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2015年11月13日 社会保障審議会障害者部会(第76回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年11月13日(金) 9:30~


○場所

TKPガーデンシティPREMIUM神保町プレミアムボールルーム
(東京都千代田区神田錦町3-22 テラススクエア3F)


○出席者

駒村康平部会長、朝貝芳美委員、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員、石原康則委員、伊豫雅臣委員、大濱眞委員、小澤温委員、河崎建人委員、菊池馨実委員、北岡賢剛委員、久保厚子委員、竹下義樹委員、橘文也委員、藤堂栄子委員、中板育美委員、野澤和弘委員、樋口輝彦委員、日野博愛委員、広田和子委員、本條義和委員、斉藤幸枝参考人、岩上洋一参考人、森祐司参考人、江藤修参考人、今村早人参考人

○議事

○駒村部会長

 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「第76回社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。今日は会場が違ったので、私もちょっと戸惑ってぎりぎりになってしまいすみませんでした。

 委員の皆様におかれましては、御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。

 議事に入る前に、毎回お願いしていることですが、事務局におかれましては、資料説明はなるべく簡潔にお願いいたします。また、委員におかれましても、多くの委員が御発言いただけるように、簡潔な御発言をお願いしております。

 事務局より、委員の出欠状況及び資料の確認をお願いいたします。

 

○川又企画課長

 おはようございます。企画課長川又です。委員の出席状況ですが、本日は佐藤委員、松本委員から、御都合により欠席との御連絡を頂いております。また、本日伊藤委員の代理として斉藤参考人、菊本委員の代理として岩上参考人、小西委員の代理として森参考人、永松委員の代理として江藤参考人、山口委員の代理として今村参考人に御出席をいただいております。

 本日の資料の確認をさせていただきます。資料として、「障害者総合支援法施行3年後の見直しに係る議論の整理➀()」、それから関連のデータなどの参考資料があります。また、本日は御欠席ですけれども、佐藤委員からの提出資料が1枚付いております。あと、石野委員からリーフレットの配布がありますので御確認をお願いいたします。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。本日の議題に入りたいと思います。7月以降、前回の部会に至るまで、各論点について2回ずつ御議論をしました。今回と次回に分けて、これまでの議論を整理した資料を基に次の御議論に入りたいと思います。

 今回は、1015日に御議論いただいた「常時介護」「移動支援」「就労支援」、及び1020日に御議論いただいた「精神障害者」「意思決定支援」「意思疎通支援」の6つの論点について御議論いただきたいと思っております。

 まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

 

○川又企画課長

 企画課長川又です。資料をお願いいたします。「総合支援法施行3年後の見直しに係る議論の整理➀()」です。今回の資料の位置付けですけれども、今、座長からもお話がありましたように、2ラウンド目の議論のうち、1015日と20日に議論いたしました6テーマについて、その資料の中の「現状・課題」、それから「検討の方向性」を集約したものです。2ラウンド目の議論で頂いた御意見も踏まえまして、議論を整理したものとなっています。なお、112日と9日に御議論いただきましたその他の4テーマ、「高齢障害者」と「支給決定」「障害児」「その他の障害福祉サービスの在り方」につきましては、次回、同じような議論の整理ということで御議論をいただく予定としています。
 2ページ目は、今回議論の整理をするに当たり、前回の2ラウンド目の資料を基に整理をしていますけれども、項目が分かりやすくなるようにと小見出しを付けています。今回、左端に番号が振ってあるかと思いますが、行の番号です。説明でも行の番号を使わせていただきますので、よろしくお願いいたします。なお、前回からの主な変更点については、本日の資料に下線を引いております。下線部分を中心に説明をさせていただきます。

 1つ目のテーマ「常時介護を要する障害者等に対する支援について」です。(1)「現状・課題」の所は、2行目に小見出しとして、(「常時介護」を要する障害者等に対する支援の現状)7行目、(地域生活・地域移行の支援に関する課題)。その中で16行目の下線部分で、「重度の障害者が適切な支援を受けながらグループホームで生活している事例もあり、利用者の重度化・高齢化への対応を進めていく必要がある」ということで、この「重度の障害者が生活している事例がある」という部分を追記しています。

 次の○は、重度者のグループホームでの「一人暮らし」を支えるサービスで、21行目から、「グループホームには、区分なし、区分12の方も多く入所している」という部分、23行目、「「一人暮らし」に向けた支援を検討すべきとの指摘がある。また、障害者等の居住支援については、家賃債務保証制度の活用も求められている」と追記しています。

 次の○の29行目からです。「例えば、居宅介護については、実質的に相談目的で利用されている事例があるとの指摘もある。また、障害福祉サービスと併せて、ボランティア等も含めたインフォーマルサービスの活用を進めることも重要との指摘がある」という部分を追記しています。
 3ページの1行目に、(人材の確保と資質向上)との小見出しを付けています。4行目、「また、重度障害者の支援にはOJTが重要との指摘がある」と追記しています。6行目、(「パーソナルアシスタンス」について)という小見出しを付けています。そのパラグラフ8行目ですが、「サービスの質の確保、ダイレクトペイメント、財政面等に関する課題も多いのではないかとの指摘がある」との部分を追記しています。

 (2)「検討の方向性」です。12行目に(基本的な考え方)という小見出しを付けています。17行目、(重度障害者を対象としたサービス)と見出しを付けています。そのパラグラフの中ですが、24行目、「医事法制との関係を整理しつつ」、前回の御議論を踏まえて保助看法などもありますので、この部分を追記しています。

 26行目、(地域生活を支援する拠点)との見出しで、28行目からですが、「平成27年度に実施している地域生活支援拠点に関するモデル事業の成果も踏まえつつ、地域で生活する障害者等に対し、地域生活を支援する拠点の整備を推進することとしてはどうか。その際、グループホームにおける重度者への対応の強化、後述の地域生活の支援、医療との連携、短期入所による緊急時対応等を総合的に進めることとしてはどうか」ということで、モデル事業の件、拠点の具体的な機能についての記述を追記しています。

 4ページの1行目、(地域生活を支援するサービス等)。グループホーム等から一人暮らしへ移行する者へのサービスなどについてのパラグラフの部分です。12行目、(人材の確保と資質向上)という見出しを付けています。

 続いて5ページから、2番目のテーマです。「障害者等の移動の支援について」、(1)「現状・課題」。2行目に(移動支援の現状と課題)との見出しを付けています。10行目にパラグラフを追加しています。「移動支援については、市町村による地域生活支援事業の必須事業とされており、その実施割合は90.5%となっているが、地域ごとに取組状況に差が見られることから、利用者のニーズを踏まえた確実な実施を進めることが課題である。その際、地域の状況(都市部、中山間地域、積雪の多い地域等)にも配慮する必要があるとの指摘がある」と追記しております。
 15行目、(通勤・通学等)24行目、(入院中・入所中の外出・外泊)という見出しを付けています。

 6ページの(2)「検討の方向性」です。2行目、(基本的な考え方)9行目、(通勤・通学等)として、そのパラグラフの中の11行目から、「関係省庁とも連携し、事業者、教育機関、公共交通機関等による「合理的配慮」の対応、教育政策や労働政策との連携、地方公共団体(福祉部局、教育委員会等)における取組等を総合的に進めていく必要があるのではないか」という部分ですが、公共交通機関、労働政策、教育委員会等の情報を追記しています。18行目、(入院中・入所中の外出・外泊)という小見出しを付けています。

 7ページ目、3番目のテーマ、「障害者の就労支援について」です。(1)「現状・課題」。2行目に(就労系障害福祉サービス等の現状と課題)という見出しを付けています。16行目、就労継続支援の現状の中で、工賃について、「厚生労働省が定める運営基準(3千円)に達していない事業所も存在する」という実態についての記述を追記しています。また、18行目からのパラグラフを追加しています。「障害者就労施設等の受注機会を確保するため、平成254月に障害者優先調達推進法が施行され、調達件数や金額は伸びているものの、地域によって調達実績に差が見られる状況である」と追記しています。21行目に(就労定着支援)という見出しを付けています。

 8ページは就労の部分の「検討の方向性」です。2行目に(基本的な考え方)という見出しを付けています。8行目、(就労移行支援)の中で、11行目、「あわせて、支援を行う人材の育成や支援のノウハウの共有等を進めることとしてはどうか」の部分を追記しています。13行目から、(就労継続支援)です。14行目、「サービスを利用する中で能力を向上させ、一般就労が可能になる障害者もいることから、一般就労に向けた支援や一般就労への移行実績も踏まえた評価を行う方向で検討することとしてはどうか」という部分ですが、「一般就労が可能となる」という部分が、前回は「一般就労に移行する」となっていましたが、ここを「可能になる」。それから、「一般就労への移行実績も踏まえ」の部分が、前回「移行実績を踏まえ」となっていましたが、「を」を「も」に変更いたしております。そのパラグラフの下ですが、23行目から、「就労継続支援B型の利用希望者に対して本年度から本格実施されている就労アセスメントの状況把握・検証を行うとともに、その効果的かつ円滑な実施が可能な体制を整備しつつ、対象範囲の拡大について検討することとしてはどうか」というアセスメントの部分ですが、「本年度から本格実施」、それから「状況把握・検証を行うとともに」の部分、それから「可能な体制を整備しつつ」の部分を追記しています。27行目の(就労定着に向けた生活面の支援を行うサービス等)、就労定着サービスについての小見出しを付けています。その33行目ですが、「就労定着に当たっては、企業の協力も重要であることから、障害者就業・生活支援センター事業の充実など、引き続き、労働政策との連携を図る必要があるのではないか」という部分を追記しております。9ページの1行目、(サービス内容の情報公表)という見出しを付けています。

 10ページは4つ目のテーマ、「精神障害者に対する支援について」。(1)「現状・課題」。2行目、(精神障害者の地域移行、地域生活の支援)という部分です。4行目、「毎年5万人の長期入院者が退院する一方で、新たに5万人が長期入院者となっている状況である。精神障害者が長期入院に至る要因を分析して対応していくことが必要である」との部分を追記しています。12行目、「精神障害者の地域移行や地域生活において有効な支援者とされる「ピアサポーター」については」の部分ですが、前回、「地域移行」の部分のみでしたが、「地域生活」という部分を追記しています。17行目、「あわせて、相談機能の強化や人材育成が重要である」と追記しております。

 18行目、(精神障害者の特性に応じた対応等)という見出しを付けています。その中で25行目から、「例えば、高次脳機能障害を持った児・者は医療機関や障害福祉サービス事業所で受け止めきれていないとの指摘がある」という部分ですが、高次脳機能障害について具体的に追記をしています。30行目、「その際、地域移行後に想定される精神障害者の生活の場についても留意することが望ましい」と追記しています。

 11ページ(2)「検討の方向性」です。5行目の(基本的な考え方)の部分は、ほかの項目とのバランス、平仄を取って、この(基本的な考え方)の部分を追記しています。「医療・福祉や行政機関など精神障害者を取り巻く様々な関係者が、本人の意向を尊重し、精神障害の特性を十分に理解しつつ、連携・協働して精神障害者の地域移行・地域生活の支援の取組を強化するため、以下のような方策を検討することとしてはどうか」。

 10行目、(ピアサポーター)の中の11行目、「地域移行や地域生活の支援に有効なピアサポーター」。地域生活の部分を追記しています。

 14行目、(医療と連携した短期入所)17行目、(地域生活を支援する拠点とサービス)。その中で、19行目ですが、「その際には、医療との連携についても留意する必要があるのではないか」と追記しています。24行目、「医療との連携やITの活用など、効果的・効率的な実施方法を検討することとしてはどうか」と追記しています。

 26行目、(市町村等の役割)の中で、27行目、市町村の協議の場の所ですが、「当事者を含め、医療と福祉の双方を含む様々な関係者が」の、「当事者を含め」の部分を追記しています。30行目、「都道府県・保健所・市町村が適切な役割分担をしながら協働して取り組むための体制の在り方を検討することとしてはどうか」という部分を追記しております。

 12ページの1行目、「都道府県障害福祉計画に記載される精神障害者の長期在院者数の削減目標」ですが、「都道府県障害福祉計画に記載される」の部分を補足しています。

 4行目、(人材の資質向上)の中で5行目、「研修の標準化など」の部分を追記しています。また、7行目から、「例えば、今なお障害福祉サービスで十分な対応ができていない高次脳機能障害について、有効な支援方法やそれを担う人材養成の研修の在り方についての研究を進めてはどうか」と追記しております。

 13ページの5番目のテーマ、「障害者の意思決定支援・成年後見制度の利用促進の在り方について」。(1)「現状・課題」。2行目、(意思決定支援の現状と課題)の中で12行目からですが、「その際、意思決定支援は、相談支援をはじめとした障害福祉サービスの提供において当然に考慮されるべきものであり、特別なサービス等として位置づけるような性質のものではないことに留意が必要である」と追記しております。

 19行目から、(成年後見制度)。その31行目、成年後見の課題の中で、「医療同意の在り方等の課題についての検討が必要なのではないか」という部分、14ページの「障害者権利条約第12条との関係を整理する必要があるのではないかなどの指摘がなされている」という部分を追記しています。

 14ページの(2)「検討の方向性」。4行目、(基本的な考え方)。これもほかの項目との平仄を合わせて、このパラグラフを追加しています。「日常生活や社会生活等において障害者の意思が適切に反映された生活が送れるよう、障害福祉サービスの提供に関わる主体等が、障害者の意思決定の重要性を認識した上で、必要な対応を実施できるようにするとともに、成年後見制度の適切な利用を促進するため、以下のような方策を検討することとしてはどうか」。

 9行目、(意思決定支援ガイドライン)11行目から、「意思決定支援の定義や意義、標準的なプロセス(サービス等利用計画や個別支援計画の作成と一体的に実施等)、留意点(意思決定の前提となる情報等の伝達等)等を取りまとめた「意思決定支援ガイドライン(仮称)」」の部分ですが、括弧内の情報を補足しています。16行目、「なお、ガイドラインの普及に当たっては、その形式的な適用にとらわれるあまり、実質的な自己決定権が阻害されることのないよう留意する必要があるのではないか」と追記しております。

