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2018年12月20日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会

医薬・生活衛生局食品基準審査課

○日時

平成30年12月20日(木)  14時00分~16時00分

 

○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第22会議室(18階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○出席者

委員

大前部会長、有薗委員、浦郷委員、大野委員、尾崎委員、竹内委員、広瀬委員、松岡委員、六鹿委員
 

事務局

吉田食品基準審査課長、黒羽室長、近藤補佐、狩集補佐、磯専門官、丹羽専門官、松下係長、木道主査

○議題

(1)改正食品衛生法について
(2)器具・容器包装のポジティブリスト制度について

○議事

 

 

○事務局 少し時間は早いですけれども、委員の皆様おそろいですので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会」を開催いたします。よろしくお願いいたします。本日は御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
まず、本日の委員の出席状況について報告させていただきます。魏委員より御欠席との御連絡を受けております。現時点で10名中9名の御出席をいただいておりますので、部会が成立していますことを御報告申し上げます。次に、委員の改選についてですが、本部会においては前回、乳肉水産食品部会との合同部会を開催して以降、10月より大野委員に新たに御就任をいただいております。
○大野委員 今回から参加させていただきます、名古屋市衛生研究所の大野でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、事務局の変更について御報告いたします。7月31日付けで前任の関野に代わり、食品基準審査課長に吉田が就任しております。
○食品基準審査課長 吉田です。よろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、議事の進行を大前部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大前部会長 それでは今日の部会ですが、どうぞよろしくお願いいたします。まず最初に、配布資料の確認を事務局からお願いします。
○事務局 配布物の確認をさせていただきます。本日の検討会はペーパーレスでの開催とさせていただいておりまして、資料はタブレットでデータを閲覧する形で実施します。お手元にはカバーの付いたタブレット、操作に関する説明書、メモ用紙などを配布しております。タブレットは終了後に回収いたしますので、カバーを付けたまま机の上に置いて御退出していただければと思います。
本日の資料は、タブレットに表示されています議事次第、委員名簿、座席表、それと資料1、資料2-1、資料2-2、資料2-3、資料2-4、参考資料が3つです。タブレットの操作の不明点や資料の保存について不備がありましたら事務局までお知らせください。また御発言される際には、前にありますマイクの紫色のボタンを押して赤いマークが点灯したのを確認されてから御発言をお願いいたします。終わられたらもう一度同じボタンを押して消灯してください。説明は以上です。よろしくお願いします。
○大前部会長 資料等は、よろしいですか。
議題に移ります。まず、最初に議題1、「改正食品衛生法について」を報告いただきたいと思います。本件は報告事項となっていますので、事務局の説明を受けた後に、委員の先生方から御意見を頂ければと考えておりますのでよろしくお願いいたします。それでは、事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料の1番です。改正食品衛生法に係る御説明をいたします。お手持ちのタブレットの資料1を御覧ください。こちらの2枚目に、本年6月13日に公布されました改正食品衛生法の概要をお示ししています。改正の要旨は、上にありますが、食品を取り巻く環境は日々刻々と変化しているわけでして、このような変化に対応し食品の安全をさらに確保するという目的のために、今回、改正の概要として、これらの内容について食品衛生法の改正を行ったところです。改正の概要は大きく7つあります。上から順番に並んでいますけれども、本日、本審議会において御確認いただくものは4番です。4番目に国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備という部分があり、具体的には安全性を評価した物質のみを使用可能とするポジティブリストを導入するという内容となっています。なお、末尾に施行期日がありますけれども、4番については、公布後2年以内となっていますので、2020年6月までには施行がなされるものとなっています。
次の3ページ目を御覧ください。今回、法改正により導入するポジティブリストと呼ばれているものの概要です。頭書きとして、その内容がありますが、基本的には規格が定まっていない原材料を使用した器具・容器包装の販売等の禁止等を行い、安全性の担保を図るものです。現行と改正案は、後ほど説明しますけれども、このポジティブリスト制度の対象となるものは、器具・容器包装のうち、原材料として合成樹脂を対象としたものを考えているところです。
制度の全体像ですが、半分以降の参考を御覧ください。こちらに原材料メーカーから始まり、消費者に至る物流の流れを示しています。この中のポイントとしては、まず、緑色の部分で、製造管理規範を定めるというものです。また、ポジティブリストは原材料の規格適合性を確認するというシステムになっていますので、原材料を用いる川上の企業様からの情報提供が非常に重要であり、川上から始まる情報提供の流れが書いてあります。これが製造メーカーの求めに応じ情報を提供する。またピンクの枠線の中の、赤矢印でお示している情報の提供の部分がこれに該当しています。またさらに、ポジティブリストという名前のとおりで、当然ながら管理をしなければならない物質をリストとして取りまとめるものですので、その管理の背景にはリストが存在しているということを御理解いただければと思います。
