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2015年10月30日 平成27年度第1回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録

保険局医療課

○日時

平成27年10月30日(金)
 13時00分~15時00分


○場所

全国都市会館 第2会議室(3階)
 東京都千代田区平河町2-4-2


○出席者

委員

福井分科会長、小山分科会長代理、秋下委員、渥美委員、和泉委員、井原委員、岩中委員、大滝委員、斎藤委員、佐々木委員、真田委員、重藤委員、田中委員、福田委員、本田委員、松野委員、松村委員 、米山委員

事務局

宮嵜医療課長、眞鍋企画官 他

○議題

1 平成27年度 医療技術の評価(案)について

○議事

○福井分科会長

 それでは、時間になりましたので、ただいまより平成27年度第1回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。

 大変お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 最初に、出席状況でございますが、本日は、北川委員、鈴木委員の御欠席、また、大滝委員からおくれて到着されるとの御連絡をいただいております。

 和泉委員、秋下委員、小山委員は、間もなく到着されることと思います。

 議事に入らせていただく前に、前回の会議以降、事務局に人事異動がありましたので、御紹介をお願いいたします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 それでは、事務局を紹介させていただきます。101日付で着任をいたしました企画官の眞鍋でございます。

○眞鍋医療課企画官

 眞鍋でございます。よろしくお願いいたします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局の紹介は以上でございます。

○福井分科会長

 続いて、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 お手元の資料を御確認ください。座席表、議事次第、委員名簿、運営要綱に引き続きまして、資料、右上のクレジットで技-1、技-1(参考)、分厚い技-2、技-3、技-3(参考)、技-4、最後は技-5となっております。

 また、机上に医療技術評価提案書を6冊、それぞれ置かせていただいておりますので、御確認くださいませ。

 乱丁、落丁等ありましたら、お申しつけください。

 事務局からは以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、本日の議題は「平成27年度 医療技術の評価(案)について」となっております。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございます。

 では、資料技-1から御確認ください。「医療技術の評価(案)について」ということで、これまでの検討状況から今後のスケジュールまで記載させていただいております。こちらに基づいて御説明を差し上げます。

 「1.これまでの検討状況」でございますが、平成28年診療報酬改定に向けて、本診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会におきまして、学会等から提出をいただいた医療技術評価・再評価提案書に基づきまして、新規医療技術の評価及び既存技術の再評価に関する検討を行っているところでございます。

 具体的には、本年3月から6月にかけまして、学会等から合計886件、重複分をカウントいたしますと914件の提案書が提出されたところでございます。今般、学会等からのヒアリングや外部有識者の意見を踏まえ、重複を確認し、有効性や安全性等に関する提案書の記載をもとに事務局が評価(案)を作成したところでございます。

 「2.評価の対象技術について」でございます。

 まず、(1)でございます。医療技術評価分科会における評価対象技術につきましては、特掲診療料第1部医学管理等から第13部病理診断まで、歯科の点数表でも同様でございます。こちらに該当する技術として評価されている、またはされることが適当な医療技術としてまいりました。

 その際、医学管理等の提案につきましては、原則として、医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができるものに限るというふうにしていたところでございます。

 (2)平成28年診療報酬改定からは、以下の取り扱いということを加えてございます。

 マル1番が、既に先進医療において実施されている技術に係る提案書を提出できるということといたしまた。

 ※で書いてございますが、提出された場合の取り扱いにつきましては、医療技術評価分科会としての整理等につき、今後議論するというふうにしていたところ。また後ほどこちらについては別の資料にて御説明を差し上げます。

 マル2番、新規特定保険医療材料等により、次回改定まで既存の診療報酬項目が準用されるものについては、提案書を提出できるということを明確にしたところでございます。

 「3.医療技術の評価(案)について」ということで、今回御審議いただく内容でございます。

 本日の分科会におきまして、事務局が作成いたしました評価(案)に基づいて個別の提案書について振り分けを行うということでございます。

 その結果、「マル1幅広い観点から評価が必要な技術」と分類されたものについて、今後この分科会において評価を行っていただいた上で、その結果を中央社会保険医療協議会総会へ御報告するということといたします。また、「マル2医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」につきましては、評価の対象外とするということにしてはどうかと考えております。

 ページをおめくりいただきまして、2ページに書いております【評価(案)概要】という表のところをごらんいただくと、件数とともに記載をしてございます。医療技術評価・再評価の提案件数は総数で886件、重複分をカウントいたしますと914件でございました。

 「マル1幅広い観点から評価が必要な技術」とカテゴライズしたものが737件。内数といたしまして、新規技術が272件、既存技術が465件というところになってございます。

 その下の行でございますが、「うち、先進医療において実施されている技術」として15件。全体のうちでございますが、「平成26年診療報酬改定以降に新規保険適用された特定保険医療材料等を用いる技術」として4件ございました。

 マル2番の分類といたしまして、「医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術(評価対象外)」というものが149件ございました。内数として、「基本診療料及び既存技術と比較してアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができない医学管理等の領域におる提案書」が114件。「使用する医薬品及び医療機器等について医薬品医療機器等法上の承認が確認できない技術」として20件という内訳になってございます。

 1つ上の○のところにお戻りいただきますと、「なお」と書いてございますが、平成26年診療報酬改定以前に設けていた「エビデンスが不十分と考えられる技術」という分類については、いずれにしても、当分科会において評価の対象外とはしていなかったことから、今回は「マル1幅広い観点から評価が必要な技術」ということにまとめて整理をさせていただいているところでございます。

 次の3ページのところに前回改定の検討状況の資料もつけてございますが、前回はマル1番、マル2番、マル3番ということで、マル2番の「エビデンスが不十分と考えられる技術」というカテゴリーがあったところでございますが、これも含めてこの分科会では評価をしていただいていたところでございますので、今回「エビデンスが不十分と考えられる技術」というのは、「幅広い観点から評価が必要な技術」というところにまとめて分類をさせていただいているというところでございます。

 2ページ目の表のすぐ下の注のところをあわせて御説明をさせていただきます。

 注1と書いておりますが、評価対象外というカテゴリーの中の部分の説明でございます。基本診療料及び医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができない医学管理等の領域における提案書については、先ほどから繰り返しているとおり、医療技術評価分科会の評価の対象外と考えでございます。「なお」と書いてございますが、在宅医療、精神医療またはリハビリテーション等のテーマにつきましては、中医協総会においても個別事項として議論がされているところでございます。

