ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 「民泊サービス」のあり方に関する検討会> 第11回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 議事録(2016年5月23日)




2016年5月23日 第11回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 議事録

医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部 生活衛生課

○日時

平成28年5月23日(月)13:00~15:00


○場所

航空会館7階大ホール


○議題

1.規制改革会議の「規制改革に関する第4次答申」について
2.関係者からのヒアリング
  ・株式会社コスモスイニシア
3.民泊サービスの制度設計について
4. その他

○議事

○渡邉(事務局) それでは、定刻になりましたので、ただいまから第11回「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、当検討会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。議事に入るまでの間は厚生労働省生活衛生課の渡邉が進行を務めさせていただきます。

 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、座席表に続きまして、資料が1~4、議事次第に記載のとおり配付させていただいております。不足等ございましたら、事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。

 また、本日の構成員、オブザーバー、関連する省庁からの御出席につきましては、配付の座席表のとおりでございます。本日は、熊谷構成員が御欠席です。また、梅沢構成員は御欠席のため、相模原市健康福祉局保健所長の鈴木仁一様が代理で御出席いただいております。

 また、中島構成員が御欠席のため、神奈川県保健福祉局生活衛生部長の梶木富美恵様が代理で御出席いただいております。

 また、今井構成員、松村構成員につきましては、業務の都合により遅れて御参加いただく予定です。

 冒頭、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの方は御退室いただきますよう、お願いいたします。

(報道関係者退室)

○渡邉(事務局) なお、本日は御用意できるマイクの本数に限りがございます。構成員の皆様におかれましては、御発言いただく際はお近くのマイクをお使いいただきますようお願いいたします。

 それでは、以降の議事進行につきましては、座長の浅見先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○浅見座長 どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の第10回検討会では、最初の30分で議題1の規制改革会議の第4次答申に関する御説明及び質疑応答。次の30分で議題2の関係者からのヒアリング及び質疑応答を行うこととしたいと思います。そして、後半の1時間で事務局からの資料を御説明いただいた後、議題3の民泊サービスの制度設計の意見交換に移りたいと思います。本日も活発な御議論をお願いいたします。

 それでは、まずは内閣府規制改革会議地域活性化ワーキング・グループの安念座長より御説明をお願いいたします。

○規制改革会議地域活性化WG安念座長 浅見先生から御紹介いただきました安念と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 今般、規制改革会議の第4次答申がまとまりまして、先週末、安倍総理にお渡しを申し上げたところでございます。

 資料1を御覧ください。これが民泊に関わります部分でございます。当会議の答申としては異例の長さになりまして、相当制度の詳細に踏み込んだ内容となっております。内容につきましては御覧をいただくといたしまして、簡単に私からまず3点、コメントをしたいと思います。

 まず第1に、この内容でございますが、お読みいただければお分かりいただけますように、基本的には民泊検討会での議論を踏まえてまとめたものでございまして、その内容、方向について当検討会のそれと大幅にというか、ほぼ一致しているものというように私どもは理解しております。

 第2に、年間提供日数の制限につきましては、180日を上限といたしましたが、これは住宅という枠組みの中で宿泊サービスを提供するということを念頭に置いておりますので、住宅であるという以上は年間の半分以上を泊めるのは常識的でなかろうという線を打ち出したものでございます。この範囲の中で具体的にどのように日数を決めるのかということについては、当検討会において適切な御判断、御検討をいただければ幸いでございます。

 第3に、家主居住型の確認。確認というのは家主が居住していることの確認という意味ですが、その手段として、住民票がある住宅という書き方をしてございます。これについては何を意味しているかと申しますと、家主居住型と言う以上は、1人の家主の方、住宅提供者が複数物件を扱うことは想定していないという意味でございます。

 以上3点について、コメントをまず申し上げました。具体的、技術的な内容につきましては、当会議の事務局であります内閣府規制改革推進室次長の刀禰から御説明を申し上げます。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 ただいま御紹介いただいた刀禰でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、第4次答申のお手元の資料1の抜粋部分につきまして、私からポイントを御説明させていただきます。

 この部分につきましては、地域活性化分野の具体的な規制改革項目の1となっているところでございまして、民泊サービスにおける規制改革、28年上期検討・結論、28年度中に法案を提出と書いているところでございます。民泊サービスについては、実態が先行し、政府として早急に適切なルールを策定し、推進していくことが必要であるということで、これは規制改革会議の基本的立場が書いてあるところでございます。

 そして、次のパラグラフは、この検討会について、また簡易宿所の営業許可基準の緩和等について言及しております。

 3つ目のパラグラフにおきましては、2712月に民泊サービスの推進に関する意見を決定・公表したということで、ここまでにつきましては1月の本検討会におきましても御報告させていただいたところでございます。その後、規制改革会議におきましては、本年3月に民泊サービスをテーマに公開ディスカッションを開催するなど、さらに検討を進めてきたところでございます。民泊サービスはITを活用したシェアリングエコノミーの一分野であるということでございまして、そのパラの最後にありますように、このような特性も踏まえ、民泊サービスの新たな規制のあり方を検討することが必要であるということでございます。

 「したがって」から後ろについてが今回の提言の内容部分でございまして、改めまして申し上げますと、この規制改革の答申の各論の部分につきましては、今月末に政府として規制改革実施計画として閣議決定を予定している内容でございます。

 その「したがって」の後でございますけれども、適切な規制の下でニーズに応えた民泊サービスが推進できるよう、以下の1~3の枠組みにより類型別に規制改革を構築するということで、各種の届出及び登録の所管行政庁についての決定を含め、早急に法整備に取り組む。この新たな枠組みで提供されるものは、住宅を活用した宿泊サービスであり、ホテル・旅館を対象とする既存の旅館業法とは別の制度とする、という整理になっております。

 「なお」ということで、法律の施行後、その状況に応じた見直しを必要に応じて行う。「届出」及び「登録」の手続は、インターネットの活用を基本とする。関係者の利便性に十分配慮する。既存ホテル・旅館に対する規制の見直しについても、民泊に対する規制の内容・程度との均衡も踏まえ、早急に検討するとしているところでございます。

 次のページをあけていただきますと、まず「1.民泊の類型」でございます。基本的に今、座長から申し上げていましたように、当検討会の議論に沿っている内容がほとんどだと思っているところでございます。多少具体的な言及がございます。

 まず「(1)家主居住型」といたしましては、要件として、個人の生活の本拠であるということで、これは原則として住民票があるという考え方を示しているところでございます。また、提供日に住宅提供者も泊まっている。すなわち、自分のいつも住んでいる自宅であっても、例えば出張の期間中とかというのは当てはまらないという整理をしております。年間提供日数などは一定の要件を満たすということで、一定の要件としては、既存のホテル・旅館とは異なる住宅として扱い得るようなものとすべきであり、年間提供日数上限による制限を設けることを基本として、それ以外の要件を設けることを排除してございません。半年未満(180日以下)の範囲内で適切な日数を設定する。なお、その際、諸外国の例も参考としつつ、既存のホテル・旅館との競争条件にも留意するとしているところでございます。

 その要件の下で、枠組みとしては、家主の方の届出制で、以下の事項を義務化するということで、利用者名簿の作成ほかの義務が書いてございます。

 その次の○として、住宅として住居専用地域でも民泊実施可能とする。地域の実情に応じて条例等により実施できないとすることも可能とする。宿泊拒否制限については設けないとしているところでございます。

 「(2)家主不在型」につきましては、要件として、個人の生活の本拠ではない、また、個人の生活の本拠であっても提供日に泊まっていない住宅であることということでございます。法人所有のものも含んでおります。年間提供日数などが一定の要件を満たすことというこの要件につきましては家主居住型と同様でございます。

 3つ目が違いまして、提供する住宅において、民泊施設管理者が存在すること。登録された管理者に管理委託、または住宅提供者本人が管理者として登録するということでございまして、家主居住型で御本人がおられる日であればいろいろ対応できる、その分、義務がかかっているわけでございますが、その部分を民泊施設管理者の方に負っていただこうというものでございます。枠組みとしては届出制とし、家主さん自体は民泊を行っている旨及び民泊施設管理者の国内連絡先の玄関への表示というものを義務化するということでございます。その他住宅として住居専用地域の話ですとか、宿泊拒否制限規定については同じでございます。

 「2.民泊施設管理者」でございます。先ほど出てきたものでございますが、枠組みとしては登録制とし、以下の事項を義務化するということで、利用者名簿の作成、保存、以下の義務をかけるということでございます。また、法令違反行為を行った場合の業務停止や登録取消しを可能とするとともに、不正行為の罰則を設けるとなっております。

 3番目に仲介事業者の規制でございます。枠組みとしては、登録制とし、以下の事項を義務化するということで、取引条件の説明、以下の義務がかかっているところでございます。

 また、届出がない民泊ですとか、一定の要件を超えた民泊を取り扱うことは禁止としております。また、法令違反行為を行った場合の業務停止、登録取消しを可能とするとともに、不正行為の罰則を設けるということでございます。

 以上の内容が19日に行いました規制改革に対する第4次答申のうち、民泊部分の各論の抜粋でございます。先ほど申し上げましたが、この内容につきまして与党との協議を経まして、今月中の閣議決定を目指して政府として取り組んでいるという状況でございます。御理解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○規制改革会議地域活性化WG安念座長 私どもが民泊の問題に取り組んでまいりましてから相当期間がたちますが、当初見込んでおりましたものとは違いまして、次から次へと様々な困難な論点が出てまいりました。率直なところ、座長として本当に取りまとめることができるかどうか危惧したこともございます。しかるに、何とかこのような答申を取りまとめることができましたことにつきましては、当検討会の浅見先生初め委員の皆様、厚労省の長田課長を初め事務局の皆様の非常な御尽力の賜物と考えております。その点、一言御礼を申し上げます。

○浅見座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。

 では、まずは北原構成員、お願いします。

○北原構成員 今、刀禰様から縷々御説明をいただきました中で、まず1ページ目の各種届出及び登録の所管行政庁の決定を含めというところでございますが、これは1つの省庁になるのか、あるいは複数の省庁になるということも含めておられるのかという点が第1点。

 2ページ、3ページのところに書いてございます、住宅提供者、民泊施設管理者2つ、それぞれが利用者名簿の作成・保存という一言で両方にそういうように書いてございますが、これは今おっしゃったのかもしれませんが、パスポートのコピーとか対面確認とかという言葉がここには出てこないのですが、それも含んでおられるという意味でいいのでしょうか。

