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2016年2月9日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会 議事録

○日時

平成28年2月9日(火)16:00~


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○出席者

出席委員(7名)五十音順

遠 藤 容 子、◎鈴 木   勉、 関 野 祐 子、 曽 良 一 郎、
成 瀬 暢 也、 花 尻 瑠 理、 宮 田 直 樹
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(4名)五十音順

石郷岡   純、 桐 井 義 則、 妹 尾 栄 一、○和 田   清

行政機関出席者

森   和 彦 (大臣官房審議官)
須 田 俊 孝 (監視指導・麻薬対策課長)

○議事

○監視指導・麻薬対策課長 ただ今から「薬事・食品衛生審議会指定薬物部会」を開催させていただきます。本日は大変お忙しい中、先生方には御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。

 本日は石郷岡委員、桐井委員、妹尾委員、和田委員から、欠席の御連絡を頂いております。現在のところ、当部会の委員数11名のうち、7名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。

 本部会の公開、非公開の取扱いにつきまして、御説明いたします。総会における議論の結果、会議を公開することにより委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断されたことから、非公開とされております。また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで、発言者等に対して外部からの圧力、干渉、危害が及ぶ恐れが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとされておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。

 それでは、以後の議事進行については鈴木部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 最初に事務局より資料の確認をお願いいたします。

○事務局 本日の資料ですが、資料が1~3、参考文献は1~12、参考資料が1~3です。

○鈴木部会長 資料がお手元にない場合には、お知らせ願います。よろしいでしょうか。

 本日の議題は、指定薬物の指定についてです。審議物質について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 今回、御審議いただきたい物質については、国内外で流通実態が認められた物質です。資料1は各物質の名称、通称名、構造式が1~4まで、それぞれ記載しております。これらの物質について指定薬物として指定し、規制対象とする必要があるか否かについて、御審議いただきたいと思っております。

 資料2は御審議いただく物質のほか、構造が類似する指定薬物や麻薬について一覧表にまとめたものです。資料3は国内外の基礎研究や動物実験の結果等について、中枢神経系への影響を中心に取りまとめたものです。

 資料2を説明させていただきます。詳細は資料3を用いて御説明いたしますが、資料2に審議物質及び構造が類似する物質について、文献資料や過去の指定薬物部会の資料から確認できたデータを取りまとめております。

 資料2-1に審議物質. CUMYL-BICA、審議物質. CUMYL-5F-P7AICA、構造が類似する指定薬物や麻薬について、症状観察、自発運動量への影響、カンナビノイド受容体に対するデータを示しております。二つの審議物質はカンナビノイド受容体活性を有しており、表に示している過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有することを確認しています。

 資料2-2に審議物質. 2C-B-FLY、構造が類似する指定薬物や麻薬について、症状観察、弁別試験、自発運動量への影響、セロトニン受容体、モノアミントランスポーターに対する影響、マイクロダイアリシス試験によるモノアミン量の変化のデータを示しております。審議物質は、セロトニン受容体活性を有するなど、表に示している過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有することを確認しております。

 資料2-3に、審議物質. Methoxmetamine、構造が類似する指定薬物や麻薬について、自発運動量への影響、NMDA受容体、モノアミントランスポーターに対する影響のデータを示しております。審議物質はNMDA受容体阻害作用を有しており、表に示した過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有することを確認しております。

 資料3-1を説明いたします。通称CUMYL-BICAですが、指定薬物であるCUMYL-PICACUMYL-5F-PICAと構造が類似する化合物です。

CUMYL-BICA の行動・中枢神経症状観察の結果を最初に示しておりますが、今回薬物投与経路として吸入ばく露の手法にて行っておりますので、まず吸入ばく露装置について御説明いたします。

 文献1の20ページを御覧ください。吸入ばく露装置は人工呼吸器、燃焼部、ばく露ボックス、ガス回収瓶から構成されております。燃焼部で燃焼させて発生した煙を人工呼吸器により毎分600ccの流速で、容量8,020ccのばく露ボックス内へ送り込ませ、ばく露ボックス内に設置したファンにより、煙をばく露ボックス内に拡散させます。人工呼吸器により毎分600ccの流速で排気を行い、ばく露ボックス内の空気が15分間で換気される設定となっております。排気された煙は、ガス回収瓶にてトラップし、煙中の成分を回収した後、排気する構造となっております。燃焼に用いる支持植物は危険ドラッグの総統に用いられている植物葉片であるマーシュマローリーフ、学名Althaea officinalisを用いております。

