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2016年2月23日 第7回 保健師に係る研修のあり方等に関する検討会

健康局

○日時

平成28年2月23日(火)15:00~17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第12会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

1 最終とりまとめに向けた検討
2 最終とりまとめ骨子(案)について

○議事

○保健指導専門官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第7回「保健師に係る研修のあり方等に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方には、御多用のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 初めに、構成員の出席状況を申し上げます。本日は、清田構成員、高橋構成員、藤原構成員より欠席の御連絡をいただいております。また、参考人として全国保健師長会から山野井尚美常任理事にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。

 次に、配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第にございますが、座席表をおめくりいただきまして、

資料1 自治体保健師に求められる能力に係る検討資料として、4ページ。

資料2 体系的な研修体制構築の推進に係る検討資料といたしまして、6ページ。

資料3 今後の研修事業のあり方に係る検討資料といたしまして、3ページ。

資料4 最終とりまとめ骨子(案)が10ページ。

 参考資料1 山野井参考人提出資料、26ページ。

 参考資料2 清田構成員提出資料、2枚。

 参考資料3 「人材育成支援シート」の例、27ページ。

 また、本日、中板構成員から御提出資料がございましたので、あわせて配付させていただいております。

 構成員の皆様には、参考資料といたしまして、第1回から第6回までの検討会の資料をファイルにて席上に配付させていただいております。

 以上でございます。

 資料に不足、落丁等がございましたら、挙手にてお申し出いただけますでしょうか。

 それでは、マスコミの方は、以上をもちまして、カメラをおさめていただきますよう御協力をお願いいたします。

(カメラ退室)

○保健指導専門官 それでは、村嶋座長、議事の進行のほうをどうぞよろしくお願いいたします。

○村嶋座長 皆様、こんにちは。2月も中盤を過ぎますと、いよいよ年度末ですね。お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 早速議事に入りたいと思います。

 議題1「最終とりまとめに向けた検討」の「自治体保健師に求められる能力について」です。

 まず、事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○保健指導専門官 それでは、資料1について説明させていただきます。

 ページをおめくりいただけますでしょうか。「統括的な役割を担う保健師の育成」といたしまして、中間とりまとめにおきまして、以下の2点について指摘がされているところです。

 統括的な役割を担う保健師につきまして、保健活動通知にその役割や配置について明記がなされておりまして、自治体においてその重要性が認知され、配置が進んできているところでございます。

 統括的な役割を担う保健師の配置と継続的な確保に向けて、今後、各自治体においてこのような役割を担う保健師をどのように育てていくかが重要な課題であるとしております。

 これを受けまして、まとめ(案)といたしまして、以下のように記載しております。

 統括的な役割を担う保健師に求められる能力でございます。

 まず、統括的な役割を担う保健師の役割は保健活動通知に示されておりまして、以下の3点が挙げられております。1つ目といたしまして、保健師の保健活動の組織横断的な総合調整及び推進。技術的及び専門的側面からの指導及び調整。3つ目が人材育成の推進でございます。

 すでに自治体に配置されている統括保健師は、上記に加えて、関連する多様な役割を担っていると考えられますが、本検討会では保健活動通知に示された役割に基づきまして、統括保健師に共通して求められる能力を整理することとしております。

 統括保健師に求められる能力は、上記に整理した統括保健師の役割に基づき、厚生労働科学研究及び統括保健師を対象といたしました調査結果等を参考に別紙の通り整理しております。

 ページをおめくりいただきまして、ページ3に別紙として、「統括的な役割を担う保健師に求められる能力」を提示してございます。

 1つ目が、組織横断的な役割や交渉を担う能力といたしまして、組織内の各部署に配置されている保健師も含め、保健師に関連する活動の全容を把握できる。地域の保健事業を推進するため、保健、医療、福祉、介護等の多様な分野の組織内外関係者とのネットワーク及び効果的な協働体制を構築することができることとしております。

 2つ目といたしまして、保健師としての専門的知識・技術について指導する能力。具体的には、専門的知識や技術について、社会の変化や情勢に応じて常に更新し、実践すると共に、各自治体において求められる役割を保健師に示し、指導を行うことができるとしております。

 3点目でございますが、組織目標等に基づき保健師の人材育成体制を整備する能力。組織目標や地域保健施策の展望等を踏まえた保健師の人材確保や配置、人材育成に関する提言ができること。組織全体の保健師のための人材育成計画を立案し、実施体制を整備することができること。また、指導的立場にある保健師の指導力向上のための指導を行うことができるとしております。

 ページをおめくりいただきまして、4ページ目でございますが、統括的な役割を担う保健師の育成をどのように考えるかということでございます。

 すでに自治体に配置されている統括保健師が、統括保健師になるまでに獲得した専門能力は、様々な業務経験等を通じて段階的に獲得されており、統括保健師に求められる能力についても同様であったということを調査の結果から得ております。

 また、統括保健師の育成のためには早期からの計画的な人材育成が必要であり、多様な業務経験等を通じて統括保健師に必要な能力が獲得できるよう、ジョブローテーション(OJT)と研修(Off-JT)を組み合わせたキャリアパスを構築することが重要であるとしております。

 統括保健師につきましては、保健活動通知に明記されており、自治体組織としても、その必要性や重要性を再確認することが必要であるとしております。また保健師自らもそれを十分に認識するとともに、統括保健師が統括保健師としての自覚を持つことができるよう、育成の過程における周囲の支援も重要であるとしております。

 また、統括保健師が十分にその役割を果たすためには、統括保健師を補佐する保健師を位置づけることが有用であることから、その確保が望まれるということも記載しております。

 資料説明のほうは以上です。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 続きまして、参考資料1に関して、山野井参考人から御説明をいただきたいと思います。

○山野井参考人 参考資料1「地域における保健師の保健活動に関する指針」の資料をお願いします。全国保健師長会常任理事・山野井と申します。よろしくお願いいたします。

 まず、1ページ目の2枚目のスライドになりますが、厚生労働省の地域における保健師の保健活動に関する指針の活用状況の情報収集の調査を受けまして、2次調査、3次調査といたしまして、統括的役割を担う保健師として配置されている保健師のキャリアや機能、果たしている役割というのを明らかにするために、111自治体に配置状況、位置づけ、保健師が5人以上いるところですが、今年度6月29日から7月15日まで、保健師としてのアイデンティティの獲得、専門的知識や技術の習得、チームの中での調整力をどのような環境や研修から身につけたのかということを明らかにするための調査を行いました。

 3枚目には、統括保健師の属性をお示ししています。

 平均年齢53.2歳、勤務年数28.1年です。

 統括保健師の職位は、課長級、続いて課長補佐級。

 平均在任期間3.6年ということで、自治体の組織の中でも中核的な職位にある、経験の長い50代の保健師が多く担っています。

 自治体内の異動により、幅広い経験を積んだ人材が担っているという現状がうかがえます。

 続いて、5枚目のスライドをお願いいたします。

 統括保健師として果たしている役割につきましては、まず人材育成の充実。

 それから、保健師業務の連携調整。

 部署を超えた保健師業務の助言指導。

 採用・人材確保、人事部門との連絡・調整が担えているということが明らかになっております。

 人材育成、それから人材確保・育成に関わる仕組の整備というのが大変重要になっておりますが、その役割を担っております。

 また、その立場を活用して、組織を超えて保健施策の推進に必要な連携調整・助言指導を実施できている状況です。

 また、地域の課題把握を行い、管内の保健施策の充実を図っているという大きな役割がございます。

 7枚目のスライドに移ってください。統括保健師になるまでに獲得した専門能力として、まず大きく6つの柱が出てまいりました。

 1番目、2番目、職場適応と保健師としてのアイデンティティの獲得と、個人・家族への責任ある対応実施については、統括保健師になった者が係員、技師とか主任で獲得した能力になります。個別支援、保健事業の実施、それから複雑・困難な事例を通して、住民への健康支援が達成できたという体験を通して獲得している能力と言えます。特にアイデンティティの獲得につきましては、保健師長会といたしましても大変重要と思っており、日々の活動、それから師長会が大きく目標として実施しています方向性とマッチしていると考えております。

 それから、3つ目の柱、集団・地域を視野に入れた組織的な対応、リーダーシップを発揮した推進評価、この3つ目、4つ目の柱につきましては、係長クラスで獲得した能力と言えます。特にリーダーシップにつきましては、各自治体の行政課題に関しまして、日々の実践活動からの提言、それから他部署との連携、また新たな事業の施策化に向けた新規プロジェクト、これらを通して獲得していった能力と言えます。

 それから、スーパーパイズと自治体における対応対策のシステム化につきましては、管理的な職位で獲得したものと位置づけております。

 続いて、統括保健師を取り巻く課題につきましては、特に業務上の課題と感じたことといたしまして、業務量が多いし、求められる役割が多種多様であって、まとめることが難しい。それから、3つ目の丸にあります、統括保健師とほかの管理職の保健師との役割の違いがわからない。だけれども、その中でうまく連絡調整をやって日々の業務を遂行していると感じている事項がございます。

 それから、2つ目で、統括保健師育成上の課題といたしまして、ここが大変重要なのですが、管理期の統括保健師の育成の研修がうまく機能していない。ここにつきましては、今後、統括保健師に求められるスーパービジョンやコンサルテーション能力、それから新任期から系統立てられた効果的な研修体系。最後は、効果的な人事異動や業務経験による育成ができるキャリアパスの構築が非常に求められる点だと思っております。

 続いて10枚目のスライドになりますが、大規模・小規模市町村、それから都道府県、そのどこに属しているか、自治体保健師の属する機関によっても課題は異なってまいります。10枚目には、小規模自治体の人材育成に関わる課題と対応をまとめておりますが、これは言うまでもありません。小規模なところではジョブローテーションが行われにくかったり、統括保健師と言いつつ、その体制が十分でなかったり、研修体制が構築できていなかったり、なかなか可視化できない保健師活動の中、県型保健所の調整・支援が大変重要であるということ。

