ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 看護職員需給分科会> 医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 第5回議事録(2019年1月17日)

 
 

2019年1月17日 医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 第5回議事録

○日時

平成31年1月17日(木)10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省
専用第22会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2
 

○出席者

伊藤 彰久 (日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)
大崎 和子 (社会医療法人きつこう会多根総合病院看護部長)
太田 秀樹 (全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)
太田 圭洋 (日本医療法人協会副会長)
尾形 裕也 (九州大学名誉教授)
鎌田 久美子 (公益社団法人日本看護協会常任理事)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
小林 美亜 (千葉大学医学部附属病院医療の質向上本部地域医療連携部医療安全管理部特命病院教授)
島崎 謙治 (政策研究大学院大学教授)
平良 孝美 (沖縄県立南部医療センター・こども医療センター副院長)
高砂 裕子 (全国訪問看護事業協会常務理事)
竹中 賢治 (全国自治体病院協議会副会長)
鶴田 憲一 (全国衛生部長会会長)
内藤 誠二 (医療法人社団温光会内藤病院理事長)
春山 早苗 (自治医科大学看護学部学部長)
平川 博之 (全国老人保健施設協会副会長)
森本 一美 (公益社団法人日本看護協会看護研修学校校長)
山口 育子 (NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長

○議題

(1)看護職員の需給推計について
(2)看護職員確保に係る課題について
(3)その他

○議事

○金子看護課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「医療従事者の需給に関する検討会第5回看護職員需給分科会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日は、御多忙のところ、御参集いただき、まことにありがとうございます。
本日は、伏見構成員、池西構成員、本田構成員からは御欠席の連絡をいただいております。
それでは、カメラのほうは退室をお願いいたします。
以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたします。では、尾形座長、よろしくお願いいたします。
○尾形座長 おはようございます。
それでは、早速議事を進めていきたいと思います。
まず初めに、事務局から資料の確認をお願いします。
○金子看護課長補佐 それでは、お手元の資料の確認をお願いいたします。お手元に議事次第、座席表のほか、
資料1 看護職員の需給推計について(案)
資料2 病院・有床診療所・訪問看護・介護保険サービスの看護職員数の推計値について(ごく粗い試算)
資料3 看護職員確保に係る課題について
参考資料 推計ツールのイメージ
をお配りしております。
不足資料等がございましたら、事務局のほうにお申しつけください。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
それでは、早速議題に入りたいと思います。まず、議題の1番目「看護職員の需給推計について」でございます。事務局から資料1及び資料2について説明をお願いいたします。
○乗越看護職員確保対策官 事務局でございます。
それでは、資料1等に基づきまして説明をさせていただきます。まず、資料1をごらんください。こちらはこれまでの御議論を踏まえまして必要な修正等を行っております。資料1の2ページは基本的な方針ということで、修正はございません。
3ページは、一般病床、療養病床の推計方法でございます。こちらは平成29年度の病床機能報告制度により病院が報告いたしました4つの医療機能ごとの病床数、看護職員数のデータを用いて現在の病床当たりの看護職員数を算出いたしまして、地域医療構想の2025年における必要病床数に用いて将来の病床の必要量を掛けて、将来の看護職員数を算出するという算出方法でございます。
4ページは、精神病床についての推計方法でございます。こちらは、精神病棟の各入院基本料の算定件数と入院基本料の配置基準に基づいて、現在の入院需要当たりの看護職員数を算出いたしまして、※2にあります精神病床に係る基準病床数の算定式により設定された将来の入院需要を掛け合わせまして、将来の看護職員数を算出するという方法でございます。
5ページは、無床診療所でございます。こちらにつきましては、※1にありますように、平成29年の医療施設調査、平成29年の患者調査を用いまして、現在の患者数当たりの看護職員数を算出いたしまして、将来の患者数につきましては、年齢階級別の受療率を推計して、将来の人口構成等を反映いたしまして、将来の患者数を推計いたしまして、これを掛け合わせて将来の看護職員の需要数を算出するという方法でございます。
※2-1の「また」書きのところにありますように、いわゆる追加的な需要の外来で対応する患者分については、こちらにも反映するということにしております。
6ページは、訪問看護、介護保険サービスについてでございます。こちらは平成28年の衛生行政報告例の看護職員数をベースといたしまして、利用者数につきましては、平成29年の介護給付費実態調査、平成29年の訪問看護療養費実態調査を用いて、現在の利用者数当たりの看護職員数を算出いたしまして、将来の利用者数につきましては、医療保険分、介護保険分それぞれ算出して、それを掛け合わせて将来の看護職員の需要数を算出するということにしております。
※2-3にありますように、先ほどの精神病床の算出に関連しますけれども、病床からの基盤整備量分につきましては、これまでの議論にありましたように、訪問看護に全て移行するというものとして推計をするということにしております。
7ページ、保健所・市町村・学校養成所等につきましては、都道府県におきまして推計を行っていただくということでございます。
8ページは、看護職員の労働環境の変化に対応した幅を持たせた推計ということで、ごらんのような3つのシナリオにおきまして推計をするということでございます。
9ページ、供給のほうにつきましては、前年の看護職員数をベースといたしまして、新規の就業者数、再就業者数を足しまして、そちらに離職率を掛けたものをマイナスして、当該年度の看護職員数を算出する。これを2025年まで積み上げるという方法で推計をしていくということでございます。
10ページでございます。これらの方法につきまして都道府県において推計作業をしていただくということでございますが、このページに挙げております2つの事項につきましては、継続的に検討が必要であると考えております。1点目は、ワーク・ライフ・バランスの実現に伴って短時間勤務者が増加することを踏まえた常勤換算対実人員比率の設定でございます。これにつきまして、ワーク・ライフ・バランスの実現に伴って短時間労働者がどの程度増加するのか、これについてのエビデンスを検討しておるところでございます。これを踏まえまして常勤換算対実人員の比率を設定したいと考えております。少し時間がかかっておりまして、これにつきましては、年度末までに開催される看護職員需給分科会において御議論いただく予定とさせていただきたいと考えてございます。
もう一点は、再掲することにしております助産師数の将来需要数についての推計方法。こちらにつきましては、先ほど御説明をいたしました地域医療構想に基づく推計方法を実施しようとしますと、地域医療構想における2025年の病床数については、診療科別に分類されていないということでございますので、そのまま現在の推計方法を用いて助産師の数を推計することができないということでございまして、現在行おうとしております病院・診療所の看護職員数の推計方法と整合的な推計方法について検討を引き続きさせていただきたいと考えております。これらの事項に関する推計方法につきましては、都道府県ではなく、事務局において行うことを考えておるところでございます。
資料2は、今、御説明をいたしました推計方法につきまして、現時点において活用可能なデータを用いて事務局のほうで機械的に試算をしたものということで、用意をさせていただきました。裏のほうをごらんいただければと思いますが、3つのカテゴリーでお示ししております。1つは病院・有床診療所について。それから訪問看護について。介護保険サービスについて。これらについて現時点で活用可能なデータを用いて、先ほど御説明した検討中の推計方法をもとに機械的に推計いたしました。オレンジ色のグラフのほうが推計の粗い試算ということになります。参考までに平成28年の現在の看護職員数についても記載させていただいてございます。こちらも御参考にしていただければと思います。
参考資料は、都道府県が作業をするに当たりまして、推計のツールを配付するということで御説明をいたしておりましたけれども、こちらが推計ツールのイメージということでございます。それぞれのカテゴリーごとに、先ほど来説明しております現在の病床数当たりや利用者当たりの看護職員数を算出いたしまして、基本的に将来の病床数でありますとか、将来の患者数でありますとか、緑の欄について都道府県に記入をいただく。それによりまして将来の看護職員の需要数を算出するというツールでございます。
