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2016年4月19日 第16回社会保障審議会福祉部会 議事録

社会・援護局総務課

○日時

平成28年4月19日(火)10時~12時


○場所

東海大学校友会館 「阿蘇の間」
東京都千代田区霞が関3-2-5霞が関ビル35階


○出席者

田中 滋 (部会長)
阿比留志郎 (委員)
石橋 真二 (委員)
猪熊 律子 (委員)
(代理:松山茂樹参考人)
川井 太加子 (委員)
(代理:小島誉寿参考人)
関川 芳孝 (委員)
高橋 英治 (委員)
高橋 福太郎 (委員)
武居 敏 (委員)
橘 文也 (委員)
対馬 徳昭 (委員)
平川 則男 (委員)
藤井 賢一郎 (委員)
藤野 興一 (委員)
堀田 聰子 (委員)
松原 由美 (委員)
松山 幸弘 (委員)
三好 昇 (委員)
柳川 純一 (委員)

○議題

改正社会福祉法の今後の検討課題等について

○議事

○田中部会長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより第16回「社会保障審議会福祉部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきどうもありがとうございます。

 まずは、社会・援護局長より御挨拶いただき、事務局より新たな委員の御紹介と本日の委員の出欠状況について、説明をお願いします。

○石井社会・援護局長 皆様おはようございます。社会・援護局長、昨年の10月から着任しております石井と申します。日ごろ、厚生労働行政に大変お世話になっております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日は、年度初めの大変御多忙の中、御参集賜りましてまことにありがとうございます。

 ちょうど昨年の2月ですから、1年以上経過しての久々の福祉部会の開催になるわけでございますが、関係者の皆様方に大変御心配をおかけいたしましたが、先月末3月31日、本当にぎりぎりでございましたが、社会福祉法等の一部を改正する法律が成立いたしまして、来年4月の本格施行に向けて準備が必要となってきたところでございます。

 施行まで残り1年を切っておるわけでございまして、そうした限られた時間の中で、評議員会の員数に関する経過措置をどうするか、あるいは会計監査人設置法人の規模をどうするかといった論点が幾つか残っております。皆様方の御意見をお聞きしながら、円滑な施行に向けて、進めていきたいと思っております。

 一方で、社会福祉法人の皆様方におかれましては、施行に向けて、大変限られた窮屈な時間の中で、評議員あるいは会計監査人の選任など多くの準備をお願いしなければならないわけでございまして、やはり大変重要な課題でございますけれども、できるだけ早急な結論が必要だと思っております。

 年度初めの業務御多忙の折とは存じますが、経営組織のガバナンスの強化、そして事業運営の透明性の向上に向けて、社会福祉法人制度改革の大変重要な大きな第一歩を踏み出すわけでございまして、どうぞよろしく審議のほど、お願い申し上げます。

○山本社会・援護局総務課長 それでは、委員の異動について御紹介させていただきます。

 花井圭子委員が退任され、新たに日本労働組合総連合会総合政策局長平川則男委員が就任されております。

 また、福間勉委員が退任され、新たに公益社団法人全国老人福祉施設協議会副会長阿比留志郎委員が就任されております。

 なお、公益財団法人日本知的障害者福祉協会会長橘文也委員、国際医療福祉大学大学院教授堀田聰子委員が再任されております。

 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は鎌倉委員、黒岩委員、小林委員、宮本委員より御欠席の連絡をいただいております。

 また、鎌倉委員の代理として、公益社団法人日本社会福祉士会副会長松山茂樹参考人、黒岩委員の代理として、神奈川県保健福祉局福祉部長小島誉寿参考人にお越しいただいております。

 なお、猪熊委員及び川井委員、堀田委員から少々遅れるとの御連絡をいただいております。

○田中部会長 ありがとうございました。

 ただいま御紹介がありました欠席委員の代理として、出席されている参考人については、皆様の御承認が必要であります。いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田中部会長 異議なしということで、参考人の方も御発言ください。

 次に、前回の福祉部会以降、事務局にも人事異動がありました。紹介をお願いします。

○山本社会・援護局総務課長 社会・援護局総務課長に拝命いたしました山本です。どうぞよろしくお願いいたします。

 私より、職員の異動につきまして御紹介させていただきます。

 まず、大臣官房審議官社会・援護・人道調査担当の堀江でございます。

 社会福祉法人制度改革推進室長の田中でございます。

 なお、本日は熊本の震災対応のため、福祉基盤課長が少々おくれて出席をさせていただきます。

 このほか、地域福祉課長が欠席となりますことをお許しいただければと思います。

○田中部会長 ありがとうございました。

 続いて、議事に入る前に資料の確認を行います。事務局から説明お願いします。

○山本社会・援護局総務課長 それでは、お手元の資料について確認をさせていただきます。

 本日は配付資料といたしまして、資料1「社会福祉法等の一部を改正する法律の概要及び審議経過について」

 資料2「社会福祉法等の一部を改正する法律の改正事項(平成28年4月1日施行分)について」

 資料3「今後の主な検討課題」

 資料4「法施行後の大まかなスケジュール」を配付させていただいております。

 御確認をよろしくお願いいたします。もし欠落等ございましたら、途中でも事務局におっしゃっていただければと思います。

 

○田中部会長 ありがとうございました。

 ここから、議事に入ります。本日は社会福祉法等の一部を改正する法律について概要及び審議経過についての報告、並びに平成28年4月1日施行分の改正事項についての報告を受けます。その後で、今後の検討課題等について議論を行う順でまいります。

 初めに、「社会福祉法等の一部を改正する法律の概要及び審議経過について」と2番目の「社会福祉法等の一部を改正する法律の改正事項(平成28年4月1日施行分)について」をまとめて議題といたします。

 これまでも、当部会で議論してきた社会福祉法等の一部改正については、先ほど局長から御案内ありましたように、国会での審議を経て、3月31日に公布されたところであります。これに関する審議経過と本年4月1日施行分の改正事項について、事務局からまとめて説明を受けることといたします。資料の中身の説明をお願いいたします。

○田中社会福祉法人制度改革推進室長 それでは資料1及び資料2につきまして、私のほうから御説明申し上げます。

 まず、資料1でございます。ページをおめくりいただきますと、「社会福祉法等の一部を改正する法律」ということで、概要がついておるかと思います。この概要につきましては、法案の概要でございます。社会福祉法人制度の改革という大きな柱と、福祉人材の確保の促進という2本の柱で法案を提出させていただいております。特に、社会福祉法人制度の改革につきましては、この部会の取りまとめ、報告書をもとに、これを法案化して提出したものでございます。

 内容につきましては、詳しくは省略させていただきますが、経営組織のガバナンスの強化、評議員会の設置や会計監査人の導入、あるいは事業運営の透明性の向上といった社会法人の改革を進める内容が盛り込まれているものでございます。

 2ページ目でございますが、これにつきましては国会での審議経過でございます。御案内のとおり局長からも説明がありましたが、先月3月31日に成立いたしました。国会をまたいだということで、衆議院で既に昨年7月に採決をいただいておりましたが、改めて3月30日に委員会、3月31日に本会議で成立して公布されたということで、年度内に成立をさせていただいたということでございます。

 3ページ以降、国会審議における議論についておまとめをさせていただいた資料でございます。小規模法人の事務負担への配慮や、会計監査人の基準、あるいは一番下、内部留保の明確化、こうした論点につきましてさまざまな議論がなされました。また、4ページも同様に議論の詳細を添付させていただきました。また後ほど、内容についてはごらんになっていただければと考えております。

 5ページ6ページ7ページでございますが、衆議院、参議院でそれぞれ附帯決議をいただいております。5ページが衆議院の附帯決議ということで、10項目にわたる附帯決議をいただいております。

 6ページ7ページにかけて、参議院での附帯決議で15項目の付帯決議をいただいております。これについてもいろいろな課題を指摘されているものでございます。後ほど、ごらんになっていただければと存じます。

 引き続き、資料2について御説明をさせていただきたいと存じます。「社会福祉法等の一部を改正する法律の改正事項(平成28年4月1日施行分)について」でございます。この法案につきましては、一定期間準備が必要な改正項目がございまして、これにつきましては、平成29年4月1日施行ということでございますが、特段の準備が必要でないと考えられる改正項目につきましては、既に4月1日から施行にさせていただいております。

 1ページ目に28年4月1日施行分の概要について記載をさせていただいております。

 まず1つ目、大きく社会福祉法人改革でございまして、事業運営の透明性の向上に関しまして、閲覧対象書類の拡大と閲覧請求者の国民一般への拡大、あるいは財務諸表、現況報告書、定款の公表に係る規定の整備を4月1日から実施させていただいております。詳細な説明は資料2ページ目以降についておりますが、この改正につきましては、既に通知で実施されていることを法令に位置づけたわけでございまして、円滑に実施をされているものと承知をしております。

 また、社会福祉法人改革の2つ目は財務規律の強化でございます。役員等関係者への特別の利益供与を禁止。あるいは会計基準の省令への位置づけでございます。

 また、3つ目でございます。地域における公益な取り組みを実施する責務で、社会福祉事業または公益事業を行うに当たり、日常生活または社会生活上支援を要する方に対する無料または低額の料金で福祉サービスを提供することを責務として、24条2項として位置づけました。これについても、4月1日から施行されております。

