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2015年11月27日 第1回 「民泊サービス」のあり方に関する検討会 議事録
医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部 生活衛生課
○日時
平成27年11月27日(金)13:00~15:00
○場所
厚生労働省3階 共用第6会議室
○議題
1.検討会の開催趣旨について
2.関連する現行制度について
3.検討に当たっての基本的な視点と主な論点(案)について
4.今後の検討スケジュール(案)について
○議事
○厚生労働省吉岡課長補佐 それでは、ただいまから、第1回「民泊サービスのあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の先生方におかれましては、大変御多用のところ、当検討会への参画に御快諾をいただき、まことにありがとうございます。
本検討会は、厚生労働省と観光庁の共同事務局で開催、運営することとしております。
また、本日の検討会は、議事、資料ともに公開とさせていただいております。
まず、観光庁、古澤審議官より御挨拶を申し上げます。
○観光庁古澤審議官 観光庁の古澤でございます。
本日は、先生方、大変お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
観光庁におきましては、政府の目標として、2020年に訪日外国人2,000万人という目標の達成を目指して、現在取り組んでいるところでございます。現在、外国からのお客様、大変ふえておりまして、ことしは、10月時点で既に1,631.7万人という数になっておりまして、今後ますますふえていくのではないかと考えております。
そういう中で、大都市を中心に、非常に宿泊需要が逼迫している状況でございます。さらに、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが予定されておりますので、こうしたときの短期間の宿泊需要の急激な増加にどのように対応していくかということも大きな課題であると考えてございます。
観光庁といたしましては、現在、ホテルを中心に需要が逼迫している中で、まだ受け入れ能力に多少余裕のある旅館の利用促進をしたり、あるいは、需給が逼迫している大都市の郊外のほうに需要を、宿泊施設のお客様を誘導していくといった形での利用促進に最優先に取り組んでいるところでございますが、やはりそれだけではまだ万全の体制とは言えない状況でございます。
一方、訪日外国人の中には、日本の生活を実際に自分で体験して、日本の方々と交流を深めたいというホームステイのような形でのニーズも多々ございまして、そういった宿泊ニーズにどうやって応えていくかということも大きな課題であると認識しております。
こういう大都市等における需給逼迫の改善ですとか、外国人のお客様のいろいろな宿泊ニーズの多様化といった観点からも、民泊のあり方を御検討いただくことは非常に重要なテーマであると認識しております。一方で、現在行われております民泊には多くのものが旅館業法の許可をとらない形で行われておりまして、安全の確保の問題ですとか近隣の皆様とのトラブルなど、さまざまな問題が指摘されている状況でございます。したがって、我が国の実情に合った民泊のあり方、それから、どのようなルールを整備していくかということについて、先生方から幅広く御意見を頂戴いたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○厚生労働省吉岡課長補佐 福田生活衛生・食品安全部長は、業務のため、30分程度おくれて出席する予定ですので、後ほど御挨拶させていただければと思います。
それでは、お集まりいただいた構成員の皆様を御紹介いたします。
北里大学名誉教授の相澤好治様です。
東京大学大学院工学系研究科教授の浅見泰司様でございます。なお、浅見先生には、本検討会の座長をお願いしております。
法政大学大学院法務研究科教授の今井猛嘉様でございます。
相模原市副市長の梅澤道雄様でございます。
公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会会長の川口雄一郎様でございます。
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長の北原茂樹様でございます。
涼風法律事務所、弁護士の熊谷則一様でございます。
東京理科大学大学院国際火災科学研究科教授の小林恭一様でございます。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会会長の末永照雄様でございます。
和歌山大学観光学部教授の廣岡裕一様でございます。
東京大学社会科学研究所教授の松村敏弘様でございます。
五木田・三浦法律事務所、弁護士の三浦雅生様でございます。なお、三浦様におかれましては、業務の都合で途中退席させていただきますので、よろしくお願いいたします。
一般社団法人不動産協会事務局長の森川誠様でございます。
公益社団法人全国消費生活相談員協会理事長の吉川萬里子様でございます。
なお、本日、株式会社日本総合研究所理事長の高橋進様が御欠席のため、同研究所総合研究部門主席研究員の岡田孝様が代理で御出席いただいております。
また、本日、神奈川県副知事の吉川伸治様が御欠席のため、神奈川県保健福祉局生活衛生部長の甲斐康文様が代理で御出席いただいております。
また、オブザーバーの一般社団法人日本経済団体連合会産業政策本部長の上田正尚様が御欠席のため、一般社団法人日本経済団体連合会産業政策本部上席主幹の森島敏様が代理で御出席いただいております。
続きまして、本検討会での議論を進めるに当たり、関連する制度等を所管している省庁からも御出席いただいておりますが、時間の関係もございますので、座席表で御確認いただければと存じます。
最後に、事務局の紹介をさせていただきます。
厚生労働省、長田生活衛生課長でございます。
観光庁、西海観光産業課長でございます。
大変申しおくれましたが、私は、厚生労働省生活衛生課長補佐の吉岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラの方は御退出をお願いいたします。
(カメラ退出)
○厚生労働省吉岡課長補佐 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席表に続きまして、資料が1から8まで、議事次第に記載のとおり配付させていただいております。
不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
よろしいでしょうか。
なお、本日御発言いただく際は、卓上のマイクのスイッチを入れていただき、御発言が済みましたら、お手数ですが、スイッチを切っていただきますようお願いいたします。
それでは、以降の議事進行につきましては、座長の浅見先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○浅見座長 浅見です。どうぞよろしくお願いします。
非常に関心が高いテーマでして、ごらんのように、プレスの方もたくさんいらっしゃっておりますけれども、いろいろ問題も多いようですので、皆様のお知恵を拝借いたしまして、よい方向を考えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず資料1として配付されている本検討会開催要領の2(3)には、「座長に事故等が生じた場合、あらかじめ座長が指名する者がその職務を代理する」とあります。この際、旅行業法や観光に関する知識が豊富で、法律家でもある三浦先生に座長代理をお願いしたいと思います。三浦先生、どうぞよろしくお願いいたします。
何か一言、もしあれば。
○三浦構成員 三浦です。座長代理を指名いただきました。
今、御紹介ありましたように、私は旅行業の関係と、あとは旅館業のクレームの対応の処理を主にやっております。座長代理に御指名いただきましたので、精いっぱい務めたいとは思うのですが、今、座長がおっしゃられたように、浅見座長に事故があるときしか私の仕事はないのでありまして、願わくば、この仕事が最初で最後であることを祈って、御挨拶にかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
○浅見座長 どうぞよろしくお願いします。
それでは、議事に入りたいと思います。議題1の「検討会の開催趣旨について」、事務局から資料の説明をお願いいたします。また、続けまして、今後の議論の前提となってくる「宿泊需給の状況について」、観光庁、西海観光産業課長からお願いいたします。
○厚生労働省長田課長 それでは、厚生労働省生活衛生課長でございますが、資料1、資料2に基づきまして、本検討会の開催趣旨等につきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。
資料1でございます。「趣旨」に書いておりますとおり、自宅の一部、別荘、あるいはマンションの空き室などを活用して、いわゆる民泊サービスというのが実態として急速にふえているというような状況がございます。こういった民泊サービスにつきましては、観光立国推進という観点からの宿泊需要に応えていく、あるいは、地方では逆に空き家がふえているという中で、空きキャパシティを有効活用していく。そのような要請なり期待というものがございます。
ただ、その一方で、そこに書いてございますように、感染症の問題でございますとか、テロ等の問題への対応など安全性をどのように確保していくかといった課題がある。そういった中で、適正なルールづくりが求められていると認識しております。
こうした状況に対しましては、既に6月30日閣議決定されました「規制改革実施計画」の中でも、この民泊サービスのあり方につきまして検討をし、28年中に結論を得るとされてございます。そういったことにつきまして、先生方に御参集いただきまして、検討会を開催するというものでございます。
運営の関係につきまして若干触れさせていただきますが、3の(1)にございます、冒頭でも申し上げましたが、本検討会は、私ども厚生労働省と観光庁が共同で運営させていただくということでございます。
それから、(2)にございますが、これは政府の審議会、検討会の一般ルールでございますけれども、会議資料、議事録等につきまして原則公開とさせていただいておりますので、あらかじめ御承知おきをお願いできればと思います。
簡単ではございますが、私からの説明は以上でございます。
○観光庁西海課長 観光産業課長の西海でございます。
宿泊の需給について御説明いたします。資料3をごらんいただきたいと思います。A4横でございます。表紙をめくっていただきまして、先ほど古澤審議官の御挨拶にもございましたように、「訪日外国人旅行者数の推移」というのを1ページ目に出しております。昨年、ことしと非常に伸びておりまして、ことし、最新の10月の時点で1,631万7,000人ということでございます。昨年が1,341万人でございますので、既に昨年の1年間の分を上回っているというペースでございます。このペースでいきますと、恐らくですが、本年末までには1,900万人台にいく可能性はございます。
ちなみに、政府の目標は、オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に訪日外国人2,000万ということでございましたが、ほぼそれに近いぐらいの増加にことし達するであろうという状況でございます。
