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2016年5月20日 第一回医療計画の見直し等に関する検討会

医政局

○日時

平成28年5月20日(水)13:00~15:00


○場所

三田共用会議所講堂(1階)
東京都港区三田二丁目1番8号


○議事

○迫井地域医療計画課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回「医療計画の見直し等に関する検討会」を開会させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

 議事に入ります前に、本来でございましたら、構成員の皆様方の御紹介と事務局の紹介をさせていただくところではございますけれども、時間の関係上、座席表、それから、構成員名簿の配付をもって御紹介にかえさせていただきます。

 また、本日は、尾形裕也構成員から欠席との御連絡をいただいております。

 なお、私ども医政局の神田局長につきましては、別の公務のため、おくれてまいります。それから、総務課長の中村につきましては、急遽、公務が入りましたので、欠席とさせていただいております。

 それでは、まず、事務局を代表いたしまして、医政担当審議官の梅田より御挨拶を申し上げます。

○梅田審議官 審議官の梅田でございます。

 本日は大変お忙しい中、御出席をくださいまして、まことにありがとうございます。また、構成員の皆様方におかれましては、平素より医療行政の推進に御尽力を賜りまして、重ねて御礼申し上げます。

 本検討会の開催目的でございますが、御案内のとおり、平成30年度から開始される第7次医療計画の策定に向けて、委員の皆様に今後のあるべき医療提供体制のあり方等について御議論をいただくものでございます。

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、都道府県では昨年4月より、地域にふさわしい医療提供体制を構築するため、病床機能ごとの必要病床数を踏まえた地域医療構想の策定を鋭意進めており、今年度中には全ての都道府県で策定を終える予定となっております。

 次期医療計画からは、この地域医療構想に加え、地域医療構想の達成に向けた病床の機能分化・連携の推進に関する事項を医療計画に盛り込むことによって、地域医療構想と医療計画が一体的に推進されることになります。このため、地域医療構想における将来のあるべき医療提供体制を実現するために、救急医療や災害医療等の5事業及び在宅などのより具体的な対策の検討が求められている状況にございます。

 また、2025年を見据えまして、医療と介護の一体的な取り組みの推進に向けた対応が必要となってまいりますので、地域包括ケアシステムの構築に向け、医療計画において在宅医療等をどのように推進するのかということについても重要な検討課題と認識しております。

 構成員の皆様方におかれましては、それぞれの御専門の立場から忌憚のない御意見を賜りたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

○迫井地域医療計画課長 それでは、座長が選出されるまでの間、地域医療計画課長の迫井が議事の進行をさせていただきます。

 初めに、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1から5まで、それから、参考資料が1から4までお配りをしております。

 過不足等がございましたら、お知らせをいただければと思います。

 それでは、続きまして、本検討会の座長についてお諮りしたいと思います。

 開催要綱では「座長は構成員の互選により選出する」とされております。どなたか御推薦はございますでしょうか。

 今村構成員、お願いいたします。

○今村構成員 遠藤先生にお願いしてはどうかと提案いたします。

○迫井地域医療計画課長 ありがとうございます。

 ただいま、今村構成員より、遠藤構成員を御推薦いただく御意見がございましたけれども、皆様方、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○迫井地域医療計画課長 ありがとうございます。御異議はないと認めます。

 それでは、皆様方に御賛同いただきましたので、遠藤構成員に座長をお願いしたいと思います。

 遠藤構成員におかれましては、座長席に御移動をお願いいたします。

(遠藤構成員、座長席へ移動)

○迫井地域医療計画課長 それでは、以降の議事運営につきまして、遠藤座長にお願いいたします。

 それから、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

○遠藤座長 ただいま座長を仰せつかりました遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほど審議官からもお話がありましたように、この医療計画の検討会でございますけれども、地域医療構想と地域包括ケアをどう地域医療計画の中に組み入れていくのか。そういったところが大きな課題になるのだと思いますけれども、委員の皆様を拝見させていただきますと、地域医療構想の作成に関する2つの検討会がこれまでございましたが、それにずっと御参加されている先生方もいらっしゃいますし、それから、地域包括ケアに大変お詳しい、造詣の深い方々もいらっしゃるということで、大変心強く思っておる次第でございますので、ぜひ御協力のほどをよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、初回でございますので、幾つか事務的なことを行わなければいけないと思います。

 まず、第1でございますけれども、開催要綱では、座長は座長代理を指名することができるということになっております。私といたしましては、まさに地域包括ケアの御造詣が大変深くて、なおかつ医療部会の部会長代理をされていらっしゃいます田中先生に座長代理をしていただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

 それから、もう一つでございますが、欠席した場合の代理出席についてのルールについて、少し確認をさせていただきたいと思います。

 団体を代表して御参加いただいている構成員の方が欠席の場合には、かわりに出席される方については、事前に事務局を通じて座長の了解を得ることと、当日の会合において承認を得ることにより、参考人として参加して発言をいただくことを認めることにしたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(首肯する委員あり)

○遠藤座長 それでは、そのような対応をさせていただきます。

 そうしますと、早速でございますけれども、本日の会議につきましては、齋藤訓子構成員の代理として、公益社団法人日本看護協会専務理事の井伊久美子参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日は、事務局から資料が出ておりますので、まずは事務局から説明をいただいて、その後に議論を進めたいと思います。

 それでは、事務局、資料の御説明をお願いしたいと思います。

○木下課長補佐 事務局でございます。お手元の資料に沿いまして説明いたします。

 まず、資料1、開催要綱になります。

 既にこれまで、目的や進め方の説明をいたしましたが、検討事項として大きく4つを掲げています。

 本検討会では、医療計画の作成指針。2つ目として、医療計画における地域医療構想の位置づけについて。3つ目として、地域包括ケアシステムの構築を含む医療・介護の連携について。4つ目として、その他医療計画の策定及び施策の実施に必要な事項について、御検討いただきたいと考えています。

 資料2を御用意ください。まず、医療計画の現行の制度の概要も含め、全体像の説明をいたします。

 まず、医療法における医療計画の位置づけです。

 第一条の医療法の目的ですが、「医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保」を医療法の目的として位置づけています。

 具体的には「第五章 医療提供体制の確保」の第二節に「医療計画」を位置づけており、第三節の「地域における病床の機能の分化及び連携の推進」の節に地域医療構想を設けています。

 2ページをご覧ください。医療計画を含めました医療法の改正の主な経緯についてまとめています。

 医療法は昭和23年に制定され、制定当時は終戦後ということもあり、医療機関の量的な整備を主たる目的として制定されています。

 それから約40年たちました昭和60年、第一次の改正を行っておりまして、その際の改正の趣旨としては、量的な整備は全国的にほぼ達成されたことに伴い、その当時の課題となっていた医療資源の地域偏在の是正と医療施設の連携の推進を目指し、改正を行っています。その際、導入されたのが本医療計画制度になります。当時、二次医療圏ごとに必要病床数を初めて設定したのが第一次改正です。

 続きまして、その後、約5年を一つの区切りとしまして随時改正を行っています。

 第二次改正は平成4年に行っています。その際には、患者さんの状態に応じた適切な医療を効率的に提供するための医療施設機能の体系化を行っており、右にありますように、特定機能病院の制度化、また、療養型病床群の制度化を行っています。

 次の平成9年の第三次改正では、介護体制の整備、また、患者の立場に立った情報提供体制、さらには、医療機関の役割分担の明確化及び連携の促進を行い、右にありますように、地域医療支援病院制度の創設、医療計画制度の充実を行っています。

 次の平成12年、第四次改正では、高齢化の進展等に伴う疾病構造の変化等を踏まえた体制の整備を目的に、療養病床、一般病床の創設、また、その際には医療計画制度の一部見直しを行い、名称を現行の「基準病床数」という名称に変更を行っています。

 次の第五次改正、平成18年の改正の際には、質の高い医療サービスの体制の構築を目的に、医療機能の分化・連携の推進を主たる目的としていまして、右にありますように、医療計画に4疾病・5事業を設け、具体的な連携体制の位置づけを進めております。

 次の平成23年の改正の際には、右にありますように、在宅医療の連携体制を求めることを明記するとともに、5つ目の疾病として精神疾患を追加しています。

 平成26年、直近の改正ですが、その際には、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築とともに、地域包括ケアシステムを構築することを目的に、右にありますように、地域医療構想の策定。また、その際に病床機能報告制度を創設するとともに、地域医療介護総合確保基金の創設を行っています。

 次に、現行の医療計画制度についてまとめたものになります。

 まず「趣旨」は、都道府県が、地域の実情に応じて、医療提供体制の確保を図るために策定するものと位置づけています。その中には、医療提供の量、いわゆる病床数を管理するとともに、質の高い医療を受けられる体制、医療連携や医療安全の整備を目的としています。また、医療機能の分化・連携を推進することにより、急性期から回復期、在宅療養に至るまで、地域全体で切れ目なく必要な医療が提供される「地域完結型医療」を推進しています。

 医療計画に記載する事項として、大きく5疾病・5事業及び在宅に係る目標、それらに係る連携体制及び住民への情報提供の推進に関する策といったものを記載事項として位置づけています。それ以外に、地域医療支援センターにおいて実施する事業として、医師、看護師等の医療従事者の確保策。それ以外に、医療安全の確保。二次医療圏、三次医療圏の設定。基準病床数の算定といったものを医療計画の記載事項として定めています。

 また、それらを構築、または周知及び取り組みの推進として、次に掲げるような事項を医療計画の中に位置づけています。

 次の4ページをご覧ください。医療計画の策定に当たって、国の指針をお示ししています。その全体像についてまとめましたものが、この4ページになります。

 まず、基本的な方針に関しましては大臣告示としまして、医療提供体制確保の基本的考え方をお示ししております。その基本的な考え方を踏まえ、医政局長通知として医療計画作成指針。また、その作成に当たりまして、疾病または事業ごとの詳細な指標の考え方とか構築の手順を課長通知でお示ししています。

