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2015年9月29日 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録

○日時

平成27年9月29日(火)15:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(10名)五十音順

有 田 芳 子、 板 倉 ゆか子、 川 本 俊 弘、◎鈴 木   勉、
豊 島   聰、 永 沼   章、○西 川 秋 佳、 菱 田 和 己、 
平 塚   明、 吉 田 喜久雄
欠席委員(6名)五十音順
大 前 和 幸、 長 尾 哲 二、 中 川 秀 己、 新 美 育 文、
西 村 哲 治、 福 内 恵 子

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
倉 持 憲 路 (化学物質安全対策室長)

○議事

○事務局 ただ今から「平成27年度第2回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会」を開催させていただきます。議事に先立ち、夏季の軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止・省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでおります。これを踏まえ、事務局は軽装にて対応させていただいております。委員の方々におかれましても、御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、化学物質安全対策部会の総委員数は16名であり、定足数が過半数の9名となっております。本日は大前委員、長尾委員、中川委員、新美委員、西村委員、福内委員から、御欠席の連絡を頂いており、現在10名の委員の方々に御出席いただいておりますので、この会議は定足数に達していることを御報告申し上げます。

 なお、本日の会議は「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」など、非公開とするべき場合には該当しないため公開で行われ、資料及び議事録も公開となっておりますので御承知おきください。本日、議題1の審議事項に関しまして、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を厚生労働省とともに共管しております経済産業省及び環境省の担当者にも事務局として出席いただいておりますことを御報告申し上げます。

以降の議事進行につきましては、鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 議事を進めます。配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 お手元の資料を御覧いただければと思います。まず議事次第、その下に資料1「個別の適用除外の取扱い及びこれらの物質群が使用されている製品の輸入禁止の指定について()」、資料2「化審法に基づく審査状況について」、資料3-1「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律第2条第2項の物質を定める政令の一部改正」、資料3-2「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則の一部改正の省令の制定」、参考資料1「第一種特定化学物質に指定する物質の個別の適用除外の取扱い これらの物質群が使用されている製品の輸入禁止の指定」、参考資料2「化審法()及び化審法の施行令()」、参考資料3「諮問書」、参考資料4「ストックホルム条約の締約国会議において決定された事項」、参考資料5「ポリ塩化ナフタレン、ペンタクロロフェノールの分解性、蓄積性、長期毒性」。その下に当日配布として、資料1の別添です。落丁、乱丁などがありましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。

○鈴木部会長 議事を進めます。議題1の審議事項について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 議題1「第一種特定化学物質に指定することが適当とされた塩素数が2のポリ塩化ナフタレン、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類の個別の適用除外の取扱い及びこれらの物質群が使用されている製品で輸入を禁止するものの指定等について」、御説明させていただきます。こちらは7月に御審議いただいた内容の続きという形になりますので、前回の振り返りも含めながら、まず参考資料1で御説明させていただきます。参考資料1を御用意ください。

 2ページの「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の体系」です。本日御審議いただく第一種特定化学物質は一番上にあるとおり、難分解性かつ高蓄積性かつ長期毒性ありというような物質を指定することとしており、こちらは政令でその化学物質を指定することとしております。こちらで指定された物質については、製造・輸入の許可制となり、事実上禁止という形になります。また、第一種特定化学物質が使用されている製品で、政令で指定した製品については輸入が禁止されるということになっており、一方で代替困難な用途がある場合にはそれを指定し、例外的に使用を認め、それ以外の用途については使用を禁止するというような規制を行っているところです。

 3ページを御覧ください。「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」ですが、. から. に掲げられているとおり、長期毒性、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、これらの全てに該当する物質については、1か国にとどまらない国際的な環境汚染防止の取組が必要ということで、世界的に製造・使用等を原則禁止という形にしているところです。

