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2016年5月25日 第30回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

○日時

平成28年5月25日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室(19階)
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議題

1.第三者提供の現状について
2.社会医療診療行為別統計にかかるガイドラインの改正について
3.レセプト情報等の民間提供について
4.オンサイトリサーチセンターについて
5.その他

○議事

 

○山本座長 皆さん、おはようございます。定刻になりました。まだ大久保構成員がお見えになっていませんが、間もなくお見えになるだろうと思いますので、会議を始めさせていただきたいと思います。ただいまから第30回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。

 構成員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、厚く御礼を申し上げます。大分暑くなってまいりまして、間もなく厚生労働省内で会議をするのは我慢比べになるのですけれども、きょうはまだ少しましだと思います。

 それでは、会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について事務局からお願いをいたします。構成員の交代がありましたので、あわせて事務局から御紹介をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 それでは、本日の構成員の出欠状況について御報告させていただきます。本日は、伊奈川構成員、三浦構成員、宮島構成員、武藤構成員から欠席の御連絡をいただいております。それから、大久保構成員が少し遅れておりますが、本会議の規定に基づいた開催要件は満たしておりますことを御報告致します。

 次に、構成員の交代がありましたので、御紹介をさせていただきます。

 まず、新保史生構成員にかわりまして、名古屋大学大学院経済学研究科の藤田卓仙准教授に構成員として御就任いただいております。

○藤田構成員 名古屋大学経済学研究科の藤田と申します。よろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 それから、霜鳥一彦構成員にかわりまして、健康保険組合連合会の棟重卓三理事に構成員として御就任いただいております。

○棟重構成員 棟重でございます。よろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 それから、鈴木一郎構成員にかわりまして、千葉県後期高齢者医療広域連合の布施高広事務局長に構成員として御就任いただいております。

○布施構成員 千葉県の後期高齢者医療広域連合の布施でございます。どうぞよろしくお願いします。

○赤羽根室長 また、本日は、議事に関連し、大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課社会統計室の衣笠室長が参加しております。

 それから、本日の会議は全て公開にて行わせていただきますが、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございます。

 会議開催要件を満たしているということですので、早速ですけれども、議事に入りたいと思います。

 お手元の議事次第に従って議事を進めてまいります。

 まず、本日の議題の1つ目「第三者提供の現状について」、事務局から説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局でございます。

 そうしましたら、資料1「第三者提供の現状について」を用いて御説明させていただきます。

 2ページ目をご覧頂ければと思います。長らくお出ししていない資料なのですけれども、平成23年度に第三者提供を始めてから申出件数と承諾件数の推移をまとめさせていただいております。平成23年度は申出件数が43件ということで、非常に多うございまして、その一方で承諾件数が6件ということで、その間のものが相当数却下になったということなのですが、その後はだんだん安定してまいりまして、申出件数もふえてきております。24年度から26年度のあたりは申出件数が20件前後ということで推移しておりましたが、27年度は分科会の開催も年4回に増やしたということもありまして、申出件数も36件ということで、40件弱くらいになりまして、承諾件数もそれに応じて34件と伸びてきております。

 3ページ目に分科会の開催月ごとの申出件数と承諾件数をお示しさせていただいております。27年度に分科会の開催回数をふやしましたので、そこで申し出の処理の件数がふえてきていると思います。

 4ページ目は、どんな方から申し出が来たのかというのを少し簡単にまとめさせていただいております。今のところ、承諾関係については、大学・大学院の先生が半数以上を占めているという状況です。それから、行政利用という観点で、国の行政機関、都道府県といったところが4分の1を超える割合を占めているという状況です。そのほかに研究開発独法といったところが少々出てきているといったところでございます。

 続きまして、5ページ目でございます。これまで申し出てからデータ提供まで大体どのぐらいお時間がかかるのかというお問い合わせが時々ありましたので、今回どのくらいの日数がかかっているのかというのをお出しさせていただきました。申出受理から申出審査ですとか申出審査から承諾通知といったあたりについては、相場観の数字という感じになるのですけれども、申出受理から申出審査は通常2カ月ぐらいかかっている、申出審査から承諾通知についてはおおむね1カ月ぐらいかかっているであろうという状況です。実際承諾通知が出てからデータ提供に至るまでどのくらいかかっているのかというのが、事例をもとに平均所要日数を出しています。これが下の数字でございます。

 平成25年度については159日ということで、5.3カ月、半年弱かかったという状況です。26年については改善しまして、110日、3.7カ月となっておりまして、27年度審査分は124日ということで、ちょっと伸びているのですけれども、大体4カ月くらいで推移しているというところでございます。27年度につきましては、システムの不具合等で停止している期間もありましたので、それを考えると、今年度は26年度の水準で提供できないかと考えているところでございます。

 第三者提供の現状につきましては以上のような状況でございますが、参考といたしまして、次のページからこれまで承諾案件、どんなものがあったかというのを全て一覧にして今回お出しさせていただいております。大学のものから厚生労働省の行政施策のものから、さまざま載っておりますので、またごらんいただければと思います。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 ただいまの「第三者提供の現状について」、事務局からの御説明に関しまして御質問、御意見があれば、よろしくお願いいたします。石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 提供情報の種類についても年次的にいろいろ変わっていると思うのです。この間は集計表とかサンプリングデータとか、そういった形での提供もできるということで、より安全に提供されているということもあるので、そこら辺のデータもあわせて出していただくといいのではないか、それをまた公表していただくのもいいのではないかなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 いかがですか。

○赤羽根室長 そうですね。さまざま提供情報の種類がありますので、そこもよくわかるようにお出しできればと思います。

○山本座長 関連して、5ページの平均所要日数というのは、何の平均所要。特別抽出の場合なのか、集計表の場合なのか、サンプリングデータセットの。

○赤羽根室長 これは全てまとめております。サンプリングデータセットと集計表と特別抽出、まとまっております。

○山本座長 そうですか。そうすると、集計表、特別抽出は多少時間がかかるのはわかるのですが、サンプリングデータセットはほとんど時間がかからないと思うので、実際はサンプリングデータセットを除くとこれより少し伸びるということで。

