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2016年3月23日 第9回環境自主行動計画フォローアップ会議 議事録

政策統括官付労働政策担当参事官室

○日時

2016年3月23日(木)16:00~18:00


○場所

厚生労働省 国際課会議室


○議題

(1)所管団体ヒアリング
(2)議論
(3)その他

○議事

○佐藤補佐(厚生労働省) 若干早いですが、定刻となりましたので、ただいまから第9回「厚生労働省環境自主行動計画フォローアップ会議」を開催いたします。

 皆様におかれましては、お忙しい中、御出席を賜り、まことにありがとうございます。

 私、厚生労働省労働政策担当参事官室の佐藤と申します。本日はよろしくお願いいたします。

 会議に先立ちまして、厚生労働省より一言御挨拶させていただきます。

○安藤統括官(厚生労働省) 厚生労働省の政策統括官を務めております安藤と申します。よろしくお願いいたします。

 本日はお忙しい中、皆様方にはこの会議に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

 この会議は、本日で9回目となっております。例年、委員の先生方からは、大変貴重な御指導・御助言を賜っておりまして、御出席の事業者団体の皆様方におかれましては、先生方からの御助言等を自主行動計画に係る取組に反映して進めていただいていると伺っております。

 昨年12月に、地球温暖化対策推進本部において決定されました今後の取組方針に基づきまして、現在、新しい地球温暖化対策計画の策定を進めているところでございますけれども、新しい計画が策定されるまでの期間は、平成25年3月15日地球温暖化対策推進本部決定に基づきまして、京都議定書目標達成計画に掲げられたものと同等以上の取組を推進することとされているところでございます。各団体の皆様方には、引き続き取組を継続していただきたいと考えております。

 私からの冒頭の御挨拶は以上でございますが、本日、短い時間でございますけれども、貴重な意見交換がなされるように願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○佐藤補佐 大変恐縮ですが、安藤は所用によりここで退席とさせていただきます。

○安藤統括官 恐れ入ります。よろしくお願いいたします。

(安藤統括官 退室)

○佐藤補佐 それでは、今後の進行につきましては、森口座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○森口座長 森口でございます。座ったままで失礼いたします。

 この厚生労働省の環境自主行動計画フォローアップ会議は随分前からおつき合いをさせていただいておりまして、何回目かと数えながらこちらへ参っておったのですが、先ほど統括官からの御挨拶で、もう9回目ということで、かれこれ10年近くということになります。私自身、中央環境審議会の臨時委員として、環境省の所管業種のフォローアップ、並びに現在、経済産業省の所管業種のフォローアップは産業構造審議会のもとで行われておりますけれども、中央環境審議会のほうからも出席をさせていただけるということで、私自身は環境省、経済産業省所管業種のほうのフォローアップにもおつき合いさせていただいております。長年、こちらの厚生労働省の所管業種のフォローアップのほうにも携わらせていただきましたので、今年度もどうかよろしくお願いいたします。

 本日、残念ながら、高村委員、吉田委員は所用のため御出席いただけませんでしたけれども、本日の会議内容につきましては、事務局からあらかじめ両委員に提供するとともに、御意見を頂戴することとなっておったということでございます。

 また、今回は中津委員にかわり、新たに佐藤道夫委員が就任されましたので、御紹介申し上げます。

 一言御挨拶をお願いできますでしょうか。

○佐藤委員 佐藤と申します。

 私は、2011年8月まで日本製薬工業協会の環境安全委員会の委員として11年半、そのうち委員長として2年間、それから日本製薬団体連合会の環境委員会の委員として3年半、そのうち2年間を副委員長として務めさせていただきました。

 また、35年間勤めましたエーザイ株式会社を、2012年3月に退社して、現在に至っております。

 長年、地球温暖化問題を中心とした環境問題の対応に努めてまいりましたので、この環境自主行動計画フォローアップ会議の委員をさせていただくことになったものと思っております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○森口座長 それから、昨年度同様に、経済産業省及び環境省の御担当の方にもお越しいただいているところでございます。本日はよろしくお願いいたします。

 なお、経済産業省、環境省の御担当者は、よりよい自主行動計画の策定・フォローアップに向けて、各団体へアドバイスをしていただくオブザーバーという立場で御参加されておりますので、御意見等を求める際、その旨御留意いただければ幸いでございます。

 それでは、早速ですけれども、議事に入らせていただきます。まず、事務局から本日の資料及び進行の説明をお願いいたします。

○佐藤補佐 クリップどめさせていただいております資料をご覧ください。

 本日の次第、出席者の方々の名簿、配付資料一覧の1枚紙、そして資料が1~5と参考資料という形になっております。

 あと、生協様から御提出していただいていますA3の折られているものですが、こちらに関しましては、会議が終わりましたら机上に置いたままお帰りいただきますようよろしくお願いいたします。

 何か不足のもの等がございましたら、お申しつけいただけますようよろしくお願いいたします。

 本日の会議の進め方ですけれども、生協、製薬、私立病院の3団体から低炭素社会実行計画における取組に対するヒアリングを行ってまいります。ヒアリングは順次行っていきますが、説明15分、質疑15分という流れで、生協、製薬、私立病院の順番でお願いいたします。説明時間は、恐れ入りますが15分厳守でお願いいたします。

 ヒアリング終了後に全体の質疑を15分程度設けさせていただく予定ですので、委員の皆様方におかれましては3団体からのヒアリングの結果を踏まえて御議論いただければと思います。

 なお、本日の会議は2014年度の評価を目的としておりますので、その観点からの御説明、御議論をお願いいたします。

 以上でございます。

○森口座長 ありがとうございます。議題、資料等についてよろしいでしょうか。

 それでは、早速ですけれども、各団体からのヒアリングに移らせていただきたいと思います。

 本会議は、皆様、特に以前からお務めの委員におかれましては御承知かと思いますけれども、新しい委員の方もいらっしゃいますので、手順を簡単に御説明させていただきますと、各団体が作成した自主行動計画について、その実施状況を御説明いただき、評価し、同計画の着実な実施を図ることを目的として設置をされた会議でございます。

 各団体の御説明、委員の皆様の御意見等は、会議の趣旨に即したものとしていただくように、どうぞ御協力をお願いいたします。

 それでは、大きく分けまして3業界ございますけれども、先ほど御説明がございましたように、最初にまず日本生活協同組合連合会の取組を御説明いただきたいと思います。生協につきましては、組織推進本部長の笹川様、地域・コミュニティー担当部長の宮地様から、15分厳守で御説明をお願いいたします。

○宮地担当部長 日本生活協同組合連合会から私、宮地が御報告をさせていただきます。資料2をご覧ください。

 1.で本報告の要旨をまとめております。

 まず、(1)が「温室効果ガス総量削減長期計画」という名称でこの間、取り組んでまいりました。2020年度に基準年度である2005年度比で15%削減するということを目標にしております。

2014年度の結果は、排出総量で743,918トン。前年比で97.2%、2005年度基準年比で86.9%となりますので、13.1%のマイナス、ほぼ計画に沿った進捗ではないかと思っております。

 原単位で見ますと、前年比は97.4、基準年比は81.2%となっております。

 主な削減要因を業態別に見ますと、店舗業態が非常に進んでおりまして、特にこの間、LED照明などへの切りかえや機器類の更新によりまして、省エネ型の店舗、エコストアのコンセプトに準じた出店が増えてきたということが大きな要因だと思っております。

2016 年度以降の新たな取組としましては、この間少し内部で検討を進めている2020年度以降の温暖化防止の計画を2016年度中に策定したいと考えております。

 また、使用する係数も変更いたします。この間は2005年度の電事連平均の排出係数を使っておりましたが、固定係数という特性上、実態と若干乖離してきているということもございました。そこで、他社に切りかえた部分につきましては、その事業者の係数を使用するように切りかえていこうと考えております。ただ、省エネの努力結果をきちんと把握するという点では、やはり固定係数に準じた計算も必要ですので、2016年度からは固定係数と変動係数を組み合わせたやり方で集計していこうと考えております。

 下のほうには、ざっとこの計画の概要についてまとめております。

 まず、集約生協につきましては、2013年度が47会員生協だったのに対し、2014年度は会員生協が48生協、事業連合が7の合計56団体になります。内訳としては、2つ生協が増えて、1つ減りました。具体的には、トヨタ生協からの報告がなく、コープみらいと青森県庁生協から新たに報告があり、合計で1つ増加しました。

 次のページの(3)には「生協(地域生協)の概要」がございます。事業連合を含めて地域生協数144の中で、56の生協からこの計画の報告をいただきました。生協数の割合では38.9%ですが、供給高比率は全体の82.5%に当たっています。

 3.の2014年度の総量削減計画の結果について細かく見ていきますと、参加生協の全体の状況につきましては、先ほど申し上げたように店舗が進んでいます。店舗業態だけで見ますと、基準年比が78.7%という状況です。

 一方で、共同購入宅配事業につきましては、事業が伸長した後という要因もあり、基準年比で約120%の排出量となっております。

 この「エコストア・コンセプト」ですが、店舗の仕様、運用、設備の3点について、ガイドラインを定めたものを2013年度につくっております。具体的に申し上げますと、まず仕様について店全体のレイアウトの見直しといったことに言及しております。また、運用について、照明や空調、冷凍・冷蔵機器等の使い方について言及しています。3つ目が設備面ですが、より省エネタイプの設備の導入などを挙げています。この3つについて生協全体で発信をして、この間、取り組んできたということです。

 次の3ページを見ていただきますと、排出実績が書いておりますので、これは業態ごとにお読み取りをいただければと思います。一番右端の前年比をご覧いただきますと、店舗、生産施設、本部、このあたりが減っておりますが、逆に、共同購入・個配は増えております。基準年比でいっても、物流は若干増えている。福祉施設については、基準年ではあまり福祉施設がございませんでしたので、ここは大幅に業態が増えたということがあり、基準年比は1,020%という数字になっているという状況です。

 下の棒グラフをご覧いただきますと、ほぼ全体の2分の1を店舗が占めているというのがおわかりいただけるかと思います。

 続きまして、4ページにまいります。

 円グラフは、先ほど申し上げたものを円にしたものです。

 もう一つ、2)に原単位のCO2排出量が書いておりますが、これにつきましては、供給高が未報告の生協があるために、あくまでも参考数値として出させていただいております。

 お手元に当日資料で配らせていただいております一覧表ですが、個別の会員生協の供給高を全部載せているという点で、当日配付のみにさせていただいております。線が引いてある生協から報告がなかったということですので、これらについては原単位での把握ができていない状況です。来年以降、それを改善していきたいと思っております。あくまでも参考データです。

 4ページに戻ります。まず、マル1供給高1億円当たりのCO2排出量を見ますと、2014年度は基準年に81.2%、前年比97.4%、若干効率は改善されたという状況にございます。ただ、マル2に書いてありますように、業態別に違いがありまして、共同購入・個配事業につきましては、基準年比104.7%と増加しております。

 その要因は次のとおりです。これまで、御家庭にお届けするために、冷凍商品にはドライアイスを入れておりましたが、ドライアイスを使い続けることがどうかということもありまして、この間、蓄冷剤に切りかえを進めてまいりました。その結果、蓄冷剤の冷凍庫の電力使用量が増えたということもあり、業態別に見るとここがプラスになったということです。

 また、夕食宅配事業をこの個配事業・共同購入事業の中で進めてきておりましたので、これが若干増加してきております。夕食のお弁当を高齢者の方にお届けするという事業の負荷がここに入ってきたということです。