 4ページを御覧ください。今年の5月に開催されたPOPs条約第7回締約国会議COP7において、ポリ塩化ナフタレン、ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類について、POPs条約上、製造・使用等を原則禁止とする物質にすることが決められたところです。それぞれの物質については、下に表としてお示ししておりますが、ポリ塩化ナフタレンについては、塩素数が3から8のものについては、既に日本では第一種特定化学物質に指定済みとなっております。決定された内容としましては、製造・使用等が禁止ですが、ポリフッ素化ナフタレン製造のための使用と、その中間体としての製造ということについては製造、使用等の禁止の除外と決定されております。

 ヘキサクロロブタジエンについては、日本では既に第一種特定化学物質に指定済みですが、こちらは製造・使用等の禁止の例外用途は特段決定されておりません。ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類については、電柱とその腕木への使用と、そのための製造については、製造・使用等の禁止の例外として使用してよいと決定されています。

 5ページを御覧ください。今、申し上げた点と重なる点もございますが、塩素数が3から8のポリ塩化ナフタレンについては第一種特定化学物質に指定済みですので、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンとペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類について、前回の部会で第一種特定化学物質に指定することが適当かどうかを御審議いただき、指定することが適当という結論を頂いたところです。

 6ページを御覧ください。. が、今、申し上げました塩素数が2のポリ塩化ナフタレンとペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類を化審法上の第一種特定化学物質に指定することで、こちらは7月22日の部会で審議し、9月17日に開催された薬事分科会で報告させていただきました。

 本日御審議いただくのが、次の. . です。. は「代替困難な用途がある場合において、当該用途を指定し、それ以外の用途への使用を制限すること」、. は「海外における使用事情等を考慮して輸入を禁止する製品を指定すること」です。この2点について、御審議をお願いしたいと考えております。

 7ページを御覧ください。本日の審議事項の1点目です。代替困難な用途の指定です。「現状等」を御覧ください。化審法第25条において、代替困難な用途がある場合においては、その用途を指定し、それ以外の用途への使用を制限することとなっております。代替困難な用途を指定する場合には、その用途は先ほど申し上げましたPOPs条約の中で除外が認められている用途でなければならないとされております。先ほどの資料にもございましたが、ポリ塩化ナフタレンの塩素数が2から8のものにつきまして、POPs条約で除外が認められている用途としては、ポリフッ素化ナフタレン製造のための使用と、ポリフッ素化ナフタレンの中間体としての製造が除外として認められております。

 ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類については、電柱と、その腕木への使用と、そのための製造が除外として条約上認められております。

 これらの用途について国内の状況を確認いたしましたが、いずれの用途についても国内で使用実態はありませんでしたので、代替困難な用途として指定する必要性は認められないと考えております。以上を踏まえまして、下の「対策()」です。ポリ塩化ナフタレン及びペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類については、いずれも化審法第25条に基づく代替困難な用途の指定は不要ではないかと考えております。

 8ページを御覧ください。塩素数が2のポリ塩化ナフタレンの輸入を禁止する製品の指定です。現状は、化審法第24条第1項において、「海外における使用事情等を考慮して輸入を禁止する製品を指定すること」とされております。こちらは塩素数が3以上のポリ塩化ナフタレンにつきましては、既に化審法上の第一種特定化学物質に指定されているところですが、この物質が使用されている場合の輸入禁止製品として、潤滑油及び切削油、木材用の防腐剤、防虫剤及びかび防止剤、塗料(防腐用、防虫用又はかび防止用のものに限る。)の製品が輸入禁止製品として既に指定されているところです。一方、海外調査等を行いましたが、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンのみが使用されている製品について、海外において製造実績等は確認がされませんでした。

 対策()ですが、ポリ塩化ナフタレンのほとんどが塩素数が異なる複数の同族体の混合物であるということを踏まえ、塩素数が3以上のポリ塩化ナフタレンで現在指定されている輸入禁止製品を塩素数が2以上のポリ塩化ナフタレンの輸入禁止製品として、同じものを指定するという形で示しております。

