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2016年4月27日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第34回議事録

○日時

平成28年4月27日(水)9:59~10:29


○場所

全国都市会館 大ホール(2階)


○出席者

荒井耕部会長 印南一路部会長代理 田辺国昭委員 西村万里子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 花井十伍委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
土屋裕専門委員 田村誠専門委員  昌子久仁子専門委員 加茂谷佳明専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人 田倉智之参考人

○議題

○費用対効果評価の試行的導入における対象品目等について

○議事

○荒井部会長

 ただいまより、第34回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。本日は榊原委員、松原謙二委員が御欠席です。

 それでは費用対効果評価の試行的導入における対象品目等について、議論を行いたいと思います。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

○眞鍋医療課企画官

 おはようございます。企画官でございます。

 中医協費-1を用いまして、費用対効果評価の試行的導入における対象品目等について御説明をさせていただきます。

 まず1ページ目でございます。こちらは既収載品にかかる対象品目についてということでございます。1つ目の丸にございますように、既収載品にかかる対象品目につきましては、昨年度おまとめいただきましたものに沿いまして、選定基準が定められているところでございます。

 若干おさらいになりますけれども、この四角の中を御説明させていただきます。まずは1、2でございますけれども、1のほう、こちらは除外の基準でございます。以下のいずれにも該当しないことということで、希少な疾患に使用するいわゆるオーファンドラッグ、オーファンデバイスのようなものなどは対象としない。そしてまた「ロ」のほうで書いてありますけれども、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」または「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」における検討結果を踏まえ厚生労働省が行った開発要請または公募に応じて開発されたもの、いわゆる社会的ニーズが高いものに関しては、こちらの費用対効果評価の対象とはしないこととしたところでございます。

 次に2といたしまして、1を除外した上で次のいずれかに該当することということでございます。こちらも「イ」と「ロ」がございまして、「イ」が類似薬効比較方式または類似機能区分比較方式、「ロ」が原価計算方式というように大きく分かれてございますけれども、それぞれの中に小さいローマ数字のiiiで、補正加算の加算率が最も高いもの、そしてまた補正加算が認められたものの中で医薬品についてはピーク時予測売上高が最も高いもの、医療機器については保険償還価格が最も高いものとされております。

 原価計算方式で算定されたものにつきましては、営業利益率の加算率が最も高いもの。そしてまた小さいローマ数字のiiでは、10%以上の加算が認められたものの中で、医薬品についてはピーク時予測売上高が最も高いもの、医療機器については保険償還価格が最も高いものとなってございまして、その下にありますように、これによって選定された品目の薬理作用類似薬及び同一機能区分に該当する医療機器も対象とするとされていたところでございます。

 1ページおめくりいただきまして2~3ページに、今回この基準に該当した品目をお示ししてございます。

 2ページの上の丸でございますけれども、当該選定基準に基づくと既収載品のうち医薬品が7品目、医療機器が5品目該当することとなるわけでございます。

 そして次の丸にございますけれども、今後これらの品目について、この試行的導入にかかる対象品目として定め、製造販売業者にデータの提出を求めるとともに評価の手続を進めたいと考えております。

 医薬品は7品目でございます。まず、類似薬効比較方式で5品目ということでございますけれども、この表の中にございますようにソバルディ、ハーボニー、ヴィキラックス、ダクルインザ、スンベプラの5つの製品でございます。これらは補正加算の加算率が100%であった製品がございまして、その類似薬効とされるものが選ばれております。

 次に原価計算方式でございますが、こちらは2品目が選ばれており、オプジーボとカドサイラでございます。

 次に3ページをごらんください。こちらは医療機器でございまして、類似機能区分比較方式で算定されたものに関しましては3品目。川澄化学工業の胸部ステントグラフトシステム。そしてまた、これは対象が振戦等でございますがアクティバとバーサイスDBSシステムということでございます。

 原価計算方式で算定されたものは2品目ございまして、こちらはジャックとサピエンとなっております。ジャックは再生医療等製品でございまして、軟骨を再生し治療を行うものでございます。サピエンは重度大動脈弁狭窄症に用いるものでございます。

