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2016年1月7日 第1回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成28年1月7日(木)16:00~17:55


○場所

厚生労働省 省議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、岩上構成員、江藤構成員、太田構成員
荻原構成員、籠本構成員、柏木構成員、河崎構成員、神庭構成員
吉川構成員、佐竹構成員、澤田構成員、白川構成員、田川構成員
近森構成員、千葉構成員、長野構成員、中原構成員、野沢構成員
樋口構成員、平田構成員、広田構成員、船津構成員、本條構成員
松田構成員、山本構成員

○議題

1 これからの精神保健医療福祉のあり方について
2 その他

○議事

○占部課長補佐 定刻を過ぎまして大変申しわけございません。ただいまより第1回「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご参集をいただきまして、まことにありがとうございます。

 検討会の座長が選出されるまでの間、事務局にて進行をさせていただきます。

私、進行役を務めさせていただきます厚生労働省精神・障害保健課課長補佐の占部でございます。

 議事に先立ちまして、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長、藤井よりご挨拶申し上げます。

 

○藤井障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の藤井でございます。

 事務方が何人もおくれてまいりまして、しょっぱなから本当に申しわけございませんでした。何とぞよろしくお願いいたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、ご参集をいただきまして、まことにありがとうございます。

 精神保健医療福祉に関しまして、若干これまでの経緯をひもときますと、平成16年に精神保健福祉施策の改革ビジョンが決定をされ、「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的方策の実現を掲げて精神科医療の改革あるいは地域生活支援の強化に取り組んでまいりました。

 その後、平成25年には精神保健福祉法が改正されまして、精神障害者の医療に関する指針の策定あるいは医療保護入院の見直し等が行われまして、平成26年、一昨年になりますが、「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」でもさまざまな検討が行われまして、取りまとめで示されました長期入院精神障害者に対する支援あるいは病院の構造改革といった方向性を踏まえた取り組みを私ども進めているところでございます。

 こういった流れの中で、平成25年、前回改正されました精神保健福祉法の附則におきましては、同法の施行後3年を目途として医療保護入院の手続のあり方等について検討を加え、所要の措置を講ずるということにされておりまして、本検討会におかれましては、まずはこの規定を踏まえた検討を行っていただくことをお願いしたいと考えています。

 また、平成26年の検討会の取りまとめを踏まえまして、精神科医療のあり方のさらなる検討を行うことも必要とされております。本検討会では、それもあわせまして、盛りだくさんのテーマではございますけれども、これまでの取り組みの評価あるいは今後の方向性について議論をお願いしたいと思っておるところでございます。私ども事務局といたしましては、厚生労働省から、私ども障害保健福祉部に加えまして、医政局からも梅田審議官を初め出席させていただいております。

どうかさまざまなお立場から活発なご議論をいただきまして、精神科医療の発展と精神保健福祉施策の充実により、精神障害者が地域でよりよい生活のできる社会をより一層実現してまいりたいと思いますので、何とぞ先生方よろしくお願いをいたします。

 

○広田構成員 ほかの課長はいらっしゃらないの。

 

○藤井障害保健福祉部長 ちょっとおくれます。済みません。 

 

○占部課長補佐 なお、カメラ撮影につきましては、ここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

 

○占部課長補佐 次に、本検討会の構成員の皆様につきましては、お時間の関係上、大変恐縮でございますけれども、事務局からのご紹介につきましては割愛をさせていただきます。

 皆様方におかれましては、詳しくはお手元の構成員名簿、座席表をご参照いただければと思います。また、よろしければ、後ほど意見交換を予定しておりますので、ご発言の前に簡単に自己紹介をいただければと存じます。

 本日は、久保野構成員、中板構成員、松本構成員からご欠席とのご連絡をいただいております。

 なお、本検討会につきましては、公開のため、検討会での議論の内容につきましては、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定でございますので、あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。

 次に、座長の選出に移らせていただきます。座長につきましては、資料1の検討会開催要綱に記載のとおり、構成員の互選により決めることとしております。どなたかご推薦の方はいらっしゃいますでしょうか。本條構成員、お願いいたします。

 

○本條構成員 僭越でございますが、樋口輝彦構成員を推薦申し上げます。

 

○占部課長補佐 ただいま樋口構成員とのご推薦がございましたけれども、いかがでございましょうか。

(拍手あり)

 

○占部課長補佐 ありがとうございます。

 それでは、開催要綱に従いまして、樋口構成員に座長をお願いしたいと思います。

 樋口構成員は、恐縮でございますが、座長席にご移動をお願いいたします。

(樋口構成員、座長席に移動)

○占部課長補佐 それでは、ここからの進行は樋口座長にお願いしたいと思います。樋口座長、よろしくお願いいたします。

 

○樋口座長 それでは、ご推挙いただきましたので、僭越でございますが、この検討会の進行役を務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 今、藤井部長からのお話にもありましたように、改革ビジョンが出されたのが平成16年ということでございまして、それから10年過ぎているわけでございます。途中5年目のところで、さらに改革ビジョンを推進していくための検討会というのが持たれ、あり方検討会と呼んでおりましたが、そのときに私は進行役を務めさせていただいたわけであります。早くもそこから既に6年経過したということで、この精神保健医療福祉の領域の問題は山積していると思いますし、改革の速度をスピードアップして、できるだけ早い時期に改革ビジョンで指摘されましたような「地域へ」というところにフォーカスを当てたいろいろな取り組みが進められていくことを切に望んでおります。

今回は、先ほどの話にありましたように、一つは精神保健福祉法の見直しという課題と、これまであり方検討会等々、地域移行に関する検討会で取り上げられてきた点をさらに深化させていく、促進させていくため、皆様からのご意見を頂戴してまいることがこの検討会の目的のようでございますので、できるだけその方向で能率的、効率的なディスカッションができるように努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初に座長代理を決めさせていただきたいと思います。開催要綱に基づきますと座長代理は構成員の中から座長が指名するということでございますので、今回は精神保健福祉法の見直しという法律の関係もございますので、私としては法学的な観点から、それを専門にしておられます山本構成員にぜひお願いできればと思っております。いかがでございましょうか。

(拍手あり)

 

○樋口座長 それでは、山本構成員には座長代理席にお移りいただきたいと思います。

 

(山本構成員、座長代理席に移動)

 

○樋口座長 それでは、本日は第1回でございますので、これまでの検討会等で議論されてきたところの復習も含めて、今回のこの検討会の趣旨、具体的な進め方という点についてまずは事務局のほうから説明をお願いしたいと思います。その上で、第1回でございますので、できるだけ多くの皆さんからこの検討会に対する期待とどういった点を取り上げるべきかといったようなご意見を賜ればと思っております。まず事務局からよろしくお願いいたします。

○占部課長補佐 それでは、資料に基づきまして、ご説明をさせていただきます。

 資料1「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会開催要綱」をご覧いただければと思います。

 本検討会の開催趣旨といたしましては、先ほど藤井部長からも申し上げましたとおり、平成25年の改正精神保健福祉法の附則におきまして、同法の施行後3年、これは平成26年4月施行でございますので、平成29年4月ということになりますけれども、こちらを目途として医療保護入院の手続のあり方等について検討を加えまして、所要の措置を講ずるものとされております。当該規定を踏まえた検討を行いますとともに、平成26年7月に取りまとめた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性」を踏まえた精神科医療のあり方のさらなる検討を行う場として本検討会を開催するということでございます。

 次の検討事項につきましては、後ほど次の資料2でご説明をさせていただければと思います。

 また、会議運営に当たっての事務的な取り扱いにつきましては「3.構成等」をご参照ください。構成員につきましては、2枚目の構成員名簿のとおりでございまして、全体で30名の方にご参画をいただいております。

 続きまして、資料2「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会の進め方(案)」につきましてご説明をいたします。

 当検討会の今後の進め方につきましては、当事者あるいは関係者からのヒアリングを実施し、次の論点について議論することとしております。

 1つ目、医療保護入院における移送及び入院の手続等のあり方、2つ目に、医療保護入院者の退院を促進するための措置のあり方、3つ目に、入院中の処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定及び意思の表明の支援のあり方、以上3つの論点につきましては、改正精神保健福祉法の附則に記載されている項目でございます。これに加えまして、精神病床のさらなる機能分化、精神障害者を地域で支える医療のあり方、精神疾患に係る医療体制のあり方、その他としております。

 各論点につきまして、もう少し内容をイメージしやすくするために、2枚目に参考といたしまして、想定される主な検討事項ということで記載させていただいております。各論点につきまして、まさにこれからご議論いただくところでございますので、あくまで想定される主な論点の例ということで記載させていただいているものでございます。こちらについては適宜、議論の中でもご参照いただければと思います。

 資料の1枚目にお戻りいただきまして、分科会の設置についてご説明をさせていただきます。先ほどの資料のとおり、論点が多岐にわたりますので、少し論点を分けてそれぞれについて分科会を設けて議論し、論点を整理することとしてはどうかと考えております。

 2つの分科会といたしましては、1つ目に医療保護入院等のあり方分科会、2つ目として、新たな地域精神保健医療体制のあり方分科会ということでお示しをさせていただいております。各分科会の論点の振り分けにつきましては、こちらに記載のとおりでございますけれども、大まかな分け方といたしましては、精神保健福祉法における入院手続等に関することと精神保健医療の体制に関することということで2つに分けさせていただいております。

