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2016年3月14日 第5回介護プロフェッショナルキャリア段位制度の在り方に関する検討会  議事録

老健局振興課

○日時

平成28年3月14日(月)16:00~17:30


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12F)


○出席者

<委員>

田中滋座長、岩村有広委員、国政貴美子委員、小林司委員、小林光俊委員(代理:山口保氏)、小山秀夫委員、鈴木邦彦委員、田中雅子委員、谷村誠委員(代理:山田雅人氏)、筒井恵子委員、筒井孝子委員、平川博之委員(代理:本間達也氏)、藤井賢一郎委員、村上久美子委員、山田久委員

<厚生労働省>

三浦局長、濱谷審議官、日原総務課長、辺見振興課長、川島振興課課長補佐

○議題

(1)報告書(案)
(2)意見交換

○議事

○辺見振興課長 それでは、鈴木先生の御到着が少し遅れているようでございますが、定刻になりましたので、ただいまから「介護プロフェッショナルキャリア段位制度の在り方に関する検討会」第5回会議を開催いたします。

 本日は御多用なところ、御参集いただきまして、ありがとうございます。

 まず初めに、配付資料の確認をさせていただきます。

 本日、配付資料は「議事次第」のほか、「介護プロフェッショナルキャリア段位制度の在り方に関する検討会における議論の取りまとめ(案)」と題する書類が一部。

 添付資料として、参考資料「介護キャリア段位制度の進捗状況」という横長の資料。この2種類でございます。御確認いただければと存じます。

 本日の出欠状況でございますが、小林光俊委員、谷村委員、平川委員、馬袋委員が所用のため、御欠席と連絡をいただいております。なお、小林光俊委員の代理といたしまして、日本介護福祉士養成施設協会常務理事の山口様、谷村委員の代理といたしまして、全国社会福祉法人経営者協議会経営対策副委員長の山田様、平川委員の代理といたしまして、全国老人保健施設協会副会長の本間様に御出席いただいております。

 それでは、これからの進行は、田中座長にお願いしたいと思います。

 なお、報道関係の方の冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

○田中座長 皆さん、こんにちは。早速ですが、議事に入ります。

 事務局より、これまでの議論を踏まえて報告書(案)が示されています。この(案)についての説明をお願いいたします。

○川島振興課長補佐 それでは、事務局より資料の説明をさせていただきます。

 まず、本体資料の説明をする前に参考資料を見ていただければと思います。

 参考資料をおめくりいただきまして、こちらは前回もお示しをしておりますけれども、アセッサーの養成状況です。今年度、4,046名新たに養成を行いまして、これまでの7,817名からプラスされて1万1,863名という状況になっております。

 またおめくりいただきまして、4ページをお開きいただければと思います。こちらはレベル認定の取得職員数を示したものになっております。平成26年度まで、内閣府において実施されていた状況では、428名でございました。今年度、27年度の実績ですけれども、5月から現在2月までの状況になっておりますが、817名のレベル認定の取得者が出ております。あわせまして、現在、類型で1,245名のレベル認定者の輩出をしているという状況にございます。また、今年度におきましては、3月にもレベル認定委員会が予定されていまして、さらにプラスされるという状況にございます。

 それでは、議論の取りまとめ(案)につきまして、御説明をさせていただければと思います。

 今回、この取りまとめについてですけれども、前回、1月18日にお示しをしております議論の整理を踏まえた形で整理させていただいております。前回、第4回の御議論の中では、大きな御異議というものはなかったと認識しておりますので、前回の議論を踏まえた形で今回報告書を取りまとめております。また、構成につきましても、前回、議論の整理でお示しをしております介護キャリア段位の取り組みと実績と評価、さらには介護キャリア段位の取り組みを踏まえた介護事業所施設における人材育成の考え方について。また、介護キャリア段位の仕組みの見直しについてという構成で前回と同じ構成になっております。それにつけ加えまして、報告書ということになりますので「はじめに」という部分、導入部分と、最後に「今後に向けて」という形で報告書を整理させていただいております。

 それでは、おめくりいただきまして、2ページから御説明をさせていただければと思います。最後、報告書(案)になりますので、こちらは読み上げさせていただければと思います。

1 はじめに

 ○ 介護キャリア段位は、介護分野における実践的なキャリア・アップの仕組みを構築することを通じて、介護職員の定着や新規参入を促進することを目指すものとして、さまざまな分野の実践キャリア・アップ戦略の一つとして検討が行われ、平成24年度から平成26年度まで内閣府において実施されてきたものであり、平成27年度からは、厚生労働省において、介護キャリア段位の取組を実施する事業者に対する補助事業(以下「本取組」という。)として実施している。

 ○ 本検討会は、介護職員の実践的な職業能力を評価する取組の効果的な運営と定着を図るため、介護キャリア段位の取組の現状と課題等を整理するとともに、介護職員のさらなる資質向上に向けて今後の本取組の在り方について検討を行うために開催したところである。

 ○ 本検討会では、

 1 制度の性格や位置づけ

 2 レベル認定取得者を輩出した事業所に対する「外部評価」の仕組み

 3 7段階(現在の運用は4段階まで)で評価することなど、評価の在り方

 4 レベル認定取得者数の目標(内閣府は、毎年2万人を目標と設定)

 等を主な論点として議論を重ねてきた。

 ○ 議論を進めるにあたっては、本取組を取り入れている介護事業所・施設や本取組の実施機関、また、独自の仕組みとして本取組と同様の趣旨・目的を持つ取組みを行っている介護事業所等から、取組の効果や課題等についてヒアリングを行ったところである。

 ○ このような議論を経て本検討会では、まず、「介護キャリア段位の取組み実績と評価」を整理し、その上で、「介護キャリア段位の取組みを踏まえた介護事業所・施設における人材育成の考え方」と「介護キャリア段位の仕組みの見直し」について、その方向性をとりまとめた。

2 介護キャリア段位の取組み実績と評価について

 <実績について>

 ○ 介護キャリア段位は、平成24年度から、介護事業所・施設において、職場の実務の中での教育訓練(OJTOn-the-Job Training))を通じて介護職員の実践的な職業能力の向上を図りつつ、能力の評価・認定する仕組みとして実施されてきたところである。

 ○ 介護キャリア段位の取組みは徐々に拡大しており、平成28年2月現在、アセッサーの養成数は約12,000名に、レベル認定者は約1,200名となっており、月ごとの認定数も増加傾向にある。

 ○ また、介護キャリア段位に取り組む介護事業所・施設について、アセッサーが所属する事業所・施設の種類で見ると、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、訪問介護、通所介護の割合が多くなっているが、他のサービス種別における取組みも増えており、全体的な広がりをみせているところである。

 <効果について>

 ○ 介護事業所・施設が介護キャリア段位に取り組むことにより、介護事業所・施設にとっては、介護職員の能力向上、気づきを通じた評価する側の職員の自覚の向上、評価基準の設定がサービス水準の維持向上やリスク管理のツールとなることなどのメリットがあるほか、評価を受ける介護職員にとっても、職場で何ができるか証明できること、スキルの向上や処遇改善の材料につながること等のメリットがあり、こうしたことが介護分野における職員の定着や新規参入の促進につながることも期待されているところである。

 ○ 介護サービスにおいては、ケアのレベルや安全性の維持向上を図ることが求められているが、キャリア段位においては、基本的な介護行為について標準となる基準を使って、個々の職員の行為が基準に沿っているかを確認するプロセスを導入している。

  具体的には、

  ・標準的な介護技術の評価基準を体系化し、客観的な基準として明確化

  ・個々の介護職員の介護行為を確認するアセッサーを配置し、OJTを通じて介護職員の介護行為を目視や記録確認により評価するプロセスを標準化

  等が特徴となっており、介護現場で働く職員、介護事業所・施設、介護サービスの利用者等の様々な関係者に対して、人材育成の仕組みとして受け入れやすいものとなっているところである。