 そして、最後の質問は、民泊施設管理者というものが登録をされる場合、民泊施設管理者になり得る人というのは基本的に誰でもなれるというように解釈するのでしょうか。それとも何か一定の要件を持った人でなければならないとされるのですか。

 以上です。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 では、北原構成員からの御質問にお答えさせていただきます。

 まず、1ページにございます所管省庁の関係でございますけれども、この点については、まだ政府内で議論が進んでいる状況ではないというのが率直な現状でございます。ただし、ここにございますように政府内で早急にこの点を決め、また、その所管省庁を中心に法律の手続をとっていかなければいけないという共通認識がございますので、今後、ここにございますように、28年度中に法案を提出というものが現時点での方針でございますので、そこに間に合う形で所管省庁の決定及び関連する作業を進めていく必要があると思っております。現時点では、その所管が今お話の単数か複数かも含めて何ら決まっているものはございません。これからの政府内での調整にかかるところになります。

 2点目が名簿の確認ということで、名簿の作成、保存ということでございますけれども、この点につきまして、今回、閣議決定をしようと思っているのはこの表現どおりでございますので、具体的な内容については、今後、詳細を詰めていくということを考えております。ただ、関係省庁の間で外国人の場合には旅券番号の名簿への記載とか旅券の写しの保存といったことが必要であろうという議論は出ているところでございます。いずれにしましても、制度の詳細につきましては、今回の答申が閣議決定されれば、その閣議決定を踏まえまして、閣議決定の範囲内で関係省庁で今後調整していくということになろうかと思っております。

 民泊施設管理者につきましては、現時点で言っておりますのは、ここに書いてございます義務を果たして管理をしていただけるということでございます。今後、もちろん法制上詰めていくときに、何らかの欠格要件みたいなものができてくる可能性はございますけれども、基本的には管理ができる方ということでございます。この管理者というところの2ページの下の3でございますけれども、登録された管理者に管理委託、または住宅提供者本人が管理者として登録ということでございますので、住宅提供者御本人であってもしっかりと管理ができるということであればできるということでございますので、特定の方以外が排除されているという形にはなっておりません。ただし、具体的にどういう要件を法令上定めていくかということに関しては、今回の趣旨を踏まえて今後関係省庁で検討をされるものと理解しております。

○北原構成員 今のお答えの中の所管行政庁については今後検討する中で、最後に、既存の旅館業法とは別の法制度をつくるということが書かれていますが、私も法律のことはよくわかりませんが、議員立法とか閣法とかいろいろあるらしいのですが、これは議員立法という意味なのですか。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 ここで別の法制度とするのは法体系上の議論でございますので、議員立法か閣法かというのは政府提案かということでございますけれども、これは提出の母体でございます。そういうことを議論している部分ではございません。

 今回、28年度中に法案を提出という形の今、案になってございますので、これは閣議決定されれば、政府内の理解といたしましては、政府としてそのために必要な法改正を国会に御提案申し上げるという趣旨でございます。

○浅見座長 それでは、川口構成員、お願いします。

○川口構成員 この前、参入のときにコストが合わないという話をしたのですけれども、恐らくこの案であれば、一般参入は激減するのではないかと思っております。私は、20年ぐらい東京に出張していて、年間で110日ぐらいホテル住まいなのですが、このままではホテルの予約が取れなくなるのではないかとすごく不安です。

 もう一点が、これは質問ですけれども、180日の使用の場合、私は家主の会の代表で来ていますが、サービス業者に物件を貸しているケースもあるわけです。では、1年で180日を2社に貸した場合は逆に360日使えることになりますが、それは可能でしょうか。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 お答えをいたします。

180日を上限として適切な日を設定すると先ほど申し上げた御説明は、住宅として住宅専用地域も可能とするという今回の制度の趣旨にのっとった考え方でございますが、今、御質問のありました180日を自社にということでございますけれども、これは住宅提供者の住宅ごとに年間で180日以下という考え方でございます。ですから、一応関係省庁間で確認をいたしましたのは、例えば間をあけずに連日であれば泊まる方は変わってもいいのですけれども、179、約180日になりますし、仮に一泊二日でその翌日は休んで、1日おきでお客さんが見えるという形であれば、90180日ということになり得るということですので、誰に貸すかではなくて、その住宅自体が何日稼働しておるかという考え方に基づくものでございます。

○川口構成員 よくわかりましたけれども、宿泊日数の管理ができないのではないかとすごく心配しています。結局、どこかが管理しないとこうした事例は出てくると思います。ここだけはつけ加えておきます。

○浅見座長 ほかになければ、ではどうぞ。

○北原構成員 今の議論でございますけれども、いわゆる個人の住宅を使って宿泊サービスの提供をするという、民泊をこのように定義されている中で、当初は住宅の一時使用というような表現もどこかで書いてあったように思うのですが、それだったら我々業界が今、要望していますのは、昔から社会通念上、旅館業と賃貸業の違うところは、賃貸業というのは1カ月の家賃収入を求めて、1カ月というもので区切って、1カ月以内の1週間であるとか2日、3日のものは全て宿泊業という分類で区切っていますから、やはりそういう1つの基本的なルールの日本的な慣習からいいますと、30日というものが1つの区切りで、それがビジネスになるかならないかは別の問題でありまして、ビジネスとして考えれば年間フル稼働されるのがいいに決まっているわけですから、そういった意味では、それは議論がまた別の世界でありまして、民泊というものを個人の方が自分の住宅を給与所得やその他の事業所得以外のささやかな副収入として得られることによって、この経済効果があって、国民の財布が豊かになるというところからシェアリングエコノミーというのはスタートしているのだと思いますので、この住宅の具体的な日数は180日、いろいろ議論はもちろんありますけれども、この中に具体的に180日を点とするような表現ではなしに、あくまでも営業日数には制限を設けるとだけ書いていただく方が、議論に固定観念を180というところで切られるということに抵抗を感じますし、諸外国の例を見ても180日というのは完全にプロのビジネスの世界ですから、そういう意味ではこの180日という数字が入ることに疑問を感じております。

 この間の京都市の実態調査の中で、我々組合も協力をして実際に民泊をおやりになっている方、京都、大阪あたりの方などは、もう既に、1日ごとにやる方が絶対いいに決まっていると、長期滞在のお客さんよりも1泊のお客さんを優先した方がいいし、もう大阪や東京の一部の民泊を不法で、あくまでこれは不心得な方がやっておられる民泊は、もう既に1泊どころか時間で売っているいかがわしいところもたくさんございまして、東京の新宿あたりにはそういったところもあると組合員からの電話が入ったりもしておりますから、ビジネスとしてペイしようという考えに突っ走っていきますと、1カ月より1日ごとに売った方が儲かる、1日よりも1時間ごとに売った方が儲かるという、これは経済の論理的には正しい判断でございますから、そういうところが外部不経済を及ぼして近隣の住民の方に不安を正に募っていくということに歯止めをかける意味でも日数制限というのはきちっとした形で議論をされるべきだと思いますし、問題は、この180日であろうが、何日であろうが、それを本当にきちっと検証できる仕組みがつくれるのですかというところで、前回のこの会議の中でも私は提案させていただいたのは、住宅提供者の方が個人事業主として税関係のところに登録をしていただくということが税の補足とか収入所得を捕まえる上では一番いい方法ではないかなと思ったのですが、あまり皆さんからこの提案については一顧だにされなかったのですが、税務当局に言わせると、個人事業主に登録していただいて、きちっと確定申告をしていただくのが一番筋であるとおっしゃられたので、この点もぜひ御検討の中に入れていただきたいと思っております。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 180日の部分でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、年間提供日数上限による制限を設けることを基本として180日以下の範囲内で適切な日数を設定するという考え方で、先ほどの住宅としての性格ということから半年未満という考え方を出しておりますけれども、具体的な内容は正に今後の検討会、さらには政府内での調整ということかと思っているところでございます。

 また、税当局との話がございましたけれども、今回のスキームをその観点から見てみますと、住宅提供者は居住型であれ、不在型であれ、届出制ということになってございますので、まず行政庁、この所管省庁もまだ決まっておらないわけでございますけれども、いずれかの行政庁に届出をしていただくことになります。こういった行政庁に届出をされた情報につきましては、例えば税務当局であれば、必要があればその行政機関に協力を求めてその情報を確認することは可能でございます。また、今回、具体的に書いてございますけれども、家主居住型のところにもございますし、あと民泊施設管理者とか仲介者のところにもございますけれども、行政当局への情報提供義務というものがかかっておりまして、その中に保健衛生、警察、税務というように書いているところでございます。

 ですから、そういった方々は税務当局へも情報提供義務をかけるべきだという考え方でございまして、この具体的な制度の設計はこれからでございますけれども、そういった形の中で課税上も必要な民泊の情報についてはチェックできる体制がとれると考えているところでございます。詳細につきましては、今後の制度設計の内容如何と思っております。

○浅見座長 ほかにどうぞ。

○高橋構成員 確認ですけれども、家主不在型の場合の住宅提供者については、個人であるか法人であるかは問わないということですが、非居住者かどうかということは問題になるのでしょうか。そこは特に区別はされていないのでしょうか。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 今後、法制上は詰める必要がありますけれども、少なくとも今回の答申におきましては、居住者、非居住者の区別はとっておりません。他方で、不在型の家主さんの義務といたしまして、届出をした上で民泊施設管理者の国内連絡先の表示を義務化するということでございますので、国内の中に管理者がおられるという形を担保しようという仕組みでございます。また、そういった形で管理をきちっとされない方は、逆に民泊施設管理者につきましては業務停止とか登録取消しとか、そういった点でまた担保していくという考え方でございます。

○浅見座長 どうぞ。

○三浦構成員 参考ということでお聞きしたいのですが、この180日というのは恐らく実利用日数を考えておられると思うのですが、捕捉の仕方の問題としては、例えば募集をサイト上にかけている。その募集の日数として上限を180日にするという考え方もあり得ると思うのですが、そのあたりは何か規制改革会議の中での議論はあったのでしょうか。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 具体的なやり方についての議論は我々事務局として特に承知はしておりませんけれども、今回の中では、1つは先ほどの仲介事業者の枠組みのところにございますが、年間提供日数上限など一定の要件を超えた民泊を取り扱うことは禁止するという考え方でございますので、裏腹としては、仲介事業者は自らが取り扱う住宅について何日あるかを少なくとも確認はすることは当然必要になってくると思いますし、万が一そこで虚偽の問題があれば、その方は恐らく登録しないということになると思いますし、逆にそれを登録せずに超えていることを知っていながらやっていれば、仲介事業者自身が業務停止なり登録取消しということになりますので、最終的にはそういう形で提供日数が確認され、瞬間としておかしなことが起こる可能性はゼロではございませんけれども、おかしなことが持続することはないという仕組みかと思っております。

