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2016年3月17日 第40回先進医療技術審査部会

(了)


第40回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成28年3月17日(木)16:00~17:58

(2) 場所:中央合同庁舎第5号館共用第8会議室

(3) 出席者:
猿田座長、石川構成員、一色構成員、伊藤構成員、
上村構成員、佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、
大門構成員、田代構成員、手良向構成員、直江構成員、
藤原構成員、松山構成員、山中構成員、山本構成員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療等研究推進室長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 課長補佐
保険局医療課 専門官
医薬・生活衛生局審査管理課 課長補佐

議 題
1.新規申請技術の評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取下げについて
5.先進医療会議の審査結果等について
6.その他


議事録
○猿田座長 第40回先進医療技術審査部会を開催いたします。委員の先生方におかれましては、年度末の本当にお忙しいところをお集まりいただき、どうもありがとうございました。
 本日の委員の出欠状況ですが、山口座長代理と田島構成員から御欠席という連絡を承っております。一色構成員は遅れておりますが、そのほかの方は全員おいでいただいております。今回の技術専門委員として北川先生にお願いしておりますが、北川先生も本日は都合がつかないということで御欠席と、いずれもコメントを頂いております。
 それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 議事次第から始まり座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。「新規申請技術の評価結果」として、資料1-1ないし1-9があります。「先進医療Bの試験実施計画の変更について」として、資料2-1ないし2-7があります。「先進医療Bの協力医療機関の追加等について」として、資料3-1、3-2があります。「先進医療Bに係る協力医療機関の取り下げについて」として、資料4があります。
 報告事項として、資料5-1に久留米大学病院、近畿大学医学部附属病院、埼玉医科大学国際医療センターの各機関より提出された自主点検結果及び群馬大学医学部附属病院より提出された自主点検結果を踏まえた宿題に対する続報について、また、資料5-2に「開催要綱及び先進医療に係る通知の改正について」の資料があります。会議資料の最終ページは178となります。
 また、構成員の先生方のお手元には机上配布資料として、新規申請案件に係る事前照会事項に対する申請者回答のうち、評価表を御作成いただいて以降分の回答及び新旧対照表につきお配りしております。本資料のうち新規申請案件に係る事前照会事項に対する申請者回答については、会議終了後、厚生労働省のホームページにて本日の会議資料と併せて閲覧可能となりますので、念のため申し添えさせていただきます。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等がありましたら事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 利益相反についてです。申請医療機関との関係や対象となる医療品・医療機器及び再生医療等製品の企業等について資料1-1、15ページに記載している申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して事前に確認をしております。今回、一色構成員、大門構成員、手良向構成員、藤原構成員より新規申請技術(整理番号59)について御報告がありました。
 評価対象技術に含まれる医薬品又は医療機器等の製造販売業者等からの受領額は、一色構成員におかれましては500万円以上でしたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該医療技術に関する検討(議事の取りまとめを含む)及び事前評価(議事の取りまとめを含む)には加わらないこととなります。次に大門構成員及び手良向構成におかれましては50万円以上でしたので、同条の規定に基づき、当該医療技術に関する検討に加わることはできますが、議事の取りまとめ及び事前評価には加わらないこととなります。一方、藤原構成員におかれましては50万円以下でしたので、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外にもし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということで承ります。
 また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ又はタブレットの何ページとあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長 委員の先生方、特に何かありますか。利益相反も改めて言うことはありませんか。
 ありがとうございました。それでは、早速ですが議事に入ります。まず、最初に「新規申請技術の評価結果について」、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 撮影されている傍聴者の方がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
 資料1-1、15ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして新規に御評価いただく技術は2件あります。1件目は整理番号58「切除不能、局所療法不適の肝細胞癌に対する重粒子線治療」です。適応症は切除不能、局所療法不適の肝細胞がんです。申請医療機関は群馬大学医学部附属病院です。審査担当構成員は、主担当が山口座長代理、副担当が田島構成員、大門構成員です。また、北川技術専門員にも御審査をお願いしております。
 資料1-5、49ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件についてです。「実施責任医師の要件」です。診療科は、放射線科又は放射線治療科又は放射線治療部が必要です。資格は、日本医学放射線学会、放射線治療専門医が必要です。当該診療科の経験年数は10年以上が必要です。当該技術の経験年数は2年以上必要。ただし、放射線治療(四門以上の照射、運動照射、原体照射又は強度変調放射線治療による体外照射に限る)による療養について1年以上の経験を有する者については、1年以上とすることが必要です。当該技術の経験症例数として、重粒子線治療を主として実施する医師又は補助を行う医師として10例以上の症例を有しており、そのうち重粒子線治療を主として実施する医師として5例以上の症例を実施していることが必要とされております。
 「医療機関の要件」としては、診療科は、放射線科又は放射線治療科又は放射線治療部が必要です。実施診療科の医師数は必要とされており、具体的な内容は放射線治療専従の常勤医師が2名以上配置されていること1。うち1人以上は放射線治療専門医であることが必要です。ほかの診療科の医師数は不要です。その他医療従事者の配置として条件1、2を満たすことが必要とされており、その1、病院内に日本放射線治療専門放射線技師認定機構の定める放射線治療専門放射線技師を含む専従の診療放射線技師が3人以上配置されていること。重粒子線治療室1室当たり2人以上の診療放射線技師が配置されていることが必要です。その2、放射線治療に専従する常勤の医学物理士認定機構認定医学物理士が1人以上配置されていることが必要です。
 病床数に関する定めはなく、看護配置も放射線治療に専従する看護師が配置されていること。がん放射線療法看護認定看護師又はがん看護専門看護師であることが望ましい。当直体制については不要。緊急手術の実施体制についても不要、院内24時間実施体制の検査体制も不要です。
 他の医療機関との連携体制は要です。その具体的な内容として、放射線科のみの重粒子線治療施設では近隣の大学病院並びに総合病院と連携協定を締結していることが必要です。医療機器の保守管理体制は必要です。倫理審査委員会による審査体制は2か月に1回以上に加え、用事開催されることが必要です。医療安全管理委員会の設置は必要です。医療機関としての当該技術の実施症例数は、重粒子線治療について10例以上が必要です。
 その他の取決めとして、日本放射線腫瘍学会の指定に準拠した複数の診療科で構成されるキャンサーボードを設置すること。その注として、キャンサーボードの目的、方針、業務、構成メンバー、開催日程、記録の作成、保管法などを指針若しくは規定として文書化していること。自施設でキャンサーボードの設置が困難な場合は、がん診療連携拠点病院等との連携にてその機能を果たすことができるように対応すること。また、病院間の連携が可能であることを文書にて示せることが必要です。
 そのほかの取決めは特にありません。説明は以上です。
○猿田座長 今、説明のあった保険医療機関の要件です。これは重粒子線ということで非常に重要な点が含まれておりますが、どなたか今の説明に御意見はございますか。特にございませんか。それでは保険医療機関の要件は、この形でお認めいただいたということにさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、早速ですが今日は主担当の山口先生が御欠席のため、まず、事務局から概要と実施体制について説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料1-2、17ページを御覧ください。本技術は、切除不能かつ穿刺局所療法不適の肝細胞がんのうち、初発、単発、腫瘍径12cm以下、門脈及び胆管一次分枝、若しくは下大静脈への浸潤がない患者を対象とします。重粒子線治療は、重粒子線照射装置を用いて1日1回15.0グレイを週4日、総線量60.0グレイで行います。ただし、門脈一次分枝、門脈本幹、消化管の少なくとも1つと主病変との距離が10mm以下の場合は、1回5.0グレイ、合計12回、総線量60.0グレイの線量分割を用いることも許容されます。本研究では、多施設共同臨床試験で重粒子線治療の有効性及び安全性の評価を目指します。
 有用性の評価は、主要評価項目として3年全生存割合、副次評価項目として3年無増悪生存割合、3年局所無増悪生存割合、有害事象発生割合、放射線肝障害(RILD)の発生割合、費用対効果評価、QOL評価を用います。なお、有害事象の評価基準には、「有害事象共通用語基準ver4.03日本語訳JCOG/JSCO版」を用い、QOL評価にはEQ-5D-5L(EuroQol 5-Dimensions 5-levels)を用います。予定試験期間は7年間、予定症例数は130例です。
 先進医療審査の事前照会事項に対する回答2、32ページを御覧ください。山口座長代理からは、まず、切除あるいは穿刺局所療法を拒否している症例の登録における扱いについて御照会をいただき、その回答として該当症例は登録しない方向で修正がなされました。また、症例判断に関して、しかるべき能力を持つ当該施設の専門家あるいは専門部署の関与について御照会いただき、その回答として「キャンサーボード若しくは自施設でキャンサーボードの設置が困難な場合は、がん診療連携拠点病院等との連携によってその機能を果たすことができる検討会の判断に基づく」と適格基準に明記することと修正がされました。資料1-2、17ページにお戻りください。以上を御了解いただき、実施体制の評価は「適」と御判断いただいております。説明は以上です。