  今後、介護職員の育成に取り組むに際しては、こうした成果を活用していくことが求められる。

 <課題について>

 ○ 介護キャリア段位の取組みについては、前述のような効果がある一方で、

  ・内部評価やレベル認定にかかる事務負担が大きく、時間を要すること

  ・外部評価の位置づけについて関係者の共通認識が確立されていないこと

  ・介護福祉士や認定介護福祉士との関係についてわかりやすい整理が必要であること

  等の指摘がされているところである。

 <目標について>

 ○ 内閣府における検討過程においては、各年度2万人程度のキャリア段位認定者の育成を目指すとされてきたところであるが、現行の仕組みを前提とすれば数値目標としては過大なものとなっている。

   介護キャリア段位の取組みの中で分かってきたこと、必要性が認められてきたことを踏まえれば、単に段位認定者の数を目標として設定するのではなく、介護サービスの質の維持・向上という観点からは、むしろ介護事業所・施設がより幅広く人材育成に取り組むことを促進するための方策について検討を行うべきである。

 ○ なお、何らかの数値目標を設定することも考えられるのではないか、といった意見もあった。

3 介護キャリア段位の取組みを踏まえた介護事業所・施設における人材育成の考え方について

 ○ 介護サービスの質の維持・向上や介護人材の確保の観点から、介護人材の育成を幅広い視点から進めていくことが必要である。

 ○ 人材育成の方法は、介護事業所・施設ごとに、その規模、サービス内容、運営方針等により相違があり、事業者ごとの特徴が出てくるものである。

 ○ 従って、人材育成の方法として、キャリア段位の仕組みを単純に全国共通のものにすればよいというものではないが、一方で、各事業所・施設が各々の方法で人材育成に取り組む際に何らかの目安となるものが必要であると考えられる。

 ○ 人材育成の方法の多様性を認めた上で、これまでの介護キャリア段位の取組みを踏まえれば、

  ・介護の手順・基準の明確化、

  ・個々の介護職員の介護行為の確認を担当する人員の養成及び配置、

  ・OJTにおいて目視により必要な手順・基準に沿った介護行為を習得したことを確認すること、

  ・職場におけるキャリアパスの明確化

  等が人材育成に有効であると考えられ、人材育成の取組みが広がっていくにあたっては、少なくともこれらの要素が参考となる。

 ○ 提供するサービスの管理と事業所内の人材育成は経営者の責任であるが、訪問介護においてはサービス提供責任者、障害福祉サービスにおいてはサービス管理責任者が位置づけられており、介護事業所・施設におけるサービス管理や人材育成を進める上で、これらが参考になるのではないかとの意見もあった。

4 介護キャリア段位の仕組みの見直しについて

  今後の介護キャリア段位の実施に際しては、先進的な人材育成として位置づけ、更に効果的かつ効率的な実施と普及を進めるため、次のことに留意すべきである。

(1)内部評価・レベル認定

 <内部評価・レベル認定の取組の効率化>

 ○ アセッサーが内部評価に取り組む際に、被評価者が行う介護行為に対する評価の根拠について、全て記載することをアセッサーに対して求めており、これに時間を要していること、内部評価を行うにあたってアセッサーと被評価者とのシフト調整が必要となることから、介護事業所・施設にとって相当の負担となっている。

 ○ レベル認定に際しては、事業実施主体に設置されたレベル認定委員会の事前準備としてアセッサーが記載した評価の根拠の確認を行うが、この作業に相当の時間を要しており、認定委員にとっても相当の負担になっている状況である。このため、事業実施主体としては、今のプロセスのままでは、一月間に現状以上の認定を行うことは厳しい状況であるとしている。

 ○ 今後、評価を受けることを希望する者がさらに増加することを考えれば、レベル認定のプロセスの効率化が求められる。

 ○ このため、事業実施主体においては、介護事業所・施設の負担軽減とレベル認定事務の効率化を図る観点から、これまでの事業の実績を踏まえ、評価項目ごとに確認方法のメリハリをつけることや、評価項目自体の見直し等による効率化・簡便化を進めることが必要である。

 <内部評価の対象者>

 ○ 現在、内部評価の対象として介護福祉士養成施設校に在学中の実習生が含まれているが、評価には相当の時間を要しており、実習期間中に認定に必要な項目をすべて評価することが困難である等の問題がある。

 ○ 介護キャリア段位は、OJTを通じて職業能力の評価を行うものであり、OJTは、事業所として自らが雇用する職員に対して職務を通じて行うものであることから、実習生等の職員でないものについては、対象外とすべきである。

 ○ 一方、現場教育というものを養成校在学中から経験させる仕組みの1つのツールとして、キャリア段位の評価項目を参考にしていくというモデルも考えられるのではないか、といった意見もあった。

 <介護場面が限られる場合の扱い>

 ○ 事業所のサービス種別などにより、介護場面が限られ、すべての評価項目に対応することが困難な場合がある。

   例えば、通所介護等においては、評価項目のうちターミナルケア等の事象が生じるケースが少ないため一連の評価が終了するまでに時間がかかっている。

 ○ 現在、入浴介助や食事介助等の場面別に認定する仕組み(ユニット認定)もあるが、現行のユニット認定を組み合わせてもレベル認定とならないため、ユニット認定の取得数が一定数に達した場合にはレベル認定を行うなど、より柔軟な対応を可能とする見直しが必要である。

 <評価基準のレベルについて>

 ○ 内閣府における検討過程においては、当初7段階のレベルが想定されていたが、介護キャリア段位については、これまでレベル4までにおいて認定を行うものとして運用されてきたところである。

 ○ 現在の仕組みは、介護事業所・施設に基本的に求められるサービス水準の下で職員に期待される実践的な介護技術の取得を支援し、評価するものとなっており、その基準がレベル4まで設定されている。

 ○ 介護事業所・施設として、職員に対するOJTを通じた評価を行うという介護キャリア段位の性格に鑑みれば、今後も当面の間、従来通り介護事業所・施設に基本的に求められるサービス水準であるレベル4を上限とした仕組みとして進めていくことが適当である。

 ○ この際には、内閣府で行われてきた事業の枠組みに必ずしもとらわれず、名称についても変更してはどうかとの意見があった。

 ○ 一方、レベル5以上は、地域連携やマネジメントに必要な高度な専門性を持った人材と考えられており、そのような人材の評価については、将来の課題として位置づけてはどうか、といった意見があった。

(2)外部評価

 ○ 外部評価の仕組みは、内部評価の適正性を確認するものであるが、介護事業所・施設を評価するという面があり、外部評価結果を職員の介護技術を評価するレベル認定委員会で判断することは困難な状況である。

 ○ レベル認定後の事後評価によって認定の取消しができる仕組みは、雇い主である事業所の不備を職員の責任に問うといった面もあり、人材育成の観点から馴染まないとも考えられる。

 ○ このような現状を踏まえ、外部評価として取り組むことは見直し、改めて、外部の専門家を活用した介護事業所・施設内の人材育成の取組みについて、助言・指導する仕組みとすべきである。

 ○ 具体的には、介護事業所・施設の人材育成の取組みに対して、外部から支援する仕組みが考えられる。

(3)介護キャリア段位の活用

 <活用の考え方>

 ○ 先進的な人材育成の取組みとして、意欲的な介護事業所・施設がその意向に応じて活用できるような仕組みとすべきである。このためにも、キャリア段位を含めた人材育成に取り組む介護事業所・施設に対する支援策が活用されるよう進めていくべきである。

 ○ 介護事業所・施設内における人材育成の仕組みが構築されていないところが導入しやすくすることや、独自の人材育成の取組みを行っている介護事業所・施設が、その取組みの改善の参考として活用されるようにしていくことも求められる。

 <評価結果の活用>

 ○ 処遇改善については、それぞれの事業所・施設が職務・職能等級資格制度など様々な取組みを行っているが、レベル認定を受けた職員、アセッサーとなった職員といった評価された職員を処遇と結びつけている事業所もあり、処遇改善の一つのツールとしている例もあった。

 ○ また、介護サービスの利用者から、介護サービスを直接提供する介護職員の介護技術が客観的に認識できるような工夫も必要である。

5 今後に向けて

 ○ 介護キャリア段位は、今後も先進的な取組みとして期待されるが、このような取組みで得られた成果や課題については、介護人材の育成を含む介護の質の向上に幅広く活かしていくことも求められる。

