ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 情報政策担当参事官室が実施する検討会等> 保健医療情報標準化会議(第16回以前は医政局のページをご覧ください)> 第19回保健医療情報標準化会議議事録(2016年2月25日)




2016年2月25日 第19回保健医療情報標準化会議議事録

政策統括官付情報政策担当参事官室

○日時

平成28年2月25日(木)10:00~11:00


○場所

中央合同庁舎第5号館12階専用第14会議室


○出席者

出席者

上野 智明 (構成員) 大江 和彦 (座長) 大原 信 (構成員)
大道 道大 (構成員) 柏木 公一 (構成員) 北澤 成之 (構成員)
木村 通男 (構成員) 小泉 政幸 (構成員) 合地 明 (構成員)
近藤 克幸 (構成員) 澤 智博 (構成員) 田尻 泰典 (構成員)
中島 直樹 (構成員) 八木 春行 (構成員) 山上 浩志 (構成員)
山本 隆一 (構成員) 事務局等

○議題

(1)厚生労働省標準規格とすべき規格について
(2)その他

○議事

○大江座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第19回保健医療情報標準化会議」を開催させていただきます。

 構成員の皆様には、多忙なところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は「新たに厚生労働省において保健医療情報分野の標準規格として認めるべき規格」について、御議論いただくことになっております。

 まず、武田政策統括官からよろしくお願いいたします。

○武田統括官 政策統括官の武田でございます。

 本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず初めに、私のほうから一言御挨拶をさせていただければと思います。

 厚生労働省では、これまで医療機関などのシステムで活用されるICD10対応標準病名マスターを初めといたしまして、12の規格を厚生労働省標準規格として採択をし、関係者に幅広く周知するなど普及を図ってきたところでございます。

 その後、医療情報標準化推進協議会、いわゆるHELICS協議会におきまして、4件の規格についてHELICS標準に採択をされたということでございますので、これを受けてこれを厚生労働省標準規格として採択をするために、本日、御検討いただくことといたしまして、皆様にお集まりをいただいたということでございます。

 現在、地域医療連携ネットワークの整備など、医療機関間の情報の連携が進みつつありまして、これまでの厚生労働省標準規格が生かされつつある現状であると認識をしております。

 今後は、データの共有、収集、保存などの場面で有効な規格の標準化が必要と考えておりまして、本日検討いただく規格にもそうしたものが含まれていると聞いているところでございます。

 こうした規格は非常に重要なものと考えておりますので、本日の結果を踏まえ、厚生労働省標準規格として採択するとともに、現場に浸透していくよう、私どもといたしましても関係各方面への周知に努めてまいりたいと考えてございます。

 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

○大江座長 それでは、冒頭の頭撮りはここまでとなっているとのことでございます。

 事務局から、委員の交代と資料の確認についてお願いします。

○佐藤補佐 事務局でございます。よろしくお願いいたします。

 事務局から、委員の交代について説明をさせていただきます。資料確認前ではございますが、お手元の資料の3枚目でございます。こちらに開催要領と、裏面に構成員名簿がございます。こちらで、今回より、柏木構成員、北澤構成員、小泉構成員、合地構成員、澤構成員、田尻構成員、八木構成員、山上構成員の皆様に御就任いただいておりますので、よろしくお願いいたします。

 本日、近藤先生でございますが、30分程度おくれるということで連絡をいただいております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。

 お戻りいただきまして、資料の1枚目、議事次第でございます。

 続きまして、座席表を入れさせていただいています。

 先ほど見ていただきました、参考としまして、開催要領でございます。

 資料1としまして、HELICS標準のこれまでの採択状況でございます。

 資料2として、9枚物ですけれども、本日、御提案いただく4つの規格についてまとめてとじさせていただいたものになります。

 最後になりますけれども、資料3として、皆様から提言をいただく提言案でございます。

 以上、資料等に過不足等があればお申し出いただければと思います。

 また、本日ですけれども、公開の会議となっておりますので、本日の資料または議事録につきましては、ホームページに掲載することになります。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○大江座長 何かございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議論に入りたいと思います。

 厚生労働省標準規格とすべき規格についてですけれども、前回の会議から新たにHELICS標準化指針に採択された規格がございますので、まず、山本構成員から、この各規格について御説明をお願いしたいと思いますが、4件ありますので、1つずつ説明をいただいて、議論をする、採決をするという形で個別に4件を進めたいと思います。よろしくお願いします。

