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2014年3月25日 第4回医薬品・医療機器薬事戦略懇談会

医薬食品局審査管理課・医療機器審査管理室

○日時

平成26年3月25日10:00~


○場所

イイノホール&カンファレンスセンター ROOM A


○議題

第4回 医薬品・医療機器薬事戦略懇談会

○議事

○益山審査管理課長補佐 ただいまから、第 4 回医薬品・医療機器薬事戦略懇談会を開催したいと思います。本田構成員におかれましては、出席されるとの連絡を受けておりますので、多少到着が遅れていると解して進めさせていただきます。まず、傍聴される皆様におかれましては、事前にお示ししております注意事項を遵守していただきますよう、よろしくお願いいたします。構成員の先生方におかれましては、御多忙のところ御出席賜りまして、誠にありがとうございます。委員の出席状況ですが、本日 14 名の構成員のうち、 12 名の御出席を予定しておりますことを御報告いたします。これより議事に入りますので、傍聴の方によるカメラ撮りはここまでといたします。以降の進行につきましては堀田座長、よろしくお願いいたします。

○堀田座長 前回の薬事戦略懇談会は、考えてみれば 1 年前ということで、久しぶりの会合です。この間にも我が国の創薬の環境は随分動きが急で、 PMDA の取組もそれに伴って、どんどん急速に進歩しています。この中で特に薬事戦略相談が、早期開発あるいは開発の入口としてはとても重要な役割を担っていますので、これについて皆様方から建設的な御意見をいただければと思います。最初に、事務局より配布資料の確認をお願いします。

○益山審査管理課長補佐 お手元には議事次第、座席表、資料 1 として「薬事戦略懇談会のこれまでの実績について」という 2 枚組になっているパワーポイントの資料、資料 2 として「今後の薬事戦略相談制度について」の資料、参考資料 1 として開催要綱、参考資料 2 として構成員名簿を配布しております。なお、「塩村委員からの配布資料」として、構成員の先生方に資料をお配りしております。

○堀田座長 それでは、これまでの薬事戦略相談の実績について、議題 1 に入りたいと思います。まず事務局から、資料の説明をお願いします。

○吉田審査マネジメント部長 私のほうから資料 1 に基づき、薬事戦略相談のこれまでの実績について御説明いたします。スライドということで画面でも出ますけれども、同じものがお手元にありますので、どちらを御覧いただいても結構です。前回、ちょうど 1 年前にこの懇談会を開催しておりますので、それ以降の実績を中心に御紹介させていただきます。

 まずは相談実績全体についてです。その前に、皆様も御案内だと思いますけれども、薬事戦略相談について、簡単におさらいをさせていただきたいと思います。薬事戦略相談の特徴としては、大学・研究機関、ベンチャー企業を対象とします。それから、開発初期から必要な品質・非臨床試験や治験に関して、倫理面にも配慮した指導・助言を行うものです。平成 23 7 月から開始し、 2 年余りがたっています。

 薬事戦略相談のプロセスです。一番本格的なものが対面助言です。審査チームと私どものエキスパートが対応し、科学的な議論をして記録をお渡しします。これは有料になります。その前に事前面談として相談内容の整理をするということで、主にエキスパートが中心になって論点整理をいたします。更に、薬事戦略の手続や薬事の内容を御紹介する個別面談があります。これら事前と個別は、一応無料となっております。

 薬事戦略相談の年度別の実績をまとめました。特に前回以降となりますと、平成 25 年度の成績になるわけです。平成 25 12 月末までの集計結果ですけれども、個別、事前、対面助言というそれぞれの面談ごとに集計しております。私どもがこの中で特に注目しているのが対面助言です。こちらについては 12 月末ということで 9 か月間ですが、その時点で既に 87 件、月 10 件ペースの対面助言をやっているということで、トータル 40 件だった平成 24 年度を大幅に上回る対面助言を、平成 25 年度は行っているということです。

 前回、事前面談から対面助言へ行く歩留りが非常に良くないというのが、 1 つの課題でした。前回の平成 24 年までですと、この 6 分の 1 ぐらいになっていたわけですけれども、今年度については 3 分の 1 が対面助言まで行っているという状況です。一方で個別面談については件数は減っておりますが、これは薬事に余り明るくない方々への手続や内容の相談になりますので、むしろこれは減ってもいいのではないかと私どもは考えております。ですから傾向としては、総じて非常に良好な成績になっているのではないかと、私どもは評価しているところです。

 その次のスライドは、同じものの切り口を変えたものです。これは制度発足から去年 12 月末までの累積の結果です。同じように個別、事前、対面とあります。ここで着目すべきは、個別面談については医療機器が 62 %ということで、医療機器関係が多いかと思います。事前面談、対面助言になってきますと、医薬品関係、特に対面助言になりますと、更に医薬品関係の割合が大きくなります。あと、この表の中で注目いただきたいのは関西支部です。関西支部というのが 2 か所あります。昨年 10 月に関西支部を立ち上げて、そちらのほうで個別面談と事前面談を実施しております。その去年 10 12 月までの実績が、ここに書いてあります。個別面談が 12 件、事前面談が 15 件という実施状況になっています。これも順調に滑り出しているのではないかと、私どもは評価しているところです。

 次のスライドです。前回も同じようなスライドをお示ししたかと思いますが、事前面談の内訳です。医薬品、医療機器、再生医療を円グラフで書いたものです。これをそれぞれの分野別に見ますと、こういうようになるということです。特に医薬品については抗悪性腫瘍、循環器、中枢系が多くなっております。医療機器については分類上、多科に関わるものが一番多くなっていますが、そのほかでは整形、眼科、体診 ( 体外診断薬 ) というのが多くなっているという状況です。

 次にスライド 8 です。今度は相談の内容ごとに分けてみたものです。大体似たような傾向かと思いますが、この中で特に着目しておりますのが、開発戦略です。医薬品、医療機器、再生医療とも、開発戦略あるいは手続について、事前面談の段階でいろいろ受けているという状況が、この円グラフで見て取れるのではないかと思っています。これは後ほどの議題 2 の中で、今後この部分をどうするかということで、解決策を模索する必要があるだろうと考えております。

 次にスライド 9 です。これも前回お示ししたもののフォローアップです。対面助言をした後に、相談者にアンケートを実施しており、その結果です。こちらの円グラフは、相談者の背景情報です。左側下の円グラフが満足度調査です。「満足」あるいは「ほぼ満足」を合わせますと、トータル 90 %以上です。これも前回同様、 9 割以上の満足度をキープしているということです。満足した理由も「方向性の確認が出来た」、あるいは「丁寧なエキスパート」ということで、前回も触れましたように、懇切丁寧に行うというのが薬事戦略のコンセプトですので、その部分が十分に評価されているということは、引き続き良好な状況が維持されているのではないかと思っているところです。これも累積になっておりますので、「やや不満」「不満」というのは、前回と同じようなものが引き続き残っております。全体の傾向としては、同じようなアンケート結果を頂いています。

 スライド 10 以降は、個別の相談内容や事例について御紹介したいと思います。スライド 11 から 3 枚のスライドは、医薬品、医療機器、再生医療ごとに、実際に薬事戦略の対面助言を受けていただいた相談者の中で、こういう形で御紹介して構わないという御了解をいただけた方々の中で、主なものを例示しております。スライド 11 が医薬品関係、スライド 12 が医療機器関係、スライド 13 が再生医療の相談事項です。スライド 14 とスライド 15 は、実際に薬事戦略相談を受けた後、どういう進捗状況にあるかというのを相談者に確認させていただいて、御紹介してもいいという了解をいただけたものについて御紹介しております。

