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2015年10月22日 第4回治療と職業生活の両立支援に関するガイドライン作成委員会 議事要旨

労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

○日時

10月22日(木) 10:00~12:00


○場所

厚生労働省会議室


○出席者

委員会参集者(50音順、敬称略)

大神 あゆみ 木谷 宏 城戸 尚治
佐藤 千秋 須田 美貴 砂原 和仁
高橋 都 高松 和夫 豊田 章宏
中板 育美 西津 康久 道永 麻里

厚生労働省

武田 康久 (労働衛生課長) 塚本 勝利 (産業保健支援室長)
中村 宇一 (産業保健支援室長補佐) 川中 淑恵 (産業保健支援室主査)

○議題

(1)ガイドライン骨子案について
(2)その他

○議事

○ガイドライン骨子案の検討に当っての確認事項及びガイドライン骨子案について、事務局から説明がなされた。

○ガイドラインの骨子案について、検討に当っての留意点として以下のような意見があった。

【名称について】

·  「職業生活」という用語は一般に馴染みがないため、「仕事」ではなく「職業生活」とした背景を説明してはどうか。

·  「仕事」は雇用されていない労働者も含む印象だが、「職業生活」は雇用あるいは有償労働者に限定して表現できるのではないか。そのため、「職業生活」に統一し、後の検討で調整していくということで良いのではないか。

【家族について】

·  雇用契約のない家族との連携を企業に対して求めるのは現実的ではないのではないか。

·  一方で、家庭生活は職業生活を支える重要なファクターであるため、家族を意識することは重要ではないか。

·  本人に対して、万一の場合に家族と連絡を取っても良いかを確認する、ということを盛り込んではどうか。

·  家族には本人の理解者としての立場の他に、本人の判断力が落ちた場合の連絡先としての立場もある。ただし、企業の対応と家族の意向が異なる場合もある。「家族」の持つ様々な側面をガイドラインに落とし込む必要があるのではないか。

·  家族の持つ異なる役割を分類し、その役割に応じた対応について記載する、という対応で良いのではないか。

【現状について】

·  疾患別の件数の傾向に関して、脳・心臓疾患は労災申請されることはほとんどないため、労災件数ではなく一般的な患者数を根拠に記述してはどうか。

【両立支援の意義について】

·  労働者側のモラルハザードの温床にならないよう、支援の必要な労働者以外の処遇を悪化させることがないよう、合理的な範囲での支援が必要、という姿勢を示すべきではないか。

·  治療と職業生活の両立は経営戦略とは言い切れないのではないか。

·  「健康経営」という面でいえば「経営戦略」とも言える。経営への影響は定量的に示されていないので書きづらいが、長期的に経営に対してメリットがある点は記載する必要があるのではないか。

【ガイドラインの位置づけ】

·  ガイドラインの内容を十分実施できない企業に対して罰則・規制をかけるのではなく、実施できている企業に対してプラスの評価があるという形の方が望ましいのではないか。

·  両立支援に対する将来的なインセンティブの可能性についても記述することで、取組に向けた企業の姿勢に良い影響を与えることができるのではないか。

·  労働者の働く「能力」の判定に関して、企業側に必要以上に保守的な判定を避けていただくようなニュアンスを加える必要があるのではないか。

·  一方で、医療者による診断も難しい現状がある。治療開始前と同じように100%の能力を発揮できるとは限らないことを踏まえて、労働者と企業とで落としどころを見つける必要があるのではないか。

·  ガイドラインが悪用され、無理に働かせるような事例が出てこないよう、病者の就業禁止も遵守するよう注意喚起する必要がある。

【合理的配慮について】

·  「合理的配慮」は障害者雇用を想起させるため、治療中の対応について使用するのは適切でないのではないか。

·  「合理的配慮」という用語は医療側には普及していない。もし障害側にイメージが引っ張られるのであれば、「配慮」を使用し、今回の意図する定義を説明してはどうか。

【両立支援を行うための環境整備について】

·  柔軟な勤務制度に関しては、時間単位の有給制度については研究でも有効性が示されており、重要な点ではないか。ガイドラインに記載されたことを全て実行しなくてはならないということではなく、実施する場合の方法を示すものであるという記載をする必要がある。

·  経済的支援に関しては、経済的な問題に対する相談体制、情報提供という形で示してはどうか。

·  ワーク・ライフ・バランスに関する協議会は一般に普及していない。労使間の協議や法定の衛生委員会の活用等にとどめてはどうか。

【企業と医療機関の情報共有について】

·  来診療の中で患者の個別の状況を聞き取るのは難しい。企業側からの仕事内容に関する情報提供のフォーマットがあるとよい。

·  情報共有のフォーマットとして、労働者災害補償保険の指導管理箋や母性健康管理指導事項連絡カードが参考になるのではないか。また、実際に使用されている情報提供依頼書や昨年度の成果物、それらを活用している好事例を示すと、企業が具体的なやり方を知ることができるのではないか。ただし、フォーマットが詳細すぎたり、様式が様々であると、医療機関側が対応に苦慮する可能性もある。

·  フォーマットはあくまでツールである点に注意が必要であり、情報共有ツールを活用する際のノウハウ(どう使えば医療従事者が書きやすいか等)を企業に示すと良いのではないか。

·  「産業医がいる場合にはすべて産業医に相談」とした場合、産業医に過度の負担がかかる可能性がある。「産業医又は産業保健スタッフ」とする部分があっても良いのではないか。

·  産業医がいる/いないで書き分けるのではなく、産業医がいないことを前提として、産業医・産業保健スタッフがいる場合は相談する、というように記載するほうが現実的ではないか。

·  現実に合わせる事も必要だが、両立支援に対する産業医の貢献を高める機運をつくる必要もある。

·  「産業医がいない場合は、労働者を通じて口頭又は文書にて主治医、産業保健スタッフの意見を確認する。」としてはどうか。

【全体的な事項について】

·  「労働者に確認すべき内容」をチェックリスト化してはどうか。


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