 それから、保健所管内主催の集合研修が既に実施されていたり、人事育成に係る合同検討会が開催されたり、各市町村間で人事交流が促進されていたりという、課題に対する対応が現在でも行われているという現状がございます。

 次の資料には、統括保健師の育成に効果的な研修が何だったのかということで、これは参考に見ていただければと思います。

 次に、統括保健師の育成における課題と対応策になります。

 まず、課題が大きく4つ、それから対応策もグループで4点に分けさせていただいて書いておりますが、まず、課題といたしまして、新任期・中堅期・管理期に獲得する専門的な能力の意識化がされていない。それから、統括保健師として獲得すべき能力が未整理である。あと、育成のための研修体系がなかなか確立できないということに関しては、統括保健師に必要な能力を明確化し、研修体系の確立と受講促進の環境の整備が必要だと考えます。

 それから、統括保健師に必要な能力獲得のためのキャリアパスについても、まだまだ未確立なので、効果的な育成が図れるように、キャリアラダー、それからキャリアパスというものが整理されて明確化されることが求められます。

 次に、キャリアと獲得能力の可視化のポートフォリオの作成というのを例に挙げていますが、既に各自治体の人材育成計画の中で進められているところもあります。ここで大切なのは、いかに人事異動に反映させるか、人事部門と協働して、統括保健師なり保健師の意見が人事に反映させられるかどうかというのが大きな課題だと思っています。

 その次に、参考資料として、以下御説明させていただきますが、統括の育成に関わる諸条件として、ここからはA、B、Cと3つの自治体例で説明します。

 大きかろうが、小さかろうが、どこの所属に配置されていようが、多様な部署で職位に伴う職務を経験して、与えられた職場で最大限の能力を発揮して、統括として必要な能力を獲得してきたということがうかがえると思います。

 自治体の規模によって、部署や職位の経験に違いが出てまいります。今、統括保健師の役割を実際に担っている人たちは、誰かに何かを教えられたわけでなく、自己努力でかなり頑張って、今の役職を獲得したということもございます。これから統括保健師になっていく人たち、新任期・中堅期の人たちがここを目指すには、自治体規模を踏まえたキャリアパスの構築というものが必要だと考えます。

 続いて、小規模自治体の例。これは、小規模の自治体でも、事務、福祉分野の人たち、介護分野の人たち、幅広い業務を経験したことによって、いろいろな方面の能力育成が行われているということです。

 それが大規模自治体に移りましても、保健師として、個人・家族の支援、地域の組織化を、企画部門で予算、企画力を学び、中堅管理職としてリーダーシップの獲得をして事業化して、課長になり統括をしたというモデル的なキャリア形成ができている例もございます。

 続いて、都道府県の例は、統括保健師をきちんと県に位置づけて指針をつくり、人材育成プログラムが整備されていること。また、大学・市町村・看護協会等の団体との現任教育に関する検討の場の設置ができて、有効的かつ効果的な研修例が図れているということでございます。

18枚目のスライドからは、3つの自治体のキャリアラダー・キャリアパス例をまとめてあります。重なるところ、重ならないところもありますが、まず小規模自治体の例では、求められる業務経験、専門能力の獲得のあたりは見ていただけたらと思いますが、規模は小さくても、また職位は高くなくても、公衆衛生施策の実践の主軸となっている。それから、統括保健師の役割を果たすことができているということです。あわせて、県の人材育成システムを使いながら、自分の今までの日々の活動・業務・キャリアをキャリア形成に活用して、うまくいっている自治体がございます。

 続いて、大規模自治体につきましては、保健師の専門能力、行政職としての能力を段階的に獲得できてきているということで、非常に効果的な業務経験、専門能力の獲得が着々と、係員のときから課長のところに至るまで、これだけの能力の保健指導力からマネジメント力まで、あわせてキャリアパス・キャリアラダーができております。

 都道府県の事例につきましては、特に保健師のキャリア形成に関しては、市町村との人事交流、それから国への派遣を計画的に行っていること。あと、退職された保健師をアドバイザーとしての雇用を図り、質を高めていること等が特色かと思います。

 次の資料からは、そのキャリアラダー構築のプロセス例として、今までの統括保健師がどういう能力を持ちながら、どういう過程で、何をやったことで自分が今に至っているか。キャリアラダーと統括保健師の活動の例を挙げさせていただいていますので、ここは参考にごらんいただければと思います。

 保健師長会といたしましては、専門性の高い公衆衛生看護活動を強化していきたいということで、このキャリアラダーも含めた統括的な役割を果たす保健師の役割というのを、国の動向、大きな流れの中で、現場の保健師のリーダーたちが共有する場を設け、検討を図っております。

 特に、この検討会にお願いができたらなと思うのは、いろいろな自治体で研修計画を実施しています。この中にもありましたように、管理期の人たちの研修が、これを受けたら管理能力の達成が図れるよというものもなかなかないという現状の中、若いころから中堅期、それから管理期に向けた、この自治体に所属した保健師をこういうふうに育てたいという目標も踏みながら、キャリアラダー・キャリアパスに沿った、またこの研修を受けることがキャリアを積むことになるよという全体的な大きな枠組みのものを、今後お示しいただければありがたいなと思っております。

 以上でございます。

○村嶋座長 ありがとうございます。調査結果をもとに、この検討会に対する熱い期待が述べられて、身の引き締まる思いがしました。

 では、今の参考資料1に対する御質問、感想等がございましたらお願いします。参考資料1は、資料1の統括の能力や必要な研修にかかわるものでございますので、そういう観点を含めながら御質問いただければと思います。

 では、曽根構成員、どうぞ。

○曽根構成員 貴重な資料、ありがとうございました。

 伺いたいのですが、統括保健師というのは、ある自治体で上の年次、下の年次、あわせて何人ぐらいいたうちで、最終的には保健師のうち何%くらいの人がなるのか。例えば10人いたとしたら、そのうちお一人がなるということですかね。

○山野井参考人 そうです。

○曽根構成員 だから、その1人をどう育成するかというお話ですか。

○村嶋座長 10分の1であっても、最終的にそこにつくことによって、かなり大きな力を発揮する。

 ○山野井参考人 10分の1かもしれないですが、100分の1。例えば、私が所属しています岡山県では、県内で働く保健師が約500人いるとすると、県全体の保健を担う統括保健師の役割が1人います。それにあわせて、27市町村には、またそこに統括保健師がいます。その人たちがいいように、情報共有しながら、課題を共有しながら、健康課題に向かって施策化していくという方向を同じにしているという現状です。

○村嶋座長 どうぞ。

○曽根構成員 そうすると、若いうちから育成するというのは、各保健師さんが業務に励んでいく中で適性を見きわめて伸ばしていくという意味ですね。

○村嶋座長 座間構成員、いかがでしょうか。

どうやって統括の芽を見つけ、かつ、どうやって伸ばしていくかということもあると思いますが。

○座間構成員 企業の人材育成においてもリーダーの育成は一番大事です。経営課題や事業課題が複雑になってきていますので、年功序列的に上がった結果、統括に就くのではなくて、できるだけ早目にそういう資質がある人材を見きわめ、リーダーとしての資質を磨く研修をしたり、修羅場経験を与えたりとリーダー育成を計画的に取り組んでいます。

 保健師で言うと初任期になる時期ですが、企業で入社して10年ぐらいは、いろいろな経験をさせます。そして中堅期で資質ある人材を見つけていく。そのリーダー的な素質のある人材に対して鍛えていくということで、統括者のレベルを上げていくことが、保健師の仕組みでも必要になってくると思いました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 市町村では、いかがでしょうか。

○佐藤構成員 統括保健師の導入自体が、ここ数年、やっとそういうお話が市町村のほうにも上がってくるような状況になった時点で、こういう方が統括保健師になるというイメージすらも描けていない市町村というのは、まだまだたくさんある。特に規模が小さいところほど、そういう役割を、保健師の側も私がそういうことをしなければいけないのですかみたいなことだったり、また人事の側もそういうものを置くべきだという認識がないところもまだまだありますので、現時点の話ではなく、今の中堅の方々をいかに統括として育てていくかということが、今からやらなければならないことかなと、私たちは今、思っています。

 師長会の中でも、自分たちの先輩はほとんどいない状態で仕事をしてきている人が多くて、老人保健時代に入った方々がそろそろ退職していますけれども、その方々は上のモデルがなくやってきて、私たちも余りそういうトレーニングを受けていない状況で仕事をしていますので、これからの40代以下の方たちをどう育てていくかというところを、この中にしっかり書き込んでいただければいいなと思っています。

○村嶋座長 ありがとうございます。資料1に関するコメントと受けとめました。

○田中構成員 宮崎県の場合は、今年度から健康増進課の課長補佐の事務分掌の中に統括保健師の役割が入ったので、専任というところではない立場で動いています。専任ではないということで、統括保健師1人では活動が限られるということと、負担が多くなるので、本庁にいるほかの部署のリーダー保健師が自発的に統括保健師の補佐的な役割を担っているというのが現状で、そのことから、統括保健師と話したときに、今の段階では、本資料1にもあったのですけれども、統括保健師を補佐する保健師の存在・役割は大きいと感じているところです。

 県であれば、多くの保健師がいますので、補佐する保健師は将来の統括保健師の育成にもつながっていくかなと考えています。できれば、今、1人が補佐的な役割を担っているので、複数の補佐的な役割を担える統括保健師というところで検討していきたいと考えているところです。

 市町村においては、宮崎の場合は、ほとんど保健師がそこまで多くない自治体になります。今、統括保健師は26市町村あって、2市町しかないのですけれども、統括保健師を受けるに当たっては、統括になったときの孤立感が先に立ってしまうのではないかというところが言われているところです。県としては、どう育てていくか、統括保健師を市町村に配置していくかというところでは、仕組みとか仕掛けとか、その辺は考えていかないといけないなと感じているところです。

