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2016年1月20日 第93回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成28年1月20日(水)15:58~17:17


○場所

全国都市会館 大ホール


○議題

1.平成28年度予算案(保険局関係)の主な事項について
2.医療保険部会の主要な事項に関する議論について

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻には、まだ若干時間がございますけれども、委員の皆様、全員御着席でございますので、ただいまから、第93回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 本年最初の審議会ということでございますので、本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。

 本日は岡崎委員、川尻委員、柴田委員、福田委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 また、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。

 岡崎委員の代理としまして村岡本参考人、柴田委員の代理として野島参考人の御出席につきまして、御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は「平成28年度予算案(保険局関係)の主な事項について」及び「医療保険部会の主要な事項に関する議論について」の2つを議題としたいと思います。

 初めに「平成28年度予算案(保険局関係)の主な事項について」を議題といたします。

 事務局から資料が出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。

 事務局、お願いします。

○渡辺課長

 総務課長でございます。本年もよろしくお願いいたします。

 それでは、資料の御説明に入ります前に、本日の配付資料の確認をさせていただきます。

 本日、議題、議事次第の後に、配付資料といたしましては3種類、平成28年度予算案、医療保険部会の主要な事項に関する議論の進め方、経済・財政再生計画課改革工程表の3種類をつけさせていただいております。

 また、それに関連しまして、参考資料1から3までをつけさせていただいております。もし、落丁等がございましたら、お申しつけください。

 それでは、最初の議題に関連しまして、お手元に資料1と参考資料1を御用意いただければと思います。

 平成28年度の予算の保険局関係の主な事項につきまして、かいつまんで御説明をさせていただきます。

 まず、資料1の1ページ目をお開きいただければと思います。

 保険局関係の主要な事項ということで、大きくは3つのパーツに分かれておりますが、まず、初めの「安心で質の高い医療・介護サービスの提供」というところでございますが、最初の項目「地域における医療・介護の連携強化の調査研究」でございますが、これは、お手元の参考資料1の2ページに詳細を載せてございますけれども、医療・介護の連携の関係で、昨年度来、こういった調査研究を継続して行っておりますが、28年度は退院支援等の調査研究ということで、0.3億計上してございます。

 その下でございますけれども、中ほどにございますが、平成28年度予算案におきます医療費の国庫負担でございますけれども、そこにございますように、112,231億ということで、対前年度比にしますと、600億、0.5%の増ということになってございます。

27年度や、その前の26年度予算は、大体国庫負担3%程度の伸びでございましたが、来年度に関しましては、昨年の5月に成立いたしました医療保険制度改革関連法案の制度改正効果と、それから、これから申し上げます診療報酬改定等の効果ということもございまして、例年よりは、低い伸びになっているということでございます。

 診療報酬改定でございますが、これにつきましては、参考資料の3ページにも載せてございますけれども、まず、診療報酬本体は、プラスの0.49%ということで、各科改定率、そこにございますような状況でございます。

 また、薬価等につきましては、薬価は、いわゆる市場実勢価等にあわせての引き下げ分等が▲1.22%、また、このほかに市場拡大再算定、これは、今もルールがございますし、また、今回、中医協のほうでも御議論いただいておりますが、ルールの見直し等もございまして、国費ベースで500億弱ということでございます。

 それから、材料価格の改定は、▲0.11%ということです。この全体の枠の中で、今、中医協のほうで、具体的な点数配分について御議論いただいているという状況でございます。

 次の2ページでございますが、こちらのほうは、関連資料としましては、参考資料の4ページからでございますが、まず、1番、国保の財政安定化基金の造成ということでございますけれども、これは、社会保障と税の一体改革のフレームの中で手当をしてございます。2,000億円規模を目指しての段階的な造成ということで、27年度予算においても200億、国費ベースで確保してございますが、28年度は400億ということでございます。

 また、その下2番は、国保の先般の制度改正の具体的な施行に当たりまして、都道府県、市町村で、さまざまなシステム開発等が必要でございますので、それに関連した経費を計上しております。

 また、その下でございますが、被用者保険の拠出金等の負担に対する財政支援ということでございまして、これにつきましては、拠出金負担の重い被用者保険の負担を軽減するという観点から、平成27年度から高齢者医療運営円滑化等補助金を段階的に拡充してございますが、来年度、28年度につきましては、短時間労働者の適用拡大に伴う財政支援を含めまして、総額で381億ということで計上させていただいております。

 その下のところは、これも既に中医協で御議論いただいておりますが、医療技術の費用対効果の試行的導入ですとか、あるいは患者申出療養といったことにつきまして、関連の調査経費を計上させていただいております。

 おめくりいただきまして、資料1の3ページからでございますが、これは、参考資料で申しますと、ちょっと飛びますが、9ページ以降でございますけれども、いわゆるデータヘルス等の関係でございます。

 まず、3ページの1番のところでございますが、データヘルスにつきましては、レセプト・健診情報等のデータを用いて、各医療保険者においてもデータヘルス計画を立てて、実施を進めていただいているところでございますが、これをより拡大していくために、具体的な実施体制あるいは過程の検証といったことを保険者みずからが実施するためのさまざまな支援ということで、こういう保健事業の推進経費を載せております。

 また、保険者協議会が、これから本格的に動き出すということで、こういった保険者協議会で、さまざまな医療費の分析等を推進するための支援ということで、これも関連予算を計上させていただいています。

 また、3ページの下の2以降は、先進事業の好事例を横展開していくということで、民間ベースでも日本健康会議において、こういった事例の横展開を進めていこうということにしてございます。そこにございますような、糖尿病性腎症患者の重症化予防への取り組みへの支援ですとか、あるいは、後発医薬品の使用促進への支援。

 次の4ページ、重複頻回受診者等への訪問指導。それから、来年度新たに、高齢者につきましては、いわゆるフレイル対策ということで、高齢者の特性に応じた低栄養防止等の保健事業を進めていくため、こういった経費を含めて計上しております。

 さらに、歯科口腔保健の推進ということで、これにつきましても、昨年も計上してございますけれども、計上させていただいております。

 その下の3でございますが、先ほども申し上げました、民間ベースでは、日本健康会議のような、さまざまな関係者が集まって、予防・健康づくりのインセンティブを推進していこうという取り組みが進められておりますので、このための支援ということで、必要経費を計上させていただいております。

 その下でございますが、医療情報の電子化、利活用の推進ということでございまして、ここでは大きくNDBと、それからDPCデータのデータベースの策定ということを載せさせていただいております。まず、NDBにつきましては、既にさまざまな情報が集まって、学識経験者の方々には有識者会議を通じた御利用をいただいているところでございますが、より広く国民の皆様方に、レセプト情報から得られる医療に関する情報を、オープンデータにできるものをとりまとめて公表するということで、こういったことについての事業。

 それから、これにも関連しますが、医療保険につきまして、オンラインの資格確認について実施をしていくということで、今年度においてもさまざまな調査事業を行っているところですが、この実施に向けての必要な経費ということで、計上させていただいております。

