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2015年12月4日 第3回保育士等確保対策検討会

雇用均等・児童家庭局保育課

○日時

平成27年12月4日(金)


○場所

中央合同庁舎第5号館6階専用第23会議室


○出席者

構成員

駒村座長 吉田副座長 井内構成員代理 池田構成員 伊原構成員
清水構成員 寺田構成員 西村構成員 宮崎構成員 宮本構成員

厚生労働省

朝川保育課長 楠目企画官 里平課長補佐 田野課長補佐 加藤課長補佐

○議事

○駒村座長 おはようございます。

 やや定刻より早いですけれども、構成員の皆さんがおそろいになりましたので、ただいまから第3回「保育士等確保対策検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様にはお忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。

 議事に入る前に、事務局より構成員の出席状況と資料の確認をお願いいたします。

○加藤課長補佐 おはようございます。

 構成員の出席状況ですが、本日は、秋田構成員、佐藤構成員から御欠席との御連絡をいただいております。また、井内構成員の代理で、車谷次長に御出席いただいております。

 資料の確認ですが、本日の資料は、議事次第と資料1から3まで、参考資料1、2となっております。また、席上に前回までの資料をファイルでとじておりますので、適宜御参照ください。

 資料の欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきたいと思いますので、報道関係の皆様におかれては御了承のほど、よろしくお願いいたします。

 以上になります。

(報道関係者退室)

○駒村座長 ありがとうございます。

 では、これからきょうの議論を始めたいと思います。

 これまで2回にわたる検討会において、保育士を初めとする保育の担い手の確保に向けた対策について活発な議論を行ってまいりました。本日は、これまでの議論を踏まえて保育の担い手の確保に向けた緊急的な取りまとめに向けて、事務局に案を作成していただきましたので、これに基づいて議論をしたいと思います。

 事務局からよろしくお願いいたします。

○朝川保育課長 保育課長です。

 まず、最近の状況を御確認いただければと思いますが、参考資料2をごらんいただきますと、前回以降、もう報道もされておりますけれども、1126日に一億総活躍国民会議で緊急対策の取りまとめが行われております。

 保育に関係する部分は、資料3の41ページ目をごらんいただきますと抜粋しておりますので、一応御確認いただきますと、4つほど盛り込まれております。

 1つ目は受け皿拡大ということで、これまで進めてきております「待機児童解消加速化プラン」、29年度末までに拡大量40万人ということでやってきておりますが、これを50万人に拡大しまして、認可保育所等の整備の前倒しを図るということが書かれてございます。

 2つ目でございますが、それに関連して、子ども・子育て支援新制度のもとで新たに小規模保育事業所の整備を支援するなど、認可保育所以外の多様な保育サービスの受け皿の整備を進める。また、近隣住民等に配慮した防音対策を支援する。

 3つ目は、企業側の取り組みとして、子育て支援への事業主拠出金制度の拡充により、事業所内保育所など企業主導型の保育所の整備・運営等を推進することについて、平成28年度予算編成過程において検討する。

 4つ目は、アンダーラインを引いておりますが、この検討会で最もかかわりのある保育人材の確保の部分でございます。保育士の人材確保を図るため、幾つか要素が盛り込まれています。

 1つ目は資格取得に向けた支援ということです。これは当初予算で保育士の養成校に通う学生さんに対する奨学金の貸付事業がございますが、5年間保育所で勤務すれば返済免除という仕組みがございます。そういったことが対応するものでございます。

 2つ目としましては保育補助者の雇用による勤務環境の改善。こちらは、保育所の保育士さんは働き方が非常に厳しい状況にありますので、できる限り現場に職員の数をふやしていくということが重要な課題になりますけれども、ここでは保育補助者をプラスで配置して勤務環境を改善していく、そういう支援をしていくということが書かれてございます。

 3つ目の要素としましては離職した保育士の再就業支援。こちらは具体的な例示がございませんが、潜在保育士さん、ほかの場所、どこかで勤めていらっしゃる方が多いと思いますけれども、資格を有しながら保育所で働いていない保育士さんは、推計すると70万人を超えていらっしゃるという状況にありますので、そういう方々にできるだけ多く復帰していただく、そのための再就業支援、そういったことをやるということが書かれてございます。

 4つ目の要素としましては、「また」以下で「資料作成等の事務を簡略化して保育士が専門性の高いサービスに専念できるようにICTの活用による業務の効率化を推進する」ということです。まだまだ保育の現場はいろんな手書きの書類が多いという現状にございます。保育の日誌でありますとか台帳の作成、あるいはお子さんの成長の記録でありますとか、繰り返し同じようなことを書かざるを得ない要素もございますので、ICTの活用を普及することによって、業務の効率化を推進する。それを支援するということでございます。

 一番最後のフレーズ「さらに」と書いておりますところ、「年内を目途に検討する」というのは、この検討会において今、検討いただいていることそのものを書いているということでございます。

 こちらが先月の26日にまとめられた緊急対策の中に盛り込まれている内容でございます。

 次に、参考資料1の2ページ目、3ページ目ですけれども、これは1回目でもごらんいただいた資料ですが、時点の更新がされましたので、一応念のため確認いただきますと、一番右側、平成2710月の有効求人倍率の数字が入りました。全国でいきますと1.93ということで、9月から比べてもまた高くなっているということで、厳しさは引き続き変わらないということ。

 3ページ目のほうは東京都ですが、もう既に昨年のピークを超えていますけれども、10月も5.39ということで、非常に高い有効求人倍率で、保育士さんの確保が非常に難しい状況が続いているということでございます。

 それ以外の関係資料は、既に前回までにお出しした資料を改めて御提出させていただいているものでございます。

 続きまして、資料1のほうは、これまでこの検討会の構成員の皆様方、あるいは前回団体からのヒアリングをしましたときの主な意見を整理させていただいたものでございます。議論の参考にしていただければということで作成しました。

 最後に資料2でございます。こちらは「緊急的な取りまとめ(案)」ということで、きょう御議論いただきたい内容でございます。

 中身につきましては、前回こういう縦書きの形ではありませんけれども、御提出した内容を取りまとめ(案)の形に再整理をさせていただいているところでございますが、少し丁寧に見ていっていただければと思います。

 まず、ローマ数字の1「はじめに」ということで、保育の担い手確保につきましては、「待機児童解消加速化プラン」の確実な実施のため、本年1月に厚労省として作成しております「保育士確保プラン」に基づいて、平成29年度末までに追加で必要となる6.9万人の保育士を確保することとしています。

 このため、これまでもということで、3つの柱の対策を講じてきておりますが、1つは保育士資格の新規取得者の確保。2つは保育士の就業継続支援。3つ目は離職者の再就職支援でございます。

 (1)のところにつきましては、具体的には例えば保育士試験の年2回実施。今年度は4府県でやっていただいております。あるいは先ほどもちょっと出てまいりましたが、保育士の修学資金貸付。養成校に通う学生さんに対する奨学金などで、新規取得者の確保の対策を講じてきているというのが(1)でございます。

 (2)は保育士さんの就業継続支援。やめないようにするという支援でございますけれども、これに該当するものとしましては、まず何よりも処遇改善ということで、今年度から公定価格上3%相当の処遇改善加算が実施されているとか、研修体制の構築に努めてきているとか、保育所の勤務環境の改善、あるいは保育士の宿舎借り上げ支援などの政策を講じてきているところでございます。

 3つ目は離職者の再就職支援ということで、まず柱としましてはハローワークと保育士・保育所支援センターによるマッチングの支援、こういったことをやってきているということで、さまざまな手を打ってきており、今後も引き続きこうした取り組みに取り組んでいく予定であるということでございます。

 3つ目の○は、「しかしながら」ということで、先ほどもちょっと数字を見ていただきましたが、待機児童対策として受け皿拡大を大幅に進めている状況下で、保育士の有効求人倍率は年々高くなり、10月時点で全国で1.93、東京都で5.39となるなど、保育の担い手の確保は喫緊の課題となっているということです。

 4つ目の○は、これも先ほど見ていただきましたが、先月26日に一億総活躍国民会議で取りまとめた緊急対策におきましても、待機児童解消を確実なものとするため、平成29年度末までの保育所等の整備拡大量を40万人から50万人に拡大する。そのこととあわせまして、保育士の人材確保や多様な担い手の確保についても盛り込まれており、これまでの対策に加え、より一層の即効的な対応が必要な状況となっているということでございます。

