ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会(2016年3月1日)




2016年3月1日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部

○日時

平成28年3月1日(火) 14:00~16:30


○場所

専用22会議室
中央合同庁舎5号館(厚生労働省)18階


○出席者

食品衛生分科会員(敬称略)

安藤 言枝 大澤 真木子 大野 泰雄
大前 和幸 春日 雅人 川西 徹
岸 玲子 岸田 一男 栗山 真理子
河野 康子 古野 純典 寺本 民生
西 秀訓 西内 岳 二村 睦子
毛利 資郎 若林 敬二 倉根 一郎

事務局(3月1日時点)

福田 裕典 (生活衛生・食品安全部長)
樽見 英樹 (大臣官房審議官)
赤澤 公省 (企画情報課長)
山本 史 (基準審査課長)
道野 英司 (監視安全課長)
三木 朗 (監視安全課輸入食品安全対策室長)
梅田 浩史 (監視安全課食中毒被害情報管理室長、監視安全課HACCP企画推進室長)
堀 裕之 (企画情報課長補佐)

○議題

1 開会
2 議題
(1)審議事項
(2)報告事項
(3)文書による報告事項
(4)その他の報告事項
・平成19~23年度食品中の残留農薬等検査結果
・食品用器具及び容器包装の規制のあり方に係る検討会中間取りまとめ
・牛海綿状脳症(BSE)対策の現状について
・平成28年度輸入食品監視指導計画(案)について
・食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について
3 閉会

○議事

○堀補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催いたします。

 本日は、石川委員、山本委員から御欠席との御連絡をいただいております。

 また、所用により、二村委員から、少し遅れて参加をいただくと御連絡をいただいております。

 現在の分科会員総数20名のうち、現時点で17名の御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。

 次に、昨年10月1日付で事務局に異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。

 生活衛生・食品安全部長の福田です。

 企画情報課長の赤澤です。

 同日付で、大臣官房審議官の樽見、また、監視安全課長の道野が着任しておりますけれども、本日は少し遅れて参加をさせていただく予定でございます。

 それでは、開会に当たりまして、生活衛生・食品安全部長、福田より御挨拶を申し上げます。

○福田部長 改めまして、生活衛生・食品安全部長の福田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 お集まりの先生方におかれましては、日ごろからそれぞれのお立場より食品安全行政の推進に御支援、また御尽力、またお力添えをいただいておりますことを、この場をかりまして、まず厚く御礼を申し上げたいと思います。

 食品につきましては、先生方御承知のとおり、近年の食品流通のグローバル化、また国民の皆様の健康意識の高まりなどを背景といたしまして、食品の安全についての国民の皆様の関心は非常に高いものがございます。厚生労働省といたしましても、委員の皆様方のお力添えをいただきながら、食品の安全確保に関する諸課題について、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。

 本日は盛りだくさんの議題になってございます。食品中の農薬の残留基準設定でございますとか、食品添加物の指定等につきまして、本日は御審議いただくことといたしてございます。委員の皆様方におかれましては、我が国の食品安全行政の推進につきまして、一層のお力添えを賜りますよう、改めてお礼を申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○堀補佐 本日の議題につきましては、お手元の議事次第にございますように、食品中の農薬等の残留基準設定等について御審議いただき、その後、何点か事務局から御報告を申し上げます。

審議事項に関する利益相反の確認対象となる案件がありますが、退出が必要または議決に参加できない委員はいないことを確認しております。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。委員の皆様に、資料1「審議事項に関する資料」、資料2「報告事項に関する資料」、資料3「文書による報告事項に関する資料」、資料4「その他の報告に関する資料」、それから、参考資料のハードファイル1冊及び分科会の基礎資料のハードファイルをお配りしております。

 資料の不足や落丁等ございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。

 それでは、以降の進行につきましては、岸分科会長にお願いいたします。

 頭撮りはここまでとさせていただきますので、報道関係者の方は御退席をお願いいたします。

○岸分科会長 それでは、本日の審議に入らせていただきます。まず、「食品中の農薬等の残留基準設定について」、審議を行います。

 最初に事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、農薬5剤、動物用医薬品1剤の審議事項につきまして、事務局から御説明させていただきます。

資料は、少し見にくいのですけれども、この青いハードファイルの分厚いものの参考資料をごらんください。参考資料1になります。こちらのページ1-3から御説明させていただきたいと存じます。

まず、1剤目はオキサチアピプロリンという農薬でございます。本剤は、農薬取締法に基づく農薬の新規の登録申請に伴い、基準設定依頼がなされたことにより、残留基準の設定をするものです。

概要ですが、用途は殺菌剤でございまして、オキシステロール結合タンパクに作用し、べと病菌や疫病菌に対して殺菌効果を示すと考えられています。

科学名、構造式及び物性は1-3ページの記載のとおりでございます。

次のページに、国内における適用の範囲及び使用方法を示しております。1-5ページ、作物残留試験につきまして、分析法の概要は記載のとおりでございます。試験結果につきましては、1-7ページの別紙1に記載しております。

1-5 ページに戻りまして、ADI及びARfDの評価について御説明いたします。ADIについては、食品安全委員会において、ラットを用いた繁殖試験の無毒性量を用いまして、ADI3.4mg/kg体重/dayと評価いただいております。ARfDにつきましては、単回経口投与等により生ずる可能性のある毒性影響は認められなかったことから、設定する必要がないと評価されております。

諸外国における状況につきましては、JMPRでは評価がなされていませんが、米国において、トマト、ブドウ等に基準値が設定されております。

次のページに行きまして、基準値案でございます。規制対象をオキサチアピプロリンとしまして、1-8ページの別紙2に具体的に基準値案をお示ししております。

この基準値案によりまして暴露評価を行った結果を次ページの別紙3にお示ししております。TMDI試算によりまして、幼小児のADI比は0.03%となっております。

1-11 ページが答申(案)となります。

続きまして、2剤目、トリアファモンになります。112ページから、食品安全委員会の評価書が続いているのですけれども、そのまま70ページほど飛びまして、2剤目のトリアファモン、2-3ページになります。本剤は、農薬取締法に基づく農薬の新規の登録申請及びインポートトレランス申請に基づき、残留基準の設定をするものでございます。

 概要ですが、本剤は水稲用除草剤でございまして、アセト乳酸合成酵素を阻害することにより殺草効果を示すものと考えられております。

化学名、構造式及び物性については記載のとおりでございます。

 次ページに適用の範囲及び使用方法をお示ししております。

 続きまして、2-6ページになります。作物残留試験について御説明いたします。分析法の概要は記載のとおりでございまして、試験の結果につきましては、2-92-10ページに記載しております。国内の残留試験結果と韓国の残留試験結果が掲載されております。

2-7ページに戻っていただきまして、4、ADI及びARfDの評価について御説明いたします。ADIにつきましては、食品安全委員会において、ラットを用いた2年間の慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を用いましてADI0.019mgkg体重/dayと評価いただいております。ARfDにつきましては、単回経口投与等により生ずる可能性のある毒性影響は認められなかったことから、設定する必要がないと評価されております。

次ページに行きまして、諸外国における状況につきまして、こちらはJMPRでは評価がなされておりません。欧米等においても基準値が設定されておりません。基準値案につきましては、規制対象をトリアファモンといたしまして、2-11ページの別紙2に基準値案をお示ししております。この基準値案によりまして暴露評価を行った結果を次ページの別紙3にお示ししております。TMDI試算によりまして幼小児のADI比は1.37%となっております。

2-14ページが答申(案)になります。

続きまして、3剤目はピコキシストロビンになります。資料は3-3ページをごらんください。本剤は、農薬取締法に基づく農薬の新規の登録申請及びインポートトレランス申請に基づき、残留基準を設定するものでございます。

 概要ですが、用途は殺菌剤でございまして、病原糸状菌細胞のミトコンドリア内膜の電子伝達系を複合体のQo部分において阻害することにより殺菌効果を示すと考えられております。

化学名、構造式及び物性は記載のとおりでございます。

3-4ページに国内、3-5ページに米国における使用方法をお示ししております。

 続きまして、3-8ページでございますけれども、作物残留試験につきましてお示ししております。分析法の概要は記載のとおりでございます。試験結果につきましては、3-13から3-16ページにお示ししております。

3-10ページに戻っていただきまして、ADI及びARfDの評価について御説明いたします。ADIにつきましては、食品安全委員会において、イヌを用いた1年間の慢性毒性試験の無毒性量を用いまして、ADI0.046mg/kg体重/dayと評価いただいております。ARfDにつきましては、記載のとおり、毒性影響に対する無毒性量、または最小毒性量のうち、最小値はウサギを用いた発生毒性試験の25mg/kg体重/dayであったが、食品安全委員会では、ラットを用いた急性神経毒性試験における最小投与量200mg/kg体重で無毒性量が得られなかったこと、それから、ラットを用いた発生毒性試験の無毒性量が30mg/kg体重/dayであったこと及び各試験で求められた毒性影響の程度を総合的に勘案し、ラットの急性神経毒性試験における最小毒性量200mg/kg体重を根拠としまして、ARfD0.2mg/kg体重と評価いただいております。

 なお、試験の最小毒性量を用いたことによりまして、安全係数に追加係数10を用いております。

続きまして、3-11ページ、諸外国における状況でございますけれども、JMPRでは評価がなされておりまして、欧米においても基準値が設定されております。

基準値案につきましては、規制対象をピコキシストロビンとしまして、3-17ページの別紙2に基準値案をお示ししております。

また、この基準値案により暴露評価を行いまして、結果を次のページの別紙3に示しております。TMDI試算によりまして、幼小児のADI比は31.1%となっております。

それから、3-1920ページにARfDに対する短期暴露評価の結果をお示ししておりますけれども、推定摂取量がARfDを超える食品はございませんでした。

3-22 ページが答申(案)となります。

続きまして、4剤目はフルオキサストロビンになります。資料は4-3ページをごらんください。本剤は、インポートトレランス申請に基づき、バレイショ及びイチゴに新たに残留基準を設定するものでございます。

概要ですが、用途は殺菌剤でございまして、ミトコンドリア内膜のチトクロームbc1複合体のQo部位に結合し、電子伝達系を阻害し、菌の呼吸を阻害して殺菌効果を示すと考えられております。化学名、構造式及び物性は記載のとおりでございます。

次のページで米国における使用方法をお示ししております。

続いて、作物残留試験につきまして、分析法の概要は記載のとおりでございます。試験結果につきましては、4-7ページの別紙1にお示ししております。

4-5ページに戻っていただきまして、ADI及びARfDの評価について御説明いたします。ADIについては、食品安全委員会において、イヌを用いた1年間慢性毒性試験の無毒性量を用いまして0.015mg/kg体重/dayと評価いただいております。ARfDにつきましては、単回経口投与等により生ずる可能性のある毒性影響が認められなかったことから、設定する必要がないと評価されております。

諸外国における状況ですけれども、JMPRでは評価がなされておりませんが、欧米等においては基準値が設定されております。

 ページをめくっていただきまして、基準値案につきまして、規制対象フルオキサストロビン及びその代謝物であるZ異性体としまして、4-8ページの別紙2に基準値案を示しております。

この基準値案によりまして暴露評価を行い、結果を次ページの別紙3に示しております。TMDI試算によりまして、幼小児のADI比は6.4%となっております。

4-11 ページが答申(案)になります。

続きまして、5剤目、メトラフェノンについて御説明いたします。資料は5-3ページをごらんください。本剤はインポートトレランス申請に基づいて残留基準を設定するものでございます。

概要ですが、用途はベンゾフェノン系の殺菌剤でございまして、病原菌の吸器及び胞子形成を阻害することにより殺菌効果を示すと考えられております。

化学名、構造式及び物性は記載のとおりでございます。

次ページより、米国及びEUにおける使用方法を示しております。

続いて、5-7ページ、作物残留試験につきまして御説明させていただきます。分析法の概要は記載のとおりでございます。

試験結果につきましては、5-11ページからの別紙1に記載しております。

5-8ページに戻っていただきまして、畜産物への推定残留量ですが、次ページにかけて家畜代謝試験の結果を記載しております。

JMPRでは、これらのデータをもとに残留基準値を設定しております。各食用部位への残留はごくわずかですが、最大残留量を0.01mg/kgとしまして、コーデックス基準が0.01mg/kgと設定されております。

続きまして、5-9ページ、ADI及びARfDの評価について御説明させていただきます。ADIについては、食品安全委員会におきましてラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を用いまして、ADI0.24mg/kg体重/dayと評価いただいております。ARfDにつきましては、単回経口投与等により生ずる可能性のある毒性影響が認められなかったことから、設定する必要がないと評価されております。

 続きまして、5-10ページ、諸外国における状況でございますけれども、JMPRでは評価がなされており、欧米等においても基準値が設定されております。

基準値案につきましては、規制対象をメトラフェノンとしまして、5-17ページの別紙2に基準値案を示しております。

また、この基準値案により暴露評価を行った結果を5-19ページにお示ししております。TMDI試算により、幼小児のADI比は4.1%となっております。

5-21ページが答申(案)となります。

続きまして、イプロニダゾールについて御説明いたします。資料は6-3ページになります。こちらは動物用医薬品でございます。食品安全委員会における評価を踏まえまして、食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として新たに定めることについて御審議いただくものでございます。

 概要ですが、用途は寄生虫駆除剤及び抗原虫剤でございます。5-ニトロ基の還元により種々の組織高分子に共有結合するN-ヒドロキシルアミン誘導体が生成され、抗菌作用及び抗原虫作用を示すと報告されております。海外では、シチメンチョウのヒストモナス症及び豚赤痢の予防治療に用いられます。

化学名、構造式及び物性は記載のとおりでございます。

 ページをめくっていただきまして、ADIの評価ですけれども、1989年のJECFAの評価等を踏まえ、食品安全委員会においては、遺伝毒性を示す可能性を否定することができず、発がん性が示唆されたことから、ADIを設定すべきではないと判断されております。よって、基準につきましては、食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として定め、規制対象物質はイプロニダゾール及び代謝物Bとする案としております。

6-5ページ以降に残留試験の結果を記載しております。イプロニダゾール本体よりも代謝物Bのほうが残留しやすい傾向にありますので、代謝物Bを規制対象に加える案としております。投与後1日から3日程度で両化合物の残留は認められなくなっております。