 もう一つは、業態そのものが伸びてきて配達ポイントが増えたということも増加の要因になっております。

 次に、5ページにまいります。

 会員生協の状況の前年度よりも削減できた生協の数で見ますと、昨年の報告のときは30生協だったのに対し、今回2014年度は38の生協が前年度よりも削減できたということで、若干ここも進んでいるかなという印象を受けております。

 原単位につきましても、昨年の場合は31生協が削減できたのに対して、今年は38生協と、やはり少し伸びている状況です。

 4.は、具体的な取組との関連になりますけれども、(1)に書いてありますように冷凍機のショーケースの庫内温度管理、あるいは空調のフィルターの清掃などについては実施状況75%と回答をした生協が全体の生協の7割を占めております。日常的にこういった運用管理を進めたということが成果だったと思います。

 また、ベース照明やスポットライトへのLED化の導入も進みました。

 ただ、課題としましては、自然冷媒への切りかえについては、まだ十分できておりません。それぞれの生協で、一部の店舗では導入を進めておりまして、例えばコープみらい、あるいは長崎のララコープ、みやぎ生協などでは幾つかの店舗で、エコストアの中で自然冷媒に切りかえている店舗があります。

 次の6ページは、今申し上げた運用改善・設備改修のどれぐらい進んでいるのかということをまとめた表です。

 やはり高いのが運用改善の部分、逆に言いますと、設備改修につきましては、投資計画と関連するということもありまして、まだ十分にできていませんので、今後これから計画的にどう進めるのかということが課題になっております。

 7ページの「(2)2014年度の業態別の取り組み」の中で、店舗業態につきましては、先ほど申し上げましたエコストア・コンセプトに準じた出店をどれだけ行ったかということを調査した結果、14の生協で実施しているという回答がありました。

 一番下の一覧表が全店舗をプロットしたものなのですが、先進的なエコストアと思われるものが3つございます。店舗規模に応じて緑の点が下のほうに3つあるかと思いますが、これが該当店舗です。こういったところが店舗規模別に非常に省エネが進んだ店舗になりますので、今後のスクラップ・アンド・ビルドや新店開設のときに、エコストアを導入することで、店舗については今後もまだ削減の余地があるのではないかと考えております。

 その一方、次の8ページに書いてありますように、店舗で削減が進んだもう一つの要因として、把握できる限りですが、63の店舗が閉店したことが考えられます。このように、事業の縮小がCO2の削減につながっているということもあります。

 続いて、2)は共同購入・個配事業になります。

 この間、4年間の比較で見ましても、ディーゼル車への更新が結構進んできております。一時NoxPMの問題で、ディーゼルからガソリンに一旦切りかえが終わりましたけれども、今度は逆にCO2排出量を考えて、ディーゼルが増えていっているという状況にあります。これに関して言いますと、この間BDFを使用してきており、廃食用油をディーゼル車の燃料に使用するという動きが全国の生協でありましたが、新型車両では導入できないということが実験でわかってきましたので、今後それをどうするのかということが課題となっています。次世代の自動車については、今年度から研究を行っていきたいと考えています。

 9ページでは、「(3)再生可能エネルギーの発電と自家消費」について少し触れております。

 日本生協連と全国の生協は、2020年の時点で全国の電力使用量の約2割に相当する電力を再生可能エネルギーで賄おうという目標をつくっています。設備容量で100MWを達成しますと、ほぼそれが賄えるという状況です。現在、2015年度で5060MWという状況になっておりますが、これから先、太陽光発電の伸びが鈍化することを考えますと、風力とか小水力とかバイオマスをこれからどれだけふやしているのかということが課題と思っております。

 また、カーボン・オフセットについても、3生協、1事業連合で実施された状況にあります。

10ページは、それ以外の取組についても少しまとめました。

 間接的な取組となりますけれども、まず、商品のCO2削減につきましては、カーボンフットプリントの対象商品を53品目に増加いたしました。商品を通した認知を高めようということもやってきております。

 また、2)には、容器包装の削減に伴うCO2排出量の削減がございます。これらの間接的な取組は計画の算定範囲には盛り込んでおりませんけれども、計画外でやってきたこととして御報告いたします。

 詰めかえ商品の普及については、現時点で34種類。それから、多くの生協の店頭回収、あるいは宅配事業の回収で、容器包装のリサイクル、レジ袋の削減にも取り組んでいます。

 また、マル3に書いているように、生協が自分の力でリサイクルセンター、エコセンターを立ち上げるという動きがこの間進みまして、2015年度までで8生協で導入されています。これらについても、今後増える見込みで考えています。

 リサイクルにつきましては、11ページの一覧をご覧いただければと思います。比較する年度によって情報をいただいた生協が若干違っておりますので、前年比はあくまで参考データですが、数量としてはほぼ毎年これぐらいのリサイクルを実施しているということがおわかりいただけるかと思います。

 最後に12ページです。現計画の見直しと補強について(3)で触れています。2020年度以降の温暖化防止自主行動計画については、この間、温暖化対策研究会という会を設置して、試算も含めて検討を進めてまいりました。そのなかでは、2050年度の目標を設定し、そこからのバックキャスティングによって算出した2030年度の排出量と、現在のCO2削減状況のトレンドをふまえて算出した2030年度の排出量がほぼ整合するという結果になりました。こうした試算を見る限り、2030年を目標年とした2020年以降の計画づくりも可能との感触を持っています。2016年度に具体的な検討に入り、数値を確定したいと考えています。

13ページに書いておりますが、この総量削減計画とは別枠で、フロン排出抑制計画と、再エネの発電計画を策定しまして、この3つを温暖化防止の重要計画と位置づけていきたいと考えております。

 あとは、15ページの7.に、前回の指摘事項と対応について書かせていただいておりますので、またお読み取りをいただければと思います。

 私のほうからは以上でございます。

○森口座長 ありがとうございました。ただいまの日本生活協同組合連合会様からの御説明につきまして、御質問、御意見がございましたら、委員のほうからお願いしたいと思います。

 まず、内山委員、お願いします。

○内山委員 ただいまの説明を聞きまして、着実に削減努力をされているということがよくわかりました。現時点で15%の目標に対して13.1%と、これは高く評価できるのではないかと思います。

 それで、取組について幾つか確認したいことがあります。まず第1点はカバー率の問題なのですが、現在56生協の方が参加されていると。これは2005年の基準比から見て、カバー率は店舗数並びにCO2排出量を含めて向上しているのか、あるいは下がっているのか、その辺はどうなのでしょう。ちょっとデータがなくて、わからなかった。

 2点目ですが、エコストアのガイドラインは非常にいいものをつくられたなと感じていまして、この効果が一部出てきたということなのですが、先ほど、図でどういった店舗で取り組んでいるかというのが緑で示されましたけれども、まだ3店舗かという感じだったのですね。それで、もう効果があるのかと。これをもっと広げたら大変な効果になるのではないかなという印象を持ったのですが、今後、それに対してどういった取組を考えられているのかということですね。それについて御説明いただければと思います。

 3番目は、前回の審議でもありましたけれども、輸送部門はどうしてもいろいろな社会のニーズを合わせると増えてしまうということなので、仕方ないところもあると思うのですけれども、よく言うと、やはりディーゼル車とかガソリン車といった排出量の大きいものをかなり使っているということなので、今後もう少し効率のいい、お金の問題もあると思うのですが、そういうものへの切りかえはどのように考えられているのか。

 最後に気になるのは、今後、2030年に向けてますます削減目標を高めていくということになりますと、今までは運用努力で何とか削減できていたということだったと思うのですけれども、そろそろ設備を更新したり、そういったものに投資が必要になってくることも考えられるのですが、それはかなり生協さんの経営を圧迫するものなのかどうか、その辺の見通しを聞かせていただければと思います。

 以上です。

○森口座長 ありがとうございました。

 4点いただきました。もし今、内山先生から御指摘のあった4点に関連することでほかの委員さんから何かありましたら。ほかのところがあれば、また改めてお願いしますが、関連する御発言があれば。

 では、江原先生、お願いいたします。

○江原委員 ページのない7ページのエコストアのグリーンが、先進的エコストア以外は特に低いように見えないのですねという点が1つ。

 だから、先進的とそれ以外ではどこが違うのかと。それから、特に売り上げが小さいほど分散が大きいので、改善の余地が非常にあると思うのですね。この辺をどうお考えかというのが1点です。

 4ページの共同購入と個配の話なのですが、結局夕食宅配を始められたということで、より非効率な配送が増えていると思うのです。少子高齢化でさらにそうなると思うのです。そういう意味では、この辺で何か新しい提案を考えないと、悪化する一方ではないか。ただ、これは素直に御報告いただいたので、459.3ですから、店舗よりは圧倒的にこちらのほうが省エネなことは確かなので、以上2点関連して。

○森口座長 ありがとうございます。

 それでは、私もちょうど少し補足でお伺いしたかった点を今、江原先生のほうから関連しての御質問があったのですが、1点目がまずカバー率、2点目はエコストアについては、3店舗は非常によく見えるのだけれども、ほかのこのグリーンもエコストアということなのですが、どうもばらつきが多くて、私も気になったのは、エコストアの中でもかなりばらつきが上のほうに位置しているものもありますので、これがどういう状況なのか、もしわかれば教えていただきたい。

 3番目の輸送に関して2つポイントがありまして、内山先生からは、恐らくより低炭素な車、ハイブリッドであるとか、場合によってはさまざまな技術的な改善があり得るのではないかということと、それから江原先生からは、宅配、特に個配なども増えているけれども、多分原単位で見るとこれは、供給高ベースで言えば店舗よりもいい部分もある、そういう中でも、個配事業の中での原単位はどうなっているのかというのはちょっと気になってくる。

 4番目は設備更新等に関して内山先生のほうから御質問があって、4点、では順次お答えいただきますでしょうか。

○宮地担当部長 まず、カバー率なのですが、年度によってCO2排出量の報告をしてくださる生協が異なるため、カバー率も年度によって変動するというややこしい問題があります。そのため一概には比較できないのですが、基本的には供給高比率を80数%でずっと推移しているという状況にあります。8割を切るということはありませんでした。

○内山委員 それを増やす努力はしていないのですか。

○宮地担当部長 しております。実は今年も何とか3生協ほど声をかけまして、そのうち2生協は新たに追加となりました。うち、コープみらいにつきましては、これまでコープネット事業連合として報告を受けており、個別にはいただいていなかったものを、今回あらためて個別に報告してもらったという関係です。したがって総量としては把握できる量は変わっていないのですが、結果的に対象生協の数が1つ増えたという状況です。

○内山委員 1つでは少ないので、もう少しふやしていただきたいなという感じがしますね。

○宮地担当部長 はい、わかりました。

○森口座長 ちなみに大体80数%というのは供給高ベースということですね。事業者ベースで言うと、やはりカバー率はもう少し小さくなっていくのでしょうか。つまり小規模な生協のほうがやはり参加率が低いということになりますか。

○笹川本部長 資料の2ページにもありますけれども、数ベースで言うと38.9ですので、比較的小さな生協のほうが、スタッフの余力の問題もあって、なかなか御報告をいただける体制がなかなかとり切れないというのが正直なところです。ですから、供給高ベースでのカバー率を維持・向上させていきたいと取り組んでいます。

○森口座長 供給高ベースの原単位が同じであるとすれば、ほぼエネルギーなりCO2のカバー率としても82.5%、8割台ぐらいであるということの理解でよろしいでしょうか。

