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2016年1月19日 平成27年度第2回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録
保険局医療課
○日時
平成28年1月19日(火)
15時00分~17時00分
○場所
中央合同庁舎第5号館
共用第6会議室(3階)
東京都千代田区霞が関1-2-2
○出席者
委員
福井分科会長、小山分科会長代理、秋下委員、和泉委員、井原委員、岩中委員、北川委員、斎藤委員、佐々木委員、真田委員、重森委員、鈴木委員、田中委員、福田委員、本田委員、松村委員、米山委員 |
事務局
宮嵜医療課長、眞鍋企画官 他 |
○議題
1 平成27年度 医療技術の評価(案)について
○議事
○福井分科会長
定刻になりましたので、ただいまより平成27年度第2回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。
最初に、委員の出席の状況についてでございます。本日は、渥美委員、大滝委員、松野委員が御欠席です。また、福田委員よりおくれて到着されるとの御連絡をいただいております。
それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
事務局でございます。
お手元の資料を御確認ください。座席表、議事次第に続きまして、右肩に技-1と入ったホッチキスどめのものがございます。技-2と技-3は、横置きのA4一枚紙でございます。技-4は、ホッチキスどめの分厚い資料。最後、技-5、一枚紙となってございます。
乱丁、落丁等がございましたら、お申しつけください。
以上でございます。
○福井分科会長
よろしいでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日の議題は、お手元の資料にございますように、「平成27年度 医療技術の評価(案)について」となります。
この議題の進め方について、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
事務局でございます。
では、お手元の技-1の資料から御説明させていただきますので、御覧ください。
まず1ページ目でございます。「1 これまでの検討状況」ということで掲げてございます。(1)ですが、平成27年2月に開催された中医協総会におきまして、平成28年診療報酬改定に向けて、診療報酬における医療技術の適正な評価の観点から、診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会におきまして、学会等から提出された医療技術評価・再評価提案書に基づき、新規医療技術の評価及び既存技術の再評価に関する検討を行うこととされたところでございます。
具体的には、3月から6月にかけまして、関係学会等から合計914件の提案書をいただいたところでございます。その後、学会等からのヒアリングでございますとか、外部有識者の意見を踏まえまして、重複の整理・確認を行った後、提案書の有効性や安全性等に関する記載をもとに事務局において評価(案)を作成しました。27年10月30日に行われました27年度第1回医療技術評価分科会におきまして、この評価(案)について議論を行っていただき、「幅広い観点から評価が必要な技術」として医療技術評価の対象とすることとされました。
そして、その概要が下の表でございます。「マル1幅広い観点から評価が必要な技術」ということで、今年度の改定においてはまとめて737件について先生方に御評価をいただくという方針になったところでございます。また、一方で、「マル2医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」ということで、149件という整理をさせていただきました。
ページをおめくりいただきまして、注5ですが、27年10月30日に行われました分科会におきまして、事務局(案)で、「マル2医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」と評価していた149件のうち、2件について、評価対象内とするべき、との御意見があり、また、マル1の737件のうち2件については評価対象外とするべきとの御議論がございました。最終的には、プラス2とマイナス2で差し引きいたしまして737件について、引き続きの評価というプロセスに進んだところでございます。
3ページにお進みください。「医療技術評価分科会における評価について」ということで、今般、737件の技術につきまして、この分科会におきまして、先生方から、専門的観点を踏まえて、分野横断的な幅広い観点の御評価を行っていただいたところでございます。年末年始で御多用なところがございます先生には、大変お忙しいところ御評価をいただきまして、ありがとうございました。
医療技術の評価(案)として、こちらの表に掲げているところでございます。提案数の件数につきましては、883件という形で整理させていただいたところでございます。
下に注1と掲げてございますが、医療技術評価分科会後に追加で3件の重複の確認を行っておりますため、1ページ目の886件から883件となってございます。重複分をカウントすると914件ということに変わりございません。
「マル1新規保険収載等の評価を行う優先度が高いと考えられる技術」につきましては、223件という形で整理がされているところでございます。そのうち、新規技術が78件、既存技術が145件でございます。
