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2015年12月9日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第179回議事録

○日時

平成27年12月9日(水)9:50~10:37


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭小委員長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 印南一路委員 西村万里子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 石山惠司委員
松本純一委員 中川俊男委員 万代恭嗣委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
菊池令子専門委員
<参考人>
DPC評価分科会 小山分科会長
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○DPCについて
  ・平成28年度改定に向けたDPC制度(DPC/PDPS)の対応について検討結果

○議事

○田辺小委員長

 それでは、ただいまより第179回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。

 まず委員の出席状況について御報告申し上げます。本日は、榊原委員が御欠席でございます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は「○DPCについて」を議題といたします。

 まず「平成28年度改定に向けたDPC制度(DPC/PDPS)の対応について検討結果」を議題といたします。

 本日は、診療報酬専門組織DPC分科会の小山分科会長にお越しいただいておりますので、小山分科会長より御報告をいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○小山分科会長

 よろしくお願いいたします。

28年度の改定に向けた、DPC制度の対応についてでありますけれども、中医協診-1をごらんください。

 概要でありますけれども、きょう、御報告するのは、その下に書いてある、5項目であります。基礎係数、機能評価係数1・2、算定ルール、退院患者調査、診断群分類でございます。

 前回よりもう少しわかりやすい形で、資料をまとめさせていただきました。

 1枚めくっていただきます。検討課題の概要です。

 1番、基礎係数についてですけれども、基礎係数の見直しということで、論点がそこに書いてありますが、このまとめは、2ページ目の一番下の○にありますとおり、2群の選定要件に関しては、地域における機能を要件とした、絶対値による基準値による設定を検討するということになって、議論をしておりました。

 3ページ目、地域における機能の評価と絶対評価についてでありますけれども、1つ目の○にあるとおり、医療機能を客観的に評価するデータが存在しないことから、今回は見送りにしてはどうだろうか。引き続き、これは検討していきたいと考えております。

 4ページ目であります。高度な医療技術の評価についてでありますけれども、2群の要件定義の中の高度な医療技術の実施要件は、今、外保連試案が導入されておりますが、今回、内保連試案というものは、2つ目の○に書いてあるとおり、平成2512月に内科系学会社会保険連合によって、内科系学会合意の上で、重篤な急性疾患・病態が、高度の熟練を要する技術として取りまとめられました。全部で28項目あるのですけれども、分科会でいろいろ議論をしまして、そのうちの25項目を、この中に入れたらどうだろうかという御提案でございます。

 評価の方法については、4つ目の○にあるとおり、外保連手術指数と同じような項目でやっていきたいと考えております。

 5ページ目、1-2、基礎係数についてであります。最終結果は、現状維持ではどうかということであります。

 経緯が書いてありますけれども、四角の下の4つ目の○に書いてありますとおり、3群の中でも、基礎係数により画一化されることで、機能評価係数2では十分評価されていないのではないかという意見がありましたが、基礎係数と機能評価係数2の重みづけの見直しを検討するということが、中医協の小委員会でお認めいただきまして、重みづけの見直しについて、検討いたしまいた。

 その結果、6ページ目をごらんください。一番上の平成26年度のところの基礎係数のところを見ていただきまして、3群を1、2、3という形で、重みづけを少し変えてみたところ、集計結果にありますとおり、逆にマイナス緩和にしろ、プラス緩和にしろ、ふえてきてしまうということでもって、重みづけを変えるということは、いろいろ問題がある。

 1つ目、配分に見直しに関する問題点と書いてありますけれども、シミュレーションをしたら、マイナスの病院がふえてしまった。

 次の矢印のところは、3群の基礎係数の財源を、機能評価係数2の財源へ置きかえた場合、医療機関群をまたいで設定されている係数を3群のみに配分することは、現行では困難であるということであります。

 7ページ目に書いてありますけれども、これが今までのお話のまとめであります。

 1-1、医療機関群においては、機能評価の絶対評価は見送り。

 高度な医療技術の評価については、内保連試案を導入してはどうか。

 基礎係数の重みづけの変更は、今回は行わないで、見送りにしてはどうかという御提案であります。

 8ページ目、機能評価係数1・2の見直しであります。

 論点は書いてあるとおりでありますけれども、2-1は機能評価係数1、2-2は2のということで書いてあります。

 機能評価係数1のところでありますけれども、これは現状をそのまま維持するということではどうでしょうかという御提案であります。

10ページ目をごらんください。機能評価係数2のところであります。これが非常に重要なところでありますけれども、総論として、機能評価係数2の考え方は、現状維持とします。2の考え方は、下の四角に書いてあるものでございます。こういうことを評価するのが、機能評価係数2という位置づけであります。