 それでは、次の2番目にエコストアをお願いします。

○宮地担当部長 7ページが該当ページです。表現の仕方が悪かったのかもしれませんが、エコストアは下の3つだけではありません。グリーンでプロットしておりますのが、報告いただいた会員生協がエコストアと位置づけている店舗ということです。したがって、生協のなかには、エコストア以外の店舗でもかなり運用改善を行い、S&Bによって機器の更新を進めている店舗も当然あります。そういった点ではエコストアと銘打っていない店のほうが逆に高いという場合もあったかと思います。あくまでも推測ですが。

○内山委員 先進式と書いてあるけれども、なぜ上の緑はエコストアの中でも先進式ではなかったのですか。

○宮地担当部長 結果として非常にすぐれた取組をたくさんしておられて、それが数値としても上がっているということです。

○内山委員 ガイドラインをつくってすぐれた取組はこうやるのだと指導しているわけではないのですか。

○宮地担当部長 メニュー提案はしているのですけれども、例えばそれを全てクリアしている店舗だけエコストアと位置づけるというような厳密な運用ではありません。

○内山委員 そういうことですか。

○宮地担当部長 あくまでもガイドラインですので、生協によってはそれができないということがございます。

○森口座長 自己宣言的なものと考えてよろしいですか。生協の皆さんが何かガイドラインをお示しになって、それに沿ってやっているよと。ただ、やはり上のほうに位置するところはそう名乗っていただくと、ちょっと具合が悪いかなという気はするので、ある種の評価とか、(エコストアと)言っていいかどうかというあたりをチェックをかけていただくほうがいいのかなと。今のやりとりで。

○内山委員 透明性から見て、そのほうがいいですね。

○佐藤委員 今の点でちょっとよろしいですか。このグラフですけれど、相関曲線の下側が効率がいいと見られているのだと思うのですが、この緑の点を3つ結ぶよりも、下の赤い点を結んだほうがより先進的ではないかというのと、2,500平方メートルぐらいのところの緑の点は縦にかなり広がっています。そうすると、何が結局エコストアなのか分からなくなります。エコストアの推進は非常にいいことをやられているというのはよくわかるのですが、このグラフだけからは言えないような気がします。説明の仕方を工夫されたほうがより伝わるし、効果が広がっていくのではないかという気がします。

○森口座長 どうぞ。

○村田委員 図-4中の先進ストアの緑色の3点は排出原単位が極めて低く、また別の緑色1点は300を超えています。これらを見ていると、地域差を考えざるを得ません。例えば沖縄であれば、平均気温が高いので冷凍庫・冷蔵庫の消費電力が高く、北海道であれば消費電力は低くなりますね。このような地域差を加味しないと、善し悪しを判断できないのではありませんか。

○森口座長 貴重な御指摘ありがとうございます。私も同じようなことを感じていました。せっかくエコストアと名乗っておられるので、だけどこれだけばらつきがあるわけですから、なぜこれだけ違いが出てしまったのかということを、ぜひ店舗のほうに御協力をいただいて、要因の解明に御協力をいただくと、非常にばらついているので全部というのは大変だと思いますので、オレンジのほうですね。特にエコストアを名乗っておられるところの間でも、これだけ違いが出てくることの要因など、もし次年度お聞かせいただければありがたいなと思います。

 エコストアの件、よろしゅうございますか。

 それでは、輸送部門の件をお願いいたします。

○宮地担当部長 ここはちょっと悩んでおります。有効な手だてがなかなかないというのが現状です。会員生協は、車両共同調達事業という枠組みのなかで、日本生協連が選定した車両を共同でリースしています。そのため、例えばハイブリッドの1トントラックをつくってもらえないかと、車両研究会で検討したこともありました。しかし、バッテリーの大きさの問題など、メーカー側で難しいということがあったと聞いています。そうしたこともあり、一旦研究会がストップしている状態ですので、引き続き研究を進めていく必要があると考えています。

○森口座長 個配購入といいますか、店舗より個配が増えているということの全体の影響はどう捉えておられますか。

○宮地担当部長 やはり配達ポイントが増えることになりますので、それはあると思いますね。ただ、状況としては、グループから個配にというのはもう全国の情勢ではありますし、これからも進むと思います。

○森口座長 店舗に比べて共同購入的なもののほうが当然効率は高いと思うのですが、やはり店舗でなくて同じ配送でも、やはり共同購入のほうが個配より当然効率は高いわけですよね。

○宮地担当部長 効率はいいですね。

○森口座長 共同購入と個配との比較みたいなところまではなかなか難しいですか。

○宮地担当部長 そうですね。データとしてその区分けはできておりませんのでちょっと難しいと思います。

○森口座長 一つの会員生協さんの中でも両方やっておられるケースがあるのか、あるいは共同購入だけ、個配だけという生協さんもおありなのですか。

○宮地担当部長 生協によって、このトラックは個配だけ回ると設定しているところもあれば、一つのトラックがグループも個配も両方回っているところがありますので、ちょっとそこも情報が集められない状況です。

○森口座長 ありがとうございました。

 それでは、最後に内山委員のほうから御指摘のあった、運用努力だけではなくて、かなりの設備更新的なものも必要になるのではないかという御指摘ですが、いかがでしょうか。

○宮地担当部長 ここはおっしゃるとおりで、特にフロンの問題もありますので、今後、例えば自然冷媒だけをとっても計画的な導入が必要なのですが、そこがやはり投資との兼ね合いもありまして、一気に変えられないという問題もあります。ここはやはり長期的な視野を持って、事業計画に則した削減計画を会員生協で落とし込んでいただくしかないかなと思っています。

○内山委員 これまでの取組で、生協さんの営業といいますか、それに温暖化政策が悪い影響を与えたという印象はありますか。

○笹川本部長 悪い影響を与えたということは決してないと思います。ただ、今、設備投資の話がありましたが、これからを考えますと、相当な投資金額になるのは事実です。思いつきで投資するわけにはいきませんので、それなりに圧迫する可能性はあります。そういう意味では、かなり計画的に、中長期計画を立ててやっていかないとなかなか投資し切ることができないという認識をもっています。

○森口座長 ただ、あくまで偶然ですが、多分5年ぐらい前に想定していたものに比べると電力価格が高いですから、結果的には投資が収益面でもプラスのほうに働く結果にここ数年は多分なっているのではないか、今後の御判断が大変難しくなりますね。

○江原委員 照明と冷暖房と什器ですね。これは店舗の競争力それ自体にすぐかかわりますから、喫緊だと思うのですね。言葉は悪いけれども、生協さんとして太陽光発電よりは重要なのではないですか。

○笹川本部長 現在の全国の店舗業態の状況につきましては、比較的、黒字の店舗より赤字の店舗の方が多い状況です。そのため、どうしても投資が後回しになってしまいがちです。単体で赤ですので、そこに投資がなかなかつきづらく、スクラップ・アンド・ビルドもやや遅れ気味という状況です。投資すれば削減効果があることは認識しているものの、こうした実態からなかなかやり切れない生協もかなり多いというのが正直なところです。

○内山委員 赤字になっているのは、温暖化対策が要因なのですか。

○笹川本部長 いえ、それは私どもの力量の問題です。

○森口座長 恐らく比較的うまくやっているおられる店舗については、投資も多分ある段階でわりにやっていたのではないかなと。そこから先に拡大するのが難しいし、まだ投資をされていない店舗については、なかなか今の状況から難しいという状況でしょうね。

○内山委員 2030年の目標というのは、そんなに高い目標は掲げられないという感じも出ますか。そうでもないですか。

○笹川本部長 環境へ与える影響を考えるならば、やはり意欲的な目標をつくることが大切と考えています。2050年なり2030年に、生協としてどういうふうな姿でありたいかということをまず考え、そこから目標を設定していきたいと思います。

○内山委員 それはいつごろ発表されるのですか。

○笹川本部長 関係する生協の合意をとっていくのがなかなか難しいものですから、これからという形になるかと思います。

○森口座長 非常に対話的に議論が進んで、ふだんに比べると非常にアクティブな議論が進んでおりまして、あっという間に持ち時間といいますか、予定の時間がほぼ来ているのですが、佐藤委員、先ほどから手を挙げておられましたので、どうぞお願いいたします。

○佐藤委員 2点お聞きしたいのですけれども、1つは、電力自由化に伴って、環境負荷を考慮して切りかえた分はその電力の排出係数を使おうということは、その係数を使うインパクトは結構大きいと考えられているのですね。変わらなければわざわざ変えることはないと思うので。今、再生可能エネルギーを中心に販売している会社はまだ非常に少ないですが、全体に与える影響は大きいのでしょうか。また、今、使われている0.423よりも高いところから買った場合、係数はどうされるのですか。

○宮地担当部長 当然高くなります。

○佐藤委員 高いので計算されるのですか。

○宮地担当部長 そのとおりです。したがいまして、今回の変更にともない、減る生協もあれば、逆に増える生協もありえます。むしろ増える生協の方が多いかもしれません。

○佐藤委員 環境負荷を減らすために選んでいるわけですから、そういうところは普通のところから買うより高いわけですよね。高くても買おうという意思を示されているのでしょうか。

○宮地担当部長 ある意味そうです。逆に安くて係数の高い電気を買うと、排出量としてはもっと高くなるということです。

○佐藤委員 消費者を相手にしていると、環境負荷の少ない所から買うことは、ある意味でPRにもなるかもしれませんね。

○森口座長 毎年電力の購入の問題は各業界共通の問題でございますので、時間があれば最後の総合討論的なところで再び取り上げさせていただきたいと思います。まだ、御質問、御意見があろうかと思いますが、時間がやや超過気味でございますので、生協連さんの御説明とそれに対する質疑は、ここで一度締めさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 続きまして、日本製薬団体連合会の御説明に移らせていただきます。

 環境委員会委員長の登坂様、同じ環境委員会の山野様より御説明を同じく15分でお願いいたします。

○登坂委員長 お手元の資料3-1と3-2がございます。3-1がパワーポイントで、3-2がワードの作成報告書です。本日は、全体は報告書の中に全部盛り込まれているのですけれども、そこの要点をパワーポイントでつくりましたので、パワーポイントを中心にして御説明させていただきます。

 資料構成は、昨年とほぼ同じ状態であります。

 スライド2ページをご覧ください。数値目標は、一番上にございます2020年度の二酸化炭素排出量を、2005年度排出量を基準に23%削減するであります。対象は、日本製薬団体連合会、略して日薬連ですけれども、そこの傘下の14の業態別団体の工場及び研究所でエネルギー起源の二酸化炭素であります。この資料の中に入れていませんけれども、工場、研究所で全事業活動の90%を超えていますので、大体ここだけ把握すれば、ほぼ全体像がわかると思います。

 それから、低炭素社会実行計画には、今言いました14団体、320社中9団体、90社が参加しておりまして、アンケート調査回答会社数も90社であります。

 ただし、製薬だけではなくて、日本化学工業協会にも加盟して、そちらの団体に報告している企業が9社ありまして、この90社にはそれは含んでおりません。

 今回の集計では、1社回答不備がございまして、実際には90社から1社引きました89社で集計・分析しております。カバー率がそこの表の中にありますけれども、約71%という結果に今回なっております。

 3ページに移ります。グラフと表からなっておりますけれども、CO2排出量及び原単位指数などの推移を示しております。2020年度目標に対する進捗状況を把握するために、電力の炭素排出係数として日薬連進捗管理係数を用いております。これは東日本大震災のこともありますし、先ほど、生協様のほうからは固定でという話もありましたけれども、そのデータは後でお示ししたいと思います。

 報告書の3ページに、この内容については記載しております。

 まず、棒グラフは、基準年の2005年度から2014年度までのCO2排出量推移及び2014年度のBAU、すなわち2005年度からずっと無対策できた場合の値、そして一番右側に2020年度目標を示しております。2014年度のCO2排出量実績は183万トンで、2005年度比でいきますと58万トン、24%削減。前年度比では7万トン、4%削減となっております。2020年度目標に対しましては、3万トン下回るという結果であります。