 このため、保育における労働力需給に対応するよう、保育の質を落とさずに、保育士が担う業務について要件を一定程度柔軟化することにより、保育の担い手の裾野を広げるとともに、保育士の勤務環境の改善につなげる必要があるとしております。

 2ページ目でございますが、そのため、具体的には保育士要件に係る以下の3つの項目、すなわち、1つ目としましては朝夕の保育士配置の要件の弾力化、2つ目としまして幼稚園教諭・小学校教諭等の活用、3つ目は研修代替要員等の加配人員における保育士以外の人員配置の弾力化につきまして、保育所等における保育士等の採用に間に合うよう、平成27年度中、今年度中に必要な省令改正等を行い、来年度から事業者の選択により実施できることとするということです。

 その際、この検討会でも多くの意見をいただいておりますが、原則として、保育所等における保育は生涯にわたる人間形成の基礎を培う重要なものであり、その専門的知識と技術を持つ保育士が行うものであることから、この措置は、あくまで待機児童を解消し、受け皿拡大が一段落するまでの緊急的・時限的な対応をするというふうにしてございます。

 ローマ数字2以降が具体的な内容でございますが、「緊急的な対応方針」ということで、1つ目は朝夕の保育士配置の要件弾力化ということです。箱の中が対応方針です。1つ目の○に書いてございますのは、いわゆる最低基準を定めております「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」、これは省令でございますけれども、ここに規定する「保育士最低2人配置の要件について、本年度に限り特例的に緩和し、朝夕の児童が少数である時間帯において、保育士1名にかえ、保育士資格を有しない一定の者を配置することを許容している」。これは地方分権の提案を受けて緊急的に実施しているということでございますが、このことについて、2つ目の○、平成28年度以降につきましては、省令を改正することで、年齢別で定める配置基準により算定される数が2人を下回っていて、かつ朝夕などの児童が少数である時間帯に限って、1人は保育士資格を有さない者も活用可能とするということでございます。

 その際、質確保のための措置としまして、保育士にかえて置く人について、「保育士資格を有さない一定の者」につきましては、質の確保の観点から、まず1つとして保育士資格を有しないけれども当該施設等で十分な業務経験を有する者。2つとして子育て支援員研修を修了した者。3つ目として家庭的保育者、こういう方々など、適切な対応が可能な者に限っていくということでございます。

 なお、次に説明します2と3の措置、弾力化案もあわせて実施する場合でも、2人のうちの1人は必ず保育士ということでございます。

 3ページ目でございますが、この措置の考え方、効果と考えられるものとしては、保育士の確保が難しく、一日のうち保育士2名体制を遵守した勤務シフト作成等の人事管理が困難な状況の中、児童が少数である時間帯について緊急的に保育士要件の弾力化を行うことで、園児の多い日中のコアタイムに保育士資格者を集中的に配置することが可能になり、全体として見て質の向上にもつながるのではないかということでございます。

 2つ目の措置は、幼稚園教諭、小学校教諭等の活用ということです。

 対応方針についてですが、保育士と近接する職種でございます幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭、これらを一定範囲内で保育士にかえて活用できることとしたらどうかということでございます。

 2つ目、各教諭の活用に当たりましては、幼稚園教諭につきましては主に3~5歳、小学校教諭につきましては幼保小接続の観点から主に5歳児、養護教諭につきましては現行の看護師等の取り扱いと同様に年齢要件を設けないこととし、これらの各教諭と保健師、看護師、准看護師をあわせて、配置する保育士の3分の1を超えない範囲内に限るということでございます。

 質確保のための措置としましては、まず第一に、小学校教諭を活用する場合には、保育士の養成課程、学生さんが学んでいる養成課程にカリキュラムがありますけれども、そのうちの「保育課程論」と「保育の表現技術」、合わせますと6単位ぐらいありますが、これを履修することが望ましい。少なくとも子育て支援員研修を受けるなど、保育を行う上で必要な研修等の受講を求めることとするということでございます。

 また、幼稚園教諭、養護教諭につきましても、保育を行う上で必要な研修等の受講を促すということでございます。

 4ページ目は、この措置の考え方、効果でございますけれども、保育士の確保が困難な状況の中、保育士と近接する職種である幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭を保育士とみなし、限定的に認めることにより、幼稚園教諭は3~5歳の教育、小学校教諭は幼保小接続の観点から、多様な者が加わることにより、保育所にとって効果的なものになるとともに、事業者の採用、人員配置の選択肢をふやすことにつながるのではないかということです。

 3つ目の措置は、「研修代替要員等の加配人員における保育士以外の人員配置の弾力化」についてです。

 対応方針の1つ目の○です。11時間開所8時間労働としていることなどによって、認可の際に最低基準上必要となる保育士数、年齢別の人員配置基準を足し上げていった結果、必要な保育士数が最低基準上15名と計算されるような場合、実際にはそれを上回って保育士を配置しないと11時間開所が回っていかないということで、ここでは例えば3名追加しているということを書いてありますが、その3名分につきまして、保育士資格を有しない一定の者を活用可能とするということでございます。

 これを公定価格上で見ますと、上の○の最低基準で計算される15名分というのは、基本単価の中にそもそも入っているわけですけれども、追加する分の人件費については、いろんな名目で公定価格上に入ってございます。それが※印のところにありますが、研修代替要員でありますとか、年休代替要員、休憩保育士、保育標準時間認定の場合にプラスで配置される保育士、あるいは主任保育士専任加算における代替保育士、こういった形で公定価格上算定されていますが、そういう研修代替要員を初めとする以下の保育所における加配人員要件について、現場で柔軟に配置可能とするということでございます。

 質確保のための措置としましては、代替するほうの保育士資格を有しない一定の者につきましては、大きい1番の措置と同様でございますが、質の確保の観点から、保育士資格を有しないが、当該施設等で十分な業務経験を有する者、子育て支援員研修を修了した者、家庭的保育者など、適切な対応が可能な者に限る。

 1番と違ってこちらでは、その際、これらの者には保育士資格取得を促していくということにしてございます。

 一番下の○でございますが、これらの者は、最低基準で配置されている保育士とともに保育に当たり、また可能な限り、代替する場合は一人を超えた配置に配慮しながら実施するということでございます。

 この措置の考え方及び効果につきましては、保育士の確保が困難な状況の中、認可基準としての最低基準を満たしつつ、かつ一定の要件のもと、保育士資格を有しない一定の者の活用を可能とすることにより、保育士の勤務シフト等の人事管理を柔軟に行うことが可能になる。その際、日中のコアタイムの保育の質確保に最大限配慮することが必要というふうにしております。

 最後に、ローマ数字の3、1、2、3の措置にわたって、「要件弾力化に当たっての全般的な留意事項」ということで、5点書かせていただいております。

 1つ目は、それぞれの要件弾力化案につきましては、保育所だけではなくて、地域型保育事業、あるいは保育所における延長保育などについても同様の対応を行うということでございます。

 2つ目は、特に2つ目と3つ目の取り扱いにつきましては、前回行いました団体のヒアリングにおいて一部慎重な意見が出されたということも踏まえまして、運用上も質の確保に影響を及ぼさないように配慮しながら行うことが必要というふうにしております。

 3つ目は、保育の質の観点から、一定期間において都道府県等から勧告や改善命令等を受けている事業者につきましては、こういう要件の弾力化案の実施は認めないこととする。これは前回御意見をいただいたところを反映してございます。

 また、各要件弾力化案につきましては、厚生労働省は、今後、実施自治体、事業者の事例等を十分把握した上で、保育の質への影響を継続的に検証していくこととする。

 4つ目は、今回の緊急的な対応により、保育士資格を有しない一定の者を活用するに当たりましては、保育士が保育の業務に専念できるよう、保育に直接的に関係のない事務作業等につきましては、保育士以外の保育補助者が実施するなど、業務分担を見直すことが望まれる。これに関連して、国としても保育士の負担を軽減するための支援を行うことが必要である。

 最後のフレーズについては、冒頭御説明しました一億総活躍の緊急対策の中でも保育補助者の追加での配置支援、そういうことを盛り込んでいるところでございます。

 一番最後の○ですが、「また、国は、今回の緊急的なとりまとめに係る対策にとどまることなく、引き続き更なる保育士確保対策の強化に取り組むべきである」としてございます。