○山本構成員 資料2-1から始めたいと思います。

HS024、「看護実践用語標準マスター」、英語名がStandard Terminology for Nursing Observation and Actionとなっております。

 これはHELICSのほうにHELICS推奨標準として申請がございまして、HELICSでは、まず、これを理事会でこれを審査するかどうかということを決めて、審査すると決まった場合に標準化委員会でその審査委員会の設置をいたします。このHS024に関しましては、審査委員長を美代賢吾先生にお願いして審査をいただきました。

 審査の過程ですが、幾つか審査委員会で質疑がございまして、大きく分けて10点ほど指摘がございました。それに対して、提出元のMEDISのほうから対応案が出されまして、全て対応しているということで、審査委員会で了承を得ることができました。

 審査委員会が終わりますと、これは標準化委員会で審査委員会の結果を了とするか決めるわけですけれども、私はこの提出もとの理事長をしていますので審査からは外れまして、大原先生に審査委員長をお願いして、標準化委員会で審査をしたところ、審査委員会の報告を了とするということで、理事会、総会にかけてHELICSの標準と決まっております。

 この看護実践用語標準マスターは、電子化された看護記録あるいは温度版等で用いることを前提としたもので、これまでNANDAが看護診断の用語としては使われていたのですけれども、必ずしも電子化、診療情報用ではないことと、若干アップデートが遅いというのが目立ってきておりますので、最近、看護実践用語標準マスターをお使いになる病院も相当程度ふえてきております。

 著作権は厚生労働省にございまして、医療機関は無償でMEDISのホームページからダウンロードできます。医療機関以外については、使用許諾申請をいただくことにしております。

 説明は以上です。

○大江座長 ありがとうございました。

 では、この規格につきまして、厚生労働省標準規格とするかどうかについての御意見あるいは今の御説明に対する御質問などがあれば、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 中島構成員、どうぞ。

○中島構成員 この分野といいますか、看護分野の言葉はなるべく早く標準化しないといけないと思っていますし、これに賛成なのですが、確認ですけれども、NANDAとかNIC-NOCがありますが、やはり大変だからこそ相当アップデートに時間がかかったり人手がかかっているわけです。これをまた独自にやるとすると、やはり相当人手がかかるだろうと思うのですけれども、むしろNANDAとかNIC-NOCとの連携があるのかどうか。逆に、NANDASNOMEDなどとの連携もありますので、そこを利用するのも一つの手かなというのは感じるのですけれども、そもそも今の状態では連携はあるのでしょうか。

○山本構成員 全く意識しないわけではないですけれども、例えば、対応表をつくる等の連携は今のところはしておりません。

 メンテナンス体制ですけれども、これは最初のマスターができてから数年がたっておりまして、最低でも年に1度は改定をしておりますし、体制等はこれから維持していく点では問題ないと考えております。

NANDAはやはり看護診断でして、現場での看護行為等を日本の制度に基づいて記録していくのではやはり不十分な点がございますし、要するに、ほかのターミノロジーとの間の相関をとっていくという点では、これは審査委員会でも指摘されておりまして、リードタームをきちんと定義した上で、それは別のテーブルとして今後準備していくという方針にしております。

○中島構成員 わかりました。

 1つだけ危惧するのは、ガラパゴス化をしないようにする必要はどこかであると思うので、今、最後に言われたような、何らかのテーブルを是非つくっていただくということでよろしくお願いします。

○大江座長 よろしいでしょうか。

 柏木構成員、どうぞ。

○柏木構成員 その件に関しては、今、山本先生のおっしゃったとおりですが、海外でNANDAというものがありまして、日本でもそれがかなり使われている状況ではあるのですが、十分に使いこなせるかということについてはまだ議論がありまして、ちゃんと評価が定まっていないところもあるように思います。

 また、この看護用語に関しましては、実際に日本での介護計画とか経過表とか熱型表、日本の特徴のあるアプリケーションで実際に使われているものとして、用途が若干NANDAの看護診断とやや違うところもありまして、日本で十分に普及がされていますし、また、開発が始まってから年数がたっておりますし、十分な更新の頻度とかもあると思っておりますので、今後、NANDAとかNICとかNOCとかの対応は必要になるかもしれませんが、今のところ、日本で看護計画や温度版といった用途にはとても適している用語集だと思っております。

 以上です。

○大江座長 ありがとうございました。

 よろしいですか。

 澤構成員、どうぞ。

○澤構成員 看護領域の中での国際的な用語という言葉がよく出てきたと思うのですけれども、特にバイタルのコーディングですとか、イン、アウトなどはメディカルでも使いますので、そことの連携、あとはメディカル版の国際的な連携も重要視していただきたいと思います。