 9ページを御覧ください。輸入を禁止する製品の指定のペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類についてです。こちらについては、「現状等」の二つ目の○で、海外調査等の結果、下に掲げている四つの製品群につきまして、過去10年以内での国内又は海外における製造実績等が確認されました。具体的には木材用の防腐剤、防虫剤及びかび防止剤、防腐木材、防虫木材及びかび防止木材、防腐合板、防虫合板及びかび防止合板、にかわです。これまで、第一種特定化学物質が使用されている製品が過去10年以内に、国内又は海外において製造実績等がある場合には、それらの製品を輸入禁止製品に指定してきておりますので、対策()としては、申し上げた四つの製品群について輸入禁止製品として指定することとしてはどうかとしております。

 以上が本日の審議のエッセンスとなりますが、以上を踏まえて資料1を御覧ください。1ページです。「検討の背景」として、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約において、難分解性、生物蓄積性、毒性、長距離移動性を有する残留性有機汚染物質を対象に、製造・使用等を原則禁止にするという措置を講じることとされております。化審法においては、ストックホルム条約の対象となった物質については化審法第2条第1項に規定する第一種特定化学物質に指定し、その製造・使用等を制限することに、この条約の義務を履行してきたところです。

 2段落目です。平成27年5月に開催されたストックホルム条約において、塩素数が2のポリ塩化ナフタレン、ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類が、その対象物質と追加されることが決定されたところです。

 次のページです。()化審法に基づく第一種特定化学物質に係る主な規制及び措置です。製造・輸入の許可制、第一種特定化学物質が使用されている製品の輸入の禁止、エッセンシャルユース以外の使用の禁止、回収等の措置命令というのが大きくございますが、これらのうち. の政令で定める製品の検討及び. の政令で指定された用途の検討というのが、本審議会の付議事項となっています。

 2ページを御覧ください。塩素数が2のポリ塩化ナフタレンについての状況です。()現状及び今後の見込みです。塩素数が2のポリ塩化ナフタレン、海外では過去にエンジンオイル添加剤、防腐剤等として使用されてきておりますが、我が国では近年、製造・販売・出荷は確認されておりません。また、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンは、我が国で今後使用される見込みはないと考えられております。

()塩素数が2のポリ塩化ナフタレンの製造・輸入規制等の在り方です。2段落目です。ストックホルム条約におきましては、締約国会議で合意された用途については製造・使用等の禁止の適用を除外する仕組みがございます。塩素数2のポリ塩化ナフタレンについては、ポリフッ素化ナフタレン、フッ素数8を含むものの製造のための使用と、そのための中間体としての製造を適用除外とすることが条約において認められているところです。そのため、この用途について検討が必要ですが、我が国においては使用実態がなく、また今後使用される見込みもないことから、この用途について適用除外の対象とする必要はなく、化審法第25条に基づき、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンが使用できる用途は指定する必要がないとまとめさせていただいております。

 続いて、「製品の輸入の禁止について」です。次のページを御覧ください。上から2行目です。現在、既に第一種特定化学物質に指定されている塩素数が3以上のポリ塩化ナフタレンについての輸入禁止製品として、一、二、三に掲げられている製品群が、既に指定されております。

 ポリ塩化ナフタレンは、そのほとんどが異なる複数の同族体の混合物であることを踏まえまして、これらの製品を塩素数2のものに拡大するような形で、輸入禁止製品とすることが適当であるとさせていただいております。一方、海外における製造実績や日本への輸入実績は特段確認されておりませんので、先ほど申し上げた製品群以外に輸入禁止措置を講じる必要性はないと考えております。

 以上を踏まえて表2に掲げる製品を塩素数が2のポリ塩化ナフタレンが使用されている場合は、輸入を禁止する措置を講ずることが適当であるとまとめております。なお、引き続き今後とも実態把握等に努め、環境汚染を生じる恐れがある製品が確認された場合には、輸入禁止製品に追加するなどの措置を速やかに検討するべきとさせていただいております。

2-3.「その他の必要な措置について」です。こちらは諮問事項ではございませんが、化審法第34条において、「環境の汚染を防止するために特に必要があると認めるときには、必要な限度において第一種特定化学物質あるいはそれが使用されている製品の製造又は輸入事業者に対して回収等の命令をすることができる」とされております。現在得られている情報からは、塩素数2のポリ塩化ナフタレンあるいはそれらが使用されている製品の製造・使用等の状況は確認されておりませんので、回収等を命令する必要性はないと考えております。