○猿田座長 御質問は後ほど全体の説明の後にまた受けさせていただくということで、続いて、やはり北川先生はお見えになっていないのですが、北川先生からのコメントを事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療審査の事前照会事項に対する回答6、43ページを御覧ください。北川技術専門委員からは、山口座長代理からの御指摘に加え、2番の所で安全性・効果においてTACEとの比較に加え、定位放射線治療(SRT)との比較も検討すべきとの御照会を頂きました。
 その回答として、重粒子線治療がSRTをはじめとするX線治療とも比較されるべき案件だと理解はするものの、原発性肝がんに対するSRTは大きさが5cm以内の病変が保険適用となっているものの十分なエビデンスはなく、肝細胞がんや治療アルゴリズムなどの各種のガイドラインにおいても現状では標準治療とは位置づけられていないこと。また、SRTは腫瘍径が大きくなるにつれ周囲の非腫瘍部の肝組織への線量が増加するため、主に小径肝がんが対象であり、大きさの適応基準を12cm以内とする本試験とは対象疾患の背景が大きく異なることから、SRTとの比較を同一対象集団に対して行うことは困難であるとの見解とともに、本試験では腫瘍の大きさ、部位、消化管との距離などの背景を収集するとともに、治療後の有効性や有害事象、RILDの発生を前向きに評価し、将来的にSRTとの比較試験を必要とした際に基準となるデータを提供できるものと考えているとの意見が示されました。
 以上を御了解いただき、資料1-2、18ページにお戻りください。実施体制の評価は「適」との御判断を頂いております。説明は以上です。
○猿田座長 続いて、田島構成員も御欠席なので、田島構成員のコメントもお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療審査の事前照会事項に対する回答4、37ページ及び回答7、45ページを御覧ください。田島構成員からは、同意説明文書の齟齬や修正に関して幾つかの御指摘を頂きましたが、いずれも適切に対応されたと御判断いただいたため、資料1-2、18ページに戻っていただきますと、倫理的観点からの評価はいずれも「適」との御評価を頂いております。同時にコメントとして、説明文書については指摘事項に従い所要の修正がなされ、問題が解消したので適と評価した。補償は補償保険で対応する。患者相談の対応は整備されているとの御記載を頂いております。説明は以上です。
○猿田座長 3人の方が御欠席ということで、コメントを読んでいただきました。続いて、大門構成員から試験実施計画等の評価について、よろしくお願いいたします。
○大門構成員 試験実施計画書等の評価を担当した大門です。前回の部会では切除不能、局所療法不適の肝細胞がんの陽子線治療が案件として評価されましたが、今回はその重粒子線版です。先般の案件でも論点となった切除及び局所療法の拒否例、デザイン、ヒストリカルコントロールについては、もちろん本試験においても気になるところであろうと思われます。まず、後ほどの議論のためにも、その点について補足したいと思います。これらは机上配布資料1-3の21~31ページ、34~36ページ、40~42ページにわたって事前の照会事項にも示しておりますので、併せて御覧いただくと幸いです。
 まず、1点目です。切除及び局所療法の拒否例については、先ほどの山口先生の御照会事項、私の事前の照会事項により本試験では除外されるに至っております。
 2点目のデザインについては、事前に照会したところ、陽子線治療の試験の場合と同様、幾分古いTACEの後ろ向き研究の成績を用いられている問題がありますが、やはり本試験でもランダム化比較試験の実施には費用負担の問題があると御回答いただきました。実施計画書にもそのデザインの根拠を盛り込んでいただいております。
 ヒストリカルコントロールについてです。切除及び局所療法の拒否例が除去されたことにより、もちろん本試験で獲得される成績はよりクリアになると思います。ただし、閾値の設定には先ほども申し上げたようにTACEの後ろ向き研究の成績が用いられているのですが、不能例と拒否例の成績が混在しており、不能例の成績だけを抽出して用いるべきではないのかということを照会しましたが、やはり不可能であり拒否例はそれほど含まれていないはずとの御回答でした。予後の良いとされる、拒否例が混在している分、閾値の成績は高めに設定されるということになると思います。そういう意味では真実よりも高めに設定された閾値をまず超えなければならない点で見ると、評価は保守的なものになろうかと思います。
 一方で期待値の設定にはJ-CROSの後ろ向き研究の成績が用いられております。これも不能例と拒否例の成績が混在していて、不能例の成績だけを抽出して用いるべきではないのかと照会したところ、これも難しいという御回答で、拒否例はそれほど含まれていないはずとの御回答を頂きました。期待値の設定については、逆に拒否例が混じっているということで楽観的になり得るものと思います。最終段階では保守的に設定されている幾分曖昧な閾値と比較して、それを超えなければならないということを考えると、この点も善処していただく必要があるのではないかとお伝えしたところ、検出力ひいては推定精度をより改善方向で例数を再設計していただくことで対応はいただいております。
 更に前回の案件と今回の案件の実施計画を見比べていたのですが、今回の試験ではChild-Pugh Aだけでなく、より予後が悪い閾値と期待値も異なるChild-PughのBも組み入れることを計画されておりました。しかしながら、当初の実施計画書では例数設計と統計解析ではそこの切り分けができておらず、Child-Pugh Bの占める割合が相当に小さいことを考慮すると、本試験でChild-Pugh Bの集団においても重粒子線治療が効くと言えるだけの検出力があるのかということも聞いたところ、ないということで、また、それを示すためには600例程度必要だということで、この集団も除外されるに至っております。
 そのほか統計解析の事項やそのほかの書類について、記載の不備や修正した方がよさそうな所がありましたが対応していただいております。今の補足した点で、まだまだ議論の余地はあるかもしれませんが、資料1-2の評価表のように「適」ということで評価しております。説明は以上です。
○猿田座長 今、事務局と大門先生から御説明いただきましたが、構成員の先生方、以上のところまででどなたか御質問ございませんでしょうか。山口先生のやり取りでは、結局大きな問題はなく最終的にいいだろうと、北川先生は特に放射線、いわゆる従来の放射線治療との比較のことですが、腫瘍の大きさに関しての問題があって、結局これはやむを得ない、比較は難しいということの説明でした。田島先生は、大分いろいろな所の言葉遣いの問題での訂正をしていただきました。それから大門先生のお話があったという御説明です。どなたか御意見はありますか。
 やり取りは大変だったようですが、先生方との間でのやり取りで大体解決されているのではないかということで、もしよろしければ、それでは山口先生がおりませんので総括を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 山口先生からは、資料1-2、19ページを御覧いただくと、以上の論点に鑑みて総評として特にコメントはなく「適」との御評価を頂きました。以上です。
○猿田座長 以上のような次第で山口先生も全体としては「適」でよろしいのではないかということですが、構成員の先生方から特に御意見がなければ山口先生の総括のとおり「適」ということで、よろしいでしょうか。
○関原構成員 これは適否の質問ではないのですが、この研究の対象者は初発の肝細胞がんと書いてありますよね。ところが、肝細胞がんですから何回も再発するケースもたくさんあるわけで、普通はラジオ波で焼切ります。ところがあるケースでは再発がほかの臓器や腸壁に掛かっているため、つまり焼き切れないと、そういう場合焼切れない部分にこれは使えないということなのですか。もともと、目的の1つはほかの治療が使えないような場合にこれをやると書いてあるわけですけれども、再発でそういう場合は駄目だという理解でよろしいのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。今回はそのような症例については含まれていないという理解をしております。
○猿田座長 あと北川委員とのやり取りのところでも、今お話があったようなところで、やはりどういう適応を除くかということも議論されております。どなたかほかに御意見はありますか。関原構成員、そういうことでよろしいですか。
○関原構成員 はい。
○猿田座長 それでは、特に御意見がないようですから、この案件は「適」ということで判定させていただきます。どうもありがとうございました。それでは、続いて第2番目の評価について事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料1-1、15ページを御覧ください。2件目、整理番号59「治療抵抗性の子宮頸癌に対する閉鎖循環下骨盤内非均衡灌流療法」です。
 本技術についての審議に先立ちまして、冒頭に御報告しましたとおり、一色構成員におかれましては、利益相反の観点から本技術の審議に際し一時御退席いただくことといたします。誠に恐縮ですが、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
(一色構成員一時退席)
○医政局研究開発振興課専門官 それでは続けます。適応症は、治療抵抗性の子宮頸がんです。申請医療機関は、日本医科大学付属病院です。審査担当構成員は、主担当は直江構成員、副担当は田代構成員、山中構成員です。資料1-9、71ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について事務局より御説明を申し上げます。
 「実施責任医師の要件」ですが、診療科は放射線科が必要。資格として、日本インターベンショナルラジオロジー学会認定インターベンショナルラジオロジー専門医が必要。当該診療科の経験年数は6年以上が必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数として、実施者、術者として3例以上が必要。その他の要件として、1)本治療の講習会を受けること。2)日本医大の指導の下、実施責任医師が本治療を3例以上行うことが必要。
 「医療機関の要件」として、診療科は、放射線科及び麻酔科及び産婦人科が必要。実施診療科の医師数として、日本インターベンショナルラジオロジー学会認定インターベンショナルラジオロジー専門医が1名以上、IVR医として2名以上、経験年数6年以上の麻酔科医は1名、産婦人科医が必要。他診療科の医師数は不要。その他医療従事者の配置として、臨床工学士、診療放射線技師が必要。病床数は50床以上が必要。看護配置は10対1以上の配置が必要。当直体制は、放射線科あるいは救急部門の当直体制が必要。緊急手術の実施体制が必要。院内検査は24時間実施体制は必要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機器の保守管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制は、月に1回の開催が必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。
 その他の取り決めとして、1)IVR専門医が実施する血管内治療が年間100例以上あること。2)血管造影のためのDSA装置があること。3)入院施設があることが必要とされております。その他の取り決めはありません。以上となります。
○猿田座長 今、説明いただいた保険医療機関の要件ですが、この技術もなかなか難しい技術ということで、しかも婦人科とか、放射線科、それぞれの科が関係しているものですが、委員の先生方、この施設の要件に関して、どなたか御意見はありますでしょうか。
○藤原構成員 子宮頸がんの全身治療は適切に行われるかどうかは多分見ておかなければいけなくて、日本医大からの申請書を見ると、日本医大は産婦人科の先生が1人、実施の医師に入っているので、実施診療科の医師数の所で、産婦人科医と書いてありますが、もう少し専門性を上げて、婦人科腫瘍学会の専門医をもっているような産婦人科医がいるとかとしたほうがいいのではないかと思います。