 まずは医薬品関係です。 1 つは精神神経医療研究センターの武田先生の案件です。薬事戦略相談を申し込んだのが 2011 9 月ということで、薬事戦略相談が始まってすぐです。このときはまだ品質や非臨床について相談を受けたという状況ですが、現状ではかなり進んできて、第1相などの治験を実施中という状況まできております。東北大学の宮田先生の案件も、 2011 11 月に相談を受けました。このときも同じように、非臨床についての相談を受けたという状況ですが、現在は第1相について低用量は終わって、高用量の治験をやっているという状況まできています。

 スライド 15 は再生医療、医療機器関係です。ピンク色のほうが再生医療関係ということで、京都大学の山中先生のものです。こちらも内容が若干 iPS 細胞の製造工程とか品質についての検討という話になっていて、現状では細胞ストックというものを作っているという状況のようです。札幌医科大の本望先生も、相談を受けたときは品質や治験開始の前の非臨床についての相談でしたが、現状ではもう第1 /2 相の治験ということで、更に別効能の治験も始めようとしているという状況にきています。

 機器関係では CYBERDYNE 、いわゆるロボットスーツ HAL です。こちらも相談を受けたときは非臨床という状況でしたが、現在、オーファン用の装置としての開発については、新潟病院のほうで治験を行っています。また、別効能についても治験の実施予定という状況です。薬事戦略相談を受けて、もう既に治験まで行っているということで、もうじき申請までこぎ着けるのではないかと考えているところです。ここまでがこれまでの実績です。

 前回の懇談会で、今後、薬事戦略相談を充実させますということで、いろいろな取組を紹介させていただきましたので、その進捗状況と最近の動きを、スライド 16 以降で何個か御紹介いたします。最初はスライド 17 です。前回の懇談会の場で、今後の充実策として何個か御紹介した中で、それらの進捗状況を 4 つ御紹介いたします。

1 つは WEB を利用した会議を推進するという話を御紹介しました。これについては関西支部とも関係してきます。関西支部と東京との間では、 WEB を使った会議を常設化するという形になっており、これまで事前面談を、 WEB 会議を使って 15 件やっているという状況です。

2 点目は広報や PR の関係です。薬事戦略の広報パンフレットを作って活用するということを御紹介しました。これは席上、メインテーブルの先生方にお配りしております。こういう専用パンフレットを作っております。これを既に 8,000 部程度作って配布しているということで、いろいろな学会あるいは面談のときなどに配布し、活用させていただいているという状況です。

3 点目は、いわゆる事前面談から対面助言までの歩留りを良くするという意味で、事前面談利用者に対してフォローアップをするという話をさせていただきました。これについては昨年 7 月以降、事前面談が終わった後 6 か月を経過した時点で、相談者に私どものテクニカルエキスパートが電話で状況を確認させていただいて、進捗状況を確認し、必要なアドバイスをするという状況になっております。

4 点目は、関係機関との連携強化を図るというお話をいたしました。これはいろいろな方々、すなわち県、例えば福島県、文部科学省、経済産業省などいろいろな組織団体と連携を強化し、個別面談をしたり意見交換をしたり、いろいろな場を通じて薬事戦略相談の PR をさせていただいているという状況です。

 次に最近の動きとして、 3 つ御紹介いたします。 1 つは、 7 月の時点の話です。これまで遺伝子治療用医薬品の治験届けを出す前に、確認申請という制度がありましたが、これが廃止されて、薬事戦略相談に移行して構わないという形に移行されました。 2 つ目は、昨年 10 月に PMDA ウエスト ( 関西支部 ) が作られました。ここにある写真は、その開所式の写真です。グランフロントという所に設置されています。それから 11 19 日に、これも広報と言いますか PR の一環として、「 PMDA 薬事戦略フォーラム」を開催しております。参加者 367 人の御参加を得て、中身的には薬事戦略相談を実際に受けていただいて、実用化への取組が進んでいる具体的な事例を御紹介・御説明いただいて、それについていろいろ意見交換をしました。

 内容について、 2 つ詳しく御紹介いたします。遺伝子治療確認申請制度の廃止と PMDA が行う薬事戦略相談への代替です。歴史的なことがいろいろ書いてありますが、今回の動きとしては、平成 25 7 1 日に薬食発 0701 13 号の通知が出されて、一定の経過措置期間はありましたけれども、遺伝子治療用医薬品における確認申請制度が、 8 31 日で完全に廃止されました。そのため、治験計画の届出を行う前の品質・安全性の確認は、薬事戦略相談を活用してもらうという形になったわけです。具体的にこの 2 月までで、 5 件の対面助言を実施しているという状況です。

 最後のスライドです。関西支部 (PMDA ウエスト ) についてです。設置場所はうめきた・グランフロント大阪ナレッジキャピタルの 9 階です。内容は薬事戦略相談と、この 4 月からは GMP 等の実地調査も、拠点として行うという形になっております。また、神戸においても、神戸市内の IMDA: 国際医療開発センター内に「薬事戦略相談連携センター」を設置し、出張と言いますか、こちらのほうに出向いて個別面談を行っています。関西支部と東京の間は WEB 会議システムを使ってやっています。こちらには大会議室、中会議室があり、 WEB 会議システムを使って事前面談を行っています。

 あと、ここに創薬支援ネットワークとの関係で「連携」と書かせていただいております。いわゆる医薬基盤研に創薬支援戦略室があり、こちらと連携のための覚書を結ばせていただいております。具体的には、相談者に同意を頂くことを前提として、同意いただいた場合には、医薬基盤研に相談いただいた相談情報を、我々 PMDA と情報共有をして、一緒にシーズの実用化につなげるということです。逆に、 PMDA の薬事戦略相談に来ていただいた内容も、相談者に同意を頂けた場合には、基盤研とも情報共有をして、一緒になって実用化に向けて取り組んでいこうと。そのような連携を始めたところという状況です。以上が資料 1 、これまでの薬事戦略相談の実績についての御紹介でした。

○堀田座長 今、これまでの実績ということで御報告いただきました。 3 つの点がありました。 1 つはこれまでの相談件数を含めた実績、あるいは満足度です。そして 2 番目に具体的な事例の提示。 3 番目に、特に最近の取組ということで御報告いただきました。まずは構成員の先生方から御意見を頂きたいと思います。最初の実績について、何か御意見を賜ることがありましたらよろしくお願いいたします。特にスライド 5 の対面助言については、事前面談までは行くけれども、対面助言にはなかなか行かなくて、そこがスタックしていたのではないかという議論が先年はありました。それが大分はけてきたというか、流れが良くなったという報告でしたが、いかがでしょうか。

○直江構成員 研究者自身が自分が何を問いたいのかもまだはっきり分からない、ぼやっとした段階なのか、ちゃんとしたものを持ってこれを医薬品にしたい、そのために最短のトラックは何かを知りたいというような振り分けですね。これは個別面談に行くのか事前面談に行くのかというのは、持ち込む人が自ら「こちらでお願いします」と言うのか、それとも PMDA のほうで、これは事前面談ほどではないので個別でお願いしますというようになるのか、この点はどうなっていますか。

○吉田審査マネジメント部長 基本的には相談者のほうで、個別あるいは事前を申し込むという形になっているかと思いますが、いずれも無料でやっておりますので、相談者が事前で申し込まれたとしても、個別面談的な内容になることもあろうかと思います。そこは割とフレキシブルにやらせていただいています。いずれも随時申込みになりますし。

○直江構成員 内容的には、かぶることもあるということですね。

○吉田審査マネジメント部長 現実的にはかぶることが多いと思います。

○堀田座長 担当者、窓口は一応別なのですね。

○吉田審査マネジメント部長 私どもの薬事戦略相談課のエキスパートが中心になろうかと思います。

○堀田座長 御承知のように、個別面談はどちらかというと手続上の問題を扱うのですよね。事前面談になると論点整理ということで、中身に関わってくるかと思います。そこは基本的には依頼者、相談者側のほうで選択するけれども、かぶってくる部分もあるというお話ですね。ほかにいかがですか。