 その下は、DPCデータにつきましてのデータベース構築のための必要な予算ということでございます。

 次の5ページ、これは、医療保険だけではなく、施策横断的な厚労省全体にかかわることでございますが、最初のところは、社会保障・税番号制度導入、いわゆるマイナンバーのための取り組みということで、既にマイナンバー制度は施行されてございますけれども、システム改修ですとか、あるいはさまざまなセキュリティー対策に対しての費用の補助ということで、必要経費を計上させていただいております。

 その下は、東日本大震災からの復興支援ということで、避難指示区域等での特別措置、一部負担金や保険料の免除等の措置を延長する場合の財政支援ということで、これも必要経費を計上させていただいております。

 次の6ページ、7ページは、社会保障と税の一体改革のフレームということでございますが、6ページの左のほうをごらんいただきますと、平成28年度は消費税の引き上げがございませんでしたので、基本的には増収分は前年並みということで、増収分の計が8.2兆円、そして、それぞれ社会保障の充実も平成27年度と同様1.35兆円ということになってございます。

 ただ、実際には、次の7ページをごらんいただきますと、これが、社会保障の充実の項目ということで、子ども・子育て支援から年金まで項目がございます。この中には、医療保険制度の中の、例えば、保険料の軽減措置ですとか、そういったものも入ってございますが、平成28年度予算案というところの一番下をごらんいただきますと、1兆5,295億円となってございます。

 これにつきましては、ちょっと小さい文字で恐縮ですが、下のほうの注2というところにございますが、先ほど申し上げましたように、消費税増収分としては、1.35兆円でございますけれども、社会保障と税の一体改革のフレームの中では、こういう消費税収とあわせて重点化、効率化による財政効果、これは、あわせて活用していくということになってございまして、この重点化効率化による財政効果が▲0.29兆円ということでございますので、この1.35兆円と、0.29兆円、重点化、効率化による財源を活用しまして、今、申し上げました、充実分と、それから、税制抜本改革法に基づく簡素な給付措置、これを一体的に確保するといったフレームになってございます。

 以上、簡単でございますが、平成28年度予算案の中で、保険局に関連します主要事項ということで御説明させていただきました。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ただいま御報告いただいたことにつきまして、御質問、御意見があれば、承りたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは、特段ないようであれば、先に進み、また、何かあれば、戻っていただいて、御質問、御意見をいただければと思います。

 それでは、第2の議題に移りたいと思います。

 次は「医療保険部会の主要な事項に関する議論について」、これを議題としたいと思います。

 骨太の方針の経済・財政再生計画における検討項目のうち、当部会に関係する項目につきましては、昨年の1021日の部会で、事務局から報告をしていただきました。

 本日は、医療保険部会の主要な事項に関する議論の進め方(案)と昨年1224日に開催されました経済財政諮問会議において、取りまとめられた経済・財政再生計画改革工程表から、当部会に関係がある項目を抜粋した資料が事務局から出されておりますので、それについて説明をお願いしたいと思います。

 では、事務局、引き続いて御説明をお願いいたします。

○渡辺課長

 総務課長でございます。

 それでは、お手元に資料2と資料3、さらに参考資料2を御用意いただければと思います。御説明のほうは、資料2と3に沿ってさせていただきます。

 まず、資料2のほうでございますが、医療保険部会の主要な事項に関する議論の進め方(案)ということで、これは、先ほど部会長からございましたように、1021日の第90回部会で御議論いただいたときに、事務局のほうで、お出ししたものを、少し改変させていただいております。

 今後の部会の議論の進め方として、大きく2つの柱を立てさせていただいております。

 まず、左のほうをごらんいただきまして、当面の主要事項ということと、それから、下のほうにございますが、少子高齢社会における持続可能な医療保険制度のあり方についての検討ということで、まさに、医療保険制度については、不断の改革を行っていくことが必要でございますが、次期制度改革に向けての検討という、この大きな2つの柱に分けさせていただいております。

 初めの当面の主要事項のところでございますが、大きく3つに分けさせていただいておりまして、まず、1点目は、昨年の改正法の施行関係でございます。

 まず、1点目の国保改革につきましては、現在、国保基盤強化協議会などで、具体的なガイドラインとか、納付金の算定とか、そういったことについて御議論いただいておりまして、ある程度協議会の議論がまとまったところで、できますれば、今年度内に一度この場で御報告をし、御議論いただければと考えております。

 同じように、その下の医療費適正化計画でございますが、これも先般の制度改正の中で見直しを行ってございますけれども、現在、さまざまなデータを活用して、いわば、地域の医療費の状況を見える化していくということで、内閣官房のもとに設置をされました、医療介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会というところで、御議論をいただいております。

 医療費適正化計画、新しい計画は、全体としては平成30年度からということになりますが、地域医療構想等の進展に伴いまして、前倒しで、適正化計画の見直しができるということにもなってございますので、それに関連した指針等の告示の作業もしなければいけないということで、これにつきましても、ある程度議論をまとめたところで、今年度内に一度医療保険部会にお諮りをさせていただければと思っております。

 また、その下の紹介状なし大病院受診の定額負担、それから、患者申出療養につきましては、これは、一度この部会でもお諮りしましたが、具体的な細部の詰めに入っておりますので、ここは、今、中医協で御議論をいただいております。

 それが、最初のくくりの改正法の施行関係でございます。

 2つ目、これは、後ほど御説明申し上げますが、いわゆる昨年の骨太で定められた検討項目、これについて、具体的な改革工程表ということでまとめられております。

 これにつきましては、個別の項目の中で、年内に関係審議会の議論を経て結論を出すというものも幾つか入ってございますので、そういった事項を中心に、ここでまた御議論をいただくということになろうかと思います。

 その他としまして、被用者保険の適用拡大につきましては、これは、今、年金部会のほうで御議論をいただいておりまして、その議論の状況も見据えながら、医療保険のほうにも影響してまいりますので、この部会で報告し、御議論いただければと思っております。

 以上が、当面の主要事項ということでございますが、ある意味、これと並行的に御議論いただかなければいけないと思っておりますが、次の制度改革に向けての論点ということで、ここでは大きく3つ挙げさせていただいておりますが、1つは、高齢者医療制度のあり方ということで、これもたびたび、この部会でも御指摘をいただいているところですが、これが1つ。

 それから、2つ目が被用者保険をめぐる諸課題への対応ということで、これにつきましても、この部会で、括弧の中にございます、任意継続被保険者制度等のあり方についての御指摘もいただいておりますので、そういったことも含めて、諸課題への対応ということで、立てさせていただいております。

 また、この後の議論の中で、こういうところを特にというのがあれば、また、委員の方からも出していただければと思っております。

 また、このほか、この部会以外で、今、さまざまな検討会で検討されている項目の中で、この医療保険部会にかかわってくるものもあろうかと思います。療養病床のあり方等に関する検討会、これは、保険局だけではなくて、医政局、老健局とも協働しながら医療・介護連携政策課を中心にやっておりますが、この検討会を踏まえた対応、あるいは子供の医療のあり方についても検討会を進めておりますので、これも、その報告をさせていただきながら、必要な時期に御議論いただければということで、以上のようなことにつきましても、当面の主要事項とあわせて、御議論をいただくという形にしていきたいと思っております。

 以上が全体像でございますが、次に資料3をごらんいただければと思います。

 これが、先ほど申し上げました、いわゆる改革工程表と言われるものでございまして、先ほど、部会長のほうからもお話がございましたが、昨年の1224日に経済財政諮問会議で決定され、翌日の閣議に報告をされております。