 こういったものを盛り込んだものが、右にありますように、医療計画の中に記載されている事項として列挙しています。疾病・事業ごとの医療体制に始まり、地域医療構想に関すること、また、医療従事者の確保、医療安全の確保に関することといったものをまとめたものが医療計画全体となっています。

 次の5ページをご覧ください。これらの医療計画を策定するに当たり、各県においては次の5ページにあるさまざまな会議体を設けて御議論いただいています。

 まず、医療計画全体を話す県全体の会議体として、都道府県医療審議会。また、個別の施策に関するところで医師の確保策に関しては、この地域医療対策協議会を県全体の会議体として設けています。

 5疾病・5事業、さらには在宅に関しまして作業部会を設け、各県において、5疾病・5事業ごとの作業部会で詳細な御議論をいただいています。

 また、右に行きまして、医療圏を念頭に置いておりますが、地域ごとの会議体を設けています。その一つの圏域連携会議というものに応じまして、地域の医療圏ごとの検討を進めていただいています。また、地域医療構想に関して、先般の医療法の改正で、地域医療構想の実現に向けた議論をする場として、構想区域ごとに地域医療構想調整会議を設けています。実態的には、この圏域連携会議と調整会議が一体的な運用をされている自治体が多いと認識しております。県全体としてはこういった会議体を複数設けて、重層的に御検討いただいています。

 また、個別の施策に関して、真ん中の欄にありますように、周産期に係る協議会、また、へき地の保健医療対策に関する協議会は、別途それぞれ個別のテーマに応じた形で協議の場を設けています。

 枠囲みの実線は医療法に位置づけられており、破線は通知で設けられている協議会です。

 次の6ページをごらんください。6ページ、7ページは、前回見直しを行いました、現行の第6次医療計画に関して、各都道府県に見直しを行っていただきたいということをまとめたものが左です。それに対して、右に各県でどのような対応がなされたかを整理したものが6ページ、7ページです。

 まず、6ページで、前回の第6次の医療計画を策定するに当たり、二次医療圏の設定を再度検討いただきたいということをお示ししています。

 人口規模が20万人未満の二次医療圏で、患者さんの流入の割合が20%未満、患者さんの流出の割合が20%以上の場合には、二次医療圏の設定の見直しについて検討することを求めました。

 その対応状況として、右にありますように、二次医療圏の見直しの対応を行ったのが次の3つの県です。この3つの県では前回の第6次の医療計画の策定の際に医療圏の見直しを行っています。

 また、現在、地域医療構想の策定を進めていただく際にも改めて構想区域という名称で圏域の見直しを行っていただくことをお願いしており、実際に地域医療構想策定に当たり、複数の県で医療圏の見直しが行われているところです。

 そういった状況で、各県におきまして、医療圏域の検討が進められているところです。次回以降、改めて、こういった現状の対応状況も含めて御説明をしたいと思っています。

 また、次の2.です。前回の第6次の計画の際に、新たに精神疾患と在宅医療に係る医療体制の充実・強化を目的として、これらに係る、医療体制の構築に係る事項を医療計画に記載することを明確に位置づけたところです。

 これらへの対応につきましては、右に参りまして、全ての都道府県で、追加となった精神疾患、または在宅医療に関する記載事項を盛り込まれているところです。その際に、各県において指標として定めたものを幾つか、例示を挙げています。こういったもので、各県において精神疾患、在宅医療についても指標を設けて対応いただいているところです。

 7ページにお進みください。

 前回の第6次の計画の見直しの際に、疾病・事業ごとのPDCAサイクルを推進することを目的として、具体的な数値目標の設定並びにそういった指標に対して、定期的に評価、進捗状況の把握、さらにはそれらを踏まえた上で、施策の見直しというPDCAサイクルを具体的に進めていただきたいとまととめたところです。

 それらにつきまして、右の対応状況で、現在、各県において計画が遂行されているところですが、計画の策定段階において、毎年評価を行うという記載を設けていただいたのが25の都府県となっています。こういった指標の見直し・評価をどのように行っているかということを見ていきたいと思っています。

 4つ目として、医療従事者の確保に関する事項についても、前回の重点事項として位置づけているところです。その際に、地域医療支援センター事業による取り組み状況の報告、また、それらを効果的に活用して、従事者を確保するということを医療計画に記載することとしています。

 この第6次の計画の期間にいて、全ての都道府県で、現在、地域医療支援センターの整備が整ったところです。また、その地域医療支援センターを介した医療機関へのあっせん・派遣といったものの実績の数値をそこに記載しているところです。

 5つ目としまして、災害時における医療体制の見直しを重点課題の一つとしていました。前回、第6次の際には、東日本大震災で認識された課題を踏まえた見直しを行っています。具体的には、災害拠点病院の整備や、中長期的な災害医療体制の整備の中において、コーディネート機能を担う体制整備といったものを通じて災害医療体制の構築の促進を促してまいりました。

 現在の対応状況として、右にありますように、災害拠点病院(712病院)、また、コーディネート機能の役割を担っていただく方の研修も進めており、平成27年におきまして、延べ359人の研修を受けられた方の養成を進めているところです。

 8ページにお進みください。前回の第6次以降に、医療計画に関する見直しにつきまして行われた事項を整理しているところです。

 まず、8ページにありますように、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律が成立しております。この中で、冒頭から申しております地域医療構想が法律の中に位置づけられたことです。

 「概要」の中の2番目にありますように「地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保」ということで、地域医療構想を策定すること。また、順番が前後しますが、1.にありますように、新たな創設した基金を活用し、各県におきまして事業を策定して、病床機能の分化・連携を進めるといったものが法律の中に盛り込まれたところです。

 また、3.として地域包括ケアシステムの構築に関しても、先般の法改正の際に法律の中に盛り込まれたところです。

 次の9ページをお開きください。こういった医療・介護サービスの提供体制の改革後の姿をイメージ図でお示ししているところです。

 特に、このイメージ図の中におきまして、左にありますように、入院医療を中心とした医療提供体制の構築につきまして、本検討会で具体的に医療計画の中でどう取り組んでいくのかということを大きなテーマとしています。

 また、真ん中にありますように、医療と介護の連携であります地域包括ケアシステムの整備つきましても、どのように体制を確保・構築していくかということが重要な課題と認識しています。

10ページをお開きください。総合確保法の策定を受けまして、その取り組みを進めるための基本的な方針を策定しています。この方針の概要をまとめたものが10ページと次の11ページになっています。

 この基本的な方針の中におきます基本的な方向性のマル1といたしまして「効率的で質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築」を基本的な方向性として位置づけています。

 それに対する行政の役割といたしまして、国においては医療計画の基本方針の策定、また、基金を通じた財政支援を求められているところです。

 都道府県では、地域医療構想に基づく医療機能の分化・連携の推進を掲げておりまして、これを踏まえ、現在、各県におきまして地域医療構想の策定を進めているという状況です。

 また、市町村におきましては、地域包括ケアシステムの推進を行政の役割として位置づけているところです。

 次の囲みの第2になりますが、今般御検討いただきます医療計画の基本方針と、介護の保険事業計画の基本方針は、整合性を確保し、取り組みを進めていくことがこの基本方針の中で求められていまして、これらの取り組みが一体的に行われるよう、各計画においても整合性をもって作成することとされています。

 それでは、11ページをお開きください。

 これらの計画を一体的・整合性をもって進めるという観点から、これら2つの計画が今までそれぞれサイクルの時期が異なっていたところですが、平成30年度以降、医療計画の見直しの期間を、6年を一つのサイクルとすることによって、介護保険事業(支援)計画とのサイクルの時期を一致させるということを先般の法改正の際に行っております。

 また、作成の整合性につきましては、第3にありますように、基金事業の作成に当たっても保健・医療担当部局と介護・福祉担当部局の緊密な連携。また、都道府県による市町村の後方支援といったものをこの基本方針の中に盛り込んでいるところです。

 さらに、第4で、基金に関する事項として、基金を充てて実施する事業の範囲の1つ目で、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または施設の整備に関する事業を位置づけ、財政的な支援もあわせて行うこととしています。

 続きまして、12ページをお開きください。12ページからは、これまで御説明していた中の地域医療構想の部分を少し特出しにして御説明する資料になっております。説明が重複する部分がございますので、ポイントだけ説明してまいります。

 地域医療構想は、昨年の平成27年4月から県において策定を進めていただいています。2025年の必要病床数を定めることを目的として、現在、各県において策定を進めている状況です。

 地域医療構想の内容は、1つ目として、2025年の医療需要と、それに合わせて病床の必要量をどのように推計するのか。また、それを達成するための目指すべき医療提供体制を実現するような施策をどのように盛り込んでいくのかということを地域医療構想に盛り込むべき内容としていまして、具体的に検討する場といたしまして、地域医療構想調整会議で議論・調整いただくことをお願いしています。

13ページをお開きください。各県の地域医療構想の策定の進捗状況をまとめています。

 既に策定済みが12で、平成28年度の半ばまでの策定予定が27で、平成28年度中に策定を終える予定が8という状況です。今年度中に全ての都道府県において策定が終了する予定になっています。

 会議等の開催状況は、ごらんのとおりです。

14ページにお進みください。この地域医療構想を検討する際に先立ちまして、病床機能報告制度をスタートしています。こちらは平成2610月よりスタートしており、この中で各病院が病棟を一つの単位として、次に掲げます4つの機能から選択して報告をいただいているところです。

 この病床機能報告制度は、お示ししています4つの病棟ごとの機能だけではなくて、次の15ページをお開きください。各医療機関から、ここにありますような病床機能報告制度とあわせて報告いただく事項、詳細な情報をいただいております。

