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2015年11月11日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第75回議事録

○日時

平成27年11月11日(水)8:59~9:24


○場所

厚生労働省講堂(2階)


○出席者

印南一路部会長 松原由美部会長代理 西村万里子委員 荒井耕委員
幸野庄司委員 平川則男委員 石山惠司委員 榊原純夫委員
中川俊男委員 万代恭嗣委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
十河功二専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器業界からの意見聴取について

○議事

○印南部会長

 ただいまより第75回「保険医療材料専門部会」を開催いたします。

 まず委員の出欠状況について御報告します。本日は、全員御出席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。

 関係団体として、日本医療機器産業連合会、日本医療機器テクノロジー協会、先進医療技術工業会、米国医療機器・IVD工業会、欧州ビジネス協会医療機器委員会より、意見を聴取したいと考えております。

 なお、5つの団体より、全体で15分程度にまとめて、これからプレゼンテーションをしていただきたいと思います。その後に、質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。

 それでは、15分以内ということで、よろしくお願いいたします。

○日本医療機器産業連合会(中尾)

 皆さん、おはようございます。医機連の会長を務めています、中尾でございます。

 このような医療機器業界の陳述の場を賜りまして、関係者の皆様に感謝申し上げたいと思います。

 私のほか、3~4人がそれぞれの分野で話をいたしますが、私から、冒頭、全体のお話をしてみたいと思います。

 1つは、イノベーションの評価、区分、いわゆる細分化の促進についてです。今までも何度かお話を出しておりますけれども、イノベーションの評価については、促進ということでの策はいろいろと出てきましたので、今後も継続と拡充をお願いしたいし、細分化につきましても、初めはどうかという議論もありましたけれども、統計的な数字も出しながら、検討しようということなので、ぜひ促進を考えていきたいと考えております。

 もう一つ、内外価格差でございます。きょう、資料をここにつけておりますけれども、一番最後のページ、12分の12で、国内の新規特定保険医療材料の数字が出ております。これは厚労省がまとめられた数字ですけれども、細かいことは別として、一番大事なところは、右の部分に箱がございます。中央値、平均値ということで、縦に2つの箱、24年、26年、左側は年度が古くて、右側がより新しいものなのですが、これを見ておわかりいただけるように、平均値、中央値とも、平成24年のときは0.9前後、26年のときは0.8弱ということで、今までの内外価格差についての検討は、それなりの効果を上げてきたと思いますし、また、0.8という数字であれば、ほぼ1つの限界にきているのではないかと考えております。

 全体観ですけれども、私もこの意見陳述、その他の議論に加わりまして、いつも感じていることは、もちろん医療費の財政論は非常に大事です。このことは、言をまたないのですが、どちらかというと、短期的、ことし、来年、再来年ぐらいの話がほとんどでして、それはそれでいいとして、一方、中長期の日本の医療のあり方、医療の合理化とか、効率化、医療のさらなる質の向上といった基本の話がなかなかないと感じております。もしそういう機会がありましたら、業界としても積極的に参加して、一緒にこの議論を進め、日本の医療のあり方という大きな話に参加することができれば、非常にいいのではないかと思います。そのことは、最終的には、医療機器、医薬品等々に影響するわけですけれども、前提の議論もどこかで機会を得られればと考えております。

 以上でございます。

 続いて、各分野からの発表をしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○米国医療機器・IVD工業会(加藤)

 おはようございます。AMDDの加藤でございます。

 私と坂本で、お手元の資料について、御説明したいと思います。

 本日はこのような機会を与えていただき、ありがとうございます。

 こちらの資料にありますように、4団体を代表してということで、次回改定に向けての要望をさせていただきます。

 下のほうをごらんいただいて、ここにありますとおり、内外価格差関連、イノベーション関連、その他、この3つに関し、要望をさせていただきます。

 裏を見ていただきまして、まずは新製品、いわゆるC1、C2の価格調整についてです。イノベーションの評価を適切に維持しながら、新規収載品の価格調整の外国平均価格との比較水準を引き下げることが提案されていますけれども、昨今のイノベーションの促進並びに市場への早期導入策の推進の施策等により、デバイスラグ・ギャップが徐々に改善している中、外国平均価格との比較水準の引き下げは、イノベーションの導入を大いに阻害し、デバイスラグ・ギャップを再度引き起こしかねないと懸念しております。