 最後に、6-10ページが答申(案)でございます。

農薬等の残留基準設定に関する審議事項についての御説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、この6剤でございますが、分科会での議論に入ります前に、部会での審議の状況について御報告いただくことがございますでしょうか。部会長の大野先生、お願いいたします。

○大野委員 重要というか、特にこれはというのはなかったのですけれども、せっかくですので、細かいところでお話しさせていただければと思います。

きょうの審議事項に関する資料1の1ページにオキサチアピプロリンがありまして、適用作物/適用病害のところで、バレイショのところに疫病と書いてあるので、疫病と言ったら何だってみんな入ってしまうのではないかという質問がございまして、専門の先生から、バレイショについては、バレイショ疫病とか、そういう特別の疾患があるのだと説明していただきまして、よろしいでしょうということになりました。

 それから、幾つかの農薬の中で、代謝試験では結構代謝物が出ていて、10%以上出ているのがありました。それらについて、測定対象物に入れなくていいのかというようなこともあったのですけれども、それについては残留試験をやってみたら親化合物も含めて検出されないとか、代謝物が検出されないとか、そういうことがありまして、親化合物だけでいいということになりました。

 それから、フルオキサストロビンについては、農薬として使われているのはE体なのですけれども、基準値案のところで代謝物Zも含めるということで、私などが見ると、何となく変だな、不十分ではないのかなという、代謝物ではなくて、そういう感じもしたのですけれども、よく資料を読みますと、農作物中でE体からZ体に変換すると示されていましたので、Z体も測定することでいいだろうと考えたところです。

 それ以外では、メトラフェノンのところで、部会で審議したときに、カボチャとかイチゴの残留値が結構高かったのですね。おかしいなということで質問がございまして、調べてみましたら、使用量が推奨用量よりもかなり高いと。何倍か高かったということがございまして、そういうことで納得となりました。

 大体、そんなところだったと思います。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、分科会の委員の先生方から、御意見ですとか、質疑ですとか、頂戴しようと思いますが、いかがでしょうか。

 大澤委員、どうぞ。

○大澤委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、ピコキシストロビンとフルオキサストロビンはともにミトコンドリア内膜の電子伝達系にかかわって殺菌効果を示すということなのですけれども、ピコキシストロビンとフルオキサストロビンが同じ食物に使われることはないようなのですけれども、一般的にミトコンドリア内膜の電子伝達系を阻害するという形のほかのものが今まではあるのでしょうか。済みません、直接は関係ないのですけれども、結局、同じ食物にいろいろな種類の農薬でミトコンドリア機能を抑えるものが入る可能性があるかどうかがちょっと気になりました。

○岸分科会長 ありがとうございます。ただいまの点はどうでしょうか。同じ作用の別の物質があるかもしれないということをお尋ねと思いますが、いかがでしょう。

○事務局 同じような作用機構を持つ農薬が一緒に使われるかどうかというところまでは、今、情報を持ち合わせていないのですけれども、ストロビルリン系の農薬は比較的毒性が弱い傾向にありまして、最近よく使われているものでございまして、マンデストロビンとか、アゾキシストロビンとか、ほかにもこの系統の農薬は幾つかございます。

○岸分科会長 委員の御発言、重要な点だと思いますけれども、審議のときにそういう情報があるとよろしいですね。大澤委員言われる、一般的なことで申しますと。御質問された大澤委員はいかがでしょうか。何か追加はございますか。

○大澤委員 いえ、特にありません。この2剤は違うものに使われていますし。ただ、一般的に言って、私たち人間もミトコンドリア機能が年とともに衰えるという現象はあるので、そのあたり、もし絡めて使われている場合があったときに、人体に及ぼす影響はあるのかもしれないなという、単なる想像でございます。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 今の点、あるいはそのほかの点で、先生方から。若林委員。

○若林委員 見ていてちょっと気になったので教えていただければと思うのですけれども、5-17ページのメトラフェノンの基準値案のところで、ホップだけが70ppmと、ほかのものに比べてかなり高い値になっているのですけれども、これは何か理由があれば教えていただけないかなと思いまして質問しました。

○岸分科会長 ありがとうございます。確かにホップだけがかなり高いのですが、いかがでしょう。

○事務局 済みません、後ほど調べまして回答させていただきたいと思います。

○岸分科会長 お願いいたします。ホップが70ppmで、ほかに比べてかなり高い点を若林委員、御指摘でございます。お願いいたします。

 そのほか、どうぞ、倉根委員。

○倉根委員 教えてほしいのですけれども、イプロニダゾールの不検出基準というのは、使っていないことを証明しろということなのですか。それとも、測定しても見つからないというべきであると。どの方法を使っても、それぞれの方法の閾値というのがあると思うので、ゼロということを言うのは非常に難しいと思うのですけれども、概念として、その方法がディテクトできる量があって、それよりも下であるという考えなのですか。

○事務局 不検出という基準にしているものは、まず、告示法で定量限界を決めておりまして、定量限界よりも低いことが検査上の基準に適合しているかどうかの判断基準でございます。ニトロイミダゾール類については、今日、後ほど、報告事項のほうにも3剤含まれておりまして、イプロニダゾール1剤と合わせて4剤ございます。これら4剤につきましては、国際機関のJECFAという評価機関で、発がん性とか遺伝毒性が否定できない、データが十分にないので否定できないということなのですけれども、そういう評価がなされております。資料には、非常に古い年、1989年ぐらいの古い話が書かれているのですけれども、これについてJECFAは見直しを行いまして、この評価以降に出されたデータとかも調べたのですけれども、十分なデータが得られなかったという結論になっております。その結論をもちまして、ここ数年、コーデックスで残留基準について話が行われておりまして、昨年のコーデックス委員会におきまして、JECFAではデータが不足、欠如しているのですけれども、重大な健康上の懸念が特定されていることから、規制当局は当該化合物が食品中に残留しないようにするべきであるとされておりまして、物質を食品中に残留しないようにするためには、当該化合物を食用動物に使用しないことによって達成されるという結論に至っております。ですので、日本でももちろん使用はされておりません。

○岸分科会長 倉根委員、よろしゅうございますか。

○倉根委員 はい。

○岸分科会長 そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。

○川西委員 今の関連で、イプロニダゾールに関しては、海外ではシチメンチョウのヒストモナス症及び豚赤痢の予防及び治療に用いられ、混餌投与または飲水投与で使用されると書いてありますけれども、海外ではというのは、今は特定はされているのですか。急な質問で申しわけないのですけれども、今、読んでいまして、例えば、ここの国とか、余り例をここで言うのはよくないかもしれませんけれども、南米の国とか、中国とか、そういうことでは特定はされていない。

○事務局 以前はEUとかでも、こういう用途でもって評価されていたのですけれども、今は使われない方向になっていると。どこの国が使っているかというと、全部を調べることは難しいですので、使われているというのが正しいのか、使われていたというのが正しいのか、そこまでは確認できていない状況でございます。ただし、欧米等の主要国においては使用されていないということになります。

○川西委員 シチメンチョウ以外でも使われている可能性はあると、そういう国では。

○事務局 そうですね。豚の赤痢とかにも有効となっておりますので。

○川西委員 豚赤痢と書いてありますね。わかりました。

○岸分科会長 そのほかございますか。どうぞ。

○大前委員 ピコキシストロビンのことなのですけれども、この物質、ARfDを設定するのに、無毒性量ではなくて、最小毒性量の数字から決めていこうとなっていますので、これは事務局にお願いなのですけれども、最小毒性量から決める場合は、最小毒性が何であったかを記載していただくと非常にわかりやすいと思います。ちなみに、今回の場合を見ますと、神経毒性の試験なのですけれども、神経毒性はない。体重の減少があったということで200をとっていますので、そういうことが書いてありますと、神経毒性試験で最小毒性量で何があったのだろうかということがちょっと心配になりますので、つけ加えていただくとありがたいと思います。

○岸分科会長 今の点は、これからこういう形で安全係数1,000、最小毒性量を用いたことによる追加の係数というときに、情報がもう少し欲しいということなのですが、お願いできますでしょうか。

○事務局 食品安全委員会の資料には詳しく記載しておるのですけれども、こちらはかなり要約されていますので、追記することを検討させていただきたいと思います。

○岸分科会長 よろしくお願いいたします。

 そのほか、よろしゅうございますか。先ほど若林委員がお尋ねになったメトラフェノンのホップの件は何かわかりましたか。

○事務局 メトラフェノンについてなのですけれども、先ほど御説明させていただきました参考資料をごらんいただきたいのですけれども、5-4ページの中ほどにホップの使用方法が記載されております。こちらは使用回数2回で、最後の使用が収穫3日前までに使用ということで、収穫当日まで使うような作物もございますけれども、3日前ということで、比較的、収穫までの日数が短い使用方法でございます。

 それから、資料5-16ページになりますけれども、ホップの作物残留試験の結果を記載しております。かなりばらついておりまして、ばらつきが大きくなると、確認とれませんけれども、アメリカのデータですので、OECDカリキュレーターとか、NAFTAカリキュレーターとか、国際的に使われているような計算方法でもって基準値を計算するのですけれども、そのときにばらつきが大きければ基準値も大きくなるという、計算方法の性質上、そうなってしまいますので、結果としてホップに非常に高い基準値が設定されていると考えられます。また、乾燥した検体も、残留試験結果になっておりますので、乾燥しますと水分が抜けまして濃縮されますので、その分、高くなっているのかなということも推測されます。

○岸分科会長 若林委員、いかがでしょうか。

○若林委員 ホップに70ppmという基準値を設けたとしても、ヒトへの安全性に対して特に懸念がなければ。ちょっと高かったものですから、気になって質問しました。

○事務局 暴露評価の結果としましては、TMDI試算で4.1%ですので、特に健康への懸念はないと考えております。

○岸分科会長 よろしゅうございますか。そのほか、何かございますでしょうか。

委員の皆さんから、御専門の立場で御質問ありましたが、情報があったほうがいいと思われるもので可能なものはぜひ今後の審議で追加していただければありがたいと思います。

 それでは、さらにの御質問はございませんか。ほかに格段の御意見がないようでしたらば、分科会としては、これで了承にしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。また、パブリックコメントの結果につきましては、分科会の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。そのほか、経緯につきましても、次回以降、この分科会で御報告するようにいたします。

 それでは、審議事項の2に移らせていただきます。「告示試験法の設定について」、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 続きまして、動物用医薬品でございますブロチゾラムの試験法につきまして御説明させていただきます。資料1の18ページをごらんください。

 ブロチゾラム試験法につきましては、まず、ブロチゾラムですけれども、牛の疾患における食欲不振改善の補助を目的として、日本及びEU等で用いられております。暫定基準の見直し、製剤の再審査のため、食品安全委員会においてADIが設定されましたけれども、0.013μg/kg体重/dayと、非常に低い値が設定されております。そのため、適用のある牛の筋肉等の食用部位の基準値を見直すとともに、ほかの畜水産物につきましては、不検出とすることとされております。従来から、不検出基準が設定された場合には、試験法の検出限界により規制が行われることから、規格基準の改正と同時に試験法を告示しております。そのため、ブロチゾラムについても試験法開発が終了したことから、本試験法について御審議いただくものです。

試験法についてですけれども、分析対象化合物はブロチゾラムとしております。試験法の詳細につきましては、資料21ページからの答申(案)にお示ししております。

 概要は、18ページに記載しておりますけれども、乳、卵及びはちみつの場合は、資料よりアセトン及びn-ヘキサンの混液で抽出し、2種類のミニカラムで精製後、LC-MS/MSで分析を行います。また、筋肉、脂肪、魚介類等の場合は、ミニカラムによる精製前に酢酸エチルへの転用及びアセトニトリル/ヘキサン分配による脱脂を行います。この試験法における検出限界は0.005mg/kgとなっております。

告知または通知試験法の開発におきましては、試験法検討会を開催しまして、十分な精度が得られているかなどを確認しております。その一部が真度及び精度の評価でございます。本試験法につきましては、3機関において10種類の畜水産物について標準溶液を添加し、試験を行っております。その回収率とばらつきを求めて評価しております。その結果は、20ページの別紙1にお示ししております。真度及び併行精度ともに全て目標値を満たしておりました。

御説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、分科会で審議に入ります前に、部会の審議の状況につきまして、分科会長、大野先生、何かございましたら、報告をいただけますか。

○大野委員 これについては特に追加することはございません。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、分科会の委員の皆様方から、御意見とか、御質問とか、いただきたいと存じますが、いかがでしょうか。何かございませんか。どうぞ。

○河野委員 非常に初歩的なことなのですけれども、今回、ブロチゾラム試験法案がここで決定された後に、今から6年ほど前に食品安全委員会が食品健康影響評価として、一日摂取許容量0.013μg/kg・体重/dayという、この数値が、いわゆる実効性を持つということでしょうか。これは数字は示されているのですけれども、あくまでもこれを担保するために今回の試験法を開発するまで待っていたという理解でよろしいでしょうか

 

○事務局 基準値の審議は平成21年に行われております。そのときに不検出という基準が決まりましたので、試験法の開発を行っていたところです。ただし、告示試験法は今回開発したのですけれども、これまでも通知で試験法は出されておりましたので、全く監視指導がなされていなかったわけではなく、その通知試験法をもとに試験はできる状態でございました。

○岸分科会長 河野委員、よろしいですか。

○河野委員 はい。

○岸分科会長 どうぞ。

○倉根委員 20ページに3機関でのデータがあるのですが、これは、3つの機関にどこかの機関から全く同じものを送ってやっているのですか。どの段階のものを各機関に送っているのですか。

○事務局 こちらは、標準品を添加した試料を分けているのではなく、各機関が試料、肉とか魚を購入しまして、それに各自調製した標準溶液を添加して試験を行っております。

○倉根委員 そうすると、もともと各施設が買ったものが同一だという保証はないわけですね。

○事務局 そうですね。試験法の頑健性と言いますが、検査機関ごとの少しの差ですとか、サンプルの、例えば、牛肉であれば、少し脂が多いとか、少ないとか、そういう差が試験の結果に影響するようでは、非常に不安定な試験法ですので、不安定かどうかを確認するためにも、3機関で、全く違う条件でやっているという状況でございます。