 このほか、行政の関与のあり方につきましても、4月1日施行となっております。

 また、大きな2点目としまして一番下でございます、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しでございます。これも内容については、右側に3点大きく書いてございます。これらについても、4月1日から実施をさせていただいているところでございます。何せ、法律の成立から施行までが間もない中でしたが、法律が改正されたという前提で一定の周知はさせていただきました。今のところ、施行に当たって支障が生じているとは耳にしておりませんが、円滑に施行されていると理解をしているところでございます。

 また、2ページ目以降の詳細な資料については、後ほどごらんになっていただければと考えております。とりあえず私からの説明は以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。ただいまの説明に関して、御質問がありましたらどうぞ。

 特にございませんか。質問がないようでしたら、続いて、「今後の検討課題等について」を議題といたします。事務局より今後の主な検討課題と今後のスケジュールについて、資料の説明をお願いします。

○田中社会福祉法人制改革推進室長 引き続き、資料3及び資料4につきまして資料の御説明をさせていただきたいと存じます。

 まず資料の3「今後の主な検討課題」でございます。項目につきましては、評議員会の員数に係る経過措置、会計監査人の設置法人、控除対象財産の算定方法、地域協議会等を挙げさせていただいております。これらについて、御説明をさせていただきたいと存じます。

 1ページでございます。まず初めに、評議員会の員数に係る経過措置でございます。評議員会の定数でございますが、法律では40条ということで、「評議員の数は、定款で定めた理事の員数を超える数でなければならない」ということで、理事の数につきましては6名と法律で規定されておりますので、基本的に評議員の員数は7名以上ということでございますが、一方で附則10条ということで、その事業の規模が政令で定める基準を超えないものにつきましては、法律の施行から3年間、評議員の数について4人以上とすることとしております。

 今お話しましたとおり、政令で定める基準ということで、この基準をこれから定めることが一つ論点でございます。

 これまで、私ども、この基準についておおむねどういった考えなのかを問われた場合には、大体1法人1施設程度という規模の法人を考えているということで、御説明を申し上げてきたところでございます。

 1法人1施設ということは、率直に申し上げましてどれくらいの規模なのか、そういった詰めた議論をしたわけではなくて、大体その程度とお話し申し上げてきたわけですが、本日は規模について詳細なデータをまとめさせていただきましたので、それについて御紹介をさせていただきます。

 2ページをごらんになっていただきますと、サービス活動収益階層ごとの法人数でございます。全法人に調査をかけましたが、有効回答数1万3000でございますが、これについてサービス活動収益と法人数の累計、定員数の平均、箇所数の平均を全ての法人で分類したのがこの資料でございます。

 サービス活動収益で見ていきますと、1億円から10億円まで記載をさせていただいておりますが、いわゆる1法人1施設という意味で1億円以下で何施設かという意味では、2.1ということで、この時点で1を超えていますので1法人1施設として、何千万オーダーということが推測されるわけですが、2億円以下で2.6、3億円以下4.1、4億円以下で5箇所程度の法人を持っていることがこの資料でございます。

 その内訳は、児童福祉事業あるいは高齢者福祉事業、障害者福祉事業がそれぞれどのような状況になっているのかをまとめさせていただきましたのが、3ページ目以降の資料でございます。

 3ページの資料が、児童福祉事業でございます。こちら、一番左が児童福祉事業のみでございますが、1億円以下で1.4、2億円以下で1.7、3億円、4億円、5億円でそれぞれ2.73.74.1ということで、1億円以下で1.4、これは1法人1施設というとそれ以下、何千万というオーダーになる一方、4億円、5億円になりますと3施設、4施設ということで複数施設を所有されていることがおわかりになろうかと考えております。

 一方、ページをおめくりいただきまして、4ページ目は高齢者福祉事業でございます。これにつきましては、右側に特別養護老人ホームのみ、おまとめさせていただいたデータがございます。これにつきまして、どのような状況になっているのかでございますが、1億円以下で1.1、以下1.01.01.01.2ということで、額が2億、3億、4億、5億と増加する一方で、施設はおおむね1で、特別養護老人ホームでございますから規模も大きいので、そういった傾向があるのはある意味当然かもしれませんが、4億、5億という規模になっても1法人1施設という状況が見てとれるものと考えております。

 5ページ目が障害者福祉事業でございます。これにつきましては、障害者福祉事業のみということで御説明申し上げますと、1億円で2.0施設。これも、恐らくかなり小さな規模の事業所があるのかなと推測されるわけですが、2億円、3億円、4億円、5億円となるにつれ、3.84.95.5とだんだんと増加をしていくということでございます。

 6ページは参考でございますが、今の全体の数字を平均したらどうなるかということでございます。2ページの資料を円グラフにしただけでございますが、1億円以下ですと22.4%、1億から2億は27.6%、以降12%、8.3%ということで、平均でおおむね4億円程度になっているということで、これは参考でございます。

 戻っていただきまして、今ほどの資料で1法人1施設と申し上げてきたところですが、各事業分類、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉それぞれ個別に見てみると、今申し上げた規模の違いが見てとれるのかなということでございます。また、これをもとに御議論をいただければと考えております。

 次に2つ目の論点、会計監査人の設置法人でございます。これにつきましては、法律の37条で特定社会福祉法人は会計監査人を置かなければいけないということですが、この特定社会福祉法人は、その事業の規模が政令で定める基準を超える法人と言うということでございます。これも先ほど、評議員の員数に係る経過措置と同様、政令で定めることとされておりまして、これから御議論いただかなければならない論点です。

 今までどのような議論がされてきたかですが、8ページに昨年この福祉部会から頂戴いたしました報告書を参考につけさせていただいております。昨年の報告書におきまして、会計監査人の設置を義務づける法人の範囲でございますが、収益が10億円以上の法人あるいは負債が20億円以上の法人ということで、御提言をいただいているところでございます。

実際に、その法人がどの程度あるのかを今回まとめた資料を提出させていただいております。9ページでございます。「会計監査人の設置規模について」ということで、10億円単位で法人数がどれくらいあるのかをおまとめさせていただいた資料でございます。

 調査母数が1万3,318でございますが、全国法人は約2万ございますので、換算した数字も掲載させていただいているところでございます。ここで見ていきますと、御指摘いただいている10億円以上は赤線の上でございます。累計法人数で申し上げますと1,597、対象法人に対する割合が8%でございます。収益10億円以上ということで、下に細かく注で書いておりますが、収益10億円以上の法人のほか、負債20億円以上の法人が若干ですがございまして、これにつきましては、2万法人ベースにすると1,636で、1,597あるいは1,636でおおむね1,600法人程度、割合でいいますと全法人で約8%でございます。大体1割程度ということで、私ども申し上げてきたところですが、数字を調査したところでも、そこが大体整合しているということでございます。

 また細かく見ていきますと、例えば20億円以上の法人が448ですから、10億から20億の間に1,000法人ほどあるということです。また20から30になると半減といいますか、そこに240あって、以下30億円以上法人が200程度あるということでございます。

 これにつきまして、どのような形で会計監査人を導入していくのがいいのかで、残り1年という準備期間が短い中ですので、これにつきましても、基準を早急に決めなければならないと考えているところでございます。

 足早で恐縮ですが、10ページ目からが控除対象財産の算定方法でございます。これにつきましては、内部留保を計算して、それで残額があるのであれば、いわゆる社会福祉充実計画を策定する仕組みになっております。

 このいわゆる控除対象財産をどう算定するかにつきまして、11ページをおめくりいただきますと、昨年の福祉部会でいただきました報告書におきまして、控除対象財産額は1.社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等(土地、建物、設備等)、2.現在の事業の再生産に必要な財産(建替え、大規模修繕に必要な自己資金)、3.必要な運転資金(事業未収金、緊急の支払いや当面の出入金のタイムラグへの対応)を基本に算定することが考えられる。これら、内部留保を的確に明確化するに当たってのかなめとなる部分であるので、その詳細な内容については、制度実施までの間に、専門的な見地から検討の上、整理する必要があると昨年御報告をいただいているところでございます。

12ページ、今ほど申し上げたものを図にしているものでございます。社会福祉法人の全ての財産から社会福祉法に基づく事業に活用している不動産、再生産に必要な財産、必要な運転資金これを差っ引いたものを、一番右の赤いところ、再投下対象財産ということで位置づけてございます。昨年の議論はここまでだったわけでございます。具体的にどういったものを控除対象財産としていくかについても、決めなければならないということでございます。

13ページに、まず控除対象財産の1.社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等をどう考えるのかをイメージとしてお示しさせていただいております。財産目録がございますが、これについて、それぞれ最初のスクリーニングで、社会福祉法に基づく事業に活用している不動産に該当するのか否かでございまして、一番右のほうにマル・バツと判定しているシートでございます。

 まず一番上でございますが、流動資産の現金預金等につきましては、この時点で社会福祉法に基づく事業に活用している不動産ということは該当しないのでバツと判定しております。一方、真ん中の固定資産、基本財産でございます。第1種社会福祉事業に使っている土地、建物、あるいは寄附者により事業に使用することが指定されている定期預金。こうしたものは当然、社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等でございますから、これにつきましては控除対象となるのでマルと整理させていただいております。

 一番下のその他の固定財産でございます。これはあくまでも例示でございまして、具体的にはそれぞれ細かな判定要素があるかもしれませんが、例えば車両運搬具について利用者送迎用車両に用いているのであれば、当然控除対象になりますし、また一番下の建物のうち、社会福祉施設以外の第2種社会福祉事業に使用している建物も該当するということでございますが、積立資産や5年後に開設する事業のための土地は、現に社会福祉法に基づく事業に活用しているということには当たらないということで、バツと判定させていただいております。これはあくまでもイメージ及び記載例でございますので、また細かい判断は、さらに細かくしていく必要があろうかと思いますが、イメージ的にこういった形でまずスクリーニングしていくということで御理解をいただければと考えております。