 また、注4でございますが、件数につきましては、今後の検討の進捗によって若干の変動があり得るということをお含みおきいただければと思います。

 「4.今後のスケジュール」でございますが、平成28年1月下旬を目途といたしまして医療技術評価分科会としての評価を取りまとめて、結果を中央社会保険医療協議会の総会へ御報告し、中医協総会において最終的な保険導入について検討を行っていただくという手順になってございます。

 この評価につきましては、先生方の委員名簿と運営要綱をおつけしておりますので、そちらも少し御確認をいただければと思います。運営要綱の中にこの組織で本委員と専門委員の位置づけというのが記載してございますので、そちらもあわせて今回御説明をさせていただきます。

 「組織」の第2条というところでございますが、「診療報酬調査専門組織は、常時、診療報酬調査専門組織に参加し診療報酬体系の見直しに係る技術的課題に関し意見を述べる委員(本委員)」という位置づけと、そのすぐ下、「必要に応じ個々の技術的課題について参考となる意見を述べる委員(専門委員)」という位置づけがございます。

 専門委員の会議への参加等につきましては、第5条でございますが、「専門委員は診療報酬体系の見直しに係る技術的課題に関し、分科会長又は本委員が必要と認めた場合に限り、会議に参加し、意見を述べることができる」としておりますので、今後評価していく上において必要とお考えいただきますれば、専門委員の御助言をいただくという形を考えているところでございます。

 続きまして、技-2の資料をごらんください。「医療技術の評価(案)」という分厚い資料でございます。これは、先ほど申し述べました886件の提案書、重複をカウントいたしますと914件でございますが、それについて事務局の方で分類をし、取りまとめをさせていただいたものでございます。

 ページ目を1つおめくりいただきまして、「目次」と書いてございます。

 「マル1幅広い観点から評価が必要な技術」ということで、737件。1ページから29ページにわたって記載がございます。

 「マル2医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術」、こちらは149件ございます。30ページから35ページまでそれぞれ記載してございます。

 また、「他の提案書と併せて取扱う提案」、いわゆる重複提案でございますが、こちらが36ページから37ページということで整理をしてございます。

 後ほどまたこちらについては御確認をいただければと思っております。

 資料の説明を続けさせていただきますが、技-1(参考)という形でつけておりますのが、既に2月24日のこの分科会のほうでお示しをいたしました、今回の提案書のフォーマットになります。「医療技術評価提案書表紙」というところから始まって、7ページまでが提案書、実際こういったもので今回御提出いただいたというフォーマットになってございます。

 また、8ページ以降は記載要領ということで、こういったことに留意して記載してくださいという形の指示紙でございます。

 このまま資料の説明を続けさせていただきます。技-3の資料をごらんください。「先進医療に係る提案書の取扱いについて」というものでございます。先ほども少し触れましたが、先進医療に係る提案書については、今回から提出できるという形にしておりましたので、その整理について、この資料において御説明を差し上げます。

 1の「背景」ございますが、先進医療については、これまでの診療報酬改定では、医療技術評価分科会における評価の対象外としてきたというのが1つ目の○に書いてございます。

 2つ目の○ですが、平成28年診療報酬改定に向けては、既に先進医療において実施されている技術に係る提案書を提出できることとした上で、実際に提出された場合の取り扱いについては、関連学会と先進医療の実施医療機関との連携も踏まえ、医療技術評価分科会としての整理等につき、議論することとしておったところでございます。

 これまでの検討状況は、先ほどの技-1の資料でも触れたところでございますが、改めて御説明をすると、3月から6月にかけて学会等から提出された医療技術評価提案書のうち、既に先進医療において実施されている技術に係る提案、既に先進医療Bとしての実施が終了している技術に係る提案を含みますが、こちらは15件でございました。こちらについて学会等からのヒアリングや外部有識者の意見聴取も行った上で、提案書の記載について、有効性や安全性等の観点から整理を実施し、先ほども御説明したとおり、幅広い観点から評価が必要な技術ということで分類をしていたところでございます。

 一方、先進医療につきましては、先般9月3日の先進医療会議で「先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法について」という整理が確認をされて、実施医療機関から報告された実績に基づく詳細なデータを用いて、保険導入等及び施設基準の見直しに係る議論を行っていくこととされております。

 なお、既に先進医療において実施されている技術に係る提案書には、先進医療の実績に関する資料は、必ずしも求められていなかったところでございます。

 3ポツは、今回のご提案「今後の対応(案)」でございますが、先進医療に係る提案書の取り扱いについては、以下のとおりとしてはどうかというふうに2つ掲げてございます。

 まず、マル1でございますが、先進医療については、個々の技術で報告された実績に基づく詳細なデータを用いて議論することが必要であり、先進医療開始時の検討も行っていただいている先進医療会議において議論するほうが適していると考えられることから、保険導入の可否を従前どおり先進医療会議で検討することとする。

 マル2、先進医療会議における保険導入等に係る議論の際に、関連学会より提出された資料をあわせて用いることができるよう、当分科会において整理した医療技術評価提案書及び学会等からのヒアリングに関する資料、これは追加で提出された文献等も含むものでございますが、これを先進医療会議に対して提供することとするというふうな案を今回御提示しております。

 なお、2ページでございますが、「既に先進医療で実施されている技術に係る提案」ということで、今回15技術について御提案があったものを、別途この紙の中で整理をさせていただいて、御提示をしております。

 技-3(参考)につきましては、先進医療会議で9月3日に提示をされ、御了解をいただいた「先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法について」ということで、細かな評価の流れについて記載をしてあるものでございます。

 最後、技-4の資料をごらんください。ここまでの資料の内容を総合して、今回の「医療技術評価分科会における今後の進め方について」というものを図表の形でまとめさせていただいております。

 一番左に「学会等からの提案書」ということで、オレンジの枠で囲っているところでございますが、こちらを評価(案)ということで、今回取りまとめを事務局のほうで作成をさせていただきました。当分科会において、黒い太い枠でございますが、個別の提案書について振り分けるとともに、以下の類型について確認ということで、幅広い観点から評価が必要な技術、先進医療技術、評価対象外というカテゴリーについて御了解をいただければ、この幅広い観点から評価が必要な技術については、委員による事前評価のプロセスに進んでいただくというふうに考えてございます。