 この改革工程表の位置づけでございますが、さまざまな検討項目が出てまいりますが、この工程表は、検討の内容について、この時点でコミットしているものではございませんので、まさに名前のとおり、工程ということで、議論をどこの場で、いつまでにやっていくかということを示したものということでございます。

 したがいまして、具体的な内容につきましては、特に医療保険部会に関係ある事項については、まさに、これからここで御議論いただくということだと思います。

 その中でも、年内に結論を出さなければいけないものが幾つかございますので、それを中心に御説明をさせていただければと思います。

 まず、1ページ目、この改革工程表は、昨年の骨太の中で示されました、社会保障関係40項目を超える非常に多くの項目がございますが、その項目に沿って、それをさらに細分化した形で示しております。

 その項目に沿ったものが、一番上に2というのがございますが、こういう番号が、最初の骨太の項目に沿ったものでございます。まず、慢性期の医療介護ニーズに対応するサービス提供体制にかかる制度上の見直しの検討でございますが、中ほどにございますけれども、介護療養病床等の効率的なサービス提供体制への転換について、関係審議会等において検討し、2016年、今年ですが、末までに結論ということで、これは、先ほども申し上げました療養病床のあり方に関する検討会が、既に動いておりますので、これを踏まえて、まずは、介護保険部会や医療部会での議論が先行するかと思いますが、この医療保険部会でも御議論いただくということになろうかと思います。

 その下でございますが、医療・介護を通じた居住に係る費用負担の公平化の検討ということで、これも昨年一度、この場でも資料もお示ししながら、御意見もいただいたところでございますが、入院時の光熱水費相当額に係る患者負担の見直しについて、関係審議会で検討し、年末までに結論となっております。

 次の2ページ、ここでは、マル5、マル6というところで、柱立てがございますが、このページにかかわるところは、先ほど、御説明をしました医療費適正化計画にかかわるところでございますので、それとあわせて御議論いただければと思っておりますが、外来医療費についての地域差分析ですとか、あるいは都道府県ごとに地域医療構想と整合的な形で適正化計画を策定していくということで、適正化計画の議論をいただくときに、ここも御参照いただきながら議論をいただければと思っております。

 次の3ページは、骨太の項目で申しますと、9というところでございますが、かかりつけ医の普及の観点から診療報酬での対応と、それから、外来時の定額負担について検討とされております。

 診療報酬は、今、中医協で御議論をいただいておりますので、医療保険部会としては、その下にございますように、かかりつけ医普及の観点から、かかりつけ医以外を受診した場合における定額負担の導入ついて審議会で検討し、結論ということでこの審議会で御議論をいただいて、年末までに審議会としての結論を出していただくということでございます。

 次の4ページの11番ですが、これも先ほどの医療費適正化計画とも関連いたしますけれども、現在の高齢者医療確保法第14条で、診療報酬の特例ということで、地域別の診療報酬を設定することができるという、これまで発動されたことはございませんが、そういう規定がございまして、これも関係審議会において検討するということになっております。

 これは、特に、今のところ年内ということの期限は区切られておりません。

 次の5ページ目、このあたりはインセンティブ改革ということで、先ほど予算のところでも御紹介いたしました、さまざまな予防・健康づくり、あるいは重症化予防についての取り組みということで、これら既に昨年の医療保険制度改革の中でも、一部制度として入れ込まれているものもありますし、まさに、先ほど、御紹介いたしました、来年度の予算案という中で、必要経費が計上されているものもございます。一番上の12番のところは、これは、まさにインセンティブということで保険者個人による取り組みを推進していくためのインセンティブの仕組みということでございます。

 それから、それとも関連しますが、13番ですが、これも昨年の制度改正で、国保の中に保険者努力支援制度というのが設けられましたけれども、この活用とあわせて、その前倒しの現行制度での反映というようなことも規定されております。

 それから、一番下のところですが、国保の財政の仕組みの見直しの基礎的枠組みを2015年度中に決定ということで、これは、先ほど申し上げましたが、今、基盤強化協議会で御議論いただいていますので、年度内に一度、ここに御報告をさせていただきたいと思っております。

 次の6ページ、これも先ほどのインセンティブ改革の続きでございまして、これも一度、ここで議論をいただいて、今、具体的には、検討会のほうで御議論いただいておりますが、後期高齢者支援金の加減算の運用面での見直しということでございます。

 それから、少し飛んでいただきまして、次の7ページでございます。これも同じ予防・健康づくり、インセンティブのところでございますが、15のところ、これはヘルスケアポイントなど、いわゆる個人の予防・健康づくりへの取り組みのインセンティブということで、これも今年度中にガイドラインを策定するということで、既に、今、具体的な検討会等が進められておりますし、その下の高齢者のフレイル対策は、先ほど、御説明しました予算の中でも必要な経費をとって、今後進めていこうということにしてございます。

 次の8ページ、民間事業者も活用したデータヘルスの取り組み、あるいは好事例の全国展開、これも先ほどの予算のところで御説明しましたけれども、予算以外にも日本健康会議等を通じた取り組みというものも進められているところでございます。

 次の9ページ、ここからは、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化というところで、まさに給付と負担の基本構造にかかるところでございますので、この医療保険部会で、今後、中心的に御議論をいただかなければいけない事項だと思っておりますが、まず、24番のところ、大きく2つ分かれてございますが、世代間・世代内での負担の公平を図るという観点からの検討ということで、まず、高額療養費制度のあり方ということにつきましては、そこにございますように、これも昨年、ここでも御議論いただきましたが、外来上限あるいは高齢者の負担上限額のあり方などにつきまして、世代間・世代内の負担の公平と、またあわせまして、負担能力に応じた負担という観点から、この関係審議会で具体的に検討いただいて、年内に結論を出していただくということでございます。

 その下、これは年内ということではございませんが、後期高齢者の窓口負担のあり方についても検討し、結論を得るとされております。

 また、その下の26番のところでございますが、これは、おととしの改正で、介護保険で補足給付に際して、いわゆる資産を勘案するという仕組みが盛り込まれましたが、医療保険において、こういうことをどう考えるかということ、これについても年末までに議論をして結論を出すとされているところでございます。

 次の10ページのところでございますが、ここのところでは、一番下のほうでございますけれども、下から少し上のところでございますが、スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険償還率のあり方について、関係審議会等において検討し、年末までに結論ということになってございます。

 ここまでが、主として予算あるいは医療保険部会で御議論いただくことで、11ページ以降は、さまざまございますけれども、ここは、一番左のところにもございますように、薬価、調剤等の診療報酬に絡んだところでございますので、項目だけ御紹介いたしますが、基本的には、これは中医協で御審議いただいておるところでございます。

11ページの28番は、後発医薬品についてでございますし、29も後発医薬品の価格算定ルールのことでございます。30番は、いわゆる長期収載品のあり方ということでございます。

12ページは、基礎的医薬品のこと、あるいは創薬に係るイノベーションの推進。32番は薬価の適正化、それから、薬価改定のありの方ということで、ここら辺は中医協マターということになります。

 同じく13ページは、どちらかといいますと、流通のほうでございます。

14ページのところの調剤報酬等のあり方についても、これも中医協で、まさに御議論いただいているということでございますので、11ページ以降は、主として中医協マターということでございます。

