ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(健康日本21(第二次)推進専門委員会)> 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会健康日本21(第二次)推進専門委員会(議事録)(2015年12月24日)
2016年3月15日 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会健康日本21(第二次)推進専門委員会(議事録)
○日時
平成28年3月15日(火) 10:00~12:00
○場所
厚生労働省 6階 専用第23会議室
○議題
1.各項目の進捗状況について
別表第三「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標」
(1)こころの健康
(2)次世代の健康
(3)高齢者の健康
2.その他
○議事
○古賀課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第6回「健康日本21(第二次)推進専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき、まことにありがとうございます。
厚生労働省健康課の古賀と申します。よろしくお願いいたします。
本日の出欠状況について御報告させていただきます。
本日は、中板委員、樋口委員、深井委員、吉村委員の4名から御欠席の連絡をいただいております。委員17名中13名の御出席を予定しております。
なお、西村委員につきましては、少しおくれるとの御連絡をいただいております。
また、本日の議題の検討に当たりまして、参考人といたしまして日本薬剤師会から有澤常務理事に御出席いただいております。
○有澤参考人 (起立一礼)
○古賀課長補佐 よろしくお願いいたします。
また、本日の説明に当たりましては、関係省庁及び関係部局の担当者より行わせていただきます。
それでは、配付資料の確認をいたします。
座席図、議事次第のほかに、資料1から2-1、2-2、2-3、2-4、2-5とございまして、資料3、4、あと参考資料でございますが、そのうち資料2-3は「文部科学省提出資料」となっておりますが、最終ページの7ページにつきましてはスポーツ庁の資料となっております。申しわけありません。
資料の確認は以上でございますが、もしお手元に配られていないものがございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、以降の進行は辻委員長にお願いいたします。
○辻委員長 皆様、おはようございます。
では、早速議題に入りたいと思います。
本日の議題は、「こころの健康」「次世代の健康」「高齢者の健康」に関する目標項目の進捗状況についてということであります。
では、最初に事務局から資料の説明をお願いいたします。
○吉住女性の健康推進室長 事務局の吉住でございます。
それでは、資料1について御説明させていただきます。
資料1の1ページ目の「こころの健康」のところをごらんください。まず、「こころの健康」の「(1)自殺者の減少」でございますが、策定時の現状については、平成22年の値が23.4、現状値としては平成26年の値が19.5、そして目標値でございますが、これは健康日本21の策定時には自殺総合対策大綱の見直しの状況を踏まえて設定というふうにしておりましたが、平成24年8月にこの大綱の見直しが行われたことに合わせまして、現在、目標値を平成28年に19.4というふうにしております。
これまでの取り組みでございますけれども、平成18年6月に自殺対策基本法が成立いたしまして、この法律に基づいて19年6月には政府が推進すべき自殺対策の指針として自殺総合対策大綱が策定されました。この大綱のもと、国、地方公共団体、関係団体、民間団体等が連携いたしまして自殺対策を総合的に推進している状況でございまして、平成24年8月にはこの大綱の見直しが行われているところでございます。
現在、目標値につきましては、先ほど申し上げましたとおり、平成28年までに19.4という目標を掲げているところでございまして、今後の方向性としては、引き続きこの大綱に基づく取り組みを推進していくということになっております。
次の2番は「気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少」でございます。策定時の現状として、平成22年の値が10.4、平成25年が若干悪くなりまして10.5、目標値は平成34年度に9.4となっております。
この項目に関するこれまでの取り組みと今後の方向性につきましては、担当部局の者より後ほど詳しく御説明させていただきたいと存じます。
次の3番目は「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加」でございますが、策定時の現状が平成19年の値で33.6、平成25年で大分上がっておりまして6.07、目標値としては平成32年に100%という目標が掲げられているところでございます。
これにつきまして、これまでの取り組みでございますけれども、平成18年に策定いたしました「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づきまして、労働基準監督署による指導等を行っているほか、産業保健総合支援センターによる支援等により、メンタル対策を推進してきたところでございます。
また、改正労働安全衛生法に基づきまして、平成27年12月1日より、労働者のメンタルヘルス不調を未然防止するため、従業員50人以上の事業者にストレスチェック制度が施行されたところでございます。これにつきましては、担当部局より、参考資料としまして資料2-2をいただいておりますので、それも御参照ください。
今後の方向性でございますけれども、このストレスチェック制度の施行を通じまして、事業場におけるメンタルヘルス対策のさらなる普及を図ることとしております。
また、この制度の実施義務となっていない従業員50人未満の事業者に対しましても助成金制度等の支援策を通じて、実施促進を図ることとしております。
また、このメンタルヘルス対策の取り組み方がわからない事業所が多いことから、産業保健総合支援センターにおいて、事業場の人事労務担当者・産業保健スタッフへの研修、啓発セミナーなどを実施することとしております。
特に安全衛生管理体制が必ずしも十分でない小規模事業場に対しましては、産業保健総合支援センターの地域窓口において、相談対応、個別訪問指導などを実施することとしております。
おめくりいただきまして、「(4)小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医の割合の増加」でございますが、策定時の現状は、平成22年の値で小児科医94.4、児童精神科医10.6でありましたものが、現状値といたしまして、小児科医は平成26年の値で103.2、児童精神科医は平成25年の値で11.9とどちらも増加傾向にあるところでございます。
これまでの取り組みといたしましては、地域医療介護総合確保基金におきまして、小児科等の不足している診療科の医師確保支援についても活用できることとしておりまして、医師の処遇改善に取り組む医療機関への財政支援を実施しているところでございます。
また、思春期精神保健対策研修会におきまして、児童思春期の専門的な精神医療を担う人材育成に向けた研修を実施しているところでございます。
今後の方向性としては、引き続きこういった事業を実施していくこととしております。
事務局からの説明は以上でございます。
○辻委員長 次に、障害部の御説明をお願いします。
○日詰障害福祉課障害児・発達障害者支援室発達障害対策専門官 障害保健福祉部障害福祉課の日詰と申します。よろしくお願いいたします。
私のほうからは、ただいま説明のありました資料1の(2)と(4)について御説明をさせていただきます。
資料2-1をごらんいただけますか。
まず、資料2-1の2枚目からごらんください。「気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少」に係る取り組みについて、御説明いたします。こころの不調・病気に関しては、本人や家族に行動を起こしていただくために、厚生労働省のホームページ内に「みんなのメンタルヘルス総合サイト」及び「こころもメンテしよう」を開設して、情報提供を行っているところです。
また、本人や家族の行動を受けとめる場所としては、地域の保健所や精神保健福祉センターにおいて相談支援や訪問支援を通して、地域住民の精神的健康の保持増進を図る取り組みを実施しているところですが、特に最初に診療することが多い一般内科医等のかかりつけ医、小児科かかりつけ医、看護師等を対象とした、かかりつけ医等の心の健康対応力向上研修事業、また、専門的にうつ病患者の治療に携わる医師・臨床心理士等を対象とした認知行動療法研修事業に取り組んでいるところです。今後も引き続きこれらの事業を実施し、気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者の割合の減少に努めることとしております。
続きまして、「小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医の割合の増加」の児童精神科医の部分に係る取り組みについて御説明いたします。これは資料2-1の1枚目をごらんください。児童精神科については、児童福祉や障害福祉、教育、若者支援、矯正など、多様な分野との連携が特に重要な診療科になりますが、このような連携方法について、従来の医学教育の中で十分にトレーニングを受けることは難しいと現場の先生に伺っているところです。
このような状況を受け、系統的に児童精神科に関する技術を吸収し、多様な分野の知識を網羅的に把握する機会を提供するために、思春期精神保健研修に取り組んでいるところです。
この研修では、平成22年から24年の3年間にわたって厚生労働科学研究費「児童青年精神科領域における診断・治療の標準化に関する研究」によって整理されました内容のテキストを用いており、児童精神科の全体像を理解しやすい環境が次第に整ってきたのではないかと講師、受講者より感想をいただいております。
今後も研修以外の取り組みを含め、児童精神科の分野にかかわる医師の数が増加するための取り組みの強化に努めることとしております。
説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 ありがとうございました。
それでは、「こころの健康」につきまして、委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。自殺が減ってきて、一方で、(2)のほうは10.4%から10.5%、やや高いということです。それから、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場については33%から60%ということで、かなり改善してきている。(4)としては、小児科医、児童精神科医についてもふえてきているということが報告されましたけれども、これにつきまして何かございますでしょうか。山之内先生、お願いします。
○山之内委員 御説明ありがとうございました。
まず、目標の「気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている者」というところですが、これは国民生活基礎調査でいわゆるK6というもので聞いているところでありますが、この値からしますと、恐らく別の調査、うつ病の診断がつくかどうかというのを一般人口約3,000人で調べた調査、World Mental Healthというのが行われているのですけれども、そういったものでもこのぐらいの値を示しておりまして、問題は、こういった方々が相談に訪れられるかどうかというところ、もう一つは、それが適切な受診につながっているかどうかというアクセスの問題があろうかと思っております。
その中で、今般取り組んでいただいているかかりつけ医の健康対応力向上研修ですとか、そういったところでいわゆる精神科だけに訪れるわけではないという現状がありまして、先ほど申し上げたWorld Mental Healthでも約1対1で精神科を訪れる方と内科を訪れる方がいまして、その中で内科の先生が上手にトリアージができて、そして紹介ができるような仕組みをつくっていくという取り組みは非常に大切なことではないかと捉えておりまして、考えているところです。