○赤羽根室長 おっしゃるとおり、恐らくそういうことになるかと考えております。

○山本座長 わかりました。

 ほかいかがですか。どうぞ。

○布施構成員 これは市町村のほうには情報提供していただけるのかということと、今後、その利用について広げられる予定なのかどうか、お聞きしたいと思います。

○山本座長 市町村に提供できますけれども。どうぞ。

○赤羽根室長 市町村につきましては、申出資格を新たに設けさせていただくガイドラインの改正を先般させていただいておりますので、そういった形で利用については広がっていくことを期待しております。

○布施構成員 わかりました。

○山本座長 ほかいかがですか。どうぞ。

○頭金構成員 先ほど座長からも御質問があったように特別抽出では時間がかかっているかと思います。時間がかかるのは、サーバーの混みぐあいが律速段階になっているという理解でよろしいのでしょうか。

○赤羽根室長 御指摘のとおり、サーバーの混みぐあいというのは大きな律速段階の一つだと思っております。そのほかに、例えばデータを抽出するためのSQLを書く手間ですとか、もろもろ雑務がいろいろ入ってきます。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○棟重構成員 レセプトというのは、もとはといえば保険者のほうにいただいたデータを国民共有の財産として活用しようということかと思いますが、いわゆるPDCAであらわすと、PとDについてはきちっと議論されていると思うのですけれども、これをどういうふうに活用して、国民にどういうふうに貢献できたのかも重要だと思います。たくさんの提供がなされているのですが、その結果について何らかの公表なり検証なりということを御検討されているのかどうか、教えていただきたいと思います。

○山本座長 いかがですか。

○赤羽根室長 御指摘ありがとうございます。これまでも明示的に論文公表されたものについては、時々一部保険システム高度化推進室の資料として出したりしていたことはあったのですが、これだけ承諾件数も出てきておりますので、我々としてもよく整理して、どういう出し方ができるかというのを検討したいと思っております。

○棟重構成員 よろしくお願いします。

○山本座長 ほかいかがですか。

 台湾のあの提供機関は、ホームページに成果論文を全部リストしていますね。NDBもそれ専用のホームページ、リンクがちょっとわかりにくいですけれども、そのページがあることはあるので、できればお許しをいただいて、そこに成果の発表あるいは論文のリストだけでも載せていただけるといいと思うのです。中身はいいと思うのですけれども。よろしくお願いします。

○赤羽根室長 はい。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。

 こういう提供の状況とか、あるいは成果も含めて公表していくのは多分非常に大事なことだと思いますので、先ほど御意見があったように、もう少し詳しくしてもいいと思いますので、その点、どうぞよろしくお願いいたします。

 ほかよろしゅうございますでしょうか。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。「社会医療診療行為別統計にかかるガイドラインの改正について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 事務局から御説明させていただきます。資料2をごらんいただければと思います。「社会医療診療行為別統計にかかるガイドラインの改正について」ということで、2ページ目は前回有識者会議の要点をまとめさせていただいております。

 社会医療診療行為別統計の整理に関しましては、主に2点ございまして、1つ目が特別集計をどうするかということでございます。これについては、厚生労働省内の各部局から統計情報部への申し出を受けて、統計情報部で特別集計を行う。このことについて、ガイドラインの中に明示的に位置づけてはどうかということでございます。ただ、明示的に位置づけるのですけれども、特別集計の状況については、定期的に保険局と有識者会議に報告を行う。2つ目は、最小集計単位の原則の適用をどうするかということでございます。社会医療診療行為別統計については、これまでも原則の適用なく円滑に運用されているということがございますので、当該原則の適用除外としてはどうかということでございます。ただし、特別集計については当該原則を適用とするということで、その議論がございました。

 その議論を受けまして、3ページ目のところで「ガイドライン改正の要点」をまとめさせていただいております。ここに載せさせていただいている項目を盛り込んだガイドライン、改正を行いたいと思っています。具体的に申し上げますと、社会医療診療行為別統計の定義をまず盛り込みまして、その上で、特例の具体的内容を盛り込んでいくというたてつけにさせていただいております。具体的には、社会医療診療行為別統計で用いるレセプト情報と中間生成物の利用期間ですとか消去義務に関する適用除外のところ。それから最小集計単位の原則の適用除外。これは先ほど申し上げました。あとは年齢区分です。この設定についても特例を設けたいと思っております。年齢区分につきましては、若い年齢については5歳刻みということで変わらないのですが、85歳以上についても同様に5歳刻みとできるようにし、これは特例ということでございます。先ほどの特別集計の部分についても盛り込ませていただくということでございます。

 4ページ目のところにこのガイドライン改正(案)を載せさせていただいております。まだ法令チェックの途中でございますので、最終的にはここからまた少し変わる可能性がございますことを申し添えさせていただきます。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございます。

 今の御説明に関しまして御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。社会医療診療行為別統計というのは、従来は統計法に従ってつくられていたもので、もう随分長い間作成されていますので、そういう意味では、NDBを用いてつくるにしても、従来との継続性といいますか、データが突然なくなってしまうとか、あるいは非常に粗くなってしまうというのは、さまざまな面で変化を見ていくのにちょっと問題があるということで、このようなガイドラインの改正を行いたいということですけれども、いかがでしょうか。どうぞ。

○杉山構成員 賛成意見というか、参考意見なのですが、4ページの「ガイドライン改正(案)」の(3)のところに「最小集計単位の原則の適用除外及び年齢区分の設定可能特例」というのがあるのですが、最後の2行「原則として、5歳毎にグルーピングして集計されていること。ただし、15歳未満については、各歳別を可能とする」という観点なのですが、これは歯科にとっては非常に重要なことでございます。つまり、通常ですと、永久歯列というのは1213歳までに完成するのです。6歳までが乳歯列。つまり、その間は混合歯列という言い方をするのですが、1年間で大きな変化があるという観点から、非常に重要な観点かなと思っていて、とてもいいアイデアだなと思っております。よろしくお願いいたします。