次に、今回の食品衛生法改正により導入された器具・容器包装に関する条文の説明をいたします。まず、5ページを御覧ください。食品衛生法の中にあります器具と容器包装に関する主な関連条文を表しているものです。簡単に言えば、法律条文の地図というようなものです。第1章から第11章までありますが、今回は第3章第18条に条文の新設を行っています。また第9章等の営業等、この辺りにも新たに条文を新設しているところです。以降、新設された条文の個々の内容について御説明いたします。
6ページを御覧ください。第18条(第3項を新設)となっています、今回新しく作った条文はこの3です。まず、器具・容器包装を対象にしているわけですが、どのようなメカニズムを対象とするのかということが第1行目にあります。「成分の食品への溶出又は浸出による公衆衛生に与える影響」これを対象としているものです。次に、どのような材質を対象とするのかということですが、その部分が下線で、「政令で定める材質」と形容されているものです。さらにこの材質の原材料であって、これに含まれる物質を使用し製造することについての基準を設けるとなっており、その基準の設け方は、まず最初にあるとおり、「含有されることが許容される量」という所が中段部分にあります。さらに2行下りまして、「食品に混和することが許容される量」という2つのポイントがあります。つまり規制方式は、添加量型と溶出量型の2つの型を想定しているというものです。これらの基準について、18条第1項では、基準を定めることができると書いていますけれども、これに従い規格基準を定めるものとなっています。中段以降、「ただし」から始まります、この後段部分については、最初に、「人の健康を損なうおそれのない量」というものが出てきます。これは今後、食品安全委員会に評価を依頼し、その結果を踏まえてこの審議会において御議論をいただくという部分ですけれども、その量があります。そしてその量を超えて溶出したり又は浸出して食品に混ざる、そのようなおそれがない加工がしてあればこれについてはその前の規定を適用しない。つまりポジティブリストを適用しないということになっています。しかしながら、一部例外があります。この後段の「ただし」以降の書きぶりの中には括弧書きがあり、「当該物質が器具又は容器包装の食品に接触する部分に使用される場合は除く」となっていますので、食品に直接接触する面については規制除外の適用はないというものです。
次に、7ページを御覧ください。第50条の3、これも新設です。適正製造管理の規定を導入するということを概要で説明しましたが、それに関係する条文です。第50条の3については、「厚生労働省令で次に掲げる事項に関する基準を定めるものとする」と規定しております。第1項の第一号については、施設の内外うんぬんとありますけれども、この1号が一般衛生管理に係る部分となっています。二番、第二号になりますけれども、こちらが適正製造管理に関する規定ということになります。また第2項において、第1項の規定はどのような材質を用いた方々に適用されるのかということが規定されています。括弧書きを除けば原則第1項の一と二、こちらは全ての事業者に適用されるとなっていますが、括弧書きにおいて、その適用の範囲が示されています。全ての材質に適用されるものは、第1項の一番、第一号のみです。今回、ポジティブリストの導入対象は合成樹脂ということを冒頭申し上げていますが、この合成樹脂については政令で定める材質となってきますので、一番と二番の両方が適用されるということが括弧で書かれています。また3の第3項については、各都道府県の自治体におかれ、必要と認めた場合には条例によりその規定を定めることができるという内容です。
次に8ページを御覧ください。こちらが情報提供の部分に該当するものです。条文の第50条の4となっており、こちらも新設です。第50条の4については、書き出しの文章の末尾を御覧いただくと分かりますが、まず、第1行目に、「材質の原材料が使用された器具又は容器包装を販売し」等々とあり、そのような方々に対しては一番、二番に該当する内容について説明しなければならないとなっています。つまりこれは義務です。対して先に2の第2項は、器具・容器包装をお作りになる方が使う原材料を提供する事業者となっており、この原材料を提供する事業者は、食品衛生法の規制の枠外に存在する方々ということになるため、規定ぶりとしては、末尾のように、説明するよう努めなければならないとされています。つまりこちらは努力義務となっています。食品衛生法の対象内である食品用器具・容器包装の製造事業者におかれましては、1の第1項に書かれている、第一号こちらはポジティブリストに適合しているという情報になります。また、第二号については、食品に溶出又は浸出をして、一定量以上混和するおそれがないという加工がされているのかいないのかというその部分についての情報、この2つについて説明をする義務が存在しているというものです。
続きまして、9ページを御覧ください。第57条は、営業を営もうとするものは、厚生労働省で定めるところにより、あらかじめ届けなければならないという規定で、今回器具と容器包装の製造事業者の方におかれては、従来は届出対象にもなっていなかったわけですけれども、新たな制度が導入されるということに伴い、今回これらの事業者におかれましても、届出を導入することを予定しています。その下の括弧書きの施行期日ですが、附則第1条で法律は公布の日から起算して2年を超えない範囲内で施行とされており、本年の6月13日が公布となっていますので、ここから起算をして2年以内にこのポジティブリストと言われる制度が施行されることになります。また、経過措置がその下にあります。こちらは附則の第4条に書かれていますが、既に法律が施行される前の段階において、既に販売をされていたり、又は製造されていたり、輸入されていたり、営業上の目的で使用されていたりというものについては、施行日を超えてもその規定は適用されないというものです。
