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2015年10月15日 社会保障審議会障害者部会(第72回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年10月15日(木) 9:30~


○場所

TKPガーデンシティ御茶ノ水カンファレンスルーム3C
(東京都千代田区神田駿河台3丁目11-1 三井住友海上駿河台新館)


○出席者

駒村康平部会長、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員、石原康則委員、伊藤建雄委員、大濱眞委員、小澤温委員、河崎建人委員、菊池馨実委員、菊本圭一委員、久保厚子委員、佐藤進委員、竹下義樹委員、藤堂栄子委員、中板育美委員、中村耕三委員、野澤和弘委員、樋口輝彦委員、広田和子委員、本條義和委員、森祐司参考人、末吉孝徳参考人、江藤修参考人、白江浩参考人、五郎川展弘参考人

○議事

○駒村部会長

 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第 72 回社会保障審議会障害者部会を開会いたします。委員の皆様方には御多忙のところ、お集まりいただきましてありがとうございます。

 議事に入る前に、毎回お願いしていることですけれども、事務局においては資料説明はできるだけ簡潔に要点を抑えた形で説明をお願いいたします。また委員におかれましても、より多くの委員の御発言の機会を確保するために、なるべく簡潔に御発言をいただきたいと思います。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。

 本日は、第 2 回目ということで大事な議論が多くありますので、後ほど少し御説明しますけれども、少し時間を区切って議論を進めていきたいと思います。

 事務局より委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。

 

○川又企画課長

 企画課長でございます。委員の出席状況ですが、本日は朝貝委員、伊豫委員、北岡委員、中板委員、松本委員から御都合により欠席との御連絡を頂いております。なお、佐藤委員からは遅れて到着する旨の御連絡を頂いております。あと少し何名かまだ到着されていない方がいらっしゃるようですが。また、本日は小西委員の代理といたしまして森参考人、やや遅れて到着されると御連絡を頂いています。橘委員の代理として末吉参考人、永松委員の代理として江藤参考人、日野委員の代理として白江参考人、山口委員の代理として五郎川参考人にそれぞれ御出席いただいております。

 議事に入ります前に、 10 1 日付けの人事異動によりまして事務局に異動がありましたので御紹介させていただきます。精神・障害保健課長田原課長です。

 

○田原精神・障害保健課長

 精神・障害保健課長の田原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○川又企画課長

 続きまして本日の資料の確認をさせていただきます。資料 1 「現状・課題と検討の方向性」、本日は 3 つのテーマについての御議論をいただきます。資料 2 がそのテーマに関する障害者部会における委員の皆様方からの意見をまとめたものです。なお、参考資料としまして、 10 9 日に開催されました、財政制度審議会財政制度分科会におきます配布資料を参考として配布をいたしております。よろしくお願いいたします。カメラ撮影はここで終了とさせていただきます。よろしくお願いします。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。議題に入ります。これまで 5 月から 6 月にかけて 45 団体からヒアリングを行うとともに、 7 月から 9 月にかけて論点ごとに議論をいただきました。本日は論点ごとにこれまでの議論を整理した資料をたたき台として議論を深めていきたいと考えております。「常時介護を要する障害者等に対する支援」「障害者等の移動の支援」「障害者の就労支援」、この 3 つのテーマについて御議論いただきたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

 

○田中障害福祉課長

 障害福祉課長の田中でございます。私から資料 1 、それから資料 2 についてお時間を頂きまして御説明をさせていただきます。まず、資料 1 は全体として常時介護を要する障害者等に対する支援について、それから障害者等の移動の支援について、そして障害者の就労支援についてという順番で、それぞれ論点の整理 ( ) 、それから現状・課題、検討の方向性、関係資料というような形でまとめております。また、これまで皆様方から頂きました御意見につきましては、資料 2 に項目ごとにまとめています、このような資料構成になっています。

 資料 1 の常時介護に関しては 3 4 ページに論点の整理 ( ) として、これまで御議論をしてきていただきました論点について再掲をしております。どのような人が「常時介護を要する障害者」であると考えられるか、「常時介護を要する障害者」ニーズのうち、現行のサービスでは何が不足しており、どのように対応すべきか。 3 番目として、同じ事業の利用者であっても障害の状態等により、支援内容に違いがあることについてどう考えるか。支援する人材の確保や資質向上の方策・評価についてどう考えるか。パーソナルアシスタンスについてどう考えるか。パーソナルアシスタンスと重度訪問介護との関係についてどう考えるか。これが常時介護に関して論点の整理 ( ) として挙げさせていただいておりました 6 点です。 3 4 ページの検討の視点については言及を省かせていただきましたけれども、このような形で議論をさせていただきました。

 これまでの議論を踏まえまして、次が 5 ページ、現状・課題です。まず、 1 点目に、障害者総合支援法においては、障害者等が本人の意思に基づき地域生活を送ることができるよう、個々の障害者等の状態像やニーズに対応した障害福祉サービスを提供しており、特に手厚い介護等が必要な障害者等を「常時介護を要する者」とし、重度訪問介護、行動援護、療養介護、生活介護及び重度障害者等包括支援を提供しているというような現状を書いております。

 そこで 2 点目ですが、そのような現状の中で障害者等の地域生活・地域移行の支援をより一層推進する観点から、「常時介護を要する者」に対するサービスに関する課題、ここでは重度障害者等包括支援の利用が低調であること、それから重度障害者が入院したときに必要な支援が受けられない場合があることなどを挙げています。これらの対応に加え、地域生活・地域移行の受け皿の整備や、「定期的又は随時」の「生活支援」を必要とする障害者などを支える仕組みの構築が求められているというような課題を記載しています。
 3 点目にグループホームですが、全国で整備が進められて、現在約 10 万人に利用をしていただいています。それから平成 29 年度のサービスの見込量は約 12 万人であり、必要な方が利用できるようサービス量を確保していく必要があるということ、また利用者の重度化・高齢化への対応が必要であるということ、というような課題を挙げています。さらにということで、入院中の精神障害者に対して、退院後の住む場所について質問したところ、約 6 割が自宅又は賃貸住宅、約 2 割がグループホーム等というような状況になっており、グループホームよりも自宅や民間賃貸住宅での「一人暮らし」を希望する障害者も多いという現状です。こうした中で、「地域移行=グループホーム」との考え方に疑問を呈する御指摘も出ているという状況を記載しています。

 次が人材の関係です。訪問系サービスのサービス提供責任者については、実務経験 3 年以上の旧 2 級ヘルパーでも可能とする取扱いが平成 18 年以降続いています。このようなことなど、人材の資質向上に向けた課題があるということ。また OJT を評価する特定事業所加算ですが、この取得率が低調な状況であるということ、その現状を記載しています。

 最後に、パーソナルアシスタンスですが、障害者の地域生活を支える仕組みとして、制度化を望む声もあるが、その意味するところは利用者本人のニーズに応じた柔軟な支援を可能とすべきとの趣旨ではないかと考えられる、としています。

 次のページはこのような現状・課題を踏まえた検討の方向性として、 5 点挙げています。まず 1 点目に、「常時介護を要する者」だけでなく、「日常的」に「支援」を要する者なども含め、地域生活・地域移行をきめ細かく展開するため、限られた財源の中で真に支援が必要な方にサービスが行き渡るように留意しつつ、以下のような新たな方策を検討することとしてはどうか、ということで、総論的に記載しています。以下のようなということで 4 点、具体的な新たな方策の方向性です。

 まず、利用者のニーズに応じた柔軟な支援を行っていくために、常時介護を要する障害者等を対象とした地域生活を更に支援する観点からのサービスの見直しです。具体的には、「例えば」の所から、重度障害者等包括支援について、地域で家族と生活する重症心身障害児者等のニーズに合わせて、活用しやすいものとできないか検討するとともに、重度障害者の地域生活を支えている重度訪問介護を利用している者について、医療保険の給付範囲に留意しつつ入院中における医療機関での支援、この検討です。

 次に 3 番目の「常時介護を要する者」であるか否かにかかわらず、地域での暮らしが可能な障害者等が安心して地域生活を開始し、継続できるよう、地域で生活する障害者等に対し、緊急時対応を含め、継続的に支援する拠点の整備を更に進める方向で検討することとしてはどうか。
 4 番目に、障害者の方の本人の意思を尊重して、グループホームから一人暮らしへの移行を希望する障害者など、その意向が尊重された地域生活が支援されるよう、これまでにはありませんが、定期的な巡回訪問や随時の対応により、理解力、生活力などを補う観点から、適時のタイミングで適切な支援を行う支援を検討することとしてはどうか。また、その際にはこの検討するサービスの内容を踏まえつつ他のサービスの利用の在り方についても検討することとしてはどうか。障害者の地域移行の受け皿となるグループホームについて、重度障害者に対するサービスを位置付けて、適切に評価を行う、これとともに障害者の状態とニーズを踏まえて、真に必要な方にサービスが行き渡るよう、現に利用している方に配慮しつつ、利用対象者を見直す方向で検討することとしてはどうかとしまして、グループホームに限らず、一人暮らしを希望する方にも必要なサービスを適時に受けながら地域で暮らすことが可能となるような仕組みを構築する方向での検討、としています。

 最後に 5 点目の人材の関係です。人材の確保、資質向上を図るために、従業者資格を引き上げるとともに、熟練した従業者による OJT 研修の実施を促進する方向で検討することとしてはどうか。以上が常時介護の検討の方向性として挙げられています。
 7 ページ以下は関係をする資料です。前回お出ししているものもありますが、概略を説明させていただきます。
 8 ページは常時介護を要する障害者を対象とするサービスとその対象者像です。このような方に対するサービスとして、重度訪問介護ほか、 5 種類のサービスがありますので、その概要です。

