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2016年1月21日 第38回先進医療技術審査部会
第38回先進医療技術審査部会
(1) 日時:平成28年1月21日(木)16:00~17:45
(2) 場所:中央合同庁舎第5号館共用第8会議室
(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員
伊藤構成員、上村構成員、柴田構成員、関原構成員、
田島構成員、田代構成員、手良向構成員、直江構成員、
藤原構成員、松山構成員、山中構成員
(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 再生医療等研究推進室長補佐
医政局研究開発振興課 先進医療係長
議 題
1.新規申請技術の評価結果について
2.試験実施計画の変更について
3.協力医療機関の追加について
4.先進医療の取り下げについて
5.先進医療会議の審査結果等について
6.その他
議事録
○猿田座長 それでは、第38回の「先進医療技術審査部会」を始めさせていただきます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ、また寒いところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。本日の構成員の出欠状況ですが、本日は、佐藤構成員、大門構成員、山本構成員から欠席の連絡を頂いております。18名の構成員のうち、15名の構成員にお集まりいただいているということで、本会議は成立ということをお知らせいたします。
それでは、事務局から配布資料の確認、その他をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 配布資料について確認させていただきます。「議事次第」から始まり「座席表」「開催要綱及び運営細則」「構成員及び技術員名簿」と続きます。次に「新規申請技術の評価結果について」として、資料1-1~資料1-9。「試験実施計画の変更について」として、資料2-1~資料2-9。「協力医療機関の追加について」として、資料3-1~資料3-4。「協力医療機関の取り下げについて」として、資料4-1及び資料4-2。「先進医療合同会議の審査結果について」として、資料5-1及び資料5-2。「先進医療会議の審査結果について」として、資料5-3。「平成27年度先進医療技術の実績報告等について」として、資料5-4。「先進医療技術の保険導入等について」として、資料5-5。「粒子線の取扱いについて(抜粋)」として、資料5-6。「暫定的に先進医療Aとして実施している技術の取扱いについて」として、資料5-7があります。会議資料の最終ページは280となります。
また、構成員の先生方のお手元にA4の一枚紙の机上配布資料をお付けしております。本日の資料は以上です。乱丁・落丁等がありましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
それから、利益相反についてです。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品及び医療機器の企業等について資料1-1、15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業等に関して事前に確認をさせていただいております。今回は新規申請技術である整理番号54の技術につき、直江構成員から1件、500万円以下の届出がありましたので、運営細則第4条の3の規定に基づき、整理番号54の技術に対する検討には加わることができるが、議事の取りまとめ及び事前評価には加わらないことといたします。
その他はいずれの構成員からも事前に届出を頂いた中で、運営細則第4条に定められた基準に係るものはありませんでした。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御申告をお願い申し上げます。なしということで承ります。
また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言される方は会議資料の某ページ、又はタブレットの某ページとあらかじめ御発言を頂きますと、議事の進行上、助かりますのでよろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長 先生方よろしいでしょうか。それでは早速、議事に入りたいと思います。まず「新規申請技術の評価結果について」、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 なお、撮影されている傍聴者がおられましたら、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
では資料1-1、15ページです。今回、先進医療Bとして評価いただく技術は2件あります。1件目は整理番号54「自家嗅粘膜移植による損傷脊髄機能の再生治療」です。適応症は両側下肢完全運動麻痺(AIS A若しくはB)を呈する慢性期胸髄損傷となっております。申請医療機関は大阪大学医学部附属病院です。審査担当構成員は主担当が松山構成員、副担当は田代構成員、山中構成員です。なお、本技術は平成24年11月開催の先進医療会議における決定により、現在、暫定的に先進医療Aにて実施されておりますが、去る1月14日に開催された第38回先進医療会議において、平成29年3月31日までに先進医療Bに移行しない場合は、先進医療から削除される技術の1つとなっております。本技術に係る取決めの経緯及び詳細については資料の末尾279ページ、資料5-7「暫定的に先進医療Aとして実施している技術の取扱いについて」を御参照ください。
戻りまして資料1-5、45ページです。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。まず「実施責任医師の要件」ですが、診療科は脳神経外科又は整形外科が必要。資格は日本脊髄外科学会専門医又は日本脊椎脊髄病外科学会専門医が必要。当該診療科の経験年数は10年以上が必要。当該技術の経験年数は1年以上が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要。当該技術の経験症例数は、実施者として1例以上必要。それに加え助手として1例以上必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要。その他の要件として、本技術を施行する医師に関しては、5例以上の脊髄髄内腫瘍摘出術の術者としての経験を有する必要がある。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要とされております。
「医療機関の要件」として、診療科は脳神経外科又は整形外科、並びに耳鼻咽喉科、神経内科、病理診断科及びリハビリテーション科に相当する部門が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では、脳神経外科又は整形外科、並びにリハビリテーション科のみで可。実施診療科の医師数は、常勤専門医が2名以上必要。他診療科の医師数は、麻酔科標榜医が1名以上必要。その他医療従事者の配置として、理学療法士5名、作業療法士3名、臨床検査技師1名以上が必要。病床数は400床以上が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では150床以上が必要。看護配置は7対1看護以上が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では10対1看護以上が必要。当直体制は脳神経外科又は整形外科、並びに麻酔科及び耳鼻咽喉科の医師各1名が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要。緊急手術の実施体制は要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要。院内検査(24時間実施体制)は要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機器の保守管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制は、月1回の開催が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では随時開催でも可。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は1症例以上が必要。ただし、リハビリテーションのみを行う施設では不要。
その他の取決めとして、嗅粘膜採取に関しては、1.は5年以上の耳鼻咽喉科の経験を有する日本耳鼻咽喉科学会専門医であり、2.は5例以上の内視鏡下鼻・副鼻腔手術5型の経験を有する必要がある。当該技術の経験症例数は1.は1例以上の経験のある術者の下で、2.助手又は術者として1例以上の経験がある。リハビリテーションを行う施設においては、1.脳血管リハビリテーション管理1が認められている施設であり、2.日本リハビリテーション学会専門医1名以上の必要がある。リハビリテーションに関しては、5年以上のリハビリテーション科の経験を有する日本リハビリテーション学会専門医の必要がある。以上の取決めがなされております。その他の要件はありません。以上です。
○猿田座長 これから説明に入る前に、今お話いただいた施設条件ですが、この施設条件に関して、どなたか御意見はありますか。松山先生、何かありますか。大体いいですかね。
○松山構成員 いいのではないですかね。
○猿田座長 それでは、先生方もほかに御意見がないようであれば、この施設要件ということで、早速、評価結果のほうに入らせていただきたいと思います。先ほどお話がありましたように、主担当が松山先生ですので、概要の説明と実施体制をおおざっぱにお願いします。
○松山構成員 慢性期の脊損の患者に対して行われている先進医療です。具体的には嗅粘膜といいまして、鼻の奥の匂いを感じ取る所の細胞というのは、神経系の細胞だということが従前から知られており、この部分を細胞ではなくて粘膜と組織ごと採ってきて、メスあるいはハサミで細切して、きれいに洗浄して細菌とかを除去した後に、脊髄の損傷部位にそのデブリスをクリーニングした後に移植するという手技です。その後、リハビリテーションをして1年後に患者のQOL、並びに実質的に足が動くのかということを評価する技術だと思っていただければいいと思います。今回、対象数は10例で、しかも予定期間は3年ということで、この10例で何とか統計的に有意差を出していただくことになっています。
実施体制の評価ですが、まず鼻腔から粘膜を採ってくるという手技に関しては、脳神経外科の先生はできませんので、しっかりと耳鼻咽喉科で副鼻腔の手術、5型の経験を有する先生が実施されておられますし、移植部分に関しては、5例以上の脊髄髄内の腫瘍摘出術、これはデブリスのクリーニングということで非常に重要な手技だと思いますが、こういうことを含めて適切な体制が取られていると思います。