 全体の検討スケジュールといたしましては、本日から議論をスタートし、分科会における議論の整理を経て、本年夏ごろを一つの目途として意見の取りまとめを行いたいと考えております。

 資料1、2についてのご説明としては以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、早速でありますけれども、内容の議論に入ってまいりたいと思います。

 まずは、議論いただく前提といたしまして、精神保健医療福祉施策の現状について、これも事務局のほうから資料をまとめていただいておりますので、説明をお願いしたいと思います。

 

○占部課長補佐 それでは、資料3「精神保健医療福祉施策の現状について」をご説明させていただきます。

 まず最初に、精神保健福祉法、前回平成25年に改正を行っておりますけれども、その内容についてでございます。

3ページをご覧ください。平成25年に精神保健福祉法を改正しておりまして、そのうち主な部分について平成26年4月から施行されております。改正の主な内容につきましては、こちらの記載のとおりでございまして、精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定、保護者制度の廃止、医療保護入院の見直し、精神医療審査会に関する見直し、こういった内容となっております。

 次の4ページ以降にそれぞれの改正事項についての資料を入れさせていただいております。

4ページが改正法を踏まえた指針の概要でございます。こちらにつきましては、平成26年4月1日から適用となっております。内容といたしましては、入院医療中心の精神医療から地域生活を支えるための精神医療の実現のために、精神障害者に携わる全ての関係者が目指すべき方向性を示すものとして定めたものということになります。

 続きまして、5ページでございますけれども、保護者制度の廃止に伴う医療保護入院の同意要件の見直しの概要をお示ししております。精神保健福祉法における医療保護入院制度につきましては、改正前において精神保健指定医の診察及び保護者の同意を要件としていたところでございます。改正後におきまして、家族等同意を新たな要件としております。ここで言う家族等に含まれる者につきましては、改正前の保護者となり得る者と同じ範囲ということになっておりますが、この際、順位について撤廃するという改正を行っております。

 続きまして、6ページでございますけれども、医療保護入院者について新たに導入された退院促進措置の概要でございます。精神科病院の管理者の責務といたしまして、退院後生活環境相談員の選任、家族あるいは当事者からの求めがあった場合の地域援助事業者の紹介、病院内に医療保護入院者退院支援委員会の設置が義務づけられております。

 駆け足で恐縮ですけれども、精神保健福祉法の前回改正の主な内容については以上でございます。

 続きまして、7ページ以降でございますけれども、精神保健医療福祉の分野に関連しまして、このところどういった施策が行われてきたかということを簡潔にまとめさせていただいております。

 8ページにつきましては、近年の精神保健医療福祉施策の動向を年表形式でまとめたものでございます。以下、順次、個別の資料に基づきましてご説明させていただきます。

 9ページは、平成16年の精神保健福祉施策の改革ビジョンの枠組みでございます。同ビジョンにおきまして「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的な方策を推し進めるため、国民各層の意識の変革や精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を10年間で進めるということで、各分野において10年間で達成する目標を掲げております。

 この改革ビジョンの中におきましては、特に精神保健医療福祉体系の再編の達成目標といたしまして、各都道府県の1年未満群の平均残存率を24%以下に、各都道府県の1年以上群の退院率を29%以上にするという目標を掲げておりまして、これらの達成により、約7万床相当の病床数の減少が促されるとしているところでございます。なお、資料には記載しておりませんが、このときに医療法上の精神病床に係る基準病床数の算定方法につきまして、これらの達成目標を踏まえた計算式に見直されております。

 次に、10ページでございますけれども、今ほどの改革ビジョンの内容も踏まえまして、平成17年の精神保健福祉法の改正を行ったときの概要でございます。主な改正内容といたしましては、精神科病院等に対する指導監査体制の見直し、緊急時における入院等に係る診察の特例措置の導入、任意入院患者に対する病状報告制度の導入などをこの時に行っております。

 11ページは、平成21年に取りまとめられた「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告書の概要でございます。これにつきましては、改革ビジョンが平成16年からおおむね10年間を対象期間としていたことを踏まえまして、その中間点である平成21年に有識者による検討を取りまとめたものでございます。改革ビジョンにおきまして「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念を推進することになっておりまして、これを踏まえて、精神保健医療体系の再構築、精神医療の質の向上、地域生活支援体制の強化、普及啓発の重点的実施という4つの観点から改革ビジョンの後期5年間の重点施策群を策定したものでございます。

 1ページ飛ばしまして、13ページでございますけれども、平成24年に取りまとめられた「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の報告書の概要でございます。この報告書におきましては、精神保健福祉法における医療保護入院制度につきまして、医療へのアクセスの確保の観点から、保護者による同意を必要としない入院手続とするとともに、入院当初から早期の退院を目指した手続を導入すること、権利擁護のために、入院した人は自分の気持ちを代弁できる人を選べることとするといったことを提案しております。

 平成25年の前回の精神保健福祉法の改正は、この報告書を踏まえて行われたものでございますけれども、実際の法制化の過程におきまして、同意の手続を撤廃することが妥当かどうかという点につきまして、本人の権利擁護の観点等を総合的に考慮した上で、結論として家族等同意という形で同意の手続を残しているところでございます。これにつきましては、家族等に十分な説明が行われた上で家族等が同意する手続を法律上明記するべきではないかということ、精神保健指定医1名の診断のみで入院させるということが患者の権利擁護の観点から適切かということ、自傷他害のおそれのある措置入院の場合について精神保健指定医2名の診断が必要とされる一方で、自傷他害のおそれがなく、より症状が軽い医療保護入院の場合に精神保健指定医1名の判断で入院させることが適切かといった観点を総合的に検討した上で、このような結論に達したという経緯がございます。

 続きまして、14ページでございますけれども、こちらは、先ほど4ページでご紹介いたしました改正精神保健福祉法に基づく指針におきまして「地域の受け皿づくりの在り方や病床転換することの可否も含む具体的な方策の在り方について精神障害者の意向を踏まえつつ、保健・医療・福祉に携わる様々な関係者で検討する」とされていることを踏まえまして、検討会における検討を経て、平成26年7月に取りまとめた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性」の概要でございます。

 この報告書の中におきましては、長期入院精神障害者の地域移行を進めるため、本人に対する支援として、退院に向けた意欲の喚起や地域生活の支援をさらに進めるとともに、病院は生活の場ではないということを前提に病床機能の改革を進め、病床の適正化を図ることを提言しております。

 続きまして、15ページ以降でございますけれども、今回の検討会におきましては、医療政策全般の中で精神科医療のあり方についてどのように考えるかということでこれから検討いただくわけですけれども、それに当たりまして、医療政策全般の中での精神科医療の位置づけについて整理した資料を付けさせていただいております。

 まず、16ページは、医療計画制度の概要でございます。医療計画につきましては、各都道府県が地域の実情を踏まえて医療提供体制の確保を図ることを目的として、5年を1期として策定することになっておりますけれども、平成25年度からの医療計画につきましては、新たに精神疾患を加えた5疾病5事業につきまして、それぞれ必要な医療機能と各医療機能を担う医療機関の名称を記載することとされております。

 続いて、17ページでございますけれども、平成26年に成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」、いわゆる医療介護総合確保法の概要でございます。同法におきまして、医療機関が都道府県知事に病床の医療機能を報告し、都道府県がそれをもとに地域医療構想を策定することとなっております。なお、病床機能報告制度の対象につきましては、一般病床と療養病床となっておりまして、精神病床につきましては、その対象に含まれていないところでございます。

 ここで言う地域医療構想の内容につきまして、18ページに資料を入れさせていただいております。地域医療構想につきましては、病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、定めるものでございまして、これにつきましては、平成28年半ばごろまでに各都道府県において策定することが望ましいものとされております。その策定に当たりまして、厚生労働省の推計方法を含むガイドラインを作成し、平成27年3月に発出したところでございます。

 この中で、地域医療構想における精神科医療の位置づけについてでございますけれども、19ページに記載をさせていただいております。地域医療構想における精神科医療の位置づけにつきましては、ガイドラインにおきまして「地域医療構想を策定するに当たっては、地域における精神科医療も含め検討することが必要である」とされておりまして、精神保健福祉法に基づく指針に示された方向性を踏まえることが重要とされているところでございます。

 また、障害福祉計画における精神科医療の位置づけにつきまして整理をさせていただいております。20ページをごらんいただければと思います。障害者総合支援法に基づく障害福祉計画につきましては、都道府県及び市町村におきまして、国が策定する基本指針に則して定めるものとされております。平成27年度から29年度までの第4期障害福祉計画については、改正精神保健福祉法に基づく指針において急性期の精神障害者が早期退院できるための体制の確保や、在院期間が1年未満での退院に向けた取り組みを進めることとしていること等を踏まえまして、入院後の退院率の上昇や長期在院者数の減少について数値目標を示しているところでございまして、各自治体においてこうした数値を踏まえて障害福祉計画の策定を行っているところでございます。

 大変駆け足になって恐縮ですけれども、資料3の説明につきましては以上でございます。

 参考資料といたしまして、関連する統計資料を添付させていただいております。これにつきましては、時間の都合上、説明を省略させていただきますけれども、議論の過程で随時ご参照いただければと思います。

 資料の説明につきましては以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま全体を説明していただいたわけでございますけれども、今後は、先ほど冒頭にありましたように、2つの分科会でさらに詳しいディスカッションしていただくという話になって、それをまた本会に定期的に報告し、全体としてディスカッションするということを繰り返していくことになると思います。