10ページを御覧ください。こちらが食品衛生法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議というものです。この附帯決議は本年の4月12日に行われた参議院の厚生労働委員会で決議されたものです。食品衛生法の改正に係る審議を行っていますので、附帯決議も幾つかありますけれども、器具・容器包装に関するものは4番です。論点として2点、1つは制度の導入に当たり、食品安全委員会で行われる食品健康影響評価を踏まえた規格基準を計画的に策定する。これについて万全を期しなさいと。加えてその円滑な施行についても万全を期してほしいということです。もう1つの論点は、今回は合成樹脂を材質として対象にすることを考えていますけれども、附帯決議においては、この合成樹脂以外の材質、つまり紙とかゴム、金属、ガラスなどいろいろなものがありますけれども、そういうものも視野に入れて国際的な動向も踏まえつつ、ポジティブリストの必要性を検討していただきたいという、この2点が附帯決議で提出されております。
資料1の最後、11ページを御覧ください。器具・容器包装の検討の経緯を簡単に取りまとめていますけれども、ちょうど真ん中ぐらいの黒文字で強調しています。平成27年6月に中間取りまとめが公表されており、主に下の1、2、3のような内容について中間取りまとめを公表し、これを骨子として検討を進めてきているところです。この中間取りまとめを踏まえ、平成28年8月に、「食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会」を設置し、計8回の審議を行い、その結果については翌年6月16日に公表したところです。この中間取りまとめと検討会の取りまとめを踏まえて、さらに技術的な論点を検討するために、現在、「食品用器具及び容器包装の規制の在り方に関する技術検討会」というものを設置しており、こちらの中で技術的な事項についての検討を進めている状況です。12月にも、この第5回目の検討会が開かれており、第1回目以降、内容については随時公表を行いつつ、また傍聴も可能な形になっていますので、今後ともそのような形式により検討を継続していきたいと考えているところです。資料1の説明は以上です。
○大前部会長 ありがとうございました。ポジティブリスト制度の具体的な内容は議題2で行います。まず、改正法全体に関するこれまでの説明について、先生方から何か御質問等があればよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、次の議題に移ります。
議題2、「器具・容器包装のポジティブリスト制度について」です。本件も報告事項となっていますが、資料を2つのまとまりに分けて、資料2-1から資料2-3をまとめて、資料2-4をその次に説明いただき、意見交換をしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。それではまず、資料2-1から資料2-3について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 引き続き、資料2-1を御覧ください。資料2-1につきましては、「改正食品衛生法に基づき政令で定める材質について」という表題となっています。これは、先ほど御覧いただいた改正法第18条第3項の2行目にあった、政令で定める材質という部分になっています。1.に、器具・容器包装の材料につきましては先ほども御説明しましたが、合成樹脂に限らずいろいろな材質がございます。それらについて現在の食品衛生法では個々に規格と基準を定め運用しているところです。今回は第18条3項というものが設定されていて、ポジティブリストと言われている制度の概念が規定され、その材質となるものは政令で定めることになります。
その対象となるものを、どのように定めるのかにつきましては2.です。以前に設定されていた検討会、そして現在、検討を行っている技術検討会におきまして、以下、1~3に並んでいますけれども、この3点の観点で制度の対象となる物質については、合成樹脂とする方向で議論を進めているところです。3つの観点と申しましたのは、1として、様々な器具及び容器包装に幅広く使用されていて、公衆衛生に与える影響を考慮すべきであること。2として、欧米等の諸外国、先進国においてポジティブリスト制度の対象とされていること。3としては、国内事業者団体において自主管理の取組の実績があること。これらを観点として検討を進めてきたものです。
3.として、この件については、今後、政令化に向けた必要な手続を進める予定としているところです。また、参議院厚生労働委員会の附帯決議にございましたけれども、合成樹脂以外の材質についてのポジティブリスト化という点につきましては、必要性とか優先度を考慮しながら更に検討を進めさせていただきたいと考えているところです。
次に、資料の2ページ目を御覧ください。こちらも従来の検討会、また技術検討会の中で使用した資料ですので既に見慣れた資料ですけれども、これが現在の諸外国、欧米と日本の比較をした図となっています。アメリカにおいては合成樹脂及び紙・ゴム、ヨーロッパにおいては合成樹脂、それ以外の材質については各国ごとの規制となっています。日本においては、まだ法律の改正が行われていない前の状況を表していますので、業界の自主基準の中でポジティブリストが作成されていて、その範囲は熱可塑性の範囲にとどまっていたというのが現状の状況です。
次のスライドを御覧いただくと、3ページ目です。これが法律改正後の状態となり、表題の中にも(改正後)と表記しています。改正後は、先ほど御覧いただいた日本の部分の業界自主基準という部分が、法律による規制の枠組みがかかることになり、その範囲も熱可塑から熱硬化を含む合成樹脂の範囲という形になってきます。今回の法改正によりまして、このように規制の内容が変わるということと、おおよそ諸外国との足並がそろうという点について御確認を頂ければと思います。
