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2016年1月18日 あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会(第1回) 議事録

医政局医事課

○日時

平成28年1月18日(月)14:00~16:00


○場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)


○出席者

釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会 常任理事)
北村 聖 (東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター 教授)
栗原 勝美 (東京都立文京盲学校 教諭)
後藤 修司 (公益財団法人東洋療法研修試験財団 常務理事)
坂本 歩 (公益社団法人東洋療法学校協会長)
田城 孝雄 (放送大学 教授)
筒井 宏史 (日本鍼灸理療専門学校 専任教員)
仲野 彌和 (公益社団法人日本鍼灸師会長)
藤井 亮輔 (筑波技術大学 准教授)
矢野 忠 (明治国際医療大学 特任教授)

○議題

1.あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師学校養成施設の現状と課題について
2.その他

○議事

 

 

 

 

○医事課山本課長補佐 少々お時間は早いようですが、皆様おそろいですので、ただいまから第1回あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会を開催いたします。本日は御多忙のところ、構成員の皆様方におかれましては、本検討会に御出席賜りまして、誠にありがとうございます。私は、医政局医事課の課長補佐をしております山本と申します。これより座長選出までの間、議事の進行をいたします。よろしくお願いいたします。

 それでは開催に当たり、神田医政局長より御挨拶を申し上げます。

 

○神田医政局長 医政局長の神田です。本日は、委員の皆様方にはお忙しいところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。日頃から、皆様方には医療行政、取り分けあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の養成等に御尽力を賜っていることに対し、この場をお借りしてまず最初に御礼を申し上げたいと思います。

 さて、はり師・きゅう師の状況等については、近年大幅に増加をしております。全国93の養成施設で、今年度の定員はおよそ5,700人です。これは、平成10年当時と比べますと、6.5倍ということで、大変増加をしてきております。また、直近の公表データである平成24年度のこれらに係る療養費の推計値は、968億ということで、これもデータのあります6年前の1.9倍です。このような、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を取り巻く環境の変化に対応し、国民の信頼と期待に応える質の高いあん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの提供に資するための対策を講じていく必要があると考えております。本日、この検討会を開催し、質の高いあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の養成に向けて、カリキュラム等の改善について御議論いただき、結論を得ましたら、平成294月の認定規則の改正等に向けて取組を進めてまいりたいと考えておりますので、夏頃を目途に結論をおまとめいただければと考えております。

 また一方で、医療保険を所管いたします保険局においても、療養費について様々な課題が指摘されており、療養費に関するルールを見直すことや、適正請求を確保するための支給基準の明確化といった諸課題について、今後保険者、施術者の方々の関係者の御意見を伺いながら検討していくと聞いております。構成員の皆様方には、御専門のお立場から忌憚のない御意見を賜りますようにお願い申し上げまして、開会に当たっての挨拶とさせていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

○医事課山本課長補佐 次に、資料の確認をいたします。次第を御覧いただきたいと思います。次第のほかに、1枚紙の資料も含めて12に分かれております。資料が1から3まで3部に分かれており、その後に参考資料1から9まであります。参考資料6は枝番で1から6までありますが、こちらは1つのくくりになっております。その後、7から9まで続いており、全部で12に分かれている資料です。不足等ありましたら、御連絡いただければと思います。

 それでは、初めに本検討会の構成員の皆様方の御紹介をいたします。公益社団法人日本医師会常任理事、釜萢敏構成員です。

 

○釜萢構成員 釜萢です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授、北村聖構成員です。

 

○北村構成員 北村です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 東京都立文京盲学校教諭、栗原勝美構成員です。

 

○栗原構成員 栗原です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 公益財団法人東洋療法研修試験財団常務理事、後藤修司構成員です。

 

○後藤構成員 後藤です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 公益社団法人東洋療法学校協会会長、坂本歩構成員です。

 

○坂本構成員 坂本です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 放送大学教授、田城孝雄構成員です。

 

○田城構成員 田城です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 日本鍼灸理療専門学校専任教員、筒井宏史構成員です。

 

○筒井構成員 筒井です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 公益社団法人日本鍼灸師会会長、仲野彌和構成員です。

 

○仲野構成員 仲野です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 筑波技術大学准教授、藤井亮輔構成員です。

 

○藤井構成員 藤井です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 明治国際医療大学特任教授、矢野忠構成員です。

 

○矢野構成員 矢野です。よろしくお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 続いて、事務局を紹介いたします。神田医政局長です。梅田審議官です。渡辺医事課長です。佐藤医事課長補佐です。またオブザーバーとして、文部科学省高等教育局から、医学教育課前島課長補佐です。特別支援教育課、青木調査官です。あらかじめ御連絡いたしますが、医政局長におかれましては、都合により途中退席をさせていただきたいと思います。

 次に、座長の選出をいたします。まず事務局より、資料1を説明いたします。資料1は、「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会開催要綱」です。1.目的。あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の学校養成施設のカリキュラム等については、平成12年以降改正を行っていないが、この間、はり師及びきゅう師の学校養成施設数が増加する等、あはき師を取り巻く環境も変化し、学校養成施設における臨床実習の充実等を通じた、あはき師の質の向上が求められている。このような状況を踏まえ、国民の信頼と期待に応える質の高いあはき師を養成するため、あはき師学校養成施設の認定基準等の見直しなど、あはき師学校養成施設のカリキュラム等の検討を行う。こちらが、目的です。

 次に、2.検討内容です。「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師に係る学校養成施設認定規則」、「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師養成施設指導要領」及び「はり師及びきゅう師養成施設指導ガイドライン」の見直しについてということで、具体的には(1)から(4)です。総単位数の引上げ。最低履修時間数について。臨床実習の在り方について。そして、その他です。

3.構成員は、別紙にございますが、先ほど御紹介させていただきましたとおりです。また座長が認めるときは、構成員以外の関係者の出席を求めることができるとされております。4.運営について。(1)座長は構成員の互選とする。(2)座長は、座長代理を指名することができる。(3)検討会の議事は、別に検討会で申し合わせた場合を除き、公開とする。(4)検討会の事務は、医政局医事課において行う。(5)その他、検討会の運営に関して必要な事項は、検討会において決定する。5.施行。この要綱は、平成28118日から施行ということです。

 次に座長の選出ですが、4.(1)にありますとおり、座長は構成員の互選ということになっておりますので、自薦、他薦どちらでも結構です。どなたか推薦等ありましたら、お願いいたします。

○藤井構成員 放送大学の田城委員を推薦いたします。

○医事課山本課長補佐 ただいま藤井構成員より、田城構成員の推薦がありました。ほかにありますか。ないようです。田城構成員に座長をお願いしたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。

 

                                  ( 異議なし)

 

○医事課山本課長補佐 それでは、異議はないようですので、田城構成員に本検討会の座長をお願いいたします。田城構成員におかれましては、座長席に御移動いただき、今後の進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

 

○田城座長 ただいま、座長という大役を仰せつかり、非常に緊張しております。構成員の皆様の御協力を得て、円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、議事を進めます。先ほど、事務局から資料1について説明がありましたが、この開催要綱の4.(2)において「座長は座長代理を指名することができる」と規定されております。この規定に基づき、私から座長代理の先生を御指名させていただきます。座長代理として、北村構成員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。それでは、資料について事務局から説明をお願いいたします。

 

○医事課山本課長補佐 資料1については、先ほどのとおりです。資料2は、御検討いただきたい事項()として、事務局より御提案させていただいている内容です。1、総単位数の引上げについて。臨床実習、保険制度の内容等、必要なカリキュラムを追加し、総単位数を引き上げることについてどう考えるか。2、最低履修時間数の設定について。養成施設によって総履修時間数の差が大きいことを踏まえ、最低履修時間数を設定することについてどう考えるか。3、臨床実習の在り方について。臨床実習の単位を追加すること、実習施設先の要件等についてどう考えるか。4、専任教員数について。専任教員数を増やすこと、専任教員の要件等についてどう考えるか。5、その他です。

2ページに移ります。1.総単位数の引上げについて、2つほど論点を挙げさせていただいております。1、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師養成施設の卒業生の臨床能力の低下が指摘されているため、臨床実習(現行1単位以上)を充実するとともに、必要なカリキュラムを追加してはどうか。2、あはき師の国家資格取得後、直ちに施術所を開設することが可能となることから、健康保険制度に係るカリキュラムを盛り込み、必要な知識等を教授してはどうか。(参考1)は、認定規則の別表1を抜粋したものです。御覧のとおり、課程はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師それぞれの資格とともに、併せて取ることができますので、全体で7種類の課程があります。あん摩マッサージ指圧師でいきますと、基礎分野が14単位、専門基礎分野が27単位、専門分野が36単位の合計77単位あります。はり師でいきますと、合計で79単位、きゅう師でいきますと77単位。あん摩マッサージ指圧師・はり師を併せて取る場合については86単位、あん摩マッサージ指圧師・きゅう師を併せて取る場合については84単位。はり師・きゅう師を併せて取る場合については86単位。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を全て取る場合については93単位と定められております。