 続いて、5ページを御覧ください。「ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類について」です。()現状及び今後の見込みです。ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類は一般化学物質に該当しますので、前年度の製造・輸入数量の届出が義務付けられております。表3のとおり、平成24年度にペンタクロロフェノール塩が1トン輸入された実績がございます。このペンタクロロフェノール塩については、防腐剤用途としてにかわに使用されておりますが、平成25年度以降は製造・輸入数量の届出はなされてございません。なお、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類の農薬としての使用につきましては、平成2年に全ての農薬登録が失効し、平成15年に販売禁止農薬に指定されているところです。

 「製造・輸入規制等のあり方について」は、背景としては先ほどと同じ状況ですが、ストックホルム条約においてペンタクロロフェノールについては電柱とその腕木への使用が認められているところですが、この用途については日本において使用実態が確認されておらず、今後使用される見込みはないと考えられることから、化審法第25条に基づく例外的な用途の指定は必要ないとさせていただいております。

 続いて、6ページを御覧ください。ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類が使用されている製品の輸入禁止です。これについて、国内における使用状況、海外における使用の状況について、在外公館による調査等を行い、その結果を表4にまとめております。使用されている製品として確認されたのが、木材用の防腐剤、防虫剤及びかび防止剤、防腐木材、防虫木材及びかび防止木材、防腐合板、防虫合板及びかび防止合板、にかわとなっており、いずれも輸入を禁止すべき製品と考えられるとしております。

 7ページを御覧ください。こちらが「輸入禁止製品の政令指定の考え方」ということで、基準. 、基準. に該当するものについては、輸入禁止製品に指定することが適当であるとされており、基準. は、海外若しくは国内で過去10年以内に製造・使用等の実績があるというのが一つのメルクマールとなっています。基準. は、環境へ直接放出される形態であるとか、廃棄に至る間の管理体制が確立されているとか、こういったことが満たされない場合には輸入禁止製品にすべきというような考え方になっております。

 これらを踏まえて、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類については、申し上げた四つの製品群について、輸入を禁止することが適当であると表5にまとめております。なお、こちらの製品につきましても、今後とも実態把握に努め、環境汚染を生じる恐れのある製品が確認された場合には、輸入禁止製品に追加する等の措置を速やかに検討するべきであるとしております。

 その他の必要な措置として、8ページを御覧ください。ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類の回収等ですが、こちらは平成22年度以降に、これまで確認されている製造・輸入数量は1トンのみで、にかわの防腐剤の製造に使用されてきております。しかし、製造・輸入数量が少量であることや、その使用形態から、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類による環境の汚染が進行する恐れは低いと考えられます。したがいまして、現時点では、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類やその製品の回収等の追加措置を講ずる必要性は認められないと考えておりますが、今後継続し、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類の環境モニタリングを実施し、状況に応じては必要な措置を講ずる必要があるとしております。

 9ページを御覧ください。「今後の進め方」です。こちらの第一種特定化学物質の指定と本日御審議いただく輸入禁止製品等の指定につきましては政令で指定することになりますので、化審法施行令の一部を改正する政令案を今後作成していくことになります。参考にあるとおり、パブリックコメント、TBT通報等を実施した上で、来年の春頃を目途に政令の公布をしていく予定としております。なお、パブリックコメントを実施する際において、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンやペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類の製造・使用等に係る新たな実態・事例が判明した場合には追加することも検討する必要があると考えております。御説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 まず、化学物質調査会の座長であられる西川部会長代理より、コメントをお願いいたします。

○西川部会長代理 今月の18日に3省合同で化学物質調査会を行い、本件について審議しました。細かい2、3の質問はあったのですが、特に大きな問題なく認めていただいたところです。

○鈴木部会長 ただ今の事務局からの説明内容について、御意見等を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