 つきましては、イノベーションの評価を適切に維持するために、比較水準については、現行を維持する、もしくは画期性加算や有用性加算などで、イノベーションが確かに認められた10%以上の加算が認められたもの、または医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会から開発要請を受けたものなどについては、特例的に価格調整を除外することを提案いたします。

 その際には、あわせて、一定期間は再算定の比較水準を特別に設定するなど、イノベーションが適切に評価される制度ということで、御配慮いただき、そうしていただければと思います。

 下のスライドですけれども、次に既収載品の再算定の比較水準及び外国平均価格の算出方法を見直すことが提案されている点です。

 いわゆる外れ値を除外するルールの既収載品への適応は、新規製品への適用と異なり、市場導入時から経過期間に差がある製品が多く存在すること、さらに異なる種類の製品が存在するため、同一機能区分内の多くの製品で、外れ値が適用されることが想定されます。

 これと同時に、再算定の比較水準、すなわち、外国平均価格比の引き下げを行うと、実質1.3倍より下がり、1.0倍に近づく制度になると考えます。

 9月9日の業界意見陳述でもお示ししましたとおり、医療機器供給・流通や、薬事承認にかかるコストは、諸外国に比べて、本国では明らかに多いです。外国平均価格比の倍率が1倍に近づくことは、新製品の導入や既存製品の安定供給を危うくする事態を招くと言わざるを得ません。

 こうした制度の変更の前に、9月9日の業界意見陳述で、医機販協より提案された、医療機器供給・流通の効率化の方策、例えば医薬品の薬剤部の機能のような、医療機器管理室の設置などを、まずは医療機関において、推進すべきと考えます。

 次の紙にいっていただきまして、上のスライドですが、もう一点、既収載品の再算定に関してです。皆様方はよく御存じのとおり、為替は外国平均価格に大きな影響を及ぼします。

 リーマンショック以降の為替の急激な変動に対し、再算定に用いる為替の期間は、1年から2年に変更するなどの緩和措置がとられ、現時点では、過去10年間に比較して、おおむね平均的な為替水準になっていますが、今後また急激な為替の変動が起こる可能性があります。

 再算定に関して、そうした急激な為替変動を見据えた議論が必要ではないかと考えます。

 下のスライドです。原価計算の内訳の把握について、AMDDからの提案です。

 類似機能区分比較方式で、外国平均価格の0.5倍以下となり、安定供給等の観点から原価計算方式での算定を企業が申請する場合に、輸入原価については、輸入原価の詳細に関する資料を義務づけるとの提案がありました。

 輸入原価については、輸出元から入手できる情報に依存するため、申請者側ではコントロールできない実態があることを、ぜひとも御理解いただきたいと考えております。

 資料入手の可否を理由に、算定方式が変わるような制度設計は、一部企業、例えば専ら輸入する企業、いわゆる商社などに対して、選択肢が制限されるものになるおそれがありますので、慎重に検討すべきと考えます。

12分の7ページです。機能区分の特例に関する要望です。

 平成26年4月導入後、7品目16区分が適用となっております。1年半の実績としては多くありませんが、企業にとりましては、新製品開発の促進につながります。

 対象製品の条件は、革新性の高いもの、画期性加算や有用性加算10%以上が対象となっておりますが、改良加算10%以上も評価の対象に加えていただきたいと思います。制度導入から改良加算10%の対象となるものは、2品目しかありませんので、大きく数が変わることはないと思っております。引き続き、本制度の継続をお願いいたします。

12分の8ページです。迅速評価は、施行以来、14品目17区分に適用されています。問題になっておりました、デバイスラグやギャップの改善に大きく寄与していると考えております。

 現行の評価対象期間は、保険適用月から2年間となっていますが、よりわかりやすい制度にするために、機能区分特例と同様に、2回の改定を経るまでと、期間の見直しの御検討を要望するとともに、引き続き本評価の継続をお願いいたします。

12分の9ですけれども、価格水準と販売コストの構造に合わせる観点から、実際の販売実績における市場規模を踏まえた償還価格の見直しについて、検討してはどうかという提案が出されている件についてです。