 また、先進医療技術については、先進医療会議において議論ということで、提案書等を提供という形になろうかと思います。

 評価対象外については、※印でも書いてございますが、医療技術評価分科会における評価の対象としないものという整理になると思っております。

 右のほうへ進んでいただくと、「第三回 平成28年1月予定」としてございますが、この医療技術評価分科会として評価結果を取りまとめていただくと。その際には、保険適用する優先度が高いと考えられる技術、医療技術評価分科会としては、今回改定では対応を行わない技術、また、評価対象外というカテゴリーに分かれるだろうと考えてございます。

 最終的には中医協総会へ報告をし、御検討いただくというプロセスになると考えでございます。

 事務局からの資料の御説明については以上です。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ただいま御説明がありましたように、最後のポンチ絵によりますと、評価対象外が提案の149件でよろしいかどうかをこの会議で決めていただくこと、それから先進医療技術の対象になっているものについて、この取り扱いでよいか、の2点について本日の会議で決めていただくということになると思います。

 最初に、この分科会における評価の対象とならない技術が適切かどうか考えていただく時間を設けたいと思います。5分から10分時間をとりたいと思いますが、先生方の表情を見て議論を再開するかどうか判断したいと思います。特に関係する項目のところにつきましては、評価対象外にしていいかどうか、ぜひ目を通していただければと思います。

 それでは、どうぞよろしくお願いします。

(資料読み込み)

○福井分科会長

 いかがでしょうか。

 「医療技術の評価(案)」の30ページから34ページが「基本診療料及び既存技術と比較してアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができない医学管理の領域における提供案」、35ページが「医薬品医療機器等法上の承認が確認できない技術」ということになっておりますが、評価の対象にしたほうがいいのではないかと思われる項目がございましたら、御発言いただければと思います。岩中委員、どうぞ。

○岩中委員

 では、早速口火を切らせていただきます。32ページの下から8つ目「短期滞在手術等基本料3の改正」というのが日本眼科医会から、それから33ページの一番下、日本臨床外科学会から出ています。「短期滞在手術等基本料3」というのは、26年度改定で突然出てきましたいわゆるDRGのような形の包括診療でございますが、これに関しましては、実は基本診療料にかかわる領域であるとはいうものの、技術を主に審議する外保連で相当ディスカッションが行われました。特に片側の手術と両側の手術を一緒に点数にしたことで、今まで両側を一度に手術をしていた4泊5日ぐらいの手術をあえて2回に分けて、片側を2回とるということをやる施設がそれなりにあったというふうに聞いています。実際あると思います。掛ける2になって、これは両側を同時にしてあげることで、患者さんにとっては非常に利益があるわけですし、経済効果もよろしいですし、これは基本料の領域とはいえ、外科系の技術のあり方、片側と両側を同時にやれる手術なのかどうか、そういうところから考えると、これは基本診療料の領域とはいえ、やはり別途に、あるいはこの分科会で審査、あるいはそれなりのところでもう一度再検討していただくべき案件ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

○福井分科会長

 事務局のほうからいかがですか。

○井口医療課課長補佐

 事務局でございます。

 事実関係をまず御説明いたしますけれども、今、委員おっしゃいましたように、本件については基本診療料に関する御提案ということで、今、こちらのカテゴリーに入っております。

 それから、短期滞在の部分については総会の中でも議論が行われておりまして、その中でも今、御指摘いただいたようなお話は出ているところでございます。ただ、もちろん技術に関することということで、特段医療技術評価分科会の中で議論が必要というところを全く妨げるものということではございませんけれども、状況としてはそのようになってございます。

○福井分科会長

 どうぞ。

○岩中委員

 私としては、ここでやってほしいというわけではなくて、かなり大きな問題を引きずっている領域の案件であるので、しかるべきところできちっと対応して検討していただければ、それで構わないと思っています。ですから、中医協の総会のほうで短期滞在手術料のあり方はどうか、片側と両側、本来なら入院日数で2つ山があったものを1つの山にしてしまったことでいろいろな問題が出ているのではないかというのは、外科医から見ても比較的わかりやすい話ですので、ぜひ御検討をお願いしたい。

○福井分科会長

 この点につきまして、小山先生、何か。

○小山分科会長代理

 その点に関しましては、入院分科会で議論が出まして、中医協総会にもう報告しまして、先生の考えているような方向に今、進んでおりますので、そこのところの議論をあえてここでしなくても僕はよろしいかというふうに考えていますけれども。

○岩中委員

 この分科会のテーマにするべきかどうかなのだけれども、こういうふうな形にして出されてしまって、これが審議されないままで、そのまま継続されるというのは困りますので。今、その事情を教えていただければ、それで十分でございます。

○小山分科会長代理

 二峰性が全部出ておりまして、幾つかありましたので、それはその方向性で今、議論されているから、それでよろしいかと思います。

 ついでに1つ。基本診療にかかわる提案は一切ここではしないという姿勢というふうに考えてよろしいのですか。

○福井分科会長

 どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございますが、先生の御認識のとおりでございます。基本診療料に係る提案につきましては、一律に30ページから35ページに分類させていただいているところでございます。

○小山分科会長代理

 わかりました。

○福井分科会長

 それについての討論は行われる場があるということですね。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 技-1の資料でも少し触れさせていただきましたが、特に基本診療料に係る提案につきましては、全てが全てどこかであるというよりかは、個別のテーマの中で、例えば中医協総会などで御議論する場というのがございますので、その中で一つ一つ課題を解決できればと考えているところでございます。

○福井分科会長

 ほかにはいかがでしょうか。岩中委員、どうぞ。

○岩中委員

 大変基本的なことをお伺いして恐縮なのですけれども、エビデンスが示せない医学管理料の領域に係る提案という形で、こういうふうな一覧表になっていますが、そもそも管理料というのは、提案しないと、どこがどういうふうな形で取り上げて評価をしてくださるものなのでしょうか。

○福井分科会長

 事務局、お願いします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございますが、ここの記載ぶりがやや不親切な部分があるので、少し説明を補足させていただきますと、先ほどの技-1の資料にも書いてございますが、技-1の1ページ目の「2.評価の対象技術について」というところでございます。(1)の下2行分でございます。「医学管理等の提案は、原則として、医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができるものに限る」としているところでございます。これは裏を返せば、医学管理全てを30ページから35ページの「エビデンスが示せない医学管理等の領域に係る提案」として整理しているわけではなくて、医学管理のうち、医療技術としてきちんとデータが示せるものについては御評価の対象になりますし、一方で、そういうふうな説明がなかなか難しかろうという部分については、30から35ページ目のような形で分類をさせていただいているところでございます。