 左にありますように、構造設備・人員配置等に関する項目。また、右に行きまして、具体的な医療の内容に関する項目も医療機関ごとに御報告いただいています。こういった情報を今後の医療計画の検討、また、県における策定を進める際に、十分に活用しながら、さらに詳細な計画づくりができるのではないかと考えているところです。

 また、この4月からは、これに加えまして、各病棟のコードも追加されています。そういったものもあわせて分析を進めることによって、より詳細な、各医療圏の医療提供体制の検討に資するデータの整備も進めているところです。

16ページをお開きください。16ページ、17ページには、こういった地域医療構想の実現に向けた関連する取り組みをまとめて整理しています。

 大きくくくりますと、1つ目として、今後必要な課題として、回復期の充実。いわゆる急性期からの病床転換をどう進めるのか。2つ目として、医療従事者の需給の見通し、養成数の検討をどう進めていくのか。3つ目として、慢性期の医療ニーズに対応する医療・介護サービスの確保について、どのように取り組んでいくのかという大きな課題があろうかと思っています。

 それに対応すべく、1つ目として、回復期の充実に関しては、基金の活用。さらには、適正な診療報酬の設定も今後行っていきながら、引き続き回復期の充実に取り組んでいきたいと考えています。

 2つ目の、医療従事者の需給見通しに関しては、現在、医療従事者の需給に関する検討会を別途開催していまして、その中で偏在対策も含めた検討を、今、進めているところです。

17ページをお開きください。そのほか、慢性期の医療ニーズに対応する医療・介護サービスの確保という課題につきましても、基金の活用、また、昨年末にまとめています、療養病床の在り方等に関する検討会。こういった場でさらなる検討を進めているところです。

 続きまして、資料3をお開きください。今、御説明いたしました医療計画の現状、また、第6次の課題等を事務局で整理したものが資料3です。今後、各構成員の方々からの御意見をいただきながら、この課題の整理を進めて、今後の議論に資すればという趣旨で作成をしたものでございます。

 まず1.になりますが、第6次医療計画策定時の課題と、その対応状況について整理したものです。

 二次医療圏と基準病床数制度につきまして、前回の見直しの際に一定程度、考え方の整理をしたところです。その考え方を踏まえ、一部の都道府県においては医療圏の見直しを対応いただいています。

 さらに、今後進めるべき課題として、各都道府県が今回見直しを行った取り組み、また、地域医療構想の策定の際にも対応いただいているところです。さらには、今後の人口構想の変化を踏まえた場合の医療圏の見直しの必要性についてどう考えるかということが一つのテーマかと思っております。

 続きまして(2)になりますが、5疾病・5事業及び在宅医療につきましては、前回の見直しの際に新たに位置づけたもの。また、さらには在宅医療の充実・強化のために、具体的な数値目標や施策等を記載することを明示したところです。

 次の(論点例)として、5疾病・5事業のうち、特に今回の地域医療構想を踏まえ、高度急性期から在宅医療を含めた慢性期の受け皿の整備や地域包括ケアシステムの構築といったものに至るための医療提供体制の構築において、特に5事業を念頭に置いておりますが、救急医療等の5事業に関連してどのような取り組みが今後必要であるか。

 また、次の2つ目のポツになりますが、5疾病の疾病対策に関しては、今後の疾病構造の変化を踏まえ、医療体制の構築だけでなく、さまざまながん対策や脳卒中、心筋梗塞等の循環器対策、また障害福祉計画におけます精神障害者への対策といったものとの連携をどのように進めていって、より実効性が高く効率的な施策を実施するためには、これらの計画とどのように連携を図っていくのが必要かということも一つの論点と考えています。

 次の2ページをお開きください。これらの事業を推進するに当たり、現在、指標を設け、PDCAサイクルを推進するということを考えています。

 ただ、現行の指標等につきましては、必ずしも使い勝手がよくないということでありますとか、施策と十分につながっていない、または住民に対する情報の公開といったものがどうかという課題があろうかと思っています。

 今回の医療計画の検討に当たりましては、医療計画に基づく施策を推進するための立案や見直しにつながるような評価指標とすることが必要ではないかと考えております。

 続きまして、2.になりますが、医療計画策定後、特に地域医療構想の検討等の過程において、新たに課題となったような事項につきまして整理しています。

 まず(1)としまして、今後、第7次から一体的に進めることとしております地域医療構想の位置づけとその実現に向けた対応が必要ではないかと考えています。

 (論点例)に挙げておりますが、1つ目として、地域医療構想における将来のあるべき医療提供体制を実現するために、特に救急医療等の対象事業の確保等をどのように進めていくか。

 2つ目として、より効率的な医療提供体制の構築に向け、CTMRIといった医療機器等の医療資源のあり方について、どのように考えるかということが議論が必要かと考えています。

 また(2)になりますが、大きなテーマとして、医療・介護の連携のさらなる推進に向けて、どのように取り組んでいくかが重要と考えています。ポツのところにつきましては、先ほど御説明した内容と重複しております。

 (論点例)に挙げております、地域包括ケアシステムの構築に向け、医療計画の中において在宅医療等を具体的にさらに推進するための検討が必要ではないか。

 2つ目として、医療提供体制の構築の主体は都道府県になりますが、一方で介護の提供体制の主体に関しては市町村ということで、その取り組みの主体が異なっている。一方で、取り組みを進めるためには、このそれぞれの者の連携をどう進めていくかが重要な課題であろうと考えており、その具体的な連携の進め方の検討を進めていきたいと考えております。

 3ページをお開きください。大きな課題の一つとして、医療従事者の養成・確保ということがあろうかと思っております。

 こちらにつきましては、先ほど申しました、医療従事者の需給に関する検討会におきまして、地域偏在対策・診療科偏在対策も含めた検討が、今、進められています。

 この検討会における検討状況を踏まえ、医療計画の中に具体的にどのような記載事項を設けていくのかといった検討が必要であろうと考えています。

 資料4をお開きください。今、御説明いたしました資料3に挙げたような課題を今後、具体的に検討するに当たり、特に次に挙げます2つのテーマにつきましては、ワーキンググループを設置した上で集中的な検討を行ってはどうかということを御提案させていただいています。

 特に2つの重点的なテーマとして、まず1つ目で、地域医療構想に関するワーキンググループ。もう一つとして、医療計画における地域包括ケアシステムの構築に向けたワーキンググループという2つのワーキンググループを設け、集中的な検討を行ってはどうかと考えています。

 それぞれのワーキンググループで御検討いただきたいと考えているものを挙げています。

 まず「(1)地域医療構想に関するワーキンググループ」では、現在、策定が進められています地域医療構想の策定状況とその進捗管理。さらに、医療機能の分化・連携を進める施策の検討。3つ目のポツとして、病床機能報告制度の改善に向けた検討をこちらのワーキンググループで検討してはどうかと考えています。

 また「(2)医療計画における地域包括ケアシステムの構築に向けたワーキンググループ」では、在宅医療及び医療・介護連携を推進するための体制とか、都道府県と市町村との連携をどのように具体的に進めるのか。3つ目といたしまして、高齢化の進展によって課題となっております運動器症候群(ロコモーティブシンドローム)や虚弱(フレイル)等への地域包括ケアシステムの中での対応をどのようにしていくのかについて、このワーキンググループで検討してはどうかということを考えています。

 資料5をお開きください。

 今、申しましたような課題、ワーキンググループでの検討を踏まえ、今後のスケジュール感としては、検討会を月に1回程度の頻度で開催させていただければと考えており、次に掲げるような課題ごとについて検討を進めた上で、この検討会での取りまとめの時期といたしましては12月ごろに取りまとめをいただければと考えています。

 事務局からの説明は以上になります。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、皆様から御議論をいただきたいと思いますけれども、少し分けて議論したほうがよろしいかと思います。資料で言いますと、資料2「医療計画の概要について」、それから、資料3「現行の医療計画における課題等について」。この2つについて、まず少し御議論いただきたい。しかる後にワーキンググループについて、また御意見を頂戴したいと思います。

 それでは、資料2、資料3に関連する内容で御意見等があればよろしくお願いいたします。

 では、加納構成員、どうぞ。

加納構成員 資料3についてお聞きしたいのですが、2点お聞きしたいと思っております。

 1つ目は、1.の「(1)二次医療圏と基準病床数制度について」です。今回、見直しということなのですけれども、医療圏の設定について見直しを実施という記載になっているのですが、実際のところ、例えば私の地元の大阪でありますと、前地域医療計画では2万床のオーバーベッド、すなわち、過剰になっている。ところが、地域医療構想では今回逆に、1万床足らないという、本当に数字のマジックなのかどうかわからないのですが、このように病床数の齟齬が出てきているわけです。単なる医療圏の設定という問題ではなくて、前回、地域医療構想の最後の段階でも病床数について、どのように算出して齟齬を直すかという大事なところが抜けているようなところが1点あるのではないかと思っておりました。それがまず1点であります。

 2点目が、次の2ページ目の2.の(1)のところでありますが(論点例)という形で出ておるのですけれども、1つ目のポツのところには特に救急医療等の対象事業の確保等が書いてあります。その下に、より効率的な医療提供体制の構築についてということで、「CTMRIといった医療機器等の医療資源のあり方について」と、CTMRIという言葉が書かれてあるわけなのですが、これからの高齢者の救急においては、例えば意識障害の患者さんに関する脳卒中・脳梗塞の診断、時間が限られる脳梗塞の診断に関しましてはCTMRIというものは今や必須になっております。従って今申し上げた理由でCTMRIというものを筆頭に出して表現するのは一昔前の考え方かなという感じがしますので、ここらはちょっと言葉を変えていただくことはできないのでしょうか。

 その2点をお聞きしたいと思っております。

○遠藤座長 それでは、事務局の御意見を聞きたいということでありますので、そういうことでよろしいですか。

加納構成員 はい。一番最初の基準病床数制度について、医療圏の設定ということで、病床数算出等の考え方というものが大事ではないか。そこが抜けているのではないかなということが1点目。