○猿田座長 やはり難しいテクニックですから、一般の産婦人科ということではなくて、今、藤原先生から御説明いただいたような形で、少し専門性の人も入るということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい、そうです。そのように承って、修正を加えていただくようにします。こちら産婦人科医のほうは、他診療科の医師数のほうに分類されるものだと私は今、読んで認識しましたので、それも修正をお願いするようにします。
○猿田座長 ほかに御意見はありますでしょうか。
○直江構成員 最後に入院施設があることというのは、これ、必要ではないですね。
○医政局研究開発振興課専門官 こちらについても、既に50床以上が必要と書かれていますので、こちらで読めるというところから、こちらは削除していただくようにいたします。
○直江構成員 はい。
○猿田座長 ほかにありませんでしょうか。今、御指摘いただいた点を直していただくということで、よろしいでしょうか。それでは、今のところを直していただき、保険医療機関の要件はお認めいただいたこととさせていただきます。
 それでは、この案件の主担当の直江構成員から、御説明をよろしくお願いいたします。
○直江構成員 まず51ページ、それから、これは概要の所で、資料1-8の所に「骨盤内閉鎖循環下抗がん剤灌流療法」という図がありますので、この図を併せて御覧いただければと思います。
 治療抵抗性の子宮頸がんの症例を対象に、骨盤内の血管系を、半ば閉鎖状態にします。具体的には大腿部に駆血帯を巻いて、下肢には血流が行きにくい状態を作ると。それから、大動脈、腎臓の直下に大動脈と下大静脈の所に、2つのバルーンのカテーテルが入っていますが、ここで閉鎖循環系を作るということで、この中に動静脈系に、一種の透析のような機械を回して、閉鎖循環系の中に薬剤を灌流させることで、非常に高濃度のシスプラチンを灌流させて、抗がん効果を得ようということです。今、見ていただいている模式図の下に、血中濃度のグラフがありますが、静注ではかなわない量を得ることができるというのが、この治療法のメリットとなっております。
 その後、今度はその薬剤注入のリザーバーを外して、今度は一種の透析のような機械で薬剤を除去するということで、高濃度のシスプラチンを体外に逃がしてやるということです。この治療法を2回、時間を空けて行うということの治療法が、今回の提案の灌流療法です。
 今の図の裏の薬事承認までのロードマップを見ていただくと分かりますが、日本医大のほうでは、大分前からこの治療法が行われておりまして、探索的臨床試験が2004年6月から既に子宮頸がん72例という成績があります。この中の26例については、既に発表済みということで。今回は先進医療として、灌流療法をPhase1ということで、どのぐらいの抗がん剤の量までが安全に投与できるのかということを、主な主要評価項目として臨床試験を行うということです。簡単に説明いたしましたが、以上のような試験です。
○猿田座長 ありがとうございます。1つだけ、この機器がかなり大切ということなのですね。
○直江構成員 そうですね。川澄さんが作っている、透析の機械に準じた機械ということです。あとは、動注用のシスプラチンを用いるということで、ボリューム負荷をある程度少なくするために濃度の濃いシスプラチンというものをこのために使っています。もしよければ、実施体制の評価にいってよろしいでしょうか。
○猿田座長 では、そこまでお願いいたします。
○直江構成員 実施責任医師、それから実施医療機関、医療技術の有用性というものを過去の先行試験の論文等を見まして、一応「適」とさせていただきました。
 ただ、先ほど来議論がありますように、放射線科治療医が行う治療でして、やり取の中でも、院内だけではなくて院外から直接照会をいただく患者さんがあるという記載がありまして、この治療成績の安全性、それから、長期予後の評価を見ると、やはり一種のキャンサーボード的なもの、特に婦人科の先生と一緒に診られるということが適格症例の判断、あるいは治療方針の決定、あるいは長期予後の判定ということには必須だろうということで質問を出させていただきました。これについては、そのような形で行うという回答が、机上配布資料がありまして、こちらでコメントを書いた後に、2、3日前に出てきたのですが、一番最後の所だと思います。質問を出させていただいた中で、本試験では婦人科との連携は必須と考えており、という回答を頂きましたので、実施体制については、一応「適」とさせていただきました。以上です。
○猿田座長 ありがとうございます。また、後ほど議論させていただければと思います。
 それでは続いて、田代構成員から、特に倫理的な観点からの評価をよろしくお願いいたします。
○田代構成員 倫理的観点からの評価を担当しました田代です。お手元の配布資料52ページ目の所に書いてありますが、当初の指摘事項として、配布資料の64~67ページにかけていろいろと指摘させていただきました。コメント欄の所を少し読ませていただきます。「研究目的及び方法、利益・不利益、他の治療法に関する説明文書での記載の不備」。恐らく以前やられた臨床試験と余り変わらない形で説明文書が書かれており、今回の試験に特化した形になっていなかったので、特に「目的」と「方法」について、記載を全面的に書き直していただきたいということをお願いしました。
 もう1点は、続きですが、「補償方針」に関する記載の不整合がありましたが、これも最終的に確認をしていただいて、補償保険に加入して、金銭的な補償を行うものではないけれども、健康被害が出た場合、治療費は請求しないというような体制を取っているということが分かりましたので、そのこと自体は問題ないということにしました。
 もう1点は、代諾での研究参加が認められていましたので、指針にのっとって必要性を明確化してくださいというお話をして、それについて回答していただいております。また、患者相談窓口の記載がなかったので、それについても指摘をいたしました。
 以上の指摘については、一定程度の修文がされたものが皆様のお手元に行っているかと思いますが、ただ、幾つかの指摘事項について、まだ不十分な対応ではないかと考えましたので、「不適」としました。実施条件の所に4点の修正が必要な箇所ということで指摘しております。
 53ページに移ります。これも概要だけ少し説明いたします。1点目は、研究の意義とか、目的の説明の箇所の所に、何が研究課題であるのかということが明確化されないということがありましたので、研究目的や意義の説明の中で、そういったことをきちんと説明していただきたいことを再度お願いしました。
 2点目は、今回の試験は最適な投与量を決めるためにいろいろと投与量を変えていくというデザインですが、そのことがはっきりと患者さんに分かるように書かれていないところがあり、かつその方法とメリット、デメリットの記載がまた同じようになっているような所があるので、そこを分離して、明確化してくださいというお願いです。
 3点目は、代諾での研究参加が必要かというお話をしたところ、これまでは特にそういう経験はないのだけれども、視覚障害者の方が参加される可能性があるということで、その場合、代諾は不要であって、GCPや指針に沿って情報保障を十分に行うとか、あるいは立会人を設けるということで対応くださいということをお願いしました。
 54ページ、4番目はかなり全体的な修文をお願いしましたので、記載の整合性が取りにくくなっています。そこをもう一度御確認くださいということをお願いしました。
 以上の点について、机上配布資料の事前照会事項に対する回答3の所を見ていただくと、これが先ほどお話があったように、数日前に来たものですが、先ほどの4点について、対応していただいたという回答になっています。ただ、当初からこれはかなり変化しているところが多く、研究計画自体も変化しているので、全体的に最終的な整合性が全部取れているかどうかは、私のほうでも不安なところがあります。あとは、ほかの委員の先生方からも意見を頂ければと思います。私からは以上です。
○猿田座長 ありがとうございます。それでは続きまして、山中構成員から御説明いただいて、総括的な議論をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○山中構成員 実施計画書の審査をしました山中です。お手元の資料57ページから、最初に私がさせていただいた事前照会事項のやり取があります。この治療法は先ほど直江先生から御説明がありましたように、基本的には局所の治療です。肝臓で動注化学療法をやりますが、それの発展形のような形だと考えられます。
 一方で、この治療法は初回の化学療法に耐性が出来た患者さんを対象としています。したがって、がん細胞が血流に乗って全身に行き渡っている状態と考えられ、全身化学療法が必要な対象とも考えられます。ですから、この治療法のコンセプトでちょっと理解できなかったのは、骨盤内のがんを対象にするのですが、実際、子宮頸がんは骨盤内の膀胱、直腸とかに局所再発を起こしやすいということは知られておりまして、そこをたたくという治療法としては極めて合理的だと思いますが、一方で、肺、脳とか、そういった所にも転移が出来ているわけで、もっと言うと、全身にがん細胞が回っている可能性もある対象ですので、本医療技術の全身化学療法としての考え方ということを問い合わせました。
 対象集団に関しては、脳転移や肺転移に関しては除くということになりました。所属リンパ節転移に関しては、これまでの過去の同様の治療法の検討から、所属リンパ節に関しては、ある程度シスプラチンの集積、堆積も確認されているようで、所属リンパ節転移がある症例に関しては、骨盤外ということになると思いますが、含めるということでした。その辺のやり取を行っております。
 58ページです。この治療法は、既に同様のコンセプトで治療した症例を重ねているわけですが、今回、動注用に専用に開発された動注用のシスプラチンを用いること。それから、新たに開発した透析カラムを使うということで、それらを用いて、きちんと安全性を確かめられるかということを確認する段階だと思います。そういう意味では、Phase1だと思います。最初は、Phase1/2となっていました。しかし、Phase2の部分が、Phase1部分に僅か数例を足してPhase2と考えるデザインでしたので、それはちょっとおかしいのではないかということを問い合わせまして、基本的にはPhase1ということで申請者ともやり取りしております。
 59ページの5です。この試験に関する研究の費用のことを問い合わせております。日本医科大学付属病院放射線科の研究費として実施されると記載されていますが、一方で、CROに委託するというように記載されております。CROの委託費はそれなに掛かると思いますので、一診療科の研究費としては大きいのではないかということを問い合わせまして、研究者からはAMEDへの申請を行ってきたのですが、残念ながらまだ採択に至っていないと。それで、引き続きAMEDへの申請は続けるけれども、それまでの間、医療機器の企業、川澄さんとの共同研究としてCRO費用を調達する予定ですというような回答を頂いております。ですから、この辺の事項に関しては、きちんとプロトコールに記載していただく、同意説明文書に記載していただくということになるかと思います。こういったやり取をさせていただき、最終的には、懸念事項に関して、一通り回答していただきましたので、私としては「適」と判断しております。以上でございます。
○猿田座長 ありがとうございます。直江先生、田代先生、山中先生から御説明いただきましたが、総括に入る前に、委員の先生方から是非御意見を頂ければと思います。特に田代先生のところは、まだ少し修正のところの齟齬とかそういうところが残っているということ。それから、山中先生の所では、どうしてもお金の問題が、症例数が結構多いですので、それが果たしてうまくいくか。27例です。そこがちょっと気になるということですが、それでは、構成員の方、どなたか御意見を頂けますでしょうか。非常に難しいテクニックですが、かなりの例数を既にやられているのですね。
○藤原構成員 既にロードマップのほうには、72例を2004年からやっていらっしゃるということで、直近の公表論文はアナルズ・オブ・サージカル・オンコロジーで2015年に出ていますが、それだと2013年5月までに、2004年から2013年までの間に26例と書いてあって、では、残りの46例はどうなったのだろうというのが気になりました。チャンピョンデータだけ公表論文にして、有害事象とかたくさん出ているものは出ていないのかというのがちょっと気になります。そこはやり取りの中で聞かれたかどうかを、1つ教えていただきたいと思います。