 結果の説明に戻ります。資料3-1の1ページです。CUMYL-BICA15mgを添加したマーシュマローリーフ0.5gを、たばこ両切り用さや紙に充填したものを燃焼させ、煙をばく露ボックス内に導入して、マウスを薬物にばく露しました。ばく露ボックス内は約4分で燃焼し尽くした後も人工呼吸器を運転し続け、ばく露ボックス内の空気がほぼ入れ替わる15分後にマウスをばく露ボックスから取り出し、燃焼終了後15分、30分、60分の神経症状の観察を行っております。

 また、同様の手法により、陰性対照としてマーシュマローリーフ、陽性対照としてAB-CHMINACAを2mg5F-AMB13mg含む危険ドラッグの総統を用いて試験を実施しております。その結果を2ページにまとめています。

CUMYL-BICAばく露群では、陰性対照と同程度の洗顔運動、立ち上がり動作及び自発運動の抑制並びに体温低下が観察されました。また、陰性対照と比較して、呼吸数の抑制が観察されたほか、体が傾く異常姿勢、腹部を擦り付け気味に歩行する異常歩行、しゃっくり様症状、うずくまったまま、あるいは立ち上がった姿勢のまま動かない動物が見られております。なお、触反応のように、陰性対照と比較して作用が弱く現れるものもございました。

 3ページにカタレプシー試験を実施した結果を示しております。先ほどのばく露装置を用いて、燃焼終了後15分、30分、60分に、高さ6.5cmの針金の横棒にマウスの前脚をかけ、後脚を台上に降ろして、二本足で立たせたまま動かない秒数を計時し、30秒以上動かない場合をカタレプシー陽性とし、最大90秒まで計時しました。30秒未満の場合には、試験を3回まで繰り返し、平均値を求めております。その結果、CUMYL-BICAばく露群では、15分、30分、60分で5匹全てが陰性となっております。

 続いて、ヒトカンナビノイド(CB1、CB2)受容体に対するアゴニスト活性、EC50を測定した結果を示しております。CUMYL-BICAのCB1受容体の値が1.24nM、CB2受容体の値が0.395nMとなっており、強いカンナビノイド受容体活性を有することが確認されております。

 4ページに、構造が類似する化合物のCUMYL-PICACUMYL-5F-PICAのヒトカンナビノイド(CB1、CB2 )受容体に対するアゴニスト活性、EC50を測定した結果を示しており、CUMYL-PICAではCB1受容体の値が777nM 、CB2受容体の値が444nMCUMYL-5F-PICAではCB1受容体の値が20.9nM、CB2受容体の値が9,090nMとなっております。また、他の文献に麻薬であるJWH-018のCB1、CB2受容体に対する親和性等の文献がございましたので、参考に表に示しております。JWH-018では、CB1受容体のEC50の値は14.7nMとなっております。

 5ページに、吸引ばく露に使用した陽性対照物質である5F-AMB及びAB-CHMINACAのCB1、CB2受容体に対するアゴニスト活性、EC50を測定した結果を示しております。5F-AMBではCB1受容体の値が0.423nM、CB2受容体の値が0.545nMAB-CHMINACAのCB1受容体の値が0.226nM、CB2受容体の値が0.152nMとなっております。

その他海外における流通状況につきましては、2015年にスロベニアにおいて流通が確認されております。

 これらの結果から、CUMYL-BICAはカンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有しており、過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有する物質であると考えております。

 資料3-2を説明させていただきます。通称CUMYL-5F-P7AICAですが、指定薬物であるCUMYL-PICACUMYL-5F-PICAと構造が類似する化合物です。

CUMYL-5F-P7AICA の行動・中枢神経症状観察ですが、先ほど説明いたしました吸入ばく露の手法にて行っております。結果は7ページにまとめております。

CUMYL-5F-P7AICAばく露群では、陰性対照と同程度の洗顔運動、立ち上がり動作及び自発運動の抑制並びに体温低下が観察されました。また、陰性対照と比較して、呼吸数及び筋緊張度の低下が観察されたほか、体が傾く異常姿勢、耳介を立て頭部の小刻みな震えが見られる動物が見られております。なお、痛反応のように、陰性対照及び陽性対照が抑制に現れているのに対して、やや亢進するものもございました。