○有田委員 3ページの表2ですが、「製品についての表現の仕方については今後変更があり得る」ということで、もちろんほかの用途に使うことはないと思うのですが、「表現の仕方について変更があり得る」ということをわざわざ書いた議論の中身を教えていただけますか。

○鈴木部会長 これは事務局からお願いいたします。

○事務局 こちらは最終的には政令で製品を指定するという形になるのですが、政令で指定する文言につきましては、内閣法制局の審査等を経て、最終的には公布という形になりますので、その際に文言の変更はあり得るという形で、このような注釈をさせていただいているところです。

○板倉委員 同じく、今の表2の部分ですが、にかわが書いていないのはどういう理由なのでしょうか。

○事務局 表2は、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンが使用されている場合に輸入を禁止すべき製品ということで並べておりますが、過去10年の国内又は海外の製造実績等において、にかわが製造されていることが確認されませんでしたので、こちらには載せていないということです。

○板倉委員 最終的には全部2以上のところでは、にかわということでまとめるということになる訳ですよね。こちらの提案の所でにかわが入っていて、ここに、にかわが入っていないのが、説明で頭の整理ができないというところがありまして。

○事務局 今回、ポリ塩化ナフタレンとペンタクロロフェノールという2物質群について、それぞれ輸入禁止製品を指定するということが審議をお願いしているところでございますが、ペンタクロロフェノールの方は、にかわを対象とすることにしております。ポリ塩化ナフタレンについては、にかわは対象にはならないという形です。

○板倉委員 今後の製品について、見付かった場合は規制をやるとお話がありましたが、具体的にどういう調査を予定されているのでしょうか。

○化学物質安全対策室長 今回は在外公館を通じて、大使館の職員が各国の政府に、現時点でどのようなものに使われているかという調査をした上で、今回指定させていただきました。

 今後、この指定をしたところについては、通関時などにチェックが行われるようになりますので、財務省など、税関の協力なども得ながら、新たなものが使われている可能性がある、疑わしいものがあれば、そういった情報を得た上で関係3省庁で協議をした上で、製品の追加を検討していくことになると思います。

○鈴木部会長 ほかにいかがでしょうか。

○有田委員 5ページに、「平成25年度以降は製造・輸入数量の実績の届出はされていない状況である」とありまして、これは今後の方向性からこのようになったのでしょうか。あとは、1トン以下は届出はしなくていいので、ここの数量は出てきていないのでしょうか。

○事務局(経済産業省) にかわにつきましては、にかわを所管している団体に確認したところ、過去に使っていたのですが、製造工程を工夫することで使わなくていい方向性になっていることから、団体としてもペンタクロロフェノールを使わないにかわへと工夫をしているということでした。こちらに書いてある1トンという数字は化審法上に基づく届出実績ですが、団体が把握している限りでも、この1トンだけが、ここ最近輸入されているということでした。

○鈴木部会長 ほかにいかがでしょうか。

○菱田委員 平成24年度に輸入された1トンなのですが、全てにかわに混ぜられて使われたという理解でよろしいでしょうか。

○事務局(経済産業省) 平成24年度に輸入された1トンのPCPですが、用途はにかわ用ということで、500kgが使われており、残り500kgあるそうですが、これは環境汚染をすることが我々からの連絡で分かったということなので、今後は使わずに適切な廃棄の方法を相談させてくださいという御連絡がありました。ですから、御質問の答えは、500kgを使って、500kgが残っていますが、残りの500kgはきちんと処分するという方向になっております。

○菱田委員 使われた500kgの方の今の状態はどのようになっているのでしょうか。

○事務局(経済産業省) 何kg売って、何kg残っているかというところまでは分からないのですが、一応製品にはしたという情報だけは入っております。

○菱田委員 そうすると、市場にはなくて、使われる方が持っている状態にあるということもあるのですか。

○事務局(経済産業省) そうです。にかわの用途が独特でして、調べた限りですが、例えば仏具、家具の紙や木の接着剤として使うということなので、それを使って作っていらっしゃる方はお持ちだということが想像されます。