大阪大学病院の実施医療機関体制としても、救急あるいは麻酔科の先生もいらっしゃって問題はありません。医療技術に関しては、まだ有効性が検証されているわけではありませんが、低分子化合物でも、あるいは再生医療も含めて、まだ脊損の患者に本当に有効であるということが世界的に認められた治療がないことから考えると、将来的に有用性があるだろう。現状でも、もし一定程度の治療効果があるのであれば十二分に有用だと考えて、医療技術も有用であるということで「適」とさせていただいているところです。まずこの部分を私から説明させていただきました。
○猿田座長 後ほどまた質問を受けさせていただくということで、それでは、倫理的な観点からの評価をお願いします。
○田代構成員 お手元の18ページ「倫理観点からの評価」という所ですが、同意に係る手続、同意文書、補償内容もいずれも「適」とさせていただきました。事前照会事項ですが、お手元の資料の32~34ページで幾つかお伺いしまして、いずれも適切に対応していただきました。
コメント欄を読みます。「事前照会事項への対応により、説明同意文書は適切に修正され、本技術が研究段階の未確立の技術であること、及び術後1年間のリハビリテーションも含めた技術であることが明確化されたと判断します」。ここに書いたように、当初のものが「治療の提供」というニュアンスが非常に強いものでしたので、「研究」参加であることを明確化していただきました。もう1つは移植と術後1年間のリハビリテーション全体を含めた1つの治療法だと思いますので、その点を明確化していただきました。
続きです。「本研究では、研究対象者に16歳以上の未成年が含まれますが、その必然性につき、より年齢の低い患者のほうが効果を期待できる技術であるとの説明を受けましたので、こちらについても問題ないと判断しました」。これより下になってしまうと、1年間のリハビリテーションを続けることも難しいだろうということで、これがギリギリの線であるという御説明でした。私からは以上です。
○猿田座長 続きまして、「試験実施計画書等の評価」に関して、山中先生からお願いします。
○山中構成員 お手元の資料の18ページに、「試験実施計画書等の評価」を記載してあります。照会事項についても適切に回答いただきましたので、全ての事項について「適」と判断しております。
申請者とのやり取りの中で、一番のディスカッションポイントについては、お手元の資料の35ページに、主要評価項目の設定を議論させていただきましたが、提出されてきた研究計画において、主要評価項目が健康関連QOLであるSF-36の中の、しかも1つの項目だったことです。全例が移植とリハビリを受けるわけですが、ベースラインでのSF-36の値が移植後どう変化していくのか、その傾きを検討するような研究計画になっておりました。ただ、脊髄損傷の領域において、SF-36も評価項目として使われるとは思いますが、最も多いのはAISの使用だと思われます。実際、本研究の根拠になっているポルトガルの過去の研究や、申請者自身が過去に行った治療の有効性を示唆するデータの報告においても、AISの改善を評価・検討して有望なのではないかということを議論されておりましたので、そうであればAISを見なければいけないのではないか。そもそも神経学的な回復の結果、健康関連QOL、SF-36などが改善するわけですので、まずはAISのような神経学的な回復を測れるような指標にすべきなのではないかということをお尋ねしました。
最初はそのままSF-36のQOLを主要評価項目でいくと言われており、運動ができなくても、例えば車椅子から離れることができなくても、患者の満足度が高まればいいのではないかという回答を頂いていたのですが、それに関して再度照会をしたのが、38ページのやり取りです。QOLによる結果で専門家コミュニティでも受け入れられるかどうかという問題もありますし、もう一度御検討くださいという照会をしたところ、主要評価項目にSF-36は残るのですが、それプラス「AISに基づく改善率」を追加するということでした。ですので、主要評価項目に関しては、SF-36が改善すること、AISに基づく改善率がある一定値を上回ること、この2つを満たせれば、この治療法はプロミシングであると結論するというルールが設定されました。
設定に関しても、お手元の資料の38ページ、39ページに詳述されております。こういったやり取りを通して、主要評価項目に関しても改善したと判断しましたので、私のほうからは「適」と判定させていただきました。以上です。
○猿田座長 やり取りを拝見させていただいて、この両方を主要評価項目とするということでクリアになっているのだと思います。ありがとうございました。
そうしましたら、松山先生から、もう1回全体的な説明をよろしくお願いいたします。
○松山構成員 主に大阪大学の岩月先生のチームと相談させていただいたのは、リハビリを含めたトータルのパッケージングである。これは田代先生からの御質問でアグリーしていただきました。ギリギリまでセッションしましたのは評価項目の部分で、SF-36だけでいいのかという議論で、この部分を山中先生からも統計学的にこうあるべきだという形で御指導していただき、最終的にAISの指標を含めていただきました。これによって、今回は「適」とさせていただいております。
ただ3年間で10例という流れの中で、先進医療の評価はこれ以前にも何例かやっておられます。スタートしたときに比べると環境が変わってきていて、再生医療もかなり進んでいる。低分子化合物に関しても進んでいますので、この3年間にもし本当にいい治療法が、凌駕してしまう治療法が出てくるのであれば、そこは誠実にどうあるべきかということをお考えいただくということを、コメントとして付け加えさせていただければいいなと思っております。以上です。
○猿田座長 ただいま御説明いただいたとおりですが、最初に事務局からお話がありましたように、平成24年に先進医療Aとしてやっていて、1月14日の先進医療会議において、制度が少し変わりましてBとしてということで。ここで検討して通さないと、先どうするかということになってしまうということがあって、今日掛けていただいたということです。それでは、委員の先生方、どなたか御質問はありませんか。
○関原構成員 この同意書を見まして、本臨床研究とはこういうことですの説明ですが、患者がどういう治療を受けるかというのは全然書いてないのです。松山先生のお書きになった評価書の要旨「医療技術の概要」には、1.以下に書いてあります。ところが患者の同意書には、あくまでも「嗅粘膜移植手術を受けていただきます」としか書いてなくて、要するに患者は具体的に何をされるのかというのは全然分かりません。同意書の最初に松山先生に書いていただいたような「あなたが受ける手術は麻酔を掛けて、鼻の粘膜を採って、こう移植するものです」というのを記述しないとダメ。209ページのリスクの説明の中に初めて書いてあるのです。「考えられる効果と危険性」の危険性の最初に、手術とは全身と書いてありますが最初に、こういう手術なのだということを分かるようにしてもらったほうがいいのではないかと思います。
もう1つは、危険性の話ですが、205ページに髄膜炎とか炎症のことは定義というか、説明されています。そもそも危険性の1番に記述の髄液が漏れた場合は、ただ手術等で適切に対応するとされていますが、漏れたらどうなるのか、そのリスクが何もわからないのです。脳圧が下がってしまって脳の障害が起きるというのがリスクであって、起こったら手術をしますというのだと、リスクの説明にならないのではないかと思います。
2番目の髄膜炎のところは、説明に髄膜炎が起こると、こういう障害が起こると書いてあります。血管が切れ、出血するというのは患者は大体分かるのですが、髄液が漏れるということのリスクは何なのかというのは、もう少し書いてあってもいいのかなという気がしました。以上です。
○猿田座長 御指摘のとおりで、私も読んでみて、少し操作というか、採ってきて移植するというところは、患者さんには分かりにくいかなという感じが確かにしました。おっしゃられるようなことが入ったほうが分かりやすいかと思います。もう1つは、2番目の髄液の問題も、少し加筆していただければと思います。それでいいですよね。
○関原構成員 移植しますと書いてあるのですが、何をするのか判らないのです。
○猿田座長 ほかにいかがですか。
○手良向構成員 主要評価項目が追加されたということは、これで良いと思いますが、サンプルサイズに対するパワーの計算等は必要ないでしょうか。
○山中構成員 アルファの上昇はないですが、パワーに関しては、多少削られると思います。どのぐらいの期待値を見込んでいるかというと、6割とか5割ぐらいを見込んでおられて、それで点推定値で3割をカットオフということですので、それに関してどのぐらいのパワーがあるのかということに関しては計算したほうが確かにいいと思います。
○猿田座長 ほかにいかがですか。
○柴田構成員 資料1-4の2ページ目のロードマップの所について確認させてください。真ん中に暫定先進医療Aがあって、これは2017年3月31日終了予定と書いてあるのですが、これは先進医療Bのこの試験が始まったら暫定先進医療Aの研究は止まるということで、別の試験ということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 事務局です。先進医療Bと先進医療Aでは試験計画が作り変えられておりますので、基本的な技術は同じながら、試験計画としては別です。つまり、今から10例を集積したところでの評価ということになります。
○猿田座長 それは期間的には、その10例は大丈夫そうなのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 当初の見込みでは年3~4例ベースの集積を見込んでおりますという申請者の話でしたので、今の時点では、これでお受けできるのではないかということですが、そこは進捗状況によると思います。
○猿田座長 それでよろしいですか。
○柴田構成員 はい。
○猿田座長 ほかにどなたか御意見はありますか。もしなければ先ほどの患者さんへの説明の所を少し書き加えていただくといたします。
○田島構成員 説明文書の内容で、患者さんの視点で見ますと分かりにくい所がありますので、できれば直していただきたいのですが。タブレットの説明文書の205ページで、用語説明というのが出てきます。これは前に出てくる用語の説明をここでまとめてなさろうとしているのですが、前にあるどれを説明しようとしているのか非常に分かりにくいです。例えば、最初の髄液、髄膜炎というのは204ページにある観察・評価の安全性の所にある用語の説明だと思われますし、SF-36は203ページの1行目、それ以下のSCIM等は202ページの下のほうの「主な診察項目」の説明になっていると思うのですが、それぞれ前に出てきている言葉に*でも付けていただいて、これの説明が後にあるということが分かるようにしていただかないと、非常に理解しにくい所が出てくると思っています。
それと205ページに表1、2、次に206ページに表3がありますが、特に表の2と3が非常に不鮮明で文字が小さすぎますので、せっかく付けていただくのであれば、きちんと読めるようなものを添付していただきたいと思います。
それと206ページの写真1、写真2というのが付いている長下肢装具と短下肢装具の所ですが、写真が次の次のページという離れた所にありますが、この場所に写真を添付していただほうが分かりやすいと思います。