 2つ目が、CTMRIという表記は現在の医療現場から見ましてちょっと違和感を覚えるということです。

遠藤座長 では、もしコメントがあればお願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 1点目の御指摘の、基準病床数と地域医療構想の中の必要病床数の関係はどうなのだというお尋ねにつきましては、事務局としても問題意識を持っております。本検討会の中で御議論いただくとともに、ちゃんと整理して、どういう関係なのかということについては整理を行っていくべき課題の一つと考えています。

 2つ目のCTMRIといった表記、また、その課題設定につきましては、各委員の御意見を踏まえながら、どういった課題設定が必要か表現ぶりも含めて、今後検討させていただければと思っております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 そういう意味で、この検討会で議論をしていくということになるかと思います。

 鈴木構成員、どうぞ。

鈴木構成員 資料3の、1.の策定時の課題の「(1)二次医療圏と基準病床数制度について」です。これまでの二次医療圏は基準病床数を決めるための形式的なものでもよかったわけですが、今後は地域医療構想も踏まえて、医療計画がより実質的なものになるため、地域の医療資源や人口の変化に応じて、二次医療圏内で医療が完結することが前提になっておりますので、そのためには統合とか分割がより柔軟にできるようにすべきではないかと思います。

 また、大都市部においては、たとえ二次医療圏内で完結するとしても、患者さんがそれを超えて容易に移動できるために、さらに柔軟に考えられるようにする必要があるのではないかと思います。二次医療圏については前回見直しが行われたわけですけれども、ほとんど移動がなかったと思うのですが、それについては今後、地域医療構想を踏まえて、強力に見直しを働きかけるのかどうか。その点について、御意見を事務局に伺いたいと思います。

 それから「(2)5疾病・5事業及び在宅医療について」でございます。5事業の中では救急医療とか周産期医療、小児医療が日常的な医療の中で特に重要になると思いますが、救急医療に関しては、今後急増する在宅や施設の高齢者の軽症から中等症の救急に対して、地域包括ケアシステムを構成する、かかりつけ機能を持つ中小病院・有床診療所の入院機能をより活用するようにする必要があるのではないかと思います。

 また、周産期医療や小児医療については、特に私の地元は茨城で、医療資源が少ないのですが、その中核的な医療機関の存在が二次医療圏の設定に大きく影響することが考えられると思います。

 次の(論点例)に対してです。がん対策推進基本計画というものがあります。がん対策基本法は基本的に二次医療圏単位になっているわけですが、がんは、ある程度、時間的に余裕がある疾患でもありますので、患者さんは広範囲に移動してしまい、我々の茨城の県北からも県西の筑波とか、さらに千葉のがんセンター東病院とか、県外にも簡単に行かれてしまいます。よほど、その辺は二次医療圏の設定もありますが、患者さんの広範囲な移動を踏まえた柔軟な考え方が必要ではないかと思います。がん対策基本法はここの話ではないかもしれませんが、実際にはそういう形で患者さんは動いているということでございます。

 それから、2.の策定後の課題についてです。(1)の救急医療につきましては、地域包括ケアシステムの中で軽症から中等症の救急に対応する中小病院・有床診療所と、その外側で二次医療圏の最後のとりでとなる全ての重症から中等症の救急を受け入れる高度急性期や急性期に特化した大病院という2段階の整備が必要であると考えます。

 それと、先ほど加納構成員もおっしゃいましたが、CTMRIは我が国では既に広く普及しており、また、単価はアメリカの7分の1とも言われているほど低く、高齢者にも侵襲なく適切な診断が得られることから、有用な医療機器となっております。我が国において、もし医療機器の計画的な配置を考えるのであれば、より高額で医療費の高い、例えば粒子線治療とかロボット手術のようなものを検討することが必要ではないかと思います。

 (2)のところでございます。かかりつけ医の外来の延長としての在宅を中心とする必要があるわけですが、かかりつけ医の在宅医療を推進するためには、これからはできるだけ一人一人の負担を減らしていかないとなかなか推進されないと思います。そのためにはかかりつけ医の在宅医療を支援する在宅療養支援病院や、有床・無床の在宅療養支援診療所とのネットワークが必要になると思います。我が国の、世界に類を見ない高齢化を考えれば、在宅か施設かではなくて、在宅も入院も含む施設も活用する必要があると思います。

 最後の(3)のところに関連してです。私は地元の茨城で、県と地域の地域医療構想調整会議に出席する機会を得ていますが、私の県はかなり混乱しておりまして、地域医療構想会議の取りまとめを延期することがきのう決まったばかりでございます。やはり最初に削減の推計値が出てしまったので、多くの地域でそこで話がとまってしまっている状況です。

 私は、きのうの県の調整会議で、少なくとも民間病院の病床は削減しないと言ったらどうですか、回復期以外への転換を少しとめたらどうですか、あるいはその間、病院の開設や増床を見合わせたらどうですかという提案をさせていただいたのですけれども、県は、新しい専門医制度の行方が見えなくなってきているということが、地域医療構想を踏まえた医療計画の実行に悪影響を与えるのではないかということを強く懸念していましたので、申し添えさせていただきたいと思います。

 以上、質問と意見を述べさせていただきました。

遠藤座長 ありがとうございます。

 みんなご意見のように思ったのですけれども、質問が幾つかありましたね。特段、お聞きしたいことはございますか。

鈴木構成員 いいですか。

 二次医療圏について、前回の検討会にも出ていましたけれども、20%以内の流出入率とか、人口の20万とか、そういうものを見直すといいながら、ほとんど全国的には動かなかったので、現在でも人口が2万人台から200万人台まで100倍の格差があるわけです。これをこのまま続けてもいいのか。地域医療構想までつくって医療計画をより緻密化していった場合に、2万人でも完結するといえばそういうことなのかもしれませんが、でも、全ての二次医療がというわけにはいかないと思うので、今度こそ二次医療圏も見直していかないと実効性を伴ったものにはならないと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

 ちなみに、私の地元の県は医療資源が少ないので、私の地域の2つの二次医療圏を統合する方向で検討しています。

 以上です。

遠藤座長 ありがとうございます。

 では、何かその辺についてコメントはございますか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 前回の第6次の見直しのときに、20万人で20%、20%という考え方を整理させていただいて、先ほど御説明したように、実際に3つの県で、医療圏の見直しがされていなかったという状況でございます。それに加えて、今回の地域医療構想の過程において複数の県で見直しを行っている。一方で、その構想の検討を踏まえても、変わらず二次医療圏は今までの形でやっている県も幾つかあろうかと思っています。

 今後進めるに当たっては、各県それぞれいろいろな考えはあろうかと思っていますので、どういった考え方に基づいて、その構想区域なり圏域を見直さなかったのか。もしくはその見直しに当たって、どういう課題があるのかというところを丁寧に意見を聞きながら、今後、あるべき形というものはどういう圏域がいいのかということを検討いただきたいなと思っています。

 基本的にはあるべき地域完結型の医療を目指すための圏域というものはどういう姿がふさわしいのかということは御検討いただければと思っております。

遠藤座長 鈴木構成員、よろしいですか。

鈴木構成員 はい。わかりました。よろしくお願いします。

遠藤座長 では、西澤構成員、山口構成員の順番でお願いします。

西澤構成員 今のお二方とかなり共通する意見ですが、6次までと7次の違いというのは、今、地域医療構想が始まったという大きなことがあると思います。6次まではそういうことなしに、ただいろいろなデータで、例えば人口比とかで、ベッドの数とか、医師の数は決めていました。

 地域医療構想は、より現場に基づいており、特に調整会議等々が行われて、現場がどうなのかということから積み上げてきているということでは、今までの医療計画とは全く違う方法で、この地域医療構想の策定がされていると思います。そういうことでは、第7次の医療計画というものは、この地域医療構想をもとに、やるべきだと思います。

 我々、地域医療構想の議論をしたときに、この医療計画と地域医療構想の関係はどうなのかといったときには、地域医療構想は医療計画の一部であるとも言われましたし、今後、医療計画をしていくときには、この地域医療構想が柱になるという言い方もたしかしていたと思いますので、ぜひ、その方向でやっていただきたいと思います。

 その中でも、二次医療圏と構想区域は違うのかという議論もかなりしましたが、やはり将来的には一本化すべきであると思いますし、その一本化するときの考え方は、やはり構想区域を中心に行くのが本当ではないかとも思っています。

 とりあえず、以上です。

遠藤座長 ありがとうございました。

 それでは、山口構成員、お待たせしました。

山口構成員 資料3の課題のところですけれども、先ほど木下補佐のお話の中で、1.の(3)のPDCAサイクルの御説明のところで住民への情報提供ということに少し触れてくださったかと思いますが、今回、2018年から6年間の医療計画となりますと、まさしく2025年直前までの6年間となって、とてもここの期間は大事な期間になると思います。

 実際に、この医療計画のところに、例えば住民への情報提供推進等ということが書いてあるのですけれども、5疾病・5事業だけにかかわらず地域医療構想も含めた住民への情報提供のあり方が必要であるということをずっと申し上げてきたのですが、いまだに住民の理解に至っていないと言えると思います。

 それで、この6年間を考えますと、住民がその地域の医療の状況について理解を深めていかないといけない時期はほかにないほど、一番高まっているときではないかと思います。それを考えますと、この課題の中に住民への情報提供の仕方とか情報提供の方法の見直しの必要性をぜひ盛り込んでいただきたいなと思います。

 特に医療計画については、たしか2006年に、作成段階で医療を受ける立場の者を入れることが明記されたと思います。メンバーに医療を受ける立場の人が確かに入ってはいても、どういう立場の人がどれぐらいの人数参加していて、どれぐらい意見を取り入れているかの検証が実際にはなされていないのではないかと思いますので、そういったことも検討が必要だと思います それから、地域医療構想も策定前から住民の声を聞く必要があるとガイドラインに明記していただいたにもかかわらず、実態調査によりますと、半分の県ではパブリックコメントにとどまっているようです。そういったところも、やはり住民を巻き込んで、住民の理解を得ながら進めていく必要性を考えますと、この課題の部分に少しそのあたりを重点的にきちんとやらなければいけないと明記することを取り入れていただきたいとお願いいたします。