○倉根委員 そうすると、どういうものを買うというか、どういうものをサンプルとしろという基準もあるわけですね。

○事務局 この場合は、牛の筋肉とか、はちみつとか、市販のものを購入いただくことになります。

○倉根委員 現実はわかりましたけれども、通常、そういう形でやることになっているのですか。

○事務局 はい。

○岸分科会長 何か追加いただけますか。

○大野委員 ちょっと疑問に思ったのですが、この試験法についてはよくわからないのですけれども、ものによっては、精度管理する機関がございまして、食薬センターとか、そういうところが中心になってやることが多いと思うのですけれども、そこから標準サンプルを、あるいは未知検体を送って検査することもあるのではないかと思いましたので、内輪で確認していたところです。失礼しました。

○岸分科会長 倉根委員、よろしいでしょうか。今、大野部会長からおっしゃられましたように、この試験法とはまた別に、再現性とか、いわゆる真値にどれだけ近いかという別の試験法もあるという御説明でした。

○大野委員 農薬の分析というのは非常に重要なことなので、精度管理が、JECFAとか、そういうところでも重視されていると思うのですね。そういうことで、衛研の食品部が中心になって、そういうプログラムに対して、食薬センターと協力して、また全国の衛生研究所とも協力していただいてやっていると伺っています。ただ、全部でなく、どこまでやるか、そこまで詳しくはわからないのですけれども。

○岸分科会長 ありがとうございました。

○川西委員 ちょっとよろしいですか。私もこの問題に関してエキスパートではありません。ただ、私が知っている限りだと、多分、各研究機関でドランクサンプルは自分で用意するという考え方がとられていると思います。ただ、地方衛研などの集まりで、どこかが集中的にやってくださいという要望はあるようです。ただ、今は、原則はそれぞれの機関がドランクサンプルも用意してというのが基本だと私は聞いています。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、そのほか、御意見、御質問等ございますでしょうか。もしほかにないようでしたらば、告示試験法の設定につきまして、分科会として了承ということにしたいと思います。いかがでしょうか。

ありがとうございます。それでは、事務局には、答申に向けた準備を、手続を進めていただきまして、パブリックコメントの見解につきましては、分科会の皆様に送付して御確認いただくという、いつもの手順でございます。そのほか、経過につきましては、次回以降、本分科会で報告をいただきます。

 それでは、次の審議事項に移らせていただきます。「食品添加物の指定等について」でございます。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、添加物としての新規指定及び規格基準の設定等に係る品目としまして3品目、事務局から御説明をさせていただきます。お手元の資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。

 まず、1品目目でございます亜セレン酸ナトリウムにつきまして御説明をさせていただきます。資料1の24ページをごらんください。

 本剤につきましては、事業者からの申請等に基づきまして指定等の手続を進めてきた品目となります。亜セレン酸ナトリウムの構成成分でございますセレンでございますが、天然には魚介類、肉類等の食品に含まれております。また、グルタチオンペルオキシダーゼ等のセレンを含むタンパク質は種々の生理機能に重要な役割を果たしていることが知られてございます。今回、セレンの栄養強化剤として、粉ミルクに対して使用を認めてほしいという要請がなされているものでございます。

 ただいま申し上げました粉ミルクにつきましては、生まれてから9カ月ぐらいまでに飲む乳児用調製粉乳、9カ月以降の離乳食を開始された赤ちゃんが飲むフォローアップミルク、あと、乳糖不耐症等で粉ミルクが飲めないような赤ちゃんが飲む特殊医療用調製粉乳をまとめて粉ミルクと呼ばせていただいております。現在、粉ミルクに対してのセレン添加が認められておりませんが、粉ミルクの中でも、特に特殊医療用調製粉乳中のセレンの含有量が少ないということがございまして、特殊医療用調製粉乳を摂取した乳幼児におきまして、体重増加不良、脱毛、心電図異常等が文献等で報告がされているところでございます。

 なお、このような状況を踏まえまして、日本小児科学会よりセレンの添加について要望がなされているところでございます。

 続きまして、諸外国の状況でございます。24ページの中ほどからでございます。コーデックスでは、乳児用の調製乳の推奨含有量100kcal当たり1μg以上としております。推奨量の上限値は設けられておりませんが、十分に科学的根拠が確定していない栄養素についての上限目安量としまして、100 kcal当たり9μgが基準として設けられてございます。

 米国では、乳児用調製乳に対して、100 kcal当たり中2.07.0μgの添加を義務づけており、EUにおきましても、乳児用調製乳に対しまして、100kcal当たり1~9μgの含有を義務づけているところでございます。

 続きまして、食品安全委員会における食品健康影響の評価でございますが、亜セレン酸ナトリウムのセレンに関する「0カ月児~2歳児までの摂取量の上限値」を一日体重当たり5.9μgと設定しております。

 続きまして、24ページから25ページにかけまして、摂取量の推計でございます。乳幼児期における哺乳量、セレンの添加量等から推定を行い、一日1人当たりの摂取量を0~5カ月児、6~11カ月児、1~2歳児でそれぞれ算出をしておりまして、29.6μgラム、49.2μg61.3μgと推定がされております。

以上を踏まえまして、使用基準案を25ページにお示しをしております。非常に長い記述になっておりますが、対象食品としまして、先ほどから御説明をさせていただいております粉ミルクを対象としているものでございます。また、使用基準の上限としまして、100kcal当たり5.5μgを設定したいと考えております。

成分規格案につきましては、26ページから28ページにお示しをさせていただいているところでございます。

25 ページにお戻りいただきまして、意見聴取の状況でございますが、WTO通報、パブリックコメントを今後実施する予定としております。

答申案につきましては26ページ上段に記載をさせていただいているとおりと考えております。

亜セレン酸ナトリウムにつきましては以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

こちらは、本件に入ります前に、部会での審議の状況を、部会長の若林先生、お願いいたします。

○若林委員 今、事務局から説明があったとおりですけれども、セレンは、特に幼児の疾病に関連しているものですので、そういう点からも、日本小児科学会からの要望があるものでありますので、その点を踏まえて御審議いただければと思います。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 分科会の先生方からの御意見、あるいは御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。大澤先生、どうぞ。

○大澤委員 大澤でございます。

 乳児のミルクにこれが添加できるようになることは非常に重要なことでございまして、パブリックコメントが早く終了して、早く実施可能になることを願っております。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 小児科の御専門の立場での御発言でございます。そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。

○毛利委員 すみません、わからないので教えてください。これは対象が粉ミルクだけになっていて、基準案等々の、粉ミルクと限定したときには、100キロカロリー当たり幾らという表記です。それに対して、食品安全委員会のものは、mg/kg体重/dayという表記になっております。これはもちろん換算してやられているのだとは思いますが、どうして違う単位にされているのか、教えてください。

○岸分科会長 この点、いかがでしょうか。

○事務局 御質問ありがとうございます。

まず、単位が違うというところでございますが、今回、100キロカロリー当たり中とさせていただいておりますのは、コーデックスでも100キロカロリー当たり中とさせていただいていることが1つございます。

また、今、御質問のございました換算につきましては、今回、分厚い資料のほうの、参考資料の亜セレン酸ナトリウムのところでございますけれども、1-55に換算の仕方をお示しさせていただいているところでございます。こちらで単位を食品安全委員会で出ておりますような、一日1人当たり何マイクログラムという計算を算出させていただいているものでございます。

○毛利委員 基準値としては、諸外国、コーデックス等の表現と同じ100キロカロリー当たり幾らということで決めるということですね。

○事務局 おっしゃるとおりでございます。

○毛利委員 わかりました。ありがとうございます。

○岸分科会長 何か御質問等ございますか。ないようでしたらば、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。パブリックコメントの結果につきましては、また御確認をお願いいたします。そのほか、経過については、今後の分科会で報告することになります。

 それでは、次に進めさせていただきまして、食品添加物の2剤目、過酢酸製剤でございます。お願いいたします。

○事務局 それでは、過酢酸製剤につきまして御説明をさせていただきます。資料1-29ページをごらんください。

過酢酸製剤につきましては、過酢酸、酢酸、過酸化水素、HEDPを構成成分とします殺菌料製剤でございまして、対象とする食品によりましてはオクタン酸を混合する場合がある製剤でございます。この過酢酸製剤につきましては、前回の本分科会におきまして御審議をいただきまして、指定等について御了承いただいたところでございます。その後、分科会で御了承いただきまして、パブリックコメント等の手続を進めていたところでございますが、当初の申請者とは異なる要請者から別途要請があったということがございまして、改めて御審議をいただくものでございます。このため、前回御審議いただいた箇所から変更のある箇所を中心に御説明をさせていただければと考えております。

 まず、資料の33ページの使用基準案をごらんください。変更のあった箇所に下線を付させていただいておりますが、当初、過酢酸製剤の使用基準の中の過酢酸の使用量といたしまして、牛、豚、鳥の食肉に対して過酢酸として220ppmという基準値を設けておりましたが、食鳥肉については2,000ppm、牛と豚の食肉については1,800ppmという基準案に変更させていただいております。同じく、下のほうにございますが、HDEPにつきましても、当初、牛、豚、鳥の肉に対しまして13ppmという基準値を設けておりましたが、鳥の食肉につきましては136ppm、牛、豚の食肉については24ppmという基準案に変更させていただいております。

 なお、その他の使用基準案ですとか、製造基準案、成分規格案につきましては、前回からの変更はございません。

 その上で31ページにお戻りいただきまして、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございますが、前回からの評価結果の変更はございませんで、過酢酸製剤につきましては、各成分が添加物として適正に使用される場合、安全性に懸念はないという評価がされております。

 続きまして、32ページにございます摂取量の推計について御説明をさせていただきます。過酢酸、過オクタン酸、過酸化水素のいわゆる過酸につきましては、新たに残留試験が提出されておりまして、その試験結果を踏まえますと、こちらの使用基準を上げることに伴う摂取量の変更はないという判断がなされてございます。

続きまして、HDEP

、オクタン酸、酢酸につきましてでございますが、

過酢酸中のHDEPの濃度と処理後の食肉、食品に含まれるHDEPの濃度について、直線関係にあることが報告されておりまして、それに基づきまして、それぞれの残留量の推計が再計算されております。その結果、HDEP、オクタン酸及び酢酸の推定一日摂取量は、それぞれ

0.024mg/kg

体重/day0.0062mg/kg体重/day14.49mg//日とされております。

なお、酢酸につきましては、食品由来の摂取量が一日1人当たり0.44グラムと見積もられておりまして、相当に多い量を食事由来で摂取することにされております。

 意見の聴取の状況でございます。33ページでございますが、WTO通報、パブリックコメント等、今後実施する予定としております。

 以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 この過酢酸製剤につきまして、部会長の若林先生、何か御追加ございますか。

○若林委員 事務局から説明がありましたように、この過酢酸製剤自身に関しましては、前回、この分科会で審議していただいたものです。今回は、食肉に対して、少し量を多くすると、残留性、安全性、有効性等に関して問題がないかということだと思うのですけれども、説明がありましたように、食肉に対する殺菌性ですとか、有効性に関しては、ワンオーダー上がって、きれいに殺菌性が強まりますし、残留性、安全性の面からも問題ないという意見が多かったということです。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、分科会の委員の皆様、質問、御意見等ございますでしょうか。毛利委員、どうぞ。

○毛利委員 使用基準案ですけれども、濃度等はきちんと記載されていますが、浸漬とかの時間が指定されていません。時間が長くなれば蓄積量が多くなると考えられますが、そのあたりはどのように基準案をつくられるのでしょうか。○事務局 御質問ありがとうございます。

 まず、こちらの使用基準案につきましては、米国での使用基準に基づきまして、このような案とさせていただいております。

 また、今回使用対象となります過酢酸につきましては、不安定な物質ということで、食品に接触することによって速やかに酢酸と水に分解するということで、基本的に残留はしないものという形で、アメリカですとか、コーデックスでも評価がされているものでございます。

○毛利委員 濃度との直線関係があるとここに記載されていますけれども、となると、浸漬する時間が長くなれば多く残ってくると考えられますが、浸漬時間の基準は決めなくてよろしいのでしょうか。○事務局 先ほどの御質問に対する御回答として少し足りなかった部分がありますので、追加で補足させていただきますと、過酸化水素につきましては、使用基準で最終製品完成前に分解・除去しなければならないとなっておりますので、過酸化水素は除くことが使用基準上求められているという形になっております。基準がないものについても、必要な目的で最低限必要な量を使うというのが添加物としての基本となっておりますので、適切に使っていただくことを前提として求めるという形になりますので、過酢酸製剤についても、アメリカ等でも特に時間の指定等はないことから、このような形で適切にお使いいただくことをお願いする形になろうかと思います。

○毛利委員 一般的に、濃度と時間があってしかるべきかなと思います。もちろん、長く漬けたら、その分だけ、肉の表面等々が変質して使えなくなるということがあるのだろうと思いますが、すると短い時間でもいいということも起こってくるわけで、そうすると、逆に効果として不十分な可能性も出てくるのではないかと懸念いたします。○事務局 基本的には有効性というのを当然、部会の中でも御審議いただいておりまして、その中で有効性があるとはお示しをさせていただいておりますが、実際、有効な部分は、例えば、製造業者から、殺菌料を使う方に対して、使用方法とかで情報提供していくという形で有効性のある範囲をお示ししていくことになるのではないかと考えております。

○山本課長 つけ加えますなら、先ほど担当が申し上げましたように、過酸化水素については、食品中で残ってはいけないという使用基準がございますので、それが満たされるように、先生が今、おっしゃったような浸漬時間、あるいは接触時間を、事業者、そして、この剤を提供する方、お使いになる方でよく情報を伝達し合って、現場できちんとコントロールして使っていただくような段取りができるように指導もしたいと思いますし、うまく使われるようにしたいと思います。