 ○ 介護人材の育成に関しては、介護人材の類型化・機能分化や介護福祉士の養成・教育の在り方など様々な課題があることから、介護キャリア段位の取組は、これらと整合性を持って進めていく必要がある。

 報告書の内容については、以上でございます。

○田中座長 読み上げ、ありがとうございました。

 ここから委員の皆様方からの御意見を伺います。どうぞ挙手の上、発言をお願いいたします。

 鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員 前回から見れば一定の改善はされたと思うのですが、基本的な考え方として、現在の仕組みを基本的には温存したまま対象を限定していく方向なのか、それとも現在の仕組みを簡略化して普及していく方向なのか、それが曖昧な気がします。何となく現在のやり方を温存したまま、かつ、普及もしていきたいというのがにじみ出ているような気もするのですが、これまでの意見を踏まえれば、必ずしもそういう話だけではなかったと思うので、仕組みを温存して限定するのか、簡略化して普及していくのかを全体としてもう少しはっきりさせたほうがいいのではないかと思います。

 例えば具体的な表現として曖昧に感じるところとしては、いろいろな意見がありながら4ページの4行目の後半では「人材育成の仕組みとして受け入れやすいものとなっているところである」として、非常に肯定的な評価をしているように考えられます。

 一方、同じ4ページの下、3分の1ぐらいの<目標について>の1つ目の○の4行目のところでは、「キャリア段位の取組みの中で分かってきたこと、必要性が認められてきた」というように、課題の部分は「分かってきたこと」という中立的な言い方に直しているように考えられます。

 5ページの3の3つ目の○の最後のところに「人材育成に取り組む際に何らかの目安となるものが必要である」とあります。これも目安というよりは参考という感じではないかと思うのですけれども、その辺が使って欲しいというのがにじみ出ているような気がいたしますし、それはその次の○のところで、キャリア段位の基本的な内容はそのまま4つのポツで入れてあるということからもうかがえると思います。

 6ページの4の2行目のところに「更に効果的かつ効率的な実施と普及を進めるため」とあるように、全体としては、基本的なところはできるだけ温存しながら普及をしたいと考えているように私には読めるので、簡略化するのであれば、その意図がはっきりするようにした上で、使い方についてはあくまでも参考ということがわかるようにしないと、全体としてわかりにくくなったために結局どのように使ったらいいか現場で迷うのではないかと感じました。

 以上です。

○田中座長 お答えを求められますか。

○鈴木委員 ぜひお願いします。

○田中座長 では、事務局から、全体の方向性についての御回答がございましたらお願いします。

○辺見振興課長 基本的には、人材育成に関しての取り組みとして、これまで先進的なものとして行ってきているということに鑑み、基本的な人材育成の取り組みについては、事業所ごとにそれぞれの考え方でさまざまな取り組みがあるところではございますけれども、そうした中で、活用をしたいという事業所においては、できるだけ活用しやすくなるようにという観点からの簡略化の必要性というものを特に4番のところを中心にまとめさせていただいたところでございます。

 そこのところは、報告書の考え方を通して、この介護キャリア段位を全ての事業者について同一的に同じような方法で取り組まなければいけないという考え方ではないのだということは、全体を通じて注意して書かせていただいているつもりでございますので、あくまで目安という言葉なのか、参考なのかという言葉についての表現についても、いずれについても目安という言葉もそれをもって全てのところが同様にやるという趣旨ではございませんで、語感からどういう印象を受けるかという違いはあるかと思いますけれども、基本的な考え方としては、これを強要するものではありませんが、先進的な取り組みとして行ってきた実績を踏まえて、時間がかかるといったようなことを改めるような簡略化を行っていくといったようなことが必要ということでございます。

○田中座長 ありがとうございました。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 それなら、先ほどの5ページの3の3つ目の○のところは、目安が別に参考でもいいということですね。確認をしたいと思います。

○田中座長 関連して、小林委員、どうぞ。

○小林司委員 ありがとうございます。この3つ目のところで、関連はするのですがその前にこの文章の意味を念のため確認させてください。

 ここはキャリア段位の取り組みを踏まえた人材育成の考え方についてという章で、人材育成の方法が書かれていますが、キャリア段位の仕組みを単純に全国共通のものにすればよいというものではないとあって、構成員の皆さんのようにわかっている方はいいのですけれども、キャリア段位そのものが全国共通としなくてもよいというように読む方がいるのではないかなと懸念します。ここの文章の意味を改めて、何が全国共通のものにすればよいというものではないのか明確にしていただきたいと思います。

 その上で今の論点でございますが、何らかの目安ということについて、むしろ私はたった目安でしかないのかと思ったぐらいでして、やはりせっかくよい仕組みをつくったと思っていますので、それを活用しない手はないと思います。確かに人材育成の方法としてそれぞれ事業所が取り組めるところ、独自でやれるところがあるのかもしれません。ただ、それを全体的に広げていくことをなぜ否定しなければならないのかということについては疑問が残ります。むしろ私としては、ここはもっと強調すべきであり、目安というのでは言葉は弱いのではないかと思いますので、そういう意見もあったことを勘案して御検討いただきたいと思います。

○鈴木委員 ちょっといいですか。私が質問しているときにその答えがないうちに話をされたのは失礼だと思いますけれども、私は目安でも強いと思うので、もっと弱くすべきだと思います。私はこのキャリア段位制度がいいとは思っていませんので、全体として進めるのであればもっと簡略化して、あくまでも参考として、何も人材育成の仕組みがないところが導入するのであればこれを1つの参考にしてくださいという程度にすべきだと思うので、そういう意味では、私は目安でも強いと考えております。

○田中座長 意見は両方ありました。今の3つ目の○の前段に関しての意味がよくわからないという御質問がありましたが、いかがですか。

○辺見振興課長 まず、3つ目のところの趣旨でございますが、介護キャリア段位の仕組みを単純に全国共通のものにすればよいという表現は、確かに介護キャリア段位の仕組みを共通のものにしていくかどうかというように読めるという御指摘が1つあったかと思いますが、この意味するところは、人材育成の方法を介護キャリア段位の仕組みで全て全国共通にしていくという意味ではないということを本検討会の議論の趣旨を踏まえて記載したものでございますので、確かに御指摘のとおり、2つの意味がとれる可能性があるということでございますので、その点について、少し表現の工夫を考えてみたいと思います。

 もう一つ、目安及び参考のところに関しての御議論があったかと思いますが、ここで目安ないしは参考としてなるものというものとして想定しておりますのは、キャリア段位自体の話をしているわけではなくて、人材育成の方法というのは事業者それぞれでいろいろなやり方があるという中で、しかしながら、何らか共通でこういったことが大事だといったようなものも必要なのではないかという御議論もあったかと思いますので、そういう点を書かせていただいておりますので、ここで目安というようにして介護キャリア段位が目安になるとか、介護キャリア段位が参考になるのかということで記載をさせていただいているわけでは必ずしもございませんが、このパラグラフの趣旨を踏まえて、どういう表現がいいのかということについて御意見をいろいろいただきましたら、それをもとに検討させていただきたいと思います。

○田中座長 ただいまの課長の説明で大分理解できましたが、いかがでしょうか。

 国政委員、お願いします。

○国政委員 先ほど鈴木委員のおっしゃった、私も簡便化のイメージが知りたいなというように思いました。改善レベルの簡便化なのか、それとも今かかっているパワーの半分ぐらいでできるものに変えていかれようとしているのか、そのあたりがわからないので、どのぐらい普及するかということがその後、読みにくいなという気はいたしました。

 もう一つ、評価項目自体の見直しの中で、以前に確認できたというように私自身は思っていたのですけれども、今回は個人のスキルを評価するものであるべきですので、評価項目の中自体に事業所の要素が非常に入っている項目についても一旦見直しの中に入れていただきたいと考えました。特に地域の連携などがそれに当たると思いますが、そこは御考慮いただきたいと思います。