3ページの(参考2)は、他職種の状況です。履修単位数ということで、3年課程のものを抜粋しております。97単位の看護師、95単位の診療放射線技師、臨床検査技師、93単位の理学療法士・作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、言語聴覚士があります。柔道整復師については85単位とされておりますが、こちらについても先月から検討を進めており、あはき師同様に見直しをする予定です。

4ページは、最低履修時間数の設定についてです。平成12年に、あはき師学校養成施設の教育内容が単位制となったことに伴い、各養成施設においては45時間と定められている臨床実習を除いて、1単位当たりの時間数が15時間~45時間の範囲で授業を行うこととされた。このため、現在、養成施設によって総履修時間数に不均衡が生じている中、特に近年、はり師・きゅう師の養成施設で、1単位当たりの時間数を最低時間数とするカリキュラムを組む養成施設が出てきており、あはき師の質の向上の観点から、あはき師養成施設指導ガイドラインにおいて最低履修時間数を設定すべきではないか。その下の(参考1)ですが、これはガイドラインと指導要領の抜粋です。8の授業に関する事項の(2)3行目から御覧になっていただきますと、1単位の授業時間数は、講義及び演習については15時間から30時間、実験、実習及び実技については、30時間から45時間の範囲で定めることとされております。(3)臨床実習については、1単位を45時間の実習をもって構成することということで、時間が定められているところです。(参考2)は、最低履修時間数を既に設定している職種の例です。看護師については、先ほどの97単位に対して3,000時間以上とガイドラインで定められております。言語聴覚士については、93単位について2,835時間以上と定められております。

5ページは(参考3)、単位制以前の履修時間数ということで、平成12年に単位制になる前の総履修時間数です。あん摩マッサージ指圧師は2,550時間、はり師は2,565時間、きゅう師は2,355時間。あん摩マッサージ指圧師・はり師は3,045時間、あん摩マッサージ指圧師・きゅう師を取る場合は2,835時間。はり師・きゅう師を取る場合は2,865時間。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を取る場合は3,165時間と定められております。(参考4)については、ここで厚生労働省に報告を頂いている各養成施設の履修時間数の平均を挙げております。あん摩マッサージ指圧師の昼間については2,270.0時間です。あん摩マッサージ指圧師の夜については、少し落ちて2,133.3時間です。はり師・きゅう師の昼間は2,360.4時間。はり師・きゅう師の夜間は2,210.7時間。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の昼間については2,703.3時間。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の夜間については、2,660.7時間となっております。

 こちらで挙げられているのを御覧いただきますと、昼間、夜間の区分をなくした場合については、現在、養成課程、制度上は7課程ありますが、実際に運営されているのは、こちらにあるとおり3種類です。すなわち、あん摩マッサージ指圧師だけの場合と、はり師・きゅう師を同時に取る場合、それとあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3つの国家試験の受験資格を得る場合の3種類が、実際に運営されている学校養成施設の課程となります。

6ページは、(参考)として、認定規則に定める単位数と、最大・最小授業時間数です。認定規則に定められている必要単位数を、指導要領、若しくはガイドラインにある履修時間の幅に置き換えたものです。御覧のとおり、1.あん摩マッサージ指圧師については、置き換えてみますと、単位数77単位において最小で1,320時間、最大で2,610時間という幅が制度上生じるということです。次のページが、2.はり師・きゅう師を同時に取る場合です。こちらは、単位数86単位に対して、最小の場合が1,545時間、最大が2,970時間という幅が生じるということです。8ページは、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を同時に取る場合です。単位数は93単位です。これに対して、最小の場合は1,710時間、最大の場合は3,240時間という状況になります。9ページは、7課程全てにおいて最小と最大を置いてみたものです。先ほどなかった、はり師は79単位で最小1,380時間、最大が2,700時間となります。他の職種については、御覧のとおりです。

10ページは、臨床実習の在り方について、論点を3つほど挙げさせていただいております。1つ目は、学校養成施設の卒業生は、あはき師の国家資格取得後、直ちに開業することが可能であるが、近年、臨床能力の低下が指摘されているため、臨床実習、現行1単位を拡大すべきではないか。2つ目、また、臨床実習を拡大する場合、養成施設附属の臨床実習施設のみでは、臨床実習に必要な十分な症例が集まらないことの指摘があるため、実習先については原則として附属の実習施設としつつ、一部の実習では他の施設でも実習を行うことができるようにしてはどうか。指導要領及び指導ガイドライン上では、養成施設附属の臨床実習施設以外での臨床実習を認めていないというところがあります。3つ目、併せて、あはき師の国家資格取得後、直ちに施術所を開設することが可能となることから、臨床実習の現場においても保険診療の仕組みを理解させることとしてはどうかという3点です。

11ページは、(参考)で、臨床実習に関する認定規則等の規定の抜粋です。御覧のとおり、それぞれに実習が定められております。ただし、(臨床実習を含む)ということで、それぞれ1単位の臨床実習を行うことによって認定規則を満たすということになります。

12ページは、上段は指導要領・指導ガイドラインの抜粋です。下段の2.臨床実習の現状です。これは、厚生労働大臣所管の養成施設のみですが、臨床実習の時間数の実態を表した表です。御覧のとおり、あん摩マッサージ指圧師の養成課程においては、昼間部は全体2校ですが、全て45時間以上です。夜間部については、全体で3校です。45時間以上が2校、66%で、180時間以上が1校、33.3%という状況です。はり師、きゅう師については、昼間部は81校ありますが、40校が45時間以上ということで、49.4%です。90時間以上は37校、45.7%です。180時間以上は4校で、4.9%という状況です。夜間部については42校ありますが、2252.4%が45時間以上です。90時間以上が17校で40.5%です。180時間以上が3校で7.1%という状況です。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を取る場合については、昼間部は21校ありますが、523.8%が45時間以上という状況です。1047.6%は90時間以上、628.6%が180時間以上という状況で、夜間部については全体で3校のうち1校が45時間以上で33.3%です。90時間以上が2校で66.6%という状況です。

13ページは、専任教員数の見直しについてです。総単位数の増加により、総履修単位を引き上げた場合、単位数に応じた専任教員数とすべきではないかという論点です。その下は、認定規則の抜粋で、第2条第7号で、教員のうち5人以上は、別表第2専門基礎分野の項各号若しくは同表専門分野の項4号に掲げる者、又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者である専任教員であることということで、専任教員数が定められております。その下の別表第2ですが、専門基礎分野の3号を御覧いただきますと、厚生労働大臣の指定したあん摩マッサージ指圧はりきゆう教員養成機関を卒業した者ということで、教員についてはこの養成課程を卒業した者が現在教員となっております。その下の専門分野ですが、最後の4号で、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者も、専門分野の教員になることになっておりますが、現在この厚生労働大臣で指定した教員講習会は実施されておりません。ということで、この専門基礎分野の3号にあります教員課程を卒業した者が、現時点では教員ということで養成されている状況です。

14ページは参考で、他職種の状況を付けております。97単位の看護師でいきますと、8名以上の専任教員とされております。95単位の診療放射線技師、臨床検査技師、93単位の理学療法士・作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、これらは6名以上です。同じく93単位の言語聴覚士は5名以上となっております。85単位の柔道整復師は5名以上となっておりますが、こちらも検討会において見直しを検討中です。

 続いて資料3については、今後の本検討会のスケジュールです。第1回目は、本日118日です。234回目については、12か月に一度開催し、論点について議論を頂きたいと思います。5回目に最終取りまとめをしたいと思います。これを、今年の夏までにお願いしたいと思います。認定規則の改正を伴うことが想定されます。その場合については、医道審議会あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師分科会に諮ることが必要となり、それを夏頃ということで、最終的に来年4月の施行を目指したいと考えております。

 続いて、参考資料14については、関係の法令及び通知です。こちらの説明は省略いたします。参考資料5は、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師養成施設授業時間等の変遷です。これまでのカリキュラム等の改正の経緯をまとめたものです。1枚目を御覧いただきますと、あん摩マッサージ指圧師については、昭和47年改正、昭和51年改正、平成元年改正、そして大綱化であります平成12年の改正があります。平成元年に改正した際に2,550時間と定められました。それが大綱化により、77単位ということで、単位制に移行されております。

4ページは、平成12年の大綱化の際のそれぞれのカリキュラムの改正の状況を少し詳しく書いております。こういった資料を、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、7課程についてまとめております。こちらが、参考資料5です。

