたします。

 構成員の皆様におかれて、本日御発言いただく際は、お手元のマイクのスイッチを入れていただき、御発言が済みましたら、スイッチを切っていただくようお願いいたします。

 それでは、以降の議事進行につきましては、座長の浅見先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【浅見座長】  おはようございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の第12回の検討会では、最初の10分程度で事務局から、資料1となる、去る6月2日に閣議決定されました規制改革実施計画の説明、及びそれを踏まえて、資料2、民泊サービスの制度設計の説明をしていただきまして、意見交換に移りたいと思います。また、その後、10分程度で旅館業法の改正事項として考えられる事項についても、事務局に御説明いただいた上で、再度の意見交換に移りたいと思います。本日も、活発な御議論をお願いいたします。

 それではまず、事務局より御説明をお願いいたします。

【長田課長】  おはようございます。厚生労働省の生活衛生課長でございます。

 まず、資料1の規制改革実施計画でございますけれども、今ほど、浅見座長からもお話がございましたように、この規制改革実施計画については、去る平成28年6月2日に閣議決定をされております。その内容につきましては、前回の民泊検討会の中で、内閣府の規制改革推進室からも御出席をいただき、御説明いただきました。規制改革会議の答申の内容が基本的に実施計画という形で閣議決定をされております。

 この計画でございますけれども、もともと規制改革会議の議論の過程の中で、私ども、厚生労働省、観光庁は何度も呼ばれておりまして、当民泊検討会の検討状況を逐次、御報告をさせていただいておりまして、そういったことを踏まえた形で答申が取りまとめられ、今回の計画に至っている、そのように理解をしておりますので、基本的にはこれまでの検討会の議論の内容と整合性を図った形で整理をされた内容というふうに認識をしているところでございます。

 また、これは閣議決定という内閣の最高意思決定という形で整理をされておりますので、当検討会も政府の中の検討会ということでございますので、ここのまとめに当たりましては、この実施計画を前提としておまとめをいただければと考えております。

 中身につきましては、今、申し上げましたとおり、基本的にこれまでの検討会の議論を踏まえた内容ということでございますので、基本的な部分において大きな差異はないと思っておりますが、当検討会で必ずしも明確にされていなかった部分で、規制改革実施計画の中で明言をされているような部分が幾つかございますので、そういった内容を中心に御説明をさせていただければと思います。

 まず、1ページ目の1、民泊サービスにおける規制改革という部分の、上から5行目当たりのところでございますけれども、「各種の届出及び登録の所管行政庁についての決定を含め、早急に法整備に取り組む」ということが書かれておりまして、この所管行政庁をどうするかということに関しましては、この計画では具体的にはなされておりませんので、このあたりの具体化は1つの宿題ということになっているということかと思います。

 また、「この新たな枠組みで提供されるものは住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル、旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制度とする」とされております。この点につきましては、住宅を活用した宿泊サービスと位置付けるということについては、既に当検討会の大きな方針として、かなり前から御確認をいただいた部分でございますが、それを踏まえて、実際の法体系をどうするかということについては、論点としては御提起をいただいておりましたけれども、明確にはされておりませんでしたが、この実施計画の中では、旅館業法とは別の法制度とするということで位置付けられております。

 それから、その下の、なお書きのところでございますけれども、「法律の施行後、その状況に応じた見直しを必要に応じて行う」ということ。「届出及び登録の手続はインターネットの活用を基本とし、マイナンバーや法人番号を活用することにより、住民票などの添付を不要とすることを検討するなど、関係者の利便性に十分配慮する」こと。そして、その次でございますが、「既存のホテル、旅館に対する規制の見直しについても、民泊に対する規制の内容、程度との均衡も踏まえ、早急に検討する」とされております。特に最後の点につきましては、前回、北原構成員からも具体的に、既存の旅館、ホテルと共同住宅の違いということで、問題提起もいただいたところでございます。

 それから、続きまして、民泊の類型というところでございますけれども、2ページ目の上にある(1)の家主居住型、そして、2ページの一番下の、下から3行目の(2)家主不在型ということで、居住型と不在型に分けるという、当検討会の方向性に沿ったまとめになっております。

 書かれている内容は、特に枠組みのところは、ほぼ我々の議論と同じということでございますが、1つ、1(1)1のところですけれども、個人の生活の本拠というものをどういった形で捉えるかということに関しまして、具体的に、原則として住民票で確認をしてはどうかということが提案をされております。このことに関しましては、前回の検討会でも、規制改革会議の安念座長からもお話がございましたけれども、この住民票で特定をすることによって、家主居住型については、個人が複数物件を持つことを避けることができるといったようなメリットもあり、有効な提案ではないかと受け止めているところでございます。

 それから、3のところでございます。「年間提供日数などが一定の要件を満たすこと。一定の要件としては、年間提供日数上限などが考えられるが、既存のホテル、旅館とは異なる住宅として扱え得るようなものとすべきであり、年間提供日数上限による制限を設けることを基本として、半年未満(180日以下)の範囲内で適切な日数を設定する。なお、その際、諸外国の例も参考としつつ、既存のホテル、旅館との競争条件にも留意をする」とされております。

 この一定の要件につきましては、これまでの議論の中で、既存のホテル、旅館とは異なるものとする合理的な一定の要件の設定が必要だということについては、当検討会での議論の流れを一にしているものでございますし、年間提供日数の上限というものを1つの尺度として考えてはどうかというのも、これまで議論がなされていた部分でございますけれども、この規制改革実施計画では、半年未満の中で設定をするという具体的な提案がなされているというところが少し異なる点であろうかというふうに思っております。

 なお、これはあくまで半年未満の範囲内で適切な日数を設定するということでございますので、180日で決まるということではなく、適切な日数を、半年未満の範囲の中で何日とするのかということは、今後の議論に委ねられているというふうに理解をしております。

 それから、このページの下から五、六行目あたりの丸のところですが、「住宅として、住居専用地域でも民泊実施可能とする。地域の実情に応じて条例等により実施できないこととすることも可能とする」ということで、住居専用地域との関係で民泊をどう取り扱っていくかということについては、相当前から、論点として御提起いただいていたところでございますが、住宅として、一定の要件も含めて整理をするという前提の中で、住居専用地域でも民泊実施可能とするというような整理がなされているということ。ただし、地域の実情に応じて、実施できないという判断も可能であるというようなことが記載をされております。

 それから、「宿泊拒否制限規定は設けない」ということにされております。

 それから、(2)の家主不在型については、おおむね同様の整理ということかなと思っておりますけれども、特に、3ページにかかって、2のところ、一定の要件については同じ内容で表現をされているところでございます。

 それから、3ページの中ほど、2ポツの民泊施設管理者、この部分につきましては、基本的にこれまでの当検討会の整理の内容を踏まえた内容ということかと認識をしております。

 それから、最後のページの3の仲介事業者に関するものについても、同様と考えているところでございます。

 引き続きまして、資料2でございます。民泊サービスの制度設計の、いわば骨格、枠組みにつきまして、これまで議論を重ねてきた成果というのを、毎回毎回、少しずつ議論の過程を踏まえてバージョンアップをさせていただいているものでございます。今回も、前回用意をさせていただいた資料に、今、御説明をしました規制改革実施計画の内容との整合性という観点から、若干の修正を加えて用意をさせていただいたものでございます。したがいまして、今の資料1の説明と、若干重複する形になって恐縮でございますが、修正をした主なポイントについて御説明をさせていただければと思います。

 まず、2ページでございます。新たな制度枠組み(案)というところの2つ目の丸、制度の対象とする民泊の意義のところの※印の注釈が2つございますが、1つ目といたしまして、「一定の要件として、既存の旅館、ホテルと法律上、異なる住宅として扱い得るよう、年間提供日数上限による制限を設けることを基本として設定。一定の要件を超えて実施されるものは、新たな制度枠組みの対象外であり、旅館業法に基づく営業許可が必要」と整理しております。

 それから、2つ目の※印のところでございますが、「住宅として扱い得るような一定の要件が設定されることを前提に、住居専用地域でも実施可能(ただし、地域の実情に応じて条例等により実施できないこととすることも可能)」と整理しております。

 それから、追加した内容といたしまして、4つ目の丸のところ、法体系のところにつきましては、先ほどの規制改革実施計画でも御説明をいたしました。「ホテル、旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制度として整備をする」ということの位置付けを書かせていただいております。

 続きまして、3ページの部分でございます。2の家主居住型に対する規制の方向性。ここはほとんど内容は同一でございますけれども、1つ目の丸のところで、先ほど御説明いたしました、「原則として住民票がある」というところで捉えていくという点を加筆させていただいております。

 それから、3つ目の丸のところで、ある意味、これは家主居住型なので、当然の前提として、記載をしていなかったのですが、苦情があれば対応してもらうというのは当然のことなのでございますが、その点を入念的に、前回の資料では記述がございませんでしたので、加えさせていただいております。

