ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 看護職員需給分科会> 医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 第12回議事録(2019年10月21日)

 
 

2019年10月21日 医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 第12回議事録

○日時

令和元年10月21日(月)12:30~14:30

 

○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B
 

○出席者

池西 静江 (日本看護学校協議会会長)
伊藤 彰久 (日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)
大崎 和子 (社会医療法人きつこう会多根総合病院看護部長)
太田 秀樹 (全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)
太田 圭洋 (日本医療法人協会副会長)
尾形 裕也 (九州大学名誉教授)
鎌田 久美子 (公益社団法人 日本看護協会 常任理事)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
小林 美亜 (静岡大学大学院創造科学技術研究部 特任教授)
島崎 謙治 (政策研究大学院大学教授)
平良 孝美 (沖縄県立南部医療センター・子ども医療センター副院長)
高砂 裕子 (全国訪問看護事業協会常務理事)
竹中 賢治 (全国自治体病院協議会 副会長)
森本 一美 (公益社団法人日本看護協会事務局長付)
山口 育子 (認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

○議題

(1)看護職員需給分科会中間とりまとめについて
(2)その他
 

○議事

○金子看護課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただ今より「医療従事者の需給に関する検討会 第12回看護職員需給分科会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。本日は、鶴田構成員、春山構成員、平川構成員、伏見構成員、本田構成員からは御欠席の御連絡をいただいております。また、島崎構成員、竹中構成員、内藤構成員につきましては、遅れて参加する旨、御連絡をいただいております。それでは、ここでカメラは退室をお願いいたします。(カメラ退室)以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたします。では、尾形座長、よろしくお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。それでは、議事を進めてまいりたいと思います。はじめに事務局からお願いいたします。
○吉田医政局長 事務局の医政局長でございます。担当からお手元の資料の確認などをさせていただく前に、一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
まずは、このたび一連の災害に遭われた皆様方に対して心からお悔やみ、そしてお見舞いを申し上げます。私ども厚生労働省としましては、災害のフェーズが緊急事態から生活支援と変わってきておりますけれども、被災者の方々の生活をいかに支えていくか、そして医療機関、あるいは生活支援サービスの確保・復旧をどのように図っていくか、省を挙げて全力で取り組ませていただいております。この間、看護関係者の方々には団体による災害支援ナースの派遣をはじめ、医療界全体から様々な形で御支援をいただいていること、この場を借りて改めて御礼を申し上げたいと思います。
また、現にこの休みの間においても、だんだん寒くなってまいりますので、インフルエンザをはじめとする衛生対策ということが現地において重要になっていると、私ども本省から派遣しております各地のリエゾンの報告からも承知をしております。そういう意味からも関係者の方々の御努力、そして御支援を引き続きお願いいたしますとともに、国として万全を尽くして参りたいと申し上げたいと思います。
また、この分科会、本日12回ということで、振り返れば一昨年の3月からこのフェーズでの御議論を集中的にお願いしております。改めて申し上げるまでもなく、今回一連の御議論をいただきましたもの、大詰めを迎えておりますけれども、2つのトピックスがあると受けとめております。1つは需給であります。従来の需給推計、地域におけるそれぞれのお考えを積み上げるという手法から、全体として全国を通じた一定の考え方をもお示しさせていただきながら、今後急速に生じるであろう少子高齢化や地域の医療ニーズの変化をできるだけ需給に反映させていただく。もちろん、今後の地域医療構想の進捗等々、色々な状況に応じて、前提となる要素の変更は起こり得るわけでありますけれども、それを明確にした一定の制約、前提を明示しながら、私どもとして需給についての整理を委員の皆様方にしていただき、今後それを地域に落とし込むプロセスで地域の実情、あるいはそれぞれの状況について十分向き合っていただきながら、考えていただくという手法をとらせていただきました。
2つ目は、それを踏まえての今後の看護職員の確保策ということであります。これも従来から積み上げてまいりました各種の取り組み、特に地域的偏在、あるいは領域的偏在という視点を、改めて委員の皆様方からいただいた御意見を踏まえて入れさせていただいて、マクロとしての確保だけではなくて、地域別あるいは領域別の視点からも取り組むべきものは何かということについて、御提言、御議論をいただいていると受けとめております。私どもとして、これもまた、それぞれの地域で見える世界は違っておりますけれども、ここでいただきました議論を丁寧に地域の皆さん方、関係者の方々と会話をしながら進めさせていただくことを予定しております。