○福井分科会長

 どうぞ。

○岩中委員

 ですから、逆にここにエビデンスがないからだめですよというふうな形でだめ出しされるみたいな形になって、それだったら出すのではなかったよという領域が、この管理料とかそういうものを厚労省の中あるいは中医協の関係の委員会の中でちゃんと考えているところがあって、こういうものはエビデンスが出しにくいけれども、これは必要だね、これはチーム医療だから当然だねというものを採択して、診療報酬に入れていってくださる委員会がちゃんとあるのであれば、私は何も言うところはないのですが、今回のように、エビデンスを出せる技術のものに関しては出してもいいよと言っておいて、エビデンスがないからだめですというと、だめ出しされたみたいで、こんなの、もう通りませんよみたいなにおいがしてしまうのですけれども、その辺に関して、もう一度別のところで取り上げますよというのはどういうふうな形になっているのでしょうかというのをお伺いしたい。

○福井分科会長

 小山先生から。

○小山分科会長代理

 私が答えることではないかもしれませんけれども、基本的にはその項目は各病院団体からダイレクトに要望書という形で厚生労働省へ持っていっています。だから、医学管理料にかかわる加算関係については、各病院団体ごとにも持っていくし、それから12の病院団体が集まったところからも持っていきますし、医療技術ということではなしに、そこで議論されていますので、十分そのタイミングはあるというふうに僕は感じております。

○岩中委員

 済みません。それを例えば行政のほうではどこで。病院会から出す要望は別として、これを採択しましょう、採択しませんという判断をしている委員会というか、協議会というか、そういうものはどこなのですか。

○小山分科会長代理

 そこから先は、厚生労働省のほうへ直接陳情しに行くわけですね。陳情した結果、中身が恐らくリーズナブルになれば、それが中医協総会の中に入ってくる。その順序でよろしいのではないかと思うのですけどね。どちらかというと病院団体の要望を厚労省が聞いてくれて、リーズナブルであるという判断をすると、それがその部会に入ってくる。そんな形でよろしいですか。

○眞鍋医療課企画官

 全体の中医協の仕組みの話でございますので、事務局から御説明させていただきます。

 まず、この分科会のミッションは、技術について、御専門の立場から将来にどのように持っていくかということを御審議いただくものです。確かに病院の体制ですとか、いわゆる技術に該当しないけれども非常に診療報酬上重要な項目というのがございます。それは先ほど分科会長代理のほうからも御発言がありましたとおり、我々は門戸は開いておりまして、病院団体というふうにおっしゃっていただきましたが、個別の学会からも個別に御要望はいただいているところでございます。

 それを事務局で整理いたしまして、例えば中医協でしたら、基本問題小委ですとか総会の場に、私どもとして議論に資する内容をそろえることができれば、そこで上げていく。そういうふうなプロセスを経ているものであります。

 ですので、技術以外のところに関しまして、ここで提案があったので、基本診療料に関しては、32ページからのところに入ってしまったから未来永劫だめかと言うと、そうではなくて、この技術を審議する分科会としては、この提案に関しましては審議しないけれども、それが十分評価するに値するものであれば、体制とかのことであれば、それは別途基本問題小委ですとか総会の場で議論させていただくということになるということでございます。

○福井分科会長

 よろしいでしょうか。

 何か技術でという話も本当のところは難しいですし、それから、これは大部分が学会から出ておりますので、確かに病院の立場からというのと少し切り分けがされているようには思いますけれども。

 真田委員、どうぞ。

○真田委員

 よろしくお願いいたします。

 今回エビデンスがないものは評価しない、除外されたということで、非常に困っているのです。といいますのも、確かに看護の領域から出ている数は、学会で多分13ぐらいなのだと思いますが、そのうちの8ぐらいがもうエビデンスがないということで、34ページ目の601103から609201は、全部看護の学会なのですけれども、全てエビデンスがないというふうに評価されてしまっております。確かに看護の領域というのは寝る、食べる、出すという療養上の世話の部分で、評価しにくいこともございますが、今、提案書を見せていただくと、エビデンスが出ていないものもあるのですけれども、例えば607101の下部尿路とか、その下の608101の糖尿病のハイリスク、それから1つ飛んで609201の内容をちらっと見てみますと、システマティックレビューがあったり、あるいはコホートがしっかりされている研究があったりということで、それでエビデンスがないということになっております。

 医師の先生方は、調査の対象者数も多いのかもしれませんけれども、看護では大きなスタディーは組みにくいもしその理由で、全て却下されているという状況では、何か復活させるする方法はないのか。エビデンスのレベルをどのように解釈したらいいのかわからないので、この点について御検討いただければと思います。

○福井分科会長

 何か御意見ございますか。エビデンスが一応記載されているということなのですね。

○真田委員

 エビデンスが記載されていないものも確かに看護の中ではあります。記載されていて、全部把握しているわけではないのですけれども、システマティックレビューがあるとか、文献がきちんと並んでいる、繰り返しになりますがその評価もされているということになってくると、エビデンスがないということに関して、どのような判断をしたらいいのかということです。

○福井分科会長

2796ページの下部尿路機能療法。整理番号607101につきましては、例えばエビデンスレベルは、非ランダム化比較試験というふうになっていますし。

○真田委員

 次も見ていただきたいのですけれども、糖尿病のほうのハイリスク指導のところ。

○福井分科会長

2801ページ目の糖尿病重症化ハイリスク指導料につきましては、エビデンスレベルは、2801ページの一番下ですけれども、システマティックレビューで、メタアナリシスまで行われているということで、これだけを見ますと、それなりのエビデンスがあるようにも思われますが。

○真田委員

 今、申し上げた3つに関してはエビデンスレベルが低いという理由が、ランダム化でしょうか。でも、非ランダム化でもそうせざるを得ない研究というのが多々あると思うのですね。