○猿田座長 その辺りはどうですか。
○山中構成員 すみません、確認しておりません。
○医政局研究開発振興課専門官 こちらは、自主的な臨床研究として実施されていたということですが、研究費が付いているか付いていないかという観点で、進捗度が早いか遅いかという課題があって、そこは最近、症例の集積度が増してきたというお話は申請者からは伺っておりますが、もう少し詳細をということでしたら、また御希望により照会させていただきますが、いかがでございますか。
○藤原構成員 そこで、重篤な有害事象とか出ていないことは確認するか、あるいは予後は全然悪いとか。
○猿田座長 私から言うと、藤原先生が今おっしゃったように、これはかなりいろいろな点での有害事象が出やすい、いろいろなことが起こりやすい状況なのですね。ですから、それで、先ほどお話があった26例以外の症例で、実際、どのくらいいろいろな有害事象が出ているかと。いろいろなタイプの、例えば、腎不全の問題も起こったり、いろいろなことが書いてありますね。そういったことがもう少し分かればという感じは、私としてもしましたけれども。
○山中構成員 そのとおりだと思います。高濃度のシスプラチンが入りますので、それが体内循環するのは一応ブロックされているということなのですが、やはりちょっと全身高濃度のシスプラチンが入る以上、有害事象に対する懸念はあって。実はこの26例に関して、有害事象が少ないなという印象を抱いていたのです。
○猿田座長 なるほどね。
○山中構成員 ですので、藤原先生がおっしゃったように、72例のデータというのは必要だと思います。
○猿田座長 ですね。できればそれがあると、もう少し細かいことまで分かるかもしれないということかと思います。ほかに委員の先生方、どうぞ。
○直江構成員 後でまたまとめを言いますが、細かいところですけれども、タブレットの229ページです。治療計画で先ほど言いましたが、1回目やって、2回目やって4週間を空けるのですが、その後、ただし、推奨用量に至らない投与量であった場合に、被験者にその旨を伝えた上で、推奨用量による3回目の投与を許容すると書いてあるのですね。これもPhase1でですね、これはおかしいなと思います。いろいろなところが、もうちょっと見直す必要があるのではないかと。
 つまり最大の問題は、やはり単施設でずっとこの先生が1人でやっていらっしゃるので、恐らく救済的な意味が多分にあって、多分、過去もそのようにされているかと思いますが、本当にこの試験で、これが有効であるかどうかということを担保するために、良い試験デザインできちんとやってほしいなという感じはします。だから多分、本日出たいろいろな指摘事項について、もうちょっと練り直してほしいという感じを持っています。
○猿田座長 この方法を使うことについては、すごい効果が上がっているのですね。
○直江構成員 そうなのです、すばらしい成績なのです。普通は、半年から12か月というところが、もう2倍、3倍、4倍に伸びているということなので。
○猿田座長 そうなのですね。
○直江構成員 本当にそうだとすれば、すばらしいことですが、今、藤原先生がおっしゃったように、どういう成績なのだろうかとか、どのようにプロトコールされているのかと、ちょっと分からないところがあります。
○猿田座長 ですね。だから、その効果と有害事象との問題はどうしても絡むものですから、そこがちょっと気になったということです。田代先生、どうでしょうか、御意見はありませんか。
○田代構成員 先ほどの事後の投与の件ですが、私のほうでは、恐らく推奨用量を定めるということで、低いところからやっていくので、それでうまく効果が出なかった場合にはレスキュー的にやるという、そういう位置づけだと理解したのですが、位置づけとしては、そういう位置づけでよろしいのでしょうか。そのこと自体は、患者さんの治療でこれを期待して入って来られる方にとっては意味があることかと思います。ただそれによって適切な評価ということについては、影響されるものなのでしょうか。そこがちょっとよく分からなかったのですけれども。
○猿田座長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますでしょうか。
○藤原構成員 あと、2点あります。タブレットの363ページで、データモニタリングコミッティに設定しているのですが、一応、外部の先生なのですが放射線の専門医だけで、婦人腫瘍科の専門医が入っていないので、婦人腫瘍科の方を入れるか、日本医大は腫瘍内科の先生もいらっしゃるので、いずれにしても放射線腫瘍医以外の人を入れていただきたいというのが1点です。
 もう一つは、タブレットの323ページを見ると、この技術は日本医大の特許がありますが、この先生が特許を持っていて、この試験をずっとやり続けるというのはちょっと心配です。それは医療機器なのでしようがないですが、その辺の第三者性が少し懸念が。長い間この人がやっていらっしゃる、苦労されているのは分かりますが、前にも金沢医大でも同じように、思い込みでずっとやっていらっしゃる先生がいて、いろいろなことが起きたというのがあるので、その辺は今後の第三者的な目が必要かと思います。
○猿田座長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますでしょうか。幾つかちょっと問題点はあると思いますが、もう一度、総括的に直江先生、まとめていただけますか。
○直江構成員 54、55ページに書きました。今、いろいろ出た疑問については、一部は回答で、コメントで修正されているところもありますが、まだまだ計画書、同意説明文書の記載については、まだ十分な修正が行われていないということと、幾つかやはり本日出た御意見の疑問点もあったと思います。ということで、結論的には「継続審議」ということにさせていただいてはどうかというのが私の考えでございます。以上です。
○猿田座長 ありがとうございます。この治療法を拝見すると、非常に効果が良いのです。そういった点で非常に良い治療法ですので、問題は有害事象とか、それから、幾つか藤原先生から特に御指摘いただいた点とか、それから、田代先生からの御意見もありますし、あと、実際、費用の問題もありますし、そういったことをもう一回きちんと整理していただいたほうが、かえっていいのではないかということで、もうかなり的が絞られていますから、継続審議としていただいたことで、1回きちんと整理していただければと思います。山本先生、どうぞ。
○山本構成員 継続審議には異論はございません。ちょっと見ていますと、プロトコールのタブレットの364ページで、先ほど藤原先生から委員会の御指摘がありましたが、その後に続く、実施体制のデータマネジメント、モニタリング、委託先の予定とあるだけで、書いていないのと、あと、監査については全く未定となっていますので。別に監査しなくても構わないと思いますが、このように書かれると監査をするとなりますし、するのであれば担当者が決まらないとちょっとあれですので。
○猿田座長 そういうことですね。
○山本構成員 継続審議とした上で、組織体制についても決めた形で出していただいたほうがいいのではないかと思いました。
○猿田座長 ありがとうございます。ほかにどなたか御意見いただけますでしょうか。
○柴田構成員 先ほど出てきた72例のうち、26例しか報告されていないという件に関してのコメントです。1つの臨床試験として行われているのであれば、72例からどういう条件で26例が抽出されたのかというのは確認する必要があると思いますし、もしこのロードマップの書類が省略して書いてあって、実際には複数の臨床試験が行われているのであれば、こういう臨床試験に何例、こういう臨床試験に何例というのを書いていただく必要があると思います。そこのところは照会事項の中で確認をしていただければと思います。
○山中構成員 提出されている子宮頸がんに関する論文というのは、最初から26例だったので、そこの72例からなぜ26例になったのかというところの流れは、記載されていませんでした。すみません、最初から26例の研究だと思って読んでいました。
○猿田座長 ほかにありますでしょうか。今、お話があったように、継続審議にしていただいた場合にも、できるだけ絞り込んで書いていただくと。
○山中構成員 先ほどの監査部門とか、モニタリングの担当の件ですが、申請者とのやり取りの中で、CROに委託するとのことです。それでCROの選定は済んでいて、これからCROとの契約を行って、契約が終り次第CROの担当者が決まるので、そこのCROの担当者の名前を書くということだったのですが。今後、CROとの契約を終えた上で、担当者の名前を書いてもらいプロトコールを出すことにしますか?それとも、それは同時並行で。
○猿田座長 どうぞ、山本先生。
○山本構成員 事務局が言う前に意見を言いますが、必ずしもそこまで求める必要はないのではないかと思います。というのは、この先進医療の審議自体に数箇月かかっていますので、CROの契約が済んで担当者を決めた上で出してこいと言うと、ものすごく遅れますので、同時並行でしていただくほうが、これは自分たちが実施するときに痛いめに遭いますので、それはやめていただきたいなと思います。
 ただ、CROであればCROで、例えば、書けないのであっても、どういう進捗かということを確認する。あとは、監査のところは全く未定というようになっていましたので、未定のままだとちょっとまずいかなと思います。それで指摘させていただきました。
○猿田座長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますでしょうか。
○上村構成員 臨床薬理学の立場からですが、ちょっとサジェスチョンですけれども、是非、薬物動態のパラメータをきちんとまとめていくようにされたほうがいいかと思います。
○山中構成員 はい。
○上村構成員 特にCmaxとAUCを回路内と末梢の中で評価をされて、まとめておかれたほうがよろしいかと思いました。
○猿田座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか、全部、今の説明で。是非、そこまでやっていただければと。
○柴田構成員 先ほど山本晴子先生からコメントがあった件ですが、私も山本先生の方針に賛成ですが、手続的なところだけ事務局の方に確認したいのですが。先ほどのような方針を取った場合には、これが告示がされた後一度CROが決まって、改訂の手続をして、改訂の手続が認められて、それが医療機関に報告されてからファーストペイシェントインになるということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 まだ未定、あるいは企業の名前だけはあって担当者が分からないという段階でも、試験としてはお認めいただいて、告示がかった段階では、その体制で施行することはできます。ただし、担当者が固定されたという場合で、そこに名前を入れることが可能になったという場合には変更申請を出していただくことになります。変更申請をやっている間も試験としては走りますので、そのような御理解を頂ければ結構です。
○柴田構成員 つまり今の御説明は、最初の患者さんを登録して試験を進捗させる上で、その段階では決まっていなかったとしても、許容できる事項に関しては未定、あるいは今後決まりますというところで試験を進めておいて、決まった段階で改訂の手続をすればよいということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。それでお認めいただけるならば、そうなります。
○柴田構成員 分かりました。そこまでここで議論をするということですか。
○医政局研究開発振興課専門官 どのような書きぶりかはいろいろあると思いますが、その書きぶりで先進医療会議までをお認めいただいて告示がなされたならば、その書きぶりの範囲内で許容されるということになります。
○柴田構成員 分かりました。
○猿田座長 どうぞ、田代先生。
○田代構成員 今の実施体制、特にモニタリングとか監査の点について、山本先生に少し伺っておきたいのですが。
○山本構成員 はい。