現在、地域医療構想、医療関係者の働き方改革、偏在対策をはじめとする医療職の確保という3つの切り口の政策を同時にそれぞれ連結し、関連しながら進めさせていただいております。一つ一つの課題も非常に重要であり、かつ困難な課題でありますが、この3つを同時に考えていただきながら、それぞれの地域でそれぞれの地域に応じたソリューションを見つけていただく。国としては色々な制度を総がかりで精いっぱい支援をさせていただくという姿勢で今後も取り組んでいきたいと思いますので、本日も引き続きの御議論をよろしくお願い申し上げます。私、この後、国会等の業務で失礼をさせていただきますけれども、一連の議論については、これまでもそうですが、担当からよく聞かせていただいております。引き続きの御理解と御支援をお願い申し上げて、冒頭の御挨拶にさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○金子看護課長補佐 それでは、お手元の資料の確認をお願いいたします。お手元に議事次第、座席表のほか、資料1「前回のご議論の概要」、資料2「看護職員需給分科会中間とりまとめ(案)」、資料3「看護職員需給分科会中間とりまとめ案(概要)」をお配りいたしております。不足資料等がございましたら、事務局にお申しつけください。
○尾形座長 よろしいでしょうか。それでは、早速議題に入りたいと思います。これまで看護職員の需給の問題につきまして11回にわたり議論をしてまいりました。今回はこれまでの議論を踏まえ、中間とりまとめに向けて最終的な議論をお願いしたいと思っております。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○岩間看護職員確保対策官 看護職員確保対策官の岩間と申します。私から資料を用いまして御説明を申し上げたいと思います。
前回第11回、9月30日において御欠席された委員の方もいらっしゃいますので、「中間とりまとめ案(概要)」と書かれた資料3をごく簡単におさらい的に御説明申し上げたいと思います。資料3「中間とりまとめ案(概要)」の1ページを御参照ください。これまでの経緯として、第7次まで需給推計をしていただいてきていること、骨太の方針「経済財政運営と改革の基本方針2015」に基づきまして、地域医療構想との整合性の確保や地域間偏在の是正などの観点を踏まえた需給について検討するということを受けて、今回の看護職員需給分科会に至っているということの経緯を述べています、そして、今まで御議論いただいてきた推計方法につきましても、こちらの分科会での議論を経まして、都道府県において国が定めた推計ツールを用いて看護職員の需要推計を試算するとともに、供給については現就業者数や再就業者数の見通し、離職率の動向を踏まえて、都道府県に推計いただいたこと、需要推計については都道府県から提出があった推計値を集約し、短時間労働者の増加に伴う常勤換算対実人員の比率を加味し、ワーク・ライフ・バランスを実現するということを前提に、3通りの幅を持たせた係数処理を行うということの推計方法を確認いたしました。
2ページをご覧ください。2025年における需要推計に関しては、都道府県から提出があった実報告値は180万人となりました。それに対して、ワーク・ライフ・バランスを今より良くする、充実を前提に一定の幅を持たせた3通りのシナリオ、詳細は割愛いたしますが、左下の前提条件を適宜御参照ください。それを踏まえまして推計をしたところ188万人~202万人となりました。また、供給に関しては、都道府県から提出された供給推計については175万人という数字が出た上で、3ページの資料を適宜御参照いただければと思いますが、補正を置いて考えることについても御議論をいただきました。その結果として出てきている数値に関しましては、今後需給ギャップついて、ワーク・ライフ・バランスの充実度合いをどう考えるかということも別として大きく左右されるということや、今回の推計は地域医療構想の実現を前提とした推計値であり、その実現度合いによっても影響を受けること、また、個々の都道府県の実情を綿密に反映できているわけではないことに留意いただきたいということを御説明申し上げさせていただきました。そういったことを資料において4ページに図示して、お示しをさせていただいているところです。以上が全国的な状況であります。
都道府県別で中身を見てまいりますと、状況は地域の実情が出てきておりまして、資料3の5ページを御参照ください。都道府県別で見た場合、都心部や東北地方では全体として看護職員需要数が供給を上回り、看護職員不足となっているが、一部の都道府県においては逆の結果となるという推計結果が出てきているということを御説明申し上げました。6ページと7ページにおいては、これは今回の需給推計の本体の資料ではありませんが、今回の需給分科会の議論に資するよう、看護課において試みに出したシミュレーションであります。A県と書かれた6ページの資料におきますと、全体として需要が供給を下回るという形になりますが、二次医療圏別にブレークダウンして考え直してみると、地域の実情に応じた課題はそれぞれであるということを御説明申し上げたほか、資料の7ページ、全体としてあらゆる領域、あらゆる地域において不足への対応が求められるB県のような県もあるということを御説明申し上げました。
これを踏まえまして、8ページと9ページ、確保策の御議論をいただいたというところが前回まででありまして、資料1「前回のご議論の概要」を御参照ください。前回御議論いただいた内容をお示しさせていただいております。2ページをご覧ください。議論いただいたこととしては、供給推計値に関しましては、これまでの分科会においても、様々な不確定要素が入る前提で議論を進めてきた上で、都道府県において各種分析や調整を経て提出されているものでしたので、こういった数字に関してはひとまず受けとめた上でより合理的な模索をする一案として、一定の可能な限りの補正をして幅を持たせた捉え方をしていくことで良いのではないかという御議論をいただきました。都道府県から提出のあった供給推計値の評価をめぐっての御議論というところでございました。
2点目でありますが、不確定要素に関しまして、地域医療構想の進捗状況や、医師の働き方改革など、今後需給推計値に影響を与える要素は複数あります。その上で、正確に見通すということに関しての限界はありながらも、地域医療構想実現に向かって施策を進めて走っているという現状の中で、前提条件ということを大きく変更する必要は今回の推計に関してはないのではないかという御議論がありました。
また、国や都道府県が留意すべき点に関しましては、今回都道府県においては2025年の推計値で看護職員が余るように見えるというところがありましたけれども、そういったところにおいても確保策が不要とはなっていない、地域別・領域別偏在など検討すべき重要な課題があり、また、別の地域においては不足が見込まれるところに対しての対応も引き続き重要である。そういった意味合いを踏まえますと、今回の需給推計の結果は、各都道府県がそれぞれにその施策を地域の実情において進めていく上での素材として活用いただくことが重要であるということについて御議論いただきました。看護職員需給推計は、医師の需給推計とスタンスが異なる、関係する制度が異なるということに関しての意味合いの御発言もいただきました。
