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2016年1月25日 第16回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成28年1月25日(月)


○場所

ホテルグランドアーク半蔵門 富士「西」(4階)


○出席者

井口、田中、千葉、藤井、堀田、山本(敬称略)

○議題

1.平成28年度介護事業経営概況調査の実施について
2.消費税負担に関する団体ヒアリング
3.その他

○議事

○西嶋介護保険データ分析室長 少し定刻より早うございますけれども、第16回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催させていただきたいと思います。

 初めに、本日の委員の出席状況でございますけれども、堀田委員のほうから約15分程度遅れるという御連絡をあらかじめいただいてございます。

 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料につきまして確認させていただければと存じます。

 まず、議事次第がございますが、

 資料1 介護事業経営概況調査の実施について(案)

 資料2-1 平成28年度介護事業経営概況調査介護老人福祉施設調査票(案)

 資料2-2 平成28年度介護事業経営概況調査介護老人保健施設調査票(案)

 資料2-3 平成28年度介護事業経営概況調査介護療養型医療施設調査票(案)

 資料2-4 平成28年度介護事業経営概況調査居宅サービス・地域密着型サービス事業所調査票(福祉関係)(案)

 資料2-5 平成28年度介護事業経営概況調査居宅サービス・地域密着型サービス事業所調査票(医療関係)(案)

 資料3 消費税負担に関する関係団体ヒアリング・実施要領について(案)

 参考資料1 介護事業経営実態調査等の見直しについて

ということでまとめたものがございます。

 資料の不足等ございましたら、お申し付けいただければと思います。

 以降の進行は、田中委員長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○田中委員長 おはようございます。

 早速ですが、議事次第に沿って進めてまいります。

 議題1「平成28年度介護事業経営概況調査の実施について」事務局から説明をお願いします。

○説明者 それでは、説明をさせていただきます。

 資料1でございますが「介護事業経営概況調査の実施について(案)」でございます。

 「1.調査の目的」でございます。各サービス施設・事業所の経営状況を把握し、次期介護保険制度の改正及び介護報酬の改定に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

 また、平成29年4月に消費税率の引き上げが予定されていることから、その対応の検討を行うためのデータについても当該調査で把握することとしております。

 「2.調査時期及び公表時期」ということでございますが「(1)調査実施時期」は平成28年5月を予定しております。これまで御議論いただいたとおり、概況調査については、2カ年分の決算の状況を把握するということから、平成26年度及び平成27年度の決算額を調査する予定にしております。

 「(2)公表時期」につきましては、平成2812月を予定しております。

 「3.調査対象等」につきまして、

 「(1)調査対象サービス」は、全ての介護保険サービス。

 「(2)抽出方法」は、層化無作為抽出法により抽出することとしております。

 「(3)調査客体数」は、別表参照ということで7ページ、「平成28年度介護事業経営概況調査の抽出率について」に記載をさせていただいております。

 中辺の抽出率の欄、前回調査と比較して変更しているところにアンダーラインを引かせていただいております。

 前回調査と比較して抽出率を上げているものは、短期入所生活介護は40分の1だったものを20分の1に、特定施設入居者生活介護については10分の1だったものを5分の1にしております。

 一方、抽出率を下げているサービスは、訪問介護が20分の1だったものを25分の1に、通所介護も同様でございます。居宅介護支援が10分の1だったものを15分の1にしております。

 統計的な誤差率を是正するために、こういった措置をとらせていただいております。

 基本的に当該調査については、全ての介護保険サービスから層化無作為によって調査を行う抽出調査で、調査の精度については、基本的には母集団に対しての有効回答で決まってまいりますので、今回の調査では前回の平成26年度の実態調査及び平成25年度の概況調査の回収率などを考慮して、過不足があるところ、ないところを補うような抽出率を設定させていただいております。

 2ページ「4.調査の基本方針」の「(1)調査票の作成」でございますが、消費税率引き上げへの対応を検討するために、各サービスの人件費割合、非課税品目等のデータを漏れなく取得する必要があるということから、前回の経営実態調査の調査項目を基本としております。

 なお書き以降は、これまでの議論を踏まえて必要な見直しを行うということでございます。

 「(2)回収率及び有効回答率を確保するための方策」の「1決算額の調査」でございますが、平成25年度概況調査と同様、決算額を調査するということで、年間のデータをそのまま記載していただくということから、記入者の負担の軽減を図る。

 「2既存情報の活用」ということで、既存情報として母集団の名簿として使用している介護サービス施設・事業所調査を活用することによって、記入者負担を軽減する。

 「(3)調査客体数の見直し」については、先ほど御説明をさせていただいたとおりでございます。

 3ページ以降が一つ一つの調査項目になっております。◎○-となっておりますが、◎が、今回、新たに調査する項目として付け加えさせていただいたものです。3ページは変更はございません。

 4ページは中段に◎がございますが「事業収入等」のところに介護予防・日常生活支援総合事業費収入を追加させていただいております。

 これにつきましては、今回、調査対象期間が平成26年度と27年度となっております。平成27年度につきましては、要支援者に対する訪問介護、通所介護について、総合事業に移行している市町村も一定数ありますので、こういった収入の欄を1つ追加させていただいております。

 「財務活動等による支出」は、これまで当経営調査委員会または給付費分科会で御議論いただいたとおり、借入金の償還支出について把握するということから、上段のほうが施設整備、設備整備に係る借入金償還支出、下段のほうが長期運営資金借入金の償還支出について、今回、新たに追加させていただいております。

 5ページ以降は支出の部分でございますが、特に変更点はございません。

 以上が資料1についての説明でございます。

 続きまして、資料2でございますが、御説明に入る前に、調査票の構成として資料2-1~資料2-5まで5本立てになっております。

 簡単に区分しますと、資料2-1が介護老人福祉施設、資料2-2が介護老人保健施設、

 資料2-3が介護療養型医療施設でございます。 資料2-4、2-5につきましては、居宅サービス向けの調査票でございまして、実際に事業所に調査票をお送りさせていただくときには、(調査対象サービス名)のところに、訪問介護であれば「訪問介護」、通所介護であれば「通所介護」と、サービス名を印刷してお送りさせていただきます。各サービス毎に資料を準備させていただくと、資料が大分多くなってしまいますので、今回は(調査対象サービス名)として省略をさせていただいている次第でございます。