○田中座長 前段は質問ですか。どの程度の簡略化を図るか、そのめどがあるかどうかですね。いかがでしょうか。

○辺見振興課長 介護キャリア段位の事業ですけれども、平成27年度、本年度から介護職員の資質向上促進事業という形で公募を行いまして、その要綱に沿った形で取り組みを行っていただく、こんな形で公募をいただいて取り組んでいただくという仕組みでやっております。報告書の中でも少し記載をさせていただいていますけれども、ポイントとしては、これまでの事業実績を踏まえて、先ほどレベル認定者数の紹介をさせていただきましたが、1,200ということです。1年前にさかのぼると800700かそのくらいだったと思うのですけれども、それの数が増えているという中で、どういったところで工夫ができるのかということが、その数が増えたことによってわかってくる部分があると思いますので、そういったものではまだ始めて間もないところでございますので、そういった実績を踏まえて簡素化をしていくということが1つと、もう一つは、最初に申し上げましたように、一定の要綱に沿った形で、公募に応じた事業者が行っていくということですので、その具体的な工夫の仕方については、実施事業主体において工夫をいただくようにお願いしてまいりたいと考えています。工夫の考え方については、先ほど申し上げたとおりです。

○田中座長 村上委員、どうぞ。

○村上委員 3ページの効果についての部分と9ページの評価結果の活用の部分で、処遇について少し触れていただいています。今後は制度の具体的な再設計とともに、制度の浸透方法についても議論されるのではないかと思うのですが、私ども働く者の立場からは、今までも申し上げているのですが、レベル取得と処遇が結びつくということが最も効果の高い浸透方法だと考えています。また、そうした浸透の結果として、レベルに応じた賃金相場が形成される、そういうことを望んでおります。ぜひこうした視点も考えていただきながら議論していただけるように要望したいと思います。

 それと今回の検討会において特に意見が多かったなと思うのが、アセッサーが内部評価を行うときに介護事業所施設にとって相当の負担となっているというところだと思うのです。先月、アセッサーの資格を持つ小規模多機能で働く私どもの組合員とお話をしたのですけれども、業務にもすごく支障が出るというほどの相当な負担になっているようでした。介護は在宅重視と言われているのですが、在宅サービスでのキャリア段位制度の普及というのは、施設以上の負担が発生するのではないかと思います。今後、効率化の具体的な設計を議論されるときには、人材不足で代替要員をお願いすることも非常に困難であるという訪問介護の事業者でもキャリア段位制度に取り組みやすいシステム、普及しやすいシステムにしていただきたいと思います。

 以上です。

○田中座長 両方とも御要望というか今後の期待ですね。ありがとうございました。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 今の村上委員の御意見に絡めてということなのでございますが、介護職員、1点は細かい表現になるのですけれども、5ページ目にあります4番目の○の中にキャリア段位の取り組みを踏まえればということで4点書いてあると思うのですが、1点目、2点目、3点目、そのとおりだと思いますが、4点目がとり方が人によって違うのかなと思います。私は、これは職場におけるキャリアパスの明確化というのを素直に読みますと、まさに村上委員がおっしゃったような、段位制を適用したことによって職場の中でそれをキャリアパスとして生かしていると読めてしまうのですが、そういう話は余り聞いたことがないし、この委員会でもなかったように思いますので、あるとすれば技術取得レベルを確認できるというのはあると思います。むしろ村上委員がおっしゃるように、これがキャリアパスといったものとリンクしていくといいなということになると思うのですが、ついでに細かいことを申し上げさせていただきますと、9ページのところにそれにつながるような文章がございまして、<評価結果の活用>というものがありまして、最初の○、「処遇改善については」という文章で、本当に細かくて恐縮なのですが、「職務・職能等級資格制度」という言い方はしないといいますか、職務等級制度というのと職能資格制度というのはありますけれども、あとは役割等級制度というのはあるのですけれども、これは正確に使っていただいたほうがいいかなと思います。

 今、申し上げた段位制がきちっとそういった評価に結びつくといいなということもあるのですけれども、手間もあるということに関して含む話になるのですが、そもそもこれを導入するということが介護職員、働いておられる人にとって手間が増えるばかりという話ではないというように思っておりまして、というのは、介護労働安定センターがずっとやっております調査で、職場での人間関係との悩み、不安、不満等というのがありまして、ずっと項目として高いのが、単なる人間関係ではなくて、ケアの方法等についての意見交換が不十分であるとか、部下の指導が難しいという項目が高く上がっております。そもそもベースとしてこういった共通理解といいますか、体系的な技術みたいなものがあれば解消していくというものが今の職場の人間関係等の悩み、不満、不安であるという、これは幾らそこの技術体系が統一されても、医師や看護師でも医療観、看護観という違いがあるのでそういうぶつかり合いはあるかもしれませんが、教わった人によって介護のやり方が違うとか、あの人にはああ言われるといったようなことでの人間関係の話をよく聞きますので、そういった面で介護職員にとっても、職場で介護に専門性を感じて仕事を続ける上ではこういったものがあったほうがいいのだろうという話は何か書いていただきたいなと思います。

 先ほど鈴木先生と小林委員のおっしゃっておられたことで言いますと、私の個人的な意見は目安より上でいいのではないかと思うのですが、ただ、鈴木委員のおっしゃることも非常に説得力があります。私自身は、私の知る限り、いろいろな職場を見させていただいて段位制に当たるようなものはなかったものですから、段位制というのは1つのいいやり方だろうと思いますけれども、どこかにあるのではないか。あるのであればそちらのほうがいいかもしれませんというようなこともあるかもしれませんので、まず段位制というものが1つ形としてできつつあるということですから、これと他にどういうことがやられているかとか、あるいは段位制の簡略化ということで、およそもう小山委員とか筒井委員のほうではこういうようにというお話があったと思うのですが、実際に現場でやられているものではどういうやり方があるのかとか、現場でやるとすればどういったものがあるかという検討は必要なのではないかなと思います。

 そこら辺の意見がどちらかといえば多くの人たちは段位制がいいのではないかと言っておられて、鈴木委員がおっしゃっておられるように、鈴木委員は、でもそうではないのではないかといったような一致を見ていないと思いますので、検討が必要であるということになるのではないかと思いました。

 以上です。

○田中座長 言葉のテクニカルな改善等、御提案がありました。また今後のあり方についての指摘もいただきました。

 他にいいですか。

 小林司委員、どうぞ。

○小林司委員 たびたびで恐縮でございますが、今の9ページの処遇の部分です。評価結果の活用についてというところで、この部分は処遇改善という言葉を今後の活用の中に一言入れていただいたのですけれども、ここは事例紹介にとどまっているのは非常に残念です。今、介護の人材確保が非常に大きな課題になっているという中で、メッセージをきちんと出すべきではないかというように思います。離職防止ですとか定着を図っていく上で、この処遇改善というものはやはり改善すべきポイントだと思います。その意味で、このキャリア段位でレベル認定を受けた職員、アセッサーとなった職員といった評価をされたことを処遇と結びつけていくことが期待される、あるいは求められ、さらに現在の状況としては人材確保が大きな課題だということと結びつけてきちんと書き込んではいただけないかと要望いたします。

 また、次の「5 今後に向けて」というところについても申し上げれば、最初の「1 はじめに」にも書かれていますとおり、この検討会は、介護職員のさらなる資質の向上に向けてということも検討目的の一つでありました。介護人材の育成を含む介護の質の向上に幅広く生かしていくことも求められるというように書かれてありますが、ここも捉え方の問題かもしれませんけれども、介護職員のさらなる資質の向上あるいは底上げといったことに向けて活用していくということを書き込んではどうかと思っております。

 以上です。

○田中座長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 今の小林委員のお話や先ほどの村上委員のお話にもありましたが、介護職員の処遇改善は絶対必要だと思いますけれども、ただ、このキャリア段位制度がそのための唯一の評価の仕組みであるというような誤解を招くことは避けるべきだと思います。処遇改善をしないと職員が集まりませんから、それぞれの事業者がそれぞれのやり方で処遇改善に必死の努力をしているという現状があります。ただし、そのやり方にはいろいろあるので、このやり方があたかも唯一のやり方であるというような誤解を招く表現は避けるべきだと思います。あくまでもここは中立的に記載すべきだと思います。