3ページでございます。看護職員確保策に関しましては、1つ目、地方の養成所の運営支援に関しまして、地方の養成所の運営が困難になってきているという実態、そういったことに関し前回の資料においても、現在、労働需給が非常にタイトであって、あらゆる県が看護職員不足に苦労されていることや、OECDとの比較、そして看護職員は転職が多いという実態を踏まえたライフイベントに関しての資料、地域別に移動されているかとか、どういった領域に移っているかという資料を参考資料としてお示しさせていただきました。実際、地元における定着率、養成された地域において就業するという傾向の強さを踏まえると、その地域における看護職員の供給源として、困難となってきている養成所の運営をどうやって支えていくかということに関して御議論をいただきました。2つ目、看護職員イコール病院で働く人のイメージということに関しまして、今後望まれる、必要となる医療提供体制を実現していく上で、個々の職員の方、あるいは看護職員となりうる候補者の方にいかに働きかけていくべきかについての御議論がありました。また、ナースセンターの機能強化、事業拡大についてです。無料職業紹介による再就業支援の機能の拡充ということや、地域別・領域別偏在への対応ということの上で、今後、圏域内の需給の濃淡を把握していく力をより確立していくべきことの重要性ということの御議論がありました。次は地域別偏在に関してです。看護職員の配置や定着支援に関して、都道府県の責務であることを明示すべきという御発言。あるいは施策の差について横展開で、情報共有をするための支援。また、公立病院や公的病院、地域医療支援病院などが看護職員需給に対して果たしていくべき役回りの重要性について御発言をいただきました。
4ページです。訪問看護提供体制に関する総合的・計画的な推進策に関しましては、訪問看護単独で検討する問題ではなく、かかりつけ医をはじめとした連携体制など、地域包括ケア推進におけるフレームの中で考えていくということの重要性について御発言がありました。訪問看護・介護分野における確保策に関しましては、都道府県の計画における位置づけ、あるいは看護職員が集まらない現状についての分析・改善ということの検討の重要性。また、小規模な事業所が多いということを踏まえて、暴力やハラスメント対策としての相談体制の整備の重要性や、研修を受けられる体制の重要性。また、介護分野においては、質の高い看護管理者の確保が重要な課題の一つとなっていることから、プラチナ・ナースへの移行などに関しての仕組みができないかという御発言をいただいたほか、看護補助者の確保、タスクシフティングに関しましては、今後看護補助者の存在がますます重要となってきているということを踏まえて、その確保・定着促進策の検討ですとか、あるいは日本看護協会においてまとめていただいているガイドラインの活用といったこと、あるいは介護福祉士の位置づけの重要性ということについての御発言をいただきました。
それを踏まえまして、資料2をお配りさせていただいております。本日の御議論においては、こちらの「中間とりまとめ(案)」において、前回までの議論を踏まえまして、事務局において整理をしたペーパーをお示しし、御議論いただくための素材とさせていただいております。前回9月30日、第11回にお配りして議論をいただいた資料からの大きな変更点に関しまして御説明を申し上げます。
8ページです。供給推計の方法に関しまして、前回都道府県から提出のあった供給推計の評価、あるいは処理の仕方をめぐって御議論いただいていることを踏まえまして、左下の箱のところに、2017年における看護職員就業者をもとに直近3カ年の伸び率を見込んだ補正を入れていくことについての記載をさせていただいております。9ページです。看護職員需給推計に関しまして、介護保険サービスや訪問看護事業所などにおける対策、不足が見込まれる状況を明確化させていただきました。
13ページ、(3)今般の看護職員需給推計の位置づけに係る留意事項に関しまして、前回の議論を踏まえまして○を4つ書かせていただいていますが、3つ目の○であります。都道府県において看護職員は充足しているように見えるところもあるが、そういったところにおいても確保策が不要とはならず、むしろ別の課題が出てきているということの明確化を図っております。
15ページ(2)検討課題と方策、1)新規養成というところです。こちらに関しまして「生活の場における看護の理解を深めるための教育の充実」という文言を入れさせていただいております。続きまして1)新規養成の16ページ中段のところですが、議論をいただきました地方における養成所の教員の確保ですとか学生の確保などをめぐって、そういった運営を維持できるような環境づくりということの記載を入れさせていただいております。
続きまして17ページ下から3行目「ナースセンターの相談員や職員が介護保険施設等の情報を適切に把握できる体制を整備し、領域別偏在の調整に繋げること」ということを前回の議論を踏まえて明確化したほか、都道府県ナースセンター間の連携というところも同じパラグラフに入れさせていただきました。19ページ、夜勤の問題に関しまして、組織のマネジメントの向上でありますとか、勤務環境改善センターの取り組みなど、具体的に今後対策を打っていくべきところを明確にするという観点から、19ページから20ページのところに文言を入れさせていただいております。また、暴力・ハラスメント対応ということに関しての記述も明確にさせていただきました。
20ページの4)領域・地域別偏在の調整ですが、その中の具体的な施策として、22ページに○が並んでいますけれども、下から4番目に「地域医療介護総合確保基金を活用した訪問看護や介護保険サービス等の人材育成等について、都道府県への情報提供や相談支援」ということを、前回の議論を踏まえて明確にさせていただいたという修正をさせていただいております。私からは以上となります。
○尾形座長 ありがとうございました。ただ今、事務局から資料の説明がございましたが、資料2「中間とりまとめ(案)」につきまして、これから検討していきたいと思います。全体を大きく2つの部分に分けて検討したいと思います。2ページの目次を見ていただきまして、最初に前半の「1.はじめに」と「2.新たな看護職員需給推計の策定」について御検討いただき、その後3と4について御議論いただくように分けていきたいと思います。