こうした急速な伸びに対しまして、やはり宿泊施設の供給が間に合わないという状況がございまして、次のページでございますが、2枚目は、シティホテル、御存じの大きな都市部のホテルでございますけれども、こちらの客室稼働率でございます。青が東京、茶色が大阪、灰色が全国平均になりますが、東京に関しましては80%台でございます。それから、大阪に関しましては80%台の後半というところでございます。
これはどういうことを意味するかといいますと、例えば日曜とか月曜とか火曜ぐらいは多少、稼働率60%、70%ぐらいであいているのですけれども、週の途中から週末にかけてはほとんど満室という状態を意味しますので、かなりきつい状況。つまり、週の半分以上はオーバーフローしている可能性があるということでございます。
これは全国も実は上がってきておりまして、どういうことかと申しますと、東京、大阪以外では、例えば京都とか、あるいは最近、北海道、北陸といったところは、これは新幹線の影響もございますが、かなり稼働率上がっていまして、80%台に達している月がございます。
次のページでございますが、「旅館の客室稼働率の推移」でございます。こちらは、東日本大震災の後、一度落ち込んだのですが、その後、訪日外国人の増加で旅館のほうもふえてきておりまして、平成27年の直近、8月までの平均値では、東京が約63%、大阪の旅館が約51%となってございます。ということではございますが、シティホテルに比べればまだ受け入れ能力に余裕のあることが見て取れるかと思います。
また、全国の平均でございますが、こちらはまだ4割未満ということで、先ほど御挨拶にもございましたように、都市部の郊外とか周辺についてはまだ受け入れ能力が十分あるのではないかということが言えますので、私ども、旅館等の利用促進に努めているところでございます。
以上が宿泊需給の状況でございます。
○浅見座長 ありがとうございました。「規制改革実施計画」を受けまして、民泊サービスのあり方を検討するのが本検討会のミッションということでございますけれども、ここまでの点につきまして、何か御質問等ありますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、議題2の「関連する現行制度について」、資料の順に沿って、所管省庁から順次御説明をお願いしたいと思います。なお、各省庁からの説明終了後、関連する制度全体を通した質疑応答を行いたいと思います。
それでは、旅館業に関する規制についてと国家戦略特別区域における旅館業法の特例について、厚生労働省の長田課長からお願いいたします。
○厚生労働省長田課長 それでは、資料4-1、4-2につきまして、まず私のほうから御説明をいたしたいと思います。「旅館業に関する規制について」、資料4-1でございます。
表紙をおめくりいただきまして、私ども厚生労働省におきましては、旅館業法という法律を所管しております。この旅館業法の中では、旅館業というものを「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」というような形で定義しております。ここでいう営業につきましては、「社会性をもって継続反復されているもの」に該当するかどうかといったことの判断基準としております。
そして、いわゆる部屋貸し、賃貸契約との関係がどういう線引きになっているのかという点でございますけれども、1つは、その施設の管理・経営形態から見て、その宿泊者のいる部屋の衛生上の維持管理責任というのが営業者にあるかどうか。営業者にあるということであれば、これは旅館業だという考え方。そして、施設を利用する宿泊者が生活の本拠を有さないということを原則としているかどうかというようなことを判断の基準としております。
そして、この旅館業を営む場合には、都道府県知事の許可をとっていただいた上で営業いただくということになっております。
2ページでございますけれども、さらに旅館業法におきましては、「旅館業の種別」として、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業という4つの営業形態に分けてございます。
そして、さらにちょっとおめくりいただきまして、3ページでございますけれども、今申し上げましたホテル、旅館、簡易宿所それぞれにつきまして、この旅館業の許可における要件、基準というものを定めておりますけれども、それぞれの類型ごとに少し異なっている部分がございます。
宿泊者名簿をしっかり義務として備えていただくというところは共通でございますが、その下の、例えば客室数でありますとか客室の面積、玄関帳場、いわゆるフロントと呼ばれる部分、そういったものについての規制の内容が各営業形態によって規定されております。
そして、その隣に農家民宿というのを書かせていただいております。この農家民宿といいますのは、農山漁村余暇法という法律に基づきまして、農山漁村体験と宿泊というのを一体として進めていこうという政策のもとに、少し旅館業法の許可要件を緩和したタイプで、許可形態としては簡易宿所営業の形態をとっているのが一般的でございます。農家の方が御自身の自宅の一部を提供していらっしゃるというようなタイプになっておりまして、ここでは、客室の床面積、簡易宿所営業では33平方メートル以上という要件が原則かかっているのですけれども、こういった面積の基準が除外されているというのが一つの特徴となっております。
それから、その右横に、ちょっと色を変えまして、国家戦略特区と書いてございます。この国家戦略特区といいますのは、最近、大田区がこれの取組をされるということでもかなり話題になっておりますけれども、東京、大阪等一定の国家戦略特区地域という区域限定で、外国人の方を対象とした、かつ、最低7日以上の利用ということで、比較的ミドルスティのものを対象とした宿泊事業につきましては、旅館業法の特例という形で適用除外、すなわち、旅館業法の許可なく実施できる仕組みというものが設けられております。
ここにつきましては、例えば客室の床面積の基準が一部緩和されていたりといったことがございます。参考比較ということで用意させていただきました。
それから次、4ページでございます。構造設備基準の特例ということで、先ほど3ページで見ていただきましたホテル、旅館、簡易宿所それぞれについての営業許可の構造設備の基準というのがあるわけでございますけれども、旅館業法の省令の中で一定のケースについては、その基準を緩和する特例を設けるという仕組みがございまして、詳しくは省略させていただきますが、ここで書いたような特例がございます。先ほど紹介いたしました農家民宿の関係はこの中の4の部分がそれに該当いたします。
それから、最後のページでございますけれども、冒頭御説明したほうがよかったかもしれませんけれども、不動産賃貸業とどういった線が引かれているかということでございます。施設の管理責任というものはどちらにあるのか、また、生活の本拠なのかどうなのかという一つの線引きのラインとして1カ月ということを置いておりまして、1カ月以上の滞在につきましては、旅館業ということではなくて、不動産賃貸契約に基づくものというような形で整理しております。
俗にウィークリーマンションというのがございますが、ウィークリーマンションがウィークリーである範囲においては、1カ月未満でございますので、旅館業法の許可をとっていただくというような指導をこれまでしているところでございます。
続きまして、先ほど少し触れました国家戦略特区の関係につきまして、資料4-2に基づきまして少し説明させていただきます。若干先ほどの説明と重複して恐縮でございますけれども、2ページのところにございますが、「外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約に基づき一定期間以上使用させるとともに、外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する場合に旅館業法の適用除外とする」ということで、この一定期間につきましては、7日から10日までの範囲の中で各自治体で条例で定めていただくことになっております。
この条例につきましては、去る10月に、大阪府で全国で初めて成立しております。また、大田区がこの12月議会にも条例案を提案されるということで、まだ事業そのものが動き出している状況にはございませんで、その前提となる条例制定の動きが今進んでいるところでございます。
それで、ちょっと4ページを御覧いただければと思います。今申し上げました条例の制定に関しまして、昨年の段階で一度、大阪府及び大阪市で条例案が提案されて否決されたという経過がございました。その否決された際の議会で、当然議論があったわけでございますが、そこの主な懸念として、大きく2点のことが指摘されたとお聞きしております。
1つは、この特区事業というのは旅館業法の適用除外ということで、宿泊者名簿の備えつけの義務が外れるということで、例えばテロの問題などに対してきちんと対応できるのか、一定の宿泊者の管理、把握というものが必要ではないかといった懸念が1つ。それからもう一つは、マンションなどでこういった事業の実施を想定した場合に、近隣住民とのトラブル、適切に対応できるのか。そのようなお声があったと聞いております。
そういった状況を受けまして、特区制度全体を所管しております内閣府、そして私ども、さらに関係自治体ともいろんな形で協議を重ねまして、ことしの7月末に、通知上の運用上の制度ではございますけれども、この特区事業におきまして滞在者名簿をしっかりとってください、また、近隣住民の不安を除去するための必要な措置を講じてください、そのような通知を発出させていただいておりまして、そういったことを受けて、改めて、今、条例化の動きが進んでいるものと承知しているところでございます。
最後でございますけれども、5ページに簡単にホテル・旅館と外国人滞在施設の比較というものを書かせていただいております。この特区事業の場合には旅館業法の適用除外となり、一応契約上は不動産賃貸契約という格好になりますので、特に宿泊者の管理という部分が滞在者側の責任になるというところに1つ大きな違いがあるのかなと思っております。
駆け足で恐縮でございますが、私からの説明は以上でございます。
○浅見座長 ありがとうございます。
それでは続きまして、「旅行業法の概要」について、観光庁の西海課長からお願いいたします。
○観光庁西海課長 それでは、資料4-3をごらんいただきたいと思います。旅行業法は、その法域は、一言で申し上げますと、旅行される消費者の保護ということになります。そのために、旅行業者については幾つかの義務を課すとともに、登録制度というのを設けてございます。資料4-3の上段のほうには、登録制度を設けているということと、主な義務として、例えば契約・予定された旅行が行われなくなった場合の営業保証金の供託義務とかそういったもろもろの義務が書いてございます。
そして、この旅行業というのはどのように定義されているかが法2条1項には書いてございまして、報酬を得て、旅行者と運送・宿泊サービス提供機関の間に入り、旅行者がそのサービスを受けられるように、複数のサービスを組み合わせた旅行商品の企画、これはいわゆるパック旅行のことでございますが、企画商品と個々のサービス、これは手配旅行と言われていますけれども、手配をする行為でございます。
具体的に、この「運送又は宿泊のサービス」ということにつきましては、運送業者、あるいは宿泊業者により事業として提供されるサービスのことを言いますので、事業ということになりますと、旅館業法に基づく旅館業に該当するサービスということを意味いたします。