緑の欄につきましては、既に地域医療構想で各都道府県において算出されているものでもありますし、また、都道府県において現時点で算出していないものにつきましても、例えば精神病床でありますとか無床診療所、こういった地域医療構想以外のものにつきましても、先ほど御説明した推計方法につきまして、できるだけ事務局のほうで基本的なところは算出して都道府県に御確認いただくような形で、都道府県において推計作業の負担が少ないような形で準備をしたいと考えておるところでございます。
参考までに資料3をごらんいただければと思います。2ページ、スケジュール感でございます。今、イメージをごらんいただきましたが、推計ツールにつきまして分科会におきまして御了承いただきましたら、速やかに推計ツールを都道府県に発送いたしまして、都道府県の推計につきましては、4月末までに集約ができるようなスケジュール感で進めていければと考えておるところでございます。
推計方法についての説明は以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問や御意見を承りたいと思います。鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 需給推計の説明、ありがとうございました。
今回の説明にもありましたが、今回の需給推計において、これまでの議論の中で勤務間インターバルの影響を反映するための根拠となるデータが存在しないことは理解しております。説明の中にありました今後厚生労働省が実施するという勤務間インターバル、また、職員数の関係等に関する研究のスケジュールや、その研究結果の反映方針、また、時期等について見解を伺いたいと思っております。よろしくお願いします。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○乗越看護職員確保対策官 ありがとうございます。
インターバルにつきましては、看護職員にとって、勤務間のインターバルを確保していくということは、私どもにおきましても重要であると考えております。勤務間インターバルの制度につきましては、働き方改革の関連法、また、昨年公表されております過労死大綱におきましても盛り込まれております。こうしたことから、厚生労働省としても勤務間インターバルについて導入を進める環境整備を進めていくということは必要であると考えております。
一方で、先ほど鎌田構成員からも御指摘がありましたように、勤務間インターバルの確保と職員数の確保の関係というものは、現時点では明確ではないということでございますので、今般の推計方法に反映することは難しいと考えております。
このため、今も御発言の中にありましたが、勤務間インターバル導入のために必要な工夫とか、また、職員数との関係といったことについて、来年度末をめどに結論が得られるように、厚生労働省としても研究をさせていただきたいと考えております。研究の成果を踏まえまして、大幅な影響を与えるようなことが判明した場合につきましては必要な見直しを行うということで、こうした旨をこの分科会の取りまとめにも明記をすることとしてはどうかと事務局としては考えておるところでございます。
以上でございます。
○尾形座長 鎌田構成員。
○鎌田構成員 わかりました。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 推計の方法についてはこれまで何度か出てきていますので、特に意見はないのですが、きょうの資料2、粗い計算ということで出してくださっているわけですが、これで粗い全体像が見えるのではないかと思います。ここに病院・有床診療所、訪問看護、介護保険サービスという3つが出てきているのですが、これは看護職全体の何割ぐらいに相当するのでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○金子看護課長補佐 現状の数が166万なのですけれども、そこで病院・有床診療所、訪問看護、介護保険サービスが占める割合というのは、約7割程度ということでございます。
○尾形座長 よろしいですか。
○山口構成員 はい。
○尾形座長 ほかはいかがでしょう。伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 先ほど鎌田構成員が質問されたことに関連するのですが、インターバルは、看護職員の働き方にとって非常に重要な要素だと思っていますので、研究成果をどのように反映するのか、その結果を出していただいて検討したいと思います。
先ほど、大幅な影響がある場合はと答弁されたのですが、大幅な影響があると考えるかどうかというところが、議論が必要になると思いますので、その研究成果が出た後、この分科会にそれを出していただいて、それをどう取り扱うのかということ自体の検討が必要ではないかと思います。
あと、ツールをきょう示していただいたわけですけれども、前から気になっていて何度も発言しているのですが、きょうの推計ツールには離職率をどのように都道府県が設定するかまでは入っていないところでして、幾つかの県において既に離職率を設定されているというのは聞いたのですが、やはりオールジャパンで必要となる看護職員数を見積もる上では、各県がそれぞれの考え方でということではなく、根拠のある数字でないと説得力がないということにもなりますので、県に書いてもらうときの考え方を留意事項のような形できちんと示していただきたいなと思います。
以上です。
○尾形座長 では、御要望ということで承っておきます。
ほかはいかがでしょうか。島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 前回までいろいろ出された議論を反映した資料だと思いますが、先ほどの推計方法のところで説明されたとおり、特に病院と有床診療所のところが全体の中で大きなウエートを占めますが、この分については、地域医療構想との関係上、いろんな仮定が入っていると思います。資料を拝見する限りでは、4つの医療機能ごとの現在の病床数当たりの看護職員数を病床報告ベースで置いて、それに2025年の地域医療構想の病床数の必要数を各県に記入してもらって集計するという枠組みだと思いますが、せっかく参考資料として「推計ツールのイメージ」が出されていますので、ピンクのところあたりの推計の方法については、具体的にはどういう形でやったのか。数値について現在精査中ということが書いていますけれども、事務局から補足説明いただくか、あるいは小林先生が推計というか数字を精査されたのであれば、どちらでも構わないのでコメントをいただいたほうがよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○尾形座長 どうしましょうか。事務局でよろしいですか。それとも小林構成員。とりあえず事務局のほうから補足していただけますか。
○金子看護課長補佐 一般病床、療養病床推計ツールのところでございます。高度急性期、急性期、回復期、慢性期というところは、推計方法案にもございますように、平成29年度の病床機能報告に報告された看護職員数を、同じく平成29年の病床機能報告で報告された高度急性期、急性期、回復期、慢性期と4つの区分に分かれた病床数で割り返して出したものが入院の看護職員数というところでございます。
さらに、手術室・外来・その他の部分につきましては、病棟のように高度急性期、急性期、回復期、慢性期としっかり分かれないので、ここは病院で最も多い病床数を持つ機能を、例えば急性期が60床で、回復期が30床という病院がございましたら、それは全て急性期が90床の病院ということで、そちらのほうに寄せて、手術室・外来・その他に配置されている看護職員数を割り返して係数をつくったというものでございます。2025年の地域医療構想の病床数ということが都道府県のほうから報告されておりますので、そちらに掛け合わせて算出するということを考えてございます。
○尾形座長 ありがとうございます。
島崎構成員、よろしいですか。
○島崎構成員 基本的にわかりましたが、推計ツールのイメージのところを見ると、緑のところは各県が入れる形になっていますね。念のための確認ですが、この部分に関して言うと、各都道府県から地域医療構想の数字が出ているので、厚生労働省も把握していますね。ここの部分は各都道府県に単純に記入させるだけの話だから、そのこと自体問題だということを言っているわけではありませんが、ここは厚生労働省も既にわかっている。だから、先ほど言った「病院および有床診療所」の箇所の数字は、厚生労働省がそうやって計算した数字だと理解して良いですね。確認です。
○乗越看護職員確保対策官 島崎構成員の御指摘のとおりでございまして、ここは既に都道府県におきまして出しておる数字なので、それを入れていただくということですけれども、これはあくまで各都道府県においてこの推計をするという建前からこのような形とさせていただいております。
○尾形座長 よろしいですか。
○島崎構成員 はい。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、特にほかに御意見がないようでございますが、先ほど事務局のほうからも御説明がありましたように、この推計ツールを速やかに都道府県のほうに伝達をする必要がございます。まずこの分科会として意思決定をしたいのですが、都道府県に依頼する看護職員の需給推計の方法については、資料1のとおりとするということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○尾形座長 ありがとうございます。
それでは、本件に関しては、この資料1のとおりということにいたします。