 下の表につきましては、そのほかに売上高当たりのCO2排出量を示す原単位を下の2行で示しております。2014年度は2005年度比で、1に対して0.605ぐらいですけれども、40%削減となりました。

 4ページに移りまして、これはCO2排出量の増減要因を調べてみました。先ほど、2014年度CO2排出量183万トン、2005年度比58万トン減と述べましたけれども、その内訳は、電力及び燃料のCO2排出係数の影響で、真ん中に-25-1とありますけれども、この合計の26万トン減少。それから、事業活動の拡大で、逆に43万トン増加。そして、省エネ対策等による業界の自助努力といいましょうか、ここで75万トン減少となっております。

 また、2014年度におけますCO2排出量の主な増加要因及び減少要因を回答会社数でまとめてみました。なお、会社数については、複数の回答を含んでおります。

 まず、増加要因、左側の2つのカラムですけれども、生産量及び研究活動量の増加が31社、施設の新築・増築が21社となっております。一方、減少要因につきましては、温暖化対策のための設備投資が44社、エネルギー使用の効率化が36社、生産量及び研究活動量の減少が26社、施設の統廃合による減少が9社という結果でありました。

 5ページ及び6ページに、その対策内容をまとめております。まず、5ページの表は、ハード・ソフトと分けたうちのハード対策における、上の項目が対策項目、件数、CO2排出削減量、一番右が投資額という形でまとめております。

 その他高効率機器の導入によるCO2排出削減量が約5,000トンで最も大きく、ハード対策全体の3分の1を占めます。2014年度はコージェネレーションシステムの導入も1件ありまして、CO2削減量は3,300トンと貢献しております。

 ハード対策全体としましては、一番下に141件、CO2削減量が約1万5,000トン、投資額は約8億円という結果であります。

 6ページでは、ソフト対策も投資が必要なものと投資なしでできるものがございまして、一応分けてあらわしてあります。

 投資あり、なしとも、項目として共通の設備機器の運転、制御方法の見直しによるCO2削減量が、それぞれ1,740トン及び740トンで最も大きくなっております。

 ソフト対策全体としては、161834件、削減量は3,800トン、投資額2億円という結果であります。

 前のページのハード対策とこのページのソフト対策の合計は、一番下に総計としまして175件、削減量1万8,400トン、投資額は10億円という結果であります。

 7ページからは主体間連携の強化についてということですけれども、8ページをご覧いただきたいと思います。

 これは昨年と同じ内容ですが、先ほど、目標に対する集計は工場及び研究所というところに絞っておりますけれども、ここでは営業車両の燃費消費量の削減、製品由来のところではフロンの排出削減という2項目を設けております。

97年度より低公害車、低燃費車の導入状況を調査いたしまして、ずっと啓発活動も実施してまいりました。

 フロン排出削減では、製剤の中にぜんそく治療薬などの定量噴霧エアゾール剤、これはフロンを使っているのですけれども、この使用段階でフロンが排出されます。そのために、97年度に部会を設置いたしまして、数値目標を定めながら削減に取り組んでおります。

 これらについては、9ページ及び10ページでさらに説明いたします。

 9ページは、営業車両のCO2排出量の推移を示しております。棒グラフは、車両台数を示しております。2010年度以降、台数についてはほぼ横ばいの状態が続いて、しかしその内容は、青とピンクで示してありますけれども、水色の部分はハイブリッド車及び電気自動車、次世代型の自動車であります。2014年度実績は、初めて全体の半数を超えました。全体の半分以上がハイブリッド電気自動車と。

 それに伴いまして、黄色の折れ線グラフで示します排出量は、2005年度を100としますと88%。赤色の折れ線グラフで示すのが1台当たりのCO2排出量で、これは80%まで着実に減少してきております。

10ページでは、製品由来のフロン排出量について説明いたします。左側がフロン排出量そのものを示しておりまして、右側が温暖化係数を使って、CO2換算したグラフになっております。

 まず、2006CFC、クロロフルオロカーボンですけれども、これはオゾン層破壊物質であるということから、HFC、ハイドロフルオロカーボンに切りかえました。ここで温暖化係数が下がっております。2014年度は69トンで、2000年度比33%、3分の1まで減少しております。その都度、一番上に目標値が405トンから180トン、150トン、110トンとなっておりますけれども、目標値そのものも見直してきております。右側がCO2換算であります。2000年度の160万トンに対しまして、2014年度は14万トンで、91%削減したことになります。

 この主な理由は、先ほど申し上げました地球温暖化係数、CFCからHFCに変わることによること、それからさらに、フロンを使用しない粉末吸入剤の技術開発ということが挙げられます。昨年も申し上げましたけれども、では、最終的に全て粉末吸入剤にすればいいではないかということにもなり得るのですけれども、小さなお子様とか、高齢者、自己吸入が十分できない患者さんが現実には多くて、今のところフロン使用の定量吸入剤の削減には現状、限界がございます。

 空調機ですと、ダイキンさんが温暖化係数のかなり低いフロンを開発というか、それで冷媒としていますけれども、ここは厚生労働省様ですけれども、薬の場合は人体に与える影響をかなり調べて、安全性が十分担保できませんと、簡単にはこのフロンを低い温暖化係数のものに、例えば空調で使っているものをそのままというわけにはまいりませんので、ジレンマがございます。

11ページでは、本社オフィスでのCO2排出量を調査しまして、まとめてみました。左のグラフは65社のCO2排出量推移を示しておりまして、14年度は5年度比で37%減という結果になりました。右側が床面積当たりのCO2排出量の推移を示しておりまして、14年度実績は5年度比で43%削減。昨年もお話ししましたけれども、3.11以降オフィスではどこでもやっていると思うのですけれども、空調を今、まだ冬は終わっていませんけれども、ウォームビズとか、夏場のクールビズ、これを従来よりもっと厳しい条件にしたりとか、照明をLEDに変える、もしくは間引くという形が2011年~2012年にとられたのですけれども、これが定着しておりまして、弊社の場合も入ってくると薄暗い部分もあって、手元照明という部分もございます。主な取組としては、今言ったような内容でございます。

12ページから、今日もちょっと遅れましたけれども、今回は簡単に済ませたいと思いますけれども、2020年度以降の取組という形で、13ページをご覧ください。

 まず、目標値は2005年度を基準に、2030年度の炭素効率性を3倍に改善、または二酸化炭素の排出量を40%削減と。現在の目標が23%ですので、それが40%ということになります。炭素効率性というのは、原単位なのですけれども、二酸化炭素排出量当たりの医薬品売上高、ですから数字が大きければ大きいほど倍率がいいということになります。

 本来、CO2排出量絶対量のみがベストと考えますけれども、医薬品市場、これからの特に生産等にかかわる伸びがなかなか把握しづらい部分があります。御存知のとおり後発薬、ジェネリック薬の場合は、転換可能な医薬品の80%をジェネリックに変えようというところがありまして、今ジェネリックの団体のほうでは設備投資が盛んに行われておる、こういった状態です。

 それから、2030年、先はなかなかわからないのですけれども、14年には経済産業省様のほうから「水素燃料電池戦略ロードマップ」なども出されていますので、外の技術、自分たちでは技術開発はなかなかできませんので、こういったものを利用する。

14ページは、2014年までの実績と今の炭素効率性とか、CO2排出量の2020年時点、それから2030年、最近新聞に出てまいりました205080%削減ということころを並べております。

2014年度の炭素効率性は2005年度の1.65倍となっておりまして、順調に新しい技術革新も利用しながら、いけるのではないかと個人的には思っております。

15ページ以降は参考資料なのですけれども、お時間もありませんので、一部だけです。

16ページを開けていただけますでしょうか。複数のエネルギーの種類がございますけれども、使用割合を示しております。特に右側ですね。全体を100とした場合ですけれども、一番下のピンクの部分が電力ですけれども、全エネルギーの6割を電力に頼っているというところは非常に特徴的かと思います。したがいまして、東日本大震災以降の原発停止に伴う電力係数の悪化というものが効いてくるという形になっております。

 次には、飛びますけれども、19ページです。これは先ほどの生協さんのお話にもありましたけれども、電力係数を固定した場合、2005年度の係数を固定しまして、他のエネルギーを含めてCO2排出量の推移を見ております。ブルーの折れ線グラフがそうなのですけれども、2005年度比によるCO2排出量ですけれども、2014年度は86.4ということで、約14%減という形になっております。

 今回初めての試みですけれども、最後に23ページ、これは左と右にグラフがございますけれども、実行計画参加企業の基準年度2005年度に対する翌年の2006年度1年間と、2014年度、9年間の売上高とCO2排出量の変化率を散布図で示しております。売上高とCO2排出量の関係がどのように変化したかを調べる目的で、今回初めて作成してみました。左側が2006年度、右側が2014年度です。両グラフとも横軸が売上高の変化率、縦軸がCO2排出量の変化率であります。そして、両変化率の1対1の線を「カップリング線」と名づけて、青い線を引いてみました。売上高が増加しても、CO2排出量は増加しない、すなわちカップリング線よりも下の領域が望ましく、さらにCO2排出量が減少する右下の領域が、売り上げがどんどん伸びてくるのだけれども、CO2がどんどん下がっていると。右下が理想と言えます。2014年度時点でのCO2排出量の伸び率が売上高の伸び率を上回った企業は、線より上の部分が6年度に比べて2014年度は半数以下になっております。これは生データがございますので、またいろいろな先生方の御助言をいただきながら、どういう解析を行って新たな対策に結びつけるかというところも今後充実させていきたいと考えております。

 以上です。

○森口座長 非常に興味深い御説明をありがとうございました。少し時間が押しておりますけれども、活発に御議論いただきたいと思います。まず、佐藤委員、その後、内山委員、お願いいたします。

○佐藤委員 4点ございまして、まず最初に3ページのCO2排出量の推移のグラフ、これは当然ながらCO2排出量の推移を示したグラフということですよね。先ほど御説明いただけなかったのですけれども、18ページのグラフですが、これも排出量の推移を示しているわけです。排出量の推移を見るという観点からすると非常にわかりづらい、また、言い方を変えると、多少透明性に欠けるところがあると思います。この18ページのグラフが、調整後の排出係数を使っているということで、実際に排出したCO2量です。3ページのグラフでは、2011年度、2012年度は震災前に電事連が2008年から2012年の目標として公表した値、2013年度以降は、これも震災前に電事連が2020年の目標として公表した値を使ってCO2 排出量を算出している。2014年だと183トンになるわけですね。これは調整後の排出係数を使って算出した量、すなわち実際の排出量で見れば、2014年度だと61万トン、実に183万トンの約3分の1に相当する量が隠れてしまっている。

 日薬連の進捗管理の電力係数を設定した理由と気持ちはよくわかるのですが、CO2排出量の推移を見るという観点からいくと、まず最初に出さなければいけないのはこの18ページのグラフではないかと思います。2011年度、2012年度の排出係数0.9272013年度、2014年度の排出係数0.900というのは、実際にこの世には存在していない。実際にこの世に存在した係数でいくと、2011年度が34トン、2012年度が38トン、2013年度が64トン、2014年度が61トン増加するという状況なのですね。推移を見るという意味では、実際に排出した量を2005年度からずっと出していくべきだと思います。努力した部分を示していきたいというのであれば、基準年度の2005年度も同じ係数で見ないといけないと思います。例えば、2020年度の目標の係数0.900で見るのであれば、2005年度も、2011年度も、2012年度も、2013年度も、2014年度も0.900で見て、業界の努力部分はどうなのかという評価がはっきり出てくるはずです。