民泊サービスについてどうかと申し上げますと、個々の民泊の行為が旅館業法に基づく旅館業に該当するということになれば、民泊サービスを仲介する事業は「旅行業」に該当いたします。その場合には仲介業者は旅行業法に基づく登録を受ける必要があると考えてございます。
私から説明は以上でございます。
○浅見座長 ありがとうございます。
それでは続きまして、建築基準法関係について、国土交通省、香山課長からお願いいたします。
○国土交通省香山課長 国土交通省の市街地建築課長をしております香山でございます。私から、建築基準法関連の規制について御説明させていただきます。
資料につきましては、4-4というものをお開きいただきたいと思います。まず、建築基準法ですけれども、大きく2つの観点からの建築物の規制を行っております。1つは、地震時、火災時、あるいは日常時における建築物単体での安全性の確保、もう一つは、周辺の市街地との関係の中で良好な市街地関係を確保するという観点からの規制でございます。それぞれの規制の中で、実は用途によって適用される規定が異なるものが幾つかございます。ここではそれを挙げさせていただいております。
まず、火災時における防火・避難関係の規定につきましての規定を1ページに御紹介しております。ホテル・旅館等に対して係る規制でございます。例えば火災の発生、あるいはその拡大を防止するという観点から、外壁や間仕切り壁、あるいは建物全体の耐火構造要求といった規制がございます。さらに、火災時における安全な避難経路を確保するという視点から、廊下の幅ですとか直通階段までの距離に非常の直通階段の設置や避難階段の設置、さらには排煙設備、非常用照明、内装制限といった規定がございます。
また、日常的な安全性の確保という視点からは、屋内階段の寸法等の規制があるところでございます。それぞれの規制の内容についてはごらんいただくとおりでございますが、この表の中で、趣旨をちょっと御説明いたしますと、右側に枠を切って、2階建て、200平方メートル未満とございます。これらの御説明いたしました規制、実はその規模によってその適用関係が変わります。一般的な戸建て住宅規模のものにどのような規制がかかるのか、参考までに、例えば2階建て・200平方メートル未満の場合に規制関係がどうなるのかを整理しております。
さらに、左側をごらんいただきますと、赤字で幾つか、スプリンクラー、居室、火気使用室とあると思いますけれども、これは住宅と旅館・ホテルでの適用関係が異なる規制について特に取り上げてございます。すなわち、共同住宅等を民泊という形で旅館・ホテル的に使用した場合に、一部、規定の適用関係が異なる。例えば非常用照明の設置が必要になってくるということがございます。
続きまして2ページでございますが、一方、市街地との関係で申し上げますと、建築基準法では、その用途がそれぞれの用途によって市街地関係に与える影響が異なるという視点から、それぞれの用途が立地可能な地域というものを都市計画との関係で定めてございます。ごらんいただきますとわかりますように、上にちょっと赤、あるいは橙で色をつけております。
住宅の場合は、工業専用地域を除きまして、ほぼ全ての都市計画区域内において立地が可能でございますが、旅館・ホテルにつきましては相当数の不特定多数の方々が集まってくるということで、周辺市街地にも一定の影響があるであろうということで、原則として第一種低層住居専用地域等の住居専用地域では立地ができないという形の規制になってございます。
ただし、特例的な制度が幾つかございまして、自治体が特別用途地区を指定して、条例の中でその用途を緩和するということ、あるいは個別にその市街地に与える影響というものを考慮して許可する場合には立地が可能になるといった制度でございます。
私からの説明は以上でございます。
○浅見座長 ありがとうございます。
まだ続くのですが、次は、住宅の一部を民泊として活用する場合に想定される消防用設備等について、消防庁、鈴木課長からお願いいたします。
○消防庁鈴木課長 消防庁予防課長でございます。
資料4-5をご覧いただければと思います。私ども、住宅の一部を民泊として活用する場合にどのような消防用設備等が必要なのかということにつきまして、1番では、一般住宅、いわゆる戸建て住宅をイメージして整理させていただきました。また、裏面のほうには、共同住宅を民泊として一部活用するというケースについての御紹介でございます。最初に1番について御説明いたします。
通常の戸建て住宅でございますれば、民泊部分が小さい場合、具体的には、全体の面積の半分未満、なおかつ、50平方メートル以下という非常に小さいエリアが民泊の用途に供される場合については、当該建物は一般住宅として取り扱うということになります。
ちなみに、通常の一般住宅につきましては、全ての住宅につきまして住宅用火災警報器の設置義務付けがございますが、それ以外、特に新たな規制はかかってこないということでございます。他方、民泊用途が非常に大きくなるような場合につきましては、一部新たにその設置が必要となる設備がございます。具体的には消火器、自動火災報知設備、誘導灯、こういったものが想定されるところでございます。
ただし書きで、消火器につきましては、面積が150平方メートル以上になってから義務ということでございますので、150平方メートル未満については不要でございますし、自動火災報知設備につきましても、延べ面積300平方メートル未満で民泊部分が半分以下の場合につきましては民泊部分に設置すれば足りるということになってございます。
2つ図がございまして、民泊が半分を超えるような場合と半分未満で50平方メートルを超える、ないしは半分の場合で必要な設備はやや異なってまいりますが、いずれにしても、消火器、自動火災報知設備、誘導灯でございまして、これらも、例えば自動火災報知設備であれば、無線を使うような方式のものも最近開発されてございますので、こういったものを用いることによって簡便な工事で対応が可能になろうかと思います。居住者の安全を確保するという観点から、このようなものを求めているところでございます。
続きまして、裏面をごらんいただければと思います。「共同住宅の一部を民泊として活用する場合」でございます。そもそも共同住宅につきましても、当然、一定の安全性を確保していただく必要があるところでございます。そういう意味では、延べ面積500平方メートル以上の共同住宅には自動火災報知設備の設置義務があるところでございます。したがって、先ほどの一般住宅と同様に、必要な設備としては自動火災報知設備、誘導灯、消火器が一般的に想定されるところでございますが、真ん中、左側に図が書いてございますけれども、延べ面積500平方メートル以上であれば、もともと自動火災報知設備はついているため、新たな対策というのは不要であります。
また、右側に書いてございますように、500平方メートル未満であった場合にどうであるかということについて見ますと、左側にありますように、全体の面積が300平方メートル以上で、なおかつ民泊が1割を超えている、こういった場合については建物全体に自動火災報知設備が必要になりますが、それ以外の場合、具体的には、300平方メートル未満の場合、ないしは民泊が1割以下である場合については、民泊の用途に供されるお部屋と、あとは管理人室といいますか、それを受けて火災対応していただく、そういうお部屋に火災が発生したことを報知していただく、こういう対策をとっていただくことによって対応していただけばよろしいかと思います。
なお、消火器につきましては、共同住宅と旅館・ホテル設置基準は一緒でございますので、新たな規制はかかりません。また、○の2つ目にございますように、誘導灯につきましては、個々の居室、お部屋の中につけるというよりは、新たに廊下とか階段とかにつけていただくことになるわけでございますが、避難口までの歩行距離ですとか視認性、例えば避難階でない、2階とか3階であれば歩行距離10mとかそういう規定がございますが、そういったものを満たしている場合については設置不要ということで、安全性を確保する観点から、必要な場合について誘導灯の設置をお願いしているということで、消防用設備等につきましては、戸建て住宅、共同住宅について、今申し上げたような規制がかかるところでございます。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。
関連する現行制度、たくさんございましたけれども、一通り御説明いただきました。制度全体を通して何か御質問等ありますでしょうか。
どうぞ。
○北原構成員 今、消防のほうから御説明いただきましたが、旅館・ホテル営業の許可を持っているところでは、以前までは延べ面積が300平方メートル以上の施設については自動火災報知設備の設置が必要だったのが、本年4月1日から300平方メートルが撤去されて、全ての、何平方メートルであっても設置義務が課せられているのに、ここで説明の中で、共同住宅云々では平米数の規制が書いてありますが、それはどういうことなのでしょうか。
○消防庁鈴木課長 では、御説明いたします。
今の御質問は2番の共同住宅の一部を活用する場合に係る御質問だと思います。今の御指摘を踏まえますと、もともとは共同住宅の用途に供されているということでございますので、共同住宅の用途の部分について、一番右側に書いてありますように、300平方メートルを下回る場合は特に不要でありますが、民泊の用途の部分は、先ほど言われたように、旅館・ホテルと同様でございますから、そこについては自動火災報知設備をつけてくださいと。したがって、建物全体が旅館・ホテルないしは民泊として使っているということであれば、面積にかかわらず全部つけていただくわけでありますけれども、例えば250平方メートルの共同住宅があって、ごく一部だけ民泊の用途に供されていれば、そのお部屋と管理人室に自動火災報知設備をつけていただくということで足りるとしているところでございます。
以上です。
○北原構成員 その説明ですと非常に我々は差別されているような気がしますが、一部が民泊であろうが全部が民泊であろうが、お客様を預かっていることに変わりはないのですから、当然、設置義務を外す必要はないのではないでしょうか。
○消防庁鈴木課長 こちらはもともと、我々、法改正をする前、また法改正した後もこういう形の運用で、今回特に緩和しているという趣旨ではございませんで、端的に言いますと、共同住宅は恒常的にそのお部屋に住んでいらっしゃる。したがって、出火危険性であったり、また火災時の初期消火、通報、さらには避難という観点につきまして一定の対策が取り得るだろうと。他方、民泊の用途に供されている部分は、その建物に不案内である。したがって、火事が起きたときに速やかに避難していただかなければいけない。そういう観点から、そこの部分についてはしっかりと対策をとっていただきたいということで、いわゆる旅館・ホテル系と共同住宅の火災危険性に着目して、危険性の高いところについてしっかりとした設備をつけていただく、そういう考え方でございます。
○浅見座長 ほかに何かありますでしょうか。
どうぞ。
○今井構成員 ありがとうございます。
全体にわたる質問と意見に渉るかもしれないのですけれども、次に御説明いただく資料5のほうを見ますと、これから話す全体の像がもう少し見えてくるかと思いますが、今も既に民泊という言葉が多用されているのですけれども、これをどう定義するかというのが入り口であり出口であるかもしれないと思っております。