 いずれにしましても、先ほど冒頭でも申しましたように、この改革工程表そのものは、検討のスケジュールを定めたものでございますので、先ほど申しました年内検討とされている事項を中心に、議論の進め方の中で掲げました、その他の項目とあわせて、また、順次御議論いただけるように、必要な資料等をそろえていきたいと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの報告の内容につきまして、御意見、御質問があれば、承りたいと思います。いかがでしょうか。こちらは、いろいろとあるのではないかと思いますが。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 資料3の4ページでございますが、医療提供体制の適正化に向けた地域の病床機能の再編については、基金の設置をはじめ、機関名の公表や補助金対象からの除外といった都道府県の権限強化など、その推進に当たって、さまざまな政策が進められておりますが、間接的な影響にとどまり、強制力に乏しいのではないかと思います。

 それから、904億円の基金の配分についても、病床の機能分化、連携に関する事業に対しては、平成26年度で2割、平成27年度分で5割程度にとどまっているなど、順調に進展させていくことができるか懸念があります。

 同じく資料3の4ページですが、都道府県の体制、権限のあり方について、現状を勘案した上で検討し、2020年までに措置とありますが、将来の医療費適正化に多大な影響がある病床機能の再編については、その実効性が十分担保できているかどうか、前倒しかつ踏み込んだ検討が必要ではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。御意見を承りました。

 ほかにございますか。

 それでは、松原委員、お願いします。

○松原委員

 今、基金の話が出ました。資料1の6ページのところ、これは、もともと28年度の消費税の増収分、つまり、新たに増収した分の費用、増収分を社会保障の充実に充てると、それが1.35兆円だったわけであります。

 ところが、実際にそれを使っているところを見ますと、7ページに、904億円、医療分で確保されているわけですけれども、新たな、要するに増収によるものの使い道にもかかわらず、実際のところ、都道府県では、これまでつくられている看護学校の補助金などに、かなり肩代わりされていて、つまり、増収にもかかわらず、今までの総務省分の費用の分を、ここから支出して、看護学校の充実に充てていた分が、結局は、この基金から払われているという現象が起きました。

 これは、払うといって、増収分でそのために消費税をと言いながら、結局は、別のものに充てているということになります。大変奇妙な話でありますので、ぜひ、ここのところの使い道につきましては、やはり、増収分は増収分ですし、充実に充てるということであれば、今までの看護学校の補助金に充てるというのは、間違いではないかと、私どもは思っているところであります。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 いかがでしょう、新谷委員、お願いします。

○新谷委員

 ありがとうございます。

 資料2で、この部会における主要な議論、論点について、当面の課題と中期的に検討する課題をお示しいただいたわけであります。

 私の方から3点、意見を申し上げたいと思っております。

 まず1点目は、中期的な課題の最初に書かれております、高齢者医療制度のあり方という点であります。

 今後も高齢化がますます進行していくという中にあって、現行の高齢者医療制度については、現役世代から高齢者医療への拠出金がますます増加していくことが想定されているわけであります。

 この中で、被用者保険の決算に占める拠出金の比率が4割を超えるという状況になっておりまして、こうした外部要因といいますか、他律的な支出が4割を超えるという状況を放置したままでありますと、今回も工程表の中にも検討課題として出されておりますが、いかに保健事業にインセンティブをつけたとしても、保険者機能を発揮して医療費の適正化に積極的に取り組むといったことを阻害する要因になりかねないと思っておりますし、また、被保険者の納得性をどう確保するのかという点についても、重要な課題であると考えております。

 こうした問題は、被用者保険にとって非常に大きな問題になりつつございますので、ぜひ、高齢者医療制度のあり方については、抜本的な改革が必要であるということで、課題を先送りすることなく、議論を進めていただくことを要望申し上げたいということが1点であります。

 もう一点は、同じく中期的な課題の中で、各種検討会の報告を踏まえた医療保険制度の対応ということで、療養病床のあり方ということも提起をいただいているわけであります。

 工程表の資料の中でも、現在、省内において療養病床のあり方についての検討会が設置されて、論議が進められているということは承知しておりますけれども、特に介護療養病床については、見直しの変遷があったと思いますけれども、予定どおり、2017年度末での廃止/転換をするということを前提に、受療率の地域差の要因は一体何なのか、あるいは患者像に違いはあるのか等々の実態を把握する中で、患者や利用者に相応しい良質な療養環境であるとか、介護サービスをいかに確保するのかという観点から、ぜひ論議を進めていただきたいと思います。

 最後に、工程表の中に、負担のあり方であるとか、保険給付の範囲についての論点が示されております。

 これについては、前回も私どもの方から意見を申し上げましたけれども、経済力の差によって医療へのアクセスが阻害されることのないよう、2002年の健康保険法の改正法の附則にありますように、将来にわたって7割の給付を維持するという考え方をぜひ堅持していただくという前提での論議をお願いしたいと思いますし、それに反するような内容が出てくるということであれば、私どもとしては反対であるということを繰り返し申し上げたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 拠出金を含んだ高齢者医療制度についての議論をしてほしいという話、それから、療養病床の再編についての議論も進めてほしいと。

 それから、自己負担の問題ということを御指摘いただいたということでありますが、関連してでも結構でございますし、小林委員、どうぞ。

○小林委員

 資料の2の一番下の少子高齢社会における持続可能な医療保険制度のあり方の検討、これについても、具体的なスケジュールを示していただき、議論を進めていきたいと思っております。

 新谷委員の御意見に関連しますけれども、特に、高齢者医療制度等の拠出金については、被用者保険にとって大きな負担となっており、私ども協会けんぽの支出の4割を占めるまでになっております。これは、見直しが必要だというふうに思います。

 総報酬割の財源が被用者保険に十分還元されなかったことの反省に立って、現役世代に過度に依存する制度の見直しを検討していただきたいと思っております。

 それから、前回の医療保険制度改革の積み残し事項については、時間切れとならないように、データ等のエビデンスを準備し、検討が進むようにしていただきたいと思います。

 具体的には、ここに書いてありますが、任意継続被保険者制度については、この制度ができたときからの状況の変化等を踏まえて、さらなる見直しが必要だと考えています。

 加えて、海外医療費における在外居住の外国人被扶養者の問題、それから、傷病手当金と、障害年金などの保険者間の調整の仕組み、こういったことも検討の俎上にのせていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ここに載っていないものでありましても結構でございますので、お願いいたします。

 では、白川委員、どうぞ。

○白川委員

 工程表の案件につきましては、その都度、この場で議論させていただけると伺いましたので、個々には触れませんけれども、来年度は、今までと違う要素が幾つかあると感じておりまして、1つは10月の適用拡大の話、それから、来年4月の消費税の引き上げの話。それから、通常の厚労省の概算要求の話と、この3つが全部絡むと思っております。

 そういう意味では、この検討のスケジュールが、小林委員も少しおっしゃいましたけれども、遅れないスケジューリングをお願いしたいと思います。

 その中で、例えば、任継制度や現金給付の問題は、以前から申し上げておりますけれども、これは適用拡大の10月の前には結論を出さなければいけない項目と考えておりますので、早めの検討をお願いしたい。