注2としまして、「新規保険収載等の評価を行う優先度が高いと考えられる技術」については、「新規保険収載 既収載技術の増点、減点、廃止 既収載技術の要件の見直し、適応疾患の拡大等が含まれる」という形で整理しております。
表に戻りまして、「マル2医療技術評価分科会としては、今回改定では対応を行わない技術」として464件、新規技術が176件、既存技術が288件となっております。うち、「関係資料を提供の上、先進医療会議において議論を行ったもの。」というところで、14件と整理させていただいております。これについて、後ほどの資料でまた御説明させていただきます。
マル3として、「医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」として167件を整理しているところでございます。「うち、基本診療料及び医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができない医学管理に係る提案書、個別の技術評価ではなく制度に対する提案書等」ということで133件整理してございます。
また、マル3番の167件の内数でございますが、「うち、使用する医薬品及び医療機器等の医薬品医療機器等法上の承認が確認できない技術」として32件整理してございます。
最後にマル4番でございますが、「中央社会保険医療協議会総会において、一部又は全部が議論された提案書」ということで、29件の整理を行っているところでございます。
3ページ目の一番下、「3 今後の対応について」でございます。医療技術評価分科会としての評価結果をおまとめいただけますれば、中央社会保険医療協議会総会へ報告し、最終的な保険導入について検討を行うというプロセスになっております。
技-2の資料でございます。先ほどの表でとりまとめておりました数についての推移を、こちらの絵の中で示しております。886件、重複をカウントすると914件というところをスタートとして、27年度の第1回の分科会における評価が737件というふうに整理をさせていただいて、委員による事前評価を行っていただいたところでございます。その右の紫、青、緑、それぞれの枠の中には、先ほど表の中で御説明を差し上げた数字を記載しております。
続きまして、技-3の資料は、評価の進め方について、数字といいますか、プロセスに関してまとめさせていただいている資料でございます。説明としては重複する部分がありますので割愛させていただきます。
技-4に進みます前に、技-5をお手元に御用意ください。一枚紙でございます。今般、先進医療で実施されている技術についても、この医療技術評価分科会において提案書を受け付けるというプロセスにさせていただきました。こちらについては、既に、27年10月の会議の中でも御議論いただいておりましたが、それを踏まえて、今回このようにまとめさせていただいておりました。「学会等から医療技術評価分科会に提出された提案書のうち、既評価技術に係る提案は15件であったところ、当該技術の取扱いは以下のとおり。」となって、それぞれ、「先進医療会議における評価対象」という評価であるとか、また、「先進医療Bとして実施中」というようなことで整理を行いました。こちらは、先進医療会議でも既に御提出した資料でございます。
うち※印のついている2つ、A29番EBウイルス感染症迅速診断(リアルタムPCR法)、また、A60番LDLアフェレシス療法、こちらについては裏の2ページ目で御説明を加えております。「なお、」と書いてございますが、(※)の技術については、先進医療と提案技術の適応症に相違点が見られ、先進医療の事前評価時に評価担当の構成員から、「医療技術評価分科会において評価を行うことが適切」との指摘があったことから、以下のとおり整理させていただいたところでございます。
LDLアフェレシス療法につきましては、医療技術評価分科会への提案技術は、難治性ネフローゼ症候群に対するLDLアフェレシス療法という形になってございまして、適応症は難治性ネフローゼ症候群となっております。一方、先進医療の技術におきましては、LDLアフェレシス療法という形で、難治性高コレステロール血症に伴う重度尿蛋白症状を呈する糖尿病性腎症となっておりまして、先進医療の適応症に関しましては、先進医療で引き続き保険導入の検討を行うという形で整理しつつ、先進医療の適応症に含まれない糖尿病性腎症を伴わないネフローゼ症候群については、医療技術評価分科会で評価を行うという形で、既に先生方にも評価のお願いをさせていただいたところでございます。
また、PCR法を用いたEVウイルスの定量検査につきましても同様の整理をさせていただいております。医療技術評価分科会への提案技術は、末梢血EBV-DNA定量検査という形になってございまして、適応症がマル1番からマル3番まで掲げられておりました。一方、先進医療の技術、名称としてはEBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法)となっており、適応症は、免疫不全のため他の方法による鑑別診断が困難なものという形で、少し適応症が異なっていたところでございます。
先進医療の技術に関する適応症につきましては、先進医療で引き続き保険導入の検討を行うという形にさせていただき、先進医療の適応症に含まれない免疫不全のため他の方法による鑑別診断が困難なもの以外の適応症については、この医療技術評価分科会において御評価いただくという形で整理させていただき、既に先生方にも御評価を回させていただいているところでございます。