そして、今まで幾つか法律の御説明があったのですけれども、仮に個別、あるいは共同住宅を使って人を宿泊させる場合には旅館業法が関係してきて、日本人、あるいは外国の方をそういった住居にあっせん等する際に旅行業法が関係してきて、また戻りまして、資料の順番でいきますと、そのような住居地に関する建築の基準と消防の関係で建築基準法、消防法が関係してくると、こういう理解を持って次の御説明を聞くというのでよろしいでしょうか。ちょっとこの業法等が出てきていて、全体の構図として今後どのような形でここで議論していくのかを確認させていただきたいと思って質問しました。
○厚生労働省長田課長 まず、先生がおっしゃった民泊をどう定義するかというそもそも論があるわけでございますけれども、私ども所管しております旅館業法との関係で言えば、たとえ個人が自宅の一部を貸すという行為であっても、それが継続反復してお金をとって行われる限りにおいては、旅館業法上の旅館業に当たり、許可をとっていただくということが法的な解釈でございます。まずはその前提があるということで、そして、例えば先ほどの国交省の説明で言えば、私どもの旅館・ホテルということの範疇を勘案された上で、建築基準法上の旅館・ホテルに対する規制というものが一定連動しているということでございます。
○今井構成員 ありがとうございました。あと、この資料の、今の御説明の中の個別の質問というのは今ここでしてもよろしいのですか。
○浅見座長 はい、どうぞ。
○今井構成員 済みません。では、今お話があったので、資料4-1の旅館業のところなのですけれども、今、有償でというお話があったのですが、営業の定義としては「社会性をもって」ということが記載されています。そこで、御説明を受けながら、この社会性というのは、今言われたような有償性に代替できる言葉なのか、それとも、友人を泊めているときには若干のお金をとってもこれは社会性と言わないのか、あるいは、そもそも社会性という言葉を法律上使っているのかというのが、済みません、私、わからなかったので教えていただきたいと思いました。
その下の丸1のところでも、「社会通念上認められること」、あるいは丸2で「生活の本拠」と書いてあるのですが、これももしも法律上の概念があるならばお教えいただきたいと思います。
○厚生労働省長田課長 ただいま御質問いただいた社会性でございますとか社会通念上等といったものにつきましては、旅館業法の法律の条文そのものに直接出てくるものではございませんで、この旅館業法に規定された内容の解釈・運用としてこのような考え方をこれまでの通知などで示させていただいているというものでございます。そして、この社会性につきましては、1つは有償性ということがもちろんございますけれども、本当に純粋な友人間のものということで言えば、その「社会性をもって」というところには当たらないという考え方でございます。
○今井構成員 友人を無償で長期間泊めた場合というのは対象に入ってこないのですか。
○厚生労働省長田課長 対象には入りません。
○今井構成員 わかりました。民泊と言われるときに、世の中の方は、親戚を泊める延長として友達の友達を泊めるということも同様だとお考えの方が多いのではないかと思うわけです。そうしますと、まずやはり民泊の定義を検討した上で、これにどこまでの法規制がかかるかを示さないとなかなかいい切り口ができないのかなと思ったところです。
○浅見座長 ありがとうございます。ほかに。
どうぞ。
○吉川構成員 最初お話しいただいたときに稼働率の表をいただいたのですけれども、これは率ではなくて実際の数字で示していただいたら、それぞれ、どれほど全体としては足らないのか、足りているのかがわかるのではないかと思います。今後、ベッド数とか増床されていったらどうなるのだろうというようなことは数字でまず示していただきたい。
○観光庁西海課長 わかりました。次回、整理して出したいと思いますので、よろしくお願いします。
○廣岡構成員 先ほどの今井先生の御質問とちょっと類似しているところがあるのですけれども、今の資料4に基づく御説明で、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業というのが大きく旅館業に該当するということで、その場合何をしなければならないかというところが建築基準法と消防のこととか御説明いただきましたけれども、民泊との関係で言いますと、実際、旅館営業の許可を受けてないものでグレーみたいなものがたくさんあって、実例を挙げると、例えば大学の寮を一時的に貸しているとか、ホームステイとか、そういうものは多分何らかの解釈的なところで、私も幾つか厚労省のホームページを見ながら理解しているのですけれども、具体的な旅館営業はとってないけれども事実上認めているというものの解釈というか、そういうものをひとつまとめられたほうがこの辺わかりやすいのではないかなという、意見というか、質問でもあります。
○厚生労働省長田課長 ありがとうございます。今の御指摘を踏まえて、どういった形で資料を提供できるか、検討させていただければと思います。
○浅見座長 ほかにありますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、続きまして議題の3ですが、「検討に当たっての基本的な視点と主な論点(案)について」、事務局から説明をお願いいたします。また、皆様の御議論の参考材料として、「旅館業法遵守に関する通知に係るフォローアップ調査結果の概要」と「諸外国における規制等の状況について」を用意いただいていますので、あわせて説明をお願いいたします。
○厚生労働省長田課長 それでは、私から資料5、6、7を御説明させていただきたいと思います。
まず、「今後の検討に当たっての基本的な視点と想定される主な論点(案)」ということで資料5を用意させていただきました。
表紙をおめくりいただきまして、「民泊サービスに関する議論の背景」、ややおさらい的でございます。そもそもその定義は何かということは、ある意味定まっていないというところがあるわけでございますが、一般的に理解されるところでは、ここに書いてありますように、自宅の一部や空き別荘、マンションの空き室などを活用して宿泊サービスを提供するというものでございます。御案内かと思いますが、ここ数年、アメリカに本社を置くAirbnb(エアービーアンドビー)という仲介事業者が、インターネット上、部屋を貸したい人、そして借りたい人をつなぐ、そのようなサービスを展開して、急速にこういったサービスが広がっているという状況でございます。同社の話によりますと、日本でも、現時点で2万1,000件の登録物件があると聞いております。
そして、2の「課題」のところでございます。先ほども申し上げましたとおり、いわゆる民泊サービスと一般的に捉えられるようなケースでありましても、反復継続して有償で部屋を提供するという場合には旅館業法の許可をとっていただくということ、現行法の体系下においてはそのような考え方になっていると。そして、資料4のうちでも御説明しましたとおり、何ゆえに旅館業法上そういった許可を求めているかということに関しましては、衛生水準の確保、あるいは宿泊者の安全性を確保するということでございます。
2ページでございますけれども、「今後の検討に当たっての基本的な視点と想定される主な論点(案)」でございます。(基本的な視点)でございますけれども、私ども、旅館業法という形での規制をかけさせていただいているわけでございます。もちろん、規制には目的があるわけでございまして、衛生管理の問題、あるいはテロ等悪用防止なども含めてしっかりと安全性を確保するということでございますので、宿泊者の把握を含む管理機能が確保され、安全性が確保されるということがまず基本に置かれる必要があるのではないかと考えているところでございます。
また、最近、報道などでもマンションにおける民泊利用についての地域住民とのトラブルなどの問題も非常に指摘されておりますし、また、宿泊者自身も、インターネット上のやりとりということでございまして、そういったトラブルということの懸念も指摘されております。こういったことを十分留意する必要があるのではないかということでございます。
一方、民泊について、冒頭の検討会開催の趣旨で申し上げたとおりの一定のニーズというものが求められているということに応えていく、すなわち、安全性と民泊に求められているニーズというものをどう調和を図っていくかと考えているところでございます。
そこで、それらを踏まえた(想定される主な論点)ということでございます。1つ目は、そもそも論でございますが、民泊の必要性というものはどういった形で位置づけていくのか。それによってどういう結論を導いていくのかということがあろうかと思います。そして、先ほど来、各省それぞれに御説明させていただきました旅館業法、あるいは建築基準法、消防法との関係。旅館業法との関係で言えば、そもそもの旅館業法との位置づけをどう考えていくのか。あるいは、先ほど見ていただきましたいろんな構造設備の基準というのが設けられておりますので、それとの関係をどう考えていくのか。建築基準法の用途地域、住居専用地域では原則立地できないという紹介がございましたが、それとの関係をどう考えていくのか、建築基準法、消防法の構造設備基準との関係をどう考えていくのか、そして、旅行業法との関係をどう考えていくのか。そしてまた、仲介事業者の位置づけ・役割とございますけれども、旅館業法という法律はあくまで部屋を貸す人に対する規制でございまして、仲介事業者に対する規制ということになっておりませんけれども、こういった仲介する事業者に求めるべき役割といったことについてどう考えるのかということも非常に重要な論点ではないかと考えているところでございます。
また、お隣でございますが、(検討に際して留意すべき点)といたしまして、これ以外にもいろいろあるかもしれませんが、既存の旅館・ホテル、さまざまな法規制の体系下の中で一定のコストをかけて安全性を確保していただいているわけでございます。そういったこととの兼ね合いで、競争条件をどう考えていくのかということ。
それから、このテーマにつきましては、宿泊需給の問題というのは1つ大きな背景となっているわけでございますけれども、地域によってその宿泊需給の状況は違ってまいりますので、そのあたりのことを、全国一律の議論なのか、地域を分けた議論なのかといったようなこともあろうかということでございます。
それから、規制内容や方法に対応した自治体の体制ということで、現行制度、枠組みにおきましては、旅館業法の許可の権限は都道府県知事、保健所を設置している市や特別区については市、区におりているわけでございますけれども、そこで許可の実務を行っておりますので、仮にこの民泊というのが一定広がってきた場合に、そのあたりとの兼ね合いで、行政の側の体制をどう考えていくのかといったようなこと。それから、課税の適正化の問題などを挙げさせていただいております。
次でございますけれども、「想定される民泊活用物件の類型」と考えられる課題というようなことを書かせていただきましたけれども、今、いろんなものが民泊という一つの言葉で語られているという印象があるわけでございますけれども、いろんなパターンに分けた議論が必要ではないかという問題提起でございます。
1つは、まず戸建ての物件なのか共同住宅なのか。特に共同住宅の場合には多くの方がそこに住まわれているというような状況がございますので、また戸建てとは違った課題、とりわけ、ここにも書いていますように、管理規約とか賃貸契約で転貸禁止の問題であるとか住民トラブルの問題を意識する必要があるのではないかということ。
それから、それぞれにつきまして、その所有者の方が住みながら貸されているのか不在の状況で貸されるのかということについても少し状況が違うのではないか。すなわち、住まれている場合には直接その宿泊者の方と相対することができて、本人確認であったり、何か起こったときにすぐに対応できるということがあるわけでございますが、不在の場合にそういった問題をどう考えるのかということでございます。