 それから、2のところの最後の※印でございます。「住宅提供者が仲介事業者を利用せず、自ら利用者を募集する場合についても上記と同様に取り扱うこととしてはどうか」というふうにさせていただいております。その趣旨は、仲介事業者を経由するということを要件化することなどを考えてはどうかと、そのような御意見などもいただいていたところでございます。仲介事業者を関与させるメリットとしては、例えば、本人申告以外にも、例えば仲介事業者による、あっせん記録などで、適正性を確認できるといったようなメリットがございます。

 ただ一方で、営業の自由との兼ね合いでございますとか、現実的には、これだけネット社会が発達した中で、例えばフェイスブックであるとか掲示板であるとか、いろんな形での募集の展開というものが想定されるといったときに、これを逆に制度の対象外ということにしてしまうと、届出すらされないということになります。今回の制度設計の大きな眼目の1つというのは、きちんと行政の管理把握可能な状況に置き、民泊の匿名性を排除するということにあったということも考えますと、これを排除するよりは、制度の中に取り込むということが適当ではないかということで、さまざま御意見をいただいたことを踏まえた上で、事務局としての提案として整理をした部分でございます。

 それから、3の家主不在型に対する規制の方向性、また、4の仲介事業者規制の方向性については、ほぼ前回と同様の整理でございます。

 それから、次の5のところでございます。これは前回の資料には記載のなかった部分でございますけれども、規制改革実施計画の中で、所管行政庁をどうするかということの宿題をいただいているところでございます。この点について、一定の具体的な考え方を当検討会として整理をいただく必要があるのではないかということで、2つの点を書かせていただいております。

 1つ目でございますけれども、今般の民泊制度は、住宅を活用した宿泊の提供という位置付けのものであるということ。また、仲介事業者に対する規制の枠組みを設けるというものであるということ。他方で、感染症の発生時などにおける対応が必要であること。そういったさまざまな保護法益というものがある仕組みでございますので、それらを勘案いたしますと、少なくとも国のレベルでは、国土交通省、そして私ども厚生労働省の共管とするということが考えられるのではないかということでございます。

 それから、2つ目の丸でございます。当然、これは実務を担っていく部分においては、地方の窓口をどうしていくかということも併せて考えないといけない。むしろ、こちらの方がより重要なのだろうというふうに思っておりますが、少なくとも、国と同様に関係部局が複数にまたがるということは想定されるところでございます。そして、国民にとって混乱のないように、わかりやすく窓口は明確にするということは必要であろうというふうに思います。その上で、関係部局間で必要な情報連携が図られるような方向で整理をしてはどうかというようなことで、資料に記載をさせていただいております。

 それから、5ページでございます。一定の要件でございます。この一定の要件については、これまでもさまざま、当検討会で大変御熱心に御議論をいただいたところでございますけれども、まずは、規制改革実施計画で閣議決定されたとおり、年間提供日数上限による制限を設けることを基本とするということが政府の方針として確認をされておりますので、そのことを2つ目の丸のところで記載させていただいております。

 それから、4つ目の丸のところでございます。この一定の要件の線引きのものといたしまして、年間提供日数のほかに、宿泊人数の上限を設けてはどうかというような御議論もいただきました。その具体的な議論の内容は6ページに整理をしているとおりでございますけれども、少なくとも、やはり公衆衛生上のリスクというものが想定され得るので、何らかの人数制限的なことは要るのではないかというような御議論がある一方、物件にもいろんなタイプがあるので、なかなか一律に何人ということも難しいのではないかというような御議論もいただいたところでございます。

 そういった両方の議論を踏まえましての、事務局としての提案内容でございますけれども、この一定の要件、すなわち旅館、ホテルと線を引く要件としての宿泊人数の上限は設けないとさせていただいた上で、先般、当面の対策として、簡易宿所では宿泊者1人当たり、最低限、3.3平米以上というような要件を設定させていただいたことの整合性を図る形で、この1人当たりの面積基準の遵守というのは、何らか位置付けるというようなことで、公衆衛生上のリスクというような指摘に対応しつつ、一方で、物件のサイズも異なるので、なかなか一律な人数という形での上限の設定は難しいのではないかというようなこととの調和は図らせていただいてはどうかというような提案でございます。

 なお、6ページにつきましては、これまでの検討会における主な意見を、これまでどおり整理をした内容となっております。

 説明としては以上でございます。

【浅見座長】  ありがとうございます。当研究会での取りまとめは6月中を予定しております。ですので、次回の検討会で取りまとめをできればと考えておりますので、そうしたスケジュール感も念頭に、取りまとめに向けた御議論をしていただければというふうに思います。

 それでは、質疑あるいは意見交換をしたいと思います。いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【北原構成員】  規制改革計画、閣議決定のところで、今回、民泊というものを個人の住宅を活用した宿泊サービスというふうに明確に定義をしていただきましたので、このことに沿いまして、旅館と住宅の違いということがはっきりとされた上で、先ほどの中身の中で、1つ、当然、検討はしていただいているとは思うのですけれども、実施計画、資料1の3ページのところです。

 要するに、家主不在の場合でございますけれども、家主不在の場合に届け出でいいわけでございますが、そういった場合に、我々が危惧しておりますのは、諸外国でもあったのでございますけれども、いわゆる個人が、すなわち住宅提供者の方が複数の物件を1つの都市に限らず、例えば全国各地で賃貸契約を結んだ部屋を何百室も借りて、これをそれぞれ民泊として届け出をしてやるというときに、これは住宅を活用して行う宿泊サービスとはかけ離れた、完全な投資ビジネスというふうなものが成立するわけであります。ある程度、所有物件の、とりわけ住民票の上がらない賃貸物件でございます。

 よしんば、家主の方の許諾を得て民泊を行うにしても、京都に住んでいる人が東京や名古屋や福岡や札幌で同じようなビジネスをするということが可能であっては、民泊の根本的な理念にどうもかけ離れた投資ビジネスになってしまう可能性がありますので、その点も、所有物件の数の制限といったもの、所有というよりも賃貸物件ですね。賃借人として、それを又貸しされることですから、その辺の制限も何らかの形でしていただく。どこかに書いていただく必要があるのではないかと思いますので、この辺のことにつきまして、お答えがいただければと思います。

【浅見座長】  何か。今のは御質問ということですか。それとも御意見。御質問。

【北原構成員】  この辺も、厚労省あるいはそちらの方で御検討いただいているのかということでございます。

【浅見座長】  そうすると、事実関係として検討しているかどうかということなのですけれども、何かありますでしょうか。どうぞ。

【西海課長】  まず、個人の方が複数の家を持っているということに関しましては、特に家主居住のことはお聞きになっていないので、多分、住民票等のことかと思います。家主不在の場合というのが想定されますのは、おそらく共同住宅、集合住宅で、大家さんが何軒か持っているという場合かと思うのですが、あと、御質問が投資物件ということでございましたので、例えば投資マンションということかと思います。

 それで、まだ数の制限ということではなくて、例外はありますけれども、管理業者をかませることで、きちんと管理できるかどうかということで、まず周囲に影響を及ぼさないと。及ぼす影響を最小限にするということで、今のところはきちんと管理ができるのではないかというように考えてございます。

 御質問の御心配の点については、ここの制度設計の中で、そういった御懸念のこともよく配慮しながら、また考えていきたいと思いますけれども、現時点では、どちらかといいますと、数で制限するというよりは、きちんとした管理者を置いて、周囲、第三者に、あるいは近隣に迷惑をかけないということをちゃんと担保できるかどうかという仕組みで、今、きちんと健全な民泊が、こういう集合住宅等の空き家でも展開されるようなことを考えてございます。

【北原構成員】  京都なら京都、東京なら東京という1つの行政単位の中で何軒も持っていれば、この人はいろんな物件、いろいろたくさんやっているなということはわかりますが、東京や札幌や九州でそれぞれ1人の人が賃貸契約を結んでいる。本名で結んでいるのか、偽名で結んでいるのかといういろんな問題もあるかもわかりませんが、そういうものを1つの組織的に運営していこうとする人が出てくるのをどこかでチェックすると。将来的に、マイナンバーでありますとか、そういったものが整備されて、1人の方がいろんなことをやられるのが全て捕捉できるのであればいいのですが、そういうことも危惧しておりますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。

【浅見座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【廣岡構成員】  今のとちょっと関連するのですけれども、家主居住型で、住民票を原則とすると。それは理解できます。ただ、住民票が及ぶ範囲というのは、どういうふうに捉えたらいいのか。具体的に言えば、一軒家の場合は、その家だけというふうに考えるのですけれども、1つのマンションがあって、そこに大家さんが管理人兼で住んでいて、その建物に幾つか空き家があると。それを民泊にするという場合は、これは家主居住型と考えられるのか、そうでないのかというふうなところは御検討されているかという点をお聞かせいただければと思います。