○田代構成員 私もここは少し気になっていまして、当初出されたものは本当に何も書いてなかったのですが、この段階で倫理審査委員会は既に通っているはずなのです。一応、現行の統合指針下では、データマネジメント体制は適切かどうかということも含めて倫理審査委員会は見るということになっているはずなのですが、そこが全く見ようもない状態で多分申請されていたということになります。もちろん、細部までというのは難しいということは分かりますが、どの程度のものが書いてあれば、一応こちらで判断できると考えるのかという点については水準を決めておかないと。とにかく何も書いていなくて、未定で後から変更申請でやるというと、その変更申請で、全くデータマネジメントの体制として不適切なものが出てきた場合にどう対応するのかということが、問題になるような気がしたのですが。
○山本構成員 先進医療会議の委員という立場と、実際に先進医療Bとかそういう臨床試験を走らせる実務者としての立場と両方から考えると、先進医療に上がらないものであれば、完成されたプロトコールで倫理委員会が通る必要があると思います。ただ、先進医療の場合は、プロトコールを通した後に大幅にプロトコールが改訂されるので、実施施設の倫理委員会に通すときに、これが完成形ですと言えないという問題点がありまして。倫理委員会が、これがいいです、これで了承しますと言った後に、ここの会議で大幅に改訂されたので、これまた変更しました、お認めくださいというように言うので、実施施設の倫理委員会から見ると、半ばこちらの技術部会にプロトコールを預けている状態になっていると思います。
 そういう意味で言うと、実施施設の倫理委員会が先進医療Bに出すと言った時点で、自分たちの決めたことがどうせ変えられるということにはなるので、そこで一体、どれだけその議論をすることが実施施設の倫理委員会としてしなければならないのか。私はいつも実施施設の倫理委員会の事務局にも絡んでいるので、そこについては、いつも非常に悩みます。ですから、実施体制について、ある程度空の状態で出てきたとしても、一概に施設の倫理委員会を責める気持ちにはならない、というところがあります。
 私は前から思っていますが、この技術部会が実質、倫理指針の倫理委員会をほぼ満たしていて、実際にはそれ以上の議論をしていますので、もしスカスカで出てきたとしても、ここできちんと議論をして、ただし、実施をするときには、告示もそうですけれども、実施施設の倫理委員会で必ず完成されたプロトコールを再度審議していただき、そのときもほとんど承認せざるを得ないわけですね、丸呑みで。つまり、そこでコメントしようとしても、そこで変更すると、またこちらに掛けないといけないので。そのような今、二重審査になっています。その二重審査の手間を省くという意味では、ある程度、枝葉末節と言うか、モニタリングのところが枝葉末節とは言いませんが、全くの100%の完成形でないものが出てきたときに、一概に倫理委員会を私は責める気にはならないと。
○猿田座長 どうぞ。
○松山構成員 実は同じような案件が、再生医療等評価部会でもあります。向こうは90日審査となっているので、かなり苦労するのですが、やはりできるだけ機能していただくという大前提は当然あって、それは是非ともお願いしたいと思っています。多分、山本構成員からの発言だけだと、議事録が出ますから、80点の答案でいいのではないかというお話になるのは、ちょっとどうかというところがあって。ですから、多分、本意は全くそうではないと思います。できるだけきちんとしたものをお作りいただくという大前提ではあると。
○山本構成員 誤解を生んだらまずいので、当然、倫理委員会ではきちんと審査していただきたいです。ただ、倫理委員会が承認するときに、この部分、この部分については技術部会のその議論を待ちますと。ですから、ここは我々は分かりませんけれども、その後のプロトコール改訂を変更申請をしていただいて。それを最終的に審議するということを前提として、現在、仮の形で承認を出しますというような、実施施設ではそういう配慮はしていただきたいと思います。
○猿田座長 問題点をクリアしてくださったので、それでは、ほかに御意見がなければ、一応、直江先生、これは継続審議という形で、今、各委員の先生方から出た質問をまとめていただいて。どうぞ。
○医政局研究開発振興課専門官 今、継続審議という御判断を頂いた点について、論点を事務局で今まとめてみましたので、御確認をお願いいたします。
 まずは、様式第9号の所の産婦人科医の専門医を問うという所と、あと、修文が1点です。それから、同意説明文書の整合性に関しては、御審査いただいた田代先生の御指導も頂きながら、その整合性を再確認する点。それから、26例以外の有害事象について照会をする。また、それが試験形態として、単一のものでなされたのかそうでないのかということを確認し、その安全性について照会する点。効果判定委員会の所に婦人科や腫瘍科の専門医を加えるという点。それから、日本医大の特許について、その第三者性をどう担保するのかという点。
○猿田座長 あと、先ほどの外部委員を入れていただくこと。
○医政局研究開発振興課専門官 はい、外部委員ですね。それから、実施体制の所で、データマネジメント、モニタリング監査などの所の未定の所の記載ぶりを改める点。それから、薬物動態のパラメータをまとめるようにという点。最後に、低用量で施行された患者さんに、レスキューで後から高濃度で加えるということですが、これは、この試験内で行うということか、あるいは試験外で行うかというところについても多少、解釈は変わってくるかと思いますが、こちらについては、いかがいたしましょうか。
○猿田座長 どうなのですかね。
○直江構成員 要するに低用量でメリットがなかった人にリコメンデーション・ドーズを後で加えるというのは、倫理的にはありだと思いますが、ただ、リコメンデーション・ドーズが出るまでにどのぐらいの期間がかかるかというと、試験実施期間が3年6か月ですね。最終的にはMTDが分かってリコメンデーション・ドーズを出すというのが最終的な目標とすれば、実際問題それは間に合うのかどうかと。その患者さんが平均生存期間が2年というデータが出ているわけです。だから、なかなか難しいのかと思うので、私は個人的には、この試験をそこで一度その人は脱落というか、センサーにして、別のトライアルとしてやるということはありだと思います。この試験の中でやるというのは、ちょっと違うのではないかという感じがします。
○医政局研究開発振興課専門官 そうしたら、こちらは試験外として行うことについては許容するが、試験内としての解釈は認めない方向で照会させていただきます。
○猿田座長 それでお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 今、私どもお伺いしているのは以上ですが、それで漏れがないでしょうか。
○猿田座長 大体よろしいですよね。
○関原構成員 26例以外の有害事象というようにおっしゃいましたが、72例あったらそれの実績というか効果を出すのは、ということではないのですかね。
○直江構成員 効果も含めて。
○関原構成員 全部について出してもらうということなのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね、有害事象だけではなく、分かっているデータについて公開というか、そこを記載していただくということで照会させていただきます。
○猿田座長 では、そういうことでよろしければ、継続審議で今、事務局がまとめてくださったように施設にお願してお答えいただくということで、どうもありがとうございました。それでは、直江先生、田代先生、山中先生ありがとうございました。
 では、これでこの第2番目の案件は、今、言った形で継続審議ということで決定させていただきます。
 一色先生、長引きまして、すみませんでした。
 それでは、時間の関係もありますので、早速、次に移ります。「試験実施計画の変更」です。事務局からお願いします。
(一色構成員戻り着席)
○医政局研究開発振興課専門官 事務局でございます。先進医療Bの試験実施計画の変更について、本日は7件の申請がありました。資料2-1、73ページを御覧ください。1件目、国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号35「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」についてです。本技術についての審議に先立ちまして、申請医療機関と所属を同じくされる藤原構成員、柴田構成員、田代構成員におかれましては、利益相反の観点から、本技術の審議に際し一時御退席いただきます。誠に恐縮ながら、御協力のほどをお願い申し上げます。
(柴田・藤原・田代構成員一時退席)
○医政局研究開発振興課専門官 適応症は早期乳がん(ただし、長径が1.5cm以下のものに限る)となっております。本試験は、早期乳がん、ただし、腫瘍径1.5cm以下で単発、臨床的にリンパ節転移の疑いがない症例を対象に、全身麻酔下で経皮的にラジオ波熱焼灼針を病変部に刺入し、ラジオ波による熱で腫瘍を焼灼し、壊死させる治療法の長期的な有効性、安全性を確認する試験です。主要評価項目は、5年間温存乳房内無再発生存割合。予定登録期間は平成25年8月1日から平成28年8月1日まで。予定試験期間は平成33年4月31日まで。予定症例数は372例で、今回の申請時点で182例が登録されております。
 主な変更内容は、予定登録期間及び予定試験期間の2年間延長です。変更申請の理由ですが、現段階で予定症例数を下回る状況となっており、その原因として、試験の性質上、例えば造影MRIないし造影CT検査ではがんとは断定できない「がん疑い」の部分も含めて「がんである」と仮定した上で、1.5cm以下、単発病変の症例のみを対象としたなど、登録条件の厳格化が考えられるとのことです。この状況を踏まえ、参加施設に対する適格症例の掘り起こしに加え、新規に本臨床試験への参加を希望している施設の中から、先進医療の実施体制が整備されている2施設を追加する手続を開始しました。これにより、今後は症例集積のペースの向上が期待され、登録期間として通算5年間あれば予定症例数の達成が可能と考えられるため、症例登録期間を先進医療B算定開始後5年間、すなわち平成30年7月31日まで延長したいとのことです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今、御説明がありましたように、症例数の集積がまだ、かなりかかりそうだということもあって、平成30年7月31日まで延長したいとのことですが、どなたか御意見はございますか。これはもうよろしいですね。
 それでは、お認めいただいたことにさせていただきます。どうもありがとうございました。それでは、先生方にお入りいただきます。
(柴田・藤原・田代構成員戻り着席)
○猿田座長 ありがとうございました。続きまして、第2番目の「試験実施計画の変更について」、これも事務局のほうからよろしくお願いします。
○医政局研究開発進行課専門官 資料2-2、77ページを御覧ください。2件目、藤田保健衛生大学病院からの申請で、告示番号51「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術」についてです。適応症は根治切除が可能な胃がん(ただし、ステージ1又は2であって、内視鏡による検査の所見で内視鏡的胃粘膜切除術の対象とならないと判断されたものに限る)となっております。
 本試験は、内視鏡手術支援ロボットの有用性を検討するために、内視鏡的切除の適応外とされた治癒切除可能胃がん(臨床病期1又は2)を対象に、内視鏡手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)による胃手術を実施する多施設共同非盲検単群試験です。主要評価項目はClavien-Dindo分類のGrade3以上の全合併症の有無、主な副次評価項目はClavien-Dindo分類のGrade2以上の全合併症の有無、EQ-5Dによる術後QOL、医療費、無再発生存期間、ロボット支援下胃切除術完遂の有無、開腹以降の有無、術中有害事象発生の有無。予定試験期間は平成26年10月1日から平成30年9月30日まで。予定症例数は330例で、現在までに86例が登録されております。