○大江座長 これはどなたかに御説明いただいたほうがいいですか。

 山本構成員、お願いします。

○山本構成員 おっしゃるとおりですけれども、イン、アウト等というのは、かなりプロセスに関係するところで、現状、医療におけるプロセスに関するマスターが、我が国にはベーシック・アウトカム・マスターができてきておりますけれども、まだ世界的には不十分で、それが十分に開発された折には、それに対する対応が必ず必要になるだろうと理解しております。

 今の問題になっているマスターは、日本で試作されているベーシック・アウトカム・マスターとは連携をとりつつ、その用語として採用していただいて、こちらにもそのフィードバックをするという体制にはなっております。

○大江座長 よろしいでしょうか。

 ほかには、何か御質問、御意見はございますか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、ただいま出た御意見は、1つは国際的な既存の規格との連携を今後も検討していただくこと、特にメディカル、医療の分野の観察項目などとマスターが今はまだ余り整備されていないようですが、整備されてくるのであれば、それとの接続性も検討いただくというメンテナンスを考慮していっていただきたいということの要望、御意見が出たことを記録にとどめるということではないかと思います。

 ほかに何かございますか。

 貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。

 基本的には肯定的な御意見ということで、特に否定的な御意見はなかったと理解しましたけれども、それをもとに本規格を厚生労働省の標準規格として認めてよろしいでしょうか。

(委員首肯)

○大江座長 ありがとうございます。

 それでは、お認めいただいたということにいたします。

 次の規格の御説明を、山本構成員、お願いいたします。

○山本構成員 資料2-2をごらんください。

HS022、「JAHIS処方データ交換規約」ということで、これは一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)から申請のあった標準案でございます。

 これは、医療施設内における病院情報システムと部門システム間で発生する処方情報、患者情報の交換のための、HL7 Ver2.xに基づいて開発されたデータ交換規約であります。

HELICSのほうでは、東京大学の野口先生を審査委員長として審査をしていただきました。

 若干のコメントがございましたけれども、主に用語の問題で、基本的にはアメリカが中心になって作成しているHL7 Ver2.5を日本語のドキュメントにする中で、若干用語が不安定なところがあるという指摘をいただいております。

 ただ、これはこの規格だけではなくて、既に厚生労働省推奨標準になっているような他のJAHISの交換規約にも見られることで、JAHISのほうで定期的に見直しをされていますので、その際に用語のブラッシュアップをしていただくということで、HELICSの審査委員会としては了承をしております。

 審査委員会で気づいたターミノロジーの揺れに関しましては、全てJAHISにお伝えをしています。

 ただ、ターミノロジーの揺れはあるものの、規格として、実装上、大きなそごはないということで、審査委員会から了とするという御報告をいただいております。それに従いまして標準化委員会でもその結果を了として、理事会、総会にかけて、HELICS推奨標準に認められております。

 御説明は以上でございます。

○大江座長 ありがとうございました。

 それでは、この規格について、御意見、御質問がございましたらお願いします。いかがでしょうか。厚生労働省標準規格とするかについても、何か御意見がございましたらお願いします。

○山本構成員 先ほど申し忘れましたけれども、この著作権はJAHISにございまして、価格は無償でダウンロードできて使用できることになっております。

○武田統括官 これは知的所有権が「なし」は間違いではないですか。著作権があるのだったら、知的所有権が「なし」は変ですね。

○大江座長 著作権があるのだからね。

○山本構成員 知的所有権は複雑といいますか。

○武田統括官 これは資料の間違いではないかな。

○山本構成員 もとになっているHL7の規格は、知的所有権を放棄しているのですかね。

○木村構成員 半年たったら全員手に入れることができる。だから、既に2.52.6はとっくにその期間は済んでいるので、英語版はまず大丈夫です。

 だから、HL7インターナショナルが持っていますが、自由にダウンロードが可能になっております。

○大江座長 これは著作権があるということは、知的所有権はそこにあるということですか。

○山本構成員 だから、「なし」というのはおかしいですね。

○大江座長 この「なし」の部分だけ削除いただくということでよろしいでしょうか。その上に「無償」とありますので、無償で利用ができるということですね。

 それでは、特段否定的な意見もございませんので、本規格を厚生労働省標準規格として認めて差し支えないでしょうか。

(委員首肯)