事務局には、速やかに都道府県に対して推計ツールを配付し、需給推計を依頼するようお願いをしたいと思います。
それでは、次の議題に移ります。「看護職員確保に係る課題について」でございますが、事務局のほうから資料説明をお願いいたします。
○乗越看護職員確保対策官 事務局でございます。
それでは、資料3「看護職員確保に係る課題について」をごらんください。おめくりいただきまして、2ページでございます。今回の看護職員需給分科会につきましては、今、御了承いただきました看護職員の需給推計とあわせまして、看護職員確保に関する事項についても議論をいただくということとしております。今回の確保に関する議論につきましては、2ページにありますように、1月から確保に関する議論を3回程度行ってはどうかと考えておるところでございます。それに当たりまして、本日は看護職員確保に係る課題等につきまして、各構成員の皆様に御検討、御議論いただいてはどうかということで、この時間を設けさせていただいております。
3ページは、これまでの看護職員需給推計分科会におきまして、推計方法を議論する中で、看護職員確保に関する御意見として出てきたものを記載させていただいております。こちらにありますような訪問看護における人材確保に関することでありますとか、教員の人材確保、地域の偏在についてどう考えるのかとか、また、看護補助者をどのように活用、確保していくかという御意見が出てきておるところでございます。
4ページは、今、ごらんいただきました各構成員の方からお示しいただいた御意見、それからこれまでの看護職員の確保に関する論点として挙げられるものを、事務局のほうでたたき台としてお示しをしておるところでございます。定着促進ということでは、勤務環境改善をどのように進めていくかということで、先ほども御意見がありましたような勤務間インターバルをどのように導入していくかといったこと。また、短時間の労働など多様な働き方をどのように推進していくかといったこと。また、先ほども少し話が出ました過労死白書等でも指摘をされております、看護職員が働く中でのハラスメントへの対策をどのように行っていくかという対応を検討するといったこと。
復職支援に関しましては、現在看護職員、離職等をする場合に届け出をナースセンターにするという制度を設けておるところでございます。この制度につきまして、いかに推進していくか、強化をしていくかといった点。看護職員の復職の支援を行いますナースセンターをどのように機能強化していくか。これは特にハローワークとの連携といったものをどのように強化していくかといったこと。看護職員につきましては、病院、診療所以外に活躍の場が訪問看護・介護といったところに広がっていっておりますので、多様なキャリアをどのように周知して、そのような分野にも就職をしていただくといった点の周知についても推進をしていくということが重要ではないかということで、「多様なキャリアの周知」と書いております。
その他のところに「施設間の偏在」と書いておりますが、訪問看護ですとか介護施設といったところでの人材確保。地域の偏在というのは、都道府県の中でもあるかと思いますけれども、そういった偏在にどう対応していくか。また、多くの声が聞かれます夜勤について、夜勤に従事する方をどのように確保していくかといったこと。また、看護補助者といった方について、どのように活用していくか。このような論点を事務局のほうでたたき台として用意させていただいておりますが、これ以外の事項につきましても、各構成員の方から御指摘をいただければと考えておるところでございます。
なお、確保に関する基礎的な資料につきましては、お手元のファイルにあります第3回の資料のほうでもお示しをしておるところでございますので、そういったところも御参考にしていただければと思います。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
ただいま御説明がありましたように、看護職員の確保に関する議論を今後3回ほど行いたいということですが、きょうは第1回目ということでございます。皆様から幅広く御質問、御意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。太田構成員、どうぞ。
○太田(圭)構成員 少し意見を言わせていただきます。病院及び有床診療所等の先ほどの粗い試算を見させていただきまして、今回の試算で全体としてとんでもない数字が出るわけではないというのを確認させていただいて、まずこれは安心したのですが、粗い試算で出ている97万人をどうやって確保するのか。これは非常に大変な状況だろうと思っています。特に病院ですとか有床診療所というのは、ほかの看護師さんの働き場でもありますが、夜勤をする人を確保しないと、この97万人は維持できないわけでございます。
以前の参考資料で見せていただきましたが、看護職員の年齢階級別の就業状況というのも、当然のことながら年々高齢化が進んでいる状況の中で、まだこれからふえていく、夜勤が必要になる看護師さんをどうやって確保していくのか。需給の推計だけでなくて、我々病院、医療施設を運営している立場からすると、いかにそれに対して適切な施策を打っていただいているかというのが非常に重要であると思っております。
同じように、看護補助者に関しましても、今、各医療施設は非常に大変な思いをして現場の運営をしてございます。これから働き方改革や何かで、医師もそうですし、看護師もそうですし、タスク・シェアリング、タスク・シフト等を考えていかなければいけない中で、ここの部分というのも今、現場としては非常に大変な思いをしているところでございます。ですので、今回看護職員の確保としまして、この辺、もし何か有効な活用があるようでしたら、ぜひ御議論いただいて、積極的な施策を打っていただきたいと思います。
まずは以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 今、太田構成員のほうから夜勤者の問題、話が出ておりましたけれども、私どものほうも夜勤者の確保については、インターバルや適切な夜勤時間とか回数のほかに、夜勤者の処遇改善が必要ではないかと思っております。その中では夜勤手当を上げれば希望者は出てくるのではないか。諸外国で見てみますと、夜勤の有無と手当については契約書等で明確にされている国もありますが、日本では同じ契約で、給与は日勤の方も夜勤の方も変わらないとなると、子育て期間中は夜勤をやらずに済めばと考えている看護職員もいるのではないかと考えております。
また、それにおいては、雇用者も多様な働き方に関する柔軟な理解が必要ではないかと考えております。例えば本日の資料にもありましたけれども、短時間勤務者で働く、週20時間働いて、1回だけ夜勤をするとか、そのような方法もあるのではないかと思います。そういう働き方を現場のほうがしっかり理解をする。そのような意識改革というのも必要ではないかと考えます。出産や育児・介護のために短時間勤務がふえることを前提とした体制をとっていけば働きやすくなるのではないか。いろんな確保策が考えられると思いますけれども、いろいろ考えていかなければいけないかなと思っております。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。竹中構成員、どうぞ。
○竹中構成員 4ページ、定着促進、復職支援。実は昨日、日看協で中央におけるナースセンター事業運営協議会がございましたが、この中で非常に詳しく試みが行われております。ぜひこの会でも情報を共有なさって公にされていくことを希望いたします。
もう一つはその他の地域の偏在でございます。私ども全国自治体病院協議会は、医療過疎地の医療提供を担っている部分が大きいのでございますが、会員の中には募集しようにも応募者がいないという意見がまだまだ多うございます。地域の偏在について、この会ではマクロの議論を今までしてきたのでございますが、やはり局所的な議論も必要ではないかと考えておりますので、今、医師需給分科会で行っておりますような偏在指標とか、ああいうもので定量的な把握は必要なのではないかと考えます。そういったことをどのように推し進めることができるか、もしくはそういうことができるかどうかということをお聞きしたい。もしよければ、それを踏まえた上で、医者における地域枠等々の考え方はできないのかということも御提案申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 後段が御質問ということでよろしいですか。
○竹中構成員 はい。
○尾形座長 それでは、事務局、お願いします。
○乗越看護職員確保対策官 今の御指摘の部分については、御指摘を踏まえまして、どういったことができるのか考えさせていただきたいと思いますけれども、現時点で医師と同じように直ちにできるかというと、難しいところがありますが、どういったことができるのかということについては少し検討させていただきたいと思います。
○竹中構成員 はい。ぜひ長期的展望の中での解決方法と速効性のある解決方法、両面からよろしくお願いしたいと考えています。
○尾形座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 今の御質問とちょっと重なるところがあるのですけれども、看護職員の確保ということは患者にとっても非常に重要なことで、例えばほかの地域だったら看護師さんが十分いるのに、この地域では確保できないとか、あるいは訪問看護を受けたくてもここでは数が足りないとか、非常に地域差のある問題ではないかと思います。
そういうことからいたしますと、何回かに分けて議論をするということですけれども、例えば地域によって、どの地域でどのような現場の看護職員が確保できていないのかということが見えるような形で資料を私たちに提供していただくと、この議論も具体的にできるのではないかと思います。例えば同じ地域でも、大きな医療機関であれば看護職員が充足しているけれども、全国的に中小の病院では数が足りないとか、そういったものが見えるように、議論できるような資料提供をぜひお願いしたいと思うのですが、それが可能かどうかということをお聞きしたいと思います。