○三浦構成員 よくわかりました。ありがとうございました。

○浅見座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○北原構成員 すみません、今のことですけれども、営業日数を事前にいつといつと営業いたしますということを届出しなくてもいいのですか。

○内閣府規制改革推進室刀禰次長 そういった議論はまだ詳細は行っておりませんけれども、事前に届け出るというよりは年間提供日数を守っていただくという考え方でございますので、その確認については、御本人のところと、今、申し上げましたような当然管理者もありますし、仲介事業者もある、そういった方々がチェックをしていくという考え方でございます。具体的な制度の詳細については、今後検討されるものと思っております。

○浅見座長 ほかはいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。なお、安念座長、刀禰次長は所用のため御退室になります。どうもありがとうございました。

 次に、株式会社コスモスイニシアの市場・事業戦略部長執行役員、藤岡秀樹様及び株式会社コスモスイニシアのR&D事業部事業推進部宿泊事業課長、田中壮作様より、御説明をお願いいたします。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 コスモスイニシアの藤岡と申します。よろしくお願いします。

 コスモスイニシアと申しましても、頭にすぐこういう会社と浮かぶ方は少ないと思いますので、簡単に補足だけさせていただきますと、弊社はもともとリクルートグループの中におりまして、リクルートコスモスという名前で活動しておりました。その後、リクルートと資本関係を解消して、現在は大和ハウスグループの中で事業をやっているという会社でございます。住宅系を中心にした総合デベロッパーということで活動しておりますので、今回も住宅デベロッパーとしての視点から発表させていただきたいというように考えております。

 めくっていただいて、サマリーになります。今日はこの順番で発表させていただきたいと思っておりますが、15分程度かなというように思っておりますが、よろしくお願いします。

 まためくっていただきまして、コスモスイニシアについてというところでございます。私どもは、40年以上、創業から四十数年経っておりまして、例えばマンションであれば2011年に供給戸数10万戸を超えたというような供給をしております。10万戸を超えている会社は私どもと三井不動産、大京さん、あとは野村さんとか住友さんが超えたか超えないかぐらいの数だとは思っております。なので、住宅デベロッパー、マンションデベロッパーの中ではかなり過去供給してきた会社でございます。こういった住宅の分譲事業以外にも賃貸事業であるとか仲介事業であるとか、そういったものも経営をしております。

 続きまして、次のページに参ります。

 左側に会社概要と、右側に会社としての機能、これは系列会社を含めた機能でございます。まず、土地を買ったりコンサルタントを行ったりする部門から、デザイン、建築・設計、あと不動産の販売・仲介であるとか、賃貸事業、グループ会社には設計・施工を行える会社、建物の管理、共同住宅、集合住宅、区分所有マンションの管理を行っているという会社までございます。基本的にはこういったオーナー様であるとか、そこに住まわれる居住者の皆さんに一番近い立場、また賃貸契約であるとか管理の約款であるとか、そういったものに関して一番詳しく相談相手になれる立場というようには考えております。

 現状も民泊に対するような相談といいますか、何かよくわからない人たちがたくさんいるとか、そういった問い合わせは日々すごくて、その対応に我々自身も今、追われているという状況でございます。今回、そういう我々の立場から、今日は御提案させていただきたいと考えております。

 続きまして、次のページに参ります。

 今までの議論の振り返りというところで、前回までの議論を踏まえまして、本日の発表の論点を明確にしておいた方がいいかなと思っております。民泊を行うには、民泊サービスの利用者と施設の提供者及び周辺居住者にとって一番望ましい実施形態を考えるというものがポイントだとは思っております。それに当たっては、下に5つポイントを挙げておりますが、これらに関してどういうように対応できるかということを考えるのがまず大切だというように思っております。

 1つ目は、民泊施設として必要な衛生管理。

 2つ目は、本人確認とか施設利用説明であるとか、あと民泊利用者に対する管理です。そういったものでありますとか、災害時の緊急対応をどうするのだという話。あと近隣自民を含めたところのトラブル対応。これは同じ建物内だけではなく、周りのその町のいろいろなところからの多分苦情とかも考えられると考えておりますので、そういったときはどうするのだといった問題。あとは賃貸借契約や管理約款とか、その施設の利用をするに当たっての制限的なもの、使用条件を一番知っておかなければいけないということが大切ではないかというように思っております。我々とすれば、デベロッパーや、あと管理会社を含めた観点からいいますと、サービスのあるべき姿に対して割と意見が言える立場といいますか、日々やっている仕事の延長線ではあるかなと考えておりますので、次にそれの御説明に入りたいと思います。

 共同賃貸住宅における不動産賃貸借モデル、あと民泊スキームとの比較というところのページでございます。これは我々が行っている賃貸借事業、賃貸事業のモデルを書いてあるのですが、我々、当然所有している建物、マンションであるとか、そういったものの部屋も自ら貸し主で貸してはいるのですけれども、数的に多いのはサブリース契約でオーナー様から建物を一括で借り上げまして、それで私どもが貸し主として賃借人、そこに住まわれる方々に貸しているという姿で事業を行っております。

 賃借人の募集に関しては、外部の仲介業者さんにお願いしまして募集をかけておるのですが、実際の入居審査であるとか、契約であるとか、あと解約に当たっては、我々の方が自ら動くという体制にしております。

 あとまた建物の保守管理とか緊急対応、こういったものはグループ内の管理会社で行っております。これはどういった機能だということを下に細かく書いてあるのですが、例えば本人確認も反社会的勢力ではないかどうかというところまで含めて本人確認をして契約をしております。

 あとサブリース契約の場合とか特にそうなのですけれども、ペットを飼っていいとかだめだとか、例えば大きな楽器類、ピアノを入れていいとか悪いとか、そういったものに関してのオーナー様のまず希望がありまして、それを入居希望の方に伝える、ちゃんとそれの同意を得るという作業も行っております。また、そういったものに同意が得られない場合は契約拒否ということも行っております。

 先ほども少し話をしましたけれども、賃貸借契約の内容を把握しているので無断賃貸借への注意ができるというところで、オーナー様から転貸はだめだと、コスモスイニシアから直接貸すのはいいのだけれども、そこからまたさらに転貸とか、そういったものは基本的には普通の契約であればそれはだめだとなっておるのですが、民泊とかそういったものも中には最近出始めておりまして、それに関しての注意であるとか指導であるとか、そういったものを今、我々としては行っているという立場でございます。

 あと、防災を含む適切な建物管理というところで、建物の構造、設備、消防の知識を得た管理人を置いているというところでございます。これは次のページから細かく書いてあるのですが、建物の管理の知識を得るために研修をかなり行っております。それで無駄のない対応ができる、スピーディーな対応もできるということをやっております。最後に危機管理体制として24時間稼働しているコールセンター、こういったものも備えております。一番下に書いてありますけれども、弊社における不動産賃貸借の仕組みは、検討会で御議論されているスキームと基本的に同じと考えております。

 次のページになります。共同賃貸住宅における管理・対応能力というところでございます。なお、写真とかビジュアル関係に関しましてはパネラーの方々のみの開示とさせていただきますので、御了承いただきたいと思います。

 まず、左側にコールセンターでございます。これは故障、トラブル、そういったものを24時間体制でここに集めるというようになっております。右側にありますのが研修施設でございます。ここでいろいろなシミュレーションを行いながら、管理人の研修、教育を行っているということでございます。

 次のページに行きまして、危機管理能力の研修というところで、左上は救命救急の訓練。これはまたAEDの使用のシミュレーションであるとか、そういったものもちゃんと行っております。その下は、高齢者疑似体験キットというものがございまして、おわかりにならないかと思うのですけれども、例えばゴーグルみたいなものをつけて視界を狭くしたりとか、前を見にくくしたりするとか、あと手足に重い負荷をかけて歩きにくくするとか、膝が曲がりにくくするとか、例えば高齢者だとこういう体の動きになるよというものを疑似体験できるというキットがございまして、こういったものも管理人につけていただいて自分の管理しているマンションで、例えば大丈夫だと思っていたサインが実は高齢者からすると非常に見にくかったとか、全く関知していなかった小さな段差も高齢者には大変だったのだといったものもわかるような研修もしております。

 右側は火災通報設備と消火設備になっております。これも年代ごとに全部機器の仕組みなり性能なりが違ってきておりまして、これも年代別にいろいろなものを全て集めまして、どの年代の賃貸マンションの管理になってもそれが対応できるというようにこの研修所では研修をしております。これは消火設備も同様でございます。

 次のページに行きまして、衛生管理というところに参ります。基本、賃貸マンションなのまで清掃やごみ出しというものは当然のごとく行っておるのですが、そのほか、受水槽や給排管の点検、あとトラブルが対応できるようにというような研修であるとか、ごみ置き場であるとか、そういったものの重点清掃をする場所もちゃんと清掃しているということになっております。私どもは大和ハウスグループなので、大和ハウスグループの中にホテルを経営している会社もございまして、この管理会社であれば大和ハウスグループのホテルの各部屋の居室の清掃というところも請負うところまでできる能力を持ってございます。

 次のページに参ります。我々のやっているのは家主不在型民泊スキームというようなところに当たると思いますので、そのスキームを現在我々がやっている賃貸マンションのスキームに当てはめてやるとどうなるかというところを書いてございます。結論から申し上げますと、賃貸住宅のビジネスモデルを応用することで、宿泊者の管理や居住者の対応、あと緊急対応というものが基本的には可能であるとは考えております。

 ここにそれぞれ項目を書いておりますが、まず、オーナー様から委託契約を受けて、例えば弊社がそれを宿泊者の皆様にプラットフォーマー、これは外部の業者にお願いして、それを客づけしていただき、当社の方で本人確認とか規約や注意事項の説明であるとか、鍵の引き受け渡し、あと苦情の受付けといったところが対応できるというように思っております。

 また、緊急時の対応も先ほど申しましたような24時間のコールセンターであるとか、そういったものの運用で、宿泊されている方々への対応はできるかなというようには思っております。

 ただ、一番下の青い枠で書いてありますが、基本的には対応できると思っておるのですが、現状の法規制をホテルとか旅館と同じ法規制の中でこれを行えと言われると非常に限界がある、無理があるかなとは思っております。