11ページの2、機能評価係数2を構成する各係数の配分、重みづけについてですけれども、この重みづけについても、それぞれ重みづけを変えたほうがいいのではないかと御指摘があって、基本問題小委員会の御許可を得て、検討したのですが、それぞれの係数の重みをできる限り標準化してはどうかということでやったのですけれども、下の○に書いてあるとおり、7項目がそれぞれ独立した概念で設定されておりまして、項目間での評価の軽重を設定することは困難であると考えました。

 次の○のところ、各係数の評価に関する重みが異なっているために、各係数で医療機関の努力が適切に反映されていないという指摘がありました。

 それはどういうことかと言いますと、下の表に分散がありますけれども、一番下の保険診療係数はよろしいのですが、効率性、複雑性、地域については、もう少し努力が実るような形の評価にする必要があるのではないかという考え方であります。

 このものを是正するために、12ページの2つ目の○です。機能評価係数の中の効率性、複雑性、後発医薬品指数の分散が均等になるように指数を行うことによって、そういうことが均等になされるのではないかという御提案であります。

13ページの(2)各論であります。

 見直しの概要は、真ん中の図にありますとおり、効率性、複雑性、救急医療は、現行どおりでありますけれども、ほかの4つについて、見直して、新設について、1つ、御提案を差し上げております。

 内容について、お話します。14ページ目をごらんください。

 1、2群の病院における機能の差についてでありますけれども、対応方針はいろいろと書いてありますが、わかりやすいのは、下に書いてある四角の○であります。他の大学病院本院と比較して、機能の低い医療機関に関しては、機能評価係数2において、対応してはどうだろうかということであります。それは分院よりも機能の低い病院、精神科病床の有無についてという御提案であります。

15ページ、病院情報の公表であります。これは新たな項目になりますけれども、各病院の指標というものは、24年のときからずっと検討をされておりましたが、十分に話がまとまらないということで、今回に延び送りなりました。

 今回は16ページに書いてあります、参考の1~7の項目について、各病院が、病院の情報の公表という形でもって、出していただくことを評価してはどうだろうかという御提案であります。

17ページ、カバー率についてでありますけれども、案としては、専門病院、あるいは専門診療機能に一定の配慮を残した上で、機能がより反映されるように調整を行ってはどうかということでありますが、その下に書いてあるとおり、3群病院のみでありますが、カバー率の影響が極端に少ないと状況が見えてまいりましたので、このところを少し是正するということです。

 現在、3群のカバー率指数については、専門病院に配慮した、下限値を50%という形で設定しておったのですけれども、いろいろなシミュレーションの結果、30tile値を採用するのが、適当ではないかということが議論されました。

18ページ目、指定難病の診療実績の評価については、今回はそのデータがないということで、見送ることにしてはどうだろうかということであります。

 地域のがん登録については、次年度から義務化されますので、義務化された場合には、この評価は入れる必要がないだろうということであります。

19ページ目ですが、インフルエンザについては、指定の仕方が医療機関単位なのか、それとも法人単位なのか、まだ統一されていないということで、今回も前回同様見送りとしてはどうなのかということであります。

20ページの臨床研究中核病院についてでありますけれども、臨床研究中核病院としての承認を受けることを、高度先進的な医療の提供機能という観点から、評価をしてはどうだろうかということであります。

 るる書いてありますけれども、どういう形で評価しようかというと、22ページをごらんください。地域医療指数は、現在、12項目設定されておりますけれども、その中の13項目目として、臨床研究中核病院を入れたらどうだろうかという御提案であります。現行では、1、2群は13項目のうち10項目、2群は8項目を満たしていれば、満点になるという形の点数の設定になっております。

23ページ目、後発医薬品指数についてでありますけれども、これは御存じのように、政府の方針が、29年度の目標値を70%と設定しておりますので、今回は○の3つ目にありますように、80%の具体的な達成時期が決定されていないため、平成28年度診療報酬改定においては、70%を評価の上限としてはどうかという御提案でございます。