最後に、言葉にルビを振っていただいている箇所が幾つかありますが、それが間違って付されている所がたくさんあります。例えば、201ページの6番の胆のう炎、胆のう閉塞、肝不全まではよろしいのですが、「きもしゅっけつ」となっていたり、11が「すじいしょく」と振ってあったり。212ページの最後の行と213ページの最初の行でルビの振り方がずれていて、途中までしか振られていない。213ページの最後の行は利益相反が「りえきあいはん」になっておりますし、214ページの20番の担当医師への連絡の4行目は「自己嗅粘膜移植術」が「自家嗅粘膜移植術」となっています。振っていただくのであれば正確に振っていただかないと。臨床研究中核病院である大阪大学病院としては、きちんとした説明文書を出していただきたいと思いますので、あえて細かくて恐縮ですが、修正をお願いできればと思います。
○猿田座長 御指摘のとおりで、幾つかおかしな所があったということです。
○医政局研究開発振興課専門官 今、頂きました御指摘をまとめますと、主に6点かと思われます。まず1つは、技術がどういう手技を経るのかという概要を詳述してくださいということ。それから、髄液が漏出すると、どのようなことが患者に不利益として起こるのかということを書き加えてくださいということ。用語の説明の所に関して、本文の中にその単語が出てきた所に説明があるということを*等の特出しの印を加えるということ。表の2と3を見やすくするということ。写真がなるべく文章が出ている所に出るようにするということ。ルビを修正するという6点のことを承りましたが、それでよろしいでしょうか。
○猿田座長 そうですね。もう1回全体的に読んでいただいて、おかしな所が幾つかあったので、そこを訂正していただくということですね。主要な所は今の所だと思います。ほかにありますか。今、患者さんへの説明ということ以外に、何か御意見はありまいすか。
○田代構成員 ルビの件ですが、多分必要のないルビが多すぎるのだと思うので、そこを精査していただいて、本当に必要なものだけにルビを振るということでお願いできればと思います。確かにアセント文章かと思うくらいルビが振られているので、そこは整理していただければと思います。
○猿田座長 冒頭の所の説明を入れていただくと。よろしいでしょうか。もしほかに御意見がなければ、特に今の患者さんへの説明文章をもう1回全体的に直していただくということと、特に御指摘いただいた6か所の点をしっかりやっていただくということです。ほかに御意見がなければそういう形で、これは訂正だけでいいですね。
○医政局研究開発振興課専門官 ここは「条件付き適」ということで通させていただいてよろしいでしょうか。
○猿田座長 はい。そういう形でこれは「条件付き適」ということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
よろしければ、55番に移らせていただきますそれでは、まず最初に事務局から御説明いただくということでよろしいですか。
○医政局研究開発振興課専門官 では再び資料1-1、15ページを御覧ください。2件目は整理番号55「ゲムシタビン耐性胆道癌患者を対象としたアキシチニブ単剤療法」です。適応症は切除不能又は再発胆道がん。ただし、ゲムシタビン耐性を示す症例に限るとなっております。申請医療機関は杏林大学医学部付属病院です。審査担当構成員は主担当が伊藤構成員、副担当は佐藤構成員、柴田構成員です。
続いて資料1-9、63ページを御覧ください。審議に先立ちまして、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。まず、「実施責任医師の要件」として、診療科は腫瘍内科又は消化器内科又は肝胆膵内科が必要。資格は、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医又は日本消化器病学会専門医が必要。当該診療科の経験年数は10年以上が必要。当該技術の経験年数は不要。当該技術の経験症例数も不要。その他の取決めとして、胆道がん化学療法の累積実施数が100例以上の経験がある者となっております。
「医療機関の要件」としては、診療科が腫瘍内科又は消化器内科又は肝胆膵内科が必要。実施診療科の医師数は、いずれかの診療科に単独で3名以上が必要。他診療科の医師数は不要。その他医療従事者の配置として、薬剤師が必要。病床数は400床以上が必要。看護配置は10対1看護以上が必要。当直体制は常勤の内科当直医1名以上が必要。緊急手術の実施体制は必要。院内検査(24時間実施体制)は必要。他の医療機関との連携体制は不要。医療機器の保守管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制は、原則月1回の開催が必要。医療安全管理委員会の設置は必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は不要。その他の取決めとして、担道がん化学療法の実施が年間10例以上の経験がある者が必要。その他の取決めはありません。以上となっております。
○猿田座長 それでは、最初に医療機関の要件につきまして、御説明いただいたところで何か御意見、御質問はありますか。伊藤先生、何かありますか。このままでよろしいですか。
○伊藤構成員 はい。
○猿田座長 ほかにないようでしたら、また評価のほうに入らせていただきます。これは伊藤先生が主担当で、あとは佐藤構成員と柴田構成員が副担当ということです。それでは、まず概要の説明を伊藤先生からお願いします。
○伊藤構成員 「ゲムシタビン耐性胆道癌患者を対象にしたアキシチニブ単剤療法」です。胆道がんの治療は、ゲムシタビンが標準的な治療として使われておりまして、それが効かなくなった切除不能、若しくは再発された方を対象とした治療です。プロトコル治療については、そこに書いてあるとおりです。
この臨床試験は先進医療第15回(B027)のときは、提出された事例が3例で、これだけの事例をもって先進医療として承認するのはなかなか難しいのではないかということで差し戻しさせていただきました。そのときの資料に加えて、アキシチニブの非臨床試験成績が添付されて、2例を追加して5例の実績例をもって再度申請されています。
アキシチニブは既に腎がんで承認されているのですが、提出された情報以外に文献をサーチさせていただきました。その結果、出てきたのが膵臓がんに対してアキシチニブが無効であったという結果とか、一方で進行胆道がんに対してVEGF阻害剤であるベバシマブとゲムシタビン+オキサリプラチンによる第2相試験で有効性があるとか、VEGF阻害薬の有効性に関して試験成績が一定しないという状況が分かってきております。胆道がんに対しては、有効な標準治療がない状況下です。胆道がんに対するアキシチニブの有効性評価をすることについては、当然先進医療として体制が整備されていれば可能だと思っています。
一方で、現行ではセカンドラインの化学療法については、推奨するものがないという状況ですので、そういった患者の希望、様々な状況を踏まえて、最終的に判断すべき案件だろうと思っておりますが、ここに至るまで、佐藤先生、柴田先生、申請者も含めて、やり取りを繰り返した結果、今の状況になっております。また、佐藤先生、柴田先生の御意見を踏まえた上で、最後に意見を申し上げさせていただければと思います。
○猿田座長 それでは、今日は佐藤先生はお休みですが、事務局から佐藤先生のコメントを読んでいただけますか。
○医政局研究開発振興課専門官 佐藤構成員からは資料1-6、48ページのごとく、同意に係る手続、同意文書、補償内容ともに「適」との御判断を頂きました。コメントとして、「同意文書については、上述した伊藤構成員の指摘以外に、幾つか細かな疑問点があったが、やり取りの結果、解消された。補償はないが対象となる疾病及び本件計画の性質からやむを得ないものと考える。患者相談等の対応も整備されている」との記載を頂いております。以上です。
○猿田座長 それでは続きまして、柴田構成員、よろしくお願いいたします。
○柴田構成員 資料1-8の2ページのロードマップを御覧ください。今回出されてきた臨床試験は、真ん中の赤い枠で囲まれている第2相試験で、シングルアームのオープンラベルの試験です。目標症例数は被験者数32例となります。
これは、先ほど伊藤先生からもお話がありましたが、先行研究としては小規模な5例のものがあり、これに基づいて将来的には右側のプラセボ対照二重盲検の第3相試験をやることは想定していますが、現在、そこに進む合理的な根拠があるかどうかということを、もう少し詳しく調べてみなければいけないという段階にあるものだと認識しております。
評価表に戻りますが、資料1-6の48ページの所に「試験実施計画書等の評価」を書いています。いずれについても「適」と判断しました。事前の照会事項で不明点等を確認しましたが、それらが修正されていますので、基本的には現時点で「適」としてよいのではないかと考えております。
コメントですが、あくまでこれは検証的な結果として扱うことが困難な小規模な探索的な段階での試験であることは間違いないですが、一方で、どのような医薬品であっても、初めから有効性・安全性が確立しているわけではないので、開発の初期の段階には、このようなデザインの試験による評価が必要であろうとも思います。これによって、次に二重盲検のプラセボ対照試験を行うべきかどうかという判断ができるのであれば、あるいはそのデザインに必要な情報が得られるのであれば、これは先進医療の中で実施することに足るデザインの研究だろうと考えます。
2つ目のコメントは手続的なことです。先ほどお話した先行研究の部分と、これから先進医療として実施する部分を、当初は1つの臨床試験として扱っておられました。どういうことかと言うと、現在、新しい臨床試験部分は実施計画書の第7版、これまで登録された5例については、第6版以前のバージョンの臨床試験実施計画書に従って同一試験として実施するとされていましたが、それでは、通常試験の実施計画書というのは最新版を参照して実施するものですし、1つの臨床試験と称しながら2つの計画書があるのであれば、それは2つの臨床試験です。先行の研究とこちらの研究は別の研究として分けていただくことが必要だろうと思いました。それについては、そのように対応していただける旨の回答を得ましたので、問題は解決いたしました。以上、臨床試験の所は、現時点では問題ないと考えております。
○猿田座長 ありがとうございます。それでは、伊藤先生、もう1回、全体としてまとめてお願いいたします。
○伊藤構成員 大変、個人的には悩ましい試験だと思っております。ただ、再発胆道がんに関しては有効な治療法が確立されていない現状ですので、アキシチニブ非臨床試験成績では有効そうだという期待と、逆に、一方で膵がんに対する有効性が示されていないという不安がある状況下で、治療実績をもって探索的試験として申請されております。
この試験計画は、柴田先生に見ていただいたとおりで、第2相等の試験計画としては妥当なものだろうと思います。ただ、一方で、この治療薬と病態との間に何か悩ましいところがたくさんあり、胆道がんの診療ガイドラインが2013年に出ていますが、そちらでもセカンドライン、化学療法がないと言われている状況なので、そういったことを被験者の人に適正に説明した上で、十分な同意が得られた場合には可能ではないかというように最終的に私どもとして判断したということです。
○猿田座長 ありがとうございます。今、御説明いただきましたが、それでは、委員の方、どなたか御意見を頂きたいのですが。山口先生、どうでしょうか。
○山口座長代理 先行した5例については、学会で発表している、あるいはペーパーとしてまとめられているのでしょうか。
○伊藤構成員 少なくともペーパーの形では提示されてはおりません。
○猿田座長 ないですね。