 それでは、調査票について、少し説明をさせていただきたいと思います。

 資料2-1をご覧ください。

 2ページの問1につきましては「施設の概要についておうかがいします」ということで、開設年月日、経営主体等々をお伺いさせていただく欄でございます。

 3ページは、会計の区分の状況についてお伺いする欄でございます。

 簡単に御説明させていただきますと「単独会計」と「一体会計」と記載しておりますが、会計上、調査対象サービスの費用区分ができているものを「単独会計」。調査対象サービスとそれ以外の併設サービス等の費用が区分されていないものを「一体会計」としております。

 4ページ以降は、調査対象サービスの実績を記入してくださいということで、例えば調査対象サービスの実利用者数であったり、延べ利用者数、入院であったり、外泊者数を記載していただくページです。

 5ページは、先ほど御説明をさせていただいた一体会計となっているものについて、どのサービスと一体として会計を行っているのかを記載していただくページです。

 6ページは、建物の状況について記載していただくページ。

 7ページは、職員さんの給与等々を記載していただくページです。こちらも調査対象サービスが単独会計であるものについてはそのものを、一体会計となっているものについては全体を記載していただくということで、今、御説明させていただいた4~7ページまでは、一体会計となっているものの按分にも使うページでございます。

 8ページ以降は、決算の状況を記載していただくページでございます。先ほども御説明させていただいたとおり、中段ですが「4.介護予防・日常生活支援総合事業費収入」の欄を追加しております。

 9ページは、一番下段に借入金元金償還金支出の設備資金、運営資金にかかるものを記載していただくようにしております。

10ページ以降が支出について記載していただくページでございまして、今、特別養護老人ホームのものを御説明させていただいておりますが、調査対象となった事業者が使用している会計基準によって必要なページを記載してくださいということで、例えば指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針を使っている事業者は10ページ、新社会福祉法人会計基準を使っている事業者は12ページ、旧社会福祉法人会計基準を使っている事業者は14ページということで、事業者が使用している会計基準に応じて、いずれか一つを選択して記載していただきます。

 資料2-2~2-5のいずれについても、調査票は同じような構成になっておりますので、御説明は割愛させていただきます。

 以上が説明でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。

 では、ただいま説明がありました資料1、資料2について、御質問や御意見があればお願いいたします。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 資料1の別のところをお聞きしたいのですが、別表というところで、今回、抽出率を一部変更いたしましたということで、抽出率の関係は、おっしゃったように、誤差率を一定範囲に置きながら、記入者負担を抑えていくということは必要ということかと思います。

 その際に、余り統計学では正面から取り扱っていないのですけれども、抽出誤差ではなく、回答していただけないことによって生ずる誤差というものが結構あるかと思います。無回答バイアスもありますし、集計数が減るため標本誤差も大きくなる。  

資料として出ていないので記憶で申し上げますと、ここでいいますと、訪問介護と通所介護と居宅介護支援の抽出率を落としたと。これはそれぞれ3,0004,000を超えておりますので、25分の1でも抽出数そのものは千数百ということですので、例えば今、議論している利益率みたいなものを見る点において、恐らくその程度では問題にならないだろうと理解しております。

 1点は、無回答による標本誤差の拡大とあわせて、この3つを並べますと、やはり居宅介護支援の抽出率が以前から高いわけですが、今でも母集団はそんなに大差ないのですけれども、高くなっているということでございます。

 例えば、居宅介護支援で経営状況以外のもののデータも分析していく上で、今の利益率だけ見るのであれば問題ないけれども、他のデータを見る上では誤差率も問題になってくるので、抽出率を高めにしているということであれば、非常によく理解できるわけでございます。

 何となくこれまで15分の1、20分の1、10分の1できたところで、全般にこれだけの母集団があるので、記入者負担を少し下げようかということですと、過去のものよりは、もちろん回答率も含めて、抽出率を改めて見てもいいころかなと思うのですが、居宅介護支援というのがこの3つの中では抽出率が高いですけれども、これに特別な意味があるのか。意味がないとすれば、改めて抽出率というのを横並びで誤差率、記入者負担、回答率の面を含めて御検討してはいかがでしょうかという意見です。

○田中委員長 またお答えください。

○説明者 有効回答率につきましては、前回調査のときも御説明の中にあったかと思うのですが、全体として、7割程度調査票が返ってきます。では、その中で実際に有効回答がどのぐらいかというと、前回の概況調査、実態調査についても4割強ぐらいしかない。 返ってきているのだけれども、有効回答にならないのは、例えば、先ほどの特別養護老人ホームの調査票でいうと7ページです。こちらに実人員や常勤換算の職員数を書いていただくところがございますが、そのところがよく書けていない。常勤換算数の総和をとる手間が非常に大きいというところから、有効回答につながっていないという状況があります。

 そのため、今回、調査を行う上での改善点としては、この部分について、これまでもインターネット、電子調査による回答をやっているのですが、その中にこちらの表を簡易に集計できるようなツールをつくって、その集計結果を張り付けて回答するようにして、事業所が換算人員を手計算する必要をなくすというようなことも考えておりますので、そういったところで全体の有効回答を引き上げていければと考えております。

 後に御質問のあった、居宅介護支援の抽出率なのですが、特段何か事情があって抽出率を高くしていたということではなく、過去の実績を踏まえ、その時々で適切な抽出率を設定しています。

この調査は抽出調査で層分けをして行うものですから、ある一定の数がないと、層によるばらけというか、ぶれが出てきてしまいますので、層分けできるぐらいの相対的な母集団があるところでないと、抽出率をなかなか下げづらいというところもあって、数の比較的多い訪問介護、通所介護、居宅介護支援について、少し下げさせていただいたということでございます。