 18行目、(障害福祉サービスにおける意思決定支援)21行目、(入院中の精神障害者の意思決定支援)26行目、(成年後見制度の利用支援等)ということで、その中の30行目から、「成年後見制度そのものの課題については、当部会の調査審議事項を超えるものであるが、当部会における議論の内容については、今後の議論に資するよう、内閣府に設置されている障害者政策委員会や法務省に伝えることとしてはどうか」。前回の資料では、「議論を注視する」という形で、傍観者的な書き方ではないかという御指摘もありましたので、修正をしております。

 15ページ目からが6番目のテーマ、「手話通訳等の意思疎通支援」です。(1)「現状・課題」。2行目から、(意思疎通支援の現状と課題)。その中で10行目から、「差別解消法」の所ですが、「教育、労働等の他施策との連携など」の部分、それから「制度の縦割りによる谷間を作らないように留意することが重要である」との部分を追記しています。

 13行目、(意思疎通支援者の人材養成)の中で、16行目から、「その際、研修の内容については、実践的な面を重視すべきである」と追記しております。18行目からのパラグラフを追加しています。「今後の中長期的な人材確保に向けた検討に当たっては、点訳や音訳等は多くのボランティアの協力を得て実施されていることや、専門的な人材の処遇の在り方に留意する必要があるとの指摘がある」と追記しております。

 21行目、(地域生活支援事業等の活用)。その中で、24行目に「難病」を追記し、「盲ろう、失語症、知的障害、発達障害、高次脳機能障害、難病、重度の身体障害のある方」としています。

 26行目、(支援機器の開発と活用)です。

 16ページの(2)「検討の方向性」。2行目に(基本的な考え方)

 6行目、(計画的な人材養成とサービス提供等)ということで、その7行目のパラグラフ、「地域のニーズに応じた人材養成や意思疎通支援のサービス提供に資するよう」という部分を追記しています。調査の趣旨を明確にするための追記、補足です。

 13行目、司法、医療等の専門分野への対応の所で、「手話通訳士・者、要約筆記者、点訳者等の指導者養成の在り方を検討することとしてはどうか」ということで、前回は手話に関する部分だけでしたが、要約筆記あるいは点訳等の補足をしております。

 18行目から、(地域生活支援事業の活用)ということで、ここでも先ほどと同様に、19行目から20行目にかけて、「難病」を追加しています。

 23行目、(支援機器の活用促進等)の最後の部分、26行目から、「その際、一般の図書館等との連携も視野に入れるべきではないか)と追記しています。

 議論の整理については以上です。なお、付属の参考資料は、これまで第2ラウンドの議論などで提出させていただきました資料をまとめたものですので、説明は省略させていただきます。以上です。

 

○駒村部会長

 本日は、これから6つのテーマについて議論いたします。時間があと2時間ぐらいだと思います。したがって、1テーマ20分ぐらいになるかと思っております。大体、最大1つのテーマについて20分ずつ議論をして、もし早めにそのテーマが終われば少し残しておいて、最後に取り残した部分については再度議論すると。まずは、一当たりしたいと思っております。

 それでは、「常時介護」について、特に前回からの議論で下線部についての加筆が行われたということですので、その辺りの議論を中心に、皆さんから御意見、御質問を頂きたいと思います。この議論は、1020分前後を目処にと思っております。では、発言予定者の方は、恐縮ですが挙手いただけますか。

 

○本條委員
 25行目の家賃債務保証制度ですが、これは高齢者住宅財団が既に実施しているということですが、確かに障害のある方も住宅財団の保証債務を受けておられる方も見受けられます。しかし、これも地域差があり、県によってはほとんど実績がないと聞いておりますので、新たな家賃債務保証制度をつくる必要はありませんが、制度の周知徹底をお願いしたいと思います。また、使いやすい制度を提案していただきたいと思います。

 

○大濱委員

 脊損連合会の大濱です。2ページ目の16行目に「重度の障害者が適切な支援を受けながらグループホームで生活している」とあります。加齢に伴ってグループホームということでしょうが、高齢になっても、地域で訪問系サービスをきちんと受けられるように、という視点も入れてほしいと思います。必ずしも、高齢になったからグループホームに行くのではなく、訪問系サービスがきちんと受けられれば、自宅でも暮らせるということも大事ですから、これはきちんと入れていただきたいです。

 次に22行目ですが、「グループホームには区分なし、区分1、区分2」とあるので、軽度の障害者が入居しているということだと思います。ですが、やはり今後のグループホームの役割としては、重度の障害者をどうやって受け入れるかという視点が重要ですから、軽度の人たちはできるだけ地域で一人暮らしという視点を中心に考えていただければと思っています。

 

○小澤委員
 3ページの26行目、「地域生活を支援する拠点」ということで、これは前々から私も意見を申し上げているところですが、29行目に、「平成27年度に実施している地域生活支援拠点に関するモデル事業の成果も踏まえ」と書いてあるのですが、そもそもモデル事業というのがどういうものか。2点目は、成果を踏まえとなると、はっきり言いますと、来年4月からの法改正ですので、この成果がいつ出るのかということですね。一部質問ではあるのですが、ここを教えていただけたらと思います。それを踏まえて、その在り方を整備し推進するということですので、その時期が非常に重要ではないかなと思います。

 

○駒村部会長

 ここは質問も入っておりましたので、事務局からお答えいただきたいと思います。

 

○田中障害福祉課長

 障害福祉課長でございます。地域生活支援拠点のモデル事業ですが、今年度の予算事業として実施をしており、市町村に対して補助を行い、その市町村では支援の拠点の機能をどこが担うかといったことを議論していただき、立上げの準備をしていただきます。また、必要な人材についての支援なども行っていくというようなモデル事業です。現在、10の自治体で実施をしていただいております。平成27年度のモデル事業ですので、最終的な成果としては年度末になろうかと思います。ただ、ここの地域生活支援拠点については、このようなグループホームにおける重度者への対応や、地域生活の支援、医療との連携といったようなところ、むしろ法律の内容というよりは報酬でどのように評価をしていくかということになろうかと思います。そういう意味では、平成27年度の成果を踏まえて、どこがどのように必要なのかといったようなことを議論をしていくということではないかと思っております。

 

○小澤委員
 1点、障害福祉計画の策定で、第4期でしょうか、結構重要事項で、市町村レベルでは審議したのですね。ですので、これはむしろシステムとして、例えばこういうシステムが必要という示し方をしないと、課題が多いのではないかと思っております。もう1点は、このモデル事業は3パターン、つまり入所施設に設置する場合と、グループホームに設置する場合と、それ以外の連携・調整・面的整備を確か強調していたのですね。そこで、市町村で具体的にどう考えるか相当悩んだ場所の1つなので、これを示していただかないとやはり難しいのではないでしょうか。私からは以上です。

 

○駒村部会長

 どうしましょうか。これは、今、まとめのところですが、やや抽象的な書きぶりになっておりますが、今の小澤先生の御意見に対して、事務局から何かありますか。

 

○田中障害福祉課長

 モデル事業の成果を踏まえて、今後どのようなことを自治体にお示しをしていくかという中で、今の御意見をしっかり留意させていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 取りまとめのところですから、こういう書換え、今のようなお答えですね。

 

○藤井障害保健福祉部長

 もう少し補足をさせていただきますと、システムとしては、小澤先生がおっしゃる3つのパターンを2年前の検討会でも整理をしていただいて、そういった拠点を障害福祉計画の中に盛り込んでいただくということを先般お示しさせていただきました。私どもがこれから議論していかなければいけないのは、そういったシステムを各地域で作っていただけるように後押しをするために、どういう運用でやっていけばいいかをモデル事業で検証しているわけですが、更に、そういった然るべく運用をしていただけるように、例えば報酬等で、どのようにそれを担保していくかが次の課題ではないかと思っておりますので、そこを具体的にこれから検討していかなければいけないのかなという認識でおります。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。私から、2点発言をさせていただきます。1点目は、精神障害者のグループホームの件です。長期の入院中の精神障害者の方たちの地域移行をどのように進めていくかについて、やはりグループホームの果たしてきた役割は極めて大きいものがあるというのは、共通の認識であろうかと思っております。そういう中で、今回の議論の中で、その後、グループホームが最終の場所ではなく、やはり地域の中で一人暮らしを推進していこうというような方向性で、今回の取りまとめもされているのかなと思っております。ただ、やはりそれは精神障害者の方たちの特性を考えると、グループホームが医療に果たす役割をもっと議論をする必要があるのではないかと思うのですね。そういう意味で、前回も発言をさせていただきましたが、4ページにあります「地域生活を支援するサービス等」の所の検討の方向性については、まず、一人暮らしができるという体制をしっかりと作り上げて、そして、そういうサービス体系が充実をすると、その結果として、現状グループホームに入所されている精神障害者の方たちも、特に支援区分の低い方たち、あるいは支援区分をお持ちでない方たち等も含めて、一人暮らしへの移行を推進していこうという時系列であるということは、第72回の障害者部会で確認もさせていただきましたし、駒村部会長からも、そういうことですねということを事務局に確認をし、そうですという回答を得ているので、それはそれで議事録にも載っておりますから問題ないと思います。ただ、その辺りを4ページの「地域生活を支援するサービス等」の所に何らかの表現が必要ではないかなと思っております。

 それに関連して、2ページ目の19行目からですが、前回も気にはなったのですが、「約6割が自宅又は賃貸住宅、約2割がグループホーム等と回答しており」と書かれておりますが、このデータはどの調査からこのようなデータとして出たのか、お分かりであれば教えていただきたいと思っております。

 実感として、これがそのまま、イコール一人暮らしを希望する人が多いということにつながるのかどうか。私どもの認識では、自宅又は賃貸住宅、アパート等で生活をしたいとおっしゃる方たちの中の多くは、家族等と同居をするという前提でそういうことを希望されている方が多くて、どうもこの表現ぶりだけで見ますと、自宅又は賃貸住宅イコール一人暮らしというような解釈につながるような気がして、もう少し詳細な分析の上で、この辺りは表現をされたほうが、ミスリードにならないのではないかなと思っております。まずは、どういう調査からこれが出てきたのかをお教えください。

 最後に、3ページ目ですが、「重度障害者を対象としたサービス」の所の22行目の最後辺りからです。「重度障害者の地域生活を支えている重度訪問介護を利用している者について、医療保険の給付範囲や医事法制との関係を整理しつつ、入院中も医療機関で重度訪問介護により、一定の支援を受けられるように見直しを行うこととしてはどうか」と。これについては、前回も非常にいいことだと賛同はさせていただきましたが、この表現からしますと、これまで重度訪問介護を利用していた人に限ってということでしょうか。つまり、これまで重度訪問介護を利用していなかった方たちは、こういう対象にはならないというような考えなのかどうか。そこだけ確認をしたいと思いました。

 

○駒村部会長
 3つありまして、4ページのほうはきちんと順序立てて、段階立てての文面、表現にしたほうがいいのではないかという点が1つです。2つ目は、データの根拠とその読み方ですね。一人暮らしと読めるのかどうなのかというのがあったと思います。それから最後の所は、今の「利用している者」というと限定的になるのではないかということですね。この3つですが、事務局からお答えはありますか。

 

○田中障害福祉課長
 1点目については、前回の部会でもお答えして確認をしていただいたとおりだと思いますので、表現ぶりをどのようにブラッシュアップできるかということかと思います。

 

○駒村部会長

 表現をそういう形でということですね。

 

○田中障害福祉課長
 2点目ですが、ここの所のデータですが、昨年の精神障害者の地域移行の推進に関しての研究会の中で用いたデータですが、すみません、今、調査の名前等を持っておりませんので、後ほど確認の上、河崎委員に個別に御説明させていただきたいと思います。

 それから、重度訪問介護の所ですが、これは基本的に、これまで重度訪問介護を利用していた方が自宅で生活をされるのと、病院で生活をされるというようなこと等、生活としては同じですので、差が生じないようにすべきではないかというようなことです。ですので、病院に新たに入院をして重度訪問介護を新たに利用し始める方がいらっしゃるということは、基本的には想定ができないかなと思っております。

 

○河崎委員

 ということは、新たに入院された方が重度訪問介護のサービスが必要になった際のことは想定はしていないと。つまり、その後また地域へ戻られたり、あるいは在宅へ戻られた際に、そういうサービスが必要な状況の方は、入院中の方でもいらっしゃると思うのですよね。あるいは逆に、そのようなサービスがあれば、入院から地域へ戻れるという方もいらっしゃると思うのですが、それに先立って、入院中にそういうサービスを受けられるというような体制も、ある程度イメージできるのではないかなと思うのですが、その辺りはいかがなのでしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 病院の中だけで重度訪問介護を利用されるというようなことについては、想定をしにくいと考えておりますが、例えばその前や入院をされた後も通してというようなことであれば、どのような状態像、どのような範囲の人かということを、今後、仮にこのように見直すとしたら、施行までにどういう範囲かということを決めていかなければいけないと思います。それは、どういう方がどのような形でニーズがあるのかを、少し実態も含めて研究させていただきたいと思います。

 

○河崎委員

 例えば、重度訪問介護を受けておられた方が入院をなされて、そして、これまで重度訪問介護の中での対応が入院中も必要であるという方たちに、今後はそのサービスを受けられるようにしましょうというのが、この方向性ですよね。という認識でいるのですが、そうではないのでしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 今まで重度訪問介護を受けられていた人は、そのような重度訪問介護に含まれるような支援が、御自宅におられても、病院におられても必要ですので、そのようなことで病院に入られたときに、重度訪問介護が使えないというようなことをなくしていくというのが、ここで盛り込もうとしている基本的な思想です。

 

○河崎委員

 そういうことですよね。そうしますと、入院中の、まだ重度訪問介護のサービスを受けていらっしゃらないのだけれども、入院中にそのようなサービスの対象になるような状態像になられた方が、その後また地域へ戻る、あるいは在宅でケアをされるというような状況になった際に、入院中に重度訪問介護をどのように受けていくのかということが出てくるのではないかなと思うのですが、そこは想定はされていないのですかという質問なのですが。私の言っていることが、少しポイントがずれているのでしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 これを作る検討の際には、余りそのようなタイプの人については想定をしておりませんが、先ほども申し上げましたとおり、この見直しの中で、ではどのような範囲の人というのを詳細に決めていかなければいけませんので、そのときに、どのような状態像の人でどのようなニーズがあるのかについては、よく検討をしていきたいと思っております。

 

○河崎委員

 限定しなくてもいいのではないかという気はしたのですが。

 

