ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会社会的養護専門委員会)> 第19回社会保障審議会社会的養護専門委員会 議事録(2015年12月14日)




2015年12月14日 第19回社会保障審議会社会的養護専門委員会 議事録

雇用均等・児童家庭局家庭福祉課

○日時

平成27年12月14日(月)18:00~20:00


○場所

厚生労働省 12階専用第12会議室


○出席者

委員

柏女委員長
犬塚委員
菅田氏(大塩委員代理)
関根委員
高田氏(平田委員代理)
中澤委員
中村委員
西田委員
林委員
平井委員
星野委員
ト蔵委員
宮島委員
武藤委員
森下委員
横田委員

事務局

香取雇用均等・児童家庭局長
吉本大臣官房審議官
横幕総務課長
大隈家庭福祉課長
竹内子ども家庭福祉推進官
寺澤家庭福祉課長補佐

○議題

(1)新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の検討状況について
(2)その他報告事項

○配布資料

資料1 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告書(11月27日版)
資料2 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の概要(WG、幹事会の名簿含む)開催経過
資料3 児童虐待防止対策の在り方に関する専門委員会報告(8月28日版)
資料4 都道府県推進計画の策定状況報告
資料5 被措置児童虐待ワーキンググループ開催状況
資料6 各委員からの提出資料

○議事

○寺澤家庭福祉課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第19回「社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただき、まことにありがとうございます。

 本日は、豊岡委員は御欠席ということで伺っております。

 また、大塩委員は本日御欠席との御連絡をいただいておりますが、代理といたしまして、菅田賢治様、仙台市福祉事業協会常務理事、全国母子生活支援施設協議会副会長にお越しいただいております。

 同様に、平田委員は本日御欠席ですが、代理といたしまして、高田治様、川崎こども心理ケアセンターかなで施設長、全国情緒障害児短期治療施設協議会副会長に御出席いただいております。

 議事に入ります前に、新たに委員に就任された方を御紹介いたします。

 森下宣明委員、全国乳児福祉協議会副会長でございます。


○森下委員 よろしくお願いします。


○寺澤家庭福祉課長補佐 それでは、議事に移りたいと思います。柏女委員長、よろしくお願いいたします。


○柏女委員長 皆さん、こんばんは。年末の慌ただしい時期の、しかも夜にお集まりをいただきまして、本当にありがとうございました。御遠方からおいでの方もいらっしゃるかと思います。心より感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、通算19回目になりますけれども、これから「社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会」を開催させていただきたいと思います。

 最初に、本日お手元にお配りしております資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。


○寺澤家庭福祉課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。

 最初に、お手元のクリップを外していただきますと、議事次第、その下に座席表、委員名簿。

 資料1「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告書案(たたき台)」。これは第3回の委員会において提出された資料でございます。

 資料2「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会について」。概要ペーパーと委員名簿、開催経過について添付させていただいております。

 資料3「社会保障審議会児童部会 児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会報告書」。これはことしの8月28日にまとめられた報告書でございます。

 資料4「都道府県推進計画の策定状況」ということで、1130日に公表させていただいた資料でございます。

 資料5「被措置児童等虐待事例の分析に関するワーキンググループの開催状況」でございます。

 最後に、資料6が各委員から御提出いただいた資料でございます。

 お手元に資料がない場合はお知らせください。


○柏女委員長 よろしいでしょうか。皆さん、資料はありますでしょうか。また、ないことに気がついた場合、落丁等があった場合には、後から申し出ていただけたらと思います。

 それでは、きょうの流れですけれども、議題1が「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の検討状況について」意見交換ということになります。

 2つ目が「その他の報告事項」という形になります。

 メーンが議題1ということになりますので、その経緯などについて、少し私のほうから御報告、御説明をさせていただきたいと思います。

 前回、この委員会においても御審議いただきました「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」の議論を引き継ぐ形で、特に児童福祉法の改正を念頭に置いた議論を行う場として、今、事務局のほうからもお話がありましたが、「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」が本年9月に社会保障審議会児童部会のもとに設置をされました。

 この専門委員会では、先月1127日に報告書案のたたき台が示されまして、さらに先週10日ですけれども、その被害関係者のヒアリングを行うなど、取りまとめに向けて精力的に議論を行っていると聞いております。
 ただ、議論の中身については、この社会的養護専門委員会における審議事項と関連する部分もかなりありますので、私のほうから事務局とも相談をさせていただきまして、当委員会においても「子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告書案(たたき台)」についての内容を紹介し、御議論を一度いただいたほうがいいのではないかということで、きょうの開催ということになりました。

 委員の皆様方には、別の子ども家庭福祉の専門委員会に御出席をされていらっしゃる方もいらっしゃいますし、また、代表をそちらに出していらっしゃる団体も多いかと思いますけれども、こちらのほうでも一度しっかりとした議論をして、そして児童部会等に御報告をしていただく、子ども家庭福祉専門委員会の報告書は報告書として進めてまいりますし、それについての社会的養護専門委員会からの意見も附帯的に提出をさせていただくという形で進めていきたいと思っております。ただ、1回の開催ですので、この専門委員会の報告書を取りまとめるといった形は想定しておりませんで、きょう皆様方から頂戴した意見の概要を事務局から児童部会に御報告いただくという形で進めさせていただきたいと考えております。したがいまして、きょうはたくさんの御意見を頂戴できればと思っております。

 議論の仕方なのですけれども、大部の報告書になりますので、少し分割しながら進めていきたいと思います。

 まずは、事務局のほうから資料1を中心に説明をしていただこうと思います。その後で幾つかに分割しながら議論を進めてまいりたいと思います。

 それでは、事務局のほう、よろしくお願いいたします。


○大隈家庭福祉課長 それでは、まず初めに事務局から資料の御説明をさせていただきたいと思います。

 今、柏女委員長から、これまでの経過を含めての御説明をいただきましたけれども、まず資料2が「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」の資料でございます。これが9月に、その前にございました専門委員会の議論を引き継ぐ形でスタートいたしました。施策や取り組みについて広範な議題があり、深堀りした議論をするために、この1枚目にありますとおり、2つのワーキンググループを設けて議論を進めているところです。

 次のページに、委員の一覧がございます。委員の一覧が2枚目で、それからワーキングループごとの所属に分かれた資料がその次でございます。

 もう一つその下に、議論を効果的に進めるための幹事会が置かれております。

 最後のページに、これまでの開催経過ということで、専門委員会本体、ワーキンググループなどを精力的に重ねてきておりまして、1127日に、本日、資料1としてお配りしているものがたたき台として提出されているところでございます。

 それでは、資料1を御説明させていただきます。これが、右肩にありますとおり「第3回新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会(H27.11.27)資料」ということでございます。かなり多岐にわたる内容でございますし、既に公表されている資料で、委員の皆様方にもあらかじめご覧いただいておりますので、ポイントを絞って御説明させていただければと思います。

 まず、2~3ページにかけて、基本的考え方が書いてありますが、この報告は多岐にわたる提言がございますので、最初に基本的方向がここに列挙されているというところです。

 1番目が「子どもの権利の明確な位置づけ」、2番目として「家庭支援の強化」、3番目が「国・都道府県・基礎自治体の責任と役割の明確化」、4番目として「基礎自治体の基盤強化と地域における支援機能の拡大」、5番目が「各関係機関の役割の明確化と機能強化」とありますが、(5)の最後に、児童相談所が担ってきた機能の一部を基礎自治体が担える方向で基盤整備を行う必要があるという内容になっております。

 6番目として「子どもへの適切なケアの保障」ということで、ここが里親委託や児童養護施設の小規模化などを含む内容となっております。

 7番目が「継続的な支援と自立の保障」ということ。

 それから、4ページ目の8番目に司法関与の話と、最後に9番目に職員の専門性の確保などが項目として挙げられております。

 4ページ以降に、それぞれの項目についてさらに詳しい内容が書いてございますが、このページに「3.理念」とございます。これは、その下のほうに、例えば「子どもを権利の主体とする」ということから「黒ポツ」で並んでおりますが、こういう内容を法文に盛り込むことを提案するという内容が書かれているものでございます。

 5ページに「4.子どもの権利擁護に関する仕組みの創設」とございまして、内容は5~6ページにわたっておりますが、6ページの上から2パラグラフ目あたりに、我が国では地方自治体レベルでは子どもオンブズマンなどの設置が見られるが、国レベルではいまだにそのような機関の設置はなされておらず、そのような機関の設置は急務と書いてございます。次のパラグラフで、しかしながら、それはなかなか一朝一夕に実現できるものではないということで、当座、現存する児童福祉審議会を活用して、子どもの権利擁護の役割を負わせることを構想したということが盛り込まれております。

 7ページから「5.国・都道府県・基礎自治体の責任と役割」とございます。最初の行に子どもの権利を保障するためには、担い手となる国、都道府県、市町村の責任と役割を明確にすることが重要という考え方が書いておりまして、その下の〇が並んでいるところで、具体的に、国の責任、国の役割、以下同様に都道府県の責任、役割、次のページに市区町村の責任、役割という形で、委員の皆様方の議論の内容が書かれているところでございます。

 8ページの「6.児童福祉法における子ども家庭支援対象者の年齢」という項目がございます。最初のパラグラフに産業構造の変化などに伴って、子どもの社会的、経済的自立が可能となる年齢が高くなっているということがまず書かれておりまして、次の段落では、現行制度における成人年齢に達する20歳未満を法による支援の対象とすべきである。それは、現行の成人年齢が20歳であるため、それとの整合性を持たせるためということが書かれてございます。これについては、さまざまな議論があるところですけれども、9ページの上のところに、現在議論が行われている成人年齢の引き下げとの関連につきまして、成人年齢の引き上げの段階で再検討する必要があるという記載もございます。これは委員の皆様、さまざまな議論があるところでございます。

 次の10ページが「7.新たな子ども家庭支援体制の整備」ということでございます。この7はかなりさまざまな内容が盛り込まれている部分でございます。

1011ページにかけて、1~8ということで、この後に出てくることのポイントがまず書いてございますが、具体的な内容につきましては、11ページからになります。2)にそれぞれの各論の記載がございます。

 「(1)就学前の保育・教育の質の向上」ということで、これは2パラグラフ目あたりに人格形成の最重要期である0~6歳児の多くは保育所、幼稚園などで生活をしているというところで、ここの役割が重要であるということで保育士の質量的改善というのが非常に重要であるということが盛り込まれております。

 次の12ページが「(2)基礎自治体(市区町村)における支援拠点の整備」という項目です。これも最初のパラグラフにありますが、子ども家庭への支援は身近な地域で行われる必要があって、そのためには基礎自治体に支援の拠点を整備する必要がある。この拠点では、2~3行下ですけれども、子ども家庭支援相談から虐待在宅支援までを担うということが書かれておりますけれども、そのページの下のところに小見出しがついていて「(基礎自治体の基盤整備)」とございます。そういう拠点を仮につくるとすると、やはり国、都道府県が基盤整備のために財政的あるいは人的な面で積極的な関与が必要であるという旨もあわせて書かれております。

13ページの「(3)通所・在宅措置の創設」というところでございます。最初に、全国の児童相談所への虐待通告相談件数のうちの9割以上の児童は、施設に措置されるわけではなくて、在宅での支援という形になるということが記載され、そうした子どもたちの支援のために新たに通所・在宅措置制度を創設する必要があるという旨が盛り込まれております。