 そしてもう一点は、609201あたりの脳血管疾患リハビリテーションのところのエビデンスもシステマティックレビューが。

○福井分科会長

 どうぞ。

○渥美委員

 糖尿病学会の渥美ですけれども、今、真田先生御指摘の点、特に2801ページのほう、糖尿病重症化ハイリスク指導料というのは、糖尿病学会がもちろん関係しているのですが、このエビデンスがなかなかはっきりしない。誰が何をどうするかという具体的な詰めが若干この記載では。これは一緒にいて検討をそう深くしていないのですけれども、恐らくこのシステマティックレビューとなかなか完全に一致しない。誰が何をしたかというのは、日本の中で例えば透析予防とか足の重症化予防というのは既に通っていて、それはかなり具体的にフォーカスして、どういう要件の人がどういうふうに何分やるというのが決まっているのですが、たしか初診ですと、今の看護のほうでの特定疾患というか、30分かけてというのに該当してしまうので、これはダブるのではないかという点が、恐らく事務局サイドでの評価かなというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。

○福井分科会長

 もしここで御意見が一致しないようでしたら、一応評価の対象にしておいて、それで来年の1月ごろになるようですけれども、そこで最終判断されたらいかがかと思いますけれども。

○渥美委員

 それは先生おっしゃるとおりで、ここで今すぐ読むだけではなかなか評価できないので、今の点で事務局のほうから説明があれば、お願いしたいと思うのですが、よろしいですか。

○福井分科会長

 どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございます。

 基本的には今、分科会長がおっしゃっていただいたとおり、当分科会で取り扱いについて決さない場合には、評価を行う技術として戻していただくというところが順当な取り扱いなのだろうと思っております。

 個別について少しコメントをさせていただきますと、今、先生から御提示をいただいたのは、34ページの3つだったかと思います。607101の下部尿路機能療法、608101の糖尿病重症化ハイリスク指導料、609201の脳血管疾患等リハビリテーション料というところについて御提示をいただきました。

 ここでしっかり御議論をいただいて、戻すか、戻さないかというところを御決断いただければと思いますが、リハビリテーションというところにつきましては、先ほどの技-1の資料でもコメントをさせていただきましたが、全体として在宅医療、精神医療またはリハビリテーション等のテーマは、中医協総会においても個別事項としてしっかり議論をする場がございますので、そういった取り扱いも踏まえると、技術としてエビデンスの有無というところを御判断いただくというところがよいのか、もしくはそういったテーマの中で総合的に取り扱うというところがよいのかは一つあるかと思いますので、そういたしますと、前二者についてどのようにしていただくかというところで御議論をいただければと思っております。

○福井分科会長

 真田委員、どうぞ。

○真田委員

 ありがとうございます。

 看護の学会ところをぱーっと見ただけなので、エビデンスレベルがないものは確かにあったのですが、もうちょっと詳しく見せていただいてもよろしいでしょうか。本当にエビデンスがないものはこれだけだったのか。この3件、ちらっと見ただけなのですが。そこだけは調べていただいて、エビデンスが出ているものに関しては一度検討いただきたい。やはり排せつなど非常に重要な課題が今、超高齢者では避けられない問題ですので、ここら辺はぜひ御検討の余地があるのではないかと思っております。

○福井分科会長

 どうぞ。

○渥美委員

 糖尿病のほうもぜひ戻して、検討させていただきたいと思います。

○福井分科会長

 もしよろしければ、もうちょっと時間が必要ということでしたら。よろしいですか。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 先生、まさにその中身を見てというところのコメントをいただいておりますので、それでしたら、前段の「幅広い観点から評価が必要な技術」というところにこの3つをお戻しいただいて、しっかり中身の議論を1月に向けてしていただくというところでいかがでしょうか。

○真田委員

 よろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 時間がないのも事実だと思いますので、もしよろしければ、例えばこれから1週間以内くらいに、これは評価の対象にしたほうがいいのではないかという項目がございましたら、申しわけないのですけれども、分科会長と分科会長代理と事務局で相談させていただいて、それを評価の対象のほうに入れるという判断を任せていただければ。これから1週間以内に申し出がございましたら、そのような対応をするということではいかがでしょうか。

 時間的に大丈夫ですか。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございますが、日程的なところを少し補足させていただきますと、先生方の御評価いただく時間をある程度おとりをさせていただきたいと思う一方で、全体の改定のスケジュールもございますので、今日ご覧いただいて、また休みもございますので、週明けの中で御返答いただけると、分科会長と代理と御相談をするがとれるのかなと思ってございます。

○福井分科会長

 週明けには11月3日は含まないですか。11月2日の月曜日までということでしょうか。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 はい。

○福井分科会長

 それでは、時間的にはタイトかもしれませんが、関連するところをもう少しごらんになって、これは対象にしたほうがいいのではないかという点につきましては、事務局に御連絡いただければ、私たちでまた相談して、できるだけ評価の対象に入れる方向で判断をしたいと思います。

 それでは、最初の項目については、そのようにさせていただきたいと思います。

 続きまして、先進医療に係る提案書。どうぞ。

○秋下委員

 今、外れた部分のところですけれども、「ほかの事業と役割分担を整理した上で検討を行うべき事業」ということで、例えば34ページの一番下にあります老年医学会からの提案。これを見ると、地域包括ケアということが出ていて、ああ、そうかという感じではある。でも、実際中身がおわかりにならないと思うのですが、今、どこの病院でも高齢者が入院すれば、加算をとれる総合評価加算というのがありますが、そういった評価をすることは高齢者で必要であるということは、多分万人の認めるところではないかと思うので、それを入院する前から外来でもある程度はやっていただく。

 つまり、皆さんが1点もとれない、もらえないし、時間もかかることなので、どなたもやってくださらない。老年医学会という非常に数少ない分野の人しかやってくださらないという状況の中で、少しは点数づけをしてというようなことを言っているのですが、それを「ほかの事業と」ということで言われると、意味がよくかわらないのです。「ほかの事業と」というのは、介護保険のほうでやれというようなことなのか、あるいは健診のほうでやってくださいということなのでしょうか。

 実はほかのところにも幾つかこういう理由ではじかれているものがあるように見受けるのですが、特にこれに関して理由をいただけたらと思いますが。何となく押しつけ合いで、結局どこでも相手にされないということではいけないのかなと思いますので。

○福井分科会長

 どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 済みません。細かいな内容に関するコメントは、今すぐにしかねるものですから、全体的なお話として、今、先生から、どこにも行かなくなって結局、何もされないというのは非常に困るというような御指摘もございましたので、もしこの分科会の中での御議論で、これもきちんと評価をすべき、評価の俎上に乗せるべきというような御判断をいただければ、引き戻して御議論をするということでよろしいのではないかと考えてございます。