その一方で、目標値が、具体的な施策をとったところで、なかなか反映しづらい指標でもあるというところもありまして、今後研究等の立場でこの目標値と具体的な施策にどう落とし込んでいくか、このプロセスを考えていく作業が非常に必要ではないかというふうに問題意識としては持っているところです。
○辻委員長 ありがとうございました。
若尾先生、先ほど手を挙げました。お願いします。
○若尾委員 どうもありがとうございます。
今回資料を拝見させていただきまして、(2)のところの「みんなのメンタル総合サイト」あるいは「こころもメンテしよう」というサイト、この存在、私も大変不勉強だったのですが、初めて知りました。拝見させていただいて、内容が非常にリッチで、これは多くの方に見ていただくことが望ましいサイトだと考えるのですが、大変残念なことに厚労省のページがなかなかたどりにくい状態になっている。トップページにはバナーがないですし、さらに「健康」という分野でもここにはたどり着けない状況になっていて、厚労省のページからはサイト内検索しないとたどり着かないような形になっていますので、トップページにバナーを置くか、あるいは「健康」のところに「メンタルヘルス」という項目をつくって、そこに飛ばすということが望ましいのではないかと思います。
それと、これは恐らくばらばらでつくられているようなことに影響するのだと思いますが、「メンタルヘルス」から「こころもメンテしよう」には飛べるのですけれども、「こころもメンテ」からより上流である「メンタルヘルス」に戻れないのですね。この辺をもう少し連携して、さらに「こころの耳」という就労者向けのメンタルヘルスの非常にすぐれたサイトがあるので、その辺をうまく連携していただいて、多くの方に情報がしっかりと届くようにすることが大切ではないかと感じました。
○辻委員長 今、お二人からコメントがありましたけれども、これにつきまして、障害保健福祉部の方から何か御回答とかございますか。
○中村精神・障害保健課心の健康支援室心の健康係係長 まず、かかりつけ医の関係でございますが、やっている自治体は全自治体というわけではございませんけれども、連携協議会ということで、GP連携についてこちらのほうで力を入れているところでございまして、医療現場と地元の福祉関係と連携をとれるように今、事業を進めているところでございます。
あと、ホームページにつきましては、「こころの耳」さん、隣にいらっしゃる労働関係と連携を図ってつなげていくように、ちょっと改良を検討させていただくことを考えております。
以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。
ほかにどなたか。では、津下先生、その後、北原先生、お願いします。
○津下委員 ありがとうございます。あいち健康の森の津下です。
まず、「(1)の自殺者の減少」というのは、数値目標に近づいて、いい数字に見えるのですが、例えば性、年代、原因別にどういう者が減っているのか、を見ていくことが必要ではないでしょうか。平成20年ごろだったと思いますけれども、リーマンショックなどで経済状況が悪くなったとき一時的にふえたということがありましたが、そういう社会情勢の影響はどうなのか、今は経済が比較的落ちついているので減っているのかというような、もう少しどこのどういう原因が減ったのかということや、対策がまだ不十分なところはどこなのかというような、原因別の対策の状況についてまた御検討いただいて、どこを強化するかということをお知らせいただければありがたいと思っております。
2番目の「メンタルヘルス総合サイト」、私もこれを拝見してすばらしいなと思ったのですけれども、なかなか普通では行きつけないのは確かで、研究面から、一般向けから、事例から、さまざま盛り込んであって、それはすばらしいと思ったのですが、この運営がきちっと回っていくように、いろんなところとリンクを張っていただくなどの工夫が必要ではないかなと思います。
3番目ですけれども、職場のメンタルヘルスで50人未満の対策で力を入れるということで、大事なポイントかなと思っております。非正規雇用の方々とか、こういう対策の対象となりにくい働き盛りの方へのメンタルヘルスの対策について、どのような対策を今後進めていかれるのかということを伺いたいです。
4番目の小児の専門医の件ですけれども、子供の人口が減ったら相対的に割合がふえるという影響も疑えば疑えるわけです。専門医がふえるということは重要なことですが、都市集中とかであってはなかなかアクセスが悪いということになりますので、全国に均てん化されているような状況で相談できる先生がいるといいのかなと思いましたので、そのあたりの状況についても伺いたいと思います。
○辻委員長 北原委員、どうぞ。
○北原委員 現場で産業医をしている立場で少し意見をさせていただければと思いますが、今、お話がありましたように、厚労省のホームページの「みんなのメンタルヘルス総合サイト」、この情報は私も初めて知りました。「こころの耳」というのは、我々の立場で非常によくアクセスさせていただいているものですから、「みんなのメンタルヘルス総合サイト」であれば入り口を1つにするとか。とてもお金をかけているのだと思うのですが、もったいない印象が非常に強くありました。それが1点。
あと、「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合の増加」というのは、非常にいい目標だとは思うのですが、最終的に職場が原因でメンタル不調になって労災に行く、そういう方を減らしていくというのも一つの指標だと思います。もちろん、データをとっているのはわかっていますけれども、そういうのも検討の指標として挙げていってもいいのではないかと思ったところです。
以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
今、津下先生と北原先生から御意見をいただきましたけれども、それにつきまして、事務局、障害保健福祉部の方から何かございますでしょうか。
○大淵労働基準局安全衛生部労働衛生課職業性疾病分析官 労働基準局労働衛生課の大淵と申します。職場の対策の関係について御回答をさせていただきます。
まず、津下先生のほうからございました非正規の方への対応の関係なのですが、今回導入しましたストレスチェックにつきましては、基本的には労働者全般を対象にしておりまして、ただ、正規、非正規ということで言うと、例えば労働時間の短い方、パートタイム労働者の方などですと、労働時間で正規の方と比べて4分の3以上の時間の方であれば、ストレスチェックは対象としております。
また、派遣労働者の方につきましては、派遣元の事業所のほうにストレスチェックの実施の義務をかけておりますので、派遣だから除外になるということではございません。
それから、北原先生のほうからございました、こういったメンタルの取り組みをする事業所についての目標というのもいいけれども、メンタルによる労災を出すという目標もというお話もいただきましたが、現在、仕事による精神障害で労災認定を受ける方というのが年々増加している状況でございまして、それは実際にそうなっている方がふえているという面と、それから今まで必ずしもメンタルの面で労災申請をしなかったけれども、そういうことについて積極的に申請される方がふえたという部分もあるのかなと思いまして、そのあたりを目標にするというのは、行政の効果を図るときの目標、少し設定としては難しいところがあるのかもしれないと考えております。
以上でございます。
○日詰障害福祉課障害児・発達障害者支援室発達障害対策専門官 津下委員のほうからお話のありました児童精神科医等の都市集中と均てん化の話について、御指摘のとおり、かなり地域差がございます。その点について、先ほどの思春期研修もそうですし、最近ふえています発達障害についても、各都道府県の主導的な立場の方に来ていただいて、持ち帰って復命をしていただく研修にも補助をするという形で、数がなるべく横に広がっていくようにという形で研修事業を進めさせていただいております。今後も頑張りたいと思います。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
では、岡村委員、どうぞ。
○岡村委員 今の均てん化のこととちょっと絡んでくるのですけれども、まず自殺のところも、全体としての目標値はあるのですが、健康日本21自体が格差の解消というのがうたわれているのですが、自殺についても地域差、都道府県差がかなり大きい死因ということになりますので、そこの差の解消というのをどういうふうに。都道府県で頑張っておられるところはあるかと思うのですが、そこの情報提供とか進め方をどうされていくかというのがまず1点です。
もう一つ、小児科の均てん化の話とも絡んでくるのですが、これは担当局は違うのですが、今、新しい専門医制度が走っていますね。これの動き方によったら、一気に格差というか、不均衡が拡大する危険性があるのですけれども、それについて相談しながらとか、横目で見ながらということはされているのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思うのです。
○辻委員長 山之内先生、どうぞ。
○山之内委員 追加というか、あれなのですが、まず保健所において普及啓発、研修、相談等々の事業が書かれていると思うのですけれども、一方で、精神の場合は精神保健福祉センターというのが各県及び政令市に必置されておりますが、そのあたりの役割分担が曖昧になっているのではないかという問題があって、現場におりていくと、市町村としては、メンタルの人に来られては対応ができなくて困ってしまう、あるいは数例の症例、問題のある人につかまってしまって、その人でもう疲弊してしまうというような現状があるかと思っております。
一方で、県も保健所がだんだん減ってきて相談対応がなかなかできていないというところもあるのではないかと考えますし、保健所と精神保健福祉センターの関係性とか、そのあたりにも着目をしていただければと。いわゆる役割分担がどうなっているのかということが一つ問題意識としてあるのではないかと思っております。
あと、メンタルヘルス、職場のほうですけれども、内容が「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場」というところでくくられているのですが、これは中身もしっかりアンケートというか、調査で聞かれているはずで、その多くを見てみると、私が前に調べたときには、社内の総務課ですとか人事課とかに協議会みたいな会議体を1個置いてあっただけでも「措置を受けられる職場」とカウントされているみたいで、末端のいわゆる心を病みかけている社員さんたちがよくわからないというような職場もこれに含まれている可能性もあるのではないか。いわゆる直接相談に応じているとか、あるいはトリアージをしているとか、そういったところの割合にアドバンテージというか、その次、ネクストの目標になるのではないかと思うのですけれども、そういったところに着目していただけると、さらに充実した施策が図られるのではないかと考えました。
あと、先ほどの自殺の格差の解消のところですが、当NCNPの中に自殺総合対策センターがございます。それがこの4月、来月から「自殺総合対策推進センター」ということで、名称と組織が少し変わりまして、その中での取り組みに期待したいというところであります。
以上です。
○辻委員長 どうぞ。
○谷川副委員長 私、2番の気分障害・不安の、K6を使いまして、福島の原発の作業者、職員のメンタルヘルスをやりましたところ、平成23年の当初では46.6%という方がK6、高でして、福島第2のほうでは40%とか30%ぐらいで、非常に高いのですけれども、その方々のオッズ比、どういう方々が高いかというのを比較しましたら、「瀕死体験」とか「非難・中傷」というのが挙がってきたのですが、「多額の財産の喪失」というのも高いオッズを示しておりました。ということは、福島の発電所の方以外の東北の方々で多額の財産を失ったとか、もしくはいまだに避難をされている方とか、平成25年も若干上がっているので、もしかしたら東北地方の方を詳しく見ていくと、東日本大震災の影響も相当あるのではないかと思いますので、そういう対策も必要かなと思いましたので、一言。
○辻委員長 今、3名の委員の先生方から御意見をいただきましたけれども、それにつきまして、事務局あるいは障害保健福祉部の方から何かございますでしょうか。