それから、次の4ページでございます。(参考2)でございますけれども、民泊というのが、現行制度で位置づけられているものといたしまして大きく3つほど掲げさせていただきました。1つは、先ほども御紹介いたしました国家戦略特区というものでございますが、これは旅館業法との関係で言えば適用除外の特例を受けた類型であるということでございます。それから、いわゆる農家民宿と呼ばれるものについて、あくまでこれは旅館業法の許可をとっていただくという枠組みの中で運営されているもので、ただし、面積基準の特例というような形で許可がとりやすい枠組みになっているというものでございます。
それからもう一つ、イベント民泊というのがございます。これは解釈の線引きという先ほどいただいた宿題の一部にも該当するのかなとも思いますけれども、年1回のイベント開催時については、自治体が、宿泊施設が不足するので、自宅など提供していただきたいといった場合については、これは1回こっきりの話でございますので、そもそも旅館業法の「反復継続性」に当たらないということで、「業」に当たらないという判断で、旅館業法の許可なく運営していただけるということに整理しています。
典型的には、例えば大曲の花火大会ですとか、そういう大きな地方のイベント、そのためだけに宿泊施設を十分に供給できないという場合にこういった仕組みを活用していただくということは可能ではないかと考えているところでございます。
資料5の説明は以上でございます。
引き続きまして、資料6でございます。今回、各自治体の御協力をいただきまして調査を行いました。繰り返しになりますけれども、自宅等を活用する場合であっても旅館業法の許可をとっていただくことが必要であるということで、必要・適正な対応をお願いしたいという通知を昨年7月に、私ども、各自治体向けに発出させていただいております。一番最後のページについております。この通知を受けまして、その後、各自治体において、いわゆる民泊といったようなものについてどんな対応状況になっているのかということについて調査させていただいたものでございます。
1ページのところでございます。大きく2つございますが、1つ目は「一般住宅等の小規模施設を使用した旅館業の営業許可申請等の状況」ということで、きちんと許可の相談に保健所の窓口に来たケース、それがどのような対応状況だったかということでございます。(2)を見ていただきますと、ここで想定されている民泊に当たり得るような内容、物件だと思いますが、そういった物件の営業許可ができなかった事例があった自治体が32%となっております。営業が許可できなかった件数というのが実数としては、(3)でございますが、合計にございますように、215件ということでございましたが、この215件につきまして、その何がひっかかって許可できなかったのかということを聞いております。
「その他」がそれなりにありますが、この「その他」は、相談過程の中で、例えば申請を断念したとか、もう相談に来られなくなったとかいうようなケースがございますので、実質は1から3で見ていただくといたしますと、「その他」を除いた半分ぐらいは、全数では43%でございますが、旅館業法の基準が満たせなかったということで許可できなかった。そして、残りの半分ぐらいが建築基準法の関係、あるいは消防法の関係で許可ができなかったというような結果になっております。
さらに、2ページでございますけれども、今度、旅館業法についてはもう少し細かく聞いておりまして、旅館業法のどの部分がひっかかったのかという調査でございますけれども、面積基準によるものが半分ぐらい。面積基準が足りなかった。それから、面積基準以外の基準、例えばフロントの問題でございますとか、入浴設備の問題ですとか、そういったことで許可できなかったというのが3割ぐらいといった結果になっております。
続きまして2.のところでございますけれども、今度は旅館業法の許可を受けていなかったいわゆる無許可営業の状況について、自治体がどういった形でどの程度把握したのかという調査でございます。
(1)にございますように、この2カ年間で193件ということでございますが、25年度と26年度の数字を比較していただきますと、26年度で約2倍という把握の状況ということになっております。(2)のところが、どういったルートで把握したかというような数字でございますけれども、1つは、保健所が巡回指導するなり、あるいはいろんな形で調査をするということで、自ら能動的に把握したケースというのが、26年度で言えば4割以上ということになっております。
それから、近隣住民からの通報等々を受けて対応したというのが、これまた26年度で4割ぐらいというような数字でございます。それから、警察・消防等の公的な関係機関からの連絡などを受けて対応したというものがこのような数字になっております。
3ページでございますけれども、こういった無許可営業の状況を踏まえて、どういった指導状況になったのかということでございます。指導を踏まえてきちんと営業許可をとったというケースもそれ相応にございます。中には、旅館業法の許可をとらなければいけないということを知らなくて、指導を受けて、そういうことであればきちんと許可申請をしましょうというようなケースもございます。それから、指導に従って取りやめたというケース、これが大体半数以上ということでございます。あと、指導継続中とございますが、これについては2つありまして、1つは、営業をとりやめるという、指導に従わないという場合と、許可に向けて申請作業中というようなケースも中にはございます。
最後でございますけれども、4ページのところで、個々の説明は省略させていただきますけれども、個別の指導事例ということを参考までに整理させていただいたものをおつけさせていただきました。
続きまして、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、資料7でございます。いわゆる民泊サービス、特にこのサービスを手がけているAirbnb(エアービーアンドビー)社というのが世界、グローバルに展開されております。各国とも民泊についてどのように対応していくのかということはいろんな形で検討なり整理されているという状況でございますので、議論の参考材料になり得るということで、この秋に、大使館に調査依頼した結果をまとめたものでございます。
ただ、それぞれ当然根っこの制度が異なっている部分もございますし、大使館からの回答内容でもう少し確認が必要な部分もございましたので、現時点である程度整理できた内容ということで今日提供させていただいたものでございます。また後日、もう少し詳細なレポートを提出させていただければと思っております。そういった、ある意味、暫定的なものということでお許しいただければと思います。
時間の関係もございますのでちょっとかいつまんで申し上げますけれども、まず、宿泊業を営業する場合の規制というところがございますけれども、この部分に関しては大きく2パターンありまして、1つは、日本の旅館業法のように、旅館・ホテル業に着目した規制のかけ方というのがあるパターンと、そういった形の規制は必ずしもないのですけれども、建物の用途規制という形でやっているもの、またそれが両方というものがございます。
最初のイギリスとフランスに関しましては、今申し上げたうちの建物の用途に関しての規制というのがベースにあるような格好になっております。そして、イギリスの場合で言えば、その建物、例えば民泊は、一般的に住居を宿泊目的に転用するということで捉えた場合には、この使用目的の変更ということでございますので、この転用許可が必要というのが原則になっておりますけれども、最近の話でございますけれども、この住居を90日以内で一時的に宿泊サービスを提供するという場合には許可不要というような制度となっているということでございます。
一方、フランスの場合でございますけれども、まず建物の用途という話があって、自治体への届け出、そしてパリなどの場合には、利用形態変更については許可を求めているということになっております。ただし、この許可と無許可、届け出につきましては、年間8カ月以上居住されている場合には対象外。すなわち、これは恐らく、8カ月以上御本人が住んでいる場合には基本的な住居という目的が損なわれないといった考え方ではないかと推察しております。
それからスペインでございますが、スペインは比較的、日本のようなホテル業というものに着目したベースの規制というものがございます。民泊に関しましては自治体の許可というものは求めているということでございます。
それから、イタリアにつきましても同様な感じでございます。事前の自治体への届け出、承認というものが必要ということになっております。
それから、裏面、2ページでございますけれども、ドイツのハンブルクでございます。まず、この民泊の関連の規制のところを見ていただきますと、所有者が年間4カ月以上居住の場合について、許認可は必要ですけれども、貸し出しができます。この資料上は4カ月以上だけ書いているのですが、4カ月以上居住で、かつ、住居の空間の50%未満を貸し出すという場合に、この貸し出しが許認可のもとに認められているということのようでございます。
また、仲介事業者に対しましては、当局の許可を得ていない住宅の広告を掲載してはならないということになってございます。
次にオランダ(アムステルダム)でございますけれども、利用者の滞在が2カ月まで、かつ、同時に宿泊する方は4人までということを条件として、許可なくできますということでございます。逆に言いますと、それ以外のものについてはホテル等の許可の体系の中で対応されているということのようでございます。
それから、少し飛びまして、カナダ(トロント)でございます。あとはちょっと特徴的なところだけ少しピックアップいたしますけれども、賃借中の家屋の譲渡なり又貸しについては大家の事前同意を求めているといったようなこと。
それから、アメリカ(ニューヨーク)でございますけれども、3戸以上が入居する共同住宅で、入居者が不在の状態で30日未満の貸し出しを行うことが違法とされている。また、これ以外の建物でも、許可なしに使用用途を変更し、だから、これで言えば、住居という使用用途、これを変更して短期滞在の貸し出しを行うことは違法となっているようでございます。
それから、アメリカ(ポートランド)では、先ほども似たようなのが、たしかフランスが8カ月以上居住みたいな話がございましたけれども、こちらにつきましても、これは許可制のもとではございますが、270日以上の居住要件というものがかかっております。
また、アメリカ(ナッシュビル)では、一度に4部屋以上の貸出禁止とか、騒音等の規制などということでございます。
時間の関係で、説明としてはとりあえず以上とさせていただきます。
○浅見座長 どうもありがとうございました。
それでは、「検討に当たっての基本的な視点と主な論点(案)」につきまして、皆様から御意見、御質問を頂戴したいと思います。できれば皆様から御発言いただきたいと思いますので、人数もおりますので、お一人、できれば2分以内、最長でも3分以内でお願いしたいと思います。
どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。どうぞ。