○山口座長代理 確かに先進医療に適しているかどうか、期待する有効性がはっきりしていないような感じがしたので伺いました。でも、その5例がきちんとやられていて、その内容からある程度1例でもPRがあればいいと思います。できれば、そういう形で発表してもらっていれば、もっとよかったかと思いました。
○伊藤構成員 知る限り、ペーパーとして発表されたものはなくて、ここに頂いている5例の実績が提示されているだけというように認識いたしております。
○猿田座長 ほかに御意見はありますか。藤原先生、何かありませんでしょうか。
○藤原構成員 きちんと進めていただければと思って。
○猿田座長 伊藤先生がおっしゃった効果の面が本当にどれだけ分かっているのかが、ここが難しいところだと思いますね。
○伊藤構成員 そうですね。
○猿田座長 やってみなければ分からないですね。
○伊藤構成員 やはり、違うと言われれば違うのでしょうけれども、場所として、膵がんが大変近い所にあるので、挙動が本当に同じなのか違うのかというのが、大変引っ掛かっておりまして。300例を超える膵がんの治験で無効というような結果が出ているので、それにどうしても引っ張られてしまうと思いました。
その資料を提示する理由はないのでしょうけれども、たまたま探していたら、その結果を私が見付けてしまったので、申請者から提示していただけていなかったのはちょっと残念だと思いました。
○猿田座長 なるほど。ほかに御意見はありませんでしょうか。今、伊藤先生からお話あったとおりです。
○関原構成員 これは3、4年前に承認された高価な薬剤です。これは腎臓でかなり使われているのですか?それから、市販後実際使って、顕著とは言いませんがそれなりに効果が示されているのですか。
○猿田座長 どなたか、御意見はありますか。
○藤原構成員 海外ではきちんとしたデータはあると思います。ただ、日本の泌尿器学会の先生方は、こういう分子標的薬に少し使いにくさを感じていらっしゃるところもあるみたいです。泌尿器学会というか、日本の先生の方はそういうのは難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一応、承認されているので。
○関原構成員 はい分かりました。
○藤原構成員 これよりは、エビデンスはしっかりしてる状態であるということです。
○関原構成員 もちろんです。3年経過して、この薬剤は効果があったという話は余り聞こえてこなかったと思います。今回ほかに治療方法がない胆道がんの患者にこの薬剤の話をすれば、それは是非ということになりますが、今伊藤先生のご説明のような悩ましいことを十分納得して研究に参加するということには、同意書からだけではとてもうかがい知れないからですね。これはこの種の試験としてはやむを得ないし、こういうことなのでしょうけれども、なかなか難しい話だなと患者から見ても思いますね。ただ、全額ファイザーが負担するということだから、お金は掛からないから患者としては是非トライしたいという人がいるのではないかと思いますね。
○猿田座長 ほかに御意見はありますでしょうか。今、関原委員が言われたように、治療法がこれしかないということであれば、やはり1回、この形で検討してということでいいでしょうか。もし、ほかに御意見がなければ、一応、ここの状態においては「適」という形で決めさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、この整理番号55に関しては「適」ということで、ここでは決めさせていただきます。ありがとうございます。伊藤先生、柴田先生、ありがとうございました。
本日の審議は2つですが、あとは、事務局は非常に大変ですけれども、試験実施計画の変更が随分あります。それでは、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 「先進医療B」の実施試験計画の変更について、本日は9件の申請がありました。では資料2-1、65ページを御覧ください。
1件目、久留米大学病院の申請です。告示番号10「十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法」についてです。適応症は、ホルモン不応性再燃前立腺がん。ただし、ドセタキセルの投与が困難な者であって、HLA-A24が陽性であるものに係るものに限るとなっております。
本試験は、HLA-A24陽性の上皮がん患者を対象にして開発されたペプチドワクチン12種類のうち、HLA-A24陽性でドセタキセル不適格再燃前立腺がん患者の血漿中に、ペプチド特異的なIgG抗体、すなわち抗ペプチド抗体の存在が確認されるペプチドに限定して、不完全フロイントアジュバントと混合・乳化した後に投与する「テーラーメイド癌ペプチドワクチン」をBest supportive careと併用にて実施する多施設前向き比較試験です。
なお、本試験は無作為比較試験ではないため、ワクチン投与群と同時期に対照群実施医療機関を受診する、同一病期かつ同一HLAのホルモン不応性再燃前立腺がんで、ワクチン投与群と同一の適格基準を満たし、ペプチドワクチンを受けなかったワクチン非投与患者群を対照群として、ワクチン投与群と比較することとしております。
主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、12か月生存率、有害事象(安全性評価)免疫反応及び抗腫瘍効果。予定試験期間は、平成22年6月1日から平成30年5月31日まで。予定症例数はワクチン群55症例、対照群36症例で、今回の申請時点でワクチン群30症例、対照群13症例が登録されております。
主な変更内容は、モニタリング体制及び実施方法の変更、その他、記載整備です。
変更申請の理由ですが、当該先進医療における試験実施計画のモニタリング体制及び実施方法では、試験事務局によるデータマネージャーに集積されるCRFの記入データに基づいて行う定期的な中央モニタリングの実施を規定しているところ、実際には試験の進捗に応じたCRFの収集が遅れて進まず、集積したCRFにも記入漏れ、誤記及び記載内容の不整合等の不備が多く見られ、また、それらに対するクエリーへの回答にもかなりの時間を要するなど、定期モニタリングの実施が困難な状況でした。そこでタイムリーな情報収集による被験者保護並びに集積したデータの信頼性確保のため、協力医療機関におけるモニタリングについて、開発業務受託機関であるクリオサイエンス株式会社への委託を決定したとのことです。
一方、続けて記載のある「先進医療審査部会での審議・承認の上で業務委託すべきであったが、変更申請に係る手順を十分に把握できておらず、事後報告となった」との点に関しては、構成員の先生方のお手元に机上配布資料としてお配りした申請医療機関による作成資料、「先進医療Bの実施計画変更に関する経緯報告書」を御覧ください。
なお、こちらの記載の案件に関しては、今回の試験計画変更の内容とは別途、直近の先進医療会議にて御審議いただく予定となっておりますことを申し添えさせていただきます。この変更の内容について、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○猿田座長 大分古くからやられている試験ですが、特にモニタリングのことで変更しようということですが、どなたか御意見はありますでしょうか。これも仕方ないかと思いますが、特に御意見がなければ、この変更をお認めいただくということでよろしいでしょうか。
それでは、その告示番号10に関しては、試験計画の変更を認めるということにさせていただきます。ありがとうございます。
続いて、2番目の告示番号15に関して、よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-2、69ページを御覧ください。2件目、福島県立医科大学附属病院の申請です。告示番号15「重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する脳死ドナー又は心停止ドナーからの膵島移植」についてです。
適応症は、重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病となっております。本試験は、血糖不安定性を有する重症インスリン依存性糖尿病に対して、免疫抑制剤併用下に他人より提供された膵臓から分離した膵島組織を局所麻酔下に門脈内に輸注する方法で複数回移植する、多施設共同非盲検単群試験です。
主要評価項目は、初回移植から1年後にHbA1c値、ただし、NGSP値7.4%未満であり、かつ初回移植後90日から移植後365日にかけて重症低血糖発作が消失した患者の割合。予定試験期間は、平成23年2月21日から平成31年5月20日まで。予定症例数は20例で、現在までに6症例に延べ8回の移植が施行されています。
主な変更内容は、健康被害に対して新たに再生医療等臨床研究保険により補償することへの変更、その他記載整備です。こちらは全て、特定認定再生医療等委員会からの指摘による変更とのことで、既に係る委員会及び施設の倫理委員会では承認済みとなっております。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 これに関しても、先生方、度々出てきて、なかなか症例が集まらなかったということで、今日に至っているわけですが、今のようなことで、どなたかこの計画変更の御意見はありますでしょうか。ここまでやってきて、ちょっと症例が最近になって増えたということですが、特に御意見はありますでしょうか。まとめていいですか。御意見がないようでしたら。柴田先生、どうぞ。
○柴田構成員 変更事体は問題ないと思います。このプロセスについて確認させてください。法律の施行によって対応が必要になったということは分かりますが、実際に変更するまでの時間は相当かかっているのではないかと思いますが、そうでもないのですか。こういうものは迅速に対処できる類のものでしょうか。
○猿田座長 時間は確かにかかっているのですね。
○医政局研究開発振興課再生医療等研究推進室長補佐 第1種再生医療等に該当する再生医療等提供計画が再生医療等評価部会に提出されてから、90日以内に結論を出すことになっています。再生医療の審査事体がそんなに長引くということは、まずないと考えております。
○猿田座長 よろしいですか。ほかに御意見はありますでしょうか。ないようでしたら、この計画変更もお認めいただいたということにさせていただきます。ありがとうございます。
それでは3番目、東京大学から告示番号24「ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法」です。よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-3、73ページを御覧ください。3件目、東京大学医学部附属病院の申請です。告示番号24「ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法」についてです。適応症は、非小細胞肺がん、ただし、従来の治療法に抵抗性を有するものに限るとなっております。
本試験は、標準治療抵抗性の非小細胞肺がん患者に対し、ゾレドロン酸を用いて培養した自己γδT細胞懸濁液を2週間間隔で6回点滴静注し、その有効性・安全性及び抗腫瘍効果を探索・検討する前向き単群探索的試験です。
主要評価項目は、無増悪生存期間。予定症例登録期間は、平成24年7月1日から平成29年6月30日まで。予定症例数は85例で、現在まで17例が登録されています。