 参考資料6-1については、あん摩マッサージ指圧師の課程とあはき師の課程の学校・養成施設の施設数と定員の推移です。上の表を御覧いただきますと、平成10年あん摩マッサージ指圧師については、厚労文科合わせて90校の学校がありました。そして、定員が1,142人でした。こちらが、平成27年度においては89校、1,033人の定員という状況になっております。あはきの課程については、平成10年で86校、1,841人だったものが、平成27年では83校、1,713人という状況になっております。参考資料6-1の2は、はり師、きゅう師の養成課程を持つ学校の学校・養成施設の定員と、学校数の推移です。平成10年でいきますと、文科と厚労合わせて14校、875人でした。こちらが、平成27年度では93校、5,665人にまで増えているという状況です。

 参考資料6-2は、厚生労働省所管の養成施設ですが、こちらの定員に対する充足の状況です。縦に、あん摩、あはき、は・き、それぞれ3つの課程の状況を示しております。あん摩については、平成27度昼間の状況ですと、135人の定員に対して受験者数が184人ということで、136.3%です。入学者数については、126人で93.3%です。夜については、145人の定員に対して受験者数は172人、118.6%です。入学者数は127人、87.6%という状況です。あはきについては、平成27年度の状況で、昼間の場合は1,004人の定員に対して、1,808人の受験者数、180.1%です。入学者数については905人で、90.1%の充足率という状況になっております。夜についても118人の定員に対して、受験者数は350人で296.6%という高い倍率になっております。入学者数についても122人、103.4%という充足率になっております。これが、は・きに移りますと、平成27年度は昼間の場合3,515人の定員に対して、受験者数は2,356人ということで、67.0%です。入学者数については1,966人で、55.9%の充足率になっております。夜についても、定員1,561人に対して903人の受験者数で、57.8%です。入学者数についても676人ということで、43.3%の充足率になっております。

49ページについては、これも厚生労働省所管のそれぞれの養成課程における各施設の分野別の授業の時間数の分布を表した資料です。御覧のとおり、一番下のグラフのとおりですが、基礎分野については、あん摩マッサージ指圧師の場合は、66.7%が一番少ない単位になっている状況で、専門基礎は逆に少し多い固まりのほうに移っております。専門分野については、あん摩マッサージ指圧師については若干多めになっておりますが、ここは少ないところが他の課程では見られます。全体の傾向としては、似たような傾向が続いております。こちらは、参考に御覧いただければと考えております。

10ページは、参考資料6-4です。こちらは、臨床実習の時間数の分布です。こちらは、先ほどの資料2に出てきたものです。このような分布を少し分かりやすいようにグラフにしております。これらが6-4の1から3までにあん摩、あはき、はきの順にまとめてあります。13ページは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家試験の実施状況です。横に、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の状況を並べ、縦を年度でくくらせていただいております。平成10年の状況でいきますと、受験者数2,115人に対して、合格者数は、あん摩マッサージ指圧師の場合1,867人ということで、88.3%の合格率でした。はり師については、2,765人の受験者数に対して、2,266人、82.0%、きゅう師については、2,731人の受験者数に対して、2,233人の合格者数ということで、81.8%の合格率でした。これが平成27年度の状況ですと、あん摩マッサージ指圧師については、合格率は86.4%とさほどの変わりはないという状況です。はり師については、76.5%、きゅう師については77.1%ということで下がっている状況です。

14ページは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師免許取得者の進路の状況です。これは一番下にありますとおり、平成19年から23年の国家試験に合格した養成施設卒業生を対象に、東洋療法学校協会で調べていただいたアンケートの調査の状況です。(1)実務に従事の有無についてということで、回答を頂きました3,192人の方々の状況は、82.6%が実務に従事しているということです。(2)開設・勤務状況ですが、これらの実務に従事している方々が実際にどこに勤務されているのかということで、施術所を自ら開設されている方が33.1%。施術所等に勤務している方が70.0%という状況になっております。以上が、参考資料6です。

 参考資料7は、免許取得までの流れを1枚の紙にまとめております。点線で囲まれている所が、視覚障害者に対する特例措置です。こちらは、高校入学資格のある者について、入学の資格があります。その後、5年以上修業しますと、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の受験資格が得られるということです。3年以上の修業で、あん摩マッサージ指圧師の受験資格が得られるという特例措置が設けられております。その他については、大学入学の資格がある者が入学し、3年の養成課程を経た上で国家資格に挑むという流れになっております。

 参考資料8は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の従事者数の推移です。あん摩マッサージ指圧師は、平成10年で94,655人だったものが、平成26年、直近では113,215人という状況になっております。その下は、はり師で、平成10年は69,236人だったものが、平成26年には108,537人まで増えております。きゅう師は、平成10年は67,746人だったものが、平成26年には106,642人まで増えている状況です。2ページは、施術所の数の推移です。一番上は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、これらを行う施術所です。平成10年は31,434箇所だったものが、平成26年は37,682箇所に増えております。その下のあん摩マッサージ指圧だけを行う施術所は、平成10年は2424箇所だったものが、平成26年は19,271箇所ということで、若干減っております。その下のはり、きゅうを行う施術所は、平成10年は13,455箇所だったものが、平成26年には25,445箇所になっております。

 次のページは、人口10万単位のあん摩マッサージ指圧師の数です。県別に並べて棒グラフにしております。全国平均は、平成10年が74.8人でした。平成26年が89.1人という、あん摩マッサージ指圧師の数の状況です。一番多いのは、東京都です。平成10年は217.1人でしたが、平成26年は202.4人ということで若干減っております。

 次のページは、はり師です。全国ですが、平成10年は54.7人でしたが、平成26年は85.4人ということで、全国的にも増えております。一番多いのは同じように東京都という状況になっております。ただ、近畿地方の京都、大阪については、平成10年から平成26年にかけて、かなり大きく増えている状況が見て取れるかと思います。次のページは、きゅう師の状況です。全国平均が、平成10年は53.6人、平成26年が83.9人という状況です。やはり多いのは東京ですが、近畿地方、京都、大阪については、大きく伸びている状況です。以上が、参考資料8です。

 参考資料9については、議論に直接的な関係はないかもしれませんが、あはき法の第19条について少し説明をしている資料です。

以上が、資料、参考資料を含めた事務局からのご説明です。

 

○田城座長 それでは議論に移りますが、その前に、今の資料の説明に関して御質問はありますか。よろしいですか。途中、何かありましたら、その都度、資料について事務局に御質問いただければと思います。

 それでは、資料2の検討事項に沿って御議論いただきたいと思います。全部で5回あるうちの、第5回は報告書の取りまとめの文言を整えることになりますので、本日を含めて4回、議論の機会があると思います。今からですと、当初は80分ぐらいを予定していたのですが、70分前後になります。資料2を見ますと大きな議題が4つありますので、大体、1つの議題について15分程度で、項目に従って皆さんの御意見をお伺いしていきたいと思いますがいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、資料21ページ目「ご検討いただきたい事項について」の一番上の○の「総単位数の引上げについて」です。内容は資料22ページです。事務局のほうからも御説明がありましたが、臨床実習を充実するとともに、必要なカリキュラムを追加する。その中で、2番目の○として、健康保険制度に係るカリキュラムを盛り込むということ、教授してはどうかということ。そのあと3ページに、参考資料ではありますが、看護師の97単位、それから診療放射線技師等々や柔道整復師が85単位ですが、これは、この検討会と同時並行で柔道整復師のほうの検討会も起きているということで、こちらのほうもこの会議と同じような検討をされているという情報です。御意見はありますか。

 

○坂本構成員 御提案いただいている臨床実習を含めて、単位数を引き上げることについては必要なことではないかと。現場のみんなの教育の実態から考えても、やや不足している、他職種と比べても少ない部分がありますので、適正な単位数の引上げということは、今、検討いただければと思っています。

 ただ、臨床実習ばかりではなくて、あはき師の役割というか、職域が非常に広くなっている関係で、様々な場面に対応できるようなあはき師を養成するためには、専門分野だけではなく、専門基礎分野の中でも新たな内容を組み込む必要もあって、その辺りの単位の組み方ということを御検討いただければと思っております。

 

○田城座長 ありがとうございます。それは専門分野の中でということですよね。

 

○坂本構成員 専門分野だけではなくて、専門分野につなげるための専門基礎のほうも含めてという考え方をしております。

 

○田城座長 分かりました。この「健康保険制度に係るカリキュラムを盛り込み」というような所も含めてということでよろしいでしょうか。

 

○坂本構成員 はい。

 

○矢野構成員 今、坂本先生がおっしゃいましたように、基本的には現状の総単位数を引き上げるということは、資質向上の上において不可欠なことだと思っております。これについては、他職種の参考資料にもありますように、基本的には3年課程とすれば、93単位以上、これはしっかりと議論しないといけないところではないかと思っております。