24ページです。9、診断群分類点数表で表現し切れない重症度の差についてということで、重症度の差は、今までは調整係数で行われていたわけですけれども、今回、75%の調整係数がなくなるということでの御提案であります。

 これについては、25ページ目の2つ目の○、アウトライヤーへの対応が十分にされていないという御指摘であります。

 3つ目の○、CCPマトリックスを導入しようということだったのですけれども、この後、お話いたしますが、今回の導入は、3つの疾患しか入らないような状況になっています。

 最後の○でありますけれども、新たな機能評価係数として、重症度の対応機能といった観点から、包括範囲出来高の実績点数と、診断群分類点数表との比を表現する係数の試行導入を行ってはどうかという御提案であります。

26ページに模式図が書いてありますけれども、重症度の差については、1群、2群、3群、それぞれ分けて行うということで、分科会ではまとまりました。この理由は何かと言いますと、1群、2群、3群、特に1群、2群については、基礎係数である程度評価されている、そういう患者さんを受け入れることが評価されているので、その上で評価するということなので、全部統一にしてしまうと、1、2群の評価が高過ぎてしまうということなので、1群、2群別々にやったらどうであろうかという提案でございます。

27ページ目に書いてあることが、今のお話のまとめとなります。機能評価係数1・2に対する対応方針でありますけれども、2-1の機能評価係数1については、現行をそのまま継続する。

 2-2、機能評価係数2については、機能評価係数の考え方は、現状維持とする。

 2は、機能評価係数2を構成する各係数の配分については、重みづけをできる限り標準化することによって、対応したい。

 各論といたしましては、1群、2群における機能の差については、減算という形でもって、評価を行いたい。

 2は、病院情報の公表の評価を行うということを、新たな表示指標として検討してはどうだろうか。

 カバー率については、機能がより反映されるように、30tile値を最低値として行いたい。

 指定難病については、今回データがないので、評価は見送ります。

28ページをごらんください。地域がん登録では、法律で義務化されるために、評価を廃止する。28年は前年度の評価ですので、28年度までは評価があるのですけれども、29年度からはなくなるという形になります。

 新型インフルエンザについては、今回も見送るということ。

 臨床研究中核病院を地域医療係数の中の1つの係数として、入れてはどうだろうかという御提案であります。

 後発医薬品指数は、上限値を政府の目標である70%に設定する。

 最後の9番は、診断群分類点数表で、表現し切れない重症度の差については、重症度の高い患者の入院を評価する係数として、新たに設けたいということであります。

29ページ、算定ルールの見直しであります。算定ルールについては3つありまして、請求の仕組み、影響評価、CCPマトリックスであります。

 請求の仕組みでありますけれども、問題になるのは、入院期間3のところであります。

 それは31ページの下の棒グラフをごらんください。3の入院日数というのは、これだけばらついているわけです。これだけばらついているので、複雑化するということで、見直してはどうだろうか。

 どういう見直しの仕方をするかというと、30ページの一番上の四角にお戻りください。簡素化のため、第3日を入院日から30の整数倍としてはどうだろうか。2SDを超えてということです。このことによって、さらに報酬水準が高くならないように、入院期間3の点数を調整してはどうかということであります。

32ページ目をごらんください。これが一番上の○でありますけれども、平均入院日数3というものは、平均在院日数プラス2SDでありますが、2SDを超えた、最も近い30の倍数とすると、このように、すっきりした形になるということです。

33ページにありますとおり、当然期間が長くなりますので、そのための調整は必要でしょうという御提案でございます。

34ページ、差額調整の仕組みでありますけれども、これは一番下の表をごらんください。月をまたいで変更になる場合、包括から包括に変更する場合は、黄色の字で書いてあるとおり、調整可でありますが、包括から出来高になった場合には、調整ができなくなります。

 これに対して、どういう対応をしたらいいのだろうかということで、35ページの提案にあるように、レセプトの返戻という形でもって、対応していただきたい。

 このことによる影響はどれぐらいあるのかというのは、参考の四角に書いてあるところでございます。黄色で書いてある2.6%であります。2.6%には※がついておりますけれども、返戻の対象となる包括DPCコードから、包括のDPCの変更も含まれるためには、実質的には、1%~1.3%であろうという推測の中で、大きく医療機関には影響しないだろうということで、このような形をとってはどうだろうという御提案であります。