 一方、14ページ、控除対象財産、これの固定資産の再取得に必要な財産をどう見るかでございます。これにつきましては、まずこういった形で少しイメージということで、本日整理をさせていただきましたが、算出方法のイメージとして、再取得に必要な財産をどう考えるかというと、減価償却累計額に建設単価上昇率を掛けて、さらに一般的な自己資金比率をかけた上で、プラスアルファ修繕等に係る経費を足すということでございます。

 これだけだと非常にわかりにくいのでございますが、まず左の括弧内でございます。減価償却によって法人内に自己資金が蓄積され、建替時期、おおむね減価償却40年経過後でございますと、現在の建物と同等の建替を行うための資金が法人内部に留保されるということで、10億円の建物でしたら40年たつと10億円の資金が法人内部に留保される。これを再取得に必要な財産に充てるわけですが、一方で法人に蓄積される建替費用は、建設時の水準であることから、建設単価上昇率を考慮するということで、40年前の建設単価と今の建設単価を比較して、ここでは10%上昇している仮定で計算をさせていただいておりますが、10億で建てた建物が10億で建てられるということではなく、建設単価上昇率を掛けた11億円が必要な経費になるということでございます。これについて、11億をそのまま再取得に必要な財産として計上できるかというと、当然、借入金や補助金を用いて施設をお建ていただいていることもありますので、それらを差っ引いた自己資金比率を計上することになろうかと考えております。

 これを再取得に必要な財産として、控除対象とするわけです。

 では、自己資金比率の割合をどう見るかでございます。当然、その借入金の比率や補助金の比率は施設によってはまちまちでございますし、建てた時期でもまちまちでございましょうし、地域によって地単で設備整備費の補助があったりするので、非常にさまざまな状況が想定される中で、この自己資金比率をどの程度見込むのかが一つのポイントになろうかと考えております。

 また、点線の中の算出方法イメージの最後の「+α(修繕等)」でございます。40年間施設を運営されていくに当たって、その間一定程度の修繕費が必要になってくることは申し上げるまでもないと思いますが、それでは、果たして10億円で建てた施設について、一体どの程度の修繕費が一般的に必要となるのか。何千万なのか、1億なのか、2億なのかと。これにつきましても、当然、立地条件、建てている場所がどういった条件なのか、あるいは木造なのか鉄筋なのか、あるいは入所か通所か、いろいろなパターンが想定される中で、この修繕をどの程度見込むのかも一つの課題になってこようかと考えております。

 私ども事務的に少し調査をしたわけですが、なかなかこれという数字を出すのが難しい中で、ページを飛んでいただいて恐縮ですが、最後の20ページをお開きになっていただければと思います。

 「社会福祉法人の財務規律の向上に係る検討会の設置について」ということで、今ほど申し上げました控除対象財産の算定ルールを含めた詳細な検討や、会計監査人に関しましても、対象範囲については御議論はここでいただくわけですが、細かな実施範囲、内容について少し専門的な御議論をいただいたほうがいいのではないかということで、このような検討会を設置して御議論を進めていただければと考えておるところでございます。

 設置趣旨については、今ほど申し上げたことの繰り返しになりますが、会計監査関係や控除対象財産関係等の検討項目について、専門的技術的な整理を行うということで、ここの議論につきましては、適宜この部会には御報告させていただくということでございます。

 検討課題でございます。まず会計監査につきまして、会計監査人候補者をどのように選ぶのか。

 2つ目、会計監査の実施範囲ということで、会計監査人の証明が必要になるわけですが、その範囲をどこまでとする必要があるのか。

 3つ目、会計監査の実施内容でございます。社会福祉法人でございますから、当然、株式会社と全く一緒にはならないものでございまして、その際、重点監査項目をどのように設定して監査を実施していくのかということ。

 4点目、会計監査に非設置法人に対する専門家の活用方法ということで、会計監査人を置かない法人におかれましても、公認会計士や税理士といった専門家の方を用いて適切な監査を行うよう、この部会で御提言を頂戴したところでございまして、その具体的な方法を検討いただこうということでございます。

 大きく2つ目でございます。控除対象財産に係ることでございまして、1つ目が今ほど申し上げました、算定ルール。またその算定に用いる各種計数の設定の考え方ということで、これはまさしく今申し上げました自己資金比率をどうするか、あるいは修繕の割合をどう見込むのかといったことについて、御議論をいただくということでございます。

 検討会のメンバーにつきましては、まだ調整中ではございますが、財務に関する専門的知見を有する方あるいは有識者、法人を経営する方からお集まりをいただきたいと考えております。

 検討会の説明は以上でございます。ページをお戻りいただきまして、ここの控除対象財産につきましては、今ほど申し上げた技術的な検討が必要になりますので、少しそういった観点も含めてこれから検討を進めていきたいと考えております。

 ページをおめくりいただきまして、最後、地域協議会でございます。15ページでございます。55条の2という規定がございまして、社会福祉法人は地域公益事業を行う社会福祉充実計画の作成に当たって、当該地域公益事業の内容及び事業区域の件、需要、ニーズにつきまして、当該事業区域の住民その他の関係者の意見を聞くということで規定をされております。これにつきましては、社会福祉充実計画も内容についてはこれからでございますが、まず社会福祉事業を実施していただく。その上で地域公益事業を実施していただくわけでして、その社会福祉充実計画の中に地域公益事業を位置づけられている場合に地域の意見を聞くということで、法律上規定されています。地域協議会という具体的な名称が法律で出てくるわけではございませんが、いわゆる地域協議会ということで呼ばせていただきますが、これについてどういった形にしていくことが適当かということも、これから詰めていかなければならない論点でございます。

16ページでございます。これが昨年の福祉部会でいただいた報告書でございます。「地域協議会は、所轄庁が地域ケア推進会議との既存の協議会を活用などして開催することとし、その運営については、社会福祉協議会が中心的な役割を果たすケースが想定される。具体的には、各協議会の代表者、地域住民、所轄庁・関係市町村等が参加し、地域における公益的な取組を実施しようとする社会福祉法人が、可能な範囲で制度横断的に地域における福祉ニーズを把握できる場を設けることが基本であるが、各地域における福祉に関する協議会の設置状況、活動状況を踏まえた柔軟な運用を認める必要がある。また既存の福祉に関する協議会の多くは地方公共団体を設置するものであることから、円滑に地域ニーズを把握する機会を得られるよう所轄庁において関係市町村と連携することを求められる」ということで、こういった御提言をいただいていることでございます。

 これを踏まえまして、具体的にどうしていくかということを17ページ以下に記載させていただいておりますが、まず、機能及び役割ということでございます。繰り返しになりますが、社会福祉法人が社会福祉充実計画の作成に当たって、改正法案55条の2の第6項、先ほど読み上げたものと同じでございます。これによって、求められる意見聴取は地域協議会が行うということです。

 2つ目でございます。地域協議会の枠組みを、社会福祉法人が地域における公益的な取り組みを実施するに当たり、地域における福祉ニーズは適切に反映される機会とすることが考えられるということで、ここは若干複雑な法律の仕組みになっておりまして、地域公益事業を社会福祉充実計画の中で行うときには、この55条の2第6項の規定によって、地域協議会の意見を聞くということでございますが、実は、冒頭資料の2で申し上げました、地域における公益的な取り組みを行う責務を24条2項に位置づけました。これは地域における公益的な取り組みということで総称させていただいております。これについては各法人の責務ということで実施していただくわけですが、これを実施するに当たっては、地域協議会への意見聴取は義務ということになっておりませんでして、あくまでも今申し上げている義務というものは、55条の2第6項の規定によりまして、意見を聞くということを申し上げているものでございます。

 「地域協議会には以下のような機能が考えられる」ということで、それぞれ福祉ニーズの把握、実施体制の調整、実施状況の確認といったことでございます。

 一番下の基本的な考え方でございます。「法人による地域のニーズの把握及び所轄庁による社会福祉充実計画の承認を円滑に行うことができる仕組みとする」ということが1点でございます。

 2点目でございます。地域協議会は、法人が今申し上げました24条2項の取り組みですとか、55条の2の地域公益事業を実施するに当たって、制度横断的に福祉ニーズを把握できればとして設けることが基本であるが、福祉ニーズを把握する機能を有する既存の組織・協議会等の活動状況を踏まえた運用を認めるということで、柔軟に実施したいということを申し上げているものでございます。

18ページ、「「地域協議会」の具体例」でございます。これにつきましても、いただきました御提言をもとにまとめたものでございますが、開催の主体につきましては、当然所轄庁が地域の実情に応じて判断するということでございますが、例としましては、市町村社会福祉協議会に設置されている地域福祉活動計画策定委員会等を活用して開催する。あるいは例の2でございます。これは市町村に置かれております生活支援体制整備事業における協議体等の既存の協議会を活用して、構成員に他の福祉分野の有識者を追加するなどして開催するケースということで、繰り返しになりますが、所轄庁が地域の実情に応じて御判断いただくという仕組みを考えております。

 構成メンバーでございます。以下のような者が想定されるということで、るる列挙をしております。ごらんのとおり有識者でございますとか地域の関係者といった方に参画していただく。あくまでもこれは例示でございますので、それぞれ柔軟に考えていただければと考えております。