 主な変更内容は、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件における病床数要件の、400床以上から300床以上への変更です。変更申請の理由ですが、本先進医療は平成26年10月より登録症例数330例を目標に開始しましたが、平成27年11月現在、登録症例数は86例に留まり、本臨床試験の早期完了には症例集積の促進が急務で、協力医療機関の登録数増加が望まれます。
 現状にて本先進医療は藤田保健衛生大学病院、佐賀大学医学部附属病院、静岡県立静岡がんセンター、京都市立病院、国立がん研究センター東病院の5施設に加え、直近で、埼玉県立がんセンター及び大阪大学医学部附属病院が協力医療機関として追加されました。一方、現在の登録状況にも示されているとおり、当院以外に実施施設を広げて本先進医療実施を進めている中で、現時点で報告が義務づけられている重篤な有害事象が1例も発生しておらず、そのため保険医療機関の病床数要件を緩和しても現行レベルの安全性の確保が十分可能と考えられます。
 国内の内視鏡手術支援ロボット、da Vinci Surgical System保有施設は計193施設で、病床数400床未満の施設は39施設、300床未満の施設は22施設ありますが、その中で、病床数以外の術者・施設の基準が全て充足しており、当該先進医療に参加するために必要な技術を保有している施設に対しても、今後、協力医療機関として登録を促したいため、保険医療機関の病床数要件を現状の400床以上から300床以上に変更する申請をするとのことです。
 なお、本件は平成27年11月開催の「第35回先進医療技術審査部会」において一旦審議されましたが、構成員の先生方より疑義照会をいただき、継続審議となりました。引き続く会議資料の79~83ページを御覧いただくと、その際の構成員の先生方からの疑義照会事項及び申請者からの回答を示しております。御審議のほどをお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今、御指摘いただいた80ページの所からずっと見ていただくと、かなり症例数が足りないことは事実ですけども、一方ではベッド数で400床の所でもまだかなりde Vinciを持っている施設があるので、そこをお願いしてはという考えもあります。300床まで落とさないで、かなり入れれば症例が達せられる可能性もあるのではないかということですが、藤原先生、その辺りはどうですか。
○藤原構成員 ちょっと難しいと思います。
○猿田座長 400床で持っている所は結構あることはあるのですね。ですから、それを300床に落とすのはいいのか、それとも、400床でもう少し当たってみていただいて。これは、期限は平成30年ですね。あと2年近くですが、どうでしょうか。
○藤原構成員 山口先生が結構この辺を聞かれていたような記憶があるので、山口先生の御意見があればよかったと思ったのですが。
○猿田座長 どなたか御意見はありませんか。この辺りは非常に微妙なところなのですけども。
○山本構成員 資料の81ページの所で、400床以上ある147施設における状況を回答で明らかにしてというような照会事項に対して、その147施設の病院名までを特定することができないと書かれているので、400床以上でde Vinciを持っている所に研究者たちが声を掛けて、参加していただくという活動ができる状況なのか、私は疑問なのですけれども。つまり、会社のほうはもちろん御存じだと思いますが、de Vinciを購入している病院が、ほかのどこにde Vinciがあって、自分たちと同じような手術をどのぐらいやっているかが明らかになるのでしょうか。それを考えると、エクストラオーディナリーな努力を要することをずうっと続けるというのも、そこまで研究者に言うのは酷な気もするのですけれども。
○猿田座長 その辺りのところはどうですか。
○関原構成員 私は、これは別に研究の話ではなくて、病院の管理者や経営者が導入を決めるときに、入れる以上はやはり積極的に使おうということで、何億円もの多額の投資した訳だからもっと使えというのが病院の経営者です。ところが、それを言わなかったわけですね。だから、低稼働のままとどまって、恐らく償却5年で終わったら負担は終わるという話ですね。かなりそういう状態あるわけですね。だから、これはメディカルなイシューでなく病院経営の話ですね。
○猿田座長 一番感じるのは、今まで5施設でやって、やっと今2施設が増えたという、これだけではとても足りないと思います。ですから、もっと施設を増やさなければいけないことがあるので、そういう形で施設が。
○松山構成員 300床に落としたときに、実際に何機関がこの研究に入ってこられるかを事前に調査していただいて、フィーズィビリティを見ていただかないと認められないのではないかと思います。300床以上であればオーケーという話になって、新規に購入されることも考えられると思いますが、医療機器としてまだ未承認であって、フィーズィビリットとの状況でそれが適切であるかどうかに私は疑念があります。ですから、300床から400床の間で購入して使える所があるのであれば、入っていただくこともあり得ます。
○医政局研究開発振興課専門官 そちらについては、現在7施設で稼働しておりますが、これを300床に下げた場合、すぐに入れる施設は3施設ほどあると伺っています。要は病床数以外の全ての要件を満たしているとのことですので、すぐに協力医療機関の追加の申請ができる施設が確かに存在することは伺っております。
○猿田座長 400床のほうも、持っている所が結構ありますよね。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね。山本先生から御指摘を頂いたような問題もあるとは思いますが、確かに存在することは事実です。そこを下げて入っていただいたほうが早いのか、あるいは、それを広げる努力をしたほうが早いのか、そこは先生方の御判断や研究者自身の努力もあるでしょうし、400床を300床に下げる、ここは医療安全上の取決めということで認識していますので、そこについて御判断いただけるようであれば、私どもそのようなことを。
○猿田座長 ともかくそういう状況ですが、どちらにしたいか、ちょっと。何かありますか。
○藤原構成員 81ページの一番下から、「これまでに3回、当先進医療の施設基準・術者基準を充足できる見込みと判断された施設、および、すでに協力者施設として登録された施設の代表者を招聘し、説明会・中間報告会を開催しました」というのは、どの施設なのかよく分からないのですけども。それと、80ページの表の所、全部で63施設ですか。400床未満なのか、300床以上なのか、これもその辺がよく分からないので。先ほどおっしゃった、ベッド数300床以上にしたときに何例ぐらい登録できるかというのが知りたいです。また、症例登録に対して、藤田保健衛生大学病院の先生たちがどのぐらい働き掛けをしているかが定量的に見えないのですけども、何か分かりますか。
○医政局研究開発振興課専門官 確かにこちらにお示ししておりますこれは回答ですが、400床規模、300床規模の病院がどのぐらい含まれるか、こちらの図にはダイレクトに記載されていませんので、こちらについてはこの表から読み取ることは難しく、私もそこは申請者から意見を聴取したものをもとにお話をしています。そこを明確に問うということであればそのようにしますが、いかがでしょうか。
○猿田座長 今、先生がおっしゃったことは大切なところなのですけどね。というのは、プロトコールで100床を落とすか落とさないかというのは、ある意味では重要なところかと思ったものですから。安全性、そのほかで。その辺りを確認していただいた上で、ということでもいかないか。どうしたらいいですかね。
○山本構成員 タブレットの684ページに、保険医療機関の要件として考えられるものが挙がっていて。病床数を400から300に落とすということですが、それ以外のところは全部、要件はここで決めているわけですよね。全国の400床以上でde Vinciを持っている所に、そこまで体系的に呼び掛けをしなければいけないのか、それがこの臨床研究の研究者の義務なのかどうか、というのが私はよく分からないので。そうではなくて、つまり、入られる患者さんの安全を守るために要件を決めているのですから、この要件の決め方、この保険医療機関の要件が300床に落としたことで、例えば400床と300床の間にどのぐらい医療機関の安全性に問題があるかどうか。
 一般的にはあるかもしれませんが、この中で、そのほかに、例えば7対1看護以上であるとか、緊急手術実施体制があること、院内検査も24時間できる、医療機器の保守管理もできる、医療安全管理委員会が当然あるというようなことを全部決めているので、300床に落としたことで、非常に安全性が守られない医療機関に突然なるのか、ということとは違うような気がするのですが。ここまで決めていて、それでもなおかつ、400床を300床に落とすことがこの臨床研究の患者の安全性を担保できなくなるという、そこまで言うことなのかという感じがちょっといたします。
○猿田座長 一番大事なことは、症例を早く集めることが重要なのですね。だから、今まで7施設でやっていたところをもっと早くたくさんの施設に働き掛けをすべきだったことは事実ですね。
○藤原構成員 80ページの表で、これまでにたくさんの症例をやっている。例えば、20件を超える経験を持つのが6施設とか、ここに300床以上が入っていれば症例数的に早くいくので、ほかの基準を満たされているからいいよというのですが、そこがよく分かりません。300床で通すのか400床のままでいいのかが理解できないのです。
○医政局研究開発振興課専門官 今、7施設入っておりますが、これは400床以上の要件を当然満たしていて、ほかの要件も満たしているので入っているわけですが、この表は9月末現在の表で、ここに書いてあった「6施設」が既に先進医療を走らせている施設でして、更に1施設が20件以上のところを超えてきて新しく先進医療に入ったために、今は7施設になっているという読みだそうです。
○猿田座長 どうしたらいいでしょうか。先生方に決めていただければと思います。
○藤原構成員 次の「15件以上、20件未満」のところに300床以上の病院があるわけですね。
○医政局研究開発振興課専門官 そのような整理になります。
○藤原構成員 それだったらいいのではないですか。
○医政局研究開発振興課専門官 それでは、お認めいただくということでよろしいでしょうか。
○猿田座長 よろしいですか。
○直江構成員 確かに、これは400床以上だとしても、術者とか、経験がないと、呼び掛けたとしても反応しないことがありますね。だから、赤の所の4施設の中にこれからの候補の施設が含まれるという説明であればいいと思います。ただ、それを入れたとしても、これはなかなか集積が難しそうですね。
○猿田座長 先生方のほうではお認めしていいのではないかという御意見ですが、施設の安全性とかそのほかをしっかり担保できればということで、一応そういう形で決めさせていただいて、どうでしょうか。よろしくお願いします。
 それでは、次に移っていただきますか。
○医政局研究開発振興課専門官 次は、3件目について御説明申し上げます。資料2-3、85ページを御覧ください。3件目、国立成育医療研究センターからの申請で、告示番号58「ステロイドパルス療法及びリツキシマブ静脈内投与の併用療法」についてです。
 適用症は、特発性ネフローゼ症候群(ただし、当該疾患の症状が発症した時点における年齢が18歳未満の患者に係るものであって、難治性ステロイド抵抗性のものに限る)となっています。本試験は、小児期発症難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群患者における、ステロイドパルス療法及びリツキシマブ静脈内投予の併用療法の有効性と安全性を評価するための多施設共同、オープンラベルによる単群試験です。主要評価項目は、試験治療開始後6か月時の完全寛解割合。予定試験期間は平成27年7月から平成31年6月の4年間。予定登録症例数は20例で、現在まだ登録はありません。
 主な変更内容は、除外基準(3)の変更。先進医療に係る費用の積算根拠の修正に伴う先進医療実施届書の改訂。その他は記載整備となります。