○増田精神・障害保健課心の健康支援室障害保健係係長 精神・障害保健課の増田と申します。
山之内先生からの御質問で、精神保健福祉センターと市町村、保健所の役割分担についてという御質問があったかと思いますが、それについて答えさせていただきたいと思っております。もともと精神保健に関する相談等は、精神保健福祉センター、保健所を中心に行われてきたところでございますけれども、市町村については、障害者総合支援法の障害福祉サービスの利用に関する相談を中心に受けているところでございまして、精神保健に関する相談につきましては、それぞれの保健所、精神保健福祉センターと連絡、連携を密にするようにということで通知を発しているところでございます。
また、精神保健に関する相談につきましても、地域住民からの「こころの健康」に関する相談等については、保健所で受けることとしておりまして、そのうち困難ケースというものにつきまして、保健所から精神保健福祉センターのほうにそれぞれ相談、連絡するようにということになっております。こちらについても精神保健福祉センターと保健所、それぞれ緊密な連携を図るということで通知をしておるところでございます。
以上でございます。
○辻委員長 どうぞ。
○日詰障害福祉課障害児・発達障害者支援室発達障害対策専門官 自殺についていろいろ御指摘があって、ありがとうございます。
谷川副委員長も御指摘いただきましたように、必ずしも心の疾患ということだけではなくて、いろいろな周辺の状況もありますので、当省だけでなく、内閣府が自殺対策を所管しておりますので、そういうところと情報交換をきちんとしながら、先ほど御指摘いただいた地域差についても研究をしながら対策を進めていきたいと思っております。
○辻委員長 よろしくお願いいたします。
ほかにどなたか御意見。北原委員、どうぞ。
○北原委員 1点だけ質問なのですが、産業保健総合支援センターの地域窓口において小規模事業場の支援を行うというのがありますけれども、最近の利用率、活用がしっかりされていないところも多いのではないかなと思うのですが、実際最近はいかがなものでしょうか。
○大淵労働基準局安全衛生部労働衛生課職業性疾病分析官 労働衛生課の大淵でございます。
地域窓口、地域産業保健センターの利用率ということですが、小規模、50人未満の事業場では、法令の制度上、産業医という立場の方がいらっしゃらないので、そういう事業場について支援をするという目的でセンターのほうがつくられておりまして、使うこと自体が義務というわけではなくて、マンパワーが足りないところではこういうところも使っていただきたいということで、周知のほうはいろいろさせていただいております。
実際上、例えば具体的に企業に個別で提供している事業としては、長時間労働者の方がいる場合、労働者本人に対する面接指導などを無料で提供させていただいておりまして、そういったものの利用はかなりふえきているというような印象もございます。ただ、まだまだなかなか産業保健まで取り組めていないという事業場が多数あることも事実ですので、引き続きこういったセンターの周知のほうに努めてまいりたいと思っております。
○北原委員 ぜひ積極的にこういった窓口を活用できるように。まだまだなかなか周知ができていないと思いまので、そういった施策もよろしくお願いします。
○辻委員長 若尾委員、どうぞ。
○若尾委員 今のことに少し関連するのですけれども、先月の23日に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が出ていると思いますので、そういう窓口があるのだよということを知らせるとか、さまざまないい取り組みがやられていると思いますので、これまでの取り組みの中にぜひ含めていただいて、そういう形でも施策を進めているというのを書かれるのがよろしいのではないかと感じました。
○辻委員長 中村先生、どうぞ。
○中村委員 1点教えてください。かかりつけ医、また小児科医に対する研修についてですが、資料を読ませていただきますと、年々受講する人の数が減ってきているのですが、これはもともとどれぐらいのターゲットを設定してこの研修をやっておられるのか、そ最初の方針みたいなものを教えていただきたい。
この事業が例えば学会と連携がされているのか。例えば学会と連携して、専門医の更新の単位に本研修の受講を含めることに合意が得られると、より多くの人が受けることになると思います。興味、関心を持っている人がどうしても最初のころは受けると思うのですけれども、裾野を広げるためにも、そういった仕組みがあったほうがいいのではないかなと思ったのです。そのあたり、どういう方針でやっておられるのかを教えていただければと思います。
○辻委員長 では、山縣先生、どうぞ。
○山縣委員 私は、むしろコメントなのですが、一時期3万人をずっと超えていたものが3万人を切って、全体としては減ってきているのですが、一方で、未成年、10代の自殺率がずっとふえてきていて、先ほどのような新たなサイトを設けていただいたり、ぜひそのあたりのところに力を入れていただきたいと思います。
以上です。
○辻委員長 それでは、今の中村先生の御質問につきまして、何かございますでしょうか。
○中村精神・障害保健課心の健康支援室心の健康係係長 かかりつけ医の研修の経緯というと、昔からやっている事業でございますので、どの程度かというと、各自治体の判断になってきてしまうというところが多々あると思うのですけれども、早期発見・早期治療につながるためには、かかりつけ医の研修というのが重要だと考えているところでございますので、担当される内科医さんとか精神科、専門科以外の方について普及啓発がしっかりできるようなことが必要であると考えているところでございます。
その後の学会等については、私ではちょっとわかりかねるので、この場では御回答できませんので、持ち帰らせていただきます。
○辻委員長 予定された時間になってきましたので、では、津下先生からいただいて終わりにしたいと思います。
○津下委員 1点だけです。指標の考え方なのですけれども、最終的に減らしたいという自殺者数とか、メンタルヘルスの不調で退職に追い込まれる方を減らすということは間違いのない指標であろうと思いますが、メンタル不調を感じる人がふえるというのは中間的な指標で、いろんな取り組みによって一定ふえる、掘り起こしが起こることはありえます。悪いという結果ではなく、皆さんがそういう情報に接してそのように気づくという場面があって、一過性にふえる。最終的にはそれも減ってくるということが目標だと思うのですけれども、タイムラグといいますか、一過性にふえたからどうだということではなく、長期的な視点と短期的に動く指標とか、そういう観点で指標を見ていく必要があるのかなと思いました。
コメントだけです。
○辻委員長 ありがとうございました。
それでは、次の議題に移りたいと思います。「次世代の健康」ということについて、御説明と御議論をいただきたいと思います。
まず最初に、事務局の吉住室長のほうから御説明をお願いします。
○吉住女性の健康推進室長 それでは、資料1の「次世代の健康」の項目について、簡単に御説明させていただきたいと思います。
資料1の2ページ目の後段をごらんください。「次世代の健康」の「(1)健康な生活習慣を有する子どもの割合の増加」の項目「ア 朝・昼・夕の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増加」でございます。この項目につきまして、策定時の現状については、平成22年度で小学校5年生の値が89.4%となっております。この値ですけれども、日本スポーツ振興センターによる「児童生徒の食事状況等調査」が実施されないこととなってしまいまして、この項目に関する把握というのが今後不可能な状況になっております。これにかわる指標をどうするか、もしくは何とかこのままの指標で続けられるのかどうかにつきまして、中間評価に向けて改めて検討が必要な項目となっております。
また、これまでの取り組みと今後の方向性につきましては、後ほど文科省のほうから御説明いただきたいと思います。
続きまして、3ページ目の項目「イ 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加」でございます。策定時の現状は、平成22年度の値が小学5年生の男子が61.5%、女子が35.9%となっております。
現状値でございますが、平成25年度の値で男子が59.2%、女子が33.6%とどちらも若干減少傾向にあるところでございます。
これにつきましても、これまでの取り組みと今後の方向性については担当部局のほうから詳しく御説明いただきます。
続きまして、「(2)適正体重の子どもの増加」でございます。
「ア 全出生数中の低出生体重児の割合の減少」でございますが、策定時の現状が、平成22年の値で9.6%、現状が平成26年の値で9.6%。これは横ばい状況でございます。
また、「イ 肥満傾向にある子どもの割合の減少」でございますが、策定時の現状が、平成23年の値で男子が4.60%、女子が3.39%。
現状でございますが、平成25年の値で男子が5.14%、女子が3.48%と若干増加傾向にあるところでございます。
また、(2)の2つの項目につきましては、策定時の目標が平成26年までとなっておりましたけれども、これは「健やか親子21」の改正に合わせまして、目標を平成36年と修正したところでございます。
この2つの項目につきましても、後ほど担当部局のほうからこれまでの取り組みと今後の方向性について詳しく御説明をさせていただきます。
○辻委員長 それでは、文科省及びスポーツ庁の方、よろしくお願いします。
○福島文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課課長補佐 それでは、まず文部科学省の初等中等教育局健康教育・食育課の福島より御説明をさせていただきます。
まず、私からはこの評価指標の中で、「(1)健康な生活習慣を有する子どもの割合の増加」という部分の「ア 朝・昼・夕の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増加」、それから「(2)の適正体重の子どもの増加」という項目の中の「イ 肥満傾向にある子どもの割合の減少」、こういったことに関連した文部科学省の取り組みについて御説明させていただきます。資料2-3を御確認いただければと存じます。
私ども文部科学省では、こういった子どもの健康、特に食に関することにつきましては、学校給食というものを中心に、それを軸に行っていくということで今、施策を進めているところでございます。
特に学校給食の目標ということで書かせていただきましたが、「栄養バランスのとれた食事による児童生徒の心身の健康に資するとともに、食育を推進する上でも大きな教育的意義があり、子どもの心身の健全な発達にとって重要である」ということで、我々としては重要視して取り組んでおります。
「学校給食の目標」という項目があるのでけれども、この中で「一 健康の保持増進を図ること」がまずは大事なこととして行っております。これを行っていくに当たっては、私どもは学校給食摂取基準というものを策定いたしまして、それぞれの各年代に応じた適切な摂取量というものを各学校設置者に示しております。その各学校設置者は、我々が示した摂取基準に基づいて栄養バランスを考えて、それを強制するわけではないのですが、それを目安としてそれぞれの地域、それから児童生徒の状況に応じて給食の献立を考えていくということでございます。
我々として、まず健康の保持増進は大事なのですけれども、それ以外に非常に大事なこととして二項「健全な食生活を営むことができる判断力を培い、望ましい食習慣を養うこと」、こういったことを給食を通じて、また、それ以外の食育、給食以外の時間を通じて児童生徒にぜひ学んでいただきたいと考えています。
それから、三、四、五、六、七とありますけれども、これは栄養摂取とは直接は関係ないところですが、やはり給食を通じた社交性や協同の精神、それから生命及び自然を尊重する心、また、環境の保全、それから物を食べるということは、自動的に出てくるものではなくて、生産者であるとかつくってくださっている方とか、いろんな方々の力によってできている、そういった勤労を重んずる態度、それから日本、世界、いろんなところの食文化というものをしっかり学んでいただく。そして食料の生産、流通、消費、こういった社会のシステムについても給食を通じて学んでいただくということで、我々としては、健康の保持増進に加えて、人生というものを給食の中から学んでいただいて、そういったことが将来的な人生を通じた健康の維持・増進というところにつながっていくという理念のもとに給食を行っているところでございます。