19ページは、参考に福祉部会の報告書を改めて少し引用させていただくものです。説明は省略させていただきます。

 以上、多岐にわたる項目につきまして、雑駁な説明で大変恐縮ですが、主に4つの論点、これから御議論いただきたい論点について御説明をさせていただきました。

 あとわずかですが、資料の説明をさせていただきたいと思います。引き続き資料4という一枚横長の資料をごらんになってください。

 「法施行後の大まかなスケジュール」で、来年、平成29年4月に施行ということでございますが、それぞれどういった手続を経て、施行に至るかということを簡単にまとめた資料でございます。

 まず、左上の「社会保障審議会福祉部会で議論」ということで、まさにこの場でこうして御議論いただいていることでございまして、来月、再来月ぐらいを目途になるべく早く大まかな論点については御議論をいただければと考えております。それを踏まえまして、私どもとしては政令、省令、通知といった諸手続及びその発出ということをさせていただいた上で、自治体の皆さんあるいは法人の皆さんへの周知活動をしていくということでございます。これにつきましては、当然政令、省令、通知という正式な手続を踏まずともあらかた内容が決まったところで、事務連絡のような形で決まっているところまでにつきましては御連絡をさせていただいて、速やかに周知活動を始めたいと考えております。

 それぞれ個別の項目でございます。

 まず、評議員関係につきましては、今ほど申し上げました手続が決まりましたら、定款変更(新評議員の選任方法)の準備・手続を法人の皆様にしていただいて、定款変更認可後、平成29年3月末までに新評議員を選任していただきます。この新評議員の任期が平成29年4月1日に開始され、新評議員による定時評議員会がその後開かれるということでございます。

 2つ目、会計監査人関係でございます。

 申し上げるまでもなく、まず、対象法人の基準を決めなければなりませんが、これが決まり次第、皆様方には会計監査人候補者の選定をしていただくことになります。引き続き「予備調査の実施」と「予備調査の結果に基づく改善支援の実施」ということで若干わかりにくい言葉でございますが、例えば会計監査が対応可能な内部統制が構築されているかとか、計算書類が社会福祉法人会計に準拠しているか、そういう基本的なところを予備調査で御確認をさせていただくということでございます。そうした手続を経て、会計監査人を評議員会で選任をして、契約を締結して、会計監査を開始するという流れになっております。

 次に社会福祉充実計画でございます。これにつきまして、決算見込が出た段階で充実残額を試算していただいて、充実計画を作成していただく。これにつきましては、法律で公認会計士、税理士による確認をしていただいた上、定時評議員会の承認をいただいて所轄庁の承認をいただくという流れになっております。

 一番下が「電子開示システム関係」ということで、なるべくいろいろな形で情報を活用できるように、電子開示システムを私どもで構築するということで、既に構築の準備につきましては開始をしているところでございますが、これにつきまして、財表等電子開示システムの試行テストを速やかに実施して、入力ツール、利用ガイドを配布して、システムの本格稼働に向けて進めてまいりたいと考えております。

 大変長い説明で恐縮でございますが、説明につきましては以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。

 主な論点が4つありましたので、1つずつ順番に取り上げて、皆様の御意見、御質問を伺います。

 資料3の1ページ目から6ページまでについて、御意見、御質問があればお願いいたします。

 武居委員、高橋英治委員の順でお願いします。

○武居委員 武居でございます。

 「評議員会の員数に係る経過措置」の件でございますが、ここである程度猶予期間を設けたというのは2つ理由があるのだろうと思います。1つは小規模法人の事務的な能力が不十分であるというところと、評議員を新しい制度のもとで選任することはなかなか対象の人が難しい。この2つの理由なのだろうと思います。

 小規模法人の事務能力の問題に関して申しますと、対象の事業規模が2~3億ぐらいのところでも事務職員が不在という法人もございます。法人の事務員だけでなく施設の事務員も不在のような小規模の施設もございます。したがいまして、ある程度事務能力が低いということを考えて、規模を考える必要があるのだろうと思います。

 2点目の評議員の対象となる人についてですが、識見を有する者を選任となった部分でございます。単に識見を有すれば誰でも選べるかというと必ずしもそうではなくて、信頼性のある人とか、もう一つは当該法人の事業とあまり競合しない方を選ぶ必要があるのだろうと思います。同じ事業をやっているところで近くにいると、自分の事業の内容を知られて困ることはないのでしょうが、競合するということもあります。そうなってくると、対象が非常に制限されるという実態があるのだろうと思います。そこの改善も必要になるのではないかと思われます。

 例えば、役員になることができない特殊な関係という制限部分があって、従来の考え方だと、その特殊な関係者の中に社会福祉法人の役員等も当然入るだろうと思います。例えば当法人の理事長が別の法人の役員をやっている。そこの役員の人に当法人の評議員になってもらうということは、現実には今の流れの中ではできないという形になっているのですが、公益認定法などによりますと、公益法人の中では一定の人数の制限の中で他の同一の団体の理事または使用人である者という対象の中から、公益法人またはこれに準じるものとして政令で定めるものを除くという規定もありますので、ある程度は他の社会福祉法人の役員や評議員が就任できるよう、もう一度再考する必要があるのではないかと思います。

 評議員の数に対する規模の問題ですが、なかなか数で選定するのは難しいところもございますが、1法人1施設という限定の仕方でありますと、今の制度だとさまざまな規模がありますので、一定の収入規模当たりを考えるべきではないかと思います。例えば2億円以下というところを候補として考えたらどうかということでございます。

 以上です。

○田中部会長 ありがとうございました。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋英治委員 日本保育協会の高橋でございます。

 ほとんど武居委員がおっしゃったこととかぶってしまうわけですけれども、まず、評議員の員数についてですが、3年の猶予はあったとしても、いずれは7人以上になるわけなのですけれども、今、武居委員もおっしゃったように1法人1施設というくくりの中では、業種によってもさまざまな規模の違いが出てきますし、逆に例えば保育所のように小さい法人でしたら1法人複数施設であっても、ある一定以上の規模に達しないこともあろうかと思います。そういった観点からすると、施設の数よりは一定の法人の事業規模で捉えたほうがよろしいのではないかと思います。

 これも同じなのですけれども、評議員の対象者でありますが、具体的に言いますと私どもの地元の話で恐縮でございますけれども、1つの中学校の校区の中に5つの1法人1施設の保育所があります。なお、その中には介護をやっている法人が2カ所ありますので、1つの中学校の区域の中で7つの社会福祉法人があるという状況があります。そういった状況の中で、7人以上の評議員の対象者を選んでいくというのは相当な労力が必要になろうかと思いますし、対象者がいたとしても、みんながみんなオーケーと言ってくれるとは限らないということもあります。そういった意味では、信頼の置ける法人同士の連携といいましょうか、それぞれの法人の評議員、理事も含めた、ある意味での兼任みたいなものを若干配慮して認めていただくといったことも考慮していただければありがたいと思っております。

 以上でございます。

○田中部会長 ありがとうございました。

 松山委員、どうぞ。

○松山委員 今の御指摘の続きなのですが、評議員の方を選ぶことが難しい地域が結構全国にあると思います。そこで、私は共同評議員会みたいなものを認めることも一つの案ではないかと思います。これは、過去の福祉部会の議論の中でも私が何度か申し上げたと記憶していますが、現実問題を考えれば、今、御指摘のとおり、例えば1つの地域に7法人あって、そこが全部独立した評議員会を持つというのは非現実的だと思います。そうであれば、共同評議員会のメンバーになる人の選定の方法を考えて、その枠の中で皆さんでやっていただくというのもありではないかと思います。

○田中部会長 ありがとうございます。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 評議員に関しては、今、武居委員、松山委員がおっしゃったことに全く同意でございます。たまたま高橋委員と私は実家が一緒なので地元の事情がよくわかっているのですが、そういった工夫はぜひ必要だということなのですが、片方で、ここで確認しておきたいのが今回の法改正によりまして、評議員の位置づけが諮問機関から議決機関に変わったという形で言われておりますが、さらに言いますと、今まで諮問していたものと議決していたものの内容がかなり変わっている。かなりと申しますのが、過去は法律に評議員会をやることを明確に書いていなかったですが、今回の法律を見る限りによりますと、予算及び事業計画書は評議員会で議決するものではないということでありますし、あるいは45条の10では評議員会の目的である事項に関しないものといったものについては、理事は説明をする必要がないといった形で、評議員会のやることというのは非常に限定的に扱っております。

 これは、あり方あるいは福祉部会でも議論がありましたように、評議員会というのはこれまでのような理事会と往々にして同じ内容、あるいは下手をすると同時開催をするといったようなものでは全くなくて、評議員会というのは年に1回あるいは年に2回といったものになるということでございまして、このあたりの御理解をいただくと大変というものが違ってくるのではないかと思うのです。

 一点危惧している点で事務局にお聞きしたいのですけれども、定款の変更というものが実は評議員会の中に含まれております。これ以外のものについては緊急のケースでない限り、年に1回あるいは年に2回評議員会を開けば十分であろうということなのでございますけれども、現実的には、何か新しい事業を始めるごとに定款変更しなくてはならないといった指導をしておられる自治体がございまして、定款自治というか定款官治みたいな状況になっておりまして、毎回のように定款変更で理事会に諮るということでございます。

 もし、現状のように定款の細かな変更、もともとモデル定款がございまして、これを国が示しておられて、それに従って都道府県が指導される。一言一句かなり似たようなものにせよといったものになった時期があると思うのですけれども、そういった定款自治がまるでないという状況の流れの中で、定款も一言一句変更の場合には、理事会、評議員会を年に4回とか5回開くことになりますとまた手間がかかる話でございます。