○北原構成員 今井さんがおっしゃいましたように、民泊の定義というものがあれでございますが、先ほど説明のありました、インターネットを介してやっている大きなサイトでございますAirbnb(エアービーアンドビー)のホームページを見れば、「暮らすように旅する」、要するに日本の日常生活を体験するという新しい旅行スタイルという言い方が一般に非常に受けるというキャッチコピーに使われているところから見て、民泊というのが昔からある、日本で言えば民宿というような形の体験型宿泊というものの形態だと思いますので、これを推進していこうということ自体は、新しい旅行形態、宿泊形態の一つとして私は何の異議もないのですけれども、内閣府が非常に熱心にこれを経済政策の一環として進めようとされている。インバウンド3,000万人が来て、1人30万円ショッピングをしていただいたら9兆円。輸出産業の自動車産業を抜いてトップに立つという、すごい構想でございますし、この民泊を推進しようとされている新経済連の団体の御意見は、日本に820万戸ある空き家を有効活用することによって経済の活性化につながるし、また、こういった民泊をされる方が、ささやかな副収入という言い方をされておりましたが、ささやかな副収入を得ることによって、それも数がふえれば大きな固まりとなって新たな消費活動を生んでいくから経済に非常に効果があるという言い方をされておりました。空き家の活用とかそういったいい面ばかりがございますけれども、先ほど実態報告がありましたように、特に集合住宅にいろんな問題が集中しているということもありますので、まず戦略特区13条が認められた大阪と東京で、実際来年の春ぐらいから始まるわけですから、この実証結果を見て、いろんな問題が出てくると思いますので、その上で議論を深めていくことがまず一番大事なことではないかと私は考えておりますので、御提案させていただきます。
○浅見座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
○松村構成員 まず、ホテルの需給の逼迫に関する事実関係と新しいニーズを掘り起こす意義をお話しになりました。これらはとても重要な点だと思います。しかしこれから民泊を考えているときには、これだけが重要な要素ではない。もっと重要な点もあります。民泊はシェアリングエコノミーの重要なピース。日本に存在している資産、遊休している資産を有効に使って、これで日本の経済成長に資する。GDP600兆円という達成目標に対して少しでも貢献していくという側面もある。民泊だけではなく、他の遊休資産の有効利用という重要な意義を持つ経済活性化策の端緒にもなるという、極めて重要なもの。単純に宿泊の需給を改善すればもうそれでいいと考えるのではなく、もっと大きな視野も同時に考える必要があると思います。利害関係者の調整、利害調整だけに終始するのではなく、大きな目標があることを常に念頭に置いて、規制改革を推進していくべきだと思います。
それから、最終的には民泊の優良事例が多く出てくるような改革につなげるべきと思っています。優良事例というのは、数を増やせばいいと言っているのではない。近隣の住民に迷惑をかけて、結局、こんな規制緩和なんか迷惑だったと国民が一様に思うようなものであれば、それはもちろん優良事例ではない。そのようなことがないように十分に考えることは当然必要なこと。一方で、そのようなものではなく、本当に、今言った目的に資する優良なものもあるはずですから、こういうものを実質的に、実効的に発掘し大切に育てていける規制改革をしていくべきだと思います。
それから、スピード感を持って改革を進めていただきたい。1つは、法改正をしなければいけないようなものについては一定の時間がかかることはわかります。しかし法改正を伴わなくても、解釈等の変更によってできるようなものは一刻も早くやっていただきたい。特区の成果を見てからゆっくりとなどということではなく、できることはすぐに、それから、法改正でも本当によいものであれば、一刻も早く準備して、ぜひ着実に優良な民泊を促進できるよう改革を進めていただきたい。
それから、留意する点として、イコールフッティングを考えるのはとても重要なことだと思います。その点では、ひょっとしたら旅館業法や旅行業法のほうの規制が厳し過ぎるのではないかという発想も原理的にあり得る。この検討会の範囲ではないということは十分わかっていますが、そのようなことも考える必要があると思います。
ただ、違うものは違うわけですから、イコールフッティングと言うときに、違うものが違うということをごっちゃにしないようにお願いします。消防法のところを見ればよくわかると思いますが、一戸建てで、民泊に回す面積は半分以下で、なおかつ小規模というところと、半分を超えてやるところは規制が違う。同じ民泊なのに何で規制が違うのだなんて普通の人は言わないと思いますが、このように違うものは違って当然ということは、私たちは考える必要があると思います。
資料5-1に出てきた4類型に関してです。こういう形で整理するのは合理的だと思います。今後もそれぞれの類型ごとに分かれて議論が出てくると思います。それで、集合住宅について多くの問題がすでに頻発しているというのは確かにその通りだと思います。ここで書かれているように、管理規約を守るのは当然のこと。それで管理規約は当然住民が決められること。極端なことを言えば、マンションをこれからつくって売り出すというときに、このマンションは民泊禁止という格好で売って、それを承知の上で買うということは許されて当然だと思います。
今問題になっているのは、ある意味で過渡的、民泊のようなものがこんなに出てくることを想定しないで最初に管理規約をつくってしまったというときに、規約を改正するのはそれなりのハードルがありますから、マンションだとかで大きな問題が起こってくることがある。その点、重点的に考えることは十分合理的だと思います。しかし今後新たにできてくる集合住宅に関しては、ルールがきちんと決まれば、その後、管理規約で対応できるという側面があるとすれば、余りにも強い規制を課すのはむしろ効率的な利用に反することになると思います。この点も今後具体的な案が出てきた段階で、必要に応じて具体的に発言させていただきます。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○川口構成員 ちんたい協会の川口です。
まず、民泊の新たなルール作りということですが、先行して進んでいる特区が、東京・大阪を中心に非常に限られたエリアであること少し疑問を感じますし、今、旅館業界の方からもお話があったように、事例はすごく大事と思うのですけれども、一定の事例を見るのであれば、もっと広範囲な特区が必要ではないかという気がするのが1つ。それと、旅館業法さえクリアーすれば別に消防法とか建築基準法は全部クリアーできるのかというと、そうではないわけですから、やはり特区の中で何ができるかということをもう少し規制緩和すべきだというような気がします。
また、私は出張族で、年に120泊ぐらいはホテル住まいをしているのですけれども、東京のホテルは最近予約がとれないですね。通常1万円のホテルが、連休のときは3万円になってしまうのです。定価があるのに何でこんなに宿泊料が変わるのだろうとか、そういう疑問もありますし、それと、公営アパートが民泊に利用されているという事実もあります。私は賃貸住宅業界の人間ですけれども、アパートの借主が家主に無断で又貸ししたら、民法や賃貸借契約に違反することになりますが、誰がどう規制するかとか、こういったことまで問題が出てくるわけですね。ですから、ぜひその辺も議論の中に入れていただきたいと思います。
○浅見座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。どうぞ。
○三浦構成員 先ほど松村先生のほうから、必要性についてもう少し大きな目で見ろという御意見があったのですが、よくわからないのは、旅館業法という法律が今現実にあって、あるということは、規制の必要があるからしているのだろうと思うのですね。そうすると、そこの部分の、片方で緩和の必要性というのを大きく見ろという意味は、規制の必要性が多分、実は時代おくれになっている部分がかなりあるという認識なのではないかと思うのですね。そうすると、先ほど言っていたイコールフッティングの部分が、別の課題というお話をされていましたが、私はどちらかというと、この場でむしろ、イコールフッティングという観点から見て、現実の旅館業法でいう旅館・ホテルと民泊はどこが違うのかというのをもう少し議論したほうがいいのではないかと思います。
旅館業法というのは、私の理解では、公衆衛生の必要性と、要するに衛生設備ですね。多少治安維持の目的が入っているだろうと思うのですね。きょうは公衆衛生のことがかなり説明されていましたけれども、片方で、旅館業法は第5条で、民間営業であるにもかかわらず、契約締結義務が旅館業者に課されているのですね。あれは恐らくは、夜中におかしなやつがうろつくよりも、旅館に泊まりたいというやつは旅館のほうに収容してくれという趣旨があるだろうと思うのですよ。
それからもう一つは、宿泊名簿を必ずつくれという規定があるのですね。あれは本来は公衆衛生の必要性だけだったのだと私は理解していたのですが、例の3.11以降、局長通達で、外国人に対してはパスポート番号なんかをとれと言っていますから、あれは治安維持の関係も入っている部分があるだろうと思いますね。そういう意味で、公衆衛生の必要性の議論と治安維持の必要性が旅館業法の中で規定されている、その意味をもう少し、必要性の議論の観点から言ったときに、果たして今そこまでやる必要があるのかというイコールフッティングの観点をかなり重視して説明していただいたほうがわかりやすいのではないかと思います。
一応現段階でこの程度にします。
○浅見座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○末永構成員 日管協の末永です。
資料7で諸外国の規制等についての資料をいただいたのですが、ちょっと私、違和感を持って見たのですね。というのは、私、10年ぐらい前から、家族と毎年ハワイに1カ月ぐらい長期滞在しているのですね。そのときに、向こうでは民泊というのはバケーション・レンタルという制度で、かなり普及されているのです。日本からホームページで検索すると、日本語のサイトでも、100件、200件、泊まれるところが出てくるのです。1泊で泊まったら幾ら、1週間で泊まったら幾ら、1カ月で泊まったら幾らというような表示がされてくるのですね。そういうところを選んで宿泊してきたという経験がありますし、海外の人とお話ししても、バケーション・レンタルというのは非常に普通に皆さんが御存じなのです。ということは、この民泊が欧米ではもう一般的に普及されている文化の一つではないかなと感じます。
日本ではAirbnb(エアービーアンドビー)社がきっかけで今普及しているようですけれども、海外では、Airbnb(エアービーアンドビー)社以外でもいろんなサイトがございます。ニューヨークについては非常に規制が厳しいのですが、私、けさちょっと見てみたら、Airbnb(エアービーアンドビー)社でもニューヨークで登録している物件が300物件ありました。12月何日と日にちを限定してホームページ見てみたら、出てきました。
それから、バケーション・レンタル・バイ・オーナーというサイトがあるのですね。これはバケーション・レンタルを専門にやっているサイト。そこでも、ニューヨークでくくったら1,700物件出てきているのですね。どう見ても、普通のマンションみたいなのを貸しているのもたくさん出ているわけですね。この人たちが全部ニューヨークの法律に違反しているのか、それをニューヨークが全部黙認しているとは思えないので、もう少し海外の実態調査を、実態を調べていただきたいと思うのです。