それでは、前半「1.はじめに」と「2.新たな看護職員需給推計の策定」の部分でございますが、ただいま御説明がありました資料1の論点1の内容も踏まえまして御意見や御質問を承りたいと思います。この部分、よろしいでしょうか。では、後でお気づきの点があれば戻っていただいても結構ですので、後半「3.看護職員確保対策の推進」と「4.おわりに」の部分につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。2つ意見がございます。まず、15ページ、(1)看護職員確保を取り巻く現状の中の3)その他の最後の2行に「これからの看護職員確保対策を検討していくうえで、医療を受ける国民側の理解についても改めて求めていくことが必要ではないかという意見が出された」とあるのですが、国民への理解ということが出てくるのはここしかないのですね。非常に漠然としていますので、例えば多様な職場であるということとか、それぞれの職場についての役割も違っている。あるいはハラスメントの問題が出てきますけれども、そのことについても国民が理解をして、そういうことを無くしていくにはどうすればいいかは一緒に考える必要があると思っています。そこで、例えば「これからの看護職員確保策を検討していくうえで」の後に、「看護師の働く場や役割の多様性、課題などについて」というような文言を入れていただければ、少し具体的になるのではないかと提案したいと思います。
19ページから20ページにかけて、定着促進の具体的な次の施策を進めていくべきではないかという○がある中で、20ページの後半に看護補助者のことについて3つほど具体的に書かれています。できればここにもう一つ、以前にも発言したのですけれども、看護補助者の名称変更や待遇改善など、看護補助者として働く意欲につながる改善のような項目を1つ入れていただければと思います。今の状態ではなかなか増えなかったり、待遇についても決して良いとは言えない現状があると思いますので、これからますます看護補助者が必要になってくるというお話、先ほどの御説明の中でもあったとすれば、それに対しての具体的なことを書いていただきたいと思いましたので、御検討いただければと思います。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。15ページの部分はごもっともだと思いますので、これはぜひ反映していただきたいと思います。それから「意見が出された」ということになっていますけれども、これで良いのでしょうか。寧ろ、ここは個別の意見というよりは、この分科会全体の意見として書いてもいいような気もいたします。後段のほうの看護補助者の部分はどうでしょうか。ここについては、他の委員の意見も伺いたいところですが。
○太田(圭)構成員 今の山口委員の意見に賛成です。非常に難しい問題だということは重々承知しておりますけれども、看護補助者の方が少しでも病院医療で働きやすいような環境に近づけていくというメッセージのためにも、名称の問題ですとか処遇の問題というのは書き込んでいただけるとありがたいなと思います。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。他はいかがでしょう。釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 今の山口構成員の御指摘は私も大変大事だと思いますが、仮に名称を変更するということになると、どこで検討するのか、事務局に伺いたいと思います。
○尾形座長 これは事務局に対する質問ということですので、お願いします。
○島田看護課長 事務局でございます。看護補助者については、皆様方御存じのとおり、今、特に法律などの規定があるわけではありませんので、診療報酬上での取り扱いでの名称であったり、各施設の方で名称をつけていらっしゃるという実情かと思います。御指摘のように、看護補助者の確保・活用については、この分科会でもかなり問題意識、御指摘いただきましたし、私どもとしても重要な課題だと思っておりますので、名称も含め、業務内容の整理ですとか、そういったことも検討する必要があるかと思っておりますので、まずは事務局で関係部署と連携しながら整理をしていきたいと思っております。ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいでしょうか。森本構成員、どうぞ。
○森本構成員 19ページ具体的な施策2つ目の「労働時間・勤務環境改善に関する研究」とあるが、その研究から得られた結果から、国として「夜勤・交代制勤務の負担軽減のための具体的方策」を検討することも具体的施策に入れていただきたい。例えば夜勤時間の上限を決める、確実に仮眠をとるといったような取り組みで夜勤負担軽減に成果をあげている病院もあると聞いています。看護管理者のマネジメント能力の向上はもちろん重要ですが、国が検討した具体的方策等に沿って、看護管理者等がマネジメントに活かしていく必要があると考えます。
20ページ、上から2つ目の○の「医療現場で活用可能な暴力・ハラスメント対応マニュアルの作成に向けた取組」の「医療現場」には、当然訪問看護、在宅領域も含むという理解でよろしいでしょうか。
○尾形座長 これは御質問ですので、事務局、お願いします。
○金子看護課長補佐 御指摘の医療現場で活用可能な暴力・ハラスメント対応マニュアルの作成につきましては、在宅分野も含まれてマニュアルのほうが作成されるという算段で今、進めております。
○尾形座長 よろしいですか。
○森本構成員 はい。
○尾形座長 ありがとうございました。鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 20ページ、4)領域・地域別偏在の調整について御検討いただきたいことがありまして意見を述べます。10ページに推計の表を示していただいておりますが、2025年の訪問看護事業所の需要は約12万人と推計されています。10ページに書いてあります、平成28年の訪問看護事業所の就業者数を見ますと、4万7000人ということで、かなり乖離しておりまして、この需要に対応するためには、国や都道府県、関係団体が一丸となって、かなり確保策に力を入れないといけないと考えております。