 次に 9 ページの地域生活を支えるための主なサービスとして、多く利用されています共同生活援助、グループホーム、それから居宅介護、地域定着支援の概要と実績などをここに記載しています。
 10 ページでは障害支援区分ごとのグループホーム、それから地域定着支援、居宅介護という先ほど地域生活を支える主な障害福祉サービスで挙げましたものについて、その利用状況を区分別にお示ししております。グループホームにおきましては、区分なしの方も多く、また区分 1 を除いて、各区分とも増加傾向にあるということが見て取れるかと思います。

 次に 11 ページの、入院中の支援の関係です。医療の給付の関係で、看護に関する関連条文がどのようになっているかということをまとめて記載しています。

 次に 12 13 ページが一連の資料となっています。先ほど説明をしましたような、定期的な巡回訪問や随時の対応によって理解力、生活力などを補う観点から、適時のタイミングで適切な支援を行うといった支援、こういった支援の参考になる例として、横浜市で行われています「自立生活アシスタント」という事業の例をここに掲載をしています。 12 ページが実施要綱で、 13 ページがパンフレット、実績などになっていますが、横浜市におきましては、地域で自立した生活を送ることができるように支援員を定期的に派遣して、日常生活上の相談・助言、情報提供、コミュニケーション支援、こうしたものを総合的に行うものとしてこの事業を実施されています。

 要綱には、趣旨、目的、定義、対象者と記載していますけれども、この対象者ですが、知的障害それから精神障害、発達障害、高次脳機能障害のある方で、単身とか同居家族が御高齢などで日常生活の支援を受けられない方を対象としまして、支援の内容としては、自立生活アシスタントが訪問による衣食住に関しての支援や健康支援、消費生活に関する支援、対人関係の調整などの支援を行うというような内容です。なお、支援の内容の 1 行目にありますとおり、「直接処遇は基本的には行わない」ということで、運営をされている事業です。
 13 ページの左側がパンフレットで、右側に実績が書いてありますが、平成 26 年度には 879 名の方がこの事業を利用されて自立生活を送られているということです。
 14 ページが地域生活支援拠点の概要です。次いで、 15 ページの訪問系サービスの従業者資格、報酬について、障害のサービスと介護保険のサービスを比較したもので、障害では一定従業者資格が緩くなっている部分があります。下線が引いてあるような所が若干の違いがある部分です。
 OJT の評価ですが、特定事業所加算で評価をしています。上が特定事業所加算ですが、下半分に特定事業所加算の取得状況を挙げていますけれども、加算の算定率は概して低い状況になっています。

 最後に 17 ページは、諸外国のパーソナルアシスタンスと言われている事業と、重度訪問介護の比較の表として付けているものです。ここまでが常時介護を要する障害者等に対する支援関係の資料です。
 18 ページ目以降が障害者等の移動の支援の部分の資料になります。
 19 ページが論点の整理 ( ) として挙げさせていただいたものです。移動支援に関しての論点としては 2 点です。まず、個別給付に係る移動支援と地域生活支援事業に係る移動支援の役割分担についてどう考えるか。 2 点目が個別給付に係る移動支援について、通勤・通学等や入所中・入院中の取扱いをどう考えるか。
 20 ページでは、この論点で、前回までの御議論を踏まえ、現状・課題、それに対応する検討の方向性を 20 21 ページでまとめています。

 まず、 20 ページの現状・課題です。現状として、移動支援は障害者の社会参加の促進や地域での自立した生活を支える上で重要な支援であるという認識を記載しまして、現在ということで障害者総合支援法に基づき、同行援護、行動援護、重度訪問介護、居宅介護の個別給付、これが義務的経費、これらについてはあらかじめ作成されたサービス等利用計画に基づき、基本的にはマンツーマンでサービスを提供するとともに、市町村の裁量的経費ですが、地域生活支援事業については個々のニーズや地域の状況に応じて緊急時の個別支援、グループ支援、車両移送などが実施されているという現状を記載しています。
 2 点目の○で、各市町村の判断に応じて、地域生活支援事業の中で実施をされている障害者の通勤・通学に関する移動支援については、個別給付の対象とすること等さらなる充実を求める御意見があるとした上で、一方として、地域生活支援事業のほうが地域特性を生かした柔軟な対応が可能であるといったメリットがあるということとともに、雇用障害者数、それから就労移行支援事業の利用者数、通勤に関する数としては合計約 66 万人、特別支援学校の小学部及び中学部の在学者数、通学の関係が合計 7 万人、このように上ること。差別解消法の施行に伴う事業者や教育機関による「合理的配慮」との関係、個人の経済活動と公費負担の関係、教育と福祉の役割分担の在り方等、こういった課題が通勤・通学についてはあるということを記載しています。
 3 点目が入院中の外出・外泊に伴う移動支援が、十分な対応がなされていないこと。「また」として、入所中の外出・外泊に伴う移動支援については、施設サービスの「日常生活上の支援」の一環として行われており、現行の障害福祉サービス等報酬において評価をされているが、相応の人手や労力を要することから、施設ごとに対応が異なっているという現状・課題です。

 次いで 21 ページが検討の方向性として、 3 つ整理しています。 1 点目に、障害者総合支援法における移動支援については、所要の財源を確保しつつ、障害者に一定の社会生活を等しく保障するとともに、利用者の個々のニーズや地域の状況に応じて柔軟に対応することができる仕組みとする必要があるとの認識を記載しまして、こうした観点からということで、基本的には現行の「個別給付」と「地域生活支援事業」による支援といった 2 本立ての枠組みを維持した上で、支援の実施状況を踏まえつつ、ニーズに応じたきめ細かな見直しを図っていくべきではないかという総論の考え方です。

 具体的に下の 2 つの、まず、障害者の通勤・通学等に関する移動支援については全てを福祉政策として実施するのではなく、関係省庁とも連携し、事業者や教育機関による「合理的配慮」の対応、それから教育政策との連携等を進めていく必要があるのではないかとしてその上で、福祉政策として実施すべき内容について引き続き検討を進めるとともに、まずは就労移行支援や障害児通所支援においては、本来の趣旨も踏まえ、通勤・通学に関する訓練の着実な実施を促すこととし、これを必要に応じて評価する方向で検討をすることとしてはどうかとしています。
 3 点目に、入院中の外出・外泊に伴う移動支援については、同行援護、行動援護、重度訪問介護が利用できる方向で検討することとしてはどうか。入所中の外出・外泊に伴う移動支援については、施設による移動支援について適切に評価が行われているか、引き続き検討することとしてはどうかとしています。
 22 ページ以降、関連をする資料です。まず 23 ページの移動支援の実施方法として、個別給付と地域生活支援事業での対応がありますが、その対応方法等を整理したものです。地域生活支援事業では、緊急対応のほか、グループ、車両移送など柔軟な実施が可能となっているという整理をまとめたものです。

 次に 24 ページは先ほども言及いたしましたが、通勤・通学をされている方の総数のデータです。
 25 26 ページが地域生活支援事業での通勤・通学関係の支援を行っているその割合です。通勤支援、通学支援ともにされておられる市町村におきまして、訓練として行っているような例もかなり見られるという実態を記載しています。
 27 ページは前回も御説明しましたが、大分で実施されました知的障害のある方の公共交通機関の利用支援の研究の関係の資料です。訓練をすることによって、できる割合が増加しているという結果が出ています。
 28 ページ以降が障害者の就労支援に関しての資料です。論点の整理 ( ) として、これまで御議論いただいてきましたものを 29 ページに記載しています。障害者の就労に関する制度的枠組みについてどう考えるか。 A 型・ B 型の就労継続支援、就労移行支援の機能、そこでの支援の在り方についてどう考えるか。 3 点目は就労定着に向けた支援体制についてどう考えるか。 4 点目が労働施策等の福祉施策以外との連携についてどう考えるか。

 御議論を踏まえて、 30 31 ページに現状・課題、検討の方向性としてまとめています。まず、 30 ページは、就労移行支援、就労継続支援という就労系の障害福祉サービス、これから一般就労に移行した障害者の数ですが、平成 20 1,724 人から平成 25 年度 1 1 人ということで、 5 年間で約 5.8 倍となっていること。民間企業における障害者の雇用者数が、平成 26 6 月には 43 1,000 人。ハローワークを通じた障害者の就職件数も、平成 26 年度 8 5,000 人ということで、いずれも年々増加をしており、特に精神障害者の伸びが大きいという現状です。

 次に、 2 点目のサービスについて、就労移行支援事業所については、一般就労への移行率が 20 %以上の事業所の割合が増加をする一方で、移行率が 0 %の事業所の割合は約 30 %強で推移をしており、移行率の二極化が進んでいるという現状です。
 3 点目が継続支援について、継続支援事業所のうち 25 年度の 1 年間で一般就労に移行した者が 1 人もいない事業所の割合は、 A 型で 7 割、 B 型で 8 割という現状です。「また」という所から、工賃・賃金の関係について、 B 型事業所の一人当たりの平均工賃は、平成 25 年度約 17 %の事業所で 2 万円以上の工賃を実現している一方で、 40 %の事業所で 1 万円未満と、こちらの工賃の面でも開きが出ているという現状です。
 4 点目が定着支援について、障害者の就労定着支援、就業面の支援は、基本的には企業の合理的配慮や労働政策の中で行われていますが、就業に伴う生活面の支援は、現在障害者就業・生活支援センター、いわゆる中ポツセンターの生活支援員、それから就労移行支援事業所が中心となって実施をしているという現状です。