【西海課長】  今のは、明確にお答えいたしますと、基本的には、集合住宅の大家さんのお部屋以外の空き部屋を貸すということであれば、その空き部屋には大家さんは住んでいらっしゃらないので、家主は不在ということになります。なので、原則としては、管理業者の方にきちんと管理いただくと。ただ、今、御質問がありましたように、大家さんがいて、そんなにたくさんのお部屋じゃなくて、例えば1部屋だけあいていて、すぐ近くなので、ちゃんと管理できますということが一応担保されれば、例外的には、その大家さん自身が管理者として、その空き家もあわせて管理しながらやることもできますが、基本は、家主不在型としてきちんと管理するのがよろしいのかなと思っています。

【浅見座長】  よろしいですか。

【廣岡構成員】  はい。

【浅見座長】  ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

【末永構成員】  民泊においては、この施設管理者がきちんと管理をして、安全や衛生面を確保していくということが非常に重要だと思われるんですが、私、前にも申し上げたんですが、国土交通省ので5年前に、任意制度ではありますけれども、賃貸住宅管理業者の登録制度というのをつくりまして、現在、3,700社ぐらいの管理業者の登録がございます。全国の賃貸マンションの40%ぐらいが、もう既に登録した業者によって管理がされているという実態がございますので、ぜひ、この登録に際しては、今、申し上げました賃貸住宅管理業者の登録制度というのを活用できるようなことを御検討いただきたいというふうに考えます。

 以上です。

【浅見座長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【熊谷構成員】  2点ほど意見がございます。

 まず1点目なのですけれども、民泊の意義とかかわるのですが、基本的に住宅を1日単位で利用者に利用させるというようなことが、資料2の2ページのところにあるわけですけれども、1日単位という中に、例えば1日の中に複数の利用者があると。複数というのは、同じ部屋を何人もの利用者が利用するということはできないという仕組みにするのかどうかというところの確認をしたいと思います。

 というのは、これはいわゆる時間貸しのような形で、風営法に適用されないような、ラブホテル類似の利用の仕方というのが出るということは考えられて、集合住宅の場合には、これは管理規約を通じてコントロールすることが可能になるのですけれども、集合住宅でないような場所については、例えば住専地域の中で民泊がされるという中で、風営法適用外のラブホテルのような利用のされ方というのが想定されることがあまり妥当であるとは思えないので、こういったものに対して何らかの形でコントロールできるというような仕組みがあってもいいのではないかというふうに思います。

 それが風営法の強化という形になるのか、それとも、民泊本体でのコントロールになるのかという問題、どちらにするのかという考え方の違いはあるのかもしれませんけれども、いずれにしても、そのあたりは考えた方がいいのかなというふうに思っております。これが1点目です。

 それから、2点目なのですけれども、この民泊の考え方の中で、特に家主不在型との関係で、家主居住型も同じなのですが、例えば管理規約の中で、これはきちんと認められているかどうかというようなことを担保するであるとか、賃貸借契約の中で、そういった利用のされ方ができるかどうかということを担保するというようなことが書いてあって、それ自体、非常に賛成ではあるし、非常に重要なことだと思っているのですけれども、何をもってそれが認められているか、認められていないかというところを判断するというのが難しいのだと思うのです。

 つまり、今回、規制改革会議でも言っておりますけれども、住宅として利用するという前提の表現ぶりになりますので、例えば、住宅として利用するということが、逆に言うと住宅としてしか利用できないというような賃貸借契約があって、民泊に利用した場合、これは住宅として利用していることになるのかどうかという非常に難しい問題が出てくるのだろうと思います。そういう意味では、こういったものの判断に当たっての、ホワイトリスト、ブラックリストといいますか、こういった状況であれば認められる、こういった状況であると認められないといったようなものもあわせて提示していただくというようなことが必要ではないかというふうに考えます。

 例えば、集合住宅の中でも、家主不在型であれば認められないけれども、家主居住型であれば認められるというような考え方もあるかもしれないし、そういった場合に、じゃ、どういった規定ぶりであれば認められるのかというようなことも、そういったリストを示す中で、いろいろな形で啓発していくような形で、世の中に提示していくということも重要かなと思いますので、そのあたりもちょっと考えていただければというふうに思います。

【浅見座長】  2つの論点がございましたけれども、まず、1日単位というのは、資料2の2ページにも記載されているのですが、これについて何かありますでしょうか。

【西海課長】  お答えいたします。実際に法律で、どういう文言で落とし込んでいくかは検討していく必要があります。資料では、住宅を活用した宿泊サービスということで、今回の制度、あるいは閣議決定をされた仕組みではそう書いてございます。基本的には、いわゆる時間貸し、会議室であったり、一番、御懸念されるのは、いわゆる風営法的なことができないように書いています。あとは、これを法律的にどういうふうな文言で定義していけばいいかということで、そこは今後の法制度の中でもきちんと考えていきたいと思っております。

【香山課長】  市街地建築課長でございます。先ほど管理規約あるいは契約のお話をしていただきました。今回、民泊の制度を検討するということで、おそらくこれから制度設計する中で、それを住宅として扱うのか、あるいは住宅ではないけれども、住宅的なものとして扱っていくのか、そういう議論をされていくと思います。

 一方で、管理規約なり賃貸借契約というのは、あくまで民民の間で結ばれたものですから、それに違反しているか、していないかということは、実は当事者にしか決められない問題だというふうに思っております。言葉の表面面だけを見て、それが明確にセーフ、アウトと決められるものでないというのが本質だと思います。

 ただ、今回、こういう制度設計をされるということで、住宅の概念が若干変わってくるという可能性もありますし、そこに無用の混乱を生じることがないように、制度が実現する際には、管理規約としての考え方、あるいは契約としての考え方ということは少し整理をして、打ち出していきたいと思っております。

 ただ、一方で、これからつくられる管理規約、契約というのはそういう考え方の中で整理していけると思うのですが、既にある契約、管理規約をどう考えるべきかということは非常に難しい問題ですし、それが契約、管理規約に違反しているかどうかというのは、結局のところ、言葉だけで判断できないとすれば、どういう形で、その適否を判断していくのかということも少し考えていかなければいけないのかなと。例えば、管理組合の合意を得ることによって、その適合性を判断するというようなこともあろうかと思います。

【浅見座長】  ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。じゃ、1、2の順番で。まずは北原構成員、お願いします。

【北原構成員】  以前にも一度、提案させていただいたのですが、いずれにしましても、旅行者、すなわち消費者の安全や衛生基準がきちっと保たれていないことによって起こる事故とか、いろんな問題をカバーしていくためには、民泊を行う方全てが、加害者になる場合の施設の賠償保険というものに必ず加入していただくということは必要であろうかと思います。

 現在の我々、旅館、ホテル業界におきましても、旅館、ホテル施設賠償責任保険というものがございまして、これは旅館が加害者になる場合、あるいは、旅館が消費者の方、旅行者の方によって器物破損されたりするという被害者になる場合、両方の保険ですけれども、そのうちの旅館、施設の提供者が加害者となる場合の保険については、これは義務化をしていただくことが非常に安全を担保する意味では重要なのではないかと思っております。

 アメリカのサンフランシスコにおいて、去年か、今年だったか、わかりませんが、これが法律で条例化されて、必ず賠償責任保険に入らなければならないということが書かれたということでございますので、ぜひ、これは御検討いただきたいと思います。

【浅見座長】  ありがとうございます。今のは、民泊の場合にという、アメリカの例なのですよね。

【北原構成員】  そうでございます。民泊をやる方は必ずこの保険に入らなければならない。日本でも、大体、最低の保険で7,000万円の補償までができる保険が既にありますので、そういった保険に必ず入る。いわゆる自動車の運転免許をお持ちの方が必ずお入りにならなければならない自賠責というのと同じ考え方でございます。

【浅見座長】  ありがとうございます。じゃ、今井構成員、お願いします。

【今井構成員】  最後が近いので、改めて御質問といいますか、確認をお願いしたいのですけれども、家主不在型という概念がどこまで入るかということです。今までの議論を聞いておりますと、こういうものを活用するのが経済合理性があるということはよくわかるのですけれども、他方で、家主がいない住宅というものを法律的に考えますと、住宅というものがそこの中に、居住者の生活の本拠として使われるべき建造物ということを考えますと、当然、そこには家主がいるのが普通であって、家主不在というのは例外的な話なのです。ですから、このページにも書いてあったと思いますけれども、バカンスに行っているようなときに少し貸すというところからスタートしていたと思います。

 ですから、先ほど国交省の方からも説明がありましたけれども、住宅の定義というものをもう一度、御確認されて、家主不在型というものを、当初型ですね。当初から家主がいないようなものを、そもそも住宅と言っていいのだろうか。住居ではあるのですけれども、従前の住宅という概念と矛盾しないような枠組みをつくっていただきたいと思います。