このため、まずは20ページの文章の下から3行目「職員を十分に確保できていない状況である」と「また」の間に、「そのため、訪問看護に従事する看護職員の具体的な確保策を示す必要がある」という文言を追記していただけないか、御検討いただきたいと思います。それから、これまでにも議論がありましたが、量的確保のためには、安定的な訪問看護提供体制が不可欠でありまして、訪問看護事業所の大規模化が重要であると考えております。そこで、21ページの2つ目のパラグラフ「1事業所だけでは教育研修体制の整備や、福利厚生面、運営面、暴力・ハラスメント対策等において困難を抱えるところがある」の後に「訪問看護事業所の大規模化を進めるとともに、訪問看護サービスの安定した提供や」と追記いただきたい。やはり訪問看護事業所の大規模化については進める必要があると思っておりますので、御検討をお願いしたいと思います。
さらに、地域別偏在のところになりますが、23ページの2行目に「看護職員の地域別偏在を改善するための手段として、今後どのようなことができるかについての検討が求められる」とありますが、「今後」以下のところを、地域医療支援病院の役割が重視されると考えております。さらには、「訪問看護の提供や訪問看護事業所等との連携拠点など、領域別偏在の調整機関としても今後期待される」と修正できないものかという御検討と、もし地域医療支援病院という限定が難しい場合は、「医療機関からの訪問看護の提供も推進する」ということを文言として残していただければ、幾分か訪問看護のところの充実が見込めるのではないかと思います。御検討よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 23ページの「おわりに」については、少し補強していただきたいと思います。都道府県から出てきた今回の供給見通しが、消極的というか、悲観的、ちょっと少な目だったということは、地方の人口動態、産業構造とかを反映して、必ずしも看護職員の確保にだけエネルギーを費やすことはなかなか難しいという実情を反映しているのかもしれません。そうであると考えると、一層この確保対策は重要だと思いますので、最後のところに「国においても」とありますけれども、制度面や財政面で環境整備に引き続き取り組んでいくことを求めます。
今も指摘が幾つかあったところですが、勤務時間とか勤務環境改善については研究に留まらず、制度面や財政面を含めて環境整備をぜひ進めていただきたいと思いますし、訪問看護における確保対策は、国においてかなり積極的に取り組む必要があると思っておりますので、今の書きぶり、最後の3行が対象としているのは、この文章を読むと総数不足への対応と領域別、地域別偏在の調整だけを指しているようにも見えるので、今申し上げた労働時間、勤務環境改善、訪問看護といったところも含めて国に積極的に取り組んでいただけるように補強していただきたいというのが私の意見です。
○尾形座長 ありがとうございました。他はいかがでしょうか。高砂構成員。
○高砂構成員 21ページの領域・地域別偏在の調整のところですが、3つ目の「訪問看護事業所は近年増加しているが小規模の事業所が多く」というところで、教育研修体制の整備はとても重要だと思うのですけれども、ここにICTの活用のような具体的な内容を入れていただくことを御検討いただくのはいかがかなと思います。次の地域別偏在のところでは、訪問看護分野においては、病院団体等に含まれると思うのですが、都道府県の訪問看護ステーションの団体等もいろんな活動をしていますし、さらなる御支援をいただけると良いと思います。最後に、ICTに関しては22ページの○の下から4つ目、地域医療介護総合確保基金のところや、その次の○の訪問看護事業所や介護保険施設等に従事する看護職員に関する勤務環境改善に、やはりICTの活用というのが今、とても重要で、訪問看護ステーションは医療機関ではないので、まだレセプトの電子化が十分に行われていなかったり、例えば訪問看護指示書が制度的にはICT化されているのですけれども、具体的な環境が整備されていないというところがありますので、「ICT化を含む」という文言をどこかに含めていただければと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。他はいかがでしょう。
それでは、私から1つ。23ページ「おわりに」の下から4行目に「都道府県においては、「次期医療計画の見直しの機会等において」云々と書いてあるのですが、これは「次期」と断る必要があるのでしょうか。つまり、次期ということは次ですから、第8次の医療計画になりますね。むしろ第7次が来年あたりから中間見直しに入るわけなので、「次期」と必ずしも言わなくて良いのではないかと思いますが、この辺、いかがでしょう。事務局、お願いします。
○岩間看護職員確保対策官 事務局です。こちらの文言は、必ずしも第8期に限定している趣旨で書いているものではなくて、中間見直しが行われるところにも反映していただきたいという趣旨で御議論をいただいてきたこの分科会でありますので、そういった意味合いからすると、この文言というのは工夫の余地があるかと思います。
○尾形座長 ありがとうございます。他はいかがでしょうか。それでは、前半に戻っていただいても結構ですし、全体を通じてでも結構ですので、御意見、御質問をお願いします。釜萢構成員。
○釜萢構成員 後のほうですけれども、訪問看護の部分は非常に大事で、今、高砂構成員が言われたあたりのところは非常に大事なのですが、鎌田構成員が指摘された大規模化が望ましいことは重々わかるのですけれども、そのあたりのところが大規模化ということになって、新たに開設する要件等の縛りが厳しくなるという事態については、現場でどういうふうに思われるのか、よく精通していらっしゃる方が構成員の中におられるので、そのあたりのところを確認したいと思っております。
もう一点は、地域医療支援病院等の支援の内容については、そういう方向ができれば良いと思いますが、現状では医療機関が訪問看護の看護師を派遣するというのは現実的になかなか難しいだろうと思いますが、そのあたりの枠組みについて何か構想なり御意見があれば伺いたいなと思います。2点お願いいたします。
○尾形座長 前半の訪問看護ステーションの大規模化について、どなたか知見のある方。高砂構成員、お願いします。
○高砂構成員 御意見ありがとうございます。訪問看護ステーションの大規模化において、現在2.5人で開設できるということに関しては、私どもでも議論を繰り返しております。本来であればその2.5人をもう少し増やしたほうがいいとは思うのですけれども、この中にも出てきますよう、やはり地域格差がありますので、全ての地域において2.5人を増やすということに関しては、お困りのところも出てくるのではないかということで、そのような大規模な機能を持ったステーションが地域の中でつくられていくような形を御提案しているところです。