 最後の 5 点目が一般雇用ですが、障害者雇用促進法の法定雇用率については、平成 30 年度から精神障害者の雇用についても算入される予定となっています。今後、在職障害者の就業に伴う生活上の支援ニーズは、より一層多様化かつ増大するものと考えられるというような現状です。企業に雇用された障害者が職場に定着をするということは、障害者の自立した生活を実現することとともに、障害福祉サービスを持続可能なものとする観点からも重要であるという問題意識を記載しています。

 これらを踏まえて検討の方向性として 31 ページです。総論として、 1 点目に、どの就労系障害福祉サービスを利用する場合であっても、障害者がその適性に応じて能力を十分に発揮し、自立した生活を実現することができるよう、工賃向上や一般就労への支援を更に促進するための方策を検討してはどうか。また就業に伴う生活面での課題などを抱える障害者が早期に離職することのないよう、就労定着に向けた支援の在り方を検討することとしてはどうかという総論です。

 具体的に以下、 2 点目に、就労移行支援については二極化していることについて、先般の平成 27 年度報酬改定で一定の対応をしていますので、この効果も踏まえながら一般就労への移行実績を踏まえたメリハリを付けた評価を行う方向で検討することとしてはどうか。
 3 番目に、就労継続支援です。サービスを利用する中で能力を向上させて、一般就労に移行する障害者もいることから、一般就労に向けた支援や一般就労への移行実績を踏まえた評価を行う方向で検討することとしてはどうか。そして、どのようなサービスを選択しても、一般就労に向けた道筋が可能となるように後押しをする。「また」としまして、 B 型についてこちらもバラツキが大きくなってきていますので、高工賃を実現している事業所を適切に評価するなど、メリハリを付ける方向で検討をすることとしてはどうかです。また、 A 型は、事業所の実態が様々であることを踏まえ、利用者の就労の質を高め、適切な事業運営が図られるよう、運営基準の見直し等の方策を検討することとしてはどうか。そして「さらに」ということで、一般就労が困難な障害者に対して、適切に訓練が提供され、自らの能力を最大限発揮し自己実現できるよう支援するため、現在は B 型の利用希望者に対して実施している就労アセスメントについて、効果的かつ円滑な実施と合わせて、対象範囲の拡大について検討することとしてはどうかとしています。なお、先ほどの「さらに」というような観点については、財政制度審議会でも指摘をされているところです。
 4 点目に、一般就労してからとなりますが、在職障害者の就業に伴う生活上の支援ニーズに対応するために、就労定着支援の強化を検討することとしてはどうか。例えば就労系障害福祉サービスを受けていた障害者など、就労定着に向けた支援が必要な障害者に対して、一定の期間、労働施策等と連携して、企業や家族との連絡調整とか、生活支援といった就労定着に向けた支援を集中的に提供できるようにすることを挙げています。

 最後に、就労系障害福祉サービスについて、障害者やその家族等が適切な事業所を選択できるように、事業所の事業内容や工賃・賃金、それから一般就労への移行率、労働条件などに関する情報の公表を検討することとしてはどうかという 5 点の検討の方向性をまとめています。以下、 32 ページからが関連資料になっています。
 33 ページの左の棒グラフですが、一般就労への移行者数が年々増化をしています。しかし、 A 型の緑色の部分は微増、 B 型のピンクの部分では横這いとなっています。一方、障害者雇用数全体が次の 34 ページの表のとおり年々増加をしており、ハローワークの就職件数についても、特に精神障害者が多く伸びているところです。
 36 ページは現行の就労系サービスの概要、その利用者数などのデータです。
 37 ページは先ほども説明しました就労系サービスの就労移行支援事業についての移行率の推移ですが、二極化しているという状況が見て取れるかと思います。
 38 ページは就労継続支援から一般就労された方の状況ですが、 1 人も就職していないという事業所が A 型で 7 割、 B 型で 8 割です。

 賃金の面では 39 ページで、 A 型の平均賃金はほぼ最低賃金と同程度です。それから 40 ページの B 型の平均工賃、右側の 2 万円以上の事業所が増加をしていますが、 1 万円未満もいまだ 4 割という状況になっています。

 最後に、定着関係の資料として、 41 ページの中ポツセンターの状況です。一般就労の増加とともに相談支援件数が増加しています。
 42 ページは定着支援として、今般平成 27 年の報酬改定において、定着支援の強化をするために定着期間に応じた定着支援体制加算を新設していますので、その概要です。

 資料 2 はこれまで頂きました意見を項目ごとに整理をしてまとめているものですので、適宜御覧いただければと思います。資料の説明は以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。最初に申し上げたように、今日は 3 つのテーマを議論することになります。私たちが持っている時間はあと 2 時間弱で、 120 分をどう使うかですが、まず、「常時介護を要する障害者等に対する支援」に、分量的には 50 分、それから「障害者等の移動の支援」に 30 分、「障害者の就労支援」に 40 分、こういう形で進めたいと思います。議論の進め方については以前より、前半の所で時間を使い過ぎて後半が十分できないという傾向がありましたので、取りあえず目安を作らせていただきます。取りまとめに向けての大事な議論ですので、まず一当り重要な御指摘をいただきたいと思います。

 まず、最初の「常時介護を要する障害者等に対する支援」ですが、資料の 6 ページの、検討の方向性を中心に御議論いただくことになると思います。最初の論点について発言予定の方、議事の進行上、時間配分を考えたいので、挙手をしてください。 3 分ぐらいということですので、お 1 3 分を目途に御発言いただきたいと思います。長引いた場合、大変申し訳ないですが、今日から注意することになるので、よろしく御協力をお願いします。持ち分が全部決まっていますので、誰かが長引くとほかの方がしゃべれなくなります。左回りでいきたいと思いますので、まず竹下委員から回っていきます。よろしくお願いします。

 

○竹下委員

 竹下です。 1 件だけです。常時介護を要する方の入院中の支援の問題です。これは次回の意思疎通の場合も共通するのですが、入院中の支援については医療給付によって、すなわち、看護師等による支援が困難であるからこそ強いニーズが出ているわけで、この点については医療給付と福祉給付の重複ではなくて、ある種のすみ分けを検討しながら、そのことが実現する方向付けとして明記しておくことが必要と思います。そうでないと、不必要に医療給付による支援を強調してしまうと、看護師の過度の負担になって、他の療養中の方への支援が疎かになることは避けるべきだと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。それは御意見ということで、事務局から特段コメントを求めてはいません。まずは気がついた点ということで。竹下委員、よろしいですか。

 

○竹下委員

 はい。

 

○駒村部会長

 中身の話ですので、確認したいことがありましたら、事務局に確認する形で御発言いただいても結構ですし、御意見でも結構です。

 

○江藤参考人

 私のほうは特に人材育成の件について発言させていただきたいと思います。この項目でも論点に挙がっていますし、後の移動支援や就労の移行支援も同様ですが、支援をしている人たち、担当する人のスキルですね。制度的にいろいろなシステムを整えたとしても、実際にそのサービスをコーディネイトしていく人たちの人材育成がしっかり図れなければ、思うような効果は上がらないのではないか。そういうことで、実は大分県には介護保険のほうで先行しまして、介護支援専門員、ケアマネージャーの育成、それから、サービス提供事業所の意識改革を促すため、どれを促すかというと、やはり介護保険の理念である自立を支援するという、徹底した意識改革を図るための一つのツールとして、地域ケア会議を全 18 市町村に実施してきました。

 その結果、第 4 期から第 5 期の介護保険の給付費の伸びが国の平均の 17.2 %に対して、大分県全体で 13 %の抑制ができました。仮に国と同じ具合に大分県の伸び率が上がると、実は 3 年間で 100 億円ぐらいの介護給付費を抑制した効果が上がっています。ですから、今後は重度障害者の支援に対することも含めて、やはりどこかで重度障害者に重点を置く、一方で、軽度の障害者で、自立できる方は、自立に持っていけることを担当する、制度と併せてそれぞれの人材育成が必要ではないかとの意見を申し上げたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。

 

○野澤委員

 常時介護を効果的に使って、障害者の生活の質を上げることを目的に、効果的に使うべきだと思います。これまでは、どちらかというと、常識的に重度の方は入所施設で、グループホームは軽い方のために始まったわけですよね。段々変わってきているわけですが、本当にそれでいいのだろうかと、やはり考え直す必要があると思います。特に行動障害のある方は自宅やグループホームでは無理だというので、入所施設にお願いしてきたわけですが、集団生活のストレスによって行動障害になったり、あるいは悪化したりすることも結構あります。

 ここでも御紹介しましたが、北海道のはるにれの里ではグループホームを 150 人ぐらい使っていまして、そのうちの 102 人が支援区分 6 という行動障害のある方で、より個別化した小人数のほうがむしろこういう方には合っているのではないかと、最近は言われるようになってきました。こういうことも踏まえて、役割とか機能分担をもう一度考え直してみる必要があると思います。

 今も、グループホームの利用者のうち、区分なしや区分 2 50 %近くを占めていますよね。本当にこのままでいいのだろうかとも考えてみる必要があると思います。彼らに聞いてみれば、寂しいし、みんなで暮らすのがいいという人も結構いて、それはそれでいいのですが。でも、本当に一人暮らしや好きな人と二人暮らしを体験したときに、果たして 5 6 人のほうがいいのかどうなのかとか、我々はもう一度スタートラインに立って、国連の権利条約 12 条の、法の下における平等ということを考えていくべきだと思います。ほかのサービスも含めて、全体を精査する中で常時介護を考えていくべきだと思います。