次に、4枚目のスライドです。先ほど来、合成樹脂というお話をしていますけれども、製品を御覧いただいたときに明らかに合成樹脂のみで形成されているものは、誰が見てもこれは合成樹脂製であるということが分かると思います。しかしながら、その下にございます、例えば紙をベースにした器具・容器包装、そして一番最後にございます金属缶を用いた器具・容器包装につきましても、その構造を丹念に見てみますと食品に接触する内面、いわゆる食品接触面と言われる部分ですけれども、この部分に合成樹脂が使われている場合がございますので、このような状態のものにつきましては合成樹脂の範囲に含めて対象にしたいと考えているところです。
続きまして、5ページ目を御覧ください。合成樹脂のポジティブリスト制度の対象範囲ですが、この表を御覧いただきますとおり、まず合成樹脂たるものが熱可塑と熱硬化に分かれることは、お示ししているとおりです。さらにプラスチックの特性からプラスチックとエラストマーに区分されていて、この2つの条件を組み合わせるとゴムの定義が可能となっています。先ほど諸外国と日本のポジティブリスト制度の比較という帯状のグラフがあったと思いますが、その中でも合成樹脂と紙・ゴムは峻別されていて、今回、私どもが合成樹脂を対象とするとした場合には、このゴムと合成樹脂を峻別する必要があります。このためこちらの表があるわけで、私どもとしては熱硬化性樹脂エラストマーをゴムと定義し、これを除くものを合成樹脂と考えて、その対象にしたいと考えているところです。
次に、6枚目のスライドを御覧ください。こちらは紙に使用される合成樹脂等となります。先ほど、紙につきましてもコーティング等がなされているものがあり、そのようなものを対象としたいという説明をしましたが、今回、紙製の器具・容器包装で対象となるものについてお示ししています。ちょうど真ん中になりますが、「対象範囲内」と書いているものがこれに該当するもので、左側がフィルムラミネートと呼ばれているものです。紙に合成樹脂をラミネート、貼り合わせたものとなっていて、この合成樹脂層が食品接触面となっているものについては対象としたいと考えています。もう1つ、右側が合成樹脂塗工と言われているもので、これは合成樹脂を含む液体を塗布し、乾かして合成樹脂のレイヤーを形成するものです。このようなものも、当然ながら食品接触面に合成樹脂の材質の層が形成されていますので、これは対象としたいと考えています。
対しまして、その下半分にございますのが「対象範囲外」です。こちらは矢印で書いていますけれども、将来的な紙のポジティブリストで対応を検討したいと考えています。どのようなものがあるかと言うと、左から顔料塗工というものがあります。紙の表面に顔料層というのがあって、これは主に白色系の顔料が使われるわけですが、この顔料をつなぎ合わせるために少量添加されている合成樹脂がございます。機能としてはバインダーという機能を発揮しますけれども、このようなものは食品接触面に合成樹脂たる物質の層を形成するものでもありませんので、これは将来的な紙のポジティブリストの中で検討を進めてまいりたいと考えています。
同様に、真ん中ですが、外添薬剤(サイズプレス等)と呼ばれますけれども、そのようなものもございます。これは、一般的に紙の片側に樹脂を塗布し、これも散在した状態ではありますが加工する方法です。こちらも、見ていただいたとおり層を形成するものではないというものです。
一番右側が内添薬剤と言われているもので、これはパルプを紙にすく前の状態のパルプスラリーの状態で合成樹脂を若干添加し、紙の中に分散させているものとなっています。これは同様に表面に合成樹脂の層を形成しているものではありませんので、将来的な紙のポジティブリストで管理していきたいと考えているものです。結論としまして、上に書いているラミネート、そして塗工というものを、今回の合成樹脂の規制の対象の枠内ということで考えたいと思います。
次が合成樹脂の層、これはインキや接着剤等と呼ばれているものも含みますけれども、その取扱いについてです。こちらは対象範囲内が中に3つほど種類分けで書いています。左側から、合成樹脂層が存在する。いわゆるインキや接着剤という形で使われたとしても、食品接触面側に合成樹脂の層を形成するものにつきましては対象であるということです。また、先ほどもありましたけれども合成樹脂のコーティングについても考え方は同様です。さらに食品衛生法第18条で新設の第3項については、一定量以上の食品への溶出が、食品接触面より外側の第2層、第3層目から発生する場合については、これらも対象とするという規定となっています。つまり、右側の下にある矢印で食品側に矢印が出ているものについては、第2層目ですけれども、ここから一定量以上の化学物質の溶出が起こる場合については、これは当然ながらポジティブリストの対象となるというものです。その対象とならないものは何かというのが左下にあるもので、ただし書きの適用となります。第2層目に使われているものですけれども、そこに含まれている物質が一定量を超えて食品に移行しないものについては、これは当然ながら対象とならないというものです。食品等の場合ですから賞味期限とか消費期限といった、ある程度期限が付された食品ですし、その期限内においての移行が発生し得ないことが前提条件になることは、御理解いただければと思います。資料2-1の説明は以上です。
次に、資料2-2を御覧ください。資料2-2の1ページ目ですが、こちらはポジティブリストを作っていくときの構成材料は何かをまとめたものです。こちらは次回以降の審議事項となるもので、今回は御報告になりますけれども、次回以降の御審議をお願いするものとなります。
1.ですが、法律として新設された18条第3項では、政令で定める材質の原材料は、ポジティブリストに収載された物質でなければならないとされています。ですから、当然ながら原材料はリストに入れなければならないことは御理解いただけると思います。