 私は、これは国の事務でございますので、自治体は受託事務になるわけで実施事務ではございませんから、国のほうでは、定款についてはほかの法人がそうであるように、細かな事業をやるやらないに応じて、法人の憲法である定款を一々変えなくてもいいということを明確にしていただきますと、評議員会というのは公益法人と同様に年に1~2回で済むことでございますから、人の選任というのはかなり軽くなる。あるいは適切な人にもお願いしやすくなるということになりますので、この定款の部分が実は肝になるかと思っておりますが、いかがでございましょうかということが1点です。

 それから、理事はどういう人がふさわしいかということについて、以前は通知に書いてあって、法律に書いてございませんでした。今回は法律に書いております。書かれている内容が異なっております。実質経営を担える人という書き方になっていると思います。これは非常に適切な改正だと思いますが、評議員に関しては法律にも前回書いてなかったし、今回の法律にも書いてございません。政省令に委ねるようにもなっておりませんから通知に書くのかと思うのですけれども、ここでどういったことを想定されているか、これまでの法改正の前の通知と同様のものを想定されているか。これによっても大変さが変わってくる。

 今、評議員になられる方がいらっしゃらないという議論は、ここに参加している委員は別として、相当の部分が今までと同じような評議員会と、今までと同じような評議員を選ぶことを前提で現場の経営者の方々は考えられておりますから、今までと評議員会の性格が変わってくるということで回数も当然変わってくるのではないかということと、そのためには定款の変更に関してどのようにお考えかということが1点と、評議員としてふさわしい方を通知としてさまざまな例示をされていますが、それはどのようにされるかということについてお答えください。

○田中部会長 事務局、2つの質問にお答えください。

 課長、お願いします。

○岩井福祉基盤課長 その前に、武居委員からありました、いわゆる評議員の特殊な関係者については今後検討いたしていきますが、御指摘のとおり公益法人の例などもございます。評議員会にとって一番重要なことはガバナンスがきっちりきくということでございますので、そのガバナンスがきかないような関係者を入れるのはできないということでございます。

 一方、識見を有する者というので、社会福祉法人経営に精通している方というのは考えられるわけでございまして、公益法人でも例がありますように、そういう他の事業者から入っていただくというのは検討してもよいのではないかと考えておりますので、ただいまの御意見もいただきまして、今後は検討させていただきたいと思います。

 藤井委員からの御指摘の点でございます。

 まず、定款なのですけれども、先生が定款について憲法だとおっしゃったとおりでございまして、まさに社会福祉法人というのは財団法人でございます。財産を使ってどのような事業をするか。普通の公益財団で言えば、寄附行為に従って忠実にやっているかということが重要なのですが、そういう財産を使ってどのような事業をするかというところが根幹だと思っております。まして、社会福祉法人の場合は巨額の公費が入っておりますので、どういう事業をするかというのは非常に重要なところでございますので、事業でどういうことをするかということはきっちり定款で示した上で、これは評議員会がきっちり見るべきだろうと思っております。

 一方、それについて、開催回数などの負担があるということでございますが、最低限開催していただく必要のあることはどうしても御負担いただかなければならない。あと、評議員会の運営については、できるだけ省力化できるところはできるようにするということで今後考えていきたいと思っております。

 それから、評議員会の評議員の例なのですけれども、今回の法律では識見を有する者としております。ここのところは、基本的には法人の自治に委ねられるところだと思っております。ただし、先ほど申し上げましたように、どうしてもガバナンスを阻害するような方には入っていただけないというところで、こういう方でなければならないという限定列挙する考えもございません。一方、法人側からはどのような人が適当かという例は示してほしいという御意見がございますので、そこはなるべく幅広く示しますが、こういうことでなければならないということは示さないという考えでおります。

 以上でございます。

○田中部会長 どうぞ。

○藤井委員 定款変更の件でございますが、例示をしたほうがよかったと思うのですけれども、例えば新しい保育園を始める、あるいは新しい特別養護老人ホームを始める。この定款変更というのは当然されるし、評議員会事項であろうというふうには想定するのですけれども、既に地域で訪問介護事業をやっておられて、新しい事業所、拠点を構えられる。このレベルで定款変更が必要か。実際には自治体がこれで定款変更を求めているところもございます。ですので、定款変更が必要なレベルを国からお示しいただければ、結構現場の混乱がないかと思っておりますのでよろしくお願いします。

○田中部会長 橘委員、どうぞ。

○橘委員 おはようございます。

 小規模法人で認められる評議員の経過措置については、サービス活動収益でいくら以下という基準で考えているということは読み取れますが、その活動収益から就労支援の事業収益は除いていただきたいと思います。今後の検討課題ではこういったことを話題として提示していくことの方がよろしいのでしょうか。今日は説明に対しての質問ということなのでしょうか。

○田中部会長 質問と御意見を伺って、あとは事務局で。

○橘委員 そうであれば、後で出てくる「会計監査人の設置法人」においても同様な部分がありますが、障害のある方々の多くの事業所では生産活動を行っています。私たちとしてはできれば、生産活動に伴う事業収益に関しては会計監査人の設置法人の義務に係る収益の算定から外していただきたいという希望があることだけをお話しさせていただきます。

○田中部会長 御意見として承った上で、検討することになると思います。

 ほかに、論点1についてはよろしゅうございますか。

 三好委員、お願いいたします。

○三好委員 評議員の資格の件でございます。

 今ほど課長さんからは、具体的なものは法的な形では示さないけれども、一つのこういうものであろうということを示すということでありました。指導・監査をする市町村の立場からいきますと、どういう形で評議員会が運営されて、どういう人がメンバーになるか。先ほど、武居委員からも話がありましたとおり、地元にはなかなかそういう人材がいないということもございまして、多分かなりの人たちが今までの例から見ますと、法人間で重なってくるだろうと思います。

 そうなりますと、一人の方が何カ所もということもあり得ます。私は、これは余り好ましいことではないだろうと思っています。極力いろいろな幅広い方に入っていただくことが必要でありましょうけれども、一方で福祉の認識を持っている方でなければならないと思います。そういう例も心配されますので、ぜひ極力具体的な、こういう方を人選すべきだということを例示をしていただければと思っています。

 先ほど、松山委員から話が出ました、共同での委員会はすばらしいアイデアではないかと私は思います。ぜひそういうような事例も取り入れていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○田中部会長 ありがとうございました。

 次の論点に移らせていただきます。2番目、資料3の7ページ~9ページ、会計監査人についてはいかがでしょうか。

 藤野委員、お願いします。

○藤野委員 途中で失礼しなければいけない事情がありまして、10億以上、負債が20億以上という話があるわけですけれども、例えば我々のところは児童養護施設とか情短施設、あるいは乳児院という措置施設を複数やっているところでは、10億にいく施設は結構あるのではないかと思うのです。

 ただ、措置施設の場合は使途が非常に限られて、今まで措置費の使い方が限られてきていました。次の議論にもなるのですけれども、公益事業に対しても措置費を使ってはならないというのが今までの指摘でありまして、監査等でも厳密にすべきであると。例えば職員の活動が定款には載っていない。でも、本来の仕事だと思っていますけれども、虐待防止のさまざまな活動に職員を回してはならないみたいな非常に矛盾した指導を今までも受けたことがあります。

 そういう点で言えば、一つは監査人を入れるという場合、その費用はどこから出すのかということがあるのです。実際、措置費から回してはならないわけでして、本部の会計というのはもう寄附以外はないのです。だから、前の慈善事業の時代のように寄附を集めては公益的な事業、虐待防止はまさに必要な事業だと思うのですけれども、そういうものをやらざるを得ないという事情があるということです。

 例えば、非常に紛らわしい事例としてはアフターケアの事業があります。今の制度では、子供たちは二十歳まで延長が可能ですけれども、二十歳を過ぎて大学に在籍していてという子供が実際に園におります。そういうことに対して措置費は絶対に使ってはならないということになっています。ところが、そういうことをやっていることが公益的な事業にならないのか。実際には、児童福祉法でもアフターケアをやるべきであるということを位置づけておりますので、本来の事業ではないかと言われればそれまでですし、でも、それはかなりの精力、財力を使って、そういうことをやっているということは公益的な事業にもなるわけであります。特にその辺の措置施設に関して10億云々ということと公益的な事業云々という部分で、今まで措置費の弾力運用みたいなことを言っていましたけれども、それももろ刃の剣でして、その辺のことの整理をぜひお願いしたいと思います。

○田中部会長 事務局は、何かお答えになりますか。

○岩井福祉基盤課長 会計監査人というのは措置施設に限らず、その法人がガバナンスを行うという意味で、その必要な経費も含め、その法人が負担する中で出していくことになりますけれども、どういう出し方をするのか、あるいは公益事業についてはずっと委員からも御指摘がありますとおり、措置費の使い方などが今でもある程度出せる形になっているわけですが、それをどういうふうにやっていけるかというのは並行して検討していきたいと思いますので、その点をまた整理させていただきたいと思います。

○藤野委員 保育園などは事務員が配置されていないのです。だから、この法案が通って、実際にやる場合にかなりの事務量がふえるわけでして、その辺のことも含めて、措置施設、保育所などの事務の費用も検討してください。