○釜萢構成員 あとは医療機関からの派遣の件について。
○尾形座長 地域医療支援病院という話ですが、これは鎌田構成員、よろしいですか。
○鎌田構成員 訪問看護の看護職員の確保がなかなか難しい状況から、地域の中で地域医療支援病院はそもそも公的な病院が指定されていますので、何らかの形で支援ができないかということで発言をさせていただきました。地域医療支援病院に限定すると非常に難しいという考えもわかるので、そうであれば、限定せず医療機関から何らかの形で訪問看護の提供が可能にならないかといったところを、他の委員の方から御意見をいただければと思っています。本会としては訪問看護従事者の確保という観点から、医療機関側からの訪問看護の提供ができないかどうかと考えているところです。
○尾形座長 釜萢構成員。
○釜萢構成員 今の枠組みで考えた場合には、そうしますと、医療機関が訪問看護ステーションを併設してということになるのでしょうか。
○鎌田構成員 併設という考え方もあるし、医療機関から訪問看護に行くという考え方もあるかと思います。
○尾形座長 小林構成員。
○小林構成員 これは実際に取り組まれている例ですが、地域医療連携推進法人の急性期の基幹病院が、地域の訪問看護ステーションに、人事交流も含めて看護師を派遣しています。看護師の給与は、病院と比べて訪問看護ステーションの方が下がってしまいますので、その差分の給与は基幹病院が負担し、派遣する看護師の給与が下がらない配慮をしています。このようなサポート体制を検討するのも一つの方法だと思います。
○尾形座長 平良構成員、どうぞ。
○平良構成員 人事交流等でしたら可能かと思いますが、例えば山間僻地等の看護師が日単位あるいは週単位で休むとかで、看護師を派遣ということになりますと、看護師は派遣法の適用除外にはなっておりませんので、設置主体を越えて派遣するというのはたしか難しいと。私の認識ではそういうことなのですけれども、それに対しては何か案とかがございますか。
○尾形座長 これは事務局に対してですか。
○平良構成員 事務局にお願いします。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○岩間看護職員確保対策官 看護の派遣に関しましては、実際問題はチーム医療との関係もあるので、労働者派遣法に基づく派遣ということに関しては、法令上の制限がございます。それに関しましても、地方分権の枠組みで別途僻地・山間地域などにおいて看護師の派遣ができないか、あるいはOT・PT、薬剤師も関係しますが、そういった派遣ができないかという声は県から提言が出てきて議論中でありますので、そういったことは別途御紹介をさせていただきたいと思います。それを含めまして、派遣法という枠組みに関しましては、私が先ほど申し上げたとおりですが、人事交流その他、一定の枠組み、業として反復継続してという形ではない形、ルール、制約はあるかもしれませんけれども、看護職員の方のキャリア形成などの名目、そういった意味合いもございまして、例えば在籍出向のような形で事実上そういった派遣をなさっているという医療機関の例というのは多く聞いてございます。
○尾形座長 よろしいですか。平良構成員。
○平良構成員 今の御説明でわかりましたけれども、長期の出向等の形ではなくて、週単位の派遣というところの対策もしっかり行われれば、山間僻地、これから働き方の改革もありますので、一人看護師のところですとかなり助かると思います。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。太田構成員、どうぞ。
○太田(秀)構成員 看護補助者のことで意見を申し上げます。看護職員と言うと、病院で働く人というイメージがあって、それを払拭しなくてはいけないと論点の整理の中に書かれています。19ページを見ますと「介護分野における介護福祉士等との関係やタスク・シフトの在り方についても検討が必要だとの意見が出された」と書かれています。看護補助者の概念は、「看護師長及び看護職員の指導の下に、原則として療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)のほか、病室内の環境整備、ベッドメーキング」と書いてあるわけです。その他看護師の事務的業務をサポートするわけですけれども、ここまで読んでくると、いわゆる介護施設の介護職と看護補助者は具体的に何がどう違うのか、はっきり見えないのです。看護補助者といわゆる介護職は定義というか、明確な概念をもって報告書をお書きになっておられるのかお聞きしたいのです。
○尾形座長 これは事務局に対する質問ということですか。
○太田(秀)構成員 はい。
○尾形座長 では、事務局、お願いします。
○岩間看護職員確保対策官 看護補助者に関しましては、診療報酬上の体系でありますとか、あるいは医療法の枠組みの中で配置に関してのルールがあり、そういった意味合いでは枠組みがございますが、今回の議論の中では、そういった役割、業務分担ということに関しましても一層明確化が必要なのではないかということの声が上がっていらっしゃるというところでございますので、そういった意味合いからすると、より一層の明確化の余地はあるのかもしれないと受けとめているところです。
○太田(秀)構成員 と申しますのは、介護保険施設や介護医療院、「介護」という名前のついた施設で仕事をしているのは介護職と言われる人たちで、その中で看護師さんが仕事をされているわけですね。そうすると、病院の中の看護師さんの役割といわゆる介護施設における看護師さんの役割はかなり違うのだと思うのです。したがって、ここの書き方は、看護職は病院で働くのが前提で書かれているように受けとれる為、あえて「病院で働く人ではない」と論点整理をされているわけですから、ここをもうちょっと地域で働く看護師をイメージして厚く書いてほしいと思います。
○尾形座長 具体的にはどの辺でしょう。
○太田(秀)構成員 医師から看護師へのタスク・シフトと明確に書いてありますが、地域では看護師から介護福祉士へのタスク・シフトというのは明確に存在していますね。看護師から看護補助者へのタスク・シフトだけでない。例えばたんの吸引なども介護福祉士の仕事になっているわけです。検討が必要というよりは、もう既になされているのだと受けとめているのですけれども。
○尾形座長 御意見として承っておきます。他にいかがでしょうか。竹中構成員、どうぞ。