では、どのような内容でこのリストを作っていくのか。その構成要素を下の2.に並べています。現在、行っている技術検討会がございますけれども、この中では最初の○ですが、物質を告示に規定するという方向性です。次に、何をそのリストに書くのかについては、バレットが2つありますけれども、最初のバレットがベースポリマーであるということ。2つ目のバレットは、いわゆる添加剤と言われているものですが、この添加剤について私どもとしては、ここに書いているとおり、合成樹脂の物理的又は化学的特性を変化させるために最終製品中に残存することを意図して用いられる物質、これを添加剤と考えています。
次に、最終製品に残るか残らないかということは、管理とするか、しないかという上でも非常に大きなポイントになってきます。この観点から3つ目の○ですが、触媒とか重合助剤と言われているものについては、最終製品中に残存することを意図するものではないというものが大半ですので、このようなものはリストによる管理を行うものではなくて、必要に応じて従来のリスク管理方法で管理をしていきたいと考えています。言わんとするところは、従来、ネガティブリストと言われる特定の危害要因について、規格基準を設けて衛生を確保していくという考えでやってきていますので、仮にそのようなものが将来的に確認されるような状況があれば、その折にはその方法論で確認し、そして規制を検討していきたいというものです。
4つ目の○ですが、こちらは色材に係るお話です。色材については諸外国の規制の状況等、また国内の管理の状況を踏まえまして、従来から規制されている規制のレベル、内容をそのまま維持したいと考えています。現在の食品衛生法第18条の規定に基づきまして定められている告示第370号規制については、一般規則として指定着色料を使うことを認めています。さらには溶出・浸出して食品に混和するおそれのない加工がある場合については、その規定が適用されないとなっています。その考え方を導入し、この4つ目の○の1、2にお示ししている内容で、包括的な規律によりポジティブリストを作成したいと考えているところです。
5つ目の○は、現在、物質ごとの添加量で管理することを基本にしたいと考えています。先ほど世界的なポジティブリストの状況として、何を対象にしているか帯グラフを御覧いただきましたが、その中にアメリカ型とヨーロッパ型の規制があります。アメリカ型は添加量型、そして溶出量型規制が欧州の規制となっていて、いずれかの形を世界各国では採用しています。日本の場合には過去からの経験等も踏まえ、今回、添加量という形で規制をしていきたいと考えています。
6つ目の○ですが、合成樹脂をどのようにリストに載せていくのかという点については、その特性とか使用実態を踏まえて幾つかの区分にグループを作り、そのグループによる管理を考えていきたいと考えています。具体的には以降の資料で御説明いたします。
次に、2ページの3.ですが、本件については先ほど御説明しましたとおり食品安全委員会へ食品健康影響評価をお願いし、その評価結果を踏まえて、次回以降の本審議会において御審議いただくことを考えているものです。
次に3ページ目を御覧ください。現在、器具・容器包装の規格基準については、食品衛生法第18条に基づきまして規定がなされています。その規定については、現在、法律の中の2か所に収納されていて、1つが左側にございます乳及び乳製品の成分規格等に関する省令、いわゆる乳等省令と呼ばれている部分で省令第52号とも呼ばれているものです。もう1つが、食品、添加物等の規格基準、一般的に告示370号と呼ばれているもので、この2か所に収納されていることがお分かりいただけると思います。
次に、4ページ目を御覧いただくと、先ほどお話をしたアメリカ型とヨーロッパ型の御説明をこちらで表しています。上がアメリカにおける管理、下がヨーロッパにおける管理で、真ん中に出発物質モノマーから食品(最終製品)という商流がございます。この流れの中に、アメリカにおいては製造側での添加を管理することにより、溶出量の制限を行うという規制が導入されている。これがアメリカ型の規制です。対しまして、下半分はEUにおける管理で、最終製品からの溶出量を制限することにより管理することになっています。ですから、商流の上で見ますと川上側に位置する管理方法がアメリカ型の規制、川下側で管理する方法論を取っているのがヨーロッパ型の規制で、これが世界各国で導入されているポジティブリスト制度の2つの大きな形になっています。
次に、5ページ目です。先ほど構成する要素のどのような観点から検討しているのかをお話しましたが、器具・容器包装に残るものを対象とすることがベースになっています。このため出発地点としては先ほども御説明しましたが、合成樹脂の構成要素となっている基ポリマーという点を1つ掲げています。さらに、この基ポリマーに添加され、なおかつ最終製品への残存を意図して使われているもの、この図の中で言うと添加剤等のa、b、cという部分は、最終製品における残存を意図して使っているものに該当してきますので、これはリストに収載するものとなります。対しまして、基ポリマーの前にございます反応制御剤とか、添加剤等dという部分については最終製品への存在を意図しない。または残らないというものになってきますので、当然ながら管理の対象からは外れることになります。このためリストには収載されないものとなります。
次に、6ページ目を御覧ください。これがポジティブリストを構成する構成要素の最後に説明したグループというものです。概要に書いていますけれども、基ポリマーをその特性や使用実態を踏まえて樹脂を複数の区分に分類し、その区分に応じた添加剤の添加量の使用を決めるという考え方です。目的としてはここに3点ございますけれども、添加剤の移行を管理し、その使用の自由度を確保するという点や、樹脂と添加剤の組合わせというものは、総じて言うと各企業の技術的なノウハウの部分になっています。ですから、非常に守秘性の高い情報となるわけで、このような守秘性の高い知的財産を保護することもできるというものです。さらには、告示を簡素化することで簡便化も図れるというメリットもございます。