主な変更内容は、1)再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行への対応に伴う変更。2)補償保険に新たに加入することによる補償金の発生に伴う記載の変更。3)選択基準の一部記載追記。4)検査・観察項目の一部変更。その他、表記の修正となります。
変更申請の理由ですが、1及び2は、先ほど御審議いただいた技術同様、再生医療等の安全性の確保等に関する新法施行への対応に伴う修正です。3は、選択基準として手術後再発例の場合、「再発に対する化学療法等に対して抵抗性」の症例について、「再発に対する化学療法等(放射線治療、粒子線治療などを含む)」と具体的な治療法を追記したものです。4は、バイタルサインの観察項目である「血圧(最高血圧、最低血圧)、脈拍数、体温、SpO2、呼吸数」の中から「呼吸数」を削除するもので、その背景として、先進医療実施前の先行試験では、呼吸数のみ測定していましたが、本先進医療から、より客観的に判断できるようSpO2の項目を追加しました。ところが、SpO2で安定が保たれている患者は呼吸数も安定しており、本院における17例で両項目を測定した結果、担当者がカウントして測定する呼吸数に比べ、SpO2の測定は担当者が代わっても同一の測定機器を用いて測定することで安定した数値が得られ、客観的に判定ができることから、呼吸数を測定項目から除外し、SpO2のみを採用することに変更したものです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 ただいまの説明で、御質問はありますでしょうか。これも問題はないと思いますが。要するに、呼吸数よりも、もう少し客観的に評価できるということで、こういうSpO2の測定を行うということかと思いますが、特に御意見はありませんか。
○山口座長代理 1、2、3は問題ないと思いますが、呼吸数だけ、なぜここで削らなければいけないのでしょうか。ものすごく厄介な検査で負荷が掛かるのだったらともかく、何かこういうことがある度にこうやって削っていくものなのか、ちょっと疑問があります。これ、ついでに削除するということなのか、あるいはこれが1つだけでもやはり申請して、呼吸数を観察項目から外すような、何か特別な理由があるのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療の前には呼吸数を反映していて、先進医療からSpO2を入れたとのことです。その流れで呼吸数が残っていたので、この2つの測定項目を並列することに対して、SpO2が単独で入っていることからして追加意義が余りないものと思われて、その上、観察するのに手間が掛かるということで、削除を申請されたと理解しております。
○猿田座長 よろしいでしょうか。
○松山構成員 今のに関しては、恐らくγTにしろ、セルセラピーで静注する場合は、肺塞栓のリスクを考えなければいけない。そうすると、SpO2は肺塞栓の初期で下がらないのです。むしろCO2が飛んで呼吸数が上がるというのが初期なので、ここは山口座長代理がおっしゃるように、呼吸回数を落とすということは、むしろ安全性の評価上からちょっといかがなものかという感覚は実は持ちます。
○猿田座長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見を頂きましたので、どうでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 ただいまの御意見を踏まえて、1項目から4項目のうちの4項目だけを落として承認するということは可能ですが、いかがいたしましょうか。
○猿田座長 どうしたらいいですか。一番良い方法ですね。やはり試験を実施していく上で、評価において、今おっしゃった松山先生の御意見を入れて。もしできれば、それをもう1回機関のほうへ問い合わせることもありますよね。
○医政局研究開発振興課専門官 そうすると、これを残すようにということでよろしいのでしょうか。
○山口座長代理 やはり残したほうがいいという、今の御意見のとおりだと思います。私も全く同感です。
○医政局研究開発振興課専門官 では、技術審査部会の指摘として、これは残しておくという条件を付けて、残りを承認するという形で御確認いただくことでよろしいでしょうか。
○猿田座長 松山先生、それでよろしいですか。
○松山構成員 心電図で呼吸回数はモニターに出てくるので、カウントしなくても大丈夫なのですけれども。
○猿田座長 いずれにしても、そういう形で戻していただいて。
○医政局研究開発振興課専門官 はい、了解いたしました。では、そのようにさせていただきます。
○猿田座長 では、この3番に関しては、今のようなことで対応していただきます。ほかに御意見がなければ、よろしいでしょうか。
それでは、4番目、告示番号32「C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法」です。よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-4、77ページを御覧ください。4件目、山口大学医学部附属病院の申請です。告示番号32「C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法」についてです。適応症は、C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変、ただし、Child-Pugh分類による点数が7点以上のものであって、従来の治療法(肝移植術を除く)では、その治療に係る効果が認められないものに限るとなっております。
本試験は、C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変患者を対象に、全身麻酔下で患者の腸骨より骨髄液を約400mLを採取の上、骨髄採取キットにより骨片を除去し(血液疾患の骨髄移植に準じて)、無菌的に単核球分画の分離精製を行い、末梢静脈から約2ないし3時間かけて投与する前向き2群間試験です。
主要評価項目は、細胞投与群は細胞投与後、標準的治療群は、登録後24週の時点でChild-Pugh Scoreの1点以上改善の割合。副次評価項目は、同時点での効果維持率、アルブミン値、血清線維化マーカー値、腹水量、下腿浮腫の改善率及び消失率、自覚症状及び有害事象の発生頻度。予定症例登録期間は、先進医療告示の平成25年6月1日から平成29年3月31日まで。予定症例数は細胞投与群17例、標準治療群17例の合計34例で、現在までに細胞投与群2例、標準治療群1例の計3例が登録されています。
主な変更内容は、1)再生医療等の安全性の確保等に関する法律対応のための記載整備。2)予定試験期間・登録期間の2年間の延長。及び3)実施施設要件の変更です。このうち2は、1の変更手続に時間を要したために症例登録が遅れていることによる御申請と承っております。また、3は、緊急手術の実施体制が「不要」から「要」へ、院内検査(24時間実施体制)が「不要」から「要」へ、他の医療機関との連携体制が「要」から「不要」への変更ですが、こちらは実施体制の変更に伴い、参加医療機関において救急体制の確保が可能となり、近接する医療機関との連携確保の必要がなくなったことによるものです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 これも皆さん思うとおり、大分時間がかかっていて、余り症例が進んでいないということです。特に、大量の血液を採らなければいけないということもあったかと思います。どなたか、御意見はありますでしょうか。これもやむを得ない。
○直江構成員 先ほどの先進Bとしてスタートしたのですが、再生医療の法律のための変更手続というのは、実際問題として、それでストップしていた期間はどのぐらいでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 今、当課再生医療等研究推進室長補佐から御説明を差し上げたとおり、その手続にかかる時間は、約、実質90日以内ということです。
○直江構成員 ということは、既にスタートして2年で、90日は登録できなかったということですが。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○直江構成員 これ、2年あと延長したとしても、かなり厳しい。
○猿田座長 厳しいのですね。やはり一番の理由は、骨髄からかなりの量を採血しなければいけないということ。それからもう1つは、C型肝炎自体は今回良い薬が出て来ましたので。
○直江構成員 そうですね、減りますよね。
○猿田座長 症例数は集めにくくなるとは思います。でも、今までの患者さんが随分多いということかもしれませんが。そこは随分、私も心配して、事務局と相談させていただいてきました。
○医政局研究開発振興課専門官 この申請医療機関は、更に協力医療機関を募ることを今、検討中ですが、今の段階では、再生医療等新法に対応に対する変更を優先しないことには、こちらの先進医療で認められないと、先進医療としてもこれを実施することができませんので、まずはその変更をお願いしたいということで承っていると理解しております。
○猿田座長 ということですが、よろしいですか。ほかに御意見はありますでしょうか。随分これも長くかかって議論してきましたが、一応、では、ここでは今言ったことでよろしいですか。計画変更をお認めいただくということで。
それでは、この計画変更もお認めいただくということで、よろしくお願いいたします。
それでは続いて、第5番目です。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-5、79ページです。なお、本技術についての審議に先立ち、申請医療機関と所属を同じくする手良向構成員におかれましては、利益相反の観点から本技術の審議に際し一時御退席いただくことといたします。誠に恐縮ながら、御協力のほど、お願い申し上げます。
(手良向構成員一時退席)
○医政局研究開発振興課専門官 5件目です。京都府立医科大学附属病院からの申請、告示番号33「自己口腔粘膜及び羊膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術」についてです。適応症はスティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡又は熱・化学腐食に起因する難治性の角結膜疾患。ただし、角膜上皮幹細胞が疲弊することによる視力障害が生じているもの、角膜上皮が欠損しているもの又は結膜嚢が癒着しているものに限るとなっています。
本試験は被険者より採取した口腔粘膜組織を用いて、先端医療センターにて培養した口腔粘膜上皮シートの移植により、角膜再建及び結膜嚢再建を行い、安全性と有効性を検討する単群試験です。
主要評価項目は、移植後24週の遠見(5m)視力、上皮異常総合スコア(上皮欠損、結膜侵入、血管侵入スコア値の和)、及び結膜嚢癒着スコア。副次的評価項目は結膜所見、角膜所見及び有害事象の発現頻度と重症度です。予定試験期間は、平成25年7月1日から平成28年9月30日までです。予定症例数は30例で、現在まで14例が登録、そのうち11例に施行されています。
主な変更内容は、1.試験期間及び登録期間の1年間の延長、2.シート製造のための口腔粘膜採取箇所の(2か所から2ないし4箇所への)変更、3.再生医療等の安全性の確保等に関する法律対応のための記載変更です。