○菱田委員 その使用に関しては、今後禁止になるという理解でよろしいのですか。

○事務局(経済産業省) にかわは使わない、売らないという方向になって、処分する方向になっています。何kg残っているかまでは、私の方では把握しておりません。

○菱田委員 末端でもそういった理解がきちんと進んでいて、それは廃棄するものだという理解はされているということでよろしいですか。

○事務局(経済産業省) 末端の方まではまだ連絡が取れてはおりません。

○永沼委員 1トンのことなのですが、今回の措置についてはそれでよろしいと思うのですが、一般論として、1トンを少量と判断する理由、根拠というのは何かあるのですか。

○事務局(経済産業省) 少量と言いますと、今ある新規化学物質の事前審査制度で、少量新規化合物というのが1トンが目安となっておりますので、そこで1トンは少量ということで考えたということです。

○鈴木部会長 ほかにいかがでしょうか。

○有田委員 現在にかわがどのような状況か、これが行き届いていないという情報がありましたということは、今後はそれを徹底して流していただくということなのでしょうか。それから、残っている500kgについては、「相談させてください」ということだったということですが、その後の報告というか、どのように処理をして、環境汚染しないというか、その報告はされるということなのでしょうか。

○事務局(経済産業省) にかわを製品に指定するということで事前に調査をした訳なのですが、今後政令に載れば、PCPは使えなくなります。政令改正前までの期間に、廃棄になると環境省と相談をしなくてはいけないのですが、廃棄の方法、残っていてPCPが入っているにかわについては、適切に処分していきたいと企業もおっしゃっていますので、そこに御協力させていただきます。あと、団体としても、もう使わないという方針になっていますので、それにきちんと従っていただくように団体からの指示もきちんとしていただくということになります。そうすれば、今後普及はしないだろうと思っております。

○鈴木部会長 議論も尽きてまいりましたので、委員の皆様にお諮りします。本日審議いただいた塩素数2のポリ塩化ナフタレンとペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類について、資料1のとおり、これらの物質が使用できる用途は指定する必要はないとし、またそれぞれの物質ごとに資料1の表の2と表の5に記載の製品を輸入禁止製品として指定することでよろしいでしょうか。ありがとうございます。御承知いただいたものとさせていただきます。

 また、本件の薬事分科会での取扱いについては、薬事分科会における確認事項に基づき、薬事分科会報告とさせていただきたいと思います。事務局から、今後の手続きについて説明をお願いいたします。

○事務局 本日、御審議、御了承いただきました内容につきましては、次回の薬事・食品衛生審議会薬事分科会に報告させていただきます。また、今後の手続きですが、先ほど御説明しましたとおり、パブリックコメントなどの所定の手続きを経た上で、来年春頃に政令を公布する予定でおります。

○鈴木部会長 次に進みます。「その他」ですが、事務局より何かありましたらお願いいたします。

○事務局 報告事項が2件ございます。まず、資料2を御覧ください。「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況について」です。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく新規化学物質等の審査については、この化学物質安全対策部会の下に設けられている化学物質調査会において審議をしており、その結果についてはこちらの部会に報告することとしております。前回、平成27年7月に化学物質安全対策部会で、6月の第3回までの審査状況については報告させていただきましたので、その後の審査の状況について、こちらの表のとおり、御報告させていただきます。

 前回から今回の部会までに調査会を2回開催しており、7月に新規化学物質33件、9月に新規化学物質55件、合計88件の新規化学物質の審査をしております。資料2についての御報告は以上です。

 資料3-1、資料3-2を御覧ください。「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律に基づく規制基準の制定」です。こちらは、昨年8月21日の化学物質安全対策部会において、特定芳香族アミンを生ずる恐れのあるアゾ染料について、新たに家庭用品規制法上の規制基準を設定するということを御審議いただき、御了解を頂いたところです。その後、アゾ染料の有害物質の指定については政令、具体的な試験法については省令案を作成し、パブリックコメント等の手続きを経た後、政令については資料3-1にあるとおり、4月8日に公布させていただいております。省令については、資料3-2にあるとおり、7月9日に公布しております。政令本文、省令本文は大部になりますので、こちらは制定のときに併せて発出した通知を資料とさせていただいております。委員の先生におかれましては、規制基準の設定に当たり御審議いただき、誠にありがとうございました。