 取りまとめ(案)の説明は以上でございます。

○駒村座長 ありがとうございました。

 きょうは、この緊急的な対応への取りまとめに関する議論に集中したいと思います。資料2と資料3、この議論を中心に意見交換をしたいと思います。

 構成員の皆様から資料2及び3に関して御意見がある方はお願いできますでしょうか。事務局に内容への確認とか、どう理解すればいいかとか、そういうことも含めて御自由に御発言いただければと思います。

 事務局に確認ですけれども、2ページにあるように、保育は人間形成の基礎に当たるのだということですから、この質はちゃんと担保しなければいけない。そういう意味では、保育士は非常に重要な専門職であるということを確認させていただいて、今回の対応は、あくまでも当面の待機児童を解消するということでの緊急、時限的であると。このまま規制緩和的なことが進むというよりは、あくまでも質は守りつつ、しかも、一時的な、限定的なものであるという理解でよろしいですね。

○朝川保育課長 今、座長がおっしゃっていただいたとおりでございますが、冒頭見ていただきましたように、有効求人倍率が非常に高く、保育士確保が難しい状況になっている大きい背景としましては、今、急速なペースで受け皿拡大を進めていることが背景にあります。ざっと申し上げると、数年前と比べて2倍から3倍ぐらいのペースで今、急速に保育の受け皿拡大を進めていますので、まずは都市部を中心に必要な保育士数がふえているということ、都市部でそういう現象が起きることに伴って、地方から都市部に保育士さんに来ていただく、そういう取り組みをされている事業者もふえていますので、全国的に保育士の確保が難しいという状況が生じているということでございますので、この受け皿拡大が一段落していく、そういった状況下においては平常時の対応に戻っていきたい。そういうことを書かせていただいておりまして、今、こういう受け皿拡大が急速に進む中、保育士の確保が難しい、その状況に対応するものという位置づけにしたいと思っています。

○駒村座長 子供の人口と就業構造の変化と経済状況にもよるわけですけれども、まず当面ということで、ただ、それはそうであるものの、保育士の確保、その処遇の向上は継続的な問題、なるべく急ぐということを同時に行っていくという理解ですね。

○朝川保育課長 今時点、この検討会で議論いただいているのは弾力化の話が中心になっておりますが、もともと人材確保のところは、保育士さんの処遇を改善したり、勤務環境を改善したり、潜在化している保育士さんに戻っていただく。そのためのいろんな対策を強化していく、そこが基本であることに変わりはないと思っていますので、それにプラスアルファして今、議論していただいている内容を当面つけ加える、そういう位置づけでございます。

○駒村座長 結構です。

 最初の考え方などについても委員の皆さんから御意見があればと思うのですけれども、いかがでしょうか。宮本構成員、お願いします。

○宮本構成員 確認ですけれども、今のことなのですが、受け皿拡大が一段落をしたという判断は、国のほうでされると考えてよろしいのでしょうか。

○朝川保育課長 そうですね。この措置は、もしここで案を取りまとめていただいたと仮定して、最終的な出口は省令の改正につなげていきますので、これは国といいますか、厚生労働省といいますか、そこが行うものですので、その措置を解除するときも国が判断していく。当然その過程では、いろんな自治体の御意見とか、現場の事業者の皆さんの御意見とかを聞きながらになると思いますけれども、最終的に考えていくのは国だと思っています。

○駒村座長 お願いします。

○宮本構成員 待機児童解消加速化プランでは、29年度という目安は一応あるのですが、場合によってはそれを超えることもあり得ると考えていいですか。

○朝川保育課長 その点につきましては、関係する資料、資料3の後ろから1枚めくっていただいて40ページ目を見ていただくと、これは一億総活躍国民会議の場に1112日に厚労大臣の資料として提出したものを抜粋したものですけれども、40ページ目の左側、一番上の2544歳の女性の就業率は、足元では約71%でございますが、ここがまだまだ上がっていく、あるいは上げていかなければいけない状況に日本はあるという認識をここで書いております。当座は2020年に向けて76%まで目指していく。将来的、2020年代中にはどこかの時点で欧州の出生率の高い国並みの80%程度まで目指していく。これはM字カーブの解消を図るということでございます。

 それに対応して3つ目の欄ですけれども、2544歳の女性の就業率は、1・2歳の保育利用率とかなり強い相関がありますので、女性の就業率が上昇していく中で、0歳も含めてですが、1・2歳の保育の利用率はまだまだ上がっていくのではないか。今の「待機児童解消加速化プラン」は、当座平成29年度末までに1・2歳の保育の利用率を46.5%まで上げていこうと。そういうプランの内容になっているのですけれども、この割合自体はまだ上がっていくのではないかということが見込まれますので、受け皿拡大は、まずは29年度末を一つの目標時点にして、その時点で待機児童が解消する姿を目指しますが、仮に待機児童がその時点で解消しても、女性の就業率がまだまだ上がっていくということになりますと、受け皿拡大は続けていかないと、待機児童がまた発生してしまうという構造になりますので、受け皿拡大自体はもう少し続くのではないかという見通しでございます。

○宮本構成員 ありがとうございます。

○駒村座長 ある年を決めてやっているというよりは、経済の状況を見ながらということですね。女性の就業率の上昇というのは今後も期待されるし、予想されるわけですから、出生率を下げないでやれば、当然それだけ保育需要が出るということですので、決め打ちというか、実態を丁寧に見ながら判断するという理解だと思います。それまで専門資格を持った保育者への需要を少し代替要員で抑えて、その間供給をふやしていって、有効求人倍率の高さが少し緩和しているかどうかというのを見ながら判断していく、こういう理解でよろしいですか。

○朝川保育課長 はい。

○駒村座長 ほかにいかがでしょうか。総論的なところでも結構ですし、各論に入っていただいても結構なのですけれども。

 2ページの「保育士資格を有さない一定の者」については、3種類例示をされている。「など」とついていますが、これと同等な能力を持っている人を指すということですね。

○朝川保育課長 今、御指摘いただいたのは、2ページ目の下から2つ目の○のところでございますが、ポツが3つある後に「など」と書いてある、そこのことを御指摘いただいているわけですけれども、当然この例示をさせていただている以上は、この「など」は、誰でもいいということではなくて、ここに例示をしている者と同等以上の人を念頭に置いているということでございます。

○駒村座長 ただ、その際に、2ページの対応措置の1は、これで言い切っているわけですけれども、4ページのほうは、保育士資格の取得を促していくというのがセットというか、プラスの条件になっているという理解でいいですか。

○朝川保育課長 大きい1番の措置は、措置自体は現場で人材確保をしやすくするという性格を持っていると思いますが、そうはいいましても、一定の時間帯に限られた措置でございます。それに対して、3番のほうはより広い対象をターゲットにしていますので、ここで勤めていただく保育補助者の方々についてはやりながら、できる限り保育士資格を取得していっていただく。通信制の養成校に通っていただくとか、あるいは保育士試験の受験をしていただくとか、そういったことを促していきたいということでございます。

○駒村座長 経験してもらうことによって、今度は保育専門職の供給、将来のほうに回っていけばいいだろうと。こういう目的も入っているということですね。

○朝川保育課長 はい。

○駒村座長 どうぞ。どんな点からでもいいと思います。御意見、御質問、確認。池田委員、お願いします。

○池田構成員 池田です。

 すごく大きな話なのですが、去年、既に先行して一部要件の緩和等をされていて、ことし、さらに有効求人倍率が上がっているわけですから、同じことをやっていると追いつかないと思うのですけれども、そういう意味で、前回も労働供給の当てがどこにあるのかという話をさせていただきましたが、前回、特に朝夕は人員確保がかなり難しいということでしたが、ことし新しく人を確保できるような目玉というか、当て、見込みというか、そういうことが何かあるのかなということをちょっと考えてみたのですね。

 そうしたときに、前回どこかの団体の方が言っていたと思うのですが、保育士資格を有さないという者の中に、例えば養成校に通っている学生さんが放課後、保育園でお手伝いではないですけれども、アルバイトというか、そういうことをするということを認めていくということは可能なのかどうか。あるいは子育て経験のある高齢者の方を積極的に使っていくとか、そういうことをある程度視野に入れた提案というか、行間の中に含み込んでいるのかどうかということをちょっと確認させていただきたいのですが。