変更申請の理由です。1.については、再生医療新法等への対応で症例登録が遅延したものの、現在これに加えて3症例の移植予定が既に決まっていて、今後も継続的に症例が集まることが期待されるため、これまでの症例の登録状況を考慮し、目標症例数を満たすために1年の期間延長を判断したとのことで、本試験には研究費の継続が決定したとのことです。
2.については、移植可能な上皮シート作製のために、培養に使用する口腔粘膜上皮細胞を十分に確保する必要があり、これまで2か所の検体採取では播種細胞数が十分に得られない場合があったところです。本品の適切な細胞数規格値はまだ確定されておらず、本試験を含む臨床試験の結果を踏まえて最終決定していくことが妥当と考えられるところ、安定的に十分な細胞数を確保するために、現在までの経験も踏まえ口腔粘膜採取箇所を4か所まで許容することが妥当であると判断し、申請されたものです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 ただいまの御説明に、どなたか御意見はございますでしょうか。ご存じのとおり類似したものが治験で動いているということですが。
○松山構成員 同意文書の変更はしていただけるのですよね。口腔粘膜の採取というのは、かなり痛いです。2か所だったら許容範囲かもしれませんが、4か所というのはしっかりとICを取っていただくように、そこは御確認いただければと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 同意文書の変更ですね。
○松山構成員 同意文書、はい。
○猿田座長 ほかにございますか。もしなければ、そういう形でこれも計画変更をお認めいただくということで、告示番号33は認めていただいたということにさせていただきます。
手良向先生にお戻りいただいてください。
(手良向構成員着席)
○猿田座長 続きまして、6番目の試験計画の変更です。これは東京大学からで、告示番号42番です。よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-6、83ページを御覧ください。6件目は、東京大学医学部附属病院からの申請です。告示番号42「S-1内服投与、オキサリプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法」についてです。適応症は、腹膜播種を伴う初発の胃がんです。本試験は、腹膜播種陽性の初発胃がん症例を対象とし、一次治療として21日を1コースとしたS-1/オキサリプラチン+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の有効性と安全性を評価することを目的とする単群試験です。
主要評価項目は1年全生存割合、副次的評価項目は奏効率、腹腔洗浄細胞診陰性化率及び安全性。予定試験期間は平成26年4月から平成28年1月まで。予定実施症例数は50例を予定し、登録は60例にて既に完了しております。
主な変更内容です。1.本先進医療技術の実施責任医師の変更、本臨床試験の研究会代表者、運営委員の所属の変更。2.予定試験期間の1年延長と副次評価項目への2年全生存割合の追加です。
変更申請の理由です。1.については、実施責任医師かつ研究会代表者、運営委員の他医療機関への異動に伴うものです。2.については、本試験では症例登録完了1年後の2016年1月に評価項目の解析を行い、試験を終了することを予定していたところ、2015年12月現在も生存して試験治療を継続されている症例が多く、2016年1月の時点でも同様な状況であることが予想されます。そこで、主要評価項目の解析により有効性の評価は可能と考えられるところですが、長期の有効性の評価のため、主たる解析の1年後までの試験期間を延長し、副次的に2年全生存割合を評価することが必要と考えられたとのことです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 ただいまの御説明に、どなたか御意見ございますでしょうか。
○山中構成員 確認です。実施責任医師かつ研究会代表者の他医療機関への異動というのは、東京大学病院で中心的にやってこられた代表者の先生が、東大から外に出られるということでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 申請医療機関の実施責任医師の先生が異動されるということになりますが、東京大学でもそのほかに実施責任医師の要件を満たす先生がおられますために、その先生に交代されるということです。
○山中構成員 東大から異動される先生が中心になって、非常に精力的にやられてきた医療技術だと思います。ファーストライン、セカンドライン、S-1と組み合わせたり、組み合わせなかったり、あとはパクリタキセルをドセタキセルに変えたり、いろいろな方向からこの医療技術を開発されていて、近々第3相試験の結果も発表される予定であると聞いております。ですので、いろいろな試験が走っているところですから、ほかの医療機関に異動したことで、東大で引き継がれる先生がいらっしゃるということなのですが、この医療技術の開発が遅延ないように進めていただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 東京大学医学部附属病院には実施体制の面も照会しておりまして、臨床試験支援体制を含んで、その体制は保持されるということです。今度、実施責任医師になられる先生は、この試験計画に実質的に最初から関与されていた先生ということですので、その点はそのように御紹介を申し上げます。
ちなみに、今、山中先生から御発言のありましたパクリタキセル腹腔内投与の併用療法の今までの一連の先進医療技術については、先生方にお配りしている資料の一番末尾、タブレットの1,597ページ及び1,598ページに申請者から出た資料をまとめていますので、御参考までに御覧ください。
○猿田座長 症例が集まっていなかったのに、きっちりと集めてあるわけですね。非常にしっかりしていますので、今言った体制のことだけ。ほかに、どなたか御意見はございますか。
○柴田構成員 手続的なことに関する質問です。プロトコル治療中の適応外使用に関わる部分は既に腹腔内投与なので、全例終わっているわけですよね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○柴田構成員 まだ、プロトコル治療の一部である他の保険診療の中でできる薬物療法は続いている状況と。こういう場合というのは、先進医療の取下げは、どのタイミングでやることになっているのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 基本的には、最後の登録症例の先進医療の保険外併用療養部分が終わった時点で、告示を取り下げていただくことは可能です。ですから、告示として取り下げていただくことは、この時点で既に登録しないということであれば可能になりますが、臨床試験としては継続していきます。
○柴田構成員 分かりました。告示が取り下げられた場合にも、総括報告書が最終的にはこの会議に上がってくるということですか。
○医政局研究開発振興課専門官 そのとおりです。
○猿田座長 ほかに、どなたか御意見はありますでしょうか。もしなければ、今の東京大学のものは確認していただいて、この計画は認めるという形でよろしくお願いいたします。
続きまして、7番目をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-7、87ページを御覧ください。7件目は近畿大学医学部附属病院からの申請です。告示番号47「術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法」についてです。適応症は、根治切除が可能な漿膜浸潤を伴う胃がん。ただし、洗浄細胞診により、がん細胞の存在が認められないものに限るとなっております。
本試験は、根治切除可能な漿膜浸潤胃がんを対象に、胃切除術の前後に、21日を1コースとした補助化学療法として、TS-1、パクリタキセル経静脈・腹腔内投与の併用療法を術前に3コース施行し、施行後42日以内の胃切除術を挟んで術後も同じく3コースを施行し、安全性及び有効性を検討するものです。
主要評価項目は治療完遂率、副次評価項目は有害事象並びに術後合併症の発現頻度、全生存期間、奏効率となっております。予定試験期間は、平成26年8月1日から平成28年7月31日までです。予定症例数は50例で、現在までに30例が登録されております。
主な変更内容です。1.適格基準についての誤記訂正並びに詳細の追記、2.症例登録手順についての詳細追記、3.治療コース開始日の定義詳細の追記、4.TS-1内服日数に関する詳細の追記、5.パクリタキセル投与日についての詳細の追記、6.有害事象の報告・通知方法の整備、7.胃切除術に関する有害事象の詳細追記及びその他記載整備となっています。
変更申請の理由です。近畿大学医学部附属病院が行った先進医療に関わる自主点検の結果、改善点が明らかになった点に関する変更ということです。1.及び2.については、適格基準8-1、登録前並びに手術前の検査及び評価項目において、一次登録後に腹腔鏡検査を施行して二次登録に進む手順のところ、腹腔鏡下の検査結果を適格基準に並列に記載していたため齟齬が生じており、当初定めた手順の流れに従って腹腔鏡下の検査結果を初期の適格基準でなく二次登録での選定基準に該当するものとして、齟齬がないよう標記を修正した上、手順の流れを新たに図示したものです。
3.については、薬剤投与開始日、すなわちTS-1若しくはパクリタキセル静注及び腹腔内投与開始日を起算日として21日を1コースとするという旨を追記したものです。
4.については、day1の朝食後に内服ができない場合は、day1の夕食後から内服を開始し、day15の朝食後までの内服をもって14日間の投与とする旨追記したものです。
5.については、スケジュールどおりの投与が困難な場合は、予定されている投与日程の前1日、後ろ3日以内での投与を許容する。また、祝祭日による遅延についてはTS-1を含めて許容するとの旨追記したものです。
6.については、電子メールによる有害事象の報告・通知の方法を追記したものです。
7.については、同意説明文章に予測される利益及び合併症・副作用について、詳細な説明を追記されたものです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 今の御説明に、どなたか御意見はございますでしょうか。特になければ、この計画変更もお認めいただくということでよろしいでしょうか。それでは、お認めいただいたことにさせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、第8番目をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-8、91ページを御覧ください。なお、本技術についての審議に先立ち、申請医療機関と所属を同じくする直江構成員及び試験計画策定に関わられる伊藤構成員におかれましては、利益相反との観点から本技術の審議に際し一時御退席いただくことといたします。誠に恐縮ながら、御協力のほど、お願いを申し上げます。
(伊藤・直江構成員退席)
○医政局研究開発振興課専門官 8件目、国立病院機構名古屋医療センターからの申請です。告示番号48「NKT細胞を用いた免疫療法」についてです。適応症は肺がん。ただし、小細胞肺がんを除き、ステージが2A期、2B期又は3A期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限るとなっております。