 それから、臨床実習、特に専門職種としての実務をしっかりと習得させるためには、この臨床実習が非常にポイントになってくるところではないか。現在のところ、「実習(臨床実習を含む)」というふうな状況になっていますが、あはき師を養成する上での根幹になる最も重要な授業科目と認識しております。そのためには、「実習(臨床実習を含む)」ではなくて、「臨床実習」という授業科目は独立して置いておくということも、併せて検討していく必要があるのではないかと思っております。

 臨床実習の施設についても、先ほど説明がありましたように、学校内だけではなく、広い意味で医療を捉えた場合は、あはき師が実務として関わる領域はかなり広くなっております。そういったことにも対応できるあはき師を養成するとすれば、学校の外にも適切な臨床実習の場所を作っていくことで、実質的に資質向上につなげていくといったことが第一ではないかと思っております。

 

○田城座長 ありがとうございます。臨床実習の在り方については、また3番目の項目の所で、もう一度改めて、実習施設も含めて詳しく議論したいと思います。

 まず、単位数を増やしたほうがいいかということについて、今、矢野先生のほうから、少なくとも93単位以上をめどというような御意見がありましたが、いかがでしょうか。

 

○仲野構成員 私どもは鍼灸師会という職能団体ですから特に感じるのですが、看護師さんと言われる方々は、いわば医療の中のコメディカルの部分で、しっかりとした体制の中で処理をされてきますから、97時間でももしかしたらいいのかもしれません。あるいはもっと必要なのかもしれませんが。私どもも大学も出来上がってきているように、分かりやすく言えば、それぞれが独立開業しているわけです。そこには大変な危険も伴うこともあるし、鑑別診断もしっかりとしなければいけない。それで、しかるべき必要があれば、医師にお願いしなければいけないし、その辺りのフォローをしっかりとしなければいけないわけですから、やはり恥ずかしくないように、独立開業できる部分まではしっかりと上げたい。ただ、学校教育の問題もありましょうから、特別、急に上げろということではないのですが、最低限、看護師さんのレベルまでは上げる必要があるのではなかろうかと考えております。

 

○田城座長 ありがとうございました。座長の発言で申し訳ないのですが、私も全く仲野先生と同感で、看護師というのは、看護師法で、診療の補助なのです。診療の補助及び療養の世話。療養の世話は医者にはできなくて、看護師にしかできないことですが、診療に関しては補助のみで、その看護師が97単位で、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の皆さんは施術という呼び方ではありますが、患者さんに直接触って治療行為をなさるわけですので、私も仲野先生と全く同感で、せめてというか、看護師並みの97単位というのが、世間一般に対してもなかなか響きの良いところではないのかと。

 それから、代替医療、今は21世紀になってもう10年以上たっていますが、欧米のほうでも代替医療というものが、いろいろな背景もあって脚光を浴びてきているという流れもありますので、仲野構成員の御発言は私も極めて同感であります。ほかの構成員の皆様の御意見はいかがでしょうか。

 

○後藤構成員 財団の後藤でございます。ちょっと私ごとで申し訳ないのですが、看護師や理学療法士の学校もやっているものですから、この単位数だけをここで話をして、数字だけ上げるというのは、ちょっと危険な議論ではないかと感じております。というのは、看護師も理学療法士も、病院の実習があります。この病院の実習も単位数に入っています。ですから、もし、このあはきの場合に単位数を93とか97などと議論するときは、中身をちゃんと議論しないといけないと思っていて、この3番目の所と大変関係するので、ここでは総論的に、上げることについて反対の方がいらっしゃればあれですが、そうでなければ先に進んでいただいたほうが。どういうものを増やしたらいいのかということ。

 もう少し付け加えさせていただくと、臨床実習の在り方ですが、結局、今までは学校附属の臨床施設だけですので患者さんが集まらない。よく、地域の医療団体の方たちと学校が揉めるのは、学校が作ると患者さんをいっぱい取られると言うのですが、学校が作ったからといって患者さんは来ません。ですから、ほとんどそれだけでは実効が伴わないので、この臨床実習を、例えば今の理学療法士や看護師のように、どこかほかの施設でやるようなことが考えられるとすれば、もっと単位数を上げる必要がものすごくあると私は思います。

 

○田城座長 分かりました。まず、単位数は増やしたほうがいいということは、大体皆さんの。その前に、まず坂本先生、どうぞ。

 

○坂本構成員 すみません。現行の制度としては、今、全国にある学校養成施設は、あん摩マッサージ指圧師だけの課程と、鍼灸師だけの課程、それから、あはき三療を取れる課程と、3つで構成されていると思うのですが、実際はあはき三療が取れるものがボリュームとしては一番多くなるわけで、当然なのですが。そこから、はき課程、あ課程というものの単位設定を考えていかなければならない。最初が93から始まってしまうと、かなりあはき課程は多くなってきて、看護どころではない数字になってまいります。

 それと、もう1つの観点なのですが、文部科学省が進められている新たな職業教育というような観点から言うと、今後、1学年当たり30単位ぐらいというのが1つの目安になってくる。いわゆる大学の単位数です。ですので、90というのをまずはクリアするということが妥当なのかなというふうに感じております。

 

○田城座長 この2ページに全部で7つのパターンがあります。ただ、現実としては、あん摩マッサージ指圧師、それからはり師・きゅう師、それから、その3つというのが実際のパターンということになっているということでしたので、今の議論は、この77から93の中のうちの、多分一番下のこの93の所を、看護師さんのほうを横に見、なおかつ同時進行の柔道整復師のほうを横に見ながらというようなことだと思います。

 本日は1回目ですので、皆さんの忌憚のない御意見を伺いながらということで。多分、今の仲野先生の御意見も、この77時間を97時間に、20時間も上げろということではないと思いますので、一番下の所だと思います。それから、本日で決めるわけではないので、大体の感覚的にざっくりと、この辺りを取りあえず目標にして具体的な議論をというようなことになっていくと思います。それから、臨床実習の在り方と、その実習施設先については、改めて議論したいと思います。

 必要なカリキュラムの中の、この「健康保険制度に係るカリキュラム」という所で御意見は何かありますか。

 

○栗原構成員 すみません、今、保険制度の話に進むということだったのですが、単位数の点で1つだけお話をさせていただきたいと思います。

 

○田城座長 はい。

 

○栗原構成員 はり師、きゅう師、それからあはき師については、先生方がこれまで述べてこられたようなところに賛成ですが、あマ指師については、盲学校のほうですが、あはき法の18条の2ということで、当分の間、中卒者を入学させる課程があります。この課程は、あマ指師の国家試験を受験する資格を得るということと同時に、高等学校卒業の認定に必要な単位数も取らなければならないということで、資質向上ということについては賛成ですが、極端に上げられてしまうと、その高等学校卒業に必要な単位数を取得できなくなるということで、多少の単位数の増加についてはあり得ると思いますが、その辺りを勘案して単位数の検討をしていただきたいと思います。

 

○田城座長 特にあマ指師の所は、今の栗原構成員の御発言を強く受け止めて、そこも含めた議論を。はり師、きゅう師が急に数が増えているということもありますので、どちらかというと、そちらのことで盲学校の方々のところはちゃんと考慮してというふうになると思います。

 それから、激変緩和措置というのは絶対に必要だと思います。ただ、目標は少し設定しておいて、激変緩和措置というのは、それはそれで別に考えるということがあってもよろしいかと思いますが、藤井構成員、どうでしょうか。

 

○藤井構成員 単位数を何単位にするかというところの基本的な考え方は、先ほどの後藤構成員からの、中身をまず考えた上でということに全く賛成します。

 その上で、先ほど坂本構成員のほうから、基本的にあはきを何単位にするというところから始めたらどうだというような御意見だったのかと受け止めましたが、私は逆で、基本的にはあん摩単科、はり単科、きゅう単科と、ここのところをどう考えるか。つまり、療養費の支給対象となる疾患も、このあん摩と、はりときゅうとで違います。やはりあん摩マッサージ指圧師とはり師、きゅう師の役割は同じわけではないわけで、そうすると、あん摩師、はり師、きゅう師それぞれに今、どういう勉強、学習が必要なのかと。そんなところから、では何単位、何時間必要だ、この科目を増やす、増やさない、こういう議論が最初にあるべきではないかと思っております。その積み重ねとして、はり、きゅうの単位数があり、あはきの単位数が出てくる。ただ、基本的には、少なくともはり、きゅうは、やはり93以上というのは最低ラインとして必要なのではないかと私は思います。