 介護事業経営実態調査は、政府統計で総務大臣の承認を得て行う調査ということでございます。統計的な誤差については、総務大臣の承認を得るときにいろいろ御指摘等々をいただいている部分もありますので、全体的な抽出率というか、有効回答率も踏まえた抽出率の設定については、今後また改めて検討していきたいと考えております。

 以上でございます。

○田中委員長 よろしいですか。

 山本委員、お願いします。

○山本委員 調査票の形式について、1点確認させていただきます。

 今回の調査で、資料1の4ページの「2財務活動等による支出」という部分を新たに調査項目として付け加えていただいたかと思います。これが実際に調査票でどう反映されているかというところで、例えば資料2-1の介護老人福祉施設の資料を見ますと、9ページの一番下のところに枠を付けていただいておるのですが、これはこの会議でも議論になりましたけれども、いわゆる損益とは別概念で、キャッシュフローの全体ではなくて一部を捉えただけではあるのですが、今回そのような形で付け加えましょうということで加わりました。

 ただ、他の数字と少し性質が違う数字でございますので、これは問4の並びの中で一番下についているのですが、例えばここの部分だけを切り取って、問4の(3)にでも別立てするような形で、ここがいわゆる損益とは違う項目を聞いているということで、別の章にしてはどうかと思うのですけれども、そういう意味で、これをこの下に並びで記載された理由をぜひお伺いしたいと思っております。

○田中委員長 事業収入(収益)ではない項目なので、別に聞き方は構わないけれども、問4の別括弧の番号にしてはいかがかとの御提案です。どうでしょうか。

○説明者 お答えいたします。

 山本委員御指摘のとおり、設備資金や運営資金の借入金元金償還金支出というものは、損益計算の対象ではないのでございますが、ここに付けさせていただいた理由は、収入の欄については、調査対象となった各事業者さんが必ず書いていただきます。収入の欄は1ページしかないので、こちらに付けさせていただいております。

 御指摘のとおり、確かに損益計算に係る部分ではないので、別々のほうがわかりやすいというのであれば、そういう方向にさせていただきたいと思います。

○田中委員長 山本委員が言われたのは、場所はここでもいいけれども、これを問4の(2)にして、(2)以下をもう一つ番号を繰り下げる方がいいとの案です。

○説明者 問いの番号を1つ立てるということですね。

○田中委員長 問4の(1)のタイトルが「事業収入(収益)等」になっているから、はっきり分けるために、借入金元金償還金支出の前に「問4の(2)」という言葉を入れておくと、別項目だとはっきりするのではないかとのご意見だと私は受けとめています。

○説明者 ご指摘のとおり修正させていただきます。

○田中委員長 いかがでしょう。

○藤井委員 私もそのとおりだと思います。今、問4の(1)(2)というのが黒く各ページの上に乗っかるようになっていますけれども、ページの途中でいいので、そういう印が明確にあったほうがいいと思います。

 前提とすると、これは特養だからいいのですけれども、社会福祉法人会計とそれ以外の会計でいいますと、社会福祉法人会計においては、キャッシュフローも各拠点別とか、サービス別に分けよということになっていますので、そもそもそれがあるという前提でございますが、他の事業所で各サービス別に損益を分けたとしても、キャッシュフローとか、あるいは貸借対照表を分けているというのは普通はあり得ません。

 さらに言いますと、社会福祉法人会計においても、本部で借金返しとか、そういったものをやるというケースもございます。

 何を申し上げているかといいますと、注意書きにおいて「問1(4)において『単独会計』と回答した場合」と「問1(4)において『一体会計』と回答した場合」と書いておるのですが、これの前提としてあるのは、単独会計の場合には、恐らくキャッシュフローはそこの単独会計で分けられているであろうということになっていると思うのですけれども、そもそもそれとキャッシュフロー会計をどうやっているかは別ですので、この注釈を書かれるとかえって混乱するように思います。

 これによって聞かれていることがよくわかるようになるということではないと思いますので、むしろこの注釈は外していただいて「下記の支出がある場合は、その金額を記入してください」というところに、対象サービスの部分についてのみ記入してくださいということを書くとともに、対象サービス分についてのみ出せるか、出せないかというのは大きな問題としてございます。

 特養であれば問題ないと思うのですが、例えば特養に併設している通所介護で、その部分だけ出してくれといっても、特養で全部返しているということになりますし、特養で返しているときに、通所介護がついているからといって、その部分だけ外して計算できるかどうかという問題もございますので、むしろ先方が計算をしたかどうか。

 前からこれは議論がありますように、ここで出るデータというのは、法人全体でもない限り信憑性がそんなにあるとは思っていないのです。ですから、きちんと出せるところの数字は把握してもいいと思うのですけれども、これがどのようなプロセスを経て書いた数字なのか。

 ですから、全体を対象サービスで按分して計算しましたよということを回答する欄があってもいいのではないか。それがどれぐらいの比率があるかによって、どれぐらい信頼性があるかどうか。あるいはそれを別に分析した場合にどうなるのかというのが問われた場合には、分析しなくてはいけなくなると思いますので、そもそもこちらの議論でこの数字をとることへの疑問であるとか、あるいは意味のある数字なのだろうかという疑問がございましたので、単純にとるというよりは、やはりどの程度意味のある数字であるかどうかを検証できるようにしていただいたほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

○田中委員長 ありがとうございます。

 的確な御指摘で、もともとこの委員会でも話してきましたが、キャッシュアウトフローについては、普通、法人単位で考えることのほうが多いので、これが記入できないからといって、この調査全体の精度が疑われてはいけません。

 したがって、別項目ではっきりと黒い枠を入れて問4の(2)として、今、藤井委員が言われたようなことを、後で言葉は練るとして、うまく書けるならば書いてください。記入できないからといって、他の問いには波及しない措置をとっておいたほうがいいでしょうね。

 この点、千葉委員、いかがですか。

○千葉委員 今ちょっと見ていたのが特養の調査票だったので、余り違和感を覚えなかったのですが、特養の場合は、御案内のとおり、特に予算をつくれということになっている関係で、サービス区分別に資金収支計算までつくられていますので、少なくとも形式上はいいのですけれども、藤井委員おっしゃるように、確かに実態運用上は返済は特養でまとめてということもあります。