 それは次のページに、共同賃貸住宅の民泊には厳しい現状の基準についてというところで、これは消防法と旅館業に関してまとめておるのですが、例えば全部の行政ではないと思うのですけれども、我々が民泊に供する部分を、例えば50戸のマンションで一部を民泊にしたいなというところで、行政に確認に行きます。そうすると、一部それを民泊に使うのであっても全体を変更しなさいというような指導をされるケースが非常に多いのです。例えばそれが1戸でも2戸であっても全体を変えなさい。

 では、何を全体で変えなければいけないかというのはその下に書いてありますけれども、スプリンクラーの設置義務。これは例えば11階以上の集合住宅であれば全館スプリンクラーを設置しなさいとなっています。マンションであれば、これは11階以上の部分がスプリンクラーを設置しなさいという指導をされるのですが、ホテル・旅館となると全館設置しろ。これは非常なコストがかかる工事になります。あと火災報知器の設置義務。これも全館鳴動。マンションは、住宅の場合は規制緩和されていて、そのフロアだけの鳴動になっておりまして、全館鳴動するようには通常の賃貸マンションとかというものはなっていないというものがあります。あと火災報知器でありますとか、非常警報設備でありますとか、ここに書いてありますけれども、本当にこれが実際必要なのかというところでも細かく規制されているというような状況であります。

 旅館業法に関しましてもいろいろな規制をされておりまして、一番困るのが一貫された基準がなくて、保健所であるとかいろいろなところに相談に行っても、エリア、行政区によっていろいろ対応が違うというのが非常に我々も今、困っている状況でございます。

 先ほどの議論の中で180日の日数規制というものもあってそれを聞いていたのですけれども、家主居住型の一戸建て住宅であるとかそういったものであるとそうするしかないかな。住宅という用途を担保するにはそうするしかないかなと思うのですけれども、我々がやっているような家主不在型の賃貸マンションであるとかそういったものの転用となると、こういう規制があって、さらに新たに180日という規制がかかると、実際問題、できないなというように思っています。

 例えば住宅を担保するのであれば、賃貸マンション50戸であれば、それの使用されているものの過半を民泊で使わない。例えば24戸まで民泊で使うならそれは住宅で認めましょうとか、それであれば多分フロアごとの工事とかということもできると思うのでかなり負担が減るのかなと思っております。なので、単純に日にちで区切るというのは家主不在型の民泊に関しては再考をお願いしたいなとは考えております。

 最後になりますが、まとめで書いております。この検討会で議論されております民泊の実施スキームにおいて、適切な管理者によって実施されることは弊社にとっても賛成でございます。安全かつ適正に管理できるというように考えております。

 先ほどからお話もしていますけれども、我々、オーナー様に無断で民泊とか貸されているものに関して今、対応している最中なのですが、それにあわせて、当然行政に通報することも可能なので、今後、もしそういうような制度ができれば適切に取り締まっていただければと要望したいと思っております。

 我々からは以上でございます。

○浅見座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見がありましたら、お願いします。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○消防庁鈴木課長 消防庁でございます。

 今、御指摘いただきました10ページの資料で消防法関係について何点か御指摘がございますので、少し御説明をさせていただきたいと思います。

 これまでも消防法の考え方については皆様方にも御説明してきたとおり、共同住宅の居住者といわゆる民泊部分に泊まられる方の火災のリスクの違いというところについては、恐らく御説明いただいたコスモスイニシアさんも御理解されているかと思いますので、繰り返しは御説明いたしません。その上での御説明でございますが、先ほど50戸中の一部、1戸でも民泊に使った場合、全部にいろいろな設備の設置義務がかかるという御指摘でございますが、例えばスプリンクラー設備について書かれておりますけれども、大都市の6,000平米以上というところは、普通のホテルとかであれば6,000平米以上でスプリンクラーはかかるのですが、一部民泊に活用する、ないしは一部ホテルに活用する場合は、当該民泊とかホテルの用途部分の延べ面積で算定しますので、延べ面積6,000平米ではなくて、基準は3,000平米を上回るかどうかというところで御判断いただくという運用だと御理解いただければと思います。また11階以上の住宅等につきましても、共同住宅やホテルにつきましては、火災時の延焼拡大や煙の拡散を防止するような構造になっているものについてはスプリンクラーが不要という運用になっているところでございます。本件についても共同住宅の一部を民泊に活用する場合については、同様の考え方で対応することは可能ではないかというように考えております。

 したがって、安全を確保できるものについては共同住宅部分については従前と変わらないし、民泊部分等についても同じような形になります。また、民泊部分の用途が300平米を下回ったりとか、ないしは建物の延べ面積の10分の1を下回る場合については、そもそもスプリンクラーの義務がかからないというところなどもございますので、細かいお話をしていくといろいろあるのですけれども、そういうようによく私どもに御相談いただくとか、消防本部さんと御相談いただく中で制度を十分に御理解いただくとそんなに大きな問題にならないのかなと思います。例えば自動火災報知設備も前に御説明したように500平米以上は既に義務付けになっているので、それ以下のものについてどうするかという話ですし、さらには消防機関へ通報する火災報知設備も500平米以上というのはあくまでも民泊の用途が500平米以上かどうかというところでありますし、なおかつ、電話とかでそれに変えることができるという運用もしています。

 非常警報器具については、通常、自動火災報知設備がついていれば不要であるという形で運用されておりますし、さらには誘導灯につきましても上階への延焼拡大とか、煙の拡散が防げるような構造である場合については、民泊の用途に供されているフロアのみつけていただければ構いません。危険性に応じた対策をとってくださいということで、それ以上の過剰な対応を私どもは求めていこうとは考えておりませんので、そのあたり、誤解がないようにぜひ消防本部の方々と打ち合わせいただき、必要であれば私どもに御相談いただければ、そういった誤解は解けるものと思います。ただし、少なくとも民泊の危険性に着目した安全対策はしっかりととっていただきたいということは繰り返しお願いをさせていただきまして、誤解がないように我々も努めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○浅見座長 どうぞ。

○北原構成員 コスモスさんが事業者、オーナーの方から委託を受けて、委託契約を結んで民泊をおやりになる。オーナーの方はゲストから宿泊代金を取られる。その管理委託の契約の中でどれぐらいの委託手数料をお取りになるのですか。

 我々が調べました民泊、実際に無許可でおやりになっている方々なのですけれども、要するにAirbnb社などが専門に予約管理から部屋のいろいろなことまで全部やりますという業者の方は、ほとんどは宿泊代金の25%をオーナーの方から管理委託料としてお取りになっている。プラス、リネンまでやる場合はリネン費用は別途いただきますというと、ものすごいオーナーにとっては負担なわけでございますね。ビジネスで考えると、最近、書店へ行きますとハウツー本といいますか、民泊で儲けるコツを伝授しますなどと書いてあると、これは管理委託会社に渡していたら、大変失礼なのですが、25%をとっているところに対してはぼったくりみたいな商法だから、自分で予約管理から、そんなものは民泊をやる限り個人が自分でやるから儲かるので、管理を委託などしていたらとても儲からないというような書き方が私の読んだ3冊ぐらいの本の中には全部書いてあったのですが、その点はいかがでございますか。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 まず、これは私どもの民泊の提案スキームなので、まだ実際にやっている話ではございません。なので、細かく何%取ろうとか、そういうものもまだ決めておりません。今まさにおっしゃったとおりで、多分いろいろなところに外部で発注するお金を払っていると、そんな民泊だと言っても儲かる仕組みはないと思っているのです。我々としては、今まさにこういう会議で規制をどこまで緩和するのだとか方針が決められておりますので、それが決定した段階で、実際我々として事業できるかどうかというところから判断して、オーナーさんに話をして、実際、賃貸マンションと同じぐらいのレベルの収入しかオーナーさんに出せないのであれば、オーナーさんは多分そんなものは民泊にする必要はないという話になると思いますから、その辺、賃貸マンションと比べてどれぐらいの上値があればオーナーさんが興味を持っていただけるのかとか、そういったことについては今後入ろうと思っておりますので、まだ我々としてはそこまでの段取りは進んでいませんので、すみません。

○浅見座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○三浦構成員 確認なのですが、先ほど180日という利用日数を設けられてしまうとやれないだろうという話がありましたが、50戸の中で1戸でも民泊があると全部にスプリンクラー設置義務とか、そういう改装工事をしなければいけないという前提に立っていたように伺ったのですが、消防庁のお話から、そうではないのだというような前提に立った場合でも180日という利用日数ではなかなか難しいところなのでしょうか。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 その民泊に適用されるための工事を行う、どれぐらいの、行う、行わないはあるのでしょうけれども、それがないにしても、180日、要は半分以下の使用期間となると多分細かく計算しないとわかりませんが、事業者として、採算は合わないとは思います。単純に部屋を貸すときも、それこそテレビだとかベッドだとか机だとか椅子だとか、いろいろなものを宿泊に対応できるだけのものもそろえないといけないですし、人もそこで雇ってということにもなりますから、それが実際、半分以上は休んでいる期間ですとなると、多分オペレーション的にも事業採算的にもまず合わない。先ほども川口構成員もおっしゃっていましたけれども、多分合わないと思います。

○三浦構成員 もう一点ですが、その議論というのは、住居専用区域にある空き家を民泊に利用するという前提に立っている議論だと思うのですが、仮に住居専用区域外の不動産を民泊に利用していこうといった場合にはあまり利用物件がないということなのですか。

 つまり、住宅であるという前提を持つのは、住居専用区域にあるマンションや何かについても民泊を普通に営業させたいという意向が前提にあるようなのです。逆に住居専用区域の民泊を認めないという前提に立ってしまった場合に、住居専用区域外の利用できるマンションというのは、あまりないということなのですか。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 そんなことはないと思います。特に我々のようなマンションデベロッパーの立場からすると、それこそ閑静な住宅エリアでマンションを建てるなどというと大変な作業がありますから、住民に建築計画の周知をするのから始まって、反対運動もあるかもわかりませんし、多分同じようなことも起こりかねないな。この環境がいいから小さな子供をここで育てようと思ってここに住んでいるのだという人も必ず住宅地域の中にはいらっしゃいますから、そこに多分実際どうかは別として、外人観光客がぞろぞろ歩いてくるなどはあり得ないというようなことも十分考えられると思うので、そこを周知徹底しながらやるというのはやるしかないのでしょうけれども、住居地域に限らなくてもそれ以外にもマンションはそれこそ容積率の高いところにはマンションはたくさん建っていますし、賃貸マンションもあるはずですので、それとか大通り沿いですね。環七、環八なども正にそうですけれども、大通り沿いとかそういった容積率の高いところにはマンションがかなり建っているので、そういったものの転用だけで結構な数は行くのだろうなとは思っております。