○森口座長 佐藤先生、先ほど申し上げました電力の問題は全体に共通しますので、製薬業界さんからお答えいただきたいかもしれませんが、できれば。

○佐藤委員 言いたかったのは、経団連が全体のまとめとして公表しているように、1990年度から2012年度までの排出量推移(調整後排出係数を使用)と2005年度から2014年度までの排出量推移(0.900使用)とを合わせて2段で表示したらよいのではないかということです。経団連ではフェーズ1と環境自主行動計画とを2本立てで表示しています。参考にしていただきたい思います。

○登坂委員長 それはわかります。先日、経団連の地球環境の部会に出まして、経団連のほうから細かな説明はありませんけれども、全業界団体のデータが一覧で全てあります。それを見ますとプラスになっています。

○佐藤委員 そうではなくて、表現方法ですよ。グラフが2段立てになっています。

○登坂委員長 それはわかります。私たちは経団連のガイドラインに基づいて報告していますし、それから今日の説明の中では、19ページ、固定した場合という参考データとしてつけ加えております。

 私たちは、実排出係数とか使わないわけではありませんけれども、自分たちの努力が、先ほど生協さんのほうでも固定係数とお話がありましたけれども、本来はそうあるべきです。ただ、経団連の報告はそれを使えないのです。ただ、残念ながら、この目標をつくったのが2010年なのです。震災の前年なのですね。そこから何か係数を使って変えようとすれば、公のものしか使えないわけです。2020年の排出係数は一切出ていません。30年でやっと、最近電源構成のエネルギーミックスが方向性が出ただけですので、今後何しろ何かそういったものが出てくれば見直しをします。

○森口座長 その点については共通いたしますので、これは大変時間をとると思いますので、そのほか申し上げたいこともございますので、大変申しわけございませんが、電力排出係数にかかわる議論は、3業界まとめて最後にやらせていただくということで、佐藤委員、4点あるとおっしゃっていた残り3点をお願いいたします。

○佐藤委員 次は5ページのハード対策です。ここでエネルギー転換によるCO2排出量削減のところで、今までやってきていることなので、大分削減ポテンシャルが下がってきている。当然、今まで長年やられてきているので、そういうことはあると思うのですが、この削減ポテンシャルというのをもう一回再検討してみたら良いと思います。その評価をされているのが、最新のものでも2005年度の値から2030年を推定したものと、フェーズ1計画作成時に2010年度の実績から計算して削減ポテンシャルを出されているものですね。2010年度は3団体66社の参加だったのが、今は9団体89社まで増えていますので、その削減ポテンシャルは変わってきていると思います。2014年度の値をもとに実績値から計算して、削減ポテンシャルをもう一回見ていただきたいと思います。これは簡単だと思います。

○森口座長 メモっていただいて、一問一答でやりますと、とても時間が限られていますので、委員のほうもなるべく手短に、簡潔に質問をおまとめいただいて、この時間でやっておりますと、とても間に合いませんので、委員のほうから一通り先に質問をとりますので、それで、なるべく簡潔な御回答を御用意いただければ。

 あと2点お願いします。

○佐藤委員 済みません、簡単にやります。

 次はソフト対策によるCO2排出量削減効果なのことです。6ページの表に出ているように、総量で645トン、743トンです。大変大きな削減をされていると思います。この削減量は、5ページの表にあるハード対策で、一番効率がいいのが熱交換による排熱の回収で、1,100万円投資して1,210トン削減している。百万円当たり110トン削減しています。提出していだいた表から計算したものです。

○登坂委員 済みません、ここだけの資料にとどめていただけますか。

○佐藤委員 5ページの表のCO2排出削減量を投資額で単純に割っただけです。投資額をCO2で割ると、一番効率がよかったのが熱交換による排熱回収で、これが110トンになります。投資全体で見てみると、百万円当たり約18トンです。それを考えると、全然投資金額がかからないで、600トン以上削減できるというのは、かなり魅力的ではないかと思います。まして、先ほど言われていたように、エネルギー転換による削減ポテンシャルが大分限界にきているとなれば、こういうところに焦点を当てて、そういうキャンペーンを打つなり、削減余力がどのくらいあるかという調査をしてもいいのかなと思っております。

 最後は、また係数のことになるので、それはやめます。それだけです。

○森口座長 それでは、内山委員もお願いいたします。

○内山委員 今の質問と関連しますが、私は3ページのこのCO2排出量の推移を見たときに、売上高が年々増加基調にあるにもかかわらず、減っているというのは、これは立派なことだなと思って、まずここは高く評価したいと思います。

 着実に削減目標に向かって、もちろん原単位が固定しての計算ですが、これもやむを得ないことで、減っていく傾向、これも評価したいと思います。

 なぜこうなったのかなと思ったのですが、先ほどの5ページと6ページにハードとソフトの対策がありますね。この対策が効果を生んだと考えられるのですが、これは金額当たりのCO2が1トン当たり幾らかかったか計算しますと、ハードが5.5万円なのですね。ソフトが0.55万円なのです。10倍違うのですね。そうすると、ソフト対策というのは非常に魅力があるのかなと思って、そうなると今後やはりソフト対策 でまだポテンシャルがあるところがあれば、費用対効果を考えるとこちらに力を入れることも必要になってくるかなと思いました。

 もう一つ気になったのは、なぜ本当に下がったのだろうと思ったら、16ページの燃料の種別のデータがありましたよね。これだなと思ったのですね。結局、電力の量とガスの量が増えて、石油を減らしたのだと、ここに効果があったのだな、まさにこれだと。ただ、これがここ数年、2008年ぐらいから頭打ちになってきているのですよ。そうすると、もうこれは期待できないなと。やはりもうちょっと抜本的な対策が今後必要なのかなと思うのですが、そういう視点から2030年に40%という非常に高い目標を掲げて、これも偉いなと思うのですよ。こういうことを踏まえて、ぜひそれを実効あるものにしていただきたいというのが最後のお願いです。

○登坂委員長 ありがとうございます。

○森口座長 もうこれにお答えいただくだけでも少し時間が押しぎみなのですが、村田委員、江原委員からぜひという御質問がございましたら。よろしゅうございますか。

 それでは、まとめてお願いいたします。

○登坂委員長 わかりました。

 まず、90社の中でかなり温度差がございます。既に10年、20 の歴史、要するにトップランナー的にやっている企業と、やはり会社の規模にもよりますけれども、これははっきりしております。したがって、今、業界でやろうとしているのはボトムアップ。この辺のポテンシャルがあるものですから、先ほど佐藤委員からありましたエネルギー転換も、だんだん先細りにはなるのですけれども、今、内山委員のほうからも言いました電気とあれもです。そうは言っても、やはりまだまだやられていないほとんどやられていない企業もございますので、そこをまず底上げしようと。業界全体の成果につなげようというところがございます。

 それから、先ほどいい御意見をいただきまして、まだまだエネルギー転換だけではなくて、この結果だけでもやるべきことがあるだろうと。生データがございますので、もう一回精査しまして来年度の活動に結びつけたいと思います。

 どうもありがとうございました。

2030年度について、内山委員のほうからありましたけれども、実は先ほど経済産業省様の出された水素とか燃料電池のエネルギー施策がございますけれども、やはり独自に技術開発できる部分というのは少ないのですね。医薬品の場合には、GMPGood Manufacturing Practice とか、GLPGood Laboratory Practiceがございまして、例えば、空調の換気回数を変えるだけでも、膨大な時間と費用が発生します。したがいまして、やれることは限られていますけれども、新しい技術に対しては積極的に取り入れるという真摯な姿勢は各社持っておりますので、そういったものを利用しながら、新たな分析をして、もうちょっと対策の焦点を明確なところに当てながら考えていきたいと思います。

○森口座長  よろしゅうございますか。委員の先生方から何か。

 それでは、お約束どおり、電力の排出係数にかかるところ、積み残し、宿題がございますが、そこは最後にまたまとめて質疑でお取り扱いさせていただきます。

 どうも御協力いただいて、ありがとうございました。

 それでは、最後になりますけれども、私立病院関係の団体、議事次第のほうにフルネームで各団体の名称を列記してございますが、時間の関係で全て読み上げるのは割愛させていただきたいと思いますが、各団体まとめての取組の御説明をいただきたいと思います。

 本日は全日本病院協会常任理事の目々澤様、日本医師会総合施策研究機構、研究部統括部長の畑仲様においでいだいておりますので、御説明をお願いいたします。15分ということ御協力をお願いいたします。

目々澤理事 日本医師会でやっております病院における地球温暖化対策推進協議会で検討いたしましたことを、日本医師会総研のほうの畑仲研究員より御紹介させていただきます。

 お願いいたします。

畑仲主席研究員 では、お手元の報告書の目次をあけていただきまして、0-1から要約版を要旨ということでつけてありますので、15分の中でおさめたいと思います。

 まず、0-1ページは、先ほど来、全くお話が出ませんでしたけれども、これは経済産業省さん、環境省さんが今日、来られているので、パリ協定の話とか、国のマクロ的な話、その辺についてはお任せするとして、一応その辺についても踏まえながら我々のほうは2030年の目標値を設定しました。

 その検討のやり方としましては、2-3ページまで飛んでいただいて、そこに表をつけております。いわゆるパリ協定の日本の約束草案がどのくらいの数字なのか。あるいは、電事連が出している目標というのが、我々と同じ2006年度を基準にするとどのくらいなのか。それから、あとエネルギーの使用の合理化等に関する法律の対前年度1%減を2030年度まで伸ばすとどのぐらいなのかということで、2-3ページの表をつくりました。

 パリ協定に日本が出した数字は、我々の基準年に近い2005年度の数字を2006年度基準にすると、一番右になりますけれども、79.6になります。

 それから、電事連が出している2013年度を100にした2030年度の目標を2006年度基準にすると、90.2、1割しか減りません。それから、エネルギーの使用の合理化、これは対前年度比1%減でいくと78.6ということです。我々のほうの進捗状況は、現在、2014年度78.7まできています。電力の排出係数については、2006年度0.41を固定で我々のほうは出しております。ただ、後でも時間があれば御説明いたしますけれども、いろいろな手だてを講じているわけですけれども、どうも頭打ちに来ているということもありそうだということなので、若干しばらくこのまま様子を見て、2030年度75%と、ほかの数字に比べたら一番低い数値を、原単位方式ですけれども、そういう数値を目標数値に設定しました。

 前に戻っていただきまして、0-2ページです。今のことは、ちょうどこの真ん中の四角の中に書いてあることでございます。年率にすると、対前年比1.19%減という数値になります。

 それで、この年の電力排出係数は、先ほどフィックスすると申しましたが、仮にこれを実態の数字に直した場合にどのぐらいになるかということで、右側の0-3ページの下に、電事連が出した使用端排出係数の推移を示しています。2014年度現在は0.554です。

 この数字を使った試算が次の0-4ページに出ていまして、表3の上段が2014年度の使用端排出係数を使用した場合、下が2006年度の使用端排出係数をフィックスにした場合ということで、フィックスにした場合は、原単位、総排出量とも約2割前後減っているという形なのですけれども、実際の使用端排出係数を2014年度の数字を使うと、逆に増加してしまうということで、これは、内閣で決定された地球温暖化対策本部が出された計画案、これの中にも業務と家庭の増加というのは、この係数が増加したためというふうに、ちゃんと明記されているのです。だから、国も一応それは認めているということなので、ですから、これもあわせて進めていかないと、実際の排出量は減らないのではないかと我々としては捉えています。それから、この使用端排出係数については我々も外部環境であるとはっきり割り切っています。すなわち、我々にどうにかなるという値ではなくて、ひとえに電力事業者、それから今度の自由化に伴う新規参入の新電力、そこの努力によるということで捉えております。