 以上です。

○山本座長 ありがとうございます。

 ほかいかがでしょうか。石川先生、どうぞ。

○石川構成員 このガイドライン、大枠しか書いていないので、内容がよくわからないのですけれども、ガイドラインをつくるときに、現場のいろんな方たち、事務の方たちの大きな変更点とか、そういうふうになると思うのです。大まかに文章が書いてあるのを見ても、社会医療診療行為別ということで細かくやっていきますと。そこの辺のところを、ガイドラインを出すときに我々にも目に触れられるようにやっていただきたいと思います。私たちも事務の現場のところは明確に見えていませんけれども、きちんと相談する時間をつくっていただいたほうがいいと思いますので、よろしくお願いします。

○山本座長 ありがとうございます。

 これはもちろん、きちっとした案ができた時点でもう一度御審議をいただくということでよろしいですね。

○赤羽根室長 わかりました。そのようにさせていただきます。

○山本座長 はい。

 ほかいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、この方針で進めさせていただくようにしていただいて、ガイドラインの改正案がきちっとでき上がった時点で、もう一度見せていただくということにさせていただきたいと思います。

 それでは、議題の3番目「レセプト情報等の民間提供について」。これは進捗状況ですかね。説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 資料3をごらんいただければと思います。「レセプト情報等の民間提供について」、御報告をさせていただきます。

 2ページ目にこれまでの民間提供の議論をまとめさせていただいております。民間提供に関して、背景としましては、25年の日本再興戦略ですとか、25年8月にまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書などでレセプト情報の利活用促進、特に提供の拡大みたいなことが盛り込まれておりました。こうしたことを踏まえながら有識者会議で民間提供に関して具体的な御議論を行っていただいたというところがございまして、それを踏まえて、ワーキンググループというのが設置されて専門的な検討が行われております。こちらのワーキンググループについては、平成2610月から頭金先生に座長になっていただきまして進めさせていただいておりました。この際、民間提供、フィージビリティー等々を確認するために個別に民間模擬申出というものをやっていただきまして、6件申し出が出ておりました。これをワーキンググループで御検討いただきまして、2件の申し出につきましては、集計、結果の公表を行うこととなっております。

 そのほかについては、むしろ個別に集計するというよりも、汎用性が高くて、さまざまなニーズに一定程度応え得るような基礎的な集計表を作成して公表していくことがむしろ適当ではないかという報告がなされております。

 こうしたワーキンググループの御報告も受けまして、現在、2件の申し出について作業を進めてきたという状況でございます。この2件のうちの日本医療機器テクノロジー協会さんからの申し出につきましては、今回公表が完了いたしましたので、御報告させていただくものでございます。5月17日に完了しております。

 もう一つの申し出、日本製薬工業協会さんについては、現在本集計と公表の準備を進めているという状況でございます。

 今後につきましては、以前の有識者会議でも一度御報告させていただきましたが、NDBオープンデータの作成過程で民間企業等からの提案も受け付けて、抽出集計が可能な項目について公開していくということを考えております。

 3ページ目は、先ほどの民間模擬申出の検討結果の詳細を少し載せさせていただいております。2つ目の医療機器テクノロジー協会さんについて公表が完了したと。

 日本製薬工業協会さんにつきましては、当初フィージビリティーを確認させていただくためにパイロット集計をさせていただきまして、それを踏まえて本集計に入ろうという段階で、現在、実際に抽出するための薬剤を選んでいただいているという状況でございます。

 4ページ目でございますが、先ほどの日本医療機器テクノロジー協会さんからの申し出につきましては、厚生労働省ホームページでこのような形で公表しております。

 5ページ目以降につきましては、日本医療機器テクノロジー協会さんからの「申出の概要」、6ページ目は「抽出条件の概要(集計表1)」についてのもの。7ページ目に集計表。8ページ目にまた集計表2の概要、9ページ目が実際の集計表、10ページ目が集計表3の抽出条件の概要、11ページ目に実際の集計表を掲載させていただいております。

12ページ目です。現在、抽出薬剤の選定を進めていただいている日本製薬工業協会さんの申し出なのですけれども、集計表のイメージ、数値は全部ダミーですが、載せさせていただいております。それぞれの薬剤について載せさせていただいているような感じで、例えば1日の平均使用量ですとか最大使用量ですとか、載せさせていただいているような項目について集計をしていこうというものでございます。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 ただいまの御報告に関しまして御質問、御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。

○頭金構成員 2件目の日本医療機器テクノロジー協会からの申し出については、データの集計、公表できたということで、よかったと思います。1件目の製薬協からの申し出について、現在、作業が進行中であるというお話があったのですが、大体いつごろに公表できるようなめどが立っているようでしたら、教えていただければと思います。

○赤羽根室長 ありがとうございます。

 製薬協さんからの申し出についてですけれども、今、薬剤を選定していただいているところで、それから実際の集計作業ということを考えますと、今年度中には恐らく完了するだろう。もちろん、早められればできるだけ早めたいと思っております。

○山本座長 全体のオープンデータの公表とリンクはしないのですね。これが出ないとオープンデータが公表できないとか、そういう話ではない。

○赤羽根室長 それ自体は別々に動いております。

○山本座長 わかりました。

 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○石川構成員 これはワーキンググループでの検討と実際に行われたものが2件ということで解釈するのだと思うのですけれども、今後のこの方向性といいますか、民間申出ということについてもう少し広く募っていくのかどうなのかとか、そこら辺のことについては、ワーキンググループのこの議論の結果から見てどうだったのか、ちょっと教えてもらいたいのですけれども。

○赤羽根室長 ワーキンググループの議論の中で、6件のうち4件が個別に提供するのではなくて、一定のニーズが予想される基礎的集計表について検討すべきという結果になったというところもございまして、今回NDBオープンデータの中で民間企業等からの提案も受け付けていくということにさせていただいておりますので、その後このあたりのことをどうしていくかというのは、実際にどんな提案が出てきて、最後どんな形で例えばNDBオープンデータにつながっていったのかということも踏まえてその先をまた御検討いただきたいと考えております。