 それから、高齢者医療制度については、我々は消費税の引き上げ財源を使って、公費を拡充してくれという主張でございますので、概算要求なり、あるいは来年予定どおり消費税引き上げがあるかどうか、まだ確定はしておりませんけれども、それに合わせた形での検討をお願いしたい。たしか、消費税が10%まで上がるといったときに、一定の充実分とか、次世代へのつけ回しをこれで減らすのだとか、一応の枠は決められていたと思うのですけれども、一方で、骨太の方針等に書かれている適正化項目がどんどん出てきており、そういう状況もありますから、ここには書いておりませんが、消費税引き上げ財源をどのように配分するかという議論についても、ぜひ、この場で意見ぐらいは言わせていただきたいと思っておりますので、早めに事務局のほうで資料を提出していただくようにお願いをいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 審議スケジュールについての御要望と受けとめさせていただきます。事務局、よろしく御検討ください。

 ほかにございますか。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員

 2つ質問させていただきたいと思います。

 マイナンバーが始まりまして、私、よくわからなかったのですけれども、突然始まった途端に、あなたのマイナンバーを知らせてくださいと言われまして、知らぬわということで、困ったことがありましたけれども、制度というのは変わると、本当に怖いもので、それがすぐその日から本題に乗るわけですね。

 ここにもありますように、レセプトの情報とNDBですね、ナショナル・データベース、これをマイナンバーでどうするか、余り詳しいことは書いていないのですけれども、特定健診は、生化学血液検査のデータの一つ一つが多分出てきているわけですね。ところが、特定健診は出るのだけれども、例えば、人間ドックとか、住民健診とか、企業健診とか、あらゆるものがそこに入るのかどうか。

 レセプト情報には、医療機関で血液検査をしたときのデータまではレセプトには出てきていないのです。やはり、やるのであれば、全てある程度網羅してやって、それで、効果が出るのではないかと思うのですけれども、一部だけやって、いわゆる傾向だけ見るのか、それとも、マイナンバーの人間一人一人に、いわゆるメディカルヒストリーをちゃんとファイリングして、いつ、どこででも利用できるというか、要するに、フリーアクセスで、あちこちで血液検査して、あちこちで何かすると効率が悪いわけですから、そういうためかなと思っているのですけれども、逆に言うと、それが蓄積されると、何かで漏れたりすると、非常に大きなことになって、お金を借りようと思っても、金を貸してくれないということになるかもわからないわけですから、その辺のスケジューリングというのはどういうふうになって、最終的には、どういうことを保険局なり、厚労省は、どういう姿を考えているのかという質問を1つしたいと思っています。

 もう一つは、遠藤先生に御苦労をいただいたわけですけれども、療養病床のあり方検討で、一応、プランが出ましたけれども、その数日後の各紙の新聞を見ますと、どうも25対1というか、軽い人と介護療養はやめて、何か別の施設をどこかにつくるという書き方をしている新聞は非常に多いのです。

 これは、あくまでも、今、25対1とか、介護療養は30対1というのですけれども、そこが、医療法上の、いわゆる20対1の最低のところは経過措置が来て、17年度末で廃止するという傾向で、あり方委員会でも、そういう結果が出たと思うのですけれども、あれは、病院内で2531対1があって、介護療養と医療療養の軽いのがあって、そこをああいうふうな提案しましたけれども、保険つきとか、要するに住居か施設かということに転化していくというふうに、我々は考えているわけです。要するに、療養病床をどういうふうにしていくかということなので、それは、新聞によっては、そこは廃止になって、別のものができるような書き方をしているところがあるので、ちょっと厚労省のほうのアナウンスメントが間違いやすかったのかという気もしますけれども、もう一度、現在ある療養病床の一部を施設なり、住居化していくということで理解してよろしいのでしょうか、その2点について質問したいと思います。

○遠藤部会長

 それでは、最初のデータベースとマイナンバーの利用の仕方についてのお考えを正しているということですね、お願いいたします。

○渡辺課長

 マイナンバー関係と医療保険全体ということですので、総務課のほうからお答えさせていただきますが、まず、あくまでもこのマイナンバーを使える人というのは、法律の中に決まっております。

 マイナンバー法の中では、医療保険者は、マイナンバーを使って、いろんな保険事務を管理することはできますが、医療機関は、マイナンバーを使えませんので、レセプトにマイナンバーが載ったりとか、レセプトの医療情報を直接マイナンバーで管理するということはありません。

 医療保険者が、保険者事務として、マイナンバーを使っていくというときに、1つは、既にさまざまなシステムの検討も始めているのですが、今は、例えば、被保険者番号というのは、保険者を変わってしまうと、変わりますので、加入履歴というのを一元的に管理することができないのですが、今回、マイナンバーが入ったことによって、前回の制度改革で支払基金と国保中央会でまとめてサーバーをつくって住基情報をとってくるという形にして、そういう形をとることによって、ある種加入履歴といいますか、保険者としての被保険者情報を加入履歴として管理できるというようなことができるようになるということがございます。

 先ほど、私、NDBの話と一緒に説明したので、ちょっと混乱させてしまったかと思うのですが、あくまでも、今、そういう仕組みを使ってやろうとしているのは、医療保険資格の確認、これをオンラインでできるという仕組みをつくれないかということです。これは、実際には医療保険者がマイナンバーを使って、そういう情報交換が開始されるのは、平成29年央からでございますので、まだ少し時間がございますので、そこを目がけて、そういうシステムづくりをどうしていくかというのを、今、検討しているというところでございます。

 あわせまして、今もいろいろ地域レベルでは、医療情報のネットワークのようなものができておりますが、そういったものについて、ある種の医療ID的なものをどうするかということにつきましては、これは、マイナンバーとは別に、もちろん、インフラは、ある程度使うということは、あるかもしれませんが、医療の中で、きちんとセキュリティーも確保された形で情報共有していく、そういう仕組みをどうつくっていくかということ。これは、保険局だけではなくて、省全体として、今、そういう検討会の報告もいただいていますので、これは、省内で情報政策を担当するところが中心になって、保険局だけではなくて、医政局などもあわせて、検討しているというところでございます。

 療養病床のほうは、お願いします。

○遠藤部会長

 お願いします。

○城課長

 医療・介護連携政策課長でございます。

 療養病床について御質問がございましたので、少し御紹介をさせていただければと思います。

 実は、先週の金曜日に、最後の検討会を行いました。そこで、粗々取りまとまっておりますが、最終文言調整をしているところでございまして、まだ、公表にはなっておりませんが、おおむね中身は了承されたということで報道が既に出ているという状況でございます。

 概略を申し上げますと、まず、介護療養病床、それから、医療療養病床のうちの25対1については、それぞれ根拠は違うのですが、今、経過措置期間の中にありまして、29年度末で、介護療養病床については、介護保険からの支払いがとまるという制度になっている。それから、医療療養の25対1について、29年度末をもって、基準の経過措置が切れますので、標準を満たさない病床になるということになっております。

 それに向けて、今は療養病床については、例えば、介護療養型の老健施設になっていただくような道であるとか、それから、既存の療養病床に転換していただく、そういう選択肢があるわけですが、さらに転換の選択肢が必要ではないだろうかということがございますので、制度的に、これを延長してほしいという声もあるわけですけれども、そういう検討をする前に、まず、選択肢の整理をすべきであるということで、今、選択肢の整理をする検討会を去年の7月に立ち上げまして、先週の金曜日に、その取りまとめをいただいたということになります。