 0-4ページからは、外部環境である法律の改正、関係する省エネ法の改正、再エネ特措法の改正、そういったものについて見てみました。

 それで時間もありませんので、その中では例えば「再エネ特措法」、これについては、我々が従来言ってきた競争原理を持ち込むべきだということで、今回は太陽光について、多分それを中心に入札を導入するという話になってきたかと思います。それで、その調達価格の数字については、ここで出しているものに、どうにも理解できない数字がありまして、3-11ページをご覧ください。

 これは買取価格を2012年度から、一番新しい2016年度調達価格等算定委員会の委員長案、318日に国より発表された数字は最終的にはこの数字になったと思います。太陽光は当初べらぼうに高かったということは、これはもう、ちまたで言われているとおりであって、特に出力10kW以上については、当初は43.2円という値が出ていました。それが24円まで下がってきた。それでも私がどうにも理解できないのが、風力の例えば出力20kW未満について55円もつけている。だから、資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーの戦略をお持ちではないのではないか。いわゆる個別にばらまいているだけではないか。

○森口座長 畑仲さん、このあたり大変重要な議論があると思いますが、できましたら業種としての取組のところの御説明を、せっかく限られた時間でございますので。

畑仲主席研究員 ただ、我々として非常に言いたいと。

○森口座長 そのお気持ちは毎年大変受けとめておりますけれども、せっかくの機会でございますので、取組のところにも少し割いていただけるとありがたいのですけれど。

畑仲主席研究員 わかりました。

それから、一番最後の電力の自由化の話だけは言わせていただきます。自由化が進むと排出係数が下がるのではないかということも言われているようですが、それは幻想に終わるのではないかということも危惧しています。

○森口座長 最後のまとめの議論のところに送らせていただけませんでしょうか。

畑仲主席研究員 飛ばします。

 我々としては、やはり一番身近なのが建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律で、これは適合性判定されて、これをクリアしないと建築確認に行けないわけです。ですから、建築ができないことになってしまうということで、入り口が最初は緩いのでしょうけれども、これは将来的に狭まる形になるのではないかと思っております。

 0-6の下のところで、先ほど来見たように、我々のほうで実際に減ってきたということで、対前年度でいきますと、一番下の右側にあります対前年度比、一番新しい数字が-3.8%ということで、減っております。平均に直すと-2.95%という形で年率が減ってきております。

 理由としては、そのページの真ん中にありますような自主的な節電対策の実施、これは去年と同じです。それで、特に重油・灯油使用量が我々のところは減っています。

 それから、長期的な組織的な取組、ほとんどの規模・階層でエネルギー消費原単位は我々のところは減りました。

 電力・重油、灯油、ガスのエネルギー消費原単位もそれで減っております。さまざまな省エネ活動を推進した結果、後で見ていただきますけれども、それも効いたのではなかろうかというところが大きなところかと思います。

 それで、特に0-7ページに、これも去年見ていただきましたように、取組の姿勢、特に取り組んでいないというところが、当初2006年度48.1%あったのですが、5.7%に激減しました。こういったところも効いているのかなということでございます。

 0-8ページに病院業界における取り組み、これはいろいろやっておりますということで、さまざまなことが書かれております。我々としてはなるべくアンケート調査で実態を把握しているわけですけれども、そのアンケート調査に合わせて前年度の調査結果等をフィードバックして、各病院にあなたのところはこういう位置づけにあるのですよということで、自主的な省エネ活動の推進を図ったということでございます。

 いずれにしても、先ほど委員長のお話がありましたけれども、我々としては、ただ単なるCO2の排出削減を報告させられるだけではなくて、それに伴ってその周辺の問題がいろいろ発生しているのだということをかなり問題意識としては持っております。

 0-9ページの図表のところに病院の電力の使用割合、先ほどもありましたけれども、7割から6割強、電力に依存しております。ですから、電力が上がると非常に経営を圧迫するという構造になっています。

 御存知のとおり、次の0-10ページに、上が電力ですけれども、ガスは今年2015年になって急激に値段が下がりました。それに対して電力のほうは、これは原発等が動いていないということもあるのでしょうけれども、若干下がったものも下がっていない。

 その結果、0-11ページの一番下の数字のパーセンテージが、医療収入に占める光熱費の比率なのですね。これが過去2年間で最初1.36%、それが1.82%ということで、0.46%上がっているわけですね。ですから、診療報酬の関係からみると、診療報酬は本当に微々たるものしか上がっていない中で、これだけ経費が増えており、この辺は非常に大きな問題です。逆に言うと、病院を経営されている先生方はこの辺の問題意識が非常に強くて、省エネを進めるということは経費の削減になるということがありますので、減っている要因ではなかろうかということだと思います。

 それから、0-12ページの頭のところには、病院における今後の総合的な対策ということを書いております。

 先ほどちょっと申し上げました5-5ページと5-4ページを見ていただいて、具体的な各病院で実施している内容について、実施しているのか、実施中なのか、今後実施予定なのかということで、これは毎年聞いております。それをこの数字だけではなかなかわからないので、左側に上位10項目の実施率の平均と20項目の実施率の平均を出しています。そうすると、上のほうについては案外横ばいに来ているのですね。いわゆるお金がかからない対応については、もうかなり横ばい、ほとんど横ばいに来て、多分やるところまでやっているのではなかろうかと。それで、20位以下については、かなりお金もかかるようなことがいろいろ低い率としてはある。去年たしか製薬工業会さんのほうが、もうできることは限界に来ているという御報告をしていただいたかと思うのですけれども、我々のほうもその辺は若干あるのではないかということで、先ほどの目標の設定をしたということでございます。

 0-12ページに戻っていただきまして、(10)病院が必要とする国の支援等、これは特に0-13ページにアンケート調査の結果を出しておりまして、一番上位にくるのが、診療報酬に省エネ・温暖化対策面からの配慮とか、税制面の配慮、それから省エネ投資、温暖化対策投資の補助金、低利融資、そういったものが一番上位にきております。

 0-14ページにまいりまして、電気料金の高騰あるいは再エネ賦課金、これへの対応策もとってほしいということ。それから、これも言いましたけれども、ちょうど真ん中にあるマル3民間病院業界の低炭素社会実行計画フォローアップ作業等、これは厚生労働省さんのほうから今年のみ科研費をいただきまして、全体費用(人件費を除く)の3分の1ぐらいですけれども、あと3分の2は我々の負担で今回やっております。

 (11)の「国の制度的枠組に対する提言」、一番言いたいのは、この「3)新たな『(仮)地球温暖化対策のための厚生労働省電力・ガスユーザー勉強会』の設置を」ということで、この会議はあくまでも我々の報告を聞き置くという性格が非常に強い。そうではなくて、我々としてはそれの周りを取り巻く環境についてもあわせて議論しないことには、この問題は前には進みませんよと。特に、2050年の80%削減などという数字は、こういったこともあわせて、我々のユーザーの立場からこうしてほしいのだということを政策として取り入れてもらわないことには話にならない。ぜひとも今日出ていらっしゃる製薬等の団体の方にも御理解いただいて、我々のほうから逆に委員会とか国の担当者の方が進めていらっしゃることが、本当に適正なのかどうかということについてヒアリングして、逆に評価とか、提言とか、そういったこともやるべきではなかろうかということで御提案しています。例えば、再エネ賦課金1.3兆円の効果、すなわちアウトカムについて、使用端排出係数の低減にいかに寄与したのか明らかにして欲しい。また、それを知りたい。ぜひ御理解をお願いいたします。

 (12)で課題の抽出ということで3つ挙げておりますが、特にこの中の1番目と2番目、3番目もそうなのですが、1つは、電事連が出している数字は低減率が少な過ぎる。2006年度比で1割しか削減しないだなどというのは努力に値しない。これは倍以上低減してしかるべき数字だと思っています。ですから、これがないことには、特に2050年に向けては全く実現不可能です。

 それから、特に2)では、2050年に向けた80%削減目標、これは国の対応策も検討しないことには話にならないということが2番目。

 3番目の「電力システム改革」については、自由化によって、12-6ページに関西学院大学の先生が書いているものの引用を載せてありますが、逆に、最初の6年は下がるかもしれないけれども、その後倍になってくると、これは寡占が進んでいるわけですね。ビッグ6でいうところで。そして、電事連で出しているLNG火力の排出係数というのが、複合だと0.474、汽力が0.599という数字が結果として出ています。ですから、こんな数字でとどまっていたのでは、全然80%削減だなんていかない。

 それで、東京ガスが新電力として10万件獲得しましたと、この前発表しました。そうすると、東京ガスは何が中心かというと、あそこの電力の中心はLNG火力です。そうすると、複合か汽力かわかりませんけれども、0.5前後なのです。そうすると、我々固定しているのは0.41ですから、それよりも上回っているわけですね。ですから、それを買えば買うほど我々の実態の数字は上回ってしまうということになるので、この辺についてはぜひ国のほうでもっと積極的に指導していただいて、数字を低減させるような、もしくは新電力に対する政策的な誘導についてはぜひともお願いしたいということでございます。

 以上でございます。

○森口座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの私立病院団体の説明につきまして、委員会の皆様のほうから御質問、御意見がございましたら頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。

○目々澤理事 病院をやっておる者は、ほとんどが私立です。公的な病院、それから大資本でやっているところはほとんどないです。そういうところで、努力を積み上げ、積み上げでやってきても、本当に我々の収入は増えませんので、今度、ほんのわずか0.49%増えたと言われていても、それを食いつぶされてしまう状況ですので、ぜひともどうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

○森口座長 特にこれは私自身も気になっているところですが、0-12ページから0-15ページあたりにかけて、病院としての御提言をいろいろいただいているので、そこは私立病院だけではなくて、いわゆる病院という業態にかかわるところだと思いますが、いろいろな経営形態がある結果、所管省庁が多岐にわたってしまうわけですね。国立大学病院であれば文部科学省ということになると思いますし、地方の病院であれば、形式上は、これは恐らく自治体の事業になるので、恐らく環境省の所管ということに今の枠組みだとなってしまいますので、そういうところも含めまして、特にフォローアップの仕組みが明示的にあるのは、この厚生労働省所管の私立病院だけでありますので、そこの中から出てきた提言というのは、私立病院だけではなくて、非常に波及効果も大きいと思いますので、こういう御提言をいただいていることは、私は非常に重要であり、貴重であるかと思いますので、これはこのフォローアップの対象業種ということではなくて、病院全体を所管しておる厚生労働省さんとして受けとめていただければありがたいなと思っています。

 いかがでしょうか。時間が少しございますので、御遠慮なく。

 では、内山委員、お願いいたします。

○内山委員 病院は非常に関係者が多岐にわたって、それだけ取組が大変だなというのをいろいろ今まで報告で学ばせていただいておりますが、そういうこともあって、本日御出席の3団体の中で、年間排出量が生協さんの約10倍、それから製薬さんの4倍ということで、この委員会としてはやはり大事な団体であると考えられています。しかし、今日報告いただいた取組を見ますと、着実に原単位は改善してきているのだという点では、私は高く評価したいと思っております。

 また、取組もいろいろな角度からアンケート調査したりして、実のある対策としては何かというのがクローズアップされている。そういう点でも非常に積極的な取組をされているのだなということが理解できます。