本日は全くのスタートでございますし、先ほどありましたように、初めての構成員の方もいらっしゃって、ある意味では自己紹介的なことも含めて自由にご発言をいただきたいと思います。構成員の数が大変多くて、全体としては30名いらっしゃって、きょうはそのうち27名ご出席だということなので、ざっと計算しても、皆さんが全員発言されるとせいぜい2~3分ぐらいしかお一方の持ち時間はないかと思いますけれども、できるだけ多くの方のご発言をいただきたいと思いますので、そのあたりをご留意いただきながらお願いしたいと思います。特に前段後段というふうにきょうは分けませんので、精神保健福祉法の改正のところに関するもの、後半の地域移行や入院の制度の問題、どちらを発言されても結構でございます。

 まず、参考までに、私から見て左側の列でご発言を予定されている方、手を挙げていただきますとありがたいのですが、全員にできればご発言いただきたいと思いますけれども、とりあえずご発言いただきたいということなので、では、先に左の列からいただいて、その後、今度は右のほうに移っていきます。左で手を挙げていらっしゃらない方は後半またご発言を考えていただければと思います。

 早速でございます。では、伊澤構成員からお願いいたします。

 

○伊澤構成員 よろしくお願いいたします。伊澤と申します。

 障害者総合支援法の障害福祉サービスの担い手の人たちが集まっている団体、それが支援協議会「あみ」という団体のほかに2つございまして、合わせて3団体、今回はその3団体がブリッジをかけて連絡組織を立ち上げているということがございますので、私は、そこの選出ということでこの場にいさせていただいております。よろしくお願いいたします。

この議論の流れの中にうまく乗ってくるのかどうかというのは定かでないのですが、非常に気になっているところが幾つかあって、それを申し上げたいと思っております。

 一つは、大もとの問題として精神医療が精神保健福祉法という精神障害者特別の対応策ということでずっと来ているというところです。先ほどご説明ありました医療計画の中で5大疾患というところを踏まえて医療計画も立ち上がってくる中で、しっかり医療法の中で見ていくというような時代をつくり上げていくというか、引き寄せていくというか、そういうステップになっていくような検討の機会になることをとても強く期待しております。精神障害の方々専用のものということから脱却していく視点はとても大事なのではないかということがあると思います。

その関連ですけれども、精神科特例という特別な措置というか、対応というか、それをずっと引きずっているわけでありまして、これをどうクリアしていくのかという方策も考えあわせていかなければならないと思っております。一般医療との差がすごくあるわけで、一昨年批准された障害者権利条約の25条の医療の提供姿勢にも深く関与してくる部分だと思いますので、しっかりとつくり上げていかなければならないと思います。

 もう一つ、ちょっと角度が変わってしまうのですが、前回の検討会のときにも、その前の指針の検討会のときにも思いましたけれども、この検討会の構成員の方々が、いわゆる支援あるいは医療を供給する側、そういう方々がとても多いということが気になっております。ユーザー目線、当事者視点というものが十分に担保されるかどうか、このあたりも非常に大きな課題だと思っております。スタートしてしまったので、ここから構成を変えるのはなかなか厳しいと思いますけれども、先ほど冒頭で説明がありましたように、ヒアリングなどを多様に行いながら、幅広くユーザーの方々の意見なり意思なりをしっかり反映させるべきではないかと強く思っております。

 以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、お手をお挙げになった方、その次はどなたでしょう。どうぞ。

 

○太田構成員 

こんなに早く発言することになると思っていなかったのですが、東京大学法学部の太田匡彦と申します。専門は行政法と社会保障法と言われる領域です。ただ、精神保健医療福祉についてはそんなに専門的に勉強しているわけではございませんので、素人の感想をまずお伝えしておきたいと思います。

 前回の改正のところでなされた一通り議論の上に現行法が存在するわけですが、資料を幾つか読んだり法律を見たりして、どうも据わりが悪いものではないかという印象を持ちました。一つは、権利擁護のために家族の同意は外せないという点に関わります。誰かの承認、誰かの関与が外せないという点においてはそうなのですが、家族が必ず本人のアドボカシー、擁護者になり得るのかどうかの部分についてやはり独自の問題はあるだろうと思います。家族がそれぞれに独自の利益を有してしまうという問題があり、どの程度擁護機能をもち得るのかはやはり問題だという気がいたします。機能するか疑わしいというよりは予測が難しいので、それだけを期待して制度を組むということは危ないのではないかという気がいたします。

 他方において、医師の判断だけで十分というのはやはり通らないだろうと私は思います。前回の検討会はどちらかというとそちらの方向が強いような印象を受けましたが、それは法律家としては通らないという印象があります。すなわち、医療保護入院は、特に法律構成上、措置入院と異なり、私人が私人の判断でいわば強制的に入院させるという側面がございますが、私人が私人を相手方の同意なしに収容する、これは法律学的には人身の自由を奪うということにもつながるものでして、自由の根本にかかわります。したがって、医師の判断を何らかの形でレビューする手続、組織は必要であろうと思います。これは伝統的に法律家がやってきて、令状主義というものを考えればわかるように、法律家の役割であったのですが、ここでは法律家単独のレビューが役に立たないというのも当たり前のことです。お医者さんの判断が正しいかどうか私にわかるわけがないのであって、お医者さんが正しいと思われた判断についての基準を明らかにし、それが多分正しく使われたであろうかを見るというような迂遠な関与になろうかと思います。

 したがって、これは、医師、法律家あるいは福祉専門職を組み合わせてどのように精神障害者の人々の利益保護という点からして真っ当な手続を考えるかということであろうと思います。また、若干、この検討会では難しいかなと思いますが、法制度上そのコロラリーとして、措置入院との関係も多少問題になるのかもしれません。手続、組織の差異化、措置入院用にはこっち、医療保護入院用にはあっちという区分、あるいは要件の差異化がうまくいかないときには、措置入院、保護入院の一本化というものもあるいは視野に入ってこざるを得ないのかもしれません。そこら辺の問題も視野に入れつつ、適正な手続を考える際のお手伝いができればと思っております。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、次にはいかがでしょう。どうぞ。

 

○籠本構成員 自治体病院から来ております籠本と申します。よろしくお願いします。

 何点か気になるところがあります。先ほどの先生のお話にもありましたけれども、医療保護入院に関して我々現場でいろいろ当たっております。私どもの病院は医療観察から措置入院からさまざまな医療を引き受けておるわけですけれども、さっき家族と本人との問題というのがありましたが、この辺が非常に微妙でして、家族全員にコンタクトをとって、誰も反対する人がいなければ入院させられるというようなこと、条件を厳しくすればするほどいいのですが、実際の現場ではつらい思いをします。

 それから、医療観察法で言いますと、医療観察で家族の方が協力的であればいいのですが、治療そのものに反対する、「入院させるのは何でや」と言う人もいますし、「出してくれるな」という人もいますし、家族と本人の利益の関係でそれも非常に困るのです。

今2つほど挙げましたけれども、本人の立場に立って困るということで考えていただければいいのですが、それをどう判断してもらうかというのは、先ほどおっしゃいましたけれども、法律家と医療現場のよくわかっている連中がやればいいのですが、迅速性というのがどうしても要るのです。今、入院している人から退院請求があって、1カ月も2カ月もしてから審査会が行くということではいけない。

これは一つの提案ですけれども、今、市町村が精神保健の中心になっています。私、ずっと気になってきたのですが、保健所も監視監督、医療監視とかしていただきますが、訪問も含めた、出かけていって地域の人の権利擁護をやる、あるいは実態をつかんで的確にサービスを提供するという行政機関としての機能、かなり権限を持った機能を持っていると思いますが、そこがどんどん縮小されていて、実際、保健所の人が身動きとれないということがあります。例えば保健所の人は実際に現場もよくわかっておられますし、その地域の法律家の方々とコンタクトをとって、すぐそういう相談に応じて検討するとか、システムについては具体的に分科会で検討していただいたらいいのですが、ひとつぜひとも検討をお願いしたいというところがあります。

 それから、患者さんの利益と家族の利益がどうなのかというバランスが難しいのですが、我々の病院でもアウトリーチで未受診の方をいろいろ訪問してやっていますけれども、ご本人と家族、あるいはその地域の方、周辺の方、この辺の利害関係、意見がなかなかうまく調整できなくて非常に難渋するケースがあります。具体的に難渋するケースがあったときにそれを速やかに検討して、ある程度の方向性を出す、オーソライズするような機関がどうしても要るのではないか。

 もう一つ、私どもは児童の入院もやっておりますけれども、医療ネグレクトがあります。児童福祉法との関係で難しいところがありますが、どの程度まで子供さんを入院、あるいはきちんとした治療に上げる必然性があるのか、緊急性があるのかということと、親御さんの子供の養育能力や同意能力、その辺の評価を児童相談所とかいろいろ相談するのですが、早く対応したほうがいいのに、なかなかあっち行ったりこっち行ったりで、すぐ踏み出せない。そんなことについても、私は保健所に全部期待するわけではないですが、行政機関が実際に臨機応変に動いて、法律家とうまく連携をとって、医療機関と調査して、あるいは地域の調査をして、やれるような体制をつくらないと、子供さんもそうですし、障害者の本人さんもそうですし、かなり不利益をこうむるし、こうむっておるし、宙ぶらりんになっているのがあるので、ここを何とか少しでも一歩進めて検討していただければと思います。

 以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、河崎構成員、どうぞ。

 