どうしてかというと、これは海外の制度を我々日本でも受け入れていこうという視点に立ったら、海外の人たちがどのように民泊を活用して運用しているか、そしてどういう問題があるのかということを我々もまず学ぶべきだと思います。我々のルールでこれをどう処理するのかということも大事ですけれども、それ以上に、今、世界的に流通している民泊という制度をいかに日本に取り入れていくかということを考える。まずそれを使っている海外の実態をぜひ調べていただいて、それをもとに議論していただきたいと思っています。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。どうぞ。
○廣岡構成員 民泊につきましては、例えば町家に泊まるとか古民家に泊まるとかいうようなものは新しい観光資源として注目されることでありますので、そういう意味からも、新しい観光資源としての民泊というのは普及していかざるを得ないと考えますが、ただ、単なる安い宿泊場所ということになりますと、既存の宿泊施設、東京のホテルなんかも、ロンドンとかニューヨークとかに比べるとかなり安い、十分安いのですけれども、いろいろ規制があって、それがコストになっています。それが外れた民泊というのであれば、当然そちらのほうが安くなりますので、そういう既存の安くて良質な宿泊施設を圧迫してきて、結局、全体の質のレベルが下がってくる。それは、長い目で見たら、当面、観光客をさばくには有効かもしれませんが、日本の観光にとってよろしくないと考えます。したがって、認めるにしても、何らかの枠をはめていく必要はあると考えます。
しかしながら、どんな登録が必要とか、許可が必要な事業であっても、やはり漏れが出てきますし、民泊に限らず、新しいビジネスモデルが出てきたら、それを想定していない事業というのは規制から漏れる可能性があります。グレーかブラックかというのはその行政的な規制によって評価されるわけですけれども、そもそもそれがどうかというのは、特に外国から来られる外国人の旅行者というのはわからないですから、紹介サイトとかでそこが泊まれると言えば、そういうことを合法か否かということを気にせず泊まられることになります。
しかし、結果として、合法でないところ、あるいは、はっきり言うと合法と言えないところで被害を受けた旅行者については、何ら法的なバックアップがないので、それをどう保証していくか。これは民事的であったとしても、民泊に限らず、ほかの、通訳にしても運送事業にしても、包括的に、事後的でも保護していくようなシステムを考える必要があるのではないかと考えます。
○浅見座長 ありがとうございます。どうぞ。
○相澤構成員 相澤でございますけれども、私は、公衆衛生のほうの立場から発言させていただきたいと思います。
この議論の進め方で、民泊を利用する方と、それを提供する側と、近隣の方々の安全確保を考えるべきだと思います。また社会への影響ということもやはり一緒に考えていくべきだと思います。民泊という概念で新たに事業化していく人たちもかなりふえてくるのではないかと思いますので、その方の教育等をきちっとやらないと、例えば伝染病が発生するとか、あるいは安全面のこともありますし、また、これは言っていいのかわかりませんけれども、反社会的な方がこの事業に入るということは、利用者の安全の面で非常に危惧がありますので、こういった3つの観点から考えていく必要があるのではないかと思います。
以上でございます。
○浅見座長 ありがとうございます。では、今井委員。
○今井構成員 ありがとうございます。
今、相澤委員と、それから、先ほど末永委員、三浦委員が言われたことと共通した問題意識でございますけれども、資料7で各国の状況をきれいにまとめておられるわけですが、御説明でもあったように、恐らく、大きな2つの整理から説明できるのだと思います。利用に供される建物の用途をどのように制約、制限して規制しているのかということと、業者として、ホテル業のような業務をする人に対する規制という2つのかかわり方があると思うわけですけれども、それを前提にした場合、日本の法律を前提にすると、最初に申し上げたように、建物については旅館業、消防法、建築基準法がかかってくるでしょうし、あっせんを営む人については旅行業法の枠がかかるのだろうと思います。
それは、日本においてはそういった仕組みの中で微調整するのだと思うのですけれども、お願いになるわけですが、例えば旅館業に治安維持の目的があるというのは全くそのとおりでありまして、もともと、フロントで名簿にサインをするのは、立法趣旨から言うと警察行政のためであったと思います。ですから、仮名、偽名を使ってサインをすると犯罪を構成するわけでありますし、そういったことを踏まえると、海外で、例えばニューヨークですが、あれだけテロに対して過敏になっている地域で、どのような要件をクリアーして、先ほど御紹介あったバケーション・レンタル・バイ・オーナーですか、そういうのをやられているかというのは非常に興味があるところです。
想像するに、日本でいう旅行業者のような方が仲介をしていて、彼らの責任において安全性が確保された家を提供しているのではないかなという気がしますので、ぜひそのあたりは今後の議論のために御紹介いただきたいと思います。繰り返しますと、そのように日本法の視点から見た際に海外で懸念されることについて、どのような条件、クリアーされているのかをぜひ教えていただきたいということです。
以上です。
○浅見座長 どうぞ。
○小林構成員 東京理科大学の小林でございます。
私は火災安全の立場から委員になっているのではないかと思いますが、火災安全につきましては建築基準法と消防法が関係しております。これにつきましては、高層の建築物、背の高い建物とか大きな建物ほど規制が厳しくなるようにできておりまして、小さなものではそれなりの規制がかかるという仕組みになっています。大きな建物、別の用途の中に例えばホテルのような用途が入ってくるものについてもこれまでたくさん事例がありまして、それなりの規制体系ができておりまして、それに対してどうするか。全体で考えるようにするのか、部分だけ考えればいいのか。これも一般的なルールができておりまして、それに基づいてやれば火災安全対策というのはそれなりに成立していると考えております。それは今までの火災事例だとか火災統計だとか、そういうものから見ましても、ほかの、今までつくってきたルールの中でそれを扱っていけば火災安全については保たれると思います。
ただ、一方で、どうやってそれを把握するのかというところが、多分、現場の人たちには非常に大きな関心になると思いまして、どこで誰がどういうことをやっているのかということがわかりませんと、それに対する違反処理もできないということになりますし、生活者の立場から言いますと、マンションなんかですと規約ということがありますが、規約でも、管理組合に出せば多分否決されるようなことだと思いますが、出さないでやっているものについて、どのようにやらせればいいのかということについては非常に難しい問題が出てくると思います。
したがって、こういう民泊をやられるのでしたら、きちんと把握して規制ができる、そういう体系を全体で考えていただいて、その中で建築基準法だとか消防法だとか、そういうものも考えていくべきだと思います。
○浅見座長 ありがとうございます。どうぞ。
○吉川構成員 私は、職業柄というのか、消費生活センターでいろんな苦情を受けているということですので、いつも何か新しいことができたときには、すき間事案としてなかなか解決できないことがたくさん出てきて、結局、消費者の安全が守れないということになっているのが今までです。ですから、ぜひ契約主体、どこが責任を持って消費者の安全を守るのかということが明確になるような制度を考えていかないと、結局は、安全・安心な暮らしということを国全体が今宣言しているわけですから、そこのところを一番基本に考えるための議論に参加したいと思っています。
○浅見座長 ありがとうございます。
済みません。今に関連する話ですか。短くお願いします。
○北原構成員 はい。今、吉川さんがおっしゃったことに尽きると思いますけれども、先ほどどなたかが、私が言った、戦略特区の様子を見てなんていう悠長なことを言ってはとおっしゃいましたが、資料7にもあるように、諸外国の規制が強化されているのは、ほとんど2015年、ことしに入ってから規制が強化されている実態を控えている日本が、スピード感を持ってとにかくやれというのは絶対許せない発言だと思います。オリンピックを控えて、テロの温床になるような施設をつくる可能性があるのを一つずつつぶしていくのが筋ではないかと思うのですよ。スピード感を持ってといったって、やはりやるべきことはやらなければだめですよ、これ。悠長なことというよりも、やはりしっかり検証していかなければだめなのです。諸外国がこれだけ矢継ぎ早に規制強化しているときに、そんなこと、発言されるのはおかしいと思います。
○浅見座長 ほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○岡田代理人 本日欠席しております高橋のコメントを踏まえましてちょっと2点ほど発言させていただきますが、まず1つは、日本では今回、7日間までということで、旅館業法の対応によって今後の方向性について検討するということが中心になると考えられていますが、海外の例えば短期の賃貸の制度といったものも見ますと、日本でいう借家制度、こういった観点からのアプローチというのもやはり検討すべきではないかという点でございます。そういった点から、海外の制度の実態とか課題等についても参考とすべき点がないかどうか、この辺をやはり確認する必要性があるなというのがまず1点でございます。
もう一点ですが、やはり情報量として民泊の実態といったものがなかなかわからないということで、まず基本的なところで、こちらの資料でもパターン分析がなされておりますけれども、こういったパターンごとに、実態、ボリューム感ですとか、なかなか統計的なものがないとは思われますが、ケーススタディのようなもので、具体的にもう少し情報を提供していただけると今後の検討の材料になるかなということでございます。
以上です。
○浅見座長 どうぞ。
○熊谷構成員 いろいろと先ほどから議論が出ているのですけれども、民泊を広く認めていくと、例えば徹底的に自由に認めていくということによって例えば観光業が発展することにつながるのか、それともかえって観光業を阻害することになるのかということは、なかなか一元的に答えは出ないといいますか、多分、論者というか、立場によって見通しのところは変わってくるのだろうと思います。そういう意味では、ある意味、やってみなければわからない部分というのは多分にあるのだろうと思っています。
そういう意味では、何らかの形で進めていくということは必要なのだろうなという基本的な立場には立っているのですが、現在の旅館業法の定めている法律の趣旨といいますか狙いといいますか、そこが公衆衛生であるとか警察的な問題だということになると、それはやはりそれなりに、何か一たび事があると、多くの方の生命、身体にいろいろ影響があるだろうということからそういった規制が設けられているということも考えると、なかなか一足飛びに何でもやればいいということにはなりにくいのだろうなと思います。そういう意味では、基本的な考え方としては、そろりそろりとやっていくというところになるのだろうなと私は思っています。
そのそろりそろりとやるところの中で、現在既に旅館業法で緩めている部分があるし、それから、海外のところでいろいろな形でやられているものがあるので、そこの事案というものをいろいろと見ていかなければいけないだろうと思っております。そういう意味では、今緩めている部分というのが実際にどのように運用されていて、どの程度の効果を上げているのかというのは基本的には知りたいところですので、そのあたりをお願いできればと思います。