○駒村部会長

 そういう御意見があったので、事務局としてはどういう状態像があるのかを少し整理した上でという話ですね。まだ抽象的なポイントが多いですので、ほかの方の御意見もあるかと思いますので、ここのところは、後でまた意思疎通を整理し直していただきたいと思います。では、データも6割とか、それを一人暮らしと呼んでいいかどうかというのも、また後で戻して河崎先生にお示しください。

 

○久保委員

 育成会の久保です。今お話にあった入院中の介護のことですが、実は中軽度の方も、病院に通うのも支援が必要ですが、お医者さんとのやり取りが分からないというのがあり、そこに1つ支援が必要だなと思います。もう1つは、入院中も聴覚障害の方などは、大事なときになるときちんと手話通訳の方が入って、医療的な説明をされるというのもありますので、必ずしも知的障害や発達障害の人たちが、親がきちんと付いて説明ができるという状態の方ばかりでもありませんので、その辺りのことも、中軽度であっても医療的なことが理解できないために、看護師の言うことを聞かないで、病院食を食べないで、病院内のコンビニや売店でいろいろな物を買って食べるというようなことも発生しているのが現状です。そのところは、きちんと御本人に伝えられるような支援があったらいいなと思っておりますので、少し考えていただけたらと思っております。

 

○駒村部会長

 聞きそびれましたが、何ページの何行目に関連した話ですか。

 

○久保委員

 今の「重度障害者を対象としたサービス」の入院中のことに関連してです。

 

○駒村部会長

 分かりました。追加の御意見があったということですね。事務局、今の御意見についてはよろしいですか。

 

○田中障害福祉課長

 一義的には、重度訪問介護の対象でない方というようなことかもしれませんが、今回、やはり病院の中ということになりますと、医療保険の給付範囲や医事法制とどのように棲分け、整理がつくかです。ですので、今回は重度訪問介護というような、かなり重度でいろいろな特殊な支援が必要な方というようなことで、今まで整理をしてまいりました。御指摘のような御意見もありますが、少しそこのところまでということになると、今回の整理の中で医事法制や医療保険の給付と、また、合理的配慮と整理がつくかというと、少し難しいかなというような感じがしております。

 

○駒村部会長

 ちょっと、ここのところではないという感じですね。御発言、御意見があったことは記録に残ると思いますが。

 

○竹下委員

 私も、河崎委員及び久保委員のことと全く重なる部分があります。まず、3ページの17行目以下は、そのとおりなのですよ。「入院中も医療機関で重度」うんぬん以下ですが、「医療保険の給付範囲や医事法制との関係を整理しつつ」というのは、当たり前というか、当然だと思っております。それを前提でお聞きするのですが、なぜ重度訪問介護の対象者だけが、この入院中の援助の点で限定されるのかということについて、全く理解できません。少なくとも、当面はということで、あえて言うならば、私はここではそれ以上強固なことは言いませんが、まずはというのか、当面はというのか、差し当たりというのか、重度訪問介護の対象者から入院中の支援をするということであるならば、そこはやむを得ないのですが、それが医療給付や医事法規との整理の上で、重度訪問介護の対象者に限定されるというのは、なぜそうなるのかを説明いただかないと、これはやはり整合性はないと思います。

 それと同じ場所で、河崎委員と全く同感で、「利用している者について」という限定をしていることには、もっと整合性がないと思うのです。在宅中に重度訪問介護を利用していない方であっても、重度訪問介護の対象となる重度障害者、あるいは常時介護を要する障害者が入院した場合に支援を必要とする点においては、全く本質の上で変化はないはずです。それを区別することにおいて、行政上、あるいは整合性、合理性がどこにあるのかが問われると思います。私は、この文章は矛盾していると思いますので、少なくとも「利用している者について」という限定は絶対に外すべきだと思います。

 

○駒村部会長

 ここは、先ほどもやり取りがあった所ですが、もう一度説明をしていただけますか。

 

○田中障害福祉課長

 まず、ここの部分ですが、今回の整理において、重度訪問介護、重度のところについて、医事法制なり保険給付との整理が、これは相手もあることですので、ある程度できるというようなことで、今回はここの部分をというような御提案です。

 それから、先ほども申し上げましたが、重度訪問介護を利用している方というようなことで記載をしておりますのは、主として想定をしておりましたのは、これまで重度訪問介護を利用してきた方で、そのような支援が必要な方については、既に重度訪問介護を受けておられるだろうという方が、居宅から病院に、例えば1か月の入院をされた際に、既にこういう支援が必要ということにされていながら、それが使えなくなるというようなことを何とかしようというようなことが、そもそもの基本的な今回の検討の発端でしたので、そのように記載をしておりますが、今後、中身をどういう範囲かを詳細に詰めていく中で、それ以外の方でどのような必要な方がいるのかというようなことも含めて、検討をさせていただきたいと思っております。

 

○駒村部会長

 後半のお答えは先ほどとほぼ同じお答えです。前半の部分は、今回はということですね。

 

○竹下委員

 分かりました。田中課長のお答えのうちの第1点目の問題ですが、久保委員もおっしゃったように、やはり重度訪問介護の対象の重度障害者に限定されるのではなく、例えば視覚障害者や盲ろう重複障害者の場合に、入院中のトラブルがたくさん発生して、命を落としている例もあるわけですよ、看護師では困難があるために。それらを考えると、この部分については、少なくとも、極めて重要な課題として、今後の検討に必ず残していただきたいということだけはお願いいたします。

 

○駒村部会長

 ここが、「重度障害者を対象としたサービス」となっているので、そこに入れるとなると少し変だけれどもという感じですが、事務局、今のような、そうとは限定しない部分での加筆はいかがでしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 全体の中で、ここに限らず御意見をどのように盛り込んでいくかというところかと思いますが、先ほど申し上げたのは、この「重度障害者を対象としたサービス」という所で、今回、院内ヘルパーを位置付けてやっております。今回整理がつくと、大体これまでの保険、医事法制との関係からいって、今回このような範囲でというようなことを御提案しているもので、それ以外についても御意見があるというようなことについて、この部分以外についても記載している内容のほかに、このような意見を追記すべきというような御意見が今後出てこようかと思いますが、全体の立て付けの中で整理をする中で、ここに書くのか、ほかの所に書くのか、またどのようなことになるのかを整理させていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 では、取りまとめに向けて、今のような意見があって、ここに書くかどうかは別にしても、今後どうするか、また出てくると思いますので、そのときに御意見を頂ければと思います。竹下委員、とりあえず今の時点では、このような整理です。

 

○菊池委員

 今の点に関してなのですが、この点について私も以前発言しましたので、私なりの考えを申し上げます。医療機関の内部では、医師法上の医師による医学的管理、あるいは保助看法上の看護のなかでも特に療養上の世話、どちらも業務独占にかかっているので、基本的に本人、そしてその家族以外の第三者が世話、ケアに当たることは非常に難しいという大前提があり、その中で、今回、どこまでが重度かという問題はありますが、ギリギリの医事法制との兼ね合いでここまで踏み込むという今回の方策ですので、私はこれは大きな前進だと思いますし、非常にここは緊張関係が医事法制の間である中で、よくここまで踏み込んだと、私は法律的にはそのように考えられるのではないかと思っております。

 

○大濱委員

 重度訪問介護での入院中の介護の件は、私たちの団体でもずっと要望してきました。なぜなら、例えば私が肺炎になると、病院に入院しなさいと言われますが、実際には怖くて入院できないからです。なぜかというと、例えば、夜などに痰が詰まっても呼び鈴が押せませんし、声も出せなくなります。そういう状態で病院に入院したら、むしろ死んでしまう可能性が高いからです。重度訪問介護の対象者の場合は、そういう人たちが結構多くて、肺炎だから緊急に入院したほうがいいですよと医者から言われても、入院すると、とてもではないですが怖くて眠れません。そういう状態になるということで、私たちはお願いしています。

 やはり、重度訪問介護の障害程度区分6といった非常に最重度の人たちには、そういう人たちがたくさんいるという背景があり、こういう要望が出てきたことを御理解いただければと思います。

 

○駒村部会長

 この部分の議論は2つに分けて、菊池先生が今おっしゃったような話と大濱委員のようなお話があり、それに対して、それ以外の人をどうするかというのは、ここに入れるのではなくて、別の所で整理し直すということで、それは菊池先生がおっしゃるように、医療制度との関係でなかなか厳しい問題があると。重度訪問についてのみ、まず優先的にやりましょうという整理が行われたということだと思いますので、この辺りのやり取りは事務局に少し消化していただいて、次回には少し整理していただきたいと思います。

 

○野澤委員

 野澤です。2ページ以降の所で、重度の障害者の「地域生活・地域移行」の文脈での、重度障害者とは一体何なのかという定義がないのですね。これまでずっと、この点については議論してきましたし、重訪の適用拡大でもいろいろとやってきましたので、あえてここで書かなくても分かるのですが、ただ、特に行動障害の方のことが気になっております。行動障害の方は、必ずしも常時介護が必要でない場合もあるわけですね。しかし、やはり手厚い介護、ケアが必要なわけで、やはりどこかに「行動障害等の」みたいなことが一言あってほしいなと思うのです。なぜこんなことを言うのかというと、せっかく重訪の適用拡大で行動障害のある知的の人たちや精神の方たちが入ったのですが、実際には思った以上には使われていないというか、意外に使われていない。これは、利用者や家族、それから相談支援機関や自治体、現場の人たちに、常時介護というと、やはり彼らを余りイメージしにくいと思うから、使われていないのではないかと思うのですね。やはり、彼らの地域生活・地域移行の議論の核心部分というのは、行動障害を起こしている人たちをどのようにして地域で生活を支えられるのかというようなところにあると思いますので、現場にきちんとしたメッセージを届けるという意味で、定義の中に「行動障害等の」というのが一言あったほうがいいのではないかと思います。

 

○駒村部会長

 ほかに御発言はありますか。

 

○日野委員

 これまでの議論で整理をされておりますが、更に検討していただきたいことについて5点ほど申し上げたいと思います。まずは、2ページの16から18行目で、「グループホームで生活している事例もあり」というような表現ですと問題なく支援できているように見えますが、実際に現状のグループホームでの、重度の障害者あるいは医療的なケアを持たれた方たちの生活を支援するうえではマンパワー不足が大きな課題であり、職員配置を拡充することが必要だと思っております。したがって、この表現を伝わりやすくするために、「グループホームにおいて重度の障害者も適切な支援を受けながら生活できるように、利用者の重度化・高齢化への対応を進めていく必要がある」という表現のほうが、より伝わりやすいのではないかと思っております。

 それに関連して、4ページの「検討の方向性」の89行目で、「グループホームについて、重度障害者に対応するサービスを位置づけ、適切に評価を行う」とありますが、やはり体制整備は非常に重要ですので、「サービスを位置づけ、必要な体制確保と適切な評価を行う」というような表現を検討していただければと思います。
 2つ目は、2ページの3031行目ですが、インフォーマルサービスについて指摘があります。インフォーマルサービスを進めるということは異論ありませんが、一方で、フォーマルなサービスは障害のある方が生活を送るうえで、その量と継続性の担保が不可欠なものであり、それが後退することがないようにお願いをしたいということです。

 3つ目は、3ページの1から5行目で、「人材の確保と資質向上」について指摘をされております。これは「検討の方向性」の4ページの12行目もそうなのですが、資質向上については触れられておりますが、人材の確保について記述がされておりませんので、やはりここは人材の確保についての記述も必要ではないかと思っております。

 4つ目は、引き続き検討していただきたいのは、先ほどの医療機関における重度訪問介護の利用についてと同様に、やはり障害者支援施設で人材確保が困難な中で、施設が全ての機能を有していくことは非常に難しくなっておりますが、地域資源との連携によってニーズに対応できるように、障害者支援施設においても、居宅介護、あるいは訪問看護、訪問診療等利用しやすくなるような柔軟な対応の仕組みを、是非、今後検討をしていただきたいと思います。

 最後に5つ目です。「地域生活を支援する拠点」として、3ページの26から32行目に、グループホームが拠点として中心的に取り上げられております。やはりグループホームは規模が小さいため、人員体制等の問題もありますので限界があると思います。これまで障害者支援施設が取り組んできたことも明確に、その中で位置付けていただきたいと思っております。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。一応、一当たりしたので、次のテーマの「移動支援」に移らないと時間が足りなくなってきています。「常時介護」について発言しそこなった方がいらしたら、後でまた時間があれば戻ります。取りあえず次のテーマの「移動支援」に移ります。

 「移動支援」について御発言予定の方、挙手いただけますでしょうか。

 

○藤堂委員

 非常に簡単に。6ページの「通勤・通学等」に関して、「関係省庁とも連携し」の所からのアンダーラインは有り難いと思います。これが、実効性のあるように「連携」という言葉がたくさん、この提案の中に出てきますが、何をもって連携と言うか、何をもって研修と言うかというところをはっきりさせていっていただきたいと思うことが1つと、利用者にとって不利のないようにということを、よく考えていただきたいと思います。いろいろな省庁が関連すると、たらい回しになるのです。10分間この人で、次は違う制度なので違う人に頼まなくてはいけないなどということがないように、一貫した支援になるようにお願いしたいと思います。以上です。

 

○森参考人

 日身連の森でございます。私、「通勤・通学」の点でお話したいと思います。先ほどから出ている通勤・通学等について、移動支援を認めることは大変貴重なものだと思っております。是非、実現してもらいたいと思っております。ただ、その財源をどうするかということは大変大きな問題ではないかと私は思っております。基本的に、長期あるいは継続的に必要なサービスを、必要な場合にはそれぞれの施策のほうからまず出すべきではないか。例えば教育だったら教育施策から、雇用は労働のほうから出してもらう。それで、どこにもはまらない問題については、福祉が出てくると。こういう形にしないと、恐らく、幾らお金があっても続かないのではないかと私は思っております。是非、お願いしたいと思います。

 なお、昔、通園というのがありましたが、その場合には移動の問題として、福祉のほうでバスを用意しました。それで、今でもあると思いますが、いわゆる教育関係は、養護学校の場合にはスクールバスを用意したという形があります。福祉の関係のところでは、例えば就労移行支援でバスが必要だということになれば、その旨、こちらのほうで用意するということになると思います。したがって、移動支援については、一定の基準のようなのを作ってもらい、それで、福祉の出番も考えるということだと思っております。以上です。