○長野構成員 個別面談、事前面談、対面助言の中で、大学あるいは企業・ベンチャーの割合が、個別面談あるいは事前面談で大分変わっていますね。これは何を意味するのですか。どういうことでこういうことが生じるのでしょうか。中身が余りよく分かっていないので。

○吉田審査マネジメント部長 分類すると、こういう傾向になるという形だと思うのです。

○長野構成員 特に個別面談の場合に、企業・ベンチャーが割合的に非常に多いですよね。

○吉田審査マネジメント部長 そうですね。特に医療機器の場合は、もちろん大学の先生方も多いとは思うのですけれども、更にはベンチャーのほうも機器の開発には関わりやすい面もあるかと思っておりますので、相対的に件数がかなり増えてくるという感じかと思います。アカデミアの先生方は医薬品と医療機器で、件数的にはどちらかというと医薬品の開発に力を注ぐことが多いのではないかと思いますので、分類するとそういう傾向が出ているのかと思います。

○妙中構成員 今のコメントの中で、医療機器の個別面談のところでベンチャーの話が出ましたけれども、恐らくそうではなくて、ひょっとすると中小とか新規参入の所が多いのではないかと思うのです。

○吉田審査マネジメント部長 そうですね。

○妙中構成員 現れているのは、正に課題解決型の経済産業省の事業であったり、地域で新規参入で入ってこられる方々というのは、何も分かっていないところから、個別面談というのが出てきているのかと思います。そういう意味では最近の医療機器の開発の中で、いわゆるエコシステム、医療機器を製品化に持っていくというか、本当に最初のところから、薬事戦略相談をうまく使わせていただいて、もうシステムの中に入り込んでいるような気もしているのです。医療機器に関しては、非常に評価させていただいております。今後は後の話になると思うのですが、直接的でないにしろ、間接的に薬事戦略相談が課題解決型の経産省の事業とうまく連携ができて、厚労省の事業である革新的医薬品・医療機器・再生医療実用化促進事業とも、割とうまく連携してきているのかと思います。

 ただ心配しているのは、文科省の事業との連携です。後にも書かれていましたけれども、臨床試験ネットワークの連携だけではなく、 A ステップの事業の連携が、余りうまくいっていないような気がするのです。 A ステップの評価などにも関係させていただいているのですが、あそこからは薬事戦略相談をうまく活用しているという印象が余りないのです。こちらからアプローチするのか、向こうがアプローチするのかは分かりませんけれども、是非そういうようにしていただけると、もっとうまく使えるのではないかという気がします。

○吉田審査マネジメント部長 特に文科省の関係ですけれども、本日のスライド 17 、関係機関の連携の中で、文科省とはいわゆる橋渡し研究加速ネットワークとの意見交換会を実際にやらせていただきました。いわゆる、そこの関係者と意見交換をさせていただいたという状況です。研究費などの関係で申し上げれば、厚生科学研究については、薬事戦略相談を受けていることを公募の要件にするという形で、どんどん連携を密にする方向に持っていこうとしております。文科省の研究費についても、そういった形でどんどんやっていけるようになれば、更にいいのではないかと思います。そういう方向になるように、更なる意見交換なりを進めさせていただければと思っています。

○増井構成員  2 つあります。 1 つは今のこととも関係すると思うのですけれども、研究の最後の段階と言うのですか、つなぎの段階でのファンディングと、 JST がどう関係するのかです。それから、私は医薬基盤研究所におりますので、振興部のファンディングが PMDA あるいは創薬支援戦略室の活動と、どういうように連携するのかについて、 1 つお伺いしたいと思います。

○吉田審査マネジメント部長 ファンディングに関しては、当然私どもが直接ファンディングすることはできませんので、基本的にアカデミアの方、あるいはベンチャーの方がそれぞれ研究費なり、いろいろなファンドを使って財源を確保していただきます。これは致し方ないと言いましょうか、努力していただくしかないことだと思っております。

 あと、基盤研との関係で申し上げれば、今度、基盤研との連携を強化するということで覚書を結ばせていただきました。その中で今後の具体的な連携に当たっては、正にこれから具体的な事例に基づいて、本当の在り方がどんどん構築されていくのかと思います。 1 つの在り方としては、例えば私どものほうで薬事戦略相談を受けて、それでいろいろな問題点を指摘したときに、そういうものを基盤研と一緒になって相談者が解決するために、試験をやらなくてはいけないとか、どこかで臨床試験をやらなければいけないといった場合に、適当な試験実施機関を紹介するとか、基盤研からファンディングをすることも可能かもしれません。そういった形で基盤研と連携をすることによってファンディングの 1 つ、あるいは実際の相談での指摘事項の解決策を、基盤研のほうが補助することによって、その解決に向かうという形で、最終的な実用化につなげていくという方向性もあるのではないかと思っているところです。

○増井構成員 もう 1 つよろしいですか。

○堀田座長 今後のことについては後でやりたいのですが、実績についての議論ですか。

○増井構成員 実績についてです。これは薬事戦略相談をやっている方々に本当に伺いたいことです。研究者というのはほかの所でできないユニークなもの、私の所だけというものを目指すのです。ところが創薬となったときに、例えば 90 %は我々のものでできるけれども、市販のものだと 70 %しかできませんと。そういう使い尽くされた陳腐なものを使うか新しいものを使うかによって、創薬のときの手間とか、努力とか、コストというのがものすごく違ってくると思うのです。そういうことについて大学の先生たちというか、研究者の仲間は、やはり良い研究が良い創薬になると思っているのです。その辺りの感覚と言うのですか。大学の先生方の相談が随分多いので、どのような感覚を持たれているかということを、薬事戦略相談をやられている方に伺ってみたいと思っています。

○吉田審査マネジメント部長 私自身は実際の相談を受けたことはないのですけれども、一般論としてよく聞く話としては、実際に最終的なものになるときに必要なデータ、あるいは品質に必要なスペックは、必ずしも大学の先生が求めているスペックなりデータとは、若干違うことがよくあります。それは相談を受けてよく感じることです。先生が御指摘のとおり、大学の先生は本当にチャンピオンデータみたいなもの、とにかく良いデータを出そう出そうとする傾向があります。それで、「すごい成果だ」とおっしゃる方が多いのです。ただ、ものにするためには必ずしもそういうデータではなくて、ちょっと泥臭い話になるのかもしれませんが、既存のものと比べてどうなのかということを、実際にデータでお示ししていただくことが、出口として、ものにするという意味では、すごく重要なものです。

 そういう意味では感覚の違いと言いましょうか、我々が出口から見たときの視点とアカデミアの先生方の視点とでは、かなり視点の差、ギャップがあるというのはよく聞いております。その辺は正に薬事戦略をやることで、目線の違いが埋まっていくことによって、実用化が促進されていく方向に行くのだろうと思っているところです。

○堀田座長 恐らくそのギャップというのは、研究者は自分の研究がすごく良いものだと確信してやっているわけです。しかし客観的に見ると、それって実用化に向けてどうなのか、開発をやめたほうがいいんじゃないかというものも、きっとあると思うのです。その辺をうまくコミュニケーションしないといけない。それと、辛口になってしまうかもしれないけれども、ゴーとノーゴーを決めるのは研究者サイドとしても、そこの判断がしっかりできるようなサジェスチョンを与えてあげると、本当はいいのかもしれないと思います。特に最近の動きとして、 PMDA の薬事戦略相談の関西支部の活動が立ち上がりました。これについて御意見を。

○稲垣構成員 関西のアカデミア、ベンチャーからの相談についても広く受け付けるという目的で、関西のほうで支部をつくられて、かつ、その支部で薬事戦略相談を受け付けられたという経緯かと理解しております。実際に関西でつくったことによって、向こうの人たちのアクセスが良くなったのか。関西から何件あったかという情報、特に東京へはなかなか来づらいベンチャー企業等の方々の相談件数の内訳は分かりますか。