 それから「(4)母子保健における虐待予防の法的裏付け」というところですが、これは、特定妊婦の発見と対応、育児支援、虐待予防に関して、母子保健が果たしている役割が大きいというところですが、母子保健法ではその役割が明確でないので、明確に規定すべきであるという旨が盛り込まれております。

14ページの「(5)特定妊婦等への支援」でございます。前の(4)から特定妊婦の関係が書いてありますが、上から2行目あたりに、特定妊婦等への対応については、いまだにその支援方法の選択肢が少ないということで、支援メニューの増加を図る必要があるとされ、その次のパラグラフで、入所・通所によって支援を行える「産前産後母子ホーム(仮称)」を整備できるための枠組みをつくるという記載があり、この産前産後母子ホームについて母子生活支援施設、乳児院などの機関が行えるという旨が書かれております。

14ページの一番下の「(6)児童相談所設置自治体の拡大」で、これは15ページの一番上になりますが、政令市、それから児童相談所設置市以外の基礎自治体においては、都道府県が設置する児相と市区町村の二元体制であるが、対応機関の一元化の利点も指摘されているというところで、次のパラグラフの真ん中で、原則として、中核市及び特別区では児童相談所機能を持つ機関を必置とすべきであると書かれております。

 ただ、一番最後の「なお」書きのパラグラフがあって、一方で自治体の自由度の確保という点で「必置」とすべきでないという意見もあったという旨も付記されております。

15ページの下の「(7)児童相談所の機能に基づく機関(部署)の分化」でございます。この内容が16ページの上から2行目からのパラグラフでございますが、児童相談所が有しているさまざまな機能につきまして、4行目あたりですが、保護機能と支援機能を児童相談所という同一機関が担うことによる問題が指摘されておりまして、次のパラグラフで、こうした問題を解決するために、まず虐待通告・相談窓口を設置するということと、その調査・評価・保護を行う機能と支援を行う機能を分離する必要があるという旨が書かれているところでございます。

16ページの下に(ア)とございますが、これが窓口の一元化ということでございます。

 その下から4行目のあたりに、今、3桁化も開始されていますけれども、3桁化を含めた通告・虐待相談に関して窓口を一元化するとともに、その緊急性の判断とともに、保護を前提とした介入型調査を行うのか、支援型安全確認を行うかの判断をする、そういう振り分けを行う通告受理機関が必要であるということが書かれております。

17ページの下半分あたりが「(イ)調査・評価・保護・措置機能を担う機関(部署)」ということで、ここの(イ)は子どもの保護機能を有する機関についての記述となっております。

18ページはもう一つの現在の児相が持っている機能、(ウ)で支援マネージメント機能を担う機関についての説明になっております。

 これについて、19ページの真ん中あたりの「【ロードマップ】」になりますが、1つ目の機能の子ども保護機関と支援マネージメント機関という2つ目の機能は、支援提供の主体の基礎自治体への移行を含めて、平成32年度に新たな体制が整うよう段階的に整備ということが盛り込まれております。

19ページの「(エ)一時保護・アセスメント機能の整備」についてですけれども、ここも19ページの下のところ、学校教育を受けられていないという実態があるとか、一番下のところは一時保護期間が長期化する傾向が認められるということで、20ページにかかってきますけれども、一時保護が子どもに安心感と安全感を提供する機能を十分担えるものとすべきということで、20ページの真ん中あたりに、いわゆる「混合処遇」の問題、個別対応を可能とするような職員配置などが言及されております。

21ページの真ん中あたりから、司法関与の整備がございます。ここも具体的な内容は22ページから〇単位で個々の内容が書かれております。

 1つ目の○に、一時保護に際して、司法が関与する仕組みを整備するべきという内容がございます。

 それから、23ページの一番上の○、臨検捜索について迅速な対応が必要な事例については、再出頭要求を削除するべきであるという旨、次のところは、28条の審判の場合ですが、原則として親権停止制度を活用すべきという旨、次の○で、28条に基づく裁判所の承認に係る措置の種別を特定するかしないかという論点について記載がございます。

 それから、24ページで「8.職員の専門性の向上」ということで、まず、(1)の「1 児童相談所機能を担う職種、任用要件、配置基準」というところがございます。これは児相の専門性という議論の中で出ておりますが、児童福祉司の任用要件を次のように見直すというのが1つ目の○、社会福祉士、精神保健福祉士などを基本とするということが書かれております。

 次の○はスーパーバイザーということで、教育・訓練・指導を担当する児童福祉司につきまして、この後出てくる公的資格を有する者であることを任用要件とするという旨が書かれてございます。

25ページの下の「2 基礎自治体の支援を担う職種、任用要件、配置基準」ということで、先ほどの1は児童相談所の中の話ですが、2は基礎自治体における職員についての話です。前のほうで出てきましたが、基礎自治体は「子ども家庭支援拠点」を整備するということであれば、そこについても同様に職員の専門性を担保する必要があるのではないかという中で出てきております。

 具体的には、26ページの一番上の○のところ、基礎自治体が設置する「子ども家庭支援拠点」は、児童福祉司及びその他必要な職員を置かなければならないという旨が記載してあります。

26ページの一番下の「(2)子ども家庭福祉を担う指導的職員の資格の創設」ということで、具体的な内容は27ページの1つ目の○で、先ほどの児童相談所、市町村において指導的業務を担う公的資格を創設し、2つ目のところで、資格について、一定の基礎資格を有する者で、5年程度の実務経験があって、資格試験に合格した場合に付与すると記載されています。

 次の○で、基礎資格というのは、「社会福祉士と精神保健福祉士のみにするという意見もあったが」とあって、心理師とか保健師についてもどうかという議論があったというところでございます。

28ページが社会的養護そのものの話になってまいります。9のすぐ後に、優先されるべき目標というのは、永続的な家庭の保障ということで、家庭復帰が行われるように最大限の努力をすべきであるが、家庭復帰が困難な場合は、子どもに永続的な家庭を保障すべき最大限の努力をすべきという考え方があり、その後(1)から「里親制度の充実強化」という各論に入ってまいります。

29ページの一番上の○ですけれども、里親については、里親委託に保護者が同意しない理由の一つに「親」の名称が混乱を与えているという指摘があるということで、里親の名称について「養育家庭」とか「養護家庭」など適切なものに変更することを検討するということとか、あるいは一時保護専門の里親など、新たな里親類型も必要ではないかということ、それから4つ目の○で、これは英国の例とか、静岡市の取り組みなど、民間を活用して包括的な里親支援を行う事業を創設すべきではないかという意見がございます。

30ページの「(2)就学前の子どもの代替養育の原則」ということで、就学前の子どもについては、原則として家庭養育とし、その旨、児童福祉法にも規定を置き、施設養育を選択するときは、そこに書かれたような一定の限定的な場合とするという旨が書かれてございます。

 「(3)特別養子縁組制度の見直し」ということで、特別養子縁組制度は、子どもの永続的な家庭の保障という観点から重要な意味を持つというのが最初のところに書いてあります。

 1つ目の○は、特別養子縁組の推進を児童相談所が取り組むべき重要な業務として位置づけるべきであり、2つ目は、これは民法の世界になってまいりますけれども、原則6歳未満とされている現行の年齢制限について、全ての年齢の子どもが対象となるように見直すべきだという意見が書かれています。

 3つ目は、現行の手続では申し立てが養親しかできないけれども、児童相談所長ができるようにすべきではないかというような制度そのものの見直しについても書かれてございます。

31ページの一番下の「(4)施設ケアの充実強化」ということで、内容は32ページになりますが、ここの最初のパラグラフの真ん中あたりですが、社会的養護では、家庭養育と施設養育の調和のとれた発展が重要であって、家庭養育の充実強化と施設ケアの充実強化はともに推進していくべき重要な課題と触れられております。

 ○が2つありますけれども、職員配置の充実、職員の専門性の向上や、給与・労働条件の向上が書かれてあります。

 (5)が自立支援についてですけれども、これは33ページの2つ目のパラグラフのあたり、これは児童福祉法の児童の年齢を超えた場合においても、法的枠組みに基づいた支援が必要に応じて継続されることが不可欠であるという旨が触れられております。ここにつきましては、基本的な社会的養護が終わった後も継続的なアフターケアなり、自立支援のための仕組みが必要であるという旨がその後に書いてありまして、33ページの下のほうに、自立援助ホームの運営基盤の強化とか、対象となる子どもの範囲の拡大について書かれてございます。

35ページは「10.統計・データベースの整備」で、これは地域ごとのデータベース、それから国全体としての個人情報を含まないデータベースの2種類が必要ではないかということがございます。

 最後の36ページですが、「12. 制度・法改正の時期について」ということです。ここは今まで前に出てきたさまざまな検討項目につきまして、直ちに法改正すべき事項というのが最初の1に並べてございます。2は、一定期間内で実施に移すべき事項という類型でまとめられております。3は、司法関与とか特別養子縁組など、法務省とか民法とかが関係するようなことが分類されているということです。これが1127日に専門委員会に提出されているたたき台でございます。

 概略は以上でございます。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 それでは、議論に入っていきたいと思いますけれども、議題2の報告事項に10分説明で5分質疑みたいな感じで大体15分ぐらいで考えましたので、1時間15分ほど時間がとれます。7時45分あたりをめどにやっていきたいと思いますが、全体を3つに区切らせていただいて、進めていこうかと思います。

 まずは、最初の目次を見ていただきたいのですが、「はじめに」から「6.児童福祉法における子ども家庭支援対象者の年齢」というところまで、そして2つ目が、最もボリュームのあるところですけれども、7番と8番、そして最後が9番以降ということで一応区切って御意見を伺おうかと思うのですが、よろしいでしょうか。そして、最後に言い足りなかったことをまた御発言していただくという形で、第1クールのところを15分ぐらい、真ん中のところを30分ほど、最後のところをまた15分ほど、そして、最後の全体を通じてというのを1015分ほど、大体そんな目安でいこうかなと考えております。

 それでよろしいでしょうか。

 それでは、御意見を随時頂戴したいと思いますけれども、多くの委員から御意見をペーパーでたくさんいただいておりますので、御発言のときには、このペーパーなども含めながら、一つ一つ読むということではなくて、できるだけ多くの方に御意見を頂戴したいと思いますので、御意見をかいつまんで、ポイントをお話ししていただければと思います。

 それでは、最初に「はじめに」から6番までについて、御意見等があればお願いしたいと思います。どなたからでも結構です。

 宮島委員、お願いします。


○宮島委員 御発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私のペーパーが、委員提出資料の45ページにございますので、それをご覧いただきたいと思います。

 最初の部分では、1番と2番を見ていただきながら意見を申し上げさせていただきます。

 1つは、とにかく期待していますということを申し上げたいと思います。日本の子ども家庭福祉は非常に遅れているし、実施体制は貧困だし、社会的養護も十分ではない。これを抜本的に変えていこうという今回の取りまとめですので、幾ら期待しても足りないというところでありますので、ぜひともさまざまな面で、ここに書かれているものを実現してほしいと願っております。その上で、全体にかかわることとして、理念とか考え方の部分で、非常にすばらしいけれども、1点懸念があるということを申し上げさせていただきたいと思います。