 その際に、あとは、先ほど住民票による家主の確認というふうなこともありましたけれども、そのあたりも、ぜひ整理をお願いしたいと思います。誰が住んでいるかというのは住民票ですけれども、住居については、建造物に係る登記名義人という手段もありますので、そのあたりのものをうまく使って、本当に、現に管理している人が誰なのかを捕捉できるような制度をつくっていかないと、当初からの家主不在型を目的として建てられるような建造物に関する適正な規制ができないのではないかと思った次第です。

 以上です。

【浅見座長】  ありがとうございます。はい、どうぞ。

【西海課長】  今の2つの御質問について、それぞれお答えしたいと思います。

 まず、保険について御質問がございました。補足いたしますと、先ほど御質問いただきましたのは、例えば提供された民泊の施設の不備があって、けがをされた場合の賠償責任保険がないとか、そういったことの不備についてでございます。これは、こういった新しい宿泊サービスができることによって、今の保険制度でカバーできるのか、どうなのかというのは、これは民間の保険会社とも相談していこうと思っております。

 こういった新しい仕組みができた場合の保険については、大体、大きく分けて2つ、保険に入っていただく誘導の仕組みがございます。1つが、いわゆる約款を定める方法。もう一つは、具体的には農家民宿とか、先日できたドローンのようにガイドラインをつくって、そこで具体的に保険加入を推奨するという方法、2つございます。

 どちらを選択するかは、また今後、詰めていこうと思います。か。約款とかガイドラインで、保険加入を誘導することは可能ではないかと考えています。この点は、安全性の担保という観点で検討していこうと思っています。

 それから、2点目の今井先生の件でございます。多分、一番、御懸念されているのは投資型のマンションで、最初から民泊にすることを念頭につくって、ということでございます。これも資料と実際の法律での書き方と仕組みによりますが、例えば既存の住宅を活用した宿泊サービスというのがあるということの、そこの定義等です。具体的にどう考えていくかを詰めていく中で、最初から民泊で、投資型で、家主不在型ということで、実はできたときからもうそうなっていますということがいいのかどうかということの是非を含めて、考えていきたいと思っております。

【浅見座長】  ありがとうございます。ほかはいかがでしょう。はい、どうぞ。

【三浦構成員】  今井先生の御指摘に私は賛成なのですが、ちょっとその関連で、先ほど長田さんの説明で、確認したいのですが、3ページに家主居住型については住宅提供者が仲介事業者を利用しないことも前提にしているというお話なのですが、家主不在型についてはどういうふうに整理されているのかを確認したいのですが。

【長田課長】  そういう意味では、仲介事業者との関係では、同様の構図というのはあり得るのかなというふうには思います。

【三浦構成員】  私は、家主不在型は例外的に認めるべきだと思うので、その辺で、契約とか管理契約違反の有無を確認させる意味でも、家主不在型が、要は家主自身が管理者になってしまうということができるのであれば、やっぱり仲介事業者の利用を義務付けるべきだというのが私の意見です。

【浅見座長】  ありがとうございます。じゃ、どうぞ、お願いします。

【森川構成員】  今、住宅、どういうものかというのも議論になっていますけれども、もともと私の理解は、外国人旅行者が増えて、宿泊施設が不足していると。一方、住宅、空き家問題じゃないですけれども、どうも余っているよねと。せっかくの不動産のストックを有効に活用できたらいいんじゃないのかと、そういうような観点があったんじゃないかと思うのです。

 そうした点からいきますと、今、いわゆる自宅といいますか、自己居住用の住宅を貸すよというような視点で議論されているように思うのですけれども、投資用と言うとあれですが、空き家になっていて使っていないようなものを、例えばノウハウのある不動産事業者がうまく使って、貸すということができてもいいんじゃないかというように思うんです。

 そうした中で、今は営業日数が180日以下というのが、この前はコスモスイニシアさんの話がありましたけれども、これは事業の効率からすると、普通には多分、成り立たないような、かなり高いハードルだと思うのです。

 ですから、単に投資用マンションを民泊に変えていくというのは、多分、現実的ではないと思います。そうした中で、あえてビジネスとして、この厳しい規制を守って、不動産を有効に活用できるのであれば、しかも適切に管理して、ここにある懸念が全てクリアできているということであれば、それはそれで認めていくという方向があってもいいんじゃないかと思います。ちょっと意見として述べさせていただきました。

【浅見座長】  ありがとうございました。はい、どうぞ。

【今井構成員】  賛成でございます。今の森川構成員の御意見に賛成なのですが、繰り返しますが、そうした場合に、例えば180日を超えて貸すような物件があったときには、それは従来の法律上の用法で言うと住宅の範囲を超えますので、住宅というのは、少なくとも、その建造物において責任ある主体が生活の本拠として使うべきものだと思います。

 今後、例えば、この議論の出発点としては家主不在型という切り口でいいと思いますけれども、その間口を広げていくのであれば、先ほど御説明があったように、法律を整備し直して、ここで言う住居とはという定義をして、従前の住居とは違うのだ、したがって規制のかけ方も違うということをしないと混乱するであろうということを申し上げただけでございます。

【浅見座長】  はい、どうぞ。

【北原構成員】  今の議論は、我々業界にとっては一番のキーポイントなのでございますが、ここの6月2日にいろいろな議論の中で、規制改革会議においても、一定の要件の中のポイントとして、我々、既存の旅館、ホテル業界、営業許可をもって営業している業界と、民泊という新たな法律の枠組みの中でできるビジネスとの公正な競争条件を保つという意味で、営業日数の制限を180日以下とすると書いていただきました。

 今、空き家になっている不動産の活用方法を民泊に転用して云々というのは、これは全く別の問題でありまして、不動産業界の方が、そういった空き家やいろんなものをどう活用していくかというのは、これは民泊も1つの利用方法ではありますけれども、365日、今、宿泊施設が不足しているから、年中営業したいとおっしゃるのでしたら、簡易宿所の営業許可を我々と同じようにおとりになるのが筋ではないかと。これはかねてから、我々業界が主張していることであります。

 営業許可をとるための行政手続が煩瑣であるとか、いろいろな一定の要件で、規制はたくさんございますけれども、不動産業界の方も、いろいろな宅建業法という厳しい規制の中で商売をおやりになってきて、その辺の機微はよく御存じでございますので、年間を通じてビジネスをおやりになりたいのなら、きちっと営業許可をおとりになって、本格的にインバウンド、これだけ増えているわけですから、ビジネスをされて、あいている賃貸住宅を活用されたビジネスをおやりになればいいと思うのです。

 そうでない場合には、一定の要件の最初に書いてある営業日数の制限がなければ、我々の営業許可というのは一体何なんですかということになるので、我々だって、営業許可を撤去してください、取っ払ってくださいということになるのではないかということが規制改革会議の中でもお認めいただいたのではないかと考えております。

 ただ、それと同時に、我々が最も危惧しておりますのは、営業日数が180日になろうが、90日になろうが、実際、それが本当にきちっと管理できるのかと。ほかの国でも、いろいろな日数制限をつくっておられるところも、実は名ばかりの制限になって、ずるずる、それこそ120日の予定が、いつの間にか年中やっているではないかということになっているわけです。

 先ほどの仲介業者の規制の中には書いてございましたが、ただ、行政がこういう営業日数を本当に守ってやっているのかというのを、立入検査をしたり、いろいろな捕捉を、これは現在でも、全国にもう3万室以上もある民泊を各行政機関が一々、立入検査ができるかといったら、これはもう不可能でありますので、そういう立入検査の権限を民間に委託するなりする。

 京都市なんかは駐車違反の切符を切るのを民間の事業者に任せて、しかも、それにはちゃんと警察権限も与えて、違反した方に切符を切って、文句があるのだったら警察に言ってくださいということまでやって、その反則金、罰則金で民間事業者の要員の方の給料を支払っていると。こういうシステムぐらいは、この際、つくっていただいて、本当にここで決めたルールが、営業日数の制限だけじゃなしに、諸々あると思うのです。

 届出をきちっとやっているかどうかのことも、それから、表示義務もここに細かく書いていただいていることも、表にちゃんと民泊をやっているということを貼ってあるのかどうかを、年がら年中やる必要はないわけですから、抜き打ち的に検査をするようなスタッフを行政の保健所の方にやってくれなんて言ったって、これはもう不可能ですから、そういうこともできるような体制も、この制度を、新たに法律をおつくりになるというのなら、きちっと担保をしていただかないと、営業日数の制限の問題についても、本当に絵に描いた餅になってしまわないように、ぜひとも御検討いただきたいと思いますのとともに、営業日数の制限というのは、我々にとっては公正な競争条件を確保していただく意味では、絶対に外してもらってはならないと考えております。

【浅見座長】  ありがとうございます。ほかは。はい、どうぞ。

【廣岡構成員】  今のお話で、営業日数が守られるかというところがありまして、それを誰がチェックするのかという問題もありますが、結局、それを守っていない場合は登録を取り消すというふうなことになると思います。また、一旦、取り消された民泊事業者は、何年間か登録の拒否をするというふうな制度づくりになると思うのです。