○吉田審査マネジメント部長 全体の話はスライド 6 にありますように、関西支部における個別面談と事前面談の内訳は、こういう状況になっております。更に、関西支部の中での個別面談あるいは事前面談で、アカデミア、企業・ベンチャー、研究機関の内訳がどうなのかというのを調べてみました。委員が御指摘の企業・ベンチャーの割合というのが、個別面談も事前面談もいずれも 4 割ぐらいです。大学・アカデミアも大体 4 割ぐらいです。残りが研究という形になっております。

 では、企業・ベンチャーの割合が 4 割というのをどう考えるかです。解析はなかなか難しいのですけれども、全くの同時期、つまり昨年 10 12 月までの 3 か月間で、東京で実施した個別面談と事前面談のうち、事前面談で見ますと、企業・ベンチャーの割合は 3 割ぐらいなのです。そういう意味では件数が少ないということもありますし、そもそもの背景が違うので、確固としたことはなかなか言えないのですけれども、相対的に見て、関西支部のほうは、企業・ベンチャーの事前面談というか、相談の割合が多いという傾向が今のところは見て取れるかと思います。

○稲垣構成員 そうしますと、関西で事前相談等を受け付けることによって、地元からの相談を拾い上げることができた、という評価をされているという理解でよろしいでしょうか。

○吉田審査マネジメント部長 今のところ、そういう傾向が出ているかと思っております。

○堀田座長 実際に関西方面で活躍されている方は、どんな印象を持っておりますか。

○妙中構成員 よく分かりません。本当に活躍しているのか、関西でなくても、東京に行ったらいいだろうと思っておられる方も、実際問題としてあると思うのですが、来ていただいてありがとうございます。関西の立場から言いますと、 PMDA が関西に来てくれた意義が、大阪も頑張れと言っていただいているのだなと、私自身は思っています。 GMP に関しては分かりませんけれども、それも含めて来ていただいたということに意義があるのかなと、私自身は思っております。

○堀田座長 青井先生はいかがですか。

○青井構成員 実際に今は新幹線も便利であるというところはあります。ただ関西にあるということは、地元の者としてその意義は強く感じております。神戸にも一部来ていただいたというのは、大変喜んでいるところです。やはりその意義は大きいですし、我々側も新幹線に乗って東京へ行こうかということではなくて、関西の者はせっかくつくっていただいた関西のほうでお世話になるというのが大事だし、そういうキャンペーンみたいなものをやってもいいのかもしれないと思います。

○堀田座長 そのほかに御意見をいただけますか。いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。議題 2 「薬事戦略相談のさらなる活性化を目指した今後の方策について」ということで、まずは資料の説明から入りたいと思います。

○吉田審査マネジメント部長 今後の薬事戦略相談ということで、資料 2 に基づいて御説明いたします。今後のことを語る前に、これまでの取り巻く状況です。スライド 2 にあるとおり、昨年 6 月に日本再興戦略、健康・医療戦略が策定されております。この中にはいろいろなことが書かれております。 PMDA の強化、取り分け薬事戦略相談事業の拡充・強化が大きな柱として盛り込まれています。

 このような状況の中、スライド 3 、スライド 4 で御紹介しますが、私ども PMDA もこの 4 月から第三期の 5 年間が始まります。それに向けて第三期の中期計画を策定している状況です。ほぼ最終段階まで来ている状況です。その中で、薬事戦略相談に関する記述が随所にあります。スライド 3 の中でも薬事戦略相談というキーワードがたくさん出てくるのですが、総じて大きく 2 つの山になるのかと思います。

 スライド 3 の中では、再生医療製品関係の薬事戦略相談のことがあります。再生医療等製品については、新しい薬事法の下で、この開発を促進していかなければいけないということです。それに向けては、薬事戦略相談あるいはその他の相談を受けた後に申請がなされるような形になるように、我々としては必要な体制整備をしなければいけませんし、アカデミアとかベンチャーの方が、そういう相談を受けやすいように、薬事戦略相談の対象等についても検討しなければいけないと。下のほうで、新しい遺伝子用医薬品に代わる薬事戦略相談もできておりますので、そういう相談の拡充をしなければいけないという内容が入っています。

 スライド 4 では 1 つの束になっていますが、薬事戦略相談全体をどうするのかということで 3 つのポツがあります。 1 つ目のポツは、開発工程 ( ロードマップ ) への助言、検証的試験プロトコールへの助言を行う相談を実施する。製薬企業等向けに開発戦略相談も実施する。 2 つ目のポツは、関西支部も活用することにより、バイオ医薬品、医療機器、再生医療等製品に関する技術力を最大限に引き出して、医療関連イノベーションを促進する。 3 つ目のポツは、臨床から実用化への橋渡しということで、日本医療研究開発機構、いわゆる日本版 NIH と連携しつつ、薬事戦略相談等を通じて、 PMDA も出口戦略の策定支援等に積極的に関与する。薬事戦略相談全体の方向性はこうだろうと。

 こちらにも書いてありますが、再生医療製品については、御案内のとおり新しい条件及び期限付きの特別な承認制度が導入されるわけですが、これに対応するための薬事戦略相談の充実、関係学会等との連携が必要なのだろうという内容が、第三期中期計画に盛り込まれているということです。我々は、今後 5 年間はこういうことに取り組んでいきたいということです。

 それを具体的にイメージすると、薬事戦略相談全体の今後の方向性ということでスライド 5 です。文章と図がありますけれども、図で御説明したほうが分かりやすいと思います。有望なシーズを実用化に向けて、青の部分がこれまでの守備範囲だったわけです。特に探索的試験、いわゆる開発前期まで、臨床試験前期までだったのですが、赤で書いている検証的試験の部分についての助言も守備範囲に広げて取り込みたいと。もう 1 つは開発ロードマップ全体への助言を早い段階で行う。その際には、製薬企業、医療機器、関係企業に対しても、こういう開発全体のロードマップへの助言を行うことによって、アカデミアとかベンチャーだけではなく、それら企業向けの相談にも対応する。絵に描くとこういう話なのだろうと思っております。

 これをもう少し具体的に書き起こすとスライド 6 です。 1 つ目は、検証的プロトコールへの助言の考え方です。考え方としては、アンメットメディカルニーズへ対応するために、企業等による開発が進まない領域では、アカデミアが主導する治験を支援することはすごく重要だろうと考えています。一方で、薬事戦略相談というのは、財政的な制約等から早期の探索的ステージの開発支援が原則です。こういうことを勘案すると、全てのアカデミア主導の検証的フェーズをというのは難しいですので、一定の要件を満たす医療上の必要性の高い品目の場合には、アカデミアが主導する後期第2相以後の検証的試験についても、薬事戦略の対象として取り組むことを、まずは試行的に開始してはどうかと考えております。

 ここでいう一定の要件というのは、本日の御議論を踏まえて考えていきたいと思いますが、例えば未承認薬検討会議等で、学会の要望を受けて検討されてきたものであるとか、あるいは実際にいろいろな研究費などの公的資金に基づいて実施されているようなものなどが、この一定の要件になり得るのではないかと思います。そういうのを考慮して検討してはどうかと思っています。