 子どもが権利の主体である、そして、国と地方公共団体、国民にちゃんと義務があるということ、これが今の児童福祉法よりもはっきりとした形で書いていこうということに対しては、当然賛成をしております。これは、子ども権利条約を批准している日本が明記すべきことだと考えています。

全体的な書きぶりとして、まず、子どもの権利を実現するために、保護者が第一義的に責任を負うと書いてあって、そして、そういう責任を保護者が持っているので、その保護者の子育てを支援しなければならないと。子どもの権利条約もこう書いてはありますけれども、保護者の子育てをきちんと支援しなければいけないというのは、国と地方公共団体が直接子どもに対して責任を負っているからこそ、保護者が適切に養育できないときに支援するのだと。報告書案では、直接、国、地方公共団体が子どもに対して責任を負っているという記述がどうも十分ではない。これでは、ともすれば、まず子育ての責任は家庭にあるのだから、そこで頑張ってください、それができないときに限り、公が支援しますよと。非常に古い考え方のほうに戻ってしまう、あるいはそのように活用されてしまう可能性があるのではないかと思っています。

 現行の児童福祉法の第2条でも「国、地方公共団体は保護者とともに子どもを健やかに育成する責任がある」と書いてありますが、国、地方公共団体が直接子どもを健やかに育成する責任があると書いてありますので、この辺が不明確にならないようにぜひとも書き込み、考え方を明確に表していただきたいと願っております。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

 では、平井委員。


○平井委員 平井でございます。

 専門委員の報告書案の9ページなのですが、年齢の部分です。ここは私は前からも申し上げているのですが、今回ロードマップを見ても、これは20歳未満とすると。措置延長の年限を22歳未満とするとなっておりますが、この未満というのは、今、実際に自立援助ホームでも、措置が20歳未満までできているのですね。ですから、そこを考えると、20歳の年度末、措置延長も22歳の年度末とすべきではないかなということをちょっと申し上げたいと思います。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

 では、中澤委員、お願いします。


○中澤委員 中澤です。

 私も、8、9ページの支援対象者の年齢のところで御意見を言わせていただければと思います。

 自立支援を充実させていくというのは非常に大事なことだと思っているのですけれども、法の対象年齢を引き上げるということは、当然ほかの制度にも影響が出てくるということもあるので、基本的には慎重に検討すべきことだと思います。現在、都道府県では23年に国が示した課題と将来像に従って取り組みを進めていこうということで、推進計画をつくりまして、15年先の目標を定めて取り組んでいるところです。

支援の対象が20歳未満ということで引き上げられたときに、例えば、都内の社会的養護を必要とする子どもの数なのですけれども、単純計算でいくと300400人ふえるということになります。家庭的養護を推進していくということの取り組みをしている中では、里親を中心にやはり受け皿をふやしていくということにはなるかと思うのですけれども、実際、現実問題として、急に里親をふやしていくというところは難しいということもありますので、その辺をどう考えていったらいいかというところもぜひ検討の考慮の中に入れていただきたいと思っております。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

 西田委員、お願いします。


○西田委員 同じく児童福祉法の対象年限の引き上げは慎重にするべきだと考えています。私のほうが出しておりますペーパーの3枚目のところに少し触れております法改正についてです。この10月に全国の児童相談所長会議がありましたけれども、そこで一番困っておられるなと思いましたのが、18歳を超えた入所児童の一時保護がとても必要になるという事例の多いことでした。既に18歳を超えて、そこの施設で生活を続けるには一時保護をせざるを得ないという対象の人がたくさんふえておる中で、28条の更新手続も18歳以降もできること、これは更新手続になりますけれども、それとあわせまして、一時保護ができることが必要だと思っております。

 そのほかについては、慎重な検討が必要だと考えます。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 中村委員、お願いいたします。


○中村委員 中村です。

 措置の年齢の引き上げに関しては、私はすごく可能性が広がる部分であると思いますし、やはり現実的に18歳での措置解除後の20歳までの2年というのは、この間経験者にとってすごく苦労のある期間であるというのは言われてきていますので、ぜひ進めていただけたらなと思います。

 一方で、私の意見の21ページになりますが、また後の9の部分にもちょっと重なる部分かもしれないのですが、受け皿の部分ではすごく心配しているところなので、また、自立支援の部分で発言させていただけたらと思います。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

 では、星野委員、お願いします。


○星野委員 全般的に、非常に前向きな積極的な意見がたくさん出ていまして、大いに期待しているところなのですけれども、少し気になるのは、私の書いた37ページの2番目につながってくるのですけれども、どういう背景があって、その改正が必要になったのかという理念が、条約にこう書いてあるから、指針にこう書いてあるからというのではやはり不足しているのではないかなと思います。なぜ条約にそういうふうに書かれたのか、なぜ指針にそういう言葉が出てくるのかということの共通認識が個人の勉強に任されているような感じがしますので、その辺のところをしっかりと把握していただきながら、法律の改正に向かっていただきたいなという印象を持ちました。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 そのほかは、いかがでしょうか。

 では、関根委員、お願いします。


○関根委員 国・都道府県・基礎自治体の責任と役割の明確化というところが、この後専門委員会のたたき台にも示されているように思いますけれども、本当に貧弱な市町村にいるからでしょうか、法律やら改正すると、改正はしてくれるのですけれども、実際には本当に動かない。法律だけというか、条令が改正になったとしても、不安である。そういった基礎自治体に技術的な援助を提供するというような文言は書かれてありましたけれども、本当にそれは最低限だというところをしっかりと示していただきたいと思います。今でも市町村におりてきているものが、子ども福祉課か児童家庭課の中で、一人の方が何役もやっているということをぜひ視野に入れながら、きちんとした体制にしていただければと思います。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 そのほかはいかがでしょうか。

 では、林委員、お願いします。


○林委員 3点ほど述べさせていただきます。

 1つは、私の31ページの第2段落目あたりなのですけれども、先ほど宮島委員がおっしゃったことと重なっている部分なのですけれども、「一方で」というところです。保護者の第一義的責任や「家庭を支援する」ことが強調される中で、現実としてその「子どもの保護」が遅滞するという実態もあるかと思います。保護者支援や家庭支援の視点は重要ではあるが、子どもの時間感覚や成長・発達する子どもの立場を考慮して、基礎自治体や都道府県は、子どもの保護や子どもへの直接的な支援を充実する必要もあるかと思います。

 一番下あたりの3行目「家庭への支援」のみを強調しないことも考慮していただきたいと思います。したがって「子ども家庭への支援」という言葉の捉え方が非常に多様なように思います。正確には「子どもを中心とした家庭への支援」とか、脆弱な家庭においては「子どもを中心とした保護」とか、そうした視点も重要かと思います。

 近年、その一部でやはり保守的な養育観というか、保護者への厳しいまなざしも非常に世論の支持を得やすいように思います。その寛容なまなざしを基盤にした地域養育をどう支えていくかといったときに、家庭の強調ということはある意味回避することも必要ではないかと考えます。

 2点目は、一番下の児童は権利行使主体としての能力が未成熟な場合があり、より公的な関与が必要であるという記載がありますが、子どもの能動的な権利を支援する視点、一定の年齢の子どもに対しては、次のページですけれども、諸外国で導入されているようなアウトリーチ型のアドボケイトのようなオンブズマンや権利擁護機関も重要なわけですが、より積極的なアウトリーチ型のアドボケイトも考えてみる必要があるのではないかと思います。

 3点目としまして、社会的養護のところでお話しすべきかなと思いましたけれども、措置延長年齢のことが出ましたので、一番最後の34ページのところです。これは記述にちょっと誤りがありまして、先ほど再確認したのですけれども、アメリカのワシントン州では、近年26歳まで措置延長が認められるようになったというのは、実際は21歳で、26歳まで、例えば社会保険料の免除とか、要するに措置継続という形で支援を継続するのか、あるいはその他の特別な社会サービスを提供することによって、自立支援ホームにいようが、居住場所をどこにしようが、社会的な恩恵を与えるという方法論も考えられるのではないかと思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 そのほかよろしいでしょうか。

 よろしければ、ちょっと私のほうからも、済みません。

 3ページに私の意見書があるのですけれども、その「2.分野ごとの意見」の理念についてです。林委員、宮島委員もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、関連するのですが、児童福祉法が公的責任を強調する理念とか、能動的権利の保障を強調するということ、これは今回の視点に書いてあるということですけれども、それはとてもいいことだと思いますけれども、もう一方で、社会づくりの視点、あるいは社会連帯の視点、ソーシャル・インクルージョンの視点などを、社会づくりの視点を盛り込むことができないだろうかということを考えます。御検討いただければと思うのが1点です。

 もう一点は、この際、思い切って、「児童福祉法」から「児童家庭福祉法」に名称も変更してはどうだろうかということです。ちなみに5ページ以降ですけれども、私どもの研究班でかつて、10年近く前なのですが、児童福祉法の改正要綱試案も作成をいたしましたので、あわせて参考にしていただければなと思います。

 次の4ページの(3)ですけれども、施策対象年齢については、やはり原則は18歳未満として、西田委員がおっしゃったように一部延長するという必要なところについては、その「固有性」の観点から延長していくという整理がいいのではないかなと思いました。

 以上でございます。

 よろしければ、次に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 一番ボリュームのあるところです。7番と8番について、30分ほど時間がとれるかと思います。どなたかございましたら、お願いしたいと思います。

 では、高田委員、お願いします。


○高田委員 代理の身で済みません。

 私は資料を出していないので、全般的に思ったことを語らせていただきます。

 基本的に、児童相談所の機能を分けるということですけれども、介入と支援を分けるということが機能的という面もあるのかもしれない。親御さんにとってみると、こういう理由で社会的養護の子どもが措置されたということをよく知っている人にずっと見てもらうという一貫性が大事だと思います。これを本当に手放しでいいのかということが1つあります。

 それから、一時保護のことも非常に気になるのですけれども、里親さんとか児童養護のほうに一時保護をという流れが書かれておりますけれども、一時保護というのは、そもそもアセスメントがものすごく大事な機能です。どの時点で里親さんに委託するのかということも気になりますし、それから、やはり保護してみてからわかることがいっぱいあると思うのですけれども、そういうことをどう考えるのかというところが明記されていないので、非常に気になるところであります。

 それから、職員のことも含めてなのですけれども、資格の問題です。児童相談所の指導的な立場ということなのですけれども、具体的に5年ぐらいで指導的と言えるような専門性とは何なのだろうというのが素朴な疑問です。はっきり言えば、20歳代後半で指導的立場になれるというぐらいでいいのだろうかというのがあります。自治体としては今、ここに書き上げられているような改革をするとすれば、相当数の専門性の高い人間が必要になるわけで、私自身が考えるには、まずは児童相談所の人員を二倍なり大幅に拡充して、児童相談所の中に余裕を作って人を養成していくということをしないと、先に機関をつくってしまうと、機能しなくなってしまうのではないかと思います。今、小規模化が施設の中で進んでいますけれども、やはり形だけ先につくってしまって職員がついてこられなかったという実態があるのだと思うのですよね。だから、まずは人を育てて上げてから、その後で、例えば児童相談所の職員を2倍にふやしたら実際何ができるのだろうかというのをもう一回検証してみるということも大事なことではないかという思いがあります。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょう。