イメージは、その下に書いている消費係数と樹脂の特性を組み合わせて考えるものですが、具体的には次の7ページを御覧ください。こちらがそのグループ化の案です。概要にございますけれども、基ポリマーの特性や使用実態を踏まえて樹脂を複数の区分に分類し、それに伴った添加量の規制を行うものです。出発点が左側の一番上ですが、ここから出発し、右側に区分5、6、7、4、1、2、3という順番で並んでいますが、最初に消費係数の大きい物質を抽出しています。消費係数は一番右側に書いていますが、上から0.25、0.16等々と書かれている部分です。このように消費係数の大きいものをまず取り出し、さらに樹脂の特性として塩素系の樹脂を区分4に包含しています。さらにガラス転移温度または吸水率というものを使いながら、区分1、2、3という形に分類していきます。このように分類すると、消費係数の大きい区分5、6、7には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、PETが入ってきます。また、塩素系の樹脂としては、塩化ビニル、塩化ビニリデンが含まれてきます。区分1は非常に対摩耗性等に強い特殊なプラスチックになってきますが、このような区分に入るものが、主にエンジニアリングプラスチックと言われているものに該当します。さらに吸水率等で区分した結果として、区分2にオレフィン等、区分3にポリエステル、ポリアミド等が区分されてきます。
この区分を使って次の8ページ目ですが、ポジティブリストとしては2表を考えているところです。第1表が(1)の基ポリマーと呼ばれている部分です。基ポリマーが、どのようなモノマーやコポリマーから構成されているのか。これによって樹脂を特定します。特定された樹脂については、どのような食品に使うことができるのかというお話とか、熱耐性がどれぐらいあるのか。こういう点についての情報を列挙した上で区分を確定します。確定された区分に従い、今度は下の(2)にある添加剤・塗布剤等という部分において、特定の添加剤、ここでは一番上にaaaというものでお示ししていますが、この添加剤については、その横にある区分1~7、これが先ほどのフローチャートの1~7に該当するもので、1については1.0%の使用が可能、2も同様、3、4は使えないという形でリストを構成していきたいと考えているところです。資料2-2の説明は以上です。
次が、資料2-3になります。こちらも次回以降に御審議いただく事項となります。本日は報告のみとなります。資料2-3については、こちらも食品衛生法第18条第3項新設条文の中の下半分のパラグラフの中に書かれている、「人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」についてのお話です。この「人の健康を損なうおそれのない量」については、1.のパラグラフの2つ目のセンテンスに書いていますが、リスク管理等における実効性の観点等を踏まえながら検討する必要があると考えていて、私どもとしては、器具・容器包装から溶出又は浸出する物質の食事中濃度により規制することが適切ではないか、と考えているところです。当然、その一定量の数値については、これからリスク評価依頼を行い、食品安全委員会において食品健康影響評価が行われるものですので、現時点でその値が幾つかということを御説明することはできませんが、依頼の観点としては監視や管理を行う。その観点から疑似溶媒中の濃度、要するに抽出溶媒中の濃度によって規定することが適切ではないかと考えているものです。
2.は、今のお話ですけれども、この量につきましては先ほどもお話したとおりで、食品安全委員会のリスク評価が必要となっているものですから、その評価結果を経た後に、この審議会において御検討いただこうと考えているものです。その後に付いている資料につきましては、先ほど御説明した資料の再掲ですので必要に応じてお使いいただければと思います。資料2-1から資料2-3までの説明は以上です。
○大前部会長 ありがとうございました。資料2-1~2-3について、報告をしていただきました。審議事項となります告示の具体的な審議は、今後行うということですが、今回の資料2-1~2-3の報告事項については、御意見等あるいは御質問がありましたら、どうぞよろしくお願いします。いかがですか。
○尾崎委員 資料2-1の対象となる合成樹脂、材質について教えてください。これまで様々な検討会が行われ、規制に関する検討会では、対象となる材質について、合成樹脂でも熱可塑性と熱硬化性は少し別の取り計らいをされていたかと思います。熱硬化性樹脂については、諸外国の状況や業界団体による自主管理の状況等を踏まえて、制度導入時期や方策に十分配慮すべきであるとされていたかと思います。
また、資料2-1の最初のページに「事業者団体による自主管理の取組の実績があること」とも書かれていますが、熱硬化性樹脂についての状況は、どのようなものだったのか。また、スライドの2番、2ページのスライドには、現在、熱硬化性樹脂には、業界自主基準がないようにも見受けられますが、円滑な施行に向けてどのような配慮を考えておられるのか、教えてください。
○大前部会長 いかがですか。
○事務局 確かにそちらにお示しをしている棒グラフ、アメリカやヨーロッパ、そして日本がどこまでの材質を対象としているのかという表ですが、こちらを御覧いただきますと、従来から自主基準ではありますが、ポジティブリストに取り組んでいただいており、それは国内における3つの団体が主体となっております。これは御存じだと思いますが、ポリオレフィン等衛生協議会、塩ビ食品衛生協議会、塩化ビニリデン衛生協議会です。これらの3団体については、おおよそ約半世紀にわたってポジティブリストというものを作り、拡充し、管理を行ってきておりますので、そのような帯グラフになっているわけです。
対して熱硬化という部分についても、これは従来から業界においては衛生管理の徹底を図ってきていただいたところです。今回、私どもが新しく導入するポジティブリストという制度に向けて、熱硬化性樹脂に関係する団体の皆様におかれましても、ポジティブリスト化を進めるということで、現在、作業を頂いているところです。