もう一つ、復職支援ということで、ナースセンターへの登録ですけれども、これは努力規定になってしまったことで、登録されている方が圧倒的に少ないのではないかという印象を持っていまして、これをもう少し強力にする方法がとれるのかどうか。なぜ努力になってしまって、義務にならなかったのかということも含めて、御事情、教えていただけるところがあればお願いしたいと思います。
以上、2つです。
○尾形座長 2点御質問ということです。
○乗越看護職員確保対策官 1点目につきましては、竹中構成員の件とも重なるところでありますけれども、これは国のほうで定量的な形で示せるのかどうか。都道府県での実態の把握というところにも関係してくるかと思いますが、こうした点につきまして、どういったことができるのかということをまず検討させていただければと思います。
届け出制度について努力義務になった経緯等々につきましては、整理をさせていただいて、お示ししたいと思います。
○尾形座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
先ほどお話にあった日看協でいろいろデータを持っていらっしゃるというお話ですので、もし国としてデータがないとしても、関係機関と協力して、できるだけ資料を出していただくようにお願いをしたいと思います。
○尾形座長 その点はよろしくお願いいたします。
春山構成員、どうぞ。
○春山構成員 今の御意見とも関連すると思うのですけれども、看護師の確保対策は都道府県が責任を持って計画を立てることになっていると思いますが、今までは需給見通しの数に応じて都道府県全体に対する計画を立てているということで、実は都道府県の中でも地域偏在があったり、施設規模によって確保が難しいとか、看護体制というのは維持しなければ法的に問題になるので、質的な分析、つまり、非常勤と常勤の割合であるとか、新人看護師の割合であるとか、そういった確保対策の計画のあり方というもの、方向性をきちんと示す必要があるのではないかということが1点です。
復職支援事業につきましては、看護協会等を中心にいろいろ行われていると思います。今、そういった報告書も出ているという御意見がありましたが、復職支援事業についても、都道府県全体を対象にして行っているのか、都道府県によっては地域分析をして、このあたりの地域とか、このあたりの施設の確保対策が課題だからということで、いろいろ工夫しているという事業もあると思いますので、好事例を皆さんで共有できるといいのかなと思います。これまで取り組んできた復職支援事業によって、どのぐらい復職が実現しているのかというデータは示していただけるといいのかなと思いました。
もう一点は、訪問看護における人材確保についてです。2025年までに2.5倍というのは、相当な数だと思います。そのときに看護基礎教育の中でそういうことを視野に入れていくというのは当然なのですが、各医療機関で現任教育に非常に熱心に取り組まれていると思うのですが、定年退職も含めた離職後、訪問看護の人材に流れていくような、そういう現任教育が必要なのではないかと思います。
その内容というのは、今、医療機関の中でも非常に重要になっている退院支援とか退院調整とか、そういうところの知識・スキルと非常に共通していると思いますので、そういう方向性をつくるということ。それから特定行為研修のほうで在宅パッケージという方向性も出されていますが、訪問看護師になってから研修を受けるというのは、いろいろな支援があっても相当難しい中で、病院から定年退職後、在宅に流れる一つの動きとして、病院支援型の退職後に向けた研修のあり方というのがあってもいいのかなと思います。ただ、それはある程度国のマンパワーとか資金援助が必要であるかと思いますが、一応意見として言わせていただきました。
○尾形座長 ありがとうございました。
内藤構成員、お待たせしました。
○内藤構成員 ありがとうございます。
東京都医師会の役員を5年ぐらい前にさせていただいたときに、医師会の復職支援の担当、ハローワークの担当等をさせていただきました。病院においては看護職員とか、今は介護職員の確保が非常に大きな問題。特別養護老人ホームにおいても介護職員、ナースの確保が非常に大きな問題になっておりますが、数の問題だけではなくて、どのように確保するかというところがすごく大きな問題になっておりまして、ここでは多分人数の確保というところがメーンだとは思うのですけれども、現場の私どもとしては、どのように確保するか。
具体的に言ってしまいますと、今、紹介業者を通してほとんどが就職、転職ということで、ここの議論とは違うかもしれませんけれども、人数がいても、例えば復職支援だけではなくて、転職支援においてもナースセンターをもうちょっと機能強化、ハローワークと強化していっていただくことが非常に重要で、現在のところ、私が担当させていただいたときも、インターネットで申し込みをするにしても、非常に複雑であって、なかなか登録しにくい。私の聞いた話ですが、業者の登録では、質問事項みたいなものがあって、進んでいくと、最後ポチッとすると、それで登録になってしまって、身動きがとれなくなってしまう。そのような話を幾つも聞いております。
ですから、人数だけではなくて、その間の医療機関もしくは介護施設、訪問看護もそうですけれども、職員を確保する上で、確保の仕方を近々に対応していただく。それからハローワークのそういった機能も強化していかないと、国家資格であります看護師資格の売買のために民間業者が動いているというのは、我々としては非常に難しいところであります。
現場の声としましては、その費用がどれだけ年間の予算に組み込まれているかで、まさに赤字、黒字のラインになってしまうという危険性もあります。我々は離職しないように努力するべき必要性はありますし、そのほかの勤務環境、働き方の促進、ハラスメントの対策もやっていく必要性がありますけれども、どうしても人間ですから、これだけではなくて、いろんな環境で変わって動いていく部分では、医療機関とか介護施設、訪問看護ステーション等の負担を減らしていくということも一緒に。私としましては、余りきれいごとを言っている場合でないと思いまして、こんなことをさせていただいております。そういう言葉が病院協会の中では非常に大きい話であるということは確かでありますので、今回の検討の中、それから方向性の中に力を入れていただくということでは重要なことと思っていますので、その辺の検討もよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
島崎構成員。
○島崎構成員 マクロ的な視点とミクロ的な視点、両方の視点から、検討会の回数は限られているかもしれませんけれども、密度の濃い検討をしたいと思います。
マクロ的な視点ですが、こういうところで言うのが適切かどうかわかりませんが、看護だけに議論の視野を限定しないことが必要なのではないかと思います。率直に言うと、ほかの職種とりわけ、介護関係の職員は募集しても集まらないという深刻な状況があります。それから、OT、PTの需給の検討会でどのような議論がされているのか、よく存じませんが、そういう状況なども踏まえ、幅広にというか、全体像をきちんと見ていくことが必要なのではないかと思います。
以前太田構成員からでしたか、病院の現場では看護補助者が集まらず、看護師がその部分を代替しているという指摘がありました。タスク・シフトとは逆の、いわば「逆タスク・シフト」のような状況さえ起きているのが実状だと思いますので、そういう視点をぜひ持つ必要がある。もっと具体的に言えば、社会・援護局や老健局とも情報交換などもしながら、人材確保の問題については省全体として取り組む必要があると思います。
なお、タスク・シフトの話について言えば、一定の条件の下に、介護福祉士がたんの吸引や経管栄養を行えるよう法律改正したのですけれども、それが実際どこまで現場で行われているのかというと、地域差もあるとは思いますが、必ずしも十分進んでいないというのが実情です。そういう実態も含めて幅広に一度整理をしていただきたいと思います。
2つ目です。ミクロ的なということを申し上げたのですけれども、生産年齢人口が減少していく中で、看護に限定しても非常に難しい問題がいろいろ起きていると思います。先ほどから各構成員から御指摘のあった点はその一例だろうと思います。
例えば訪問看護にしましても、先ほどの春山先生の話を否定しているわけではないのですが、これまでの看護職のラダーは、学校を卒業すると、まず急性期の病院に入り、夜勤がなかなか難しくなると、ほかのところに移っていくパターンでした。訪問看護もそういう人ばかりが集まり、夜勤はできないと言われますと、24時間365日の在宅医療の対応ができなくなります。もちろん、春山構成員がそういう趣旨でおっしゃったわけではないということは十分承知しておりますが、何を申し上げたいかというと、今までの前提となっているような物の考え方そのものを変えていかないと、難しい問題も出てくるのではないかと思います。その一つとしては、例えば看護管理の中に入るかどうかわかりませんが、看護業務をセグメント化して、どの業務であればどういう適正や勤務条件の人が対応できるのかということについても、科学的な研究が必要になってくるのではないかと思います。
いろいろ申し上げましたけれども、需給計画を立てても本当に集まるかどうかというと、相当厳しい状況が待ち構えていることを踏まえ、マクロ、ミクロの双方から幅広い検討が必要だということを申し上げました。
○尾形座長 ありがとうございました。
では、平良構成員、どうぞ。