 もう 1 つは、ロードマップの関係の考え方です。これは議題 1 でも御紹介いたしましたけれども、事前面談の中で、ロードマップといいますか、開発計画といいますか、開発戦略といいますか、そういう相談がかなり多いです。事前面談だと記録は残らないので口頭で助言する形になります。これに対して、公式な記録を求められるケースが非常に多いということで、一定のニーズがあるのではないかと思っています。そこで、新しい相談枠として、例えば「薬事開発計画等戦略相談 ( 仮称 ) 」といったものを試行的に創設してはどうかと考えております。どういうことを助言するかということですが、モノの特性に応じた開発計画のロードマップなど、試験計画の一般的な考え方、進め方に関する助言を対象ということで、詳細なデータの評価ではなくて、飽くまでも事前面談の延長という形で、記録の残る形での相談というイメージです。薬事戦略相談は、そもそもアカデミアとかベンチャーが主たる対象と想定しておりますけれども、十分な開発経験の少ない製薬企業、医療機器企業においても、この相談の対象として取り込む形にしてはどうかと思っております。

 手数料ですが、私どもの相談に係る作業量を基本にさせていただく必要はありますが、一方でアカデミアとかベンチャー等に大きな負担にならないような額で実施できるように検討していきたいと思っています。

 スライド 8 は、再生医療等製品の関係です。枠で囲ってあるのは、第三期中期計画に書いてある文言です。要は、再生医療等製品に特化した薬事戦略相談の対象について検討するということです。通常の医薬品・医療機器とはちょっと違うような相談内容も相談対象としてはどうかということで 2 つ考えました。 1 つ目は、培地等の安全性に関する相談です。再生医療等製品については、製造過程で使われる培地の安全性が極めて重要と認識しています。かつ、これら培地は、通常は開発者とは異なる企業で製造されていることが多いと思いますので、相談対象はかなり多様化してまいります。したがって、再生医療に関する薬事戦略相談については、製品を開発するアカデミアの方、企業・ベンチャーの方だけではなくて、培地等を製造する企業の方々も薬事戦略相談の対象だという形にして、これまでマスターファイル登録に関する助言は薬事戦略でやってきておりますけれども、それ以外の広く培地に関する助言も行うのだという体制作り、あるいはそれの PR が必要だろうと考えております。

 もう 1 つは何度も出ております、再生医療等製品については、条件付き・期限付き承認という、新しい特別な承認制度ができます。これを行うに当たっては、特に臨床開発早期で収集されるデータが極めて重要だと思います。かつ、早期の臨床開発というのは、アカデミアとかベンチャーの企業で実施されることが多いのではないか。そうすると、臨床開発早期から開発戦略の構築が極めて重要だと思っておりますので、こういうことに特化したような相談もちゃんと受けますという形で、薬事戦略相談の中に、こういうメニューもある、こういう相談内容でもいいですということを明確に位置付けて PR し、御利用いただくような形にしてはどうかと考えております。

 もちろんここに書いてあるように、その他に再生医療等製品については、もっと他の相談対象というか、こういう相談内容もあるということがありましたら、それについてはこの場でいろいろ御教示いただければ有り難いかと思っております。資料の説明は以上です。

○堀田座長 今後の本制度について、構成員の皆様から御意見を頂きます。まずは提案された資料で議論していただいて、その他にも先ほどの実績から、こういうことはどうだという提案等もあるかも分かりませんので、順番としては、まずこれを議論していただきたいと思います。 PMDA の第三期中期計画のスタートは、平成 26 年度からですか。

○吉田審査マネジメント部長 そうです、平成 26 4 月からです。

○堀田座長 ほぼこれは確定で、この計画を厚生労働大臣に上げるところなのですか。

○吉田審査マネジメント部長 そうです。事務的な手続で、今度、正式に厚生労働大臣から御承認いただければ最終化されますけれども、事務的にはほぼ最終段階まで来ています。

○堀田座長 そういうことなので、今ここでこれに文句を付けても、もう遅いということではありますが、質問等を受けて、より良いものにしていく議論にしていただきたいと思います。

○直江構成員 これは、非常に良い内容が含まれていると思います。 6 ページで、確かに今までは早期探索的なものを出口トラックに乗せていくというところで、俯瞰的に祭祀を頂くというところだったと思うのです。この前、私が出ていた先進医療 B の技術評価部会でも話が出ていたのですが、あそこでも結局公知申請とか知見とか、最終的には PMDA で承認してもらわなければいけないというステップなのです。そこは、ロードマップの中で必ずそういう話が出ます。

 言っていいのかどうか分からないのですが、 PMDA に持っていったところ、これは我々の範囲ではないということで断られたというのが、正に 6 ページの 2 つ目の●です。「早期の探索的なステージにおける開発支援を対象とする」という、この文言で断られたのではないかと納得しました。やはり出口といいますか、日本からの創薬という意味では、必ずしもファースト・イン・ヒューマンのようなものだけではなくて、既存薬であったり、適応拡大であったり、いろいろなステージがあると思うのです。

 その中でアカデミア、特に臨床側の先生は全くこういうことには疎いです。その後はどうしていけばいいのかというところが、今までの戦略相談の中にはスコープとして含まれていなかった。それを是非入れていただくことが重要ではないかと思いますし、是非お願いしたいと思います。

 ※が付いていますが、これはある程度、無闇やたら増えると大変だろうとも思います。先進医療とか、大型の出口戦略に基づいた経済産業省、文部科学省及び厚生労働省の研究費でサポートされたものであれば、できるだけ受けていただきたいと希望いたします。是非お願いいたします。

○吉田審査マネジメント部長 はい。

○堀田座長 言わば先進医療 B のように、どちらかというと、適応拡大が多いのです。そういうものも薬事戦略相談の対象になるかどうか、その点も論点の 1 つです。藤原さんも同じように出ていて、問題点はありますか。

○藤原構成員 直江構成員もおっしゃっていましたけれども、より具体的に言えば PMDA の二課長通知に基づいて公知申請する際の要件の解釈が中でばらついていたり、薬事戦略相談の担当者と新薬審査部の解釈が違っていたりという点があるので、そこは内部でしっかり統一していただきたいというのが 1 つです。

 先進医療 B は、私も先進医療の評価委員会の委員をやっていますが、直江委員がおっしゃったように、これから出口戦略をおっしゃるのであれば、三局長通知が出ていますけれども、その中で先進医療の成果を薬事の申請に効率的に使用する。ちょっと曖昧な表現にはしていますけれども、そういう記載が通知上書いてあります。その効率的使用というのはどのようにするのかというのを、具体的に医政局、保険局、医薬食品局が詰めているのかというと、余り詰めていないように、いつもいろいろな所で聞いていても解釈は毎回ボヤッと回答されるので、その辺をしっかりしていただきたいといつも思っています。

○堀田座長 これまでは、どちらかというと、新薬の早期開発のところだけだったのを、これをもう少し後ろにもつなげていくのだけれども、無制限というわけにはいかないので、公的研究費でサポートされる、若しくは医療上の必要性が高いと認識されたものにまずは門戸を開いていこうという話ですね。

○吉田審査マネジメント部長 いろいろな御指摘を頂きましてどうもありがとうございます。御指摘のとおり、これまでは座長がお話されていましたように、対象が早期という形になっておりましたので、後期段階のものは対象になっていなかったという話で受けにくかった面は確かにあるのだろうと思います。そういうことについて、今回、薬事戦略相談の枠をこのような形で拡充すること、もう 1 つのロードマップの相談も受けていただくという形になれば、先進医療あるいは公知申請といった枠組みでの申請を考えているような場合でも、我々の薬事戦略相談をきちんと御利用いただくことで、薬事承認への道筋を明確化することが可能になってくるのかと思っています。

 一部連携が不十分ではないかという御指摘もありましたけれども、我々も今、厚生労働省医政局あるいは医薬食品局ともいろいろ話し合いながら連携を取るように対応しているところです。まだ不十分なところはあるかもしれませんが、更に連携を進めさせていただいて、一定の制約といいますか、範囲拡大に当たっては一定の医療上の必要性の高いものに最初は絞らせていただきますが、その範囲内においてはできるだけ速やかに相談から審査、それから承認に向けて進められるように一層努力をさせていただきたいと思います。