 それから、今の栗原構成員の御発言は全くそのとおりなわけですが、ただ、これは現行の認定規則においても、もう既に破綻が来ていて、その専門の所で履修すべき10単位の総合領域を、普通科目の履修に替えることができるという、そこで特例を作っているわけです。少なくともそこのところ、中卒あん摩課程があるから全体の単位数を余り上げないでというようなところは、ちょっと逆転した論理かと思います。そこのところは後ほどまた少し議論をさせていただければと思います。

 

○田城座長 本日はまだ第1回で、234回と、多分、それぞれの構成員から事前資料を2回目以降、御提出いただいて、それぞれの皆様の立場の御意見をきちんとお伺いすると。本日は本当に1回目ですので、検討事項の提案ということにしたいと思います。

 それから、藤井構成員のおっしゃるとおりで、あん摩マッサージ指圧師、それからはり師、きゅう師、これを積み上げていくというのはそのとおりだと思いますが、これは7779を足して93というのは、なかなかそこに至る過程が、長い議論があったと思いますので、それは2回目以降にきっちりとと思います。本日は皆様の合意として、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3つが同時に取れるというところを1つのメルクマールというか、指標として、これを93から少し増やして、決めるわけではないのですが、看護師の97単位ということを頭に置きながら、というようなことで、取りあえず方向性としてはいかがでしょうか。

 それから、あん摩マッサージ指圧師に関しては、それぞれのいろいろな配慮すべき事項があるということも承りました。

 それでは、次に移るのですが、その前に健康保険制度に関してなのですが、一言、私のほうからよろしいでしょうか。北村構成員と私とで、これは医師・看護師を対象にして、リベラルアーツというか、そういう社会制度について、一般教養的な経済、法律といったことについて、何が必要かというようなことを研究しました。

 その中で、専門職の方々、厚労省や中医協の委員の方々等からお話を聞いた中で、どうも社会保障論と倫理学というのが、これは医師も看護師も含めて必要なのではないかというような結論が出ました。これは全ての医療や国民の健康などに関わる職種としては必要なことではないのかと思い、社会保障論や倫理学ということを、そういう科目を作るのか、それとも医療一般や公衆衛生、法規の中に入れるのかは、またこの先の議論ですが、くどいのですが、社会保障論や倫理学のようなものを追加する中に入れてはいかがかと思うのです。どうでしょうか。

 

○北村座長代理 やはり、保険医療の中でやっている職種ですので、そういうものを十分理解してほしいというのが1点。もう1つ、チーム医療というか、年齢も高齢化してきますので、例えば整形外科の医師とうまくコラボレーションしてやっていくというようなことが、極めて重要になってきます。多職種連携、そして保険医療、もちろん限りのある医療資源ですので有効に使う必要があるので、一体的に教育していただいたらいいのではないかと思います。

 ただ、むやみやたらに単位が増えても困るかなという気はするのですが。後で質問しようと思ったのですが、夜間の学校が結構あるというのに部外者としては驚いたのですが、夜間の学校の必要性と、夜間の学校に、やれ93単位だ、やれ97単位だというふうなことを課すと、本当に現実にできるのかなということがあります。夜間がもう要らないというのであれば、また別の考え方もあると思うので、どなたか教えていただきたい。

 それから、田城先生がいらっしゃる面もあるのですが、夜間など学びにくい人の場合、放送大学のようなものをうまく使って、放送大学の単位を単位互換するというような制度もあれば、夜間の人が土日にビデオを見て、それで単位は幾つか吸収できるというようなこともあり得るのではないかとは思います。

 

○田城座長 単位互換制度、通信制は別に放送大学だけが通信制ではないので、どうしても専任や専門の教員を充当するのもなかなか大変ということでしたら、1単位か2単位、単位互換制度というようなことも導入しながらということで、実際の現場の学校の御負担にならない方策ということはあるのではないかということで、これは第2回目以降にしたいと思います。

 それから、今の北村構成員のお話ですが、多分これは、次の最終履修時間数の設定に移っていくと思うのですが、単位数は一緒でも、履修時間数に幅があるということで、昼の学校と夜間の学校とで、多分同じ単位数ですが履修時間が違うということの認識でよろしいのでしょうか。

 

○坂本構成員 夜間の課程は随分古くから存在していまして、昼間働きながら、こういったあはきの資格を取りに来られる方のために、門戸が開かれてきたということだと思います。現実的には、夜間の課程と昼間の課程の単位数というのは、現状では、1つの学校においては変わらないと思います。時間数についても基本的には変えていない。ですので、かなり夜間の課程については、ぎりぎりのところでカリキュラムを組んでいくという状況にはなっている。

 ただし、今、単位互換の話がありましたが、昼間の課程に比べると、夜間の課程は大学を卒業してから来られている方等々が相当数いらっしゃるのです。したがって、例えば基礎分野などはある程度単位互換が可能になっているということから、こなせていけているというのが現状かと思います。

 

○田城座長 ありがとうございます。やはり、昼間のフルタイムの学校と違って、夜間では社会人の方を対象にということで、一億総活躍ということもありますので、社会人の方にこういう学習をして資格を取る機会を与えるというのも変ですが、機会を持ってもらうのは良いことだと思います。今お話があったように、時間で拘束するのではなく、必要な単位ということで、既存の取得済みのものがあれば、それも認めるというような柔軟な方向で、受講者や学校、教育する側にも過度な負担にならないような方策も検討できるのではないかと思います。

 それでは、本日何でも決めるわけでもありませんし、次の時間数も、では何時間だという議論ではないのですが、大体どの辺りに持っていくのかというようなことの共通認識、下げるのか、上げるのか、上げるにしても大体この辺りを設定して、その先、具体的にどうなるのかということでお話をしているので。本日出た数字がそれで確定でもありませんので、大体の皆さんの忌憚のない御意見をと思います。

 では4ページの「最低履修時間数の設定について」ということです。文部科学省の考え方や、予習・復習をするということもあるので、1単位当たりの幅が15時間~45時間と3倍の開きがあります。それで、総履修時間に不均衡が生じているということで、この後に、資料の(参考1)から(参考4)がありますので、これを大体眺めると、ざっくりと3,000時間などというのが1つの数字としては出てくるのかなと。もちろんそれが必須ということではありません。

 藤井構成員から御指摘がありましたが、今言っているのは、このあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の一番長いところを議論しているのです。確かに積み上げていくのですが、そうすると、議論が3倍ぐらい必要になってしまいますので、取りあえず本日はどの辺りというようなことで、1つの指標として、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の最も長いところを念頭に置いてと思っています。いかがでしょうか。御意見のある方。

 

○藤井構成員 何時間が適切かというのはなかなか難しい議論なのですが、1つの基準として申し上げたいのが、1988年、平成2年施行の認定規則では、その前までの授業時数を大幅に引き上げました。これは法改正の趣旨が資質向上ということで大義名分としてあったからです。そのときに、例えばあん摩であれば2,550、はり・きゅうは2,865、あん摩・はり・きゅう3科は3,165です。その精神は今、全く変わるものではないわけですが、大綱化のところで、単位制になったことに伴って、今のようなかなりの不均衡が出てきている。

 したがって、資質向上という前回の抜本的な法改正の理念は今も生きているわけですから、1つの基準として、あん摩単科は2,550、はり・きゅうは2,8653科は3,165と、これが1つのベースラインになるのではないか。それに、もし単位数を引き上げるのであれば、あるいは新たな科目を追加するのであれば、そこに何時間積み上げていくかという議論になるのかなと思います。

 

○坂本構成員 今、藤井先生が言われたのが、平成元年の法改正に基づいて設定された時間数で、資料25ページの(参考3)に記載されていますが、現実的に、例えば夜間の課程では1日に4時間までしかできない。昼間の課程でも、実は4時間から6時間ぐらいの課程を積んでいる学校がほとんどになっています。晴眼者の学校はほとんどそういう状況なのです。それで週に5日やるとすると週単位で20時間です。年間何週組めるかというと、夏休みもゴールデンウィークも正月休みもありますので、大体40週です。曜日によっては40週も組めない、月曜日などはかなり厳しい状況になっていきますので。そうすると、大体40週と考えたとして、年間800時間、3年間で2,400時間しかいかないのです。

 平成元年のときに、各学校養成施設、学校の時間数で調整ができたのは、実は週に6日間やっている学校がほとんどだったのです。現実にはその後、週休2日が定着していき、学校も週5日制という所が増えてきている。ですので、その辺りも少し御考慮いただきながら、時間数を考えていっていただきたい。もちろん、積み上げでこういうものが必要だから、こういう時間数になっていくよというのが、本来でしょうから、その辺りを1つ御考慮いただきながらと考えております。

 