○平良構成員 私は現場の意見として申し上げます。私は今、沖縄県の県立病院で勤務しておりまして、御存じのように、沖縄県は島嶼県でして、地域偏在と言えば、人材の確保がかなり難しくなっております。沖縄県では総合病院がある本島とか大きな宮古、あるいは石垣などの島に橋でつながっていない小離島というところに20カ所診療所がございます。そこに医師、看護師が1人ないし2人ずつ配置されております。20カ所のうちの16カ所は沖縄県の県立病院附属診療所として運営しております。
沖縄県立全体の看護師数は約1,800人。その中の16名を人事異動でどうにか回していくというところで確保しているところで、その16名すら希望者が潤沢にいるわけではありませんので、確保にかなり難渋しております。これから考えますと、町や村が単独で経営して運営しています診療所というのは、なおさらではないかと思います。
働き方ですが、1人しかおりませんので、年休あるいは病気での休暇に関しても、私どもは県立全体で代替看護師を2名選定しておりまして、その2名が16の診療所の求めに応じてかわりに行くという対策をとっておりますので、何とかできておりますが、そういうことすらちゃんとできない、看護師に負担がかかっている山間僻地、離島があるのではないかと思います。ミクロの話、少数の看護師のことについてではありますが、確保対策の中でちゃんと検討もしていただけたらなというのが私の希望です。
それから、看護職の中で保健師の推計はいつもされませんけれども、町村においては保健師の確保もかなり難しいところがある。特に離島、僻地においては。そういうお話も聞いておりますので、そこもあわせて検討が必要かなと思います。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
平川構成員、どうぞ。
○平川構成員 平川です。私は、老人保健施設の立場から来ておりますが、介護施設からの代表とも思っておりますので、そのあたりで意見を述べたいと思います。
先ほどから言われておりますように、特に老健施設では、御案内のとおり、医療と介護の両方をにらんでおりますし、そういった意味では両方の中間施設という言い方もできるかと思いますが、まさに人材につきましてはダブルパンチでございます。介護職員も集まりませんし、看護も集まらないということです。最近では、介護職員のほうが厳しい状況になっております。
もう一つの問題は、数の問題と同時にその職員の質、能力の問題も関係してくると思います。私は精神科病院も運営していますが、誤解がないようお断りした上で、これまで世間一般的には看護の仕事の中でも精神科病院や老人の施設であれば、さほど高度な看護技術がなくてもできるのではないかという流れがありました。そういう中で、現在は精神科病院、老健施設をはじめとして高齢者施設でも医療依存度の高い方が入ってくるようになりまして、また、そこで提供する医療内容も決して楽なものではないという状況がございます。病院看護はちょっと厳しいけれども、介護施設ぐらいなら大丈夫かなという思いで来た看護師の方が、業務のために潰れてしまって、非常に悲惨な形で退職するということがございます。
そういった点では、先ほど島崎先生から今までの考え方をドラスチックに変えたほうがいいという話がありましたが、職務の分掌等についても考えていかないと、これから先は立ち行かないのではないかという気がいたします。
一方で、先ほど春山先生が言われたように、病院にいるときからそういったものは研修すべきではないかとのご意見がだされました。良い考えだと思います。と言いますのは、例えば訪問看護事業では、一旦現場の仕事に就いてから、研修会へ出席することは厳しい状況です。代行看護職を充てるなどさまざまな支援が必要です。私は東京都ですので、都はさまざまな支援策を講じてもらっています。しかし、研修に出したくても出せないというのが一般的です。研修や復職支援をするにしても、どの場でどのタイミングでやるかということは、もう一回確認あるいは検討する必要があるのではないでしょうか。
いずれにしても、現場としては本当に待ったなしの状態なので、3回しかありませんが、確保策についての議論を期待しています。ぜひ忌憚のない意見交換ができればと思っています。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、大崎構成員、どうぞ。
○大崎構成員 現場からの意見なのですけれども、うちの法人は急性期から慢性期まで持っておりますが、介護保険施設に処遇改善加算がつきまして、看護助手がそちらのほうに流れていく可能性がすごく大きくて、結局、うちの病院のほうにも看護助手に対しての処遇改善加算を全額ではないですが、半分つけてもらったのです。言いたいことは、医療にいる看護補助者が介護に流れていく可能性で、医療現場がますます煩雑になっているという現状があるというのが1点です。
もう一点は、島崎構成員が言われたとおりに、看護学校の先生は、まず急性期からスタートしなさいということを言われるみたいで、何年かたったら、退職しますと言うのです。就職したときからそれは決めていましたということを言うので、急性期の病院としては、育てて、育てて、育てて、これからいろんな認定に行ったり、いろいろレベルアップできるときにやめていくという現状があるので、その傾向というのは変えていってほしいと思っています。
もう一つ、コメディカルも2014年の地域医療総合確保推進法においていろんな役割拡大が出てきました。例えば放射線技師においてはCT、MRIの抜針ができるとか、検査技師においては検体の採取ができるというのができたのですけれども、それをコメディカルみずから、しますとは言わないですね。なかなかそういった意見がなくて、それを活用できていない看護の問題もあると思うのですが、せっかくそういうふうに法律で通ったことをもっと現場に広めていくようなことが必要ではないかと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 追加です。まず、訪問看護の人材確保についてでございますが、本日のごく粗い試算を見てもわかりますように、訪問看護の人材をどう確保していくのかというのは非常に重要な問題で、今、たくさん意見も出ておりますけれども、訪問看護の確保については、本会ではこれまで数多くの対策を行ってきました。例えば新卒の訪問看護師の確保に向けた導入研修のプログラムの作成であるとか、労働条件の改善による確保定着を目指したステーションの大規模化、また、管理者の経営やマネジメントの育成等ということで、少しずつ効果は上げてきているけれども、まだまだ十分な確保はできておりません。そういった意味で、2025年に現在の倍以上の訪問看護師を確保するためには、さらなる策が必要と考えております。
そこで一つ私どものほうで考えておりますのは、病院の看護職員を地域で活用しやすくする。相互の垣根を低くするような方策。例えば既に診療報酬で評価していただいておりますけれども、本会も病院やステーション間での人材交流のモデル事業を進めてきておりますが、このような仕組みを大規模に全国展開する必要があるのではないかと考えております。
また、看護職員の確保が効果的、実効的に進む方策ということでは、過去にも発言しておりますが、訪問看護の総合確保計画を策定し、都道府県における看護職員の確保計画が実効性のあるものになるようにしていくべきだと考えております。都道府県の医療計画を見てみても、具体性のある計画が記載されている県は非常に少ないのかなと。例えば今の医療計画は抽象的な表現で、ざっと看護職員の確保に努めますぐらいの記載が多いというのが現状ではないかと思っております。
病院と地域の相互の垣根を低くすること。また、都道府県がこの医療計画にしっかりと地域における看護職員の確保と配置に関する計画を書き込むということは、先ほど来出ています医療資源の少ない離島や僻地対策としても実効性のあるものになるのではないかということでは、都道府県の役割は大きいものではないかと思っております。
あわせて、働き方改革のところで、本日の論点の中にもありますが、資料3のページ4、定着促進。インターバルのほうは先ほどお話ししましたが、ハラスメント対策が書いてありますけれども、過労死大綱でも国が取り組む重点対策として明記されておりまして、また、過労死白書によると、看護師の労災支給決定事案では精神障害の事案の割合が多く、その発病に関与したと考えられる業務によるストレス原因というのが、患者からの暴言や暴力の体験が多い。また、その発生時刻も深夜帯が多いと記載されています。
本会が行いました2017年の看護職員の実態調査においても、看護職の52.8%が過去1年間に何らかの暴力やハラスメントを受けた経験があると回答しております。こういったことが離職につながらないよう、この論点にありますとおり、暴力やハラスメントを防止するための取り組みが課題と考えておりますので、ハラスメント対策というのも非常に重要ではないかと考えております。そのあたりも今後の検討の課題にしていただければと思っております。
復職支援の話でナースセンターのことが出ておりますが、ナースセンターの機能強化は重要ということで、本会のほうでも「とどけるん」の登録数を把握しておりますが、少しずつではありますけれども上がってきております。また、ハローワークとの連携もふえまして、ハローワークにおいて職業紹介を行うことも可能になってきております。ナースセンターの強化については、お隣におられます釜萢構成員にも御参加いただいて強化策を検討しておりまして、これからもさらに力を入れて進めていきたいと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
では、伊藤構成員。