○秋下委員

 ありがとうございます。

 ちなみに、これを見ますと、エビデンスレベル的にはシステマティックレビュー等がございまして、入院で評価されているぐらいなので、厚生労働省というか、こういう関係の部署でも、これはエビデンスがないものではないということはよく御存じなのだと思いますので、エビデンスがないということであれば仕方がないのだと思いますが、そうでもないということなので、ちょっと考慮いただけたらなと思いますが。

○福井分科会長

3337ページを読みますと、ちょっとわかりにくい記載になっていますね。技術は、当該外来患者にて基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な評価、Comprehensive Geriatric Assessmentのことだと思いますけれども、それを行った場合に、6カ月間に1回を限度として、所定点数に加算すると。真ん中付近、評価項目のマル4のところには「はたして有効に疾患管理を行えているかのエビデンスはない」というのは、違う意味のエビデンスなのですね。

○秋下委員

 違う意味のものです。

○福井分科会長

 それで、「根拠となる研究結果」のところは、システマティックレビュー、メタアナリシスはあるということでしたら、これもまた評価対象にして、少し時間をかけて評価をしていただくということではどうかと思いますけれども。

 事務局、どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 今、分科会長におっしゃっていただいたとおりで、マル1番のほうに入れるということで進めていければと思います。

○福井分科会長

 それでは、そのようにしていただくということで。

○秋下委員

 ありがとうございます。

○福井分科会長

 同様の項目がございましたら、申し出ていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、先進医療に係る提案書の取り扱いについて、先ほどの事務局からの御説明にありましたとおりですが、先進医療会議のほうで基本的には評価をしていただくということです。ただ、こちらの分科会に提出のありましたいろんな資料も先進医療会議のほうにお渡しして、そちらで評価していただく。そのような提案でございますけれども、この点につきまして、何か御意見、御質問ございますでしょうか。どうぞ。

○小山分科会長代理

 ここを通す必要があるのですか。ここで議論しないのですね。そこの点はどうでしょうか。

○福井分科会長

 どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございます。

 まさに今、分科会長代理から御指摘いただいた点、そもそも当分科会で細かい内容について御議論いただいていないのではないかという御指摘だと思いますが、それはおっしゃるとおりかと思います。ただ、当分科会として学会から御提案をいただいて、また、事務局としてではございますが、ヒアリングなどもさせていただいて、時に追加の資料もいただいたりしながら、いわゆる提案書のみならず、さまざまな資料であったり、そういったものをおつけしたというところは、一定の分科会としての整理というふうなことが考えられるのではないかと思っております。

 それを踏まえて、この分科会で受けるべきなのかどうかというところ、先生方のほうで御議論がもしあるようでしたら、今回の改定ですぐどうこうというわけではないのかもしれませんが、次回改定等の対応の中で、どういった形がよいというところは御議論があるのだろうと思っております。

○小山分科会長代理

 結論から言うと、私はここで議論したほうがいいと思っているのですね。先進医療会議というのができた目的は、緊急性というのですか、ある期間を限って、先進的にやっている一部の施設だけを対象としていいか悪いかを判断するだけなのですね。これがいわゆる保険診療と認められると、もう少し幅広い観点の中で議論する場所とすると、やはりここしかないと思うのですね。そういった意味では、幅広くいろんな議論をして、これをいわゆる保険収載の本チャンのこちらのページに載せていいかどうかという議論は、ここでやったほうがよりちゃんとした議論ができるのではないかと思いますので、私の提案とすれば、先進医療会議では、先進医療をこの施設ではやってもいいよという許可を出すということで、それを保険収載するときには、やはりこの場で議論したほうがよりリーズナブルなのかなという感じを持ちます。

 以上です。

○福井分科会長

 よろしいですか。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 御意見としてしっかり聞きおきたいと思いますが、一方で、先進医療というのは、評価療養という保険外併用療養費の中の位置づけにおきまして、保険収載のためのデータを集めて、それを保険収載に生かすというきちんとしたミッションがございます。開始だけを判定するというミッションではなくて、きちんと保険収載に入るまでのところを見るというところがございますので、そういった観点からは、これまでも先進医療で行われてきたデータをもとに議論をしてきたというところがございます。

 一方で、今回の28年の改定の医療技術評価分科会の中でも2月に御議論をいただきましたが、一方で、実施医療機関と関係学会との連携というところについては、まだまだ改善すべき点、いろいろあるだろうというところから、今回このような仕組みを取り入れさせていただいたところでございますので、そういった全体の中でまた御議論を深めていければと考えてございます。

○福井分科会長

 岩中委員。

○岩中委員

 今、非常に重要な議論をしていただいていると思うのですが、実は先進医療で通って保険収載に来ると、いつも大体外保連でこの施設基準では保険として普及できないとか、さまざまな議論が出て、先進医療のほうからこれは保険収載が望ましいというのを出していただくのは大いに結構だと思いますが、最終的に診療報酬に収載するときの考え方であるとか、それは先進医療会議にどちらかというとお任せするのではなくて、保険局の医療を担当している専門家が、こういうふうなやり方で施設基準をつくればきちっと保険で普及ができるとか、この条件ではだめだとか、この点数でいいのかとか、そういうのはこちら側でできたら。

 ですから、先進医療で保険収載になりますと言ったやつを、例えば次回の診療報酬の改定で必ずこちらのほうの分科会で見直しを図らせていただくとか、それぐらいのことはあってもいいのではないかと私自身は思いますけれども、いかがでしょうか。

○福井分科会長

 恐らくそれぞれの所掌の範囲というか、それをまず決めてもらわないと、なかなかこの議論は進まないように思います。委員の間でぶつけ合っても結論が出ないように思いますので、厚生労働省として委員会同士の関係とか、それぞれのミッションそのものを考えていただくほうがいいのではないかなと思います。

 田中先生、先ほど手を挙げられましたか。

○田中委員

 私は今でも先進医療の技術委員をさせていただいておりますが、先進医療では保険収載を行うか、行わないかということが審議の前提になっています。先進医療の審査の際には保険収載に耐えられるかどうかが重要なポイントになっております。岩中委員が言われた施設認定に関しては、確かに先進医療会議ではそれほど審議はしておりませんが、保険収載の際は事務局のほうと細かいやりとりをやっております。分科会長が言われたように委員会同士のすり合わせというのはあったほうが良いと思っております。