36ページ目で、改定の影響評価でありますけれども、DICのコーディングは、いろいろ問題があるということで、アップコーディング等々が使われているということで、36ページの下の四角に書いてあるような、要件を提起したところ、37ページにある集計結果のように、1日当たりの平均医療投入量が上がって、件数割合が下がったということで、引き続き、これはこのままウォッチをしていきたいという御提案でございます。

37ページの下、再入院ルールの変更であります。

 御承知のように、38ページを見ていただきますと、上のグラフでは、青印が同一病名、赤は異なる病名ということだったのですが、異なる病名のほとんどが、内容を見ると同一だったということです。

 それから、第3日を過ぎると、一気に同一の病名がふえることに対して、少し制限をかけたのですけれども、その結果、39ページにあるように、非常になだらかな線になって、リーズナブルになりましたので、これはこのまま継続してはどうかという御提案であります。

 3番目の40ページであります。点数設定方式Dについてであります。Dは御存じのように、入院日1を1日と固定しまして、ここに入院基本料を除く、薬剤費等包括範囲の1入院当たりの点数を、全部ここにもってくるという点数でありますけれども、これも一定の効果があらわれましたので、引き続き、28年度改定でも、今のような考え方にふさわしい点数方式があった場合には、追加をしていきたいという御提案であります。

42ページ、持参薬についてであります。持参薬については、前回初めて基本的なルール、つまり当該入院経費にかかわった薬剤は、持ち込んではならないというルールがあるわけなのですけれども、それに対しては、さまざまな意見がありまして、とりあえず基本的なところの導入だけをして、情勢を見たいということで、見ていたのですが、今回はいろいろありましたけれども、現状維持をしながら、基本姿勢はそのままで、もう少しデータを収集しながら、きめ細かな対応が必要だと考えておりますので、これもこのまま検討を続けていきたいという御提案であります。

44ページ、CCPマトリックスでありますが、MD010410番に関して、具体的には、脳血管と肺炎と糖尿病でありまして、CCPマトリックを導入したいと考えております。

45ページ目にそのまとめが書いてあります。請求の仕組みについては、第3日の日程を30の倍数とする。そのかわり、報酬水準が高くならないように、入院期間3の点数を調整する。

 2番の差額調整の仕組みについては、DPCから出来高になった場合には、1回返戻していただいて、もう一度、再請求をしていただく。

 3-2でありますけれども、診療報酬改定の影響評価では、DICでコーディングする際の症状詳記、あるいは再入院のルールの変更については、大変よい方向にきているので、そのままいきたい。

 点数方式Dについて、さらに妥当性のある疾患に関しては、今後、検討して、中医協へ提案をしたいと考えています。

 持参薬については、持参薬に係るルールは、現行を継続するが、やむを得ない理由がある場合に限ることを明確化する。ここは非常に大事なことだと思うのですけれども、データを提出いただいて、今後さらに検討してはどうかということであります。

 3-3のCCPマトリックスは、3疾病について、導入するという御提案であります。

46ページは、退院患者調査の見直しの件でありますけれども、これは様式1、EFファイルの統合、Dファイル、その他とあります。

 1つ目の一部の項目を見直してはどうかということでありますけれども、一部の見直しは、ここに書いてありますとおり、47ページの様式1の見直しについてでありますが、これはめくっていただきますと、48ページの四角に、既存項目の見直しと書いてありますけれども、このような見直しをするということ。

 新規項目が49ページにありますけれども、ここのところで大きく変わったのは、自傷行為・自殺企図の有無が追加されました。

 下の心不全のところでは、具体的な数値として、体血圧、心拍数、心調律を追加項目として入れていただくことを考えております。

50ページ、その他のところで精緻化をするために、各医療機関から要望が出たものを入れたものでありますけれども、一番大きく変わるのは、一番下の診断情報のところで、今まで併存症・続発症は4つしか記載できなかったのですが、今回は10に変更すると考えております。

 2番目のEFファイルの見直しについてでありますが、ここでは、1つ、大きな変更がありまして、7対1のデータ提出は、EFファイルの中に入れていただきたいということ。

 持参薬についても、EFファイルに情報を記載していただく。

ADL区分に関しては、データ提出加算が療養病床にも広がりましたので、この追加をしたいということであります。

52ページ目、Dファイルの見直しでありますが、Dファイルの中で、今までDPCでやっていたのだけれども、途中で出来高になった場合には、Dファイルは提出しなくてよかったのですが、内容を十分に確認するために、Dファイルの提出も求めたいというものであります。