○青井構成員 守備範囲は 5 ページの図にありますように、基礎研究からロードマップまで広がると。現行の青の所は内容もこういう図にすると明確だと思うのです。実用化までのロードマップというと、非常に大きな範囲を含んで、特に再生医療のことで言うと、再生医療新法の枠組みでの実施との関連は必ず問題になることであろうと思われます。

 こういう場で申し上げることかどうか分かりませんけれども、もちろん最終的には薬事に行く。それを、最初は再生医療新法でファースト、イン・ヒューマンをやって、そこから進んでいくのが私個人的にはそれが理想だと思っています。しかし、監査の数によっては再生医療新法でずっと行くと。先進医療等の制度でそのまま行くというのを目指す開発者もいるかもしれません。

 そういうことがあって、あの部分は少なくとも再生医療の範囲の中では、全体のロードマップ構築の中でどう使っていくかというのは重要になってくるのかと。そこを、どこまで明示的に示すのかどうかは別として、その辺りがどうなのかというのは、恐らくユーザーというかお世話になる側としては気になるところであります。

 実際にこれまでの実績というか、してくださったことを私の承知している範囲では、現実的にはまずヒト幹臨床研究しかスコープに含み得ない開発課題に関しても、戦略相談の事業の中で多くの御助言を頂いて非常に良い内容のものになった事例はこれまでも多くあるのではないかと思っています。その辺りの整理はどのようになっていくのか、あるいはどこまで明示的な形でそれが示されていくのか。

○堀田座長 何か御意見はありますか。

○吉田審査マネジメント部長 整理がどんな感じかというのはあれですが、私どもの薬事戦略相談は再生医療等製品として製造販売承認を取っていただくのが、我々の言う出口です。私どもに御相談いただいた暁には、まずは薬事としての承認を取るためにはこういう道筋で、こういう試験、こういう手続をすれば取れるのではないかということを助言させていただくのかと思います。それを、相談者が広く医薬品医療機器等法の中で製品化していくのか、個別の患者さんごとの対応をされるかというのは相談者のほうで、そういう助言を踏まえて御判断いただく形になるのかと思います。飽くまで私どもの考え方としては、薬事承認を念頭に置いた助言なのだということで御理解いただければと思います。

○堀田座長 医療機器については、今の件に関係したことで何か御発言はありますか。

○原澤構成員 ちょっと別の視点からなのですが、 7 ページのロードマップの助言に対する考え方の所で、これを入口から出口まで全体的なプロトコールを作って、それを全体的に見ていこうということです。一番下の「相談手数料」ですけれども、この考え方は、今までは事前とか個別は無料で、対面は有料でした。それとは別な手数料体系を作るということなのか、無料が無料でなくなるということを言っているのか、その辺のことが 1 点です。

 それから、アカデミアとかベンチャーの大きな負担にならない額でと書いてあります。これは、それぞれ相談元の違いによって価格を分ける、企業は単価を高くするというようなことを想定された文言なのか、ちょっと読みすぎかもしれませんが教えてください。

 もう 1 点は別の点ですけれども、実際に医療機器の場合は、医療機器なのか、福祉機器といいますか介護機器なのかみたいなところの、そもそも承認が要るのか、治験が要るのかという判断、グレーゾーンの所のことで躊躇している、特に新規参入の方が多いのです。そのグレーゾーンの判断も、この相談の中でやっていただけるのかどうか。

○吉田審査マネジメント部長 スライド 7 の関係ですが、私の説明不足で申し訳ありませんでした。相談手数料ですが、これについては、今は対面助言ということで、医薬品であれば基本的に 150 万円、医療機器であれば 85 万円ぐらい。それで一定の定額要件を満たす、例えば余り利益の出ていないベンチャーであるとか、研究費の少ない研究者については 9 割の補助金が出て、 1 割の値段になりますので 15 万円とか 8 万円程度で受けられる手数料設定になっています。

 ここで申し上げています相談手数料というのは、私どもの事前面談ではない、今ある枠とは違う新しい有料の相談枠を設けさせていただきたいと考えております。ですから 150 万円とか 85 万円ではない、だけれども無料でもない別の手数料を設定させていただきたいと思っております。その際には作業量を勘案しながら、かつアカデミアとかベンチャーに負担にならないという形で額を考えさせていただきたいということです。まだ具体的な額があるわけではないのですが、そういう手数料を設定したいということです。

 その設定に当たっては、アカデミアとかベンチャーと、通常の企業を分けるのかというのもなかなか難しいのです。今も通常手数料と、一定の要件を満たすといいますか、定額要件を満たす方であれば 9 割補助が入って 1 割という形なので、やるとしてもその辺ぐらいまでで、更にそれを企業で分けるというのはなかなか難しいかと思います。詳細は決まっていませんが、そのような感じなのかと思っています。本日の御意見も踏まえ、手数料の具体的な案についてはまた検討させていただこうかと思います。それが、手数料に関する御質問に対する回答です。

○堀田座長  2 つ質問がありましたが、取りあえず前のほうだけで。

○妙中構成員 それに関して、手数料も取られるということだったら、相談に来るほうも期待すると思うのです。

○吉田審査マネジメント部長 そうですね。

○妙中構成員 ロードマップに関する助言というのは特に医療機器に関してはいいと思うのです。その中でお話のあった、非医療機器なのか医療機器なのかということもありますし、こういうやり方でいくと後発でいけるとか、これだったら改良だ、これは新規ですよ、これはクラス 1 ですよ、これだったらクラス 2 ですよと。それは PMDA の守備範囲だと思うのです。企業が考えるのは、どれでいったらなんぼ儲かるかということを考えるわけです。そのときに資料まで示さなくても、こんな使われ方になるとか、保険の範囲だったらこの辺ですよというところまで、ロードマップを考える上で、守備範囲でないのは分かりますけれども、お金を取るのだったらきちんと考えると思うのです。

 アメリカなどでの相談に比べるとものすごく安いのは分かるのですけれども、期待すると思うのです。医療機器の新規参入のところは、それで事業化戦略を考える、薬事を考える。だから、本当に初期の所でそれをやるべきだと思うのです。それがないと、戦略は決められないところがあります。どの範囲までということは言いませんけれども、何となくこうやればこうなるというような、丁寧な、事業化を考えられるような薬事戦略相談にしていただけると、ロードマップをしていただけると企業にとっては有り難いかと思います。

○堀田座長 今の点に関しては、塩村委員の資料の中にも書いてあります。後で紹介されるのでしょうけれども、薬価とか保険の収載への見込みについても相談に入れてほしいという意見はあるのですが、そこまで本当にやるのかというのは、また議論があるかもしれません。

○青井構成員 守備範囲のようなことについて、私は制度を熟知して、頭に入ってはいないのですけれども、基盤研の創薬何でしたか、いろいろなあれに乗ってくれる制度との明確な切り分けのところを説明していただけますか。

○吉田審査マネジメント部長 順番に御説明させていただきます。塩村構成員の資料にもありましたけれども、いわゆる保険です。企業からすれば、本当の出口というのは、保険までどうなのかという話なのだろうと思います。妙中先生の御指摘もそうだと思います。そこは、私どもの実際の市場性に基づいてどうなのかということは、開発がどんどん進んでいかないと、最終的な適応がどうなのか、あるいは薬であれば薬価がどうなのか、機器のほうも点数がどうなのかというのは、開発がどんどん進んでいって、それで目鼻立ちがはっきりしてきて、初めてそれがはっきりしてくる面もあろうかと思います。

 我々の薬事戦略相談というのは、基本的には開発のかなり早い前の段階での相談事業ですので、その段階で出口の保険のところまで正確に予見したような形、見込んだ形でのロードマップを書くのはなかなか至難の業だと思います。もちろん一定の精度・確度を持って、そういうのを念頭に置いた形での助言にしたいとは思いますが、そもそもこの相談の位置付けがかなり前の段階になるので難しいのは御理解いただければと思います。