○岸分科会長 毛利委員、いかがですか。

○毛利委員 効果の点と浸漬時間、そして浸漬時間による残留の関係は少しわかりにくいところがありますので、浸漬時間についても考慮する、もしくは使用基準そのものに入れなくても、指導の中できちんとやっていかれることを希望します。○山本課長 報告書にも、一定の試験の中ででございますが、浸漬時間などが10秒、20秒、30秒等でこういうふうに違うとか、そういったデータも公表されますし、また、施行に当たっての指導の中でも、そういった御意見を踏まえて対応したいと思います。

○岸分科会長 毛利委員、よろしゅうございますか。

○毛利委員 はい。

○岸分科会長 御懸念がある点につきまして、今のお答えのように、施行の段階で問題ないようにしていただければと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 ほかにはいかがですか。どうぞ。

○倉根委員 質問なのですが、過酸化製剤を使う、ある肉ではこうだ、それから、果物ではこうだと、そこに濃度の差があるというのはどういう考えによるのですか。食鳥肉は他のものに比べて問題になる率が高いとか、細菌等の量が多いとか、そういうデータがあって高い濃度を使うということになるのですか。

○事務局 御質問ありがとうございます。

 まず、使う量の差でございますが、脂っこいですとか、食品の特性も一つありますし、食品を処理する行程が各食品で違うところがあると聞いております。要請者に、例えば、鳥、牛、豚で濃度が違うことについて、なぜ違うのかを確認しましたところ、鳥の殺菌行程というのが、過酢酸を使うところでほぼ殺菌をするという、重要な行程の一つであるというところであるのですけれども、牛、豚については、これ以外の殺菌方法も行程の中で含まれているので、鳥ほど高くなくてもいいということを要請者から確認をしております。

○岸分科会長 そのほか、御質問ございますか。どうぞ。

○若林委員 毛利先生の質問ですが、参考資料の中には、先ほどの過酢酸製剤では、15秒ですとか、1分以内でほとんどが死滅するとなっていますので、多分、非常に短時間でできるのだと。

○岸分科会長 ありがとうございました。

○毛利委員 若林先生、ありがとうございました。

○河野委員 過酢酸製剤に関しては、実態として既に輸入品に使用されているという報道があって、2年前の厚生労働省の資料では、過酢酸製剤は国内で食品添加物に指定されるまでの間、輸入は特に安全性の懸念はないと考えられるので、いわゆる輸入販売等への規制は行わないことにして、その間、使用した食品に関しては残留量のモニタリングを行って、定期的に部会等へ状況を報告することにしますという情報を読んだことがあるのですけれども、その点に関して、今、添加物指定の検討をしているのですけれども、2年前に問題となったような製品は入ってきていて、そういったことのウォッチをしているかどうかを教えてください。○事務局 御質問ありがとうございます。

 今、御発言いただいたのは、当時のプレスリリースの内容かと存じますが、そこに記載しておりますように、残留実態調査を25年度、26年度、あと、ことしも実施させていただいておりまして、25年度と26年度の結果につきましては、添加物部会に御報告をさせていただいております。結論から申し上げますと、対象となる、過酢酸を使われていると思われる国々の野菜ですとか、果実、肉について、HDEPとオクタン酸を測定しておりますが、検体数は覚えておりませんが、結論としましては、過酢酸が使われている可能性は低いという結論となっております。

○岸分科会長 河野委員、よろしいですか。

○河野委員 はい。

○岸分科会長 そのほか、ございますか。もしないようでしたら、答申に向けた準備、手続を進めていただきます。これ以降の経過につきましても御報告、よろしくお願いいたします。きょうは本当にたくさんあるものですから、先に進めさせていただきます。

 続きまして、審議事項最後が、「器具及び容器包装の規格基準の一部改正について」でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局 済みません、添加物3品目目について御説明をさせていただきます。

○岸分科会長 ごめんなさい、もう一つありましたね。お願いします。

○事務局 それでは、添加物3品目目でございますが、資料1の46ページをごらんください。次亜臭素酸水について御説明いたします。本剤につきましては、事業者等の申請に基づきまして指定の手続を進めてきたものでございます。

本剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン、以下、DBDMHと略させていただきますが、こちらを水に溶解して得られる次亜臭素酸を主成分とする水溶液でございまして、こちらを殺菌料として用いるというものでございます。

 諸外国の状況でございますが、FAO/WHOの合同専門家会議におきまして、DBDMHDBDMHの分解物でございます5,5-ジメチルヒダントイン、以下DMHと略させていただきますが、トリハロメタン等の副産物について評価がなされておりまして、TDIADIと推定暴露量との比較において十分なマージンが存在することから、有意な健康リスクはないという評価がされております。

 また、コーデックス委員会では加工助剤は添加物として取り扱われていないことから、規格は設定がなされておりません。

 米国では次亜臭素酸水の原料でございますDBDMHにつきまして、使用量等が設定されておりまして、食肉等への表面殺菌の目的で使用がされているものでございます。

 一方、EUでは使用が認められていないものでございます。

 続きまして、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございます。DMH及び臭化物につきまして、ADIをそれぞれ1mg/kg体重/day0.9mg/kg体重/dayと設定し、次亜臭素酸水につきましては添加物として適正に使用される場合、安全性に懸念はないとされております。

47 ページに移りまして、摂取量の推計でございます。残留試験成績の結果及び国民健康・栄養調査の結果から、DMH及び臭化物の推定摂取量は、一日1人当たりそれぞれ0.759ミリグラム、0.974ミリグラムと推計がなされております。

 なお、臭化物につきましては、食品由来の摂取量が一日1人当たり約10ミリグラムとされており、添加物由来に比べ、相当に多い量を食品で摂取しているとされております。

 以上を踏まえまして、食品使用基準の案でございます。47ページの中ほどでございますが、米国での基準を参考にしまして、食肉の表面殺菌の目的でのみ使用を認める案とさせていただいております。使用量につきましても、米国での基準を参考に設定する案とさせていただいております。

 成分規格案につきましては、48ページから50ページにかけてお示しをさせていただいているとおりの案とさせていただいてございます。

47ページに戻りまして、意見聴取の状況でございますが、今後、WTO通報、パブリックコメント等を実施する予定としてございます。

 以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 重要なのを落としそうになりまして申しわけありません。食品添加物の部会の審議の御様子を部会長の若林先生、御説明をお願いいたします。

○若林委員 ジブロモ-5,5ジメチルヒダントイン(DBDMH)が水と反応しまして次亜臭素酸とDMHにできるのですけれども、そのところがもしおわかりにならないようでしたら、参考資料の3-3を見ていただければ。図1のところに書いてありますけれども、DBDMHと水が反応しまして次亜臭素酸、OHBRができまして、そこのブロモが外れたDMHができて、次亜臭素酸、BROHが実際に微生物に働いて殺菌効果を示すという添加物になっていますので、ここのシチュエーションがわからないと理解しづらいと思いまして説明しました。部会では、安全性ですとか有効性等について、特に問題になるような点はございませんでした。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、審議をいたします。御質問とか、御意見とか、ございましたら、どうぞ。

○倉根委員 欧州で認められていないという理由は何でしょうか。

○事務局 御質問ありがとうございます。

 まず、欧州のほうでは、先ほどの過酢酸等も含めて、病原菌を取り除く手法として化学物質をと体に使用するとして、病原菌を減らすということも含めて、手法ということで位置づけられているのですけれども、そちらについては、衛生規則というのが欧州で決められておりまして、EUで認められた化合物を除き、水道水しか、と体の表面の汚染物除去に使えないという形になっているということで、現状、欧州では、次亜臭素酸水については認められていないという状況であるとともに、次亜臭素酸水については、欧州で認めるという形を要請がされていないこともありまして、現状、欧州では認められていないと聞いております。

○岸分科会長 倉根委員、いかがですか。

○倉根委員 何か、欧州での評価で懸念があるのでということではないのですね。

○事務局 後ほど次亜塩素酸ナトリウムのほうで御説明をさせていただくかと思うのですけれども、こちらについては、そもそも要請がされてもいないということで、評価もされていないと聞いております。

○岸分科会長 よろしいでしょうか。そのほか、いかがですか。先生、どうぞ。

○河野委員 本当に初歩的な質問なのですが、先ほどの過酢酸製剤では、食鳥肉のほうが1キログラムにつき2.0グラム以下で、食肉については1キログラムにつき1.8グラム以下という数値で、今回は食肉に関しては0.90グラムで、食鳥肉は0.45グラム以下と、規制量が逆転しているのですけれども、これは効果を考えたり、使用実態を考えてこういう数字になった。当然、対象の薬剤の効果が違っているからと理解すればよろしいのでしょうか。

○事務局 効果となるものが、先ほどですと過酢酸ですし、今回の場合ですと次亜臭素酸、有効臭素という言い方を向こうではしておりますが、そちらがどのぐらい効くかというので、アメリカで基準が設けられているということで、今回は過酢酸についてもアメリカの基準を参考に有効性が認められたということで設定がされているものでございます。

○河野委員 ありがとうございます。

○岸分科会長 若林委員、どうぞ。

○若林委員 追加ですけれども、私どもの部会に鎌田先生と中島先生、微生物にかなり精通されている方がいらっしゃいますけれども、この化合物は効き方が割合シャープであるというコメントをされていらして、確かによく効いているということでした。

○岸分科会長 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。もしほかに格段の御意見ないようでしたらば、答申に向けた準備を進めさせていただくことになります。よろしゅうございますか。

 それでは、先ほどちょっと進めてしまいましたけれども、これで食品添加物の指定等につきましての審議を終わらせていただきます。また経過の御報告、よろしくお願いいたします。

 続きまして、「器具及び容器包装の規格基準の一部改正について」に移らせていただきます。事務局から説明をお願いします。

○事務局 では、資料1の51ページをお願いいたします。御審議いただく内容につきましては、ポリエチレンナフタレート(PEN)を主成分とします合成樹脂製の器具、容器包装の規格基準の設定についてでございます。

構造式については、お手元の資料のとおりでございます。

用途の項にもございますように、現在、PENにつきましては、国内では学校給食、あるいは病院食の食器などに使用されている。また、海外におきましては、飲料用のリターナブルボトルとして使用されております。PENPETに比べまして、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性に優れることから、今後さらに汎用されることが想定されております。PENにつきましては、現在、合成樹脂の一般規格で規定されております。今回、さらに個別基準を設定することによりまして、より一層の安全性を確保するために個別規格の設定に至りました。

お手元の資料の概要のところをごらんください。そこに製造原料ということでお示しをしております。単料体(モノマー)としまして、国内の場合ですと、そこにも記載してございますように、1、2、3を製造原料としましてつくられる。海外においては、4、5、6の化学物質も使って製造するという御報告がございます。また、触媒につきましては、アンチモン系無機化合物、ゲルマニウム系無機化合物が使用されます。添加物につきましては、通常は無色の製剤が多いところですけれども、白色に着色する場合には二酸化チタンを使うということでございます。

我が国の規制の現状でございますけれども、先ほどもちょっとお話をさせていただきましたように、現在の食品添加物の規格基準の合成樹脂の一般規格で規制をされております。

諸外国での規制状況でございますが、EUにつきましては、EUの委員会規則によりまして、食品用途の合成樹脂製品の製造に使用される物質につきましては、モノマーと添加剤が制限をされているところでございます。今回、PENで使用されていますモノマー、それから添加剤等につきましては、いずれも使用が認められております。

それから、米国におきましても、同じように連邦規則集第21巻のところで規制をされておりまして、こちらもモノマー、それから、添加剤については使用できることになってございます。

それから、推定一日摂取量と毒性指標との比較のところでございますが、まず1つ目としまして、モノマーについての見解が述べられております。まず1点目のDMNDCにつきましては、毒性試験NOAEL1,000mg/kg体重/dayというデータが出ております。それから、モノマーにつきましては、溶出試験は不検出でございましたが、検出限界値まで溶出したとした場合の一日摂取量として0.0036mg/kg体重/dayを試算されております。

また、2番目のエチレングリゴールにつきましても、NOAEL、それから、同じように推定一日摂取量は試算されております。エチレングリゴールにつきましても不検出という状況でございますが、DMNDCと同じような考え方に基づきまして一日推定摂取量を試算しております。これによりまして、NOAELとの一日推定摂取量は十分な差があることから、食品安全委員会では、ヒトの健康に影響を与える可能性は無視できるという結果が出ております。

続きまして、3番目のBHENにつきましては、暴露データ、それから、溶出試験に関するデータは若干不足している中で、入手できた溶出試験におきまして、そのデータからしますと、最大で検出限界値程度であると。1ppb程度のものであったということ。それから、BHEN自身はDMNDCとエチレングリコールのエステル化合物であることから、両製剤がヒトの健康に影響を与える可能性がないことからも、BHENにつきましては、同様にヒトへの健康影響についての可能性は無視できるという評価結果をいただいております。

続きまして、触媒につきましてでございますが、アンチモン系無機化合物につきましては、TDIが6μg/kg体重/dayというデータがありましたので、そこにお示ししております。それと、溶出、推定の一日摂取量が1.8、それから、自然界、あるいは食事からの摂取によって暴露される量としまして1.7μg/kg体重/dayと。この両方を合わせまして3.5という数字と、TDIの差が十分あることから、これについても食品安全委員会では、ヒトへの健康影響については無視できるという見解になっております。

ゲルマニウムについても同様な考え方に基づきまして、ヒトへの健康影響はないということでございました。

添加剤の二酸化チタンにつきましては、溶出データがなかったということではございますけれども、水、塩酸、硝酸、アルコールには溶けないことが知られていることから、食品への溶出量は低いと考えられるということでございます。

これらの結果から、食品安全委員会における食品影響評価結果といたしまして、53ページの頭のところになりますけれども、PENを主成分とする合成樹脂の器具、また容器包装の使用に際して、ハザードとなり得る物質全てについて、十分な科学的データを得ることはできなかったという現状はございますけれども、PENを主成分とする合成樹脂の器具、容器包装については、食品衛生法に基づく個別規格が設定されていないという現状を踏まえると、従来からの使用方法、あるいは使用量の増加がない限りにおいては、規格を新たに設定しても、健康影響を生じるリスクが高まるとは考えられないという食品安全委員会の評価でございました。

これの結果に基づきまして個別規格案について検討いたしました。ハザードとなるものをアンチモン、ゲルマニウム、それから、合成樹脂一般の個別規格として設定されています蒸発残留物について検討いたしましたところ、54ページに答申(案)ということで示させていただいております。