 8ページにカタレプシー試験を実施した結果を示しております。CUMYL-5F-P7AICAばく露群では、15分、30分、60分で、5匹全てが陰性となっております。

 続いて、ヒトカンナビノイド(CB1、CB2 )受容体に対するアゴニスト活性、EC50を測定した結果を示しております。CUMYL-5F-P7AICAのCB1受容体の値が1.21nM、CB2受容体の値が0.248nMとなっており、強いカンナビノイド活性を有することが確認されております。

 9ページ、10ページには、先ほど示した内容と同一のものですが、構造が類似する化合物、CUMYL-PICACUMYL-5F-PICAJWH-0185F-AMBAB-CHMINACAのヒトカンナビノイド受容体活性のデータを示しております。これらの物質も同様に、CB1受容体活性を有していることが分かっております。

その他海外における流通状況につきましては、2015年にスロベニアにおいて流通が確認されております。

これらの結果から、CUMYL-5F-P7AICAは、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有しており、過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有する物質であると考えております。

 資料3-3を説明いたします。通称2C-B-FLYですが、指定薬物であるBromo-DragonFLY2C-Cと構造が類似する化合物です。2C-B-FLYの行動・中枢神経症状につきまして、マウスに1.1mg/kg11mg/kg27.5mg/kgを腹腔内投与し、投与後30分、1時間、2時間の行動・中枢神経症状の観察を行った結果を12ページにまとめております。

 症状が強く現れたものとしては、対照群と比べて、消極性、洗顔運動、外界反応が用量依存的に抑制されたほか、触反応や払いのけ動作は低用量、中用量でやや亢進し、高用量では抑制される結果となっております。また、鼻部を小刻みに上下に振るスニッフィング、後ずさり、タッピング、しゃっくり様症状、動きが鈍いなどの症状が観察されております。

 運動活性に対する影響につきまして、13ページに2C-B-FLY20mg/kgを経口投与し、投与後3時間までの10分ごとの自発運動量を測定した結果を示しております。対照群と比べて、総運動量、1回の運動量が3cm以上の大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離のいずれも有意な差は確認されませんでしたが、いずれの測定項目も投与20分後から40分後までで抑制される傾向が見られております。

 モノアミントランスポーター阻害作用について検討した結果を14ページに示しております。2C-B-FLYのドパミントランスポーターに対するIC5010nMを上回る結果となっており、セロトニントランスポーターに対するIC50が5万6,000nMとなっています。陽性対照物質であるコカインのドパミントランスポーターに対するIC50370nM、セロトニントランスポーターに対するIC50850nMとなっています。構造が類似する化合物のBromo-DragonFLYのモノアミントランスポーター阻害作用について、参考に示しています。ドパミントランスポーターに対するIC5010nMを上回る結果、セロトニントランスポーターに対するIC505,800nMとなっております。

15ページに構造が類似する化合物の2C系物質のモノアミントランスポーターに対する親和性、阻害作用について報告された文献がありましたので、参考に示しております。審議物質である2C-B-FLYや構造が類似する物質は、いずれもモノアミントランスポーター阻害作用は弱いものと考えられます。

16ページに、マイクロダイアリシス試験によるモノアミン経時変化の結果を示しております。対照群と比較して、セロトニンは投与80分後から160分後まで減少が認められ、ドパミンは投与60分後から測定終了の投与180分後まで減少が認められました。なお、ノルアドレナリンに差は認められませんでした。こちらの結果については、2C-B-FLYの投与による減少率は非常に少なく、コントロール群においても上昇が見られている結果もあることから、マイクロダイアリシス試験の結果をもって、2C-B-FLYによる影響を正確に評価することは難しいものと考えております。

17ページにセロトニン受容体(-HT2A、5-HT2C )に対するアゴニスト活性、EC50を測定した結果を示しております。5-HT2AのEC5012.9nM、5-HT2CのEC500.284nMとなっております。構造が類似する化合物のBromo-DragonFLYのセロトニン受容体に対するアゴニスト活性について参考に示しております。5-HT2AのEC500.1nM、5-HT2CのEC500.01から0.1nMとなっております。