戻らせていただきまして、技-4の資料をお手元に御用意ください。1枚おめくりいただきまして、目次ということで、先ほど技-1の資料の表の中で御説明したカテゴリーに沿って今回の資料を整理してございます。マル1番が「新規保険収載等の評価を行う優先度が高いと考えられる技術」としまして223件、1ページ目から10ページ目までに掲載してございます。マル2番が「医療技術評価分科会としては、今回改定では対応を行わない技術」として、11ページから30ページまで。マル3番が「医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」として、31ページから38ページまで。マル4番が、「中央社会保険医療協議会総会において、一部又は全部が議論された提案」ということで、39ページから40ページまでのものでございます。
幾つかかいつまんで御説明を差し上げます。
ページ番号1ページでございますが、例えば、上から10個目の血球成分除去療法。こちらにつきましては、先生方から、「評価すべき医学的な有用性が示されている。」という評価をいただいております。既に保険適用されている血球成分除去療法について、クローン病の適用の中で、回数の制限の見直しをしてほしいというような御要望でございまして、きちんとエビデンスが示されているということで、かような評価になっていると考えてございます。
4ページを御覧ください。上から5つ目の内視鏡下鼻中隔手術や、その下、内視鏡下鼻腔手術、また、5ページの上から5つ目、関節鏡下股関節唇縫合術、さらに、6ページの上から10個目、11個目、鼻腔鏡下臍ヘルニア手術、鼻腔鏡下半月状線ヘルニア手術、こういった新しい手術も、先生方から「評価すべき医学的な有用性が示されている。」と御評価をいただいて、このカテゴリーに整理されているところでございます。
お戻りいただきまして、4ページの上から13個目、一酸化窒素吸入療法。こちらは、保険医療材料制度の中で既に保険適用がされているものでございます。そういったものにつきましても提案書をいただいていて、整理をしております。保険医療材料制度等に準じた対応を行うというカテゴリーになってございます。
6ページ目、下から4つ目、イレウス用ロングチューブ挿入法。こちらは、既収載技術で古くからある技術でございますが、材料等について、コストが非常に高くなってきているというようなことも踏まえて、評価の見直しを行ってほしいという技術について、先生方から、「評価すべき医学的な有用性が示されている。」という御評価があったものでございます。
8ページ、下から7つ目でございますが、フィブリノペプチド、その下、9ページにわたって、日本臨床検査医学会から、検査の項目の削除という御要望をいただいたところでございます。これらにつきましても先生方に御評価をいただいて、「評価の見直しのための医療上の必要性が示されている。」と御評価をいただいたところでございます。
続きまして、マル2番は11ページ以降でございますが、「医療技術評価分科会としては、今回の改定では対応を行わない技術」と整理させていただいているものでございます。
例えば、12ページ目の上から7つ目、光トポグラフィー検査。こちらは、ADHDの患者さんに対しても適用を広げていただきたいというような御要望だったと思いますが、先生方から、まだ少しエビデンスが不足しているのではないかというような御評価をいただいて、今回の改定では対応保留となってございます。
15ページ、下から3つ目、前眼部三次元画像解析。こちらは、先ほどの技-5の資料でも一部御説明差し上げましたが、関係資料を提供の上、先進医療会議において議論を行うというような整理になっているものでございます。
続いて、マル3番のカテゴリーに移ります。31ページを御覧ください。これは、「医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」ということで整理されているものでございます。
例えば、上から7個目でございますが、ADAMTS13活性測定ということで、こちらは、「使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない。」と整理しているものでございます。
また、下から3つ目、小児科外来診療料の見直しについても、「技術評価にはなじまないと考えられる、制度に対する提案等」ということで整理をさせていただいております。
34ページ、一番上でございますが、医師事務作業補助体制加算。こちらについては、「基本診療料に関する評価のため対象外。」という整理になっております。
36ページ、下から5つ目、睡眠関連勃起検査ということで、「保険給付の対象とすべきかどうか議論が行われた上で検討を行うべき技術。」という整理をしているところでございます。
最後、39ページについては、「中央社会保険医療協議会総会において、一部又は全部が議論された提案書」ということで、これらの技術につきましては、既に中央社会保険医療協議会総会において、当該提案に係るテーマについて議論が行われているところでございます。この分科会では、先生方には御評価いただいているものの、評価をするかどうかの最終的な結論を出さずに、中医協総会の中で決定していくという整理にさせていただいているものでございます。
長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございました。