以上でございます。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 ただいまの審議事項、容器包装の基準の設定、一部改正につきまして、部会の審議の状況を、部会長、こちらは大野先生だと思いますが、何か格段の御追加はございますでしょうか。

○大野委員 特に追加することはございません。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 それでは、分科会の委員の皆様、御質問等ございましたら、お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○大澤委員 素人の質問で恐縮ですけれども、実際にこの容器が電子レンジなどで、使ってはいけないという表示になるのかもしれないのですけれども、使われる可能性があるのかどうか、その場合の溶出の可能性はいかがなのか、教えていただきたい。

○岸分科会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。

○事務局 その件につきましては、容器包装に電子レンジ用というような、各事業者が設定されているということであれば、電子レンジ用として使用は可能ということになるかと思います。

○岸分科会長 今のお尋ねは、そういう規則的なことではなくて、実際に市民が容器に入れてぽんと電子レンジに入れる可能性があるのではないかという、その場合に、溶出試験や何かの結果、どの程度安全性が心配ないのだろうかという質問だと思うのですが。

○事務局 お答えさせていただきます。

 基本的には、先ほどお話しさせていただきましたように、業者の責務としまして、電子レンジ用に使えないという表示をまず最初にしていただいて、適切に使っていただくことが大原則ではございますけれども、仮に原則を逸脱して使った場合につきまして、場合によっては溶出というところは認めざるを得ないところもあるかとは思っております。

○岸分科会長 私も52ページのところで、モノマーもそうなのですが、触媒の、例えば、ゲルマニウム無機化合物等についても、溶出試験のデータが、暴露安全性に関する情報が不足していると食品安全委員会が書いてあることに関しては、ちょっと危惧をするのですね。しかも、使われるのが給食用食器とか業務用食器ですから、業者が規制するのとはちょっと違って、市民が使ってしまうかもしれないことが考えられますので、今の答えではちょっと心配な面があるのですけれども、どうですか。

○山本課長 先生方の御意見ありがとうございます。

電子レンジにつきましては、確かにPENも含め、消費者の方が使ってしまうというところについてはあろうかと思います。先ほど担当が御紹介しましたように、事業者の方が、これは電子レンジでの使用も想定して設計しているというものは、逆に積極的に表示とか、アピールをされているものと思います。それ以外のものは、電子レンジに対しては、使える、使えないというのは、消費者の方へも見えないところはございますので、温度とか、そういうところを製品表示で見ていただきながら、消費者の方である程度判断していただくところも必要かとは思っております。

PEN のことに関しましては、確かに消費者の方が使ってしまうことを防ぐとか、そういうわけではないのですけれども、お手元資料の、分厚いほうの資料の参考資料3の16ページ、数字が2つあって、1316というページが振られているところでございますが、そこの上のほうに、日本国内においては、食品用途の使用実態があるのは、学校給食、あるいは云々かんぬん、病院食におけると書いてございまして、その段落の一番下に、給食用食器、あるいは業務用食器については、60度、あるいは50度から60度といった使用温度が想定されていて、また、電子レンジを用いた加熱に使用されることは想定していないとなっておりまして、電子レンジで使ってくださいという材質ではないという前提で事業者の方々がこれを市場に供給していると理解をしていただくのがいいかと思います。

○岸分科会長 どうでしょうね。どうぞ。

○栗山委員 一般市民とすると、書いてある注意をきちんと読んで、きちんと守って、そのとおりに使うというのが、私たち使う側に課せられたことだということが、正式にはおっしゃるとおりだと思うのですが、実態としては、買った当時はすごくそれを気にしていた、あるいは買った人はそれを了解していたとしても、例えば、家の中でなり、だんだんそういうことが薄れると、電子レンジというのは今、最大に使いやすい便利なものでありますし、それから、50度、60度というのは結構中途半端な温度で、入れるものによっては、それ以上、高いものがあって、それは日常生活で使うものとはかなり違った性質のもののような気がするのですね。そうした場合、例えば、全然違うのですけれども、「まぜるな危険」とすごく大きい字で書いてあるような注意書きみたいな、あるいは、これがほかの食器とは特に性質が違うものだということが使用する側に、買った当時だけではなくて、常に理解が行き届くような、区別するようなものはあるのでしょうか。年寄りから子供まで。給食用だから普通には行き渡らないのでしょうか。出ることはないのでしょうか。今、私が申し上げたのは、こういうものが家庭に入り込んできたときに、ほかのものとの区別がしにくいので、主に給食用と書いてあったので、普通の家庭にこういうものが入り込むことはないと考えてよろしいのでしょうか。

○事務局 現在の使用用途としましては、先ほど御説明させていただきましたような、給食用食器というのが多いということでございます。ただ、今後、こういうものがいろいろ製品化されていった場合に、使用用途が広がる可能性はあるかと思います。

先ほどから消費者の使用の方法ということで、本来の使用方法でない使い方をした場合にという観点なのでございますけれども、確かにおっしゃるとおり、その可能性もあるし、そういう危険性もあると、それは重々なお話かと思うのですけれども、そこはいろいろなものについても同じような、この容器包装だけに限らず、使い方はある程度決められたものもあるし、例えば、医薬品についても、ちょっと話は飛んでしまいますけれども、そういう用途も、飲み方もある程度決められているところもありますので、行政側として、あるいは商品の安全性を確保するという意味合いでも、表示というものは非常に大切だということは重々承知しておりますけれども、使う消費者への注意というところは、個人の責任の部分も多少なりともあるのではないかと考えているところでございます。

○岸分科会長 どうぞ。

○栗山委員 個人の責任、いろいろなものに対してあるのは重々承知ですし、承知しているつもりなのですか、医薬品とは全く違う範疇のものだと思うのですね。要するに、日常生活で使うもので、これが給食にしか使われないというものであれば、学校から外に出ないというものであれば、問題はすごく狭まってくると思うのですが、一たん売られてしまったら、私たちが気をつけなくても使えるようにしてよと言うつもりは全くないのですが、それでも危険性は、もしそういう温度で、50度から60度の範囲でしか使えないとか、狭める要件が出てくるようであれば、食器として、今まで制限された用途で使われるものがあったのでしょうか。何か聞き方が変ですけれども、私たちが、食器にはいろいろあって、少なくともガラスを電子レンジに入れてチンするということは、一般の人でも想定しないことだとは思うのですが、そういう緊張の中で使わなければいけないものであるとしたら、ちょっと私は心配なのですが、給食以外のものにも、広く家庭に入り込む可能性があるとしたら、今はかなりのものが電子レンジで使っても大丈夫というのが何となく一般常識化しているような中で、絶対それに使ってはいけないというものが給食以外の家庭の中に入ってくれば、それこそ8090の人もいるわけですし、小さいお子様もいるわけで、それで大丈夫なのかという懸念を私は持ちます。

○岸分科会長 どうぞ。

○山本課長 給食に限るような規制を食衛法でやっているわけではございませんので、広く一般の家庭に入ることも前提に考えていただくのがいいと思いますが、記憶の範囲でございますが、別の法律でも、家庭用品の表示の法律がございまして、そこで電子レンジには使えないという表記をするような規則もあったかと記憶しておりますが、今、手元にございません。また、JISでも、電子レンジ用のプラスチックの容器の規格などが設定されておりまして、140度以上の試験をやって、それに一定の適合の結果が得られなければいけなかったとも記憶しているのですが、あいまいでございますので、そのあたりはまとめて、既存の取り組み、食衛法以外のところも含めて整理をして、先生方に情報をお伝えしたいと考えております。

○岸分科会長 ありがとうございます。

 この点につきまして、52ページ、53ページに書かれています食品安全委員会における食品健康影響評価が、暴露や安全性に関する情報などが不足しているとか、53ページの上段ですと、溶出物質の構造、安全性に関する情報、暴露実態の評価に必要な溶出試験データの評価に必要なデータが不足している、そして、その次の行、従来からの使用方法の変更や使用例の増加等がない限りにおいてリスクが高まるとは考えられないと判断したと、この注釈を食品安全委員会がたくさん書いているときに、いろいろな情報がもうちょっと欲しいと思うのですよ。特に日本のデータでなくても、国外のデータでも結構なのですけれども、そういうのをつけていただくことと、もう一つは、今、委員から御指摘あった、例えば、55度、65度、電子レンジもそうなのですけれども、普通の家庭用の食洗機の温度が、エコのほうで55度ですから、どんどん早く洗いたい人はもっと高い温度で洗っていると思うのですね。いろいろなところからすると、そういう使い方をして、劣化すれば溶出もふえるだろうとか、注釈を食品安全委員会が出していることについて、ある程度の情報があると、私たちもまた、ここはマネジメントをどうするかという委員会ですので、食品安全委員会はデータが不足していると言って、それで済むかもしれませんけれども、ここの分科会は、食品安全委員会の意見も考慮した上で、でも、こういうことはめったにないとか、安全をかけて、それでみんなが納得するという形になるのかなと思うので、そういうのをもう一度出していただくことはできないものですか。

○山本課長 PENの材質規格につきまして、今まで何もないところを規格を立てる、一定のリスク管理を底上げするということを1~2年前からやっておりまして、その過程で、業界などの協力も得て出てきたのが、今のところ、このようなデータの限りでございます。そういう意味で、先ほど電子レンジの使用の件もございましたが、さらにリスク分析、リスク評価が充実するような材料を集めなければいけないとも、重々認識をいたします。一方で、今、一般規格しかない状態はできるだけ早く解消することも、次のステップとしてとっておきたいとも思っておりますので、データの充実は私どもも今後ぜひ取り組みたいと思いますので、それを宿題にさせていただきつつ、それを待たずに、材質規格が少なくとも今よりはリスク管理を上げるという意味で、材質規格の制度だけは導入させていただけないかどうかを御検討いただければ大変ありがたいのでございますが。

○岸分科会長 今、事務局から御説明ありました、材質規格として規格基準を設定することが適当であるということをということなのですね。そうすると、それは実質的には消費者の、委員が言われるように、高齢者だとか、子供だとか、家に持ち帰って使うとかもあり得る、簡単にそういう人が間違えた使い方をすることには結びつかないということなのでしょうか。

○山本課長 少なくとも材質規格がない状態よりはリスク管理が一段上がると思っております。一方で、いろいろな方が製品を手に取る可能性を今回の材質規格で抑えるといったことは難しいと思いますので、それは別途、この材質に限らず、用途別ないしは電子レンジ使用に当たっての、いわゆる食品用容器包装について、一度整理をさせていただきたいと思います。

○岸分科会長 今、河野委員から手が挙がっていますので。

○河野委員 確かに一般消費者がどう使うかというところは非常に問題だと思いますが、今回、ここで検討されていることは、現在の規制状況は一般規格しかないところ、PENに関しては、今回、多少判断は暫定的なものがあるにせよ、現状よりも一歩しっかりと製造に関する基準を設けて、特に溶出試験もこういう形でやりなさい、蒸発、残留物もこういう形でしっかりとやってくださいということなので、課題はあるにしても、現状よりもリスク低減に向かうのではないかと理解したのですが、そういった理解でよろしいのかどうか、大野先生に伺いたいと思うのです。○岸分科会長 部会長、大野先生、どうぞ。

○大野委員 私も、使用条件とか、溶出試験の条件とか、その範囲内でいいのかということで審議しましたので、今回出されたような形の、いろいろな使用の方法が、電子レンジで使うとか、別の使い方については、考えていなかったので、何ともコメント差し上げられなかったのですけれども、今、課長から言われたみたいに、今までよりはリスクが下がるだろうということは言えるのではないかと思います。ただ、先ほどからいろいろありましたように、一般の人も使う可能性があるということだと、電子レンジで使うことも十分考えられますし、それで使ったら崩れて使えなくなってしまうようなものだったら別なのですけれども、そうではなくて、それでも何とか耐えられるようなものだったらご使用される可能性があるので、それについてはまた検討し直さなくてはいけないのかなと思いました。

○岸分科会長 ありがとうございます。

 いろいろな意見がたくさんありますけれども、懸念というのは、よくわかっていないこともたくさんあるので、その辺のことを、今後、どんな形で整理がつくことができそうですか。それを伺って次に進めたいと思うのですが。

○山本課長 今、材質の規格以外のことで宿題にいただいたような、1つは電子レンジに使える容器は、今、食衛法、あるいはほかの法律で何か対策をとっているかを一度まとめさせていただきたいと思います。用途別の規格もございますが、PENについて、規制を、用途を絞っているわけでもございませんので、電子レンジの既存法、あるいは今後どういうふうにしていくやり方があるかというあたりを一応、整理をして、先生方にも見ていただきたいと、御報告をしたいと考えます。

○岸分科会長 それはぜひお願いしたいと思います。

 それから、私も科学者の端くれなものですから、情報が不足している、不足しているという段階がたくさん書かれているのは、それでいいのかという気がいたしますので、その情報も出していただきたいと思うのですね。申しましたように、国内のデータがないときは国外でも、同じ材質を使って、どういうことが現時点でわかっているのかという整理もぜひお願いします。ない、ないと書かれていて、これでいいですねというのは、なかなか言いづらい面もございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そのほか、どうぞ。

○川西委員 私が申し上げるのは、このものに関して、本当にそうなのかということに関して、100%の自信はないのですが、例え電子レンジでどういう影響が出るかを調べるにしても、今までのものが、規格がばらばらであって、いろいろなものが混在している中でやっていっても、データのばらつきが物すごく大きくなってしまって、恐らく、やはり評価が難しいという話になるのではないかと思うのですね。これは既に使われているという実態があるわけですね。ですから、こういう形でとにかくそろえた上で、それは並行してやるべきだと私は思いますけれども、そういう規格を満たしたものについて、例えば、電子レンジの影響等々を調べていくというようなステップを踏んでいかないと、私の経験から言っても、既に使われているものの規制をどうやるかというのは物すごく難しくて、そのあたりは、私が今、聞いている理解だと、今まで、言ってみたら、そんなにそろえられていない状態で使われていたのだと理解しましたので、こういう規格を満たすもので、その上でどうかということを、これからデータ蓄積するなり何なりすれば、それはまた次のステップのリスクコミュニケーションのためのデータなり、表示なりの参考になるのではないかと思いますので、いずれにしても今回は、こういう規格を設定することに関しては、やらないよりはやったほうがいい。その先を今の時点で全部をセットとしてやらないと一歩も進めませんという話だと、むしろいろいろな問題をおくらせるだけのような印象で聞かせていただきました。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 大変重要な御指摘だと思います。どうぞ。