○田中座長 岩村委員、お願いします。

○岩村委員 ただいまの処遇改善のところに関しましては、私どもとしても、まさにさまざまな取り組みをやっているということが重要だと思ってございますので、原案どおりでいいのではないかなというように思います。

 以上です。

○田中座長 世の中のムードでも処遇改善を図らなくていいと言っている人は誰もいないと思いますので、これはほぼ国全体の理解ですね。この仕組みのみならず、あらゆる仕組み、あらゆる努力をして向かっていく方向は共通の理解にほぼなっているのではないでしょうか。

 山田委員、どうぞ。

○山田委員 前提的なことでお聞きして申しわけないのですが、この報告書自体というのはどういう性格のものか、というか、これは当然いろいろなことが書かれているが、今後この内容をどういう形で反映していくのか。

 というのは、中には一定の方向性を書いたものと、こういう意見もあったという表現もありますので、そういうものをどういう形で実際のところ反映していくのかというのはどうお考えなのか、前提として聞きたいのです。

○田中座長 今後の取り扱い等について説明をお願いいたします。

○辺見振興課長 介護職員の資質向上促進事業につきましては、平成28年も実施をする予定としておりますので、その事業実施の中でこの報告書で指摘されていることを活用していくというのがまず直接的な活用方法でございます。そのほか御議論の中でも幅広く人材育成ないしは人材確保という観点から重要性、その介護福祉士の養成にかかわるような御議論についても御意見をいただきました。

 これは私ども介護保険法の仕組みの中だけではなくて、福祉人材の確保はさまざまなところで議論が行われることになりますので、そういったところで成果を活用していくということになってきますと、そちらはすぐ直接的にというよりも、そのタイミングを見ながら活用していくということになっていると思います。

○山田委員 本来は最後ぐらいに言うべき話なのかもしれませんけれども、明確に反映されるようなところはわかりました。でも、それ以外のところも結構いろいろ議論したものなので、私自身は介護キャリア段位自体には内閣府のときから関わっていて、ものすごくこれは先進的なものと評価している。中身はいろいろ議論があると思うのですけれども、1つの形として残していくのが望ましいと思っていますので、何らかの形で、例えば、フォローアップのようなのを年に1回するとか。あるいは意見もあったという形になっていますけれども、場合によっては数値目標みたいなものも一定程度議論して入れてもいいのではないかな、というように私自身は考えております。

○田中座長 御主張は理解いたしました。ありがとうございます。

 田中雅子委員、お願いします。

○田中委員 今の山田委員の発言を受けて、私自身もこのような検討会がある意味では介護人材の質の向上ということで、具体的にはどういう仕組みがいいのかといった検討をしたのは余りなかったのかなというように思っております。それにおいて1つの、国にはいろいろな事業所の取り組みも含めてそれが大事だということを示されたということが大事だと思うのですが、これは私のお願いなのですが、このような形で人材育成についての検討を進めていくと国が示しているのだというのは絶対大事なのかなと思っています。

 あわせて、今後の期待ということで、このキャリア段位について幾つかについてお話しさせていただきたいと思いますが、まず1点ですが、現在、アセッサーの集合講習というのは年1回開催されています。しかし、実際、これはいろいろな先生方もおっしゃいますように、そもそも人材不足の中でアセッサーは年1回しか開催されないし、講習会に出せることさえも大変だと。複数回開催していただけないかということで、より多くの、しかもなおかつアセッサーの数がなかなか増えないという議論もあったわけですから、そういう意味でアセッサーを満たすためにも複数回受講するといった機会も得られるような機会を増やすことも大事だと思いますし、また、受講のしやすさ、こういったことも検討すべきではないかなと思います。

 しかし、現体制の中においては、受講のしやすさについてどこで検討するのかといったことは、あくまでも公募で出されたシルバーサービス振興会で行っていいのかどうか。それさえも明確ではないわけですから、そのあたりをどうするのかというのが懸念されるところであります。

 また、アセッサーの方々も1万人を超えたわけですけれども、これは参考資料の中にありますように、平成24年度から26年度は内閣府でした。しかも、私もこのとき関わっておりましたけれども、24年度、25年度はアセッサーの講習会をしたけれども、その後、必ず内部評価をしなさいといったことについてはされてこなかったのです。ですから、当然どうしても、この24年度、25年度のアセッサーの方々については、その後も実際やっていないわけですから、質ということについては、アセッサーも講習会をやったけれども、それでいいということはなかなかならないと思っています。もちろん、今後もそういうことがあると思うので、そういう意味において、アセッサーの質の向上のためにもフォローアップ講習、そういったものの支援策を講じることも必要ではないかと思います。

 もう一点でございますが、平成27年度においては、厚生労働省においては、各都道府県に対して、俗称なのですが、医療介護総合確保基金を活用して、そういったアセッサーの受講を支援した。こういった県が10県ぐらいあったかと思っておりますが、より積極的に国として都道府県にこういったアセッサー受講、あるいはそのことに対する都道府県の支援ということについて、積極的に周知していだけるようにお願いしたい部分でございます。

 これは報告書と関わることなのですが、そもそもの入り口は、認定介護福祉士のことも少し触れておりました。もちろん議論の段階において、現段階において認定介護福祉士は生まれていないわけですから、当然レベルの設定の中にモデル分けがありません。ですけれども、これで終わるのではなく、ここにもありますように、もう既に昨年12月に認定介護福祉士の認証機構も立ち上がったというように聞いておりますので、今後、売り出す可能性のある、そういった認定介護福祉士でございますので、そのあたりの将来を見つめた形での、こういったことも含めて検討する場が今後必要ではないかなというように思います。

 以上です。ありがとうございます。

○田中座長 介護はこれからも進化し続けますから、決してこれで終わるわけではなくて、今後も新しい制度や新しい技術が生まれること、また取り組みが進んでいくことをもちろん期待いたします。ありがとうございます。

 小山委員、お願いします。

○小山委員 報告書は細かい語句はともかくとして、大変よくまとまっていると思うのです。最初に「はじめに」で、27年から厚生労働省においてキャリア段位取り組みの実施の事業者に対する補助事業、本取り組みとして実施していると言われたので、28年にやめると書かれなくてよかったと思っておりました。つまり、続けると書いてあるわけです。

 中のことはともかく、一番最後はいろいろな課題があるけれども、介護キャリア段位の取り組みをこれから整合性を持って進めていく必要があるというと言っていただいて大変立派な報告書で、ここだけ読んだらもうこの会は終わりでいいのかなと。

 課題なのですけれども、済みません、細かいことを言い出すと、精神的に細かいものですから細かく言ってしまいますが、まず本当は議論を失敗してしまったのだと思うのですが、レベル認定の2というのがあるのです。2の1、2の2というのがあります。それとレベル認定の3と4というのがありますが、レベル認定の2の1と2の2と3と4を分けて議論するべきだったと思う。えらい反省をしています。

 レベル認定の2の1と2の2の質問項目及びアセッサー項目に対してほとんど文句はないはずです。今まで認定された人の今日のデータでも93.5%はレベル2の1と2なのです。これはほとんど問題がない。そういうように書いてもらえなかったので、もう遅いので言いませんが、この部分は問題が何だというと、レベル認定の3と4の項目について集中的に見直さないとそこがすごく引っかかるし、現場でもすごく困るわけです。何度も言いましたけれども、終末期のケアというのがレベル4に入ってきますから、お亡くなりになる人がいない限り、レベル4は申請できないわけです。だから時間がかかる。感染症の発症というものにどういうように対応しましたかというと、感染症に発症した人がいなければ対応は書けないわけですから、やっていることを確認する。それはレベル2にはないわけです。だから、私の作戦ミスです。レベル2の1と2の2と、3と4は別の議論をするべきだったのに、全部一遍に、片方は介護キャリア段位はいいよと言っていただいて、片方はだめだと言っていただいて、それはどちらでもいいのですけれども、同じことだと思うのです。私はいいか悪いかの問題ではなくて、議論のやり方として本当はみんなアセスメント項目も知っていて、具体的に全部の内容はわかっているという議論だったら、そういう議論になります。