○伊藤構成員 推計のときにも発言をしてきたことですが、きょうも皆さんの発言の中にもありました研修のことでして、在宅への移行ということもありますし、あと、医師の働き方改革のほうで言われているタスク・シフティングも看護の業務に非常に大きい影響を与えることが考えられますので、そういうことを含めると、研修というのが専門性を含めて階層化が進み得るというか、そういう必要性も出てくると思っていますので、そういうことを念頭に置いた研修がきちんと行われて、それが受けられるような体制が必要だと思っています。論点(たたき台)のところに研修というのが特に出ていませんけれども、ぜひその点を重点的に検討していきたいと思いますし、研修受講機会が確保できるという意味の点で言うと、代替職員の確保は極めて重要ですので、そこまで含めた検討をしていきたいなと思います。
ハラスメント対策は、今、御指摘がありましたように非常に重要だと思っていまして、介護のほうは、連合の傘下の組合で調査をやって、非常に厳しい実態が明らかになったのですが、看護のほうも自己犠牲をしがちで、今までそういうものだろうと看護職員自身が受けとめてきてしまっているようなところも聞いていますので、ハラスメント対策はぜひ重点的にやっていただきたいと思っています。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
では、森本構成員、どうぞ。
○森本構成員 先ほどの働き方改革の推進のところで本会の調査の話が鎌田理事からもあったのですが、以前に厚生労働省のほうから医療従事者の離職防止や医療安全の確保等を図るため、改正医療法、平成26年10月1日施行に基づき、医療機関がPDCAを活用して計画的に医療従事者の勤務環境改善に取り組む仕組み、医療環境改善マネジメントシステムを創設し、医療機関の自主的な取り組みを支援するガイドラインを国で策定するという案が出ておりました。そして、医療機関のニーズに応じた総合的、専門的な支援を行う体制を医療勤務環境改善支援センターで各都道府県が整備をし、センターの運営はということで、地域医療介護総合確保基金を活用していくという話があったかと思いますが、そのあたりの現状がどうなっているのか教えていただければと思います。
○尾形座長 これは御質問です。では、吉田局長。
○吉田医政局長 事務局におります医政局長でございます。
今いただいた御意見、御質問を含めて、途中で口を入れるような形で恐縮でございますが、ここまでの御議論でも、本日はたたき台という形でお示しをした今後の確保対策について、さまざまな視点から御質問あるいは御意見をいただいたと思っておりますので、最後にもう一度振り返らなければいけないのかもしれませんが、整理をさせていただいた上で、限られた回数においてこの検討会で御議論いただくものを、きょう御議論いただいたものを整理して、次回以降でお示しさせていただきたいと思いますし、それに当たっては、先ほど山口委員あるいは竹中構成員からも言われましたファクトの分と、今の森本構成員から御質問がありましたこれまでの施策がどうなっていて、それが今、現実問題どういうふうにあるのかということもお示しをさせていただきたいと思います。
その上で、この構成員の方々、場合によってはゲストの方々も交えて、ファクトと取り組みはこうなっていると行政は言っているけれども、現実はこうではないか、ああではないかという御議論もこの検討会の中で出していただいて、それを踏まえた上で最終的にまとめさせていただきたい、あるいはまとめていただきたいと思っておりますので、少し長くなりましたが、森本構成員の今の御質問については、次回以降の資料の中でなるべく早くにファクトとして御説明をさせていただきたいと思います。
○尾形座長 限られた回数ですので、ぜひ効率的に議論が進むように、その辺は事務局も配慮をお願いしたいと思います。
では、山口構成員、お待たせしました。
○山口構成員 先ほど鎌田構成員と伊藤構成員の話にもございました患者の暴言・暴力、ハラスメントの問題ですけれども、最近医療機関の中では暴言・暴力について注意喚起するようなポスターが張ってあったり、そういう事実があるということを患者の立場も目や耳にするようになったりしてきて、多少の抑止力にはなっているのかなと思うのですが、私、全国訪問看護事業協会の理事もさせていただいている中で、訪問看護という密室の中でかなり暴言・暴力という問題が起きているということを聞いております。ところが、このことについては社会でほとんど話題に出てこないのです。しかし、例えば一度被害を受けてしまうと、訪問看護師として働くということをちゅうちょするような方もいらっしゃるのではないか。そんなことを考えたときに、どういった対策があれば、そういったハラスメントについて在宅の場面でも抑止力になるのかということも一つ考えていかないといけないことではないかと思います。
といいますのも、今、日本の中で世帯として一人世帯が一番多くなっている。そうすると、たった1人の患者さんのところに1人で行かれる訪問看護師さんがいらっしゃるということが、機会としてはふえてくると思うのです。まず、こういうことが起きているのだという事実を社会的な問題として理解していただくという意味では、現実どんなことが起きているのかということを伝えていくことも大事なことではないかと思いますので、そういったことも一つ対策として考えていただきたいと思っております。
○尾形座長 ありがとうございました。
釜萢構成員。
○釜萢構成員 きょうはいろいろな御意見が出ておりますので、私からも視点を変えて意見を申し述べたいと思いますが、これまで看護職の需給の検討は、全体の数がどうなのかということが主な論点でありました。今後人口が減少し、就労人口が減っていく中で、医療職だけ確保することは不可能ですから、限られた人材、看護職についても今後どんどん養成していくというのが難しくなってくる中で、需要はある。先ほど島崎構成員も言われたように、業務の細かいところまで踏まえた看護職が今、どこにどういうふうに働いているのかという情報がぜひ必要になってくるなと痛感いたします。
医師につきましては、医師・歯科医師・薬剤師調査というのを2年に1回やるわけでありますが、これも従来はその年度の状況がどうなっているのかというのを、その年度ごとに見るということの役にしか立っていなかったのですけれども、厚労省がさらにその情報が利用できるように今やっておられるところなので、ずっと年度を追って見ていくようなことがだんだんできるようになって、その結果、今、医師の実際の需給の中で、医師がどの科にいて、それがどう動いていくかということを詳細に検討しようとするためのデータとして大変役立つということがわかってきました。
そのあたりも踏まえますと、看護職の方も今、どこでどういうふうに働いておられるのか、どういう業務についておられるのかということを経時的に追っていける仕組みが必要で、これは合意形成が必要ですし、お金もかかることだろうと思いますけれども、看護職の方が今、どこでどういうふうに働いておられるのかというのを経時的に見ていける仕組みがぜひ必要だなと感じます。
そうしますと、今までよくわからなかった離職率の問題などももっと精緻にわかってくるでしょうし、看護職の資格を取られてからどういうふうに働いて、どういうふうにキャリアを重ねて、今、どこでどういうふうに働いておられるのかということがよく見えてくるようにいずれなるだろうと思います。そういうところも見ながら、必要な看護職の需要と供給をしっかり捉えるということが必要になってくると強く感じます。
先ほどもお話がありましたが、看護職の養成は都道府県が計画を立ててやるわけですけれども、これだけ需要があると予想される。供給はこうだということですが、その中で、看護職の方があちこち異動したり、あるいは一時仕事をやめる方もいるという中で、しっかり有効な看護職の人材を確保するという点で、今、申し上げました看護職の方の現状の働き方を報告していただくという仕組みについて考えて、また、この需給分科会がそのことについても提言をすることができればよろしいのではないかと思って意見を申し上げました。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
太田構成員、どうぞ。
○太田(圭)構成員 病院を運営している立場から1つ意見を言わせていただきたいと思うのですが、先ほどから例えば病院と地域の施設との連携などを進めるために、病院のほうで何らかの形の教育ができないかとか、現地に出ていっていただいてということで、今後の看護師さんの需給をスムーズに、いろんな地域が必要な人材を育てるためにという御提案をいただいたのですが、一つ私自身が大きな問題になっていると思うのは規制です。例えば今、病棟に配置されている看護師さんというのは、教育で研修を受けているとすると、少なくとも勤務の配置の時間から外さなければなりませんし、訪看と一緒に退院した患者さんの居宅に行くというものに関しても、その時間を実際のその人員の配置の基準から外さないといけない。これは全て基本的にがんじがらめな形になります。研修そのものは、労働法的なものでどうのこうのという以外にも、診療報酬でさまざま決められている基準によって、いろんな取り組みが創意工夫でやっていける部分はあるのだけれども、できないという部分が幾つかあるのだろうと思います。
もちろん、医政局マターではないですが、今後人材を有効に活用して生産性を高めていかないと、地域の医療は守れないという状況になっていきますので、確保策は確保策で非常に重要なのですけれども、さらにその方々がより有効に働けるような形の仕組みというのは、厚生労働省全体として考えていただければと思います。もちろん、そもそも人材がたくさんいて、それをアフォードできる財源がたくさん降ってくるという状況ならば、さまざまな別の解決策があるでしょうけれども、我々は今、そういう恵まれた環境にはないと思っておりますので、その辺、さまざま創意工夫ができるような状況にお願いしたいと思います。