○竹中構成員 ちょっと戻りまして、先ほどの訪問看護師の医療機関からの派遣という問題でございます。鎌田構成員がおっしゃったように、医療機関にある程度の訪問看護機能を持たせ、訪問看護師を派遣させたらどうかという話でございますけれども、現実的にはもうこの件は機能連携になっておりまして、例えば医師会等が経営するような訪問看護機能と連携を行っているのが現状でございまして、個々の医療機関が独自に訪問看護機能を持つというのはちょっと逆行するのではないかと思っております。そういった意味からいたしましても、地域医療支援病院に派遣機能を持たせたらどうかということでございますが、実際にその機能を持っていないのが現状です。また、持っていたとしましても、その派遣先はその医療機関が知っている機関に、多分恣意的な方向性でその派遣先が決定されるのではないかと思いますので、やはり公平性を保って広域的な派遣展開を行うために公的な立場から行政と一緒になった機関がすべきではないかなと思います。
○尾形座長 地域医療支援病院については、医政局で検討会があったのではないですか。そこではどんな意見があったのでしょうか。
○岩間看護職員確保対策官 事務局です。本年8月23日に別途医政局の中で設置されておりました特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会というものがございまして、そちらにおいて議論の整理がなされているところでございます。地域医療支援病院に関しての御発言がありましたので、そちらに絞って御説明を申し上げますと、地域医療支援病院の基本的な役回りとして、医師の少ない地域を支援することも加えるべきであるという取りまとめがなされ、医師の足りない地域において地域医療支援病院がどういった役割ができるのかという議論がなされ、その結果として、例えば地域の実情に応じて都道府県が要件を追加していくということに関してさらに検討した上で、考えていくことが重要なのではないかということで、今は国が法令で地域医療支援病院の役回り、国会の審議を経まして両方で定めているところが、今後都道府県が定めていく余地ということもこの検討会の中では取りまとめられているところでありました。一方、看護に関しまして派遣機能というのは、この検討会においては明確的に議論されているわけではなかったという事実がありまして、こちらの分科会において、何名かの構成員の方からそういったことはどうかという御発言がされているというのが事実関係でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 その件について私もコミットしていますので申し上げると、最初は医師の少ない地域の医師確保支援機能を地域医療支援病院全てに持たせるという案だったのですけれども、地域によっては、必ずしも地域医療支援病院がそういう役割をしているわけでなくて、他の病院がやっている場合もあるわけです。また、1つの二次医療圏の中に十幾つ地域医療支援病院がある地域もあるわけです。そうすると、十幾つもの病院にすべからくそんな機能を持たせる必要はないわけですし、かえって機能を分散させてしまうことになるので、地域医療支援病院であるから必ずこういう機能を持たせなければいけないというのはいかがなものかということで、先ほど事務局から説明があったような結論になったということです。
ここから以降は私の意見が入りますけれども、私は、もともと地域医療支援病院について、複数の機能が必須だという位置づけをすることについては反対です。というのは、地域によっては、それぞれの機能を分担してうまくやっているところもあるわけでありまして、例えば現行の地域医療支援病院の要件である4つの機能を持つことが本当にシナジー機能みたいなものが発揮できるのかというと、必ずしもそうではない。個々の機能をむしろ診療報酬できちんと評価するほうが地域の実情に合っている場合も多々あります。その上で、先程来の議論に関して申し上げると、鎌田委員がおっしゃることもわかるのですけれども、必ずしも地域医療支援病院がすべからくやっているという実態にあるわけではないですね。それから地域医療支援病院でない病院、基幹的な病院がそういう役回りを果たしている場合もあるわけですので、「地域医療支援病院」の役割とするのがよいかというと、そこは必ずしもそうではない。仮に何かするにしても、例えば「地域の基幹的な病院」等というほうが表現としてはやわらかで、地域の実態とも齟齬がないのではないかと思います。以上、意見です。
○尾形座長 鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 今、島崎構成員が言われましたとおり、先ほどの私の発言の中で「地域医療支援病院」という表現をしましたけれども、一方で地域医療支援病院に限定するのは難しいということも考えられるので、そうした場合は、今、構成員が言われたように、「医療機関」というふうに少し広域的な表現も良いかと思っております。
○尾形座長 ありがとうございました。高砂構成員、どうぞ。
○高砂構成員 具体的には、今年度になって様々な都道府県の訪問看護の管理者研修会などに伺うと、以前よりも病院の方が多く参加なさっていて、まだステーションにはなっていないけれども、訪問看護の機能を持ち、これからステーションにしていくかどうかを検討していくなど、現場のほうは随分変わってきているなと感じています。感想です。
○尾形座長 ありがとうございました。釜萢構成員。
○釜萢構成員 今のところで、私は先ほど竹中構成員が言われたとおりだと思うのです。医療機関がそれを担うというのはちょっと難しい部分があって、きちっと連携をとるべきであって、訪問看護ステーションは訪問看護ステーションでちゃんとあって、そこと医療機関がきちっと連携をするという形で、地域の必要な需要に対応するというのが一番良いのではないかと思うのです。医療機関がそこをみんなやろうとすると、いろいろ不協和音が出てくるのではないかという気がいたしておりますが、いかがでしょうか。
○尾形座長 島崎構成員。
○島崎構成員 先ほど基幹病院と申し上げたのは、必ずしも基幹病院が自らという意味で申し上げたつもりではありません。例えば基幹病院が研修機能を活用し連携システムをつくっていくようなことも一つの中に入るかもしれませんし、地域の中でいろんなソリューションがあるのだろうと思います。もちろん、例えば僻地などの場合、病院自らがそういう役割を果たさなければいけない場合もあるだろうと思います。いずれにせよ、この検討会で議論をきちんと詰めていない段階で書いたことがひとり歩きをするのは避けたほうがよいと思います。