○大江座長 ありがとうございます。

 それでは、この規格については、厚生労働省標準規格に採用するということで、承認されたとみなします。

 引き続き、3つ目の規格について、山本構成員、御説明をお願いします。

○山本構成員 資料2-3をごらんください。

 これは、一般社団法人日本医療情報学会から申請のあった標準規格で「SS-MIX2ストレージ仕様書及び構築ガイドライン」という名称でございます。

 これは、HELICSのほうでは審査委員長は私が務めまして審査をいたしました。

 その中で、若干言葉の問題等で指摘がございましたけれども、規格として大きな問題は指摘されておりませんでした。

 ただ、少し気になる点は、このSS-MIX2自体には全く問題がないのですけれども、これを実装して応用するときの幾つかの特許がございます。

 標準自身には何の問題もなくて、このまま素直に実装する分には何の問題もないのですけれども、これを病院情報システムや地域医療連携システム等に組み込むときには若干の注意が必要であることを、これの説明文書であるHELICSレポートに1行を追加しております。この中には9ページ目に知的所有権の項を設けまして、これ自体に知的所有権の問題があるわけではないのですけれども、実装において若干の注意が必要であるという記載をしております。

 実際、実装されているのはもっと多いと思うのですけれども、少なくとも一部が使われている医療機関が800を超えていますし、十分にHELICS推奨標準としての資格はあるということで認定をいたしております。

 説明は以上でございます。

○大江座長 ありがとうございます。

 それでは、この規格につきまして、厚生労働省標準として採用するかどうかに関する御意見あるいは説明に対する御質問があればお願いいたします。

 中島構成員、どうぞ。

○中島構成員 確認なのですが、これは厚生労働省標準になった後も、もちろんバージョンアップをそれぞれの規格はするわけですね。私はこのSS-MIX2SS-MIXから2にバージョンアップしたと思っていたのですが、これはSS-MIX3となったらまた違う規格となるわけですか。つまり、ここに「2」を入れると、2から3へのバージョンアップに対応できないような気がするのですが、それはいかがですか。2の中だけでどんどんバージョンアップするということになるのですか。

○山本構成員 いかがでしょうか。

○大江座長 木村構成員、御説明いただけますか。

○木村構成員 確かに「2」がついて違うものになったのかという誤解が広まったのですけれども、HL7のバージョンを確定したり、タグをつけられるようになったりという意味で、そのほかにも大江先生を中心に非常にたくさんの御努力をいただいたわけなのですけれども、そうではないのです。

 ですから、3とは、何となくそういうものかなという気がしていて、現実に今もJAHISJAMIの部会の中では、各種文書をどうするかという詳細が定まりつつあって、それはバージョンというよりも、例えば、HL7ではやはり2.52.6というマイナーなものになるのではないかと。

 結構もともとの構造自体はかなり普遍的というか、5年や10年で移ろうような構造はしていないので、それはないのではないかなと。

○中島構成員 質問は「SS-MIX2ストレージ」で「2」を外してもいいのではないかなと。つまり、SS-MIX3が出たときも、これはSS-MIXとして厚生労働省標準と呼んでいいのではないかなと思うのですが、このままだったら3に上がったときにもう一回審査しないといけないようになる感じがするのです。それだけの話です。

○山本構成員 HELICS推奨標準としては、SS-MIXからSS-MIX2に変わったというのは、拡張はストレージの部分で少し明確になったところがありますし、そういう意味では、これはSS-MIXHELICS推奨標準になっていなかったのですけれども、2として新たに審査をすることで問題はないと思うのです。

 ただし、その場合、次の規格のところで説明いたしますけれども、審査自体はかなり簡略化されますが、使う側にとって一定の変化がある場合は、妥当性等をもう一回審査する体制になっていますので、厚生労働省標準規格としてどうなるのかはちょっとわかりませんけれども、HELICSとしては、これはSS-MIX2としてお認めしたということでいいのではないかと考えています。

○木村構成員 私もそれで異存はないです。既に2で広まっておりますし、いかにも3がすぐに来るという印象はないかなという気がします。

○大江座長 厚生労働省標準として規格を採択するときの過去の議論においても、バージョンに関する数字を入れるか入れないかは議論したことがあったように思いまして、規格そのものによっていろいろと位置づけは違うだろうということが議論されたように思います。