○駒村座長 当てがあるのかという話ですね。

○朝川保育課長 まず、冒頭で御指摘いただいた今年度と同じことをやってもという点については、今年度緊急的にやっておりますのは、1、2、3の対策のうちの1に限られているということ。さらに、1の対策も、省令の改正をしないで当座緊急的にやっておりますので、これは1回目だったか、少し御紹介しましたけれども、自治体レベルでの取り組み状況は、まだそんなに活発でないというのが現状でございます。

 したがって、1番は、しっかり国としても省令を改正することで自治体が取り組みやすい環境づくりをするというのが、まずプラスアルファとして入っています。その上で、御質問のどういったところに当てがあるのかという点につきましては、これはさまざまな年齢層の方々に御関心を持って入ってきていただければと思いますが、そもそも子育て支援員研修というのが今年度から私どもの事業として始まっておりますけれども、こちらは高齢者も含めて、まだ労働市場に入ってきていないような方、あるいはリタイアされた方、そういった方々にもこういう子育ての分野に積極的にかかわってきていただくことによって、担い手の裾野を広げていく。そういったところがこの子育て支援員研修制度をつくった趣旨の大きいところでございます。

 したがって、まだこれは始まったばかりなので、そんなに世の中に人数がいるというわけではありませんけれども、こういった研修を主に自治体にやっていただいているわけですが、積極的にやっていただくことによって、その裾野を拡大していく、そういったことを中心に考えているということでございます。

○駒村座長 よろしいですか。

○池田構成員 はい。

○駒村座長 お願いします。

○吉田副座長 関連も含めて幾つか御質問と意見を申し上げたいと思います。

 まず、1ページ目の「はじめに」のところで、当初29年度末40万人を前提に、6.9万人の保育士確保ということでございますが、同じページの一番下から2つ目が一億総活躍のほうで10万人ふやすということで、これは多分8万以上いるのだろうと思うのですが、その辺の数、ふやさなければいけない目安がもしわかれば教えていただきたいというのが1点です。

 もう一点は、今のことに関連して、2ページの一番下の「質確保のための措置」で3つ例示してございますが、1番目の「保育士資格を有しないが当該施設等で十分な業務経験を有する者」というのは、先ほどの養成校の学生でもいいのではないかということも含めて、これは誰が判断するのかというところが若干気になりますので、そこについて教えていただきたい。

 3ページ目の一番下でございますが、先ほども出ていたように、幼稚園教諭については保育士資格の取得を促すということがあってもいいのではないかと思います。これは要望でございます。

 最後、5ページの全般的な留意事項で、3つ目の「保育の質への影響を継続的に検証していく」というのは非常に重要なことだと思いますので、できるだけエビデンスベースでこれはやっていただきたい。

 その次のところも似ていますけれども、前回タイムスタディ調査のデータがございましたが、あれは必ずしもいいタイムスタディ調査結果になっていなかったので、本当に保育士の業務負担を下げて質を上げていくためには、ここがとても重要だと思いますので、ここももう一度留意をしていただくとありがたいなという要望でございます。

 以上です。

○駒村座長 最後の2つは、この検討会でも非常に注目するというか、継続的に議論しなければいけないですし、実際に緊急措置がどういう効果をもたらしているのかというのもちゃんと検証しなければいけないと思います。ほかの点についても事務局からお願いします。

○朝川保育課長 まず、1点目は人数の御質問でしたけれども。

○駒村座長 40万から50万というところですね。

○朝川保育課長 はい。それに伴って人材のほうの人数という御質問だったのですが、まず、参考資料1の25ページ目を見ていただくと、これは「待機児童解消加速化プラン」のポンチ絵なのですけれども、真ん中辺に表があります。これはことし9月に公表した数字で、この数字の意味は、自治体に今年度聞いた数字なのですが、主には今年度の保育拡大量がどれぐらいになるかを把握したかった、あるいは昨年度どれぐらい拡大したかを把握するために聞いたものなのですが、あわせて28年度、29年度の拡大量も現時点での見通しを聞いていまして、それを全部足し上げると、既に5カ年の合計は456,000人という数字になっていました。

 これは、総理が最初に50万人とおっしゃったときにも言われていましたけれども、9月に、40万人という目標に対して、自治体の積極的な受け皿拡大の姿勢で、29年度末までに45.6万人までは拡大するであろうという見通しがある中、さらに加速化して50万人という数字になっているわけです。

 ここから先はもう少し分析が必要だと思っていますが、自治体が45.6万人という数字を現時点で出してきていただいている中で、40万人のときと、例えば1・2歳の保育の利用率がどういうふうに変化するのか、そういったところもよく見ていかないと、人材のほうの必要な人数がどうなるのかというのが厳密には見込めないということです。したがって、単純に40万人から50万人になったので何人プラスアルファで必要になるかというのは、現時点では計算ができていないのですけれども、考え方として申し上げれば、40万人拡大した段階で6.9万人増と言っていますが、それ以外に自然増の見込みを2万人ぐらい立てているので、保育人材を8.9万人ぐらいふやさなければいけない。もともと「保育士確保プラン」はそういう数字にしていましたので、40万人のときに8.9万人ぐらいプラスアルファで必要だというふうに計算していましたので、それを50万にしたらということで、比例計算するというのが大ざっぱな必要数を推測する感じになるのではないかなと思っていますけれども、いずれにしても、数字についてはまだ推計していないというのが現状でございます。

 資料2の2ページ目の下から2つ目の○の1つ目のポツで、「十分な業務経験を有する者」というのは誰が判断するのかというお話がありましたが、当然省令を改正して、それの解釈を国として行っていく必要があります。それは恐らく通知という形で最終的には自治体にお示しをしていくということになると思いますので、そういう中で、自治体が運用に迷わないようなことを考えていきたいと思っています。

 ということで、まず一義的には国がその範囲をある程度お示ししていくということですけれども、実際の運用は、条例の制定権あるいは保育所等の認可指導権は都道府県、政令市、中核市にありますので、行政としては、そういう指導権を持っているところが個々具体的なところについては御判断をされていくということになると思っています。国は全国統一的な制度の解釈をしていくという立場にあると思っています。

 3ページ目の2つ目の措置の幼稚園教諭について、保育士資格取得を促していってもいいのではないかという点でございますが、子ども・子育て支援新制度は、特に幼保連携型認定こども園について、両方の資格を持っていただくということが原則形になっていまして、そのために、例えば幼稚園教諭しか持っていない方であれば保育士資格、保育士資格しか持っていない方であれば幼稚園教諭の免許を取りやすくするような、そういう特例措置を今、講じております。したがって、これは別に幼保連携型で働く人だけの措置では必ずしもありませんので、できる限り両方の資格を持っていただくことを促していくことは、そのとおりだと思いますので、運用に当たって留意していきたいと思います。

 以上です。

○駒村座長 最初の必要な保育士の人数のところですけれども、幅はどうしても出てくるわけですが、どういうところがふえるのかと想定を置くと、これは9万から十数万の幅の中にあるのだろうと。それはどうなのかなと疑問に思われるのもそうかなと思います。医師や看護師と違って、計画して教育量をふやしていけば、なってくれるというわけでもない分野ですので、ほかの仕事との関係で選択が動く。これは医師や看護師と随分違うところだと思いますので、ちょっと難しいところもあると思いますけれども、こうなるだろうということは少し精緻に議論していだきたいなという感じもしました。

 もう一つは、都道府県、中核市、政令市が判断するということですが、厚生労働省は、どういう状態になっているか情報の把握をしてもらいたいと思います。分権化になってよくわからなくなってしまいましたと言われてしまうとちょっと困るので、全国的にきちんと統一した見解を持っているというのをやらないと、質のばらつきが出ているのではないかという指摘を受けてしまうと思いますので、「など」というのを含めて、どういうふうなことになっているかは把握していただきたいと思います。吉田さん、よろしいですか。

○吉田副座長 結構です。

○駒村座長 ほかはいかがでしょうか。では、寺田委員、お願いします。

○寺田構成員 東京成徳短大の寺田でございます。

 先ほどから幾つか挙げられております保育士資格の新規取得者の確保についてでございますが、まず、地域限定保育士試験など保育士試験の年2回の実施における保育士試験の合格者についてでございますが、少しお話しさせていただきたいと思います。

 保育士試験に関する注目度がとても高くなっておりまして、例えば合格率は、特区の最終試験がこれから12月にございますので、最終的な数値はその結果を経てからになるかと思いますけれども、大変受験者数がふえて、また合格者数もふえているという現状があり、いろいろな意味で社会にかかわっていこうという方が増えていると感じます。 