 では、菅田委員、それから平井委員、宮島委員の順でお願いします。


○菅田委員 菅田です。

 まずは、基礎自治体に子ども家庭支援の拠点を整備するという提言があるのですけれども、この機能の中に、やはり地域で暮らすひとり親家庭の支援というものをぜひ入れていただきたいなと思います。私の資料だと、18ページに、全母協で検討しました地域で暮らすひとり親家庭の支援センターという構想がちょっとありますので、参考までにそこに入れておきました。

1030日にヒアリングを受けまして、そのときにもこの専門委員会のほうに要望は出しているのですが、特定妊婦の支援に「産前産後母子ホーム」という仮称で出ていますが、法改正の中で、母子生活支援施設は赤ちゃんが産まれる前は支援をすることができなくて、現在も助産院から直接そのまま入所というケースが結構全国的にあります。ですので、それであれば、産前から支援をすると、本当にまた戻ってきたときの産後の支援というのが非常にやりやすいということで、ぜひ母子生活支援施設への入所については、特定妊婦を含めて、妊婦さんを入所の対象にしてほしいということで、それは17ページに書いてありますが、よろしくお願いいたします。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 では、平井委員、お願いします。


○平井委員 平井です。

 「7.新たな子ども家庭支援体制の整備」という部分で、12ページを見ていただくと、もちろん基礎自治体における支援拠点の整備ということで、これは子ども家庭支援拠点ということで、市町村が総合的に担っていくということはいいことだと思うのですが、私のところもそうなのですけれども、今まで児童家庭支援センターがまずは児童相談所のブランチ的な役割ということで始まりまして、それから市町村の求めに応じて専門的な相談に応じるという形でやってきたわけなのですけれども、この児童家庭支援センターの役割というか、ここの市町村との連携という部分では、何も今回挙がってきていないのですよね。ですから、このあたり児童家庭支援センターでやはり機能強化と言われながらも、なかなか上がってきていない、見えない部分、そこら辺をもう少し強調していただきたいなと思います。

 もう一つ、13ページに「通所・在宅措置の創設」という部分があるわけなのですけれども、この部分でも、児童家庭支援センターは児童相談所への指導委託を家庭支援ということで、援助ということで受け皿としてやってきたわけなのですね。その部分もあわせもってちょっと考えていただいて、我々、児童家庭施設でやっているものの中では、やはり児相の指導委託も受けている部分もあるのです。そして、指導委託は無償といったらあれですけれども、ぜひ指導委託費をつけてほしいということも言っていたのですけれども、今回ここの部分では、通所とか在宅支援の措置の費用も考えていくということも言われていますので、ここは先ほどから申し上げているように児童家庭支援センターの機能と役割という部分をもう一度見直していただきながら、この市町村の総合的な支援拠点の整備の一部の中にも、連携という部分で入れていただきたいなと思っております。

 以上でございます。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、宮島委員、お願いします。


○宮島委員 ありがとうございます。たびたびで申しわけありませんが、私の提出資料の45ページにもちょっと触れながら意見を述べさせていただきます。

45ページの3、4、5に書いてあることの一部と、今までの議論を通じて語られたことに関係して少し申し上げたいと思います。

 まず、介入と支援という言葉がさまざまに使われているのですけれども、どうもこの「介入」という言葉が犯罪予防的な介入と言いましょうか、とんでもないことが起こらないように飛んでいくというようなイメージで書かれているように感じられます。福祉的介入、援助のための介入、支援のための介入、介入そのものが支援なのだ、支援の端緒なのだというイメージでは余り語られていない、それで支援と分けるのだというようなイメージで書かれているように思います。

支援についても、どうも非常に個人的な問題だとか、心の問題だとか、子育ての今までが間違っていたところを認めるのだというイメージが強いと。本来、支援の中で一番大事なのは、その親子が地域で暮らせるようにする、柏女先生がインクルージョンと言ってくださいましたけれども、子どもとその保護者の方が、地域との関係の中でどう暮らしているのかということが確かめられて、そこで十分ではないものがあれば、そこに生活の基盤をつくっていくということこそが大事で、その後にさまざまなかかわりの問題を取り扱っていかなければならないと思います。確かに市町村、基礎自治体で行うという方向性は、あたかも地域に近づいているようなのですけれども、そこでは通所の支援だということなので、どうもさまざまな資源を活用し、サービスも活用し、生活の基盤を地域につくって親子での暮らしを支えて行くといったイメージでは書かれていないということに対して危惧を持ちます。

 先ほど高田先生が「一貫した支援が必要だ」と言ってくださいました。私は、地域で基盤をつくるためには、一貫した支援が必要だと。一方で心の問題とか、そういった治療的なものについては分けていく必要があると、この辺が少々混在しているのではないかと思います。

 長くなって申しわけございません。そのためにも、私の出させていただいた45ページのソーシャルワークがきちんと展開できる、ケースマネジメントが展開できる、その方のニーズを把握して、地域のさまざまな支援と結び合わせていく、そういった役割が大事になる。そうだとすれば、本当に専門職がちゃんとそこで活動しなければいけない。さまざまな専門職の高い専門性は理解しておりますけれども、余りにも社会福祉士の配置数が少ない、現行の児童福祉司のうちの27%であると。これは27%を全国の児童福祉司の数で割ってみますと、763人しかいない。社会福祉士の登録者数は既に20万人近くいる、精神保健福祉士でも7万人ほどいる。この人たちをきちんと配置して、あるいは既にいる児童福祉司の方が資格を取得すること、それを優先するべきではないかと思います。

 通告の一元化などについても、全く同じように、ちゃんと地域に住んでいる親子としてその方々を見立てていくということが実現できるような形でないと、この一元化して振り分けるということはうまくはいかないのではないかと危惧します。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかに。

 では、武藤委員、お願いいたします。


○武藤委員 3点あります。

 1点は、基礎自治体の支援拠点の整備ということで、12ページ以降なのですけれども、各区市町村で拠点を整備するというのが今回の改正の大きな柱の一つだと思っております。この中には、例えば現在、東京の特別区と市などで設置している子ども家庭支援センター、その他市ということで一例を出しながら、そのモデルということで出しているのですけれども、各区市町村ごとに、今までこの10年間虐待の相談だとかも含めてやっていたことに関して、この委員会でもすごく温度差と言いますか、非常に進んでいるところとそうでないところの差が大きいということで、それをもう少し一元化しようということも含めて、機能を強化しようということなのですけれども、現に行っているところが、いわゆるこの新たな制度によってどう変化すると、どう改善できるのかということをもう少し丁寧に示さないと、多分これで出してみても、やるところはやるけれども、やらないところはやらないというところが出てくる可能性があるのですね。

現在やっているのをこう変えるとこういうことができるよということを全部のパターン化するということはなかなか難しいのですけれども、そういうことを出していかないと、各区市町村ごとにイメージが湧かないのではないかなという危惧があります。そういうことで、ぜひもう少し細かい、丁寧な方向性を出していく必要があるのではないかということを非常に感じています。

先ほど平井委員が提案していましたけれども、例えば社会的養護の分野で言いますと、児童家庭支援センター、これを乳児院や児童養護施設にこの15年間かけて標準装備していこうという動きがあるわけですから、そういう視点で考えるとこういうことができるということを含めて、もう少しいろいろなパターンだとか、いろいろな方法を明示して、各区市町村がこうすればいいのだということをもっと出していく必要があるのではないかと思います。それが1点です。

 それから2点目は、1819ページのところに、児童相談所の支援マネジメント機能を担う機関としての児童相談所ということで、児童相談所の位置づけをしているのですけれども、その一番下のところに、社会的養護となる場合云々ということがあります。これは、社会的養護の支援についても、児童相談所が関与していきますよということで書いてあるのですね。この中にアフターケア、要は施設とか里親で過ごした子どもたちがまた家庭に戻っていったり、それから、社会的に自立をしたりする。そこに児童相談所はどう関与するのか。今は、半年程度アフターケアをやるというようなことを書いているのですけれども、そこのところの関与の仕方が、この18ページの一番下から20ページの上のところに書いていないものですから、やはりインケアからアフターケアまで一貫して児童相談所がどうかかわるのかということは明記しないと、今回の改革の中で、その位置づけがどうなるのだろうということが、現場からすると非常に不明確ということになると思います。

 もう一点、最後に、一時保護の機能であります。1920ページです。これを全部読んでいくと、現在の児童相談所に付置をしている一時保護所については、原則、里親だとか施設のほうに転換していくという大きな流れだと思うのですけれども、私のほうは現在見ていると、やはり一時保護の機能というのは多様な機能がないと、何か難しいのではないかなと思うのですね。いろいろな子どもたちを受け入れることになりますので、家庭的養護だけでは一時保護ができない子どもたちも中には出てくる可能性がありますから、やはりこういう方向性は必要なのですけれども、従来やってきた一時保護の機能をどう整理しながら発展させるというか、そういうことも両論併記で書いていかないと、この方向性だけでは現場からすると非常に危険性というと言い過ぎかもしれないですけれども、本当の一時保護の機能という部分ができるのかどうかという不安を覚えますので、ぜひそういう議論もやっていく必要があるのではないかと思います。

 ちょっと長くなりましたが、以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。既存施策との関係をしっかり整理しながら進めていくべきだという御意見だと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。

 では、森下委員と横田委員、中澤委員。


○森下委員 今、武藤委員から少し話が出たのですけれども、一時保護について少し意見を述べたいと思います。特に乳児の一時保護は、児童相談所では、やはりなかなかできないような状況で、この機能は乳児院が担っているところがあると思うのです。その中で、特にいろいろな課題を抱えた子どもさんが入ってきますし、虐待とかでいろいろな障害を持った子どもさんも入ってきます。そういう子どもたちの命をまず守るという意味では、すぐに里親さんに委託というのは難しいのではないかと思っています。特に小さい子どもさんは、乳児院にまず一時保護をして、そこでしっかりとアセスメントをして、それから里親委託につなげていく方向のほうがいいのではないかと思っています。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、横田委員、お願いします。


○横田委員 私の意見は、21ページの「(8)子ども家庭福祉への司法関与の整備」に関するところが専らですけれども、私のほうの提出資料の65ページ以降に4点挙げていることの背後にある基本的な考え方としては、これは司法関与の話ですから、憲法32条の裁判を受ける権利の保障を根底に据えた検討をお願いしたいということを言いたいと思います。1から4全てそれが背後にあります。

 1番目の話は接近禁止命令の話ですけれども、これはどういう制度設計になるかまだわかりませんけれども、幾つか選択肢がある中で、往々にしてよくあるのは、既存の制度があるなら、それをちょっと使い回ししようということが考えられるのですけれども、そのときに、DV法の保護命令をひょっとしたら参考にするという選択肢があるかなと思うのですが、これは慎重にやっていただきたいということです。

というのは、DV法の保護命令というのは、これは急いでつくったということもあって、手続保障の観点から非常に疑問があります。憲法上おかしいという意見は、私だけではなくて出ていますので、新たにこちらの児童福祉法のほうで、虐待防止法かもしれませんけれども、制度をつくるときには、ちょっとそこら辺は慎重に考えてほしいということが1つ。

 2点目は、再出頭要求を除外するということですけれども、それはよいとして、どうせそういう何か手続を変えるということであるならば、もっと先に変えてほしいのは、虐待防止法の10条の6の差止訴訟の排除です。臨時捜索の司法関与というのは、基本的には手続保障の話であって憲法32条とは違う話なので、憲法32条の保障する訴訟手続とは代替関係にないので、手続の保障があるから、司法関与があるから差止訴訟を排除していいのだという話にならないと。