 どこに実際の返済の出口を持っているかというと、器としては記載する場所をサービス区分別に持っていても、実際にそれを発動していない。つまりここでいえば、注書きで一体会計かどうかというよりは、実際、返済がどこでされているかということに依拠してしまう場合があるかと思いますので、確かに御指摘のとおりなのかなと思います。

 例えば社会福祉法人ですら、そのことが考えられる。いわんや老健とか病院、居宅サービスなどだったら、多分もっと魑魅魍魎になっているだろうと思いますので、私も賛成でございます。

 ただ、一方で、今回、回収率を上げるというのと、わずかなものであっても調査者負担をできるだけ減らしていこうという努力の中で、この項目をとるコストパフォーマンスというか、設備資金借入金元金償還金支出と長期運営資金借入金元金償還金支出の2つをとりたいがゆえに、先ほど委員長や藤井先生がおっしゃったように、そんなに意味があるのかというのがもともとこの委員会では前から議論されている中で、それぐらいの意味なのだったら、そこを厳密にして記入者負担を増やすのはどうなのかなという気もしています。ちょっと悩ましいのですけれども、藤井先生おっしゃるように、どうせなら実情を知っておいてもいいのではないかというのもあるかと思うのですが、その辺は確かにどちらもありかなとは思うので、私個人としてはこのままでもいいのではないのかなという気はしています。

 以上です。

○田中委員長 新たに加えた元金償還金支出について、他にございますか。

 お願いします。

○千葉委員 ちょっと補足すると、このままでもいいのではないかなというのは、藤井先生がおっしゃったように、この注意書きがおかしいというか、注意書きのところで変にミスリードさせるというのを是正することはしてください。その上でさらに、例えば特養に片寄せして返しているようなところを聞くかどうかは、ちょっとどうかなというぐらいのところだけです。

 以上です。

○田中委員長 問4の(2)にして問いの項目を変えるのはよろしいですか。むしろそのほうがいいということですね。

○千葉委員 それはそうしたほうがわかりやすいかと思います。

○田中委員長 ありがとうございます。

 他によろしゅうございますか。

 山本委員、お願いします。

○山本委員 今の質問に関してですけれども、私の意見としては、確かにこの記載では、この数字が何を意味するのかというのが非常に不明瞭になると思います。ただ、どう書くかというのは非常に難しくて、今おっしゃったとおり、記入者負担の問題もございますので、どのようにするかというところは非常に悩ましいところかとは思います。

 ただ、何も書いていないと、法人全体のものを書かれているのか、その事業のものなのか、全くこちらから判別がつきません。これを見れば、当然、その事業に対して書いてくださいというのは書いてあるのですけれども、短くても、最低限どれを対象として書いているという何らかの注釈なりを書いていただいたほうが、後で分析するときには有用ではないかと思っております。

 もし按分をしているということであれば、その按分の計算の考え方も書いていただければありがたいとは思うのですけれども、ただ、おっしゃったとおり、記入者負担の問題もございますので、皆様の御意見もお聞きしたいと思っております。

○田中委員長 事務局、どうぞ。

○説明者 御指摘ありがとうございます。

 御指摘があったとおり、借入金返済支出の部分は、見せ方であったり、集計に対しては多少留意しなければいけないということは十分認識をしております。

 また、借入金返済支出を書けないからといって、そもそも損益計算のところまでだめにするのかということは全く考えておりませんで、この経営実態調査については、損益計算の部分が第一に重要なので、損益計算のほうをまずきちんと書いていただくということが前提になります。

 その上で、借入金元金償還金支出を書いていただくところについては、御指摘のとおり、確かに社会福祉法人ではキャッシュフローの部分が拠点ごと、サービス区分ごとにつくられているということもございますが、その他の法人については、サービスまで区分したキャッシュフローが作成されていないということは、よくあることとして考えられると思います。

 そういったことから、一応、こちらの対応としては、調査票と一緒に送らせていただく記入要領のほうで区分の仕方を明示させていただいて、法人のほうで調査対象サービスに係る返済金というものを計算していただこうと思います。

 先ほど千葉委員がおっしゃったように、こちらのほうで按分する指標をとってもいいのですが、そうすると損益計算の会計の範囲とキャッシュフローの会計の範囲が異なっている場合も往々にして考えられて、その分また新たに記入者負担を強いるということもなかなか大変なものですから、調査対象サービスに係る契約の範囲であるとか、そういったものについて、まず特定をしていただいて、その上で、特養と通所介護について一体的に借入金を借りているのであれば、例えば設備資金であれば延床面積で按分してくださいとか、運営資金であれば収入の比率で按分してくださいとか、調査票の記入要領において計算の仕方を明示させていただいて、調査をしていきたいと考えております。

 以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。

 千葉委員、どうぞ。

○千葉委員 別な質問で確認が1点と質問が1点なのですが、資料2-1の特養の調査票の10ページ以下、費用の部分については、先ほど来、御説明があったように、採用している会計基準によって飛ぶ先が変わりますというところは認識いたしました。

 というと、例えば、平成26年度までは旧会計なり、指導指針でやっていて、平成27年度に指針会計に移らざるを得ないから移っていますけれども、そういう場合は、問4の(2)のうち、まず平成26年度分はAのほうで書いて、平成27年度はBのほうで書くということでよろしいのですか。

○説明者 平成26年度が旧会計ということですか。

○千葉委員 平成26年度が指導指針とか旧会計で書いて、平成27年度決算はもう移行済みですから、極端に言うと、特養の場合は平成27年度は指導指針というのは得ないと思うのです。

 そうすると、この欄は平成26年度だけ聞けばいいし、新会計のところだけは、平成26年度から既に移行済みという人もいるでしょうから、これは両欄要るだろうと思います。旧会計基準はそれがうまくはまっているのか、平成26年度だけになっているのですけれども、指導指針のところだけ平成26年度、27年度と2段書きになっているのはいかなる理由かというのが1点目の質問です。