○山本座長 よろしゅうございますか。どうぞ。

○石川構成員 それは今、ここで議論するということですね。

○赤羽根室長 今と申しますか、NDBオープンデータの中でこれから提案を受け付けて、恐らく可能なものについてはオープンデータで公表ということになっていくと思いますので、有識者会議でそれを踏まえた形で御議論いただくということになるかと思っております。

○石川構成員 わかりました。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。田尻先生、どうぞ。

○田尻構成員 今までワーキンググループを含めていろんな事案を検討させていただいたことを今ふっと思い出しつつ思ったことは、これを民間に使っていただくことは大事なことと思うのですが、先ほどどなたかおっしゃられたみたいに、結局、その結果自体は社会に還元、貢献するためのものであるというところが大原則だと思うのですが、最終的な結果の公表の部分を含めても、このデータベースを用いて、中間的に生成した部分を商的行為に使われるおそれがどうしても発生するのかなというところを考えた場合に、そこのところ、何らかの方策というのはないのか。民間からの申し出があったときに、それを審査するほうとしてはすごい手間と時間がかかるものですから、そこら辺である程度の線引きが。今、頭に浮かんでいるわけではないのですけれども、そういうことが可能であれば、最初にまずそこである程度フィルターをかけるような格好があって、その後ワーキンググループで討議をするという流れをつくらないと、パンクすることがひょっとしたらあるのかなと考えたときにちょっと不安に思ったものですから、発言させていただきました。

○山本座長 私のほうから説明を申し上げますが、今、普通にやっている特別集計とか集計表とかサンプリングデータセットの申請は、ほとんど民間から出ているわけです。ですから、民間だから提供を拒否しているわけではなくて、大学とか研究機関とか、あるいは公的資金を得ているとかという一定の歯どめがかかっていて、ここで言う民間提供というのはそうではなくて、基本的にはビジネスに用いるデータということで考えています。

 この場合は、このワーキンググループの結論もそうなのですけれども、提供するのではなくて、要望をヒントとして結果を公表する。つまり、誰でも使えるようにするということで、要するに、オープンデータにするということなのです。そういうことに一応の整理をしていて、なおかつ今度はNDBオープンデータというものがつくられて、これはリクエストがあるなしにかかわらず、公表しても大丈夫な安全性を確認した上で、積極的にオープンデータとして公表していく。そのオープンデータに対して、今度民間からこういう表もできないかというリクエストがあると検討していく。ただし、結果は全て公表するので、ある特定の企業に対して、我々が特別に提供するというのではなくて、誰でも使える状態にするということで、一応今、整理をしているところなのです。

 その上で、なおかつその分類に合わないような要求が出てきた場合は、ここで議論をしないといけないということになると思うのですけれども、したがって、現状は、民間提供の場合は、リクエストが安全であるかとか妥当であるかという審議は、ここ、あるいは分科会である程度することになろうかと思いますが、提供に関しては、個別に提供するのではなくて、公開しますので、例えばある製薬企業が出してきたとしても、全ての製薬企業が見られる、製薬企業でなくても見られるという状態にするということにしていますので、そこは一旦は整理がついているのだろうと思うのです。

 これからオープンデータが公開されて、なおかつ毎年毎年更新していく中で、いろんなリクエストが出てくることに対してどう対応するかというのは、またここで御議論いただかないといけないということになりますけれども、一応そういう方針です。というのが今までの経過だと思います。

 だから、今の民間提供の、一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会さんから出たリクエストも、テクノロジー協会さんに返すのではなくて、厚生労働省のホームページで公開しているということになっています。

 ほかいかがでしょうか。

 ただ、行政機関個人情報保護法が今回改正されて、法律の中に提案を受けるみたいなことが書いてありますから、その提案を受けるという意味、我々のやってきたこういう方法でいいのかどうかというのは若干議論が要るかもしれません。私、個人的にはこれでいいと思っていますが、これは個人情報保護委員会との兼ね合いになりますので、多少議論があるかもしれません。

 これに関しましてはよろしゅうございますでしょうか。

 どんどん議事が進んでまいっておりますけれども、それでは、4番目の議事「オンサイトリサーチセンターについて」、事務局から御説明をお願いいたします。

○赤羽根室長 資料4「オンサイトリサーチセンターについて」、御説明をさせていただきます。

 2ページ目「オンサイトリサーチセンターに関するスケジュール」は、以前お出ししたものを少しリバイスさせていただいております。基本的に今年度は東大、京大、各オンサイトからの試行的利用の報告を踏まえながら、先般お認めいただきました基本方針に沿って、ガイドライン等の諸規程の整備と技術的課題の解決を進めていただきながら、最終的にはオンサイトの第三者への開放を目指していくというふうに考えております。

 適当なタイミングで有識者会議の構成員の先生方に向けましてオンサイト視察の機会を確保したいと考えております。

 スケジュールでございますが、今年度、1番として諸規程の整備を進めていく。その中で各オンサイトからの報告を適宜実施させていただくというものでございます。3番で技術的課題の解決も並行していく。1、2、3あたりである程度めどがついたところで4番ということで、第三者利用の開始というふうに進めていきたいと思っています。5番目といたしまして、実際にそのオンサイトがどんなものかというのを御理解いただくためにも、オンサイトの視察を企画させていただきたいと思っています。

 今年度は、第三者利用開始を目指して諸規程の整備と技術的課題の解決を進めていくというふうに考えております。

 3ページ目「オンサイト運用のための基本方針」でございます。これは先般御審議いただいて、お認めいただいたものでございます。念のため確認させていただきますが、まず1つ目、オンサイト利用については、利用のための申し出を行って、有識者会議分科会の審査を受けるということでございます。