○栗山委員 今のようなお話も、多分、理解したと思います。理解したかどうかを自分でも確かめたいのですが、今まで、学校給食用食器とか、病院食における業務用食器に規格がないわけではないですね。ここで規格を設定しなくて、いろいろなものが使われるより、規格をとりあえず設定して、使い方などについてはそれからコンセンサスとかいうお話だったと思うのですが、今、こういうものに対して規格がないということなのでしょうか。ごめんなさい、教えていただきたいのですけれども。例えば、用途として、学校給食における食器とか、病院食における業務用食器とか、外食産業における給食用コップとかに規格がないわけではないのですね。ただ、こういう製品に関しては規格がないということなのですね。

○山本課長 この材質にかかわらず、給食用食器とか、病院用食器にかかわらず、全部の食品容器には一般規格がございます。そして、PETとか、材質規格というものもさらにつくられている材質はございます。この材質については、材質別の規格はまだ定まっておりません。

○栗山委員 それで使われているわけではないですね。

○事務局 合成樹脂全般についてですけれども、先ほどもお話しさせていただいたのですけれども、合成樹脂についての一般規格というものがございます。今回、PENを含めまして、もう既に合成樹脂の中でも、PET製剤とか、そういうものにつきましては、PENと同様に個別の規格を設定されております。ですので、今、全般的なものが特定できていない状況で、合成樹脂というカテゴリーで考えるならば、一般規格というものは既に設定はされてございます。

○岸分科会長 よろしいですか。どうぞ。

○大前委員 そのほかの点でよろしいですか。54ページに書いてあるのが別記の規格基準で、溶出試験のゲルマニウムが0.1μg/mlという数字が出ています。前のページで、触媒でアンチモンも使っているのですが、ここにアンチモンが入らない理由がよくわからないのです。なぜゲルマニウムだけ入ってアンチモンが入らないのか、そこら辺、いかがでしょうか。

○岸分科会長 全く別の質問ですが、お願いできますか。

○事務局 アンチモンにつきましては、53ページの個別規格案の(3)のところを見ていただきたいのですけれども、溶出試験のデータ的には不検出という結果でございました。ただ、保守的な一日摂取量を算定する上で、限界値の溶出量があったと仮定をします。それから、使われている食器が全てPENであったと。食べる食品も全てPENの食器に触れるというような保守的な試算をした場合に、一日の推定摂取量が算定されて、それとTDIとの比較からして、十分なマージンがあるだろうということで、今回は設定を見送っております。

○大前委員 それはわかるのですが、規格基準をつくる理由は、例えば、アンチモンにしてもゲルマニウムにしても、たくさん入っていてはいけないということを保証したいということですね。そういう意味で規格基準のゲルマニウム0.1とかという数字をつくろうという話ですね。今、おっしゃったのは、現実的に今まで検出されていないと。ゲルマニウムも検出されていませんね。食べ物のほうからやって、両方足してもマージンが大きいという話ですけれども、マージンが大きいからつくらないというのはおかしくて、何かミスって、アンチモンがたくさん入っているものがあるとまずいわけですね。マージンが大きいからつくらないという理由がよくわからない。アンチモンに対しても、0.1なり、数字はわかりませんけれども、それをつくって、マージンを保証するようなことが要るのではないですか。

○事務局 アンチモンと同様な考え方で、PENの原材料につきましても、51ページにございますような、原材料として、1にありますようなDMNDCとか、エチレングリコール、これらにつきましても、こちらはNOAEL、推定一日摂取量という考え方も用いまして、原材料につきましては、NOAELとの比較ということで十分なマージンがあること、それから、アンチモンにつきましては、NOAELではないのですが、NOAELから用いましたTDIとの比較ということで、そこら辺の十分なマージンがあるという、考え方としては類似の考え方で、アンチモンにつきましても、モノマーと同様に今回は設定は必要ないだろうという判断でいたしました。

○大前委員 そのマージンを保証しなくてはいけないのではないのですか。製品規格をつくるということは、そういうことではないのですか。今、マージンがあるから大丈夫というのではなくて、マージンを保証したいから規格をつくるという考え方ではないのですか。

○事務局 マージンというのは、今回の場合はあくまでも検出していなかったという現実がございまして、ただ、検出していないという状況の中でも、いろいろ検討はしなければならないということでございますので。

○大前委員 それはわかります。ゲルマニウムは検出していませんね。だから、ゲルマニウムだけつくってアンチモンをつくらないというところも余り納得できないですし、アンチモンが今おっしゃった理由でつくらないというのも、それはマージンを保証するという観点からいくと、考え方が逆なのではないかという感じがするのです。両方ともつくらないか、あるいは両方ともつくるかのほうが整合性があるかなという感じがするのですが。

○岸分科会長 61ページでヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考えたと、これはいいのですけれども、今、大前委員が言われているのは、ゲルマニウム、アンチモンについても、基準としてはやはり両方設けるほうが、同じように化学物質ですから、同じように扱うべきなのではないかということなのだと思います。

○事務局 先ほどの一日の摂取量というお話と、それから、アンチモンの場合はTDIと。アンチモンそのものにつきましての毒性的な評価も加味した場合に、アンチモンは水溶性のものであって、経口的にも摂取された場合に、遺伝毒性の試験などから見ても特に問題ないと。毒性試験一般になると思うのですけれども、そちらのデータからも、毒性的な意味合いと、先ほどの摂取量という話、両方加味しまして、アンチモンにつきましては、今回、設置しなかったということで判断いたしました。

○岸分科会長 大前委員、よろしいですか。

○大前委員 つくられることは賛成なのでいいのですけれども、アンチモンとゲルマニウムの扱いが、何か整合性がないなということですね。別にゲルマニウム0.1がだめと言っているわけでは全然なくてですね。

○岸分科会長 ありがとうございます。

 幾つか課題が残っていそうなのですけれども。

○山本課長 もう一つ、先ほど栗山先生に御質問いただいたところで、まだ規格は全然なくて、売られているのかというお話でございますが、もう少し具体に申し上げますと、先ほど一般規格、一般規格と申し上げましたが、この材質にかかわらず、給食用、病院用、あるいは一般の御家庭用という用途にかかわらず、一般規格といたしまして、カドミウム、鉛といったものの溶出試験で一定以下でなければいけない、あるいは溶出試験で重金属や過マンガン酸カリウムの消費量といった、溶出物が基準値以下でなければいけないといったものが全てに共通に適用されております。

○事務局 済みません、58ページをごらんください。一般規格について、どういうものが設定されているか、遅くなりまして申しわけありません。58ページの2の規制状況というところがございますが、そこの表になっているところが一般規格というものでございます。

○岸分科会長 質問された栗山委員、そのほかの先生方、よろしいですか。58ページのカドミウム、鉛、重金属、溶出試験の規制状況、現行法令上の規格はこれなわけですね。どうぞ。

○栗山委員 御説明ありがとうございました。

これは健康被害を著しく起こすようなものですね。それも最初からではなくて、そういう事件が起きてからだったような気がしているのですが、その上を行く基準であるという理解でよろしいですか。物すごく反対するというつもりではないのですが、不安は残りますということで、済みません。

○岸分科会長 どうぞ。

○川西委員 多分、一般論としては、例えば、電子レンジをかけたらまずいよということに関して、まずいということの判断基準として、この規格が守れないようなことになるとまずいよという話になってくるから、とにかく今までの規格に比べると大分整備されたわけですね、今回提案されているPENに関しては。これを基準に、例えば、電子レンジをこうかけたら、これを守れなくなるというような話のときは、そういう使い方はいけないよという基準になるわけで、今のこの規格に関して、先ほどの疑問のような部分は払拭しなくてはならないけれども、多分、電子レンジをかけたときとか、そういうことは、安定性の条件みたいな話にもかかわるところで、この基準を立てた上でいろいろ議論する、また、そのときにいろいろな試験をしてみて、懸念の材料になるようなものがまた見つかってくれば、またプラスアルファしていくということであって、私自身は、これは完全なものかどうかはとにかく、そこは議論すべきだと思うけれども、電子レンジをやったときの条件とか、そういうものを全部考えた上でないと、これは認められないということをやっていると、安全性確保という意味からすると、おくらすだけなのではないかという気がします。

○岸分科会長 ありがとうございます。

 私もそういう点では同感ですが。どうぞ。

○栗山委員 おっしゃるようなことであれば、理解いたします。

○岸分科会長 ありがとうございます。

 容器包装等に関する合成樹脂の問題は、今、あまねく使われていますので、非常に関心が高いところだと思うのですが、随分議論が沸騰いたしましたけれども、最後のあたりで、今、現実には重金属に関してしか現行法令上の規格がないのに比べると、前進ということは私も理解しているのですが、もう一度繰り返しになりますが、いろいろなデータが不足しているということを、さらに何らかのことを出していただくことによって、温度をかけた場合にどうかとか、劣化した場合にどうかとか、正規の使い方でないことがある場合の注意事項をどうするかとか、コミュニケーションも含めまして、可塑剤とか、PENのような比較的しっかりしているものばかりでないものもかなり使われていると思いますので、容器包装資材に関しまして、私ども委員が現状も把握できて、事務局が努力して出されたことに対しても、どう考えたらいいのかということが理解できるような形で、次回以降、どこかで、余り遅くならないときに出していただけないでしょうか。そうしますと国民も安心して我々の議論を聞くと思いますので。

○山本課長 承りました。

○岸分科会長 よろしくお願いいたします。

大変時間がかかってしまいまして申しわけございませんでした。現在の点につきましても答申に向けた手続を進めていただきますが、パブコメの結果等につきまして、市民もいろいろなことを考えていると思いますので、私たちも確認させていただきたいと思います。この後も報告、ぜひよろしくお願いいたします。

 「報告事項」に移らせていただきます。事務局からお願いします。

○事務局 それでは、報告事項といたしまして、農薬等の基準について御説明させていただきます。農薬10剤、動物用医薬品5剤についての御報告になります。資料2の1ページをごらんください。

 1剤目は、アシベンゾラル-S-メチルという農薬でございます。本剤はインポートトレランス申請によりまして基準を設定するとともに、暫定基準の見直しを行うものでございます。

ベンゾチージアゾール系の殺菌剤でございまして、国内での登録はございません。JMPRにおける評価や国際基準の設定はなされていませんが、欧米等においては基準が設定されております。

食品安全委員会においては、ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量をもとにADI0.077mg/kg体重/dayと設定されております。また、ARfDにつきましては、ラットの単回強制経口投与のデータをもとに、発生毒性試験ですけれども、安全係数100としまして、0.5mg/kg体重が設定されております。

基準値案につきましては、残留の規制対象をアシベンゾラル-S-メチル及び抱合体を含む代謝物Bとしまして、3ページに基準値案をお示ししております。

これらの基準値案により暴露評価をTMDI試算で行いますと、幼小児で5.8%のADI占有率となっております。短期暴露評価は、短期推定摂取量がARfDを超える食品はございませんでした。

5ページに移りまして、2剤目のアミスルブロムについて御説明いたします。本剤は、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴い基準値設定の要請があったものです。

スルファモイルトリアゾール骨格を有する殺菌剤でございまして、国内では既に多くの農作物に適用がございます。JMPRにおける評価はございませんけれども、欧米においては基準が設定されております。

食品安全委員会におけるADIの評価は、前回の評価から変更はありません。今回、ARfDが新たに評価されております。ARfDですけれども、単回経口投与等により生ずる可能性のある毒性影響に対する無毒性量がARfD設定のカットオフ値の500mg/kg体重以上であったことから、設定の必要なしとされております。

基準値案ですが、残留の規制値対象をアミスルブロムとしまして、7ページに基準値案をお示ししております。

この基準値によりまして暴露評価をTMDI試算で行いますと、幼小児で39.6%のADI占有率となっております。

9ページを開いていただきまして、3剤目、イソキサフルトールでございます。こちらはインポートトレランス申請による基準設定依頼がございました。

イソキサゾール骨格を持つ除草剤でございまして、国内での登録はございません。2013年にJMPRにおける評価が行われ、トウモロコシや畜産物にコーデックス基準が設定されております。欧米等におきましても基準値が設定されています。

食品安全委員会においては、ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量をもとに設定されておりまして、こちらは前回の評価から変更はございません。今回、ARfDが新たに評価されまして、こちらは設定の必要なしと評価されております。

基準値案は残留の規制対象をイソキサフルトール及び代謝物Bとしまして、11ページの別紙1に基準値案をお示ししております。インポートトレランス申請のあった大豆のほかに、畜産物でコーデックス基準を採用する案としております。

これらの基準値案により、暴露評価をTMDI試算で行いますと、幼小児で11.1%のADI占有率となっております。

続きまして、13ページ、4剤目のエトフェンプロックスでございます。こちらは農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴い基準を設定するものです。ピレスロイド用の活性を示す殺虫剤でございまして、我が国では、米、キャベツ、リンゴなどに基準が設定されております。2011年にJMPRにおける評価が行われ、コーデックス基準が設定されており、欧米等においても基準が設定されております。

食品安全委員会においては、ADIの評価は前回から変更はございません。ARfDが新たに評価されておりまして、ウサギの発生毒性試験をもとに1mg/kg体重と設定されております。

基準値案は残留の規制対象をエトフェンプロックスとしまして、15ページより別紙1として基準値案をお示ししております。適用拡大申請に伴いまして、その他の穀類及びブロッコリーに新たに基準を設定する予定です。

これらの基準値案により、暴露評価をADI試算で行いますと、幼小児で68.8%のADI占有率となっております。短期暴露評価は、短期推定摂取量がARfDを超える食品はございませんでした。

続きまして、21ページ、シクロプロトリンでございます。本剤は農林水産省より魚介類の基準設定の要請があって基準設定を行うとともに、暫定基準の見直しを行うものでございます。