3ページは「スーパー食育スクール事業」ということで、こういった事業を平成26年度、27年度で進めています。来年度も進めます。これは、今まで給食であるとか食育の成果、いろんな取り組みをやっているのですが、それがどういうふうに子どもたちに作用して、どういうふうに変わっていったのか、できるだけ食育の成果を数字であらわしていきたい、客観的なデータをとって、それを検証していきたいということで、こういう事業を始めました。
4ページ目にもありますけれども、26年度は約33事業、27年度は30事業ということで、「食と健康」であるとか「食文化」「食とスポーツ」「食と学力」「地産地消」、こういった軸となるテーマを決めていただいて、それだけではないのですが、そういったテーマを軸に児童生徒が食を通じてどのように変わっていったのかということを検証していく。こういう事業を行っているところでございます。
次の5ページ目は、来年度からの事業でございます。先ほど申しましたスーパー食育スクールは、各学校にそういったモデルケースをつくっていただくというような事業でやっていたのですけれども、5ページ目の「社会的課題に対応するための学校給食の活用」という事業については、給食というものに特化して、給食というものが、ただ給食を提供するだけではなくて、いろんな社会的課題の解決にも寄与するようにということでこの事業を展開しております。これは各学校ごとというよりは、各自治体単位でこの事業を進めていただくというのが大きな着眼点でございまして、例えば食品ロスの削減であるとか、地産地消の推進、伝統的食文化の継承ということで、これは1つの学校だけできてもなかなか足りない、もしくは学校だけではなくて、役所だったり、生産者であったり、流通の業者であったり、こういった人たちがタッグを組んでこういった課題を解決していきながら、給食をよりよいものとしていこうという事業でございます。
栄養の保持増進というのは直接かかわってこないかもしれませんが、給食というのはいろんなものが複合的になっているものですから、こういった取り組みを通じても健康の保持増進であるとか、生涯にわたっての食育というものに通じるものであるということで、我々としては進めていきたいと考えております。
6ページ目は「小学生用食育教材の作成」ということで、こちらは今年度末に作成して、来年度から各小学校で使っていただくということで、配布をしております。これはさまざまな教科等に散在している食育に関している内容を集約し、体系的に整理した教材ということなのですけれども、食育という教科とか教科書はないものですから、食に関することというのは、家庭科とか、保健体育とか、食文化とか、地産地消といった部分は社会とか、いろんな科目の中にまぜ込んであるというか、中に入っているのですが、そういったものを一つ一つ取り出して一つの教科書的なものにして、これを給食を担当している例えば栄養教諭とか学校栄養職員とか、そういう方だけではなくて、国語、算数、理科、社会、教科を担当している先生方もいろんな授業の中でこういったものを活用していただいて、いろんな科目の中で食というものに関連していただいて、そこを何とか授業の中でやっていただきたいというような思いを込めてこの教材を作成いたしました。
今回の指標にあるもので見ていきますと、例で挙げていますけれども、「自分の生活リズムを調べてみよう」ということで、朝、昼、夕食、こういったものをしっかり食べるということのほかに、排便とか睡眠とか、そういったものをしっかりと規則正しく計画的に一人一人が自覚を持ってやっていただきたい、そういったことが書かれている部分でございます。我々としては、こういった活動を通じて食に関する課題、児童生徒の肥満などの解消といったところに取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上でございます。
○辻委員長 では、スポーツ庁の方、お願いします。
○スポーツ庁政策課学校体育室体育振興係係長 スポーツ庁政策課学校体育室の平山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私のほうからは「運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加」について、学校体育にかかわることを中心に御説明をさせていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
資料2-3の7ページにポンチ絵がございます。「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」は私のほうで担当している調査ですけれども、こちらの調査は小学校5年生、中学校2年生を対象に行っている調査でございます。小学校5年生、中学校2年生を合わせまして約213万人、学校数で言いますと約3万1,000校の協力をいただきまして調査結果をまとめております。平成20年度よりこの調査を開始しておりまして、「国、教育委員会、学校が子供の体力の状況等について詳細に把握・分析し、施策の検証、改善に活用する」「体力と生活習慣、食習慣、運動習慣の関係を分析し、学校等における指導の改善に役立てる」、こういったことを目的に行っている調査でございます。
そちらの調査の中に児童生徒質問紙という調査がございまして、その中に1週間の総運動時間について聞く項目がございますので、そちらのほうの紹介をさせていただけたらと考えております。
1週間の総運動時間ですが、60分未満の児童生徒の割合を見ますと、小学校5年生男子で6.6%、女子が13%、中学校2年生の男子になりますと7.1%、女子がやや高いのですが、21%という結果が出ております。まだやや高いところはあるのですが、女子におきましては、小学校、中学校ともに平成20年度の調査開始以降、最も低い値となっております。それでもまだ中学校女子におきましては、およそ5人に1人が1週間の総運動時間が60分未満ということなので、まだまだ課題ではあるかなと考えているところでございます。
男子については、女子に比べて低くなっておりますけれども、小中学校ともに昨年よりわずかに増加いたしました。小学5年生が0.4ポイント、中学生が0.9ポイントということで、やや増加をしてしまいました。女子は低下したのですが、そのような状況になっております。
また、今回の調査結果より、体育の授業を楽しいと感じている児童生徒の多い学校の特徴についてちょっと分析をしたのですが、そのような学校においては、授業において体を動かすことの楽しさを実感させることや苦手意識を持たせないこと、学習したことを実生活で生かすことなどを指導上、特に大切にしているということがわかりました。
また、体育の授業で努力を要する児童生徒に対しては、授業中に自分の動きを映像で見せられるようにすること、児童生徒に合った場やルールの提示を行うことなどが行われているということもわかりました。
これらの結果を踏まえまして、学校体育においては、運動が嫌いな子どもも含めて、全ての児童生徒に運動の楽しさを実感してもらうこと、運動の苦手な児童生徒に学習したことを実生活で生かし、運動の習慣化につなげていくことを特に重視して取り組むことが子どもたちの運動やスポーツの習慣化につながるのではないかと考えているところでございます。
そのほかに、学校体育室のほうでは運動部活動の係もございまして、女子が参加しやすい部活動の工夫・改善、そういった事業も取り組んでおります。
また、今年度は幼児期の運動に関する取り組み事例をDVDや冊子にして、3月中に全国の幼稚園とか保育園等に配布をする予定でございます。
平成28年度、新規のプログラムといたしましては、今お話をしました体力調査のほうの結果から見えてきた課題を対策するような運動プログラム等の作成の事業なども考えているところでございます。
以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。
それでは、雇児局からお願いいたします。
○田中雇用均等・児童家庭局母子保健課課長補佐 雇用均等・児童家庭局母子保健課の田中と申します。よろしくお願いいたします。
母子保健課からは「(2)適正体重の子どもの増加」の「ア 全出生数中の低出生体重児の割合の減少」「イ 肥満傾向にある子どもの割合の減少」について御説明いたします。資料2-4をごらんください。
母子保健課は、健康日本21(第二次)の一翼を担う「健やか親子21(第2次)」を担当しております。
おめくりいただきまして、「健やか親子21」とは、関係者が一体となって推進する母子保健の国民運動計画で、21世紀の母子保健の取り組みの方向性と目標や指標を示したものです。第1次計画は平成13年から平成26年まででして、平成27年度より第2次計画が10年間の単位で行われる予定となっております。
基盤課題がA、B、Cと3つございまして、また、重点課題1、2と2つございます。
住民(親子)が真ん中におりまして、研究機関、学校、健やか親子21推進協議会、84団体に参加いただいておりますけれども、この84団体ですとか行政、地方公共団体、NPO、医療機関、それから第2次の特徴としまして、企業に参画いただいて、これらの関係者が一体となって全ての子どもが健やかに育つ社会の実現を目指しております。
おめくりいただきまして、26年度まで行われておりました第1次の最終評価についてですが、全体の目標達成状況等の評価としましては、74項目のうち約8割が「改善した」という評価になっております。
一方で、悪くなっている項目も2項目ございまして、10代の自殺率、低出生体重児の割合が悪くなっている2項目に該当します。
おめくりいただきまして、今回挙げられております児童生徒における肥満児の割合についてですが、上側の赤い四角で、第1次の中間評価時は、平成16年10.4%だったものが、最終評価、平成24年には8.5%と減少傾向にございます。
また、全出生数中の極低出生体重児の割合は、平成16年から平成24年は0.8%と横ばいでして、低出生体重児の割合は、平成16年は9.4%、平成24年は9.6%と増加しております。
目標としてはいずれも減少傾向を目指しているところです。
おめくりいただきまして、「健やか親子21」の基本的視点ですけれども、少子・高齢社会におきまして国民が健康で元気に生活できる社会の実現を図るために国民健康づくり運動である「健康日本21」の一翼を担うという意義を有しております。
おめくりいただきまして、全体像としましては、一番下に基盤課題C「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」がありまして、その上に基盤課題A「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」、基盤課題B「学童期・思春期から成人期に向けた保健対策」がございます。今回指標で挙げられております低出生体重児につきましては基盤課題A、肥満につきましては基盤課題Bの中に含まれております。
おめくりいただきまして、基盤課題A、「安心・安全な妊娠・出産・育児のための切れ目ない妊産婦・乳幼児保健対策の充実」という目標の中で、健康水準の指標としまして全出生数中の低出生体重児の割合がございます。
おめくりいただきまして、低出生体重児の何が問題かといいますと、成長過程の健康問題にとどまらず、成人期の生活習慣病との関連性が強く示唆されております。平成24年度のベースラインとしましては、低出生体重児は9.6%、極低出生体重児は0.8%としまして、5年後、10年後の目標としては減少傾向を目指しております。
この目標設定の考え方ですけれども、「健やか親子21」に準じた設定としております。第1次の最終評価におきまして、低出生体重児が近年増加した要因としまして、若い女性のやせ、喫煙、不妊治療の増加等による複産の増加、妊婦の高齢化、妊娠中の体重管理、帝王切開の普及等による妊娠週数の短縮、医療技術の進歩などが指摘されております。これらのうち1から6のリスク要因をできるだけ改善することで減少を目指すこととしております。
おめくりいただきまして、低出生体重児割合、極低出生体重児割合の年次推移ですが、低出生体重児は、平成24年、25年、26年は9.6%と近年高どまりでございます。極低出生体重児につきましても、平成24年、26年は0.8%という状況でございます。