 2つ目としては、オンサイト内でのデータの集計・分析については、申し出た利用目的の範囲内で一定の自由を認めるというものでございます。

 3つ目としては、オンサイトを利用する際は、各オンサイトの利用ルールを遵守していただくということです。

 4つ目は、オンサイト内での集計等を外に持ち出して公表する場合は、原則有識者会議分科会の審査を受けるというものです。

 5つ目は、漏えい・不正利用等に関するペナルティーは、従来の第三者提供とおおむね同等のものを整備するというものでございます。

 基本的にはこの基本方針を踏まえながら御議論をいただければと考えております。

 4ページ目でございます。今回は具体的なというよりは、全般について自由に御議論いただければと思っておりまして、諸規程整備ということに向けた主な議論の項目だけお示しさせていただいております。具体的な議論の項目としてはこのようなものがあるのかなということで、事務局として出させていただいたものでございます。

 まず1つ目は、オンサイト利用ということに関して、そもそもどういう枠組みでやるのか。全体的な枠組みという話は前提としてあろうと。2つ目は例えば利用のために申し出が必要ということにさせていただいておりますので、「利用のための申出が可能な者」というのはどのような範囲になるのかということでございます。

 3つ目です。利用の申し出の審査をする際の審査内容、何を審査するのかといった観点があるかと考えております。

 4つ目は、オンサイトを利用する際の利用ルール。これは実際東大、京大のオンサイト自身の運用ともかかわってきますので、そこは実地の運用等も密接にかかわる部分かなと思っています。

 5つ目は罰則のあり方。これは従来第三者提供でも例えば氏名の公表ですとか利用の停止といったものがありましたけれども、そこら辺、第三者提供との整合性を見ていただきながら、どんなあり方があるのかというのを御議論いただくということかと思います。

 それから、6その他ということで、これらに含まれないような観点、何があるのかどうかというところも御指摘いただければと思います。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 オンサイトリサーチセンター、東大、京大のほうで試行が進んでいるということで、これを本格運用するに当たって、スケジュールと基本方針と諸規程整備に向けた論点ということで、きょう全てを議論するわけではありませんけれども、こういったことに関しまして、御議論をお願いできればと思います。いかがでございましょうか。

 できれば1回視察していただきたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 これはいつごろになりそうですか。日程調整は来ていましたか。

○赤羽根室長 今のところ、6月上旬か中旬ぐらいで調整を進めております。

○山本座長 わかりました。

 それから、3ページ目の基本方針というのは、これまで御議論いただいた内容をここに書いてあるわけですが、何かつけ加える点、あるいは変更する点はございますでしょうか。どうぞ。

○飯山構成員 この基本方針等は、これからさらにオンサイトセンターがふえることを想定してつくるのか、しばらくは2カ所限定でいくのか、そこら辺は考えがおありなのでしょうか。

○赤羽根室長 現時点では東大と京大にあって、そこをどのように本格利用まで持っていくかというところがありますので、まずはその前提で御議論いただきたいと思っております。将来的にそういうことがあるかないかというところはあるかもしれないのですけれども、現時点では東大、京大あたりを前提で御議論いただければと思っております。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○松田構成員 アメリカのMEDPARResDACがモデルになっていると思うのですが、そうすると、オンサイトに来て使うことができる人を対象とした研修会みたいなことをやっていかないといけないと思うのです。要するに、レセプトの扱い方とか、レセプト情報を扱うときのいろんな注意点とかを理解しない人が来てしまうと、オンサイトセンターの担当者の負荷がすごく高くなってしまうので、そうすると、これで別途ResDACMEDPARがやっているような標準的なテキストを用いた講習会みたいなものをどういうふうに組んでいくのか。これを片方でやっておかないと広がらないと思うのですね。

 それは領域別に出てくるのだろうと思います。医療経済をやっているような人たちとか、あるいは臨床研究をやっている人たちとか、制度研究をやっている人たち、それぞれにそれぞれの手法がありますので、まずそれを整理しなければいけない

 もう一つは、僕らは今、大学でもそうなのですが、研究者がこういう個人情報を扱うときには、CITIとか、個人情報を扱う倫理規程に関する講習を受けるということが義務づけられています。オンサイトセンターでいろんなことをやっていくときに、個人情報を扱う者として最低限覚えておかなければいけない倫理の講習をどういうふうにやっていくのかということもあわせて考えていかないといけないと思います。そういうものを受けた人が多分「申出が可能な者の範囲」になってくるだろうと思うのですけれども、その辺のところもぜひ検討していただきたいと思います。

 あと、オンサイトでこれをやるときには、済みません、これは確認していなかったのですが、それぞれの大学に幾らかの予算が出ているのですね。

○赤羽根室長 オンサイトについては、今のところは東大さん、京大さんの敷地にそれぞれ厚労省が間借りするというか、そんな形で、厚労省の委託業者が行って設置して、その運用・メンテナンスをやっているような形になっておりますので、直接東大、京大にお金が出ている形というよりは、間借りして、そこをメンテナンスしているというような仕組みに現在なっております。

○松田構成員 そうすると、このオンサイトセンターを回していこうと思うと、東大、京大でこれにかかわるスタッフが将来的にかなり必要になってくると思うのです。だから、MEDPARResDACの場合、それ専用の教職員を雇っているのですが、多分そういう負担が出てくると思うのです。そうすると、先ほどの民間への提供にも関係してくるのですけれども、ある程度受益者負担みたいなことも考えていかないと回らなくなってしまうのではないか。この議論の外側に出てしまう話ですけれども、多分それも必要になってくるのかなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 お金を取ろうと思うと、法整備が要りますね。

○赤羽根室長 そうですね。実際どういうふうに継続的な形を確保するかというのは、人も含めて大きな課題ですので、東大、京大とも話してはいるのですが、引き続きよく検討したいと思っています。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。