 

○竹下委員

 竹下です。私の発言も「通勤・通学」の部分です。6ページの9行目以下の所です。「その上で」とありますが、この部分に関する記述に対する疑問です。結論から言うと、この項目の見出しは「通勤・通学等」となっています。しかも、「現状と課題」の所を見れば、正に通勤・通学において自治体が必要との判断で、地域生活支援事業において行っている実績等も報告されているわけです。ところが、「その上で」以下を読んでいると、非常に不思議な文章なのです。「その上で」の最後を読んでいくと、「通勤・通学に関する訓練の着実な実施を促すこととし」と書いてあります。ところが、その途中、「まずは」からの部分を見ると、「まずは、就労移行支援や障害児通所支援において」と限定しています。私は、聞きたいのです。就労移行支援において、例えば、移動支援事業を利用できるとする。それから、障害児の通所支援に移動支援事業が利用できるとする。それが通勤・通学なのですか。理解できない。少なくとも、就労移行支援事業についての私の理解は、通勤ではないし、少なくとも労基法の適用もないと思います。したがって、それは通勤という概念には当たらないと思います。障害児に関しては、「通所支援」に限定しているのです。何で見出しが「通勤・通学」なのですか。それでさらに、「その上で」という文章の締めくくりが、「通勤・通学に関する訓練の着実な実施を」としているのです。こんなごまかしをしていいのですか。文章としても、日本語としても成り立っていないと思います。

 先ほど、森参考人もおっしゃったように、正に通勤・通学にこの部分の適用を踏み込んだことは非常に大きな前進ですし、いつも言っているように、労働行政とか教育行政との、言わば、また割きというか、谷間というか、そういうものを作らないということが極めて重要だから、この踏み込みは大きいと思います。正に連携という中で、その制度の運用の在り方であるとか、財源の負担の仕方であるとか、それは絶対議論をする必要はあると思います。そういうことに踏み込むならともかく、「その上で」の文章を読んでいる限りでは、何も踏み込んでいないと思われます。この点は文章の訂正を絶対お願いしたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 事務局、どうでしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 ここの部分ですが、まず、通勤・通学に関してどのような移動支援が必要なのかが前段で、様々な取組を総合的に進めていく必要があるのではないかと記載しております。

 そういうような前提の中で、では、福祉施策として、通勤・通学に関するものについて、どこまでどのような内容を実施すべきかということについて、引き続き検討を進めるとともに、まず今回、そのやれる内容として、通勤・通学に関する訓練については、就労移行支援、それから障害児通所支援において可能であろうと。福祉施策としても実施をするということが可能であろうと。そういうようなことから、通勤・通学に関しての訓練を、ここで実施を促すことと、必要に応じて評価することを検討することとしてはどうかという記述にしております。

 委員が御指摘のとおり、通勤そのものではありませんが、ここの後段の「その上で」の所は、通勤に関する訓練の実施です。そういうような意味で全体の表題共々、通勤・通学に関するものとしては、まず今回、通勤に関しての訓練、通学に関しての訓練を評価するということを、ここの部分で検討してはどうかという形で御提案させていただいているものです。

 

○竹下委員

 竹下です。全く今、課長の説明は、私は理解できません。これまでの発言は、私だけではないです。ほかの委員さんの発言、議事録を確認してもらったら分かると思います。今の田中課長の御説明いただいた内容と重なっているかと言うと、全然重なっていないです。そうじゃないですよ。この部分は、「現状と課題」の所を受けて、それを解決するための検討の方向性とはなっていない。現状と課題と、それから今後の検討方向とが、ばらばらになっているという、そんな馬鹿な報告書はあり得ないはずです。少なくとも現状と課題をどう解決するかというところで、今後の検討の方向性があるわけですから、そうであれば、「その上で」以下では、通勤・通学の、僕は確かに、ずっと通年とか、あるいは無制限にというのは、やはりそこにはいろいろな問題があると思いますが、まず踏み切りとして、通勤・通学の訓練という名目で、それはそれで僕はやむを得ないということを、前回か前々回で発言しているわけです。

 しかし、今の田中課長の説明で分かるように、通勤・通学そのものには適用していないのです。にもかかわらず、あたかも通勤・通学の訓練と記載して、通勤・通学そのものの訓練に適用したかのように、誤解させるような文章はやはりおかしいですよ。それならば、そこは明確にしてください。

 

○駒村部会長

 この読み方の所、丁寧に「まずは」から「促す」までを少しかみ砕いて説明してください。

 

○田中障害福祉課長

 通勤に関する訓練です。通勤そのものの支援ではありませんが、通勤ができるようにするための訓練ですので、それは「通勤に関する訓練」というような表現で、事務局としては、これまでの御意見、それから、これまで御説明させていただいたことを踏まえた表現になっていると考えて、今回このような形で書かせていただいております。

 

○駒村部会長

 いいですか、竹下委員。通勤・通学に関する訓練ということは変わらないという趣旨だということです。

 

○野澤委員

 議論がかみ合っていないような気がします。要するに、自宅から就労移行支援事業所まで来ることをやるのか、それとも、自宅から通勤先に行くことを就労移行支援事業所が支援するのか。

 

○駒村部会長

 ここに「おいて」と書いてあるのが混乱の原因なのです。この「おいて」という一言が。

 

○田中障害福祉課長

 すみません、再度御説明させていただきます。就労移行支援や障害児通所支援というのは、サービスの内容として書いているところです。ここで想定しているのは、例えば通勤については、就職が決まって、どこそこの会社に通うことが決まれば、そこへ実際に就職する前に何度か行っていただき、道順を覚えていただいたり、その危険をすぐに調整するようなことを想定しております。ですので、その通勤に備えた訓練というようなことになろうかと思います。

 竹下委員からもございましたが、通学は、実際に学校に通うということです。しかしながら、通学そのものとかぶってくる場合もあるかもしれませんし、また、休日の同じ時間帯に、学校がない日ですが行っていただくというケースもあろうかと思います。そのようなことをひっくるめて、通勤・通学に関しての支援というような形で書いています。

 ここで就労移行支援の事業所、それから障害児通所支援事業所に通って来ることに対して、要は歩いて来るとか、電車を使って来るといったようなことに関しての支援というように受け取られたのでしたら、すみません、説明が足りない部分でございました。

 

○駒村部会長

 「おいて」というのがあったので、目的地がどこになっているかが分からなくなってしまったということだと思います。あくまでもそれは、職場とか学校を目的地にした支援、訓練ということですが、竹下委員、いいですか。

 

○竹下委員

 部会長、やはりおかしいのです。まず2つあります。就労移行支援においては、今までも実質的には移動保障が受けられているはずなのです。形はちょっと正確に説明できませんが、今でも実質的な意味では移動支援は受けられているのに。では、これはどういう改善になるのですか。

 それから、「おいて」の部分は、少なくとも就労移行支援に限定してしまうことになるのであれば、2つの例を挙げると、中途失明者が在職のままで訓練を受けようとすると、利用できなくなります。どうやってそれで利用を認めることになるのですか。
 2つ目は、例えば、現実に就労移行支援で通勤として使えた。それから当然、今度は勤務先に行けば、勤務先は替わるわけです。当たり前ですよね。だから通勤ルートも替わります。そのときに移動支援を受けられなかったら、結局通勤できなくなるではないですか。そのことを私、前回か前々回にも指摘しました。訓練という名で、紋切り型にしないでくださいということをお願いしたはずです。結局のところ、ここで大事なのは、通勤に限定して言えば、通勤という形で本人が経済的自立を図る、あるいは正に自助の努力をしようとしているときに、それを支援することを、なぜ拒むのか理解できないのです。以上です。

 

○駒村部会長

 ここでの書きぶりは、先ほどの竹下委員の最初の御質問は、行き先が変なのではないかというお話だったので、それは、学校と通勤先に対する訓練を行うというようにここは読みますねというところなので、次のステップと、御質問がありましたら、もう少し踏み込んで、それでいいのかという御趣旨ですよね。

 

○竹下委員

 ええ。

 

○駒村部会長

 そうですよね。

 

○竹下委員

 それと、就労移行支援事業では現に、今でも移動支援は受けられているはずですから。

 

○駒村部会長

 どうぞ、事務局。

 

○田中障害福祉課長

 移動支援というか、就労移行支援は、就労に向けての訓練をすることが目的の事業です。そのように通勤できるように訓練することも特段排除はしておりませんが、それについてここにもありますとおり、このような着実な実施と申しますか、実施をするということについては、特段、これまで言及しておりませんし、また、これについて、特段評価をするということもしていません。そういうようなところをまずはということで、必要に応じて特出しをして評価することはどうかという内容です。

 

○広田委員

 今、遅れて来たのですが、意図的にラッシュアワーを避けて、布団の中にいて、ゆったり来ました。竹下先生のお話も伺って、この瞬間東京大震災がきたら、移動支援とか言ってられないで、竹下さんを藤井さんあたりが負ぶって逃げんのかなと思いました。

 社会的障害者のボランティア講座をやってくださいと発言していますけど、地域移行に限定した話じゃない。いろいろな団体がヒアリングに来たとき、私は、「空気を吸うように、国民がボランティア精神を持たなければ、」と言いました。この国、地方自治体の財政は破綻してるし、誰しもが通勤時、途中でお腹が痛くなってお手洗いに行きたくなったり、予定外のことが障害者にもおこります。行き先により、支援の名前が変わっていくのですかしら。本人が時間の範囲内で行けないことがあったりしますよね。海外に行ったときの、「May I help you」。何度も言っていますが、「成田を発ったら障害を忘れて、成田に帰ってきたら障害者」ということをなくすためにも、竹下委員と田中障害福祉課長の間に割って入るつもりはないけど。私、ひまわり号の実行委員をやっていたときに、車椅子を担いだ、階段の所で。私も乗りましたが、“恐い”って感じました。国民一人ひとりが、そういう体験とか、目の不自由な方から「そんなの、ごまかしだ」と言われるけど、目が見えない状態になって、一緒に介添えの人とボランティア役の人と交互にやる。そういうことを子供のうちから学校教育の中で学ばせる、誰しもが生まれて亡くなるまでの間にいろんな障害を持つ可能性がある。私も3か月間車椅子に乗りました、骨折で。その時、車いすの人のボランティアやった体験が活かされました。何でもかんでも制度優先でやっていくという時代、遅れているのではないでしょうか。みっともない。車椅子を駅員さんが押している。御自分でやれる人はやっているし、やれなければ、周りの人がし、そういう人間として当たり前の精神を、この3年後の見直しにやらないでいつやるのかなと私は思う、そのためにも、社会的障害者のボランティア講座を全面的に入れていただきたい。

 社会的障害者のボランティア講座、何度も言います。空気を吸うようにボランティア。人は誰もが年を取れば、目が見えなくなる、聞こえなくなる、それから歩けなくなる可能性が多い。やれることは私たちが愛や力等を出す。やれないところは職員にとしないと、障害者の活動制限になり、財政もとっくに破綻、子供たちがかわいそう、そこを追加していただきたい。

 

○駒村部会長

 ボランティアの所の表記は、事務局に検討していただくとして、先ほどの所の竹下委員、まだ物足りない部分ではあると思いますが、事務局も、「まずは」と書いているのは、そういう気持ちはあるのだろうと。ただ、訓練給付から始めましょうという書きぶりで、ここはとどまっているということで、それに対して、物足りないという御意見があったことは議事に残ると思います。

 ちょっと時間もありませんので、一当たりして皆さんの御意見も聞きたいので、大変申し訳ありません。竹下委員から手前の所で、「移動支援」についてはいかがでしょうか。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。私はここの所では、簡単ですが、6ページの18行目です。「入院中・入所中の外出・外泊」の所で、特に1921行目にかけての「医療機関に入院中の外出・外泊に伴う移動支援」の件です。これは確認をしたいのですが、先ほど議論になった入院中の重度訪問介護のサービスの部分と比べて、医療保険料の給付の範囲や医事法制との関係の記載もありませんし、かつ、対象者についても記載がないということは、ここは、特に対象者については、これまでこういうサービスを受けていない方であっても、入院中の方が、そういうことが必要であれば対象になるということでよろしいですかという確認です。

 

○駒村部会長

 事務局、お願いします。

 

○田中障害福祉課長

 ここは、病院とは外の話ですので、河崎委員の御指摘のように、このような移動サービスを新たに使われる場合も含まれると考えております。

 

○河崎委員

 ですから、新たにそういうことを利用しようと思う方であっても、外出・外泊に伴う移動支援については使えるということでよろしいですね。

 

○斉藤参考人

 斉藤です。私は「移動支援」・通学のことで発言いたします。現在、文科省ではインクルーシブ教育を推進しているわけですが、地域では地元の学校に行く身体障害や病弱の子供たちが増えております。

 一方では、働く親が増えており、教育の機会を奪われないために、病弱の子供や身体障害のあるお子さんたちを、朝、学校に連れて行かなければいけないことは、大変な状況であると思っております。家族を含め、多くの人の力を借りて、学校に連れて行っているのですが、どうしようもないときは、何かほかの手立てがないものかと考えております。

 地域生活支援事業を使える場合がありますが、事務局から配られた資料の17ページを見ると、実際に働いている人が使えるのは、「保護者の就労により送迎が困難な場合」であって、198市町村に限定されているということです。ということを考えると、もう少し枠を広げて、そもそもの考え方そのものを、「福祉施策として実施するのではなく」と言い切るのではなく、「検討していく」という表記にならないですかというのが私の願いでございます。

 

○駒村部会長

 本文の検討はどこですか。

 

○斉藤参考人

 本文の6ページの10行目です。「全てを福祉施策として実施するのではなく」ということは、通学支援の所を含めて限定している表記だと思います。これを福祉施策も含めてやはり検討していただきたいと思っております。

 というのは、地域生活支援事業は自治体の事業ですので、市町村によりかなりばら付きがあると思います。配られた資料を見ると、先ほども申し上げましたように、就労の場合には198の市町村しか、この地域生活支援事業を使えていないという現状がある中では、通学に関しても一定程度の枠の中で認めていくことを検討するよという文言が欲しいと思います。

 

○駒村部会長

 これは、「全てを」という、何でもかんでもというか、「全てを」という所を否定しているのだと思うのですね。

 