おめくりいただきまして、健康水準の指標としての低出生体重児の割合ですけれども、「児童・生徒における痩身傾向児の割合」「正期産児に占める低出生体重児の割合」が健康水準の指標でございまして、そのもとに健康行動の指標としまして「妊娠中の妊婦の喫煙率」が挙げられております。
また、その行動のもととなる「環境整備の指標」として、「地域と学校が連携した健康等に関する講習会の開催状況」や「不妊に悩む方への特定治療支援事業の助成件数」が挙げられております。
こういった医療、保健、地域・企業等が連携して指標の改善を目指しているところです。
おめくりいただきまして、2つ目の指標でございます子どもの肥満傾向についてです。こちらは基盤課題B、「子どもが主体的に取り組む健康づくりの推進と次世代の健康を育む保健対策の充実」に健康水準の指標としまして「児童・生徒における肥満傾向児の割合」が含まれております。
おめくりいただきまして、こちらは、子どもの肥満は将来の成人の肥満ですとか生活習慣病に移行する可能性が示されておりまして、子どものころから生活習慣病予防に取り組むことが重要とされておりますが、ベースラインとしましては、平成25年度9.5%だったところが、平成26年度は9.1%とやや減少傾向にはございます。
こちらの数値のもととなっておりますのは、文部科学省の学校保健統計調査でございまして、下の算出方法によって肥満傾向児の出現率を示しております。
目標設定の考え方ですけれども、新基準による肥満傾向児の割合が算定されている平成18年から平成25年の年次推移について、指数近似曲線を用いて、5年後、10年後の目標値を設定しました。
おめくりいただきまして、左のグラフは肥満傾向児の出現率の推移です。全体的には平成18年以降低下しておりますが、平成28年以降横ばいとなっております。また、男子のほうが女子よりも相対的に肥満の割合が高くなっております。
右は目標設定の示し方ですけれども、平成18年から25年までの年次推移をもとに指数近似曲線を用いて、25年をベースラインとしまして、5年後8%、10年後7%という目標設定を行いました。
おめくりいただきまして、健康水準の指標として「児童・生徒における肥満傾向児の割合」がございまして、そのもととなる健康行動の指標として「朝食を欠食する子どもの割合」「家族など誰かと食事をする子どもの割合」が挙げられております。
そのもととなる環境整備の指標としましては、「地域と学校が連携した健康等に関する講習会の開催状況」「学校保健委員会を開催している小学校、中学校、高等学校の割合」「思春期保健対策に取り組んでいる地方公共団体の割合」が挙げられておりまして、学校、地域・保健、民間団体等、医療等の連携でこれらの指標を改善する計画となっております。
最後に、「健やか親子21(第2次)」のスケジュールですけれども、27年度から始まりまして、平成30年度に中間評価の調査を行い、31年度に中間評価を行う予定となっております。平成35年度には最終評価を行いまして、36年度には第2次が終了し、第3次に向けてまた目標等の策定を行う予定です。
母子保健課からは以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。
それでは、次世代の健康につきまして、皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。宮地先生、どうぞ。
○宮地委員 運動やスポーツを習慣にしている子どもの割合の増加等について、質問とコメントです。こどもの運動習慣者の割合が徐々に減っており、非常にゆゆしき状況だと認識しております。これまで体力低下に歯どめをかける目標に取り組まれて、一定の効果が出ているということは認めているのですが、運動習慣者の減少がこのまま続けば、せっかくのその成果もいずれはなくなってしまうことが懸念され、抜本的な対策が必要という印象を持っております。
学校でのさまざまな取り組みを説明していただいたのですが、私ども厚生労働省が持っているデータに関しては、運動習慣者の割合という成人のデータがありまして、その中で、特に20代から50代の子育て世代の女性、あるいは将来子育てを担うだろう女性の世代の運動習慣者の割合が、過去15年間減り続けているという傾向がございます。母親は子どもの教育に大きな影響を及ぼすと思われますので、親子の関係の中での運動習慣の向上取を図るような取り組みも一度省庁の隔てを越えて取り組まれてみてはいかがかなという印象を持ちました。
2つ目ですが、取り組みの項目を見てみますと、「体力の向上に向けた」とか「体力の向上に係る」という対策が出てきます。あくまでも運動習慣者がふえて初めて体力が向上するわけで、体力の高い子がふえたら運動習慣者がふえるというのは、順番が逆というか、運動習慣者をふやすためにどんなことをしたらいいのかという対策を盛り込むことが必要なのかなとの印象を持ちました。
子どもたちが体を動かす一番の要件は、「楽しみ」が非常に重要だということと、それに基づく内発的動機と私たちは呼びますけれども、子どもたちが体を動かしたいという気持ちをどう惹起するかという取り組みが必要かと思います。ぜひそういった観点の取り組みも持っていただければと。
教育面の取り組みということで言いますと、小学校に体育の教科書がいまだにないということは非常に大きな課題と思います。音楽や図画工作ではあるのですけれども。それから専科教諭が配置されていない。理科、音楽、図画工作はあるのだけれども、体育はいない。ですから、DVDをおつくりになられたりすることも大事なのですが、そういう抜本的な問題も少しずつ検討していただくことも必要かなという印象を持っております。
以上です。
○辻委員長 ほかにどなたか。村山先生、どうぞ。
○村山委員 ありがとうございます。
3点コメントをさせていただきたいと思います。
まず、1点目は「(1)の健康な生活習慣」のア、三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増加ですが、先ほど御説明にありましたように、この指標を評価するあるいはモニタリングするための日本スポーツ振興センターの調査がなくなったということを伺いました。項目をこのまま維持するか、あるいは少し変えるかということはあると思いますけれども、ぜひ何らかの調査に加えていただきたいと思っています。
特に、先ほどスポーツ庁の資料の中で「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」というのがございまして、質問紙の中に食習慣も入っているということですので、ぜひこのあたりとの調整をしていただいて、何らかの指標を入れていただければと思っています。
2点目は「適正体重の子どもの増加」のア、低出生体重児の割合の減少についてです。こちらについては経年変化のデータを見せていただきまして、増加してきていたところ、最近数年は増加がとまっているように見受けられますけれども、この要因として、どの要因が改善されたのか、あるいは改善されていないのかということをぜひ分析していただいて、さらに減少させるための対策について考えていただければと思います。
3点目は「イ 肥満傾向にある子どもの割合の減少」についてです。こちらも結果としてはほとんど変化が見られないようなデータになっておりますので、どういう要因で子どもたちが肥満になっているのか、肥満になっている子どもの要因についての分析が必要だと思います。都市部と農村部のように自治体によっても要因が異なることも考えられますので、各自治体で要因分析をして、対策を考える仕組みを国として示すことも有効だと思います。
以上です。
○辻委員長 ほかにどなたか。谷川先生。
○谷川副委員長 食育、体育ということで、栄養、運動、休養というのが健康の三本柱と言われて久しいのですけれども、栄養は食育、運動は体育・身体活動ですけれども、休養が抜けているのです。大人の健康に関しましては、厚労省のほうから「健康づくりのための睡眠指針2014」というのが出されまして、その中にも睡眠時間が短いことによって成人病、糖尿病なり高血圧なりが起こることが示されておりますし、また、大人においては、グレリン、レプチンという食欲の推進ホルモン、摂食をとめるホルモンが、睡眠時間が短いと太る方向に働くということがわかっております。
また、小児期の睡眠時間が短いことによって、その後のコホート研究によって、成人期の肥満につながるということも諸外国では報告されております。
そういう中にありまして、資料2-4の5ページのところに「心の健康」「食育」「身体活動」「歯科」「喫煙飲酒」とあるのですが、睡眠に関してはないのです。
私は愛媛県に6年おりまして、えひめ子ども健康サポート推進協議会、これは愛媛県の教育委員会のほうが主催した会議で、私、委員長でおりまして、睡眠を入れてくれということで、入れました。6年間活動した結果、やはり食育とか運動に関しましてはいろいろ指標が向上しているのですが、睡眠に関しての指標が向上していないことがわかりまして、このたび睡眠の指導要領を作成いたしました。ぜひとも文科省のほうで愛媛県の教育委員会のほうにお問い合わせいただきまして、睡眠の小学校低学年、中、高、そして中学校、高校の全てに活用できるものを各学校に配っておりますので、また見ていただければと思います。
朝食の欠食に関しましても、先ほど触れられておりましたが、なかなか難しい問題がございまして、田舎といいますか、学校に朝8時過ぎに登校するためには、7時ごろに出ないといけない。自転車で通う。そして朝練がある。夕方はクラブ活動がある。そして塾がある。さらに土・日は試合がある。そういう中でいつ睡眠をとればいいのか。睡眠に対する軽視が相当進んでいるのではないかと思いまして、そのあたりも含めまして、睡眠に対する教育をぜひとも厚労省と文科省のほうで進めていければと思います。
以上です。
○辻委員長 ほかにどなたか。では、津下先生、どうぞ。
○津下委員 数点あります。
1点は、今、先生がおっしゃいましたように、睡眠とか心の健康ということでございますが、私たちのセンターには健康科学館があって、そして学校への出前授業というのをやっております。食事とか運動はかなり学校でやれるのですが、睡眠とかコミュニケーションスキルとか、今まで学校の先生がやりなれていないことを外からの派遣授業ということでする要望が非常に高くて、学校の先生方はそういうニーズを感じていらっしゃるのだなということがわかります。まずは外部の力も借りて、コラボしてやっていくという進め方もありうると思っております。
2点目は給食の話です。私どものセンターでJICAの生活習慣病予防コースを15年やっておりまして、メインは大人のメタボ対策とか糖尿病対策をやっておるのですけれども、その一環として学校を訪れて学校給食を一緒に食べるということをやっています。途上国の保健省の方々、研究者の方々から、学校給食というのが非常に新鮮で、子どもたちの食というのを国が一生懸命守っている、すごい意志を感じるというような話をいただいて、給食の大切さを改めて感じました。私たちは当たり前のように思っていたのですけれども、給食である程度食に対する知識があるから、大人になってからの生活習慣病対策もヘルスリテラシーといいますか、ある程度そういう予備知識があるので、行動変容につながりやすいのかなと思いました。
諸外国では、大人にいきなりやっても難しいから、子どもから始めようかなというような話もありまして、子どものときに給食という形で食の大切さや栄養教育ができるということは国際的にも重要なことかなと思います。
ただ、問題は、与えられることになれ過ぎてしまって、自分で選ぶ力を失ってしまう可能性もありまして、例えば大学生になったときに親元を離れたときに食が壊れてしまうということがあるのではないかなと思います。食の選択能力や、おかわり自由でどんどん食べてしまう子もいるみたいなこともあるやに聞いておりますので、どうコントロールするかということが学べるといいのかなと思います。
3点目は、子どもの肥満が平成18年から若干下がってきているというのがありまして、ちょうど大人の肥満もこのころから下がってきておりまして、メタボ対策、メタボの日本の基準が発表されて非常に話題になったということがあります。一方、パパメタボ、お父さんのメタボと子どものメタボ率に相関があるという研究も報告されていまして、ある意味家族で生活に気をつけ合うということが重要かと思います。健康の情報が親から入って子ども、子どもから入って親、両者あると思うのですけれども、そういう双方向の流れをつくることが非常に重要ではないかと思います。