 もう一つは、11ページの同じ指導指針のところですが、一番下のところに「4 特別支出」の内訳項目で「うち法人税等」と書いてあるのですが、これは指導指針の勘定科目をそのまま持ってきているから、そうなっているのだろうと思うのですが、指導指針というのは、営利企業とか、いろいろな事業主体をとりあえず全部包括して、この方式で報告してねというのが決まっているのだろうと思うのです。

 今の調査票は特養ですから、特養の場合は「うち法人税等」という欄があっても空振りになるのは明らかなので、この欄は要るのですかということが2つ目の質問です。

 以上です。

○田中委員長 2点お問い合わせがありました。

○説明者 お答えをさせていただきます。

 社会福祉法人を前提にした場合は、例えば平成26年度が旧会計基準で平成27年度に新会計に移ったということであれば、平成26年度の支出は旧会計に記載していただければいいですし、平成27年度については、新会計に記載していただくという形でよろしいかと思います。

 指導指針についてですが、特養を運営しているのは社福だけではなくて、例えば地方公共団体などもあるため、平成27年度と平成26年度というのが両立てで書いてあります。

○千葉委員 理解しました。

○説明者 御指摘の「うち法人税等」の欄は、特養を前提にすれば全て必要ないということであれば、こちらの欄を落としても構わないと思うのですが、そこは確認をさせてください。

○千葉委員 社会福祉法人の場合は法人税法上もないはずなのですが、その他事業主体の場合、今おっしゃるようなことがあるかもしれませんので、御確認ください。

○説明者 はい。

○田中委員長 ありがとうございます。

 その他御指摘、御質問はいかがでしょうか。

 千葉委員、お願いします。

○千葉委員 違う議論でよろしいでしょうか。

 資料1でもいいのですが、資料2のほうを見ましょうか。調査票の中で問1の4ページ~7ページぐらいまでは、実態を聞くとともに、特に5、6ページあたりは一体会計の場合のコストドライバーというか、配賦基準になっていくということで理解したのですけれども、1つ確認なのは、これは調査時点が直近年度のほう、平成27年度の実態をここに書いてもらって、同じ按分比率で平成26年度と平成27年度のどちらも按分するということでいいのでしょうか。

○説明者 お答えさせていただきます。

 基本的に今、千葉委員から御指摘いただいたような手法をとることを考えております。ただ懸念されるのは、平成26年度と平成27年度で調査対象サービスの規模が変わった場合、また、調査対象サービスの規模は変わらないのだけれども、併設サービスが新しく増えたり、減ったりということで、また按分の比率が変わってまいります。

 ちなみに、平成25年度の概況調査と平成26年度の実態調査でそういったケースがどれぐらいあったかというのを事務局のほうで調べたのですが、いわゆる按分の比率について、例えば、仮に特別養護老人ホームとショートステイが一体会計になっていて50名、50名であれば、特養の按分比率というのは50%です。これが平成27年度になって特養が100名になりました、ショートステイは50名で変わりませんでしたとなると、特養の按分比率というのは大体67%程度になります。その比率で10%以上変動があったものが、2カ年とも一体会計となっているものが全体で約800件あって、そのうち按分比率で10%以上変動のあったものが約30件ということで、大勢にそんなに影響がないのではないかというのがまず一つございます。

 本来であれば、全て2カ年分書かせてきちんととるべきかもしれませんが、そうすると、回答として返ってくる票数が下がるリスクが一つ考えられると思います。

 事務局としては、どちらかというと、記入者負担を少なくして、有効票として返ってくる数を上げたいと考えております。

 その上で、どこまで按分の比率が変わったら平成26年度の値を按分できるかどうかというのは、調査結果を集計するときに、また各委員の方に御相談をさせていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○千葉委員 ということは、確認ですが、今のお話だと、実質上そんなに按分のドライバーは動かないから、例えば平成26年度でもやめて実行上は問題ないのかなと思うので、そこは、これだけの量を書かせるので、平成26年度分もまた書かせるなんてとんでもない提案になりますから、実態にそんなに影響がないのであれば、この方法をとるのも一つの考え方かなと思います。

 以上です。

○田中委員長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 按分の質問を千葉委員がされているので、改めて見させていただいたときに、延べ利用者数とか面積は必要だというのはわかるのですが、食事延べ提供数というのも、恐らく特例施設サービス費みたいなときに使われるのだろうなと認識したのですけれども、送迎延べ実施回数というのは、どういったときに必要なのでしょうか。

 大変細かい話なのですが、もしそれを有効に使われるとすれば、特定施設とグループホームにもショートがあるので、今、送迎延べ実施回数が網かけになっていますが、ここに「回」が入らなければいけないのではないだろうかと気づいたので、御質問ですが、いかがでしょうか。

○田中委員長 お答えください。

○説明者 今すぐお答えできないので、確認をしてお答えします。申しわけございません。

○田中委員長 山本委員、お願いします。

○山本委員 按分基準について、私のほうからも意見を申し上げさせていただきます。

 今、議論がありましたとおり、会計数値2年分ですけれども、按分基準が1年分ということで、理想を言えば、確かにここは矛盾というか、1年前のものを直近の基準で按分しますので、できれば避けたほうがいいと思います。

 ただ、回答率を上げるという観点からは、やむを得ないとも思います。全体に重要な影響がないということも確認をされているということで、理解いたしました。

 ただ、将来のことを考えますと、できれば理想に近づいたほうがいいということでお聞きするのですけれども、4ページ~7ページの按分基準の中で、特に記載の困難性というのでしょうか、どの項目の記載が非常に難しくて、どこだったら大丈夫かというのが、もし過去の調査の中である程度わかっているようであれば、そのあたりを教えていただければと思います。

 記載の負担ということが理由であるとするならば、記載の負担がないところについては、例えば、会計数値と同じように2年分連記で書くような様式も、今年度はもう仕方がないとは思うのですけれども、将来のためにそういう検討もなされるべきではないかなと思いましたので、参考のために御質問させていただきます。

○田中委員長 質問にお答えください。

○説明者 お答えいたします。

 同じことの繰り返しになってしまうかもしれませんが、これまでの調査では、やはり7ページの給与、特に一体会計となっているものを按分する上で必要な常勤換算の人数がうまく書けていないということで、返ってきても有効回答になっていないという状況が見られます。