今回の緊急の保育の担い手確保に向けた取り組みというところでは、効果を上げる要因の一つと言えるのではないかと感じます。

 もう一点、保育士の修学資金の貸付等でございますが、東京都の場合、1130日に連絡が参りまして、学生に月5万程度、入学のときの準備金20万、それから就職するときの準備金20万。ですから、学生がマックス160万の奨学金を受けて、5年間就職すれば、それを返さなくていいと。これは大変魅力的でございまして、学生にとってはすごく背中を押された状態なのではないかと思います。

 こういうことを実施していくことが、保育者養成校の就職率の50%が保育士、30%が幼稚園、20%が民間という数値の中の20%の部分にも若干保育士のほうに向いていく傾向が、あるのではないかと学生を見ていて感じます。そのため、この二つの対策はとても効果があるのではないかと思います。

 保育士の宿舎借り上げ等の支援も効果があると思います。

 次に、保育士の質の確保の問題でございますけれども、子育て支援員とか小学校の教諭の活用ということがございますが、まずは保育園で働いてみたいと思われる方、例えばコンビニで働いているような方、いろいろな職種の方に、とりあえず子供にかかわる仕事というのはとても魅力的なことなのだということを広くPRしていただきながら、一旦は保育園で保育補助員として働いていただく。その中で、もちろん子育て支援員の研修等を受けていただき、そして園の自助努力で研修等をしていただきながら、保育士試験を受けていただくということ。先ほど吉田構成員もおっしゃっていましたが、幼稚園の教諭の方にも保育士試験に挑戦していただくということは、いろいろな意味でよい学びの機会でしょうし、子供にその学びが返っていくことだと思いますので、私も賛成でございます。

 そのような各園ごとに質の確保をしていく研修等を実施していくことを厚生労働省としても、例えば監査であるとか評価していただく仕組みを、運用に当たり留意していただきたく存じます。

 もう一点、子育て支援員の研修について、回数と時期と受講可能人数について、自治体ごとに大分差があるというお話を伺っています。今年度1回限りで、40名程度の受講に限って、それでおしまいと言っているような自治体もあるようですので、このあたりのところを希望者が受講できるような状態で、例えば時間的に不可能な希望者がいる場合は、先ほど朝川課長もおっしゃっていましたけれども、通信教育とか、養成校による短期集中講座を対応とするというところ。多分お考えいただいているのではないかと思いますが、受講できる機会を拡大していただくということは、子育て支援員をしてみようとか、保育園で働いてみようという方たちの拡大になるのではないかと感じます。

 以上でございます。

○駒村座長 事務局のほうからお願いします。

○朝川保育課長 複数の御意見をいただきましたが、試験の2回実施に関連して数値も御紹介いただいて、非常に有意義な御発言をいただいたと思っております。おっしゃったとおりでございまして、幸いなことに保育士試験の受験者数は年々ふえてきておりますし、今年度4府県のみで実施した地域限定保育士試験も受験者数は1万人を超えました。これは規模感から言うと、47の都道府県でやっていただいている1回目の試験、全国トータルすると五、六万人なのですけれども、それに対して4府県で1万人の受験者がいましたので、かなり関心が高いという状況がうかがえます。

 かつ筆記まで受かった方は結構それなりにいらっしゃる。あと実技が残っているのですけれども。ということで、来年4月に向けての保育士の人材供給という観点から見ますと、非常にいい結果を生んでいるのではないかと思います。

 さらに、試験に関して申し上げますと、来年度からは2回の試験実施をしていただく都道府県を大きくふやしていきたいと思っておりまして、これは最終的には都道府県が御判断いただく話なので、国が強制するわけにはいかないのですが、今のところ多くの都道府県がやっていただけるような感触を得ています。かつ来年から試験の実施月を変更しようと思っておりまして、今まで1回目の試験は8月にやっておりましたけれども、来年度からは4月に1回目をやり、2回目を10月にということで、4月に試験をやれば、年度途中で合格者が出てきますので、そういう意味でも参入していただける保育士さんが着実にふえていくという効果を期待しております。

 2つ目で修学資金の貸付も非常にいい効果を生んでいるということをおっしゃっていただきました。若い世代は経済的に厳しい状況にある層がふえてきているということもありますので、この修学資金の貸付は非常に有効な対策だと我々も認識しています。一方で、活用がそれほど十分な状況にあるというわけでもありませんので、冒頭見ていただきました一億総活躍の緊急対策でも資格取得支援ということが挙げられておりますので、できるだけここの活用が広がるように政策的にも努力していきたいと思っています。

 3つ目、現場で働きながら試験を受けていただくなり、資格取得に向けた取り組みをいただくというお話がございました。実際に保育所を運営されている法人の中には、我々が今、考えようとしている対策をある意味先取りされていると思いますが、資格を有さない方をプラスアルファで積極的に採用し、そういった方々に勉強していただく。それを法人としても支援し、試験を受けたり、通信教育を受けたりして資格取得を促していくような取り組みをされている法人も出てきております。

 それに対応する政策としては、そういう資格取得支援の勉強をしていただく経費に対する補助、支援というのも今年度から国として予算化しています。自治体のほうがそれを採用して、自治体で予算化しているところが少ない現状にあると思いますので、そういうことも自治体のほうに支援を促していくことで、現場で働きながら資格取得をするということも強化をしていきたいと思います。

 最後に、子育て支援員研修の機会の拡大についての御指摘をいただきました。これは今年度から本格実施をしているもので、自治体の方のお話を聞いておりますと、やはり準備にある程度時間がかかるということをおっしゃる自治体もあります。実際研修をした後、研修修了者の管理などをしていく必要もありますし、あるいは都道府県と市町村の間の役割分担のような、自治体間の協議みたいなものに一定程度時間がかかるという御意見も聞いておりまして、まだ取り組みが完全な状態になっていないところもあると承知しています。

 いずれにしても、子育て支援員の研修の機会がより多くあることが保育あるいは子育て支援の裾野を広げていくことにつながりますので、国としてもそういう子育て支援員の研修機会の拡大について一層の努力を考えていきたい、そのように考えております。

○駒村座長 いかがでしょうか。

○寺田構成員 ありがとうございます。

○駒村座長 第1ページ目のような供給量をふやす対策が有効になってくれば、今回のような臨時緊急的な需要のほうを少し抑えるという政策も解除できるということですので、この辺、効果をちゃんと把握していただきたいなと思います。

 ほかはいかがでしょうか。まだ幾つかテーマもあると思いますけれども。西村委員、お願いします。

○西村構成員 団体ヒアリング等で規制緩和することによって保育の質の低下が出るのではないかという話がよく出ていました。その点についてですが、1点は、1ページの「(2)保育士の就業継続支援」という形で進めてきているわけですが、保育の質と量の確保から、大体六、七年でやめていく保育士さんがいるということは、保育の質の向上を図るうえでは問題と思います。結婚と、もう一つは出産によって離職される人が非常に多い。その点を離職しなくても良い環境整備をするかによって、就労が継続して伸びていただければ、保育の質を確保できますし、それから量の確保もできると思います。このところを要望も含めてぜひお願いしたい。これは行政だけでなくて、保育現場での就労環境整備という問題の2点があると思うのですが、その辺をぜひご検討をお願いしたい。

○駒村座長 お願いします。

○朝川保育課長 おっしゃるとおりでございまして、せっかく希望を持って保育の分野に入ってきていただいた若い人たちが早くやめていかれるというのは、非常に残念なことでして、人材確保というマクロな観点から見ても非常にもったいない状態になっているわけです。したがって、せっかくなっていただいた方々ができるだけやめないようにしていく、そういう努力が非常に重要だと思っています。

 おっしゃいますとおり、六、七年という平均勤続年数は、出産を機にやめられているという方が多くいらっしゃるということを示唆していると思うのですが、いい取り組みをされている法人のお話を聞きますと、出産をしたら、育児休業は権利としてとれるのですが、とりやすい環境がつくられていたり、育児休業が終わった後、復帰していただくときに、短時間である程度正社員として働ける環境を整えていたり、経営者としての努力、法人としての努力をされているところが平均勤続年数を上げている。お話を聞いていると、そういう傾向がうかがえます。