 それから、数字を含めて規格と考えるかどうかは、バージョンが大きく変わるとやはり別規格と考えたほうがいいという考え方をとる構成員もおられて、それぞれの規格ごとに検討されたと思いますが、今回はSS-MIX2で、これはバージョン2という意味なのか、少し違う規格という意味なのか、微妙なことだろうと思いますので、SS-MIX2という規格としてHELICSとしては認めて、ここで議論していただいているということだと思います。よろしいでしょうか。

 ほかに御意見とか御質問はございますでしょうか。

 それでは、特段否定的な御意見もないことから、本規格も厚生労働省の標準規格として認めてよろしいでしょうか。

(委員首肯)

○大江座長 ありがとうございました。

 それでは、4つ目の規格についても御説明をお願いいたします。

○山本構成員 資料2-4をごらんください。

 これはHS025で、日本IHE協会から申請のあった「地域医療連携における情報連携基盤技術仕様(版数2.0)」とございます。英語名等はそのとおりでございまして、これは基本的にはIHEインターナショナルのIHE ITIという大きなフレームワークがあるのですけれども、この中から地域医療連携システムの構築に必要な要素を抜き出して、それを我が国への適合性を考慮して規格にしていただいたものでございます。

 先ほど少し版数のことを申し上げましたけれども、資料1の1枚紙に、四角で囲んだところがHS023というものが抜けているのです。このHS023が実は版数1.2のこの規格でございました。

 それで、新たに審議をするかどうかというのは、要するに、023のままでバージョンアップとみなすかどうかということが議論されたのですけれども、前のバージョンと今回のバージョンは、扱う情報が、例えば、XCAで画像が入ったりなどで実装する側から見るとかなり大きな違いになる。規格自体がそんなに大きく変わっているわけではないのですが、実装する側から見ると大きな違いになるということがございましたので、新たな標準規格としてHELICSでは審査をいたしました。

 これは前のHS023の審査委員長が星本先生だったのですけれども、これは影響範囲はかなり大きいのですが、規格自体が余り大きな変化がないため、審査委員会を開催せずに標準化委員会で直接審査をするとしてこの審査を進めてまいりました。

 今回追加された仕様で、要するに、地域医療連携同士の間で画像がちゃんと交換できるとか、そういう意味では非常に有用性が高まって、それ以外の規格も前回から齟齬がないということで、これを標準として認めさせていただいた次第でございます。

 ちなみにこのXCAの中には、マスター・ペイシャント・インデックスとか、グローバルIDというものが出てきまして、これは厚生労働省を中心に検討されている医療等IDとも大きく関係するところで、これを早期にいろいろなベンダーさんあるいは地域医療連携をやっている方々に知っていただいて、将来の実装に備えていただくという意味では、非常に意味があると考えております。

 説明は以上です。

○大江座長 ありがとうございました。

 そうしますと、今回は版数の数字も入れた形で審議をやらせていただくということでよろしいわけですね。

 山本構成員。

○山本構成員 実はHS023はもう欠番にして完全に置きかえましたので、このHS025で版数を入れて審議をしていただいていくかは微妙な問題ですので、これはこの標準化会議のほうで決めていただければと思います。

 厚生労働省標準としては、この版数を外すことは、私は問題ないと考えております。

○大江座長 版数を外しても問題はないと御説明いただくということですね。

○山本構成員 はい。

○大江座長 わかりました。では、それを前提にして御議論をお願いします。

 中島構成員。

○中島構成員 版数を入れてしまうと、2.1にしたらまた違うということになってしまうので、先ほどの議論と同じで、やはり外したほうがいいのかなと思います。

 場合によっては、先ほどのSS-MIXと同じように、2とか3とかを入れると、これは版数ではないということで、その中で版はまた別につけていったほうがいいのかなと思います。

○大江座長 ありがとうございます。

 そうしますと、HELICSの指針としてはこういう名称になっていますが、ここで御議論いただくのは(版数2.0)の部分は削除した形の名称で採択するかどうかを議論するということでお願いいたします。

 いかがでしょうか。それを前提に、御意見、御質問がございますでしょうか。

 どうぞ、木村構成員。

○木村構成員 具体的に言うと、これはXCAがありになっていますが、まさにXCPDCross-Community Patient Discoveryとかというのは、多分早急に使うようになって、それが違うから違うのだというのは多分やりにくい。だから、そのようにされるのがよろしいかと思います。

 ついでに言うと、英文のところは、エクセルの欄が狭くてCTでとまっていますが、ATNAXCA-Iもですね。

○山本構成員 そうですね。

○大江座長 今の御指摘はどこですか。

○木村構成員 申請書の長い和文と長い英文がありますね。和文はPIXから始まって、CTATNAXCA-Iまでいって、英文のほうがCTでとまっているように見えますが、これはエクセルの欄で切れているのと違いますかね。