53ページのところに、まとめて書いてあるとおりで、様式1の見直し、EFファイルの統合、Dファイルの見直し、その他ということであります。

54ページ目、診断群分類の見直しでは、今、コーディング委員会がずっと動いておりまして、見直し作業を行っております。それに従って、コーディングは決めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

56ページに見直しの具体例が書いてありますけれども、いわゆる高額薬剤については、全DPCの中の84%を超えて、薬剤が占めた場合には、高額薬剤については、出来高になっているわけですが、その項目について、今回の改定の中で、ツリーをつくって、導入をしていくということであります。

57ページ、28年度改定に向けた今後の検討作業方針でありますけれども、点数方式Dについては、今、お話したとおり、検討させていただいて、ここに報告をいたしますので、よろしくお願いします。

 定義副傷病名の検討についても、検討を行っていきまして、こちらに御報告いたしますので、御了承をよろしくお願いいたします。

 (3)新たな技術の保険収載に関しては、テーブルの修正を行っていかなければならない。

58ページ、新規に保険収載・効能追加され出来高算定の取り扱いについては、薬剤への対応についてやっていくということで、診断群分類の見直しに係る対応方針をそのようにまとめさせていただきました。

 報告は以上ですけれども、1つだけ追加させていただきます。前回、DPC制度が非常に複雑になっていて、わかりにくいというお話をいただきましたけれども、複雑になっている理由が2つありまして、1つは、DPC制度は、平成15年に、82の特定機能病院でスタートしたのですけれども、比較的大規模な病院がずっと参加していたのですが、途中から100床規模の病院が出てきたり、あるいはケアミックスで、200床の中の50床だけがDPCとか、種々な病床が出てまいりました。100床規模から1,000床規模、あるいは50床規模なども出てきたために、規模ごと、形態ごとに評価する必要があるので、非常に複雑になってきたという経緯があります。

 もう一つが、今、我々分科会が一番抱えている悩みというか、問題点になります。調整係数を平成30年になくすということで、これが非常に複雑化しております。当初、調整係数は、前年度収入の確保という意味で考えられましたので、調整係数と機能評価係数2だけで、医療機関別係数が調整されていたのですけれども、調整係数をなくすことで、この命題に非常に多くの時間を費やしました。

22年から調整係数をなくすということが、中医協が平成15年に始まるときの申し合わせ事項でありましたので、それに従って検討しているわけですけれども、調整係数をなくすということについて、調整係数の意味について、いろんな議論がありまして、調整係数は単なる前年度収入の確保の意味だけではなくて、高度な医療技術の提供や、救急医療への対応などが、この中に含まれていることがわかってきて、機能評価係数2というものをつくってみました。係数を置きかえるために、複雑化しているという状況であります。

 ただ、このとおり、複雑化はしておりますけれども、診療従事者にとって、いわゆるこれを受けるほうにとってはどうなのかというと、複雑だと言う人は、それほど多くないのです。

 複雑化というのは、この制度の網を潜り抜けるという言い方が、いいのか知りませんけれども、重箱の隅をつついたり、あるいは針の穴を通したりして、抜け駆けをしようとする人にとっては、当然複雑ですけれども、普通にやっている人にとっては、自分の病床機能のところだけを考えて、診断すればいいことであって、もっと言いますと、DPC制度は、包括医療評価制度でありますが、2年ごとにその病院の実績に応じて評価される仕組みになっておりますので、患者さんにとって、最適で、安心で、安全な医療を提供していただければ、よりよい制度として2年後に評価されるという、非常にいい仕組みであります。

 いろんな種類の病院がふえてきたということと、調整係数をなくしていかなければならないという命題の中で、少し複雑化しておりますけれども、今、申したとおり、病院にとっては、それほど複雑なものではないと考えております。

 以上、御報告を終わります。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 事務局から補足はございますでしょうか。企画官、お願いします。