すごく大ざっぱなことを言うと、逮捕状を裁判官が審査するから、刑事裁判は要らないとかいう極端なこととも対比される話なので、これは別に司法インフラの整備がどうのこうのという話とも関係ないので、即刻消してくれればそれで済む話なので、それも検討してほしいということです。

 3つ目ですけれども、28条審判の措置の種別を、家庭裁判所の審査の対象から外してということはありますけれども、これも憲法32条の関係から言うと、外すとどういうことが起きるかというと、今、実際に訴訟が起きていますが、事後的に行政訴訟である取消訴訟の対象になるということなので、そのことを踏まえた上で、果たしてこの提案がよいかということを考えてほしい。

つまり、里親委託なのか、児童養護施設なのかということを家庭裁判所ではなくて地方裁判所が判断するという、そこではもちろん児童裁判所の判断が尊重されることになると思うのですが、それでも地方裁判所が判断するということが現行法と比べてよいことになるのかどうかということをちょっと考えてほしいということです。

 最後に4番目ですけれども、家庭裁判所が保護者への指導をするということがある。これが今までどうしてできなかったのかということを踏まえた上で検討してほしいということです。

今の28条審判の話もそうですけれども、保護者が手続上の当事者として位置づけられていないのですね。家事事件手続き法制定の際にもこの点は変わりませんでした。ですから、これを保護者への指導ということができるようにするためには、もちろん子どももそうですけれども、保護者をまず手続の当事者として位置づけることが必要になるということなので、要は家事事件手続法の改正も含めて検討をお願いしたいということです。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 それでは、中澤委員、お願いします。


○中澤委員 私のほうからは、1415ページの「児童相談所設置自治体の拡大」のところで、特別区に児相の設置を必置とすることについて、なかなか難しいのではないか、無理があるのではないかという立場で意見を言わせていただきます。

 御承知のとおり、23区は小さい区から大きい区まで規模もさまざまですし、当然それに伴って行える行政の幅にも違いがあると思っています。児相設置するとした場合に、例えば一時保護ひとつとってみても、もちろん地域の中で保護して問題のないケースもありますけれども、中には、保護の場所を秘匿しなければいけないケースがあったりとか、例えば複数の児童が関係する非行ケースの場合には、今でも場所を分けて、複数の保護所で対応しているという状況もあるということを踏まえると、それを自区内で全て完結するというのは、なかなか難しい側面があるのではないかと思っております。

 それと、この報告書では、基本的な考え方として、例えば分離措置を行わない養護相談や育成相談、措置を伴わない非行相談など在宅での相談は基本的にその区市町村の機能とするとありますけれども、特別区の場合、その上で児相設置も必置とするということになるかと思いますが、その場合、人材をどのように確保していくのかということについて非常に疑問があります。東京都においても、児相の業務に当たる人材の育成に一生懸命取り組んではいますけれども、虐待がふえていく中で、職員も増やしていかなければいけないという中では非常に難しい部分があって、大きな課題となっています。各区でそのような業務に対応できる人材を短期間で育成していくということは、相当困難が伴うのではないかと思います。

 加えて、現在、都区で児童相談所行政の体制のあり方については、現場の実態も踏まえながら議論を重ねている段階にあります。当事者である自治体同士で協議を重ねている課題につきまして、その結果を待たずに法改正をしてしまうということについては、非常に疑問があるということを申し上げたいと思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかは。

 はい、宮島委員、お願いいたします。


○宮島委員 再度の機会をいただきまして、申しわけありません。

 社会的養護を提供するに当たって、保護者と支援者、あるいは支援機関との関係のことで申し上げたいと思います。

 私の資料では、先ほど申し上げた46ページの5の途中に書いてあるのですけれども、後で見ていただくことも含めて今、申し上げたいのですが、全体の書きぶりが、保護者と支援機関との間に対立があるというニュアンスでの書きぶりが非常に多いように感じています。保護者の方への指導がなかなかうまくいかないからという背景があることや、もう一つ、保護者の権利を制限するのだから、慎重に適正な手続を定めなければならないということで、その部分の書きぶりが長くなるのは当然必要なことだと思うのですけれども、一方で、保護者の方と支援機関が協働するようなことをどう構築するのか、このあたりをもっときちんと整理したり、考えたりして書いていく必要があるのではないかと考えます。保護者の方の意見をきちんと聞く手続を明記するとか、林先生が専門でいらっしゃるファミリーグループカンファレンスのようなものを取り入れて、保護者がちゃんと参画できる仕組みをつくっていくべきだと思います。

 また、里親委託等についても、特別養子については書かれておりますけれども、これは林先生も意見として書かれているのですけれども、普通養子が全然触れられていない。むしろ、新たな法的な親が必要だけれども、もともとの法的な親との関係を何も全部切る必要はない、あるいはきょうだい関係も全部切ってしまう必要がないといった多様な形があると思いますので、養子縁組についても保護者の方との協働をどう前進させていくのか、参画を進めていくのか、こういった視点での検討も必要だと思います。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 そのほかにはいかがでしょうか。

 では、西田委員、お願いいたします。


○西田委員 児童相談所のことについてたくさん触れられておりますので、私の資料で言いますと25ページからになりますが、少しお話ししたいと思います。

 もともと児童相談所へ業務が非常に偏っている、これを何とかしないといけないということがあると思います。平成16年にその方向で法改正がなされたわけですけれども、それをさらに進める必要があると思います。189の振り分け機能を持つ通告受理機関の設置ということは、その方向性を進めるものだと考えております。もちろん初動調査に支障のないような体制整備も必要ですし、制度設計においては警察庁等、関係省庁との十分な合意が必要であると考えますが、そうした今の仕組みをずっと維持するのではなくて、一元化することは方向性にとって有効だと考えます。

 もう一つ、初期の介入をする機能と支援マネジメント機能の二分化です。これにつきましては、通告件数が非常に多い、虐待対応件数が非常に多い自治体とそうではない自治体とで分けて考える必要があるかなと思います。大阪府の場合は、全国の1割弱ということで非常に通告件数がふえている自治体でして、実はこれに近い、介入と言うとちょっとまたいろいろ誤解があるかもしれないですけれども、初めの通告対応と、その後の法的な対応等を中心とした課を過去の組織改編のときにつくっております。

やはり親のニーズに応じて、例えば2週間後、4週間後の約束をして、定期的に会っていくということが、通告対応の合間にすることがなかなかできないということで変えてきております。市町村との役割分担の中で、そうした支援マネジメント機能をもし当面は児童相談所がするとすれば、そこで市町村にそうした支援もしてもらっていくのに当たり、基礎自治体の支援をコーディネートする人を配置することが有効ではないかなと考えます。基礎自治体の支援の中身には、通所の措置に伴う支援をつくっていったり、家族再統合に当たる支援を入所措置されている児童についての親支援ということも加わりますので、支援の中身をつくっていく必要があると考えます。

 また、一時保護についてですけれども、先ほどありましたが、非常に多様な子どもたちにいろいろな目的を持って一時保護をしております。もちろん職員配置基準の向上とか、個別支援ができる施設設備の整備の補助などをお願いしたいのですけれども、もう一つ学習支援、分教室の設置をある程度以上の定員を有する一時保護所でできないかということ、あるいは、委託されている児童に対しては、学校に通うようなことが制度として盛り込んでいただきたいことです。また、看護師の必置であるとか、健康診断の費用についても援助をお願いしたい。一時保護所で一時保護をしないといけない子どもについても、目的に応じて、個別な支援と集団の支援が必要だと考えておりますので、それができる体制整備がほしいというところです。

 児童相談所機能の一部移行について、療育手帳についてこれを移行していくということについては、法律で統一の基準を示した上で報告書案に沿った移行が適当であると思っています。また、在宅措置に伴って、市町村で在宅支援をするのに当たりましては、一般の子育て支援サービスと措置による支援サービスについて、明確な線引きが必要であると思っております。

 あと、母子生活支援施設の産前産後の母子ホームのようなことについては、現状では協力いただける病院に出産前後に支援とともに一部アセスメントをするということで協力いただいているところですので、そうした産前産後母子ホームというのがあれば助かります。

 最後に27ページですけれども、児童福祉司等の任用資格等についてですけれども、任用要件の見直し等については、全般的にされていて適当であると考えますけれども、やはりその職員の確保とともに育成も大事だと考えておりまして、先ほど5年で職員というのはどんなものだろうかという御意見もありましたけれども、5年といえばやはり中堅ということになりますし、やはり中堅から研修等、育成等が必要になってくる年齢ではあると思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 よろしいでしょうか。

 では、林委員。


○林委員 1点だけ簡潔に。33ページの私のコメントの一番最後の段落、P4というところは「8.職員の専門性の向上」にかかわる部分だと思います。この中に専門性とは何かというところで、「適切なアセスメント」や「機関連携のマネジメント」というところに集約されているように思います。

 下から2行目にありますように、介入当初のリスクアセスメントという面では、確かに専門職中心でならざるを得ない面はあるかと思いますが、その後の支援計画の作成とかということを考えたときに、いかに当事者とつながっていくか、その当事者というのは、子どもであり、保護者であり、あるいは子ども、保護者を取り巻くインフォーマルな支援者と考えられるかと思います。

34ページに、したがいまして、また介入が強化される中で、当事者の権利保障というものをどう担保していくか、それはやはり意思決定過程への当事者の参画ということが必要かと思います。保護者や子どもたちがいかに支援された意思決定過程が実践の中で具体化されるかということが非常に重要であり、専門性とはやはりその当事者とどうつながり合うかというところに力点を置くべきではないかと思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 よろしいでしょうか。

 私のほうから少し時間をいただきたいと思います。

 3ページの一番下の職員の専門性に関係してなのですけれども、「保育士」資格のあり方を再検討していくことがとても大事ではないかと思っております。子ども・子育て支援制度で保育士がいわば保育教諭としてそちらのほうにシフトしていく中で、18歳未満の子どもたちのケアワークを担う保育士資格や、あるいは児童指導員と一緒にした例えば「養育福祉士」といった資格の検討が大事になってくるかなと思います。

 続いて、4ページの(4)ですけれども、実施体制については、やはりできる限り区市町村を中心とする体制を基本として、国、都道府県が重層的に支援する体制を整備していくことが大事だと思います。高齢者障害者福祉と同様、二元行政を早く解消して、地域包括支援体制がとれるような仕組みをつくっていくこと大事だろうと思います。

要保護児童対策地域協議会ができて、それから市町村が第一次相談機関となってもう10 年以上が過ぎますけれども、このままでは市区町村の対応力の強化はやはり行われていきにくいのではないかと思いますので、思い切って中央からの分権を進めることが必要だろうと思います。

 (5)ですけれども、「子ども家庭相談拠点」に子ども家庭福祉専門相談員を置いて、これがいわば介護支援専門員のような機能を果たすというお話が報告の中にございますけれども、子ども・子育て支援制度の中では、利用者支援専門員がそうした機能を果たすべきものとして考えられているわけで、これらの関係について、また障害関係では、障害児相談支援専門員がその役割を果たすわけで、これらの専門職の関係について、きちんと議論していくことが大事だろうと思います。