 審査の簡素化というのは、もう作業は進めておりますので、今回言われて結構つらいのです。でも課題も明らかになって、局長もいらして、いっぱい課題があるのだから、おまえらやれと言われたので、やってよかったと思って、今まで昨年の4月からきょうまでの間1年間、誰からもどうしろと言われずに勝手にやっていた私としては、明日から思い切ってやれるので、本当にどうもありがとうございました。

○田中座長 筒井委員、お願いします。

○筒井孝子委員 報告書は私もよくまとまっていると思います。

 ただ、1点、これは前に追加すべきだったなと思うのですが、5ページのところですけれども、人材育成の方法の多様性を認めた上で、これまでの介護キャリア段位の取り組みを踏まえればという4つあって、もう一つ重要な点として、技術教育をする仕組みをつくったということがあると思うのです。これは普遍的な方法にしたということだと思うのです。

 つまり、このキャリア段位のアセッサー研修、外部審査委員研修、両方やっているのですけれども、その中の受け手となる受講者の方は、こういった研修を受けたかった、受けてよかったというのは90%以上を超えているのです。多分、研修に関して、このような事後評価をいただける仕組みは今までなかったのではないかと思うのです。

こういった介護の質の向上は、介護職員自身がやらない限りできないのです。外側から、おまえは向上しろと言われてもだめで、ここで先ほどから何度も議論になっていますけれども、負担が重いので何とかしてほしいというお話がある一方で、この仕組みに1万人以上の人が参加しているという現状を正確に我々は評価すべきだろうと思うのです。

つまり、こういった介護技術の手順ですとか体系化をした上での技術評価をする方法論ですとか、そういったことを彼らは学ぶ機会を現場に出てからは、この国では持つことができなかったということだと思います。

キャリア段位制度が、こういう機会を与えたということはとても重要であり、先ほど人材育成に取り組む際に何らかの目安となるものが必要であるという、目安なのか、参考なのか、指標なのか、いろいろ言い方があると思うのですけれども、これはある意味、本来はそれぞれの施設でそれぞれやっていたということに対して、これを普遍化して、別の言葉でいえば、標準化することで、提供した介護は確かに良かった、あるいは悪かったを評価する方法を持っていなかったわけですね。施設にこういう重要なことを任せきりにしていたわけです。

 こういうことに対して、職員自身は不安に思っていたわけです。その不安を取り除く教育ができたという、そのことに対してはよかったこととしてあげてもらいたいですし、先ほど田中雅子委員がおっしゃったように、受講の機会というのを広げていってもらうということは必要なのではないかというように思っております。

 もう一点、先ほど受講生が望んでいることとしてつけ加えたいのは、外部審査というか、自分たちの職場に外部の人が来て指導してもらえるのはありがたいということを言っているということなのです。「来てほしい」という言い方をしている。それが内部では見つけられない課題とかというのを外部の方が指摘してくれる。それを制度的に保証するという仕組みはこれまで余りなかったわけですね。

とくに介護技術については、ということでしょう。ですから、これは個人のスキルを評価するという観点ももちろんありますけれども、それぞれの施設の研修、技術研修のあり方ですとか、それを一般化していくための方法論を国がきちんと示すという意味では、使いやすい制度になるので有効に活用するというぐらいの感じのスタンスがよろしいのではないかと思いました。

 以上です。

○田中座長 個々人の評価を超えて技術の標準化、まさに科学性に向かっていることを強調していただいて、大変助かりました。ありがとうございます。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 今の筒井(孝)委員の外部からそういう技術のやり方なり指導なりというものが入るということが大きかったというお話で、8ページに(2)外部評価というのがあるのですが、私も報告書はよくできていると思うのですけれども、ところどころどういう意味だったかと疑問に思うというところがあります。4つ目の○があるのですが、具体的には介護事業所・施設の人材育成の取り組みに対して、外部から支援する仕組みが考えられる。その上は助言・指導とする仕組みとすべきであると書いてあって、この下では具体的にと書いて具体的になっていないものですから、ぜひ具体的に例えばスーパーバイズをする仕組みであるとか、技術指導に関してスーパーバイズするとか、そういったようなことを書いていただければ、どういう仕組みを入れるのかがわかるのではないかと思いますから、ぜひこの辺りを少し書き入れていただきたい。

 書き入れにくいとすれば、この4つ目の○が余りにも意味がないので、なくてもいいのではないかと思いました。

 今後に向けて、最後にですが、これは文章に生かしてくれということではないのですが、先ほど小山委員からお話がありましたように、整合性を持って進めていく必要がある。ここでいろいろ読み込んでお願いできるのかなという気がしておりますが、やはり人材育成ということで、これまで厚労省もいろいろなことに取り組まれた結果として、いろいろなものがたくさんある状況がございます。

 ここでは介護福祉の養成教育というようにうたっているのですが、前に申し上げましたが、介護福祉士、例えば養成校を出た方が新卒で就職したときにどのような技術指導を受けるべきかという話と、全くやったことがない方にどういう指導をするかというのが全く違う。そういう専門職としては非常に不思議な状況に置かれているわけで、この研修や教育をどういうようにやっていくか。

 筒井(孝)委員がおっしゃったように、技術指導といいますか、技術をどう教えるかということができてきたわけですけれども、それをどう教えるのかというようなこととの整合性がとられるべきですし、以前申し上げましたように、今の介護保険法令の中で、省令では体系的な研修をやれとはどこにも書いていない、教育をやれとはどこにも書いていないということなのですけれども、例えば施設のサービス提供体制加算であるとか、特定事業所加算、訪問介護、ここでは計画的な研修をやりなさいというように書いてあります。

 今、キャリア段位制はたしか処遇改善加算に関して1つのやり方として認めているということがあると思うのですけれども、この研修計画をつくりなさいというのも例えばキャリア段位制を活用するものを認めるであるとか、あるいはこれは気が早いかもしれませんが、今の通常国会で技能研修制度の法律が通りましたが、恐らくその後、介護というものが対象になりまして、1から2に関する2級技能研修みたいなものを検討されるということになるのだと思うのですけれども、その中に老施協では段位制を当ててはどうかという議論をされてらっしゃると思うのですが、段位制だけを当てるという話には鈴木委員がおっしゃったようにならないかもしれないのですけれども、段位制というのが1つの制度としてこういうものを認めるよといった形で、いろいろ今ある制度といいますか、今、例を2つ申し上げましたけれども、いろいろなものの教育とか技術を指導するというものに関しては、この段位制が1つの目安以上であると私は思っていますので、目安以上であるというお示しの仕方をしていただけると、整合性という話にもなりますし、段位制というものをどういうように制度として使っていくかというのが見えてくるのかなという気もいたしますので、報告書に書いてくださいということではないのですけれども、何となくそういうイメージが共有できたかなと思っております。

 以上です。

○田中座長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 今、小山先生と藤井先生のお話を聞かせていただいて思ったのですけれども、やはりこの仕組みを1つの施設の全ての職員に適用させるのは無理があると思うのです。それは仕組み自体が非常に複雑で時間がかかるということもありますけれども、もともとの職員のレベルが違うし、仕事の内容も違っているからです。これからもっと違ってくる可能性もあります。そういう場合については、9ページの最後のところに「介護人材の類型化・機能分化」と書いてあったので、そこで読めるのかなとも思いましたけれども、どういう人に使うのか。例えばある程度キャリア・アップをしていってほしい人、したい人、そういう人が使う仕組みとして、一部の人に使うとかいろいろな使い方があると思うのです。

 その辺が見えてこないことが問題なのだと思います。先ほど小山先生がお話になったように、レベル2の1、2の2とレベル3、4では随分違うのだという話もありました。先進的ではあるのだけれども、底上げ的なものであるとすれば、もっと簡略化すべきだろうと思います。中身の簡略化の問題と、その対象の問題は裏腹の問題だとも思いますけれども、その辺をどうするのかが見えないということです。今回、私にはできるだけ温存しながら、かつ推進というように読めるのですけれども、簡略化ということであれば、具体的に今後どのように取り組んでいくのか、普及ということであればどのレベルへの普及なのか。いろいろな仕組みがある中で、あくまでもその一つということにすべきだと思うのですが、それが見えない報告書になっていて玉虫色的な感じがするので、その辺をもう少しはっきりさせたほうがわかりやすく、現場の方々にとっても参考にしやすいのではないかと思います。