○田城座長 ちょっと座長からですが、例えば文部科学省所管の学校というのもありますし、私は放送大学に移って、今、オンライン講座を作ったりということをしていますが、文部科学省における、学習、学んで修める時間の「単位」というものと、厚生労働省の、教室に座っていなければいけない「何時間」というものと、2通りの時間の数え方がある。それで、正に1単位当たりの時間数が15時間~45時間というのは、学習、学んで修める時間になり、予習・復習も含めてということでこれだけの幅が出るということですので、この「時間」というのが、必ずしも教室に座っている時間を指すのではないというようなことになるのだと思います。だからこそ、その「単位」というものをまず立てて、何単位、そして1単位当たりの学んで修める学習時間をどうするのかというところに、またオンラインなど、必ずしも教室に座らなくても単位が取れる単位認定や単位互換というものをうまく組み合わせて、特に夜間の方々が、何も3,000時間、教室にずっと座っていなければいけないということではないのだろうという議論になる。ここに文部科学省の所管と厚生労働省の所管のところの2通りがあるので、ということで、まず単位の話をして、1単位当たりに必要な学習時間というのは幅がありますよねと。その幅があるのだけれども、学校によって極端になるので、そこはある程度寄せていってというような議論になっていくのだろうと、この説明を受けていて思ったのですが、いかがでしょうか。

 

○仲野構成員 時間の話にすぐなるようですが、実は先ほど後藤構成員から出たと思うのですが、私どもは今、鍼灸師を育て上げなければいけないというポジションから見ますと、本当に足りない、何としても足りないと思っているのです。ですから、週休2日という、そういう意味では、今、坂本先生が言われたようなこともある。私どもの中身を増やさなければいけないと思うと、増やさなければいけないというのは、特別増やして勉強しろというのではなくて、医師の話の言葉が分からなければ紹介もできないのですから、最低限そこまで追い付こうと。そう思うと、それ以外の、先ほど出たような、いわゆる保険のための倫理観、社会保障論といったものをしっかりとやらなければいけない。これから先、むしろどちらかといえば医療が進みすぎたぐらいのところがありますが、人間的に豊かなところを作ろうと思うと、もう少し別の意味で、統合医療というのが今、日本に迫られているように、そういう倫理観を持った、言わば価値のある医療を育て上げようと思うと、非常に大事な哲学の部分も教えなければいけない。

 これはもしかしたら、今言われたような方法で、放送で流すとか、いろいろなことをしながら時間を重ねることによってカバーできるかもしれない。いろいろなことを汲み上げながら、時間の議論よりも、やらなければいけない、足さなければいけない中身について、しっかりと議論していただけると有り難いと思います。

 

○矢野構成員 この改善検討会ですが、目的の所で説明されましたように、あはき師の質の向上、なおかつ国民の信頼と期待に応えるあはき師養成、これを目指してもう1つレベルアップしていこうということで開催されたのだと思いますので、それに応えるような形で議論していかないといけないと思います。

 先ほど藤井先生が言われたことなのですが、このあはき師養成は昭和22年以降、学校教育という形で進められてきて、その過程で紆余曲折があって、以前の時間数、例えばはり師・きゅう師であれば、2,865時間に決められた。この時間数は、それなりの授業科目が必要だということで、こういった時間数が設定された。時代背景も異なりますから、これはまた議論していかなければいけません。それが教育の大綱化、単位制、単位互換という流れの中で現在に至って、思わぬ状況が生じてしまった。

 そういったことから考えたときに、歴史的変遷も踏まえて、これまで関わった人たちの英知というものを尊重していくとすれば、やはりはり師・きゅう師で2,865時間といった時間数を最低限めどに置くべきと考えます。

 ただ、今、坂本先生がおっしゃったように、週6日制、5日制という社会的情勢の変化もありますが、そういったことも議論しながら、国民の信頼と期待に応えられるあはき師の養成をしなければなりません。現在、年間の鍼灸の受療率を見ても、下降傾向にあります。この下降傾向をどういうふうに考察するのか、いろいろな立場、また、考え方がありますが、その1つの要素として、鍼灸師が国民の期待に十分に応えられていないという解釈も成り立つとすれば、やはりそこは応えるように持っていくということが大事ではないかと思っております。

 

○坂本構成員 私の先ほどの発言が、何となく時間数を抑制しようというような印象を与えたかもしれませんが、決してそうではなくて、現実的なことを考えなければいけないと思っているのです。例えば3,000という数字は、今の養成機関でいきなり3,000をできるかというと、なかなか難しいのが現実です。今、座長が言われたように、文科省の所管のいろいろなeラーニングなど様々な媒体を使った教育も加味できるという話であると、随分話が変わってくるのです。今、厚生労働省所管の学校養成施設は、ほとんどそういうものが認められていませんので、いわゆる、教室にいなければならないということになっています。

 それと、今後、臨床実習や見学実習のようなものまでお認めいただけるような状況になってくると、例えば休みの日を使ってとか、夏休みを使って授業ができる。あるいは時間数をある程度そういったところに割り振れるという環境が整えば、ある一定の数字は、私どもの学校の集まりのほうでも了解しやすいところになろうかと思います。

 

○田城座長 これは厚生労働省の会議で、放送大学でいろいろやってみると、単位と学習時間というので様々な議論があるのだという個人的な意見を含めたので、時間数や単位互換については、本日でもいいですし、2回目以降、事務局の御意見も承りたいと思います。そういうことも可能ですし、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師だけではなくて、これはセラピスト、OTPT、放射線技師でも、大学もあれば専門学校もありますから、それは多分、全てのこういう職種について共通する議論だと思います。

 それから、2ページに「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」があって、さらにそこに「人体の構造と機能」などといろいろな項目がありますが、これこそ先ほど藤井構成員がおっしゃったように、一律に時間ではなくて、例えばこれはeラーニングのようなものを使えば同じ単位でも時間を圧縮できるし、ここはきっちりと十分な時間を取ってという、メリハリというようなことも議論可能ではなかろうかと思います。各論になると、それを全部この平場でというわけにもいきませんので、皆さんの御意見を2回目以降。逆に、藤井先生がおっしゃったように、全部を一律何時間ではないような気がしております。

 

○北村座長代理 大綱化されて、いろいろ自由度が増したのですが、医学部もそうですが、大学の場合は施設の認証を受ける。大学基準協会とか、そういうのが7年に1度来て、ちゃんとした教育をしているかというのを受けるのが、大綱化のときの約束だと思います。自由度は増したが、何をやっているか分からないというわけにはいかないと思います。今、あはきの学校は認証制度というのはあるのでしょうか。

 

○坂本構成員 トライアル的には第三者評価を進めておりまして、現時点では、専門学校は自己点検・自己評価までが義務付けられています。第三者評価は、今、準備を進めているところで、さらに第三者評価も分野別評価という辺りに検討が移行しているのが現状です。

 

○北村座長代理 大変良いことだと思います。逆に言えば、それが制度化、どこの学校もそれを受けるということになる前までは、ある程度、最低の1単位は何時間というのを決めておかないと、自由度ばかり大きくてもまずい。もちろん実現可能な数字ではいいとは思いますが、上と下で2倍も時間が違うというと、社会が「えっ」と思いますよね。今回のバス事故ではありませんが、最低のその下をみんなやりたがるのだと思っていますから、国民が納得するためには、2倍の差はまずいのではないかと外から見ても思います。

 

○田城座長 そうですね。例えば、9ページとかのお話でしょうか。そうですね。1単位当たりが1545時間という幅があって、その結果、学校によっては2倍近い開きがあり、それに関する感想は北村構成員と一緒で、一番長い所の半分というよりは3分の2程度で、これから議論になるのは、そこの幅のところですよね。北村構成員がおっしゃるのは、ごもっともなことだと個人的には思います。皆さんの御意見はいかがでしょうか。

 あと残りが20分ぐらいになってしまいました。座長の不手際ですみません。では、臨床実習の在り方について、特に単位は増やしたほうがいいということは共通認識だと思います。あとは時間数も多い。それから、この場では、特に実習施設先の要件、人数が増えて時間数が増えれば、時間が倍になると、そうなると今のままでは実習施設の確保が難しいのではないかという議論があると思いますが、皆様の御意見はいかがですか。

 

○仲野構成員 実習ですが、私どもそれぞれ開業していると言いましょうか、施術所では、学術もしっかりと勉強している、あるいは生涯教育のような形で記録をする、東洋医学財団を通して生涯研修をしている記録を保持しています。これは多くの公益法人を持っているような組織では全部やっていると思いますが、そういう研修をしっかりとしていることが第一条件でしょう。