 それについては、先ほども資料で御説明させていただきましたが、記入者がみずから手計算で常勤換算数の総和をとっていただく手間をなくすために、現在予定しているのは、集計ツールみたいなものをインターネット上に置いて、記入者が入力してくれれば総和が出てくるというような、簡易で誤りのない集計ツールみたいなものを作成して手計算で集計していただくという手間を減らして、きちんと数字がとれるようにして有効回答を上げていこうと考えております。

○田中委員長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 今、山本委員が御指摘になったように、記入者負担というのは一番重要なことだと思いつつも、それに妥協していると、いつまでたっても適切な数字はとれないということになるので、悩ましいところがあると思うのです。

 今回もなのですけれども、按分の指標が変わると、当然、収入であったり、いろいろなところが変わったりするわけですから、何かロジックをつくって、ここの数字がある一定以上入ったものは、少数だというお話でございますから、少数だという前提で、2年比較するものについては除くとか、そういうやり方をことしはやられて、人件費の問3の部分が書きにくいというお話ですが、これが一番重要なところであり、なおかつ書けなくて、しかも2年度分書けというのはさらに大変そうなので、山本委員のおっしゃっている理想論に近づくのがとても困難だなと思いましたので、むしろいただいたものに関して余り大きくなっているものは複数年度を比較するときには外すとか、そのようなやり方をされればいいのではないかと思います。

 以上です。

○田中委員長 検討事項ですね。

○説明者 按分のロジックということですが、今御説明したとおり、少数とは言え事業規模が変化したものがあります。では、今回どこまで事業規模の変わったものについて按分が可能かということについては、また集計に当たって委員の先生とも御相談をさせていただきたいと考えております。

○田中委員長 資料1と2について、堀田委員、お願いします。

○堀田委員 実績の記入のところのとても単純な質問あるいは確認をしていただきたいところなのですが、資料2-4と2-5は多分共通なのだと思うのですけれども、まず、1つ目が、資料2-4で見ていただくと、5ページの訪問介護の介護保険以外の利用者へのサービス提供状況は、実利用者数は要らないのかなというのが1点目です。

 もう一つ、先ほどもちょっと話題になっていましたが、不勉強で恐縮なのですが、送迎の延べ実施回数というのは何に使うのかなと思いまして「※1人に対して片道の送迎を行った場合を1回と数えてください」とどれも書いてあるのですが、御存じのように、実態としては何人か同じ方面の方は御一緒に行かれる場合もあって、このような聞き方でとりたいものがとれているのだったらいいのですけれども、これは果たして何のためにとっているのか、実態に即したものになるのかという確認です。

 もう一つもごく単純な点なのですが、14ページの「12看護小規模多機能型居宅介護」のところでは、登録の定員を書いていただくようになっているのですけれども、例えば、12ページの小規模多機能型居宅介護であるとか、他は全体として定員を書いていただくところはないように思うのですが、それは特になくても支障がないのかという確認です。

 ありがとうございます。

○田中委員長 3点質問がございました。

○説明者 今すぐに正確な御回答ができないので、今、確認をさせていただいて改めて御回答をさせていただきます。

○田中委員長 では、調べていただくということでよろしいですね。

 他にありますか。

 千葉委員、どうぞ。

○千葉委員 本当に細かいところをどんどん挙げていって申しわけないのですが、特養の資料2-1の7ページの一番書きにくいという場所ですが、ここのところで回答欄を見ると、処遇の状況みたいなものもわかってくるという一つの調査にもなるし、一方で、もしかしたら、その人数というところが費用按分の基準になる場合があるのかもしれないのですけれども、前者のほうはいいのですが、後者の部分について、表のすぐ上の注書きの※3で「派遣社員で対応している職種がある場合は、その職員数及び給料は含めないでください」となっています。

 ということは、ここの部分の人数なり、給与額というのは、費用按分の対象に使っていないと考えていいのですか。

 というのは、もしこれを除いてしまうと、派遣職員の対応範囲によって按分比率が随分ぶれてしまうような気がするので、そこのところがちょっと気になったというところであります。

 以上です。

 ○田中委員長 調べ中のものはいいとして、議題2に移ってよろしゅうございますか。

 では、議題2「消費税負担に関する団体ヒアリングについて」、事務局から説明をお願いいたします。

○説明者 御説明をさせていただきます。

 資料3でございます。前回、介護事業経営調査委員会及び介護給付費分科会で、消費税率引き上げに伴うスケジュールということで全体的なスケジュール感について御了承をいただいたと思うのですが、その中で、年明け以降、3月、4月にかけて関係団体に対するヒアリングを実施するということを予定しております。

 つきましては、そのヒアリングについて、このような要領で実施していけばいいのではないかということで、今回、実施要領について提示をさせていただいております。

 簡単にポイントを御説明させていただきます。

 「1.趣旨」でございますが、平成29年4月に予定されている消費税率の引き上げに伴って、その取り扱いの検討を行うため、こちらの経営調査委員会において消費税負担の現状等についてヒアリングを実施しますということでございます。

 「2.ヒアリング項目」については、介護サービス施設・事業所における設備投資の状況と、その他消費税率引き上げへの対応に関する意見ということでございます。

 こちらの経営調査委員会のほうでも御指摘いただきましたが、あくまでこのヒアリングというのは、介護保険事業に係る控除対象外消費税負担の現状について実施するということで、いわゆる介護事業経営とか、介護報酬全般についてヒアリングを行うものではないということでございます。

 「3.ヒアリングの実施方法」ということで、1つ目は、事務局のほうで各団体から提出された意見陳述要旨を準備させていただいて、これに沿ってヒアリングを行うということ。

 2つ目は、その意見陳述というのは、ヒアリングではなくて、書面提出のみの意見陳述でも可としますということ。

 3つ目は、ヒアリングを行う際には、意見陳述が一通り終了した後、必要に応じて経営調査委員会の委員から陳述内容に対して質問を行うということ。

 4つ目のポツでございますが、これは介護給付費分科会等々でも御指摘をいただきましたが、当然、ヒアリングの結果というのは、まず介護給付費分科会に報告するということ。また、希望によって介護給付費分科会の委員の立ち会いもできることとするということでございます。