ピレスロイド系の殺虫剤でございまして、国内では稲に適用がございます。国際基準や欧米等における基準は設定されておりません。

食品安全委員会におきましては、マウスの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量をもとに0.085mg/kg体重/dayADIが設定されております。ARfDにつきましては、マウスの一般薬理試験で得られた無毒性量がカットオフ値以上であったことから、設定の必要なしと評価されております。基準値案ですが、残留の規制対象をシクロプロトリンとしまして、22ページより別紙1として基準値案をお示ししております。米の基準値を見直し、ほかの暫定基準については削除する案としています。これらの基準値案により、長期暴露評価をTMDI試算で行いますと、幼小児で1.4%のADI占有率となっております。

続きまして、26ページ、ジフェノコナゾールです。本剤はインポートトレランス申請により基準値を設定するものでございます。

トリアゾール系の殺菌剤でございまして、我が国では大豆、トマト、リンゴなどに適用がございます。2007年にJMPRによる評価が行われ、コーデックス基準が設定されており、欧米等においても幅広い農作物に基準が設定されております。

食品安全委員会における評価につきましては、ADIの値は前回の評価から変更ございません。ARfDが新たに評価されておりまして、ラットの急性神経毒性試験をもとに0.25mg/kg体重と設定されております。

基準値案は残留の規制対象を、農産物はジフェノコナゾール、畜産物はジフェノコナゾール及び代謝物Dとしております。28ページより別紙1としまして基準値案をお示ししております。

これらの基準値案により暴露評価をEDI試算で行いますと、幼小児で47.5%のADI占有率となっております。

短期暴露評価は、短期推定摂取量がARfDを超える食品はございませんでした。

続きまして、34ページ、チアメトキサムになります。本剤はインポートトレランス申請により基準を設定するものでございます。

ネオニコチノイド系の殺虫剤でございまして、我が国では、米、レタス、イチゴなどに適用がございます。2010年にJMPRにおける評価が行われまして、コーデックス基準が設定されております。欧米等においても基準が設定されております。

食品安全委員会においては、ADIは前回の評価から変更はございません。ARfDが新たに評価されておりまして、ウサギの発生毒性試験の無毒性量をもとに0.5mg/kg体重が設定されております。

残留の規制対象はチアメトキサムとしまして、36ページより別紙1として基準値案をお示ししております。

これらの基準値案により、暴露評価をEDI試算で行いますと、幼小児で34.8%のADI占有率となっております。短期暴露評価は、短期推定摂取量がARfDを超える食品はございませんでした。

続きまして、8剤目、ピロキロンになります。43ページになります。こちらは農林水産省より魚介類の基準設定の要請がございまして、基準設定を行うとともに、暫定基準の見直しを行うものでございます。

本剤はキノリン系の浸透移行性殺菌剤でございまして、国内では稲に適用がございます。国際基準や欧米等における基準は設定されておりません。

食品安全委員会においては、ラットの2世代繁殖試験の無毒性量をもとに0.019mg/kg体重/dayというADIが設定されております。また、ARfDにつきましては、マウスの一般薬理試験で得られた無毒性量をもとに0.2mg/kg体重が設定せれております。
体重が設定されております。

基準値案につきましては、残留の規制対象をピロキロンといたしまして、44ページに基準値案を示しております。

これらの基準値案により、長期暴露評価をTMDI試算で行いますと、幼小児で8%のADI占有率となっております。短期暴露評価は、米の短期推定摂取量はARfDを超えていませんでした。

続きまして、46ページ、フェンメディファムでございます。こちらは農薬取締法に基づく新規申請により基準設定をするとともに、暫定基準の見直しを行うものでございます。

カーバメート系の殺虫剤でございまして、我が国ではテンサイに適用がございます。JMPRによる評価は行われていませんが、欧米等において基準が設定されております。

食品安全委員会においては、ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量をもとに、ADI0.046mg/kg体重/dayと設定されております。また、ARfDにつきましては、設定する必要がないと評価されております。

47 ページの別紙1に基準値案をお示ししております。残留の規制対象はフェンメディファムとしております。EUの基準を参照して、テンサイ及びホウレンソウの暫定基準の見直しを行う予定としております。

これらの基準値案によりまして、暴露評価をTMDI試算で行いますと、幼小児で0.8%のADI占有率となっております。

続きまして、49ページ、ベンゾフェナップになります。本剤は暫定基準の見直しを行うものでございます。

本剤はピラゾール系の除草剤でございまして、国内では稲に適用がございます。国際基準は設定されておりませんが、オーストラリアでも米に基準が設定されております。

食品安全委員会においては、ラットの慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量をもとに、ADI0.002mg/kg体重/dayと設定されております。ARfDは設定の必要なしと評価いただいております。

基準値案ですけれども、残留の規制対象物質をベンゾフェナップとしまして、基準値案を別紙1にお示ししております。この基準値案をもとに暴露評価を行いますと、TMDI試算で幼小児で13%のADI占有率となっております。

続きまして、52ページ、ノルフロキサシンです。こちらも暫定基準の見直しを行うものでございます。ここからは動物用医薬品になります。

本剤はフルオロキノロン系の合成抗菌剤でございまして、国内で豚及び鶏に使用が承認されております。国際基準及び欧米等における基準は設定されておりません。

食品安全委員会においては、微生物学的ADIをもとに0.01mg/kg体重/dayというADIが設定されております。

基準値案は、残留の規制値対象をノルフロキサシンとしまして、53ページの別紙1に基準値案をお示ししております。

これらの基準値案により暴露評価をTMDI試算により行いますと、幼小児で0.4%のADI占有率となっております。

続きまして、55ページ、クロルプロマジンでございます。これはポジティブリスト制度導入時に食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として定めたことについて、食品安全委員会の評価結果を踏まえ、見直すものでございます。

本剤はフェノチアジン系の鎮静剤及び制吐剤でございまして、我が国では承認されていません。1991年にJECFAにおいて評価されており、ADI及びMRLは設定できないと評価されております。欧米等の主要国においても基準値は設定されておりません。

食品安全委員会においても遺伝毒性を有する可能性は否定できず、発がん性を有する可能性は判断できないことから、ADIを設定すべきではないとされております。評価結果を踏まえまして、引き続き食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として定めることとしております。

続きまして、13剤目は、56ページのジメトリダゾールになります。本日の審議事項のところでも、5-ニトロイミダゾール類に関して少し御説明させていただきましたけれども、本剤も5-ニトロイミダゾール類に属する寄生虫駆除剤、抗原虫剤でございます。現在、食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として定められておりますけれども、食品安全委員会の結果を踏まえまして、引き続き食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として規制していく予定にしております。

食品安全委員会におきましては、DNAとの共有結合残留物が生成される可能性があること、遺伝毒性を示す可能性を判断することはできず、発がん性が示唆されたことから、ADIの設定に適当なNOAEL等が得られなかったことからADIを設定できなかったと評価いただいております。

規制対象物質についてなのですけれども、これまでジメトリラゾールとしておりましたけれども、残留試験結果におきまして親化合物が検出下限以下となった後にも代謝物Aが残留することから、ジメトリダゾールに加えて代謝物Aも規制対象とする案としております。

続きまして、14剤目、メトロニタゾールについてですけれども、資料は57ページになります。こちらも同じ5-ニトロイミダゾール類に属するものでございます。我が国においてもポジティブリスト導入時に食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として設定されておりますけれども、今回の食品安全委員会の評価を踏まえまして、継続して「不検出」とする成分である物質として定める予定にしております。

続きまして、58ページ、ロニダゾールでございます。こちらも同じく5-ニトロイミダゾール類に属する寄生虫駆除剤、抗原虫剤でございます。こちらも国際的な評価、あるいは食品安全委員会の評価を踏まえまして、引き続き食品中に「不検出」とする農薬等の成分である物質として設定していく案としております。

以上、残留基準の設定についての報告事項になります。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 ただいまの御報告につきまして、委員の皆様から御意見とか御質問ございますでしょうか。ありがとうございました。

それでは、食品添加物3品目につきまして、御報告をお願いいたします。

○事務局 それでは、引き続きまして添加物について御説明をさせていただきます。添加物としての規格基準の改正に係る品目としまして3品目の御報告をさせていただきます。

 なお、3品目まとめて御説明をさせていただければと思います。

 それでは、資料2の59ページをごらんください。亜塩素酸ナトリウムになります。亜塩素酸ナトリウムにつきましては、我が国で昭和38年に添加物として指定されており、漂白剤や殺菌料の目的で使用がされているものでございます。また、亜塩素酸ナトリウムにつきましては、殺菌力等を高める目的で使用の直前に酸と混合しまして、酸性化亜塩素酸ナトリウム、ASCと略させていただきますが、ASCとしても使用がなされているものでございます。今回の使用基準改正は、そのASCを食肉等に対して使用したいということでの要望があったものでございます。

続きまして、諸外国の状況でございますが、JECFAでは、ASCに関しまして、亜鉛酸イオンと塩素酸イオンに対してADIの設定がなされております。それぞれADIとしまして0.03mg/kg体重/日、0.01mg/kg体重/日とされております。また、WHOでは、飲料水質ガイドラインの対象物質として、亜塩素酸のTDI30μg/kg体重/日と設定がされているものでございます。

続きまして、米国では、ASCにつきまして、牛肉、家禽肉等に対して5001,200ppmの範囲で使用が認められております。

一方、EUでは現在、使用が認められてございません。

続きまして、59ページの下のほうでございますが、食品安全委員会における食品健康影響評価でございます。まず、亜塩素酸イオンでございますが、ADIとして0.029mg/kg体重/日と設定がなされております。

60 ページにお移りいただきまして、塩素酸イオンにつきましては、亜塩素酸ナトリウムの添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと評価がされております。

続きまして、摂取量の推計でございますが、既に使用が認められております亜塩素酸水と、今回、使用基準の拡大を行う亜塩素酸ナトリウム由来の亜塩素酸イオンと塩素酸イオンの推計がなされております。残留試験と国民健康・栄養調査の結果から推計を行っておりまして、亜塩素酸イオンと塩素酸イオンの一日体重当たりの摂取量をそれぞれ0.025ミリグラム、0.0008ミリグラムとしております。

以上を踏まえまして、60ページ中ほどにございます使用基準案でございますが、対象食品としまして、食肉及び食肉製品を拡大するとともに、これらの食品に対する使用量等につきまして、米国での使用基準をもとに設定をさせていただいております。

成分規格につきましては、既に成分規格が設定されておりますので、今回の改正に伴う変更はございません。

意見の聴取状況につきましては、今後、WTO通報、パブリックコメント等を実施する予定としております。

続きまして、2品目目でございますが、62ページをごらんください。アスパラギナーゼでございます。アスパラギナーゼはアクリルアミドの生成の原因となりますアスパラギンをアスパラギン酸に加水分解する酵素でございまして、我が国では平成26年に遺伝子改変株AがASP-72株を用いて生産されたアスパラギナーゼが添加物として指定されております。今回、A.oryzaeNZYM-SP株を用いて生産されるアスパラギナーゼについて申請がなされているものでございます。

なお、本品目につきましては、食品安全委員会におきまして遺伝子組みかえ技術に関しての安全性が評価されており、ヒトの健康を損なうおそれがないという評価がなされているものでございます。

続きまして、諸外国の状況でございますが、JECFAでは適正製造規範に沿って適切に製造されたアクリルアミド低減の目的で使用する場合においてADIを特定する必要はないとされております。

続きまして、米国でございますが、米国ではGRASとして使用が認められているほか、EUでは、デンマーク、フランスでは個別に認可されているほか、その他のEUの各国でも使用が可能という状況になってございます。

続きまして、63ページ、上段にございます食品安全委員会における食品健康影響評価でございます。添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないとされ、ADIを特定する必要はないとされております。

続きまして、摂取量推計でございますが、使用される可能性のある食品または食品群の摂取量と残留量から、一日摂取量を114μgTOS /kg体重/日としております。

以上を踏まえまして、63ページ中ほどにございます使用基準案でございますが、消化管内で分解し、アミノ酸や小さなペプチドに分解することが明らかとなっておりまして、食品安全委員会においてもADIを特定する必要はないと評価されていること、また、既に指定されておりますアスパラギナーゼについても使用基準が設定されていないことから、今回の改正においても使用基準は設定しないという案とさせていただいております。

成分規格案につきましては、64ページ以降、70ページまで案を示させていただいております。成分規格につきまして、下線を付した部分が改正の箇所となってございます。

63 ページにお戻りいただきまして、意見聴取の状況でございますが、今後、WTO通報、パブリックコメントを実施する予定としてございます。

続きまして、3品目目でございます。資料は71ページをごらんください。硫酸亜鉛でございます。硫酸亜鉛につきましては、我が国では昭和58年に添加物として指定されておりまして、母乳代替食品の栄養強化の目的で使用がなされているものでございます。今回、ビール等を製造する際のイーストフードとして使用する目的で使用基準の改正が要請されているものでございます。

続きまして、諸外国の状況でございますが、JECFAでは、亜鉛について、最大耐容一日摂取量が暫定的に0.31.0mg/kg体重/日と評価されておりまして、硫酸イオンに関しましては、ADIは特定しないとされてございます。

米国では、GRASとして食品全般に対して、GMPのもと、必要量を食品に添加することが認められており、EUでもビール等に対して使用が認められているという状況でございます。

続きまして、食品安全委員会における食品健康影響評価でございます。硫酸亜鉛の亜鉛の摂取量に関する上限値を0.63mg/kg体重/日と設定されております。

続きまして、摂取量の推計でございますが、添加物由来、食品由来等を勘案しまして、亜鉛の摂取量を成人において0.45mg/kg体重/日としてございます。

以上を踏まえまして、71ページの下から72ページにかけてございます使用基準案でございますが、対象食品を酒税法で定めております発泡性酒類に拡大するとともに、使用量につきまして、発泡性酒類1キログラムにつき、0.0010キログラム以下という案にさせていただいております。

成分規格案につきましては、既に設定されておりますので、今回の改正に伴う変更はございません。

意見聴取の状況でございますが、パブリックコメントについては本日から開始をさせていただいておりまして、WTO通報については今後実施させていただく予定としております。

以上でございます。よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 何か御意見、御質問等ございますでしょうか。どうぞ。