○河崎構成員 日本精神科病院協会の河崎です。

 私どもの団体は、全国の約1,200の民間病院から構成されている団体でございます。そういう意味では、今回のこの検討会で議論されるであろう内容は、極めて私どもにとっては重要な方向性、あるいは今回の法改正に伴って生じてきたさまざまな課題、そういうことをしっかりと議論していただいて、解決できるものは解決していく、そういう検討会にしていただければと思っております。

 まず、1点目でございますけれども、今回の法改正に伴いまして、現場ではさまざまな課題というものが出てまいりました。1点挙げますと、やはり先ほど来の話にもありましたけれども、家族等の同意という点で、同意を得られないような場合に、これまででしたら市町村長同意という形で何とか医療にアクセスできるということでございましたが、今回の法改正によって市町村長同意が極めて狭く厳格に行われる、つまりさまざまな条件がついてきたということがございますので、医療にアクセスがうまくできないというケースが現場では生じてきております。人権擁護ということは大原則として、しかしながら、医療を必要としている方に対しては実効性のある法体系というものがやはり必要であろうと思っておりますので、そのあたりは、今後のさまざまなヒアリングの中で現状の課題が浮き彫りになってくるかと思いますけれども、しっかりと議論をして解決していくというような検討会であってほしいと思っております。

 もう一点の重要な課題であります新たな精神保健医療体制のあり方についての議論でございます。平成16年の改革ビジョン以降、あり方検討会も含め、直近の長期入院精神障害者の地域移行の検討会でも議論されている内容は、ほぼ同じ方向を向いているのだろうと思います。つまり、そのたびごとの検討会で全く新たなメニューが出てきてということではなかったと思います。つまり、どういうふうに医療の質を向上させていくか、そして地域へ移行していただく際に地域がどういうふうにそういう方たちを支えていくのか、極端に言うとこの2つの点だろうと思います。これを現実的に進めていくためには、精神・障害保健課だけの話ではなくて、実はきょう事務局から出てきておられますように、医政及び精神保健医療、災害対策担当の梅田大臣官房審議官あるいは障害福祉の関係の川又企画課長等々、これまでのこういう検討会では余りご出席ではなかった方たちも出てきていただいているということは、厚生労働省も本気に全体的にその方向性を実現していこうという姿勢をきょうは示していただいたと思っております。それも含めて、ぜひ私たちの検討会が実効性のある提言をできるようにしていければと思っております。

 以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、神庭構成員。

 

○神庭構成員 この検討会には今回初めて参加させていただいております。私、九州大学精神科の神庭重信と申します。気軽にこの仕事をお引き受けいたしたのですけれども、送られてきた資料を見たり、この検討会の目的を知るにつけて、大役を仰せつかったと感じている次第であります。

 ちなみに、これまでの検討会の流れを存じませんので、十分な理解の上での感想にはならないと思いますが、これから皆様からさまざま教えていただきながら、ヒアリングを重ねて考えてまいりたいと思いますが、きょうは、ざっくばらんな感想を一言だけ手短にお話しします。

 卒業したのは1980年です。精神科医になって精神科の病院に勤務したこともございますが、その当時と今日とでは全くさま変わりしています。もちろん数々非常に大きな問題点や未解決な問題はあり道半ばですが、患者の権利擁護を初めとして精神科医療は確実に前へ進んできたかなという感想を持っています。

しかも、私のところは70床、閉鎖40,保護室14床を抱えている大変小さな施設で、小型の精神科病院に近いような医療をしておりますが、今回の精神保健福祉法の改正によって退院を目指した退院促進に精神科医療が大きくかじを切り、その中で感じることは、今回の改正は、もちろん未解決な問題ははらみながら、またさらに一歩、前へ進めたのではないかと思っています。医療者の治療における視線が大きく退院に向き、退院を意識した治療あるいは治療計画を立てるという意識を持ててきているように思います。その一方で、今後さらに患者さんの権利擁護のためのアドボケーターの活用であるとか、皆様と一緒に考えていきたいことがございます。

 ちょっと話はまた飛ぶのですけれども、精神科病床のさらなる機能分化に関して、大学病院で閉鎖を持っていますとクロザピンが必要になる慢性期の、しかし重症の治療抵抗性で精神症状が不安定な患者さんが何名も紹介されてきます。その方々にクロザピンを飲んでいただくと、保護室から出ていただけるような状態にはなるのですが、そこから先が非常に難しい。そして、その方々が、例えばうちですと5年にわたる入院生活を強いられている方もいらっしゃるのですが、長期化する傾向がございます。ぜひ、クロザピン治療ができる施設を含めて地域で診ていけるような体制・環境づくりも必要かなと思います。

 私自身は、心のバリアフリーに非常に関心がありまして、これを進めていくということも今後の活動の中でお話ししてまいりたいと思います。これも一筋縄ではいかない大変難しい問題を含んでいるように思います。

 それから、地域医療ですが、私自身の専門が気分障害ということもありまして、今後の地域医療の中で、うつ病、双極性障害の地域医療、病院と地域との連携、ここへの検討もしていただければと考えております。

 以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、こちらの列でほかには、どうぞ。

 

○澤田構成員 日本社会事業大学大学院の澤田です。

 中身についてはこれからということで、用語についてだけ今は意見を述べさせていただきます。

前の検討会で山本深雪参考人が「退院意欲の喚起」という言葉は失礼であると指摘されたのですが、それが全く無視されて使われたままなのです。私は、山本参考人の指摘はもっともであり、大変重要だと思います。この検討会で検討する時間がないとしても、どこかで検討すべきと思います。

 それから、「退院支援意欲の喚起」という用語もぱっと決まってしまったのですが、この身もふたもない用語、本当にこれでいいのかと疑問に思います。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、今度はこちらの列に参ります。発言される予定の方、手を挙げていただいて、では、順番にこちらからお願いいたします。

 

○白川構成員 全国の精神保健福祉センター長会を代表させていただいて出てきております横浜市こころの健康相談センターの白川といいます。

 今回の改正で私どもがちょっと問題点と感じているところを幾つかお話しさせていただきます。

 まず、家族等の同意の問題ですけれども、大都市になりますと、やはり流れ流れて、同意してもらえない方たちというのが結構いらっしゃるわけです。その方たちの同意をとることに本当に意味があるのかということと、あとは、DVの問題とか、そういうところでも今の現法ですと同意をとらなければいけないということがございますので、そのあたりのところを明確にしていっていただきたいということが一つございます。

 それと、34条の移送等についてでございますけれども、現実的にはなかなかその部分がうまくいっていないということもございますし、あと、入院に当たっての人権擁護という面で、措置入院と同じような形の2人の診察というものを入れていかないと人権擁護がきちんとできないのではないかということ、あるいは調査権の問題というのも全然うたわれておりませんので、きちんとした調査がなされないということもございます。

 そのほか、これからまた挙げていきますけれども、自宅への立ち入りの権限も今回のものでは全然出てきておりませんので、そのあたりのところもきちっと明確化していただきたいと思っております。

 とりあえずのところは以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、続いてどうぞ。

 

○田川構成員 精神神経科診療所協会の田川です。

 前2回、指針の検討会と長期入院の検討会に出させていただきました。今回、医療保護入院のあり方分科会、地域精神保健医療体制のあり方分科会と2つに分けてということで出されています。

第1点の医療保護入院の問題ですが、私は前の検討会というのは知らなくて、議事録を読ませていただいたぐらいなのですが、ご家族の負担を減らそう、これはとてもいいと思います。では、それを誰が保障していくのかというと社会が保障しようという議論だったと思います。しかし、どう社会が保障するのかが具体的見えてこない。そういうところをしっかり議論する必要があるのではないかと思います。

 第2点目の地域精神保健医療体制のあり方ですが、前の2回の検討会でも感じたのは、何かちょっと感覚が違うというギャップを自分の体験とあわせて感じていました。なぜかということを考えてみると、長期入院されている方をいかに地域移行するかということを問題として立てられて、その中でどういうふうに受け皿をしよう、どういう医療をしていこう、アウトリーチをどうしよう、そういう議論になっていたと思います。我々は実際、診療所で統合失調症の方あるいはかなり重度の方とか、その方が入院したくないと言われれば、何とか入院させないでサポートしていきたいと思いながら診療しているわけですけれども、それといかに長期入院の人を受けるかというのは別物なのです。

例えばアウトリーチというのがよく語られるわけですが、我々もアウトリーチするわけです。どうしても来られないというときに、行ってそこで何かをすれば少し変わっていくときにアウトリーチするわけなのですけれども、語られているアウトリーチの内容は、これは誤解だったらいいのですが、強制入院のかわりにアウトリーチしていく、そういう形で語られていないかと、違和感を感じます。

 アウトリーチはすごくいいと言われるのですが、我々が実際アウトリーチでお邪魔しても、やはりどこかで自分の家の中まで入ってこられたくないという気持ちは患者さんの中にはあるわけです。なぜ必要か、どうしても必要に駆られて行くのだ、そういうものをちゃんとしておかないと、行けばいいのだというわけではないと思っています。そういうところでギャップを感じています。