以上でございます。
○辻委員長 まだ御意見があろうかと思いますけれども、予定していた時間を大分過ぎておりますので、もし先生方の中で御意見がある方は、事務局のほうにメール、ファクスでお届けいただければと思います。
それから、せっかく御説明いただいた方につきましても、今のコメントに対して御意見を伺いたいのですけれども、申しわけありませんが、時間の関係で割愛させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
では、続きまして、「高齢者の健康」について、お願いいたします。
○吉住女性の健康推進室長 それでは、資料1の4ページ目をごらんください。「高齢者の健康」の項目でございます。
(1)が「介護保険サービス利用者の増加の抑制」でございまして、平成24年度は452万人でしたものが、現状値といたしまして、平成27年8月の値が493万人となっております。
(2)の「認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上」でございますが、策定時の現状が平成21年の値で0.9%でしたものが、平成24年で3.9%となってございます。
これまでの取り組みでございますが、高齢者施策全体の方向性については、後ほど老健局の担当者から詳しく御説明をさせていただきますが、簡単に御紹介申し上げますと、まず、これまでの取り組みでございますが、被保険者が要介護状態となることを予防するとともに、要介護状態等になった場合において自立した日常生活を営むことができるよう支援するため、地域支援事業を行ってきているところでございます。
また、介護保険法の改正をいたしまして、地域包括ケアシステムの構築に向け、高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるようにするため、介護、医療、生活支援、介護予防を充実することとしております。
また、介護予防事業につきましては、高齢者の状態像にとらわれずに、地域全体で介護予防を推進していくこととしております。
今後の方向性でございますけれども、人と人とのつながりを通じて参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりの推進、また、先進的な市町村で取り組んでいる効果的な介護予防の仕組みを全国展開し、元気な高齢者がふえるような支援を強化。
なお、2番の「認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上」の項目でございますが、今までとっておりました基本チェックリストを今後使用しないこととなってしまいまして、今後の代替のデータソースが要検討の状況となっておりますので、事務局と担当部署との間で今後調整をさせていただく予定でございます。
続きまして、ページをおめくりいただきまして、5ページ目「(3)ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合の増加」でございます。策定時の現状で17.3%でしたものが、現状の値として36.1%まで上昇しているところでございます。
続きまして、(4)の「低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制」でございますが、これは策定時の現状で17.4%、また、現状で17.4%と横ばい状況でございます。
(5)の「足腰に痛みのある高齢者の割合の減少」でございますが、策定時、平成22年は男性が218人、女性291人でありましたものが、平成25年度は男性が224人と若干増加傾向、女性のほうは280人と減少傾向でございます。
これまでの取り組みでございますが、運動器の健康維持の取り組みといたしましては、現在、日本整形外科学会が「ロコモ チャレンジ!協議会」を立ち上げまして、ロコモティブシンドロームの広報啓発活動を推進しているところでございます。
また、健康日本21の開始に合わせまして、「健康づくりのための身体活動基準2013」を策定するとともに、厚生労働省のウエブサイト等で公開しているところでございます。
また、「身体活動基準2013」におきまして、65歳以上の基準を新たに設定するとともに、歩数の増加についても高齢者の目標を掲げて取り組みを推進しているところでございます。
また、スマート・ライフ・プロジェクトの中でも「プラス10分の運動」を推進しているところでございます。
低栄養の回避につきましては、「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書におきまして、高齢者の目標とするBMIの範囲を提示したところでございます。また、高齢者のフレイルティやサルコペニア予防と栄養の関係についてもレビューし、整理をいたしました。
また、介護保険制度の地域支援事業におきましては、全高齢者を対象とした健康・栄養教育、低栄養状態となるおそれの高い者に対する栄養改善指導、地域における配食サービス等を従前より実施しているところでございます。
また、研究についても、高齢者の保健指導のあり方について研究を実施しているところでございます。
今後の方向性につきましては、運動器の健康維持としては、先ほどの「アクティブガイド-健康づくりのための身体活動指針-」等の周知・広報や、「プラス10分の運動」をさらに推進していく方向でございます。
また、低栄養の回避については、高齢者の低栄養の予防を目的とした評価指標に関するエビデンスの構築とその活動を進めていきますとともに、市町村での各種好事例の収集や共有などを通じて、市町村による効果的、効率的な地域支援事業の実施を引き続き支援していくところでございます。
また、平成28年度からは低栄養などの高齢者の特性に応じた保健事業をモデル実施いたしまして、平成30年度から高齢者の特性に応じた保健事業の全国展開を図ることとしております。
おめくりいただきまして、6ページ目、高齢者の社会参加の促進の項目でございます。
策定時の現状は、平成20年の値が男性64.0%、女性が55.1%でありましたものが、平成25年の値は、男性が62.2%と若干減少してしまっております。女性のほうは60.2%と上昇傾向でございます。
この項目につきましては、後ほど老健局の担当者から詳しく御説明をさせていただきたいと存じます。
○辻委員長 それでは、老健局、よろしくお願いします。
○福本老健局老人保健課課長補佐 老健局老人保健課課長補佐の福本と申します。よろしくお願いいたします。
お手元の資料2-5「老健局提出資料」をごらんください。健康日本21(第二次)、平成24年7月に取りまとめられた後の介護予防の政策の転換について御説明させていただきます。
地域支援事業におきまして介護予防事業はやっておりましたが、平成26年におきまして介護保険法の改正を行い、平成27年4月、昨年4月から平成29年4月までの間に全ての市町村が介護予防・日常生活支援総合事業に移行するということになっております。
そのうち介護予防の点について御説明させていただきたいと思います。資料をおめくりください。右下1ページ目でございます。「一億総活躍社会実現に向けた健康寿命の延伸」。29年4月までに全ての市町村が新総合事業に移行するということでございますが、昨年11月にも安倍総理より、介護予防の取り組みについてさらにドライブをかけていくようにという御指示がございまして、「一億総活躍社会の実現に向けた健康寿命の延伸」ということで、政府の緊急対策としても盛り込まれることとなりました。
ここに大まかなシェーマで示しているように、きちんと市町村が地域マネジメントを行い、ハイリスク・アプローチとポピュレーション・アプローチを組み合わせて実施していくことにより、元気な高齢者をふやしていこうというところについて方針が固まっているということでございます。
資料をおめくりいただきまして、3ページ目をごらんください。介護予防の理念とこれまでの問題点について整理しております。介護予防の理念につきましては、高齢者が要介護状態となることの予防、または要介護状態等の軽減もしくは悪化の防止を目的として行うものでございます。
そして、生活機能の低下した高齢者に対しましては、リハビリテーションの理念を踏まえて、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要である。すなわち、単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって一人一人の生きがいや自己実現のための取り組みを支援していくということが、介護予防の取り組みにおいては非常に重要となってくるところでございます。
では、なぜ「心身機能の改善だけを目指すものではなく」というふうに言わざるを得なくなったかということについて、御説明させていただきたいと思います。
23ページの参考2をごらんください。平成26年の法改正前の介護予防事業の概要でございます。
24ページ目にお示ししておりますように、一次予防事業と二次予防事業というものをこれまでやっておりました。一次予防事業は、高齢者全般に対して普及啓発だとか、ボランティアの育成、自主グループの活動等を支援するということで行うもの。
二次予防事業というのは、御承知のとおり、基本チェックリストをお配りして、ハイリスクな人に対してプログラムに参加していただき、状態を改善させるということを目標としておったものでございます。
さらにおめくりください。25ページ目でございます。では、実際二次予防の実績についてどうだったのかということなのですけれども、もともと高齢者人口の5%を目標として取り組んでいただくこととなっておりました。平成18年に介護予防制度が導入されてから、その間1%を超えた年が一切なかったということでございます。すなわち、二次予防事業につきましては、コストパフォーマンスとか成果がどうかという以前の問題として、そもそも参加者がいなかったという非常に反省すべき点が多い。すなわち、今後高齢者の健康への取り組みというものを行うに当たって、ここの事業で我々が経験した失敗というのを二度と繰り返してはならないという数字でございます。0.8%でございます。
26ページ目をごらんいただきたいのですが、右側の円グラフは二次予防事業の対象者把握事業。すなわち、二次予防事業のうちの4分の1近くのハイリスクな人をピックアップして、参加してくださいということを働きかけるということだけで4分の1の予算。お金だけではございません。地域の限られた保健・医療専門職のマンパワーも費やしていたということでございます。
資料の3ページ目にお戻りいただきたいと思います。では、なぜそういった問題が生じてしまったのかということでございますが、介護予防の手法が、心身機能を改善することを目的とした機能回復訓練にどうしても偏りがちであったということ、また、介護予防終了後の活動的な状態を維持するための多様な通いの場を創出することが必ずしも十分ではなかったということが挙げられると思います。
すなわち、二次予防事業、非常に少ない参加者ではございましたが、参加してくださった方はそれなりに機能が改善したというのも事実でございます。しかしながら、市町村、特別な場所に出ていって、特別な指導を受けて一時的によくなったとしても、それが日常生活の生活習慣に根づくものでないということで、1年後にはまた状態が低下して、再度リピーターとして利用するということがございました。すなわち、0.8%と非常に参加者数が少ない上に、リピーターの方も見られたということが問題点としてあります。
資料の14ページに飛んでいただきたいのですけれども、こちらは市町村のアンケートです。二次予防事業についての課題については、そもそも事業への参加率が低かった。卒業できない人がいる。すなわちリピーターがいたということ。また、通所型事業の終了者が介護予防を継続する場が不足しているということが市町村の意識としてもあったということでございます。
お戻りいただきまして、4ページ目をお開きください。
それでは、これからの介護予防をどのように推進していくかという点について、まとめております。
1ポツ目、生活環境の調整や、地域の中に生きがい・役割を持って生活できるような居場所と出番づくりという環境整備というものがまず重要になってくるということでございます。
2ポツ目、そのためにリハビリテーション専門職を生かして自立支援に資する取り組みを推進していくということがございます。