○田中部会長 松山委員。

○松山委員 今の関連ですけれども、私、2014年度の財務諸表を5,500以上分析しましたけれども、そのときにわかったのは児童養護施設専業の社会福祉法人の場合、相対的に財源が不足しているという印象を持ちました。そういう意味で今、アフターケアの問題とかいろいろ御指摘があったのですが、根本的に公費の投入をすべきではないかということを感じております。その上で、ルール上、10億円以上の法人について監査が必要であれば、その監査はしてもらうという方式がいいのではないかと思っております。

○田中部会長 橘委員、どうぞ。

○橘委員 会計監査人を設置する義務が生じる法人の対象規模と監査の内容については、これから検討会を設けて検討するということでありますので、先ほど田中室長からお話がありましたけれども、それにおいて、社会福祉法人に株式会社等に対する会計監査と同水準の監査を求めることは費用面も含めて余りにも負担が大きい。社会福祉法における会計監査の範囲を明確にし、監査の内容については簡素化してほしいと思います。

 先ほどもお話をいたしましたが、生産活動にかかる収益、負債は除いていただきたいものと、我々団体としては意見を出しておきたいと思います。

 以上です。

○田中部会長 武居委員、お願いします。

○武居委員 そもそも会計監査人の目的というところを考えてみますと、企業のように投資家の保護だとか債権者の保護というものとは目的が違うのだろうと思います。一部のマスコミにかつて幾つかの記事が載りましたように、よほどの悪意を持って操作をしようという経営陣の対処の問題を考えるとしますと、それはむしろ規模の問題とは全く違うところの問題だろうと思われます。

 今回の会計監査人の設置の目的を考えますと、法令にのっとって適正な財務処理をしている。そして、正確な財務諸表の作成ができるというところが基本的な目的なのではないかと思います。それから考えますと、どちらかというと規模の大きいところはかつての状況を見ても、結構できているケースが多い。むしろそういう目的で考えるとすると、規模の小さいところのほうがなかなか難しいところがあるのではないかと思われます。

 それらの問題を、全て会計監査人で解決するというわけにはいかないのではないかと思われますので、会計監査人を置かなければならない法人というのはむしろ大規模な法人に限定して、中小規模の法人については今お願いをしたような法令にのっとった適正な財務処理だとか、正確な財務諸表ができるということを目的にした、もう少し簡便な方法がいいのではないかと思います。例えば外部の第三者による会計処理、または指導がきっちり入って、事務担当者もいないようなところに関して、しっかりとした事務ができるよう指導するということでありますとか、従来以上に監事の役割というのが非常に強化されるという内容になっておりますので、その一人である会計の専門家によっての指導が適切になされるというところに重点を置いたほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

○田中部会長 御意見、ありがとうございます。

 柳川委員、どうぞ。

○柳川委員 今、武居委員から、民間企業における会計監査人設置の背景について話が出ていましたが、我々の企業では、大変厳しい経営環境の中でも、会計監査に対応するために必死に努力しています。

 現在の会計監査人の設置基準の1つに、会社法が定める「大会社」とあります。記憶では、昭和50年代の商法特例法改正以降で資本金が5億円以上または負債総額200億円以上の企業で必置となり、この基準が現在の会社法でも適用されています。当社もその対象ですが、会社法では内部統制やコンプライアンスなども規定されています。これらの体制を整えた上できちんと会計監査を受け、投資家や消費者にお示ししないと、企業的、社会的な信用が得られませんので、会計以外の面からも会計監査人を重視しています。資本金5億円ぐらいの会社が会計監査の対応をするのはなかなか厳しい面もありますが、同時にそれが社会的な役割を果たしていることのメッセージになっていると言えます。

 そもそもこの改革は、社会福祉法人の、事業面の透明性向上及びガバナンスの向上を目的にスタートしました。各施設で諸事情あることはよくわかりますが、ある一定の水準の施設からまずは会計監査をやってみて、これをしっかりやれれば社会福祉法人も変わってきたと社会に伝えられると思います。松山委員もお話しされていたように、細々とした制度のアフターケアは必要でしょうが、まずは本筋として、前回議論していた水準から会計監査人を設置したほうがよろしいかと思います。

 

 以上です。

○田中部会長 関川委員、お願いします。

○関川委員 大阪府立大学の関川でございます。

 会計監査人の設置を義務づける法人の範囲については、部会で議論したとおりで基本的に賛成でございます。ただ、後から振り返ってみますと、公益社団、財団法人と比較すると10億というのは少し厳し過ぎるかと思っております。そもそも8ページの部会報告書にある収益10億以上の法人、そして、負債20億以上の法人、資産100億以上の法人というのは公益社団、財団法人の基準というよりは、むしろ現在の社会福祉法人の審査基準であります外部評価を受ける努力義務をそのまま取り入れたものと理解しております。

 そうであるならば、企業などにおける会計監査人による監査とは区別し、社会福祉法に基づく会計監査人による監査のあり方が検討されるべきです。すなわち、会計監査人の監査範囲であったり、監査内容あるいは監査方法が検討されてしかるべきではないかと思います。私は部会でも議論しましたように当初は10億規模から始めて7億、あるいは4分の1程度と目安を持ってくれば、将来的には5億程度までこの範囲を広げていくことが、国民に対する信頼を確保するために必要な措置だと考えております。

 同時にそういった将来構想を踏まえた、実施可能な会計監査人による監査のあり方を社会福祉法人の実態に合わせて検討していただくということが必要なのではないか、大切なのではないかと考えます。これにつきましては、会計監査人の監査に係る経費負担の問題もございます。そして、会計規模が5億規模の法人にまで会計監査人を設置するのであれば、将来的には負担軽減、助成などの方法も検討されるべきではないかと思います。あわせて、法人側の実施体制についても十分配慮いただきたいと考えております。

 以上でございます。

○田中部会長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 今ほど、柳川委員あるいは関川委員から社会に信頼される社会福祉法人ということの上で、監査人制度をきちんとやっていこうとの御趣旨に大変賛成でございます。それから、関川委員あるいは武居委員がおっしゃった目的が違うのではないか。大きな意味では社会に対して信頼される法人ということでございますけれども、一般の株式会社の場合は、私も民間企業におりましたけれども、柳川委員がまさにおっしゃったように非常に利益圧力が厳しい中で、どうしても現場の人間も含めて利益をいかに出すかということが重要なことでございまして、時々といいますか、しばしば大なり小なり利益を粉飾していく。かなり巧妙な手段によって利益が粉飾されることが起こる。こういう過去の何度かの経験を通じて、会計監査人という制度が商法、会社法の中に位置づけられたということだと思うのです。

 社会福祉法人において、粉飾して利益を多く出すというインセンティブは全くございません。武居委員がまさにおっしゃったとおり、人員が十分でないがゆえに、あるいはやや複雑怪奇な社会福祉法人会計がゆえにミスが多いという問題でございまして、そうしますと会計監査人となられる方は、同じ会計監査人でございますが、当方の法律には税理士さんというのも入っておりますから、もとから役割は異なるのではないかと思います。武居委員のおっしゃるように、ある程度きちんと会計ができるような支援をしていくというのが、何億ぐらいの線というのは明確ではないかもしれませんが、私の感覚で言うと、売り上げ規模が10億を切ってしまうと相当怪しい財務諸表が出ているケースがありますので、そういった目的があるのではないか。

 つまり、これは下の部会で専門的な観点から御議論をいただくということなのでございますが、まず、どういった業務でどこにスポットを当てるのか。株式会社の会計監査と同じような観点でこれだけ事務量が発生しますと会計の専門家の方に言われると、かなり高額なものになるのではないかと危惧しておりまして、むしろ、社会福祉法人に必要な機能ということでこのレベルが必要なのではないか、これが社会に信用される社会福祉法人にとって重要なのではないかという観点から御議論いただきたい。

 これはニーズのほうでございますけれども、その業務量から見て、果たして全国津々浦々これを引き受けてくださる会計の専門家の方がどれぐらいいらっしゃるのかという面が、きちんとデータとしてお示しいただかないと、何億という線を引いて大丈夫なのか。これは会社の場合ですと、所在地というのは基本的に大都市中心でございますが、社会福祉法人は離島、僻地等々にございますので、そこまで来ていただけるということも考えなければいけませんので、このあたりの線引きというものの一つは売上高があろうかと思います。あるいは僻地、離島等においては猶予措置があるかもしれませんけれども、いずれにせよ、本当にやってくださる方がいるのかという観点のチェックもぜひしていただければと思います。

 社会福祉法人が本来はこれまで輝かしい業績を上げたにもかかわらず、一部の法人により信頼が失われたかのようなことでございますので、むしろそうではなくて、積極的に社会に信頼していただくための制度でございますから、それを積極的に活用しようという点はそのとおりなのでございますけれども、先ほどの藤野委員がおっしゃっているような社会福祉法人が措置費をそのまま使えばいい、そんなに大した事務員も置かなくていいとしてやってこられた中でのことでございます。これが、生き馬の目を抜くところで戦っている営利法人と非営利法人との違いもありますので、きちんとやらなければいけないけれども、個別に細かな社会福祉法人としてということは考えないと、同じ会計監査人という名前があるものですから、期待される方もやる側も誤解というのはおかしいかもしれませんけれども、社会福祉法人にとってという部分がきちんと設計されませんと、おかしなことになるのではないかと心配しております。

 以上です。

○田中部会長 藤野委員。

○藤野委員 会計監査人と言われる場合に、私は監査法人でなければならないと伺ったり、公認会計士さん一人にお願いをするという形でいいのか、あるいはそれが税理士さんでもいいのか、弁護士さんにお願いをするという形でもいいのか、その辺をちょっと教えてほしいのです。監査法人でなければならないみたいに言われると、例えば鳥取県ではないのではないでしょうか。ちょっとわかりませんが、そんなことを含めてちょっと教えてやってください。