 そういう意味で、これから新しい形での地域精神保健医療体制あるいは福祉のサポートを考えるとき、やはり今までの議論というのはホスピタルベースドといいますか、精神科病院がまずあって、そこにたくさん長い入院の方がおられるということの中でどうしようかという議論だったと思いますが、これからちゃんとしたグランドデザインを考えるのであれば、今、地域で病気になられて非常に苦しんでおられて、非常にしんどい障害をお持ちになられて、その方がどういうふうに望んでいるのか、どうサポートしながら乗り切っていくかというデザインをコミュニティーベースドの形で考えていく必要があるのではないか。ホスピタルベースドで考えていくと、どこかしら、ゆがみが出てくるのではないかと思っています。

 以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 それでは、近森構成員。

○近森構成員 近森ですけれども、よろしくお願いします。

私は、チーム医療の委員会にも出ておりますけれども、こちらの精神疾患のほうとかなり雰囲気が違います。余りクリアカットではないです。やはり精神疾患ということで患者さんの人権の問題が一つあることと、先ほど田川構成員からありましたように、精神病院の経営の問題、これは非常に大きいです。そういうところがあわさってファジーな感じになっていると思います。

私どもの近森病院の第二分院というのは104床を60床の急性期治療病棟に縮小して、救命救急センターの近森病院に統合しました。それによって患者さんがまず変わりました。統合失調症が減って、地域で困っておられる重症で手間のかかる患者さんがふえてきましたし、精神障害者が身体疾患で救命救急に来られる方がふえてきて、地域で非常に助かるということで評価されております。また、外来やデイケア、福祉のサービスと連携して地域に帰ったり就労したりということで、精神障害者の方が笑顔で地域で生活できるような形に変わってきました。

平成16年に改革ビジョンができて、精神病床における入院患者数の推移を見てみますと、患者数は大体1割ぐらい減少していますが、高齢患者が急速にふえています。長期に入院しておられる高齢患者がやはり問題です。患者さんの数では確かに変化が起こっていますが、医療の仕方という概念の転換、「入院医療中心から地域生活中心へ」というような精神障害者の医療の概念の転換をどうやっていくかというところをやはり考えていかないとだめだと思います。

私が事務局にお願いしたいのは、平成16年に改革ビジョンができて、平成21年にあり方検討委員会でいろいろ決めさせてもらいましたが、それがどんなにデータ的に変わったかを出していただいて、その上で実際どうしたらいいのかをもっと理論的に考えたほうがこの会も進むし、精神障害者が地域で生活するということも大きく変わると思います。患者数は減っているけれども、若い方が減って高齢者がふえています。高齢者の療養病床の対策として医療を内包するとか、外づけの施設をつくっていく、そういう方向で検討するとか、もうちょっと具体的に精神障害者の医療が変わるような対策をここで打ち立てていかないと実際は変わらないのではないかと思っています。

 以上です。

 

○樋口座長 それでは、千葉構成員。

 

○千葉構成員 青森の片田舎で人材もいないし、自治体にお金はないという中で精神科病院とクリニックをやってまいりました。

 今回の「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」ということですけれども、その趣旨や検討事項の中に盛られていること、あるいは進め方の案等を見せていただきますと、相変わらず精神医療の部分に大変重みを置かれております。従来からここはどうなっているのだと申し上げている精神保健医療福祉の改革ビジョンのところでも3つの大きな視点、あるいはその中間点では4つの視点となっている国民の理解の深化とか、その後は啓発普及の重点的実施というようなこと、あるいは地域生活支援の強化といったところで地域で安心して暮らせる体制を整備するとか、地域生活支援体制の強化で支える障害福祉サービスあるいは住まいの場の確保といったことをうたっておりながら、この辺の検討や、あるいはこれに対する施策というものを実は余り見たことがないし、されていないというような気がします。

確かに精神医療の場あるいは病院での改革といったようなことについては多々進めなければならない部分がありますが、ここら辺のところについてはこれまでの検討会等の中でかなり進めてまいりましたし、また、それに沿って現場は動き始めている状況にある中、屋上屋を重ねるようにまたそこのところに検討会をして、その内容を検討していくということも必要ではあるかもしれませんが、より必要なのは、これまで全く手つかずといっていいような状況にあった精神保健の部分や精神福祉の部分をどうするのかというところであり、これについてさらに詰めていただかなければならない。

何が必要なのか。退院促進をするためには、地域の中でそれをしっかりと受けとめ、それらを見ていく姿勢、地域が支える姿勢、強いて言えば、いつも広田さんから愛だというようなお話をいただくのですが、そういったような国民のコンセンサスの醸成に何をするのかといったところがいつも触れられないまま、問題が大きいせいかもしれませんが、そのまま次へと繰り越されていて、実際、改革業務から12年、何をなしたかということを考えると大変寒々しいように思います。

そこがちゃんとバランスよくなっていかないと精神医療の改革も進んでいかないのだというところをぜひ頭に置いていただいて、この検討会の中で一応、保健も福祉もあり方を検討するということになっておりますので、ぜひそのあたりを色濃く入れていただきながら検討の中身にしていただき、例えば住まいをふやすというのは、具体的に国は何戸ふやしてどういう施策を打つのか、幾ら金を出すのかということでもあるわけです。そういう整備や、現在いろいろ消防法や建築基準法でグループホーム等の整備が大変滞ってしまっている状況についてどのように障害の部局としては交渉していくのか、そういった現場の問題点をもう少しつぶさに挙げて検討する部分もできるだけ多く入れていただきたい。それを含めて、精神医療、保健福祉の包括ケアの部分をどのように組み立てるかということだろうと思います。そちらがなければ医療だけでは包括ケアは成り立たないということを最初に申し上げて、ぜひその辺のところも検討会の方針に入れていただきたいと思います。

以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

では、次はどこへ行きましょうか。どうぞ。

○平田構成員 千葉県精神科医療センターの平田でございます。法改正後の指針検討会、方策検討会のところからこの検討会に参加させていただいています。

 私どもの病院は、ちょうど30年前に開設された精神科の急性期の専門病院でありまして、50床という小さな病院ですけれども、年間400人ぐらいの入退院があります。現在、精神科の急性期治療病棟及び救急入院料病棟、いわゆるスーパー救急病棟のモデルになった病院です。もうちょっと大げさに言わせていただければ、我が国の精神科の医療の中で急性期の医療のコンセプトをつくり上げるための震源地になったような病院、そういうふうに自負しております。そういう救急急性期の医療の観点から物を申したいというのが一つです。もう一つ、司法精神医療あるいは精神医療審査会、こういった活動にも20年以上前から取り組んでおりますので、その2つの観点から、特に入院制度のあり方、非自発入院制度、特に数が多い医療保護入院制度が中心になりますけれども、この2つの入院制度の見直しについて意見を述べていきたいと思います。私は、この限られた時間の中で2つに焦点化して提案したいと思っています。

 一つは、公的保護者制度の提案です。今までの皆さんのお話の中にもちょっと出てきましたけれども、今回の法改正で保護者制度というのは廃止されましたが、これは家族の負担を軽減したという側面があるにせよ、その反面で非自発入院の代諾同意を行うということの責任が非常に曖昧になってしまったという印象を持ちます。非自発入院というのは、市民権の全面的な制限であり、剥奪であるわけですけれども、一時的にせよ全面剥奪を行うわけです。それに見合うだけの責任を同意者が負っているかというと決してそうではない。余りにも軽過ぎるのではないかという印象を持ちます。非自発入院の同意をするというのは、入院者の権利擁護の責務と権限をもうちょっとはっきりさせなくてはいけない。そういう意味で、公的保護者制度を提案したいと思います。具体的には今後の議論の中で説明していきたいと思います。

 もう一つが、非自発入院の中でも特に初回の入院であるとか、治療関係が全くない初めて入院する人に関してでいいのですけれども、非自発入院というのはやはり精神科的に重症であるから非自発入院になるわけですが、そういう人たちを入院させる病院は良質な医療を提供できるような病棟に限定すべきではないか、そういうことを制度化すべきであるという提案です。非自発入院の入院者を高規格の精神科病棟に入院先を限定すべきであるという提案です。

私は医者になって38年になりますけれども、最初に精神科の医者になったときの第一印象がそのまま残っているわけです。どういうことに衝撃を受けたかというと、極めて重症の急性精神病状態の患者さんが入院治療のスタートをする場所として、物すごくお粗末な穴蔵のような保護室から治療を開始している。この現実に非常に衝撃を受けました。これは病院とはとても思えない環境ですね。40年近く前の話ですけれども、現在、保護室は見た目はかなりよくなりましたが、相変わらず精神科特例という足かせに縛られて、医者は1病棟48床ぐらいのところに1人おればよいというお粗末な環境の中でスタートしなくてはいけないわけです。それでも許容されるわけです。重症患者を非常に規格の低い病棟でも入院治療ができるという現実です。これは医療の常識からいったら非常に非常識な話なわけです。

例えば急性心筋梗塞の人を有床診療所みたいなところに入院させるなんてことをしたら、恐らく社会問題になると思います。ところが、精神科の疾患の場合は全然社会問題にも何にもならない。当たり前である。ずっとそれでやってきたわけですからね。この現実を何とか変えたいということです。精神科医療の常識は医療一般の非常識である。恐らく近森先生などはよくご存じだと思いますけれども、精神科の医療をノーマライゼーションしなくてはいけないという観点から2つ目の提案をしたいと思っています。

 以上です。

 

○樋口座長 それでは、広田さん、どうぞ。

 

○広田構成員 広田和子です。

20011219日に社会保障審議会の臨時委員に就任して、その日の「NHKの首都圏ニュースのトップに出た」ということを、私は見ていませんけれど、NHKから報告を受けました、親しいタクシーの運転手さんなども「…トップニュースで出ていましたね」ということで、「期待を込めて委員に入っていただいた」というふうに厚労省からも伺っています、仲間たちからも言われます。