○松田構成員 別のことでもよろしいですか。

○山本座長 どうぞ。

○松田構成員 これも多分オンサイトセンターみたいなところでやっていただいたほうがいい。東大か京大にやっていただいたほうがいいと思うのですが、せっかくのデータですので、社会医療診療行為別統計はこういう形でつくるのですけれども、これはあくまでその年その年のクロスセクシャルなデータで、連続性がないのですね。例えば台湾にしてもアメリカにしてもいわゆるパネルデータ、同じ人たちをずっと追いかけていくというデータをつくっているのですが、それはいろんな政策を評価するのにこれからとても重要になってくると思うのです。パネルデータというのは、大学の人間がある程度つくって管理していくという枠組みをつくらないと、長続きしないので、このオンサイトセンターの業務の中に、例えば東大が臨床研究のパネルデータをつくる、京大が医療経済のパネルデータをつくってもいいと思うのですけれども、パネルデータをつくるということも入れておいていただけると、そういうデータを使ってオンサイトでいろんなことをやることができるようになると思うので、ぜひパネルデータをつくるということも近々で検討していただけるとありがたいなと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○石川構成員 先ほどの民間利用の話とか、きょうは第三者提供の現状でおまとめになった承諾案件とか、一覧が出ています。実際にNDBがさまざまなところで利用されて、特に第三者提供の承諾案件の中には、臨床的な結果が臨床的な応用に随分つながるのではないかということが想像できるような案件もいっぱいあるのです。

 私たちはこうやって審査をしていますが、私などは重立った結果が出ているものについて目に触れたことがないのですけれども、国民の財産であるならば、提供して、どういう結論を出したのかということをもっと医療関係の方も見て、こういう結果になったのかと。こうやって見ると、薬の全国的な、ある薬がこういう疾患にどういうふうに使われているのかとか、非常に臨床的に役に立つものもありますので、それは見やすいようなことを考えていただいたほうがいいと思うのです。

 あわせて、民間のところでいきますと、ワーキンググループで検討していただいた幾つかの案件を見ますと、全く荒唐無稽な、例えばNDBの最初の申請にあったような、これはNDBでできるわけがないではないかという感じの研究もあったりしたのですが、本当は民間の方たちはもっと別のことをやりたいのだと思うのです。私たちも簡単に想像ができる、例えばジェネリック医薬品を地域的にどのぐらい使っているのか、使っていないのか。特に降圧剤とか高脂血症薬とか、そういうものをもっと大胆に。個人情報が安全に守られるのだったら、もっと早く使っていただきたいと思うのです。

 ですから、私たちもジェネリック薬の、印南先生が座長をやっているところで推進をやっているのですが、そういうデータもNDBで結構出てきますので、そういうのも民間利用で幅広く使えるようにしていただいたほうがいいかなと思います。もっと申請が出てきてもいいと思うのです。安全に提供できるのだったら、それもやっていただきたいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 何かありますか。

○赤羽根室長 研究成果という話につきましては、棟重構成員、山本座長からの御指摘もありましたので、どんな形で出せるか、よく検討させていただきたいと思います。

 それから、民間提供、ここら辺の話につきましては、実際模擬申出、NDBオープンデータ等々で提案を見ていくことになるのですが、石川先生から今、お話もありましたので、引き続きそこら辺のニーズを見ながら、また御議論を進めていただければと思っております。

 以上です。

○山本座長 よろしいですか。

○石川構成員 はい。

○山本座長 ほかいかがですか。どうぞ。

○布施構成員 私は初めてでよくわからない面があります。先ほど来成果の話が出ていまして、私は素人なのですけれども、今までの研究成果の中でこれはというのがもしあれば、私などにもわかるような形で教えていただきたい。

 成果というのは、研究された方とその所有権、そういったものはどういうふうになるのかというのを教えてもらいたかったのですけれども。

○山本座長 お願いします。

 

○吉村補佐 

 具体的な成果物について、2点ほど御紹介いたします。

 1点目は平成249月審査の国立感染症研究所からの申出でございまして、感染症の患者推計という研究になります。データの提供としては、集計表情報でした。具体的な内容は、感染症法に基づく感染症発生動向調査の結果が毎年公表されておりますが、公表されたデータとNDBを用いてそれらを再集計したところ、どのような調査結果の特徴があったかという検討を行っております。

2点目は、平成246月審査の国立精神・神経研究センターからの申出でございます。

 内容についてですが、向精神薬の使用状況につきまして、処方の現状解析された研究でございます。その結果としては、例えば向精神薬の多剤併用の状況が多いというのがわかっております。さまざま公表された資料つきましては、また整理した形で皆様に提供できればと考えております。

 以上です。

○赤羽根室長 補足なのですけれども、所有権という御指摘があったと思います。基本的にその研究成果自体は研究者の方のものという整理になるかと思いますが、ただ、提供したデータについては厚生労働省のものになりますので、データについては最後お返しいただくという形にしております。そこら辺は少し複雑な状況でございます。ただ、成果については研究者のものですので、我々は、特に個別にこういう成果がありますと出させていただくときは、研究者の方に出していいですかとお聞きしたりということはしております。

○布施構成員 わかりました。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。

 オンサイトのほうはいかがでございましょう。どうぞ。

○藤田構成員 先ほど山本座長のほうからも御発言がありましたが、5月20日に行政機関個人情報保護法の改正がされまして、NDBのデータというのが直接的にその対象として考えられているものとはちょっとずれているものだと理解しているのですけれども、一応、対象と言えば対象だというふうになっているかと思いますが、そのあたりで最終的には個人情報保護委員会の御判断ということになると思うのですけれども、その関係の整理というのが議論の前提として必要かなと思いますので、もし御確認いただければ、お願いいたします。

○山本座長 事務局から何かありますか。

○赤羽根室長 事務局からでございます。行政機関の個人情報保護法については、改正された後、所管省庁、総務省ですとかそこら辺の見解等も踏まえながら、基本的には改正されたものでそれぞれの情報がどう位置づけられるのか、よく確認しながら整理を進めていきたいと考えております。

○山本座長 よろしいですか。

○藤田構成員 はい。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。

 3ページの基本方針は、おおよそこのような方針でよろしいでしょうか。

 わかりやすく申し上げると、利用に関しては、有識者会議の分科会で審査を行うと。それから、オンサイトリサーチセンター内での集計・分析については、利用目的を逸脱しない限りは一定の自由を認めると。つまり、やってみる、トライアルしてみるということも可能ですし、ある程度は探索的な検索も可能であるということになります。