18ページに、構造が類似する化合物の2C系物質のセロトニン受容体に対する親和性及び活性について報告された文献がありましたので、参考に示しております。いずれの物質も、特に5-HT2A、5-HT2C受容体活性を有することが確認されております。審議物質である2C-B-FLYや構造が類似する物質は、いずれも5-HT2A、5-HT2C受容体に強い活性を有する結果が得られております。

その他海外における流通状況については、2014年にフランスやブラジルにおいて流通が確認されております。

 これらの結果から、2C-B-FLYは、5-HT2A、5-HT2 受容体に対するアゴニスト活性を有しており、過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有する物質であると考えております。

 資料3-4を説明いたします。通称Methoxmetamineですが、指定薬物であるMethoxetamineや麻薬であるKetamineと構造が類似する化合物です。

運動活性に対する影響について、Methoxmetamine100mg/kg腹腔内投与し、投与後24時間の自発運動量を測定した結果を20ページのFig.3に示しています。対照群と比較して1時間ごとの自発運動量は投与後2時間から3時間までで有意に増加することが確認されました。また、投与後10時間から15時間までで減少傾向が見られ、特に投与後12時間と13時間で有意な差が確認されております。Fig.4は陽性対照物質であるKetamine100mg/kg投与した結果を示しております。投与後1時間から3時間までで有意に増加することが確認されております。Fig.5は、投与0~3時間の累積運動量を示したものです。コントロール群を100%とし、Methoxmetamine及びKetamineは有意に増加することが確認されております。また、Methoxmetamine投与後のマウスを観察したところ、投与約10分後から軽度の痙攣様の症状が見られ、その後前肢でケージの壁に沿って立ち上がる動作が頻繁に認められております。

21ページに、NMDA型グルタミン酸受容体に対する拮抗作用について検討した結果を表に示しております。MethoxmetamineのIC50値が795.78nM、麻薬であるKetamineのIC502.84nMとなっております。また、過去に指定した指定薬物で構造が類似する物質、3-MeO-PCMo3-MeO-PCPのNMDA型グルタミン酸受容体に対する拮抗作用について、参考に表に示しております。3-MeO-PCMoのIC5015.44nM3-MeO-PCPのIC50474.93nMとなっております。

22ページに、構造が類似する化合物のNMDA型グルタミン酸受容体PCP結合部位親和性に関する報告がありましたので、参考に示しております。MethoxetamineのKi値が259nMKetamineの値が659nM3-MeO-PCPの値が20nMPhencyclidineの値が59nMとなっております。

 これらの結果から、NMDA型グルタミン酸受容体に対する拮抗作用を有しており、過去に指定した指定薬物や麻薬と同種の作用を有する物質であると考えております。

 以上の4物質について、指定薬物として差し支えないと考えますが、よろしく御審議のほどお願いいたします。

○鈴木部会長 事務局より説明のありました物質について、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。最初に□□委員から、流通実態の方をお願いできますでしょうか。

□□委員 □□□□□で分析調査を行った結果、最初のCUMYL-BICACUMYL-5F-P7AICAに関しましては、検出しておりません。2C-B-FLYに関しましても、近年では検出しておりません。また、最後の4番目の化合物、Methoxmetamineに関しましては、粉末の形で検出しております。

○鈴木部会長 それでは先生方、御意見を頂きたいと思います。

□□委員 薬理学的なところで質問があるのですが、吸入ばく露試験におきましてマーシュマローリーフを陰性対照として用いて、それに薬物を添加して、行動薬理の実験を行っています。マーシュマローリーフ自体はハーブティーなどとして普通にネットなどで売られていて、民間的な使用はあるかとは思いますが、これ自体がカタレプシー試験でかなり強い作用が出ていて、また他の試験項目においても、陽性試験化合物を加えたところでは出てこない作用が出たりしています。逆ももちろんあるのですが、これに関してはどのような形で考えたらよいのかというのを薬理の先生方にお伺いできたらと考えています。