ですから、その円滑な施行という観点で言いますと、業界側の御協力を得られているという状況を踏まえて、今回、合成樹脂の範疇に熱硬化性樹脂という部位も含め、ポジティブリスト化を進めていくという決定をし、作業を進めているところです。
過去の状況はどうだったのかと言われますと、正にそちらに書いてある図に示している状況が過去の状況であるということではあります。そして、円滑な施行に向けた対応はどうなっているのかという後半の御質問については、関係業界団体の御協力を得ながら、現在進めているところでして、最終的には、熱硬化という分野も含めて合成樹脂というものを対象にポジティブリストを施行できればと思っております。
○大前部会長 よろしいですか。
○尾崎委員 追加でいいですか。
○大前部会長 どうぞ。
○尾崎委員 接着剤とコーティングについても、同様にということなのでしょうか。
○事務局 接着剤と言われているものですが、私どもは、接着剤というカテゴリーというよりは、合成樹脂を接着剤として使っているというものを対象とすることを考えているものです。それは、先ほどの図柄の中でお示しをしているものであり、当然ながら、接着剤層をヒートシール等により熱癒着させるという方法論もあるわけです。その際に、食品接触面に合成樹脂の薄い層があって、それが食品に接触することも当然あるわけです。このようなものは、対象とするという考えの下に、こちらも関係業界団体と調整等をさせてもらいながら作業を進めているところです。
あと、コーティングの部分は、多分、御質問の向きは、熱硬化性樹脂に含まれる部分のお話ではないかと推察するのですが、こちらも対応としては同様です。
○大前部会長 よろしいですか。
○尾崎委員 はい。
○大前部会長 そのほかの御質問あるいは御意見はいかがですか。特にありませんようでしたら、資料2-4に移りますが、よろしいですか。では、資料2-4の説明をよろしくお願いします。
○事務局 資料2-4を御覧ください。こちらは先ほど条文の中で説明をいたしましたが、新設条文の第50条の3と第50条の4、これに該当するものです。第50条の3が製造管理規範、こちらで管理をするものです。第50条の4は情報伝達に係る部分です。ですから、表題についても、「改正食品衛生法に基づき定める製造管理基準に関する省令及び情報伝達に関する省令」という形になっております。
この1.に書いておりますものが、冒頭で説明した内容です。法律条文に基づく中身であるということです。そして2.が、こちらも第50条の4ですので、これは情報伝達です。その内容については、厚生労働省令で定めるとなっておりますので、これは省令として何かを定めなければいけないというものです。
例えば、これらの製造管理規範については、平成27年に調査研究を頂き、取りまとめていただきました製造管理に関するガイドラインがあります。このガイドラインは、国際的なルールとか国内の実態等、これを踏まえてお作りを頂いたもので、国内の器具と容器包装の製造を行っている事業者を幅広くカバーできるものと考えているものです。つまりは、このガイドラインを参考とし、これを基に製造管理規範については検討を進めていきたいと考えているものです。
4.ですが、本件については、今後、省令化に向けた必要な手続を進めるもので、こちらは報告事項になるものです。
では、そのガイドラインの中身として具体的に何があるのかを2ページの資料でお示しをしております。第50条の3の中には、第1項第一号、第二号があり、第1項第一号が一般衛生管理規則に該当するものです。第二号が適正製造管理と言われている部分になりますので、その分野を右側の四角囲みで書いておりますが、○がこの第50条の3第1項第一号に該当するもの、●が第二号に該当するもの、□が第50条の4の規定に該当するものです。お作りいただきましたガイドラインを項目ごとに並べますと、2ページに表している図柄になっており、その中身を各要素で区分をいたしますと、その項目ごとの頭に付しております○、●、□という形で区分ができるものとなっております。
内容については、雑ぱくではありますが、管理システムの構築と運用、その下に1~4まであり、1が人員、施設等、2が安全な製品の設計と品質の確認、3がサプライチェーンを通じた情報の伝達、4がトレーサビリティーという形になっております。これらの要素を今回の第50条の3に基づく製造管理規定の中に、私どもとしては盛り込みたいと考えているものです。
3ページです。こちらは、器具・容器包装の製造の流れと情報伝達と書かれており、内容としては、第50条の4に該当とするものです。製造の流れをまず上に書いており、モノマーから出発し、最終製品に至るという流れを書いております。それを絵柄から文字面に起こすと、その下に書いております製造工程管理というものになり、このモノマーから出発して食品に至るという流れの中において、守秘性の高い情報をいかに川上から川下に連結をして情報を送り出していくのかということが必要になります。
特に、情報伝達については、第50条の4第1項において、食品用器具・容器包装製造事業者は、そのポジティブリストの適合性について説明しなければならないという義務化が今後なされます。つまり、義務を履行するためには、上流側から情報を得るわけで、このために第50条の4第2項においては、食品衛生法の枠外にあります原材料の製造事業者の方に対し、情報提供の努力義務を書いたもので、実際に製造事業者は第50条の4第2項を用いて、原料製造者に対してその情報提供を求めることが今後発生すると考えているところです。そのようなことをこの図柄の中から読み取っていただければということで添付している資料です。
4枚目の資料です。こちらが先ほどお渡ししております第50条の3に規定する適正製造管理の中身として、我々が考えているものです。内容としては、一般衛生管理とその下にあります「食品用器具又は容器包装を適正に製造管理するための取組」という2つのパラグラフから成り立っております。上には更に括弧書きで記載しておりますが、人員、施設・設備、これに関するもの、更に括弧書きで記録等という部分に分かれております。トレーサビリティーの前提条件となる記録ですので、こちらは一般衛生管理ではありますが、確実に実施をしていただく必要があると考えているものです。このため、記録等の2番や3番においては、原料として、3番においては製品について、使用や廃棄の記録又は保管、出荷、廃棄の記録、こういうものをしっかりと残していただくことを規定しております。