 逆に言えば、1人の先生が開業しているという形ではなくて、普通の第三者が見ても評価できるような形、すなわち受付などがしっかりしていて患者を受け入れるような形になっている。そして、保険診療についても、そういう説明についての時間も十分やれる。いずれにしても倫理的にも、そういう人々を預かって実技を実際に見ながら、研修しながら指導できるようなものを作り上げて、あるいはそういう時間を付けて講習を受けさせて、臨床家のほうにも、開業している先生方にもしっかりとした形で講習教育をして、受けさせるようにして、実際の生きた現場での臨床ができるようにしなければいけない。これは今でもできる所はたくさんあると思いますが、どれだけあるかという話になると、なかなか難しいのです。今、私どもは制度を作って進めているところですから、そのための認定を少しずつ作り上げてきておりますので、順序立てて、こういう形の場で発言することによって、それが実現可能になってくるだろうと思っております。

 

○田城座長 時間が足りなくなったので、10ページを読むのを怠ってしまったのですが、臨床実習の在り方について、これは先ほど補佐から説明がありましたが、臨床実習1単位ではなくて、2単位以上にすべきではないか。それから養成校の附属の所で行っているのですが、いろいろな議論、つまり周囲の施術所の圧迫というか、その逆で、行った先で実習だけ、実務だけというような様々な議論があったと聞いておりますが、附属の実習施設以外の所に拡大するということも必要なのではないか、そういうことを考えてはどうか。

 それから保険診療の仕組みの実務ということも、施術の実習プラス、診療報酬のこともやってはいかがかという3つのことが、事務局から議論のテーマとして出されています。それぞけれ皆さん御意見を賜りたいと思います。

 

○坂本構成員 事務局から御提案いただいている内容については、是非、今の養成施設、附属の臨床実習施設以外の所も含めて実習先として認めていただいて、この臨床実習の充実を図るというのは、私どもも大いに賛成しているところです。

 併せて、あはき師の役割は非常に多岐にわたるようになったというのは申し上げたとおりです。例えば、介護の現場とか介護支援事業といった所にも参画しているわけですので、そういう現場を見に行くことだけでも良い勉強になっていくのではないか。ですから、あはきの施術所ばかりではなくて、幅広く勉強できる場を認めていただければと思っています。

○田城座長 確かに介護の現場とか、地域包括ケアシステムの中では、いろいろな幅を持ったそういうサービスの提供場所があると思います。先ほど後藤構成員から場所についての議論もあったと思いますが。

 

○後藤構成員 坂本先生が言われたように、臨床実習の考え方を少し広けていただいたほうがいいのです。例えばPTなどでも見学だけの実習というのがあるわけです。それから実際に患者を評価したり、実際にプログラムを組んで、いわゆるPTの仕事をする。だから、段階がいろいろあると思うので、臨床実習と言っても、そこへ行って、はりをする、治療をするのではなくて、患者の側からしたら、学校の施設でもそうですが、免許を持たない人にやってもらうのは必死の覚悟ですから、そういう現場を見るだけでも非常にいいと思うので、そういうのも臨床実習の中に。だから臨地実習とか、看護ではそういう言葉を使っています。そういうものを含めて、私は介護、人の生き死にの場面、つまり病院の中で、はりとかきゅうをやるのではなくて、看護師に付いて歩くということでもいいので、そういう経験をすることが医療職としての、あはき師の質の向上につながっていくとすごく思います。臨床実習、臨地実習から帰ってくると学生の顔つきが変わるのです。ですから、そのような経験を踏ませることも実習と考えていただけたらどうかと思っています。臨床実習とか実習で教えることだけに専念できる教員の資格みたいなことを、次の専任教員の問題のときに考えていただければと思っています。

 

○田城座長 そうですね。今日全ての議論はできないのですが、例えば看護でも保健師、保健実習などでもそうですが、臨床に付き添う専門の教員というのも看護学部ではいます。

 

○北村座長代理 医師のほうも是非参考にしていただきたいので、御紹介いたします。医学教育ではもちろん実習が非常に重要で、現在72週とか、約2年間臨床実習をすることと。6年中の3分の12年間をやる。それも見学ではなくて、自分でやる参加型という方針を言っております。

 そのため、資格がない人がいろいろやるわけにはいかないので、4年生が終わった頃に、全国共通の教養試験、コンピューターでやる知識の試験とOSCEという技能試験をやって、それに合格した人には全国医学部長病院長会議からスチューデントドクターという称号を与えて、その人たちが大学病院だけではなく、市中の大きな病院あるいは開業医の所にまで行って、場合によっては採血ぐらいはやる。少なくとも本物のドクターの指示でしっかりした観察の下で、見学だけではなく、いろいろなことをやるという制度を設けています。

 そのときに、まず指導者の資格もいろいろ言っております。学生ではないのですが、臨床研修の場合は、厚生労働省の医政局長の印のある臨床指導医という資格を用意して、研修を受けた者が研修の指導医になるという資格もあって、指導者の資格もかなり考えられております。

 それから、2年間の学生実習に戻りますが、2年間の実習の間に経験する症例を肝硬変、糖尿病、何とかという感じでしっかり決めています。どこの大学のどういう実習へ行っても、少なくともいわゆるコモンディジーズはしっかり経験しておくことにしていますし、臨床研修でも、こと細かくこういう疾患のうち7割は経験しておくことと。そのうち非常にコモンなものに関してはレポートを書くことということにして。

 国民が期待している医師像としては、手が動くことです。単に国家試験でペーパーテストができるのが医者ではなくて、ちゃんと医術ができる、行動のできる人、行動科学、行動を教育された人を作ろうと。挨拶から始まって、手術、その後の管理までできるような人を是非育てていただきたいと思うので、臨床実習は、ここに書かれている以上に、指導者の資格あるいは経験すべき症例の数、質について、腰痛が何例とか、いろいろなことまで決めていただけるぐらいの気合いでディスカッションしていただけたらと、私は個人的には思っています。

 

○田城座長 単位が増えて実習が増えると、増えた分の教員、臨床実習を十分にするための教員が増えるというように、全部つながってくる議論になっていくと思います。北村構成員のお話はそのとおりですし、施術に関わる部分はきっちり国家資格を取る前に臨床実習をすべきだと。十分な技術を身に付けるということだと思います。

 後藤先生の意見はどちらかというと、医学部のアーリー・エクスポージャーで、1年生、2年生で順天堂の医学部でも介護実習などをやる、看護師と同じことを医者がまずやる、医学部でやるということもあるので、医療の現場、人の生き死にとかを、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう以前の医療者として、そういう現場を知るということも大事だという意味だと受け止めましたが、よろしいですか。

 

○後藤構成員 はい。

 

○田城座長 ですから、臨床実習というと幅がありますが、例えば医学部でも介護実習というのもありますし、それと北村先生がおっしゃるように、きっちりと施術に、技術に身に付くところ、関わるところはきっちりと。世間が納得する臨床実習というのは、ちゃんとクオリティーコントロールをして、ということになっていくのだろうと思います。ほかの先生はよろしいでしょうか。今日全て決めることではないので。

 

○矢野委員 賛成です。坂本先生も後藤先生も言われたように、もう少し臨床実習の場を拡大していく。そういったところで北村先生が言われた知恵もお借りしながら、実質的な内容をどう組み立てていくか。

 全体としては地域包括ケアとか、多職種連携とか。また医療においては生活者モデルということで、現場で学習することによって、施術者としての倫理観、ミッションといったものが育っていくということにおいて、現在の状況を大きく変えていく方向に進めていくべきだろうと思っております。

 

○田城座長 ほかにいかがですか。

 

○釜萢構成員 資料2の検討いただきたい項目、論点の整理ですが、この方向性については私もずっと拝聴しておりまして、皆さんこの方向でという認識は共有できたのではないかと思います。また、細かい、具体的にどのぐらいのボリューム感にするかという話は、今後進められていけばよろしいかと思います。

 今までの議論を伺っておりまして、資料1の、この検討会の目的の所ですが、国民の信頼と期待に応える質の高いあはき師を養成するというのは、是非やらなけれればいけない。しかし、目的の3行目に「あはき師を取り巻く環境も変化し」とありますが、あん摩マッサージ指圧師はさて置き、それ以外の部分が非常に数が増えているということと、地域包括ケアシステムなど、これからの我が国の進む方向を鑑みたところで、更に役割をどのように担っていただいたらいいかということの検討を踏まえていかなければならない。国民に対してしっかりしたあはき師を新たに養成するとともに、あはき師の方々の生計が成り立つことも、大変大事なことです。したがって、需給の見通し、あはき師がどのぐらい必要なのかも、今回の検討会の守備範囲ではありませんが、そこをしっかり踏まえて、神田局長が言われた療養費の問題とも関係付けながら、皆さんで議論をしていかなければいけないと強く感じたところです。