 政令の方の資料3-1を御覧ください。御審議いただいたときから、化学物質の名称の規定の仕方が一部変更になっております。その変更の趣旨としては、他の法令で既に名称が規定されているような物質が多くございましたので、そちらの物質の名称に合わせる形で修正させていただいております。一方で、繊維製品中のアゾ染料の試験法を示しているJIS等で使用されている名称で業界等は今まで運用されてきているという実態もありますので、政令における名称とJIS等で使用されている名称が簡単に対照表になるように、こちらの通知でお示しさせていただいたところです。合わせてCAS番号も参考として付けさせていただき、周知させていただいているところです。こちらの政令、省令については、来年の4月1日から施行される予定です。資料3についての御報告は以上です。

○鈴木部会長 ただ今の内容について、御意見等はございますか。

○有田委員 資料3-1の表ですが、JISとかCASを統一したというのはいいのですが、2枚目の斜線の所は、例えばベンジジンはそのまま同じ名前だからということですよね。

○事務局 そのとおりです。斜線が引いてあるものについては、政令で指定した名前とJISで規定されている名称が同じということです。

○有田委員 それがどこにも表現されていないので、書いていないと、ベンジジンはそうであるだろうというのは分かるのですが、斜線は3か所ありますから、何か書いておいた方がいいのではないかと思いました。

○事務局 ありがとうございます。

○鈴木部会長 ほかにいかがでしょうか。

○板倉委員 これでJISと政令による名称については分かりやすくなっていると思うのですが、今までほかの薬関係やいろいろなところで、こういうことはやられてきているのですか。

 というのは、指定薬物などの成分で、名称が幾つかあったり、香料関係でもあまりにも呼び方が違って、どれがどれなのか、法律と、別称、通称、JISと合わせないと分からない場合があり、これはとてもいいことだと思うので、こういうことをきちんとやっていただけると有り難いと思い、質問させていただきました。

○化学物質安全対策室長 政令を定める場合には、今回の政令は厚生労働省が主に定めた訳ですが、政令を作成する際に、全省庁に協議することになっております。今回、政令を制定するときに協議をした際、他の省庁から、「うちではこの物質は、この名前で政令で出しているので、うちの政令に合わせてほしい」という意見が出されて、このように直ったという経緯がございます。

 そういうこともあり、逆に、他省庁が政令を作るときに、厚生労働省で使っている名称と違えば、うちも同じような意見を出すという関係になっておりますので、板倉先生が御懸念のような点については、相互にチェックして、統一化が図れるような形に現在はなっていると思っています。

 ただ、古くから使われているもので、一部に別名などが、必ずしもピッタリなっていないものも若干残っている可能性はありますが、ここ最近制定されているようなものは統一化が図られてきていると考えています。

○鈴木部会長 ほかにいかがですか。

○有田委員 繊維の検査機関のところで、アゾ色素に関しては代表的な検査機関は、これと同じ物質名を使っていると思うのです。しかし、今、変更してあるのかはチェックしてこなかったので分からないのですが、複数ある物質名のこの表とは違う名称を使っている繊維製品の検査機関などがありました。これを統一するための説明が行われたのでしょうか。既に変更がされた物質名の統一について、通知を出されたときに、繊維製品の検査機関などは物質名を統一していると考えてよろしいのでしょうか。

○化学物質安全対策室長 基本的に、この通知で対象が分かるような形になっておりますので、この通知をもって周知が図られていると理解しています。

○鈴木部会長 ほかにございますでしょうか。それでは、本件については御確認いただいたものといたします。ほかに事務局より何かありますでしょうか。

○事務局 特段ございません。

○鈴木部会長 それでは、以上で本日の化学物質安全対策部会は終了といたします。委員の先生方、御協力ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 化学物質安全対策室 補佐 日田(内線2910)

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