○村嶋座長 ありがとうございます。そういう意味では、この報告書がそういうことの後押しになるといいですね。

 では、参考資料1に対する御質問は、もうよろしいですね。

 そうしたら、資料1のほうの議論に移りたいと思います。山野井さんも、この議論に御意見を、どうぞ出していただければと思います。

 最初に、資料1の2ページ目、3ページ目、求められる能力に関してでございますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○永江構成員 今、山野井さんの報告も聞きまして、改めて感じたところですが、資料1にまとめられている中身の中で、統括的な役割を担う保健師の役割が保健活動通知に示されている3点になっております。この3点でまとめるのがよろしいかと思うのですが、その3点の具体的な内容が、各自治体の関係者とか担当者とか、現場保健師が共通確認できる内容であったほうがよいと感じました。

 それで、3項目の中に、保健師の保健活動の組織横断的な総合調整及び推進から、人材育成の推進とあるのですが、先程の保健師長会のまとめの中にも具体的な役割がかなり入っておりましたし、もう一方では、26年、27年、日看協が統括保健師の人材育成プログラムの研修等も行っていらっしゃいます。

 その中で、ある程度わかっている役割・能力というのがあろうかと思いますので、例えば保健師の保健活動の組織横断的な総合調整及び推進であれば、その中の1つに組織横断的な保健活動にかかわる会議の運営とか、あるいは所属組織を超えた他組織との連絡調整とか連携とか連携できる仕組みづくりとか、もう少し具体的なものを入れていったら、より現場が見て納得する中身になるのではないかと、まず2ページのところでは思いました。

 同様に、3ページに関しましても、保健師の役割に基づいて、どういう能力を高めていくのかというのがまとめてあるのですが、これも先ほどの参考資料1の中にかなり具体的に出ておりました。既に先ほど言いました日看協の研修等でもわかっている役割内容もあります。自治体における健康課題の明確化と施策化に向けた計画立案、実施、評価は、かなり必要な能力にかかわってくると思います。最初の組織横断的な調整や交渉を行う能力のところでは、矢印で2項目あるのですが、具体的な内容を書き込む必要があるのではないかと思います。

 そのことは、保健師としての専門的知識・技術について指導する能力のところにおいても、同じように入ってくると思いますので、もう少し書き込みが必要に感じました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 2ページ目の柱は、保健師活動指針からとったものですが、この柱そのものを何か足したほうがいいのか、それとも柱はこのようにして、その中で個別に膨らますことで対応可能なのか。参考資料1の5ページ、例えば統括保健師として、今、果たしている役割として7点、山野井さんが御説明くださいました。採用・人材確保の丸4のところは、人材育成だけではなく、人材育成の推進の中に具体的に「採用・人材確保」というのが出てくるので、そういうことももうちょっと、この大きな3つの枠の中に書き込むことはもちろん可能だろうなと思います。その柱をどうするか、この柱に何か足すかというところが大きいと思うのですが、永江先生はそのことについてはどういうふうに思われますか。

○永江構成員 基本的に保健活動通知に示されているものに3点にまとめましたということであれば、それはそのままでいいと思います。ただ、その中身が既にわかってきた内容がありますので、もう少し組み込んでいくことが必要ではないかと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 山野井さん、今の御意見ですが、資料1の3ページあたりですが、この中に、今、保健師長会から出されました5ページや6ページのものを膨らませていくという整理でよろしいでしょうか。

○山野井参考人 よろしくお願いします。

○村嶋座長 大変貴重な具体的な内容を出していただきまして、膨らむなと思いました。ありがとうございます。

 はい。

○保健指導室長 御意見ありがとうございます。

 参考にさせていただきながら書き込みをと思っておりますけれども、保健活動通知に示されているものは、どこの自治体様でもお願いしたいという趣旨で書き込ませていただいて、通知としてお示ししているものですけれども、参考資料に出された中で、自治体によってかなり特徴的であり、普遍化が難しいものとかがあれば、そこは教えていただいたほうが、報告書に盛り込む際に誤解がないかなと思いますので、もしそういった観点で何かありましたら、今でなくても結構ですので、委員の先生方から御意見いただけますと、事務局のほうでそれを加味して書き込みをしたいと思います。

○村嶋座長 参考資料1の中で、かなり個別性があって、報告書にそのまま入れるには難しいところですね。

○保健指導室長 資料1の2ページに書いておりますけれども、既に自治体様に配置されている統括保健師は、それぞれさまざまな役割を持たれているというのが実情かと思うのですけれども、そういった全ての多様性を網羅して能力を抽出するということは、なかなか難しいかなと思っていますので、ここでは最小限といいますか、共通項としてお示ししているというところであります。

 それでもなお、永江構成員のお話にありましたように、より詳細に示したほうがいいという部分もあろうかと思いますので、どこの自治体でも共通するものとしてお示ししたほうがいいものという観点で、教えていただければと思っております。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 今、すぐは難しいかもしれないのですが、ぜひここは共通だから盛り込んだら、この報告書全体がより活用しやすくなるとか、パワーアップになるというものがありましたら、教えていただけるとありがたいです。今、何かありますか。

 どうぞ。

○中板構成員 指針に基づいて、この3点の役割能力ということで、私もそれはわかりやすくていいと思います。例えば3ページの丸ポツの2つ目の、保健師としての専門的知識・技術について指導する能力といったときに、統括保健師が誰に指導するのかとか、誰に対して能力を発揮するのかというところが様々かと思います。もう少しはっきりしたほうが統括保健師の能力としては生きるのかなと思います。

 先ほど補佐という話がありましたけれども、補佐をある意味指導していくということになると思いますし、実際に研修している中で統括保健師になられている方たちも、全ての保健師への配慮には限界があると。自分の一番身近な補佐をしてくれる、あるいはしてほしい人たちに対する指導といったことになると思います。そういった具体的なところを書き込んでいただけると、よりわかりやすくなるのかなと思いました。

○村嶋座長 ただ、山野井参考人から聞きますと、県の統括は市町村の統括と連携することによって、全体を推進するようなことがあるようですので、具体的に書いたほうがいいところと、ちょっとぼかしておいたほうがいいところと、あるかもしれないですね。どうですか。

○山野井参考人 自治体に共通しているものと、そうでないものがあると思いますので、岡山県の統括が全ての市町村を統括していることが一般的なものとずっと思っていたのですけれども、一般的なものでないとすれば、ここは師長会に持ち帰り、整理させていただかなくてはいけないと思います。

○村嶋座長 師長会の整理もお待ちし、かつ、県の保健師はそういうところも含めてかなり、もしくは、役割があるなと。県や保健所の保健師の役割の大きさというのはあるように思いますので、そこも含めて整理していくということですね。

 では、3ページまでいろいろ御議論ありがとうございます。

 4ページ目のまとめ(案)対しまして、ここも若干出てきておりますが、いかがでしょうか。研修と人事異動とキャリアパスのところが、山野井さんからかなり言われたなと思っております。この4ページ目で足したほうがいいようなところはありますでしょうか。特に今、なければ、また後ででも教えていただくということにして、この資料1、議題1に関しましては、よろしいでしょうか。

 では、次に移らせていただきます。「(2)体系的な研修体制構築の推進について」、御議論いただきたいと思います。

 では、事務局から御説明をお願いします。

○保健指導専門官 それでは、資料2について御説明いたします。

 ページをおめくりいただきまして、1つ目といたしまして、「体系的な人材育成体制構築の推進におけるキャリアパスの活用」についてでございます。

 中間とりまとめにおきまして、以下の2点について示しております。

 地域保健における課題を解決していくためということで、効果的なジョブローテーションも含めた人材育成の仕組みの構築が必要であるということ。人事部門とも連携しながら、職場における指導等を通して能力を積み上げていく仕組みの構築や、能力を積み上げる道筋を可視化することが重要としております。

 また、キャリアラダーを上がっていくと、どのような場で能力を生かすことができるのか、キャリアパス等として示されることで、目的意識の明確化につながることについて示しております。

 これを受けまして、まとめ(案)といたしまして幾つか挙げさせていただいております。

 2ページ目に挙げさせていただいておりますのは、一つの自治体での取り組みということで、キャリアパスを既に作成していらっしゃる自治体を参考にしております。こちらに関しましては、参考資料2のほうで清田構成員から資料を御提出いただいております。本日、御欠席ではございますが、こちらの資料を参考にして、まとめを作成しているところでございます。

 幾つかのステップが挙げられておりまして、人材育成の重要性及びキャリアパの必要性について保健師間で理解し共有することとか、人事部門との連携についても、ステップとして踏み込まれております。

 保健師業務の組織横断的な整理、重点課題などをまとめること。また、それらの重点課題などを勘案し、自治体の人材育成方針と整合性のある保健師の人材育成方針を作成するとか、保健師のあるべき業務体制を踏まえて、効果的なジョブローテーションを勘案してキャリアパスの原案を作成し、またその原案を各保健師の所属長に内容を説明し、意見を聞き、最終的にはキャリアパスを人事部門と協議の上、決定し、自治体組織として共有するとともに保健師全体に周知するという流れでキャリアパスを構築しているということが報告としてございます。

 ページをおめくりいただきまして、3ページ目ですが、そちらにまとめ(案)として記載させていただいております。

 1つ目の丸では、先ほどの北九州市の事例をまとめておりますが、キャリアパス作成のはじめの段階から、当事者である保健師と人事部門が協議・調整し、方針を共有した上で、自治体の人材育成方針との整合を図り、ジョブローテーションや研修と連動するキャリアパスを作成し、保健師の人材育成体制が構築されております。

 また、キャリアパスはジョブローテーションや研修と連動させることが重要で、そのためには人事部門との協議・調整が必要。また、各自治体において人事部門や総務部等、保健師の人材育成に関係する自治体内の部署と連携しつつ、キャリアパスを作成するプロセスを通して、自治体における保健師の体系的な人材育成に対する必要性の理解や体制の構築が推進されることが期待されております。