さっきすごく変わったと言われましたが、私は、基本は全く変わっていないと思います。何が変わっていないかといったら、今、大変な話をされたし、特例の話が出てきますが、特例だけ1つとって医者が少ないとか看護者が少ないと言うけど、入院治療が必要でもないのに、この瞬間もきょうの9時に寝かされている人たちがいます。私は横浜の伊勢佐木町通りで日本一安くておいしいお好み焼きを時々食べていますけど、そういうこともできない、街のカラオケに行って全国都道府県警の機動隊の若者たちを応援するために「この世を花にするために」、「鉄腕アトム」などを歌ったりしているけど、それもできない。

きょうは、北朝鮮の水爆の実験があったということで大騒ぎしています。日本国内は当然のことですが、全世界の北朝鮮系の子供たち、大人も、何か危害が加えられるようなことがあってはならない。大韓航空爆破事件時、“朝鮮学校の女児のテマチョゴリが切られた”ということ、報道で知って、学校へ行ったら、「授業参観」に招かれたり、若い男の先生と並んでブランコ乗ったり、6年生の男の子から胸の詰まるような質問されたこともあります。30年ぐらい前には、横浜国大留学生のスーダンの人で奥さんと男の子の一家と親しくなり、我が家に招待したとき、「メッカはどっちですか」と持ってこられたマットを引いて礼拝されていたイスラム教の人たちのことを最近よく思い出します。何かを起こしたことの信憑性がどの程度あるか日本のマスコミを見ているとよくわかりませんが、仮に真実だとしても、そのことによって一喜一憂して、日本が何かをしたからといって日本国民が理不尽なこと、されないことを願うように、一人一人の市民や国民が冷静になって、何かしたのが日本だったら、日本人だったらと考えることが大事だと思います。

安倍さんも「日本は独自に制裁をやる」と言っていると新聞に出ていましたが、私は、日本国民の一員として唯一の被爆国として今こそ、「今年伊勢志摩でやる」と、のどかなことしていないで、サミットを広島に変更すべきです。200945日、オバマ大統領のプラハでの、「アメリカは核兵器を使用したことがあるただひとつの保有国として…人類の運命とは私たちが作るものです」という画期的な演説がありますから、原点に返って広島で開催して、今回の北朝鮮の真否はともかく、それを含めてこれ以上、「核をふやさない、減らしていく、広島、長崎の悲惨な体験を終わりにしたい、世界の反戦反核」というふうに持っていくべきだと思います。きのう「北朝鮮が水爆実験をやった」というニュースがきょう新聞に出ているから、平和、安全あっての生活ですのでみんなが話をするかなと思ったら、でなかったので、発言しました。サミットを広島で、という関連は社保審障害者部会で昨年77日、1015日、1214日、3回発言しています。

 私は、見かけは若いですが、ことしの3月15日で70歳になります。私の彼は12月5日に55歳になりましたから、年の差がきょうは14歳ですが、3月15日になると15歳になります。年の差がという話、2人の間では、何の問題もなく、3年前の夏、東京転勤後、それまで厚労省の人と一緒に来られ、「又、2人で」「○○とは東京で会えるから」と、ひとりで来られることになったけど、週末に「行かない」と判断され、後日「仕事に没頭して(私とのことで)叩かれたら受けてたとうと思う」と言ったことがありました。きょう午前中、この業界の男の子が“劇場型近隣”にたのまれ、年齢のことを電話で騒いでいました。彼は私を愛して、私が支え、私にとっても彼は異性愛だけではなく、父親のような存在感もありますので、私たちのこと、引っかき回すことない。いろいろ意見交換していた10代の若者たち、「もてない女たちは相手にしない」と横須賀、横浜、東京で。男女共同参画の時代なのに「女性の方が上で」と騒ぐ人もいて、改めて遅れているなと学習でした。障害者部会でこの間まで樋口先生とか野沢さんもご一緒、二人は時々いないで、河崎先生と私はほとんど皆勤です。私は代弁者は要らないと思っています。澤田さんがさっき話しされた、患者にとってみれば失礼な話ですが、そういうことをさんざん発言した議事録、厚生労働省、社会保障審議会障害者部会、私は世界の情勢からいろいろなことも、精神医療の被害者として発言していますので、ぜひ全体を読んでいただきたいということです。そういう社会のこと、患者、障害者の関心でもあります。いつもいつも同じ話を蒸し返してはまた新しい人が出てきて、何でこんな30人も覇気のない雰囲気でどうなるかというのがきょうの感想です。

占部君の説明、声もいいし、上手でした。田中課長や川又課長よりも占部君の言葉遣いのほうがこういうオフィシャルな会議にはぴったりですから、2人も見習って。ございますとか言ってないで簡潔な言葉使いをされたら。

今回こそ特例だけ突出させないで、この瞬間も社会的入院している仲間たちを解放したい、精神科特例という失礼な、安かろう悪かろうという医療をやめるべきです、病棟転換とか小手先のことではなく病床削減もしなければいけない、診療報酬を値上げしなければ総合病院の精神科はもっと減ってしまうという分かりやすい現実も踏まえ、社会的入院の解放プラス3点セットの改革を。

そして、田川先生、診療所協会の加入者は半分ぐらいでしたか。診療所は、口ではいいことを言われる。やたらアウトリーチと言うなと、家族が呼んで、患者は泣きながら「来てもらいたくない」と騒いでいますから、この発言は同感ですが、診療所は、夜、診られない。救急のパーセンテージをとると、ニーズは未受診よりも病院の治療者よりも診療所通院が上回っているほうが全国的に多い。そういうことだから、患者さんを病院に預けっ放しにせず、医者も患者さんが行ったところではないところへ行って、臨床をやっていることが大事だと思います。

私はずっと発言していますが、精神医療の被害者として精神科救急を必要としている人が警察署の保護室に居ると知って、17年間、神奈川県警の現場に張りついて、国内、北海道から対馬にも行った時、おたずねしたり、海外に行った時も警察や救急隊の話を通訳がいれば頼んで、いないときはボディーランゲージ付きの簡単な英語で、話して握手しています。台湾の時は交番でウーロン茶出て、防弾チョッキ着用して写真を撮ってもらいました。そのくらいフレンドリーです。現場で何が起こっているのか。「実はあそこで広田さん」と始まるけど、本音本場の大阪、籠本さんもきょうは出席し、個々の出席者、ひとりひとり本音で率直に、あそこでこうだった、ああだったではなくて、白川先生も横浜の問題を拾ってくる。全国の団体の代表でもありますね。私、対馬と何度も言いますが、対馬の総合病院にも泊まっています。沖縄から北海道までいろんなところに行ってきました。全国の声が上がってくるように、中原さんもきょう保健所長会で見えているけど、ぜひ拾ってきて、こういうところで厚労省に届けないと、大都市の東京だ、大阪だ、横浜だ、愛知だと決まっていくのは終わりにしないと。

記者たちでこの業界にそんなに詳しくない人が昔から言っているのは、「本音が出ない」ということと、「精神の業界は人がつながり過ぎて自立性がない。誰が医者で誰が家族で誰が患者かわからない。広田和子さんのように広い話をして、自分はこう思うと言う人が少なくて困っています。記事になりにくい」。これだけ精神疾患が世の中の脚光を浴び、戦争は障害を生む、今の「日本平和で安全」と外国人。日本国中がマスコミの報道等と住民などがたたく時代。社会がギスギスしている。劇場型近隣大騒動で皆さんに既に影響を及ぼしているかもしれませんけど、盗聴サイバー攻撃で、「電話いただいた方の電話をキャッチして相手方に電話するという犯罪がはやっている。警察はお手上げです」。これは関東地方の刑事さんからおととしの12月に聞きましたが、大変な時代だと思います。「広田さんの近所でお世話している人」とか、皆さんに電話がかかったとき、それが迷惑だったら、私以外でも、最寄りの警察にお届け下さい。刑法で威力業務妨害というのがあります。私に「ばかやろう電話」をかけてた人が20年ぐらい前、「警察にかけていたことで」捕まって、「保健所、病院、・・・、広田和子にもかけていた」と自供して・・・。ということがありました。ぜひ関東地方の刑事さんから聞いたような、新しい犯罪にも振り回されたり、巻き込まれず、フェイス・ツー・フェイスを大事にして、本人不在の話等をしない、プライバシーを守る、コミュニケーションを高めることにより、相談支援も相手に問題を具体的に言えて、ニーズも減り、ちょっとだけになり、救急も減る、警察に「寝られない・・・」等と電話することもなくなり、会話力で家庭も円満になるだろう、ということで、みんなが本音で、○○にこう思われないか、○○にたたかれないかとびくびくせず、公明正大に。外部もフェアに。そして日精協と地域派の確執をぜひやめていただきたい。私の彼は国家公務員で、3年前の夏、東京へ転勤、1年後、後輩に「アメリカから(私が)帰ってきたら渡すものもあるし、行ってやることもある」と話されたそうですが、まもなく東北へ転勤になりました。そして、昨年127日、東京に戻ってから、私と一緒に暮らすのを待っていてくれていて、3月には「大変なら俺が助ける。元気なら俺は待っている」との伝言を。大騒動のため、再会がのびのびになり、彼を巻き込まず、なんとかひとりで頑張って発言できた障害者部会の議事録79回まで公開されたら、37か月ぶりに再会して一緒に暮らそうと思っています。そして、海外に、国内に私たち2人らしい社会貢献を、新天地で、と再会、引っ越しを楽しみにしています。引っ越し準備も完了しました。日々ドラスティックなことを体験していますが、元気で幸せな広田和子でした。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 