 それで登録を考えるときに、所管行政庁のお話が先ほど出ておりまして、国土交通省と厚生労働省の共管ということなのですが、今の宿泊業、旅館業法と旅行業法があって、これがそれぞれ、観光庁と厚生労働省の別々になっていると。これが民泊に関しては、1つの法律の中で、仲介事業の部分も決めていくのかというふうにここでは読み取れるのですが、それでいいのかというのが、まず1つの質問です。

 そこで、先ほど申し上げました登録の問題が出てきて、過去に取り消されたような事業者は登録を拒否するということで、制裁になるとは思うのですが、民泊そのものは日本国内にありますので、それが有効的なのです。

 例えば、この仲介事業者の場合、国外にあると。これも前にもちょっと質問をしたのですが、登録の要件というか、旅行業法の言い方ですと登録拒否が列挙されているのですけれども、それが国内に住所があるものとそうでないものとで違うようなものになるのか。国内しか通じないような言い回しであれば、外国に拠点があるところについては、なかなか整合性がないように思うのです。

 2点目として、この登録制度の設計というのが、特に仲介事業者が国内と外国に拠点があるものとではつくり方が自ずと変わらなければならないのではないかというふうな気がするので、その辺をどのように御検討されているのかというのが2点目です。

 それからあと、3点目ですが、日数で一応、6カ月、180日という数字が出てきましたけれども、以下ということになって、実際、どうなるのかと。その以下というのは、どういうふうに決められるのかということなのですけれども、これを全国一律に決めてしまっていいのか。これは私の意見ですけれども、各地域の事情とか状況とかが違いますので、このあたりの日数というのは、やっぱりその自治体が決めるというふうにした方が現実的ではないかなと思っております。

 以上です。

【浅見座長】  御質問があったのですけれども。

【西海課長】  最初に2点、私からお答えします。所管行政庁については、御指摘のとおり、幾つかの関係する所管行政庁があります。届出先とか登録、それぞれございますが、それぞれの担当する行政として、一番ふさわしいところを、政府部内で議論をしておりますので、いずれにしろ、この法律の中でそれぞれ決めていくことになるのかなと思っております。

 2番目に仲介事業者について御質問をいただきました。登録制ですので、当然、登録の拒否要件として、登録を取り消されて、一定期間内にもしできた場合には登録させないというのは、当然、制度設計としてあり得るわけですが、詳細はこれから検討になるかと思います。

 御質問の趣旨は、特に内外で差別がないかということにつきましては、基本的には登録のときも海外の事業者も登録できるような仕組みとして今回は考えてきていますので、再参入の場合には、登録の拒否要件についても基本的には差は設けないつもりで考えてございます。

 最初の御質問については以上でございます。

【長田課長】  それでは、今の廣岡構成員の御質問のほか、これまでの一連の議論に関して、少しコメントをさせていただければと思います。

 まず、営業日数が最終的にどういうふうに決まっていくのかということでございますが、そこは日数に限らず、もろもろの細かい全体の制度設計も含めて、当然、まずは当検討会でおまとめをいただくなり、これを踏まえて、政府としては具体的に法案化の作業を進めていくということになろうかと思います。その法案化の過程の中では、通常、与党手続というのがございますので、そうした過程を経て、最終的には成案を得ていくということになろうかと思っております。

 その中でいただいた地域の事情を勘案すべきではないかという御意見は、1つの御意見として受けとめさせていただいて、今後の検討の中での参考とさせていただければというふうに思っております。

 それから、家主不在型をめぐって、さまざまな御議論がございました。住宅を何と見るかというところのさまざまな議論もございましたけれども、森川構成員からも御指摘がございましたように、空き家となっているようなものを有効に活用していくということが、民泊の議論における論点の1つでありました。

 必ずしも、実際に住んでいたかどうかということではなく、例えば賃貸マンションなんかでも、賃貸マンションとして、住居として売り出したのだけれども、なかなか借り手がいないとか、あるいは、分譲マンションで買い手がいないというようなケースもございます。そういったところの活用を排除するということは、この間の議論の趣旨からして、必ずしも適当ではないというふうに思っております。むしろ、投資的な動きを排除するということに関して言えば、まさしく既存の旅館、ホテルと異なる要件としての日数というもののあり方をどう考えていくかという中で対応していくということではないかと考えております。

 その上で、北原構成員からも御指摘がございました。じゃあ、その日数の制限を超えたら一切営業できないかということで言えば、住居専用地域の制約の問題は残りますけれども、それ以外の地域であれば、今回の簡易宿所の営業許可の枠組みは活用できるわけでございます。特に、少なくともハードの要件としては、面積の基準、そして玄関帳場の基準というものの課題もクリアされている状況ではございますので、以前よりは、随分と、この許可の取得がしやすい枠組みにはなっているのかなというふうに思いますので、このあたり、我々としても引き続き、しっかりと周知にも努めていきたいというふうに思っております。

 それから、三浦構成員から御指摘をいただいた点、もう少し考えてみたいとは思いますけれども、一方で、家主居住型であれ、不在型であれ、結果として届け出という法の網にかからず、潜っていくというようなリスクもあるということを考えれば、まずは、行政が把握可能となるよう届け出をきちんとしてもらう中で、先ほどの日数の管理も含めて、行政の権限なり、あるいは、それぞれの住宅提供者であったり管理者の義務をどう担保していくかという中で適正性を確保していくというアプローチの方が、現下の状況を踏まえると妥当なのではないかなというふうな感じを持っております。

 それから、北原構成員からございました立ち入り権限の関係につきましては、可能な範囲で、民間のお力を有効に活用していくというのは大いに考えるべきことであろうというふうに思います。一方で、一般的な法理論としては、いわゆる公権力の行使というのは、通常、公務員の身分のある者でしかできない。例外的に公務員でない人が公権力の行使をする例というのはあるのですが、そういった既存の例というのは、いずれも公務員と同等の正当性なり公正性を確保するための法律上の何らかの要件というものが、かなり厳格に設定された中で、例外的に認められているというものでございますので、権限行使まで認めていくのかということに関しては、かなり慎重な議論が要ると思っております。例えば、権限行使に至らない、前段階としての調査みたいな部分をある程度、民間のお力も借りるというようなことは有効なアプローチではないかというふうに受けとめております。

【浅見座長】  ありがとうございます。はい、どうぞ。

【萩原代理人】  ただいまの立ち入り権限という話のところなのですけれども、所管行政庁が国土交通省と厚生労働省の共管というお話がありまして、地方レベルにおいては、まだこれから検討して、地方によっても、どこが担当するかというのは決まってくると思うのです。どちらにしましても、業務量がかなり増えることが予想されますので、指導監視ということになると思うのですが、その体制強化をしなければなりませんので、人件費がかかってくると思います。その辺の必要財源を国の方で考えていただければと思います。

 以上です。

【浅見座長】  どうぞ。

【吉川構成員】  民泊サービスというのが、もともと議論が始まったのが、居住するように旅をするということがキャッチフレーズだったと思います。それがだんだん、家主居住型と不在型で整理されてきた。不在の場合は、生活するように旅をするというところから離れてしまっているなとは思うのです。でも、現実には、不在型も必要だということで議論をしてきました。特に不在型は管理者というのが重要なポイントとなります。ただ私には、その規模感がどうもわからないのです。個人になるのか、あるいは、多分、幾つもの物件を持つとしたら業者になるということになると、かなりきっちりしたものを決めておかないと、いけないと思います。新たな管理業が出現してくるとなると、ここがポイントになってくると思うので、その制度設計をきっちりしていただきたいと思います。

【浅見座長】  ありがとうございます。はい、どうぞ。

【稲本代理人】  御意見の中で、民泊の背景の話と民泊の制度設計の話がいつも混在をして、もとに戻ったり、枝葉に分かれたりということで、再度、最新の情報をお教えいただきたいです。まず、観光庁さんに、新築のホテルの計画は、前回、首都圏等で2万5,000室が計画されていると。これは2020年までという理解でよろしいのでしょうか。最新の情報を教えていただきたいのですが。

【西海課長】  お答えいたします。第3回の検討会のときにお出しした資料では、当時、東京ではホテルの2020年までのオープン計画、客室数で9,549というような数字を一応出しています。それから、近畿は、大阪だけではなくて、大阪、京都、兵庫等を入れて3,765室という数字を、これはみずほ総研に委託して調べていただきました。

 最新の状況ということでございますので、御説明いたしますと、ホテルの数は、私どもの調べた限りでは、東京が2020年までに、前回、お示ししたときは約9,500室ぐらいでしたけれども、今は1万6,000室近くまで増えています。それから、近畿は、昨年の3回のときは3,800弱でしたけれども、今回、全体では約7,000室近くまで増えています。