 私からは以上です。

 次のほうに移ってもよろしいでしょうか。

 では、関根委員、お願いします。


○関根委員 西田先生から、医療保護入院のことが書かれており、私もぜひ親権の課題をお願いしたい。子どもが28条関係で一時保護されてきて、そして精神的ないわゆる発病をし、3年ぐらいになっているのですけれども、入院ができない。セカンドオピニオンまで行ってもだめで、大変苦労しました。ようやくこの3年目で、今度は小児医療センターに空き待ちですね。ですから、やはりこの医療保護入院のこと、病院からも全然入れてもらえずに、前ケースのときは、子どもが自殺未遂をしてやっと入った。そんなことが一施設で2回もあるのは、私たちとしても責任問題になってきますので、法的にというところは、ここでは変えられないのかもしれないのですけれども、子どもの権利、最善の利益というところで、どこかに組み込んでいただきたいと考えます。


○柏女委員長 西田委員。では、手短にお願いいたします。


○西田委員 最後に、今、お話が出ました医療保護入院に関することです。今であれば、親権停止をしないといけないのですけれども、それをするには余りに手間がかかり、子どもにとっても戸籍に載るという不利益があります。ぜひ迅速に、適切にそうした医療保護入院がとれるようにしていただきたいと思います。

 あと一つだけ、ちょっと言い忘れていたのですけれども、よろしいでしょうか。

 一時保護の司法介入のあり方についてです。基本的には子どもの最善の利益を基本理念として、刑事訴訟のような事実認定によらずに司法関与していくことが必要だと思っています。一時保護は、本当に迅速にやらないといけないことが多いということ、同意も含みますけれども、大阪の6センターでは年に1,000件以上の一時保護をやる中で、事務手続の簡素化も、それに対応できる人員配置が裁判所と児童相談所も必要です。また、調査保護と言いまして、保護してからでないと本当のことを話せない、特に性的虐待の場合はそういうことがありますので、そうしたこともカバーできるような制度になってほしいと思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 それでは、3番目ですけれども「9.社会的養護の充実強化」から終わりまでで何かございましたら、お願いしたいと思います。

 いかがでしょうか。

 では、平井委員、お願いします。


○平井委員 平井でございます。

3233ページのあたりの「社会的養護の対象となった児童等に対する自立支援のあり方」の部分です。年齢のことは、先ほど冒頭に申し上げたのでよろしいのですが、ここに書いてあるとおり、やはり施設等の措置が解除された後も、地域で必要な支援が公的責任下で提供される、これは本当にいいことだと思うのです。その中で、いろいろな委員の御意見の中から、今回のこの報告案というものが出てきたと思うのですけれども、この自立支援の部分で、やはり1つは、そういった子どもたちの住居確保の問題が少し抜け落ちているかなと。子どもたちもなかなか厳しい状況の中で生活をせざるを得ない。そうすると、やはり住居の確保というのは必要なのですね。これもやはり公的責任下の中で何とかしていただきたいなということ。

 もう一つ関連すると、保証の問題です。これは今、国のほうで身元保証確保対策事業というものを設置されておりますが、これが就職の身元保証と、あともう一つ、賃貸契約の保証の2本だけなのですよ。ほかにもいろいろと保証が出てくるのですね。ですから、そのあたりももう一回精査して、一応子どもの保証の問題ももう一回見直していただきたいということでございます。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、宮島委員、中村委員。


○宮島委員 今度は資料をぜひとも見ていただきたいと思いますので、委員提出資料の46ページをご覧いただきたいと思います。

 一番下のエのところに書かせていただきましたけれども、社会的養護を推進するためには、それを担う人材の確保、充実が不可欠だと思います。それは既に書かれてはおりますけれども、さらに具体的にさまざまな論点を示して検討し、それを明らかにし、示していく必要があるのではないかと思います。

エに書かせていただきましたけれども、里親の高齢化が深刻であり、30歳代、40歳代の里親が少ない現状を変えることができなければ、家庭養護を推進することはできません。共働きと保育の利用、一定の条件のもとに、里親に育休を認めること、有給里親の創設などについても積極的に検討すべきだと思います。

里親に委託したら面会できない、とられてしまうというような受けとめ方が保護者の方、実親の方にあれば、それは里親委託を推進することは到底できませんので、そういった場合でも対応できるような里親制度にしていかなければいけない、子どものニーズに合ったさまざまな養育が提供される体制をつくる必要があると思います。

また、施設でも、とにかく今、皆さん、人材確保ができなくて困っている。児童指導員や保育士の方の待遇改善とキャリアアップのモデルをきちんとつくっていくことが必要です。確かに保育士不足は深刻ですけれども、やはり保育士という資格の専門性を認めて、きちんとその方が専門性を発揮して、生きがいを持って働けるようにしなければ、長期的には人材確保ができないと思いますので、そのあたりをはっきりと示していただく必要があると思います。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、中村委員、お願いいたします。


○中村委員 先ほどの平井委員がおっしゃったことにも重なるのですが、やはり住居の確保ということもすごく重要だと考えています。私の意見の21ページの措置の年齢の2段落目ぐらいからですが、やはり既存の児童養護施設とか自立援助ホームの受け皿以外の選択肢というのがないといけないのではないかと思いますし、経験者みずから選べるハードというか、それが住宅であったりすると思うのですが、そういうものを考えていく必要があるのではないかと思っています。

 先ほど、林委員がおっしゃった専門性の部分なのですが、これまでもケアワーカー、児童養護施設とか自立援助ホームで働いている職員のケア提供者とのかかわりの中からでも、やはりなかなかうまく社会で自立していけないという現状があるかなと思います。なので、新たな専門性として、メンターとかピアとかトレーナーとか、若者のニーズを引き出すような、寄り添うような専門性というものが必要になってくるのではないかと考えています。やはり既存のサービスでこぼれ落ちている若者をどういうふうにサポートしていくかもすごく重要かなと思いますので、そういう新たな専門性であったり、新たなハード面の提供を具体的に考えていただけたらと思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 卜蔵委員、武藤委員、横田委員。


○卜蔵委員 卜蔵です。

 私の意見は、41ページに挙げさせていただいています。ここにも書いているのですけれども、この「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」の報告書というのは、「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」の報告書を引き継いだものだと理解していております。児童虐待防止対策のあり方のほうの報告書は、より具体的な提案、あるいは検討課題とかが出されています。こちらの新たな家庭福祉のあり方のほうの報告書についても、そうした具外的な提案をぜひ報告書のほうにも反映していただきたいということが1つです。

 それと、このたたき台の、例えば28ページに元の家庭から分離された子どもに提供された代替養育は家庭養育で行われるべきとあります。この報告書の中で、例えば現在施設に入所している児童の家庭養育の移行とか、そういったことへの記載はありません。もちろんいろいろな事情で施設にいるわけですけれども、例えば長期にわたって実親の面会ですとか通信とか、そういったことが行われていない子どもについては、家庭養育の移行を進めていくことを検討すべきだとか、そういったことの記述の追記を行っていただきたいと思います。

 それと、子どもを権利の主体にということで、子どもの権利の尊重ということでうたわれているわけですけれども、例えば社会的養護に入る子どもについて、その子どもの年齢によりますけれども、やはり子どもの意見を反映させるとか、子どもの意見表明とか、そういったことについての記述も行っていただけたらと考えております。

 もう一点です。家庭養育事業ということで、仮称で新たな事業が29ページに記載されています。里親の支援ということでここでは書かれているのですけれども、ファミリーホームの支援も里親と一体となって行っていただきたいということで、こうした事業をもし制度化されるのであれば、ぜひファミリーホームを支援の対象に加えていただきたいということ。

 最後にもう一点だけ、この中で里親制度の抜本的な見直しということがうたわれておりまして、新たな里親類型とかも考えられています。もしかすると、例えば職業的な里親ということが出てくるかもしれませんけれども、こうした里親制度の見直しとともに、ぜひファミリーホームの、6年たって制度的な見直し、例えば里親制度とはもともと委託児童数での区分けというところがなされていたわけですけれども、そういった部分も含めて検討の対象にしていただきたいということです。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 では、武藤委員、お願いいたします。


○武藤委員 武藤です。

 私のほうは、意見書を51ページから用意をさせていただきました。先ほど、何点か申し上げたのですけれども、全体的には、社会的養護の分野からすると、「社会的養護の課題と将来像」で、今年度から家庭的養護推進計画だとか各都道府県推進計画がスタートしたところなのですね。それとの関連性みたいなものがこの中では全然うたわれていないものですから、各施設や各都道府県にいくと少し戸惑いが出てくる可能性があるので、5年・5年・5年の15年計画を立てていますので、そことの整合性だとか、そういう意味からするともう少し補強しなければいけない部分だとか出てくると思いますので、もう少し丁寧な触れ方をする必要があると思います。

 1点例を出しますと、この28ページの社会的養護の充実策の下から6行目のところなのですけれども、分離された子どもについては、家庭環境、代替的養育が必要だと。また、情緒・行動上の問題やゆがみ等がある子どもたちについては、それをより問題の修正を図るための体制が整った小規模な施設ケアが必要だと。大筋ではいいのですけれども、例えば施設の、こういう指導に支援が困難な子どもたちの支援は小規模だけでいいのかという論議だとか、もう少し高機能化して、専門職も導入をしながら、発達障害やいろいろな障害を持った子どもたちに対応できるような社会的養護の受け皿という部分を、専門的な養育ができるような、治療ができるようなシステムももっと必要になってくると思いますので、そういう意味からすると、全体的な、もう少し丁寧な触れ方をする必要があるのではないかなと思っています。

 もう一点は、次の私のペーパーの具体的なところにいきますと、53ページの2番の自立支援のところであります。これも実は今までいろいろな議論で、虐待の対応の専門委員会、それから今回もそうですし、具体的にこの専門委員会でもいろいろな意見が出たのですね。でも、スケジュールからすると、また検討委員会をつくって検討するということになっているのですね。丁寧にやるとそうなのですけれども、今まで出た意見はどうだったのかなということが現場的には思っていまして、あれだけ出したのにまた検討会が続くのかなと思うと、やはり具体的に出されたことをここに出されているように具体的なロードマップに示しながら、1日も早く実践できるような提案をすべきなのではないかということを非常に思っているところであります。

 3点目は、3番に書きましたけれども、いずれにせよ人材の確保対策、育成、定着策のところをもう少し厚くしないと、これをどう実現化するかということについては、キーはやはりどれだけの人が育成できて定着できるかというところが抜けてしまうと、絵に描いた餅的な状況になってしまうのではないかなと思いますので、丁寧なここの触れ方をしながら、職員配置基準のあり方だとか、それから給与労働条件のあり方が必要だと書いているのですけれども、どれだけ必要なのかという根拠性みたいなものを出していく必要があるのではないかということを非常に感じておるところであります。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 それでは、横田委員、お願いいたします。


○横田委員 私の資料の最後、67ページに簡単に書きましたけれども、特別養子縁組に関して、これは基本的には民法の話なので、ここで論じることにどういう意味があるかわかりませんけれども、一応幾つか気になることがあったので述べます。特別養子縁組制度の改正として提案されている一つの中に、実の親子関係を切断するという手続と、それから、養子縁組を成立させる仕組みを別々にするという提案がありますが、これは要するに特別養子縁組を促進するという意図でそういうことを言われているのですけれども、しかしこれはちょっと気をつけたほうがいいと思います。というのは、親子関係は切断しました、でも養子縁組制度は成立していません、その間、子どもはどうなるのですかという話があるので、そういうことがないような仕組みにしてほしいということですね。