 今回の取りまとめでは、大きく2つ、細かくは3つ類型を用意したのですが、詳細は、また、機会をいただいて御説明できるかと思いますが、それについては、これから制度の検討をしていただく、例えば、社会保障審議会のどの部会かわかりませんが、関連部会が幾つかございますので、そこでお諮りする、もしくはいろんな形を考えるわけですけれども、そこにお諮りをする前に、どういった案でお諮りするかということについて、関係者の間で、ある程度整理をさせていただいたと、そういうものになります。

 今、御質問でございましたように、今ある介護療養病床なり、医療療養病床の25対1をつぶしてしまうような報道が、もし、あるとしたら、それは誤解でございまして、私どもの整理したものというのは、それを、今、ございます病床を転換して、より生活もしくは住まいにふさわしい形にするとしたならば、どういった選択肢がいいかという形の整理を出させていただくことになります。

 もちろん、その場では、再延長を希望するという御意見もございましたが、そういったものを含めて整理をして、もうそろそろ公表したいと思っているところでございます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 武久委員、よろしいですか。

○武久委員

 はい。

○遠藤部会長

 それでは、松原委員、お願いいたします。

○松原委員

 今、介護療養病床の話をいただきましたが、医療の状況というのは、大変さまざまで、急性期から慢性期までございます。その中で、医療の療養病床と介護療養病床があったわけでありますけれども、そういったものの中で、施設の大きさが大分異なっております。つまり、現在のサービスつきのお年寄りの住宅に比べたら、部屋の大きさが大変小そうございます。6.4平米ぐらいしかないように聞いておりますが、それも踏まえた上で、現場が混乱しないように、そして、患者さんが突然外に追い出されることのないように、そこのところに十分注意して対応していただきたいと思います。

 むしろ、介護療養病床には、介護療養病床の歴史的な役目があったと、私は思っているところでございます。

 もう一点、先ほど、渡辺課長から説明がありました。マイナンバーが、全ての医療に使われるものではないと。そのような考え方は、大変大事であります。マイナンバーというのは、やはり、人に漏れますと、大変なことでありますし、一生に1つであれば、その方の、もし医療にくっつけば、病歴から何から何までくっついて出てきてしまいます。病気というのは、本人にとって良いものではありません。できれば、思い出したくないものもあるでしょうし、いろいろ個人にとって大変重要な秘密の1つであります。

 そういったことで、別のナンバーを関連づけながらもつくっていくというのは、大変いい方法だと思っております。また、そうでなければならないと思っております。

 さらに、医療のIDナンバーが使える日がかなり遠くなるとすれば、これは、何年か前に、私は提案したのですけれども、特に保険者さんにお願いしたいのは、QRコードにデータを入れていただければ、目で簡単に読むことはできません。例えば、健康保険証にQRコードを添付するのは簡単でありますので、医療機関においては、それを読み取る機械、大した金額はかかりません。それを読めば、間違った番号の請求というのは、ほとんどなくなると思いますので、目の前から始める簡単な方法があるのに、なぜ、これを行わないのかと、いつも思っておりました。実際に飛行機に乗るときでもQRコードで簡単に乗れますし、ほかのチケットもそのようになっております。まず、目の前のことから始めて、それを発展させていく。立派なものをつくって、それを一挙に使えではなくて、まず、使えるものから、便利なものから使っていったらよろしいのではないということを重ねて申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 療養病床転換に関する御意見と、医療IDに対する御意見ということですね。ありがとうございました。

 では、お待たせしました。樋口委員、どうぞ。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 後期高齢者医療制度について、白川委員や新谷委員がおっしゃいましたけれども、人口予測ぐらい近未来について確かなものはございませんから、ぜひ、本格的に論議して、後期高齢者制度のあり方というものをぜひ、この審議会でもやっていただきたいと思っております。

 それで、このお正月、私ども、友人が集まりましたら、大体80歳前後の人が集まりますと、1年間の病気自慢でございます。それで、あれよあれよと思うぐらいの病気でございまして、その中で2つ、今の医療保険政策にかかわるのではないかと思うことを思いました。みんな、御自分ないし、自分が元気なら、御亭主が必ず1年に1つや2つ病気をいたしております。

 ここの審議会で、まず、申し上げておきたいことは、みんな心から後期高齢者医療制度や医療保険について、特に高額医療費制度につきまして、心からの感謝をささげていて、もう少し医療費は高くてもいいのではないか。友人たちが、みんな中流以上だったということはございますけれども、それは、心から日本の医療保険制度に対する感謝の声でございまして、ぜひ、続けてほしいということであり、若干の自己負担なら、まだ、多少出してもいいということでしたけれども、その辺は、ちょっと二班に分かれまして、みんな中流から中流より上の人たちなのですけれども、そこそこに年金をもらっている人たちなのですが、初めて入院した、手術したなどというのは、感謝感激雨あられ、これしかないのです。

 ところが、3年、5年、人によっては、今回もがんの生存率10年生存という、決して珍しくないということが出てきましたけれども、やはり、がんになって、5年、7、8年と生存している高齢者にとっては、やはり、保険の利かない薬もあるし、やはり、医療費が安い、ありがたいとだけは言っていられないと。高齢者は金持ちだから、幾らとっても、もうちょっと出させろという意見が世論のようでございますけれども、高齢者というものほど、複数疾病、しかも長期療養ということがございますので、あながち高齢者は金持ちだからとってやれとも言えない、重複、長期にわたる病気については、やはり、高齢者だからと切り捨てないで、そのとき、そのときのケース・バイ・ケースでぜひお考えいただきたいと思ったことが1つでございます。

 もう一つ、これは、もうちょっと若い人たちからも言われたのですけれども、もちろん、65歳以上でございます。やはり、ひっくり返ったり、特に女は転倒、骨折してはいけないと、みんなで言い合っているのに、そういう人が何人もおりまして、また、これは単なるそういうケースだったのかもしれませんけれども、同じように転倒、骨折、捻挫というような形で、一人の人で救急車を呼んで行った人は入院させてもらえました。また、別の審議会に出ている人ですけれども、私の身近な人ですが、この人は、たまたま共働きの息子夫婦が、ウイークデーなのですけれども、たまたま休みだったものでついて行きましたら、断固として追いかえされました。もちろん、応急処置はとってくれたのですけれども。

 ですから、入院日数の短縮化というのは、隅々まで医療の現場に行き届いているようでございます。

 入院日数の短縮化というのは、これは、私も賛成でございますけれども、繰り返し、私申し上げておりますように、日本の家族の急激な一人暮らしとか、昼間一人の増加というのは、これはちょっと諸外国と比べても急激過ぎるほどの変化でございまして、結局、友達を動員したり、この件に関しては、せっかく医療・介護連携法ができまして、法の趣旨にも地域包括医療ということにも、私は心から賛成しておりますけれども、そういう場合に、何ら医療と介護との連携というのは、今のところ、どうやら、こういう急性期でかけつけて、うちへ帰ってもとても起き上がれないというようなときの病院側からの地域の介護への連携というのは、やっていらっしゃるところもあるかもしれませんけれども、なかなか少ないようでございます。