 これは市場での評価を受けた製品の価格を、市場実勢価に基づかずに、価格引き下げを行うものであり、イノベーションの阻害につながるおそれが高いと懸念いたします。

 また、医療機器においては、製品ライフサイクルの短いこと、同一機能区分内に複数社・複数製品が混在すること、これらにより、この種の制度設計は技術的に容易でなく、仮に制度ができたとしても、複雑です。予見性の低い制度になると考えられますので、慎重な検討をすべきだと考えます。

10ページです。C1、C2の収載時期の見直しに関するお願いでございます。

 新薬の中には、医療機器とセットで使用されるものも出てきております。医療現場での使用に支障が出ないように、薬価収載と医療機器の保険収載に差が出ないように、収載時期の見直しをお願いいたします。

 また、薬事承認のタイミングにより、新規医療機器の保険収載がおくれることがないよう、一刻も早く市場に導入ができるように、収載時期の見直しに関しまして、ここに書いてあります、3点の検討をお願いします。

 それでは、次のページを坂本より御説明させていただきます。

○米国医療機器・IVD工業会(坂本)

 おはようございます。AMDDIVD委員会の坂本です。よろしくお願いします。

 ことしの9月9日の中医協等でお願いをしてきましたように、これまで体外診断薬の業界においては、業界の意見陳述ができる場をいただきたいと、お願いをしてきました。今回、体外診断薬についても、要望提出の場合や、価格決定プロセスへの企業の関与等に関して、要望をお話ししたいと思いますので、本日、お伝えしたいと思います。

 資料については、12分の11になります。

 1つ目は、中医協における業界陳述の場に参加させていただきたい、これについての要望です。これまで業界の窓口である経済課を通して、厚生労働省への意見等々を述べる機会をいただいてきましたが、診療報酬を議論する中医協に対して、体外診断薬業界が直接意見を申し上げる機会がありませんでした。ですので、ぜひこのような機会をいただけるよう、要望したいと思います。

 2つ目は、算定価格決定プロセスにおける意見陳述の場についてです。体外診断薬企業は、保険適用された製品に対して、安定供給をする義務が生じています。これは、医薬品、医療機器と同じであります。しかし、体外診断薬企業においては、算定価格案の内示や不服を申し立てる機会がありません。ですので、医薬品、医療機器と同じように、体外診断薬企業においても、このような内示をいただける機会や、不服を申し立てられる機会、そのような機会をいただけるように、要望したいと思います。

 3つ目は、保険適用前の評価療養制度の導入です。医薬品、医療機器においては、薬事承認後、保険が適用されるまでの間に適用される評価療養制度があります。体外診断薬においても、例えば進行感染症が出現した場合、至急、製品を導入するような状況が想定されます。ですので、体外診断薬においても、評価療養制度の導入をぜひ要望したいと思っております。

 以上が、体外診断薬からの要望です。どうもありがとうございました。

○先進医療技術工業会(フィルエイグレス)

 このたびは、業界意見陳述ということで、AdvaMedに参加の機会をいただきまして、御礼申し上げます。

 私は、AdvaMed、先進医療技術工業会のフィルエイグレスと申します。

 当組織AdvaMed、すなわち、先進医療技術工業会は、世界最大の医療機器業界団体でありまして、米国、日本を初めとする、多くの国々の企業を会員としております。

AdvaMedの会員企業、約50社のCEOより構成されております理事会では、日本の皆保険制度である国民健康保険制度を強く支持しております。

 私どもの理事会並びに会員企業としては、日本の患者様の生活を改善し、命を救う製品を提供することで、日本の医療制度、日本の患者様の健康に貢献したいと望んでおります。

 日本の薬事承認制度がこの5~6年で改善されましたことは、私どもとしても、大変高く評価しております。

 ただ、一方で、価格改定のたびに、保険償還の状況は、ますます厳しさを増しているのが現実です。実際、残念ながら、こうした償還にかかわる状況ゆえに、一部の企業は、日本において、新製品を導入すべきかどうか、再検討を迫られております。予測可能で、安定した償還が行われない環境にあっては、他国と比較して、コスト高である日本におきまして、果たして相当な事業費をかけ続けるべきなのかどうか、企業としては、不安が増大するばかりです。したがいまして、皆様には、この厳しい状況に対する御理解を賜りたく、お願い申し上げます。