 以上です。

○福井分科会長

 企画官からどうぞ。

○眞鍋医療課企画官

 重要な御議論をいただいていると認識をしております。そもそも先進医療会議は、個別の医療技術、そしてまた個別の医療機関を審査して、将来的な保険導入を目指して審議をする、そういう成り立ちで設置をされておるものです。

 また、この医療技術評価分科会につきましては、各学会からたくさん出てくる提案書をどうやったらシステマティックにレビューをして、それを技術につなげられるか、保険につなげられるかというふうにして徐々に発展していく、そういうスタイルの分科会だと認識しております。

 今、先進医療会議とこちらの分科会の役割分担みたいな話をさせていただきましたが、最終的にお互い関係するところが出てくるのだと思っております。ですので、今回の28年度診療報酬改定に向けて、まずはこちらの分科会に先進医療に係るものも学会から提案していただくということにした。そしてまた、先ほど金光のほうからも答えましたが、ヒアリングも事務局でさせていただいて一定の関与をしていった。それを次にまた先進医療会議にお渡しする。こういう取り組みが導入され始めて、またこれでお互いの考えの齟齬がなくなればいいですし、あるのでしたら、どんな仕組みがいいのかということを考えなければいけないと思いますが、まずは来年度の改定への取り組みといたしまして、今、事務局から提案させていただいたように、15件の提案がありましたので、それは私どもが行ったヒアリングの結果も踏まえて、まずは先進医療会議にお渡しする。それを先進医療会議の御判断にまず役立てていただく。その上で、またやりながら考えさせていただければと思っております。

○福井分科会長

 今の案ですと、先進医療会議に投げてしまって、その結論は、参考でも何でもいいですが、こちらにはもう返ってこないということでしょうか。拒否権があるとかないとか、そういう話ではなくて、こちらを通して先進医療会議に行って、そちらの結果がどうなったかというのは、この委員会に報告されないということでしょうか。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 先生から今いただいた御指摘、まさに今回こちらのチャンネルを使って集めた提案書を先進医療会議にお渡しをするということですので、先生方の今の御見解の中できちんとそれは報告してほしいということでしたら、そういうふうにできるように仕組みとしては今回の改定の中でも考えたいと思います。ただ、改定に向けて、日程が詰まってきている部分もございますものですから、現実的にできるところとできないところがございますが、いただいた御指摘はきちんと踏まえたいと考えてございます。

○福井分科会長

 どういたしましょうか。

○小山分科会長代理

 意見を聞いていただければ、それで。次年度に反映するならしていただく。するかどうかは事務局の判断だと思います。

○福井分科会長

 では、今回は事務局の案で進めていただくということでよろしいでしょうか。

○小山分科会長代理

 はい。

○福井分科会長

 委員会と委員会の関係などについてももう少し詰めていただくということでお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。田中先生、先にどうぞ。

○田中委員

 先進医療の審議は先進医療会議でよろしいかと思いますが、施設認定等々に関しては、一度どこかで本委員会とのすり合わせといいますか、意見の交換したほうがよろしいと思っております。

 以上です。

○福井分科会長

 いかがいたしましょうか。ことしの部分についても何かしら。ことしの分はよろしいですか。何か事務局のほうから。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 まさに施設をどういうふうなところでやっていただくかというお話だと思います。現実的にできるスケジュールとできないスケジュールがある中ではございますが、先生からいただいた御指摘というのはきちんと考えたいと思います。

○福井分科会長

 それでは、恐らく事務局案のとおり今年度は進んで、次回までにはそういう点も含めましてまた体制をつくっていただくということにさせていただければと思います。よろしいでしょうか。

○田中委員

 はい。

○小山分科会長代理

 はい。

○福井分科会長

 それでは、岩中委員、どうぞ。

○岩中委員

 済みません、何度も発言いたしまして。今のこの15件を挙げていただきましたが、先進医療にはまだ収載されていないけれども、先進医療の部会で現在議論中の技術がこちらの評価するほうの一覧にも入っておりますが、それに関しましては、この取り扱いをどうするのか。どの技術かと申しますと、11ページの330205、いわゆるロボット支援手術、産婦人科学会から出ている手術は、こちらの「幅広い観点から評価が必要な技術」という形で、この分科会で審議をされるわけですが、一方で、先進医療にも載せたいということで、今、部会で審議中だというふうに私自身は聞いています。これをこちらの分科会で先に評価をして、収載したほうがいいのではないかという形にしてしまってよろしいのかどうか。そのあたりのすり合わせをどういうふうに考えるのか、ちょっと教えていただければと思います。

○福井分科会長

 事務局、どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 今、先生からお示しいただきましたのは、11ページの下から11個目、330205、内視鏡手術用支援機器加算対象手術の改正、子宮悪性腫瘍手術というものだと思います。事実関係としては、既に9月8日付で先進医療としての申請を受け付けて、現在部会で審議がされているところでございます。行く行くは先進医療会議のほうに上がってきて、適と判定されるかどうかというところで、まだ道行きが不透明なところでございます。

 ですので、今いただいた御指摘を踏まえますと、これが先進医療で通るかどうかというのは、適宜情報提供させていただきながら、少なくとも「幅広い観点から評価が必要な技術」として、まずは先生方に御審議、御評価をいただければと考えてございます。

○岩中委員

 ちょっとややこしい話になりますが、そうしますと、仮にこの分科会のほうで、これは保険収載すべきではないかと。アメリカのほうでは相当たくさんやられている手術ですので、エビデンスもそろっているし、もう通してもいいのではないかという話が出ると、先ほどの委員会間の連携もありまして、このロボット先進支援手術は、今、先進医療会議の中でもどういうふうな形で取り扱うべきかということで、先進医療を通って保険収載されたものもあれば、先進医療に載っているものもある。データを集めているものもある。一方、なかなか先進医療の中に取り組んでいただけないロボット支援手術もある。この関係の中で、いわゆる今までになかった形で脇道からやってきたこの技術に、この技術評価分科会としてどういうふうな対応をすればいいのかというのは、相当慎重に考えないと、今までの先進医療会議の考え方と全くけんかすることになる懸念がある。そのあたりをどういうふうな形で情報提供していただいて、先進医療会議のほうの立ち位置から見て、こちらのほうに何を戻していただくのかというのを相当明確にしていただかないと、評価がしづらいと思いますが、いかがでしょうか。