○広田構成員 ちょっと事務局に、30人も入れて、当事者2人だけというのは少なすぎます。後できちんと回答を。大問題だと思います。

 

○樋口座長 それでは、どうぞ。

 

○本條構成員 家族会の「みんなねっと」の本條でございます。今回、初めて参画させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 事務局におかれましては、非常にコンパクトに適切にまとめておられると思います。進め方のところで入院中の処遇、これは非常に大事なことでありますが、今までの構成員の先生方の議論を聞いておりますと入院時ということが非常に議論になっておりました。やはり入院中ということは、入院時だけではなく、入院医療を受け、病院の生活をしている、そのことを指すと思いますので、そのときにおける意思決定あるいは意思表明ということも十分にこれから議論していけるような検討会であっていただきたいと思っております。

もちろん今までのお話にもありましたように、医療保護入院における入院時の家族の同意要件、これは私たち家族会も問題視しております。ぜひとも、ほかの一般医療でありますとか、そういうところにおける医療同意、インフォームド・コンセントなども参考にしながら、もちろん精神疾患特有の固有の問題もありましょうけれども、やはり本質的には一般医療と同等であるべきである、このように思っております。

 それから、先ほど来、意見もございましたが、精神医療だけではなく保健という考え方、精神疾患にかかっておられる人だけではなく一般の人も含めた精神保健ということを考えていく必要があるのではないか、この2点を要望したいと思います。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

よろしいでしょうか。

それでは、まだ時間がございますので、先ほどこちら側で発言されてなくて発言されたい方、では、伊藤委員、どうぞ。

 

○伊藤構成員 医療政策・管理学を専門としております研究者で、特に精神疾患、精神医療を軸に研究してまいりました。

 団塊世代が75歳となる2025年をマイルストーンにして、様々な社会保障制度の再構築が進められています。この時期での検討会には大変重い役割があると認識をしております。

 先ほど伊澤構成員と平田構成員が精神医療は特別ではないという趣旨のご発言をされました。2年前にOECDが日本の医療制度の勧告をしております。この中でもプライマリーケアとメンタルヘルスケアの連動が推奨されていますから、精神保健医療福祉は独立、分断というよりは、全体の方向に即した形で考えていく必要があると思います。この観点から、第2回以降、事務局に3つの資料を補足していただきたいと思います。

 1つは保健の領域です。特定健診・特定保健指導の活動というのは特に国保を中心に重症化予防に関する目覚ましい活動がされています。

 2つ目は介護領域です。精神保健福祉施策の改革ビジョンで示されている「入院医療中心から地域生活中心へ」、これを現場的な意味で読みかえれば地域包括ケアということになるのではないかと思います。精神保健医療福祉の領域では早い時期から意識されてきたといえるかもしれません。国立医療・病院管理研究所におりました1990年代後半は介護保険制度の準備が進められていました。実はケアマネジメントという考え方はアメリカの1960年代ぐらいの地域精神保健の活動を参考にしたものであるとも言われています。現在の介護領域での取り組みをご説明いただきたいと思います。

 3つ目が、今回、事務局から医療計画のご紹介をいただきました。加えて、療養病床、慢性期医療のあり方の検討に向けてという検討会がなされています。ここでかなり踏み込んだ類型が具体的に検討されているやに聞いておりますから、このあたりもぜひ勉強したいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

○樋口座長 ほかにはいかがでしょうか。では、こちらも含めて、どうぞ、中原構成員。

 

○中原構成員 今回、初めて参加させていただいております全国保健所長会の代表ということで、福岡県糸島保健福祉事務所長の中原です。

 保健所長会としましては、平成26年4月に法改正がありまして、この2年間、26年、27年と全国の保健所で改正法にどのように取り組んでいるのか、あるいは管内の病院がどういった状況にあるのかということについて調査を行いました。

 そうした中で見えてきたのが、ご存じかどうかどうかわかりませんが、保健所は設置主体というのがありまして、県型の保健所なのか、あるいは市型の保健所なのか、市型といいましても、政令指定都市の保健所あるいは中核市の保健所、あるいは東京都のように特別区の保健所と設置主体がばらばらで、そういった設置主体によって保健所がかかわっている精神保健の分野にかなり大きな差がありました。

 先ほどからいろんな構成員の方からもお話があっていますけれども、一律に保健所がどういった取り組みができるのかといったところで、全国保健所長会としてやらなければならないことはきちっと整理して、全部の保健所ができるようにしようということで、この2年間、保健所長会長名で提言を出したり、こういったことは最低してくださいといったような項目を挙げて周知はしてきました。

 今回この検討会においては、そういったことを徹底していくに当たって、例えば退院支援委員会の保健所の参加についても現状ほとんどできていないような状況があって、そういったところをもう少し積極的に関与できるように、あるいは例えば精神科病院実地指導の権限や精神保健相談のあり方、そういった具体的に全国の保健所が最低こういったことは取り組めるといったものを整理していただいて、またそれが取り組めるような形で明文化していっていただければと思っているところです。よろしくお願いいたします。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。

○広田構成員 検討会にしては盛り上がりに欠ける。

 

○樋口座長 これからです。まだお正月が明けたばかりですから。

 

○広田構成員 明けたばかりでやっているじゃない。お金もらいながら。

 

○樋口座長 よろしいですか。岩上構成員、どうぞ。

 

○岩上構成員 日本相談支援専門員協会の理事をしております。新たに一般社団法人全国地域で暮らそうネットワークというのをつくりました。

 

○広田構成員 それは3つとはまた別なの。

 

○岩上構成員 違います。私と志を同じくする人たちとの協働です。

精神障害者の支援、地域移行を進めていきたいと思っているわけでございますけれども、私も平成23年1月7日からここに関与させていただいているのですが、先ほど来お話がありましたように、改革ビジョン以降、何ができて何ができていないのかというのは、まずはっきりさせておいたほうがいいと思います。

 それから、千葉構成員がお話しになりました福祉につきましては、社会保障審議会の障害者部会では今回かなり踏み込んで議論されてきていると思いますので、そのあたりもここでつまびらかにして、今後の方向性を議論できたらいいのではないかと思っているところです。

 前回も前々回もお話しさせていただいておりますけれども、ビジョンが10年で終わっていますので、10年後の精神医療と精神障害者支援体制を見据えた上で、その中で早急にすべきことは何かということで議論をしていけるといいかなと思っています。医療計画のお話もありますし、介護支援計画等もございますので、ここで詰めたものがほかの部局の検討できちんと議論ができるような形で取りまとめ等もあわせてしていただけるとここだけで終わってしまうという話ではないと思っています。

それをお願いしたいのと、前々回からのいろんな積み残しはまだございまして、保健所や市町村の事務処理要領もそのままで、かなり現状に合っていない状況の中でずっと議論を進めてきているような問題もあわせてあると思いますので、そこはきちんと整理をしていただけたらありがたいと思います。

以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

 

○松田構成員 産業医科大学の松田といいます。

 研究領域は、医療計画や地域医療構想、医療システムの研究をしております。最近の研究では、医療計画とか地域医療構想の検討のためのデータベースの整備等を行いました。

 ここにきょう呼んでいただいた理由の大きなものは、多分私たちが持っている危機感を事務局のほうでくみ上げてくれたからと思っているのですけれども、地域医療構想を考えていく上で、これだけ高齢化が進んでくると精神と一般診療科がかなりオーバーラップしてきています。その中で、地域の医療提供体制を考えるといったときに、今、精神の情報がないということが非常に大きな問題だと考えています。そういう意味で、今回、医療提供体制のあり方を考えるということですけれども、オーバーラップしている部分を踏まえた上で提供体制のあり方を考えていただけたらと思っています。

私たちは、DPCとか、いろんなレセプト分析をやっていますが、例えば救急医療の現場では、ベースにかなり精神疾患を持った方たちが一般の救急でやってきます。では、そういう方たちが精神科の医師の診療が受けられているかというと実は受けられていないという現実があります。初期の場面で精神科と身体科の協力体制が必要になっているのにできていないという現状がありますので、今回のこの検討会を通してそういうもののいろいろと改善のための提案ができればいいのかなと思っています。

もう一つは、私自身、今から20年以上前になりますけれども、フランスで医系技官の見習いをやっていました。そのときに私の担当は地域精神医療でありまして、フランスのいろんな精神保健関連施設を見せていただいたのですけれども、先ほどから出ている地域生活支援の受け皿のボリュームが全然違うのです。日本は、そのときから比べるとかなりよくなってきていると思うのですけれども、まだ圧倒的に足りないと思います。きょうのこの構成員の構成を見ていても、労働側というか、企業側の代表がいないですね。

 

○広田構成員 障害者部会でも発言していますが、部会1期目でIBMの梅田さんと、もう一人の民間人が委員に入っていましたが、それ以外いない、業界の人ばかりで。税金の無駄遣い、社会で通用しない、業界の話では。

 