ただいま御説明につきまして、何か御質問等がございましたら、委員の先生方からお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
田中先生、どうぞ。
○田中委員
4ページの一番上と2つ目、選択帝王切開及び緊急帝王切開ですが、帝王切開を行う対象の患者さんというのは、非常に重症な、例えば、新生児が複数いたり、産科医が3~4人いなければいけないような重症なものから、あるいは、診療所で行われている切開がありますが、これは対象によって、その辺をどのようにお考えか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。一律このようになるのでしょうか。
○福井分科会長
事務局、どうぞ。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
事務局でございます。
今回の技-4の資料の4ページ、上から1つ目、2つ目の帝王切開に関する御提案につきましては、「提案の一部について評価すべき医学的な有用性が示されている。」と御評価いただいているところでございます。まさに、先生からのコメントの中に、ある程度、適応症といいますか、より評価をすべき対象があるのではないかというようなコメントをいただいておりましたので、そういう文脈の中で評価について考えたいと思っております。
○福井分科会長
イレクティブを含めて全部というわけではないということですね。
○田中委員
はい。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
本田委員、どうぞ。
○本田委員
マル4の「中央社会保険医療協議会総会において、一部又は全部が議論された提案書」の一番上の画像診断管理加算の件でございます。日本医学放射線学会としては、画像診断管理加算の見直しを求めているところであります。ただ、平成30年の医療計画改正等とも合わせて議論することが望ましいという御意見もございました。そのために今回は見送りとしておりますが、これは極めて重要な課題でありまして、線量管理等も含めてさらに議論をしていく必要があるのではないかと思っております。そのため、厚労省全体の政策として、次回改定あるいは次期医療計画に向けて、画像診断の評価のあり方あるいは規制のあり方等、議論の場を設けていただければと思っております。いかがでしょうか。
○福井分科会長
いかがですか。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
今、本田先生が御指摘の39ページの一番上の御提案、画像診断管理加算の算定用件の変更と増点に関してのコメントかと思います。
先生にお示しいただいたとおり、診療報酬でやるべきことと、省全体として議論すべきことがあると思いますので、今の御意見を踏まえて、引き続き考えてまいりたいと思います。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
佐々木委員、どうぞ。
○佐々木委員
薬に関する評価をさせていただきました。8ページの一番上にございます、無菌製剤処理料1ですが、これ自体は、傷害性のあるような抗がん剤の集中的な曝露を避けるために器具を用いるということで評価がついているものですけれども、実際には、海外ではハザーダスドラッグという分類で、いろいろな取り扱いについてのガイドラインが出ております。それに対して、日本がこうした方向等を注意するというのはすごくいいことだと思います。
中身をちょっと見せていただきまして、対象薬を4つほど増やすということでしたが、例えばシスプラチンやパクリタキセル、5フルオロウラシル、ゲムシタビンといったものが出てきますけれども、化学的に見てみますと、例えばシスプラチンはプラチナ化合物ですから、カルボプラチンというものも実際には使っています。パクリタキセルに対しては、やはり同じような化合物でドセタキセルというもの、ピリミジンの化合物ではシタラビンというものがございます。少しエビデンスがあるものだけが挙がっているのだと思いますが、化学的に整合性があるような形の取り扱いをするように、事務局のほうで少し整理されてはいかがかと思いました。
○福井分科会長
重要な点だと思いますが、いかがでしょうか。その方針でということで。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
はい。ここでの御議論で、かなりそういう方針をいただいたところでございますので、そういった方向で進めてまいりたいと思います。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、議題の1「平成27年度医療技術の評価(案)について」、最終的な御審議をいただきたいと思います。
技-2の資料で、全部737件から15件を引いて722件の技術について、当分科会で評価の対象としました。それらの技術について、先生方に事前に御評価をいただきましたものを事務局でまとめて、「医療技術の評価(案)」を作成しておりますので、その資料について、説明をお願いいたします。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
事務局でございます。
済みません、既に技-4の中で説明してしまっておりました。申し訳ございません。
○福井分科会長 これはもういいわけですね。
全体的にさらに議論することがございましたら、今お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