○尾形座長 鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 ほかの構成員の方々からいただいたご意見もよくわかります。ただ、今回示された訪問看護事業所の需要数12万人に対して現在4万7000人。この乖離をどうするかといったところは非常に喫緊な、重要な課題と思っておりますので、そこは何とか解決するような方策をしっかり考えないといけないのではないかなと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 小林構成員、どうぞ。
○小林構成員 実際に訪問看護師数を増やすに際し、地域によっては事務所数を増やすことも必要になると思います。しかし、事業所を開設するハードルは看護師にとって非常に高いと思いますので、是非、開設支援や事業運営支援などの文言も入れていただきたいと思います。
○尾形座長 他はいかがでしょうか。島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 この議論が終わった後に聞こうかと思ったのですけれども、せっかくだからお伺いします。これを分科会で了承した後、どういう段取りになるのでしょうか。つまり、これは分科会ですね。そうすると、本体のほうに上げていく形になるのだろうと思うのですけれども、OT・PTの分科会もあるわけで、それと一緒に上がっていく形なのでしょうか。それとも、それは進みぐあいが違うということであれば、これはこちらで先に親の検討会に報告し了承を得て公表するような形になるのでしょうか。その辺はどんな段取りになるのか、お伺いしたいと思います。
○尾形座長 では、事務局、お願いします。
○岩間看護職員確保対策官 事務局です。看護職員需給分科会は、医療従事者の需給に関する検討会の分科会でありまして、こちらの全体を取りまとめている検討会においても御報告なのか、答申なのかという形は未定ではございますが、今後精査して、お諮りをするような場というのは出てくるかと思いますが、まず看護職員需給分科会として一定の取りまとめを私たちとしてもお願いしたいと思っております。分科会としての取りまとめは取りまとめられたものとして、パッケージとして上の検討会に何らかの形でお示しをしていくということは考えてございますが、その時期あるいは方法についてはこれから調整していくところとなっております。
○尾形座長 よろしいですか。
○島崎構成員 はい。
○尾形座長 他はいかがでしょう。釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 私は医療従事者の需給に関する検討会の構成員ですが、医師需給分科会の議論は逐一親会にも必要なところで報告されてきますが、医師需給分科会における議論に対する質問等は出ますが、それはそれで大切なものとして尊重され、対外的にも報告されるということです。OT・PTも係わっていますけれども、これは余りまとまってはいないので、当分時間がかかるかなという予想です。それが看護師の需給のこの公表を遅らせるということではなく、この分科会はこれできちっと報告をされるので、世間には明らかになるという理解をしております。
○尾形座長 ありがとうございました。他はいかがでしょう。よろしいでしょうか。
それでは、他に御意見、御質問等もないようですので、この辺にしたいと思います。今日はいろいろ貴重な御意見を頂戴したところでございます。本日いただいた御意見をもとにしまして、事務局で資料を適宜修正いただきまして、その内容を再度各構成員に御確認いただいた上で、私が全体を見まして問題がなければ、本検討会の最終的な中間とりまとめ報告書とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。本日の議題は以上でございます。本日で検討会は最終回でございますので、看護課長から一言御挨拶をいただきたいと思います。
○島田看護課長 看護課長でございます。会議冒頭で吉田局長からも御挨拶をさせていただきましたけれども、中間まとめということでございますので、御挨拶をさせていただきます。
構成員の先生方におかれましては、平成28年3月の第1回検討会以降、熱心に御議論いただきましたこと、誠にありがとうございます。また、議事の円滑な進行、そして中間とりまとめに御尽力くださいました尾形座長に重ねてお礼を申し上げます。
看護職員について、いかに質を確保し、そして量的にも確保していくかといったことは、この場でもたくさん御指摘、御議論いただいたところでございますけれども、私どもとしても重要な課題と認識しております。そのような中、今回の需給推計につきましては、従来の積み上げ方式という形ではなく、地域医療構想、そして医師の需給推計方法との整合を図りつつ、国としての推計方法を示すということが大きなミッションとなっておりました。それに基づいた全国的な推計をお示しできたということは、非常に大きな成果だと私どもも考えております。看護職員の確保策につきまして、本日も様々な観点から御意見をいただきましたけれども、単に都道府県内における過不足といった問題だけではなく、地域間、領域間の偏在というものも調整していくといった施策を組んでいくことが大変重要ということを改めて確認をさせていただきました。
他にも、この分科会におきまして様々御指摘いただきました課題も含めまして、国としても真摯に受けとめて、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。構成員の先生方におかれましても、看護職員の確保策の推進につきまして、今後とも御協力、御尽力を賜りますよう、併せてお願いを申し上げます。御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
○金子看護課長補佐 中間とりまとめ報告書につきましては、所要の作業が完了しましたら、当省のホームページに掲載いたしますので、構成員の皆様には後日御案内させていただきます。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。先程来お話がありますように、第1回が平成28年3月ということで、3年半と異例に長い検討でございましたが、無事中間とりまとめにたどり着くことができました。これも構成員の先生方にいつも熱心な御議論をいただいた結果でございます。心より感謝を申し上げたいと思います。それでは、以上をもちまして「医療従事者の需給に関する検討会 第12回看護職員需給分科会」を終了いたしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
 

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