 もう 1 つは、例えば、精神の方で独居、一人暮らししている方で、ホームヘルプ、居宅介護を使うのですが、実質的には相談とかその目的に居宅介護を使っていると、ほかにサービスがないからそれを使っている方が結構多いと言われていますよね。グループホーム、ヘルパー、そして、常時介護、そういうものを全体的に、役割分担、機能分担をもう一度整理して、限られた資源を効果的に使うことを考えるべきだと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。

 

○大濱委員

 脊損連合会の大濱です。今の野澤委員の発言でも役割分担という言葉が使われましたが、今回の法改正の方向性として、メリハリをつけることを掲げるべきだと思います。重度訪問介護も障害支援区分 5 や区分 6 に重点を置くべきです。例えば、現行制度では経過措置で区分 3 も一定の条件下で重度訪問介護の利用が一部認められていると思います。それと同じように、今回の見直しで、区分 4 については、市町村が認めた者といった、もう少し厳しい制限を課して、区分 5 6 に重点化していただきたいと考えています。それと同様に、生活介護の対象者も区分 3 以上に設定されていると思いますが、そこも区分 5 6 など、本当に必要な人にきちんと絞り込んだほうがいいのではないかと思います。これが第 1 点目です。

 第 2 点目として、パーソナルアシスタンスについてどう考えるかという論点が挙がっていますが、これについて 1 つ提案させていただきます。ダイレクトペイメント方式によるパーソナルアシスタンス制度は、現在の我が国の障害者福祉の仕組みには合わないと思います。ですから、考えられる方向性として、従来どおり事業所からヘルパーを派遣する方式を維持していただくべきだと考えます。ただし、平成 24 年の医療的ケアの法制化の際に、特定の者に対する医療的ケアとして第三号研修が制度化されたように、特定の者に対してパーソナルにアシストする方法でのパーソナルアシスタンスの制度化はあり得ると思います。例えば、 A というヘルパーは B という障害者に専属的に派遣される代わりに、資格要件を全く課さない方向性でご検討いただきたい。パーソナルアシスタンスについては、資格は要らない代わりに、そのヘルパーは特定の障害者に対する支援に専従するという仕組みではいかがでしょうか。

 このことにも関係しますが、 16 ページの OJT について申し上げます。現行制度でも、パーソナルなアシストに従事しているヘルパーについては、 OJT の時間が非常に長いわけです。特に ALS などではかなり長い時間の OJT を実施しなければいけません。例えば、同じ障害支援区分 6 の重度訪問介護でも、新人が 2 3 回の OJT だけで十分に支援できる場合もありますが、そうではなくて、 1 か月や半年などの長期間にわたって OJT を実施しないと支援ができないという最重度障害者もかなりいます。行動援護でもそういう方がかなりいると思います。特定事業所加算による OJT の評価ももちろん大事ですが、それだけではなくて、障害支援区分 7 や区分 6 ′や区分 6A といった新し区分を創設することも含めて、本当に OJT が必要な最重度障害者に対してもう少し基本単価を引き上げる必要があります。行動援護でも重度訪問介護でも、 OJT が長い障害者については、教える側の人件費もかなり厳しいと、事業所から文句を言われていますので、その辺りは考慮していただきたい。常時介護を要する障害者等に対する支援に関しては以上の 3 点を申し上げます。

 

○広田委員
 OJT とは何ですか。

 

○大濱委員

 新人ヘルパーとベテランヘルパーが一緒に利用者の介護に入りながらトレーニングをしていくことです。仕事をしながら、ベテランのヘルパーが教えて新人のヘルパーが習っていくことです。

 

○広田委員

 ああ、そういうことですか。

 

○大濱委員

 はい、そういう意味です。

 

○広田委員
 2 人で行くということですか。

 

○大濱委員

 そういうことです。

 

○駒村部会長

 こちらのラインに入ります。

 

○本條委員

 まず最初に、前回まで、常時介護というのを常時支援にしたほうがいいのではないかという御意見があって、それについて触れられておりませんが、私は支援のほうがいいのではないかと思います。それと共に、たくさんの言葉が出てきておりますので、一旦整理したほうがいいのではないか、介護とか、援助とか、援護とか、それから、支援とか、たくさんの言葉が出てきますね。きっちりと定義付けをしたほうがいいのではないかという意見です。

 それから、質問兼意見もあるのですが、グループホームについてです。グループホームは増えてきておりまして、区分別での数値は出ておりますが、障害種別の数値も出していただきたいと思います。精神が余り増えていないように私は感じます。それから、 5 ページの 3 つ目の○の所です。前回までに御提案させていただいている、民間住宅の借上げ型の公営住宅あるいは住宅の保証人制度についても提案していて、高齢者、一部障害者も使えるようでして、それの保証人制度が既にあると聞いておりますが、分かっている範囲でお話していただきたいと思います。
 3 点目、 3 ページの「ボランティア等地域のインフォーマルサービス」ですが、これももう少し議論していくべきではないかと思います。前回も提案したように、ボランティアも非常に有効な社会資源だと思いますので、無償ということではなく、最低限の費用弁償をしながら有効に活用していくことが必要ではないかという意見です。以上です。

 

○駒村部会長
 2 つぐらい質問があったわけですか。

 

○本條委員

 ええ。グループホームについて、障害種別間の数値を教えていただきたいことと、それから、家賃債務の保証人制度ですね。

 

○駒村部会長

 事務局からお願いします。

 

○田中障害福祉課長

 障害福祉課長の田中です。本條委員の 2 点の御質問についてお答えします。まず、グループホームの利用状況の障害種別ですが、全体で介護サービス包括型と外部サービス利用型があって、合わせて 9 6,000 人が総数です。そのうち身体障害の方が 6,700 人ぐらい、知的障害の方が 6 5,000 人ぐらい、それから、精神障害の方が 2 4,000 人少しという状況です。
 2 点目の、家賃の債務保証の関係ですが、分かっている範囲で。一般財団法人の高齢者住宅財団が実施主体になっていて、高齢者の世帯のほかに障害者の世帯が対象になっています。滞納家賃と現状回復費用を保証の対象としていまして、障害者世帯の実績では約 2 万ぐらいではないかというデータを持っております。もし必要でしたら、財団のホームページとその資料についてまた紹介します。

 

○広田委員

 この間横浜市の社会資源の訪問をして、いろいろな人の本音を聞いてきました。○○と付く職名はいらない、そういうふうに決めてしまうとその仕事しかできないから。横浜市の図が出ています。この図はやめたほうがいい。

 かつて広島の原田さんという、きちんと話ができる人がここの部会にいました。私は 7 7 日に、「伊勢志摩でやるのではなくて、広島でサミットをやったほうがいい」と言ったら、つい 2 3 日前に神奈川新聞に共同電が載っていて、日本は、最初は広島でやりたいと言っていたけど、アメリカ側が難色を示したのでとか、それは日本政府が弱腰!広島でやるべきです。 2009 4 5 10 21 分、東欧に位置し、かつてワルシャワ条約機構に加盟していた、古い世代には懐かしいプラハの春とドクチェック第一書記の国チェコスロバキア、現在北大西洋条約機構( NATO )に加盟しているチェコ共和国プラハのブラッチェニ広場で「…核保有国として、核兵器を使用したことがあるただひとつの核保有国として、米国は行動する道義的な責任を持っています。… Yes, we can. …人類の運命とは、私達が作るものです。…」等と( nikkei ネット「オバマ新政権誕生、オバマ米大統領の核軍縮演説より抜粋」)アメリカ合衆国大統領として画期的な演説をしたオバマ大統領の花道にもなる。日本が人類史上唯一の被爆国として安全保障理事国入りも近づく。そしてなにより、世界の、反核、反戦につながるということで、ここは藤井さんも官僚の 1 人として、「サミットを広島でやるように」、安倍さんや関係者に言ってください。そうしないと同盟国とは名ばかりで、自衛隊が単に米軍に使われるような集団的自衛権になってしまう。アメリカにもきちんと対等に No と言える、アメリカンデモクラシーのアメリカ国民が、“そうだ、スミソニアンのエノラ・ゲイの前に、“原爆を落としたから戦争が終わった”と表示してあるけど“ No more ・ヒロシマ、 No more ・ナガサキ、 Not bomb ”を入れたほうが格調が高い、人類に貢献できる”と思えるような広がりを見せてほしい。ワシントン DC ナショナル・モール硫黄島のモニュメントは「海兵隊の勇敢さを称える」意味で作られたもの、とホームステイ先の日本大使館員に聞きました。次がいきなり朝鮮戦争ですが、広島、長崎の被災者のモニュメントを入れる方が、民主主義の本家で孤高な超大国アメリカにふさわしい。在日米軍を含めた多くのアメリカ国民と広島の原爆資料館等で出会って良識を感じています。

 広島の原田さんのような、厚労省に対等にもの言える地方自治体の職員が厚生労働省に出向してほしいわね。私は横浜市の生活支援センターのピア相談員をやっていました。なぜ引いたかといったら、自立アシスタントが出て来て、ピアでできること等アシスタントの仕事となったりした。アメリカ行った時も、スタッフ数が少なくて、コンシューマーがたくさん来ていて、力を発揮していた。横浜市はお金を使い過ぎています。“人手をかけ過ぎて、ピアサポートを潰している。”と判断してピア相談員をひいて良かった。これは私だけの意見ではなくて、地方を回ってみるとそういう意見の方がいらっしゃるから、そういう所のもので何か社会資源の事例も出したほうがよくて、以後、横浜市のような大都市事例の箱物は出さないほうがいいと思います、横浜市民として、横浜市のコンシューマーとして、横浜市の委員として。全国を回ったときに、本当に過疎県っていっぱいあるわけですよ。 1 日に何本しか電車が通らない場所だって、そういう所のことを思いやらないのだったら、ここは厚生労働省の審議会とは言えない、横浜市の審議会になってしまう。