○三浦構成員 どうもありがとうございました。

○浅見座長 ほかにいかがでしょうか。

 では、どうぞ。

○北原構成員 今のお話を聞いていて私はつくづく思うのですが、結局日数制限、180日、たとえ年間の半分でもあまりペイしないという発想に立つと、今、何だかんだ言いながら、まだ何もルールが決まっていないのに、これだけ民泊、違法におやりになっている方がどんどん増えている。京都市の調査でも、誰がやっているのかわからないところもいっぱいあるから調査も進まないという実態で、これは例え年間365日をオーケーにしても、実際、ビジネスとしてペイしていくのは、家主が戸建ての住宅で全く余っているからやられるのなら収入として確保できると思いますけれども、この基本的に180日でもかなり厳しいということになると、結果としては違反業者がまた増えるだけのことで、国家として犯罪者をつくるような制度をつくること自体がものすごく疑問を感じるわけでありまして、集合住宅、共同住宅の中の一時利用などというビジネスモデルそのものが非常に反社会的勢力と結びつきやすいし、安全を阻害する大きな要因の産業にずっと行ってしまうような気がしてならないので、今のお答えを聞いていて、つくづくそういう思いがいたしました。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 先ほどもお話ししましたけれども、そんなに簡単に儲かる商売でも何でもないので、それが稼働できる日数が半分になると多分難しいと思うのです。ちゃんと計算していないからわからないのですけれどもね。我々としては、そういう日数制限とかではなくて、これはもう日数制限、先ほどもおっしゃっていましたけれども、住宅としての用途を担保するためなのだと。だから半分以上、年間200日とかそういうものがだめだとおっしゃっていたのですが、では、日数制限ではなくて、1棟の建物の中で住宅以外に使っている用途がこれだけ、住宅は過半の用途で使っています。こういう床面積か何かの区切りでもって、例えば10階建ての建物の下3層は民泊で使っている建物。これに関しては、残りは全部住宅で使っているので、これは民泊のサービスを認めようとか、そういった方向に何とかやっていただけないと、我々も中途半端に消防の対応とか工事とかしてやるのも嫌なので、その部分だけはきっちりとした安全性が保たれた形態にしてできればなとは考えておるわけでございます。

○浅見座長 どうぞ。

○今井構成員 今の日数ではないというところに関連してなのですが、資料の4ページのところで、青で抜いてある最後のところで、賃貸借契約や管理規約等、その他施設の使用条件に対する知見ということでお書きになっております。マンションのデベロッパーとしての御経験から、この資料ではあまり詳細には書かれていないような気がするのですけれども、一旦マンションとして販売した、そして空き家が増えているような物件につきまして、どういうような点を考慮すると管理規約が変更されて、その何分の1かで民泊に提供するように他の住民の方が賛同されるとお考えなのか、その辺の見込みなどを教えていただければ参考になると思いますので、お願いします。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 管理規約が変更とは。

○今井構成員 これは区分所有の場合には、転貸の禁止がついているところもあるでしょうし、管理組合の同意を得るところもあるでしょう。それが今後、流動的に多くの方が入ってくる際には規約を変えないと対応できないと思うのですけれども、そういうところを元々マンションを販売されていたという御経験から、どういうところを変えたら実際に動くような規約が考えられるのか、考えられないのかです。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 多分、一般分譲マンションとしてファミリータイプのものに関しては無理だと思います。それは、お子さんであるとか、いろいろな方がいらっしゃいますでしょうから、そこを民泊対応にしていいよとなるのは想像がつかないなと思っています。ただ、例えばほとんど投資家が持っているワンルームマンションであるとか、そういったグロスの小さなマンション、賃貸用につくられているようなマンションであれば可能性は十分にあるのではないかなとは思います。

○浅見座長 大体よろしいでしょうか。

 では、最後、どうぞ。

○高橋構成員 すみません、議論を整理させていただきたいのですが、オーナーがいて、御社と管理委託の契約を結ぶときには、その物件を民泊として貸すということではなくて、要するに賃貸として貸すという契約ももちろん可能なわけですね。だから、180日の制限があったときに、残りの180日は賃貸で使ってもいいわけですね。収入がゼロということではないのですね。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 それはいいのですけれども、多分、川口構成員とかおわかりだと思いますが、それは無理です。あり得ないというか、家の建替えだとか、中にはいらっしゃるかもわからないですけれども、180日だけ貸しますから借りませんかという貸し方というのはちょっと。

○高橋構成員 そうではなくて、元々賃貸として貸したい。だけれども、そこで借り手がいない期間がある。その期間を民泊で貸したい。その発想からいくのではないのですか。元々賃貸で埋まっていれば賃貸で貸せばいい話ではないのですか。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 オーナーさんに、多分民泊で貸しますよ、そこで宿泊の営業をしますというのは、ちゃんとお話ししないといけないと思っていますし、仮にずっと空いた部屋があって、これを民泊で使用しますかどうですかというのは、また別の話としてちゃんと合意をとらないと、それは勝手にはできないと思っています。

○高橋構成員 もちろん勝手にではなくて、要するにオーナーから委託を受けたときに、賃貸で収入を上げるか、民泊で上げるか、あるいはその比率をどうするかというのは管理会社に任せるというようなタイプの契約にはならないのですか。

○株式会社コスモスイニシア藤岡執行役員 ならないですし、あと我々もそうなのですけれども、賃貸マンションとして世の中に出しています。例えばコスモスイニシアが貸し主です。それによって、ファミリーの方々が安心して、普通のデベロッパーが貸しているということになると、この会社は多分変な人には貸していないだろうというのもあって借りているという人も多いはずなのです。そこにある日突然、民泊をやりますよ、などという話で貸すというのは、我々としてもできない話で、それを、もしやるのだったら、借りている人々全員に集まってもらって理解を求めて、それでもオーケーだよという話がない限りは、とても貸せないと企業としては思っております。

○高橋構成員 そうではなくて、条件が厳しくて貸せない分には、それはそれで構わないのですが、元々、例えばワンルームマンションみたいなものであったときに、賃貸で埋まっていれば家主さんは、オーナーは収入があるわけですね。だけれども、それが空いてしまっている、賃貸が入らない、だからそれを民泊で使う。そのファミリーとか、元々、そもそも民泊に適さないとかというのは全く別の話で、180日以下だと収入がないということについて、それは例えば最初から民泊を経営することを目的で誰かが借りている場合には、確かに180日では足りないでしょうけれども、その物件のオーナーがいて、それを誰かに管理委託したときには、元々そのマンションが民泊もできるマンションであれば、賃貸で稼いでもいいし、民泊で稼いでもいいというように考えれば180日以下であっても賃貸が入っていれば、それはそれでいいということになります。そうではないのですか。

○株式会社コスモスイニシア田中課長 今の点については、今日御説明したようなサービスであったり、安全管理の体制をどうやって構築するかというのは、私のところで少しシミュレーションをしているのですか、それを元に申し上げますと、オーナー様にとっては、ああいった空室の活用ということで完全にプラスのストーリーになると思うのです。我々、実部隊というか、事業者として実施するためには、ある程度品質管理をちゃんとした状態で実施するということをもってやると180日という制限がついた状態では、管理者としてやっていけないという形になりますので、オーナー様からやってくださいと言われても180日であればお受けできませんという形にせざるを得ないということになっております。

○川口構成員 補足していいですか。多分私の方がわかりやすいと思います。

 賃貸が入らない物件に対して業者が手だてを打っているわけです。例えば家賃を減額するとか、部分リフォームするとか、条件緩和するとか、こうした手立てを打って募集しているわけです。ですから、そこで一旦決まったものはもう民泊にする必要はないわけです。ということは、ずっと同じものが延々と空いているという考え方は私たちにはないのです。要するに家主の立場からすると、2年も3年も空いているため対策を打つわけです。それから、流動的に動くわけですから、流動的に動くものをその都度180日に変えるというのは不可能だというように理解しています。

 ただし、サブリースであれば可能です。一応借り上げて転貸容認としていますが、これであれば可能です。

○浅見座長 ありがとうございます。

 では、本当に最後、短くお願いします。どうぞ。

○松村構成員 今、お答えいただかなくてもいいのですが、私は資料に基づいてお話になったところは理解できたつもりなのですが、資料の外で言われた点は、ほとんど何も理解できませんでした。

 まず、とても驚いたのは、住居専用地域で展開するためにどうしたらいいのかと知恵を絞っているのかと思っていた。今回の住居専用地域外でしかできなくても良いと言わんばかりの発言はとても意外でした。事務局にぜひお願いです。もしほかの方も本当にそういう要望がある、住居専用地域でできなくても構わないという要望が強いのだとすると、頭を切りかえる必要が出てくる。私たちは住居専用地域でも展開できるような制度を一生懸命考えていたつもりだったので、そこは要らない、日数制限の方が重要だということであれば大分話は変わってくる。ほかにも同様の要望が多くあるかどうかをぜひ聞いていただきたい。

 2点目。住居専用地域の外でもいい。住居専用地域は一切できなくてもいいのだということだとすると、今回緩和された簡易宿所というやり方でできないのか。簡易宿所というやり方では住居専用地域ではできないというとてもわかりやすい制約が確かにあるわけだから、そこがクルーシャルな問題だから既にされた改革だけでは不十分という議論はとてもよくわかる。しかし住居専用地域でできなくてもいいが、なお大きな改革が必要というなら、ほかにどんな重大な弊害があって、簡易宿所ではだめなのかということを具体的に後ほど出していただけると、今後の検討材料として有用。簡易宿所では、この深刻な弊害のために住居専用地域以外でもうまく使えないという点で、今回の資料に具体的に書いていない部分があれば、後ほど要望を紙に書いて出していただけると助かります。

 以上です。

○浅見座長 ありがとうございます。

 この後の議論に出てくるのではないかと思います。

 どうぞ。

○末永構成員 住居専用地域以外の民泊活用のニーズについて、今、話があったのでお話ししたいと思います。分譲マンションというのは、比較的高層マンションが多いので住居専用地域外で建てるケースが多いのですが、賃貸マンション、アパート、低層の賃貸マンションであったり、賃貸アパートについては、住居専用地域で建てるケースが多いので、こういうものの活用、一戸建ての民泊活用ですね。これは家主居住型もそうだし、家主の居住していない場合も含めて、一戸建ての民泊への転用、こういうニーズは大変多くあると思います。