 以上です。

○田中座長 山口代理ですね。

 どうぞ。

○山口代理 日本介護福祉士養成施設協会の山口です。

 本日は、小林会長の代理ということで出席させていただいております。

 私、第1回の検討会におきまして、介護福祉士養成施設の学生を福祉施設に実習に出向いたときに内部評価の対象とするのはいかがなものかということで検討していただくようお願い申し上げましたけれども、今回の取りまとめ(案)におきましては、実習生については対象外とする方向でまとめていただいておりますので、ありがとうございます。

 養成校の実習生というのは介護福祉士を目指して勉強をしている途中の学生でありますので、介護実習は養成過程の途中の段階で、課題を持って福祉施設に出向いているわけですので、この段階におきましてはわかるという評価を受けるまでには進んでいないわけでございます。言いかえますと、評価を受けられない状態にあるわけでございます。一言で言いますと、学生は介護福祉士の卵でありまして、殻を破って外に出ていないわけでございますので、評価の対象から除いていただくことを重ねてお願いいたします。

 以上でございます。

○田中座長 山田代理、お願いします。

○山田代理 当たり前の前提だと思いますので、取りまとめの中にもあえて書かれていることでもないし、議論されてきているわけではないと思うのですが、このキャリア段位制度そのものというのは、やはり介護職員のためのものではないし、職場の事業所のためのものではなくて、あくまでも介護を受ける方々のため、また、御家族のためのものなのだということを、これは活用していく中で頭の片隅で忘れないようにしていかないといけないのかなと思うのです。

 今、いろいろいと虐待その他、マスコミでもいっぱい報道されておりますけれども、多くの方々が福祉、介護に対しての不信感だとか不安というのを持っているのだと思うのです。ですから、その中で、こういう段位制度などを活用して、介護職員の質の向上を図っていかないといけないのだと、もっともっと高めていかなければいけないのだということをみんなが共通認識を図ってこれをうまく活用していくということが求められているのだと思うのです。

 当然、質の向上が処遇改善にもつながっていく。でも、処遇改善につなげていくためには、介護報酬も上げてくれなければ上げられないということも考えないといけないし、また、活用をしやすいようにするためには、ある程度簡略化する必要もあるでしょうし、ただ、余り簡略化し過ぎて、段位、上の段をとれればいいような形だけのものにしては元も子もないだろうしというように思うのです。ですから、ここの表紙にも書いてありますけれども、ただの介護職員ではなくて、介護プロフェッショナルになっていますので、やはり介護のプロというところが今、求められている中で、この制度が利用者のためのものとしてより充実した活用されるものとして位置づけられていくということを確認しておきたいなとしていて、その上で、この制度がもっと充実していけばいいなというように考えています。

 これはもう最初に言いましたけれども、当たり前の前提としてのことだと思うので、「はじめに」のところにも何も書かれていないのですけれども、それが介護職員のステータスのアップのためみたいなように捉えられてしまうと嫌だなというようにして考えました。

 以上です。

○田中座長 そういう御発言もちゃんと議事録に残りますし、世の中の人に伝わると思います。ありがとうございます。

 本間代理、お願いします。

○本間代理 平川会長の代理で参りました全老健の副会長の本間でございます。

 この参考資料の中で、レベル認定取得者が老健施設は342名という数字を見て、非常に責任を重く感じております。

ここ10年、業界全体として介護の魅力ということを忘れて、非常にネガティブなキャンペーンが多かったように思うのです。介護人材の確保や育成を我々全老健でも取り組んでおりますけれども、新規参入、新しく入ってくる介護の仲間たちを増やしていくためにも、介護の魅力というものを伝えていくことがこの制度の目的の1つになってほしいという願いもございます。是非この報告書の中に、この制度を通じて介護という仕事がもっと魅力的になっていくということを記載いただくことをお願いしたいところです。

 私どもの施設でも何名かおりますが、現場の介護職でアセッサーの取得者がいます。それはなぜかというと、他の資格を取るのではなく介護職として仕事を続けることに魅力を感じているからなのです。アセッサー講習受講者やレベル認定者として介護という仕事を伝授されていく人達が介護とは魅力的なものだということを忘れずにいてほしいのです。そういう意味でこの制度は現場で非常に期待されていると思います。

ただ、各委員の先生方から何回も出ているように、やはり書面等の簡略化が必要です。これに関してはぜひ簡便なものをお願いしたい。うちの職員に聞くと、書面等の作成に費やす時間が非常にかかって大変だったということを聞いております。魅力というものは、それを受けとめる人がいなければ成り立ちません。書面等の作成による手間によって魅力が半減してしまわないように、どうか一番、書面等の簡便化をお願いしたいのです。そこをよろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○田中座長 ありがとうございます。

 筒井恵子委員、お願いします。

○筒井恵子委員 老施協からお話しさせていただきたいと思います。

 このキャリア段位制というのは、先ほど技術教育の仕組みの普遍化と筒井孝子先生がおっしゃいましたけれども、画期的なものだと思います。これまで無かったきちんとした技術のレベルと方法論を整理し、スキルとしてまとめられた。ただ非常にケアの微妙な表現をするためには文章化に職員たちも悩むのですけれども、それをまた評価なさる先生方も長い文章を全部読んでいかれるというのは大変なことだと思うので、これからそういうところを少しある程度パターン化し、簡略化していっていただければと思います。

 それと、先ほど田中(雅)委員から、講習会を複数回というお話がございましたけれども、講習会を行っていない都道府県がまだたくさんございます。そういう意味では、その場所も少し増やしていただければと思います。

 それぞれの項目において、これまでの論議されたことがよくまとめてあると思いながら聞かせていただきましたが、これが進んでいくようにお願いいたします。

○田中座長 一当たり意見を伺いましたが、他にいかがでしょうか。

 どうぞ。

○小山委員 この検討会で静岡県の担当の課長がいらして研修の仕組みをされて、私は静岡県の介護予防推進委員会の委員長なのですけれども、この前、ありがとうございましたと、あなたはキャリア段位を知らなかったのと言ったら、知らなかった。どうしてかといったら、昨年の主管課長会議のときには内閣府がやっているというから頼むねぐらいしか言われなかった。

 要するに、前提として、3月7日に全国介護保険・高齢者保健福祉担当者会議というのをやっていただいて、初めて老健局さんのほうから、各都道府県におかれましては、関係者に改めて周知をおねがいしますと言っていただいて、本当にありがとうございました。県の担当介護保険の担当課長がキャリア段位を知らないという段階だということを前提としてお願いしますよ。別に何もやりたくてやっているわけではないですけれども、セクションが違えば知らないわけでしょう。厚生労働省として、もう一回言いますが、27年、去年の4月から老健局さんの所管に変わったわけですから、その老健局さんの主管課長で毎年主管課長会議で、去年の3月に行われているのですから、そんなことは一言も言っていないわけですね。

 ですから、都道府県について大変温度差があるということを1つ言いたいので、白黒つけられないではないですか。まだ内容で今日は初めて何とか直せよおまえと言われたので一生懸命直しますけれども、あとは都道府県にも普及啓発していただいて、悪いものだったら長続きしないのだと思うのです。いいか悪いか、好きか嫌いかはマーケットが決めることで、議論して決めるような話ではないので、私としては何も異存はありませんし、今後老健局振興課さんの御指導をいただいてすばらしい内容に変えていって、もちろん簡素化もしなければいけない。