 変更申請の理由ですが、除外基準(3)「登録前2年以内にリツキシマブを使用した患者」を「登録前1年以内にリツキシマブを使用した患者」に変更するに当たり、当初は難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対するリツキシマブの薬物動態、リツキシマブ投与後の末梢血B細胞数の推移に関するデータがほとんどなく、リツキシマブの投予間隔が及ぼす安全性に対する影響を十分に評価できなかったこと、また、難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群を対象としたリツキシマブ医師主導治験、こちらは適応拡大承認で評価された治験ですが、その研究実施計画書の除外基準であったものを暫定的に採用していました。
 一方、リツキシマブ医師主導治験のデータでは、週1回4回投与でB細胞枯渇期間は中央値148日であり、全例で253日までに正常化しており、また、リツキシマブの血中濃度も、1年後には全例で検出感度未満となっており、さらに本試験の対象疾患である難治性ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群自験例23例に対するリツキシマブ療法においても、B細胞枯渇期間は中央値148日と、医師主導治験のテータとほぼ同じ値であったため、リツキシマブ投与後1年を超えて経過していれば、血中濃度は感度以下となっており、末梢血B細胞は完全に回復していると考えられます。
 また、登録前1年以内に、リツキシマブに加え、カルシニューリン阻害薬とステロイドパルス療法の両方を受けたにもかかわらず、高度蛋白尿を呈しステロイド抵抗性である患者は、活動性の高い難治例であり、治療により免疫が抑制され、かつ、高度蛋白尿が持続している状況で重症感染症等を合併するリスクが更に高くなると判断されるため、安全性及び有効性の観点から、「登録前1年以内にリツキシマブを使用した患者」を除外することとしたものです。
 一方、先進医療に係る費用の積算根拠の修正については、薬剤は企業より無償で提供されるものの、先進医療に係る人件費所要時間の見積もりが過大であり、患者リクルートに影響するとの指摘が複数の予定協力医療機関からあり、人件費の積算方法について再検討し、患者負担が減少する方向で修正を行ったということです。御審議をお願いします。
○猿田座長 ありがとうございました。これもまだスタートということで、患者は入っていないのですが、石川先生、こういう形のは。
○石川構成員 これは少し短くしないと駄目だと思うのです。今、ゼロだというのは、リツキシマブを単独で使ってしまっているのだと思うのです。
○猿田座長 小児科の石川先生の御意見を伺いましたが、よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、これをお認めいただくことにします。続いて4番目の実施計画の変更です。
○医政局研究開発振興課専門官 4番目、資料2-4、89ページを御覧ください。4件目、名古屋大学医学部附属病院からの申請で、告示番号64「骨髄由来間葉系細胞による顎骨再生療法」についてです。適応症は、腫瘍、顎骨骨髄炎、外傷等の疾患による広範囲の顎骨又は歯槽骨欠損(ただし、上顎にあっては連続した3分の1顎程度以上の顎骨欠損又は上顎洞若しくは鼻腔への交通が認められる顎骨欠損に限り、下顎にあっては、連続した3分の1顎程度以上の歯槽骨欠損又は下顎区域切除以上の顎骨欠損に限り、歯槽骨欠損にあっては歯周疾患及び加齢による骨吸収を除く)となっています。
 この治験は、顎顔面外傷、顎骨腫瘍摘出術、嚢胞摘出術等による顎骨欠損を有する患者を対象とし、欠損部分あるいは骨移植部分にPRP・ヒトトロンビン・塩化カルシウム・β-TCPを用いるか、加えて骨髄由来間葉系細胞を用いるかにより、骨再生の改善度を検討する試験です。主要評価項目は十分な骨再生が得られた部位の割合。予定試験期間は平成28年1月22日から平成34年7月21日まで。予定登録症例数は、骨再生予定部位ベースで、対照群28部位及び間葉系細胞群55部位、最大29例で、現在まだ登録症例はありません。
 主な変更内容は、除外期準の変更、その他の記載整備となります。変更申請の理由ですが、除外基準15「ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬、イソプロテレノール等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者」について、骨髄液採取時及び手術時に用いるリドカイン塩酸塩・アドレナリン注射剤は禁忌であるため、これを設定していたものですが、骨髄液採取時及び手術時にまで継続が必要な被験者以外を必ずしも制限する必要がないため、「ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬、イソプロテレノール等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を骨髄液採取時や手術時にも継続して投与が必要と考えられる患者」と変更したものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。これもそれほど大きな問題ではないと思うのですが、どなたか御意見はありますか。これはよろしいですよね。
 ありがとうございました。それでは、お認めいただいたことにします。続いて5番目です。
○研究開発振興課専門官 資料2-5、93ページを御覧ください。5件目、富山大学附属病院からの申請で、告示番号66「ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術」についてです。適応症は再発翼状片(ただし、増殖組織が角膜輪部を越えるものに限る)となっています。
 本試験は、増殖組織が角膜輪部を越える再発翼状片を切除した部位にハイパードライヒト乾燥羊膜を添付し、再発、すなわち角膜輪部を越えて角膜に再侵入することを抑制するもので、その有用性及び安全性を探策的に検証する試験です。主要評価項目は再発(すなわち角膜輪部を越えて角膜に再侵入すること)。予定症例登録期間は平成28年1月から平成30年3月まで。予定登録症例数は40例で、現在4症例が登録されています。
 主な変更内容は、必要検査項目の一部削除、患者負担額の軽減、使用する容器の追加、その他は記載整備となっています。変更申請の理由ですが、必要検査項目の一部削除にあっては、従来、白血球数と白血球分画を一律に両方測定していたところ、白血球数に異常がある場合に白血球分画をオーダーすることとし、白血球分画を最初から一律に測定する必要がないと判断したため削除するものです。また、クレアチニン値は、必要時にその値を用いて代用値であるeGFR値を計算できるため、同系のGFRを削除するものです。
 次に、患者負担額の変更にあっては、先進医療Bの患者負担が大きいため、附属病院が一部を公費で負担することにしたものです。
 最後に、使用する器具の追加については、羊膜取り扱いガイドラインに準じるため、検査項目に合わせて採取容器が追加となったために変更するものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今のような御説明で一番重要な所は「必要検査項目の一部削除」ということで、白血球と白血球分画だったのを、斜線の所は「白血球数」だけでいいのではないかということです。もう一つは、この頃は腎臓の機能に対してはeGFRを使うものですから、クレアチニンを測って、それでやればいいのではないだろうかということです。これは血液ということで、直江先生、何か御意見はありませんか。
○直江構成員 いや、問題ないと思いますがね。
○猿田座長 これでいいですかね。よろしいですか。もしなければ、では、これもお認めいただいたことにします。よろしくお願いします。ですから、白血球の数で書いて、必要であれば分画ということですか。
○直江構成員 多分そうでしょうね。
○猿田座長 はい、そういう形でお認めいただくことにします。次の案件をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 次は、資料2-6、97ページを御覧ください。6件目、東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号68「mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」についてです。適応症は胃がん(ただし、腺がん及び腹膜播種であると確認されたものであって、抗悪性腫瘍剤の経口投与では治療が困難なものに限る)となっています。
 本試験は、経口摂取困難な腹膜播種陽性胃がん症例を対象に、28日間を1コースとして、第1日と第15日にレボホリナート及びオキサリプラチンを点滴静注した後、フルオロウラシルを急速静注し、その後、5-FUを持続静注する「mFOLFOX6療法」と併用して、第1、8、15日にパクリタキセルを腹腔内投与し、その有効性と安全性を評価する試験です。主要評価項目は1年全生存割合。予定試験期間は平成28年1月1日から平成31年1月1日まで。予定登録症例数は34例で、現在1例が登録されています。
 主な変更内容は、試験実施計画書への「用量制限毒性」、すなわち「DLT評価可能例の定義」を明記。説明同意文書への副作用の情報、すなわち肝不全、高アンモニア血症の追加となります。
 変更申請の理由ですが、本試験のステップ1の症例において、グレード3の肝不全・高アンモニア血症が発現し、発症の翌日には回復したため試験実施計画書で定義したDLTには該当しなかったものの、安全性を考慮して、DLT評価対象から除外した上で減量投与を行うことが妥当と判断されました。本件について、効果安全性評価委員会に報告したところ、対応は適切であり、試験継続可と判断されましたが、先の2点について修正を指示されたため、対応したものとなっています。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。今の案件について、どうでしょうか。特に問題はないから、いいですか。
 それでは、お認めいただいたとします。どうもありがとうございました。それでは、最後、第7番目の試験実施計画についてお願いします。
○研究開発振興課専門官 資料2-7、99ページを御覧ください。7件目、同じく東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号70「FOLFIRINOX療法」についてです。適応症は胆道がん(ただし、切除が不能と判断されたもの又は術後に再発したものに限る)となっています。
 本試験は、切除不能・術後再発胆道がん症例を対象に、14日間を1コースとして、第1日目にオキサリプラチン平方メートルあたり85mg、平方メートルあたりイリノテカン180mg及び平方メートルあたりレボホリナート200mgを点滴静注及び平方メートルあたりフルオロウラシル400mgを急速静注し、第1~3日目にかけてフルオロウラシル平方メートルあたり2,400mgを持続静注します。本療法を腫瘍進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるまで反復し、その有効性と安全性を評価することを目的する試験です。主要評価項目は無増悪生存期間。予定試験期間は平成28年2月1日から平成31年8月31日。予定登録症例数は35例で、現在まだ症例登録はありません。
 主な変更内容は、無増悪生存期間を評価するための画像検査の継続期間の定義の明確化。その他は記載整備となります。
 変更申請の理由ですが、本療法の主要評価項目である無増悪生存期間を正確に評価するため、画像検査のタイミング及び継続期間を明確に定義する必要があると判断し、特に無増悪で本療法を終了した症例において、本療法終療時点で打ち切りとするのか、あるいは画像評価を継続するのかについての定義が明瞭でなかったため、8週間ごとの画像評価を本試験実施期間終了まで継続することを明確に記載したものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。これはまだ症例登録はないのですが、もう少し正確にやるということで、今のような変更したいと。これはよろしいですよね。
 ありがとうございました。それでは、これもお認めいただいたということで。7つの変更の所で、先ほどの翼状片のあれを認めることは、白血球を除いて認めていることで、そういう形でどうですか。