 職種を増やすことは、お金がない自治体ほど困っているし、現場の事業所も困っている。以上です。

 

 

○駒村部会長

 どうもありがとうございました。では続けていきましょう。本條委員まで来たので、その次のラインでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、伊藤委員まで。

 

○伊藤委員

 意見が 2 つと質問を 1 つしたいと思います。 1 つは、常時介護を要する者ということの中で、例えば、療養介護では、この ALS 等の気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っている者と。その次の➁は障害支援区分 5 以上です。片方は障害支援区分 6 になっておりますが、これは関係資料の 8 ページに出ておりますが、進行性の疾患というのは、早めに介護等にも習熟していただかなければならないということもありますので、何でこの ALS だけが支援区分 6 になっているのか。これは筋ジストロフィー等の支援区分 5 以上の者に合わせるべきではないかと思います。

 また、意見の 2 つ目ですが、重度訪問介護についても、最近は重症の筋ジストロフィー患者その他であっても、在宅へ志向する人が増えております。ところがこれは医療機関から出されてしまうということもあるわけですが、増えているということです。その中で、例えば、気管切開を伴う人工呼吸器だけではなく、鼻マスクあるいはカフマシンというものを使う障害者も出てくるわけですし、更にサクションも必要になってくると。そうすると早目にこの対象として、介護する人たちにも技術に習熟していただかなければならないということもありますので、難病に関しては、支援区分 5 から対象にし、介護の習熟度も高めていただきたいということです。

 質問の 1 つですが、実はそういう状況がある中で、先日、大阪で、これはどこの施設だったかはっきり記憶しておりませんが、大量に職員が逮捕されたそうです。これは必要な研修を受けていない、つまり、医師法違反で逮捕されたそうです。そして、実際には書類送検ということになったようですが、このことについて厚生労働省では実情を把握しておられるのか。今、例えば、資格がない者でも、こういうパーソナルアシスタンスなどで様々な支援ができるようにと言っている中で、なぜ、このようなことが起きているのか。関西方面の介護者の中では、相当大きな動揺が起きているというような連絡がありましたが、もしも実情を知っておりましたら、教えていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 後半部分のところは、事実確認というか、質問ですけれども、事務局は何かありますか。

 

○田中障害福祉課長

 具体的には、資格がなくても一定の研修をした上で、喀痰吸引などの医療的行為ができるというような取扱いになっておりますし、家族を含め、そういう場合は違法性が阻却をされるという扱いになっております。そのような法令解釈等々を何か変えたのか変えていないのかというと、そのようなことはないと聞いております。直接的には、社会援護局の福祉基盤課のほうで所管をしておりますので、すみませんが私からはこの程度しか申し上げようがないと思います。

 

○駒村部会長

 その程度の答えになっていますけれども。援護局福祉基盤課の情報は。

 

○伊藤委員

 マスコミに載っていることですからね。

 

○田中障害福祉課長

 伊藤委員がおっしゃったような事実があるということについては、厚生労働省としても把握しております。

 

○大濱委員

 関連ですが、厚生労働省でカフアシストやカフマシンについても把握しているという趣旨ですか。

 

○田中障害福祉課長

 すみません、私が今、申し上げましたのは、大阪で違法な医療行為ということで書類送検をされたという事案があったことについて、把握していると申し上げました。

 

○大濱委員

 これは経管栄養の話ですよね。

 

○田中障害福祉課長

 経管栄養です。

 

○大濱委員

 伊藤委員からはカフアシストやカフマシンについても言及がありました。これは、排痰補助装置のことで、 2010 年から診療報酬の対象となっています。ですが、医師の間でもまだ周知されていません。患者側がカフマシンやカフアシストを使ってくれと医師に言っても、医師がこの装置のことを知らないというのが現実です。このことは障害者部会のテーマから外れてしまいますが、排痰は命にも関わる問題ですので、医療の部局を含めて厚生労働省の内部でも徹底していただきたいと、この場をお借りしてお願いします。

 

○駒村部会長

 何か部長からありますか。

 

○藤井障害保健福祉部長

 ちょっと今の文脈と違うかも分かりませんので、伊藤委員と大濱委員の意見を踏まえまして、私どもの部だけではなく、省全体で対応するべきことだと思いますので、受け止めさせていただきます。

 

○小澤委員

 資料 2 で委員が意見を出しておりまして、それに私も関係する意見です。 3 ページに、常時介護とはそもそもどういう状態像なのかという話と、常時介護よりは支援のほうがいいという意見の中に、これは私も発言した中身なのですが、様々な緊急性とか常時という問題が潜んでいますと、従って相当にその判断というのは、ニーズアセスメントとかケアマネジメントなども関係するでしょう。これに関して、検討の方向性というものが資料 1 にあるのですが、多分それに関する回答は、上から 3 番目なのだろうと見ていました。資料 1 6 ページ、上から 3 番目に、今の話の一定の回答があって、様々な対象者であるということです。

 結論的には、言っていることについては私は賛成です。何らかの判断をして、対応する拠点を設定することだと。問題は既に地域支援拠点があったりとか、あるいは既に基幹型相談支援センターの提案があったり、現実に今その問題が出されて、具体的にどのぐらい進んでいるのかという問題です。私はシステムの提案をしているので、具体的かつ実行ができるものを提案しないと。例えば、これを仮に地域支援事業に持っていくと、また同じ話で、「曖昧である」と、それから「財源がない」と。以上、おしまいですよ。だから同じことが繰り返されるのではないかと。もしそうだとしたら、これは何らかのモデル提案とかを具体的に出すとか、あるいは誘導するとかいった施策を、今回是非お願いしたいですね。ここまではずっと賛成です。要は次の話が最も重要だと思います。以上、私の意見です。

 

○駒村部会長

 意見ということですか、確認したいですか。

 

○小澤委員

 どのぐらい振起されているか、それは是非知りたいですが。

 

○駒村部会長

 事務局、どうですか。

 

○田中障害福祉課長

 地域生活支援拠点については、第 4 期の障害福祉計画の中で、平成 27 年度から 29 年度までに、各市町村、各障害福祉圏域に 1 つという整備をしていただくように、市町村に進めていただいております。また、今年度にモデル事業でどのように行えばいいのかという好事例を集めて、年度内に取りまとめましたら、自治体などに提供して、議論の加速化をお願いしたいと思っています。

 

○小澤委員
 1 点ちょっとコメントですが、これは必ずしも地域支援拠点のことを言っているわけではなくて、この問題に関して何らかの拠点が必要であると言っているわけです。過去のシステムとどのように整合性を取るのかというのが、私の意見であり、かつ質問の中身です。それから、もう 1 点は、以前の資料で、私がうろ覚えで申し訳ないのですが、 47 都道府県の回答というものがあって、場合によっては地域支援拠点を計画に書いていない都道府県も少ないとは思いますが、ありました。その理由まで書いてありました。具体的な都道府県名は私も覚えていませんが、それは要するに、曖昧で明瞭ではないということが、はっきりと書かれていました。だから、それを考えると、今回に関しては、より具体的で、かつ実効性を伴う提案をしていただきたい。これが私からのお願いです。

 

○大濱委員

 関連する意見です。地域生活支援拠点の整備の話ですが、非常に重要な問題だと私たちは思っています。この拠点整備の予算が国からほとんど出ていません。拠点整備については障害福祉計画の基本方針にも盛り込まれていますが、地域に丸投げになっています。どうやって拠点を整備して、どうやって地域移行を促進するか。地域生活支援拠点には基幹相談支援センターを入れる、医師との連携を図るなど、非常に重要な機能が盛り込まれています。重症心身障害児・者なども含めて、そういう拠点がないと地域移行できないということは、私たちも切実に感じています。私の地元でも、拠点を整備しようという話が上がっていますが、全く予算付けがないので、絵に描いた餅になっています。拠点を整備しろ、障害福祉計画に入れろと言うのであれば、地方財政ばかりに負担を掛けるのではなく、もう少し国としても考えていただきたいと思います。

 

○藤井障害保健福祉部長

 これは小澤委員、大濱委員の御指摘のとおりだと、私どもも認識しております。 6 ページの 3 番目の○に書かせていただいたことについては、基本的には資料の 14 ページにありますが、これまでいろいろな場で議論を進めてきたつもりではありますが、地域生活支援拠点というものを核に考えているわけです。これをどうやってきちんと現場現場に設置していただくか、先ほど田中課長からも申し上げましたように、障害福祉計画の中に位置付けるとか、あるいはモデル事業を打ち立てることなどを行ってまいりました。ただ、確かにお二方からおっしゃられましたように、本当にどのような手を打てば、きちんと普及していくのか、今回の見直しの中で先生方の御意見を頂きたいところですので、正に具体的なレベルまで、御意見を頂ければ有り難いと思っております。

 

○駒村部会長

 これから詰めていくということですね。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。 3 点ほど発言をさせていただきたいと思います。まず 1 点目は、先ほど竹下委員から御指摘がございましたが、いわゆる入院中における医療機関での支援の在り方の部分です。一応、今回の検討の方向性では、医療保険の給付範囲に留意しつつ、検討をしていくことにしてはどうかということでございますが、今日の関係資料の 11 ページに、それに関係するところだろうと思いますが、看護等に関する関係法令というものがあります。