遠藤座長 どうもありがとうございます。

 それでは、田中構成員、相澤構成員の順番でお願いします。

田中構成員 資料3の課題に書いていないことで、我が国の医療体制にとって大切なことの一つにみとりがあると考えています。今、120万人の死亡が間もなく160万人を超えます。その準備は急がなくてはなりません。特に急性期医療が疲弊しないためにも、みとりのあり方は一つの事業と言っていいぐらい大切な話です。介護保険のほうでは、迫井課長のお力でみとり加算、30日前からのマネジメントによる加算なども入ってきましたけれども、医療の側でもそうしたみとり体制をきちんと築かなくてはなりません。

 もちろん、地域包括ケアシステムで後期高齢者2,000万人全体の生活を支えることはできるにしても、みとりはその中のごく一部であり、かつ人生にとってとても大切なことであり、資源もたくさん使います。このみとりについてを課題として、しっかりと意識すべきであると思います。

 それにあわせて言いますと、在宅医療もみとりもいわゆる医療機関と普通の居宅の間にある、介護保険施設とか、居住系サービスとか、地域密着型サービスとか、そういうところにおける医療もまた広い意味の在宅医療であり、それらにもみとりの機能を持たせる視点を忘れてはいけないと指摘させていただきます。

遠藤座長 どうもありがとうございました。

 それでは、お待たせしました。相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 最初に、ちょっと基本的な考え方について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、資料2の12ページを見ていただきたいのですが、この上段の2つ目の には「病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに2025年の医療需要」という、何だかよくわからないのですよ。病床機能と医療機能は何がどう違うのか。「医療機関」で高度急性期、急性期、回復期、慢性期という、これは「医療機能」と書いてありますけれども、これは医療の機能ではなくて、入院機能あるいは病床機能というぐあいに考えるべきではないのかなと考えていかないとまずいのではないか。

 それで、いろいろなところで、例えば医療機能とか病床機能とか、あるいはここの資料2には載っていませんけれども、病院機能とか、さまざまな使い方がされていて、そこの区分がよくわかっているのか、わかっていないのか。恐らく厚労省の方々はわかっていて、上手に使い分けをしているのではないかなという勘ぐりもしたくなるような書き方なのです。これはきちんと整理しておかないといけないのではないかなと思います。

 なぜなら、これからの医療計画をつくっていくために、例えば疾病ごとの医療機能の分化をしていくのか、外来機能の分化をしていくのか、入院機能の分化をしていくのか、あるいは病院として地域中核と地域密着型の病院という機能の分化をしていくのか。その辺を明確にしておかないと、言葉の定義がちょっと曖昧なので、どうお考えになっているのかを教えていただきたいと思っています。

 それから、先ほどから問題になっていますが、これまでの考え方では二次医療圏で一般的な医療は完結させるのだというところがもう基本的な計画にあって、それに基づいてみんな考えてきたと思うのです。ところが今度、地域医療構想で構想区域を決めなさいといったときに、待てよと。患者さん住所地ベースと医療機関住所地ベースでデータをとりますと、かなりの差がある。要するに、患者さんが移動しているのだから、ある地域の範囲を限って、その中で全部完結させろというのは難しいのではないかということがあります。

 それで、地域医療構想のところの基本的な取り組み方でどう書いてあるかといいますと、高度急性期を除いて、急性期と回復期と慢性期は構想区域の中で多分、ある程度、完結させろというぐあいに書いてあったと思うのですが、その基本的な概念をずっと持ち続ける限り、私はかなり難しいと思うのですが、その基本的な考え方をずっとこれからも堅持していこうとするのか。その基本的な考え方も、ここの医療計画の中で議論しようとするのか。

 その2点について、まず質問でお伺いしたいと思います。

○遠藤座長 では、2点ですね。お願いいたします。

○迫井地域医療計画課長 地域医療計画課長でございます。基本的な考え方ということなので、私のほうから確認をさせていただきます。

 1点目は、資料2の12ページで、これは「地域医療構想について」という資料に関する記述ぶりのお話であったと思います。相澤構成員御指摘の点は、意図して、意図していなくてということも含めてなのですが、このチャートで、これは従来からずっと使ってきているものですけれども、左側に書いてあります矢印のついている図は入院とか外来とかに限らず、医療全般という概念図でございますので、入院とか外来とかではなく、入院機能とか病床とか、そういうことではない形で、一般論として医療機能というふうに記載をしています。

 ですから、仮にこの考え方を入院医療に当てはめるのであれば、おっしゃるとおり、病院は入院機能であり、あるいは病床・病棟のそういった医療機能であり、そういう言葉遣いになろうかと思います。御指摘の点については、今後、資料を策定するときに、特に言葉遣いについては留意をさせていただきたいと思っております。

 2点目ですが、エリアの問題、圏域の問題でございます。これは先ほど西澤構成員、鈴木構成員も類似の御指摘をされている、あるいは加納構成員もそうだと思いますが、現実の医療としては、例えば救急医療とか時間的に猶予のないケースは原則、なるべく近いところでアクセスをして救命救急率を高めるというアプローチが必要で、したがいまして、そういったことも含めて、なるべくなら地域で完結をしていく。これは救急の領域を申し上げましたが、高齢者の場合には特にそういう側面がありまして、基本的には地域包括ケアシステムの構築という考え方の中には高齢者が基本的な生活圏域の中でという考え方であろうと思います。

 その一方で、例えばがんの医療など、待機的に時間が待てる場合については、やはり疾病の特性と治療の特性とがなるべく合う形で広域で患者さんが移動されるのは事実であります。高度急性期でそういうケースがより起こり得るということで、少しその機能の記述について書き分けているというのが事実であろうと思います。ですので、私どもの基本的な考え方は、基本的な医療、およそ一般的な医療は地域で完結をするという考え方でエリアの設定をしていただけないかと。

 それで、現状の二次医療圏の考え方が実際に地域医療構想でやってみると乖離がありましたねというお話がありまして、地域においては少しこれを見直したほうがいいのではないのかということが具体的にあります。それは、現場の問題として見つめていただいて、やはり見直したほうがいいという考えがより多くなったということだろうと思いますので、そういったことも含めて今回御議論いただきたいなと考えております。

 その上で、繰り返しになりますが、やはり医療の実態として、ある程度、待機的で広域移動が可能なものについては、実際に患者さんは医療機関との関係で動かれるのは事実であると思いますし、そうではない場合についてはなるべく地域で完結するというバランスをいかに考えていただきながら圏域を設定するということであろうと思います。その圏域の設定の仕方は当然、地域といいますか、現場において、どのような医療機関があるのか。高度急性期に代表されるように、広域移動をされる医療機関が多い地域と、比較的そういう医療機関が少ない地域と、いろいろあると思いますので、そのあたりはバランスを考えながらやっていただくのがまさに現場の話ではないかなというふうに、現時点ですけれども、考えております。

○遠藤座長 ありがとうございました。

 相澤構成員、今の回答に対して何かありますか。

○相澤構成員 はい。

 その上で、基本的な考え方ですけれども、多分、ある地理的な区域に限定して物事を考えていくのが本当にいいのかどうかということは、なぜかといいますと、これまで救命救急の医療は別だといった医療圏が、高速道路を一本、ぼんと通った瞬間に、これまで1時間かかってきたところが10分で来てしまうのです。そうしますと、急性期の、救命救急のあり方も一気に変わってしまうわけです。

 ということは、人口の変化だけではなくて、そういうドラスチックな地域の変化がいつでも起こり得る中で、この地域医療計画というものは一体、何をつくっていくのか。要するに、これは地域の住民が必要な医療をきちんと受けられる。そのためにはどうしていくのかという計画なはずなのに、何か計画をつくるための計画になってしまっていて、少しも住民のためになっていないのではないかという、最近そういうイメージがあったので質問させていただきました。

 よろしいでしょうか。

 その上で、この資料3についてちょっとお話ししたいのですが、1つ、1.の(1)のところで、今、一番問題になっているのは、推計病床数というものは、あくまでも今、2025年のことが論議されていますが、今、現時点で、この高度急性期、急性期、回復期、慢性期がどれくらいのベッドかという、今の必要推計値が出ています。それを足していったものと基準病床数が合いません。そうしますと、どちらを信用していくのか。どちらを厚労省は基準の病床数として病床を整備していきたいと思っているのかということを私たちは非常に懸念をしていて、それをまず決めていただきたいなということは思います。

 それで、先ほども申しましたように、ここの論点では人口構成の変化だけではなくて、それ以外のさまざまな変化が起こってくるのだということも柔軟に捉えて、やはり計画をつくらなければいけないのだろうというぐあいに思います。

 もう一つは(2)ですけれども、5疾病・5事業というぐあいに、こういう疾病ごとに分けて計画をつくっていくことが、今、必要なのかどうかが私は少し疑問に思っています。これは、5疾病というものはこれまで国にとって死亡率が高くて、発症率も多いからここに絞るという、多分、重点政策であったと思うのですが、御存じのように、死亡率が今、急激にふえているのは肺炎です。そうしますと、それは取り上げなくてもいいのかなという懸念がありまして、ここで取り上げる重点項目とは一体何なのかを明確にしていただかないと、非常に片手落ちの議論になるのではないかなということがあります。