 4番の外へ持ち出す、つまり、オンサイトリサーチセンターから集計表であれ、中間ファイルであれ、あるいは最終的な結果であれ、外へ持ち出す場合はもう一度分科会の審査を受けると。自分たちで勝手に持ち出してはいけないということになる。

 罰則等は今と同じだということです。

 オンサイトセンター内では結構自由だけれども、そこで得られた知見を持ち出す際にもう一度審査を受けるという仕組みを導入することで、オンサイトセンター内でのある程度自由な検索、自由な集計をお認めするということになっています。

 大体この方針でよろしいですか。

 それでは、4ページ、これから諸規程を整備するわけですけれども、その際のポイントとして、利用に関する全体的な枠組みは、この基本方針をおおむね踏襲するということでいいのだろうと思うのですが、「利用のための申出が可能な者の範囲」、これは今の第三者提供の申出者とほぼ同一というふうに一応考えていましたけれども、今、松田先生がおっしゃられたような、ある程度講習を受ける、あるいは個人情報保護、あるいはそれ以外の研究倫理に関して一定の講習を受ける。今、AMEDでも文科研でも、講習を受けていないとそもそもできないとなっていますので、そういう仕組みを流用してCITIなり個人情報保護の一定のプログラムなりを。ただ、これはオンサイトだけではないと思うのです。いわゆる第三者提供にも本当は提供されないといけない話ですので、全体の話としてここは継続して議論ができればと考えています。

 審査内容は、これも基本方針に従って、内部でのデータの取り扱いに関してはそれほど厳しいことは見ないのですけれども、目的に関してはしっかり見させていただくということになろうかと思います。

 それから、外に出る場合は、もちろん外に出る情報の安全性を第一に考えるということです。

 利用ルールは、大きなルールは全体として決めればいいと思うのですが、センター側、実際に設置している機関の問題がございますので、ここはそれだけで。

 それから、罰則が、特段考慮する必要があるのか、それとも今のガイドラインに書かれているような。先ほどちょっと申し上げましたけれども、NDB自体が第三者提供を前提とした法的枠組みが存在しないということで、高齢者の医療の確保に関する法律で医療費適正化計画のためにつくられたデータベースで、それ以外の目的に用いるというのも我々が審査しているわけですが、そのことに関して特段法的な裏づけがないので、今、民事上と申しますか、提供契約の中で実現可能な罰則というのを決めているわけですね。

 それでいいかということなのですけれども、私、個人的にはそれ以上はどうしようもないというのが本当のところだと思うのですが、いかがでしょうか。

 以上のような論点でもし何か御意見がありましたら。これは継続してまた御議論願わないといけないのですけれども、何か論点がありましたら、よろしくお願いいたします。どうぞ。

○棟重構成員 今、情報漏えいは非常に厳しい目で見られています。今度実際にオンサイトを見学する機会がありますので、具体的に見たあとでオンサイトを利用する場合のルールについて、意見をしていきたいと思うのですが、罰則の前に、そもそもそういうことを起こさせない仕組み、持ち込ませない、持ち出させないではないですけれども、そういったルールをきちんとつくっていただきながら、その運用もしっかりしていただきたいと思います。

 実際にオンサイトに入る人たちを想定した場合、幾つかカテゴリーに分けることができるかと思います。研究者もいらっしゃいますが、学生という形で、本来想定をしていた人から少し広がった範囲での方々も出入りするかも知れません。それについては、先ほど松田先生がおっしゃったような形、研修とかそういったことを受けることによって制約がかけられるかと思います。その様に、カテゴリー別にどういった対応の仕方をするかというのは少し整理をしていただきたい。

 それから、先ほど管理については委託をされているとお伺いしましたけれども、そこも往々にして盲点になりがちだと思います。任せてそれでいいということではないと思います。委託先の人の管理ということ、どういう要件でやるかというところも含めて漏れないための仕組みを二重、三重に構築していただくようにお願いしたいと思います。

○山本座長 ありがとうございます。

 事務局、何かございますか。

○赤羽根室長 まさに漏れないための仕組みづくりと運用を含めた観点というのが重要だという御指摘だと思いますので、そこは我々もよくオンサイトの実態を見ながら、御議論も踏まえてつくっていきたいと思っております。

○山本座長 よろしいですか。どうぞ。

○藤田構成員 先ほどちらっと利用料を取るとなると法律が必要だという発言もあったと思うのですけれども、現状、罰則は民事契約上可能な範囲でというふうに考えているということですが、より厳しく罰則をつけようと思うと法律の根拠が必要になると思いますが、今後利用に向けての法律をつくるといった考えはあるのでしょうか。

○山本座長 どうぞ。

○赤羽根室長 事務局からお答えさせていただきます。利用に関する法律とか、そもそも罰則について、例えば刑事罰みたいなものが必要なのかどうかという議論は時折出てきております。それから、一般の中でもそういう議論があるということはお聞きしております。法律をつくるという話は、恐らく国民の意を図るというか、国民の合意をつくるということだと思いますので、そこら辺は、国民の理解がどういうことか、国民の意思がどうかというところと、それから実際の枠組みづくりのタイミングとの関係かなと思っております。罰則みたいな話でどうするかというのは重要なので、引き続き適宜御指摘をいただければと思っております。

○山本座長 よろしいですか。

○藤田構成員 はい。

○山本座長 ほかいかがでしょうか。府川先生、どうぞ。

○府川構成員 府川と申します。

 オンサイトリサーチセンターに関してですが、ことしの11月から第三者利用が計画されていますけれども、今、行われている試行的利用の報告がいつごろにされるのかということを伺いたいと思います。

 それから、先ほど松田先生からオンサイトセンターでパネルデータの作成という御提案がありましたが、これをぜひ仕組みの中に入れていただきたいと思っています。パネルデータの重要性を認識していますので、ぜひお願いしたいと思います。