 したがって、出産をしても保育士自身が働きやすい、そういう職場環境をつくっていくことが重要だと思います。これは、保育の場合は二律背反的なところがあって難しい問題ではありますが、要するに、子供の育ちを保障するという観点からすると、保育士さんが一日の中でかわっていくことは、質の確保の観点から望ましくないという要請もあるので、なかなか難しいですけれども、ただ一方で、保育所は11時間開所という使命を負っていますので、いずれにしても、1人の労働者がずっと11時間働き続けるということにはなりませんので、すなわち、ローテーションを組みながら保育に当たっていくというのが通常の姿になりますので、そういう雇用管理の工夫で短時間の正社員的な働き方、そういうことももっともっと広まっていっていいのではないかと思っています。

 2回目のときに短時間正社員のことも制度として紹介させていただきましたが、そういう取り組みを促していくとか、休暇を取得しやすくする、あるいは短時間の働き方をしやすくするためには、ある程度職場に人材がいないとうまく回っていかないという側面は否定し切れませんので、保育所で働く人材を量としてふやしていく、そういう努力が必要だと思いますので、できる限り今回打ち出されている一億総活躍の緊急対策を契機に、政策面でもそういったところが強化できないかということを今、考えているところでございます。

○駒村座長 よろしいでしょうか。

○西村構成員 はい。

○駒村座長 この辺の話、経験知のある方がやめてしまうというのは質的にも量的にも大変もったいないことで、事業所の努力だけでなくて、政策的にも後押しをする。これは緊急対応とは別に、継続的にアイデアを出したり、政府に政策を考えていただかなければいけないテーマだと思います。

 ほかいかがでしょうか。清水構成員、お願いします。

○清水構成員 最後は省令の書きぶりといいますか、その中でいかにうまく書いていただくかにかかっているかなという気がします。例えば「35条に示す保育の内容の質の低下を招かない限りにおいて」であるとか、書きぶりをちょっと工夫していただけたら。この書きぶりがどこで使えるかというのはわからないですが、ひょっとしたら省令とかを発出するときの鏡の形になるのかもしれませんけれども、この辺をちょっと工夫していただいたら、随分質の低下を防げる可能性があるかなという気がします。

 今、西村構成員、座長さんのほうから経験のある方がという話がありましたが、それについて私が思うことを一つ言わせていただこうかなと思うのですが、一億総活躍社会の中では、若い保育者を雇えという表現ではないわけですから、むしろ高齢者、一旦退職された方、そういう方をうまく活用していただくのがいいのかなという気もしますし、そんなのを促していただく。

 ただし、高齢の方にフルタイムでずっと働いていただくというのはちょっとしんどいですので、例えば午前中に働いていただいたら、午後から病院に行っていただくこともできますし、その辺の工夫といいますか、今日の表現によりますと「事業者の選択により実施できる」ですから、そんなのを事業者にお願いするような形だとどうかなと思うのです。それは、まさに離職させないような工夫にも絡められますし、離職した方をさらにということにもつなげられます。

 事業者の話をしましたが、もう一つ、自治体にも加えて努力をしていただくとどうかなと思います。最終的には保育の実施主体は基礎自治体である市町村ですので、市町村が実施するに当たって、自分のところはそこまで不足していないよというのであれば、やり方を市町村の判断の中である程度変えられるように。これはある一定の期間だけだからというのでお願いできる部分でもありますし、その検討については各市町村でもやっていただくことがいいかなと思います。

 3つ目に、寺田委員のほうもちょっと言われたのですが、養成校の活用といいますか、寺田委員のほうはちょっとあれかもしれないですが、短期大学でなくて、四年制の大学の場合はインターンシップという単位がありますので、それをどんどん活用していく。池田構成員に言っていただいたことでしょうか。ただし、インターンシップの場合も、一応授業という形ですので、何らかの記録とか、それを現場に求めてしまいがちなのですけれども、それを少し緩和してやりやすい形。

 これはわからないので質問しようと思ったのですが、「保育補助者」という表現が最後にありましたけれども、保育補助者をどんな形で持っていくのか、それにもかかわる部分かなという気がいたします。

 インターンシップの制度を使えば、そのままその園にいてもらえるかもしれませんし、3年生、4年生あたりを引っ張っていただくのは非常にいいかなと思います。その辺も養成協議会のほうにも働きかけていただけたらいいかなと思います。

 あと、保育補助者の話だけ少しお願いできますでしょうか。

○駒村座長 それは確認ですか。

○清水構成員 確認という形で。

○朝川保育課長 保育補助者のどういったことですか。定義みたいな話ですか。

○清水構成員 はい。どんなことを考えていただいているのかというのを。

○朝川保育課長 厳密な定義、言葉を使っているものではありませんけれども、保育士さんではない方が保育の現場に入っていただくときのことを「保育補助者」と表現しているということです。

○清水構成員 ありがとうございます。恐らくそれをきょうの午後から始まる指針であるとか、そんなことの中にうまく書き込まないと。保育所の中でやられていることは全部保育だという形にしてしまうと、保育補助者がやっていることも保育の一部。境界が曖昧になってきて、保育士の仕事自身が誰でもできるようになってしまうと、ちょっとややこしいですので。私も養成している側ですけれども、養成された人たちがまさに専門的な知識及び技術を持って活躍できるような、そういう形に行く行くといいますか。今回の改正に関しては、省令の書き方の部分をいかにうまく書いていただくかというのをお願いします。今後、「保育補助者」のあたり、いろんな検討の中でそれが埋まっていくとは思いますけれども、よろしくお願いいたします。

○駒村座長 書いてある「保育に直接的に関係の事務作業等」というところにかかった話もあると思うのですけれども、事務局から何かありますか。

○朝川保育課長 現状、現場もそうだと思いますし、私どもの行政もそうなのですが、「保育」という言葉の中で、どの業務は保育の中核部分です、どの部分がそうでないというような区分をしてきていないという側面がありますので、まさに保育士という国家資格を持っていらっしゃる方の専門性をしっかり上げていく、明確にしていく、そういうことを行政としても努力していく必要があると思っていまして、きょう午後からの保育指針の検討をする場が1回目開かれていきますけれども、そういう検討の中でも、やはり保育士さんが行う保育、専門性の内容についてもできる限り深く議論をしていただけたらなと思っています。それを踏まえて我々行政としてもしっかり対応していきたいと思っているというのが一つです。

 あと、四年制の大学、養成校のインターンシップの活用ということもおっしゃっていただきました。先ほど寺田先生が養成校の卒業者の進路の分布をおっしゃっていただいたのですが、どうしても四年制の卒業者は他産業に行く傾向が数値を見る限りは多いので、全般として見れば保育所に勤めていただいている方が卒業生の5割はいらっしゃるのですけれども、3割が幼稚園、2割弱が他産業なのです。四年制の場合は他産業に行く割合が少し高いので、できるだけの保育の現場に学生の時代に触れていただいて、よりいい経験をしていただく。それが保育の道への選択につながっていくと私どもも思っておりますので、保養協とも相談しながら取り組みをしていきたいと思います。

 冒頭おっしゃいました保育の質の低下の懸念の払拭ということで、この検討会の結論をいただいた後、我々として取り組む省令の改正あるいは通知の発出、そういう中で懸念を払拭するような表現ぶり、そういったことにはしっかり留意をして取り組みたいと思います。

○駒村座長 よろしいでしょうか。

○清水構成員 はい。ありがとうございます。

○駒村座長 ほか。では、寺田さん、お願いします。

○寺田構成員 今、おっしゃっていただきましたが、短期大学の学生は9割近くが保育園、幼稚園のほうに向かって、2年間の間に勉学にいそしみ、専門職に行くという姿が見られます。授業時間の関係でいろいろな御提案を今、厚生労働省の方からもいただいていますが、空いている時間にボランティアに行くとかアルバイトに行くということも、現状としてもあります。

中長期的な展開になるかもしれませんけれども、富山県の取り組みを紹介しますと、「14歳の挑戦」と言って、保育園に行って、保育はどのようなことをしているのかということの保育体験をしたり、養成校の学生が保育の現場にボランティアに行って、保育職のお手伝いをすることの架け橋的な関わりをやっていらっしゃる先駆的自治体といえます。さらに、プレパパ・ママ体験と言って、もうすぐ赤ちゃんが生まれそうな方、それから実際に最近生まれたパパ・ママを保育園でマッチングして、そこでどんな育児用品を買ったらいいのか、抱き方とか、離乳食に関すること、全て保育園を中心にしながら包括支援のような関わりをもされています。