 以上です。

○浅見座長 ありがとうございます。

 それでは、次に、事務局で御準備いただきました資料の御説明をお願いします。

○厚生労働省長田課長 それでは、資料3「民泊サービスの制度設計について」という資料でございます。

 この資料につきましては、基本的には前回お出しをした内容とそれほど多く相違はございませんが、1つは、本日冒頭に御説明をいただきました規制改革会議で答申を取りまとめいただきました。この答申の内容は私ども事務局として何度か規制改革会議にこの民泊検討会の検討状況についてのヒアリングということで御報告もさせていただいており、基本的に私どもの当検討会の議論を十分踏まえていただきながら、まとめられたものと理解しておりますけれども、少し当方の検討会で必ずしも具体的に示されていないものについて少し踏み込んでおられる分もありますので、そういった要素を1つは考慮しているということと、もう一つは、当然ながら前回御議論いただきましたので、又その議論を踏まえて若干の修正を加えさせていただいたものでございます。いずれにしましても、まだ引き続き御議論いただく点が残っているかと思っております。

 ということで、前回からの変更点を中心に御説明させていただければと思いますが、1ページ目、2ページ目のところ、ほとんど変わっておりませんけれども、民泊の対象の住宅につきまして、既存のものという限定をかけるのかどうかという議論がございましたけれども、既存のという言葉を省略させていただいております。趣旨としては大きくは2つございます。

 1つは、家が建てば、その時点から既存ということにもなりますので、どういった時点でどういうように既存のものなのかどうなのか、区切るというところがなかなか実務的に難しいのではないかというのが1つでございます。

 もう一つは、正に先ほど来議論になっておりますけれども、要するに一定の要件ということを適切に設定することによって、住宅として扱えるもの、住宅ではないものということの線を適切に引いていくということでございますので、ある意味住宅かどうかというところは、そこで線が引かれる。そこできちんと線を引いていくということになれば、これまで懸念として議論のあった、住宅として建てて、瞬間民泊に転用するというような、いわゆる脱法的な行為というものは、それは新築のものであっても一定の要件をしっかりと守っていただくということによって、整理がつくのではないか。そういったことから既存のという言葉を外させていただいております。それが1つでございます。

 2点目でございますが、細かくなりますが、2ページの制度スキーム図というところを御覧いただければと思いますけれども、住宅提供者による届出というところにつきまして、前回の資料では、1家主居住型のみ届出という線が入っておりまして、家主不在型についてどう取り扱うということについては、必ずしも明確にしておりませんでしたが、この点につきましては、やはり居住型、不在型、共通してきちんと届出をしていただいて、行政の方でも把握できるような仕組みがいいのではないかということでございます。規制改革の答申でも整理いただいておりますので、そこを修正しております。

 同じく2ページの基本的な考え方の2つ目の○、制度の対象とする民泊の意義というところの2つ目の※のところでございますけれども、「『住宅』として扱い得るような『一定の要件』が設定されることとなれば、住居専用地域でも実施可能(ただし、地域の実情に応じて条例等により実施できないこととすることも可能)」という記載を加えさせていただいております。

 3ページのところでございますけれども、全般的には、それぞれに求められる規制なり義務の内容、そしてそれを担保するための必要な行政権限処分あるいは罰則というようなことについて前回お示しをさせていただいたところでございます。その辺の基本的な整理は特に変えているものではございませんけれども、例えば無届けの場合というのは罰則の対象になるのかどうかとか、そういったところが必ずしも判然としないというような御指摘がございました。当然、法令上、届出の義務を課すとなれば、それはその届出をなしに行うという行為は法令違反ということでございますので、例えば4つ目の○のところの3行目ぐらいのところからですけれども、無届けで民泊を実施したり、上記の義務に違反するなどの法令違反に対する罰則等を設けることを検討ということで、前回はただ法令違反に対する罰則等を設けることを検討と書いておりましたけれども、法令違反を構成する具体的な内容というものを少し例示させていただいたというところでございます。

 3番の管理者規制のところでございますが、その前に2のホームステイのところの2つ目の○のところで2ページでも御説明をいたしましたが、括弧書きで家主不在型も同様に届出ということを記載させていただいた上で、3番のところのそれとの兼ね合いなのですけれども、4つ目の○のところで、「管理者は住宅提供者の届出手続の代行が可能とすることを検討」ということを加えさせていただいております。

 次、5ページに行っていただければと思います。一定の要件について先ほど来、議論になっているところでございますけれども、元々の議論の出発点のおさらいをさせていただきたいと思いますが、既存の旅館・ホテルと異なる取り扱いとすることについて合理性のある一定の要件を設定することが必要である。一定の要件については、制度の活用が図られるよう、実効性の確保も配慮しつつ、年間営業日数による制限を設けることを基本に具体的な日数について引き続き検討することとしてはどうか。一定の要件が遵守されているかのチェックのため、住宅提供者または管理者に報告などを求めることとしてはどうかということで、全体の考え方を記載させていただいております。先ほど来出ている採算性の議論については、2つ目の○にございます「制度の活用が図られる実効性の確保」という観点からどう考えていくかという観点として、当然1つの観点としてあろうかというように思っております。

 他方で、本格的なビジネスとしてやるとすれば、なぜ旅館、ホテルとしてやらないのかという当然そういった議論があるわけでございまして、そういった観点から、この合理性のある「一定の要件」をどう考えていくかという視点を合わせて考えていただく必要があるのだろうと思っております。また、規制改革会議の先ほどの答申でもございましたような、住居専用地域で実施可能とする「住宅」として評価をできるという観点から、この日数ということをどう考えていくのかというような観点も含め、1つの観点だけではなくて、幾つかの観点から日数については御議論をいただく必要があるのではないかと考えているところでございます。

 先ほど簡易宿所について触れていただきましたけれども、一定の要件としての年間営業日数がどういう内容に設定されるかということは、正にこれから議論をしていただくということであろうと思いますけれども、例えば一定日数を超えて営業をされたいという場合には、それは旅館業法上の営業許可の対象ということで、住専地域の問題はクリアできないという課題は残りますけれども、仮に住専地域以外でそのようなことをやられたいという場合には、旅館業法の中でも比較的許可をとりやすい形態として簡易宿所営業の許可の仕組みというものを活用していただくということが考えられるのではないかというように頭の整理をしているところでございます。

 これまでの検討会における主な意見としては、前回の御意見と少し加筆をさせていただいておりますが、宿泊人数の関係につきましては、公衆衛生上の観点という御指摘がある一方で、なかなか物件のタイプによってかなり状況が異なりますので、一番下に書いてありますが、簡易宿所のように宿泊者一人当たりの面積を定めるというような考え方もあるのではないか。そのような御意見もいただいているところでございます。

 最後、詳しい説明は省略をさせていただきますけれども、前回の検討会の場でもそうでございますし、検討会後のブリーフィングでも記者の方からも登録、届出の違いについてかなりお尋ねをいただきましたので、これは一般的な考え方の整理ということなので、個別個別の法律に基づく登録、届出によっては、それぞれの性格によって少し異なる面はございますが、一般的な性質として、許可、登録、届出というものがどう違うのかということを簡単に整理したものを参考までにお付けしておりますので、御参考にしていただければと思います。

○浅見座長 よろしいですか。

 それでは、意見交換に入らせていただきますが、北原構成員から資料の提出をいただいておりますので、御説明をお願いいたします。

○北原構成員 ありがとうございます。

 資料4のところに「旅館・ホテルの規制緩和について」ということで書いてはおりますけれども、とりわけ1番、2番の建築基準法と消防と、この2つは旅行者の安全のためにできた法律でございまして、不特定多数の方が利用される旅館・ホテルというものは、共同住宅、すなわちマンションといったような施設よりもこの表を見ていただきましたら、かなり厳しいものになっているという実態がございます。

 我々が均衡のとれたものとすべきと考えるというのは非常に主張するのが難しいポイントではございますが、この中で我々は、安全のためには、こういう施設をつくる、ハード面でもこういう施設をつくらなければならない。そのためには、相当なコストがかかるけれども、旅行者の安全のためには仕方がないということで、今までからこの法を遵守して営業を行ってきたわけですが、最近の災害あるいは火災、いろいろな事故の例を見ておりますと、どうしても規制が緩和されることによって引き起こされる事故でありますとか、そういったものがあるということもありますので、要はこの問題は、こういうことがあって我々が宿泊者の命と安全を守る事業を日々行っているということを委員の方や皆さんに御理解をいただき、民泊という事業が個人の方がおやりになるにしても、相当やはりそういう覚悟を持って責任があるのだということを自覚していただいて、とりわけ火災につきましては、年々歳々相当外の火災も発生しておりますし、特に高齢化社会になりますと、当然のことながら旅行のお客様方も高齢化しております。

 最近のインバウンドのお客様の構成を見ましても、海外からお越しになる方で本当に健康そうである方ばかりならいいのですけれども、かなり外観から見ても歩くのがしんどいといったような感じの方もお泊まりになっておられますから、逃げおくれる、あるいは館内で転倒するといったような事故はかなりの頻度でふえていることは間違いございませんから、ただ、それに応じて規制を強化すればいいというだけのものではなくて、やはりそういう強化をしていった施設に対しては、それなりのメリットが得られるような規制のあり方というものもぜひ御検討いただきたいということの実例として、こういうものを書かせていただきました。

 年々歳々、規制が強化されてきているというのも実態でございまして、特に定期報告とか点検とかといったものももう少し何かやり方を合理的なものにしていただくような方法もぜひ御検討いただければと思っております。

 それと、3番目の旅館業法につきましては、旅館営業と現在ホテル営業と2つ分かれておりまして、和式の構造及び設備を主とする施設、これが旅館でありまして、ホテルは様式の構造及び設備を主とする施設となっておるのですが、これがもう今は境目が完全になくなってきておりまして、我々の組合の名称も旅館・ホテル生活衛生同業組合としたぐらいでございますので、旅館営業、ホテル営業ももう一本化して、旅館・ホテル営業の営業許可一本にしていただくとか、客室の数は旅館が5室以上、ホテルが10室以上になっておりますが、これも今、お客様の志向に応じて富裕層向けの高級旅館や高級ホテルは5室以下のところも幾らも出てきておりますので、むしろ客室の数の制限は取っ払っていただいて、客室の数は1室以上から認めるというような形にしていただくのも今の実情に合ったものではないかと考えております。そういう事例を1つイコールフッティングの立場から参考例として資料として提出させていただきました。