○大江座長 規格の英文というところで、ずらっと規格書が並んでいる最後のところが、2行足りないということですね。

 和文のほうはConsistent Timeの次に2行まだあるわけですが、英文のほうがその2行が見えていないということで、これはちょっと欄を下に下げた形で確認をする。

 では、それを前提に御議論ください。

 私から質問ですが、この規格書は日本語の文書になっているのか、それとも英語の文書なのかというのはどこで確認ができますか。

○山本構成員 実際に見ていただかないと確認できないのですけれども、日本語になっております。

○大江座長 日本語のドキュメントになっている。

○山本構成員 はい。

○大江座長 ありがとうございます。

 ほかに何かございますか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、特段否定的な御意見もございませんし、非常に大きな規格ではありますけれども、版数の部分の表記を外した形で、本規格を厚生労働省標準規格としてお認めしてよろしいでしょうか。

(委員首肯)

○大江座長 ありがとうございます。

 それでは、本規格についても、厚生労働省標準規格として認めるということで御承認いいただいたことといたします。

 それでは、これで新たにHELICS指針に採択された4本の規格について、厚生労働省標準規格として認めてもよいということになりました。そこで、資料3が事務局より用意されておりますが、資料3のとおり、本会議として提言するということでよろしいでしょうか。文言の確認をお願いいたします。

○山本構成員 このHS025は「V2.0」を消した状態で。

○大江座長 そうですね。4つ並んでいる部分の3つ目のHS025の末尾にある「V2.0」という部分を削除して「技術仕様」というところでとめるということでよろしいでしょうか。

 そのほか、何かお気づきの点はございますか。

 そうしますと、その後ろの真ん中ら辺にある※印の名称は、若干異なるケースとなりますけれども、事務局、これはどのようにいたしましょうか。

○佐々木参事官 削除してもよろしいのではないでしょうか。

○大江座長 これ自体を削除するということですね。

○佐々木参事官 ※自体を削除すればよろしいかと。

○大江座長 では、この※がついているコメントを削除することにしたいと思います。

 そのほか、何かお気づきの点はございますか。

 よろしいでしょうか。

(委員首肯)

○大江座長 それでは、承認されたものといたします。ありがとうございました。

 それでは、ほかに現在HELICS協議会で審議中の規格や今後HELICS協議会に申請が予定されている規格について、何か情報があれば、山本構成員、お願いいたします。

○山本構成員 現在、既に審議に入っている規格はございません。

 ただ、標準化委員会を定期的に開いていて、その中でHELICSとして望ましい標準が常に案として出ていますけれども、その中で処方に関する用法マスターがHELICS標準ではないということで、これから処方箋の電子化を進めていく中で、何とかHELICS推奨標準にしたいというのと、以前から現場でなくて非常に困っているのだけれども難しいものとして、アレルギー情報の標準、その2つが常に議論にはなっております。

 これは日本医療情報学会のほうで御検討中と聞いておりますけれども、それがHELICSとしては話題になっております。

○大江座長 ありがとうございます。

 上野構成員、どうぞ。

○上野構成員 今、処方の用法マスターのことでお話がありましたけれども、今回のHS022の処方データ交換規約は、JAMIの標準用法マスターということで今はなっていますけれども、ここは質問しようと思っていたのですが、要は、新しいマスターが出てくれば、関連するものとしてまた更新がされるという期待でよろしいのですね。

○山本構成員 HS022で既に引用されているので、できれば用法マスターは早期にHELICS推奨標準になればいいなと期待をしています。

○大江座長 ちょっと座長の立場を離れて日本医療情報学会の標準策定部会の担当の立場で御説明をさせていただきたいのですが、今、話題に出ました標準用法マスターは、これまで、1日に例えば3回とか、そういう1日の中の用法のマスターは既にでき上がっていて標準となっているわけですけれども、例えば、1日置きに飲むとか、水曜日にだけ飲むという、スケジュール用法という種類の表現方法とか、飲む量が飲むたびに変わる、例えば、1日に朝は1錠、昼は3錠という記述の仕方を表現できるように拡張する。それから、注射とか、在宅での用法についても拡張するという形で、新たに従来の標準用法マスターを拡張した新しい規格というものを、先日、1月でしたか、日本医療情報学会の標準として認められて公表されていまして、日本医療情報学会の標準にはなっている状況ですので、今後、これをHELICSに医療情報学会として上げて申請をいただくことになるというスケジュールだと聞いています。