 それで、ここでもう一つ、在宅医療の充実・強化というぐあいに書いてありますが、この資料2の9ページの、もうずっと出ているこの図なのですが、私はこれはすごく疑問に思っていまして、この外来医療と入院医療が切れていて、何のつながりもないような図なのですが、実は在宅医療をやっていくためには、この在宅の方の入院というものは物すごく重要な機能です。それが、先ほど田中先生がおっしゃっていたような、人生の終末期といいますか、みとりといいますか、そういうものを含めてどうしていくのかが非常に重要なのに、そこのつながりに対しての議論が全然ないのです。ですから、これは非常に重要なことであると思っています。

 もう一つないのが、在宅の介護と医療の、ここには連携強化という赤い、両方にまたがっている矢印で示されているのですが、実はこれは連携強化ではなくて、どこかがコーディネートするという、統括と言ったら変ですが、そういう機能がここにないと、これは決してうまく回っていきません。その議論がされていないのが非常に私にとってはおかしいのではないかなというぐあいに思うので、それももう少ししっかりと議論すべきであると思っています。

 それから、長くなって済みません。資料3の2ページの「(3)PDCAサイクルを推進するための指標について」で、ほかの県は知りませんが、某県と言うとわかってしまいますから、はっきり言いまして我が長野県は数値ばかりがありまして、数値をいかにクリアするかが一番の課題なのです。本当は、指標というものはあることを、住民にとっていい医療を提供するための計画があって、計画を例えば3年で達成できなければ、1年目の指標、2年目の指標、3年目の指標と持っていくべきですが、残念ながら、その手前のプロセスが何もないまま指標だけが先に行っています。そうしますと、指標が目的になってしまっているというのがありまして、これでは絶対にPDCAは回りません。そこのところをうまく、計画をどうつくっていくのかというものに書き込まないと私はだめではないかなというぐあいに思っております。

 あとはいろいろ言いたいことがありますけれども、これくらいでやめておきます。長くなってしまいまして、済みません。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 今後検討する課題として、新しい視点を幾つか御意見としていただきました。また、ほかの先生たちと共通しているのは、基本的には二次医療圏と構想区域の関係をどうするのかという話と、それから、必要病床数と基準病床数の関係をどうするか。この議論はほかの先生方からも出ている話でありますので、今後の議論になるかと思います。

 お待たせしました。佐藤構成員、どうぞ。

○佐藤構成員 ありがとうございます。

 もう既に相澤構成員から触れられておりますが、私もPDCAサイクルについてお伺いしたい点がございます。資料3のほうではもう既に、この政策の立案や見直しにつながるような評価指標。そのあり方については、今、相澤構成員がお話しになった問いに賛成いたします。

 一方で、資料2のほうでは同じようにPDCAサイクルにつきまして、見直し状況については記載があるものの、毎年評価を行うと記載した都道府県は25であるということを7ページに記載されております。「毎年評価」のところにアンダーラインがつけてあるのは多分、何かの意味があるのだろうと思ってしまうわけですが、この25都府県の実施状況、特に今後、都道府県と市町村がさまざまな形で連携をするために、共通する見える化のためには、このPDCAサイクルはやはり重要であると思っております。

 ですから、これを実施している25という数と、毎年のアンダーラインの裏側にある感覚の問題。これは山口構成員もお話しになっていましたけれども、その中身がパブリックコメント程度で本当にいいのだろうかという御意見もございました。含めて、現在出ておりますPDCAサイクルについての見直し状況について、厚労省で何かお考えとか、その評価についての考え方があれば教えていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

○遠藤座長 事務局、何かコメントはございますか。

○木下課長補佐 今、資料2の7ページのPDCAサイクルの推進についてのところの御指摘かと思います。前回の第6次の際には、定期的な見直しを行うことを求め、さらにそれを踏まえた施策を展開してくださいということをお願いしたところです。

 今の進捗の状況から申しまして、計画をつくり、目標を定め、定期的な評価を、今、定期的なサイクルのスパンというものを毎年としていただいているのが、今、25という状況です。さらには、その評価を踏まえた施策をどこまでやっていますかというのは、今、手元に整理した資料等はないので、各県の状況というものを少し聞きながら、この指標をどう活用していますか。もしくは逆に言いますと、今、たくさんある指標のうち、使い勝手が悪いとか、施策の見直しにつながっていない指標をちゃんと今後、整理していく中で、各県の今の取り組み状況もあわせて把握していく必要があろうと思っています。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 では、お待たせしました。井伊参考人、どうぞ。その次に、今村構成員の順番でお願いします。

○井伊参考人 その指標に関する意見です。特に在宅医療につきましては、前回のこの5疾病・5事業及び在宅医療という観点を取り入れてから地域医療構想が新たに導入されたという経緯でございますので、在宅医療を取り巻く状況はかなり変化をしているということで、指標は大きく見直す必要があるのではないかと考えております。

 例えば、在宅医療の体制整備に係る現状把握のための指標例という中に、例えば訪問看護従事者数は入っているのですけれども、もう少し詳細なといいますか、きめ細かな把握をしないと、今後の地域での在宅医療ニーズへの対応が考えにくいという状況ではないかなと感じておりますので、指標については詳細なものを、特に訪問看護については人数について取り上げていただきたい。これは意見でございます。

 それから、この資料ではなくて大変恐縮なのですけれども、資料5の次に別紙「医療・介護制度および関連施策に係る検討会のスケジュール」というものがございますが、このことについては後から御説明いただけるのでしょうか。この会議の関連図、ワーキンググループのところで御説明いただけるということでよろしいのでしょうか。

遠藤座長 では、事務局、お願いします。

○木下課長補佐 失礼いたしました。先ほど説明を割愛して申しわけございません。資料5の次の、今、井伊参考人から御指摘のありました別紙「医療・介護制度および関連施策に係る検討会のスケジュール」について、補足的に御説明させていただきます。

 今、関連するものを整理しておりまして、一番上にありますものが医療介護総合確保推進法に基づきます医療介護総合確保促進会議。それを受けまして、総合確保方針の改定というものがまず今後行われることになります。それを受けまして、それらの整合性をとる。また、一体的な取り組みを進めるという観点を踏まえた医療計画の作成指針と、一番下にございます介護保険事業計画の基本指針というものが、その総合確保方針を受けて策定されるものとなります。

 また、医療計画の関係で申しますと、中段の下になりますが、関連する施策に係る検討会としまして、精神保健福祉に関する検討会とか、5事業の一つでございます周産期につきましては、今、別途検討会を開催している状況でございます。また、医療従事者の確保に関しましても、御紹介いたしましたが、医療従事者の需給に関する検討会。また、疾病対策の一つでありますがん診療等は、健康局を中心に他の検討会が進められているところです。

 こういったものを取りまとめがそれぞれ行われた結果も踏まえまして、本医療計画の検討会の中で、5疾病・5事業の中でどう取り組んでいくかということの全体像を年末までに取りまとめたいと考えているのが、この全体のスケジュールでございます。

 以上になります。

遠藤座長 ありがとうございます。

 井伊参考人、よろしいですか。

井伊参考人 はい。ありがとうございます。

遠藤座長 それでは、お待たせしました。今村構成員、安部構成員の順でお願いしたいと思います。

今村構成員 2つほどございます。

 まず指標についてですけれども、私、前、このPDCAサイクルの検討会に入っていて、そこに関係するのは多分、私しか残っていないので御説明申し上げますと、当時、かなり指標がたくさんあって、多過ぎたという意見と、実際にそれで使い切れない指標があったということがありまして、これはより使いやすい指標に絞り込んでいくべきであると思います。

 ただ、たくさん指標が出た背景には、実際、都道府県でこの数字をつくっていく技術を持っている人がなかなかいなくて、解析をしたり分析をしたりという人材の育成がなかなかうまくいかなかった。それで厚労省も頑張って研修会を開いていただいているのですけれども、なかなかまだまだ数字をつくるということには至らない状況で、せめぎ合っていると思います。ですから、絞り込んでいく作業と人材の育成の作業というものは一つセットで考えていただきたい。

 それと今回、病床機能報告が新しく制度として入ってきたので、この病床機能報告の数字をぜひ、この指標の中に活用していってもらいたいと思っています。今、たくさんの病院団体がCI、医療の質の評価の数字を各病院でつくっているわけですけれども、ああいったことも病床機能報告の中に入れてもらうことができれば、この指標としてより現場に近い指標をつくっていくことができるのではないかと思いますので、その辺はぜひ御検討いただければと思います。

 もう一点、何度か介護と医療の件が出てまいりましたが、私からはぜひ、その介護計画と医療計画の整合性といいますか、ちゃんとすみ分けをしてもらいたいと思っております。今までの医療構想の議論の中で、医療の世界はここまで面倒を見ますという議論があったのですけれども、そこから先が全部、介護や在宅という話にどうしてもなっていって、では、それだけの方を介護や在宅で受け切れるのですかといいますと、とても受け切れないという状況があったと思います。

 例えば、療養病床の医療必要度1の方、7割は医療の世界から出ていってはどうですかという話がありましたが、実際、療養病床に入っておられる方が外に出ていける状況かといいますと、大概、8割以上の方は介護度4~5という状況ですし、医療必要度は、必要なかったとしても、とてもではないけれども、では、在宅で普通に見られるかといいますと、見られる状況ではない。それに対して、介護のほうは病床をふやしていくのでしょうか、マンパワーは足りるのでしょうかといいましたら、全然、そちらのほうも病床を大きくふやすという話になかなかならない状況がありまして、では、医療と介護とのすみ分けをするのだったら、両方のほうでちゃんと必要なサービスを提供できる体制というものをぜひ考えてもらいたいと思っております。

 特に、田中先生の御指摘にあった見とりの部分はその両方の境界領域で、そこを支える訪問看護の整備という部分が今までなかなか議論として出てこなかったと思いますので、そこもぜひ御議論していただければと思います。