 その後、特に今は訪日外国人旅行者数の急増というのが大分、報道をされて、直ちに頭打ちになるという感じはなさそうだということが、今年の4月の地震がございましたけれども、過去最高に対前年比でも伸びていますので、そういったことが追い風になって投資判断が進んだと思われます。

 ただ、それで足りるかといいますと、このホテルの新設計画の伸びよりも、今回の訪日外国人旅行者数目標値が4,000万になりましたけれども、それはともかくとして、今年も対前年度比をずっと上回っている状態が続いていますので、このペースでいきますと、やはり足りなくなる試算が幾つか出てきます。

 そういう意味において、民泊というのは、要するにホテルの新設で全部対応した場合には、今度は急激に需要がまた減ったとき、例えばオリンピックなんかは過去の例でいくとそうですけれども、また余ったりするものですから、当然、新設だけで全て対応するのではなくて、既存のものもうまく、転用したりしながら有効活用をしていくのも適切じゃないかと。要するに、その組み合わせが重要であると。そういうことの中からも、民泊というのは1つ、説明ができるのではないのかなというふうに思っております。

【稲本代理人】  それであれば、数量的に確保するという民泊と、民泊かどうかはわかりませんけれども、簡宿かもしれませんが、数量的なものと、あと、日本の文化を味わっていただくという観光目的のホームステイ型の民泊というものを、まず、数量的な目標を立てないと、議論がいつもこの両方に分かれてしまうので、皆さん、それぞれ発言しづらい部分があるかと思います。

 それと、その中で民泊の位置付けを、観光目的か、数量的なものというふうに分けていただければ、今後、議論が進むかと思います。

 それと、長田課長から、4月から旅館業法の緩和で簡宿の許可がとりやすいということですけれども、結局、条例というものがハードルになりまして、あまり簡易宿所民泊というのが聞こえないのですが、その辺はどういうふうに情報として御存じでしょうか。教えてください。

【長田課長】  簡易宿所の活用については、非常に私どもとしては問題意識を強く持っております。国の基準が緩和されても、地方の条例がネックになっているんじゃないかという声も多く聞いておりますので、現在、今後の条例の改正予定の有無などについても調査をしているところでございます。これまでの検討会でも申し上げたとおり、まず4月の改正の段階で、条例の改正や弾力運用ということをお求めし、文書だけではなく、4月の下旬には各自治体の担当者に集まっていただいて、直接的にきちんとした趣旨もお伝えをする中で、そういったことを求めてまいりました。

 ただ、何分、かなり急ピッチの制度改正でございましたので、3月末に公布をして、4月1日に施行をするということでございましたので、仮に条例改正を前向きに考えていただける自治体であっても、その後の最初の議会がまさしく今ですね。6月議会ということでございますので、なかなか自治体の方で、4月の段階で、そもそも条例がないとか、弾力運用で対応できるというような自治体を除けば、対応が難しいという側面もございますので、引き続き、そのあたりについてはきちんとフォローアップをしていきたいというふうに思っております。

【稲本代理人】  大阪の方に聞いてみましたけれども、簡易宿所民泊は40室ぐらいあるとは聞いているのですが、使われた実績があまり聞こえてこないということで、先ほどの数量的な民泊という意味では、そのままではいけないのじゃないかなということが言えると思います。

 そこで、条例に対して、厚生労働省さんから、何か強く、こういう条例を撤廃してくださいとか、そういうことはできるのでしょうか。

【長田課長】  これは地方自治の本旨に関わりますので、さすがにそこまでのことは難しいと思いますけれども、我々としては、そういう中にあっても、通知でかなり具体的に条例の弾力運用あるいは改正ということについて積極的な対応の検討を求めておりますので、今の法的な枠組みの中で、我々としてはかなり強い要請をしているつもりでございます。

【稲本代理人】  私どもの理解では、簡宿民泊は、要するに闇民泊を違法民泊とするための制度だという理解を勝手にしています。その中で、3万円の罰金で、やめていただけますかね。やることがちょっと曖昧なような感じがするのですが、そういう罰則についても強化するということはできないのでしょうか。

【長田課長】  その点は、まさしく中間整理で御指摘をいただいている部分でございます。ただし、罰則については法律改正を伴う事項でございますので、先般の政令改正の段階は、あくまで政令以下のレベルでできるという手立てを打てる部分について対応をしたものでございますので、今後、民泊の制度設計とあわせて、この後の議題で残っている話なのでございますが、旅館業法の改正についてはしっかりと対応していきたいと考えています。

【稲本代理人】  はい。終わります。

【浅見座長】  ちょっと時間があるので、少し短目にお願いします。

【北原構成員】  今の稲本さんの御発言の中、宿泊施設が足りない云々の問題というのは、これはいろんな予測がありまして、新しいホテルや簡易宿所が今後どれぐらいできるかというようなことも、なかなか読みができない。そういう意味でも、この閣議決定の中に、この法律の施行後、その状況に応じた見直しを必要に応じて行うこととするときっちり明記されております。

 私は、どういう形のルールができるにせよ、オリンピックを終えた時点で、世の中がどういう状況になっているのか。現実に、とりわけ注目してほしいのは、新しいルールをつくって、この間、京都市の方がおっしゃいましたように、もう9割近くの方が無許可で営業を今されているのです。まだ新しいルールもできていないのに。その人たちが、大田区のような厳しい条例の中じゃ、とてもできないからと言って、無許可でおやりになる。誰からもお叱りを受けないから、ずるずる増えている。こういう状態のままなだれ込んでいくと、世の中が、やっぱり国民に安全とかという面で考えていただいたときに、そんな大都会が増えていく、そんな国になっていくことがいいのかということがものすごく大事なことだと思います。

 このいろんなルールのもとで、民泊がどれぐらい、今後、施設としてできて、あるいは、これは届出とか登録だけですから、届け出した、お客さん来ない、いつの間にかなくなっちゃっていると。消えていくのと、届け出てまた新たに出るというのは、ものすごく大変な世の中になって、今後、そういう意味でも、絶えず見直しをかけて、届出と登録というのは許可と全然違いますから、ある意味で、許可にしても、営業許可を返上されて、廃業されるところが少ないぐらいで、なかなか現実に、今、全国で7万施設ほど営業許可を持っているところがあるといっても、実際営業されているところはもっと少ないので、いつの間にかおやめになっていても、廃業届を出さないというケースはいっぱいあります。

 そういうことを考えて、今、おっしゃったように、これからきちっと制度を見直していくということを必ず新法の中に盛り込んでいただいて、ある程度、オリンピック後、もう一度、この法律についても見直すというようなのを1個書いていただくようなことも、ぜひ、御検討いただきたいと思います。

【浅見座長】  ありがとうございます。済みませんけれども、次の議題に移らせていただきます。

 続きまして、旅館業法の改正事項として考えられる事項について、御説明をお願いいたします。

【長田課長】  それでは、先ほど御質問いただいた内容とも関連をいたしますが、資料3を御覧いただければと思います。

 先ほど来、新たな民泊についての制度設計について、活発な御議論をいただいたわけでございます。そして、その点につきましては、規制改革実施計画でも明記されております。この資料3の一番上の丸のところ、これは規制改革実施計画の文言をそのまま引っ張ってきておりますけれども、「この新たな枠組みで提供されるものは、住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル、旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の法制度とする」ということが位置付けられているわけでございますが、この「民泊の新法の制定とあわせて、旅館業法の改正というのも必要である」というふうに考えているところでございます。

 実は、既に、これまでの議論の蓄積の中で、中間整理において、旅館業法自体の改正事項として必要な点として、4点ほど御指摘をいただいております。

 1つ目は、宿泊拒否制限規定の見直しということで、新たな民泊については宿泊拒否制限規定を設けないということを掲げて、文書の中に書かれておりますが、既存のホテル、旅館についても、一律に宿泊拒否の制限をかけるということについては、今日的な意義は薄れているのではないかというような御指摘をいただいたところでございます。ただし、例えば障害者差別であるとか、そういった不当な差別的取り扱いが行われないということには留意をする必要がございますので、そういった点も勘案をしながら、合理的なものとなるよう見直す方向で検討すべきであるという御指摘をいただいております。

 それから、2つ目が無許可営業者に対する報告徴収、立入権限ということでございます。今の旅館業法の中で、営業者に対する報告徴収、立入権限というのは規定をされておりますが、今、私が申し上げた営業者というのは、法律上の定義としては、許可を受けた営業者ということになっております。無許可の営業者に対する、今、事実上の行政指導としては、保健所にいろいろ御苦労いただきながら対応いただいているところでございますが、法的な権限としては、実は、十分整備をされていないというところがございます。そういったところにきちんと手当てをすべきではないかということ。

 それから、正しく先ほど御指摘をいただいた、罰則を実効性のあるものにしていくということで、罰金額を引き上げるなど、実効性のあるものに見直すべきであるということでございます。