本試験は、非小細胞肺がん完全切除例で、病理病期2ないし3A期、シスプラチン+ビノレルビンによる術後補助療法を実施後の患者において、末梢血単核球を採取し、IL-2及びGM-CSF存在下にて培養した後、投与前日にNKT細胞特異的抗原であるαガラクトシルセラミドを添加し、分化したαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞を含む全ての培養細胞を投与し、その有用性について非投与群との比較にて検討するものです。
主要評価項目は無再発生存期間、副次評価項目は全生存期間、有害事象及び末梢NKT細胞特異的免疫反応です。予定期間は、平成25年3月1日から平成30年2月28日まで。予定症例数は56例で、現在までに25例が登録されております。
主な変更内容は、登録期間及び総研究期間の2年間の延長です。変更申請の理由は、適応症例数が予定より少なく、組入れ数が予定症例数を下回る状況が続いたことが挙げられ、既に2015年4月から新たに研究実施医療機関13施設を追加することで症例集積の改善を図ったところですが、症例登録期間である2016年2月末時点での目標症例数の達成は困難であることが明らかとなり、今回、登録速度の予測を見直して、現時点における症例登録速度と追加施設の体制整備の進捗を勘案し、再計算した結果、登録期間は2018年3月末まで、総研究期間は5年から7年に延長することで症例集積が達成できると考えたとのことです。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 御説明がありましたように、施設を13ほど増やして、それでも期間を2年間延長したいということの計画の変更です。どなたか、御質問はございますか。特に問題ないですね。それでは、この案件もお認めいただくということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
直江先生と伊藤先生にお戻りいただいてください。
(伊藤・直江構成員着席)
○猿田座長 最後の9件目の試験計画の変更です。よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2-9、95ページを御覧ください。9件目の東京大学医学部附属病院からの申請です。告示番号59「カペシタビン内服投与、シスプラチン静脈内投与及びドセタキセル腹腔内投与の併用療法」についてです。適応症は、腹膜播種を伴う初発の胃がんです。
本試験は、腹膜播種陽性の初発胃がん症例を対象として、カペシタビン/シスプラチン+ドセタキセル腹腔内投与併用療法の有効性と安全性を評価することを目的とする試験です。21日を1コースとして、カペシタビン14日間内服、7日間休薬し、シスプラチンを第1日目に点滴静注、ドセタキセルを第1及び第8日目に腹腔内投与し、本療法は腫瘍進行が確認されるか、有害事象により継続困難となるか、又は奏効が確認され手術を決定するまで反復するものです。
主要評価項目は1年全生存割合、副次評価項目は奏効率、腹腔洗浄細胞診陰性化率及び安全性です。予定試験期間は、平成27年4月から平成29年4月。予定症例数は50例で、現在登録は50例をもって終了しております。
主な変更内容は、1.本先進医療技術の実施責任医師の変更、本臨床試験の研究会代表者、運営委員の所属変更。2.は投録開始、休薬及び再開に関する記載の整備となっております。
変更申請の理由です。1.については、実施責任医師かつ研究会代表者、運営委員の他医療機関への異動に伴うものです。2.については、試験開始後に複数の参加施設より試験実施計画書の記載内容の解釈について問合せがあり、休薬基準については、Grade2以上の非血液毒性とのところ、担当医師が休薬を必要と判断した、薬剤との因果関係が否定できないGrade2以上の非血液毒性。コース内投与再開基準については、非血液毒性がGrade1以下に回復とのところ、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、皮膚症状などの非血性毒性がGrade1以下に回復と、記載をより明確にしたものとなっております。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 ただいまの御説明に、どなたか御質問はございませんでしょうか。もし、特に御意見がなければ、この計画変更をお認めいただいたということで、よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、そういう形で変更をお認めいただくということにさせていただきます。
続きまして、「12月受理分の協力医療機関の追加について」です。よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 12月は先進医療技術審査部会の開催がなく、開催要綱8の持回り開催の規定により、持回り審議で御承認いただきました協力医療機関の追加につき、御報告を申し上げます。資料3-1、97ページを御覧ください。
これまでに大臣告示されている6つの技術について、協力医療機関の追加申請がありました。資料3-2、99ページないし105ページを御覧ください。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件(様式第9号)を満たしていることから、協力医療機関の追加としてお諮りし、異議なく承認されたところです。以上となっております。
○猿田座長 今の御説明について、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それではお認めいただいたということにいたします。ありがとうございました。
続きまして、事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 続いて、資料3-3、107ページを御覧ください。こちらが、1月分の追加の申請となります。これまでに大臣告示されている10の技術について、協力医療機関の追加申請がありました。資料3-4、109ページないし119ページを御覧ください。事務局において、協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件(様式第9号)を満たしていることから、協力医療機関の追加として御審議いただきたいと思います。以上です。
○猿田座長 御説明がありましたが、1月受理分のほうは、ここで見ていただくことになります。どなたか御意見はございますでしょうか。
○山口座長代理 今の時点で、千葉県がんセンターが協力機関としてやっていただいてよろしいかどうかというと、先日の医療事故に対し検討した結果が出るまでペンディングにしたほうがいいのではないかという意見です。
○猿田座長 山口先生からお話がありましたが、社会的な問題があったということで、そういったときにこういう所をすぐにそのまま認めていいのか、もう少し経過を見させていただいたほうがいいのではないかという御意見です。どうでしょうか。そうさせていただくということでよろしいでしょうか。事務局としてはどうですか。
○医政局研究開発振興課専門官 今の御審議を踏まえまして、1つ目の技術の千葉県がんセンターに関しましては保留とさせていただきます。現在、こちらは一度先進医療のほうでも、先進医療会議で別の事案に基づいて再発防止策等を含めた御報告を頂いたところでありますが、今回その後の事案が発生したということですので、一度保留ということで先方にお伝えし、それ以外の御承認を頂くということで整理させていただいてよろしいでしょうか。
○猿田座長 よろしいでしょうか。それでは、そういう形でここでは決めさせていただきます。保留という形にさせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、協力機関の取下げです。よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4-1、121ページを御覧ください。告示番号7「パクリタキセル静脈内投与(1週間に1回投与するものに限る)及びカルボプラチン腹腔内投与(3週間に1回投与するものに限る)の併用療法」について、この度協力医療機関を取り下げる旨申出がございました。
取下げ理由として、協力医療機関である鳥取大学医学部附属病院にて患者の同意取得が困難で、届出承認後の登録がゼロにとどまっており、今後も登録が見込めない可能性が高い一方、当該診療科の腹腔内化学療法施行症例で、直近で腹腔内リザーバーポート留置に関連する合併症、すなわち閉塞、局所感染、イレウスなどが複数例認められ、当施設での施行に安全上の懸念が生じたため、該当医療機関の登録取下げを申請されたとのことです。これに対し、御審議いただくに先立ち、構成員の先生方からの御指摘を受けまして、事務局より係る事情を照会いたしました。申請医療機関より回答を得ておりますので、そちらを資料4-2、123ページないし126ページにお示ししております。
この中で、照会事項1に対して、全施設での合併症発生状況を別表として御報告いただいているところです。さらに、この回答を踏まえた照会事項2について、その回答を次のページにお示ししているところでございます。御審議をお願いいたします。
○猿田座長 この件に関しまして、御意見はございますでしょうか。どうしてもこれ以上は難しいということでございます。
○山口座長代理 これは取下げの理由が2つあって、1つは見込みがないということです。もう1つは、いろいろな合併症がたくさん出ているということだと思うのです。
これを拝見したときに、合併症はここが特に多いのだろうか比較するということで、ほかの施設のデータを頂いた結果が、125ページです。もっと多い所もありまして、そういう理由であればほかの多い所も取下げにしなければおかしいのではないかということになります。この施設が取り下げることについては問題ないのですが、一番の問題は、ほかの施設も大丈夫なのかということに関して、効果・安全性評価委員会などで一度検証していただければいいのではないかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 御指摘を受けまして、この試験の臨床試験計画を確認しました。そちらの記載を読み上げますと、「パクリタキセルとカルボプラチンIP療法の有効性、安全性は、本試験の第2相試験部分で検証し、第3相試験に移行するかどうかは、独立効果・安全性評価委員会の決定に従う」と書いてあります。つまり、独立効果・安全性評価委員会が当初から組織されていて、有効性・安全性については、そちらでの議論を踏まえるという決まりですので、今回、この独立安全性評価委員会にも諮るという所作に関しましては、この試験としてはそのような取り決めの下で行われていると認識しておりますが、その結果如何に関して、どのように対処するかということについては、御審議を踏まえた結果を反映したいと思いますので、御意見を賜ればと思います。
○猿田座長 今のような御意見ですが、どなたか御意見はございませんでしょうか。