 以上です。

遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、お待たせしました。安部構成員、どうぞ。

○安部構成員 それでは、資料3でありますが、1.の(2)のところに「在宅医療の充実・強化のため、在宅医療に係る数値目標や施策等を記載することを明示」と記載があります。これは、非常に重要なポイントであると思いますし、賛成でありますけれども、それぞれ地域特性がある中で数値目標、施策が押しつけられるということでは困りますので、これはこれから議論になるワーキンググループで、地域特性をきっちり踏まえた上での数値目標とか施策等のあり方が構築されるような形が必要かと考えます。

 それから、3ページ目の2.の「(3)医療従事者の養成・確保について」であります。これは医療部会の場でも要望を述べさせていただきましたけれども、在宅医療・医薬品供給のために薬剤師も地域の中で、しっかり確保しなければいけないということは当然でありますが、資料2の16ページの検討会では薬剤師は入っていません。これは担当局が違うということが原因かと思いますが、この点は重ねてお願いいたしますけれども、医薬・生活衛生局等としっかり連携をしていただいて、地域の中で、例えば在宅を担う薬剤師の数とか薬局の数といったことについても、しっかり抜けないようにしていただきたい。これは要望でございます。

 以上です。

○遠藤座長 どうもありがとうございます。

 ほかにまだ。

 それでは、野原構成員、お願いします。

○野原構成員 これまで多くの構成員の方々から御意見が出ております、地域医療構想の必要病床数と基準病床数との考え方。また、二次医療圏域。もう一点、医療従事者の確保の点について、医療計画や地域医療構想を策定する都道府県の立場から意見を申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、必要病床数と基準病床数については今後議論していくということで理解してございますが、我々、両者の違いというものは十分理解していて、住民の方々に御説明しているところなのですが、次の医療計画は実は6年の計画ですので、2018年から2023年ということになります。地域医療構想は2025年ですので、2年しか実は違わないということになります。したがいまして、やはり両者のギャップがありますと、住民や医療関係者の方々へきちんとした説明という点で、そこは整理が必要なのではないかと考えてございます。

 また、二次医療圏域でございます。前回の医療計画の中では人口20万人や流出入20%という考え方が示された。また一方で、圏域の面積や基幹病院へのアクセスといったことも考慮するというふうになって、各都道府県はそういったことを踏まえて二次医療圏域を設定したというふうに理解してございます。

 そんな中にあって、地域医療構想の中で構想区域を今、各県で設定してございます。構想区域については、それに加えて、例えば疾病ごとの患者の流出入。先ほど課長さんからお話がございました、いわゆる循環器疾患のような待てない急性期がどうなっているのか。また、慢性期の患者さんがどのような圏域間の移動をしているのかなど、各県、そういったものを踏まえて議論をし、構想区域の圏域を設定しているものと理解してございます。その結果、ほとんどの都道府県が構想区域と二次医療圏が同一のものというふうになったと理解してございます。

 したがいまして、この構想区域を設定するに当たり、それぞれ都道府県で各地域事情を踏まえて議論をし、検討をした結果だと思いますので、その考え方については、ある程度、整合をとった形で二次医療圏の考え方を整理していただければと考えてございます。

 また、医療従事者の確保の点でございます。私ども都道府県で計画をさまざま策定してございますけれども、一番の課題は、最後は医師確保、医療従事者の確保でございます。そうした意味でも、医療従事者の確保が重要であるという理解をしてございます。

 先般の医療従事者の需給に関する検討会の中で、専門医の定員調整などについて、医療計画の中で必要と見込まれる診療科や、地域で確保すべき医師の目標値を設定し、それに基づいて行うような議論もされているというふうに聞いてございます。地域で、マクロで医師数がどうかという議論は我々も十分にしているのですが、各地域で必要な医療機能はどれぐらいなのか。必要な診療科はどうなのか。高齢化の進展、医療の高度化、また医師に求められる業務量といったものを踏まえて必要数を求める。これは、実は我々にとって永遠のテーマでございます。

 したがいまして、こうした点を医療計画に盛り込むに当たりましては、十分な根拠とかガイドライン等が必要なのではないかと考えているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 それでは、櫻木構成員、お願いします。

○櫻木構成員 前回の第6次の改定のときに、精神疾患が5疾病の一つとして追加をされたということで、その流れで地域医療構想の議論にも我々は参加させていただきましたし、精神科医療と一般医療の連携の話について議論させていただきました。

 ただ、精神病床がいわゆる病床機能の報告制度の対象になっていないこととか、あるいはさまざまな精神科医療に関する計画というものが、特に入院医療に関して言えば、いわゆる二次医療圏というよりは全圏域の形で設定されているということで、地域医療構想の議論の中では精神疾患あるいは精神科医療については別途検討するということで結論が出たと思います。ということは、今回の医療計画におけるさまざまな議論の中で精神科医療は取り上げられると考えているわけですけれども、若干、そういったベースのところが一般医療と精神科医療は違うということですが、その辺はどういう形で議論を進めていかれると考えておられるのかということを御質問したいのが1つです。

 それから、医療従事者の養成・確保の問題ですけれども、精神科医療に関して言えば、精神保健指定医という資格がございます。これは、精神科医療についてはかなり重要で、欠くことができないということですが、そういった精神保健指定医のいわゆる養成のあり方とか、そういった議論についても取り上げていただけるのでしょうか。それは必要ではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤座長 前段は事務局に対する質問ということですか。

櫻木構成員 はい。

遠藤座長 では、議論の進め方についての御質問が出たのですけれども、何かコメントがあればお願いします。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 先ほどの別紙で御説明いたしましたように、特に精神保健医療福祉に関しましては、別途、これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会で検討を進めていただいています。今、議論が先行しているところもございますので、そちらで一定の考え方を整理いただいた上で、その検討会の結果を踏まえて、こちらの検討会に取り込んでいくという議論の進め方を考えているところです。

○遠藤座長 櫻木構成員、どうぞ。

櫻木構成員 あり方の検討会で、特に分科会をつくって検討している中身というものは、1つは次回の精神保健福祉法の改定についての議論ですし、もう一つは精神科医療のいわゆる病床機能の分化に関する問題であると承知しています。それと今回の医療計画の中で、例えば二次医療圏を中心としたさまざまな必要量とか、あるいは需給体制を考えるというのと、若干、そこの部分が整合性がとれるかどうかという心配をしているわけですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

○遠藤座長 事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 御指摘の点も含めて、関係部局でしっかり検討を進めていきたいと考えているところです。

 今、御指摘がありましたように、必ずしも二次医療圏の中でちゃんと整合性がとれるようになるのかというところは問題意識を持っているところです。しっかりそこは調整の上、できる限りのことはしていきたいと思っておりますけれども、やはり現状が他の4疾病もしくは5事業と医療の提供のあり方が違うというところは十分踏まえる必要があろうと思っています。

櫻木構成員 よろしくお願いします。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 資料3の2ページ目にCTやMRIといった医療機器等の医療資源のあり方とございますが、人口が減少してくる中で、ぜひとも、これらの有効活用について、議論の俎上として載せていただきたいと思います。

 あとは要望になりますが、地域医療構想に関する課題で、先ほど何名かの構成員の方々からご意見がございましたが、患者の流出入について、現状のレセプトデータでは住所地等のデータがないため、DPCレセプトデータ以外は流出入がわかりません。地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会の中でもその点について申し上げましたところ、保険局のほうからマイナンバーの導入にあわせて検討したいという御回答はいただいておりますが、その後の進捗状況が余り見えないですし、今後は、構想区域の設定等においても、患者の流出入のデータというものは非常に有効かと思います。

 また、構想区域に関連することですが、例えば鳥取県の米子市と島根県の松江市などは、県外でも近いということもあり、将来的には県の枠内だけではなく、県の枠を超えた有効活用も考えていかなければいけないと思います。このような検討をするためにも、住所地等のデータをいち早く準備いただくことが重要だと思いますので、引き続きのお願いになりますが、DPC以外のレセプトデータにも郵便番号の記載等が可能かどうかということを早急に御検討いただきたいと思います。

 それから、資料2の5ページ目に都道府県における医療計画の策定等に係る会議とございますが、前回の医療法の改正の中で、各都道府県の保険者協議会に医療計画の見直しについては意見を聞くということが法令上定められておりますので、資料中の都道府県全体の会議の下に、保険者協議会も加えていただいた方がよろしいかと思いますので、御検討いただければと思います。

 

○遠藤座長 2点、御要望として承りました。ありがとうございます。

 大体、よろしゅうございますか。

 それでは、伊奈川構成員、どうぞ

○伊奈川構成員 ありがとうございます。

 資料3の関係です。これは言葉のあやかもしれませんけれども、1ページの1.(1)の(論点例)を見ていますと「人口構成」と書いてあるのですが、むしろ2025年ということから言いますと、先ほど来のお話ではないのですけれども、人口減少ということなのだろうと思います。構成というよりは、むしろそういう人口が減っていく中でどうするか。そういう今までとちょっと違う局面に入っていますので、そのあたりもよく検討できるような資料を御用意いただければと思います。その点が恐らくいろいろな患者さんの移動といったところにもかかわってくると思いますので、今回の場合は重要ではないかと思っております。

 また、同じ資料3の2ページでございますけれども、2.の(1)の(論点例)の2つ目で「医療資源」ということであるわけですが、やはり人と並んで物というところも非常に重要な資源でありますし、このあたりは少し諸外国の例も事務局のほうで調べられたらよろしいのかなと思っておりますので、時間があるのかどうかはわかりませんけれども、そういった資料も御用意いただければと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 それでは、相澤構成員、手短にどうぞ。

○相澤構成員 今、医療現場で仕事をしていますと、やはり一番大きな問題は御高齢者の増加であると思います。殊に、ここでこういう言葉を使っていいのかどうか知らないですが、75歳以上の後期高齢者と言われる方々の増加です。