 それから、アレルギーなどについては、大原先生、何か情報をお持ちであればお願いします。

○大原構成員 HELICS委員会の議論を受けて、医療情報学会の標準化委員会という場で、3年前から検討しております。

 ただ、御存じのように、アレルギーは非常に分野が広いので、まず、口から入る食材に特化をして、その材料と現実的には加工法とか抽出によって実際にアレルギー症状が出ることもございますので、そこまでは少し拡張した形で、現在、標準化委員会案を食材のアレルギーということに絞りましてコード案を作成しました。

 昨年の医療情報学会において標準化委員会の名前で発表させていただきまして、今後は、標準策定部会と共同して、より詰めていく。

 現在はそういう状況でございます。

○大江座長 ありがとうございました。

 ただいまの2点の説明について、何か御質問とかはございますでしょうか。

 そのほか、何か構成員の方々から標準化に関してコメントとか御質問がありましたらお願いいたします。

 木村構成員、どうぞ。

○木村構成員 XDSシリーズが認められて、例えば、XDSでどうまとめておくか。例えば、HL7のメッセージ、処方や検査結果は、一つ一つのメッセージはコードとともに既にあるのですけれども、それは一個一個ファイルで送るのか、まとめて送るのか、紹介状があるときにどうまとめるのかという情報は、実はXDSは持っていない。

 もう一つの連携のためのものは、HS009、可搬型医用画像及びその運用指針、いわゆるPDIですけれども、このPDIは実はSS-MIX事業、静岡県版からSS-MIX事業になったときに、今でもSS-MIXコンソーシアムで紹介状をつくるソフトは無償で提供されていますが、それで実はPDIの構造そのものを使っている。

 要は、PDIを可搬型医用画像のプロファイルを画像なしで使ってももちろんいいのですし、それはこちらのHS009の申請のときにも意識してはありますが、はっきり明言はしていないので、どこに置く、どう置くというのは決まっておるのですが、これはHELICSレポートの形で、要するに、画像なしでこのプロファイルを使うことは問題ないというのも、証明するにしても、紹介状とともに送るにしても、ばらばらなのか、どういうディレクトリー構造に置くかというのは、受け手の側にとって混乱があってはいけませんので、そういうレポートを用意している。

 ちなみに、申請は実はJAMIから出ていて、IHE協会は当時は会員ではなかったものですからJAMIからお願いしたのですけれども、今はIHE協会もメンバーではありますので、そういう準備が進んでいることを御報告します。

○大江座長 ありがとうございました。

 そうしますと、現在のHS009の名称は少し変わるかもしれない。

○木村構成員 これはそうですね。「可搬」というのも「連携」みたいな感じになる。それは、もちろん今度はIHE協会の側でJAMIさんと手をとって考えております。

○大江座長 規格としては変わらないということだと、今、御報告がありました。

 ほかに何かございますでしょうか。

 中島構成員。

○中島構成員 2つあるのですが、1つ目は、JAHISの電子お薬手帳の規格があると思うのですが、今、世の中で結構それに準拠している業者と全く関係なしにやっているところもあったりして、これは全く標準規格としてはまだ申請されていないのかなと思うのですが、今、パーソナル・ヘルス・レコード、PHRに、そういうお薬手帳情報といいますか、薬の最終的には調剤情報を患者さんに渡すということが進んでいるのですが、早目に標準規格にしたほうがいいのではないかなと思うのですが、それはいかがでしょうか。JAHISさんが今日は来ておられますし。

○大江座長 これは、JAHISの八木構成員からお願いします。

○八木構成員 お薬手帳の規格は技術文書だった記憶がございまして、まだJAHIS標準としてなっていなかったと思いますので、まだHELICSに上げるまでにはブラッシュアップができていないという認識がございまして、もうちょっと時間をかけてブラッシュアップしたいと思います。

○中島構成員 わかりました。

 ただ、早目のほうがいいかなと。

○八木構成員 おっしゃるとおりです。

○大江座長 今のは、お薬手帳のバーコードの規格ですか。

○山本構成員 今のJAHISの規格は、紙のお薬手帳をそのまま写すだけで、そういう意味では、余り標準とするほどのものではないと思うのです。

○八木構成員 まだレベルは低いと思います。

○山本構成員 むしろ、今回、処方箋の電子化のところで、処方情報であるとか調剤情報の様式がある程度決まってきていますので、その調剤情報から導出できるようなお薬手帳の規格にしておいたほうが、これから先、汎用性が非常に大きくなおかつ拡張性もあると思うのです。