 先ほどの原単位につきましては、私も畑仲さんのおっしゃったとおりではないかと思っていまして、この後議論に入るかと思うのですが、それはそのような流れで今後も考えられていくと思います。

 最後に、今後目標を挙げていくと、現状では2030年に75%ということですから、そこは達成できるという感じがしているのですけれども、その後。

○畑仲主席研究員 それはできると思います。

○内山委員 そうですか。そうすると、設備投資とか、そういうことでいろいろお金がかかる面が出てくるのですが、これはどうしたらいいのかというのは、今回、病院さんだけではなくて、ほかの団体も同じ問題を抱えているなと思いまして、その点、やはりこういった具体的に民間が取り組んでいることに対して、経済産業省だけでなくほかの関係省庁もどのようにその辺を支援していくのか、あるいは私たちも金融システムを大幅に変える必要があるのではないかと。実体経済にふさわしいところへ投資ができるような、そういう金融システムにすべきだと思っているのですが、そういうことを含めて、やはりまじめに考える必要があるかなと思っています。

 そういうことで、今後、最後に言われましたように、お互いに国民的な理解で推進していくということが温暖化対策の基本になっていますので、そういう点では双方向の議論をますますこれからも進めるべきではないかなと思っております。

 以上です。

○森口座長 村田委員、どうぞ。

○村田委員 亜酸化窒素は減少している、あるいは取組状況が徐々によい方向に向かっているという点については、すごく評価できると思います。ところで質問ですが、カバー率の推移はどうなっているのでしょうか。

○畑仲主席研究員 2-7ページにカバー率の推移が書かれております。グレーで塗ったところがカバー率で、当時はスタート時点では17.1%。それで、最初は低かったものですから、アンケートの数をかなり増やしました。1,000票以上ふやしました。現状では24.2%になっています。それで、一番高いのが12年度の26.6%という数字なのです。

 この数字が高いか低いかという話があって、これだけを見ると高くないのではないかという話なのですが、先ほど、製薬工業会さんの低炭素社会実行計画の資料3-1の2ページを見ていただくと、企業数のカバー率と売上高のカバー率の両方が出ているのですね。それで、企業数のカバー率を見ると27.8%です。私の誤解があるのであれば御指摘いただければ。

○森口座長 生協さんも同じような。

○畑仲主席研究員 だから、かなり頑張っても、やはりこのぐらいなのかなと。ですから、特に典型的なのは、科研費をもらう際に、科研費の審査する先生から私どものものが低評価されました。その理由の一つとして、何でこんなに多くアンケートをやるのかということがあったのではないかと思っています。統計的にやれば、こんなにばらまかなくても、統計的にしっかりした数字が出てくるではないかというクレームが出たわけですよ。これは、厚生労働省の中でわかっていないわけですよ。我々が何でこれだけ票数多くばらまいているかということを。皆さんに知ってもらって実行してもらいたいから、お金をかけて多くばらまいているわけですよ。それが、厚生労働省の中で、科研費を審査する人間が、ただ単に科学的な視点からだけでそれを見て、大き過ぎるのではないのという話が出てきた。だから、役所の中も全部そういう認識が統一されているとはどうも言いがたい。だから、それも含めてやらないことには、このカバー率は3割弱ぐらいで、これ以上行くのはなかなか難しい。私どもとしてはやりたいと思っていますけれども、なかなか難しいところがあるのではなかろうかなと。

○森口座長 今の村田委員の御質問に関して、私のほうからも少し重ねて質問なのですが、カバー率、これは病院数ベースでのカバー率ということかと思うのですが、各病院の規模といいますか、いわゆる病床数であるとか、そういうことで、病院数でいうとこのカバー率なのだけれども、仮に大規模病院の回答率が高ければ、事業規模としてのカバー率はより高くなりますね。そのあたりは何か把握をされるすべはありますか。

○畑仲主席研究員 それは出していません。

○森口座長 それは、工夫をすれば可能性はあったりするでしょうか。

○畑仲主席研究員 出せないことはありません。ただ、先ほどの排出係数と同じで、ダブルスタンダードはあくまでも我々はとらない。

○森口座長 ただ、生協さんも製薬さんも同じなのですけれども、いわゆる事業所数ベースのカバー率と、ある種の事業規模レベルでのカバー率も両方報告されており、やはり我々の興味があるのは、CO2排出量としてのカバー率でありますので、もし可能であれば、そういう回答をいただいている病院の規模がわかるような調査を、場合によっては厚生労働省さんの御支援もいただかなければいけないのかもしれませんが、そういうことが可能であれば、よりカバー率として的確な指標になるかと思いますので、そのあたり、座長としてということではなくて一委員としての、村田委員からの御質問を補足する形でお願いできればと思います。

○江原委員 床面積では無理ですよね。だから、病床のカバー率。

○森口座長 ベッド数とか、そういう指標を。もう釈迦に説法だと思いますので控えますけれども。

○畑仲主席研究員 ですから、アバウトで見れば、8-5ページには床面積規模別の数字も出しておりますので、その辺は出せないことはないということですけれども、あえてダブルスタンダードでは出していないということでございます。

○森口座長 決してダブルスタンダードではなくて、ある種の報告、レポーティングのフォーマットの一部ではないかと、少なくとも私は個人的には思いますので。それは非常に重要だと思います。

 大体予定の時間でございますが、特に委員の先生方も、各団体もやはり電力の議論に時間を割きたいということだと思います。もしよろしければ、私立病院からの御説明とそれに対する質疑はここまでとさせていただいてよろしゅうございますか。

 どうもありがとうございました。

 それでは、残り時間は限られておりますけれども、全体にかかわる御質疑をいただきたいと思います。もし、電力排出係数の適用の考え方以外に、共通して何か御意見があれば、まず委員のほうから御指摘をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 各団体からの御説明を受けて、少し時間が限られている中で言い漏らしたところですとか、あるいは共通して何か御注意いただける点があれば、いただきたいと思います。いかがでしょうか。

 では、内山委員、お願いします。

○内山委員 先ほど、畑仲委員からの提案出しが、双方向でもっと協議をされるべきだというのですが、今後このフォローアップでやることになるのですか。それともどんな方策が考えられるか。

○佐藤補佐 それはまた今後調整させていただきたいと思います。

○内山委員 ぜひ調整をお願いします。

○森口座長 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、フォローアップというのは、本当にフォローアップでしかないのですね。ただ、もちろん例えば環境省所管業種であれば、廃棄物の団体があるわけですね。産廃処理業などがあって、では、産廃処理業に対する支援というのは、フォローアップをやっている部局とは別に、別途廃棄物を所管している部局がそういうことをやっていく可能性はあるわけですし、経済産業省が所管であれば、経済産業省全体のフォローアップはあるところでやっていますけれども、当然その製造業各所管の原局、原課があられるわけで、そこはある種のそういう場面が設けられ得るのだと思うのですね。そういうところに比べると、やはり厚生労働省さんは直接温暖化の行政を所管しておられるわけではないので、なかなかそういう場を設けにくいという構造的な問題があるのではないかなと思います。それは環境省、経済産業省の所管業種にもかかわらせていだいているのは、私は冒頭で申し上げたとおりなのですが、そういう意味で、やはりそれ以外の官庁の所管業種でやっておられる、やはり厚生労働省さんのこの所管のこのフォローアップは毎年非常に活発な議論ができておりますし、特に病院のほうから毎年そういう御要望をいただいている。これは多分、経済産業省、環境省の所管業種だけではなかなか見えない視点ではないかと思いますので、それは厚生労働省さんのお力だけでやっていただけるのか、場合によっては、今日せっかく環境省も経済産業省もお越しいただいていますので、政府の中において多少環境省、経済産業省以外の所管業種に関するこういう問題に対する取組はどういう形で、フォローアップ以外の具体的な取組を進められるような仕組みを考えいただけるのか、第一義的には厚生労働省さんが御担当になるかと思いますけれども、ぜひ政府の各省内でそのあたりを御議論いただければなと思います。

 はい、どうぞ。

○畑仲主席研究員 今の関係で、3-18ページを、これは今の再生可能エネルギーの法律改正の一部を抜粋したものですけれども、これの「2 入札の実施等」というところがあって、それで(4)が入札の実施の中身なのですね。それで、上限価額を設けるということで、これは入札を実際に知っている人が本当に書いたのかどうかというのはすごく疑問で、私はかなり建設の入札について実際に携わっているものですから、上限価額を設ければ絶対に談合されるわけですよ。だから、1つは、上限価額というものは設けるべきではない。

 もう一つは、上のほうの1の(2)で「再生可能エネルギー電気の価格の水準に関する目標を定めなければならないものとする」ということが書かれているわけですね。これはどうやって定めるのか。ポリシーにかかわってくる話です。ですから、私の意見としては、マスキー法みたいな形で、かなり理想的なターゲットを設けて、それについて頑張って達成したところが全部その利益をとるというぐらいの仕組みの話をしない限り、この辺についてメーカーから話を聞いてこのぐらいですよなどという安直な数字をつくったのでは、到底今の80%削減なんて行かないということで、ですからこの辺の議論についても我々としては意見を言いたい。もしくは聞きたいし、それについて提言もしていきたい。

○森口座長 私なりの理解で整理をさせていただきたいのですが、1つは、今日の資料4の0-14ページで御提案をいただいた地球温暖化対策のための厚生労働省電力ユーザー勉強会、これは厚生労働省さん主体で、横断的に厚生労働省さん所管業種の中で少し共通して取り組んでいただける可能性があるかなと思います。

 もう一点は、3-18ページでおっしゃった、これは固定価格買取の話だと思いますが、それ以外に電力自由化ですとか、やはり国のエネルギー政策全体にかかわる問題について、電力ユーザー業界からの御意見というのはあろうかと思いますので、これは多分厚生労働省所管業種だけではなくて、あらゆるところにかかわってくると。ですから、厚生労働省さんに御用意いただいた座長のメモの中には、それを超える御発言は控えていただきたいという雰囲気で申し上げたのですが、それは毎年、これは率直な御意見をいただく場でもあるので、ぜひ経済産業省さん、今日お越しいただいている部局の中だけにやはりおさまらない問題かもしれませんけれども、そういう声があるということはぜひお持ち帰りいただいて、場合によっては、これはエネ庁さんになると思いますけれども、少し対話の場を設けられないのかといったことについて、御議論いただきたいと思いますし、また、産構審、中間審の合同会合で、そういう機会があれば私のほうからも発言はさせていただきたいと思いますけれども、ぜひそこのところについてはお持ち帰りいただければと思います。

 ということで、引き取らせていただいてよろしいでしょうか。

○畑仲主席研究員 一言だけ。3-15ページの表で、2015年度の賦課金が1兆3,000億。それで、この買取価格が1兆8,000億。これを消費税に直すと、約1%に近いものなのですね。今、まさに議論されている。それぐらいのものがいつの間にか家計から出ているわけですよ。実際もう消費税が1%上がったのと同じなのですよ。これを5名の方が決めてしまっているわけですよ。だから、その辺を十分認識していただきたい。

○森口座長 そのことと、一方で、2014年度ですから初めてかと思いますが、ここのトレンドの中で言えば、電力排出係数は、わずかながらではありますが、下がったと。その下がったということに対して、この固定価格買取による再生可能エネルギーの発電規模が増えたということが果たしてどのぐらい効いているのかとか、そういったところをやはり説明責任を国といいますか、こういう制度をつくった側というのは負っているのではないかと思います。私は一定程度、非常に経済的負担は大変なのだけれども、電力排出係数が下がったということに関しては、私見ですけれども、何がしか効果は出ているのではないかと思います。ただ、そこの費用対効果がいかがなものかという議論も当然あると思います。製薬業界さんからいただいた資料の中でも、費用対効果はどうなのかという御議論があったと思いますので、やはりなかなかフォローアップの短い時間の中では、議論できていないところが多々あろうかと思いますけれども、引き続き、こういう建設的な議論ができればなと思います。