 こういう方々の問題点は、まず救急で運ばれる患者さんは非常に物すごくふえています。それで、こういう患者さんが救急で来ますと、なかなか退院できません。在院日数が長くなって、そしていわゆる退院困難という方になられます。しかし、疾病というところから言いますと、いつでも退院できる状況になっています。こういう方々はどうするかといったときに、住むところ、暮らせるところがないのです。そうしますと、単にこの医療計画だけではなくて、御高齢の方に対して、住居も含めて、どう地域は対応していくのかということは非常に大きな問題ではないかなと思います。

 御存じのように、御高齢者の単独世帯、あるいは高齢者お二方で住んでいる世帯は今、急激に増加しています。それから、認知症の方々も非常に増加しております。そういう中で、そういうものは多分、言い方とすれば、御高齢者の方に特有な病態とか病状に対して、我々はどう対応するのか。そういう医療をどうしていくのかという観点での少し議論も必要ではないかなと思います。なぜなら、そこをどうするかという計画によって、これから必要となる医療資源も、そして医療従事者も大きく変わるからなのです。

 ですから、この観点での議論をぜひしていただきたいなと思いますし、それについて、厚労省のほうはどのようなお考えを持っているのか、ちょっとお聞きしたいなと思います。

 以上です。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 コメントできますか。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 今、相澤先生から御指摘になられました、高齢者に特有な病状・病態というものにどうするのかというところにつきましては、今後さらに高齢者がふえていくということは明らかに今後の人口構成の変化を見て重要な課題というところは認識しているところでございます。

 それで、本検討会の中でどう議論していくかというところで、やはりこういった方々は、相澤先生の御意見とは違うかもしれませんが、いわゆる地域包括ケアの中でどう支えていくかという観点と、地域医療構想を構築していく中の、まさに救急医療のあり方という中でちゃんと捉えていけばいいかなと思っております。また、それからあふれる部分があるということであれば、また別途御検討いただく必要があろうかなと思っております。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 大変重要な御指摘であると同時に、なかなか、この医療計画の検討だけでは解決のできるような話でないものも含んでいるわけで、非常に重要な課題ということですね。よろしくお願いしたいと思います。

 ほかに、よろしゅうございますか。

 それでは、もう一つ、議論の課題が残っておりまして、資料4と資料5です。「ワーキンググループの設置について」と「検討会の今後の進め方」。これについて、御意見があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 鈴木構成員、どうぞ。

○鈴木構成員 まず、2点質問があります。

 1つは、なぜワーキンググループを設置するかということです。この検討会自体が、ある種、ワーキンググループ的な感じもするのですが、人数が多いかといいますと、私が通常出ている介護系の審議会に比べたら半分ぐらいで、少ないのです。会場が広いのでたくさんいるようですけれども、半分ぐらいにしても、テーブルに1人ずつお座りのところもかなりありますから、小ぢんまりした感じになって、別に多くないのではないかという気がします。各分野の専門家も、介護の専門家もいれば地方自治体の代表の方もいますので、なぜ、ワーキンググループを設置するかという理由をお聞かせいただきたいと思います。

 もう一つは、なぜ、この2つのワーキンググループの分け方にしたのかという理由もぜひお聞かせいただきたいと思います。この分け方でいきますと、上は医療で、下が介護のような感じになってしまいがちだと思います。よく見れば下のほうには地域包括ケアシステムということで「在宅医療」という言葉は入っていますが、必ずしも両者は、2つには完全に分かれないと思います。両方にまたがって入る、中小病院、有床診療所の存在もあり、ワーキンググループをつくることによって医療と介護、あるいはそうしたものが分断された議論にならないかという懸念もあるのですが、このワーキンググループの分け方はどのような理由からなのでしょうか。

 ぜひ、その2点について御回答をお願いします。

遠藤座長 これは事務局にお答えいただきたいと思います。いかがでしょうか。

○木下課長補佐 今回、ワーキンググループの設置を御提案させていただきました理由としましては、まずテーマ設定に関しましては、地域医療構想に関することは、現在、地域医療構想の策定が現在進行形であるところと、先のガイドライン検討会の中で積み残し、正直申しますれば解決できなかった課題は集中的に議論を深めて解決していく必要があろうということ。また、特に地域医療構想に関しましては、病床機能報告に関して、この秋、次の報告制度を控えていますので、それに向けて集中的に議論を深めて、その報告の見直しをどうするかというところにつきましては一定の方向性を固めたいというところで、地域医療構想につきましては別途、集中的な議論が必要であろうということでワーキンググループを設置させていただいております。

 もう一方の地域包括ケアに関しては、やはり今後、連携を一体的に進めていくという観点からは、より実務的な部分も含めた議論が必要であろうと考えております。特にこちらのワーキンググループの中におきましては、県と市町村、それぞれのお立場で実際にこの計画づくりにかかわられている方と実務の方も含めた議論ということを考えておりまして、こちらも別途、ワーキンググループという形でさせていただければと思っています。

 以上の観点から、スケジュールと中身を含めまして、このワーキンググループという形で集中的な議論を進めさせていただきたいということで今回御提案をさせていただいたところでございます。

遠藤座長 鈴木構成員、どうぞ。

○鈴木構成員 ワーキンググループでの議論が、ワーキンググループのつくり方によっては、そこである程度決めてしまって、それをここに上げてきて、ここで簡単な議論をして、そのとおりに進めるということも前例がなきにしもあらずですから、そこは、ここにいる構成員もきちんとかかわるような形でつくっていただいて、その分、回数をふやすこともあると思いますけれども、ぜひ両者の整合性がきちんととれる形で議論が深まるような対応は必要であると思います。

 以上です。

○遠藤座長 座長と相談の上、構成員を決めると書いてありますので、その辺の御意見は尊重したいと思います。

 ほかにございますでしょうか。

 田中構成員、どうぞ。

○田中構成員 昔からワーキンググループでは若手の学者を登用したりすることもあるので、機能してくれれば意味があると期待します。

 そこで、ワーキンググループに伝えるために、2番目のほうの日本語を直していただきたい。まず「医療計画における地域包括ケアシステム」とは、これは何だと。地域包括ケアシステムの位置づけは医療計画の中ではないですね。先ほど今村構成員が言われました「医療計画と地域包括ケアシステムの整合性確保に関する」ならわかりますし、あるいは「医療計画と連動する地域包括ケアシステムの構築」ならわかりますけれども「医療計画における地域包括ケアシステム」は日本語になっていません。

 それから、ポツの1つ目で「在宅医療及び医療・介護連携」。これは、例えば脳卒中地域連携パスのようなときは「医療・介護連携」という言葉は妥当しますが、在宅側に入ったときには、筒井孝子先生の分析を待つまでもなく、連携と協働とは次元が違います。今、求められているのは連携という時代ではないので、ここは医療・介護の協働体制を推進させるなど、日本語の正しい、正しくないではなくて、事態の理解の話ですが、それを伝えた上でワーキンググループに動いていただかなくてはなりません。

○遠藤座長 ありがとうございます。

 そういうことですので、よく勉強して、修正をしておいてくださいということです。

 ほかにございますか。

 若干、まだ時間がございますので、全体を通してでも結構でございますけれども、何かあれば承りたいと思います。

 今村構成員、どうぞ。

今村構成員 では、前段の論点のことでもうちょっと踏み込んだことを1つか、2つ。

 まず、医療圏の設定に関して、なかなか進まないことの理由に、介護圏と医療圏がもともと整合性がなかなかとれていないという問題がありまして、そのほかにも保健所圏とか医師会圏というものもありますけれども、さまざまな圏域が重なる中で、医療だけ独立して考えることの難しさがなかなか医療圏の再検討というものを難しくしていると思うのです。

 やはり今までの議論は、医療を中心に医療圏を考えて、医療圏のあるべき姿を提言すると、結局、ほかのところにひっかかってしまって再編ができない状況が発生していますので、特に今回、地域包括ケアを考えていくとすれば、介護圏との協調ということがすごく重要になると思うので、介護圏の、老人福祉計画の圏域との調整ということが、ある程度、ターゲットを絞ってやっていくのが私は必要なのではないかなと思います。

 それと、先ほど少し訪問看護師さんの話をいたしましたけれども、医療と介護の端境に落ちていくのが訪問介護と在宅医療の2つだと思うのですが、特に訪問介護のほうは介護計画のほうでも考えるのですけれども、訪問看護師の需給というものは、こちらの医療計画のほうで看護師の総数の医療需給の中で見ていくという、両方にまたがっている状況がありまして、余り正確にその需給が考えられてこなかったような気がします。

 それは計画をつくるときに、介護計画は市町村がつくるのですけれども、その市町村が言ってきた数字を積み上げて県がつくる。市町村が必要だと思う数の積み上げなのです。そうしますと、今、訪問看護師さんなりがあと5年後に何人必要かという数字を現場の方々が見て積み上げてつくるので、全体として必要になるはずであるという数字とずれてくるのです。ですから、そのつくり方の差が最終的に需給の差、介護領域でのニーズとして出てこない理由であると思うので、そこら辺をやはりこちらで議論するときにはぜひ考慮してもらいたいと思います。

 以上です。

遠藤座長 ありがとうございます。

 御要望として、あるいは御意見として承りました。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、本日はキックオフということでございますので、こういう内容をこういう段取りで今後進めていきたいということでございますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 事務局におかれましては、いろいろな御意見が構成員から出ましたので、それに対する宿題といいましょうか、いろいろな内容について整理をしていただくことが必要になるかと思いますので、ひとつ準備をよろしくお願いしたいと思います。

 本日の議論はこれぐらいにさせていただきますけれども、最後に事務局から何かあれば承りたいと思います。事務局、どうぞ。

○木下課長補佐 事務局でございます。

 本日いただきました御意見を踏まえまして、次回以降の検討の議論を進めていきたいと思っております。

 第2回の「医療計画の見直し等に関する検討会」につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡させていただければと思っております。

 以上になります。

○遠藤座長 それでは、皆さん、長時間どうもありがとうございました。これにて終了したいと思います。


(了)
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直通電話:03-3595-2194

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