 実習の件が出ましたので、ちょっと触れておきますと、北村先生から詳しく御説明いただきましたが、ここまで医師のほうのシステムが整うまでには、うんと時間が掛かっております。すぐにできることではないので、例えば、あはき師の臨床実習というか、実習をやるためには指導医をしっかりそろえなければならないとか、施設をどうしなければいけないとか、かなりお金も掛かることで、すぐにはできませんが、その方向で少しずつ努力していくことが非常に必要だろうと思います。

 医師のほうのことを参考に申しますと、例えば開業医が実習を引き受けるというのも、大分進んでまいりましたが、これはしっかりした制度の担保というか、準備がちゃんとできていて、カリキュラムがしっかりして、これは是非教えたいというのが分かって、学生に来てもらって、その内容をしっかり修得してもらうというところにまでいかないと、来ただけでは何も意味がないので。そういう形に制度の準備が整ってくるまでには結構いろいろやらなければならないことがありますから、それらを見据えて、今後の方向を考えることが是非必要だろうと思います。以上です。

 

○田城座長 私もそうでしたが前は急性期病院に行くことが多かったのですが、今は医学部でもかかりつけ医、診療所実習、地区の医師会の先生方の所に、1名、2名でされている所にも行くのですが、どこにでも行っているというわけではなく、家庭医療学とか、医師会の研修を受けているような所だという御説明だと思います。

 時間も限られてきましたので、臨床実習の場所はいろいろな御意見がありまして、具体的なお話は2回目以降で。先生方のほうでも事前にメモとか、こういうことを論点にしたいとか、御自分、若しくは御自分が所属する所では、こういう考えがあるということも事前に言っていただければと思います。

 養成施設附属の実習施設というのが基本ですが、それ以外の所もあります。ただし、その場合にどこでもいいというものでもない。そういう所を育成するには、実は時間も掛かるし、附属ではない所で、しっかりと教えていただける方々を開発するのも大変ですし、そこには教員も付いていかなければいけないだろうという御意見かと思います。

 あと23分になってしまいましたが、専任教員数についてです。これも方向性としては増やしたほうがいいということになり、では、何人というものでもないということにもなりますが、13ページの「総単位数の増加により」ということで、多分横目で見ながらの参考資料でも同じような議論をしております。14ページの所を事務局で参考として出されているということは、これを参考にしてくださいという意味だと思います。これを見て、何か御意見はありますか。

 

○仲野構成員 一番気になるところですが、鍼灸術というのは、いわば術の部分があるわけです。その部分に関しては、かなりの熟練した先生方との出会いが必要だし、それはむしろ薬を処方するという部分ではなくて、実際に技術としてのものが出来上がっていないと大変難しいのです。ですから、その部分だけをしっかりとやらなければいけないと思っています。

 今2年間、養成施設で先生方の所で養成されてきて、大変優秀な学生が出てくるのですが、それでは足りない、座学で足りないところがたくさんあります。今、議論で出てきたような問題点もたくさん教員に教えられているでしょうから。はりを刺せない教員と言うと叱られますが、刺してやるのですが、それでは不十分であろうという感じがすごくしています。ですから、現場をたくさん見ている、患者に当たっている先生方を当てられるように、そういう教育をして、教育者として恥ずかしくない状態で教育に当たるようにするとか、その部分だけを特定して介助していくような形で、私どもの力を使っていただけばいいのです。そうしないと伝統的な手法がなかなか伝わっていかない。すごく大事だと思っています。よろしくお願いします。

 

○田城座長 今の提案は、教員数についての提案なので、まず教員数の議論もするのですが、それ以上に第2条とか、別表の第2の人数を増やすとしたらどういう人なのかとか、増やすべき教員の育成と、質の担保をどうするのかということも、付いて回るということですかね。

55分には事務局のほうの会を全て終えたいと思いますので、あと12分ですが、例えば14ページの(参考)を見ると、看護師の所が97単位で専任教員数8名以上というのがあります。藤井先生が御指摘のように、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師という3段階あるので、個別の議論も必要なのですが、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師が97単位になると、8名以上というのが1つの基準として看護師の所に出てきて、それと本検討会と柔整のほうの議論を並行して見ながらというのが1つ、想定されるところです。

 そうは言っても現実問題として、それぞれ皆さん、御自分が所属されている団体等もありますし、そこの所をどうすり合わせていくのかということが2回目以降になるかと思いますが、いかがですか。

 

○後藤構成員 1つだけ。14ページにあるのは、先ほどから何回も申し上げていますが、看護師は例えば実習を調整するだけの係とか、実習は8領域に分かれているとか、いわゆるそういう特殊な事情があるので、8名になっていると私は理解しているのです。

 理学療法士・作業療法士も、例えば8週間ぐらいの臨床実習に出ます。その前に4週間出ます。ですから、教員が必要だということがあるので、臨床実習との絡みがないと、ただ教員の数を増やしても余り意味がないと個人的には思っています。

 

○田城座長 先生はそれぞれの学校を御自分でお持ちでしたよね。だから、余計それがよく分かるということですね。数字だけ横並びにすればよいというわけではないのだと。藤井構成員も言われているように、11つの個別の議論もということになるのですが。

 

○矢野構成員 ここでの議論ではないのですが、実質的に臨床実習を含めて全体的に資質向上というところをプロモートしていく、それを指導する教員の質の問題は、コインの裏表みたいな関係で、そういったことから将来的には現在の教員養成の教育課程、これは未だに時間数という状況で、極めて遅れた状態ですので改訂が必要であると考えています。実務者養成ということですから、仲野先生が言われたように、教員がきちんと指導できること、またそういったところが、北村先生が言われたように、指導できる教員の養成といったところが将来の検討課題になると思います。多少時間は掛かるかと思いますが、つながった問題でもあるのではないかと認識しておりますので、またよろしくお願いいたします。

 

○田城座長 ほかに御意見はありますか。

 

○藤井構成員 質問を1つだけ、全体に関わることですが、最初の事務局の説明で、平成2941日から施行というお話がありましたが、これは新設校に適用されるということですよね。この辺を確認したいのです。

 それと、今ある既設の学校・養成施設の経過措置というのは、どのようにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。

 

○田城座長 資料3のスケジュールの所の御質問ということですね。事務局、お願いします。

 

○医事課山本課長補佐 御検討いただきまして、新たなカリキュラムが必要になった場合については、カリキュラムですので、新設校だけではなく、平成294月からの新入生について適用するというのが基本的な考え方だと存じます。

 

○藤井構成員 ああ、そうですか。分かりました。

 

○田城座長 多分そういう認識で。ここは一番下に「新設校」というのがあったので、私もあれと思ったのですが、そういう御質問だと思います。

 

○坂本構成員 今のお話ですと、経過措置は置かないということですか。

 

○医事課山本課長補佐 経過措置につきましては、教員数など別途検討が必要な場合も想定されると思いますが、カリキュラムの必要単位数ということで考えますと、そこから教育の中身というものを適用するということになりますので、そこが平成294月スタートだと考えています。

 

○田城座長 資料1の本検討会の開催要項の目的の2行から3行にあるように、カリキュラムについて、平成12年以降、改正を行っていない。それから施設校、特にはり師、きゅう師の養成施設が増加し、あはき師を取り巻く環境も変化し、質の向上が求められているということで、カリキュラム等の検討を行うということです。

 

○坂本構成員 時間がないところを申し訳ないのですが、平成294月に施行は、もちろん結構なのです。ただ、各学校がカリキュラムを変更する、それを申請して、認めていただくというのは、少なくとも1年前に出していきますので、現実的に8月に決まって、施行までの期間の半年間では、今のルールではできないのです。

 

○医事課山本課長補佐 事務的なところについて、どういった形があるのかというのは出てこようかと思います。ただ、平成294月に施行となった場合についての適用を考えたときには、カリキュラム改正は施行時から適用であると考えております。ですから、その半年間なりに、どのように事務手続を終えられるかということは出てこようかと思います。

 

○後藤構成員 国家試験との絡みで。

 

○田城座長 御指摘はよく分かります。募集要項等々にも関わってくるということですよね。それはよく分かります。大変申し訳ありません。座長の不手際で、時間が遅れました。今の点も含めて、2回目以降、それぞれの項目について、もっと詰めた具体的な議論を深めていきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、事務局のほうで整理していただき、具体的な個別の話がありましたら、それも御提案いただいて、第2回目以降の検討会において議論していただきたいと思います。次回の日程について、事務局からお願いします。

 

○医事課山本課長補佐 次回の日程等につきましては、また改めて御連絡をさせていただきたいと思います。事務局からは以上です。

 

○田城座長 それでは、本日はこれで終了いたします。雪でお足下が悪いので、気を付けてお帰りください。ありがとうございました。

 

 


(了)
<照会先>

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(代表) 03(5253)1111(内線2568)
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