○斉藤参考人

 そのように読み取るとよろしいのでしょうか。そのあとに、多くの事業所が書いてありますが、通学に関しては、特に教育機関との連携が一番と思っております。全部の機関が一緒に検討となりますと、先ほども発言された方がいらっしゃいましたが、関係機関が多すぎて、検討が難しいと思いますので、是非、通学について、長い間、文科省と福祉、厚労省が譲り合ってきていますので、一歩踏み込んで検討をしていくという、強い表記をどこかに入れていただくとうれしいです。

 

○駒村部会長

 教育政策と労働政策がもっと出てきてくれというのは、これまでの議論のところだったので、そこが少し強めに書いてくださいという御意見だったと思います。事務局、何か表現回りは少し強めに対応されることは可能でしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 また、全体の中で整理をさせていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 ほかはいかがでしょうか。

 

○大濱委員

 脊損連合会の大濱です。先ほどからの通勤・通学の件ですが、やはり相当問題があると思っています。つい最近も、重度障害者の学生から法科大学院に合格しましたと私に報告がありました。その後、通学の支援をどうしようかという話になるのです。来週にでも相談を乗ってくれないかという話ですから、相談に乗るつもりですが、重度訪問介護が通学に使えないとなると、彼は大学院への進学を諦めざるを得ない事態が生じます。通勤の場合でも同様のことが言えると思います。彼は人工呼吸器を付けている肢体不自由者ですから、実際に通学できずに自宅で過ごすことになると、その時間帯に対して重度訪問介護の時間が支給されるわけですよね。通勤や通学をしなければ重度訪問介護の時間数がより増える、通勤や通学をすると重度訪問介護の時間数が減るというのが、現行の制度です。非常におかしいと思います。通勤もできない、通学もできない。これでは、重度障害者は通勤・通学は諦めて自宅にいなさいと、逆に通勤・通学をするなという事態になりかねません。これについては、6ページの14行目に「福祉政策として実施すべき内容について引き続き検討」とありますが、やはり福祉でやるべきところはきちんとやるともう一段踏み込むべきだと思います。学校設置者による合理的配慮に対して文部科学省が支援するとしても、おそらく一般財源の予算になるでしょう。これでは多分できません。障害者雇用でも重度障害者等通勤対策助成金などがありますが、十分な内容ではありません。やはり通勤や通学について、もっとシームレスな利用という視点にも配慮して、福祉政策でもっと前向きに取り組むのだと打ち出していただきたい。その辺りをどう考えているのか整理していただきたいと思います。

 もう1点は、本日の資料に載っていませんが、障害者の自家用車などをヘルパーが運転することについて、きちんと重度訪問介護の対象としていただきたいと要望しています。見守りの中の一部として、運転中もきちんと認めてくれということですが、この辺りが完全に漏れています。この部会でもずっと要望や意見が出ているのに、なぜ漏れているのか。きちんとこれも現状・課題と検討の方向性に加えていただきたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長
 2つありまして、前半部分は教育政策を待っていても、全然進まないではないかと。「福祉政策として実施すべき内容について引き続き検討」では弱いのではないかと。事務局としては「まずは」というのは、訓練からやらせてくれというように言っているわけですが、まだまだ物足りないということですね。委員からも複数、物足りないという、もっと強く望む声もあるわけですけれども、この辺は。

 

○大濱委員

 先ほどの通学の話にも関係しますが、5ページの10行目に、市町村における移動支援事業の実施率が90.5%という記載があります。ですが、地域生活支援事業は裁量的経費です。今後の方向としては、やはり義務的経費に変えていくことも、報告書の中で提案すべきだと思います。以上、3点になりましたが、お答えいただければと思います。

 

○駒村部会長

 ちょっと重い話が出てきましたが、後半の2つについて。

 

○田中障害福祉課長

 全体の「検討の方向性」を、どこまでいろいろなものとの整理ができて書き込めるかということについては、本日の議論も踏まえて検討させていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 いいですか。最後の追加で出ていた、最初の部分と後半の2つについても。

 

○田中障害福祉課長

 そのような御意見を踏まえて、財源の問題もありますし、他制度との整理などの問題もありますので、何がどこまで書けるのかということを検討させていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 では、宿題ということですね。

 

○大濱委員

 今、財源の問題というお答えが出てきましたが、通勤や通学を諦めて自宅で過ごしたほうが、現行制度では逆に重度訪問介護の時間数が増えるのです。通勤しない代わりに呼吸器を付けた障害者、障害程度区分6の人たちが家にいると、逆に給付費が増えるのです。しかもタックスペイヤーになれない。ですから、財源がネックというのはおかしいです。

 

○駒村部会長

 宿題として、次の回で。

 

○今村参考人

 全国知事会山口の代理でまいりました、佐賀県障害福祉課の今村と申します。よろしくお願いいたします。

 先ほど来出ておりますけれども、障害児や障害者の移動支援を求める声というのは、地方においても非常に多くあります。特に今、私どものほうに多く求められているのは、特別支援学校の通学支援の問題であるとか、車両を使用した障害福祉サービスが何とかできないかという問題があります。特別支援学校の通学支援、これはスクールバスという話になるかと思うのですが、これについて文部科学省が、合理的配慮の問題と捉えていないのではないかと思われる節があります。

 あと、車両を使用した障害福祉サービスについては、福祉有償運送を使えるのではないかという話もあるかと思いますが、福祉有償運送は、実際それを行う事業者に赤字を強いているため、なかなか広がらないという、これもまた大きな問題を抱えております。このような状況の中で今回、1213行目に、地方公共団体の中で、福祉部局や教育委員会等で、この取組を総合的に進めていただきたいという記述を加えていただいておりますが、なかなか県レベルでの調整は難しいという問題があり、ここは先ほどの斉藤委員、大濱委員からも挙がっておりましたが、厚生労働省のイニシアチブで、もう少し文言を変えていただけないかと思っております。以上です。

 

○駒村部会長

 文部科学省のほうからは合理的配慮と見ていないと、参考人は感じられたことがあるということですね。

 

○今村参考人

 はい。実は今年の県の9月議会の中で、一般質問でこれについて質問があったのですが、その中で、教育委員会から文部科学省に確認したところ、「スクールバスについては合理的配慮の問題とは捉えていない」という回答があったということを議会で答弁をされております。

 

○駒村部会長

 事務局、これは文部科学省とどのように調整するか、連携していくかというのでは少し物足りない、やはりもっと踏み込んだ調整というか、推進をしていただかないといけないという御意見ですが、その辺はどうでしょうか。こっちから言わないと動いてくれない、もっともっと言えということなのですが。

 

○川又企画課長

 企画課長です。通学の問題は、当然、学校が責任を持つべき部分があると思いますので、合理的配慮ではないということはちょっとおかしいのではないかと思います。文部科学省の整理を詳細に承知しておりませんが、文部科学省の合理的配慮に関する指針なども確認してみたいと思います。

 

○駒村部会長

 文部科学省の方からヒアリングすることはできないのですか。

 何かありますか。

 

○今村参考人

 すみません、補足で言うと、それだけで言うと何か文部科学省が圧倒的に悪いように聞こえるのですが。

 

○駒村部会長

 欠席裁判は良くないですね。

 

○今村参考人

 もう1つ、いろいろな対策があると。対策の中の1つでしょうということで、スクールバスを導入しないことが端的に合理的配慮に当たる、当たらないという問題ではないと捉えているという言い方ではあります。

 

○駒村部会長

 だから、厚生労働省は主体的にもっと押してくれということだったと思いますが。

 

○本條委員

 6ページの11行目ですが、教育機関については、もう既に御意見が出ておりますので、しっかり協議を進めていただきたいと思います。それから「公共交通機関等に」という所を入れていただいたことは非常に有難いことであります。精神障害、また、発達障害等が社会参加を制約されている、阻まれているというのは、やはり身体・知的において交通運賃の割引制度があるにもかかわらず、精神障害者にはないことも大きく原因しているのではないかと思いますので、是非とも公共交通機関等にお話していただきたい。やはりそれは障害種別間格差があるという問題もありますし、また、負担を掛けるという考え方もありますが、私は、公共交通機関等に負担にならないのではないかと考えております。例えば、スーパーでも特売することによって顧客が増えれば、売上げが上がるわけですから、介助が付かないと移動ができない人が、介助の人の分を割引くことによって、乗らない人が乗るわけですから、決してマイナスにはならないと考えております。

 それから、広田委員からボランティアに御意見がありましたが、これは2ページに「ボランティア等も含めたインフォーマルサービスの活用」と書かれておりますので、きっと事務局において御検討いただけるのではと思っております。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。

 

○広田委員

 精神障害者手帳の3級保持者だった頃、横浜市の障害者施策推進協議会「3級までだすことで社会参加の可能性がある。(無料の)特別乗車券を施策化するなら出してください」って発言したら、翌年から3級まで支給され、途中で辞退しましたけど、やたら「他の障害者と同じ同じ」って言うんだけど、何をどうしてほしいのか。「何でも」というのは私は現実的でないと思う。

 例えば、全国組織の団体があって、かつて「団体交渉する人がいないので」、私と事務局員さんと2人で運輸省交渉したことがあって、国交省になる前に。「飛行機を割り引いて」と言ったら、「○○理由で割引はできません」ということで、本音を聞いたことがあります。

 今や、精神障害者が爆発的な数で、割り引けば国民に負担が掛かる。何をどうしてもらいたいのですか。障害の特性があるのに「何でも、他の障害者並み」っていう要求の仕方は、いわゆる、「かつての社会党や共産党の運動みたい」、ちょっと整理をして、ましてや、あなたは家族。他障害並みが権利だからでは、身近な市町村のバスとか。100km以上の鉄道とか飛行機っていうと、それ乗って行ける人のほうが少ないし、本條さん。

 

○駒村部会長

 すみません、今日は時間が全然なくて、30分オーバーになっていますので、このまま行くと1時に入ってしまうかもしれませんので、藤堂さん、端的にお願いします。

 

○藤堂委員

 一言だけ、文部科学省の回し者ではありませんが、合理的な配慮の指針が9日に出ております。今、官報で見られるようになっていまして、スクールバスなんかは基礎的環境整備の中に入るものであると考えていて、合理的な配慮というのは「個々に対して計画を立てて施すものである」と書いてありますので、それは答え方の問題だったのかなと思いますけれども。

 

○広田委員

 藤堂さん!あなた、文部科学省に入ったほうがいいんじゃない。

 

○藤堂委員

 ありがとうございます。

 

○広田委員

 障害者枠で。

 

○駒村部会長

 文部科学省が合理的な配慮に無関心ではなくて、スクールバスというのはちょっと違うのではないかということですね、整理は。

 

○藤堂委員

 合理的な配慮ではないというのは正しいでしょうということです。

 

○駒村部会長

 分かりました。ちょっとすみません、時間もオーバーしていますので、次の話に入っていきたいと思います。

 次は、「就労支援」です。すみません、時間のことばかり言って申し訳ありませんが、ここも20分ぐらいで通過しないといけない状態になっております。皆さんには御協力いただきたいと思っておりますが、これについて御発言予定の方はいらっしゃいますでしょうか。挙手をお願いします。

 

○阿由葉委員

 セルプ協の阿由葉です。すみません。2分では難しいので、少しお時間が掛かるかもしれません。

 「現状・課題」の7ページ12行目から14行目になります。「1年間で一般就労に移行した者が1人もいない事業所の割合は、就労継続支援A型事業所で約7割、就労継続支援B型事業所で約8割である」という表記があります。これは事実として受け止めますが、以前の部会でも、就労継続支援事業は就労機会の提供と工賃の支払を通じて、所得保障と地域での自立生活につなげていくといった目的を持った事業であると申し上げました。そのことから考えますと、この内容は、事業の本来の目的を正確に表していません。就労移行支援と就労継続支援が同じものだと捉われてしまいかねない表現です。就労継続支援事業単独ではなく就労移行支援事業と多機能で事業展開している所も少なくありませんが、そういった事業所は就労移行支援事業で就職支援を行うため、就労継続支援事業からの就職者は自ずとゼロになります。「一般就労に移行した者が1人もいない」とされている7割、8割の事業所の相当の数の事業所で、そうした実態があるものと考えます。この移行者数についての指摘は、実態を正確に表現しているものではなく誤解を招くものになっているので、内容を見直していただきたいと思います。

 例えば、8ページの「検討の方向性」の14行目から15行目にある「就労継続支援については、サービスを利用する中で、能力を向上させ一般就労が可能になる障害者もいる」というこの内容を、「現状・課題」で代わりに盛り込めばよいのではないかと思います。加えて、ここで現状を記すのであれば、就職のみではなく離職の現状についても触れる必要があるのではないかと思います。

 また、同じ内容で「検討の方向性」の8ページ15行目にありますが、「一般就労への移行実績も踏まえた評価」の箇所については、「一般就労が可能になる障害者もいることを踏まえ、一般就労に向けた支援や一般就労への移行実績も追加で評価する」という表現にすることで、追加で評価することを明確にしていただければと思います。

 次に、就労継続支援B型の高工賃を実現している事業所への評価のメリハリについてです。「現状・課題」の7ページの18行目に、優先調達推進法のことが追加で入りました。これは以前の部会での小澤委員の意見が反映されたものであり、この追加は賛成です。ただし、この現状については1点申し上げておきたいことがあります。ここでは、差があるのは「地域によって」とありますが、調達先にも差があるのではないでしょうか。優先調達推進法の対象は障害者総合支援法に基づく就労系事業のみではなく、特例子会社や重度障害者多数雇用企業等も含まれます。県によっては、この調達実績の大半を特例子会社等が占めているといった情報も入っています。特例子会社等からの調達が望ましいものではないということでは決してありませんが、調達先に偏りがあると福祉的就労の底上げにはつながらないため、調達先についての状況把握も必要ではないかという問題意識を持っています。

 この優先調達推進法については、その他の障害福祉サービス等の論点の協議の際に、障害福祉計画と関連付けて「優先調達推進法を活用して、福祉的就労を底上げするような仕組みづくりが必要である。そのための目標値の設定も検討いただきたい」と意見しました。今回このような形で「現状・課題」に優先調達推進法について盛り込まれるのであれば、「検討の方向性」にも何らか盛り込んでいただきたいと思います。8ページの17行目、「就労継続支援B型については、高工賃を実現している事業所を適切に評価するなど、メリハリを付ける方向で検討することとしてはどうか」とありますが、その後に「そのためにも、優先調達推進法の一層の活用による就労機会の確保策についても検討することとしてはどうか」と足していただけたらと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 文言修正でというか、7ページの1217行目、ちょっとすみません、今日の会場、ちょっとマイクが飛んでいるのか、音が飛んでしまうのですかね、聞き取れなかったところがあるのですが、表現が、という要望があったわけですね。どうですか、今の幾つかあったことについては、一番最初の所がちょっと気にはなったのですけど。6割、7割、8割の所は。