○眞鍋医療課企画官

 企画官でございます。

 今、分科会長から御報告いただきましたけれども、きょうは、別に参考資料を用意させていただいておりまして、中医協診-1参考1が、分科会長の御報告に関連する参考資料、中医協診-1参考2が、前回の小委員会で、DPC制度の出来高と包括の仕組みについてという御指摘がありましたので、1枚紙で用意させていただきました。御説明は省略させていただきます。

 以上です。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、御質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 松本委員、お願いいたします。

○松本委員

 小山分科会長、ありがとうございました。

 最後になぜ複雑化なのかということまで、御説明いただきました。ありがとうございます。

 質問というより、コメントをさせていただきます。前回のときも言わせていただいたのですけれども、42ページの持参薬についてでございます。量的には少ないと思われますけれども、残薬をふやさないという観点からも、治療対象疾患以外は認めるべきだということを、改めて主張させていただきます。

○小山分科会長

 基本的に入院の起因となった以外の薬については、使えるルールにはなっております。

○田辺小委員長

 ほかにいかがでございましょうか。中川委員、お願いいたします。

○中川委員

 小山先生、お疲れ様です。

 中医協診—1の20ページをごらんいただけますでしょうか。臨床研究中核病院を評価することに関して、我々は、整備事業の早期・探索的臨床試験拠点、いわゆる臨床研究中核病院で、多くの不適正事案が発覚したということは、忘れてはいけないと思っているのです。喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉がありますが、まだ喉元を過ぎていません。そういうことを踏まえて、医療法上に位置づけた、臨床研究中核病院の承認要件を厳しく決めた経緯があります。

 中医協診-1参考1の20ページ、21ページをごらんいただけますか。医療法に基づく臨床研究中核病院というのは、中医協診-1の高度先進的な医療の提供機能ということは、そのごく一部の機能なのです。中医協診-1参考1の20ページの上のところに、医療法に基づく臨床研究中核病院になることで期待されることとありますが、被験者が集まって、症例が集積されやすくなる。それから、優秀な研究者の人材が集まりやすくなる。他医療機関、他施設から相談や研究依頼が殺到するといったメリットがあるはずです。十分にそれで評価されるということが1つあります。

 中医協診-1参考1の21ページをごらんいただきたいのですが、能力要件というところに、不適正事案の防止等のための管理体制の整備という、非常に厳しいガバナンスを強化する仕組みが盛り込まれています。こういうことから言うと、これは診療報酬上で評価するのではなく、一般財源による政策医療として、何らかの手当をするべきだと思います。

 もっとわかりやすく言うと、診療報酬で評価するということは、消費増税財源を使うということなのです。これは意味が違いますから、DPCで評価するということには、明確に反対をいたします。

 以上です。

○田辺小委員長

 小山分科会長、お願いします。

○小山分科会長

 この結果を持ってきた経緯をお話させていただきます。その後、事務局から補足をしていただきたいと思いますけれども、この議論については、先生の御指摘のとおり、2回の分科会の時間、多くの時間を要して検討いたしました。一番最初に提案が出てきたときには、いろんなところで反対意見が強くて、これはどうしたものかということだったので、もう一回、議論をする必要があるだろう。その中に、ある意味、誤解みたいなところがありまして、これは治験を評価するのではないかという意見があったり、補助金でいっぱいやっているのだから、評価する必要はないのではないかという御意見もありました。

 2回目のところで、資料を整理していただきまして、事務局から御説明をいただいた。その結果、2つの観点から、我々分科会はいいだろうという結論を出しました。

 1つは、今の資料の中で22ページに書いてあります、地域医療指数の中の1項目として評価をするという意味であります。これはどういうことかというと、大学病院でいいますと、今までは12項目のうち10項目で満点になるわけです。それが、13項目のうち、10項目で満点になるという形で、これによる影響評価、恐らくこれをとるような病院だったら、10項目を超えているので、それほど診療報酬上に大きな影響を与えるようなものではないだろうということが1つ。

 それだけの費用がかからない割には、これをとっていく病院にとっては、非常に名誉になる。名をとるというか、シンボリックな意味合いがあるのではないだろうかという議論が出てまいりまして、最終的には、地域医療係数指数の中の1項目として入れるのであれば、問題ないだろうという結論で、こういう提案をさせていただきました。

DPC分科会での議論の内容を御報告いたしました。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 議論の報告ありがとうございます。