 つまりは、将来的に保育の道に進みたいということを中学生のころから少しずつ支えている、このような取り組みをしていらっしゃるところ。他の自治体にもあるのかもしれませんが、そういうことを、厚生労働省としても評価していただくと、保育職に対する評価も高まってくるのではないかと思いましたため、発言させていただきました。

○駒村座長 長期の視点を持って種まきも重要ですよと。この分野の人材育成、長期的な視点からもという御発言だったと思います。

 ほかにいかがでしょうか。池田構成員、お願いします。

○池田構成員 感想みたいな話ですが、資格を持たない方に入っていただくということが、緊急としてはとても必要だと思うのですが、最終的には保育士資格を取っていく、その一つのステップとして入っていただくという視点は、質の確保を持っていく上で大事ではないかなという感想を持ちました。そうしないと、保育士さんの仕事がどれほど専門性があるのかどうかということも曖昧になっていくと思いますので、その辺はきちっと前面に出したほうがいいかなという感想を持ちました。

 その上で、もう一つ、幼稚園とか小学校の先生を活用していくということですが、現実的に学校の先生になりたい人が保育士さんになるのかという問題が多分あると思うのですね。そのつもりで養成課程に入っているわけですから。これもどこのどういう人を活用するかということで言うと、一つは、緊急的な措置として高齢者、定年退職した小学校の先生とか、そういう方が念頭に入るのかなと。若い人はなるべく将来的に保育士さんになっていく方向で、高齢者の方は、これからまた勉強してその資格を取るということはなかなかないかもしれないですが、そういう方が積極的に入っていくということで、年齢層によって人材確保の具体的な戦略が変わってくるのかなという感想を持ちました。

 もう一つは、第1回の検討会のときに少し議論になりましたが、非正規で働いている保育士さんの正社員化ということが人材の確保。先ほど出産退職、結婚退職の話がありましたが、有期契約で働き続けるということは、若い人にとっては非常に不安定ですので、離職防止ということで言うと、その辺は改めて強調してもいいポイントかなと思いました。

 以上です。

○駒村座長 これは事務局にも確認したいのですけれども、今の池田さんの御発言の2番目になるのかな、幼稚園教諭、小学校教諭の活用のところですが、これはどういう想定をしているのかということで、現に勤めている方に転職してくださいというのは余り考えられないかなと思うのですけれども、もう一方で、OBの方や、資格は持っていてもその仕事につけなかった、つかなかったという人もいるだろう。どういう人を想定しているのでしょうか。池田さんはそういうことの確認だったと思いますが、いかがでしょうか。

○朝川保育課長 幼稚園の教諭、小学校の教諭で念頭に置いているターゲットが特にあるかというと、そういうことではなくて、ここですごい量の方が保育所に入ってきていただくということをイメージして提案しているものではありませんで、どちらかというと現場で活用したいのに今、なかなか活用しづらいという状況になっていますから、活用できる道をつくることによって、現場の採用活動の幅を広げる。そういうことを幼稚園教諭、小学校教諭のところは主に念頭に置いています。なので、当然一回リタイアされた方でもいいと思っていますし、若い人、学卒の人でも、資格は取ったのだけれども小学校に勤めていないという方もいらっしゃいますので、両面よろしいのではないかなと思っています。

 あと、幼稚園教諭、小学校教諭に限らず、高齢者の活用については期待するところが大きくて、これは子育て支援員という形でも期待しております。今の高齢者は非常に元気でいらっしゃいまして、私は前職介護の関係をやっていましたが、介護の現場でも70歳、場合によっては80歳でもかなり高い活動量でホームヘルプ事業をやっているという方を多く目にしてきました。定義上は65歳ぐらいから高齢者ですけれども、今の高齢者は70代でも非常に元気な方が多いので、そういう方々が資格取得を目指していただいてもよろしいのではないかと思いますので、そういう方々にもぜひ入ってきていただけたらなと思います。

○駒村座長 筋力や知力は使わなければ落ちていくらしいですから、家で楽をしているとかえってよくないという意味もあって、あるいは年金の分野ですけれども、年金もだんだん厳しくなっていきますから、こういうところで活躍してもらうという余地はある。あとは知ってもらえるかどうか、あるいはチャンスがあるかどうかということで、そういうチャンスをつくっていこうと。ここで物すごい数の供給量というよりは、これから高齢化社会の中でこういうチャンスもありますよという意味合いがあるのだろうということだと思います。これをこの制度の中にどうしていくのか。緊急でやる部分と時限的にやる部分と、それからもう一工夫していく部分とあると思いますけれども、これは今後の検討課題かなと思います。

 いかがでしょうか。ほかにありますでしょうか。では、宮本委員、お願いします。

○宮本構成員 幼稚園教諭の活用についてなのですが、私、第1回目の会議のときに、幼稚園団体に配慮をしなければいけないということを申し上げたのですけれども、その後、幼稚園団体と幼稚園教諭を保育士と見做す措置をとると競合するのではないかというお話をさせていただきました。もともと養成校卒業者については保育士と幼稚園教諭の併有の方が多いので、現状と余り変わらないだろうと。潜在幼稚園教諭については競合する恐れはあるということでした。

 幼稚園側も潜在幼稚園教諭の活用はしたいのですが、潜在の幼稚園教諭には一つ課題がありまして、幼稚園の教諭の免許というのは更新制なので、働こうとしたときに免許が切れているという状況が発生しうる。そうなると、免許の更新のための費用の助成みたいなものがあると、ありがたいなと。これは厚労省だけでなく、文科省とあわせてやっていただけるようお願いしたい。

 それからもう一つ、保育士の確保のところでインターンシップの話も出ているのですが、養成校の先生などから、保育実習に行って保育士になるのを諦めてしまう学生が一定程度いるというお話を聞いています。それはもちろん御本人の問題もあるのだとは思いますけれども、受け入れる側の施設が実習生に対してどういうことを学んでほしいとか、どういこうことを伝えたいとか、また、そのためにどのようなプロセスを踏んだらよいのかということの共通認識ができないまま受け入れてしまう。結果として、実習生が希望を失ってしまうというようなこともあると聞いています。今年、日本保育協会さんが実習の受け入れのための研修会というのを開いたとお聞きしましたので、そういったものをぜひ国を挙げてやってほしいということも申し添えさせていただきます。

 これはお礼とお願いなのですけれども、5ページのところで、前回私が事業者については条件つきにさせてくれというお話をさせていただいて、それを入れていただいて、ありがたく思っております。

 留意事項の1つ目の○のところで「地域型保育事業や延長保育等においても同様の対応を行うこと」となっているのですが、地域型保育は、もともと保育士の数も非常に少ない業種です。地域型保育については、横浜市としては特例の適用はいかがなものかなと思っておりますので、その判断はぜひ自治体にお任せいただけるとありがたいなと思っています。

 以上です。

○駒村座長 そろそろ時間なので取りまとめにしたかったのですが、今のところは具体的にコメントがついた部分かと思います。まだ御発言がありますので、事務局のほうで今の部分をどう考えるか、整理しておいてください。

 先ほど井内さんからも手が挙がっていたかと思います。先にお願いいたします。

○井内構成員(代理 車谷次長) 1ページ目に書いてあります「保育士の就業継続支援」ですけれども、現場からお聞きするのは、今までの資料にも出ていますが、賃金、給料が低いということになります。今、規制を緩和して、資格がない方などに入っていただくときに重要になってくるのは、労働単価が低いと、どうしても長続きされないものですから、これまでもやっていただいている処遇改善をさらに拡充していただきたいということが一つです。基本部分についても、保育士さん以外の方が結構長く続けられるように、処遇を改善できるような対策をとっていただくと、自治体とすれば本当にありがたいと思います。

○駒村座長 保育士、それからここで検討されている方の処遇を向上してもらわないと困るというのは根本的な話で、労働市場が非常にタイトになってきている状況に負けないぐらい上げないと本当はいけない。予算の確保を早急にやってもらわなければいけないのですが、厚労省もすぐにということもない、なかなか難しいので、限定的にとりあえず需要のほうを少し緩めるのですが、とはいうものの、新しくお願いする人たちにもちゃんと処遇しなければいけませんよというところなのですが、この辺、最後の5ページに一応書いてあるのですけれども、もう少し頑張ってほしいと。つけ加えることができるかどうか。そういう意味では、時間的にもきょうの取りまとめで、文言はこれでよろしいか確認したいところなのですけれども。