 以上でございます。

○浅見座長 ありがとうございます。

 それでは、引き続き意見交換を行わせていただきます。規制改革会議の答申の御説明もありましたので、この答申の内容も踏まえて具体的な制度のあり方につながる意見交換ができればと思います。

 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○廣岡構成員 2点ほど意見と疑問点みたいなところを申し上げたいと思います。これは先ほどのところで申し上げるべきだったのかもしれませんが、1つは、民泊の日数制限の問題なのですけれども、先ほど松村先生がおっしゃられたように住居専用地域でするということをどうしていくかを考えることが必要だと思います。すなわち、民泊を本来的な意味で認めるのには既存の宿泊施設では提供できないような、暮らすように旅するというようなことによって観光価値が上がりますので、住居専用地域でできなければ実質上、これまでのルールでも問題ないかとも思います。その際に、前回の検討会のときで住宅局の方がどういう制度になってから新しい制度の民泊が住居専用地域でできるかどうかというようなことを決めるようなことをおっしゃられていたようですけれども、逆にどういうような民泊であれば住居専用地域で認めることができるのかというようなことから始まった方がいいのではないかなと思います。

 それともう一つは、新しい民泊を認めるに当たって、旅館との間での競争で既存の許可を受けている旅館業者が不利にならないということが必要だと思います。したがいまして、それが同じように民泊によって旅館業者が不利になるようであれば、それは簡易宿所に登録されるべきで、日数制限についてもそれが独立したビジネスになるようであれば、それはもう簡易宿所で、そうでない状態でないと民泊として認めてはならないのではないかと思います。

 ただ、現行の宿泊施設の事業が厳し過ぎるというようなお話が出ていたので、既存の旅館事業者も含めてその制度はもう少し緩められるところでは緩めていく必要があるのではないかと思います。

 先ほどは、ほとんど言及されていなかったのですが、仲介事業者について2点目の意見を述べさせていただきたいと思います。前回までで、仲介事業者は既存の旅行業とは違う制度にするというように制度設計案が提示されておりましたけれども、それは民泊だけを対象とするのであればそれはそれでいいとは思うのですが、仲介事業者が紹介しているサイトで、たとえ1件でも旅館業登録をしているところがあれば、それは旅行業もダブルで登録しなければならないと考えられます。また、民泊で始めたけれども、やはりその事業をビジネス化したいということで簡易宿所に途中からなった場合、その仲介事業者は旅行業登録しなければならないと考えます。

 そうなったときに、例えば今のようにほとんど外国にある仲介事業者の場合、現実に旅行業登録していないわけでありますから、本当にしてくれるのか。民泊の部分は登録しやすいようなシステムを開発して、それで登録したとしても、1軒でもある旅館業の部分は登録していない。だからここは旅行業法違反のままで残っている。したがって、ここを旅行業登録しなければならないとは思うのですけれども、これも先週お答えいただいたように、今の旅行業法は日本に住所があることを前提としているようなつくり方ですので、使用もできないと考えられます。この辺が制度的な矛盾が残るのではないかと思います。そうするとすれば、やはり旅行業登録自体を新しい民泊の登録と同じように変えていかないと実効性ができないルールになってしまうのではないかなと思います。

 以上です。

○浅見座長 幾つか論点が出たのですが、まず住専との関係でもし何かあればお願いします。

○国土交通省香山課長 前回、立地規制との関係については、私どもの考え方を述べさせていただきました。その際、少し誤解をされたのかもしれませんけれども、民泊の制度があって、それに対して後から立地規制を考える。順番がどうであるかということについて私ども意見があるわけではありません。申し上げたかったのは、民泊というものの制度をどう設計するのかということと、それに対して立地規制をどう当てはめるかということはある程度独立した考え方の議論の中でなされるべきだろうということでございます。

 その立地規制という観点からどういうものを住宅としてみなしていけるかという御議論をさせていただきましたが、これはあくまで立地規制に限った話です。立地規制以外の他の法令でどうなのか。あるいは民事上の扱いとしてどうなのかということは別途考えていただく必要があると思っております。

 さらに、立地規制上の考え方。先日、キーワードは2つあると申し上げました。1つは家主居住ということで、これは家主の方が、正にそこで住宅として住まわれて暮らされて使っている。それと住宅での生活と一体的に住宅、宿泊を提供していくという意味から、住宅的なものとみなせる可能性があるのではないか。

 もう一つは日数の問題ですけれども、定常的な状態としては住宅としての性格を保っているのだが、一時的な利用という意味で住宅という性格を失わないようなものではないかという考え方ができるのではないかということで、誤解されているのかなと思っているのは、家主居住の場合でも日数制限が必要ではないかと捉えた方もおられるかもしれません。私ども、必ずしもそうは思っておりませんで、この2つの観点のいずれかから整理をしていけるのではないかなと正直思っています。したがって、まさに暮らすように旅をするといった、家主の方がおられて、そこで住んでいく。これが実は住専地域などで要請は非常に強いと思いますけれども、こういう場合は日数の制限は切り離して考えてもいいかなと現時点では考えております。

○浅見座長 それから旅行業法との関係がございました。

○観光庁西海課長 仲介業者について御質問いただきました。民泊で仲介業者の新たな登録制度を設けた上で、例えば同じ業種の方がいわゆる旅館業法のホテルや旅館も紹介仲介される場合です。その場合、まず論理的には旅行業法の登録もとった方がいいのだろうと思います。現在どうなっているかといいますと、こういった民泊みたいなものも想定されていなかったので、現時点では海外に事務所を置いている、あるいはサーバーを置いている事業者さんには、ガイドラインをつくって、登録のかわりにガイドラインを遵守するという形をとっていただいています。ですから、今後、民泊の仲介業者の登録の仕組みを考えるのとあわせて、通常のいわゆる旅館業法の許可をとったホテルや旅館を仲介する場合の登録、旅行業法との取り扱いをどうするかについてもあわせて考えていきたいと思っています。

○浅見座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○末永構成員 質問があるのですが、民泊を行うときに届出をするという届出の内容なのですが、これは宿泊施設の届出を含んでいるのでしょうか。

○浅見座長 お願いします。

○厚生労働省長田課長 いずれにしましても、具体的に何をどこまで届出をしていただく必要があるのかということは制度設計を詳細にしていく中で詰めていかないといけないと考えていますけれども、基本的な届出義務者を住宅提供者ということで想定をしておりますので、基本的には所在地が特定できるというのはベースに考えていくということにはなるのかなと思っております。

○末永構成員 ぜひ民泊の宿泊施設の届出というのは必要だと思いますのでお願いしたいと思います。実際、トラブルになったときに、その部屋を民泊として使用できなくするとか、そういう規制が必要になってくる場合があり得ると思うのです。そのときに、民泊の部屋の届け出がないとそういうこともやりにくいと思いますので、ぜひお願いします。

 また、闇民泊を撲滅していくためにも、どの部屋が正規な民泊なのかということを一般の人も知り得る必要があると思うのです。ですから、届出をしていただいて、できればデータベースのような形で、民泊が許されている部屋かチェックできるような仕組みというものはぜひお願いしたいと思います。

 家主居住型の民泊についても、その家主の居住の実態ということについては、ぜひ気を付けていただきたいのです。住民票の登録があれば家主居住型だというように考えるというのは危険な感じがいたします。例えば一軒家を借りて、自分はその一室に住んで、ほかの部分が例えば8部屋、9部屋あって、それを全部民泊で貸すようなケースも当然考えられるわけです。こういう場合は、果たして家主居住型なのか。あるいは住民票は置いてあるけれども、自分はサラリーマンをやっていて朝早く出ていって夜遅く帰ってきて、民泊に泊まってくださる方のお世話は全然できないというようなケースもたくさんあり得ると思うので、家主居住型の場合、本当に家主としての実態がそこにあるかどうかということも十分に考慮する必要があると思います。

 以上です。

○浅見座長 ありがとうございました。

 2つ目の居住の実態ということなのですけれども、この辺のイメージがもし何かあればお願いします。

○厚生労働省長田課長 実態をどこまで把握できるかというところに関しては、限界もあり得ると思いますけれども、まず制度設計上の基本的な考え方としては、家主居住型の設計の前提として、家主さんがいるのだから管理できるという前提に立っていますので、資料3の3ページの3の1つ目の○のところを御覧いただければと思うのですけれども、たとえ住民票があって、基本的にはそこに住まれている場合でも、出張中だとかバカンスで長期に不在にされている場合については居住型ではなくて不在型のスキームの中で扱っていただくというようなことで制度設計は考えたいと思っております。

○浅見座長 例えばサラリーマンで朝出勤して深夜に帰ってくるというのは居住型になるのですか。それともそうではないのでしょうか。

○厚生労働省長田課長 基本的な細かいところの要件を法律的にどのように落とし込んでいくのかというのはもう少し慎重に考えていく必要があると思いますけれども、前提としては、家主さん御自身がいながらにして管理をするということが基本的にはホームステイの設計の考え方でございますので、今のようなケースというものは、限界事例はどこで線を引いていくかというのはあると思うのですけれども、不在型というベースの中で考えていく必要があるのかなと思っております。

○浅見座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○今井構成員 今の話に関連してなのですけれども、先ほど国交省の方からの御説明で、家主居住型の場合というのは住居専用地域の場合が多いのだろうというお話で、その場合には利用に供する日数制限は要らないというようなお話だったと思います。そのことが今の座長のお話とも関連するのですけれども、日数制限をかけるかどうかというのは、家主あるいは管理者としての側の問題ではなくて、その利用に供されている物件がある他の住民との関係ということも大変大きな問題ですから、形として、あるいは実態として家主がいるかどうかということではなくて、周りの住環境との兼ね合いで決めることではないかと私は思いますので、家主居住型、不在型という区別も大事なのではありますけれども、どういった地域においてどのような物件を利用に供することで周りの方々と調和を保って民泊ができるかという観点からの視点で日数制限を考える方がいいのではないかと思った次第であります。

○浅見座長 どうぞ。

○三浦構成員 今の居住の実態という話なのですが、実態をつかむなどというのは絶対無理な話なので、理論的に、家主さんがいれば管理できるのは何人までかということをお考えいただいて、前回、私も申し上げましたが、1日の利用人員を4名なら4名、3名なら3名という形で形式的に分けるしかないように思います。