 そういう議論であれば、ますますこれは必要ありません。臨床研究中核病院というのは、日本国民が誇りに思う病院ですから、それを目指すのは、診療報酬上で評価することとは無縁です。

 事務局、答えをお願いします。

○田辺小委員長

 企画官、補足をお願いいたします。

○眞鍋医療課企画官

 事務局でございます。

 私からは、提案を行うに至った分科会の議論につきまして、補足をさせていただきたいと思います。

 中医協診-1の資料の10ページに、機能評価係数2の考え方というものについて、四角でまとめられているものがございます。これは前回の改定でもこれでございましたし、今回も機能評価係数2の考え方については、維持しようという御提案をさせていただいているものでございますが、そこの中に2つ○がございまして、2つ目の○の2ポツでございます。

 主な視点の中に、高度・先進的な医療の提供機能(高度・先進性)、総合的な医療の提供機能(総合性)という点がございまして、これには合致するであろうということで、分科会において、御提案を行ったところでございます。

 今、小山分科会長から御説明がありましたとおり、2回、結構長い時間をとって、御議論いただきました。その中で、私から補足を申し上げるとすれば、保険診療、保険財源で、治験あるいは医師主導治験、臨床研究を補填する、あるいは支えるということまでいってしまえば、それは保険診療の範囲を超えている。そうではなくて、臨床研究中核病院におきましては、強力なガバナンス体制があるとか、あるいはトレーニングされた医療従事者がいて、エビデンスに基づいた治療をなされやすいとか、患者さんからの相談窓口がきちっと整備されるということが要件でございますので、そういう観点からも、保険診療の質も高いのではないかと、そういうふうに類推されるのではないかということを御説明申し上げて、2回の議論を経まして、こちらで御提案するに至ったというものでございます。

 私からは、事実の関係の説明にとどめさせていただきまして、御議論いただければと思っております。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 中川委員、お願いします。

○中川委員

 私の考えが理解されたと思います。

○田辺小委員長

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 私もこの件に関しましては、中川委員と同意見でございます。臨床研究中核病院はまだ数が少ないということで、だから、影響が少ないということかもしれませんけれども、そうであればこそ、今、いみじくも企画官が言われましたように、医療の質が高いと類推されるということで、診療報酬をつけようということでございますので、そうであれば、少ないサンプルで、類推に基づいて、診療報酬の点数をつけるというのは、いかがなものかと思います。したがいまして、制度として点数をつけるのではなくて、そういった形の方向性で、アウトカムを見てどうなのか、あるいはアウトカムはなかなか難しいと思いますから、プロセスはどうなのかということで見て、この制度を導入することが必要だと思っております。

 分科会を傍聴しておりましたが、これに追加しまして、違う項目も、いろんな臨床的な機能だということで、具体的に申し上げますと、専門医制度に関してでございますが、それについても、診療報酬で手当をするという意見も出てきておりますので、方向性としてはまずいと考えております。

 以上です。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。事務局からお願いいたします。

神ノ田医政局研究開発振興課長

 研究開発振興課長でございます。

 臨床研究中核病院を所管している立場から、発言をさせていただきたいと思っております。

 先ほど来、お話がありましたとおり、臨床研究中核病院につきましては、革新的医薬品、医療機器等の開発に必要となる、質の高い臨床研究や治験を推進するための病院ということで、制度化されていまして、その基盤としては、先ほどもお話がありましたけれども、高度先進的な医療の提供機能が整備されているというところが、重要です。これまで承認されているところは、いずれもそういったところがしっかりしていることを審査いたしまして、承認をしてきたという経緯がございます。

 中医協診-1の20ページ、2つ目の○にありますように、入院患者さん、保険診療の患者さんにも、非常に大きなメリットがあるということで、病院長を中心とした管理体制ですとか、あるいは安全に医薬品、医療機器を使用できる体制が整っているとか、また、相談を受けることができる。最新の医療についての情報を教えてもらえて、その上で、自分が受けたい医療を選択できるという意味で、保険診療を受ける患者さんにとっても、非常にメリットの大きい制度ではないかと考えているところでございます。

 本日、資料には出ていないのですが、データとしても、幾つか高度な医療が実施できるというところを示すデータは得られておりまして、厚生労働省では、23年度以降、予算事業によりまして、臨床研究の基盤整備を進めてまいりましたが、その対象となった15拠点について、データを整理してみますと、例えば臨床研究に関する論文数でいきますと、15拠点の中央値が121.5ということに対して、その他の臨床研究機関では46ということで、相当な開きがございます。