 事務局、先ほどの宮本構成員からの御発言の地域型保育士、保育事業はちょっとどうかと。これは悩ましいところだというコメントがあったのですが、どうしましょうか。

○朝川保育課長 表現ぶりは皆様方にお任せするのですけれども、1と2と3に書いてあることを地域型保育に当てはめることは難しいところがあるというのは、おっしゃるとおりでございまして、例えば幼稚園教諭、小学校教諭のところは3~5歳とか5歳といっていますので、地域型保育は基本的に0~2歳の話なので、そもそも該当しないという話があったり、小規模保育のB型はもう既に2分の1まで保育士要件が緩和されている形なので、そこにさらにこれを適用するというのは何なのだろうという話もあります。さらに、家庭的保育などは、そもそも該当していませんので。なので、同様のといってみても、同様にできる範囲がかなり限られているというのは認識をしております。

 さらに、最終的に緩和措置をやるやらない、どのサービスについてやるやらないは、自治体の御判断になりますので、そのとおりでございます。

 宮本委員の御発言の中に、養成校に通っている人が実習に行って実習で諦めてしまうという問題は、私どもも結構聞いておりまして、来年度の概算要求の中で保育実習を指導する人に対する研修の経費も概算要求しています。年末がかなり近づいてきていますので、ちゃんとそれが確保できるように努めていきたいと思います。

○駒村座長 ほかはいかがでしょうか。伊原構成員、お願いいたします。

○伊原構成員 今、実際現場で資格を持っていなくて、資格取得を目指す方というのがうちの自治体の中にもいたので、ちょっとお話を聞いたところ、学びながら現場でケーススタディーを学べるということで、質が同時に上がっていって、そして資格を取るとさらに処遇も上がっていくということで、非常に有効だなということを考えていますけれども、先ほど今年度そういった方に対する資格取得の補助メニューみたいのがあるということをちょっとお聞きしたのですが、実際に対象としてはどういうところが対象になっているのかというのを教えていただきたい。

○朝川保育課長 個人が例えば通信の勉強をするときに支援をするという枠組みです。だから、どこかの保育所に補助するという枠組みではなくて。

○駒村座長 具体的な制度の名称とかあるのですか。

○朝川保育課長 きょうの資料には入っていないようなのですけれども、1回目の資料には入っているのですが、受講費支援ということで、30万円まで補助するという補助メニューを国の補助制度に設けたということで、まだ初年度なので御活用いただけていないところが多いという現状です。それは個人に補助する。

○伊原構成員 例えば市町村であっても申請すればいただけるような補助ということですか。

○朝川保育課長 国からの補助先が都道府県になっているので、多分市町村レベルにおりてきていないのだと思います。

○伊原構成員 わかりました。できれば次年度以降そういったものが市町村に対して出るようになると非常にありがたいなと思います。

○朝川保育課長 はい。

○駒村座長 ほかにいかがでしょうか。宮崎さん、お願いします。

○宮崎構成員 前回保育団体のヒアリングをやった中でいろんな御意見も出ていましたので、保育士確保の中で新規資格取得者の確保、就業継続支援、再就職、こういったことが出ていましたけれども、特に就業継続の中で殆どの団体から出てきていたのは、保育士の子供の優先入所、あとは関連施設への入所ということが出ていました。これについては、新制度の議論の中でも、優先入所項目の中に「保育士の子供」というので挙がっていましたが、待機児童が多い中でそれについて理解が得られるかというと、難しいものがあって、私どもの自治体ではなかなかできていない。それが基本的に確保できないと待機児童解消が進まないのだよというようなある程度啓発的なものを国のほうでもやっていただけると、優先項目に入れやすいのかなというのがあります。そこが各自治体でなかなか進んでいないのかなというのが実感としてあります。ですから、保育士の子供の優先入所というのが継続支援については重要だということが一つ。

 要件緩和については、今でも特例的に緩和しているわけですが、なかなか自治体が進んでやっていないという中では、都道府県という指導権限、認可権限があるところが納得してやらないと、進まないわけでして、慎重なのは、省令が改正されていない中でやられているというふうに考えておりますが、そういったところで、都道府県と意見を交換する中では、やはり無条件ではだめだよ、子育て支援員研修は必須だろうということがございましたので、それが今回大体条件として挙がっていますので、そこはしっかりやっていただければなと思っています。

 次に、幼稚園教諭、小学校教諭の活用というところでは、ある団体からも、一定の条件付きでという中に、複数の職員で保育する場合に限るということが出ていたのですが、現在3歳以上に限定して、幼稚園教諭の活用については検討されており、特に公立保育園の場合など、クラス編成ということが結構重視されているところでは、縦割りの異年齢保育が浸透していないので、3歳以上については一人担任が多く、実現がなかなか難しいかなと。複数担任をやっているところというのは、どちらかというと3歳未満が多くて、幼稚園教諭の活用は、逆にそちらのほうができる部分もあるということで、3歳以上に限定すると、やれる保育園が限られているかなというところが一つあります。

 あとは、保育士資格取得を促すという意味では、子育て支援員の資格を取って現場で経験された方が、ステップアップで保育士資格を取得するためにメリットとか、優先項目とか、試験の免除とか、そんなものを考えられているのかどうかももう一回聞いてみたいと思います。

 以上です。

○駒村座長 お願いできますでしょうか。

○朝川保育課長 1点目でおっしゃっていただいた保育士さんのお子さんを保育所に入れるときの優先入所の問題は、おっしゃるとおりでございまして、国も優先事項の一つとして掲げていますけれども、実際は市町村が判断しますので、市町村レベルで進んでいないかと思われます。

 今回、一億総活躍の緊急対策の中に「再就職支援」という項目があるのですが、その中には2つの項目を念頭に書いてありまして、1つは再就職準備金の支援みたいな話なのですけれども、もう一つは、今、まさにおっしゃった保育士さんが自分の子供を保育所に入所させて復帰する。そのときの保育料支援みたいなものも入れていこうと思っています。

 それの対策を講じる際には、保育士さんの子供が保育所に入ることによって、保育士さんが現場に戻れば、効果としては非常に大きいので、それは非常に有効なことであるということを改めて自治体の皆様方にも促す。そういうこともあわせてやっていきたいと考えております。

 あとは、一番最後のステップアップのメリットのところは、それに対応するものが今、具体的に何かあるかというと、思い浮かぶものがないのですけれども、いずれにしてもキャリアアップをしていく。まだ保育士資格を持っていない人からキャリアアップしていくということも非常に重要なところだと思っていますので、どういうメリットがつけられるかというのは、今後少し検討していきたいと思います。

 いかんせん、子育て支援員の場合は30時間ぐらいの研修なので、保育士の資格を取得するときのメリットに反映させるのがなかなか難しい側面もあるのですが、いずれにしても今後考えていきたいと思います。

○駒村座長 よろしいでしょうか。

 そろそろ時間も来ておりますので、最後の取りまとめに入りたいと思います。

 まず、これまでの検討会全般を通じて委員の皆様から御意見、感想があれば、その部分、最後のところでお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、きょう事務局に取りまとめいただいた「保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめ(案)」についてですが、本日いただいたご意見を踏まえた上で当検討会の取りまとめとしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○駒村座長 ありがとうございます。

 それでは、きょうの審議はこれまでとさせていただきたいと思います。

 構成員の皆様にはお忙しいところ、ありがとうございました。

 それでは、事務局より今後の予定についての説明をお願いいたします。

○朝川保育課長 構成員の皆様方、まことにありがとうございました。

 本日の取りまとめを受けまして、年度内に省令改正等、必要な対応を我々として行いまして、来年度に向けた保育所等における採用スケジュールにできる限り間に合うよう取り組みを進めていきたいと思っております。

 また、この保育士等確保対策検討会につきましては、まずはこういう緊急対策を御議論いただきましたけれども、保育士確保の問題は継続して重要な課題でございます。したがいまして、年明け以降も引き続き随時開催をさせていただきたいと思っております。今後の開催日時については、その折を見て改めてお知らせをさせていただきたいと思っております。

 取りまとめいただきまして、どうもありがとうございます。

○駒村座長 緊急対策に対する取りまとめは、きょう、これでということでございますが、引き続き今後の課題もまた検討する必要があるということだと思います。

 きょうの検討会はこれで閉会したいと思います。

 皆様、どうも出席いただきましてありがとうございました。


(了)

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