 また、キャリアパスは保健師業務の内容や課題、保健師の人員体制等と密接に関連しております。保健師の業務は社会情勢や制度の変化に大きく影響を受けることから、その変化に応じてキャリアパスを適宜見直すことが必要であり、見直しのプロセスにおいても人材育成が推進されることが期待されております。

 また、体系的な人材育成体制の構築には、都道府県や保健所の支援や自治体間で広域的に検討することも重要であるとしておりまして、人事部門や総務部門、保健師の人材育成に関係する自治体内の部署に加え、看護系大学等の自治体外部の関係機関の参画により、多角的な検討の場を設けることも有用としております。

 最後の丸ですが、キャリアパスを活用して人材育成を効果的に推進するためには、キャリアパスを活用する意義、メリットについて全ての保健師が理解し、合意形成することが必要としております。キャリアパスラダーを用いて個々の保健師が自らのキャリアプランを明確に持つことによって、保健師の意欲向上につながるということが期待されるとしております。

 続きまして、4ページ目でございます。こちらは、「個別性に着目した人材育成」ということで、「人材育成支援シート」の活用についてでございます。第6回検討会におきまして、本件について御意見等いただいた際に、自治体での導入を促進するために、シートの例や記載する項目を提示してはどうかとの御意見をいただいております。それを踏まえまして、今回、新たに項目を御提示させていただいております。

 資料、前後して恐縮でございますが、6ページをごらんいただけますでしょうか。こちらのほうに、別紙といたしまして、自治体における「人材育成支援シート」の活用事例を御紹介させていただいております。構成員の先生方に御協力いただきまして、3つの県、大分県、島根県、横浜市のほうから事例を御紹介させていただいております。また、それぞれの県の具体的なシートにつきましては、参考資料3に記載しておりますので、そちらも御参照いただければと思います。

 ページをお戻りいただきまして、5ページ目でございます。先ほど御紹介させていただきました3件の事例から、活用方法と項目について、共通に示された内容として、こちらのほうにまとめてございます。

 具体的な活用方法といたしまして、個々の保健師による活用と組織による活用と、大きく2つに分けております。

 個々の保健師による活用に関しましては、目指すべき保健師像や将来ビジョンを明記し、自らの目標を設定するということと、もう一点、業務経験や研修受講歴等を記録し、それらを通して獲得した能力を自ら確認する。

 また、組織による活用といたしまして、上司や人材育成担当者・保健師との面談等で共有し、本人及び組織の人材育成計画に反映するという活用方法がございます。それらに応じた記載項目というものも、共通項目として具体的な例を出させていただいているところでございます。

 再度、お戻りいただきまして、4ページ目でございますが、こちらのほうにまとめ(案)を提示しております。

 独自の「人材育成支援シート」を既に活用している自治体では、個々の保健師が、目指す保健師像や将来ビジョンを明記し、業務経験や研修受講歴等を記録し、それらを通して獲得した能力を自ら確認するなど、自己管理ツールとしてシートを活用されております。

 さらに、個々の保健師が記載し、自己評価した結果を、上司や人材育成担当者と共有し、本人及び組織の人材育成に反映するといった方法で活用されております。

 シートの活用方法により、必要な記載項目は各自治体で異なると考えられますので、活用方法に応じた記載項目の例を先ほど示しておりますが、各自治体において「人材育成支援シート」を作成する際には、シートをどのような目的で活用し、どのような運用方法とするのか等を明確にし、必要な記載項目をそれぞれ検討することが求められると考えております。

 資料2につきましては以上でございます。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、ただいまの資料2について、先に2から3ページの「体系的な人材育成体制構築の推進におけるキャリアパスの活用」について御議論いただきたいと思います。いかがでしょうか。キャリアパスということがここで明確に出てきて、それをつくるプロセス等が明確に出てきたのはいいことだなと思いますが。

 どうぞ。

○永江構成員 北九州市さんのキャリアパスの参考資料はすごくわかりやすい内容ですが、前回、奥田先生の資料の下にも書いてあったと思いますが、キャリアパスについては、研究班の中で分かれているとありましたね。それも踏まえて、この当該自治体さんだけではなくて、研究班でどういう検討がされて出されているのか、それも踏まえた報告書の作成をしていきますという話を聞いていたように思うのですが、そのあたりはどこに出されているでしょうか。

○村嶋座長 北九州以外のものということでしょうか。これは何かありますか。

 どうぞ。

○保健指導室長 前回の検討会で参考人に来ていただきました奥田先生の研究班の中で、キャリアパスの構築のプロセスといいますか、そこにおける留意点について御議論いただいているところでございます。今回、成果物そのものはお示ししていないのですけれども、いただきました内容を踏まえて、資料2の2ページにプロセスをお示ししておりますけれども、そういったプロセスが同様に示されておりましたことを事務局として確認しております。

 それから、進める上での留意点を3ページにお示ししておりますけれども、その中にも盛り込ませていただいているところでございます。

 その他、お気づきのことがございましたら、中板構成員も研究班に御参加いただいているかと思いますので、補足していただければと思います。

○村嶋座長 奥田班のものはこれだけではなくて、これから含めていくということでございます。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○曽根構成員 今回、キャリアパスという話がメインに出てきましたけれども、私の理解では、キャリアラダーというのは言ってみれば地図のようなもので、標準的な能力等を示したもの。その中でどのような道筋を通っていくかというのがキャリアパスですね。ですからキャリアパスというのは、1つではないですね。複数あって、言ってみればその人ごとにあるかもしれませんけれども、北九州市さんが考えているのは、幾つか類型のような形で、標準的にはこういうふうに行くようなものと理解すればよいのでしょうか。

○村嶋座長 いかがでしょう。

○保健指導室長 自治体で保健師のキャリアパスを備えておられるところは、そんなにないのかなと事務局では認識しているところですけれども、後で座間構成員の御意見もお伺いしたいところですが、一般的に企業などでもキャリアパスを作られていると思うのですけれども、全ての職員について一通りの道筋ではないので、そのバリエーションを加味して一つのものとして作っておられるのではないかと思いますし、当然、その中での進み方も一通りではないという状況の中で、お一人の方を見たときに、次にどこにこの方が進むといいのか考える際の指標になるものと思います。

 保健師の場合、ジョブローテーションとか集合研修なども含めて育成していくという道筋をお示しした上で、御本人がどこの位置づけにあるかというところを確認し、育成に生かすようなものとして使っていただくものかと思っております。

○曽根構成員 要するに、人材育成するときにはジョブローテーションをやったり、Off-JTとかOJTを組み合わせながら、こういうふうに進んでいくのですよという例示、明示的なものと捉えればよろしいでしょうか。

○村嶋座長 そうですね。

 どうぞ。

○中板構成員 私もその辺が少しイメージできるようにと考えています。中間報告の中で、キャリアラダー、それからキャリアパス等を整理して示すこととするということが方向性の中には定められておりまして、その中で厚生労働科学研究等を参考にするという事でした。私がそのキャリアパスモデルのところを主任研究の奥田先生と分担でさせていただいてきました。若干説明させていただけたらと思っています。

 資料を追加で出させていただきました。それをごらんになっていただければと思います。これは、下のほうに書きましたように、厚生労働科学研究の研究班として出したものを、さらに日本看護協会の中で整理させていただきまして、改編しております。今回のこの検討会の趣旨に沿って、研修等も含めた形で整理させていただきました。厚生労働科学研究の中では47都道府県の保健師職能委員長さんに集まっていただき、それぞれ地域の意見も集約していただき、グループインタビューを実施したという経緯がございます。

 その中で、キャリアパスについて意見がありました。具体的に幾つか御紹介させていただくと、30代後半から40代の保健師というのは、例えばリーダーシップあるいは職位というものを意識し始めるのだけれども、保健師の中で嫌われたくない。そういったことを言うと嫌われるのではないかということで、なかなかリーダーシップの発揮ということができない。パスが示されることによって、そういった道もあるのだということが全体で共有されるので、大変よいという声がありました。

 それから、管理職や管理期になる方たちの中には、保健師活動としては十分活動をしたので、もう保健師は十分だという意識で管理職になられる方がいる。しかし、それだと組織の中では大変困ることになる。保健師としての力量を積み重ねた上で、保健師として自信を持って管理職になっていくという道筋が示されることが必要ではないかと考えている。

 あと、保健師の場合、保健師のキャリアと行政職のキャリアに、事務職としてのキャリアの多角的な成長が求められて、他の行政職よりも昇進が遅くなる傾向がある。まず、組織に保健師のキャリアパスという理解をしていただけるようにするために、国の後押しが必要ではないかといったことが言われております。

 あと、保健師自身も、組織の中で昇進や昇任の仕組みというものを理解していることがなかなかなく、何となく昇進している。その暗黙のルールがある中で、不明瞭な点が大変多い。そういったことがキャリアパスによって改善されるというのは、保健師にとっても非常に重要なことである。こういったことがいろいろな意見として出されておりました。

 先ほど山野井さんがおっしゃったのと全く同じかと思うのですけれども、小さな自治体だからといって、能力を評価してもらえない体制はおかしいと思います。小さな自治体であっても能力やできることを評価してもらうためにも、パスのモデルというのがあると大変ありがたいといった意見が聞かれました。

 その中でいろいろ皆さんに御議論いただきまして、さらに奥田先生が前回示しましたキャリアラダーのレベルI、レベルII、レベルIII、レベルIVに合わせまして、それぞれのジョブローテーション、OJToff-JT、自己研鑽を出された意見の中で整理させていただいております。

 レベルI、レベルIIまでは、これまでの新任層、それから中堅層を大体想定していただければと思いますけれども、前回出されたようなラダー、能力をつけていく。その上で、10年、15年、20年ぐらいになっていきますと、レベルIIIとして専門職としてのスペシャリスト、それから統括のレベルIIIに該当していましたけれども、そういったことを経験できる人。