 先ほどの藤井委員が言った外部評価のところも外部から支援するという形にしないとだめだよねと言ってもらったので、そうだなと思って、これは別にキャリア段位の外部評価のことを言っているのではないだろうというように私は読んでいますので、何度も言いましたけれども、去年の4月から厚生労働省に来て、まだ1年もたっていない。そこのときに検討会が行われた、簡素化をしろと言われた。外部評価については、少し考えろと書いてあるわけですから、もう一回言いますけれども、キャリア段位の他に有効なものがあって、もっといいものがあればキャリア段位でなくてもいいと思うのですが、キャリア段位以上に教育のOJTの仕組みとして、何かきちっとしたものがあるのですか。あるのなら下がります。でも、結局、いろいろ見せてもらって、今も調査もさせていただいていますけれども、1つ仕組みとしては面倒くさいとかいろいろなことがあるのですけれども、私は仕組みとしては検討していただいて恥ずかしくないものだと思っておりますし、できればもっと検討していただいて、中身も十分理解してもらってからまた2年後とか3年後にこういう検討会を開いていただいて、そこでデータもそろえますから、そのとき判断されればいいと思います。

 簡素化の話も制度温存と鈴木先生は言うけれども、別に制度を温存してもらっても私は65ですから何のメリットもない。やめていくからそうなのですけれども、私としては、キャリア段位はとてもいい仕組みだと思っていることは確かです。ただ、簡素化と言い出したのも私です。外部評価がけしからぬと言っているのも私が言ったことです。だから、洗いざらいまずいことについては、私どもがわかっていることをこの委員会で申し上げてきたわけですから、最終評価は介護現場で毎日介護していただいている職員の人と介護を受けているお年寄りたちとかがどんなものかということを評価するわけですから、それ以前に、今は簡素化してもう少し考え方を変えてやれよなという、本日報告書をいただいたので、4月といいますから、これが終わったらすぐに走ってみますが、そこでどこまで改善できるかというのをご覧いただいて、好き嫌いは結構ですから、慎重にもう一回検討いただくということぐらいの余裕もないような問題なのかどうかといったら、私は別にそんな慌てることは全然ないので、1~2年かけてシステムを改修して使いやすいものになって、例えばやり方としては、最初から4を要求してくるから無理なのです。

 だから、レベル2の1と2の2からどんどん全職員でとっていってくださいと、全然時間はかからないです。30人、40人、100人がレベル2の1、2の2をとるのは、もともとヘルパーの2級程度で介護福祉士より下なのです。ですから、出てきたばかりの介護福祉士さんよりも下のレベルでも2の1、2の2というのをつくっているわけです。ですから、私は結構しつこく言っていますけれども、去年の4月に来て厚生労働省へ移って1年間もたっていない、その間、システム改修しろとも、もっと簡便化しろとも誰も何も言わないで、この委員会ができたから思いっきりいろいろなことを言ってしまってしゃべり過ぎてごめんなさい。作戦は失敗したかもしれない。2の1と2の2を別に取り扱ったら、皆さんこんなものは当たり前だよねという項目ばかりなのです。

 ですから、ぜひ、今後、また私がどんなことをできるのかわかりませんが、大事な問題なので、1~2年間のスパン。2年間ぐらいくれるというのですけれども、2年間ぐらいの時間的余裕を見て、もしかしたらキャリア段位よりもいい教育ツールができるかもしれないので、できたらできたでやめればいいわけではないですか。ただ、今、現存するシステムの中で、これだけ細かく、やり過ぎていると言えばやり過ぎているから簡素化しろと言われているのかもしれませんけれども、考え方としてはロジックとしても、現場の評価としても別に悪くないわけで、食わず嫌いの人もいれば県の担当課長が知らない県もあるという現状で、これ以上議論してもしようがないのではないかと思いますので、今後に期待して、この制度に今後とも御支援いただければうれしいなと思っております。

 以上です。

○田中座長 どうぞ。

○鈴木委員 基本的にそれぞれの職場で職員の育成をするときにどんなやり方をするかということは、各職場で考えてやっているわけです。このキャリア段位制度は技術を評価する仕組みということですが、介護とはそもそも技術だけで割り切れる問題ではないので、そういう意味では介護の一部分の評価でしかないと思います。そこだけを細かく複雑にしたのがこの制度だと思うのですけれども、もう少し基本的なものをということであれば、介護全体を捉えた評価の仕組みもあると思います。私は、これは厚労省が出してきた制度の中で、前身が内閣府ということですけれども、これほど現場に負担を強いる問題のあるものはかつてあったのだろうかと思います。これは自己評価もされるのでしょうけれども、私は大幅な見直しをした上で限定的に使い、同時に、さらに検討を続けるということは必須だと思います。

○田中座長 これは強制するものではないことはたしかで、報告書にもそうは書いてありません。多くの方はこの制度に対する期待を述べてらっしゃいます。したがって、まだ1年目で広まっていないけれども、次の年、次の年度での簡素化や工夫を図りながら進行させて、もちろん使いたくなければ使わなくてもよい。別なさらなる科学的発見があればそれも行っていただいても構いませんが、今ここにあるものについては、使いたい人にとっては前進させていくという内容の報告書だと思います。特段、細かい技術的なことでは幾つか訂正があるかもしれませんが、この制度を使って世の中に何をするかをめぐる精神については、皆さん、今日言っていただきました。それは何も報告書に書かなくても大丈夫なような話だったと思います。

 どうぞ。

○山田代理 現実的に簡素化、簡略化という話が最初からずっとこの1年近く出てきたと思います。確かに負担が大きいし、アセッサーの負担というのは大きいのだと思います。ただ、私もずっと考えてきたときに、評価をするとか、育成をするというのは、時間も手間もかかるものなのです。ですから、評価するときに簡素化できるところは本当に簡素化すればいいとは思いますが、余りにも簡素化すると評価にならない、育成にならないという悩ましい現実もあるのではないかなと思っています。

 ただ、これでアセッサーが本来業務からこちらに時間がとられてしまうというレポートもあったと思いますが、8ページの活用の考え方のところにも書いているのですが、キャリア段位を含めた人材育成に取り組む介護事業所・施設に対する支援策が活用されるよう進めていくべきであるみたいに書いてありますが、この支援策というのは具体的に厚労省がどこまで考えてくれるのかわかりませんが、ただ、本当にアセッサーの業務、そちらに評価するところで育成するところで相当とられると思いますので、そこで報酬のところで加算がつくとか、そういったことも含めて負担軽減が図られることも、この辺の意味合いも入っての文章になっているかなと思ってはいるのですが、ただ、現実問題、評価したり育成するというのは手間のかかる悩ましい問題であるかなというのは思っています。

 以上です。

○田中座長 他に御発言なければ、一応一通り伺いました。皆様の御意見、ありがとうございました。報告書そのものではなくキャリア段位制度の社会的位置づけについてのそれぞれの御意見は必ず世の中に伝わると思います。

 報告書そのものについては、皆様からいただきました意見の中で技術的に直せるところを直す程度にとどめざるを得ないと思います。これは小山委員が強調されたようにまだ始まったばかりなので、今後どうなっていくか、さらに本格的に広まったときに改めて評価をする。あるいは万が一広まらなかったら、それはそれで評価をすることになるでしょうね。差し当たりは、この報告書という割と実務的な文書については事務局と調整の上でまとめさせていただくことになります。御一任していただきたいのですが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田中座長 キャリア段位制度のみならずさまざまな事業者の取り組みによって、介護の質が上がり、そして処遇改善につながっていくことについては、委員の中で誰も反対はないと常に感じております。さまざまな御議論を頂戴したことをありがたく存じます。

 最後に、事務局から発言をお願いします。

○辺見振興課長 10月から5回にわたりまして開催させていただきました。委員の皆様には活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日御欠席の委員もいらっしゃいますけれども、重ねて感謝を申し上げる次第でございます。御議論の中で、介護職員の処遇の向上の問題ですとか、人材の確保の問題、各般の御指摘もいただきました。来年度、平成28年度の事業の中で、介護職員資質向上促進事業を継続して行ってまいりますが、この中で今回の検討会でいただきました御意見、しっかりと反映させていただくとともに、介護人材を取り巻く各般の議論の中で、貴重な御意見を活用させていただければと考えているところでございます。今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。

 どうもありがとうございました。

○田中座長 これにてこの会を閉じることといたします。御議論、ありがとうございました。


(了)

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