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2015年11月9日 成27年度第1回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会議事要旨

○日時

平成27年11月9日(月) 10:00~12:00


○場所

厚生労働省12階専用第14会議室


○出席者

  石田 光広(稲城市 副市長)
  伊藤 利之(横浜市総合リハビリテーションセンター 顧問)
  井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 部長)
  久留 善武(一般社団法人シルバーサービス振興会 企画部長)
  五島 清国(公益財団法人テクノエイド協会 企画部長)
  相良 二朗 (神戸芸術工科大学 教授)
  助川 未枝保(一般社団法人 日本介護支援専門員協会 常任理事)
  鈴木 恵子(ボランティアグループすずの会)
  藤江 正克(早稲田大学 教授)
  松雄 俊憲(名古屋市健康福祉局高齢福祉部 部長)
○山内  繁(NPO法人支援技術開発機構 理事長)
  渡邉 愼一(一般社団法人日本作業療法士協会 制度対策部福祉用具対策委員長)
  ※○印は座長                                      (敬称略)

○議題

1.介護保険における福祉用具及び住宅改修の要望のある種目等に係る検討について
2.その他

○議事

○開会にあたり、高齢支援課長より挨拶

近年の介護ロボットの技術革新に柔軟に対応し、在宅介護の負担軽減にも迅速に対応できるように、介護保険の給付対象に関する提案の受付や、これまで3年に一度開催してきた当該検討会について、今回より必要に応じて随時行うこととなった。

今回の検討会では、4月より受け付けた提案22件(福祉用具18件、住宅改修4件)について御議論いただきたい。

受け付けた提案の内容について、想定する個別の製品・提案を参考にしつつ、介護保険の給付対象となる福祉用具・住宅改修における種目・種類の追加等について検討を行った。

 


 

○議事

 

1.介護保険における福祉用具及び住宅改修の要望のある種目等に係る検討について

(1)検討を要する福祉用具の種目について

 

●服薬支援ロボット(2件)

      要介護高齢者に特化した利用とは限らないとあるが、認知機能が低下している人にとっては必要だという方はいらっしゃるのでは。

      医療の観点というよりは、ドクターが処方した薬を在宅においてみんなで共有しながら、飲んだことを確認していくかということを考えると有効ではないか。

      医師、薬剤師が薬の管理をして、最終的に飲むまでが薬剤管理。治療の観点、医師、薬剤師で管理が無理だというところを補完するのはわかるが、それを介護保険のチームでしっかり判断できるかどうかというのは危惧するところ。

      利用者や介護者も高齢の場合、理解して使いこなせるか疑問である。

      介護分野で、労力をいかに削減し、そして効率的に介護を行っていくという形を見据えたときには期待が持てる。今後の開発も含めて期待するとなると、ここで保険給付対象であると認めてしまうと、これでいいのだと開発が止まってしまうのではないか。

      有効であると期待は持てるが、介護保険の給付対象とするには、まだ改善の余地があり、時期的に早いのではないか。

 

●コミュニケーションロボット

      コミュニケーションロボットの持つ複合機能をどう考えるのか整理が必要。日常の生活支援ということで役に立つ機能もあるのではないか。

      独居老人とか老々夫婦が増えていく中において、コミュニケーションというのをどう考えるのか、どの範囲までを介護保険で見ていくのかというのは、考え始めてよい時期に来ているのではないか。

      今後開発を進めていく上で、ロボットはユーザーが話したことに対して予めプログラムされた反応を返しているのだということを、倫理的にどう考えるのかを明確にしていくべき。できることを機能に乗せるのではなく、何をしなくてはならないかを考えるべき。

      コミュニケーションは、人間対人間、人と人との相互関係である。それがちゃんと保障されるような仕組みと、それを手助けするような道具であるべきであり、単なる癒しではいけない。

      介護保険の給付対象とするには時期が早いのではないか。

 


 

●浴槽用滑り止めマット

      廉価であり、一般に市販されており、利用者が要介護高齢者に限らないため、介護保険の給付対象としては適当ではないと考える。

 

●防水シーツ

      廉価であり、一般に市販されており、利用者が要介護高齢者に限らないため、介護保険の給付対象としては適当ではないと考える。

 

●見守り支援ロボット(2件)

      認知症徘徊感知機能以外の機能が複合的に装備されているが、投薬管理、点滴監視機能などは治療用の観点から使用されるものではないか。

      さまざまな複合機能を給付対象として認めてほしいという提案であると認識しているが、介護保険でどの範囲まで許容するのかという議論が必要であると考える。

      将来的には必要となってくる機能であろうが、地域等で人の力で見守りをしようという動きの妨げになるのではないか。時期尚早ではないか。

      見守りをするということは、それに対応する体制が必要となる。そのような体制がない中で機能の拡充を認めることは適当ではないと考える。

      見守りの範囲を広げるのは、対応するインフラ等の整備も必要になる。介護保険の福祉用具貸与の範囲を超えているのではないか。

 