○鈴木部会長 まず事務局からお答えいただけますか。

○事務局 吸引ばく露という形で物質を燃焼させて吸わせているというところで、何かしら動物に対して影響が出ているところだと考えております。それが全てないような状態で実験できるのが一番望ましいと思うのですが、こういった吸引ばく露という、危険ドラッグとして使われるような手法で評価する上で、どうしても避けて通れない煙の作用などというのが考えられるのかと考えております。

 しかしながら、マーシュマローリーフに実際にどういった物質が含まれているかというところまで、詳細にデータを集めていませんので、そういったところはまだ不明確なところが多いのかと考えております。

○事務局 一応ここで使っているのはマーシュマローリーフを使っておりますけれども、この手の形の吸引での試験を組むということになりますと、何らかのバックグラウンドで何かの葉っぱを使わなければいけないということになりますので、マーシュマローリーフが何かの効果があるのだとすると、別の葉っぱを使うのかという話になったときに、更に効果がよく分からないものを使うよりは、仮かもしれませんが、これで置いておいた方が、まだ予測はし易い可能性もあります。

○鈴木部会長 これは実際に、総統に使われている訳ですね。乱用の場合にマーシュマローリーフが実際に使われているということで、これをコントロールにするのが現状としては適切ではないかと思われます。もう一つそういう効果を示さないようなものを設けるかどうかというのは、また検討が必要かと思います。□□委員、何かございますか。

□□委員 バックグラウンドで行動に影響が出て、特に毛繕いなどのところは薬理的には感度が高いと考えられるので、コントロール実験であるマーシュマローリーフで差があるために実際の薬理効果を見過ごす可能性が高いかというのがあります。

○鈴木部会長 実際に乱用ということを考えた場合に、こういうもので効果を強めるというようなことを狙っている可能性もあるかもしれないですね。

□□委員 そうですね。できたら通常の投与実験も組み合わせていただけた方が有り難いとは思いますが。

○事務局 時間と予算の関係もあるかと思います。いかにスピーディーにデータを出していくかということもありますので。

□□委員 そうですね。特に、行動解析においては、洗顔運動は重要なポイントですので、注意が必要です。

○鈴木部会長 □□委員は、マーシュマローリーフの成分などで活性成分などは御存知ですか。

□□委員 すみません、そこまできちんと検討している訳ではないのですが、少しデータの見方が分からなかったのでお伺いしました。

 それと、前回もお伺いしたのですが、燃焼実験の際に、分解物を見ているのか、それとも元の化合物の活性を見ているのかというのが分からなくなるので、燃焼物中にどのぐらいの化合物が入っているか、気になるところではありました。

 ただ、カンナビノイド受容体、CB1に対しての作用が強いということはin vitroの系でも示されていますので、問題はないかと考えております。

○鈴木部会長 他に御意見はいかがでしょうか。

□□委員 一つの提案としては、通常の投与実験をした上で作用が見え難いときに、逆にこういう実験をフォローのように追加するという、そういう順番でも可能であればと思うのですが、どうなのでしょうか。そういうやり方も考慮できる可能性はありますでしょうか。

○事務局 御意見については参考にさせていただいて、今後の資料にどのように反映していくか検討させていただきたいと思います。

□□委員 よろしくお願いします。

○鈴木部会長 他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。発言が出尽くしたと思いますので、審議をまとめます。ただ今御審議いただきました4物質は、いずれも医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、引き続き事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 今後のスケジュール等について御説明させていただきます。本件の結果については、次回開催の薬事分科会で報告させていただく予定です。本日の結果を受け、指定薬物を指定するための省令改正の手続を進める予定です。また、いわゆる正規用途については今のところ確認されておりません。いずれにしましても、可能な限り適正使用に支障を来さないように対応する所存です。

○鈴木部会長 本日の議題は以上です。事務局からその他の連絡事項があれば、お願いいたします。

○事務局 次回の部会日程については、3月中を予定しております。正式に決まり次第御連絡させていただきます。

 また、本部会の資料は回収させていただきますので、そのまま机の上に置いていただければと思います。以上です。

○鈴木部会長 委員の先生方、本日は御審議ありがとうございました。以上をもちまして、平成27年度第11回指定薬物部会を閉会いたします。ありがとうございました。


(了)

備  考
本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された

連絡先:医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課 課長補佐 佐々木(2779)

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