 以上です。

○浅見座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○吉川構成員 私も住んでいるかどうか、あるいは住民票だけで特定するのはとても難しいと思いますので、細かい制度設計をしてもらわないと、住民票だけ置いて別のところで住んでいるという人は結構いると思いますので、実態が結構ありますので、そのあたりのところは家主居住型と言ってもいろいろなタイプがあるということは、なぜ管理者として必要かということも含めて、少しきめ細かく議論していただきたいと思います。

○浅見座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 先ほど論点として出たのですけれども、当面の対策として措置しました簡易宿所の営業の関係がございます。その基準緩和措置との関係、特に住専外のところで違いはどうなのかというお話もありましたので、もしよろしければ補足いただけますでしょうか。

○厚生労働省長田課長 先ほどの説明とも少し繰り返しのようになると思いますけれども、今後、この一定の要件はどうなるかということの具体的な内容がまだ決まっていませんが、一定の要件を超えた形で営業するケースというのは、旅館業法の許可対象ということになるのだろうと思っております。したがって、新たな民泊制度という制度設計をされたとしても、先ほどの簡易宿所の基準緩和措置というものがそれに吸収されてなくなるという性格のものではないというように理解しております。したがって、それぞれ、ここの言葉で言えば、住宅提供者の方がその御自身の所有されている物件をどういった形で活用されたいかということによって、新たな民泊の枠組みを利用するのか、あるいは簡易宿所の営業許可というものをとられるのかということの選択肢が幾つかできるというイメージではないかと思っております。

 ただ、それぞれに例えば簡易宿所営業であれば住居専用地域ではできないという制約があったりとか、一方で、新たな民泊については一定の要件というものを議論いただいていますので、その一定の要件による制約がかかるということで、そこの使い勝手のよさというものをそれぞれお持ちの物件の状況によって選択をしていただくというイメージになるのかなと思っております。

○浅見座長 ありがとうございます。

 ほかに何かありますか。

 どうぞ。

○松村構成員 まず先ほどの届出の件なのですが、前回も衛生管理の観点から、一人当たりの最低限の面積というものを定めるべしという合理的な御提案があったと思うのですが、それを実行可能にするためには、どこの会社でどれだけ使うのかというのを当然出さないと意味がなくなると思いますので、自然に制度設計すれば当然それは届出の内容に入るのだろうと思います。

 住民票のことなのですが、考えていただきたいのは、家主という居住型の制度を設計して、一番恐ろしいのは、ある種の脱法的な行為というか、詐欺的な行為で使われないか。住んでいますと言って1人の人が10軒も20軒もなどということになるのが一番恐ろしい状況で、なぜ住民票という発想が出てきたのかというと、それをやったら最大で1軒しかできないから、そういう無茶なことは起きないだろう。そのために考えられているということをぜひ御理解ください。

 その上で、住民票をわざわざ自分の居住の実態と違うところに置くというのはいろいろな意味で不利益もあるわけですから、相対的にそういう変なことをするインセンティブが小さくなるようなものとして、そういうアイデアが出てきたのだと思います。それだけでも足りないということで何か要件をつけ加えるということは、原理的にはあり得ると思いますが、しかし、それは実際にチェックしようのないような要件をいっぱいつけ加えて、結局ほとんどルールには書いてあるけれども、誰もチェックしないものをつくってもむしろ制度の信頼性を損ねるだけですから、少数のものはきちんとやるけれども、その分はきちっとチェックするということをするのも1つの考え方であると思います。

 以上です。

○浅見座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○観光庁西海課長 事務局からです。今、松村先生に解説いただいて大変恐縮なのですが、住民票が出てきたのは、おっしゃるように、まず1人で幾つも持っているというほかの国の問題点があったので、少なくとも住民票は幾つも持っていられないというのが1つ。

 おっしゃるように自分の住んでいる場所と違うところに住民票があるというのはいろいろな不利益な面があるのも確かですし、もしどうしても必要であればほかの仕組みでよくある話ですけれども、公共料金とかのはがきを出してもらいますね。そういうことが可能は可能なのですが、今、あれもこれもつけてしまうと過剰な規制のような感じがするので出していないだけなので、それが本当に必要であればまた考えればいいと思います。

 あともう一点、先ほど松村先生から御指摘がありました簡易宿所についてどういう要望があるかについて、今日、よく伝わらなかったのかもしれませんが、コスモスイニシアさんの10ページの旅館業における衛生管理というところです。自治体の条例とか運用で違うのがあるので、正に厚生労働省さんとかに御指導いただきたいという点が簡易宿所で言うところの今後の規制緩和というよりは、むしろ運用の統一するところだと思いますけれども、そういった点が今日は要望されたと理解していますので、よろしくお願いいたします。

○浅見座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○高橋構成員 1点、北原構成員がおっしゃったことの旅館業法の旅館営業とホテル営業の一本化ということですが、これは今まで一本化を阻むようなものが何かあるのかどうかということと、一本化することと民泊のことと直接関係はありますでしょうか。私は一本化できない理由がないのであれば、もう一本化してしまっていいのではないかと思うのですが、本論と離れるかもしれませんが、旅館・ホテルに関する過剰な規制を見直すという意味では議論してもいいのかなという気がしますが、いかがでしょうか。

○北原構成員 規制といいますか、歴史的な考え方で旅館とホテルというのは非常に見た目も違って境目がきちっとあって、消費者の方々もここは旅館だ、ここはホテルだというように思われていましたので、我々も別段うちはやはり旅館を売りたい、うちはホテルとして売りたいという流れで来ていたのですが、これからはそういう2つの要素を取り入れた新しい施設をつくりたいということがどんどん出てきておりますのでという意味で、規制緩和というよりは、この際、そういうことにおいても一本化していただいたら、規制緩和の話とは、民泊の話とは、ずれますけれども、我々業界としても新しいビジネスモデル、民泊そのものを新しいビジネスモデルとしてこれから打っていこうとされる真面目な考えをお持ちの方は歓迎したいというもともと我々業界の発想ですので、どんどん旅館とホテルのいいところをとって日本型のそういうビジネスモデルをつくっていくために、今回あえてこういうことを書かせていただきました。

○浅見座長 どうぞ。

○厚生労働省長田課長 事務局から今の点に関して補足をさせていただければと思います。

 まず、旅館営業とホテル営業の許可の一本化ということに関して、個別的な要望としては、私どもこれまでお聞きをしたことはあったのですけれども、正式な形で御要望いただいたというのは初めてでございますので、そういったことを踏まえて、どうあるべきかということを考えたいと思っております。

 元々ホテルと旅館の定義の違いというのは、法律のレベルで書いているので、仮に措置をするとした場合には、政省令とかではなくて法律改正を必要とします。その下の客室数とか客室面積については政令で書いているのですけれども、まず根っこのところで、もし仮にホテルと旅館を一本化するとすれば法律改正を伴い得るということですので、今回、民泊の見直しの議論を契機といたしまして、先ほど規制改革の答申にもありましたように、民泊については新法でというような考え方が示されておりますけれども、当然、仮に民泊の方を新法で書くとしても、既存の旅館業法の関係をどう整理するのかということは必要になってまいりますし、中間整理段階で旅館業法における無許可営業の罰則の見直しとか、旅館業法固有の見直し事項について幾つか宿題をいただいておりますので、いずれにしましても、旅館業法の改正が必要だと考えております。したがいまして、旅館業法全体を改正していく中でこういった御提案、いただいた内容をどう取り扱っていくかについてもあわせて検討していければと考えております。

○浅見座長 どうぞ。

○高橋構成員 利用者の観点に立つと、その泊まるところがなぜホテルなのか、なぜ旅館なのかというのがよくわからないケースもあるわけですから、そういう意味では見直しをしてもいいのではないか。かつ、海外から来られる方は、やはり旅館となっているよりもホテルとなっている方が物件を選びやすいのかなという気もするのです。インバウンドを考えたときにね。例えば、和式のホテルとか洋式のホテルというような区別にしてしまえば、インバウンドの方達にとっては、より敷居が低くなるような気もするので、そういう観点も含めて見直しもいいのではないかなと思います。

○浅見座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 座長からもお伺いしたいのですが、消防庁さんにお伺いしたいのですけれども、現在、民泊については住宅を活用した宿泊サービスというように位置づけられる方向で整理が進められているのですが、この場合、消防法上、民泊については住宅並みに扱うということなのか、それともホテル・旅館並みに扱うのか、それとも中間的な取り扱いというものがあり得るのかどうか。このあたりをお願いしたいのです。

○消防庁鈴木課長 なかなか難しい質問でございますが、私どもは当該用途の火災危険性がどうであるかというところに着目して安全対策を講じていただくのが一番重要なのかなと思ってございます。したがいまして、先ほど来、御質問いただいていたような家主不在型のタイプのものについては、火災危険性は共同住宅に比べて相当程度高いのではないだろうかということで、ここはしっかりとした安全対策をある意味ホテル並みにとっていただく必要があるだろうと思います。関係ないところまで無駄に影響を及ぼすという必要は全然ないと思いますけれども、原理原則としてはホテル並みにやっていただくべきではないだろうか。

 他方、家主居住型のものにつきまして、どの程度安全性が確保できるかというところによると思います。要は火災時において出火防止対策、初期消火、避難通報等を一体的に行えることが担保できるようなものであれば、それは共同住宅のように扱うことは可能ではないかと思います。ただ、例えば家主居住型だからすなわちすべて共同住宅ですよとこの時点で言えるかどうかという問題はあります。家主居住型の要件が詳しくは決まっていないものですから、そういう観点から私どもとしては見させていただきたいと思いますし、消防本部の方々とお話をしている中でも、安全性が確保できるのであれば、それはそれでいいのではないだろうかとの意見もうかがっています。離れたところに家主が住んでいらして、こちらの民泊も一体的に家主居住型ですというのは違うよねという議論をさせていただいています。私どもとしてはそんなに一般の方々の感覚とずれた判断はしないつもりでおります。

○浅見座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。それでは、予定していた時間も近づいてまいりましたので、本日の議論はここまでにしたいと思います。貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 次回以降の日程等につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○渡邉(事務局) 本日は、2時間にわたり熱心な御議論を賜り、感謝申し上げます。

 第12回検討会、次回の検討会ですが、これの日時、場所につきましては、事務局から改めて御連絡させていただきます。

 これをもちまして第11回「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」を終了いたします。次回以降もよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 「民泊サービス」のあり方に関する検討会> 第11回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 議事録(2016年5月23日)

ページの先頭へ戻る