 しかしながら、そうすると、オンサイトセンターに専用のスタッフが要るとかということで、人件費の問題ということになりますので、そこも本格的にお考えいただかないといけない問題ではありますが、いずれにしても、パネルデータの作成というのは非常に重要だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

 それから、現在の第三者利用とオンサイトセンターでの利用、それぞれの成果の公表の仕方が全く同じなのか、少し違うのかもちょっと気になっています。

○山本座長 ありがとうございます。

 前回、前々回で東大、京大のオンサイトリサーチセンターの試行状況に関する中間報告がされていて、あれからまだほかに報告がされるのですか。

○赤羽根室長 6月以降でもう少しまとまったものの報告を考えさせていただいておりますので、またそれぞれ御報告をいただこうと思っております。

 それから、パネルデータについては、御指摘がございましたので、可能性も含めて検討したいと思います。

 3点目の成果の公表という話については、異なる部分もあるかもしれませんので、そこは引き続き有識者会議でも御議論いただければなと思っております。

 以上です。

○山本座長 ありがとうございます。

 現状はセキュリティーが余りに厳し過ぎて、中に入っている人が参ってしまいそうになると。一切外界とは連絡がとれないので、音楽もなければ、電話もかけられないという状況ですね。

○赤羽根室長 事務局から1点補足なのですけれども、前回ありましたオンサイトに関する報告の中で、そもそもオンサイトに行ってみないと、オンサイトの使用感というか、どんな感じでオンサイトが使えるのかわからないという話もありましたので、オンサイトに行かないでもそういうことがある程度わかるようなものがつくれるのかどうかという話も今、検討させていただいておりますので、御報告させていただきます。

○山本座長 ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ。

○石川構成員 先ほど来パネルデータの話が出ているのですが、これはオンサイトセンターでそういうものを用意しろということですか。オンサイトセンターを使うときには、その研究の目的とかそういったものはきちんと有識者会議にかけるのですね。かけますね。

○府川構成員 はい。

○石川構成員 ですから、その段階でパネルデータみたいなものが必要だということが出てくるはずですね。それが見られるようにするということを言っているのですか。

○松田構成員 パネルデータは国策としてつくっていかなければいけないと思うのです。この後、いろんなデータ分析をやるときに、もとのNDBのデータの下のところに、オープンデータに近い発想になるのかもしれませんけれども、分析ができるようなパネルデータをつくっておかないと。パネルデータは後から事後的につくろうとするとかなり大変ですので、そういう意味で、パネルデータというのは大学等の研究者がかかわらないとなかなかできないものですので、多分それをつくるということになるのだろうと思います。

 手続としては、厚労省のほうとしてパネルデータをつくるという申請をどこかで出していただいて、それをそれぞれのオンサイトセンターに委託するという形でいいのではないかなと思います。

 ただ、それを使うときには、それを使って研究をする人が通常の手続をとって使えるようにするという形でやっていくということになるのだろうと思います。パネルデータ自体はずっと管理をしていかないと使えないものになってしまいますので、それを厚労省のほうで業者に頼んで云々というのはちょっと難しいと思いますので、それぞれの専門知識のある人がパネルデータをしっかり管理していく。それを京大と東大に委託してやっていくというのが現実的な方法ではないかなと考えます。

○山本座長 どうぞ。

○石川構成員 そうしますと、今まで議論していたNDBのデータベースのつくり方というところに関係してくる内容になってくると思うのです。例えば今、先生がおっしゃったようなことであれば、MIDNETが経時的にずっと追っかけている1,000万人データベースとか、そういったものがあるわけです。ですから、NDBのデータベースの構造、つくり方を連結可能にある点ではしていかないと、パネルデータは原則的には出てこないですね。そうですね。ですから、そういう点では、NDBのつくり方そもそも論ということになってくるのではないかと思うのです。あるいはこのNDBでなくて、別のところの国民のデータベースをつくっていくということの話になっていくのではないかと思うのですよ。

○山本座長 ありがとうございます。

 パネルデータと言うほど完全なものではないと思いますけれども、今、試験的に提供を始めている基本データ項目セットが、一応つなげる限りのIDで時系列につなげるという機能を持っていますので、あのあたりが今のNDBでは限界かなという気がしていて、どうしても完全につないでいけないという状況になっていますので、医療分野でのIDが導入されて、こういうデータベースがどうなるかという議論を少し待たないと、今のNDBで本当に確実に時系列につないでいくというのは大変かなという気はしています。

 ほかいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、規程整備に関してもう少し論点を整理して、また資料をお出しいたしますので、引き続き御議論をよろしくお願いいたします。

 本日の公開の議事は以上でございますけれども、そのほか特に何か御発言ございますでしょうか。ございませんでしょうか。

 若干行政機関個人情報保護法の流れは、我々が非識別加工情報にどれが相当するのかとか、非識別加工情報の扱いに関しては個人情報保護委員会が所管するということになっていますし、これから多分総務省の中での話とかあると思いますので、また現状が動きましたら、御報告をお願いできればと思っていますけれども、よろしいですか。

○赤羽根室長 かしこまりました。まず、大前提となる個人情報との関係でNDBのデータというのがどういう整理になるのかというところがあって、その先にどういう枠組みの整理になっていくかという話があると思いますので、そこら辺の整理というのは、少し時間がかかるかもしれませんけれども、タイミングを見てできればと思っております。

○山本座長 よろしくお願いします。

 それでは、特に御発言がないようでしたら、事務局から連絡があれば、よろしくお願いいたします。

○赤羽根室長 次回の本会議の日程についてお知らせでございます。次回は6月29日水曜日の14時から開催させていただきます。当日は16時から審査分科会につきましても開催をさせていただきます。

 事務局からは以上でございます。

○山本座長 どうもありがとうございました。次回は暑いだろうねえ。

 本日は、お忙しい中、御参集ありがとうございました。

 では、これで閉会とさせていただきます。

 


(了)

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