また、その下にあります適正に製造管理をするための取組については、1つがトレーサビリティー、もう1つが安全な製品の設計と品質の確認というものです。トレーサビリティーについては、作った製品を保管して検証できる状況も必要ですので、そういう旨が書かれております。また、対処方法をきちっと定めておく必要性がありますので、そのようなことをトレーサビリティーの1番、2番という形でお示しをしております。品質確認等々については、必要に応じてですが、食品衛生上の問題の可能性を考え、管理が必要な要因についてはちゃんと特定するとか、管理が必要な要因が仮にある場合は、管理の方法とか管理のレベルを設定し、適切に管理をしてくださいというものです。
さらに、次のページでは3、4、5、6と続いております。これが安全な製品の設計と品質確認に続いているもので、原料の話とか、後は製品の話等々があります。また、最後の6番ですが、これはいろいろな管理水準がありますが、そういうものを満たさないものとか、又は市場から回収されてしまったとか、こういうものについては、対処方法をきちっと定めておかないと適正な対処ができないということもありますので、当然ながらそのような方法論は定めていただくということですし、定めたものについては、当然それに従って対応いただくということ等を書いているものです。ですので、この規定は、ガイドラインに基づいて私どもで作成したもので、これはおおむね、既に国内の事業者の皆様方であれば対応がされているものと理解をしている範囲です。
6ページを御覧ください。こちらが情報伝達の部分に関する省令の骨子案です。1つ目について、私どもは、今回、ポジティブリストを作るわけですので、このポジティブリストに適合している情報が必要だということは言えると思います。さらに2番ですが、何に対して情報を渡しているのかと、情報の対象が明確にならないと、これは全く意味がないわけですので、情報の対象となっているものが何かが確認できるもの、例えば商品の名前とか、商品のロット番号とか、そういう形で何に対して情報を出しているのか、その対象物を確認できる情報、こういうものが必要であると考えております。さらに2番目ですが、事業者間でこのような情報の提供が可能となる体制を、あらかじめ作っておく必要があるということですので、この点についても構築に努めていただき、適正に情報の伝達を行っていただくということです。3番目は、情報ですので変わることもあり得ます。変わった場合には、速やかに変わったという情報について御連絡を頂くというものです。説明については以上です。
○大前部会長 ありがとうございました。ただいま骨子案の説明を頂きました。今後、この骨子案は、省令化に向けた手続を行うということですが、資料2-4の骨子案等の御説明について、御意見あるいは御質問をよろしくお願いします。いかがですか。
○有薗委員 トレーサビリティーという言葉についてです。食品の所にもありますが、もともと牛肉等食の安全の所で出てきたものではありますが、ここで容器の情報提供でのトレーサビリティーは、そこに何かこの仕組みの中で少しトライしているというか、新しい流れがあるとか、作り替えているとか、そこについてはものすごく重要に考えているとかというポイントはあるのでしょうか。
○大前部会長 事務局はいかがですか。
○事務局 御質問ありがとうございます。ただいまの御質問は、資料4ページにお戻りいただければと思っております。確かにトレーサビリティーについては、基本的にはワンバックワンフォワードと言われている仕組みで構成されていると思っております。つまり、当該者が情報をしっかり管理をして持っていることが重要で、そのような観点から4ページの適正製造管理規範の中に記録等という部分を作り、ここでこの記録を取ることの義務をかけるということです。この義務による記録を保管することにより、チェーンのように遡り調査をかけることができるようになり、これが器具・容器の世界で言うトレーサビリティーを確保できるのではないかと考えています。従来は、製造管理規範がなかったものですので、そのような状況下でやると言われても、なかなか難しいのかということは理解しますが、今回このような規範を導入することにより、実効可能性がある程度は担保できるのではないかと考えているところです。
○大前部会長 よろしいですか。そのほか、御意見あるいは御質問はいかがですか。特にないようでしたら、今日の議題1、2は終了ですので、よろしいですか。
どうもありがとうございました。今回は食品衛生法の改正の概要から関連する下位法令について、事務局から説明をしていただきました。事務局は、本日幾つかありました御意見を参考にされて、政省令あるいは告示の作成の検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。委員の先生方においては、今後、告示の審議がありますので、引き続きよろしくお願いします。
次回予定について、事務局から説明してください。
○事務局 次回の本部会については、改めて委員の先生方に御連絡をさせていただきます。また、机の上に必要事項連絡票をお配りしておりますので、そちらを御記入いただいた上で、タブレットと同じように机に置いたまま御退室いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○大前部会長 また後日、日程の調整がありますので、よろしくお願いします。それでは、本日の器具・容器包装部会はこれで終了します。どうもありがとうございました。

 

 

(了)
<照会先>

医薬・生活衛生局食品基準審査課
容器包装基準係 03-5253-1111(内線:2487)

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