 私ども会員企業が、日本の患者様の健康状態改善に寄与できるようにするためにも、現行の環境をさらに厳しいものにされませんよう、強くお願い申し上げる次第です。

 以上です。ありがとうございました。

○印南部会長

 ありがとうございました。

 一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。

 なお、時間が限られておりますので、恐縮ですが、発言の冒頭で、御質問なのか、御意見なのかをおっしゃってください。

 また、医療機器の業界団体の方からの御発言につきましても、各団体で、原則お一人の方にお願いしたいと思います。発言は簡潔に、御質問に御回答いただけますよう、お願い申し上げます。

 それでは、御質問あるいは御意見等はございますでしょうか。万代委員、お願いします。

○万代委員

 質問でございます。

 中尾会長に全体のお話をいただきましたけれども、その中で、中長期の検討の場というお話がございまして、私もまさにそのとおりだと思っております。ただ、どういう中長期の展望を見据えるかということは、ちょっと難しいかと思いますが、そういう御提案でございますので、より具体的な検討の場をお考えなのかどうかという質問でございます。

○日本医療機器産業連合会(中尾)

 御質問は、具体的な検討の場のあり方ということでしょうか。

○万代委員

 そうです。こういう意見陳述の場を設けてほしいということでございましたので、意見陳述をする中長期の検討の場、こちらが思いついたのは、例えば保健医療2035とか、そういうところを考えておられるかと思いました。

○日本医療機器産業連合会(中尾)

 例えばですけれども、今、議論されております、医療IDの問題とか、UDIというコードナンバー、こういった流通、特に病院側での合理化の問題とか、今の病院の特に急性期、超急性期等のあり方、症例数の問題とか、幾つかの具体的な話は、我々は今までも検討してきました。それは医療機器に直接関係するところも、そうではないところもありますけれども、そんなことを具体的には考えております。

○万代委員

 ありがとうございました。

 もう一つ、質問でございます。細かくなりますが、加藤会長にお願いいたします。

12分の8のスライドで、御提案として、評価期間を2年から2回の改定ということでございます。そうしますと、申請時期によりまして、最大4年弱、最短2年超ということになろうかと思うのですけれども、そこら辺のところで、逆に不公平感というか、そういったことが生まれやしないかと懸念いたしますが、それについては、何かお考えはありますでしょうか。

○米国医療機器・IVD工業会(加藤)

 これにつきましては、おっしゃるとおりで、不公平感が出てくるかもしれないとは思いますけれども、制度のわかりやすさからいたしますと、こういった機能区分特例と同様の考え方のほうがいいのではないかと思っております。

 ありがとうございます。

○万代委員

 わかりました。見た目の制度上の整合性、あるいは実質的な期間と、どちらをとるかということだと思いまして、2年も悪くはないと、お話を聞いて思いましたので、御質問申し上げました。

 以上でございます。

○印南部会長

 ほかにございませんでしょうか。幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 スライド10で御提案された、C1/C2収載時期の見直しについて、医薬品と医療機器をセットで収載する場合、保険収載時期の空白期間を解消することは重要だと思います。ルールをつくり、これを同時に収載することは、検討価値があると思います。

○印南部会長

 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。

○欧州ビジネス協会(杉山)

EBCの杉山でございます。

12分の6について、一言、欧州側からコメントをさせていただきたいと思います。

 このページでは、AMDDとなっておりますが、欧州ビジネス協会でも同様の懸念を持っておりまして、CEマークの関係から、非常に小規模な市場でもユニークなものづくりをするのが、欧州企業のなりわいでございまして、こういったところは、中小企業であるがために、日本に支社を持っていない企業が多うございます。こういったところで、医療商社系の会社が、その輸入をお手伝いされているケースが多いので、このような資料の入手のあり、なしに関係して、価格が決まっているという制度になりますと、このような商社系は非常に難しい問題を抱えてまいります。市場規模も含めて、こういった状況も検討に加えていただければと考えます。

○印南部会長

 ほかによろしいでしょうか。ありがとうございました。

 ほかに御意見もないようでございますので、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。

 本日の予定された議題は以上です。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の「保険医療材料専門部会」は、これにて閉会といたします。

○宮嵜医療課長

 ありがとうございました。

 準備が整い次第、薬価専門部会を開ければと思います。よろしくお願いします。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係代表

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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