 それから、4点目、賃貸借契約、管理契約に反しないことの担保措置について検討すべきというようなことについても言及をいただいているところでございます。

 以上は、既にもう中間整理段階で整理をいただいている内容でございますが、それに加えて検討が必要ではないかという点でございますが、これは前回の検討会で北原構成員から御提起をいただいた、ホテル・旅館の営業許可の一本化についてです。ホテル、旅館というものが現行法においては、法律上、定義が異なっておりまして、ホテルについては洋式の構造を主とする、旅館については和式の構造を主とするということで、営業許可形態については別立てになっております。

 そして、政令の中の許可基準についても、例えば客室数の基準というものが、ホテルであれば10室以上、旅館であれば5室以上、そして、面積基準についても、1室当たり、ホテルであれば9平米以上、旅館であれば7平米以上というような形で異なっているわけでございますけれども、近年、洋室も和室も両方あるようなホテル、旅館というのも多数出てきておりますし、和室の洋室化のような展開などもございます。

 そういった中で、営業許可を一本化すべきではないかというような御指摘については、検討課題とすべきではないかということでございます。検討会の先生方の御意見もいただいた上で、この問題についてどう取り扱っていくかということについても考えてまいりたいということで記載をさせていただきました。

 以上でございます。

【浅見座長】  ありがとうございます。それでは、これに関しまして、質疑をしたいと思います。いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【廣岡構成員】  旅館業法をこの機に改正されるということであれば、まず、私が一番最初に御質問したと思いますが、旅館業法の適用除外になるのが、あまり明確になっていないように思われます。この赤い旅館業法についてというのも、病院、特別養護老人ホーム等、他の法律に基づく、目的を達成するためにというふうなことですけれども、適用除外をはっきりさせるべきだと思うのが1点です。まず、それを申し上げておきます。

【浅見座長】  ほかはいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【梶木代理人】  この中で、無許可営業者に対する報告徴収、立入権限の部分でございまして、これは自治体としましては、ここの整理は特にしていただきたいところと考えております。

 また、民泊に関しましても、無届けの民泊に対して同様な立入権限、報告徴収の権限というところもあわせて御検討いただきたいというふうに考えております。

 また、この辺の立入権限を行使したり、苦情の対応、それとあと、インターネットでの民泊の届出とございましたけれども、それのシステムの構築とか、この立ち入りをしたり、あと相談を受けたりという事務量は膨大になるものと想像をしているところでございますので、やはりそれに対する技術的な支援、また財政的な支援については、よろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

【浅見座長】  ありがとうございます。

【高橋構成員】  済みません。

【浅見座長】  じゃ、まず、高橋構成員。

【高橋構成員】  先ほど北原構成員のお話にもあったと思いますし、当局からもお話があったと思いますが、監督とか規制の実効性を確保するということについて、公権力の行使の部分を民間にやらせるわけにはいかないというのは確かだと思います。そこに至るまでの段階については、私は積極的に民間を活用すべきだと思います。この旅館業も、民泊もそうですが、現場の、特に保健所とか自治体に過度な事務負担を負わせることは、財政的なコストの問題、監督のコストの問題もあるので、できるだけ民間を活用する形で制度設計すべきではないかと思います。北原構成員もおっしゃっていますけれども、私も、改めて確認させていただきたいと思います。

【浅見座長】  どうぞ。

【廣岡構成員】  あと1点ですけれども、旅館業の規制の1の5ページのところで、旅館業というのが1カ月以内で、それ以上が賃貸業というふうな基本的な分け方なのですが、この辺も旅館業法ではっきり書かれていないので、わかりにくいところだと思いますので、この辺を明確化した方がいいのじゃないかなと思います。

【浅見座長】  どうぞ。

【末永構成員】  今の御発言に関連してなのですが、現在、旅館業と賃貸の境目が、契約期間1カ月というふうに決められていると聞いているのですが、これはどういう根拠で決められているのか、教えていただけますか。

【浅見座長】  いかがでしょうか。

【長田課長】  これは、通知の中でそういったことをうたっております。法律上は明記されておりません。

【末永構成員】  私の記憶によると、昔、ウイークリーマンションというのができたときに、旅館業界からやはり反発があって、当時として、1カ月を境目にしたというふうに理解しているのですが、海外では、賃貸マンションというのは、ウイークリー、つまり週貸しで貸しているところもたくさんございますし、今、グローバル化が進んでおりまして、人の移動も非常に活発化しているので、この1カ月という旅館業法との境目が現状で適正かどうかということも、もう一度、検討されることを要望いたします。

【浅見座長】  ありがとうございます。どうぞ。

【松村構成員】  今の点です。私の理解では、特区で一定以上の宿泊日数がなければいけないという格好でやったのは、1カ月というのは単に決めでやっただけだから、それを短くすることも原理的には可能との発想に基づいていると理解している。しかし、いろんな理由があって特区以外では1カ月としているわけだから、これをいきなり全国で短くするのはとても難しい。だから特区で実験的にやって、きちんと検証する作業をしてから、本格的な議論をする。こういう整理だと私は思っていました。したがって、当然、1ヶ月の線引きが妥当か否かは将来議論になり得ると思います。ぜひ将来別の文脈で議論していただきたい。

 その認識からすると、先ほど御提案のあった、現在1カ月と整理されているので、法律で明記すべしとの提案がありましたが、そんなことをするとむしろ後退になってしまう。本当に1カ月がいいのかどうかは、長期的には考えていかなければいけない問題なのだから、この段階で、わざわざ法律で現行の決めの線引きを明記する必要はないと私は思います。

 以上です。

【浅見座長】  ちなみに、特区は1週間ですよね。だから、また違う数字になっています。

【松村構成員】  ウイークリーというのも住宅と整理できるという考え方もあるという先程の御発言と、ある意味で整合的だと思います。

【浅見座長】  ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【長田課長】  いろいろ御意見をいただきまして、ありがとうございました。それでは、いただいた御意見に関連して、2点ほどコメントさせていただければと思います。

 旅館と賃貸業の線引きについての妥当性ということでは、当然、論点となり得る部分であろうというふうに思います。ただし、これを議論するということは、これまでかなり長い行政運用の蓄積がある中の話であり、大変影響の大きい話でもございますので、すぐに結論が出るというような性格のものではないと思いますので、まさに松村先生からも御指摘をいただいたように、それとの兼ね合いで、特区という仕組みが提案されたということも踏まえた中で、ある程度、時間をかけて議論をすべきテーマではないかなというふうに思っております。そういったことも含めて、この旅館業法の改正を機に明記をすればいいのか、どうなのかということも、慎重な見極めをしていきたいと思っております。

 それから、体制にかかわることにつきまして、いろいろ御意見をいただきました。1つは、高橋構成員のおっしゃることは極めてごもっともだろうというふうに思っておりまして、全体として、できる限り効率的に、この仕組みをワークさせていくというようなことを考えていかなければいけないだろうと思いますので、そこに民間の構築から有効に組み合わせていくということは当然、考えるべきアプローチだろうというふうに思っております。

 かつ、ここらあたりからは難しい話になりますけれども、制度の実効性を確保していくということにおいて、それぞれの関係者の責務みたいなことをある程度、きちんとしていかないといけない部分。でも、それを事細かにし過ぎると、いろいろ事業を展開される方の負担というようなことにもなって、制度がなかなか動かなくなってしまうのではないかという懸念もあろうかというふうに思います。最低限、譲れない、きちんとやらなければいけない部分と、行政も含めた、民間活力も活用した体制の中で、どういうような形で、実際、体制の強化、支援なども含めたあり方については、非常に難しいテーマでございますけれども、大変貴重な御意見をいただきましたので、しっかり考えていきたいというふうに思います。

【浅見座長】  ほかに。はい、じゃ。

【北原構成員】  先ほどのウイークリーマンションの日数の話ですけれども、1カ月とか、いろいろあると思いますが、借地借家法という大もとの民法の中で賃貸ということの定義が書かれていると思いますし、そもそも、戦略特区の閣議決定がなされたときに、ウイークリーマンションというのが宿泊業だと言われているのは非常におかしいということで、1泊でもウイークリーマンションができるように、きちっと法律でそういうものをつくってほしいということで戦略特区になった。

 我々がずっと商売をしていて、ウイークリーマンションというのは、やっぱり旅館ですよと言っているのは、ウイークリーマンションの中で、いわゆる寝具を事業者の方が提供させているというのは、これはもう宿泊業でしょうと。住宅として1日だけ、1日の賃貸契約でどんどん使っていかれるのは、本人が寝具を持ってきて、あるいは寝具なしのところをお借りになるのは、これは賃貸業ですねと。だけど、寝具を提供されたら業ですねという分け方をしていたのを、業界の方々が、ウイークリーマンションもきちっと認めていただいて、じゃ、戦略特区でやってくださいということになって、ただし、我々も一生懸命、1泊ごとじゃ困るから、10泊とか、最初は1カ月と言っていましたけれども、いろいろ調整されて、7泊とか1週間とかということになったという経緯がありますので、その点は御理解いただきたいと思います。