 私どもができるのは、一般的な考え方・進め方ということで、例えばこういうシーズのものであれば、一般的にはこういう試験が必要ですねと。それを進めるならこういう順番を追って進めるのではないですかと。薬事の中で、標準的にはこのような開発のロードマップではないかということを助言させていただくという、最初はそのぐらいなのかと思っております。

○妙中構成員 私どもは、ある程度出来上がってから戦略を決めるのではなくて、本当に早期に決めるように皆さんにもお勧めしているし、皆そういう傾向になってきていると思うのです。確度はそんなに高くなくても、大体こんな感じというのを早期でお話していただけると考えやすい。そこから先は本人たちがシンクタンクを使うか何かして調査するのだと思うのですが、大体こんな感じというのをできるだけ言っていただけたらという気がいたします。

○堀田座長 ロードマップ途中で見直しをかけたり、もう一回相談をすることは可能ですよね。

○吉田審査マネジメント部長 そうです、おっしゃるとおりです。

○堀田座長 その場合には、毎回料金は要るのですか。

○吉田審査マネジメント部長 それは、相談のための我々の準備等もかかりますし、紙でお渡しする形になると、やはり一定の手続が必要になります。

○堀田座長 できるだけコミュニケーションを取って、お互いに進むようにアドバイスを頂ければよいかと思います。

○吉田審査マネジメント部長 そうですね。

○堀田座長  2 つ目の医療機器か介護機器かのグレーの点をお願いいたします。

○吉田審査マネジメント部長 その前に、青井先生からのロードマップ関連でいうと、基盤研との関係の話がありました。私どもがロードマップを書きます。基盤研も基盤研で開発戦略といいますかロードマップを当然御指導されるのだろうと思います。もちろんかなりオーバーラップするところもあろうかと思いますが、どちらかというと私どもの理解では、基盤研のほうで対応するというか、創薬戦略室でやるのは、かなり早い前の段階です。化合物から製剤化といいますか、かなり前の段階からの戦略みたいな感じになります。

 私どもは、ある程度目鼻立ちが立ってきたところ以降のロードマップみたいな感じで、もちろんきれいには分かれませんが、ザックリ申し上げるとそのようなロードマップの違いという形になるのかと理解しています。ロードマップ関係はそのような形で整理させていただきます。

 もう 1 つの御質問の機器関係の場合だと、グレーな部分の線引きの相談についてどうなのかということです。これが機器に該当するのかどうかということについてですが、ロードマップなどをやる中で、そういうことも判断しなければいけないということも当然出てくるかと思います。そういう意味では全く排除するわけではありませんが、一般的に申しますと、そういう機器への該当性というのも、一般的には開発がある程度進んでいって明らかになってくる部分もありますので、最終的な判断は開発が進んでから決まるのもあるかと思います。結論的に申しますと、明示的に排除するわけではありませんけれども、今のようなグレーの線引きの相談というのが、ここでいう新しい相談の主たる相談事項になるとはなかなか考えにくいのかと思っています。

○藤原構成員 今の後半に関連してなのですが、これから将来に向けて後期認証以降の検証的試験についてもアドバイスをしますと書いてあります。ここは、医師主導治験のような形での検証的試験なのか、それとも先進医療 B のようなものも含めたものなのか。機構が臨床試験と書くと、大体治験のことを意味していますけれども、そうでない臨床試験もアカデミアでは多数行われています。そこをどう進行するかが大事かと思うのです。

 質問は、エキスパートの先生方の中で、大学病院とかナショナルセンターのような所で、臨床医として臨床試験を多数経験された人はいるのか。そうでない人がアドバイスされても現場を知らない。企業の OB だと、企業治験の経験はあるから、潤沢な資金の下で臨床試験をやることは慣れているかもしれませんけれども、科研費で多くても数千万円とか 1 億円ぐらいの経費で、例えば第3相試験をやるなどというのは、本来企業試験の論理からしたら不可能な話なので、そういう辺りをちゃんとアドバイスできる人はいるのか。

2 つ目の質問は、先ほど言った、この検証的試験というのは治験だけを限っているのか、あるいは先進医療 B のような薬事法の治験届けを伴わないような臨床試験まで踏み込んでアドバイスを頂けるのかを教えてください。

○吉田審査マネジメント部長 最初の御質問の関係で、エキスパートにどうかという形ではなくて、飽くまでも検証的試験プロトコールへの助言をするときには、審査チームと一緒になってやります。審査チームの中には、現場で臨床を経験した医師もおられます。その中で、実際に研究的なことをやっていた方がどのぐらいおられるかはすぐには分かりませんけれども、そういう研究にも携わっておられた方も当然その中にはおられるのではないかと思います。

 本日は紹介しておりませんけれども、 PMDA の第三期中期計画の中では、いろいろな学会とか医療関係者との連携を強化して、最新の医療動向とか医療ニーズを踏まえた相談を実施します、という形もうたっております。審査等業務を行う上では、医療現場における現場研修の充実強化も図っていきたい、強化していきたいということもその計画に盛り込んでおります。もし足らないところがあればそういうところでも補完しながら、実際の現場の状況も踏まえたような相談ができるように更に努力させていただきたいと思います。

2 点目の、この検証的な試験プロトコールですが、結論から申しますと、必ずしも治験でなくてもいいのだろうと思います。先進医療 B というのは建前と申しましょうか、制度的には薬事承認を目指すための制度だと制度設計されていると認識しておりますので、私どもとしては、それが必ずしも治験でなかったとしても薬事承認を目指すものについては、そういうものへのアドバイスができるように。もちろんここにあるような、医療上の必要性の高いものであるという前提にはなりますけれども、それに該当するものについては、この制度の中で助言させていただければと思っております。

○藤原構成員 それを受けて 1 つお願いなのですけれども、例えば薬事戦略相談のところには、恐らく臨床試験をやっている最中に、いろいろな規制上の隘路を経験している人たちが多分相談に来ると思うのです。その中で、実際に症例や法律を変えなくても課長通知をいじるだけでちゃんと進むような隘路はたくさんあると思うのです。政府は規制改革会議をやっていますけれども、そこでそんなことを細かく知っている人は多分いないので、薬事戦略相談のような所で、現場の先生たちが困っているこういうことがあったら、それを厚生労働省の中で同じなわけですから、そこで規政改革会議に言われる前に、どんどん解決していくと、この薬事戦略相談が更にいろいろな人に良い貢献をするのではないかというので是非お願いしたいと思います。

○吉田審査マネジメント部長 大変貴重なアドバイスをありがとうございます。確かに相談を受けることによって、現場がどのように困っているのかを一番早く知る立場になるのかと思います。これまでも審査管理課等とも常に連携しながらやっておりますが、できるだけそういう取組を更に進めていきたいと思います。

○堀田座長 審査管理課のほうから御意見はありますか。

○佐藤審査管理課長 貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。先ほどの繰り返しになりますが、日々連携は取っておりますので、頻回に問題意識を共有しながら、迅速な対応には常に心掛けていきたいと思います。

○増井構成員 最後の所に、再生医療等製品のという話が入っています。これは、この会の最初からいろいろな議論になっていたところです。やはり、薬というものと随分違った性質を持つことを考えたときに、一番最後に書いてある、条件付き・期限付き承認の適用というのが出てきたときに、早期で収集されたデータが重要であるという話が出ています。これは本当に重要なことだと思っております。これを明記していただいてありがとうございます。

 それに対応する形で、いろいろな先生方が御質問していた中に、グレーゾーンとか、要するに曖昧なところをどのように認めていくのかというコメントが出ていました。例えば、プロトコールフレキシビリティみたいな話について、どういうお考えで臨むかというのは、これはまだ新しく決まったことで、どのようになっていくかの実態は見えないのですけれども、大分ケミカルとは違った部分があると思います。その点は何かお考えを示していただきたい。実施する側にとっては非常に重要な考え方だと思うのです。先生方のお話の中にそれが……みたいに流れていたと思うのです。その辺りで具体的な検討みたいなことはされるのでしょうか。