 電力排出係数のことに関して、私ばかり話して恐縮なのですが、佐藤委員から御指摘のあった点に関しては、私の理解では、それぞれの業種はそれぞれのお考えがあるので、それに沿ってやっておられると。そのことは結構なのですけれども、やはり指標が統一されていないとどういうベースで計算されたものかというのがわかりにくいというところがあるのではないかなと思うのですね。私の理解では、製薬業界さんのベースに今、一番フォローアップの中でメーンに使っておられるのは固定ではなくて、当初、想定されていた、ある種電力の排出係数が下がっていくというものを今中心に使っておられると思うのです。ただ、先ほどの御発言の中で内山委員はそれを固定と受け取られていたような気がしますので、2005年は固定ではないですよね。

○内山委員 いいえ、私はそうではなくて、2006年度の値で、それを一般的には固定と言っているのでしょう。

○森口座長 違うと思います。

○佐藤委員 そうではなくて、病院の方は2006年度を基準と言っているのです。

○森口座長 下がってきていることを想定したものと、絶対値としてある年度のものを固定したものと、それから実勢のものとあるわけですね。実勢のものの調整前と調整後というのがあるわけですね。そういったことが非常にテクニカルに難しいので、そこのところが誤解なく伝わるようにするためには、やはり参照値でもいいので、何段か書きで、業界としての考え方はこれであるということは全く差し障りないと思うのですけれども、少なくとも、それは比較可能にしていただきたいのが私のお願いです。

 一方で、佐藤委員は、さらに踏み込んで業界としての考えとしてもこうとるべきではないかという御意見だったと思うのですけれども。

○佐藤委員 こうとるべきかというのではなくて、考え方はいろいろあって、それは理由があっていいと思うのですけれども、一つのグラフの中で、基準年度は高い排出係数(実排出係数)を使用していて、あとは実際には存在しない係数で固定というグラフはおかしいのではないかと思います。先ほどの排出量推移を追うグラフの中で、2010年度までは2005年度も含めて調整後の排出係数を使っていて、最後の11年、12年はそれより架空の数字で0.927及び0.900を使うという、電事連が2008年から2012年の目標値として出した値を使っていて、さらに今度のフェーズ1に入ってからの値は、電事連が2020年の目標として震災前に堤出したものを使っている。一つのグラフの中で、最初の2010年までは基準年も含めて高いもの、それ以後極端に低いものを使ったというグラフになっているわけです。この一番最初に説明された3ページのグラフの183トンというのはそういうわけですから。

○登坂委員長 目標値と係数とかいろいろな条件とかはセットなのですね。2010年に作成した時点では、この使い方は正しかったのです。ただし、2011年以降、3.11以降、我々が自分たちで勝手に数字をつくれません。したがって、経済産業省とか電事連からそういったものが出てくれば、目標値の変更とともに一緒にセットで変えて、それで公にしようと思っています。ずっと待っていますけれども、一切出てこない。

○佐藤委員 そこの問題を言っているのではなくて、このグラフの中で、基準年は実勢値、2013年度、2014年度とこれから追っていくところが架空の数字になっているのがおかしい。要するに、排出量の推移は実際の排出量で正確に表示し、業界の努力分を出す部分は実勢値でも、0.3なら0.3でもよいですが基準年度の値も0.3にして表現したほうが、どれだけの業界努力分があるのかということがはっきりわかると思います。

○登坂委員長 経団連向けのデータは実排出と調整後を使っています。だから、それぞれによって使い分けているわけですね。だから、今日の資料の中でも、参考資料という形をとっていますけれども、私個人的には固定したもので前面に出せばいいいと思っている。ただし、2012年時点で、もう条件付きで目標値もセットでつくってしまいましたので、これを変えるにはちゃんとした理由をつけないと、勝手には変えられません。だから、一応震災がなかった場合という数字を出していますけれども、京都議定書のときに3団体だけ経団連の中で未達だったのですよ。その中に製薬業界が入っています。これは3.11があってのことなのですけれども、ちゃんと理由はつけたのですけれども、新聞紙上では未達成の企業としか発表されていません。ですから、それがひとり歩きしてしまうのですよ。それが一番困ったわけです。ですから、そういったことがないように、ちゃんと別な理由もつけて、報告書をまとめているというのが現状です。

○森口座長 この問題は大変に難しくて、震災があり、こういう現在のエネルギー需給状況がある中で、当然業界自身の取り組み分としての効果が幾らだというのはきっちり主張していただきたいとは思います。その一方で、震災があったということも事実なので、その中で、どのようにエネルギー需給を考えていくか。それはもちろん電力ユーザーさんのほうで何かできることは当然限られてくるわけですけれども、一方で、電気事業のほうも電気事業だけでやれる部分ではない部分もある。それは、私も経済産業省所管業種のフォローアップで、電力のほうから数字を出していただかないとユーザーがお困りになりますということは、再三電事連に対して申し上げたのですが、それは国がやはり決めることであってというのが電事連さんのお答えであったわけですね。

 そういう状況の中で、畑仲さんからも御指摘がありましたけれども、今、国の計画としての将来の電力排出係数の見通しが生ぬるいのではないかと、そういう御指摘だと思うのですけれども、実行可能性を考えた場合に、一方でコストの負担ということを考えた場合には今こういう数字にしかならないということも、見通しとしてはそうなのだと思います。そういう状況の中で、では電力ユーザーとしてはどこまでの努力をするのか、それでできない部分に関してどう考えていくのかというのは、恐らくこれは電力の供給側、需要側、双方の問題として恐らく捉えていかなければいけない問題だと私は思いますし、まさにそういったところも含めて対話の場がありませんと、一方的にそれぞれの主張ということになってしまいかねないので、繰り返しになりますけれども、そこはぜひ経済産業省だけではなくて、環境省も当然かかわってくるかと思いますけれども、温暖化対策を主体的に実行される官庁におかれては、ぜひそのあたり今日の数々の御指摘は受けとめていただきたいと思っております。

 私の不手際で、私もしゃべり過ぎて時間がかなり押しておりますけれども、ぜひ最後に何か一言ございましたら。

 内山委員、お願いいたします。

○内山委員 原単位に関してなのですけれども、電力の原単位は3つの要素で、今、非常に不確実性がありまして、1つは、原発が稼働がどうなるか。つい先日の大津の地裁の問題もありまして、先行きが全く不透明なのですよ。それから、FITによって、これもどれだけ入るか、この制度も今、見直ししていますので、2030年にどのぐらい入るのかというのははっきりしません。

 もう一つ、電力の自由化というのがあって、この自由化によっていろいろな電力会社が出てくるわけですが、それがどんな動きをするか、これもわからないのですよ。そういう不確実性がある中で、正確な原単位を決めることはできない。それを基本的に皆さん理解しなければいけないと思うのですね。しかし、そうはいっても、政府は2030年を目標、あるいは2050年目標を掲げていますから、ある程度長期的な見通しについて判断していかなければいけないということなのですね。それは電力の原単位であらゆる業界が振れるというのは、私も経団連の自主行動計画をずっと面倒を見てきていますけれども、それがいつも悩みなのですね。

 ですから、どうしてもまず固定した値を、これは2006年にするのか、あるいは政府が今、言っている2013年にするのか、これは今後の課題なのですけれども、これは国のほうで決めてもらいたいのですが、それをある程度ベースに、固定した値を使って推計を出す。そうしないと、各業界の努力が出てこないわけですよ。理解できない。フォローアップも、何のフォローアップかというのは、各業界さんの努力を評価するのがフォローアップの目的なので、まずそこはベースに考える必要がある。しかし、そうは言っても、現実にどれだけCO2が日本で出ているのかということは、やはり別途参考資料でもいいのですが、これをつくらざるを得ないのですね。その2本立てでしばらくの間進めて、実排出については常に変化を考慮しながらその数値を出していくという考え方が必要ではないかなと思っていますので、その辺はこれからいろいろな業界に関係しますので、ぜひ方針を国のほうで明確にしてもらいたいというのが私からの要望でございます。でないと、各対策を立てている業界は混乱しますよ。ぜひお願いいたします。

○森口座長 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 1点だけ付け加えていいですか。業界努力というのは、電力の係数にもかかわる部分もあるわけです。というのは、製薬業界が昔やっていたのは、エネルギー転換は当然液体燃料からガスへ、または電気にさらに進むもうとしていたわけです。ガスから電気に変えるときに、ヒートポンプを使って変えようとしたのですけれども、そのときはまさに電力係数が効いてくるわけですよね。だから、係数のところはまさに業界の努力が反映されるところだったのです。

 ところが、今の状況だと、やると余計悪化してしまうので、その対策がとれないわけです。今の段階だと業界努力に入らないですけれども、本来は係数部分も先ほどの電力自由化で排出係数が低いところをとろうというのも、まさに業界努力のところなのです。そこのところが本当は反映されるべきなのです。

○内山委員 それはやはり当然これから新電力がだんだん入ってくると、それこそいろいろな電気を買えることになりますので、当然それは各業界でそういうことをどれだけ実施したかというのは当然入れて、それを評価したい。中には悪化するところもあるかもしれない。コストを優先すれば悪化する可能性があるわけですから、そういうことも考慮して判断する必要があると思う。ただ、全体から見ると、電気の使用量はかなりの部分が系統電力が中心なのですよね。だから、その辺はしっかりと理解して進めていく必要があるということだと思います。

○森口座長 今日限られた時間で、あまりこれ以上テクニカルな議論はできませんけれども、電力排出係数も、決してユーザー側の受け身ではなくて、ユーザーの電力の使い方によっても実は電力排出係数に影響しますので、これも佐藤委員がおっしゃったところだと思います。そういう意味では、やはりそこまで踏み込んでいかないと、なかなか今後中長期的な取組が難しいのではないかなと思います。

 内山委員が固定とおっしゃった数字ですら、固定という意味が先ほどのやりとりの中で言うと、共通の理解になっているかどうかというのも私は確認が必要かなと思ったのは、数字そのものを固定するのか、あるいはその時点で将来見通しがこうなるよというふうに決めたものを固定とおっしゃっているのか、そのあたりもちょっと含めて、やはり全体に国のほうで、特に経済産業省、環境省が中心になるかと思いますけれども、そのあたりに号令をかけていただきませんと大変混乱をするというのが、今日全体を通じての御指摘かと思いますので、そのあたりぜひ御配慮いただきたいと思います。

 既に少し時間が過ぎておりますが、よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、議論が尽きないところ、大変申しわけございませんけれども、時間の都合上この辺で終了とさせていただきたいと思います。

 最後に、事務局から今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。

○佐藤補佐 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、闊達な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。

 資料5にございますのが今後のスケジュールでございました。

 本日御欠席の委員より質問などをいただきまして、事務局のほうで報告書案を作成いたしまして、皆様に御確認をいただいて、最終的には6月ごろに公表できればと考えておりますので、引き続き御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 厚生労働省といたしましても、本日いただきました貴重な御意見を踏まえまして、厚生労働省としてできることに関しましては、積極的にやっていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○森口座長 ありがとうございました。

 それでは、これでフォローアップ会議を閉会させていただきたいと思います。

 本日は、お忙しい中、大変活発な議論をいただきまして、ありがとうございました。

これにて閉会いたします。


(了)
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