 以上の5品目を指定することとしたいと考えております。

 次に4ページについて御説明をさせていただきます。こちらは新規収載品の選定基準についてでございます。1つ目の丸にございますように、新規収載品については今回の試行的導入の評価結果は価格算定に用いないということにしております。また、今後も用いるかどうかということは、これは中医協の御議論で決まるものと考えてございますけれども、一方でデータは提出いただこうということが合意されているところでございました。データを出す基準につきましては、こちらの四角の中に書いてございます。

 こちらの1は先ほどと同じですので割愛させていただきまして、2でございます。「以下のいずれかに該当すること」というところでございますが、これも「イ」が類似薬効比較方式または類似機能区分方式、「ロ」が原価計算方式となってございますが、それぞれ下線を引いた文章にありますとおりで、別に中医協が定めるピーク時予測売上高以上のものを、今後データを出していただくものとして選定しましょうという合意がなされていたところでございます。このピーク時予測売上高をどのように定めるかについてお諮りするものでございます。

 4ページの真ん中に機器がございますけれども、機器の説明に入ります前にもう一度、2ページにお戻りいただきまして、今回の類似薬効比較方式、そしてまた原価計算方式でどのピーク時予測売上高のものが今回の対象となったかというところを量的に、大体の感触としておつかみいただければと思うのですけれども、類似薬効比較方式で申し上げれば、ピーク時予測売上高が最も高いのが1,100億円以上ということでございます。原価計算方式で申し上げますと、カドサイラが170億円となっているところでございます。

 一方、医療機器のほうは、このピーク時予測売上高というものを私どもはデータとしていただいておりませんので、幾つかシミュレーションした結果を4ページの下に書かせていただいております。

 こちらの丸を読ませていただきます。「別に中医協で定めるピーク時予測売上高」でございますけれども、対象となった既収載品のピーク時予測売上高の水準等を踏まえて設定するということで、医薬品については先ほどごらんいただいたとおりでございます。ただし、こちらの薄い字のところ、印で書いてございますけれども、医療機器につきましては、これまでピーク時予測売上高が明らかになる様式で出していただけていないということから、医療課で独自に推計を行った資料を下につけてございます。

 下の2つのグラフでございますけれども、これは平成26年度改定以降に収載されたものを私ども医療課で独自に集計したものでございますが、まず左側のグラフは類似機能区分比較方式で算定した品目でございます。50億円を超えるものが1つございます。そして原価計算方式で算定した品目、これは右側のグラフでございますが、10億弱のものが2製品あったところでございます。

 5ページに進ませていただきます。こうした状況を踏まえまして、新規収載品の選定基準におけるこの中医協で定めるピーク時予測売上高の具体の額ですが、この下の表にあるようにしてはどうかということで御提案を行うものでございます。ただし当該額につきましては、今後の状況を踏まえつつ必要に応じて見直すものとする、とさせていただいております。

 医薬品は類似薬効比較方式であれば500億円、原価計算方式であれば100億円。医療機器については、類似機能区分比較方式で50億円、原価計算方式で10億円という案を提示させていただいております。

 次の丸でございます。この新規収載品についてのデータ提出の開始時期でありますけれども、既に今月はもう4月ということもございまして、既に保険適用希望書をほぼ作成し終えている場合が多いということも考えまして、事前相談等も含めて一定の準備期間を確保しておくことも重要という観点から、今年の10月以降に保険適用希望書が提出されたものに関しまして選定基準を満たす場合にデータを出していただく対象としてはどうかという御提案を申し上げるものでございます。

 3といたしまして、今後のスケジュールについてお示ししてございます。今月は4月でございますけれども、まず、こちらの品目について指定をいたしまして、該当企業でデータ提出の準備を開始していただきます。そして夏ごろに費用対効果評価専門組織において分析方法等の事前確認をさせていただきまして、10月は先ほど申し上げたとおりに新規収載品に関しましてデータ提出を開始していただくというものでございます。既収載品に関しましては年度内に該当企業によるデータ提出をしていただきまして、それに対して再分析グループによる再分析を開始する。そして平成29年度以降でございますけれども、費用対効果評価専門組織で総合的評価(アプレイザル)を実施いたしまして、その後に薬価算定組織及び保険医療材料専門組織において、まずは通常の算定を行った後に、こちらの費用対効果評価の結果に基づく再算定を実施し、価格算定案を作成するという流れで考えているところでございます。

 資料費-1に関しましては以上でございます。

 もう一つ、参考資料といたしまして費-1の参考がございます。こちらはこれまで部会のほうで、昨年度、説明に用いましたパワーポイントをまとめさせていただいたものでございますが、こちらの説明は割愛させていただきます。