 また、医師主導治験の実績を見ましても、15拠点の中央値が2であるのに対して、その他の臨床研究機関では0という状況でありまして、こういったデータにつきましても、DPC評価分科会の場において御議論がされ、臨床研究中核病院の保険診療上のメリットといったことについて、一定の評価を得たと理解をしているところでございます。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。万代委員、お願いいたします。

○万代委員

 この件のみですか。

○田辺小委員長

 ほかの件でも構いません。

○万代委員

 そうしますと、ページに従いまして、幾つか意見を申し上げます。

25ページでございます。新たな重症度指数ということで、提案されております。分科会会長も調整係数をなくすことについては、随分苦労しておられるということは、十分理解しておりまして、御苦労様だと思っております。

 そんな中で、こんな考え方が出てきたかと思っておりまして、ただ、ポリシーとしては、激変を緩和するということで、先ほどなぜこの制度が複雑になったかという御説明の中で、調整係数をなくすということへの対応の1つということもお話いただきましたし、また、調整係数の中に、高度な医療、救急医療を見るというそういった部分を評価する必要があることから、こういった指数が出てきたという御説明だったと思いますので、調整係数に替えて新たな第2調整係数みたいなものとは考えております。名前はどうであれ、方向性としては、そういった激変緩和をしていただくということは、大変ありがたいことだと思って、評価してございます。

 ただ、その際、方向性は出ましたけれども、25ページの○の2について、御説明いただきましたが、ここの具体的取り扱いです。取り扱いについて、どうするかによって、大分現場と感覚が離れてしまう可能性もあると思います。ここには診断群分類点数表の点数とは乖離してしまう患者、アウトライヤーへの対応分ということでございますから、アウトライヤーをどこまでで切るのか、どこまで考えるのか、あるいはどこまで拾うのか。現場は一生懸命で、DPCで包括されるから、ここまでしか医療を提供しないなんてことは、一切考えませんので、必要な患者さんには、必要な医療を提供するということで、診療してございますので、そこのところを余り低く足切りされてしまうとか、そういったことになりますと、現場は対応がしにくいということになりますので、この辺のところは、十分に熟慮した形の指数の設定、そんな考え方をぜひお願いしたいと思ってございます。

 次が48ページでございます。退院時転帰については、軽快・治癒をひとつとして入力ということで、分科会の委員の方々も、大勢はこの意見だということでございますが、私は総会で申し上げましたように、いわゆるCです。C案のほうが、現場としてはわかりやすいと、主張しておりましたが、分科会の先生方の意見も尊重したいと思いますし、さらに治癒・軽快であっても、恐らく診断群分類のコード別に、このコードであれば、恐らく治癒したでしょう、このコードであれば、軽快でしたでしょうという判断も、後からできると思いますので、一概に治癒・軽快をまとめてしまったから、そこで分析ができないということはないと考えますので、これはこれで了承したいと思っております。

51ページでございます。前回も申し上げてしつこいようですが、51ページの新規項目の1つ目の重症度、医療・看護必要度をデータで提出するということでございますが、現在は、多くの病院が、DPCのデータの入力と看護必要度の入力のシステムは、異なったシステムでやっていると思いますので、それをつなげるということは、理論的には可能でございますけれども、一定程度以上の費用がかかることは間違いございません。ですから、別でデータを提出して、しかも、事務局が加工しやすいような形のフォーマットにしてという提出が、現場としては対応しやすいところでございますが、それであっても費用がかかるということでございますし、いろんなレベルでの入力をしておりますので、ここは十分に現場の状況を精査しながら、無理のない形で導入していただくということを、もう一度、主張させていただきたいと思っております。

 私からは以上でございます。

○田辺小委員長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、ほかに御質問等もないようでございますので、本件に関する質疑はこのあたりといたしまして、本日の検討結果、御意見等を踏まえまして、次回以降の総会に報告させていただきたいと思いますけれども、この点は、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田辺小委員長

 ありがとうございます。それでは、そのようにしたいと存じます。

 小山分科会長におかれましては、御説明どうもありがとうございました。

 本日の議題は以上でございます。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日の「診療報酬基本問題小委員会」は、これにて閉会といたします。御参集どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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