○福井分科会長

 ちょっといいですか。

 田中先生、御意見ございますか。

○田中委員

 この件は、2週間前の先進医療会議で審議されて、原則お認めいただいている。ただ、申請書の訂正が少しありますので、まだ役所のほうでは公表していないかもしれませんが、一応原則は承認されたと。そのように私は理解しております。2週間前、たしか34回の先進医療会議が行われたと思いますが。

○福井分科会長

 事務局、どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 ちょっと私の舌足らずで恐縮だったのですが、1016日付の先進医療技術審査部会のほうで、先進医療Bの二段階のうちの一段階目は、会議としては適となされたというふうに伺っております。

 ただ、同時にいろいろな軽微な修正も入っているというふうに聞いておりますので、それらを含めて、書類が整いましたら、今度先進医療会議という二段階目のところで議論がされるという手はずになっておりますので、そういう意味では、岩中委員からも御指摘があったとおり、現在の時点で先進医療として認められているものではないと事務局としては認識をしております。

○福井分科会長

 先進医療に出していることがわかっているものについて、こちらでパラレルで評価するというのは、先ほどの原則から言うと、方針がぶれてしまうように思います。どちらか一方で評価するということにしたほうが混乱を招かないのではないかと思います。したがって、この件につきましても、やはり先進医療のほうに任せるという方針ではいかがでしょうか。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 分科会長からおっしゃっていただいたとおりだと思いますので、先進医療のほうで議論を尽くすというところになりましょうから、「幅広い観点から評価が必要な技術」というところからは外させていただくというところを分科会としてお決めいただければ、そちらに従いたいと思います。

○福井分科会長

 これは産婦人科学会にも連絡をとった上でそのようにさせていただく、そういうことにされたらどうでしょう。

 岩中先生、どうぞ。

○岩中委員

 そのあたりの整合性がとれていませんと非常にややこしいことになって、内視鏡外科学会を初めとして、ロボット支援手術に対して真摯に取り組んでいる学会に対して、その中で領域のずれが出てくることはできたら避けたいと思っていまして、できるだけ整合性のとれた方法でやっていただければと思います。

○福井分科会長

 どうぞ。

○小山分科会長代理

 ですから、少なくとも先進医療に出しているものはここでは受け付けないという形をとる。次に、先進医療を通ったものに関しては、保険収載した場合にはこの医療技術評価分科会に出すといったほうがすっきりするのではないかなと思うので、ぜひそこら辺のところの議論はこれからしていただきたいと思います。

○福井分科会長

 よろしくお願いします。

 そういうことで、この件につきまして、よろしいでしょうか。

○岩中委員

 再確認なのですが、先進医療はあくまでも施設から出てくるもので、この分科会は学会から出てくるものですから、そのあたりの考え方もきちっと御説明していただかないと、同じ領域の中でもまたもめますので、そのあたりの対応をぜひよろしくお願いしたいと思います。

○福井分科会長

 よろしいでしょうか。事務局からそのように対応していただくということをお願いしたいと思います。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 はい。

○福井分科会長

 それでは、最後に事務局から評価票について説明をお願いいたします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございます。

 最後、評価票の資料について御説明を差し上げます。資料は技-5をごらんください。1ページ目が保険未収載技術に関する評価票、2ページ目が保険既収載技術に関する評価票となってございます。

 構造としては、前回改定のときとほぼ一緒でございますが、未収載技術の1ページ目のところから御説明を差し上げますと、1の評価というところで、「1.当該技術の保険収載に係る必要性・妥当性について」というところで、評価結果1から5。5が一番高いというところで、5段階の評価をいただきたいと思ってございます。

 また、2ポツは「倫理性・社会的妥当性について」、3ポツが「実施施設の限定について」となってございます。

 一番下の「評価上の留意事項」というところに細かく留意事項については説明書きを加えさせていただいております。「2.コメントについて」という留意事項の中、少し御説明を差し上げますと、「評価結果を1又は2とした場合は、提案書の内容が不十分と考えられる点」について御記載をいただきたい。

 また、「評価結果を5とした場合は、評価ができると考えられる点」について御記載をいただきたいということで、少なくとも上の票のところをごらんいただくと、(1)から(4)がございますので、1項目について、それぞれコメント欄に記載をしていただければと考えてございます。

 また、「自由記載欄について」というところもございますので、その他、当該技術に関して特記すべき事項がある場合は、記載すること。なお、事務局が提案書記載内容の確認を行った際等に気づいた点を記載することもございますので、評価の際に参考として用いていただければと考えてございます。

 2ページは保険既収載技術の評価票ということで、少し体裁は異なりますが、書いていることはほぼ一緒でございます。1の「評価」につきましては、「1.再評価の必要性・妥当性について」ということで、1から5段階の評価。5が一番高いという中で御評価をいただければと考えてございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございましたら、お願いいたします。どうぞ。

○渥美委員

 これは評価の案で、学会からヒアリングは大体1学会2項目というふうにやっていると思うのですね。ですから、その重みづけ、学会としてのプライオリティーがあるので、それがわかったほうが、学会がプライオリティーが高くない技術を一生懸命高くしても行き違いになるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。そういうのは資料に載せていただければ、非常に助かると思うのですが。

○福井分科会長

 どうぞ。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 先生の御指摘のとおりに、わかるような形で整えたいと思います。

○福井分科会長

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、今後この評価票を用いて各委員に評価を行っていただくことになります。大変な作業で恐縮ですけれども、評価の担当割り当てにつきましては、これまでどおり、分科会長と事務局に御一任いただければと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○福井分科会長

 どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、速やかに割り当てを決定し、事務局から評価票をお送りさせていただきます。

 本日の議題は以上ですけれども、何か御発言、全体を通じてございませんでしょうか。

 ないようでしたら、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。

○金光医療技術評価推進室室長補佐

 事務局でございます。次回の開催については後日日程調整をさせていただきますが、1月中から下旬というところで御念頭に置いていただければと思います。

 以上でございます。

○福井分科会長

 それでは、本日の医療技術評価分科会は、これにて閉会といたします。

 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第二係
03-5253-1111
内線3184

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