○吉田審査マネジメント部長 薬事戦略相談の中だけで、御指摘のようないろいろな再生医療等製品の様々な、違うグレーな部分を全部解決するのはなかなか難しいかと思っております。そこは、相談を受けて一緒になって考え、一緒に助言をしていく形になるのだろうと思います。先生御指摘のような、再生医療等製品を新しい承認制度で今後どういう形で実際に回していくか、どのように審査して承認していくかという基準なりガイドラインというのは、最終的には厚生労働省審査管理課で必要であれば出すと思います。

PMDA の取組の 1 つの例としては、私どもでも別途科学委員会という、外部の有識者の先生方にお集まりいただいた場があります。その中で、再生医療等製品についても、科学委員会の中でいろいろなテーマについて、最先端の治験に基づいていろいろ御議論いただいているということです。その中で、 PMDA として解決すべきものについては科学委員会を活用し、何らかの形の御提言なりをおまとめいただいて、それを広く周知するというような方法はあるのかと思っています。

1 つの例として、これまで 2 年間科学委員会で活動してきておりますが、いわゆる iPS 細胞の造腫瘍性についてはどのように評価するのかについて、科学委員会のほうからも科学的見地からの取りまとめを頂いておりますので、それを活用させていただいて、それを相談にも利用させていただく例はあります。それを更に発展させていろいろやらせていただくというのはあるのかと思っております。

○堀田座長 全般にわたってでも結構ですのでお願いいたします。

○稲垣構成員 細かいところなのですが、薬事戦略相談が始まったときに、いわゆる低額要件というのがあって、ある一定の条件を満たす企業、あるいはアカデミアについては 9 割引きと。そのときの説明は、厚生労働省の予算が付いたので、期間限定で低額要件なりを満たすという話でスタートしていたかと記憶しています。第三期中期計画の中でこういうのが入ってきて、その手の価格設定についてはどういう状態になっているのかということ。もし低額要件等を継続されるような場合に、その要件の見直しの可能性はあるのかどうか、その辺を教えてください。

○益山審査管理課長補佐 薬事戦略相談の低額要件は試行的にという話が当初ありました。それは、海外の低額要件の方法も見ながら、予算上試行的にやっていこうということでスタートしました。そういう中で価格はどうするかというのは、現状の 9 割減免ということで、中小企業だったり、研究費が少ない大学については 9 割免減するという流れで今は来ております。今後ともそういう所については、これまでの流れでもありましたとおり、薬事戦略相談が中小企業だとか機器メーカーの方々にもやっと浸透しつつあります。大学の先生方も、だんだんそれが定常化しつつある今の現状を考えたときに、そこの維持継続は重要だと考えておりますので、引き続き頑張りたいとは思っております。

○稲垣構成員 ありがとうございます。

○妙中構成員 本日はほとんど話になりませんでしたけれども、ソフトウェアをどうするかというのはすごく重要だと思うのです。これまで経済産業省、厚生労働省、総務省及び業界も一緒になって、例の医療用ソフトウェア研究会をやっています。この法律の規制の中に入るもの、その外だけれどもある程度リスクがあるもの、全くリスクのない教科書みたいなものを含めて議論してきて、シームレスに一応つながってきているのですけれども、恐らく今年の 11 月までには厚生労働省の方針も決まって相談が来ると思うのです。それに向けて少しずつ準備をしていたただけたらと思います。そういう人たちにとっては、薬事戦略相談が最初のアクセスになると思うのです。

2 つぐらいそういう相談に来る人がいて、 1 つは医療関係で、本当に医療の中でやっている方々が、将来的にはプロダクトとして製品にしていったほうが、海外との戦略も含め、日本が得意とするところなのでやっていこうというところと、正にベンチャーみたいな、ソフトウェア・ベンダーみたいな所が来ると思うのです。そういうのに対して、医療関係者が来る相談と、企業が来る相談はちょっと違うと思うのです。国際整合性も含めて考えていかないといけないと思うのですが、準備しておく必要があると思うので、是非やっておいていただけたらと思います。今すぐではない、まだ厚生労働省の方針が決まっていないのだと思います。是非御検討いただけたらと思います。

○吉田審査マネジメント部長 御指摘のとおり、そもそものルール作りといいますか、そこがないとなかなか助言をしづらいというのがあります。今後そういう相談も増えるかと思いますので、視野に入れて、それに備えて準備を進めさせていただきたいと思います。

○妙中構成員  PC 上とか、タブレットとか、スマートフォンで動く単体ソフトウェアというのが大事です。組み込みはずっとやっておられると思うので、是非よろしくお願いいたします。

○吉田審査マネジメント部長 ありがとうございます。

○堀田座長 大体予定の時間になりました。本日は貴重な御意見を頂きました。全般としては提案していただいた方向でやっていただくということでよろしいかと思います。今後の対応策について、来年度から順次進めていただくように、本日の議論も踏まえてそれを反映させて、実施していただきたいと思います。進め方や、今後のことについて御意見はありますか。

○益山審査管理課長補佐 塩村委員の資料について、 PMDA のほうから紹介していただきます。

○堀田座長 塩村委員からの配布資料が手元にありますので紹介していただけますか。

○吉田審査マネジメント部長 塩村委員からの配布資料ということで、先ほどの議論の中でも一部出ておりますが、委員からお聞きしている内容も含めて御紹介させていただきます。日本バイオテク協議会という立場で資料を厚生労働省のほうに提出しているものの一部と認識しています。その中に、薬事戦略に限らずいろいろな要望がある中で、この薬事戦略に関係する部分として、塩村委員がお話されていたのが、一番最後のところで、塩村委員が書かれた総説です。下に 966 ページと書いてある右上の所に Table4 とあるところです。

 塩村委員としては、この Table4 にあるような薬価等に関わる早期戦略的な相談制度というのを、このようなものも薬事戦略相談の中で取り込んでもらえないかということを要望したいというお話でした。先ほどの妙中先生のお話とかなり重複するところですが、平たく言いますと、保険収載の可否であるとか、薬価算定方式がどうなって、値ごろ感とか、加算がどうなのかというようなお話です。それを意識した開発戦略の助言が欲しいということです。

 これについては先ほど申し上げたとおり、そもそも薬価の話は保険局の然るべき算定組織があり、かつ中医協で最終的に決まるものですので、確固たるものはなかなか助言しづらいところもあります。加えて、ここで言うような加算であるとか、算定方式がどうなのか、類似薬効方式でいった場合に、何が一番似ているのかというのは、結局最後の段階になって初めて決まるものですので、加算もそうです、データがどうなっているから、加算ができる、できないという話になると思います。結論的に申しますと、薬事戦略相談でいうかなり早い段階では、何らかのお話をしても、信頼できるような助言にはなりづらいのかとは思います。もちろん保険のことを念頭には置きつつ、相談には対応したいと思いますが、これをメインにした、これを売りにしたような形ではなかなか難しいということは御理解いただければということです。一応そのような形で御意見は賜りましたということで扱わせていただきたいと思います。

○堀田座長 いろいろ期待や要望はあるのですけれども、現実的には今の体制の中できちんとやっていただくことと、今後 PMDA の強化ということも戦略の中に書き込まれていますので、そうした皆さんの要望にできるだけ応えて、開発が順調に進むように是非サポートしていただきたいと思います。次回以降の事務連絡等がありましたらお願いいたします。

○益山審査管理課長補佐 次回以降については、別途お知らせいたします。

○堀田座長 本日はこれで終了いたします。ありがとうございました。


(了)

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