 

○田中障害福祉課長

 表現ぶりについては、全体をまとめる中で検討させていただきます。

 

○駒村部会長

 分かりました。一応一当たりしたいと思います。

 

○石原委員

 全国就労移行支援事業所連絡協議会の石原です。就労支援の「検討の方向性」について賛成します。是非、この方向で進めていただきたいと考えております。その上で簡単に、4項目の意見を要望させていただきます。
 1つ、平成30年度に向けて、これは精神障害者が法定雇用率に入ってくる年度ですが、支援の質が問われてまいります。支援の質の担保のためには、8ページの「就労移行支援」の部分にも書かれておりますとおり、人材育成やノウハウの共有が重要であります。私どもとしても研修会等だけではなく、事業所間における職員の交換研修など、様々な工夫をしていきたいと思っています。

 2点目、就労アセスメントは状況把握や検証をしっかりと行った上で、体制整備をお願いしたい。私たちの会としても、うまくいっている事例の情報提供などを行っていきたいと考えています。

 3つ目、定着支援の重要性は今後も増してきますが、支援の質を担保する施策を検討していただきたい。報酬等も含めて、実際に行っている支援内容を評価する仕組みが必要ではないかと考えております。

 最後の4つ目、9ページの最後に書かれております情報公開は是非、早急に行っていただきたい。情報公表の仕組みを構築していただいて、利用を希望されている方が事業所を選びやすい形で公表していただきたいということです。以上です。

 

○石野委員

 全日本ろうあ連盟の石野です。8ページの「就労移行支援」の10行目と、「就労継続支援」の18行目、2つありますが、この文面の読み方ですが、どのように理解したらいいのか、ちょっと分からないので御質問させてください。「メリハリを付けた評価」、次に「就労継続支援」では「メリハリを付ける方向」というような2つの言葉がありますが、この意味の違いを御説明いただければと思います。

 それから、7ページの9行目、就労移行事業の実情として、全体的な利用者が少ないという問題があるということは、今まで部会の中でもそういった意見が出ておりますが、2年間を3年間に延長できないかという意見も出ているやに思います。その辺の方向性が、この文面を読みますと、余り見えない部分がありますので、質問させてください。以上です。

 

○駒村部会長

 すみません、2年間、3年間というのは、どこですか。

 

○石野委員
 7ページの9行目になりますが、この文面は今までの部会のいろいろな話合いの中でも、就労移行事業については、なかなか進まないという話もありました。参考資料にもそれは載っていますが、全体的に利用者数が少ないということで、ゼロというような事業所もあると。ですが、実施したとしても25%程度、あるいは30%にとどまっている。ですからかなり低い率で、そのままで果たしていいのかどうかという意味で質問させていただきました。

 

○石原委員

 ちょっと部会長、その発言に対してよろしいですか。

 

○駒村部会長

 分かりました。関連でしたらどうぞ。

 

○石原委員

 この有効期限の問題について、延長してはどうかという御指摘だと思うのですが、就労移行支援事業所連絡協議会としての立場で、私どもとしては、この2年間という期限は、大きな有効性を持っていると判断しております。福祉サービスから一般就労は、平成18年度以前は1%程度しか移行していなくて、したがってここで期限を延長したり廃止したりすれば、現行一般就労移行率が減ってしまう可能性があるのではないかと思っています。
 2年の期限がある中で、集中的なアセスメント等を行う意識が職員間に生まれるとともに、利用者にとっても目標の明確化につながっていると考えています。一般就労を果たした方の約4分の3は、利用開始から1年半程度で一般就労を果たしているというのは、今回、参考資料の21ページに新たに付け加えられたと思うのですが、これを見ても、一般就労を果たした方の4分の3が、利用開始から1年半で一般就労を果たしておりますし、私どもの法人の事業所でも、就労移行から一般就労までの平均利用期間は15か月間です。

 もちろん、2年の期限内に一般就労が難しかった人もいらっしゃると思いますが、そこは他の継続支援事業も利用していただいて、そこから一般就労への道もあるわけですし、私どもの移行支援事業所からは、そのようなパスを踏まえて就労された方がいらっしゃいます。集中的な2年間で一般就労できる方、時間を掛けて着実に一般就労を目指す必要がある方、これらは利用者の方の状態に合わせて、今ある障害福祉サービス事業を選択していただき活用していただければいいのではないか。これは仕組みの問題ではないと思っていることを付け加えさせていただきます。以上です。

 

○駒村部会長

 その期限の問題は、今のような考え方もあるということで、もう1つ委員から確認があった「メリハリ」の部分2か所について、解説をお願いします。

 

○田中障害福祉課長
 8ページの10行目、それから18行目の「メリハリ」ですが、これについてはそれぞれ一般就労への移行実績、それから工賃ということで、例えば、高い移行実績を上げている場合とそうでない場合、それから高い工賃を達成している場合とそうでない場合に差を付けるというか、より高い実績を達成しているほうを評価するという意味で書いておりますので、この10行目と18行目の「メリハリ」という用語の使い方に、特段の違いを持たせて書いている認識はありません。

 

○久保委員

 育成課の久保です。「就労定着に向けた生活面の支援を行うサービス」についてです。30行目に「一定の期間」と書かれていますが、これはどのぐらいの期間を想定されているのかというのが質問の1つです。それと関連して、一定期間だけ重点的にするだけでは少し不十分ではないかと思っておりまして、ジョブコーチなどいろいろなことを使いながらも重点的にする期間と、それから安定期間と、それから何かあったときにというように少し分けて、もう少し長く支援していけるような方向性を考えていただけたらいいのではないかと思っております。以上です。

 

○駒村部会長

 何かありますか、今の一定期間について。

 

○田中障害福祉課長

 どの程度がよいかというのは、これから検討させていただくことになりますが、就労定着支援をずっとというわけにもいきませんし、また、重点的にやる期間、それから、例えば現行も「ナカポツセンター」などで就労定着を行っておりますので、そういう所とうまくバトンタッチをしていくようなことも含めて構成させていただきたいと思います。

 

○橘委員

 今日は13日の金曜日なんですね。田中課長、先程から大変厳しい質問を受けているようですが。
 7ページの18行目に「障害者優先調達推進法」とありますが、これは障害のある方々の人材派遣の法律かと国民の皆さんに誤解されてしまうのではないでしょうか。また、先ほど阿由葉さんがおっしゃいましたが、就労継続支援事業を利用されている方々の工賃向上を目指すためには、この優先調達推進法を実効性のあるものにしなければなりません。8ページの就労継続支援の検討の方向性の中にも盛り込んでいただきたいと思います。

 それから、就業の定着推進のためにジョブコーチ等々ありますが、更に生活支援をする視点から、ジョブヘルパーみたいな専門職も置かれるような検討をされたらいかがかなと、今後に向けて少し思ったところです。以上です。

 

○駒村部会長

 また事務局で何らかの形で反映と。

 

○藤堂委員

 簡単に。全てに関係するのですが、人材育成とか研修といったときに、さっき交換で研修していらっしゃるというお話をなさったのですが、OJTというものが全てに入ってこないといけないと思うのです。23か所、OJTが入っている所があるのですが、研修というものが実効性を持つためには、交換して、いい所に行って、「ああ、こんなことができるのだな」というのが分かるのが1つ。もう1つは、当事者の話をちゃんと聞く、実態を見ることがすごく大事だと思います。特に平成30年に精神発達障害も入ってきますので、そのときに発達障害というものはとても分かりにくいと思いますので、そこを入れていただくことが必要かなと思います。

 

○広田委員

 今のところ、OJ何とかって日本語で言って。

 

○藤堂委員
 OJTというのは、On the Job Trainingといいまして、仕事をしながら訓練を受ける、つまり実地研修ということだと思います。

 

○広田委員

 ありがとうございました。

 

○本條委員
 8ページの34行目ですが、「労働政策との連携を図る必要があるのではないか」。これは非常にいいことであります。それが、「障害者就業・生活支援センター事業の充実」となっております。もちろん障害者の側を訓練することも非常に重要ですが、定着に当たっては企業側の情報提供なり、あるいは様々な雇用する側の支援が必要ではないかと思います。そういうことも考えていただきたいと思っております。

 それから、労働政策といえば雇用政策、それから、先ほどもありました障害者優先調達推進法なども関係してきますので、それらも考慮に入れて、方向性を決めていただきたいと思っております。

 

○駒村部会長

 よろしいですか。では、すみませんが委員の皆さん、今日は恐らく最低30分はオーバーすることは御了解いただきたいと思います。フロアの方も30分ぐらいはオーバーになると思っていてください。

 次に、「精神障害者」の部分について議論したいと思います。この議論も大体20分ぐらいしかできないと思っておりますが、発言予定の方は挙手いただけますでしょうか。

 

○藤堂委員

 発達障害も精神の中に入っていますね、というところからです。そうすると、このピアサポーターというのも、もともとの意味は地域移行のためということだと思うのですが、退院を促進してという考え方から始まっていると思いますが、それ以外にも、やはり社会生活をしていく中で仲間がいるというのは、とても安心なこと。それから、先輩の人が「そんなに心配することないぞ」という話をしてくれたりとか、悩みを共有するというのは、すごく大事なので、是非ピアサポーターを発達障害にも広げていただきたいということと、ここにも「研修を含め」なんていうのがありますので、これもOJTというか、実際にうまくやっている所に候補の人が入っていって、勉強するということをしていただきたいと思います。以上です。

 

○北岡委員
 10ページと12ページに高次脳機能障害について、「現状・課題」、今後の「検討の方向性」という所で書いていただいて、ありがとうございます。大きく一歩進むのではないかと期待しています。特に12ページの最後の「人材の資質向上」という所で、人材養成の研修の在り方についての研究を進めてはどうかということが書いてありまして、この研究の中身ですが、平成13年からの5年間の、高機能の障害の支援モデル事業が始まって、これがベースで今の支援体制が整理されていると思うのですが、この支援拠点が出来て、もう10年が経過したということもありますので、各支援拠点の機関が、支援している相談者の実態調査を、是非、この研究の中に盛り込んでいただけたらと思います。それから改めて、当事者や家族のニーズを把握するということで、現在の支援体制がマッチしているのかどうかということも、検討する必要があるのではないかと思います。

 それが1つと、もう1つ研究の中に取り入れていただきたいのは、実際に受止め先の障害福祉サービス事業所での具体的な支援方法にも、力点が置かれた研究を進めていただきたいと思います。この研究の中身について、2つのことをお願いしたいと思います。

 

○岩上参考人

 日本相談支援専門員協会の菊本の代理の岩上です。精神障害者の支援について、文言の所でお願いしたいのは、10ページの「現状・課題」の4行目で、毎年5万人の退院があるという所ですが、ここに内訳として「11,000人が死亡している」というのを入れていただきたい。それから、「転院・転科が19,000人いらっしゃる」と。地域移行が進んでいないですよということです。これは是非お願いしたい。

 それから、11ページ目の「市町村等の役割」という所に、「適切な役割分担」と書いてありますが、これはきっとなかなかうまくいかなくて、押しつけ合いになってしまうのが今までですから、重層的な役割分担と。重なり合わないと、仕事というのはうまくいかないと思うのです。ということと、行政だけが役割分担したってうまくいきませんので、精神科病院、あるいは相談支援事業所と協働して取り組む、そういったことをお考えいただければと思うのです。

 「現状・課題」の中にもいろいろ書いていただいていますし、方向性もピアサポーター等も入れていただいているのですが、多分、これでは地域移行が進まないと思います。こんなことは言いたくないのですが、私の周りには長期入院者で退院した方がたくさんいらっしゃって、彼らがこの検討会に行って、自分たち障害者の希望の苗を植えてきてくれと言うわけで、私もあえて言わせていただきますが、毎回、医療と福祉の連携できる人材を育成しましょうということを、ここの議論の中でも言ってきているわけですよね。それが、全く方向性として分からないですよね。私が思うのは、厚労省でいえば精神・障害保健課と障害福祉課があって、何年か前よりもよっぽど連携して、うまくやっていただいているとは思うのですが、やはり人材育成は医療の分野と福祉の分野で、精神科病院のほうは地域移行で退院意欲を喚起して押し出さなくてはいけない、障害福祉のほうは迎える体制を整えなければいけない。この両方ができる人材を育てなければいけないと思うのです。

 

○広田委員

 厚労省がやっていないということね。はっきり言えばいいじゃない。

 

○岩上参考人

 ちょっと頑張ってください。それで、そういった人材を医療は医療で進め、育て、福祉は福祉で育てというやり方では、もううまくいかないと思うのです。ですから、医療と福祉の人材を、医療機関で地域移行を専ら行う職員、そして、相談支援事業所で地域移行を専ら行う職員を配置していただく。私は同じ職名でもいいと思うのです。地域移行推進員という同じ名前にすれば、福祉も医療も両方で協力して、人材育成ができると思うのです。そういったことを考えていただきたいのが1つです。先ほど言ったように、11,000人が毎年亡くなっていくわけですから、早急に手立てを打たなければいけない。人材育成のことで、きちんと明記をしていただきたい。

 もう1つは、何度も申し上げていますように、今の障害福祉サービスですと、手を挙げないと退院支援が受けられないのです。ですから、その意欲喚起の部分を、医療機関と地域と連携してできるための手立てが、「現状と課題」の中では「相談機能の強化や人材育成が重要である」ということで書かれていますが、実際に方向性を見ると希薄というか、どこを見れば分かるのかが分からないのです。それを、このあと議論する「意思決定」の中では、そういった支援もしていきますということは書かれていますが、そちらでやるのであれば、それをこちらに再掲していただく。どちらが先か分かりませんが。申し訳ないですけれども手を挙げていただくための支援は、医療機関だけではできませんし、地域だけでもできませんので、そこが連携するということを、この「方向性」の中に入れていただきたいと思います。以上です。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。今、岩上参考人から御発言がありました、「医療と福祉の連携」という抽象的な表現の中に、かなり具体的に、様々なこれまでの検討会等々でもありましたが、やはり病院のほうは、できるだけ地域に押し出すという力が必要ですし、地域のほうは、そういう方たちを受け入れるパワーが必要であるという観点から言いますと、やはりそれぞれの医療・福祉の様々な職種が、現状をしっかりと認識して、そして今は何をするべきなのかということを、共通の意識として持てるような、そういうことを目指した研修等々を、是非、積極的にやっていっていただくことが必要なのかなと思いました。