●認知症徘徊感知機器(3件)

      遠距離での徘徊が確認された場合に一定規模の支援体制が必要であり、家族介護のみでは対応が困難なことが想定される。家族だけでなく行政なり民生委員なり、地域で支える仕組みが必要である。そういった体制を支援しながら導入するのが望ましいだろう。

      インフラの整備とデバイスの進歩を見ながら、引き続き開発されていくことを期待する。

 

●簡易浴槽

      お風呂に入る、足浴する、頭を洗うこと自体は日常生活の介助として重要なこと。

      洗髪はハードルが高いものの、やり方によってはいろいろなやり方があり、また現在、サービスもいろいろ整ってきているので、洗髪や足浴のためだけにこの機器が必要なのかどうか、疑問な点がある。

      個人の居宅でレンタルするというよりも、施設や事業所で活用する方がふさわしいのではないか。

      一般製品との差別化が難しい。費用対効果にも課題がある。

 


 

●移動用リフト

      既に給付の対象としているところであり、軽度者の利用には制限を設けているところ。一方で、軽度者であっても「福祉用具を必要とする状態」である場合、利用可能としている。

 

●洋式トイレ用足置き台

      特定の状態(便秘)の者用の支援機器であって、要介護高齢者に特化した利用とは限らないのではないか。

 

●歩行支援機器(2件)

      体に装着する、装用するものは補装具であるとの定義があり、その点では補装具の中に入るもの。

      要介護者支援という立場では良いものだろうと考えるし、これからこういった分野を伸ばしていかなければいけないと感じているが、介護保険の保険給付の中でうまく機能していくかどうかは慎重に検討した方がよい。

      工学的な面からの安全性も含めて臨床評価がきちんと担保されるような体制が必要ではないか。

      少し長期の視点で、介護保険の仕組の中でうまく機能していくかどうか、モニタリングを行いながら、有効性を見ていく仕組みを将来的に考えた方がよいのではないか。

      民間企業は市場で勝負して、その上で、要介護者を支援する観点からどうしても保険給付にならざるを得ないものは補完的に対象にする、という姿勢が大切であると考える。介護保険の福祉用具の対象品目を目指して開発をしているというだけでは足りないのではないか。製品化された中で要介護者の自立支援に資するものを介護保険の給付対象として活用させていただきたいという考えである。

      現段階では、期待するところは大きいが、給付対象としては時期が早い。

 

●転倒保護用支援機

      住宅改修における「滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更」で適応すべきではないか。

 

●歩行器

      坂道が多い町では、歩行器を使いにくかったり、下り坂が怖かったりする方が多いので、(今回提案のあった)自動制御機能の安全性が確保できるのであれば、買い物など外出支援に一層つながるのではないか。

      歩行器を使わないと歩けないような方々は極めて転倒しやすいので、一般の歩行器と比べて動力の制御が(転倒リスクを)ある程度カバーしてくれることから、坂道だけでなく有効であると考える。

      現在給付対象となっている歩行器よりも制御機能がついている分、安全性の面ではプラスであると考えられる。

      利用上の安全性については、過去にも、具体的な品目ごとに臨床評価が条件とされた例がある。

      利便性は従来のものの延長線上にあって、安全性に対してロボット技術が適用されて、その有用性を認めるということになるだろう。従来と同じ製品であったとしても、ロボット技術を導入することによって安全性が高まるのであれば、導入促進にも向かうだろうし、開発事業者に対するメッセージ性が高いと考える。

      電動車いすが認められているように、歩行器についても電動が認められていくだろうという展望はある。

      「歩行器」の範囲に新たに追加することが適当である。

 

●電位治療器

      治療を目的としたものであり、介護保険の対象としては適当ではないと考える。

 

(2)検討を要する住宅改修の種類について

 

●段差の解消

      1階から2階への移動のための電動リフトの設置のための工事は、段差の解消とは言えないのではないか。

 

●その他1

      屋外の住宅改修の必要性は個別性が高い。理由書をもとにその必要性を市町村が判断することになるため一律に明確化することは適当でない。

 

●その他2

      車いすの転回スペースを作る工事や廊下などの通路を拡張する工事などは、資産形成につながるため、介護保険の趣旨と一致しないのではないか。

 

●その他3

      水道蛇口を扱いやすくする取替え工事は市販の簡易ノブ等を装着することで対応可能であるため、介護保険の給付対象外であると考える。

 


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