 それを見ると、上から 3 つ目の括弧に、保険医療機関及び保険医療養担当規則というものがございます。そこに、「保険医療機関はその入院患者に対して、患者の負担により、当該保険医療機関の従業者以外の者による看護を受けさせてはならない」と。いわゆるこれが療担規則で、このように記載されているがために、入院中の方に対して様々な関わりをするのに、非常に制限が掛かってくるのだろうと認識しております。やはりここでは、看護を受けさせてはならないという記載ですので、今回の常時介護を要する者等の方たちに対して、いわゆる支援という考え方を導入していき、療担規則に反することではないというところを明確にしていくことで、何らかの突破口が出てくるのではないかという気がしました。

 実はこの問題は、この後に出てくる移動支援にも関係するのですが、例えば、入院中の患者さんが外出をする際等々に、看護者の方が同伴して行っても、それは看護としてみなされない。これは正しく、その医療機関の中でのことは看護だけれども、それ以外の所は看護ではないということを明確にしているところでもあります。ですから、その次の移動支援では様々なサービスを提供することとして、検討してはどうかということで、そこは方向性が見えているのかなとは思いましたが、入院中の支援の問題もこの辺りのところを事務局レベルでは十分に検討していただきたいというのが 1 点目です。
 2 点目が、検討の方向性の 3 つ目の○ですが、先ほどから小澤委員あるいは大濱委員から拠点についての御指摘がございました。これについては、精神の方たちを考えていく際にも、特にこれから地域移行、それもかなり重度の精神障害者の方の地域移行を考えていく際には、是非、様々な機能を有した拠点の整備が私たちは必要ではないかと思っておりますので、これは精神の方にも非常に重要な施策になっていくのだろうと思っています。

 最後に、 3 点目ですが、グループホームの件です。検討の方向性の 4 つ目の○です。これについては、先ほど本條委員からも御発言がございましたが、ここに書いておりますように、確かに精神の方の地域移行ということを考える際に、現状ではやはりグループホームは、非常に有用な 1 つのツールであろうと思っております。ただ、残念ながら精神障害者の方たちは、障害支援区分という面で見ていくと、これは障害支援区分そのものの区分認定の在り方にも関係するかもしれませんが、他の障害の方に比べると、やはりどうしても低く出てしまう傾向があります。これには様々な要因があるのだろうと思っておりますが、そういう面で見ていくと、今回の検討の方向性の最後の 3 行に、「障害の状態とニーズを踏まえて、真に必要な方にサービスが行き渡るよう、現に入居している方に配慮しつつ、利用対象者を見直す方向で検討することとしてはどうか」というのは、もう少し踏み込んで、事務局的には、これは例えば、グループホームを利用する際に、障害支援区分のある程度以上の方を対象にしていったらどうかを示唆する表現ということで解釈していいのかどうか確認しておきたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 分かりました。伊藤委員、簡単にお願いします。その後、事務局に確認します。

 

○伊藤委員

 今、河崎委員から療担規則のことが出ましたが、その上に健康保険法では、資料 11 ページに「入院及びその療養に伴う世話その他の看護」ということも書かれていますので、こういう所を使うか。あるいは、その下の基本診療料の施設基準及びその届出に関する手続の取扱いについての中の第 2 4(6) で、看護の実施に次の点に留意するという所の中で、看護補助者が看護職員の指導の下にということで幾つかありますが、例えば、こういう中に、意思疎通支援とか様々なものを入れていくということで、現状に合った形でそれらを追加記載すること、あるいは解釈を拡大していくことで十分対応できるのではないかという気もしますが、そこも併せて伺えればと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 河崎委員の御質問、確認ですよね。それから伊藤委員からの考え方があったわけですけれども、事務局からお願いします。

 

○田中障害福祉課長

 障害福祉課長の田中です。河崎委員からの御質問については、 4 番目の○、その全体ということで整理しております。日常的な生活支援がないので、必要性が低いけれども、共同生活を選択せざるを得ないという方、特に軽度の方もいらっしゃると考えられますので、上の 4 行ですが、このような一人暮らしの定期的な巡回訪問や随時の対応といった形で一人暮らしを支えるということ。そして、一人暮らしを選択することが可能となれば、グループホームの利用対象者には、そうした軽度の方を含まなくなることが考えられると思っています。

 

○河崎委員

 ですから、今おっしゃられたように、まず、いわゆる一人暮らしを支えるためのシステムができてくれば、今のグループホームの中で生活されている、支援の程度がそれほど高くない方たちは、グループホームを利用しなくても、やっていけるだろうと。そういうことを目指していこうということですね。

 

○田中障害福祉課長

 御指摘されたことを考えられるのではないかということで、 4 行目にまとめて書いています。

 

○河崎委員

 その際は、まず、前段として、一人暮らしをちゃんとやっていけるようなシステムができた上で、次に、その結果として出てくるのであって、ちょっとこの文章から見ると、現に入居している方には配慮するのだけれども、利用対象者を見直すという方向性のほうが、まずそれありきみたいな捉え方をされると、様々な問題、誤解が出てくるのではないかという意味で、指摘させていただきました。

 

○駒村部会長

 これは前段部分の文章があって、併せてという言葉でセットでというつもりですか。

 

○田中障害福祉課長

 併せてというつもりです。

 

○駒村部会長

 この 2 つが、前段が成立して初めてということの確認だと思いますので、よろしいですね。

 

○田中障害福祉課長

 はい。それと、すみませんがもう 1 つ付け加えさせていただきます。参考資料でもお配りしております、財政制度等審議会において、ページが途中からなので、 26 ページになっておりますが、財政制度等審議会からはグループホームなど、障害支援区分の認定が必要ないか非該当であっても、利用可能なサービスの見直しは、財政制度等審議会では提言されております。

 続いて、入院中のヘルパー派遣の関係だと思います。検討の方向性としては、記載させていただいているようなものです。当然、医療のほうでどのように解釈ができるかという問題もありますので、現行の仕組みなり解釈をどう考えていけばいいのか、また、障害のほうで何ができるのか、引き続き検討の方向性ということで書かせていただいておりますので、引き続き担当部局とも調整していきながら、進めていきたいと思っております。

 

○菊池委員
 2 点あります。 1 つ目は今、議論になった点ですが、入院中における医療機関での支援の在り方の検討で、これは積極的に進めてほしいと思っています。ただ、制約があるという話も出ましたが、恐らく 2 点あって、 1 つは、 6 ページの上から 2 つ目の○にありますが、医療保険の給付範囲との関係、つまり、医療保険給付と障害サービス給付との二重給付になる可能性があるという問題だと思います。

 もう 1 つは、ここに書かれていませんが、医事法上の制約、医事法というのは、具体的には医師法、それから保健師助産師看護師法との関係です。医師法の下で、特に医療機関においては、医師の医学的管理の下にあるという大前提があります。それから、保健師助産師看護師法、資料にありますが、看護業務、看護の中でも療養上の世話、これは業務独占にかかっていることとの関係で、医療機関の中で看護に当たる業務を行うに当たっては、どうしても制約が出てくると。具体的には身体介助に関わるような支援は、かなり難しい部分があると思います。ただ、それ以外にも最大限の工夫の余地はあると思いますし、先ほど伊藤委員からお話があった、意思疎通支援のような形での支援は、十分にあり得るのではないかと考えていますので、最大限の工夫をお願いしたいと思います。

 もう 1 つは、サービスの従業者資格の引上げということが書かれていますが、これは以前に私も述べさせていただきましたが、 1 つにはサービス従業者の方々の地位、処遇の改善、向上、そして何より、利用者の方の権利擁護という側面もございますので、資格の引上げという方向性は、私は賛成です。以上です。

 

○久保委員

 育成会の久保です。まず最初に、常時介護を常時支援にしていただきたいというお願いが 1 つ。それを基に 3 つに絞って意見を申し上げたいと思います。重度障害者を中心にしていくのは当然ですが、日常的に支援を必要とする人のうち、独りでは暮らしに見通しが持てない人への支援が、いわばワンポイントでもいいので上限を決めて、ここに使いたいというように、柔軟に使っていける仕組みを作っていただけたらいいのではないかと思います。身体介護とか家事援助、移動支援等の枠組に捕らわれずに、生活全般をスムーズにしていくという意味での位置付けになるような支援の在り方が必要ではないかと思っています。

 もう 1 つは、重度訪問介護、行動援護、訪問介護等の個別支援の対応についてです。家族同居であっても家族の状態によっては、同居の状況ができるだけ長持ちするような視点で、住まいの暮らし振りをできるだけ長く維持できるという支援も必要だろうと思っています。そういう観点で、高齢の親と障害者がもたれ合って生活している所に、ヘルパーという第三者が入っていくことによって、本人が親から自立して、地域で自立した生活を支援を受けながら、生活していく機会を作っていくことになるのではないかと思っています。そうした意味で、その場合に多様な住まいの在り方が、次に必要になってくるわけで、暮らしの在り方が選べるような支援が求められると思っております。

 先ほどからお話がありますように、私たち親としては、いまだにグループホームは軽い人で、障害が重いと入所施設という感覚がまだあるのですね。グループホームといっても、「いや、うちは重いからグループホームは無理」というお母ちゃんがいっばいいるわけです。ですから、ある程度、障害が重くても、「グループホームでもこんなふうに支えたら暮らせますよ」と言われることが、親にとって目に見えて理解できることが必要であって、それがあって初めて「じゃあ」と言って、グループホームに子供を出していくことが進んでいくのではないかと思っています。