 「4.実施団体」についてでございますが、事務局のほうからヒアリングの実施に係る事前の照会をさせていただきますが、意見ありと回答した団体に対してヒアリングを実施します。「事前の照会については、別紙の団体に対して行うこととする」ということで、めくっていただいて裏の別紙にその団体が記載されております。

 基本的には、まず、介護給付費分科会の委員の所属する団体と、前回、消費税を5%から8%に上げたときに、意見ありということで意見陳述もしくは書面の提出があった団体を付け加えたものをベースとしております。

 各団体の後ろに●がついているところが、前回出席されて経営調査委員会でヒアリングを行った団体でございます。団体の名前の後に○がついているところは、前回、書面だけの提出があった団体でございます。

 基本的には、今御説明申し上げた介護給付費分科会の委員の所属する団体と、前回、意思表明のあった団体のほうに、事務局のほうから、ヒアリングを行うけれども意思表明があるかということをあらかじめ確認させていただいて、あるという意思表明のあった団体に対して次回以降の経営調査委員会でヒアリングをしていってはどうかということでございます。

 資料3の説明については以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。

 ただいま説明のあった資料について、御質問、御意見があればお願いします。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 3点ほど御質問をさせていただきたいのですが、まず、消費税の引き上げに関する影響については、そもそも介護の場合は医療に比べて設備投資がそう頻繁でもないということに加え、報酬の構造から考えて、影響はそう大きくないであろうという前提でここでの議論も進めていると、私もそのように認識しております。

 まず、1つ目なのですが、さはさりながら、本当にそれはどうかというのは、やはりこういったヒアリングで確認しようということで、このヒアリングは非常に重要だと思っておりますが、今回、もし可能であればということなのですが、別紙のところにありますように、無印というのが「前回、意見なしと回答のあった団体及び今回新たに事前照会する団体」ということで、どちらかわからないのですけれども、意見なしとの回答というのがどういう意味を持つのか。

 我々とすれば、当然、問題がないという意味でとるわけでございますけれども、ひょっとしたら、単に非常に事務局が忙しくて対応できなかったみたいなものもあるやもしれませんので、確認をしていただくというか、意見に関してお聞きいただくときに、意見がないという場合の理由の把握をある程度していただけないかなというのが1点目のお願いでございます。

 段々細かな話になってきますが、2点目は、前回の介護報酬の引き上げのときに、限度額を含めかなり細かく対応されたということでございますが、特定施設サービス費に関しては確かそうだったと思うのですけれども、きちんと計算した上で、今回、引き上げの必要がないということでここでも議論いたしましたし、引き上げないことになったと思っております。

 ところが、それを機に食事の内容を下げたという話を聞くことがございます。これは一般の方ですと誤解等々もあるのですけれども、経営者の方であるとか、あるいは入居しておられる方の御家族でケアマネジャーをやっておられた等、かなり制度に詳しい方々がおっしゃっていることがあります。

 本来、そういうことはあるはずがないということで、変えなかったわけでございますが、特定施設サービス費の中の食費の部分に関してはどのようになるかという点で、ここの団体に入っていないし、ヒアリングという意味ではないのですけれども、給食を提供する団体というのは、介護だけではなくて医療もあわせてあると思いますので、このあたりでどういったことが起きているかというのを事務局のほうがお聞きするなりしていただいたらいいのではないかなと思います。

 ちょっと本筋とは外れるのですが、今回、そもそも消費税引き上げの際に食糧費は軽減税率にしようということで議論が進んでいるようでございますけれども、本来、特定施設サービス費の食費の部分は消費税非課税となっていると思います。

 消費税というのは、広く国民に負担をしてもらって、社会保障に使っていこうという観点からいたしますと、ちょっと違和感がある点でございますし、特に利用負担の第4段階以上の方に関して今回も消費税非課税になっているというのは、私は個人的に非常に疑問があるなと思っておりまして、この特定施設サービス費の食事というのは、前回、さらっとデータをもとに議論されましたけれども、注目すべき点かなと思っているというのが第2点でございます。

 第3点は後で申し上げます。

 以上です。

○田中委員長 2番目のも質問ですか。

○藤井委員 はい。

○田中委員長 では、お答えください。

○説明者 初めに、意見がないというところについても、理由を把握すべきではないかということについては、予め事務局で意見の有無を確認する際に、併せて確認をさせていただきたいと思います。

 食費の状況につきましては、現段階においては、こうした団体に聞いてはどうかということで、具体的に細かいところはいまだ検討中ではございますが、今回の御意見を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

○藤井委員 大変細かい点とはいえ、重要にも読める点なのでお聞きしますが、資料3の「2.ヒアリング項目」の1にはついていないのですが、2には「(ただし議論は行わない。)」と書いておりますのは、1は議論をするけれども2は議論しないと読むのが素直なところなのですが、これはそのように読み取っていいのかどうか。

 これは単純に両方議論をしなくていいのではないか、御意見をお聞きする場ではないかと思っておりますので、むしろこれは注意書きの※のもう一個とするか、注意書きの後ろに付けていただければいいと思うのですけれども、この意味をお教えください。

○説明者 ヒアリング実施要領については、前回、消費税を5%→8%にした際も同様のヒアリングを行っているのですが、前回の要領を基本的に踏襲しております。

 こちらに記載していることで場所的に非常に誤解を生むということであれば、※の下と同じように注意書きで書くようにさせていただきたいと思っております。

○田中委員長 「議論は行わない」とは、こちらの委員と質疑応答を行うとの意味ですか。それともヒアリングが終わった後、この委員会で議論をする、しないの話ですか。どちらですか。

○説明者 前回の状況を見ても、委員とヒアリング団体との意見陳述内容に対する質疑は行っています。委員長が御説明いただいたとおり、委員会の中において、意見陳述内容についての議論しないということだと思います。