 それから、レベルIV-1、レベルIV-2、レベルIV-3という形で、課長、部長職についていくラダーと、よく複線型と言われます。聖路加の井部先生はジャングルジム型と表現されていますけれども、複線型のキャリアパスというものが保健師には必要なのではないかと思います。レベルIII、いわゆる実践力が高いスペシャリストとしている方が、管理の人たちよりも劣るという見分け方はよろしくない。頭打ちになるような形もよろしくない。同じように能力を上げていくことが必要ではないかということも、御意見の中でいただいています。

 さらに、ジョブローテーションについては、保健衛生部門が最初。それから、同様の意見が多く聞かれましたが、次に異動する際には、分散配置先はもちろんだけれども、本庁で予算の系統立った見方とか、議会を見るとか、そういったことを若いうちに一度見ておくことがとても重要なのではないかということで、その次に異動する。それから、三、四年のスパンで、保健衛生部門、保健所、保健センター等、それから福祉、国保などの分散配置先を異動していくのがよろしいのではないかというのが、皆さんの意見をまとめたところです。

 あと、OJTOff-JT、自己研鑽につきましては、書いてありますとおり、国だけではなく、県や保健所、それぞれが今、実施しているところもありますので、そういったところがレベルIの獲得に向けて、どのような研修が必要かということをそれぞれに考えていくことが必要と考えます。

 また、人事交流、それから国立保健科学院の長期研修といったものも、Off-JTの中には入っていくだろうと思います。自己研鑽につきましては、学会。それから、保健師同士の横のネットワークへの参加。それから、自己学習的なチャンスを生かしていくことが必要ではないかといったことが言われて、出された意見を集約すると、簡単ですけれども、このような形かなと思っております。

 ここに、先日、奥田先生が示されたレベルの能力が示されていくと、ジョブローテーションと研修で、そのパスのイメージが何となくできるのかなと思いまして、今日、お持ちしました。

 以上です。

○村嶋座長 ありがとうございます。キャリアパスのイメージをということで、追加資料として御説明いただいたということでございます。

 2ページ、3ページまで、いかがでしょうか。これでよろしゅうございますか。

 どうぞ。

○佐藤構成員 北九州の事例がすばらしいのは、最初の段階から保健師さんの中で合意形成して、キャリアパスが必要だということをみんなが理解した上で自分たちの作業をしていった。そして、人事と話をするというところが、本来はこういう段取りでどこの市町村もやっていくべきかなと思うのですが、現実的にはどういうイメージで進めたらいいかというのが難しいところが多いので、中板先生、おっしゃったように、モデルのようなものをお示しして、このような形で進めてはどうかというのをお出ししないと、なかなか先に進まないと思いますし、ざっくりしたものでもお示ししたほうがいいと思います。

 さっきの図の中で言うと、レベルIからIIまでの段階をどのように積み上げるかということが一番大事なところで、ここの段階がきちんと積み上がっていないので、そこから先がなかなか進んでいけないという今の現実がありますし、ジョブローテーションや必要な研修が受けられていないままの状態で40代になってしまったみたいな状況がたくさんありますので、そのあたりをきちんと、ここをまず大事にしましょうねということがお示しできると、それぞれの市町村に対しては、わかりやすくて見やすくなると感じています。

○村嶋座長 初任期から中堅期をきちんと積み上げるようにというメッセージをOJToff-JT、研修と自己研鑽とあわせて、本人も努力するし、それから自治体側もちゃんと準備しないといけないですよということですね。

 富士フイルムでは、座間構成員のほうは、会社の中でキャリアパスのイメージみたいなものは提示されているのでしょうか。

○座間構成員 今、議論を聞いていて、レベルI、レベルI-2と前回つくった、それぞれの資格と能力要件がありますね。このキャリアラダーとその能力はきちんと1本の道筋を示すのがいいと思うのです。レベルI-1にはこういう能力をつけています。IIの人にはこういう能力が身についていますときちんと一本化していく必要性があると思います。その上でその能力を身につける道筋。企業で言うと、ジョブローテーションによって能力を身につける部分は、それは多様なキャリアパスがあっていいと思います。

 多様なキャリアパスを経ることはすごく大事で、その多様性が組織の中にたくさんあればあるほどロールモデルになるわけです。その多様性と、どんなパスを通っても、キャリアラダーとして身につけていなければ能力はしっかり身につけていることが大事です。身につけるべき能力とそれをどういうふうに身につけるかというキャリアの多様な道筋は分けて説明したほうがわかりやすいのではないかと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 そういう意味では、資料2の2ページ目に書いてありますのは、以下のようなプロセスでキャリアパスをある自治体ではつくっていた。能力をきちんと明示することと、キャリアパスを形成する上では、研修とジョブローテーションとOJTと、もちろん自己研鑽とで、いろいろな道筋をたどりながらキャリアラダーのIIIIIIとクリアしていくのだよというメッセージをきちんと伝えることが大事だと。

○座間構成員 キャリアパスをつくるプロセスは、いいと思いますが、自治体によって、つくるキャリアの幅、職種の幅があると思うので、その環境の職種に合わせたローテーションをそれそれが考えてもらえればいいと思います。繰り返しになりますが、レベルIIIというキャリアラダーにおいてはきちんと、どこの自治体でも定義した能力を身につけたら、レベルIIになるということを統一していく視点が大事だと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 そういう意味で、このキャリアラダーのIIIIIIIVはきちんと出さないといけない。それをどういうパスを用いて本人が発達していくかの図を出したほうがいいか、出さないほうがいいかということは、もうちょっと事務局にお考えいただいて、イメージをどうやって膨らませるようなことにしていくかということは、今後考えていくということですね。

 どうぞ。

○曽根構成員 最初にキャリアパスについて質問したのですが、キャリアパスのイメージというか、北九州市さんの例とか、あるいは中板構成員が示された、また座間構成員のお話も伺った中でも、私の中で形として、イメージ化されていないので、そのあたり、もうちょっと書き込んでいただくとか、イメージが共有化できるようにしていただくと助かると思います。座間構成員はいろいろなものがあったほうがいいとおっしゃるし、中板構成員はある程度共通化したものを示したほうがいいとおっしゃるので、キャリアパスに関するイメージがそれぞれ委員の間でも、あるいは事務局との間でも若干違うのかなという印象を持ちました。その辺、整理が必要かと思いましたが、いかがでしょうか。

○村嶋座長 人事を進める上では、一律に同じようにというわけにはいかないので、ある程度の多様性があるのだと思います。ただ、原則として、例えば現場と本庁と適宜行き来するということとか、1回は本庁を経験するようなことが確かに必要なのだろうなということは思います。ただ、かなり多様性があるので、そこをどのぐらいまで書き込めるかということについては、今後、ちょっと様子を見ないといけないかなと思います。

 ○中板構成員 多様性についても、皆さんからいろいろな御意見が出ていました。保健師の年齢構成からいっても、かなりいびつであったりするので、全くもってパスどおりにいくことはかなり難しい場合も考えられます。しかし、理想として、その形があるということがあればよりどころになるので、モデルはあったほうがいいというのがありました。

 北九州も、そのとおりに全て毎年行っているかというと、そうではないと思います。そういったものがあるということで、常にそこによれるということになるのではないか。それは、人事の方たちや事務方も含めて思いますので、そのほうがいいのかなと思っています。

○村嶋座長 永江構成員、どうぞ。

○永江構成員 今の議論、そのとおりだなと思っておりました。ただ、もう一つ、現場でこの報告書を受けて、例えば3ページにある内容を見て、我が自治体でどういうふうにキャリアラダーをつくり、キャリアパスをつくっていくのかといったときに、すごく読み込んで理解しないと難しい状況があるのではないかと思うのです。

 そういった意味では、簡単でもいいのですが、パターン1、パターン2という形でも、図あるいは表でもいいのですけれども、それが示されたものがあると、現場の人たちが、もちろん人材育成、人事部門との連携をとったり、最終的には合意形成をここでつくっていこうとか、いろいろな形で反映していくことが可能だと思いますので、ぜひわかりやすい図も一緒につけてもらうといいと思います。

○村嶋座長 どうぞ。

○山野井参考人 今までのお話を聞いていて、現場でこれを本当に活用していくために、中板構成員が提案くださったキャリアパスモデル(案)がございますね。今まで、初任期、中堅期、管理期の研修を、求められる能力ということで、ずっと培って積み上げてきていますね。キャリアラダーとかキャリアパスの概念がみんな共通認識が持てていない中に、それでもレベルIの能力を達成するためには、ここまでのものはきちんと修了していなければいけないという目安ができたと思って喜んでいるのです。

 本当は大事に押さえなければいけないポイントも押さえずに中堅期になり、統括保健師の前の、年代だけ40代後半、50代前半を迎えた保健師たちの課題をスルーしている人と、きちんと踏んできた人間と。そんな人は実際いてはいけないわけで、こんなキャリアモデル(案)の中に、研究班で出された、達成するべき能力。そのためにはどんな研修を受けるべきかというものが、全体が見えるようなものがあるととてもわかりやすいなと思ったのと。

 組織にキャリアパスが本当に必要なことを理解していただく。それは人事部門であり、事務官である上司たちに非常に説得力になるし、国も保健師職能の全ての職能もこれに向かっていっているのです。だから、今、ここがあるのですと提案できる資料になると思われます。

 もう一つは、標準的なものを出されて、それが全て使えるとは思っていないので、その標準的なものをもとに、各都道府県や市町村、我が町、我が村、我が県の、これに基づいたものができていくなと、物すごく期待を大きく持たせていただきました。

 以上です。

○村嶋座長 という御意見が多数でございますが。

○保健指導室長 事務局から少し説明させていただきますと、今回、キャリアパスの活用ということで、座長と御相談の上、このような整理をさせていただいてお示ししているわけですが、そもそも自治体組織のありようが多様な中で、先ほどお話あった保健師の年齢構成から、配置されている部署から、保健所の有り無しといったことも含めて、非常に組織は多様であるということが前提となっております。