○中島構成員 ぜひ調剤情報を患者さんに渡すだけではなくて、もともとの病院、クリニックに戻すことを。

○山本構成員 そのための規格ですけれども、それをお薬手帳にも使うほうがいいのではないかと思うので、余りバーコードにこだわると応用範囲が狭いものになってしまう可能性があると思います。

○中島構成員 ただ、急いでいただければと思います。

○大江座長 よろしいでしょうか。

 情報共有ということで、ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 中島構成員。

○中島構成員 もう一つあるのですが、医療と介護の連携が非常に重要な時代になっているというか、特に地域包括ケアが打ち出されました。

 ただ、医療と介護の連携の問題は、よく言われるのは言葉の違いが大きいということがあって、なかなか医療で使っている言葉を介護で理解しない、介護で使っている言葉が医療で正確に理解できていないということがあって、ここは特に標準化が介護側でも必要ではないかと思うのです。

 特に、介護側でやるときにも、地域包括ケアなどの地域連携などで医療と連携するときにも必要なので、提案なのですけれども、この会議の下にワーキンググループをつくって、かなり大きな仕事なので、まず一つは、介護側の整理と、これはロードマップをつくってきちんと整理して、早く、今、進んでいる地域、包括ケアなどにも対応できるようにしたほうがいいのではないかなと思っていますが、いかがでしょうか。

○大江座長 貴重な御意見をありがとうございます。

 何かこういう形で、今後、必要なテーマを検討するかどうかの下準備をする組織をつくってやれるかどうかということについて、事務局のほうから何か御説明はありますか。

○佐藤補佐 ありがとうございます。

 今、御指摘いただいた点については、こちらとしましても若干考えるところはございますので、これは大江座長と御相談させていただいた上で、その状況について皆様に御報告しつつ、設置も含めて準備をする形で進めさせていただきたいと考えております。

○大江座長 中島構成員、よろしいでしょうか。

○中島構成員 よろしくお願いします。

○大江座長 ありがとうございます。

 ほかに何か御意見とか、こういう領域はもう少し必要になってきているから考えたほうがいいのではないかということがあれば。

 大原構成員、どうぞ。

○大原構成員 私が言うのもなんですが、臨床検査マスターは既に採択されているのですが、実際、学会レベルだと、中島先生などが中心にやられている疾患データセットという、いわゆるセット物みたいなものを5つぐらいの学会で共通で使うということが現実的には広まってきています。そういったものもある程度オーソライズするような場があっていいのではないか。

 だから、この会議が、規格を決めるということに今はなっていますけれども、もう少しそういうところまで広げても、現実的に臨床とか地域連携の分野ではより有用性が高まるのではないかと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。

○大江座長 ありがとうございます。

 では、この辺についても、事務局のほうで今後の検討の仕方をどのように考えるか。また検討いただいた上で次回以降に御報告いただけたらと思います。

 ほかにはございますか。

 ありがとうございました。

 最後に、今後のスケジュールなどについて、事務局から説明をお願いいたします。

○佐々木参事官 貴重な御意見をさまざまにいただきまして、ありがとうございます。

 まず、資料3にございますとおり、先ほどのHS025の「V2.0」というところは落としますけれども、本日御議論いただきました4つの規格につきまして、厚生労働省標準規格として追加することといたしまして、私どもは各ベンダーさんですとか、あるいは地方公共団体等関係方面に通知という形で、できるだけ速やかに発出させていただきまして、標準規格等の普及を図っていきたいと考えております。

 その他、関連いたしまして、さまざまな御意見をいただきましたので、先ほど申し上げましたように、介護の話ですとか、臨床検査マスターの話等々につきましても、少し考え方を整理して、また改めて座長とも御相談の上、構成員の方々にお諮りをしたいと思っております。

 以上でございます。

○大江座長 よろしいでしょうか。

 何か特別に御発言はございますか。

 ありませんでしたら、これで終了したいと思います。本日は熱心な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。

 これをもちまして、本日の会議を終了いたします。


(了)
<照会先>

政策統括官付情報政策担当参事官室
標準化推進係長 中澤(内線7672)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 情報政策担当参事官室が実施する検討会等> 保健医療情報標準化会議(第16回以前は医政局のページをご覧ください)> 第19回保健医療情報標準化会議議事録(2016年2月25日)

ページの先頭へ戻る