 確かに、ある病院で大手術のようなものをして、そして、しばらくたって家へ帰されるというときの介護保険との連携は、非常にうまくいっていると思います。

 ですけれども、今言ったような、急性期で倒れて、しばらく2、3日病院にいさせてほしいというときは断固として追いかえされ、さりとて地域の介護保険との連携も全くなかったように聞いております。これは、よろしくない一部の例かもしれませんけれども、私たち高齢者は、みんな地域の中における医療・介護連携法ということに心からの期待を持っておりますので、ぜひ、そういうことが具体的にこのようになるという姿を現場において見せていただきたい。これは、心からのお願いでございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか、横尾委員、どうぞ。

○横尾委員

 ありがとうございます。

 せっかくの機会なので、意見を申し上げさせていただきたいと思います。

 大きく2つありまして、1つは啓発の重要性をすごく感じております。医療費の増高対策あるいは日本の医療の今後によりよい健康な日本社会をつくるという意味でもある点が1つ。

 もう一つは、現場の首長として、最近強く感じていることが2点ありますので、申し上げたいと思います。

 まず、前半の啓発等のことですけれども、今日の新聞だったかと思いますけれども、国立がんセンターを中心としたデータを分析されて、がんのステージごとの、あるいは5年経過後の病床について、がんの細かいデータが各新聞に出て、大変意義ある報道になっているなと思いまして、私も興味深く拝見をさせていただきました。

 こういったことをきっかけに、国民の皆さんも、改めて早期発見が重要なこと、そして、早期治療に臨むことがとても大切なことを感じられていると思いますので、こういったデータに基づく、あるいは詳しい知見に基づく啓発ということを政府からどんどん主導して啓発をしていただきたいということを強く願っているところです。

 もう一つ、その関連でありますのが、今日いただいた資料の中にもありますけれども、去年の7月10日に開催された日本健康会議がございます。

 私も後期高齢者医療広域連合の全国協議会会長として参加をさせていただいておりますが、その会議でも政府側からも言われましたし、参加関係者代表でも発言があったことは、これまでは自治体や経済団体、その他で構成していたところに主要な保険者が全て参加して、まさに国民総ぐるみで、こういった問題へ対応していこうという中期戦略、目標を掲げて、KPIも掲げてやろうということは、大変意義あることだと思っています。

 ただ、そろそろ具体的な目標と戦略を立てていかないと、5年後、2020年という目標がございますので、ぜひ、厚生労働省なり、政府のほうで8項目ぐらいある戦略をどのように落として、単年度ごとにどのように達成していくかということを、ぜひ、発破をかけるというと、こちらがサボっているわけではございませんけれども、一緒に連携ができるようにお願いしたいと思います。

 また、その発表のときにも感じたのは、目標は、全国に多数あるうちの何割を改善するとの目標ということを掲げておられるのですが、個人的には、願わくば100%目標をいずれしなければいけませんので、それも見据えた主導、主導はちょっと大げさですけれども、アクセルを踏むようなことをぜひお願いをしたい。これも広報につながることだと思います。それらを通じて、多くの国民の皆さんが健康ということを重要に考えてくださると思っているところです。

 そこで、啓発関係の3点目では、かねてこの会議では申し上げているのですけれども、ぜひ、文部科学省等と連携をしていただいて、厚生労働省のほうで若者の皆さんへの、今度、18歳まで選挙権が下りましたけれども、健康の正しい情報を早く入手する、身につけるということをぜひお願いをしたいと思っています。

 以前もお話ししたかもしれませんが、東日本大震災被災地で、釜石では大きな震災の被害を受けましたけれども、子供たちが、学校で助かったのは、唯一、そういった訓練を受けていたということです。指導された先生にも何遍もお会いしていますが、それは、大人社会を諦めて、子供社会にかけたそうです。大人は聞いても本気にならない。そんなの来るかと思っていますが、子供たちは、授業で学ぶとちゃんとレポートも書き、各戸訪問もして、おばあちゃんに話も聞いて、自分たちでつくったシールを門に貼っていくということをしたそうですけれども、そういった真面目な子どもたちに正しい情報、これは、むしろ中高生ぐらいもっと大事なのかもしれませんけれども、将来の健康な体をつくるためにも、二十歳前後の食生活など、とても重要ですので、ぜひ、そういったことを文部科学大臣、厚生労働大臣、そして、総理大臣が一緒になっていただいて、呼びかけたり、教科書の中でもっと刷り込むとか、そういうことをぜひ積極的にしていただくことが、予防・医療あるいは医療費の課題についても適正化に資するところがあると感じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 現場からということで、2点あります。

 1つは、最近、救急隊ともお話をする機会がありましたが、実は、佐賀県内の例でいいますと、私の市が入る広域連合の広域消防、そして、鳥栖市という久留米の近くにあるところの消防本部等の数値ですけれども、1割から2割の救急車の出動は、実は病院から病院への搬送に使われています。もちろん、重篤な場合は、救急隊が行くのが適切だと思いますけれども、ごく普通の、普通というと、正確ではないかもしれませんけれども、搬送については、可能ならば、病院や医療機関に搬送用の救急車対応できる車両があって、そこにドクターやナースが乗っていただいて、行っていただくと。その間、我々救急隊は、そこに必要な時間となる1時間から2時間ぐらい救急対応のスタンバイができますけれども、「その時間は、我々は、実は出動できないのです」という話をたまたま聞いて、知り合いの市長さんたちに聞いてみると、やはり、かなり件数があるそうです。

 これを今すぐどうこうで解決できる問題ではないのですけれども、今後、高齢化が進み、また、地域のいろんな危機管理等もありますけれども、こういったことの対応も行政のほうで、少し調査をして、どのような対応が必要なのか、そこに財政措置が必要なのか、車両を準備して、あるいはドライバーとドクターとナースが必要なときに連携ができるような仕組みをつくるとか、いろんなことを検討しなければいけないのです。もちろん、このことには、地域の医師会の皆様の御理解とか、関係機関の皆さんの理解が当然必要なのですけれども、こういった課題も感じましたので、ぜひ、御検討いただくとありがたいと思っています。

 現場から感じる2つ目は、実は、29年の目標になっている国民健康保険の都道府県化に関することです。

 もちろん、重要な判断と国のさまざまな御努力によって財政措置もされて、課題とされた財政に関する調整もできて、今、緩やかにスタートして、それぞれ都道府県ごとに準備段階に入っているところです。個人的に感じていることは、単純に赤字部分の足し算、その財政負担を前のとおりやって、都道府県の役所のほうでは、その合算をして渡すだけでは、これは、余りにももったいないと思うのです。

 そこに、やはり、保険行政を担っておられる都道府県でもいらっしゃいますので、ぜひ、例えば、よりよい健康のつくり方とか、さまざまな工夫をしていただいて、医療の充実、医療の確保、そして、国保運営の健全化に向けた指導やさまざまな建設的な議論があっての実施ということがとても必要ではないかと感じています。