 資料の説明は以上でございます。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの事務局からの説明に関して、御質問等がございましたらお願いいたします。

○松本委員

 確認というか教えてください。再分析に関してですけれども、NICEでは例えばアバスチンについて使用方法ごとに、いわゆる評価を幾つかしていると思います。例えば日本でも使用方法や対象疾患ごとに、それぞれやっていくようにするのですか。その辺を教えてください。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。御指摘ありがとうございます。

 こちらでは費用対効果評価のガイドラインというものを定めてございまして、その中では例えば同じ薬であっても対象疾患が違う場合には、それぞれごとに費用対効果評価を行うべしとなってございまして、やはり1つの対象グループとしてまとまる、そのまとまりごとに、これは費用対効果評価を行うことになるものと思っております。

○松本委員

 わかりました。ありがとうございます。

 再分析についてもう一つ。この参考資料のスライドの15のところに「公的な専門体制により中立的な立場から」という記載がございますけれども、この公的な専門体制がどういうものなのか。そして、そこで中立性の確保というのはどのようになされるのか。このことについて教えていただきたい。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 まず、公的な専門体制については、今、その体制につきまして私どもの内部で検討してございますけれども、「中立的な立場から」というのは、いわゆる利益相反、コンフリクト・オブ・インタレストに十分配慮しながら、そういう体制をつくりたいと思っております。

○松本委員

 もう少し見えるような専門体制というのは出せないのですか。

○眞鍋医療課企画官

 今、事務局で考えているものはございますけれども、今後、部会のほうでお示しするようにしたいと思います。

○松本委員

 ありがとうございます。

 評価の比較対象となる標準的な治療の選定基準というものについて、御説明いただいたかもしれませんけれども、もう一度確認をお願いいたします。

○荒井部会長

 福田参考人、どうぞ。

○福田参考人

 福田でございます。

 比較対象に関しましては、一応、分析ガイドラインのほうで示したものを御紹介したいと思いますけれども、評価を行う際の比較対象は評価対象技術が分析対象集団への治療として導入された時点で臨床現場等において幅広く使用されており多く代替されたと想定されるものを選定するということで、その適応で導入されたときに最も変わったというものを比較対象にするのが原則でございます。

○松本委員

 ありがとうございました。

○荒井部会長

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 まず、既収載品のほうに関してですけれども、具体的な品目名が挙げられまして、その商品名あるいはピーク時予測売上高等々も見ますと、あくまで印象ですけれども、比較的妥当なものが選定されたのかなと考えておりますので、これはこれでぜひ進めていただきたいと思っております。

 次に、新規収載品のほうですけれども、これについては4ページの1つ目の白丸の四角の中の参考2の2、「以下のいずれかに該当すること」ということで、具体的な金額を、医療機器についても医療課のシミュレーションのもとに5ページの上の白丸で挙げていただいております。金額的には企画官に御説明いただいたように、既収載品の金額を横目に見ながら、価格の設定としてはほぼ妥当かなとは思っております。

 ただ、具体的に既収載品と比較しますと、医薬品については類似薬効比較方式は5つのうち3つが500億円以上、原価計算方式に関しては2つのうち1つが該当する。一方、医療機器に関しては、50億円以上はこの医療課のシミュレーションの4ページの下の左のグラフからいきますと、丸の数が数えにくいですけれども1品目だけが50億を超えるので、品目数で申し上げると1品目のみと。一方、原価計算方式につきましては企画官から約10億円というような御説明でしたが、シミュレーションの予測売上高を見ますと10億円に達するものはないので、ここは0品目という形になります。

 したがって、類似機能区分比較方式で1つ飛び抜けていますので、こういったものが今後出てくるかどうかということについてはわかりませんし、原価計算方式についても該当がないということも大いに予想されるところです。したがって、この下にある3のスケジュールにおいて、平成2810月に新規収載品選定基準を満たす新規収載品についてデータ提出を開始と書いてございますが、場合によっては医療機器については該当製品がないということも考えられるかなと思います。その辺はどのようにお考えか。あるいは、むしろこれは専門委員の方にお聞きしたほうがいいかもしれません。