 それと私から1点、今回、10ページの一番下の所に追加がありました。「地域移行後に想定される精神障害者の生活の場についても留意することが望ましい」と。これは、これまでの議論の中で、佐藤委員、あるいは岩上参考人から出ていた問題だろうと思います。つまり、退院後どういう所で生活をなされているのかというのが、データ的にはほとんどしっかりと把握されていない。やはりそれがないと、本当の意味の地域移行ということにつながっていかないのではないかな、ということだろうと思いますので、是非、今回はそれについて「留意することが望ましい」というのが記載されましたので、12ページの一番上の所ですが、「削減目標を、市町村障害福祉計画に記載される障害福祉サービスのニーズの見込み量に反映させる方法を提示してはどうか」という後に、例えば先ほどの「地域移行後に想定される精神障害者の生活の場についても留意することが望ましい」という精神を、しっかりそこに書き込んだほうがいいのではないでしょうか、ということを発言したいと思います。以上です。

 

○小澤委員
 3点ほどです。11ページの10行目、「ピアサポーター」という所です。これは非常に画期的な制度の構想かなと思っていますが、少し留意していただきたいのは、ピアサポーターと言った場合に、これは「専門的な研修」と記載されているのですが、「ピア」というのは基本的に専門という問題は、普通に使う「専門家」との対峙で考えますので、だいぶ様相が違うということがあるので、その辺りを十分検討していただけたらと思います。私はむしろ「養成する」で、この「専門的な」という所は削除してもいいのではないかという気持ちは若干あるのです。あるのですが、場合によっては、この「専門的な」が、定義によっては必要性があるのかもしれない。その辺りは少し「ピア」ということを含めて、検討していただきたいと思います。

 2点目は17行目、先ほどの指摘と連動させたいのですが、これはそうすると「平成27年度のモデル事業の成果を踏まえて」が先に記載されているのだから、当然それと同じような話だと理解すると、これも平成27年度のモデル事業の成果を含めて、この1720行が検討されるということにならないと、整合性がとれないのではないかということです。

 最後の3点目ですが、12ページの13行目の所です。これは読み方を教えていただきたいのですが、都道府県の計画が中心になるのだと。確かにこれまでの議論で、仮に精神科の入院者数というのは、市町村では正直に言うと把握する方法がないし、把握できないと。したがって都道府県が、それを行う。そうなると、最終的にニーズを見込み量に反映させる方法を提示するのは都道府県になるのか。要するに主語がですね。そうすると、市町村の計画のPDCAサイクルとか、いろいろな議論がありますよね。障害福祉計画のときに散々やらされましたよね。その場合に都道府県が、この領域に関しては極めて重要な責任を負い、最終的にはPDCAも含めて都道府県の業務となる。こういう理解でいいのかということです。これが3点目です。以上です。

 

○駒村部会長
 3点目は確認ですね。

 

○小澤委員

 はい。

 

○駒村部会長

 では、事務局からお願いします。

 

○田原精神・障害保健課長

 精神・障害保健課長です。最後の点ですが、これは見込み量に反映させるというのは、市町村が障害福祉計画に記載するということですが、それができるように国が方法を提示する。そして、その提示するときに勘案するのは、都道府県の削減目標がちゃんと市町村の障害福祉計画に反映できるようにするということなので、主語がたくさんあって分かりにくい部分はありますが、今申し上げたことが正確に表現できるようにしたいと思います。

 

○小澤委員

 国が方法を示してという、そういう流れでよろしいのですね。分かりました。

 

○駒村部会長

 少し整理してください。

 

○伊豫委員
 4点になります。短くするように努力します。まず最初に、10ページ目の一番最初の○です。平成21年度に厚生労働省の科学研究費を用いて、精神病床利用状況調査を行いました。その場合には出口の見方からのものであって、住居や支援の必要性と症状改善度から、退院の可能性について問うたものでした。そのとき、統合失調症患者さんでいいますと45%が、住居又は支援がそろえば退院できるということで、実際には退院できない長期入院患者さん。それから約45%が、症状の改善が見込めないために退院できないという、いわゆる重度慢性の方ということでした。その結果から見て、やはり入院時、新規入院という見方でいくと、精神科救急とか総合病院の精神科など、比較的高規格で短期入院を中心に行っている所に新規入院は重点化するべきであると考えます。また、重度慢性の方々も、そういった高規格の所で治療を受けて、退院に向けていくことが極めて重要だと思います。例えば私たちの所でも、この2年間で数人以上、私たちの所に2年近く入院をして、自宅退院をされた方もいらっしゃいますので、重度慢性だから長期入院というので諦めるのではなくて、適切な医療を提供すれば、そのようなことが可能であるという前提で進めていただきたいと思います。

 続きまして12ページ目の一番最初の○、長期在院者数の削減目標ですが、本来、長期入院患者さんが中心となっている療養型の開放病棟は、近年の考え方では不要、必要ないと考えられますので、なくすことが前提と思います。したがいまして、この削減目標には、長期入院患者さんが中心となっている療養型の開放病棟の病床数は1つの重要な指標であるとしていただきたいと思います。

 次に、それに関連してですが、11ページの「ピアサポーター」の所です。こちらに関しては、参考資料の33ページを御覧いただきたいのですが、「入院精神障害者に対する効果」と「地域移行後の精神障害者に対する効果」というものがあります。先ほどのように療養型の開放病棟をなくすと、一部の方々は一時的に敷地内グループホームということになります。そうしますと、そこは医療機関ではないので、よりピアサポーターの方々は頻繁に、自由に出入りできる可能性がありますから、そちらでもいろいろ頑張っていただけるような体制が必要ということになります。したがって、33ページに入院と地域移行後とありますが、やはり敷地内グループホームに、より精力的にピアサポーターの方々に参加していただくことが、御批判もある敷地内グループホームの重要性を認識していただくために大事なのではないかと考えます。

 最後に11ページの24行目のITという、私が申し上げたことなのですが、これは自己管理を支援するためのプログラムの開発と、それをコンピュータとかインターネットを使って合理的に進めていく、そういったプログラムを開発していく必要があるだろうという意味ですので、補足させていただきます。以上です。

 

○本條委員
 11ページの11行目、「ピアサポーター」です。ピアサポーターの重要性については、当部会としても異論がないところだと思います。ただ、この専門的なものがどれだけ必要かというところについては、意見が分かれているようです。私は、ある程度の専門的な知識は必要であっても、専門的知識があるほうが質が高いとは決して言えないのではないかと思います。やはり御本人や家族にとっては、体験という大きなものがあるわけですから、より体験が深い、あるいは同質の体験があることのほうが重要ではないかと思っています。

 もう1点。もちろん御本人同士もピアサポーターでありますが、家族も家族同士のファミリー・トゥー・ファミリーといいますか、家族が家族に対する支援、こういうことが重要ではないかと思いますので、それも是非検討をしていただきたいと思います。必ず入れてください。

 

○広田委員

 広田です。ピアサポーターに関しては、先ほど本條さんが言ったように、地域だけではなくて生活する中で、様々なことで体験ということです。すでに発言していますが、私が生活支援センターのピア相談員を退いたのは、横浜市はお金が余っているらしく、職員が多すぎて、患者同士の支えでできていたことを、職員に仲間達が依存していくこともあり、私は退いた。岩上くんほどの人が、いつも相談支援のCMに来るのを気の毒に思っています。

 先ほど行政に人材育成とかを求めているって、ふざけるな。企業でいったらピアレビュー。企業の中でやるんですよ。そんなことまで行政に求めて、だから税金泥棒と言われます、そんな他力本願はやめたほうがいい。自分たちが生活の体験を積んだり社会勉強する。それなくして口だけの専門家とか言っていても、昔から「ソーシャルワーカーって言うけど、社会を知らない人」と多くの社会体験のあるコンシューマーの悩みNo.1、全然通用しない邪魔です。

 相談支援が増えて何が迷惑しているか。119番と110番も。つまり相談というものが流行りすぎてしまい、何でも話を聞いてもらいたいから。全国の各都道府県警の末端の警察、交番。お巡りさん、救急救命士、「我々が出ていって話を聞いたら治まった。ちゃんと、どこどこの所で話を聞いてくれればよかったのだけど、話を聞いてもらいたい人昔より多くなった」「○○へ行ったっていうけど話をややこしくしてしまった」って。それで警察庁も、新潟少女監禁事件でマスコミに押されて、困り事相談を作り、今は住民相談、あれは廃止したほうがいい。この国は、どこもマスコミに押されると新しいものを作らざるを得ないで、警察刷新会議とかできたら、やれ検挙率を上げろ。そうすると、上げなければいけないから、ところによっては警察署単位に、棒グラフで、1課、2課、3課。警視庁だと1課、2課、3課、4課。日本のソフト安全装置の交番のお巡りさん、競争させる、そして、上司が部下を叱る。ふだんから食事もとれない状態なのに、待ちわびている休日も返上し、それが度が過ぎると自殺してしまったり、裁判に至るケースもある。上下関係はメチャメチャ。中には「犯人を挙げた」って犯罪をでっちあげる、その根源は現実を知らない警察刷新会議、マスコミ報道。私みたいな人が入っていれば、現実分かるから、そんな意見言わせないけど。入りませんが、現実社会を知らない、ああいう会議も要らない。それで、国家公安委員長も現実知らないのに軽々しくコメントしたり、マスコミに乗せらされて。

 そういうことで常に何が本質で、何が問題でこういうことが起きているのかという視点が大事、こちらでは、家がないのだから、相談支援ではなくて。11ページの一番上です。家のことで「障害者総合支援法に基づく協議会と居住支援協議会が連携して対応する」。悪いけど障害者だからってこんなことやらないで、社会主義ではないのだから、いちいち行政がかまない。今、空き家がいっぱいあって弁護士会まで乗り出している時代、空きマンションもある、ちゃんとペイになれば仕事として不動産屋さんはやります。家を貸すときに一番大事なのは、亡くなったとき等のために身元保証人がいるかどうかです。公的保証人制度とか。そういうことで何でもかんでも、国が乗り出さない。ここは自由主義の日本です。行政が何でもかんでもやるような形はやらないほうがいい。

 それから、藤堂さんや本條さんが言うとおり、ピアサポートがすごく大事です。その大事だという視点を全部奪っているのが職員。私は事例集を資料として精神障害保健課に渡したけど、自分でも“よく広田和子はここまでやったな”というぐらい、いろいろな機関等から紹介されました。

 社会資源が大事にしなければならいのはインテーク。それで薬のこととか、「こんなに大変だ」といったときに、「それは、私は患者になったことがないから、患者さん同士で聞いてもらったほうが、より分かりますよ」と振ればいい場合も全部聞いて、延々と相談、相談とやっている。それでいて何も受け止められない。「ややこしくして」警察と救急隊も迷惑しているということだから、ピアサポートが大事という視点を入れていただきたい。私が口を酸っぱくして言っていますが、「精神障害者は薬が多いからいろいろな病気を併発します。」難病もあれば、腎臓、糖尿、車椅子になる人、目が見えなくなる人もいます。だから、社会的障害者のボランティア講座の中で、精神のピアサポートのことも入れ込む形で、高齢から赤ちゃんまでという形で、私たちは社会の中で何を課題として持っていて、そして何が社会に貢献できるか。そして私は、逆に精神障害者になったことを経験として活かせるというぐらいの社会になれなければ。是非、専門家集団には当事者のピアサポートが重要だという視点に、頭の中から口の先まで切り替える。岩上くん、よろしくお願いします。

 

○河崎委員
 1点だけ追加発言させてください。先ほど岩上参考人から、10ページの4行目、長期入院者は毎年5万人が退院するという、これの内訳についての言及がありました。これは逆に言いますと、それだけ身体合併症をお持ちの精神障害者の方たちが、長期に入院になるという傾向が明らかにあるわけです。

 ですから、その辺の医療体制をどのように構築していくのかという大きな問題と、新たに5万人が長期入院者になられるわけですから、この方たちがどういう状況で新たに長期入院者になっているのかというところの検討も含めてやらないと、先ほど岩上参考人がおっしゃったような、退院者の5万人の内訳だけをここに記載するというのは、少し問題があるのではないか。

 事務局的には、前回ここはなかったわけで、今回加えられたというのは、それなりに意味があるのだろうと思いますが、その辺も含めて、ここをどう記載するかは十分に検討していただきたいと思います。以上です。

 

○樋口委員

 今の河崎委員からの発言に対してのことですが、私は3回前の検討会のときに、この件について発言をしていまして、今、河崎委員が言われたように、5万人の退院がある一方で、5万人の新たな入院がある。こちらのほうを何とかしていかないと、ニューロングステイという問題は解決できない。だから、そこをきちんと、新たに発生する5万人がなぜ長期になるのかということを分析するために、こういう文言を是非入れてほしいと発言して入ったという経緯です。

 

○駒村部会長

 すみません。時間を大幅に超えております。実はまだテーマが2つありますので、御協力ください。次の「意思決定支援」ですが、大変申し訳ない。これは15分で終えなければいけない状況になっております。この意思決定支援について、御発言があれば挙手をお願いします。では、既に時間もかなりオーバーしているので、23分ずつでお願いします。

 

○小澤委員

 意思決定支援ですが、14ページ、基本的な所は「意思決定支援ガイドライン」の10行目です。「サービス等利用計画や個別支援計画の作成と一体的に実施」というのは、これはこれまでの意見を踏まえていただいて、大変有難いと思います。あと、この14行目の所ですが、研修です。これは読みようによっては何か新しい研修という意味合いにも取れるのですが、私からのお願いごととしては、仮にサービス等利用計画や個別支援計画との一体的な実施とした場合、現在の相談支援の初任研修、現任研修、そして、サービス管理責任者研修ですね、これの中にきっちり位置付けていただきたいというのが、是非強調したい点です。現在の研修を見直していただいて、その中に、この意思決定支援という問題をきっちりと研修の中で加えていただきたい。文書上の変更というよりも、そういう意図を確認していただければと思います。私からは以上です。