もう一つ、先ほどいろいろお話を伺っておりまして、本当にいろんな論点があります。私が聞いている範疇でも、精神科は精神科で人材確保、個別に診療科として困っているという状況もありますし、先ほどの地域の問題もありますし、夜勤の話、看護補助の話、いろいろあります。ですので、先ほど局長からもありましたけれども、ゲストの方とか専門の分野の方をお招きいただいて、実情がどうなっているか、またどういう工夫をしているかというものもお話しいただく中で、ファクトとしてさまざまな資料も事務局から提示していただく中で、非常に限られた時間ですが、より実りのある議論が今後進められたらと思います。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
鶴田構成員、どうぞ。
○鶴田構成員 私自身は、その地域においては、そこに投入される費用とか、そこにいる職員数とかで、そこで提供されるサービスの総量は決まって、サービスの提供がないと困るのですが、最低と最高の間で質と量は決まっていくと思います。
資料2のデータについてお聞きしたいし、意見を述べたいと思います。まず一つは、タスク・シフトの話と働き方改革の話がありました。そうした中で、ドクターからナースにシフトする部分、ナースから診療補助者にシフトする部分というのは、ここにどういう幅を持った影響があるのかというのはこの従事者数の推計値の中にはきっとないのだろうと思います。先ほど言ったように、幅があっても、そこにいる人でサービス量は変わってくるので、大きくないのかもしれませんけれども、そういう幅を持たせられるのかどうかお聞きしたい。例えば働き方改革は、医者の場合はかなりの時間外労働があるけれども、看護師さんの場合はそれほど時間外労働は多くないから、その幅をちょっと変えても、全体の人数は変わらないという話なのかもしれません。
もう一つは、この人数が必要だとして、この人数の増の部分、訪問看護とか介護保険サービスの部分には余り看護師が行かないとすると、そこに移行する支援策をどうするか、インセンティブをどうするかについて議論する必要があるのではないかと思います。こういう方面に進む看護師をどういうふうに教育するか。また、5年後に必要な人数を確保することが間に合うかという問題があるので、こうした教育を看護教育の中にどう取り入れていくかと思います。こうした課題を将来の課題として考えていくのかということについても少し議論してもいいのかなと思いました。
以上です。
○尾形座長 前半は御質問ということですか。
○鶴田構成員 前半で言ったのは私の個人的な見解です。要するに、そこにお金が幾らあって、サービスする人が何人いた場合、全体のサービス量が決定する。一番困るのはサービスを受けられないということだと思うのです。あとはその範疇の中で高いサービスか、低いサービスか、もしくはそこで中庸的なサービスが受けられるかというところは、地域によって違うのだろうと思います。そこは意見です。
○尾形座長 ありがとうございました。
では、高砂構成員。
○高砂構成員 訪問看護師の確保に関して、訪問看護師が安全に働くというのはとても大切だと思います。先ほど山口さんから暴力の話がございましたが、もう一点は、医療依存度の高い方たちがこれから在宅に増えてくるということを考えると、病院においては事故等の報告システムが構築できておりますが、在宅においても事故報告のシステムなどをこれから構築していただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
春山構成員、どうぞ。
○春山構成員 先ほど平良構成員から離島の実情についてお話がありましたけれども、私が関連している厚生労働科研で2年前に行った離島や山村過疎地域の僻地診療所の調査においても、看護師の高齢化であるとか確保について非常に懸念しているという調査結果がありました。これは看護師だけではなく、地域医療をいかに守っていくかという問題であると思うのですが、医師の確保については、地域ぐるみでそういったことについて考えているというところがほとんどであると思いますが、看護師までとなると、そこまで地域の中で考えているところは決して多くなかったという調査結果でした。
今、地域医療支援センターであるとか、僻地医療支援機構であるとか、そういった地域医療について話し合う場があると思いますが、この需給見通しも看護師でなく医療従事者となったのは、医師だけではなく、ほかの看護師やコメディカルも一緒に考えていくという趣旨があったと思いますので、そういう地域の中で考えていかなければならないという方針を明確にする必要があるかなと思います。
最後に質問なのですけれども、ちょっと勉強不足で申しわけないのですが、地域医療計画の中で僻地医療について計画を上げることになっておりますが、その中で看護師確保対策について明記するということになっているのかということ。先ほど述べた調査のときに都道府県を調査したときには、僻地医療の部分ですけれども、全ての都道府県が看護師確保対策までは明記されていなかったということがありましたので、お聞きしたいと思います。
○尾形座長 最後は御質問ですが、事務局、これはわかりますか。医療計画の中の僻地医療についてです。吉田局長。
○吉田医政局長 先ほど来お話がございますように、それぞれの都道府県において取り組んでいる医療計画の中において、看護師確保という視点からそれぞれ取り組んでいただくのは、看護師の確保のもとにおいて行われておりますけれども、具体的に先ほど前半のほうの御議論にありましたように、オール県でなくて、県の中でもそれぞれの地域、あるいは場合によっては機能、医療機関の規模みたいなことも含めて、どこまで分析的に確保についての方策が出ているか。率直に申し上げて私の記憶の限りではそういう記載まできちっとできているものは余り思いつきませんが、そのあたりについてもファクトとして少し整理をして、次回以降お示ししたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
鶴田構成員。
○鶴田構成員 都道府県の立場からは、一応養成と定着と離職防止とか、大きく3つぐらいの柱で看護師確保対策をしているのですが、養成の観点からすると、看護師養成校については、病院がないとうまくいかないというところがあって、医師が少ない地域では大きな病院がありません。看護学校がだんだん大規模化するにつれて、30人ぐらいの看護学校はなくなっています。地域に行くと医師よりも、そこに看護師になろうとする若い人がいないという中で、看護学校がなくなるという悪循環があるので、養成の観点からすると、都会から離れた地域では大変難しいという実態があると思います。養成校の実態が分かれば、数字を出してもらえればいいと思うのですが、感覚的にはそういう感じを持っています。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。鎌田構成員、どうぞ。
○鎌田構成員 これから働き方改革の推進や夜勤者の確保等、いろいろ議論が進められて方策が出されると思います。これらが実効性のあるものになる必要があると思いますが、そのために、今ある人確法の指針等、法律や通知や政省令等に反映しなければ、実効あるものにならないのではないかと思っておりますので、あわせて検討いただければと思います。
それから、最初のほうで太田構成員からも出ていました看護補助者の確保の件でありますが、本日の論点については、看護補助者の活用といったところでは、活用すれば看護師の働き方も少し変わってくるのかなと思います。確かに看護補助者の不足というのは課題ではありますし、看護補助者について議論しないといけないのでしょうけれども、補助者の確保については、この分科会で議論するのはどうかなと考えております。看護補助者というのは資格職ではないので、計画的な養成をされているものでもないということで、看護職の確保と同列には議論できないのではないかと思っております。
もう一つ、看護教員のことも少し話題に出たかと思いますけれども、現在指定規則に沿って教員確保はできているかもしれませんが、現場からは、実習、演習等の指導や多様な背景を持つ学生への対応、また、実習場所の確保、指導者との調整等、非常に業務負担が大きいというのは、私どものほうも問題があると聞いております。看護の質の担保のためには、看護教員も適切に確保すべきでありますけれども、これについては、この需給分科会ではなく、教育の質の担保と量の確保といったところで別途検討する必要があるのかなと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 今の鎌田構成員の御意見ですが、看護だけでは語れなくて、看護も介護も一緒に考えていかないといけないという話の中で、患者側から見ると、看護師がいて、そこに補助者がいて、どういう仕事の分類をされているかということもとても大事なことだと思うのですけれども、それを一緒に考えないという意味が私には理解できなかったので教えていただけますか。
○鎌田構成員 具体的な確保策でなくて、ここの論点にもありますけれども、補助者の活用ということについては議論をしつつ、補助者を活用することで看護師の業務の負担軽減というところは議論に値すると思っております。補助者をどのように具体的に確保していくかというところになると、ここの分科会ではどうなのかなと。
○山口構成員 確保策については違うのではないかということですか。
○太田(圭)構成員 よろしいですか。
○尾形座長 太田構成員、どうぞ。
○太田(圭)構成員 現実的には先ほどあった人員の基準や何かで、今、実際看護補助者が足りない中で、看護師さんを何人置いておかなければいけない、看護補助者を何人置いておかなければいけないということで、いわゆるみなし看護補助者という形でかなりの看護師さんが実際病棟に配置されているような状況がございます。