 私の地元でも、公団住宅に一人暮らしをされている方がおられて、その同じ公団住宅に支援者が住んでいる。そして時々、その人の面倒を見に行くということです。そういう公団住宅に障害者が 2 3 人おられると、その人たちを 1 人の支援者が時々見に行くということをやっているのが現実としてありますので、ある程度、支援がそんなにたくさん要らない方なら、そのような一人暮らしの在り方みたいなものもできるのではないかと思いますし、そういう仕組みをもっとしっかりとしたものに作っていただいて、グループホームは重度の障害がある人でも暮らせますということを、しっかりと目に見える形で、モデル的なことでもいいので、作っていただくことによって進んでいくと思いますし、高齢になった障害者の介護保険とうまくつながっていくような、スムーズな橋渡しも視野に入れて、進めていただけたらと思っています。以上です。

 

○駒村部会長

 この議論の割当て時間になっておりますが、本日は 3 つのテーマがありますので、取りあえず次の議論に入ります。 3 つの議論が終わった後、もし時間がありましたら、言いそびれた部分については最後に保障できればと思います。取りあえず前に進みます。次は、「障害者等の移動の支援について」の議論に入ります。資料は 21 ページからです。これについて御発言のある方は挙手をお願いいたします。 10 人ぐらいが挙手しておりますので、やはり 3 分ぐらいでお願いいたします。久保委員から、今度は逆回りでいきます。

 

○久保委員

 育成会の久保です。移動支援に関しては、地域生活支援事業で現在やっている部分があります。その計画相談と併せ持って、そのニーズにきめ細かく対応していくという意味では、地域生活支援事業の部分も十分に良いことをやっていただいていますので、それを進めていただくといいと思います。計画相談と移動支援とをセットのようにして、きちんと対応していくことが必要かと思っています。通勤・通学に関しては、この利用の際にサービス等利用計画で、この目標とか期間というものを、きちんと明確にした上で使っていくような形がいいのではないかと思っています。

 入院中の外出・外泊については、生活の再建といいますか、そんな視点で障害福祉サービスの利用での活用をさせていただけるようにすることがいいのではないかと思っています。入院中に関しての外出・外泊に伴う移動支援に関しては、報酬上の評価に工夫をこらしていただいて、施設からの外出・外泊にも活用できるようにしていただきたい。要は、教育から地域というのもそうですし、入院・入所とか、地域の社会参加といいますか、地域に移行する、社会参加するという意味でも、別の制度を使うときに何かのり代みたいな部分、きちっと重なり合うようなのり代が難しいのであれば、昔のお寺の建築などによくあるように、どう言えばいいのか分かりませんけれども、両方が少しずつこうやっていくような支援で、のり代のように重なり合う部分がないと、なかなか次のことに移行していきにくいというのがありますので、その辺のところもうまく少し工夫をしていただけたらと思っています。

 

○駒村部会長

 右回りでいきますので、河崎委員お願いします。

 

○河崎委員

 日精協の河崎です。私は 1 点だけ確認させていただきます。 21 ページの「入院中の外出・外泊の際の移動支援に障害福祉サービスが利用できる方向で検討することとしてはどうか」と書いていただいて、これは非常に歓迎すべきことだと思っています。先ほどの常時介護を要する方の議論と比べて、ここでは「医療保険の給付範囲に留意しつつ」という表現が入っていません。ということは、この問題に関しては医療保険との関係というところは、ある程度クリアできているのだという認識でよろしいのでしょうか。そのことだけ確認したいと思います。

 

○駒村部会長

 確認です。事務局お願いします。

 

○田中障害福祉課長

 入院中の外出については病院内で行われることではありませんので、そういうこととの関係で言えば、先ほどの入院中のヘルパーとは若干いろいろな整理が違うところがあるかと思います。

 

○河崎委員

 それは、かなり根本的なところだろうと思うのです。つまり外出、あるいは外泊ということに対する移動に関しては、今の法体制の中では、障害福祉サービスをそこに認めるか、認めないかということの議論に集約すればいいという認識でよろしいですね。

 

○田中障害福祉課長

 はい。

 

○河崎委員

 是非よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 伊藤委員お願いします。

 

○伊藤委員

 伊藤です。この移動支援のことではいつも言っていることなのですが、これは一般的に雪のない地域についてはこういうことなのでしょう。私はここでもう少し長い間、しかもかなり長い間、何箇月もの積雪寒冷地での活動を考えると何か一言と。地域なり気候の差についても、単に「柔軟に対応する」ということの中に入っているのか、それとも一歩踏み込んで、同じ体系では考えられない。かかる費用も、様々な困難も同じではないので、何かそういうことを含めて考えていただかなければならないと思います。特に通学であるとか、就労支援の施設への通所であるとか、通院は別にしても、日常の生活については大きな制約・困難が生じるわけですから、今ひとつここのところも考えていただければと思います。

 

○駒村部会長

 地域の多様性を考えて、少し表現に加えなければいけないでしょうという話だったと思います。阿由葉委員お願いします。

 

○阿由葉委員

 セルプ協の阿由葉です。資料 1 21 ページにある検討の方向性の 2 つ目の○で、「通勤に関する移動支援は、福祉施策以外でも実施することとし、関係省庁とも連携し、検討を進めていく」、また「就労移行支援において、通勤・通学に関する訓練の着実な実施を促すこととし、これを必要に応じて評価する方向で検討する」とあります。これらの方向性については、通勤時の支援があれば就職できる方がより増えると思いますので賛成します。

 ただし、 3 行目の「福祉政策として実施すべき内容について、引き続き検討を進める」については 1 点懸念があるので意見します。例えば、福祉と労働の施策があり、福祉側がそれは労働で対応を、あるいは労働側がそれは福祉で対応をとなり、必要な支援が結果として提供されないというようなことは避けなくてはなりません。現状の通勤支援は、決して十分ではないので、他の施策も含め、全体で支援を充実していくという方向性の中で、制度間の狭間が生じないような検討をお願いいたします。

 

○駒村部会長

 広田委員お願いします。

 

○広田委員

 移動支援というけど、 8 名の厚生労働省の官僚とお呼びしてよろしいかしら、黒岩さんからあちらまで。精神科病院に 1 日、研修で入院患者さん所に入ったことがありますという方、どうぞ手を挙げてください。 1 人もいらっしゃらない。会場におられる厚生労働省官僚は手を挙げてください、精神科病院へ行ったことのある人。ないのね。これでは論議できないんですよ、河崎先生。ちゃんと、どこかへ御紹介してください。

 いいですか、机上の論議をやっていても何にもならない。もう余り自分の大変だった時のことを話したくないのですけど、今日は話そうと思います。私は 1983 4 1 日に精神科病院に行きました。多くの医者が「行く必要はなかった」と。私もそう思っていますけど。 5 年後に医療過誤の注射を打たれて、 22 時間よだれを流して歩き回っていました。「アカシジアというより、もっとひどい副作用だ」そうです。あれだけひどい副作用だろうと症状のある人を、私は全国の病院を泊り歩いても見たことのないぐらいよだれを流して、目は腐った魚の鱗のようになって、ただ「死にたいのよ、死にたいのよ」と言って、コードを巻くけれど死ぬ力もない、そういう状態でした。

 そして、 4 21 日から 5 19 日まで 29 日間入院をしました。一番冷たかったのは家族。例えば、外泊して旅行に連れていってくれたところまではよかったのですが、食事をしていて、歩き始めました。そうしたらお店の人が心配して、「大丈夫ですか」と聞いてくれたら、妹は、「その人は病気だから放っといて」と。病気ではなくて、注射の副作用なのですけど。これも家族です。

 これを私は恨まないし、家族でもこの程度。他人にそれ以上のものを求めたって駄目なのよというような考え方の人間です。だけど、多くの仲間はそこで家族に不信感を持ったりして、とても悲しい思いをしているということも事実です。妹は、そういう体験をしていないから分からない。それで、是非行っていただきたいということです。程度区分と言うけど、それだけのすごい注射で、 29 日間の入院をして退院したときに何が起きたかというと、認知症のようになってしまって、どこにも行けなくなってしまいました。自宅から徒歩 10 分の駅より先にどこへも行けなくなってしまいました。

 帰ってこられない強迫観念なのです。意識はちゃんとしていましたが、見た目は、よだれを流して重度の精神障害者です。だんだん駅から 2 分の区役所まで行けるようになって、やがて作業所に 7 月から行きました。こんな人は、程度区分やっていられない。それが精神障害者です。計画相談とか訳の分からないことを言っているけど、計画相談が成り立つような人は、立派に働ける。

 副作用から回復して、やがて私は、スウェーデンのエレクトロラックスでも仕事して、先輩たちから、「広田和子さんの話のまとめ方、とても上手なので、ミーティングの時、みんなの分も発言して」と全員からメモを渡されました。変動の障害に対して、程度区分は合わないということです。だから、全ての人が程度区分を使わなければいけない、この総合支援法というのは、精神障害にとって、いわゆる障壁の法律です。

 そこを、何とか精神障害者が程度区分を取らないでも、私はレアケースかもしれないけれど、そういう人のためにまず救済をしていただきたい。程度区分を取っている暇もない、日に日によだれを流して大変。その時、私は 1 人では歩き回れないから、相性の合わない母親が付き添っていて、人生の中で母親らしいときがその時だったということです。それが、親がいなければ、家族がいなければ、病院の看護師さんが付き添って外出をしたかもしれない。そういうものも制度に入れたほうが、私は体験者として必要だと思っています。田中障害福祉課長は頭が良さそうですし、明快な回答ですが、魂が込もっていませんので、精神科病院へ行って来てください。あなたも、誰もが将来認知症の可能性があります。是非机上の論理にしないでいただきたい。よろしくお願いします。

 

○駒村部会長

 事務局からお願いします。

 