○田中委員長 わかりました。

 1は意見というよりは事実の把握ですよね。統計ではとれない設備投資にかかわる控除対象外消費税がどうなっているか、ファクトを教えていただく話なので、それについては質疑応答も意味がありますし、我々が議論することも意味がある。

 一方、消費税対応に対する意見、課税還付にせよとか、非課税還付にせよとかいうのは、そういう意見があってもいいけれども、この委員会はそれを議論する場ではないので、議論を行わないというのは理解できます。

 藤井委員、よろしゅうございますか。

○藤井委員 田中先生、よくわかりました。

 そうすると、今度、私が気にしているのは、前回は1が非常に大きな議論だったということはわかります。

 ただ、2には2種類ありまして、1つは、益税・損税みたいなものが、8%に上げたときがどうだったのか、10%になるときどのように考えているのか。私が先ほど申し上げたような特定施設サービス費の食費であるとか、そういったことについての実態であるとか、御意見も含め、いただくという話と、さらに言うと、田中委員長がおっしゃった消費税そのものに関する対応の意見というのがあるように思います。

 今回1は、設備投資の状況についてというように書かれなくてもいいのかなと思います。事務局にお任せいたしますけれども、ヒアリングされるときに書類だけが届くことになるケースもあると思いますので、ぜひ誤解がないようにといいますか、この委員会で把握すべきこと、あるいはその後、議論すべきことというものができますように、この項目をもう一度改めて見直していただければと思います。

 以上です。

○田中委員長 他にいかがでしょうか。

 山本委員、お願いします。

○山本委員 少し手続的な質問になるのですけれども、消費税の影響ということですので、当然、財務構造、支出の状況によって、各法人さんで影響が異なってくるかと思います。そういう意味で、広く意見を聞くというのは非常に重要な手続かと思います。

 その意味で、今回、別紙のところで団体を幾つも挙げていただいておりますが、前回、ヒアリングを実施した先とそうでないところとありますけれども、今回希望されたところは全て御意見を賜るということでよろしいのでしょうか。それとも希望者が多くなれば、ある程度制限というようなこともお考えなのか。優先順位というようなものもお考えなのか、ちょっと手続上の話にはなりますけれども、そのあたりを教えていただければと思います。

○田中委員長 ヒアリングにかかわる時間の制約もあるでしょうから、それについての腹案はおありですか。

○説明者 基本的には、今こちらで別紙の団体に御照会させていただいて、意見ありというところについては、その峻別をするといったことではなくて、全ての団体から意見を聞く方向なのかなと考えております。

 前回●のついている7つの団体について、1回の経営調査委員会でヒアリングを行っておりますので、事業者が多数になった場合は複数回に分けるとか、そういったことも含めて、やり方については、今後、検討してまいりたいと考えております。

○田中委員長 前回、介護保険が始まって初めて5%から8%への引き上げに対する対応を報酬でしましたよね。制度上の税制が変わらない以上、それしかなかったから行ったわけです。それについての意見は2に入るわけですか。

○説明者 そうです。2のほうになると思います。

○田中委員長 これは消費税引き上げの対応に関する意見ですね。

○説明者 はい。

○田中委員長 危惧する点は「意見陳述」という言葉がちょっと強いので、先ほど言いましたが、消費税のあり方そのものに対する意見を言いたいと思われる誤解は避けたいのです。ここはあくまで介護報酬を通じて行った対応がおおむねどうだったかをお聞きする。特に消費税補填の繰り延べが発生し得るのは設備投資のほうですね。それ以外は余り発生しませんから、設備投資についてどのようになっていますかなのですね。消費税に対する意見陳述と書くと、消費税制そのものに対する強い意見を言われても、この委員会では場が合っていませんとの返事になってしまうので、そこがいらっしゃる方にうまく伝わるように説明してください。

○説明者 はい。

○田中委員長 よろしいですか。

 私がもし団体の代表だったら、意見陳述要旨と言われたら、ファクトを言うよりも、まず何を制度論として訴えるかと考えてしまいます。本当はこの委員会はファクトをきちんとつかみたいのでね。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 今のことに関連して、前回と違って今回は5%から8%、8%から10%ということで、5%から8%というのを一度経験されているはずなので、多分この委員会で把握したいことの一つは、8%から10%に行くときも、5%から8%のときと同じようなことが結構起こると思いますので、5%から8%への対応をファクトとしてどのようにされたか、問題があったのか、なかったのかというのは言っていただけるようにしたほうがよろしいかと思いますので、それを最初にお話しいただけるような形の項目立てをしていただいたほうがいいかと思います。

○田中委員長 そのとおりですね。だから、意見ではなく、5%から8%のときの対応がどうであったか、それについてどう思うかとの評価は行っていただいても結構ですが、消費税制に対する意見ではないですね。

 ありがとうございました。

 先ほどの積み残しの質問に何か答えられますか。まだなければ、後日でも結構ですが。

○説明者 先ほど堀田委員から御質問のあった点について御回答させていただきます。

 まず、送迎回数については、送迎委託費などの按分のために調査しています。

 また、看護小規模多機能型居宅介護では登録定員などの記載欄があるが、小規模多機能型居宅介護や他のサービスでは記載欄がないのはなぜかということですが、他のサービスは、母集団の名簿としている「介護サービス施設・事業所調査」から定員を把握することができます。看護小規模多機能型居宅介護についても「介護サービス施設・事業所調査」で把握が可能なことから調査票から削除させていただきます。

○田中委員長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 そういうことで使っていることはよくわかりました。では、小さいとは思うのですけれども、グループホームと特定施設の送迎の回数も聞いていただくしかなくなると思いますので、よろしくお願いします。

○田中委員長 他によろしゅうございますか。

 では、本日の議題2については、大枠としては当委員会として了承し、後日開催される介護給付費分科会に報告させていただく扱いでよろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○田中委員長 なお、今、幾つかあったテクニカルな修正点については、私と事務局で相談しますので、対応や具体的な修正については、委員長に御一任ください。よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○田中委員長 それでは、本日はこれにて閉会いたします。お忙しいところ、お集まりいただきましてどうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 


(了)

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