○田中部会長 御質問にお答えください。

○岩井福祉基盤課長 いろいろと御意見をいただいたので、ちょっと敷衍しながら今の藤野委員の御質問にお答えいたします。

 関川委員からお話があったのですが、この福祉部会の経緯から申し上げますと、今回の収益10億円、負債20億円という議論は、公認会計士制度を導入するに当たっての法人の事務態勢というのが非常にキーだろうということで、複数事業所以上を持っている法人ということから議論が出たと思っております。ですので、現在の外部評価とは基本的にはリンクした議論にはなっていなかったですし、事務局としてもそういう想定はなかったということでございます。

 いずれにしましても、いろいろ御意見があります中で、会計制度というのは1000年以上の歴史があるわけでございますが、当然株式会社だけのものではないということは歴史的経緯でございまして、これはむしろ部会長などから御指導をいただく話かもしれませんが、私どもの認識といたしましては、会計を通して企業体であろうが、行政であろうが、ガバナンスをきっちりと自分たちも把握し、かつ、外部からも見えるようにするというものではないかと考えております。

 そういう意味では、今回の社会福祉法人改革で経営の自立性を持たせるとか、あるいは透明性を持たせるという意味では、基本的には、思想としては同じものではないかと考えております。ただ、先生方がおっしゃるように、企業と社会福祉法人の場合の業態の違いなどもありますので、その視点の違いというものを今回専門的な観点から議論していただこうと思っているという趣旨でございます。

 そして、藤野委員の御質問についてなのですけれども、これは法律上、監査法人または公認会計士となっていまして、公認会計士というのは個人でなさっているところもございますので、そこまでが対象になるということです。

 以上でございます。

○田中部会長 時間の都合もありますので、3つ目の論点に移ります。

 資料3の10ページ~14ページについてです。

 どうぞ、松山委員。

○松山委員 今の議論の続きなのですが、私が気になるのは社会福祉法人の監査の制度設計の議論をするときに、規模の小さいところは事務処理能力が低いということを理由として適用除外してほしいと要望するのは社会福祉法人にとって危険ではないかと思っているのです。これから恐らく保育士や介護士の給与の追加財源を公費で投入せざるを得ないと思うのですけれども、その議論のときに、公費を投入する先の事務処理が実は弱いのですということを言われると非常に困ったことになるのではないかと思います。現実は確かにそういう点はあるけれども、それをよくしていくのだというスタンスで議論を議事録に残しておかないと、業界にとって危険だと感じています。

○田中部会長 ありがとうございました。

 松原委員、お願いします。

○松原委員  重要なことは自分たちがどのようなお金をもらって、どのように使っているかを国民に開示していくということであって、退席なさいました藤野委員がここで先ほどおっしゃっていたように措置費、措置事業において、その金を当該事業にしか使えないという現状の中で措置事業だけを行っている法人は、会計についてどうやって費用を持ってくるのだというところをしっかり整理しないといけない。小さいところも当然しっかり説明していかなければいけない、その体制をつくらなければいけないのですけれども、今の体制で人、物、金が自由にいかないという縛りの中でどうするのかという整理はつける必要があるといけないと思っております。

○田中部会長 ありがとうございます。

 控除対象財産のほうはいかがでしょうか。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 これも専門的な部会を設けられるということですので、その中で御検討していただくということなのですが、幾つか何か基準と申しますか、まず、控除対象財産を算定するに当たって、再取得に必要な財産という部分が非常に課題になると思うのですけれども、これは経営の継続性という原則が一つはあるのだろうと思います。それから、誰が見ても簡単に計算しやすいという簡便性の原則があると思います。

 もう一つ、これは私は重要ではないかと思いますが、経営に中立であるか。ちょっとわかりにくい言葉でございますが、例えば、今、減価償却累計額に関して建設単価上昇率を掛ける前提で書かれております。施設更新時基準と仮に呼びますと、これは経営の継続性の観点から非常に重要なことになるということだとは思うのですけれども、これは常に同じ施設を繰り返し運営し続けていっているという前提に立っているものだと思います。特養を建てた40年後に同じものを建てるのか、あるいは時代に即したものに変えていくというふうに再計算し直すのか、技術的な問題もはらんでいますが、これはよくわかりません。

 部会の前のあり方委員会で、雄谷委員がこれから地域に出ていく時代に施設を再更新するという考え方はどうだろうかといった趣旨をおっしゃって、私もそのとおりだと思いました。同じものを建てる基準というのは、経営の中立性ということで言いますと、経営者が同じものを建てるということを前提に置いているという意味でどうなのかということがありますのと、簡便性の面でやや難がある。例えばお考えになっているような、国土交通省が出している建設工事費デフレーターみたいなものを掛けるとおっしゃっているのかもしれませんけれども、地域差を考えるとか資材を考えると、建設物価建築費指数を掛けろとか、これはいろいろな考え方とかいろいろなやり方が出てまいります。

 私はむしろ、施設更新時基準に立つよりは資金調達、最初の時点で資金を投入した自己資金がきちんと返ってくるようにしたほうがいい。このお金は言ってみれば、経営を継続していくために社会福祉法人として守っていきたいということでございまして、公益法人ではこういったものが認められていないにもかかわらず、我々としては世の中に守っていってほしいと訴えるものでございますから、ちょっと厳しい基準というのも視点としてはお考えいただいた上で、結果としてはどうなのか。最初からこれは同じものを建て直すという基準で技術的に計算するというのではなくて、いろいろな基準とか前提を整理した上で、メリット、デメリットを出していたただいた上でこのようにした。つまり、この部会の外側で、社会福祉法人は果たしてどうなのかとおっしゃっていらっしゃる方々に、こういう議論をして結果としてできましたという形にしていただきたいと思います。

 その点から言いますと、14ページにあります自己資金比率というものがあるわけでございますけれども、これは私が先ほど申し上げました資金調達時基準という考え方でいきますと、各法人によってこのパーセンテージが違ってくるということでございます。幾つかの法人を見させていただくと、1施設1法人は余り困らないのですけれども、複数法人を持ちますと、建てたときの借入金とか補助金、あるいは自己資金といったものがどちらがどちらのお金になっているかは必ずしも明確になっていないケースがございます。ですから、実はかなり計算しづらいということがあり、一定率を掛けるかということになりますと、これは資金調達の方法によって利益の出し方が異なっていいということになります。最初の時点の資金調達によらず、利益を同じようなものにしようとするからには、最初の時点の資金調達時にこのパーセントをそろえなければいけない。

 特養について、田中茂委員会で松原さんが中心にやられた計算のときは、この比率が施設更新時基準であり、この11億となっています建設単価上昇率を掛ける。これは施設更新時基準でやったということを前提としてやりましたけれども、改めてそのあたりでいろいろな整理をしていただいた上で、メリット、デメリットがいずれにもございますので、外に対して答え得るようなものを、社会福祉法人が非営利法人として継続的に事業をやるということをきちんと守っていくことをぜひやっていただきたいと思います。

 以上です。

○田中部会長 橘委員、どうぞ。

○橘委員 控除対象財産の算定方法も今後の検討会で議論されるということですけれども、国の施設整備の予算は年々減少している状況です。そのような状況から、施設整備の際に補助金を申請しないで、全額自己負担でうちは頑張りたいと、それを控除対象財産の積算としてカウントしてもらえるような仕組みにできないのか。要するに、補助金を申請すればかなりの労力と時間等がかかり、タイムリーな形で整備できないことがあるのです。ですので、そういった意味において、うちは4年計画、3年計画で整備に係る自己資金を何とか確保して、それを控除対象財産として認めていただきたいとの思いもあります。

○田中部会長 御要望ですね。

○橘委員 はい。要望ばかりで済みません。

○田中部会長 武居委員、どうぞ。

○武居委員 今、お二人のお話の中にもございましたように、固定資産の再取得にかかわる財産の算定というのは非常に変数が多いという感じがいたします。さらには地域差だとか時代によって随分ニーズが変わってくるであるとか、今、お話があったように補助金も将来保障されない現実があるとかいろいろなことがあって、非常に変数が多くて大変だろうと思います。

 そんな中で、各法人が将来を見通して、自分たちが自主的にこうしたいのだということをある程度評価をしていただくような算定方式をぜひ考えていただきたいと思っております。要望でございます。

 以上です。

○田中部会長 この論点について事務局から特に何かありませんか。よろしいですか。

○岩井福祉基盤課長 はい。

○田中部会長 時間の都合で4つ目、「地域協議会」について、御意見、御質問をお願いいたします。

 三好委員、お願いします。

○三好委員 地域協議会の形が地域に応じて、非常に柔軟に対応していただけるということが示されまして、地域の市町村にとりましては本当に大変うれしい、配慮していただきましてありがたいと思ってございます。

 その中で気になる点が一つございまして、先ほどの再投下、再投資をするという計画があった場合、地域でそれを公益事業としてどう活用していくかというのがこれから大きな課題になりますけれども、福祉法人は市町村をまたいでおります。中には都道府県をまたいでいる場合もあろうかと思います。法人全体として、それをどういう形で割り振りをするのか、どの地域にどういう形で再投下、再投資するのか、その辺のルールがある程度決まらなければ、地区ごとで議論しても全く実効性がないような議論になりますので、その辺の具体的なルールといいましょうか、できますれば先ほどの問題と同じかもしれませんが、決めていただきたい、またはルールを示していただきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