当然これは看護師さんの需給を検討する場ですので、そこの部分が確保できるか、できないかというのは、数値的にも非常に大きな影響を及ぼすところになります。もちろん、鎌田構成員の立場はわかりますけれども、論理的に考えて、これを外すというのは少し言い過ぎではないかと思っております。
以上です。
○尾形座長 伊藤構成員。
○伊藤構成員 まず、今のことで言いますと、需給確保対策の検討というのは、独立して確保対策を議論するという面もあるのかもしれないですが、需給推計との関連で検討するということなのではないかと私は理解していました。需給推計は看護職員について出していくわけですので、もちろん働き方にも非常に大きく影響することですので、確保対策としての検討は必要だと思っているのですが、推計との関連で考えれば、看護職員の確保を中心に、看護補助者の確保についても検討が必要という位置づけなのかなと私は理解したところであります。
もう一つよろしいでしょうか。
○尾形座長 どうぞ。
○伊藤構成員 先ほど森本構成員が御指摘されたことについて、発言し忘れてしまったことですが、医療勤務環境改善支援センターについて、ぜひ実情を示していただきたいと思っています。きょうたくさん議論があるから、いろいろ整理をされるということですけれども、この点についてぜひ出していただきたい。というのは、都道府県の中には労働組合で参加しているところがあるのですけれども、実際の現場の勤務環境改善の取り組みに資することがどれだけできているのかという問題意識をよく聞いているものですから、実情をぜひ把握したいと思っています。
以上です。
○尾形座長 では、森本構成員。
○森本構成員 全体の看護職員の確保についてですが、看護管理者のマネジメントの重要性を考えています。医師の働き方改革に関する検討会においても、医療機関のマネジメント改革に取り組んでいく必要性について、組織のトップがマネジメント改革等のかじ取りをしていくことの重要性が指摘されています。看護管理者の多様なマネジメントも非常に重要なことであると思います。働き方改革が多様性が広がっていく中で、今後ますますそのマネジメントが鍵になり、定着・確保についてのポイントを示していく必要があるのではないかと考えております。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。小林構成員、どうぞ。
○小林構成員 先ほどの看護補助者のことですが、今後の看護補助者の活用の推進や看護補助者がどの程度確保できるのかといった見込みにより、看護需要も影響が出てくるかと思われます。そのためにまずは看護師の直接・間接業務の棚卸しを行い、標準的に、看護補助者にどの程度、業務を委譲できるのかを明らかにし、看護師と看護補助者間でのタスク・シフティングを検討することが求められます。その上で、今後の看護師必要数を考えて行かなければならないと思います。
○尾形座長 山口構成員。
○山口構成員 先ほど質問だけで終わって、中途半端に終わりましたので、結論からすると、私も看護補助者の確保もあわせて考えていくということが重要ではないかと思っておりますので、そういう方向で御検討いただければと思います。
○尾形座長 島崎構成員。
○島崎構成員 まず、今の点について言うと、基本的には私も同じ意見なのですけれども、看護の量およびと質の確保という問題を全体の中でどういうふうに位置づけるのか、そこはきっちり押さえたほうがいいと思います。ただし、この検討会を3回行い全てこなすということは難しいので、濃淡をつけ、それぞれの課題についてはどこで議論するのかということを仕切ればよいと思いますので、鎌田構成員がそれほど御懸念されなくてもよいかと思います。
もう一つ、看護師の全体の数の話ですが、先ほど病院と有床診療所については、国全体としての数が把握できますねという確認をしましたが、誤解がないように申し上げると、これは各都道府県の状態を無視していいということを申し上げたつもりは全くありません。というのは、私が懸念しておりますのは、都市部ではしばらくは人口も増えますし、特に高齢者の数は増加しますので、端的に言うと、都市部では看護の必要量が増え、農村部や過疎地では増えない、むしろ減少するだろうと思います。そのあたりの全体の構造がどうなっていくのかは重要な点です。さらに言えば、一つの県の中で、都市部と過疎地では問題状況が全然違いますので、都道府県間の偏在だけでなく、都道府県内の偏在という問題も起きるはずです。そういう問題についてどういうふうに考えるべきかということも重要な論点であり、今度推計のデータを示す際に、問題状況が浮かび上がるような提示をしていただければと思っております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょう。よろしいですか。
それでは、少し時間が早いですけれども、御意見等も出尽くしたようですので、本日の議論はここまでとしたいと思います。
きょうは第1回目ということで、看護職員の確保に関する論点を幅広く御議論いただきました。次回は、先ほど局長からもお話があったように、きょう出されたさまざまな論点を1回整理していただいて、そして必要なデータあるいは資料等をあわせて準備をしていただければと思います。
それから、先ほど何人かの方から現場の方々からの状況を聞いてはどうかというお話もありましたので、これは次回ということになろうかと思いますが、ヒアリングを実施したいと思いますので、その辺につきまして、事務局で対象者の選定等の準備をお願いしたいと思います。
ということを申し上げた上で、では、局長、どうぞ。
○吉田医政局長 事務局の医政局長です。
本日私どもがお示しをさせていただいたたたき台に基づき広範な御意見をいただき、ありがとうございました。
事務局として申し上げるのがいいのかどうかですが、たたき台としてお示ししたもの、「定着促進」「復職支援」「その他」という柱立て。率直に申し上げれば、従来看護師の確保という観点から取り組まれてきた柱立てをもとに、御議論をいただくべく、たたき台にさせていただいたところではありますが、本日御議論いただきましたように、もちろんマクロ的支援、あるいはマクロ的支援者とミクロの問題をまず整理すべきではないかとか、現実の医療現場においてはそのケアというか、看護補助者というか、それぞれのところが実際相身互ってサービスが提供されていて、両方のスタッフの状況を踏まえないと、看護職というところだけで物が言えないのではないかとか、あるいは別途行っております働き方改革の議論の中にもありますように、あるいはこれまでの取り組みの中にもありますように、そもそもタスク・シフトという言葉にあらわされるような現場における看護職の働き方。先ほどはセグメントにした業務分析も要るのではないかという御示唆もいただきました。そういう視点も要るのではないかと。
あるいはそもそもマイクロマネジメントとして、個々の医療機関であれ、あるいは訪問看護ステーションであれ、働いている方々に対して、どういうふうにマネジメントがきいているのかという点も含めて議論すべきではないか。あるいは同体で、Aさん、Bさんをマクロとしてフォローする形で看護の需給を踏まえた確保策について、より議論を深めるべきではないか等々の御指摘をいただいたと思います。
先ほど座長のほうからいただきましたように、我々の提案を越えて非常に広い視野から御意見をいただきましたので、私どもとしてはそれを少し整理をさせていただいて、全体の構造がわかるようにする作業を、座長とも御相談させていただきながら進めさせていただきたいと思います。
その上で、先ほど一部委員からも御発言がありましたように、この場でどこまでそれを最終的にまとめ上げるか、あるいはどのタイミングまでにそれについての一定の方向性を、きょうここにお集まりいただいている構成員の方々のコンセンサスとしてまとめていただくかにつきましては、需給を具体化する際の問題だという制約と、一方で、現場における人の確保、あるいは人材不足ということが急務の課題になっているということ、両方をあわせ持ちながら、この場における今後の御議論の仕方についても整理をさせていただきたいと思います。
ただ、繰り返し申し上げますが、きょういただいた御議論は、全体としてのマトリックス化といいましょうか、全体の見える化をした上で、ここでのきょうの御議論の成果、そしてそれを深めていただくための次なる材料という形で、座長と相談した上で整理をさせていただきたいと思います。まず、その整理と、その上で、先ほど座長からお話がございましたように、ゲストの方々の御議論も深めていただいて、それぞれの項目の中でどこが足りないのか、あるいはその中で一定の方向性をお示しいただけるものは何なのか。それぞれの項目が多岐にわたりますので、限られた時間の中で、これが結論、ここが最終的なゴールというところまでは難しいだろうと思っておりますが、精いっぱいそういう形でここにお集まりいただいている構成員の方々の御見識が整理できるように事務局としては取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
○尾形座長 それでは、そういう方向でよろしくお願いします。
最後に、次回の日程等について、事務局から連絡をお願いします。
○金子看護課長補佐 次回の開催日時及び場所等につきましては、改めて御案内を申し上げます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、これで第5回「看護職員需給分科会」を終了いたします。長時間にわたる御議論、どうもありがとうございました。
 
(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 看護職員需給分科会> 医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 第5回議事録(2019年1月17日)

ページの先頭へ戻る