恐らく2つの割れた手続をリンクさせるとそれは避けられるのですけれども、そうすると今と何が違うのかということで、特別養子縁組制度というのを促進させるということならば、現行法を前提とした上で、児童相談所長にもその制度の端緒を開く関与の仕方を考えればいいのではないかと素朴に思うわけです。要するに子どもの親がいませんという状況を避けることを考えてほしいということ。

 あともう一つは、この民法817条の7の要件をちょっと緩くするということですけれども、このときに気をつけないといけないのは、2011年に改正された親権喪失の要件との関係です。2011年で親権喪失の要件が変わって、今、特別養子縁組の民法817条の6と文言が同じになっています。そこで唯一の違いは、この817条の7ですけれども、これは変わらなかったのです。しかし、親権喪失とこの特別養子縁組の大きな違いは、親子関係が残っているかどうかなのですね。この親子関係が残っているかどうかということはないがしろにしていいことではないと思うので、そこは慎重に考えてほしいということです。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 大分時間も押してまいりましたけれども、では、森下委員、中川委員、お願いします。


○森下委員 私の資料は57ページからなので、ちょっと見ていただきたいと思うのですけれども、この「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」の前に「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」というのがありまして、その中で協議された内容の中に、妊娠期からの切れ目ない支援のあり方、それから児童の安全確保を最優先した一時保護実施、親子関係再構築等のための取り組み等ということで、先ほど一時保護のことに関してはちょっと言わせていただいたのですけれども、その後の59ページに、親子関係再構築のことについて少し書かせていただいています。

乳児院に入ってくる子どもというのは、虐待を受けた子どもとか、お母さんが精神疾患とかで家庭になかなか返せない子どもが多いのですけれども、その中で乳児院は、約半数の子どもさんを家庭へ帰しています。それを多分御存じない方がたくさんいると思うのですけれども、その半数の方との親子関係をつくるような取り組みということは、乳児院では親に寄り添ってという形なのですけれども、そういう形でやっています。あとの半数の子どもさんというのが虐待を受けた子どもさんとか、そういう精神疾患のお母さんのもとへ帰せないという子どもさんが多いので、こういう子どもさんが里親さんに委託していくというのがなかなか難しいのですけれども、その中でも、最近は乳児院のほうでも里親委託に取り組んでいまして、里親支援センターを乳児院に併設した乳児院とかもたくさんあります。

 それと、次のページの「子どもと家族のニーズに応じて選択できるシステムの検討」ということで、里親さん一人でそういう問題を抱えた子どもに対応するというのはなかなか難しいので、やはり施設と協働してそういう子育てをしていくという形がいいのではないかということで、全乳協のほうでもそういう形での提案をさせていただいています。これがたたき台のほうにも少し載っていると思うのですけれども、里親さんと乳児院という感じで、結構敵対関係みたいな形で言われることが多いのですけれども、そうではなくて、やはり協働して子どもを育てていくという状況にしていかなければならないのではないかと思っています。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 では、中澤委員、お願いいたします。


○中澤委員 私から簡単に2点申し上げます。

 1点目は、28ページからの「里親制度の充実強化」のところで、1つは、一時保護専門の里親とか、新生児・乳児専門の里親とかという類型をいろいろ設けていったらどうかという内容なのですけれども、確かに新生児・乳児専門の里親等という形で、その専門性をつけていただくとか、研修を充実させて育成していくということは大事だと思うのですけれども、余り細かく類型化して限定していかないほうが、実際の委託に当たっては柔軟に対応できるのかなというところで、運用である程度できるところもあるのではないかなと思いました。

 それと、新しく家庭養育事業という法定事業として、という記載があるのですけれども、現在、里親支援機関事業があって、それを廃止する方向なのかなと読めますが、例えば、施設にいる里親支援専門相談員はどうするのかとか、読んでいるうちにいろいろ疑問が出てくるという状況です。この事業ができたときに児相に残る業務は何なのか、措置関係以外に何を想定されているのかとか、あるいはNPO型とか施設型とかということでありますけれども、ただ、両方に包括的に同様の事業を実施してもらうという方向性のようなので、そういう中で役割の違いというのはどういうふうにしていくのかとか、はどのぐらいの事業者数が必要なのかとか、その辺を少し具体的にお示しいただけると大変ありがたいなと思いました。

 それから、もう一点は、32ページからの「自立支援のあり方」のところです。自立援助ホームについては、就労もしくは就学が求められるけれども、両方とも困難な子にこそ支援が必要だというところがあります。それはそのとおりだとは思うのですけれども、例えば、現行の自立援助ホームの目的とか役割をどのように変えていくお考えがあるのかとか、あるいは20歳未満に支援対象者の年齢を引き上げたときに、現行の年齢よりも上の部分について、児童養護施設、あるいは自立援助ホームでどのように支援をしていくのか、両者のすみ分けといいますか、どのようにこの子たちを支援していくのかというあたりが、いま一つイメージできないので、その辺も少し具体的にわかるようにお示しいただけると大変ありがたいなと思いました。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかは大体よろしいでしょうか。

 では、宮島委員、お願いします。


○宮島委員 大事なことを1つ、手短に申し上げたいと思います。

 家庭的養護は大事だけれども、それだけではないというお話がありましたけれども、短期化が必要だということが全然語られていないことを心配しています。家庭復帰を目指す場合でも、新たな家庭を提供する場合でも、子どもの時間感覚を大事にしないといけない。赤ちゃんにとっての1年と私たちにとっての1年は全く違いますので、そのことを踏まえて、社会的養護のもとに置く期間ということの意味を考える必要がある。やはり子ども時代の全てを施設で過ごすということを変えていかなければいけない。時間ということですね。社会的養護の短期化ということをぜひとも検討の中に入れていただきたいと願います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、犬塚委員、お願いいします。


○犬塚委員 2番目に議論した7番、8番のところに戻ってしまう内容で申し訳ありません。森下委員の親子関係再構築支援について余り触れられていないというお話を聞いて、もちろん社会的養護の中でも触れられていないのですが、この報告書の中でも大きな部分を占める、地域に支援機関をきちんとつくるというところの中にも親子関係再構築支援について触れられていません施設の中にいる子どもたちだけが、虐待的な環境で傷ついているわけではなく、児童相談所が対応したケースの9割は地域にいるわけですけれども、そういう養育不全の中で、さまざまな傷つきを持っていますし、親のほうも全ての人が虐待を否定しているわけではなく、多くの親は援助を求めています。ですので、最終的には親子関係を再構築して、虐待がストップさせられるか、あるいは軽くなるということが支援の目標なのだと思います。そのためにはいろいろな方面からの支援が必要で、なぜそういう養育になっているのかのアセスメントに基づいて、ソーシャルワーク的な支援も非常に重要ですし、養育支援や家事支援などのソーシャルサポートを提供していくこととか、地域でいろいろなインフォーマルなものも含めて孤立を防いで人との良い関係を作れるような支援を届けていくこともとても重要だと思うのですが、それだけでは、やはり親子関係が改善されない家族がとても多いと思います。親子関係再構築の支援の中身として、子どものケアとか親のケアとか、親子関係をよくするようなケアができる体制を構築することが地域で重要だと思うのですが、この地域の、「総合子ども家庭支援拠点」の中にそういうものが想定されているのか。それはどこにも触れられていないので、危惧されます。民間団体とか医療機関が今虐待問題を抱えている家族のケアに取り組むことが困難な、状況がありますので、ぜひこの中に、そういった広い意味でのケアを含めた親子関係再構築支援が地域でできるような人の配置や設備などが組み込まれることが重要だと思います。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、中村委員、西田委員、お願いします。

 ちょっと皆様にお諮りをしたいのですが、この状態ですと、8時を15分~20分ぐらい延びるかもしれませんが、御容赦をいただければと思います。

 では、中村委員、お願いします。


○中村委員 この書いているのとは別なのですが、やはりもう少し「家庭福祉のあり方に関する専門委員会」のまとめにおいて、社会的養護経験者の声というものを盛り込んでいただけたらなと思っています。数字とかという部分は載っているのですが、では経験者の声とか、経験者がどういうことを必要としているのかというのが載せられていないなと思うので、ぜひそこはお願いできたらなと思っています。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 では、西田委員、お願いします。


○西田委員 先ほど、親子関係の再構築支援の話が出ましたけれども、これまでのお話を聞いていますと、できるだけ短期間で親元に戻すか、それができなければ永続的な家庭を保障するという割と両極端な話が2つ出ているのですけれども、実際に親子を見ておりますと、その中間のような週末に会いに行ったときには非常にいい親でいられるし、たまに外泊したときは親子関係が良好であるけれども、一緒に暮らすにはいろいろな課題が多くて、なかなか再統合はできにくいという親子が多いようには思っています。そのことが1つです。

 もう一つは、特別養子縁組の見直しの件で3点あります。

 横田先生のほうからは、親子関係を切る判断を先に児相がしてしまうと、そこが空白になってしまう、次の養子縁組が整わない場合はそうなってしまう場合があるとのことでした。一方で、生まれた直後に親が行方不明になって、自立支援までの長期にわたって施設でずっと過ごす、そこで自立支援していく子どもたちがいるような状況が一方にはあります。いつか実親があらわれて、子どもを返してほしいと言わないかなということが措置機関としては里親委託に踏み切れない一つの事情になっています。それを早い段階で、親子関係が切れるけれども、養子縁組していけることに踏み込めるのであれば、この2つの制度を切っていく制度設計については賛成します。

 もう一つですけれども、匿名出産と出自を知る権利の保障を両立させられないかということが一つあります。第11次までの死亡事例等の検証報告の中でも、それまでの11次までに100名近い子どもさんがゼロ日で亡くなっていらっしゃる。もともと医療機関にかからずに、医療機関でないところで出産されているお子さんがほとんどということを考えますと、そこに匿名出産制度を検討する余地があるのではないかということです。もちろん子どもの出自を知る権利の保障は必要です。

 最後に、親族里親制度についての積極的な活用ができないかということです。虐待で子どもさんを一時保護したりした場合に、親族、おじいちゃん、おばあちゃんが出てこられて、何とか子どもをみたいと意思表示されることがありますけれども、祖父母に帰したけれども、知らないうちに実親のもとに帰ってしまっているということはこれまであったことですし、それが足かせになって、それに踏み切りにくいということがあります。親族里親制度を利用できれば、それも安定した養育を親族のもとで保障できることにならないかと考えます。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 全体にわたって、何か言い忘れたことがもしございましたら、短い時間で恐縮ですけれども、1、2、御意見があればいただきたいと思います。

 では、星野委員、お願いします。


○星野委員 児童相談所についてですけれども、早く改革してもらいたい。もう完全にパンクしております。里親に子どもを委託するというのは大変手間のかかる仕事でありまして、今はもう児童福祉司さんにその余裕がないですね。ですから、どんな方法でもいいのですけれども、いろいろないい提案がありますから、いち早く実行できるものからやっていただきたいというのが希望です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 では、関根委員、お願いします。


○関根委員 たった一人の意見かもしれません。数日前に、今、大学3年生の福祉の勉強をしている子どもが来て、最初は児相のケースワーカーになりたい、今いろいろなことがあり、老人の施設で宿直のバイトをしているのですけれども、家族再統合なんてやめてほしいという意見をたった一言、言ったのですね。私は、このあり方委員会の中で子どもの自立支援を22歳までとかしているけれども、何か子どもの声とかそういうものを聞く場所がほとんどないように感じました。支援しながら聞くのだろうとは思いますけれども、そのことを制度に組み入れてほしいと思います。