○山口座長代理 埼玉医科大学は64で一番たくさんやっているわけですが、極めて合併症は少ないのです。例えば慈恵の柏の病院は32で結構やっていますが、これと比べると合併症の差がこんなにあるので、合併症の判定のほうに問題があるか、技術的に何か問題がないかという辺りを、是非検証していただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 了解いたしました。回答にもありますように、術式を含めて、その是非について独立効果・安全性評価委員会に諮るという御回答を頂いておりますので、この回答をまたこちらに報告するという形で進めさせていただきますが、よろしいでしょうか。
○猿田座長 そうですね。これだけばらつきがあるものですから、そこをしっかり見ていただいて、ここでもう1回報告していただくという形でよろしいでしょうか。よろしければ、そういう形で進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、報告事項に移ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料5-1、127ページないし162ページ、資料5-2、163ページないし217ページを御覧ください。こちらは去る12月3日及び1月14日に、お手元の先進医療開催要綱2の(5)に定められた先進医療会議と先進医療技術審査部会の合同会議が開催され、ともに東京大学医学部附属病院から申請された、整理番号086「経口摂取困難な腹膜播種陽性胃がんに対するmFOLFOX6+パクリタキセル腹腔内投与併用療法」及び整理番号088「切除不能又は術後再発胆道がんに対するFOLFIRINOX療法」について、その実施が承認されましたことを御報告いたします。
次に、資料5-3、219ページないし247ページです。こちらは去る12月1日に、お手元の先進医療開催要綱2の(4)に定められた先進医療評価委員会において、金沢大学附属病院から申請された「難治性褐色細胞腫患者に131I-MIBGを用いる内照射療法」について、審議・承認がなされ、去る1月14日開催の先進医療会議にて、その実施が承認されましたことを御報告いたします。
資料5-4、249ページないし262ページについては、平成26年7月から平成27年6月までの先進医療の年次報告に基づく実績報告として、先進医療会議に報告されたものとなります。この中で、262ページを御覧いただきますと、先進医療Bとして1年間の実施件数がゼロ件であった4つの技術について、その理由及び対策が示されております。以上、御参照をお願い申し上げます。
次に資料5-5、263ページないし272ページを御覧ください。こちらは先日開催の先進医療会議にて、先進医療技術の保険導入等に関する議論がなされ、先進医療Bとして総括報告書を御提出いただいた技術のうち、薬事未承認・適応外のものを除く2つの技術、すなわち内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下腎部分切除術及び慢性心不全に対する和温療法が審議されました。その結果、前者の技術につき、保険導入が妥当との判断が示されましたことを御報告いたします。
資料5-6、273ページないし277ページを御覧ください。こちらも先日開催された先進医療会議において、現在先進医療Aとして施行されている粒子線治療、すなわち陽子線治療及び重粒子線治療について、今後の整理が承認されたことを御報告申し上げます。ごく簡単に申し上げますと、274ページの4「粒子線治療の今後の取扱い(案)」に記載のとおりの整理がなされ、今後、重点的な評価が必要な適応症については、先進医療Bとして申請をお受けし、この場で御審議を頂くこととなります。
最後に資料5-7、279ページを御覧ください。こちらは平成24年11月30日開催の先進医療会議において、先進医療Bへの移行が議決され、それ以降暫定的に先進医療Aとして実施している技術の取扱いにつき、279ページの2「暫定Aへの対応(案)」に記載の整理がなされましたことを御報告いたします。具体的には、次のページの進捗状況一覧の技術のうち、告示番号45については、先進医療Bに移行したため、4月1日をもって先進医療Aから削除。告示番号2、告示番号23、告示番号50については、保険導入が妥当との判断。告示番号27については移行対応がなかったため、4月1日をもって先進医療Aから削除。残りの掲載技術に関しては4月1日で新規症例の組入れを一旦停止した上、平成29年3月31日までを先進医療Bへの移行猶予期間として先進医療Aを継続。以上となっております。御報告は以上です。
○猿田座長 一番最初の所では、この間の先進医療会議と審査会議を一緒にして、上村先生にもお世話になりましたが、通していただいたということです。それから、先進医療会議のほうの褐色細胞腫に対する治療のことで、これもお認めいただいたということです。あと、御説明いただいたように、1月14日に、その後に行われた先進医療会議の記録がずっと載っておりますが、全体的に見て、何か御意見はございますでしょうか。先生方にも時間を取って聞いていただきましたが、かなりいろいろなことが整理されたということと、実際に今日お話を伺って分かるとおり、随分古くからやられている先進医療のものが整理されたということかと思うのですが、この報告事項を全体的に見て、どなたかから御意見はございますでしょうか。
○柴田構成員 資料5-6の275ページについて質問させてください。今後の粒子線治療の先進医療に関わる取扱いについてです。(ア)のほうで、「学会主導による統一された治療方針に規定された適応症については、学会から提案された新たな施設基準で、先進医療Aとして実施する取扱いとする」と書いてあるのですが、これは先日の先進医療会議でもコメントしたのですが、Bのほうが「有効性・安全性等の観点から、重点的な評価が必要な適応症については、先進医療Bとしてプロトコルを作成して実施する取扱いをする」と書いてあるので、あたかもAのほうがエビデンスがあるかのように見えるところもあるのですが、そうではなくて、Aの中にも十分な、本来臨床試験で評価しなければならないような疾患が含まれていると認識しているのですが。もしそうであるならば、Aで実施するときに例えば一定期間の期間を区切って、改めてそのままAで継続するかどうかを判断して、必要に応じてBに移行するというルールを作っておかなければいけないのではないかと思うのですが、その辺はどうなのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 今日は保険局担当者が欠席しておりますので、私が代理で回答させていただくことになります。
こちらは先進医療Aとして継続実施する場合に、今回新たに設けられた規定として、まず先進医療Aは施設ごとの届出でありましたところ、学会が実施基準を統一化して、全ての施設から出てきたデータを同じ基準で判定できるようにするということと、学会に全例登録することによって、その全ての施設からのデータを集積し、一元的に解析できるようにするような先進医療Aにするということで、先進医療Aよりは条件が1段厳しくなったと理解できます。
この先進医療Aの決まりとしては、2年に1回保険収載について議論されることになります。ですから、扱い方は同じで、その時点で保険収載、先進医療Aの継続あるいは先進医療から削除というのが決められるということになりますので、このカテゴリーに入った技術の中からは、徐々にこのカテゴリーに入っているものは少なくなってくるということです。そこに漏れているもの、あるいは学会として先進医療Aではなく、Bで試験計画を作ることによって有効性を証明する必要があるものと判断されたものについては、今後先進医療Bで来るという方向性になっております。
○柴田構成員 それに対して反論するつもりはないのですが、コメントだけさせていただきます。今日審議された再生医療の件です。ロードマップを見ていただいても分かると思いますが、暫定Aで行われていた予定症例数10例のものは、本来、通常の先進医療Aに対して上乗せで実施されていた部分です。大阪大学が見識をもって研究として行われたのだと思いますが、結局は先進医療Bに引っ越しすることになって、今回も10例の試験を新たに行うことになりました。それをよく考えてみると、最初の段階でBとしてやっておけば、3年間前倒しできたということではないかと思います。
つまり、漫然としていると、あるいは臨床研究としてやっていたとしても、そこのところで似たような研究をまた繰り返すことになってしまったということを考えると、やはり早い段階できちんと評価の期間を決めて、ここまでに結論を出すという形でやらなければ、もし本当にいい治療法であった場合に、それを臨床導入するタイミングを後ろに延ばしてしまうことになるのではないかという懸念もあるので、早い段階からしっかりとした計画を立てて評価しておくほうが、ハードルは高いけれどもゴールに近付くための近道になるのではないかと思った次第です。
○猿田座長 事務局から何かありますか。
○医政局研究開発振興課専門官 これも保険局担当者が答えるべきことなのかと思いますが、先生の御指摘は正にそのとおりで、先進医療として漫然とやられる可能性があることへの御懸念と理解していますが、基本的には、当初は全て粒子線治療は先進医療Bに移るという概念の下、整理がなされたと解釈しております。
ただ、現実的に申しますと、先進医療Bは適応を区切るところからかなりカテゴリーがたくさんになって、一度にお受けするのは難しいということがあります。それと、試験計画を策定するに当たっても、基礎データそのものを集積する必要があるという技術もありますので、そこの順序を学会で整理いただいて、そこは準備でき次第先進医療Bに移行していただくという方向で全体的に進んでおりますので、その辺はよく学会サイドにもお伝えはいたします。
○猿田座長 よろしいですか。今回こうやってみると、かなり整理されたところはあるのではないかということで、ここでしっかりと整理すれば、先生がおっしゃったような形でかなり無駄がなくできるようになるのではないかと思います。
○藤原構成員 関連して質問します。そのときにも聞いたのですが、先進医療Aでやっているものはしようがないのですが、先進医療Bで承認されたら当該疾患については先進医療Bでやるという理解で、Aではやらないでくれということでいいのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 先進医療Bに承認されたことをもって、その適応症ではAは基本的には継続しないという方向です。
○藤原構成員 当日聞いたのは、前立腺がんが一番症例数が多くて有効性がはっきりしないので、優先順位を早く先進医療Bに上げてもらったほうがいいかなと思っています。
○医政局研究開発振興課専門官 そこは学会の整理と理解しております。
○猿田座長 ほかにどなたか御意見はございますでしょうか。もしなければ、本日の議論は以上ですが、事務局から次の予定をお願いできますでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の開催日程です。2月の開催は19日(金)の16時から18時を予定しております。場所は省内を予定していますが、別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については、作成次第先生方に御確認をお願いし、その後公開とさせていただきますので、合わせてよろしくお願いいたします。
○猿田座長 今日は事務局がかなり大変だったと思うのですが、御苦労様でした。最後に先生方から、御意見はございますでしょうか。なければ、これで第38回の先進医療技術審査部会を終わりたいと思います。御協力ありがとうございました。
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