○医政局研究開発振興課専門官 白血球を除くということでよろしいですか。
○猿田座長 直江先生、どうしたらいいのですか。
○直江構成員 分画は要らないということですね。
○猿田座長 分画は要らないと。
○直江構成員 それでいいと思います。
○猿田座長 はい。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○猿田座長 よろしいですか。では、そういう形でこの7つで。続いて、あと、協力機関の追加ですが、これは事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-1、103ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている6つの技術について、協力医療機関の追加申請がありました。資料3-1に、各々先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しています。
 資料3-2、105~111ページを御覧ください。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。特に御意見がなければ、手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長 ありがとうございました。見ていただきますと、問題ない施設かと思いますが、どうでしょうか。特に御意見がなければお認めいただくということで、よろしいですか。
 ありがとうございました。それでは、もう1つ最後は「先進医療Bに係る協力機関の取り下げ」ですが、これに関してもよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4、113ページを御覧ください。この度2つの技術について、協力医療機関を取り下げる旨申出がありました。取下げ理由として、告示番号17の博愛会病院については、乳腺外科医師の退職等に伴う診療体制の見直しにより、乳腺外科が廃止されることになり、退職する担当医は本試験の協力医療機関である福岡大学病院に異動するため、患者様の不利益にならないよう、両施設にて倫理審査委員会の承認を得た後、全ての対象患者様に同意を得て、福岡大学病院にて診療並びに本試験の継続をいただくこととなったとのことです。
 次に、告示番号40の京都大学医学部附属病院については、同院での試験予定期間が終了したため、先進医療としての取下げを申請されたものです。御審議をお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。これに対しても問題はありませんね。
 ありがとうございました。これもお認めいただくことにします。以上で、あと報告事項に続くということでよろしいですか。それでは、報告事項をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 報告事項です。資料5-1、115ページを御覧ください。去る3月10日に開催された第39回先進医療会議では、先般、先進医療の実施状況に関する自主点検を要請されていた久留米大学病院、近畿大学医学部附属病院、埼玉医科大学国際医療センターの3医療機関からの自主点検結果の報告、及び先んじて自主点検結果を報告していた群馬大学医学部附属病院から、先進医療会議の宿題事項の続報報告があり、いずれもその内容が了承されましたので御報告申し上げます。詳しい内容については、お手元の資料を御参照ください。
 また、資料5-2、171ページを御覧いただきますと、こちらは同じく去る3月10日に開催された第39回先進医療会議にて、先進医療会議開催要綱の改正及び先進医療に係る通知の改正が了承及び報告されたところですので、こちらも併せて御報告申し上げます。以上です。
○猿田座長 どうもありがとうございました。ここを見ていただきますと、一応、きちんと4つの施設の自主点検の結果が書かれていることと、あと、次のほうの保険に関しても大きな問題はないと思いますが、どなたか御質問はありますか。よろしいですか。これで報告事項もお認めいただいたということです。
 それでは、次の予定をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の予定ですが、次回、新年度4月の開催は、14日(木)16時ないし18時とします。場所については、別途御連絡します。また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開しますので、併せてよろしくお願いします。
○猿田座長 どうもありがとうございました。委員の先生方、どなたか最後に御意見はありますか。
○柴田構成員 先ほど審議された案件について、承認の可否とは関係なかったので、改めて別立てで質問したいことがあるのですが、資料の32ページについて教えてください。今回、拒否例を外すことになりましたが、この拒否例は先進医療Aの下では実施可能という解釈でよろしいのですか。
○保険局医療課長補査 今の御質問は、重粒子線治療については、平成28年4月1日より新たな先進医療の施設基準で実施されることになります。ただし、旧施設基準、すなわち現行の施設基準においては、限局性固形がんであれば、実施可能という整理となっています。
○柴田構成員 現行の施設基準であればということは、そうでない場合はというのはどういう意味ですか。
○保険局医療課長補佐 平成228年4月1日以降においては、日本放射線腫瘍学会が取りまとめた統一治療方針に基づいて行われて、かつ、キャンサーボード、症例登録などの先進医療会議でお認めいただいた基準に合致される場合に限って実施可能となっています。
○柴田構成員 ということは、そこで判断して、キャンサーボードでオーケーということになったら、対象になり得るということですか。
○保険局医療課長補佐 キャンサーボードで判定されて、新たな施設基準に合致する場合のみ対象になります。
○柴田構成員 それについてコメントですが、もしそれが正しいのであれば、今回、臨床の先生から、本来、手術等でというふうに、対象とすべきでないという話をされていることについて、具体的にこの治療を選択しようとした患者さんに対して情報提供をされるのか、されないのかは気になるのです。現状の仕組みだと、先進医療Aの場合は臨床試験ではないし、十分な情報提供がなされるのかはどこで担保されるのですか。
○保険局医療課長補佐 新たな施設基準においては、日本放射線腫瘍学会がまとめていただいた統一された同意文書を用いることになっております。こちらは、ホームページに記載されているのですが、そこで詳しく治療方法については述べられています。
○柴田構成員 しつこくて申し訳ないですが、それは一般的な話が書いてあるのであって、例えばこの疾患に対してこのような具体的な理由があって、先進医療Bの対象から外されたことについて逐一書いてあるものではないと思います。それについては、キャンサーボードのほうで見られるから大丈夫だと、患者さんに対する不利益がないように担保されるという解釈でよろしいのですか。
○保険局医療課長補佐 はい、キャンサーボードについては、都道府県がん診療拠点病院に準じたものとなっていて、しっかりしたそういったものになっていますので、そこで必要な治療方針等の決定はされるものと認識しています。そちらについては今後発出される先進医療告示に記載される予定となっております。
○柴田構成員 分かりました。
○山本構成員 私は、先ほど重粒子線医療で適応症例を絞り込まれましたが、その主な理由は、比較するヒストリカルコントロールとの兼合いで、内的妥当性をあげるために絞り込まれたという議論だったと理解しているのです。つまり、危険性が増すとか、そういう意味ではなくて、症例数をどう決めるかとか、検証力をどのように定めるかということが主な理由で、患者さんを絞り込むというお話だったと思うのですが、それはそれでよろしいのですか。今、柴田先生のお話だと、そこが患者の安全性が担保されないという理由が入っていたかどうかということですので、次元の違うことではないかと思いました。
○柴田構成員 それについては、本日、御欠席なので、山口先生の書かれたコメントの趣旨を確認しなければ分かりませんが、32ページに書かれているコメントに関しては、今、山本先生がおっしゃった、試験としての比較対照の取り方を容易にするという観点プラス臨床的な意味で対象とすべきでないという観点が含まれているものと私は読みましたので、そうコメントした次第です。ただし、これについて、趣旨がどのようなものであるかは、山口先生御自身のコメントを伺わないと分かりませんので、私はこれ以上コメントはしませんけれども、先ほどコメントした趣旨はそういう背景です。
○藤原構成員 関係ないですが、次回ぐらいまででいいのですが、事務局にお願いしたいのですが、粒子線治療は、今回、保険導入に図られたものもあるし、外れたものもあるのですが、いったい従前から行われた先進医療AがどうBに引き継がれたかという俯瞰図というか、どのがん種のものはどれで、JASTROがどこで、先進医療Bの計画をしているかとか、そういう一覧表はda Vinciのときに作っていただいたので、手元にあると非常に助かるなと。
 もう1点、いろいろな人に聞くと、「前立腺がんなどは、民間の病院などの粒子線治療は相変わらずたくさんやられていますよ」という人もいて。今回せっかく保険診療の中でいろいろな議論をしたのであれば、あのときJASTROの理事長は「前立腺がんに粒子線治療は意味がありません」とはっきり明言されたにもかかわらず、いまだにたくさんやられているという実態はどう把握されるのかと。そこの2つが聞きたいのです。
○保険局医療課長補佐 1点目について、どのような形になりましたかということは、先進医療の告示については、3月下旬頃を目途として公表されていく予定ですし、当然、先生方には分かりやすい形で情報提供したいと思います。その方法については、また、その内部で、調整します
 2点目については、JASTRO西村理事長が前回発信された発言の内容は、現時点では保険適用することについて難しいといった発言であったと認識しています。それを踏まえて、前回の先進医療会議の場においては、前立腺癌に対する粒子線治療の保険適用は、日本放射線腫瘍学会からはなかったものと認識しているところです。現時点では既存治療に対する有効性がはっきりしないため、先進医療において実施することで、症例を蓄積するなり、先進医療Bで進むなりして、有効性・安全性を見ながら、今後どのようにしていくかを考えられていらっしゃると認識しています。
○猿田座長 ですから、一応はっきり言えるところまでを1回整理して、先生方にお見せいただくのが一番いいことですよね。そういうことでしょう。
○藤原構成員 あと、JASTROの影響が及ばないような民間医療機関はあるわけですよね。結構、最近、そういう所に陽子線治療、装置とかを導入しているわけですが、その人たちの生業を維持するために、前立腺がんは本来ならIMRTとか、定位放射とかで済むようなものを、相変わらず重粒子線とか陽子線をやっているというのは、どう見てもおかしいと思うのですが。
○保険局医療課長補佐 はい。
○藤原構成員 いつか教えていただければ。
○保険局医療課長補佐 当然、どのような形で出すかは、これから検討していきますが、取りあえず1点目として、全体的な俯瞰については、告示が出されたらお示ししていきたいということです。
 2点目について、自由診療のお話ですが、平成27年12月の先進医療会議の場において示したJASTROの資料によると、2014年度は自由診療が約60件で、先進医療が4,993件となっていますので、約1%程度というJASTRO様からは御報告があった次第を改めてお伝えします。
○藤原構成員 その後新しくどんどんこれからもオープンすると思うので、そこをちゃんと把握しておいてほしいという。
○保険局医療課長補佐 可能な限り継続させていただきます。
○猿田座長 よろしいですか。ほかにどなたか御意見はありますか。もしなければ、ちょうど時間となってしまいましたが、これで第40回の先進医療技術審査部会を終わります。どうもありがとうございました。

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