○柏女委員長 ありがとうございます。

 ほかによろしいですか。

 では、武藤委員、お願いします。


○武藤委員 私は、この「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」に入っているのですね。そこで前回も質問して意見をしたのですけれども、全体的に見ると、やはりロードマップだとかも含めて、非常に具体的に書いているところと、非常に大ざっぱなところと、それからこの内容もうそうなのですね。非常に細かく書いているところと、非常に大ざっぱなところとあるような気がしています。

いずれにしろ、まとめるにはもう少し丁寧な議論が必要だろうということで、今後のスケジュールなど決まっていない部分もあって、委員長に質問したときには、ロードマップについてもぜひ御意見をいただきたいということもありましたので、今、私なりにもいろいろ考えてはいるのですけれども、ぜひこの社会的養護専門委員会でもロードマップ等に関しても、もっとスピード感でやるべきだとか、具体的な提案をやはりしていったほうがいいと考えております。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 宮島委員、お願いします。


○宮島委員 恐縮です。

先ほど匿名出産のことも出ましたので、新生児委託、そのあたりにかかわることとして一つ申し上げたいことがあります。出自を知る権利は当然大事だと思いますし、命を守られる権利が一番に優先されると思いますが、子どもの権利条約には、子どもにはできるだけ実親に養育される権利があると書かれていますし、出生して速やかに命名登録される権利というものもちゃんと明記されているにもかかわらず、実親の意思確認が丁寧に行われないということが起こりかねない状況があると危惧しています。実際に子どもが出生してから、再度ちゃんと親御さんの意思確認をする必要がある。また、今のところ、養親になる方が名前をつけることが善であるとか、それが子どもの利益なのだということがどうも多く言われているように感じていますけれども、実の親御さんから名前をつけてらったということが、その子どもの一生を支えることが当然ありますし、生まれて1週間で別れたけれども、それまで丁寧にみさせてもらって、母乳も与えられたということがその子どもにとって、また実親の人生を支えることになるといったことがあると思いますので、このあたりのことが匿名で出産した場合でもその方の意思などが丁寧に聞き取られるという形が保障されないと、子どもの権利が奪われるのではないかと危惧します。以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 ほかはよろしいでしょうか。

 では、林委員、お願いします。


○林委員 まず、養子縁組のことに関しましては、3233ページに記述しておりますのでごらんいただけたらと思います。

32ページの黒ポツの第2段落です。「P2829ページの里親制度に関する提言」というところで、親族里親に関する解釈をどうするか、入院等の状態というところの「等」の解釈がかなり多様で、実際の自治体では非常に厳格化運用されている実態もあるかと思います。先ほど、虐待ケースに関しては、精神的な疾患で長期入院に限定されているとか、この「等」の状態をより明らかにして、虐待等に適用できる解釈ができるような改正が必要かと思います。現実には、今、親族里親は事業費のみの支給となっておりますが、相対的に貧困問題とか健康上の問題とかを抱えた孤立化傾向にある祖父母が養育しているケースも多いと思います。研修を受講すれば、手当を支給するとか段階的な緩和というものも必要かと思います。

 あと、理念として、永続的な家庭を保障するという「永続性」というのは、里親と差別化する上でもやはりリーガル・パーマネンシーという法律的な安定に基づいた家庭養護の提供ということを、現実には長期里親がそれを担っている部分があるかと思います。その背景にはいろいろな理由が多様にあるかと思います。その辺を見きわめて、選択優先順位として、養子縁組をどう位置づけていくべきか。それから今回は特養に限定されているわけですが、先ほど宮島委員がおっしゃったように、戸籍上やはり生みの親が明記されているほうが望ましいケース、生みの親の意思確認の中で、そうした意向もあるかと思います。個別状況に合わせて、今回の改正は特養に限定されているわけですが、普通養子も含めて、あらゆる年代の子どもにリーガル・パーマネンシーを保障するという理念の明記をお願いしたいと思います。

 それから、先ほど宮島委員がおっしゃったように、生みの親の意向確認というのをどういうふうに捉えるかということに関しましては、やはり妊娠相談と連続性を持って考えていく、それから、多くの民間の養子縁組あっせん機関というのは、妊娠相談をやっていると言われるわけですけれども、ただ、グローバルなスタンダードからすると、やはり中立的な立場で意思確認ができないという問題もあるかと思います。やはり妊娠相談ということと分離的な機能と考えるべきだと思います。

 それから、33ページの知る権利ということで言いますと、現在、養子縁組された生みの親の戸籍にアクセスできないという状況もあるかと思います。市町村窓口に対して、一応の何か通知等を出されることによって、そのルーツを洗うことができるようにしていただきたいと思います。

 以上です。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 大分時間も過ぎておりますので、議論はこのくらいにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 非常に多様な御意見を頂戴いたしました。まとめることはいたしませんけれども、特にこの社会的養護専門委員会に関するところで言えば、何人かの委員から既存施策との関係をちゃんとしてほしいという意見、それから社会的養護の課題と将来像や都道府県推進計画などのように既定の方向性があるので、その方向性との整合性をしっかりとれるようにしてもらいたいといった要望があったかと思います。

 この辺については、もちろんこれは言わずもがなのことですけれども、事務局のほうにおいて制度化していく際に、是非よろしくお願いしたいと思います。

 また、法令改正事項や運用改善事項、さらには財政措置事項等が幾つか重複していたりしておりますので、こうしたことの整理などもぜひお願いをしたいと思いますし、先ほど中村委員がおっしゃっていた、法制化したり制度化していくときには、当事者の意見をしっかりと聞き取ってほしいといったことも大切にしていただけるとうれしいなと思っております。

 いただいた御意見については、この後、開かれる児童社会保障審議会児童部会のほうに適宜御報告を事務局のほうにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、議題2の「その他」に移りたいと思います。

 報告事項として、都道府県推進計画の策定状況報告、それから被措置児童等虐待事例の分析に関するワーキングループ開催状況等について、あわせて事務局から簡潔に御報告をお願いいたします。


○大隈家庭福祉課長 では、その他議題2つですけれども、簡潔に御報告させていただきます。

 まず、資料4ですけれども「都道府県推進計画」の内容についての調査結果ということで、1130日にプレスリリースしたものでございます。今年の9月末日現在の状況を厚生労働省が調べてまとめたものということです。平成27年度を始期として15年計画で、家庭的養護の推進等を図るということで、各自治体に計画をつくっていただいたもののまとめです。

69自治体のうち62自治体で、この時点では計画が策定されておりまして、本体施設、グループホーム、里親・ファミリーホームの割合は、平成41年度で47.2%、23.3%、29.5%ということで、3分の1ずつというのはこの時点での計画としては未達成ということでございます。

 ただ、1ページ目の3にありますとおり、自治体ごとのばらつきもございます。里親・ファミリーホームの割合ですが、宮城県・仙台市53.2%、香川県42.2%、滋賀県40.7%など高い目標設定をいただいている自治体もございますが、その一方で、おおむね3分の1に満たない目標設定にとどまっている自治体もあるということで、これらにつきましては、国と自治体でよく相談しながら随時計画を見直すなど、一層の取り組みを進めていきたいと思っています。

 2ページ目に、これは27年度の状態から5年後、10年後、15年後という形でそれぞれの数字も出してございます。

 それから、3、4ページに少しビジュアルに、3ページは27年4月1日現在の状況ということで、本体施設の割合が非常に高い、青い部分が多いわけですけれども、次の4ページが15年後の現時点での姿ということで、里親等の赤い部分がかなり増えているということですが、全体を通じるとまだ3分の1ずつにはなっていないという状況でございます。

 それから、数字だけではなくて課題についても、自治体に確認した結果が5ページ以降についております。

 グループホームを推進していくための課題としては、職員の確保・育成が課題という自治体が多いところですけれども、それ以外にも都市部での建物の取得が困難とか、施設設備の見通しが立たないなどの課題を挙げておられる自治体が多いというところでございます。

 同様に、7ページからは里親・ファミリーホームを推進していくための課題と対応が書いてございます。里親制度については、一番多いのが、里親制度等の社会的認知度が低いことですけれども、それにかなり近い数字で、委託する里親の不足であるとか、実親の同意をとることが困難、あるいは里親との希望する条件と合わないなど、かなり数多くの自治体が課題を挙げられているという状況でございます。

 あと、9ページ以降は、それぞれの自治体ごとの個別の数字も載せておりますので、また参照いただければと思います。

 もう一つ、資料5でございます。被措置児童等虐待事例の分析に関するワーキングループということで、これは以前こちらの社会的養護推進委員会で御了解いただいてワーキンググループを設置して、被措置児童虐待の21年度から5年間の事例についての分析をするということでスタートしております。2.にありますとおり、犬塚委員、林委員、宮島委員、横田委員に委員になっていただいて、これは非公開でございますけれども、これまで5回、事例の分析等を進めてまいりました。

 今後の予定といたしましては、これも以前にお話ししておりましたけれども、施設関係の委員の方にも加わっていただいて、来年の1月、2月にかけてまた議論を進めて、最終的に報告の案をまとめたいと思っております。最終的には、こちらの社会的養護専門委員会に御報告したいと思っております。

 以上でございます。


○柏女委員長 ありがとうございました。

 それでは、事務局からの説明に対して、御質問等があれば、お願いをしたいと思います。

 では、武藤委員、お願いします。


○武藤委員 質問というより意見になってしまいますけれども、家庭的養護推進計画、これで各都道府県推進計画の調査結果が今、報告をされましたけれども、各自治体ごとにばらつきがある、当然出てくると思うのですけれども、先ほど課長から話が出たように、各自治体と相談しながら進めるというようなことで、厚生労働省として、各都道府県とのきめ細かな連絡をしていただきながら、ここにアンケート的なところではどういうことが支障が来ているか、どういうことが問題なのかということの分析も一部されていますけれども、もう少し丁寧な分析もしながら、具体的にこれに対して、国としてはどういう方向で進めるのかということも、そこまで丁寧に出していく必要があるのではないかなと思っています。

 質問というよりは意見になりますけれども、以上です。


○柏女委員長 わかりました。ありがとうございました。

 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、このあたりで議事を終了とさせていただきます。特に今、御報告がありました資料5のワーキンググループの皆様方については、本当に真剣な御議論をいただておりまして、敬意を表したいと思います。

 次回の社会的養護専門委員会開催のころには、恐らく報告書として報告もいただけるのかなとも考えております。ぜひ精力的な御検討をよろしくお願いしたいと思います。

 今後の予定について、事務局より御説明をお願いしたいと思います。


○寺澤家庭福祉課長補佐 本日はありがとうございました。

 現時点では次回の開催日程は未定でございます。開催の際は、改めて日程調整をさせていただきたいと思います。


○柏女委員長 それでは、最後に何か委員のほうからございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 私の進行の不手際で、15分オーバーをしてしまいましたことをおわび申し上げます。

 これにてきょうは終了とさせていただきます。大変お忙しい中、お集まりをいただきましてありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会社会的養護専門委員会)> 第19回社会保障審議会社会的養護専門委員会 議事録(2015年12月14日)

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