○松田構成員 いわゆる就業支援とかをするのであれば、やはり雇用主の意識が変わっていかなければなかなか難しいだろうと思っています。

 私は、実はパートタイムで産業医もやっているのですけれども、この10年で非常に精神科の診療所がふえてよくなってきました。これは気分障害の方たちに関してはかなり受け入れがよくなってきているのですけれども、相変わらず、統合失調症ですとか、そういう患者さんに関してはなかなか難しいのが現状です。やはり雇用政策と精神医療のところがうまくつながっていないのではないかというのがありますので、そういうところを改善していかないと地域生活の支援の強化というのは難しいのかなと思っています。そういうこともこの検討会でいろいろ議論していただければいいのではないかと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

 

○澤田構成員 

時間があるようですので、1つ特に関心があることを。

 広田構成員が代弁者は要らないとおっしゃいましたけれども、私も結論から言いますとそうだと思います。第一に代弁より本人の話を聞いてくださいということです。

 それから、現実的にこれは医療保護入院の家族の同意と同等か、それ以上にややこしいと思うのです。まず、自由に選べるのか、それとも誰かが候補者を立てて、この中から選べと言うのかということもありますし、それだったら嫌だなというのが正直なところです。自由に選べるとしても、気持ちを代弁できる人を持っている人がどれくらいいるでしょうか。普通の人でもなかなかいないのではないでしょうか。まして、精神の障害を持つと、孤立、孤独に陥りがちなのにと思うのです。ですから、この制度は機能しないのではないか、機能するケースというのはごくまれなのではないかと思います。
 いたとして、同じ病の仲間であるとか、何かしらのマイノリティーで差別されている人である可能性が高いのではないかと思います。その場合、そういう人を代弁者に選んだとして、その人を信用するのか。また、そういう人であれ、社会的に信用のある人であれ、代弁者の意見をどれくらい取り入れてくれるのかと考えると、代弁者は要らない、それより本人の声を聞いてくださいということです。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

どうぞ、長野構成員。

 

○長野構成員 なんぐん市場の長野です。

 今回の検討会の案内をいただいたときに、大風呂敷なのか、足りないのか、ちょっとわからない、焦点をなかなか自分で絞り切れていなかったのですけれども、感想レベルになると思いますが、精神保健福祉法の改正に関して私自身は一定の効果があったと思っています。パターナリズムに陥っていた入院のパターンがかなりなくなっている部分、特に町長同意の部分はあって、そこで確かに混乱はするのですけれども、そもそもそれでいいのかという考え直しが至るところで考えられていて、細部はいろいろあると思うのですけれども、一定の効果があったのではないかと思います。

ただ、その中でどうしても足りないのはご本人の権利擁護の仕組みであって、書類による権利擁護ではなく、代弁者かどうかはまた別にして、人による権利擁護の仕組みはやはりしっかり考えなければいけないのかなと思っています。

10年変わらないという方と、本質的にはどうかと思いますけれども、私自身はこの10年で何が変わったかというと、使える道具、施策は圧倒的にふえたと思っています。総合支援法にしても介護保険法にしても子供のほうの施策にしても、至るところに使えるものが無数にあって、コミュニティーの資源も含めて全体像が見えてマネジメントできている方が少な過ぎるのだろうと思っています。この活用できていない施策が活用され、最大限効果を発揮するための議論も必要なのかなと思います。実際、アウトリーチのところなども施策化されながらも、全国でまだ2桁、3桁にも及ばない実践だったりとか、本当に使いにくいのか、現場が使いこなせていないのか、わからないのですけれども、そういうものの検討が必要だろうと思います。

あと、地域医療構想の議論が軸に入っていることがとても大事なことだと思っています。今、地域医療構想のあちこちの議論の情報をちらちら聞いていると、私たちの地元もそうですけれども、精神科はどうも別枠で捉えられている嫌いがあって、今、乗っかっていくというか、しっかり歩調を合わせる努力をしながら一般科に近づいていくというか、その大きなチャンスを精神科は準備が足りないからということで先送りするのはとてもまずいと思っていて、ここの議論がしっかり行われることがとても大事なことだと捉えています。

以上です。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 

○広田構成員 ついでにいいですか。

 

○樋口座長 どうぞ。では、簡潔にお願いします。

 

○広田構成員 私、かつて障害者部会か何かの検討会で「横田めぐみさんは北朝鮮の精神病院に入院しているのでは」と発言していますけど、蓮池薫さんのお兄さんの本を立ち読みしたら「精神病院に入院している」という話が出ています。北朝鮮の拉致被害者を日本の家族のもとに帰したいと同じように、日本国内の拉致被害者である社会的入院の仲間が解放されるように、入院治療が必要でない人が、病院内にとめおかれている、ということで「国内の拉致被害者」という言い方は適切ではないかもしれないけれど、長年、使っています。安倍さんと厚労大臣の塩崎さんが高らかに「国民の皆さん、国内の社会の要請によって入院していた人たちを温かく迎えてください。愛を持ってよろしくお願いします」と言うときが、藤井障害保健福祉部長、いよいよ来たと思います。今年は母国語を持たない南米で初めてオリンピックも開かれます。安倍内閣総理大臣、塩崎厚生労働大臣からの格調高いメッセージを期待したいと思います。新春談話でした。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、今、たくさんのご意見をいただいておりますけれども、この段階で厚労省のほうから、田原課長、もし何か全体を含めてのコメントがありましたら。

 

○占部課長補佐 まず、先ほどの広田構成員からのご指摘についてお答えをさせていただきます。

今回の検討会の構成員につきまして、当事者の方が少な過ぎるのではないかというご指摘をいただきました。我々といたしましても、当事者のご意見をしっかりと踏まえて今回の検討を進めていくことは重要だと考えております。したがって、全体の進め方といたしまして、最初に申し上げましたが、ヒアリングを行いながらということで予定しております。当事者の方からのご意見を伺っていく機会といたしまして、まずは次回の検討会におきまして、当事者団体の方も含めた形でヒアリングを行うことを予定しております。これも含めて、今後そういったことを通じて意見を反映させる機会をつくっていきたいと思っております。

 

○広田構成員 多くの仲間たちの声を聞いてください。

 

○樋口座長 どうぞ。

 

○田原精神・障害保健課長 精神・障害保健課長の田原でございます。

 さまざまなご意見をいただきました。資料を用意してほしいということもございましたので、これから会議をやっていく際に、次回すぐに出せるものと少し時間を置いて分科会で出せるものとがあるかと思いますが、適切に出していって、しっかりとまず分科会で論点整理が行われるようにしたいと思っております。それを踏まえて、またこの全体会議でしっかりと方向性について意見が集約できればと思っておりますので、どうぞ忌憚のないご意見をいただければと思っております。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

それでは、ほぼ時間がいっぱいになりました。きょうは初回ということで特にテーマを限ることなく、幅広く構成員の皆様にこの検討会で今後取り上げるべき課題等についてご発言いただきました。中でも、既に今、田原課長からも出ましたけれども、改革ビジョン以降、この10年の間に何ができて何ができていないか、何が達成されていないかというあたりについての総まとめ的なものをぜひ今後、資料として用意していただきたいという要望がありました。

 それから、ここの構成員は、当事者の方もそうですし、そのほかの職種の方も、本来だったらこの中で一緒に検討していただく必要があろうかという方もたくさんいらっしゃると思うのですが、そこは、一つは規模の問題と時間の問題がありますので、その点についても先ほどのようにヒアリングの形でできるだけ反映させていただくということで恐らく皆様のご希望をかなえられるのではないかと思っております。

 法改正の問題と精神保健医療福祉のあり方の今後の展開の2つの大きなテーマがございます。

前半のほうに関しましては、きょうもかなり具体的な法律の上での、特に権利擁護の問題や入院の形式の問題等々、あるいは措置入院も含めたことのご発言もありました。この点についてはこれから分科会である程度フォーカスが、逆に言うとこちらのほうが絞りやすいかなという気もいたします。

 後者のほうは、きょうのご指摘にありましたように、一般論といいますか、総論的な話をやっても余り意味がないだろう、これは繰り返し今までもさんざんやってきて、そこでは大きな意見の相違があるというわけではなく、どう具体化していって、そこの目標に到達するのか、そちらのほうに議論をできるだけ進めていくべきではないかというのがきょうのもう一つのご発言だったと思いますので、それを意識して分科会を今後進めていければと思っております。

 それでは、最後に事務局のほうから、今後のことも含めて連絡がございましたらお願いいたします。

 

○占部課長補佐 次回以降につきまして、検討会及び分科会でこれから議論をしていただくわけですけれども、その議論を進めていく上で、次回はヒアリングを行うことを予定しております。まずは、当事者として全国「精神病」者集団様、家族会として全国精神保健福祉会連合会様、医療関係者として日本精神科病院協会様、障害福祉関係者として精神保健福祉事業団体連絡会様から、それぞれヒアリングを行うことを予定しております。

 また、次々回以降につきましては、本日及び次回の検討会でのご議論なども踏まえながら、分科会において各論点の整理を進めていきたいと考えております。分科会で一定の論点整理を行った上で、検討会での議論を行うことを予定しております。

なお、分科会の構成につきましては、各委員の参加意向も確認しながら、座長と相談させていただいた上で、次回の検討会でお示ししたいと考えております。

次回の日程につきましては、現在、調整中でございますので、皆様には追ってご連絡をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○樋口座長 ありがとうございます。

それでは、本日は大変お忙しい年明けにお集まりいただき、長時間にわたって検討をいただきまして、ありがとうございました。

これをもちまして、第1回「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」を閉会したいと思います。お疲れさまでした。

 


(了)

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