 さらにスケジュールについては、こちらからの提案ですが、今申し上げたような根拠から、医療機器の新規収載品については該当製品がないという可能性があることも考えまして、この平成2810月のところでより具体的に、ない場合には金額を妥当な方向で見直すというようなことを盛り込むか、あるいはもう少し先の、あるいは1年後の平成29年3月ぐらいのところで見直すか、そのようなスケジュール感を盛り込んでいただいたらいいかなと。

 もちろん専門組織の方に多大な御負担がかかるということは十分認識しており、その負担を増すということについては本意ではございませんので、その辺のところも勘案しながら、ただ、いかに試行的導入とはいえ全くゼロというのは少しまずいかなと。やはり試行的導入に何らかの品目が該当するような金額の設定というものが必要かなと思っております。あるいは金額ではなくまた別の方式を今後半年ぐらいの間で考えていただくということもあり得るかなとは思っております。

 ということでございまして、スケジュールと金額の見直しということについてお答えいただければと思います。

○荒井部会長

 では、まずは企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 まず、この金額に関しましては5ページの1つ目の丸の最後の行にありますとおり、私どもとしては今後の状況を踏まえつつ、必要に応じて見直すものと考えております。今、具体的に、例えば10月とか、あるいは年度でというような御指摘がございましたけれども、それも含めて柔軟に、必要に応じて見直しをしたいと考えているところでございます。

○田村専門委員

 今の万代先生の件ですが、御懸念は理解いたします。試行で全く対象がないというのは問題だろうと思いますが、一方で、費用対効果の評価を行うには御案内のとおり結構な委託費用がかかります。ですから今回、売上高が10億円といってもピーク時の売上高ですので、その前はもっと低いことを想定しますと、そこで一般的に少なくとも数千万以上かかると言われています。そうした場合には、その企業の採算はかなり苦しいだろうというのが正直なところでございまして、試行の対象がないというのは非常に理解いたしますが、一方、そういう状況があることも御理解をいただき、そこのバランスをお考えいただければと思います。以上でございます。

○万代委員

 わかりました。

 その辺のところも理解しているつもりではございます。

 そうしますと、スケジュール感で今後弾力的に考えていくというのが企画官の御返事でございましたが、該当品目が粗々でわかるのは、そうするとこのスケジュールでいくといつごろということになりますか。

 具体的にはスケジュールの一番上にあるように「再算定にかかる品目を指定し」ということなので、この辺のところで4月以降、夏ぐらいまでにその該当品目が新規についてはリストアップされると、そのように考えればよろしいでしょうか。

○眞鍋医療課企画官

 実際にこの時期になってみないと、というところがあることを前提で申し上げますけれども、出していただく前には私どもも企業とよく相談をさせていただいて、値づけに関しても経済課を通じていろいろ話をさせていただいております。そういうことから考えますと、10月の前には何となく感触はつかめるのではないかと思いますが、ただ、その後にまた出てくるかもしれませんし、その辺に関しましては予断をもってこの辺であれば感触がつかめますというのは、ちょっと今の時点で申し上げるのはなかなか困難かなと思っております。

○万代委員

 費用対効果の試行的導入というところではございますので、それも含めて試行的導入と考えさせていただければいいかなと思います。以上です。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 では幸野委員、よろしくお願いします。

○幸野委員

 対象品目として示された既収載品については、選定基準に則っているため全く異を唱えるものではありませんが、今後この検討は費用対効果評価専門組織が非公開で審議され、結果のみが公表されることについては、どういう過程を経てこの結論に至ったのか、我々素人にとってもある程度納得感のある説明が必要だと思います。

 例えば、夏頃に比較対照となる品目が決定するかと思いますが、総合的評価(アプレイザル)において、一般的に広範に使用されている増分費用効果比(ICER)等の分析結果を踏まえ、最終的には、費用対効果が良い又は悪いといった定性的な評価結果を示すとされておりますが、これが何かということも我々にはわかりにくくなっています。そういったものが夏頃に専門組織で決定された際に、我々としてはやはり、ある程度の情報は示す必要があると考えています。何を比較に検討されたのかということもわからないまま結果だけ知らされるというのは、非常に不透明であり、我々としては到底納得が得られないと思料します。非公開ということは理解していますが、どれくらいの情報が公開されるのかについて、おうかがいしたいと思います。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 夏以降、この費用対効果評価専門組織で検討いただきます。その具体的な評価専門組織の運び、あるいは議事内容に関しましては非公開とさせていただいているところでございますが、今の御指摘もございましたし、また非常に関心も高い領域ということでございますので、どの程度であれば、企業にも配慮しつつ、なおかつ知りたいという社会的な要請にも応えられるかということは事務局として一度検討してみたいと思います。