3ポツ目、高齢者を生活支援サービスの担い手であると捉えることにより、支援を必要とする高齢者の多様な生活ニーズに応える。単なる受け手ではなく、担い手として地域の中で新たな社会的役割を有するということを目指していくことになります。
そのためには、4ポツ目、住民自身が運営する体操の集いなどの活動を地域に展開し、人と人とのつながりを通じて参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進するというものがございます。すなわち、基本チェックリストを配布して、それに基づいてハイリスクな人だけにアプローチするのではなく、むしろ住民主体の取り組みを進めていって、保健・医療専門職の力でその機能を高めていくということが求められているということでございます。
こちらを踏まえまして、6ページ目、介護予防事業の体系につきましては、左側、従前の一次予防事業、二次予防事業というふうにございましたが、それは廃止いたしまして、右側、一般介護予防事業と必要なサービス事業というふうに再編させていただいたものでございます。
再編後の一般介護予防事業と介護予防・日常生活支援サービス事業のうち、特に(4)となっている訪問・通所のサービスC(短期集中予防サービス)について説明させていただきます。
おめくりいただきまして、7ページをごらんください。一般介護予防事業でございます。こちらは、住民主体の介護予防の活動とその支援と位置づけさせていただいております。市町村の全域で、高齢者が容易に通える範囲に通いの場を住民主体で展開する。前期高齢者のみならず、後期高齢者や閉じこもり等何らかの支援を要する者といった幅広い方の参加を促す。すなわち、高齢者人口の10%の参加を目標としております。ハイリスクだとか関係なく、高齢者人口10%の参加を目標としております。
住民自身の積極的な参加と運営による自律的な拡大を目指すものでございます。
住民主体と言っても、それは住民に丸投げではなく、必要な技術的な支援を市町村が行っていく。お願いしてやってもらうのでなく、住民自身が自分たちのこととしてやれるようにきちんと指導・助言をしていく、また、環境整備をしていくということが、市町村においては今後一層求められているというものでございます。
住民主体の通いの場は、原則として週1回以上の開催。
後期高齢者・要支援者でも行えるレベルの体操などを実施。
3ポツ目は非常に重要でございます。出前講座による栄養教室や口腔教室などを組み合わせることによって、住民主体の取り組みが効果を高める。住民主体でやっていただくということを丸投げし、放置するのではなく、必要な支援、助言を市町村が行っていくようにしましょうと。
ボランティアの育成・支援を通じて、地域における互助の関係を促進。これも丸投げではなく、ただ、ボランティアさんの活動が盛んで、地域の高齢者の参加率が高い地域ほど、経験則ではございますが、要介護認定率が、5年、7年といった中長期的に低下、抑制されていくということが知られておりますので、そういったことが求められていると思います。当然市町村におきましてもマンパワーが限られておりますので、早い段階からボランティアさんを育成し、住民主体で取り組めるような形の支援を行っていくということが求められております。
29年4月までに新総合事業に全ての市町村が移行するということで、まだ移行期にあります。27年4月から200近い市町村さんが移行されておりますが、まだまだ十分ではございませんが、従来の二次予防事業につきましては、移行する前であっても見直していただきまして、一次予防における住民主体の介護予防活動を優先して実施していただきたいとお示しさせていただいているところでございます。
その下「参考」とあるところは、具体的な事例といたしましては、高知県高知市さんや岡山県津山市さん、茨城県さんの取り組みといった形で、ボランティアさんを育成して、ハイリスクな方とか関係なく、地域の高齢者全てに対して必要な運動を週1回以上やっていただくということを目標として取り組まれて、かつ実績を上げられてきた地域のエッセンスということでお示しさせていただいております。
続きまして、8ページ、短期集中予防サービスでございます。こちらは「専門職による生活行為課題の解決」として書かせていただきました。
従来の二次予防事業における心身機能の改善ではなく、生活行為上の課題を解決するという形で、保健・医療専門職の方にアプローチしていただくというサービスでございます。
さらにおめくりいただきまして、9ページ目を「(参考)要支援1~要支援2の認定調査結果」でございます。このグラフのとおりでございますが、要支援者1、2は、青と赤の折れ線で示しておりますが、要支援者のほとんどは、身の回りの動作は自立している。すなわち、点線の左側、ADLは自立しておるものの、点線の右側、IADL、買い物などの生活行為の一部がしづらくなっているという特徴がございます。すなわち、こういったIADLの障害を来すような何らかのことがあって、こういったことがきっかけによって、不活発な生活に陥ってしまっているということが特徴として挙げられます。
戻りまして、8ページ目でございます。
ポツの2つ目、従来の二次予防事業の参加率が低く、効果が持続しなかったという問題は、その後の運動習慣等を続けるという環境だけでなく、そもそも二次予防事業のプログラムとして、要支援者の抱える生活行為課題の解決に十分につながってはいなかったということが原因の一つとして考えられました。
一方におきまして、介護予防機能強化推進事業。これは「平成26年度」となっていますが、平成24年から平成26年度、3カ年行っています。この事業において、生活行為課題に着目した介入によりまして、要支援者がサービス利用から卒業し、ボランティア活動等に取り組むような効果的なモデルというものが明らかになっておりました。
また、昨年の介護報酬改定におきまして「生活行為向上リハビリテーション」という新たなアプローチを導入させていただきました。そこにおきましても明らかになりましたように、居宅訪問による課題のアセスメント、興味・関心チェックシートなどを活用した利用者本人の意欲把握と動機づけ、また、重要なのはサービス終了後の社会参加です。一般介護予防事業と適切に組み合わせて実施していくことで高い効果が得られる可能性があると考え、こういったサービスを位置づけさせていただいたということでございます。
すなわち、一般介護予防事業、短期集中予防サービスとありましたが、介護予防の方向性といたしましては、いわゆる疾病モデルから生活モデルに大きく転換したのだということを御理解いただきたいと思います。
お時間が限られていますが、12ページをごらんください。一般介護予防事業、短期集中予防サービスというのは、昨年4月からの新総合事業移行によりまして、順次市町村さんには取り組んでいただくことになるのでございますが、当然課題がございます。住民主体の通いの場というのをやるといっても、従来そういった生活モデルに根差した形での介入の仕方というのが十分に経験のない市町村さんもございます。
また、ハイリスク・アプローチ、先ほど申しました短期集中予防サービスにつきましても、生活行為課題へのアプローチといったものへの転換に対して、やはり研修・支援を行っていかなければならないと考えております。
それぞれにつきまして、一昨年から地域住民主体で取り組んで効果を上げている自治体の経験者の方をアドバイザー派遣する等の事業を行っておりますし、また、15ページ目「介護予防活動普及展開事業」ということで、最初の1ページでお示ししました戦略的な組み合わせということを全国に普及・展開していくということを今後目指しておるところでございます。
非常に駆け足でございましたが、以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。
それでは、委員の先生方から御質問、御意見をいただきたいと思います。岡村先生、どうぞ。
○岡村委員 一般介護予防事業のほうですけれども、評価指標というのはどういうふうに考えておられるのでしょうか。というのは、事業回数とか延べ参加人数だけが羅列されていると、昭和の時代の評価みたいになってしまうのですが、そこはどういうふうにお考えか、ちょっと教えていただければと思います。
○福本老健局老人保健課課長補佐 参考1におきまして、具体的な目標といたしましては、高齢者人口の10%に参加していただくことと、通いの場の数の整備ということを21ページ目の一番下、週1回以上の基本とし、人口1万人に対して、おおむね10カ所を目標とすると。すなわち、通いやすい場をいかにふやすかということが重要でありまして、その場がふえると参加者が非常にふえる。我々の知っているところでは、例えば高知県高知市さんは、人口33万人に対して、300カ所以上の住民主体の通いの場がありまして、そこら辺がサチュるというか、目標となるかなと思います。
一方におきまして、高知市さんは9%強の参加率でございますが、我々の知っているところによりますと、石川県小松市さんは、ボランティアの方の育成を絡めることによって、地域の住民の17%が参加しているというふうな実績を承知しております。
○岡村委員 1点だけ。参加者の人数が延べなのか、重複をどうしたか。要するに、少数の興味ある人だけがリピートで繰り返し参加しているというのが物すごいよく見られるので、評価をちゃんとしようと思うと、実人数がどうなっているか、延べ人数がどうかということを両方見ておくのが本来必要かなと思いました。
○福本老健局老人保健課課長補佐 いかんせん、住民主体で取り組むということでございますので、そこの全てに。逆に言うと、10%の高齢者が参加している中に市町村の人が行って把握するということは、多大な業務負担になりますので、通いの場の数、週1回以上参加されているような活動的なところが充実しているということが一番重要な指標ではないかと考えております。
○辻委員長 どうぞ。
○谷川副委員長 1つ質問なのですけれども、これは非常に大事な取り組みだと思うのですが、「全国に普及するとともにフォローアップ体制を構築」とありますが、この予算は、全国で高齢者が10%参加したときに、全部ボランティアで賄えるのかどうかとか、例えばその人たちからお金を取るのか、それは介護保険料から取れるのか、もしくは民間からの進出を促すのか、そのあたりはどのようにお考えなのでしょうか。
○辻委員長 時間がないので、意見だけいただきたいと思います。
西村先生、お願いします。
○西村委員 私、呼吸器を専門としてこの会に入っているのですけれども、高齢者の健康を考えるときに、高齢者の肺の健康ということは大変重要なのですが、何かすっぽり抜けている感じがします。と言いますのも、肺炎は日本人の死因の第3位となっており、10数万人が亡くなっています。悪性腫瘍の中では肺がん死が最も多くて、しかも肺がんは最近の治療の進歩により長期生存例も増えています。さらにはCOPDでも凡そ1万7,000人が亡くなっており、そればかりではなく高齢者のQOL低下をきたす代表疾患のひとつです。
そういう意味で、例えばそういった肺の健康という観点から、ある一定の労作をしたときの息切れがどのくらいあるかとか、あるいは肺炎球菌ワクチンの接種率がどのくらい高まっているかとか、肺の健康から見る様々な指標も将来的にはぜひ取り入れてほしいなと思います。
以上です。
○辻委員長 ほかにどなたか。若尾先生、どうぞ。
○若尾委員 詳しい説明をありがとうございました。非常によくわかったのですが、そもそもで、言葉の定義がわかっていないからかもしれないのですが、資料1の4ページ「高齢者の健康」の目標が介護サービスの利用者の増加を抑制するということで、これはよろしいのですか。利用者をふやすということが目標になっているのかとちょっと感じたのですけれども、その辺を教えていただければと思います。
○辻委員長 済みません。どれですか。
○若尾委員 資料1の横表の4ページ。
○辻委員長 これは、今後高齢化が進んで高齢者人口がふえていけば、認定数が変わらなくても数がふえますね。その増加を抑制しようということですね。
○若尾委員 今、言った介護予防サービスなどの利用者というのは入らないのですか。
○辻委員長 介護予防は入らないということですね。福本さん。
○福本老健局老人保健課課長補佐 介護予防サービスを利用しなくても済むように予防をしていきましょうということでございます。委員長からお示しがありましたように、実人数としては当然ふえていくものではございますが、それがなるべくふえないようにと。当然ふえていくものでございますが、ふやすさないというより、逆に健康な高齢者をふやしていくということを前向きな方向としてやっていきたいと考えております。