 先ほどキャリアパスのモデルというお話がありましたけれども、組織が多様な中で、また非常に事例が少ない中で、標準形としてどんなものがお示しできるのか、事務局としても検討した結果、このようにキャリアパス作成のプロセスを活用するという観点で資料を作成してお示ししております。国の検討会においてモデルとか標準形といったものをお示しした場合に、これを目指さなければならないというニュアンスで理解されるのではないかということも非常に懸念しております。

 そのあたり、今、山野井参考人からも、自治体のほうは使いこなすのだとおっしゃってくださったのですけれども、このキャリアパスをつくらなければ人材育成ができないのだという誤解があると、そもそも人材育成が進まないという本末転倒の結果になるかなということを危惧しています。

 一方で、何か目に見えるものがあったほうが進みやすいという御意見もそうかなと思いますので、そのあたり、示し方の留意点、あるいは示すことに非常に弊害があるということであれば、先ほどイメージができるようなもう少し書き込みをという御意見がございましたので、そういった書き込みを工夫するという方法もあろうかと思いますし、あるいは図で示したほうがよいということであれば、図を工夫して示させていただくということもできるかとは思います。

 ただ、想像するに、企業でもキャリアパスのひな形というものは、A社、B社、C社、10社あれば10通りということで、何をひな形として示すのかというのは非常に難しいのかなと思っておりまして、そのあたり、何を標準形として示せばいいのかといったことも少し御意見をいただいた上で、事務局でまとめのほうに反映させることができるかなと思っておりますので、もう少し具体的にどのあたりに焦点を当てて、図を示すのか、示さないのかということも含めて、御意見いただければと思います。

○村嶋座長 それは、今後ということでよろしいですか。今。

○保健指導室長 先ほど来、示すべきなのか、示さなくてもいいのかといったこと、両方の御意見があったかと思うのですけれども、もし示すのであれば、1つお示しするというのはかなり難しいのかなと思っています。今あるものですと、日本看護協会さんで出された中板構成員からのものなのか、北九州市さんのものなのか、あるいは保健師長会さんで調査の結果、おまとめになられているものもありますけれども、こういったものなのか、ほかのものなのかということになろうかと思うのですけれども、どのあたりに焦点を絞ればいいのかということを具体的に御意見いただければと思います。

○座間構成員 標準的なものをつくるのは難しいのかなと思います。キャリアについて大事なのは、本人と組織側が、自分の将来やメンバーの育成をキャリアパスというものを通して考える習慣を定着させることだと思います。その考える習慣をつけるに当たって、全国共通で何か示したほうが、わかりやすくなり、では始めてみようとなるのであれば、幾つかジョブローテーション案をたたき台としてつくればいいと思います。しかし、それが実態と合っていないのであれば、その市町村・県ごとにモデルをそれぞれがつくり込んでいく。実態に合わせて、我が県、我が市は、こういうキャリアパスを目指すべきだとつくって示していくべきではないかなと思います。

 企業にとっても、それぞれの企業の人材育成の方針や事業の多様性によって、ジョブローテーションのあり方というのは、同じ製造業でも全然違う部分があると思います。それを一律に示すことよりも、自分たちでつくらせる動機づけをしていくことが大事になると思います。繰り返しになりますが、最低限、キャリアラダーで身につけるべき能力のレベルは合わせる。また、中板構成員の資料のように、専門職と統括職、この2つはキャリアとして統一したパスがあるとか、あるレベルまでは議論しておく必要はあると思います。しかし、細かくジョブローテーション案を作りすぎても現実と離れていくのではないかという気がします。

○村嶋座長 自分たちが各自治体でつくるための方向性とか、ある程度の手立ては、この報告書で示さないといけないけれども、それがかえって一律に縛るようなものになるとまずいのではないかという。

 どうぞ。

○佐藤構成員 企業のそれぞれのニーズに基づいてつくられているようなものと、今、市町村や自治体でやれるものは、多分大きな差があるかなと思っています。

 特に、市町村間でも、市町村ごとの格差というのが、例えば地域保健であっても、いろいろな福祉の分野であっても、どの分野であっても、自治体格差というのが結構広がっていると言われていて、その中で置いていかれてしまう自治体という言い方をしたらいけないですけれども、そういうところも見られている現実の中で、国は何を目指すかといったら、全ての市町村、全ての国民の方たちの生活であり、幸福であり、健康でありというものを担保していこうという姿勢の中では、一番下のところと言ったらいけませんけれども、できないところをどう引き上げていくかということを考えていただきたいなと、すごく思います。

 ですので、何も言わなくてもつくれるところはつくれますし、国が示したものは見るだけで、自分たちは勝手にやりますと言えると思うのですけれども、何をしたらいいかわからないところはたくさんありますので、少しでも目指すことが見えやすいように、誰でもわかると言ったらいけませんが、見やすいものをこんなふうにしたらどうというものを親切に示すほうが、今は必要ではないかなと、特に小規模の自治体からすると、そうだと思います。

○田中構成員 この検討会に参加させていただいて、宮崎県でも独自のキャリアパスに向けて動かないといけないということで、今、共通認識しているところです。国として提示されるときに、キャリアパスが文書の中にいっぱい入っているのですけれども、狙いとか効果とか必要性がまず書かれて、それからどういうふうに具体的に取り組んでいけばいいのかというところが示されると、最初にキャリアパスに取り組まないといけない必要性をまず認識されて、深く考えていけると考えるので、そういう書き方をしていただけると、もっと伝わるのかなと感じました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 次の議論が「人材育成支援シート」でございます。「人材育成支援シート」を見ましたときに、個々の保健師の目指す像と能力と、それから自治体からのヒアリング、面接等でする査定と、A+Bを両方考えながらやっていくという例があるのですが、これはこれとして、これも生かしながら、キャリアパスのある程度のモデルが示されたほうがいいという御意見ですか。余り縛らない形で、少し見える化をしていただきたいというのが大勢の御意見のようでございますが、皆さま、いいでしょうか。事務局、何かありますか。

○保健指導室長 座長と御相談の上、また資料をつくってお示ししたいと思います。ありがとうございます。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、次の「人材育成支援シート」に関してはいかがでしょうか。こういうものを活用した例があって、3つぐらい自治体から出ておりますが、こういう本人の希望と蓄積された能力と、それが自治体による支援ということでつくっていく。これはよろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○村嶋座長 では、資料2のほうは終わりまして、議論を進めさせていただきたいと思います。

 「今後の研修事業のあり方に係る検討資料」でございます。事務局より御説明をお願いいたします。

○保健指導専門官 資料3について御説明いたします。

 ページをおめくりいただきまして、「自治体保健師の人材育成に資する今後の研修事業のあり方」といたしまして、中間とりまとめにおいて示された検討の方向性といたしまして、研修の対象者や到達目標等について、実施主体ごとの役割分担の整理が十分ではない状況にあるということですとか、研修の成果がどのように業務に生かせるのかを明確化する必要があるという点。

 また、個々の研修については、研修自体の改革等々、多角的に、かつ自治体の現状に配慮した方向で検討を進めることが必要ではないかということが示されております。

 これを受けまして、まとめ(案)としまして、大きく2つに分けて示しております。

 1つ目は、研修事業の位置づけの明確化でございます。

 本検討会では、自治体保健師に求められる能力を整理いたしまして、「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」をお示しすることとしておりまして、研修対象者や到達目標等をキャリアラダーにおける各レベルや能力を用いて示すことで、各研修の人材育成上の位置づけを明確化し、各研修が人材育成において一層有効に活用されることが期待されるということを示しております。

 また、キャリアラダーと関連付けることによりまして、研修成果がどのような業務の質向上に効果的なのか、それを説明することが容易となり、自治体組織内における各研修の必要性に対する理解促進にもつながることが期待されております。

 また、研修実施側にとっても、各研修の対象者を明確にし、到達目標等について受講者と共通認識を持つことが容易となり、より高い研修効果が得られることが期待されております。

 今後の研修事業のあり方といたしまして、2つ目でございますが、今後、自治体保健師を対象とした研修事業を新たに実施する場合、「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」に基づいて各研修の位置づけを整理するということが望まれております。

 ページをおめくりいただきまして、3ページ目でございますが、「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」を活用した研修事業の整理イメージといたしまして、国立保健医療科学院における研修事業を例として、こちらのほうに「平成27年度公衆衛生看護研修(中堅期)」の到達目標をお示しいただきまして、その一つ一つの目標に対応するキャリアラダーのレベルと、該当する保健師活動について示していただいております。こちらは、国立保健医療科学院のほうから資料を御提示いただいたものでございます。

 以上です。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 何か曽根構成員のほうで補足等ありますか。

○曽根構成員 3ページのところですが、キャリアラダーについては、前回の検討会から、今、再度、御検討中と伺っておりますので、あくまでこれはこういうふうに活用できるのではないかというイメージです。それぞれ研修には到達目標が幾つかあると思います。

 ですので、それと前回お示しいただいたレベルIIIや、あるいはその中の中項目である保健師活動の基盤であったり、システム化、政策化のための活動、そのあたりを余り厳密にではないですけれども、結びつけて、こういう形で整理をすると、この研修に保健師の職員を派遣するときに、どのくらいの人を出したらいいのか、あるいはどういう能力を身につけてほしいから、この人を出すという目安になるのではないかという意味です。

 最初は、キャリアラダーの表に研修自体を当てはめようと思ったのですが、なかなか難しかったです。目的から言うと、余り厳密過ぎる必要はないのかなということで、逆に研修の到達目標から示すことで研修のオリエンテーションがかなりはっきりすると考え、お示しいたしました。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 逆に言えば、各県とかで研修を組もうとなさったときに、どのくらいのキャリアラダーの人を対象にして、この研修をやることによって、どうステップアップを図るということがかなり明確になるということかなと思いました。