○荒井部会長

 よろしいですか。

○幸野委員

 はい。

○荒井部会長

 花井委員、お願いします。

○花井委員

 細かい確認ですけれども、5ページに「新規収載品についてデータ提出を開始」が10月と書いてあります。この新規収載品というのはどのタイミングになるのでしょうか。つまり薬事承認の前後とか、あとは通常、QOLのデータを新薬でとろうと思うと、治験の段階でQOLをプロトコルに入れ込んでおかないとデータのとりようがないと思うのです。そうすると、この10月にやるのは、いわゆるデータ提出だけで資料とするということですが、どのタイミングの、どのあたりのデータが出てくるイメージなのでしょうか。というのは、この10月にもう出すということですよね。そのあたり、新規収載品と言うけれども、新規収載予定ですよと言い出してから収載されるまでがまだ1年先ですというイメージなのか、もう収載直前のイメージなのかがちょっとわからないのです。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 まず、企業が保険適用希望書をいつ出されるかというのは、まさに医薬品・医療機器の開発のタイミングによるものと思っております。その上で、こちらの保険適用希望書を出していただくときに、あわせてこの費用対効果評価のデータも出していただくということを想定しております。その上で、私どもとして配慮しなければいけないのは、費用対効果評価のデータを求めるあまり、ドラッグラグあるいはデバイスラグにつながってはいけないと思っておりまして、そういうことも踏まえて私どもも企業とよく丁寧に調整をさせていただきたいと思っております。

○花井委員

 ということは承認後のタイミングということですよね。はい、わかりました。

○荒井部会長

 安部委員、よろしくお願いします。

○安部委員

 参考資料も含めて、参考人の方にお聞きしたいと思います。

 参考資料の21ページ、諸外国の活用方法の例が示され、諸外国では費用対効果評価は既に行われているものと認識しているわけですが、我が国での試行的導入の中で、費用対効果専門組織において総合評価をされ、その結果が出てくるわけでありますけれども、その際に諸外国でやった費用対効果の結果と比較したり、諸外国での費用対効果の内容を情報として得るといったことはできるのでしょうか。その辺について教えていただきたいと思います。

○荒井部会長

 では福田参考人、お願いします。

○福田参考人

 福田でございます。

 今の御質問の点については、やはり分析ガイドラインになりますけれども、その中でこの対象技術に関する既存の費用対効果分析や、あるいは主要な諸外国の医療技術評価機関において公表された評価結果が既に存在する場合には、それらもあわせて示していただくように書いてあります。ですから、企業に提出していただく場合にもお願いしていますし、再分析チームでもレビューをして、それを一緒に御提示するようになると思います。

○安部委員

 わかりました。比較ができるということですね。ありがとうございます。

○荒井部会長

 土屋専門委員、お願いします。

○土屋専門委員

 専門委員として意見を述べさせていただきます。費用対効果の試行的導入に当たっては、業界としてこれまでも前向きに取り組んできたつもりです。これからは個社の対応になると思いますが、前向きに対応していただけるものと認識しております。その上で、先ほど花井委員からの御質問もございましたが、新規収載品に関しては、保険適用希望書の提出と同時にデータを提出することになっており、既にQOLデータなどを取っているものであれば別ですが、非常に難易度の高い作業だと思っております。

 しかもこのスケジュールからいけば、既収載品の締め切りよりも短い準備期間でデータを出すことになりますので、費用対効果評価の結果は価格算定には用いないとされておりますが、データを提出することができないために加算の適用を希望することができない、あるいは収載の希望そのものができないということが起こらないよう、企業側の状況に十分配慮していただき、柔軟な対応をお願いしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○荒井部会長

 今のことに対しては特によろしいでしょうか。

 ほかにどうでしょうか、御意見はありますか。

 ほかに御意見がないようでしたら、費用対効果評価専門部会として了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 本日の議題は以上ですが、本日まとまった議論の内容については、私から総会に報告いたします。

 なお、次回の日程につきましては追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の「費用対効果評価専門部会」はこれにて閉会といたします。

○眞鍋医療課企画官

 ありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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