 

○本條委員

 意見ではなく質問なのですが、13ページの31行目です。「医療同意の在り方等の課題について」という所ですが、一般医療におけるインフォームドコンセントと違うのではないかという御意見もあると思いますので、一般医療におけるインフォームドコンセント認知症におけるインフォームドコンセントがどうなっているのか、今でなくてもいいからお答えいただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 別の機会でいいですか。今はいいですね。では、用意しておいてください。また後日。

 

○広田委員

 私は、意思決定というものに、勝手に代弁者を入れるのは反対です。14ページの真ん中に、「明確化してはどうか」と入っていますが、こんなものは要らない。意思決定、何度も言うけど、曖昧なのが日本の文化で、それで、病院に入院していて、意思を出させないで、地域社会でもそうです。近隣住民の、「医療の囲い込み、福祉の囲い込みから商店街の囲い込み作戦」で。この間は靴がなくなっていて、4,001円の靴を買ったし、枕もなくなっていて、相談者から送られた枕を使って、私の場合は“引越しするから、荷物が段々と減っていっていいのかな”という捉え方をしています。物を買えば日本経済も潤うしと思ったりできるけど。

 そういう、いろいろなことが起こる社会の中で、相変わらず私が感じているのは、隔離収容施策って、警察が望まなくてもあるのだなと。地域の中で、自宅の中で、職場の中で、「あの人はおかしい」とか、「あの人は狂っている、」「あの人は精神障害者手帳1級を持っている、2級を持っている、3級を持っている」と、追い込んでいくことによって、本人が狂っているような状態にまで追い込まれて、結果的に警察官通報になったり、市民通報、精神保健福祉法23条、22条ということで、その行き先が精神科病院、いわゆる入院治療。ゴミ溜めという言い方は失礼だけど、冷蔵庫なのかな、昔も今も精神科病院がいろいろな役割を負わされている事実もある。そういう所に踏み込まないと、この部会、厚労省の講堂でやって、日本をドラスティックに変えないことには、何でもかんでも小手先のことをチョロチョロ変えているけど、私は意思決定支援には大反対。物事には本質がある、精神科病院vs地域守護神大熊由紀子、裏方に門屋さんという構図をなくして、山崎先生と大熊由紀子さんが握手したところで、彼女はニコッと笑うだろうけど、少しは精神障害者のためにみんなが働いていると思わなければと思いますよ。先ほどのピアサポートでも、ピアというのは厚生労働省の管理職同士もピアサポート。お巡りさんの相談が一杯来たけど、私が1人で聞いているより、みんなで飲んで食べようかと言って、安い居酒屋とか、懇親会を開いたりする。我が家にもお巡りさんがいっぱい来たり、前の家の時は記者たちも「さあ、もう帰りなさい」と朝の4時までいたけど。現在の家は、2年前のワシントン帰国後から劇場型近隣により、いろいろありすぎて、今春から誰も寄せつけない。そういう、飲み会とか、食事するだけで立派なピアサポート。ピアサポート、イコール病気の勉強とか、堅苦しく考えない。カラオケへ行って「24千万の瞳」「傷だらけのローラ」「群青」英語で「君は我が生命」ハングル語で「釜山港へ帰れ」中国が反日でなくなったら彼と一緒に行きたい「無錫旅情」都道府県警の機動隊を応援して「この世を花にするために」現在の日本社会そのもの“貧しさに負けた、いえ世間に負けた”の「昭和かれススキ」薬段ボール一箱残して急死した仲間をしのび「カナダからの手紙」息子が抑留されていた“シベリアから帰ってくると信じていた”セルフ入り「岸壁の母」等、そして最後は戦死者の葬送歌「海うかば」…歌ったり、踊ったり、語りかけたり、敬礼している。一回1時間、ウーロン茶飲んだり、シルバー割引で平日昼間200円。多くの相談者も歌ったり食事したこともある。

社会的入院者含めた障害者が安心した暮らしのリサーチに「スーパーマーケット」等めぐりしたり、足の骨折リハビリでフィットネスクラブやスーパー銭湯に行ったら薬が減って、体重も食事調整と歩くことで20kg減量しました。そういうことを含めて、人間が生きていくということで、ここは机上の論理で進めていますが、ここで、職能団体のハローワークをやってない。けずる所をけずって、社会全体がドラスティックに変わって、精神障害者も、知的障害者も、身体障害者も、何を抱えていようと社会の一員として、様々の違いがあるのが社会という捉え方で、インクルージョンというふうな形で出さなければ、見直しと言えない。

 何回も言っているけど、藤井さん以下、精神科病院に行ってください。厚生労働省の部長としてではなくて、将来は認知症で入院するかもしれないという視点でもいいですから。田原さん、あなた、率先して行かなきゃ。いいですか。

 

○駒村部会長

 時間ばかり言ってしまい、大変申し訳ないですが、次の話、「意思疎通」の話に入りたいと思います。「意思疎通支援」について、15分ぐらいをめどになるかと思いますが、御発言ください。

 

○藤堂委員
 2点です。読み書きが大変なので、私たちは教科書の音訳をしています。著作権法にがんじがらめになっていて、とても大変な作業をしております。ただ、ICTを使っておりますので、3人でそれを全部やって、クラウドに載せて、無償で提供している状態です。15ページの18行目に、「点訳や音訳等は多くのボランティアの協力を得て実施されている」とありますが、今はICTで相当カバーできる部分ができてきているので、効率化をしていただきたいと思います。本当にそんなに人数がいるか、きちんと検証していただきたいと考えております。というのが1つです。

 それから、16ページの14行目からですが、こちらは反対に、専門性がある内容に関しては、そういう手話通訳、点字、音訳の方たちが必要になってくると思うので、それこそこちらのほうにメリハリのある施策が必要になってくると思います。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。

 

○北岡委員

 「検討の方向性」の所の3つ目の○で、「意思疎通支援については各障害」うんぬんと。そして「手話通訳士・者、要約筆記者、点訳者等」とありますが、例えば、盲ろうの人たちの指点字とか、触手話とかがここに入って、「等」なのでしょうが、ここで特出しして、書かないというか、書けないというか、省令で定めているとかいないとか、何かそういうのがあって出てこないのか、そこだけお願いします。

 

○駒村部会長

 質問です。お願いします。

 

○道躰自立支援振興室長

 自立支援振興室長です。御質問ありがとうございます。ここの部分につきましては、最初に企画課長から御説明を申し上げたとおり、前回が「手話通訳士・者等」ということで、例示が1つだけだったものですから、実際はいろいろな分野があるということで、今回は少し広めに書かせていただきました。確かに盲ろうの方も、非常に個別性かつ専門性の高い通訳技術を使っておられますので、今の御意見を踏まえて、どう改善できるか、検討してみたいと思います。

 

○小澤委員

 度々申し訳ありません。私、この分野で初めて意見を申し上げさせていただきます。それは、ただいま私たちの研究室で、「聴覚障害の方の相談支援の実情」という実態調査を行っておりまして、それで見えてきたことがあったので、追加で意見させていただきたいので申し上げます。内容的に言いますと、16ページの15行目辺りかと思って、先ほど見ていたのですけれども。市町村と都道府県の話が記載されていて、先ほどの相談支援や意思決定支援の所にも被るのですが、実際問題、聴覚障害の方がかなり相談支援事業所へ行って、きっちりとした対応を受けている状態が出てきていないのです。そこで、多くの役割を果たしているのが聴覚障害者の方への情報提供施設です。なので、その辺りの基盤を整備することが問われてくるのかと。多分その場合、小規模な市町村、都道府県といった所の関係も問われてくると思いますが、これは必ずしも情報提供拠点だけではなくて、相談支援にも相当大きな影響を与えていることが分かってきたので、その辺りは検討していただきたく、データが段々分かってきたので、追加で発言させていただきました。私からは以上です。

 

○斉藤参考人

 参考人の斉藤です。15ページの21行目の所に「難病」を記載していただき、ありがとうございました。これを踏まえて、16ページのほうで発言させていただきます。18行目からの「地域生活支援事業等」と、23行目の「支援機器の活用促進等」と、2つにまたがるのかと思いますが、例えば、21行目の「ICTの活用等」となると、ALSの患者さんですと、現在では障害者用の意思伝達装置で、瞼を動かすことで意思を伝える装置が開発されております。ということは、人の力に頼らずに、機械や機器の開発によって、意思の伝達がスムーズになることがあろうと思いますので、障害者用の「意思伝達装置の開発」を入れていただければと思います。「開発を関係機関に要望するとともに、その活用について」というような文言を加え、新たな機器を使い、人に頼まなくても、自分の意思が相手に伝わるようになるのが良いと思っておりますので、発言させていただきました。以上です。

 

○石野委員

 全日本ろうあ連盟の石野です。今まで、北岡委員、小澤委員の発言などを伺って、同じようなことで被る部分もありますが、本当にそのとおりだと思います。16ページですが、「情報提供施設等の活用」という記述があります。私としては、活用の前の問題があるわけです。先ほど小澤委員から発言もありましたが、現在、聴覚障害者の情報提供施設がありまして、実情を申し上げると、非常に厳しい状況におかれています。私も情報提供施設の運営に関わっておりますが、全国的な様子を見ると51施設ほどあります。中でも職員が2人、3人という施設もあります。そういったことも結構あります。このままではきめ細かいサービスが広がらない面が懸念されます。それだけではなく、職員が対応できない状況も起こっています。文面を見ると抽象的な表現にとどまっておりますが、もう少し明確に、情報提供施設の基盤整備についても、見直しというところまで言及していただきたいと思います。

 鳥取県の場合には、情報提供施設制度を使わないで、県費で聴覚障害者のセンターを34か所設けて、きめ細かい地域の支援ができるという取組もありますので、そういったことも参考にできないか。北海道の場合、非常に広い所です。情報提供施設が1つしかなく、しかも、職員が23人という、このままでは運営も難しい、支援も難しい。ですから、人口の多い所においても、それに対する配慮はそれなりにすべきと要望します。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。

 

○藤堂委員

 すみません。記憶が悪いので忘れてしまいました。16ページの「機器の活用促進等」の所ですが、最後に1行、「一般の図書館等との連携も視野に入れるべきではないか」と入れてくださり、ありがとうございます。そこにもう1つ、「学校図書館」というのを是非入れていただきたいのです。教育は全員が受けられるべきものであるにもかかわらず、サンプルで1,000作ったものを学校に送っているにもかかわらず、教育委員会などでは、そんなものは送られていないとうそぶくので、基礎的整備として全ての学校に整備されるものとしていただきたいと思います。

 

○広田委員

 今月5日、1025日につづいて神奈川新聞が私宅のポストに新聞をプレゼントしてくれた。9日に発言しましたが、私の友人でもある長瀬修さんが朝日の視点で、「合理的配慮とは」と書いてあって、共生社会を実現するために、社会的な障壁を障害者個人のために取り除くことである。例えば、筆談や読上げをしたり、意思疎通の配慮、携帯スロープを渡したり、物理的環境への配慮、休憩時間の調整をしたり、ルール・慣行の柔軟な変更をすることが含まれるということで、いずれにしても、アメリカのADAも、公民権が基本だと私は思った。いろいろな法律が増えるほど、それを盾にして、支援者という人たちが当事者の思いを超えてしまう。例えば神奈川県警の中原署を新聞が叩いた例。“聴覚障害者の方に、手話通訳の要請放置”ということで、4段抜き、5段抜きで、朝日と読売がものすごい勢いで書いて、54行、52行。何事かと思ったら、呼ばなくても処理できた話、神奈川県警には抗議が殺到しているのかなと思って、激励の電話をしたら、翌日、「講演してください」ということで、記者に話したら、「警察官に話していることを是非我々も聞きたい」ということで、警察に話を戻したら、「マスコミ公開にします」と電話があり、私は「障害者と警察官の人権」というタイトルにしました。当日、5社の記者が取材に来ました。それで、記者のひとりが「これからもああいう講演して下さい。警察官が…」と行っていました。

 私は、お巡りさんがその聴覚障害者の気持ちを受け止められなかった理由を幾つか挙げました。それは、皆さんには分からないことがあるかもしれない、私は17年間現場で学んだ。、「その大きな1つに、統合教育が行われていないから、」とお話した。共同通信以外神奈川、産経、東京、毎日の各紙に写真入りの記事が載りました。歌も手話で歌って、お巡りさんも記者も、みんなで「四季の歌」。そしたら、手話で歌っている写真も出ました。

 大騒ぎしない、支援者と名乗っている関係者は。当事者として意思が伝わることが大事で、方法は、何でも制度を盾に取らない。当然こういうところは手話通訳ですけど。何度も言うように、個々の生活の中で、大災害だ交通事故だって瞬間に手話通訳は飛んでこられない時もあるわけです。国民が、手話も大事だけど、筆談なら気軽という時代に入ってきていることを認識するためにも、社会的障害者のボランティア講座ということで。人は生まれながらに平等で対等だという公民権。それを小間切れに、ひとつ法律ができると、勝ち取ったみたいにすぐ施策化するけど、勝ち取らなくてもヒューマンの愛ある世界が大事。先日「押しましょうか」と車いすに座った人に声かけたら、アメリカのイケメンが、「いいよ」と笑顔で言ったから、「頑張れ」って押し出してお互い大笑いしました。誰もが気軽に声かけできるコミュニケーションが大事だと思います。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。今日の6項目、一当りしたと思いますので、今日は以上にしたいと思います。時間が20分近くオーバーしており、大変恐縮です。

 最後に、事務局から今後の予定についてお願いします。

 

○川又企画課長

 ありがとうございます。次回は1127()14時から、場所はTKPの神保町です。次回は、112日に御議論いただいた「高齢障害者」と「障害支援区分」、119日に御議論いただいた、「障害児」と「その他の障害福祉サービスの在り方」の4つの論点について、議論の整理の2回目としてお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○駒村部会長

 では、本日はこれで閉会としたいと思います。3時間掛かりましたが、大事な議論だったと思います。お疲れさまでした。ありがとうございました。

 

 


(了)
<照会先>

【社会保障審議会障害者部会事務局】
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係
TEL: 03-5253-1111(内線3022)

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