 何かこの資料3に関して、御意見等ございますでしょうか。

 どうぞ。

○永江構成員 今後の研修のあり方ということを考えるときに、OJTはそれぞれの職場でしていただくわけですけれども、Off-JTになっていくと、大きくは先ほどの能力をどう高めていくのかという意味では、対象区分を考えた研修事業をどう考えていくのかというのと、もう一つ、研修実施単位、要は全国単位、ブロック単位、あるいは都道府県単位、保健所単位であろうかと思うのですが、ラダーにある能力を身につけていくために、様々な研修をどのように位置づけていくのかというところがポイントになると思います。

 もう一つは、研修を実施する関係機関の役割を考えた研修事業もあると思います。例えば、後から連携のところでも出てくるのかもしれませんが、研修体系と考えたときには、連合会であれば、求められる保健事業の推進にかかわる研修というのが役割としてあるでしょうし、看護協会でしたら、保健師職能としてのスキルアップを図っていく。保健師長会であれば、リーダー育成とかリーダーとしての資質の向上とか、大学は支援という形。そういう枠組みで、今後の研修事業のあり方・位置づけも含めて、整理したものが出てくるといいのではないかと思います。一案としては、科学院のものが出てきていますけれどもね。

○村嶋座長 関係機関をどのくらい網羅して報告書に盛り込むかということは、また別な問題になるかなと思います。この科学院のお出しになった3ページのものと、それに大きな目的があるわけですが、一方で、今、おっしゃったような、それぞれの機関の役割・目的があって、きっとマトリックスになるのですね。マトリックスを、この報告書でそのまま盛り込むのはちょっと難しいかなとは思います。ですから、こういう例示として、こういう対象にこうやるのだよというのが、このような形で1つ示せればよくて、あとは、これを例にそれぞれの機関で御活用になって、またどこかで全体マトリックスを描くみたいなものではいかがでしょうか。

 どうぞ。

○曽根構成員 これは平面ですけれども、当然、立体になっているわけで、一般市町村であるのか、政令市であるのか、都道府県であるのかという対象のところは、またこの上に立体的に積み重なっていく部分であって、そのそれぞれの立体をどういうふうに各団体が担当していくかというのは、また次の話になっていくと思うのです。ただ、この検討会の報告書には、各論的なところまでは多分組み込めなくて、恐らくラダーをどういうふうに活用して、研修と結びつけていったらいいのかというところまでだと思いましたので、このレベルでとどめておきました。

○村嶋座長 はい。

○中板構成員 これは例なので、例として受けとめていますけれども、前回のキャリアラダーについても、構成員さんたちのいろいろな御意見の中には、あくまでも能力なので、説明することができることを能力として判断するのか、前回の奥田先生の出していただいた分でいくと、何々することができるということが能力として記載されていくのかというところだと思うのです。なので、例としたときに、「説明することができる」のがレベルIIであるという例示になって。

○曽根構成員 キャリアラダーがあって、能力が細かく記載されていますが、一つの研修で全てを身につけるわけではないので、その中で、ここの能力の部分をこの研修は担当しますよというぐらいのオリエンテーションです。だから、この研修を受けたら、これが全て身につくというのはないと思うし、OJToff-JTを組み合わせて、重層的に研修は行われていくべきものなので、そのように理解していただければと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 研修は何のためにやるかということで、説明よりは実践ができるような形で、まず概念を入れて、そしてある程度のスキルを入れるということがわかるような研修イメージが大事だという御意見だったと思います。

 はい。

○曽根構成員 私たちは、研修の到達目標のときには、基本的にコンピテンシーを考えます。コンピテンシーというのは客観的に観察できるものとしてつくるので、コンピテンシーは、「説明できる」という表現になります。私たちは研修の範囲内で到達目標を考えますので、ラダーの記載と比較すると、先ほど述べましたように、一つの研修で全てが身につくわけではありませんので、そこには若干ギャップがり、そこが議論の原因ではないかと思います。

○村嶋座長 むしろ、ラダーを上がることができるような研修ということが大事だということですね。

 ありがとうございます。まだ、これについて御意見があるかもしれませんが、またメール等で教えていただければと思います。

 少し議論を急ぎたいと思います。資料4「最終とりまとめ骨子(案)」でございます。事務局より御説明をお願いいたします。

○保健指導専門官 それでは、資料4を説明させていただきます。前回、第6回検討会において御議論いただいた内容を、基本的にこちらのほうに記載させていただいております。

 ページをおめくりいただきまして、目次のほうですが、「はじめに」の後、3つの柱がございまして、「体系的な研修体制の構築」、「III 自治体間や関係機関との連携推進」、次に「自治体保健師の人材育成に資する今後の研修事業のあり方」を柱として出させていただいております。

 3ページ目の右肩に記載しておりますが、「網掛け部分の項目につきましては、検討会でのご議論を踏まえて記述する」ということで、今回、第7回検討会で御議論いただいている内容になるかと思います。

 こちらのほうで記載させていただいている内容ですが、「体系的な研修体制の推進」の「(2)組織全体で取り組む人材育成」については、3ページ目の最後の段落に記載しておりますが、保健師の中で、目指すべき保健師像や人材育成の方針、体制等について議論を重ねて明らかにすることが必要。その上で、自治体全体の人材育成を体系化する役割を持つ人事部門とともに検討する場を設け、各自治体の人材育成基本指針と保健師の人材育成の枠組みとを連動させて、一体的に推進することが重要であるという御検討をいただきましたので、この部分について記載させていただいております。

 次に、「個別性に着目した人材育成の推進」ということで、1つ目は、「人材育成支援シート」の活用について記載しております。

 組織内で共通の様式を用いることで、効果的かつ組織的に人材育成を推進するということで、「人材育成支援シート」が活用されるということを記載しております。

 5ページ目にあります項目といたしましては、「2)産休・育休取得者への支援」ということで、御議論いただいた内容は、特に5ページ目の下の段落部分になりますが、キャリアの中断があった保健師の人材育成やキャリア継続支援においては、個別の事情を勘案した対応が必要であり、キャリアラダーとか「人材育成支援シート」を活用することが、本人と指導者側の共通認識を持つということで有効なツールになるのではないかということで記載しております。

 6ページ目の後段になりますが、「III 自治体間や関係機関との連携推進」の1つ目で、「都道府県と市町村との連携推進」ということで記載しております。

 主な内容といたしましては、7ページ目でございますが、都道府県や保健所による市町村への支援・連携の強化について記述しております。特に、保健所による市町村保健師の人材育成を支援する役割について再認識していただくということや、都道府県と市町村との間で保健師の人材交流などを行って、顔の見える関係性をつくっていく。それが継続的な支援・連携体制を構築することにつながるということを記載しております。

 また、市町村間における連携につきましては、広域連合や市町村間連携の仕組みを活用することや、担当者を設置し、こちらも顔の見える関係性により連携促進を図るということを記載しております。

 8ページ目をおめくりいただきまして、「教育機関との連携推進」についても、前回の検討会で御議論いただいているところかと思います。

 主に9ページ目からでございますが、教育機関と自治体双方のメリットや多様な関わり方を広く周知して、双方の特徴を活かした連携方法を協議する機会を設けるといったことが、効果的な手法として挙げられております。

 教育機関との連携に際しては、自治体が主導して、保健師の人材育成において教育機関と連携する目的や目標を明確にするということも非常に重要であるということが、御指摘としてあったかと思います。

 全体的に破線で囲ませていただいております、調査の結果とか、自治体や企業の取り組みの事例といったものに関しましては、コラムとして現在、記載させていただいているところでございます。

 現時点での最終とりまとめの骨子(案)としては、以上でございます。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、目次は、よろしゅうございますでしょうか。これは、前々回の議論に基づきまして、目次を充実して項立てをしてくださったということでございます。よろしいでしょうか。

 では、網かけのところは今日の議論が今後入っていくということですので、3ページ目の「(2)組織全体で取り組む人材育成」に関しては、いかがでしょうか。 特に御意見がなければ、「(3)個別性に着目した人材育成の推進」で「『人材育成支援シート』の活用」に関してはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。新任期の各保健師の基本的能力の習得状況を確認しつつ、個別性にも着目した人材育成のあり方ですね。特によろしゅうございますでしょうか。

 では、その次、4ページの後、コメントがあったらいつでも戻って結構ですので、いただければと思います。

 では、5ページに入りまして、「2)産休・育休取得者への支援」でございます。いかがでしょうか。特によろしいですか。

 私のほうでは、5ページの下から2段落目の産休・育休等によりキャリアの中断があった保健師の人材育成については、個別の事情を勘案した対応が必要である。中間とりまとめにおいては新任期における個別性に着目した人材育成の重要性が示されたが、新任期のみならず、多様性を踏まえた対応が必要となる中堅期においても、個別性に着目した人材育成は重要であると、ここにあります。

 産休・育休のときに新任期が出てきておりますが、中間とりまとめとこれとの関係性がどうかということになったときに、最終報告で、この報告書が読まれるわけでございますので、今までの個別性のところでもう少し新任期の多様性が今、ふえつつあるみたいなことも、項立てをするかどうかはともかくとして、ちょっと入っていていいかなと思います。産休・育休のところで出るのではなくて、新任期で多様性がある。その後のキャリアを重ねていった中堅期の中で産休・育休というものが入ってきて、そこでもまた多様性が広がっていくというところを、書きぶりを少し工夫していただくといいのかなと思っております。

 ほかに。どうぞ。

○永江構成員 産休・育休に関しましては、各自治体とも今、人材育成ガイドラインの見直しの中で、恐らく組み込んでいこうという気持ちがかなりあるのではなかろうかと思います。そう思いますと、この項のところにそれぞれの自治体の人材育成ガイドラインに、産休・育休の人材育成についても盛り込むことが望まれるといった文言があるほうが、ガイドラインの見直しにより有効になろうかと思いますので、お願いします。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。産休・育休に関しては、「人材育成支援シート」の活用とか、その後の社内インターネット、オンラインでの研修や、進捗中のプロジェクトにアクセスできるようなことが盛り込まれております。いいでしょうか。はい。