それから、先ほどの借家の観点からというところとも若干かかわるのですけれども、どの程度まで民泊の定義を意識するかの問題につながるのだと思いますが、現在、賃貸借契約の媒介ということについては、宅建業法上の宅建業の許可をもらわなければいけないという免許行政がしかれているということがあります。現在は、民泊と言ったとき、旅館業であればこれは宿泊契約ですから、そこの仲介については何も宅建業法上の規制は及ばない。それから戦略特区の部分というのは、戦略特区、法律に基づいてやっているので、そこも多分問題ないだろうと思います。けれども、今後、民泊というものを考えて、賃貸借契約のような類型を考えていったときには、果たしてそこの媒介というのが、旅行業の問題なのか、何でもない問題なのか、宅建業法の問題なのかといったような仕分けの問題もひょっとしたら出てくるかなあというところはありますので、そのあたりも想定される主な論点の一つということで、頭の片隅に置いておいたほうがいいのかなあと思っております。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。どうぞ。
○甲斐代理人 旅館業法等を所管しております自治体として、ちょっと御意見を申し上げたいと思います。
民泊のサービスということで、地域振興、観光資源を開発していくということで今後重要なことになってくるのかなとは重々思っております。ただ、先ほど来、旅館業法について、感染症の蔓延防止ですとか、風紀の乱れの防止、また治安維持の観点、そういったところから、利用者の本人の確認ですとか、または宿泊者名簿の規定、そういったものが設けられているところでございます。そういったことによって、従来、戦後、健全な旅館運営がなされてきていて、また地域の公衆衛生も向上してきているという事実があろうかと思います。そういった面では、民泊のサービスを活用するといった場合に、営業者が利用者本人の確認を確実にする担保を必要としていくことが議論の中ではお願いしたいというところがございます。
あと、利用者の健康被害の防止という観点、または感染症予防の観点から、施設の衛生確保、寝具類の衛生確保ですとか飲み水の管理、または、先ほどお風呂のこともありましたけれども、浴槽水の管理、そういった視点での規制、議論というのも必要になってくるのではないかなと考えております。あともう一点、先ほどの国家戦略特区について、外国人滞在施設系事業、それとの関係の整理、すみ分けをどうしていくかというのも考えていただきたいところです。
以上でございます。
○浅見座長 ありがとうございます。では、ごく短く。済みません。
○末永構成員 ありがとうございます。
先ほど宅建業のお話があったのですが、共同住宅を使って民泊事業を行っている人たちというのは、多くの場合、又貸しという形で民泊をされているのですね。こういう人たちに対しては、実は国交省のほうで賃貸管理業者の登録制度というのを、5年前かな、つくっておりまして、その中で、サブリース事業者に対するいろいろな義務を定めているので、これを活用することを提案いたします。ですから、ぜひこの制度についての御説明を次回お願いしたいと考えております。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。では、梅沢委員、お願いします。
○梅沢構成員 神奈川県の相模原市です。
私どもの自治体では、この民泊について実態把握も、またニーズもまだ捉えておりませんけれども、ただ、観光振興であるとか、あるいは地域振興、さらには地域の活性化の観点などから重要なものなのかなあとは思っております。ただ、一方で、我々も保健所政令市でございますので、衛生管理面、あるいは安全性の面でやはり何らかのルールは必要なのかなあと思っておりますので、その辺はこの会議の中で御議論いただければと思っておりますし、また一方で、地域住民との、ごみであるとか騒音であるとか、そういうトラブルが出ているというような報告が先ほどありましたけれども、このトラブルにつきましては、我々、基礎自治体がやはり最後は対応しなければいけない部分も出てきますので、そんなところもこの会議の中で議論していただければありがたいなと思っております。
以上でございます。
○浅見座長 ありがとうございます。どうぞ。
○森川構成員 不動産協会、森川でございます。
不動産事業者としましては、この民泊について、特に事業として今捉えているというところは余りないと思いますので、きょうのところ、特にこういう方向で進めてほしいという希望はないわけですけれども、外国人旅行者の受け入れというのは、確かに国家戦略上も必要なことだと思いますし、これは経済の発展にも重要なことだと思いますので、民泊につきましても、必要な形でしっかりルールづけして、必要であれば認めていくということをしっかり議論いただければと。そうした中で、不動産にあずかる者として、その場でテーマごとに御意見を申し上げられればと思います。よろしくお願いいたします。
○浅見座長 ありがとうございます。森島さん、何かありますでしょうか。
○森島オブザーバー ありがとうございます。
経団連としては、今回、オブザーバーという立場で、余り意見を申し上げるということではないのですけれども、基本的には、経済活性化という観点からこの問題はやはり捉えていってはどうかなと考えております。その点で申し上げますと、やはり自由で公正なルールというのが必要なのかなと思っております。そういった点をぜひ皆さんの間で御議論してほしいと考えております。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。一通り回ったのですが、どうぞ。
○松村構成員 スピード感を持ってという発言にお叱り受けたのですが、私は間違ったことを言ったと思っていません。スピード感を持ってやるべきだと思っています。それは、今現在、厳密に言えば違法かもしれないけれども、近隣の住民にすごく迷惑をかけているような民泊も問題になっている状況で、それを放置しておくということをのんびりやっていてはいけない。場合によっては規制強化ということもあるのかもしれない。あるいはプラットフォームを、旅行業法では今でも位置づけられるのかもしれないけれども、それだけで十分でなければ、一定の規制の枠組みをかけてしかるべき。それで国民から歓迎される優良な民泊を大切に育てていくという観点もとても重要。したがって、優良な民泊を育てるための規制強化という観点から見ても、やはりスピード感を持ってやるべきだと私は思います。
以上です。
○浅見座長 ありがとうございます。ほか、何かありますでしょうか。
大体よろしいでしょうか。
それでは、そろそろ予定していた時間も近づいてまいりましたので、主な論点案に関する本日の議論はここまでとしたいと思います。貴重な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
事務局において、本日の議論を踏まえて、次回以降の検討会に向けて、必要な追加・修正等を加えていただくようお願いいたします。
それでは最後に議題4、当面のスケジュール案について、事務局から御説明をお願いいたします。
○厚生労働省長田課長 それでは、資料8を御覧いただければと思います。本日も大変貴重な、活発な御意見をいただきましてありがとうございました。今年の6月末に閣議決定されました「規制改革実施計画」におきましては、平成28年中に結論を得ることとされております。そういったことを踏まえまして、一応この検討会におけるゴールにつきましては、一番下に書いてございますように、来年の夏から秋ぐらいを目途に報告書のとりまとめをお願いできないかと思っております。
当面は、ちょっと頻度が多くて恐縮でございますが、2回目、3回目、既に12月14、21日ということで日程をセットさせていただいております。まずは、幾つか、関係者などからのヒアリングというような要素も取り混ぜながら討議をしていただければと思っておりまして、今年度末ぐらいを目途に中間的な論点整理をお願いできないかと思っております。
なお、仲介事業者の役割等ということを論点で掲げさせていただきましたが、この点につきましては、今、内閣官房のIT戦略推進室というところが、民泊だけではないのですけれども、シェアリングエコノミー全般について、インターネットを介したものが急速に広がっていく中で、何か共通基盤のルールというものが必要ではないかといった問題意識から検討されております。その検討、12月中ぐらいに一定のまとめをされると聞いております。その検討内容というものは当検討会における議論ともかなり密接にかかわってくると思っておりますので、できれば第3回目の検討会あたりにIT室のほうからも御説明させていただければと考えております。
○浅見座長 ありがとうございます。「規制改革実施計画」では、本検討会の検討事項につきましては、平成27年検討開始、28年結論とされております。来年中に結論を得て必要な対応を行うことが求められておりますので、事務局から説明がありましたとおり、来年夏から秋ぐらいをめどに方針について検討を得る必要があると考えておりまして、当面、事務局から示されたスケジュールを念頭に検討させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、本日の検討会はここまでとしたいと思います。
次回以降の日程等につきまして、御説明をお願いいたします。
○厚生労働省吉岡課長補佐 事務局から御説明いたします。
次回以降につきましては、先ほど課長より御説明させていただいたとおり、第2回を12月14日の13時から15時、第3回を12月21日の13時から16時に予定しております。
また、第4回以降の検討会につきましても、具体的な日程につきましては事務局から改めて御連絡し、調整させていただきたいと存じます。
なお、冒頭おくれておりました福田生活衛生・食品安全部長から、最後になりましたが、一言御挨拶をさせていただきます。
○厚生労働省福田部長 生活衛生・食品安全部長の福田でございます。
構成員の皆様方には、本日、大変熱心な御意見をいただきました。心より御礼を申し上げます。
当検討会の開催趣旨につきましては、冒頭で御説明させていただいたとおりでありますけれども、インターネット等を通じた民泊サービスに関しましては、既存の宿泊サービスと異なる新たなビジネスモデルでございまして、国民の関心も非常に高くなっております。訪日外国人の急増や宿泊ニーズの多様化など、日本における宿泊サービスについても新たなステージを迎えたと考えております。
日本の宿泊サービスにつきましては、海外から高い評価を受けておるところでございまして、今後も安全・安心に配慮したサービスの維持向上が求められていることや、一方で新たなニーズにも対応できる枠組みが求められていると。こういった現状も踏まえまして、今後、日本がますます発展していくために必要な基盤づくりのための検討を行っていただく場がこの検討会であると考えております。
構成員の皆様方にはぜひ、本日も活発な御議論をいただきましたけれども、日本の未来を展望し、忌憚のない御意見、御議論を賜りまして、実りある結論が導き出されますように、重ねてお願い申し上げたいと思います。
簡単ではございますけれども、第1回目の閉会に当たりまして御挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
○浅見座長 本日は、2時間にわたり熱心な御議論、ありがとうございます。
これをもちまして、第1回検討会を終了いたします。次回以降もよろしくお願いいたします。
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