もし、ないようでしたら、この結果を中医協総会に御報告したいと思いますが、いかがでしょうか。
どうぞ、岩中先生。
○岩中委員
今、皆様のお手元に、「外保連試案2016」というものをテーブルの上に置かせていただいております。私は、今、外保連の責任者をしております岩中でございます。
前回の会議のとき等に、できるだけ間に合うように一生懸命につくってはいるのですが、最終的に今回の新しいバージョンが紙媒体で発刊できましたのは、昨年12月18日になりまして、今、先生方には初めてお手元に出させていただいているところです。
これは外保連からのお願いですが、外保連という組織は、従前はいろいろな要素を含めて手術試案等をつくっていたのですが、科学的根拠をきちんと見せるためにということで、外科医の手術の難易度、手術時間、必要な人員で人件費を算定し、さらに、どのような手術にどういう材料が要るかということを加えて、本来、サージャンズフィーまで加えると、このくらいの額の手術料が望ましいのではないかという提案書でございます。
これに関しましては、平成22年の中医協総会で、当時の遠藤久夫会長が、比較的、科学的にきちんと計算された相対評価表であると。例えば、全体の枠は別のところで決められても、学会の中で、自分たちが重みづけをする。この手術はこっちの手術よりも難しいのだから、この手術料を上げなさいという評価ができるための一覧表とお考えいただければよろしいかと思います。
今回、このように出させていただきまして、今回はプラス改定で、全体にどのくらい上がるのか、外科技術等がどのくらい評価されるのか、私自身もまだ存じませんけれども、実際に、医療材料も含まれた今の診療報酬表と、この外保連試案の人件費を比べますと、平均して2倍くらいの差があります。その2倍の差に、さらに、定価ベースですが、実際に使用している医療材料を、最後のページにつけてあるCD版には全部入っております。それを加えますと、さらに差があることが現実的にわかっています。
この医療技術評価分科会というのはそもそも、個々の技術を、特に特定診療系を評価していただく審査会ですので、全体の議論をするところではないかもしれませんが、この外保連の手術試案等との間の乖離をできるだけ小さくしていただけるような配慮を、外科系の技術を担当しております会の責任者としては、機会あるごとに発信していきたいと思いますし、ぜひ、厚労行政の関係者の方々にもその視点を忘れないようにしていただければというお願いを、1点だけ加えさせていただきたいと思います。
○福井分科会長
ありがとうございます。
外科のお話でしたが、内科の先生から、何かございませんでしょうか。
鈴木先生、いかがでしょうか。
○鈴木委員
発言の機会をいただきありがとうございます。慶應大学の鈴木でございます。私は以前、内保連の副代表を務めたことがあり、内科系の医療技術をいかに保険点数に具現できるかを検討しておりました。この問題は、今なお議論として続いています。内科系は、技術の評価が非常に複雑かつ煩雑で、どのような形で、点数としての評価を作成するかということに腐心しております。このたび外保連が苦労してつくられた、極めてクリアカットな評価は内科系では極めて困難であります。すなわち、内科系の技術は材料などの形に置き換えて表すことが難しく、現在なお、定量化を試みているのが内保連の現状です。
例えば、資料1ページ目の下から8番目、「神経学的検査」が代表的な例です。この項目は数年前に、神経医学的な診察は技術料でということを提案させていただき認可収載されました。本来であれば、「神経学的診療」という技術料として申請したかったわけですが、技術の評価では難しいところで、一応、検査という部類で採択されています。このような事例は、内科系の領域では極めてたくさんございまして、実際にどのように患者さんを診察して、どのように判断して、どのように評価するかというところが、いかにして技術として形にあらわせるか、非常に苦労しているところです。中医協では、このような事情も勘案していただき、それを踏まえた上でディスカッションをしていただければというのが内科系の意見でございます。
以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
全ての診療科からお話をいただく時間はございませんので、外科系と内科系のみということで、次に移りたいと思います。
先ほどお諮りしましたように、医療技術評価分科会としての最終的なとりまとめとして、中医協総会に本日の結論を御報告させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○福井分科会長
それでは、様式につきましては、事務局と分科会長とに御一任いただきたいと思います。
本日の議論は以上としたいと思います。
事務局から何かございますか。次回の開催も含めてお願いします。
○金光医療技術評価推進室室長補佐
事務局でございます。次回の医療技術評価分科会の日程につきましては、未定となってございます。また先生方に御連絡させていただきます。
○福井分科会長
それでは、短い時間でしたけれども、これで第2回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を終了いたします。
本日は、お忙しい中、ありがとうございました。
<照会先>
保険局医療課企画法令第二係
03-5253-1111
内線3184
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