○田中部会長 市町村を超えた法人の場合の扱いについて説明をお願いします。

○田中社会福祉法人制度改革推進室長 まだ具体的に区域をどうするかということは検討中でございますが、基本的には所轄庁、いわゆる都道府県と市が中心になって構成をされるという考えがありますが、身近な地域ということでございますので、都道府県という所轄庁の枠に捉われることもなく、市町村という枠組みも一つは考えられるかと思います。

 御指摘のような広域的な取り組みをしているところとか、あるいは大きな市ですと市の中でさらに細分化された協議会が既にあって、そこの意見を聞きたいということも御意見として聞いておりますので、当然行政庁という範囲は一つのメルクマールにしながらも、そこら辺は地域の実情に応じて柔軟に対応できるような仕組みにはしたいと考えております。

○田中部会長 松山委員、どうぞ。

○松山委員 今の御指摘の問題ですけれども、財務諸表を見た限りでは、恐らく県単位の地域協議会を設置しておけばカバーできるのではないかと思います。県をまたいで積極的に事業展開なさっているところは借金のほうが多くて余裕財産がないのです。ですから、多分例外的にそういうところがあるかもわからないのですけれども、ほとんど積極経営しているところは余裕財産がないので、問題が起きないのではないかと見ています。

○田中部会長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 地域協議会というのが、新社会福祉法55条の2の第6項に位置づけられているものなのですけれども、法律を見ますと第6項で協議会の意見を聞き、第7項で評議員会の承認を受け、第8項、第9項で所轄庁からお金が適当かであるとか、内容が適当であるかといったことに関して、助言や他の支援あるいは承認をするという流れになっております。つまり、地域協議会の意見を聞いた後に、評議員会で決めた後、所轄庁が見るということになっているのですが、事実上、第6項の地域協議会のところである程度行政、所轄庁がかかわってくることのたてつけになっているように思うのですが、法律を読むと必ずしもそういうたてつけに読み取れなかったりするのです。

 ここの部分で、所轄庁が地域協議会を積極的におつくりいただいて、これは意見を聞かなければならないということですから、そのとおりにやらなければならないという規定でございませんので、社会福祉法人はそれを受けて、自分なりのものを地域のニーズを踏まえてこうですと、つくったものをその後、所轄庁がこれは金額の面でどうだとか、地域のニーズでどうだということで改めて助言、支援、あるいは承認をするという流れでよろしゅうございますか。

○田中部会長 お答えください。

○田中社会福祉法人制度改革推進室長 資料4の「社会福祉充実計画」というところで、今の藤井先生がおっしゃった流れが書いてありまして、まずは公認会計士、税理士の確認があるわけですが、それも踏まえて定時評議員会の承認、所轄庁の承認ということになっております。

 構成メンバーをどうするかということでありますが、本日お示しさせていただいた資料の18ページでは、構成メンバーとしては以下のような方が想定されるということで、例示として「市町村、都道府県」ということで記載をさせていただいております。ですから、この時点で市町村、都道府県の方に一定の御意見をいただくという方法も考えられようかと考えております。

 ただ、最終的な所轄庁の承認のときにどういう判断をするかということですが、これは今後、通知等でお示しをさせていただきたいと思いますが、あくまでも充実計画というのは一定の基本的な形式的要件がそろっているのであれば、所轄庁がその法人の事業内容について、これはもっとこういうふうにしたほうがいいだろうとか、地域の意見はこうだからこう変えなさいとか、余りそういった内容に踏み込んだ指導までするのが果たしていいのかどうかということがございますので、そうした点についてはよく私どもでも検討して、所轄庁及び法人に対して説明をしていきたいと考えております。

○田中部会長 関川委員、お願いします。

○関川委員 地域協議会に関してですが、資料4の「法施行後の大まかなスケジュール」が「社会福祉充実計画」の項目で書かれておりますが、地域協議会における意見の聴取の位置づけがここにはございません。恐らく公認会計士、税理士等の確認の前に意見聴取があるのだと思うのですが、所轄庁サイドとすれば、管轄する法人の中で社会福祉充実残額があるであろうというものを事前に調査をするとか、予備調査などが必要となるのではないでしょうか。あるいは社会福祉充実残額があると試算される法人の側から地域協議会において意見聴取をしたいので、何月ぐらいに設置してもらえないかという申し入れの手続が示されている必要があるのではないでしょうか。そういうタイムスケジュールがあれば、各所轄庁は大体幾つぐらいの法人について、どの地域でどういう形で地域協議会をつくるかの準備に入れると考えます。このような手続きも「法施行後の大まかなスケジュール」の中に盛り込んでいただいて、各自治体、所轄庁がイメージしやすいような準備を検討していただければと思っておりますが、いかがでしょうか。

○田中部会長 御質問にお答えください。

○田中社会福祉法人制度改革推進室長 今、関川委員から詳細なスケジュールの提示をしてはどうかという御意見がございました。地域協議会については、社会福祉充実計画をつくる場合に必ず意見を聞くということではなく、その中に地域公益事業がある場合に意見を聞くということでございます。先ほど申し上げましたとおり、充実残額の計算をどうするかということもこれからという中で、一体どれぐらいの法人に充実計画をつくっていただくかということも、どの程度の規模感になるかということを把握していない中で、どういったスケジュール感になるかというのはなかなかお示しできないところです。

 おっしゃるとおり、具体的に計画をつくって地域協議会にかけなければいけないということは、所轄庁さんも主導してやっていただくことになるわけですから、一体いつぐらいにどの程度かということをある程度の時期にお示ししなければいけないと思っていますので、少し制度の詳細の検討が進んだところで、細かなところでお示しできるところは早目にお示しをさせていただきたいと考えております。

○田中部会長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 今の関川委員のものにつけ加えましてというか関連してなのですけれども、この地域協議会をつくられるときに、所轄庁がつくられるというたてつけになっているか否かなのですが、少なくとも当該法人の意見を反映する形に何かできないかと思います。多くの地域では、相互の行政あるいは社会福祉法人、あるいは部会の報告書でありましたような例示として社協が書いてある。社協、社会福祉法人、行政というのは連携関係にあり、地域福祉を推進しているという地域が多いと思うのですが、残念ながらこの信頼関係が余りない地域がある。社協には期待できないとおっしゃるような方がいるところがございます。

これを、行政のルール的に社協の中に委員会を設けて事務的にやられるということになりますと、せっかくの社会福祉法人が改めて地域社会に貢献していこうという契機に余りうまくないと思いますので、ぜひ改めて連携関係をつくるためにも行政や社協、社会福祉法人がどういったものをつくろうかといったことを何かやっていただけるような、地域協議会をつくるために協議会をつくるというのは変な話なのでございますが、何か意見収集みたいなものを御示唆いただけるようなことを市あるいは都道府県に言っていただければと思います。

 以上です。

○田中部会長 一わたり議論いただきまして、ありがとうございました。

 時間になってまいりました。私からも一言、会計についてです。

 先ほど、課長も言われましたように、法人の会計は住民、国民の信頼を得るために絶対必須です。企業の場合には説明の主たる対象は投資家ですが、社会福祉法人ですと出資者は広い意味で国民、住民です。その信頼を得るために会計をきちんとすることは上位概念です。そのための手段として一部の法人には会計監査をかけるとか、それ以下の法人についてはそもそも帳簿をちゃんとつけられるような指導をすべきであるとの意見も何人かから伺いました。また、そのための費用をどうするか、費用が出せないから会計はちゃんとしていなくていいという議論は成り立ちません。それらの費用の話とか指導をどうするかとか、監査をどうするか、虚偽がないかどうか調べる等はいわば下部の概念であって、上位はきちんとした会計があることです。それは課長と私の意見が一致している点でございます。一言ぐらい言いたくなるものです。最後に失礼いたしました。

 ほかになければ、ここまでといたしますが、よろしゅうございますか。

 阿比留委員、どうぞ。

○阿比留委員 社会福祉充実計画の件なのですが、資料4のところを見ますと決算があって、細かいことは後々また決めていくという話ですが、その内容について1カ月の間にいろいろな手続をとらないといけない。また、額についてもこれからどうなるかわからないという状況で、単年度関係でどんどんつくっていくのは、法人としてはそもそもやるべきことがなかなか行えないということも多分に考えられますので、ぜひ中長期的な取り組み等もできるように、そこら辺の考え方を取り入れていただければ助かるところです。よろしくお願いいたします。

○田中部会長 柳川委員、どうぞ。

○柳川委員 今、部会長がおっしゃった下位概念に当たるところだと思うのですが、資料4の最後に「電子開示システム関係」というところがあります。昨今、年金機構で情報流出が発生し、各事業者のセキュリティーレベルは高まる一方です。一般プロバイダーのメールを使っている事業者もありますがそれなりのセキュリティ対策をしている事業者にはメールが届かないなんてこともあります。これからの議論だと思うのですが、ICT活用の視点はどこかで入れていただきたいと思います。iPadがあるだけでもかなり便利になってきていますので、ICTの活用が事務サポートに寄与できればいいですし、上位概念の達成に向けて設定されたものが下位概念でも共有されていく仕組みづくりも視野に入れていただければと民間サイドから言わせていただきます。失礼しました。

 

○田中部会長 本日はここまでといたしますが、次回の開催については追って事務局より連絡するようにお願いいたします。

 本日は御多忙の折、お集まりいただき、また、活発に御議論を頂戴しました。どうもありがとうございます。


(了)

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