【浅見座長】  先に手を挙げたので、お願いします。

【稲本代理人】  私も、高橋構成員の発言に大賛成なのですが、熊本で地震がございまして、今も被災者を支援しております。具体的に申しますと、罹災証明の発行は日本中の行政の方々が応援して、県、市のフォローをしていると。ところが、みなし仮設、アパートの借り上げ、この斡旋とか説明とか手続については、我々、賃貸の関係の団体のボランティアを全国から派遣してやっていると。明確に、公の方が出さないといけない通知等については行政の方に、それ以外は、慣れている民間の方々とに分けた方が、より効率的なのかなと。ですから、先ほどの報告徴収とかいろいろございましたけれども、そういうものも考えていかないといけないと思います。

 それと、もう一つ、熊本地震について、私どもの川口が行っていたのですが、もっと早く民泊の数量的な確保ができていれば、早く被災者の方に家具付きの民泊に避難することができたという発言もされていましたので、空きのストックという形で民泊をうまく活用する、旅行者の方に使ってもらう、もしくは地震等が発生したときには被災者の住宅の確保もしくは避難所の確保という形でも効果的なものではないかというように思います。

【浅見座長】  じゃ。

【熊谷構成員】  ウイークリー、マンスリーの関係なのですけれども、私の理解だと、旅館業法という法律の枠組みの中で、生活の本拠のない宿泊サービスの提供をどう考えるかという中で、1週間というようなものであれば、これは賃貸借契約と言おうが施設利用契約と言おうが、これは宿泊サービスを生活の本拠なくやっているというようなことの中で、これは旅館業法で取り込みましょうと。片や、1カ月というような期間になりますと、これは生活の本拠性が出てくるのではないかということもあって、これは賃貸借契約という整理といいますか、宿泊サービスの提供というような、生活の本拠のある宿泊サービスの提供という形では考えないということで、宿泊業から落としたというふうに整理ができるのだろうと思います。

 1週間をどう考えるかというのはいろいろあるかと思いますけれども、これは賃貸借契約で純粋に考えて、旅館業から外すのだみたいな話になってくると、これはまた別のところでいろいろ影響が出てくるわけでありまして、そうなってくると、その媒介をするのは宅建業者でなければできないのかというような話にもつながってくることになりますので、私は、差し当たりの問題としては、現在の解釈の運用で足りるのかなというふうに思います。

 以上です。

【浅見座長】  ありがとうございます。はい、どうぞ。

【高橋構成員】  先ほどインバウンドの増加に伴う量の確保の問題のお話が出ましたけれども、そもそも、例えば空き家の利用ということを考えた場合に、地方で空いているもの、例えば親の物件を相続して、誰も住んでいない住宅を民泊に使えるというのが一番望ましいと思うのですが、実際には、地方にはまだなかなかインバウンド客が行っていないので、そういうところでは、民泊のニーズが実際にはあまりないかもしれません。一方で、東京とか大阪のような大都市圏については、おそらく今ある物件を全部使っても、まだ足りないだろうと思います。実際に今、ホテルなどは極めて価格が上がって、劣悪な使用条件になっているようなところも出てきています。

 そういう意味では、この制度設計をして、これがワークしているかどうか、次の機会に見直すという観点も必要だと思います。私は、この場での検討とは別に、インバウンドの増加にふさわしい宿泊施設が提供できているのかどうかということを、国交省なりに、別の場できちっと検討していただく、そこがないと、本当に制度が動いていくのかということも含めて、答えを出したことにはならないのではないかと思います。

 以上、2点でございます。

【浅見座長】  ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【長田課長】  旅館業等と不動産賃貸業と線引きの関係で、熊谷構成員に補足をいただきまして、済みません、ありがとうございます。熊谷構成員からの御指摘のとおりでございまして、生活の本拠かどうかというところが1つの判断基準になっております。したがって、その借りている間の責任の所在という点で言いましても、賃貸契約というのは、要するに、借りた後は借りた人がいろいろ部屋の管理に責任を負うというのに対して、旅館、ホテル業としてやる場合には、貸す側に責任がある。そこに大きな違いがあるということ。

 それから、先ほど法律上、明確に書かれたものではないという説明をしましたが、若干、補足をいたしますと、実は、旅館業の類型の1つとして、非常に特殊なものに下宿営業というのがございまして、下宿営業はある意味、例外、先ほど言いましたように、1カ月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業ということになっています。ただし、1カ月以上なのですけれども、貸す側がいろいろ管理というか、世話を焼いているわけでございまして、この1カ月以上ということの、ある意味、反対解釈として、1カ月未満の宿泊料を受けるものというのは、通常の下宿営業以外のものについては1カ月未満だと。そういうような考え方に立っているということは、ちょっと補足をさせていただければと思います。

【浅見座長】  ありがとうございます。特に質問がなければ、ちょっと私も質問させていただきたいのですけれども、今回、民泊について、新法で対処するということになりまして、そうすると、民泊がどういうものであるというのは、そちらの法律で規定されると思うのです。例えば、先ほどちょっとおっしゃったように、もうちょっと営業日数を長くしようということで、旅館業法のもとの民泊、民泊と呼ばないのかもしれませんけれども、そういったものに変えようとしたときに、全然違うものであると接続性が悪いということになりかねないと思うのです。そういった意味で言うと、新法ができたことによる、何か必要な旅館業法の改正事項というのも、もしかしたらあり得るかもしれないと思うのですが、これについてはいかがでしょうか。

【長田課長】  なぜ、この議論をしているかというと、今、巷間行われている民泊というのは、現行の法律に当てはめると旅館業法上の旅館、ホテルに該当するということから出発をしていますので、ある一定の部分の民泊というものを別の法制度の体系の中で切り出すとすれば、現行の旅館業法の定義の中から、それを抜くなり、何らかの調整規定を置かなければいけないのだろうというふうに思っておりますので、そこは最低限、必要になる手当てだろうというふうに思っております。

 それと、座長から御指摘をいただいた、異なるものとして整理をするけれども、一定の、例えば人を泊めるとかという行為において共通する部分がある。だからこそ、例えば名簿だとか、最低限の衛生管理というのは、新たな民泊の枠組みにあっても、しっかりやっていただこうという議論になっているわけであります。そういったことも含めて、旅館業法における義務の体系、それから、民泊新法における義務の体系とのバランスだとか整合性ということを見きわめる中で、場合によっては、座長が御指摘のような旅館業法サイドの手当てということを考えていく必要というのは、可能性としては当然あり得るというふうには思っております。

【浅見座長】  ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。特になければ、前半の部分について何か言い残したとか、聞き逃したということがあれば、それでも結構なのですけれども。大体よろしいでしょうか。

 それでは、少し早いのですけれども、本日の議論はここまでにしたいと思います。貴重な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。

 本検討会では、冒頭にも申し上げましたとおり、6月に最終報告書を取りまとめることとしております。次回は規制改革実施計画及び本日の制度設計に関する資料をもとに、本日いただいた御意見も踏まえて、最終報告書の案を事務局において作成いただき、それをもとに議論したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次回の日程等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

【長田課長】  本日も長時間にわたりまして、大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 まずは、今、座長からも御指示がございましたように、次回の検討会に向けて、最終報告書の案というものを事務局として準備をしてまいりたいと思っております。

 あらかじめ、おおむね、私どもが、もう既に座長と御相談をさせていただいて、イメージとして考えている骨格について申し上げますと、既に基本的な考え方だとか総論的なことは、中間整理の段階でかなり御整理をいただいておりますので、総論的な部分では、当然、中間整理の内容をベースに整理をさせていただくということかと思っております。

 それから、中間整理のところでは、当面の対策というものをおまとめいただきましたけれども、その経過としては異例でございますが、その当面の対策について、中間段階でいただいたものを既に具体化しておりますので、そこは具体的に対応した内容に置きかえるような形の報告というふうに整理をさせていただくのかなというように思っております。

 そして、中間整理で、さらに中期的に検討すべき課題ということで、論点として整理をしていただいた部分は、まさしく今日の資料2でありますとか、規制改革実施計画というような形で具体化をしていただきましたので、そういった内容と、そして、資料3で御説明をさせていただきました旅館業法の改正事項と、そういったところを文書という形で落とし込むような形で整理をさせていただくような感じかなというふうにイメージをしています。

 いずれにしましても、なるべく早く作業いたしまして、御相談をさせていただければというふうに思っております。また次回、よろしくお願いいたします。

【事務局(郷)】  本日は、2時間にわたり、熱心な御議論を賜り、感謝申し上げます。

 第13回検討会につきましては、6月20日月曜日、13時から15時、場所は都道府県会館を予定しております。

 これをもちまして、第12回「民泊サービス」のあり方に関する検討会を終了いたします。次回以降もよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)

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