 では、いつでも戻って結構でございますので、次に進めさせていただきたいと思います。6ページ目、「III 自治体間や関係機関との連携推進」、「1.都道府県と市町村との連携推進」に関しては、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○田中構成員 1の中の項目に都道府県や保健所による市町村への支援の連携・強化と、市町村間連携強化の促進というところがあるのですけれども、もう一つ、その間に市町村自体の取り組みのあり方とか留意点とか、市町村独自でどう取り組むのかが入ってきていいのかなと。例えば、市町村自体が人材育成の方針を明確にするとか、保健所なり関係機関、大学なりを積極的に活用して人材育成に努める。文章案が練れていないのですけれども、市町村自体の取り組みを強化する視点で、1項目入っていいのかなと思います。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 ここの項目が「自治体間や関係機関との連携推進」になっておりますので、今の御意見は、むしろ「II 体系的な研修体制構築」の「2 体系的な研修体制構築の推進」の中で、市町村独自の。

 はい。

○保健指導室長 恐らく今のご意見の趣旨は、違っていましたら御指摘いただければと思うのですが、連携するに当たって、一方的に支援されても、支援される側がきちんとどういう方針で人材育成をするのかということを持っていないと、ちゃんとした連携とか支援を受けられないということなのかと思いましたので、今の7ページの「都道府県や保健所による市町村への支援・連携の強化」のところに、そういった趣旨のことを書き込むということではいかがでしょうか。

 恐らく、教育機関との連携のところでもそういったニュアンスを書き込んでいたかと思いますので、市町村側もちゃんと方針を決めた上で、主として支援を受ける側になるのかもわかりませんけれども、体制を整えることが連携する上で必要だといったことを書き込ませていただこうかなと思いましたが、いかがでしょうか。

○村嶋座長 それでよろしいですか。ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。はい。

○永江構成員 済みません、1点ほど確認ですが、7ページの「市町村間連携の促進」の2番目の丸ポツのところですが、「人材育成に関して市町村間連携を担当する保健師を各市町村に設置し」と書いてあるのですけれども、これはイメージとしてどこに配置でしょうか。人事部か、あるいは保健部局なのか。また、それは誰なのか、統括なのか、課長さんなのか。これはどういうふうに解釈したらいいのかなと思ったのですが。

○村嶋座長 今の御質問に対して、いかがでしょうか。私は、担当として割り当てるのかなと思ったのですけれども、担当レベルでは弱いという御意見でしょうか。きっと誰かが兼務するのですね。保健師は「設置し」と言うのです。昔の「配置し」のほうがいいということですか。この文言はそれはそれとして、どういう人がこれを担えばいいかと。

 どうぞ。

○佐藤構成員 市町村間連携を担当する保健師といえば、現場の保健師さん、例えば係長レベルの方たちでいいと思います。「人材育成に関して」というのが頭についてくると、ちょっと上のレベル、統括保健師のレベルの方たちと私は理解したのですが。

 あと、この報告の中で、そもそもそれぞれの市町村に統括保健師を配置という言葉が明確に出てくるかどうかですけれども、指針には出ているので、明確に配置してくださいねという前提の上で、統括保健師はよその市町村の統括とも連携しますということがきちんと書いていただけるといいのかなと思っています。

○村嶋座長 そうすると、3ページのIIの(2)のところに統括保健師をきちんと配置しろということと。それから、それを受けて、ここで統括同士も連携するしということをうたったほうがいいということですね。

○佐藤構成員 統括保健師の役割として、自分の市町村内の統括もありますし、他の市町村もしくは県との人材育成に関する協議であったり、研修の組み立てであったりにも参加するという意味合いのほうがいいのではないかなという気がします。

○村嶋座長 これについては、山野井さんはいかがでしょうか。

○山野井参考人 統括保健師が既にその役割を備えていますね。なので、そこまで記載しなくてはいけないのかなという疑問を持ちながらお聞きしたのですが、統括保健師を全自治体に配置するように、設置いただくようにというのがどこかに記載はしていただいたほうがいいというのは、そう思います。

 ここの7ページの2つ目のところは、確かにいろいろな解釈があるので、ここまではもしかして要らないのかもしれないなと思いながら。

○村嶋座長 そこで明示することは。

○山野井参考人 どこかで明示されていれば、統括保健師は既に指針の中でも出されていますし、そこまで具体化する必要があるのかどうかと思います。

○村嶋座長 人材育成に関して、また研修に関しても連携しなければいけないので、ここの主語はむしろ曖昧にしておいたほうがいいかもしれないということですね。柔軟に使っていただければということですね。

 ほかにいかがでしょうか。

 あと、7ページの都道府県や保健所のところのポチの2つ目、定例開催と相談対応体制などの市町村の実態を常に把握する体制を整える。岡山で、市町村と保健所がお互いに見えるために、もうちょっと別な取り組みとかがございましたら。

○山野井参考人 例えば、定例会議の開催は保健所の統括保健師が招集しているのですけれども、複雑困難な事例ですね。精神、虐待予防、それから、今、自宅出産も含めて、市町村だけでは不安事例などに、県型保健所の保健師と一緒に相談する体制がございます。それは、お互いの連携のためにも、保健所も頼られ、それから保健所も市町村全体の活動の体系の中で助言ができるしという相乗効果といいますか、そんなものがございます。

○村嶋座長 では、事例検討ではなく、一緒に事例に対応するという。この相談の中身として、相談対応体制として具体的にそういうことがあるということですね。保健所保健師は、頼られているところではとても頼られているといいますか、いろいろな相談に乗っていて、市町村の保健師の相談にも乗っているし、地域の病院の看護部長さんの相談にも乗っているような印象があって。そういう意味では、看護水準の向上にとても意義があるかと思うのですが、そういうことを含めてということですね。

 評価に関してはいかがですか。事業評価みたいな。

○山野井参考人 事業評価に関しては、母子保健評価は長い間、管内の市町村の母子評価、今は特定健診・保健指導の保険者の指導の統括的な評価というのを、都道府県の役割として、いかに地域に入り込んでいける体制で、今、市町村が抱えている課題が何なのかというのがわかるようにキャッチしながら、医療・介護・福祉の連携のあり方などの新たな課題への対応を考えていくなかで、その中での県保健所の役割というのは大変大きいと思っています。

山野井参考人 事業評価に関しては、母子保健評価は長い間、管内の市町村の母子評価、今は特定健診・保健指導の保険者の指導の統括的な評価というのを、都道府県の役割として、いかに地域に入り込んでいける体制で、今、市町村が抱えている課題が何なのかというのがわかるようにキャッチしながら、医療・介護・福祉の連携のあり方などのとか、今、医療の部分の仕事が、保健所の業務として新しく付加されていますけれども、その中での県保健所の役割というのは大変大きいと思っています。

 地道に継続して、ずっと培ってきていることは、大切にしなければいけないなというのを実感している事業です。

○村嶋座長 事業評価をするということは、保健所の調査研究機能を使うということでもあって、そこのところはここにもうちょっと書き込んでたきたいということですね。ありがとうございます。

 ほかに何かございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。では、ほかにもありましたら、また教えていただけますようにお願いします。

 では、8ページ、「教育機関との連携推進」でございます。ここはいかがでしょうか。

 私のほうからは、8ページの真ん中の、国公立では84%が関与していたが、私立は37%にとどまっていた。もう一言二言欲しいなということもありますので、私立はもうちょっとキャパがあるということでもございますでしょうし、プラスで、すごく得意なところを上手に活用されていたということもございましたので、そういうことを入れていただくといいかなと思っております。

 ほかにはいかがでしょうか。今、すぐに出てこないようでございましたら、またよく目を通していただいて教えていただければ。メール等で御意見を事務局のほうにいただければと思います。

 では、この資料4、最終とりまとめ(案)の骨子に関して議論をしていただきました。

 もう終了のお時間になりましたので、大方の議論はこれで終えさせていただきたいのですが、特に何かここであれば。

 どうぞ。

○中板構成員 このとりまとめの骨子ですけれども、まだ網かけのところもあるので、その部分も加わると、またいろいろ意見が出ると思いますし、それから今の段階でももう少し読み込みたいと思うのですけれども、意見を出すのはいつぐらいまで可能なのかということを教えてください。

○村嶋座長 どうぞ。

○保健指導室長 本日の御意見、それから、資料1から3の御議論いただいた部分も、こういったまとめの形に文章にいたしまして、早急に委員の先生方にご覧いただけるように御準備したいと思います。1週間ぐらいのうちにもう一回、先生方に書き込んだものをお送りしたいと思っておりますけれども、それまでの間に、今、ご覧いただいております資料4につきまして御意見がありましたら、一、二日中ぐらいに御意見をいただければ、それを盛り込んだ形で修正案をご覧いただけるようにしたいと思っております。そして、一度、先生方に御意見をいただいて、次回の検討会にそれを御提示させていただきたいと思っておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

○村嶋座長 では、この資料4に関しては、一、二日で事務局のほうにお願いしますということでございます。

 ほかになければ、本日の議論はこれで終了したいと思います。御協力、どうもありがとうございました。

 では、事務局のほうから。

○保健指導専門官 次回の開催につきましてでございますが、また事務局より改めて別途、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 事務局からは以上です。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 済みません、終わりと言った後で、今、研修のあり方等に関する検討会ですので、報告はそういうふうになるのですが、人材育成体制構築が中身としてかなり入っておりますので、そういう意味での副題、報告書のサブタイトル。例えば「自治体保健師の人材育成体制構築の推進に向けて」とか、そういうサブタイトルをつけさせていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。

 あと、保健所のところは、先ほど調査研究というものがありましたけれども、もうちょっと書き加えられるといいかなと思っております。追加でございました。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。


(了)
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