○大前委員 アスパラキナーゼのことなのですけれども、使用目的から言って、当然、加熱をして使うと思うのですが、加熱した後の生成物といいますか、この辺の情報がもし将来的にあれば教えてください。今は結構です。

○岸分科会長 いかがですか。

○大前委員 今はいいです。多分、加熱して、何らかになると変性して、別物になると思うので、それの毒性がちょっと心配かなということで、アスパラキナーゼ自体は全然問題ないと思うのですけれども。

○事務局 確認して御報告させていただきます。

○岸分科会長 よろしくお願いいたします。ほかにございますでしょうか。では、これで次に移らせていただきます。ありがとうございました。

 次は、文書配付による報告事項でございます。これは、事前に委員の皆様のところに資料で配付されていると思いますので、この場で格別な御意見がなければ、いつものように次に移らせていただきたいと存じます。よろしゅうございますか。

ありがとうございました。それでは、「その他の報告事項」、(4)になります。お願いいたします。

○事務局 それでは、資料4の1ページ、平成1923年度の食品中の残留農薬等の検査結果について御報告させていただきます。こちらは、食品中の農薬、飼料添加物、動物用医薬品につきまして、地方公共団体において国内流通品の検査や、検疫所等において輸入食品の検査が監視指導計画に基づいて行われているところでございます。検査の結果、残留基準に適合しない場合には、回収、廃棄等の措置が講じられるほか、必要に応じて農薬等の適切な使用等において指導が行われております。今般、平成19年度から平成23年度に実施されました検査について、地方公共団体及び検疫所から報告があった検査結果を取りまとめましたので、報告させていただきます。

 集計結果につきましては、年度ごとに、全食品及び食品区分、農産物、畜水産物、加工食品の3つですけれども、それらの食品区分における農薬等の検査数、検出数及び基準値超過数を表1に取りまとめております。また、表2から表10ということで、食品区分ごとに、全体、国産品、輸入品の3つのグループに分けまして、検出割合が高い農薬等について、検査数、検出数、検出割合、検出値の範囲を取りまとめております。

 5ページの表1に食品全体における各農薬等の検出率をまとめております。食品全体における検出率は約0.3%でございまして、19年度から23年度までに大きな変動はございません。また、基準値超過件数ですけれども、約0.01%と非常に低く推移しておりまして、我が国で流通している食品における農薬等の残留レベルは非常に低いと考えられます。

 以上、簡単ではございますけれども、検査結果の集計について御報告させていただきました。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 何か御意見、御質問がございますでしょうか。どうぞ。

○河野委員 御報告ありがとうございました。

 まとめとして、基準超過の割合はいずれも低く、流通している食品における農薬等の残留レベルは十分に低いものと考えられるとおまとめいただいているのですが、こうした経年でデータをとられている結果を、何かほかの、例えば、検査等に応用していくといいましょうか、優先順位を決めて、この結果を使っているという例がありましたら、御紹介いただければと思います。○事務局 この結果を各自治体でどう利用しているのかというところまで、詳細にはこちらで把握してはいないのですけれども、自治体の方から、この検査結果を早く公表してほしいという要望をいただくことはありますので、各自治体において参考にしていただいているのではないかと思っております。また、検疫所におきましては、検査結果を踏まえまして、毎年、監視指導計画を立てたり、検査の強化を行っておりますので、そういう検査結果が反映されて検査が行われているものと考えております。

○河野委員 ありがとうございました。

○岸分科会長 そのほか、ございますでしょうか。どうぞ。

○川西委員 今回の報告が19年度から23年度、集計は非常に大変だということがわかるのですけれども、今、平成28年、自分で自分の首を締めることになりかねない質問だなとは思っているのですが、これはどういう事情なのでしょうか。

○事務局 集計が非常におくれているところは申しわけないのですけれども、実は、私ども、以前、集計しているときは、各自治体の方々が集計した結果をそのままいただいておりまして、食品名とかが統一されていなかったのですね。例えば、鳥の筋肉で基準がございますけれども、報告が上がってくるときには、鳥肉とか、鳥も平仮名がったり、漢字だったり、いろいろな字がまざっている。あるいは加工食品で、丸鶏の空揚げとか、商品名みたいなものが入っている場合もございまして、あるいは農作物であれば、その他のキク科野菜というのはどういう野菜が該当するのか、そういうところもある程度専門的な知識が必要になってまいります。こういう集計をするのに非常に時間がかかっておりまして、普通のデータ集計御専門の方には難しいということで、食品衛生、規格基準の知識を持った方にやってもらわないといけないということで、国立医薬品食品衛生研究所にお願いをしたところでございます。それがたしか26年度の初めだったと思うのですけれども、25年度に検査を行ったものからは、もっと効率的に集計ができるように、翻刻様式を作成していただいて、その様式で報告いただくようになっていますので、今後、集計はもう少し速やかにできるようになると考えております。

ただ、今、まだ古い様式のままのものがございますので、その集計についても、国立医薬品食品衛生研究所でやっていただいているところでございます。私ども、マーケットバスケット方式の調査結果については、調査をした次の年度に結果を集計して報告させていただいているのですけれども、こちらの報告もできるだけ同じようなペースで報告していけるように、現在努力しているところでございます。

○川西委員 やはり自分の首を締めたようなところがありますけれども、少ない人数でやっていますので、お許しください。

○岸分科会長 引き続き、よろしくお願いします。ありがとうございました。

 それでは、報告事項の2番目の食品用器具及び容器包装の規制のあり方に関する検討会中間取りまとめ、お願いいたします。

○事務局 資料4の24ページをごらんください。表題に「中間取りまとめ」となっておりますけれども、これは食品用器具及び容器包装の規制のあり方に関する検討会において、平成24年から平成27年までの計8回、検討結果をまとめたものでございます。

「1 はじめに」にもございますように、この検討会では、容器包装に関しまして、欧米での規制が使用可能な物質を示していて、それ以外の物質については原則禁止というポジティブリスト制度を採用しているところでございますけれども、我が国の規制が、先ほどもPENについて御説明をさせていただいたところですけれども、使用を制限する物質について示しているというネガティブリスト制になっているということで、国際的な整合性がとれていないことから、国内外の知見、あるいは技術進歩に関する調査等を行って、器具及び容器包装の規制について、新たな制度設計を検討するために設置された検討会でございます。

この中間取りまとめでは、次のような報告となってございます。1つ目としましては、PL制度の円滑な導入のためには、我が国におけるリスク評価の方法、それから、運用体制の整備、それと器具及び容器包装に使用される原材料等に関する情報の収集が必要であることと、2つ目としましては、法制化に向けて、これらの課題も多いので、これらの検討にも時間を要することであると。このために、この報告書では、PL制度の導入に向けての課題を整理してございます。まず当面として、実施可能なものの対応についても示しているものになってございます。

この報告書の全般につきまして、概要として、1枚紙としてまとめたものが32ページの後のA4の横紙、タイトルが「中間取りまとめ(概要)」という表題になっているものでございます。これの表裏が概要版になってございます。この表の真ん中に、先ほどお話ししましたPL制度への課題の整理ということで挙げられておりまして、その課題に対してどう対応をしていくか、また、その検討の方向性について、右側のカラムでお示しをされております。当面の施策ということで、一番下に書かれてございます。その中では、事業者の自主的管理の推進を図ることから、製造管理に関すること、それから、情報伝達に関する自主管理ガイドラインの検討を行い、これについての公表を行う。自主管理ガイドラインについては、業界の自主基準の対象となっている化学物質のリストを添付されております。

この自主管理ガイドラインの進捗状況につきましては、次のページの、ページは振ってございませんけれども、表題としまして「自主管理ガイドラインの検討状況について」でお示しをしているところです。この自主管理ガイドラインにつきましては、そこにも示しておりますように、厚生労働科学研究費補助金事業という位置づけにしまして検討を行っております。研究代表者は国衛研の先生に、それから、協力研究者としまして関連の業界団体の皆様に御参加いただいて検討を行っているところで、既に3回ほど検討を終了しまして、今年度中には検討結果についてまとめていただくことになっております。それを受けまして、先ほどの中間報告にありましたように、ガイドラインの通知化という作業に入っていくことになります。このガイドラインの通知をする作業と並行いたしまして、中間報告にもございますように、PL制度の導入と法制化を含めた制度化につきましては、報告書の、先ほど示しましたように、課題とか、課題に対する検討、それから、方向性を踏まえまして、それらを実行するために調査等を行いつつも、今後また検討を進めていきたいと考えてございます。

以上でございます。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 何か御意見、御質問ございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、牛海綿状脳症(BSE)対策の現状につきまして、御報告をお願いいたします。

○事務局 それでは、報告事項、2つ合わせて行いたいと思います。

1つ目といたしましては、同じく資料4の35ページからになります。BSE対策の現状の進捗の御報告でございます。

まず1つ目、「国内措置」でございますけれども、昨年12月に食品安全委員会に、この矢印の書いてあるところですけれども、諮問を行っております。具体的には、健康牛、健康で48齢を超える牛で検査をしておりますけれども、それを廃止したとき、それから、その下の矢印、SRMの範囲、脊柱、扁桃、回腸遠位部、こういったところはOIEでも無視できるリスクの国ではSRMとして設定されておりませんので、こういったところのリスクの比較をお願いしております。

それから、その下、(2)ですけれども、めん羊、山羊につきましては、本年1月に食品安全委員会から健康影響評価が返ってまいりまして、矢印のところですけれども、現行、12カ月齢以上で検査を行っておりますところ、これを廃止しても、リスクの差はあったとしても、非常に小さいという評価をいただいているところです。これを踏まえまして、関係省令などの見直しをこれから行っていくところでございます。

続きまして、次のページ、「2.国境措置」、輸入になりますけれども、ここ半年ぐらいでもさらに国は解禁を進めておりまして、ブラジル、ノルウェー、デンマーク、それから、先週金曜日にスウェーデンが解禁したところでございます。

BSE については以上でございます。

続きまして、輸入食品監視指導計画。これは毎年度計画を立てて実施を行っているのですけれども、それの今年度分の御報告でございます。39ページをお願いします。今年度モニタリング計画、9万6,000件ということで、前年比1,000件増を計画しております。

主な重要項目としましては、次の40ページでございますけれども、重点的に監視指導する主なポイントといたしまして、例えば、病原微生物に係るモニタリングの検査、それから、残留農薬検査、それから、冷凍食品などの成分規格、これは大腸菌群とか、そういった指標菌の違反の割合が非常に多くなってまいりましたので、こういった検査、それから、BSEに係る対日輸出牛肉の安全性確保、こういったところを重点的に監視指導していく。

それから、次の41ページで、TPP、発行は1年半とか2年とか先かもしれませんけれども、輸入動向をしっかり把握して、監視体制を整備していきたいと考えてございます。

それから、後段ですけれども、輸出国における対策としまして、国内にHACCPを推進しておりますので、輸出国の製造施設に対してもHACCPを推進していくといったことをやっていきたいと考えてございます。

こういった監視指導の計画案につきまして、お手元に1枚配付させていただいたのですけれども、パブリックコメントを先日までとっていたところでございます。合計8の個人・団体から延べ21件の御意見をいただきまして、主な意見としましては、その下に書いてございますけれども、輸入時の監視体制の強化、特にTPPを踏まえた検疫所の監視体制の充実強化、(2)として輸出国国内対策の強化、(3)として国民へのわかりやすい情報提供、リスクコミュニケーションということが御意見としてございます。

そういった御意見を踏まえまして、裏ですけれども、現行の監視計画案に可能な限り反映をしていきたいと考えておりまして、今、ここに5個ございますけれども、例えば、アウトソーシング、民間の検査施設でも可能とするべきですということですとか、INFOSANの緊急時対応など、加盟国間の情報共有を積極的に行うことも重要と考えるといったことに関しまして、現行の監視計画に反映していきたいと考えてございます。

以上でございます。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 何か御質問、どうぞ。

○倉根委員 BSEのところで、2009年から2015年、ほぼゼロというのは、1とか2があったということですか。

○事務局 2015年は平成27年になるのですけれども、2025年5月の評価、未来に向かって評価がされていることと、あとは、これは推計値ですので、発生頭数が、例えば、零コンマ幾つ幾つとなると、リスクがゼロになることは基本的にありませんので、そういう意味でほぼゼロという言葉を使わせていただいているということです。

○岸分科会長 よろしゅうございますか。

 皆様、ありがとうございました。最後に、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、御説明ください。

○事務局 昨年9月29日に開催されました食品衛生分科会において、審議もしくは報告をした農薬等及び添加物の処理状況について御報告させていただきます。資料4の67ページをごらんください。

全部で農薬、動物用医薬品等が18品目、食品添加物が1品目、一番下のところでございます。右端の備考のところに規格基準案の変更の有無について記載してございますが、当初の基準案から変更があった品目はございませんでした。これら19品目につきましては、パブリックコメントにおいて幾つかの品目で御意見をいただきましたが、基準値案の変更が必要な品目はございませんでした。

リストの上から7番目のプロパクロールについては、WTO通報におきまして意見ありとなっておりますが、これは自国の基準値を取り入れてほしいという御意見でございました。ただ、具体的なデータの提供がありませんでしたので、基準値案の変更なしとさせていただいております。

また、一番下の過酢酸製剤につきましては、本日、高濃度品についての審議をいただきましたが、この審議をいただいたということで、1月29日に再度、添加物部会での審議を経て、本日、分科会で御審議をいただいたという経緯でございます。

以上でございます。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 何か質問等ございますでしょうか。もしなければ、きょう、少し時間がオーバーしてしまって大変申しわけなかったのですが、最後に事務局から連絡事項がございますでしょうか。

○堀補佐 次回の分科会につきましては、後日またお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 ありがとうございました。

 定足数のために人数を見ながら、何とかここまで来ました。これで閉会にさせていただきます。非常にグローバルな時代ですので、国民が、いろいろなことを考えていると思いますので、引き続き厚労省の皆様も、私どもも、時間がちょっとぐらい延びてもていねいに審議を行って頑張って前に進めたいと思っておりますので、どうか引き続きよろしくお願いします。どうも本日はありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(食品衛生分科会)> 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会(2016年3月1日)

ページの先頭へ戻る