 客観的に現状を見ていくと、例えば、47の大きな広域自治体で、47のこういったトライアルがされることになりますので、会社でいうと、QCサークルが47できる形になります。よりよい方向はどうあるべきなのかなどについても、ぜひ、都道府県を主体として広域自治体としては、政令市とか、中核市とかございますし、小さな市町村も、当然我々も含めてありますけれども、そういったところがよりよい連携ができることと、本来目指した国保を広域運営化することによって、安定化するというか、持続可能にするということについても、ぜひ、厚生労働省のほうで、有識者の方々の知恵も借りながら、助言または指導等をしていただくことが重要ではないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 図らずも樋口委員と横尾委員、現場の立場というところから非常に有意義な御見解を承ることができました。医療保険部会の検討マターを超えている範囲も多々ございましたけれども、当然のことながら、部会のミッションの中だけの議論をするというのは、矮小化しますから、幅広い議論があって結構でございますけれども、大変有益なものも含まれておりますので、議事録にしっかりと残るという形で対応させていただきますし、事務局もまた、それなりの対応ができることがあれば、関連審議会等々に御連絡をいただければと思います。

 ほかにございますか。

 では、望月委員、お願いします。

○望月委員

 ありがとうございます。

 たくさん委員の方から、既に御意見が出ているのですけれども、いずれにしましても、今年議論すべき項目は、非常に多岐にわたっております。したがいまして、ぜひ、今後、議論すべき項目について、具体的なスケジュールを明示しながら議論を進めていただきたいと考えています。

 そうした中で、何点か意見を申し上げたいと思います。まず、3ページの9にあります定額負担、これについては、我々は何度かずっと申し上げておるのですけれども、ぜひ前向きに検討していただきたいと考えております。

 4ページ、11の病床再編等ですけれども、病床再編等については、診療報酬改定というのが重要なツールだと考えています。そうした中で、病床の定義について、地域医療構想における病床の定義と、それから、診療報酬上の病床の定義、これを近づけていくということも考えられると思います。平成30年度の診療報酬、それから、介護報酬の改定のときに、ぜひ、議論をすべきだと考えています。

 それから、9ページの24ですけれども、これも何度か御意見が出ていますが、高額療養費制度と後期高齢者の窓口負担については、ぜひ見直しを図っていただきたいと思っています。このうち後期高齢者の窓口負担については、この工程表でも矢じりが、16年、17年、2018年まで伸びていますけれども、ぜひ、より具体的なスケジュールを示しながら、議論を進めていただきたいと思っています。

 最後ですけれども、14ページの38、最後ですね。診療報酬改定の検証ですけれども、よりきちんとした議論を進める上でも、精緻な検証を行っていただきたいと考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 お待たせしました、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 年が変わりましたので、少し考えていることを述べさせていただきたいと思います。

 今の保険制度を維持するためには、1つ国にお金を出してもらう、ただ、これは限界がございます。

 もう一点は、若人にお願いしてお年寄りの費用、後期高齢者の分を出していただく。ただ、これも若い人に余り負担をお願いするのは、なかなか難しゅうございます。考えてみれば、国民全体、全員で国民を支えるというこの制度でありますが、やはり、どこかに負担がかかり過ぎると、これは大変であります。しかし、後期高齢者になられた方の医療費は、確かに、今から大きくなるわけでございますが、先ほどのお話にもありましたように、高齢者の方々は、いろいろな費用の支出があります。病気になったとき、かなり多く払わなければならない、その頻度が上がります。そんなことを考えると、お年寄りから一遍にお金を出していただくのは難しゅうございます。
 そこで、新年で考えていたのですが、お年の方のおうちなども、次に住んでおられる方があれば、転売することはできませんが、ある程度、亡くなられたときに、生きている間ではございません。亡くなられたときに、例えば、社会保障の御礼を少しいただくと、つまり、自分の人生が終わったときに、自分の持っている資産から娘や息子さんに出すだけではなくて、やはり、社会保障のほうに少し出していただく、税ではなくて、社会保障御礼金みたいなものを考えれば、その人たちが生きている間は、負担せずに亡くなってから、自分は、それに貢献するのだという形、そういった、これは、本来政治家にお願いすべき話かもしれませんが、新年に当たって、何とかこの制度を維持して、国民の健康を保つためには、何かパラダイムを大転換していろんなことを考えねばならないのではないかと思いまして、こういったところで、お話をすれば、少し賛同者もふえるかなと期待してお話ししているわけであります。

 少しミクロに戻りますと、同じことが、お年寄りに別の次元で起きます。娘さんや息子さんに家を買って、自分が施設に入ったりするときに、家を売りますと、大変次年度から負担割合がふえてしまいます。一生懸命やったことが、結局、負担割合がふえてしまいますと、介護保険も医療保険も収入はないのに、一時的な所得で負担しなければならない。これは、私、患者さんからよく聞きます。一生懸命ためていたけれども、とりあえず家を売って、施設に入って、ところが、そうすると、後が大変なのですと。

 そういったときに簡単に考えれば、国保でも社保でも、特に国保の費用については、一時所得を控除して考えていただければ、比較的よいのかなと。

 つまり、金融資産を持っている人もあれば、土地、建物で持っている方も資産はあります。そういった資産において、移動が起きたときに、それを所得と見なすのではなくて、実際に、その方が苦しくないようにしていただく制度を1つ創設してもいいのかなと思っています。マイナンバー制度ができれば、最終的には、個々の人が持っている資産が明瞭になってまいります。

 そういったことも踏まえて、少し新たな方向から、この医療制度を保つこと、小さなことで言い合いをしながら、ああだ、こうだと言うのではなくて、もう少し大きな目で考えられないかなと、新年に当たって思ったところでございます。意見でございます。

 ちょっと唐突もない意見でございますが、皆さんに1回説明すると、もしかしたら賛同者がふえるかなと思っての話でございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 医療費の負担についての御見解をおっしゃったわけです。お正月にふさわしかったかどうかはちょっとわかりませんけれども、こういうお話は、大変、こういうときでないと、なかなか言えませんので。

 ほかにございますでしょうか。

 よろしゅうございますか。例えば、最初の予算のところでも結構でございますけれども、何かあれば、この際ですので、御意見を承りたいと思いますが。

 特に御意見がないということであれば、本議題につきましては、これまでとさせていただきたいと思います。

 改革の工程表にも当部会に関係する検討事項の中には、2016年末までに結論を出すとされている項目もございますし、それから、先ほど委員の何人かの方からスケジュールをちゃんと考えて今後の議事運営をするべきだというお話もございましたので、事務局としましては、十分な議論が当部会でもできるような、時間的な余裕を考えながら、準備をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後でございますけれども、昨年12月2日の当部会におきまして、私に御一任をいただきました28年度の診療報酬改定の基本方針、これを最後の資料としてつけてございます。実際には、これで既に中医協は議論をしているわけでございますけれども、医療保険部会では、最終的には、まだ、皆様にお披露目しておりませんので、ここにつけさせていただきました。

 説明は、本日は省略したいと思います。

 大体用意した議題は、以上のとおりでございますけれども、何か皆様ございますでしょうか。よろしゅうございますか。

 事務局は、特によろしいですね。

○渡辺課長

 はい。

○遠藤部会長

 それでは、予定した時間には、まだ大分時間はございますけれども、本日は、これまでとさせていただきたいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡するようにお願いいたします。

 本日は、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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