○辻委員長 まだ御意見があろうかと思うのですけれども、時間が大分過ぎていますので、次に移りたいと思います。
1つだけ私から。先ほど岡村先生からも評価の問題について御意見いただきましたけれども、この資料の22ページを見ておりますと、評価というところで「プロセス評価を中心に実施するとともに、アウトカム指標について評価することが望ましい」と書いていますが、それはそれで結構なのですが、参加者がこれくらいふえたとか、そういったプロセスが高まることによって、どれくらいまで上がるとアウトカムとして要介護認定率が下がってくるのか、その辺の定量的な御議論も後で教えていただきたいなということです。済みません、時間がないので、私の意見だけにさせていただきます。
では、次に、資料3につきまして事務局からお願いいたします。
○吉住女性の健康推進室長 それでは、資料3をごらんください。こちらは前回第5回の委員会で提出いたしました別表第4の項目でございますけれども、別表第4の(4)の項目のうち、日本薬剤師会からの数字が前回の資料作成時には現状値としてまだ上がってきておりませんでしたので、今回最新の値について御報告させていただきます。
この健康づくりに関して、身近で専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点数の増加の項目でございますが、日本薬剤師会から地域住民の健康支援・相談等を行い、その旨を積極的に地域住民に周知している薬局の数が出てまいりました。これが平成27年10月時点で1万3,221となっております。これは、日本栄養士会が行っております栄養ケア・ステーションの数と合わせまして、最新値が平成27年度の値で1万3,458となっておりますので、御報告いたします。
これにつきまして、後ほど日本薬剤師会さんのほうから詳しく御説明をしていただきたいと思います。
○辻委員長 それでは、日本薬剤師会の有澤常務理事さんから資料4の御説明をお願いいたします。
○有澤参考人 日本薬剤師会で地域医療・保健担当をしております有澤でございます。本日、このような機会を与えていただき、まことにありがとうございます。
ただいま説明があった資料3のところの数字が、当方のほうで事前に送らせていただいた数字とちょっと過誤がありまして、数字を訂正していただきたいと思います。「1万3,115」という数字になっております。
資料4に基づいて説明をさせていただきます。
1枚おめくりいただいて、健康日本21(第二次)の目標として、目標項目の5つのうち(4)の部分「健康を支え、守るための社会環境の整備」ということで、具体的な目標「地域住民が身近で気軽に専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点の増加」ということで、薬局は地域住民のライフステージを通して、健康なときから医療・介護を必要とするまで、その全ての生活の中で多職種と連携して地域に貢献するということを考えております。
策定時のときに、実際に健康支援・相談対応等を行って、その旨を積極的に地域住民に周知している薬局として7,087でありました。策定時は、日本薬剤師会が国保連等の「健康介護まちかど相談薬局」を初めとした薬局、あるいは相談機能等を生かした取り組みに関する調査、その結果から得られた数字を出させていただいております。
具体的な取り組みの例としては、こちらに書いてある禁煙、こころの健康、高齢者支援等、これらのことであります。
ページをおめくりいただいて、「薬局を巡る近年の状況」として、日本再興戦略により、国民の健康寿命の延伸に薬局・薬剤師を活用しようということが示されまして、医薬食品局、旧名称でありますが、現在の医薬・生活衛生局の予算として、各都道府県に平成26年度、27年度で「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点の推進」という事業が展開されております。
平成26年では、下に書いてありますようなモデル事業を中心として、27年にはこの事業を踏まえた形で把握できた課題の改善、あるいは事業規模の拡大、こういったことを念頭に置きまして、さらに右側のほうの健康情報拠点としてふさわしい薬局、基準等の作成、あり方の検討会が設置された中で検討されて、昨年の9月24日、公表されたところであります。
次をおめくりいただきます。健康情報拠点薬局の推進事業の中で検討された薬局というものが、最終的に「健康サポート」という形で位置づけられまして、2月12日に省令改正、通知等、4月1日施行で、届け出は10月1日以降という形になります。
こういった中で、薬局の位置づけ、健康サポートを定義するに当たり、当会ではかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師というものをしっかり定義させていただきました。それがまず服薬情報の一元的・継続的な把握、あるいは24時間の対応あるいは在宅対応、そして医療機関との連携、こういったものを土台として、国の制度の中で国民の病気の予防や健康サポートに貢献、あるいは要指導医薬品を適切に選択できるような供給機能や助言の体制、あるいは健康相談の受付、受診勧奨、関係機関の紹介等をしっかりと行う、薬局の機能をその地域にしっかりと発信させていくということ、かかりつけ薬局の上にこれらの機能を備えたものを「健康サポート薬局」と位置づけております。
次のページをごらんいただければと思います。そういった地域健康情報拠点薬局推進事業も含めまして、サポートを目指すための中にそれぞれ都道府県薬剤師会が取り組んでいる例、あるいは都道府県と連携して、それぞれ健康情報拠点推進事業における取り組みをした例がこちらに例示されております。
次のページです。健康日本21(第二次)の取り組み状況としては、そういったところを調査させていただいて、実際に取り組みの事例として、先ほどと同様の禁煙、こころの健康等、26年度末で5万7,784薬局ある中で、10月に調査させていただいた数字で1万3,115という形になっております。
次のページ「今後の展望」としては、健康サポート薬局は、単に薬局の一類型ではなく、薬局が地域包括ケアシステムの中で地域の多職種と連携して、地域の保健・医療に貢献していく上で、薬局として目指すべき機能・役割の方向性であると考えておりますし、先ほど説明したように、各都道府県あるいは各地域でばらばらな取り組みをしております。こういったものを最終的に「健康サポート薬局」という形に集約を図っていって、さらなる相談体制、あるいは地域住民に対して健康情報の提供について、質的向上を図った中で、薬局における国民の健康の保持増進、支援を進めさせていただきたいと考えております。
以上であります。
○辻委員長 ありがとうございました。
ただいまの有澤常務理事の御発言について、あるいは本日の議論全体について、数分残っていますので、御意見がありましたらお願いしたいと思います。若尾委員、どうぞ。
○若尾委員 ありがとうございます。
ちょっと教えていただきたいのですが、4ページの図で、今回の「健康サポート薬局」制というのは、もともとオレンジ色の「かかりつけ薬剤師・薬局」がある上で、上の水色の部分が追加されたということで、オレンジ色の部分は今でもあるという認識でよろしいのでしょうか。
○有澤参考人 昨年来薬局に対するさまざまな批判がありまして、どちらかというと処方箋を中心としたそういう業務に偏っている。そういったところから一度きちっと定義をさせていただいて、まずこれを全ての薬局が目指しましょう、その中で土台部分の上に乗せるというふうな考え方であります。
○若尾委員 そうすると、オレンジも今回の中で整備していくということなのですか。
○有澤参考人 そうです。できているところもあれば、まだできていないところもあると考えておりますので、その整備を図った上で、この上に乗せていこうということであります。
○若尾委員 ありがとうございます。
○辻委員長 山之内委員、どうぞ。
○山之内委員 同じく健康サポート薬局に関してなのですが、こころの健康を支える上で地域の資源として非常に注目したいなと考えているのですけれども、自殺のゲートキーパーというところが例示されてあったのですが、いわゆるこころの対応等については、どのようなお考えを持っていらっしゃるか、短く教えてください。
○有澤参考人 とりあえず会全体としては、政府等のポスターとかそういったものをそれぞれ掲示した上で、今のところ各都道府県の事業でありまして、参加されている宮野委員のところで特に中心的にやっているので、ちょっとお話ししていただいたほうがいいのかなと思います。
○宮野委員 私は、内閣府の自殺対策官民連携協働会議にも出席させていただいておりまして、薬局・薬剤師が「気づく」ゲートキーパーとしての活動を各県で広める研修の支援をしておりまして、こちらの第2回「健康日本21(第二次)推進専門委員会」に出させていただいたとき、DVDを作成してお渡しさせていただいたと思うのですが、基本的にはDVDの中にあるような活動をしております。
地域の精神保健サービスがまだ成熟していないところにとっては、かかりつけ医のところ、プライマリーケア医のところにうつ病を発症した患者さんなどが行かれるケースというのが非常に多くて、また、そこまでも至っていない患者さんが薬局に来局した際に薬剤師が「気づく」ということが非常に多いと思っております。そのようなときにかかりつけ医につないだり、地域保健サービスにつないだり、また、専門医につないだり、「つなぎ」のところにも関わっているというところです。
○有澤参考人 ありがとうございました。
○辻委員長 よろしいでしょうか。
そちらの説明席のところに老健局の福本補佐がまだ残ってくださっていますので、もしよろしければ、先ほど御質問とかありましたことについて、一言いただければと思います。よろしいですか。
○福本老健局老人保健課課長補佐 お金の点ではございますが、住民主体と住民丸投げは違うというところにも関連しますが、住民さん自身の取り組みとしてしていただくことが非常に重要と考えております。
我々もモデル事業をやっておりますし、10年近くこういったことをやってこられた市町村さんの実績からしますと、例えばお役になっていらっしゃる方の御負担をということで、ある市ではそういった方に補助金をお配りしようとしたのですけれども、逆に怒られたと。いいことをやっていて、自分自身の取り組み、自分たちのこととしてやっているに、そんなことはしてくれるなというふうに言われた。
あと、ボランティアを育成して取り組んでいらっしゃるところも、地域の公民館とか集会所を使うときのお金についての一部、例えばエアコン代とかそういったのを支援するということはありますが、例えば住民主体の通いの場への行き帰りで転んで骨折したらどうするのだ、保険をとかいう話は出てきていないということでございます。
すなわち、これまでの介護予防の取り組みで十分でなかったところは、住民さん自身にきちんとした意識づけをすること。そして、そのための必要な技術的な支援、指導・助言を十分にできていなかったことが問題であると思います。すなわち、お金をかけること以上に必要な、支えるということを専門職、特に保健・医療専門職の方々はマンツーマンで、ハンズオンで直接的な介入をするということはこれまで得意ではございましたが、間接的に集団に対してその機能を引き上げていくといった方々の育成というのがより一層求められておることでございまして、今後普及展開事業におきましては、何か補助金をまくということではなく、地域に出ていって必要な指導・助言をできるような専門職をきちんと育成していく。栄養士会さんもそうですし、薬剤師会、リハの専門職の団体もそうですし、そういった方々と緊密に連携をとって研修事業を行っていき、地域に出ていっていただく。そういったことを目指しておるところでございます。
○辻委員長 ありがとうございました。
それでは、ちょうど時間が来ましたけれども、本日の議論はここまでとしたいと思います。大変活発な御議論をいただきましてありがとうございました。
では、最後の今後のスケジュールなどにつきまして、事務局から御説明をお願いします。
○古賀課長補佐 次回の委員会の日程につきましては、後日改めて調整させていただいて、御連絡を差し上げます。
○辻委員長 それでは、本日はこれで閉会といたします。
どうもありがとうございました。
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