○田原精神・障害保健課長

 精神・障害保健課長の田原です。精神障害の患者さんは、症状が非常に大きく変動するということは、我々も十分理解をしておりますので、そういうことをしっかり踏まえた対応をこれから検討していきたいと思います。実際に精神科病院のほうに泊まったというようなことはありませんけれども、患者さんはそのように症状が大きく変動しているような状態を見たことはありますので、そういうことをしっかり受け止めて、施策を検討していきたいと思います。

 

○広田委員

 私は、精神医療人権センターの相談員もやっていました。いいですか、田原さん。今度泊まったほうがいいです。なぜかというと、病院にも厚生労働省の人間と言わずに泊まらないと分からない、「症状だと言って騙す病院もあります」注射を打たなくてもいい私みたいなケース、副作用を症状だと家族も間違え、医療機関も間違え、言えば言う程余計薬が増えて、雪だるまという場合もあります。そのぐらいのことが分からないと、私は精神・障害保健課長とは認めたくない。是非どこかの病院に、泊まってきてください。魂を入れた法律にしてください。

 

○駒村部会長

 一当りしてから、また議論を深めていきたいと思います。大濱委員お願いします。

 

○大濱委員

 通勤・通学の移動についてです。厚生労働省による検討の方向性では、 21 ページに「全てを福祉政策として実施するのではなく、関係省庁とも連携し」という文言が入っています。確かに通勤・通学は合理的配慮との兼ね合いがあります。ですが、現段階で困っている人が実際にいますから、障害者差別解消法が施行されても、合理的配慮なのか過重な負担なのかという結論を待っているわけにはいきません。それを逃れる唯一の方法が、市町村地域生活支援事業の移動支援事業です。一部の市町村では通勤や通学が認められていますが、そうでない市町村も相当あります。特に通勤については厚生労働省の労働部門が所管していますから、障害者総合支援法の改正に間に合うように、厚生労働省の内部できちんと協議していただきたいというのが本音です。それぞれの部局の縦割りは、省内でも強いようで、厚生部局と労働部局の協議もなかなか大変かもしれませんが、それを 1 点お願いします。

 当会に所属する当事者でも、通学支援が受けられないことを理由に、大学へ行かなくなった者もいます。また、同じ理由で就職を諦めた者もいます。この辺りは地域生活支援事業の必須事業の中でも特に重要な事項として最優先で取り組んでほしいといった事務連絡を出すとか、通知を出すとか、そういう具体的な施策を、法改正以前に早く実施していただきたくようにお願いします。特にこれは重点項目なのでお願いいたします。

 

○駒村部会長

 合理的配慮の議論と教育政策のところでまずやるべきではないかと。他部局との連携をお願いしていて、後半部分で「まずは」と書いてあって、「訓練の着実な実施を促す」となっています。もうちょっと書き込んでもらいたいというリクエストですね。

 

○大濱委員

 はい。私が、今までの経緯をいろいろ聞いている中では、おそらくこれは障害者総合支援法の改正までに、省内や省庁間の話合いは終わらないと思います。そうであれば、唯一できる方法として、移動支援事業しか残されていないという現実があります。移動支援事業は市町村地域生活支援事業の中の必須事業に位置づけられていますが、通勤や通学まではカバーしていない市町村が結構あります。したがって、これらについては必須事業の中でも特に重要であると、事務連絡や通知を出していただいて、通勤・通学については各市町村が地域生活支援事業の中できちんと実施するようにと、必須事業の中でも最優先だと、厚生労働省からアナウンスしていただきたいという趣旨です。

 

○駒村部会長

 事務局から何かありますか。

 

○川又企画課長

 企画課長の川又です。労働部局とか、文部科学省とか、合理的配慮との関係も含めた形での検討は引き続きしていきたいと思います。当面ということだと思いますけれども、今回の提案では、通勤・通学の訓練というところに着目して、何か一歩前進できないかということです。現行の地域生活支援事業の中でもというお話だと思います。地域生活支援事業の限られた財源の中というのが 1 点。それから地域の中で優先順位、財源配分を考えていかなければいけないところがあります。移動支援はもちろん非常に重要なのですけれども、例えばコミュニケーション支援など他にも重要な事業がある中で、自治体の中でどういう優先順位でやっていくのかというのは、知恵を絞りながら、工夫しながらやっていかなければならない部分であろうと思います。

 

○駒村部会長

 「まずは訓練の着実な実施」と書いてあります。野澤委員どうぞ。

 

○野澤委員

 野澤です。私も同じようなことになってしまうのですけれども、必要に応じて訓練を評価する方向で検討するというのは歓迎したいと思います。ただ、もう一歩踏み込んでほしいと思うのです。今 63 万人が雇用されています。これが、たとえ個別給付になったところで、今自力で通っている 63 万人が全部自己負担を払って移動支援を使うなどとは到底思えないです。むしろ、今は断念している人がこれをやることによって働けるようになるということを考えてほしいのです。

 もう 1 つは、大分県の例を持ち出されているのですけれども、大分県と都市部では全然交通事情が違います。私も、今朝息子を会社へ連れていきましたけれども、朝の京葉線、武蔵野線というのはすごいですよ。改札口から人波がウワッと来て、それをかき分けるようにして進みます。ホームにも人がいる。電車の中もギューギュー詰めで、特に大変なのは信号とトイレなのです。訓練と言うけれども、信号とトイレは小さい頃からずうっとやってきました。他のことはできるのですが、信号とトイレだけがどうもできないのです。トイレも時々間違えて女子トイレに入ってしまいます。小さい時にはほほえんでもらえますけれども、今はほほえんでくれないのです。しかもあわてるので、タイミングとしては早くズボンを下ろして入ってくるので大変なことになってしまいます。 1 回それがあると、本人の生活の質を無茶苦茶壊してしまうのです。

 たった 30 分の通勤を確保することによって、福祉の受給者から、働いて納税者になれるということを考えたときに、もうちょっと形になったものが欲しいと思うのです。確かにいろいろな問題があるのは分かります。他部局、特に労働部門ともっともっと具体的に、実際に結果を出すことを目指して話してほしいのです。納付金制度の中でもいろいろあります。例えば、重度の人をダブルカウントでやっていますから、通勤支援も入れた人はトリプルカウントにするとか、その辺りをやってくれると、もっと全体的に良くなるのではないかと思います。そこは何かもう一歩お願いしたいと思います。

 

○駒村部会長

 労働部局とのすり合わせをもっと踏み込んでもらいたいという御意見でしたので、取りまとめに向けて、この辺は内部でも調整してもらいたいと思います。藤堂委員お願いします。

 

○藤堂委員

 藤堂です。同じ文脈なのですけれども、移動で合理的配慮の対応や、教育施策との連携等というのと、労働だけではなく国土交通省とか、移動に関わる所全部が関わってくる話なのだと思います。例えば、今朝は JR が止まっている、地下鉄も止まっている状態のときに、通常のときの訓練はできたとしても、それではどうするのと言ったときに、受入側のほうの訓練をきちんとやっておいてほしいと思うというのが 1 つです。

 もう 1 つは、委員の意見の所で、私が言ったのが違うように書かれています。「通常学級に通う子供は保護者が連れていかねばならず」ではなく、通常学級にいながら、通級というシステムが教育の中にあります。これは、御存じかどうか分かりませんけれども。自分の学校の中での通級ができる子供はいいのですけれども、そうでない子供たちは、港区にはすごく遠くに 1 校しかないのです。そうすると、お母さんがお台場から麻布十番まで連れて行かなくてはいけない状態があります。お母さん以外に、発達障害で軽ければこんな福祉は使えないのです。そういうときにどうするのか、ということなど全然考えられていないということです。

 それから、地域格差が余りにもありすぎるということです。大分県と満員電車の話が出ましたけれども、本当に電車がないような所もあれば、交通の便の良い所もあればという中で、それをどのように考えていくのかということが完璧に抜けているということです。

 行政間の溝の中で一番大きいのは文部科学省なのかなと。特に厚生労働省と文部科学省はいいとしても、地方に落ちていったときに、教育委員会というのは全然違う性格を持った行政単位なのです。そこを、本当にきちんと連携できるのというところが、実感としてできそうにないなと。 4 月の合理的な配慮が、公的機関では当たり前のことになるよと。やらなくてはいけませんよと。不提供も差別ですよとうたっている中で、それが本当にできるのですかというところをきちんと考えて、これは 3 年後の見直しを待っていられないことだろうと思って申し上げます。その辺はどのように考えているかを伺います。

 

○駒村部会長

 今の点は確認ですか。

 

○藤堂委員

 はい。

 

○駒村部会長

 今の御質問について何かありますか。

 

○田中障害福祉課長

 すみません、合理的配慮との関係ですか、聞き漏らしてしまって申し訳ありません。

 

○藤堂委員

 この見直しだけではなくて、行政間の溝というのがありますねと。それから、福祉に関わらない人たち、引っかからない程度の障害がある人たち、発達障害の人たちは合理的な配慮で対応していくわけですよね。それのすり合わせというのはどの程度いっているのですかという話です。

 

○田中障害福祉課長

 この 3 年後の見直しどうこうとは別に、私どもは文部科学省と常に連携を取り合って、どういう支援があるべきかということの検討はさせていただいているつもりです。御指摘なども踏まえながら、引き続き連携を強化していくことを進めたいと思います。

 

○駒村部会長

 教育委員会とか、そういう所まで行くと、そういう話が届いていないと。

 

○藤堂委員

 そうです。それに足して地域間格差がものすごくあるよということに関して、国のレベルではいいかもしれないけれども、落としていったときの連携のところまで、どうやって担保するのですかという話です。

 

○田中障害福祉課長

 そちらのほうは、むしろ文部科学省で教育委員会の、いろいろ合理的配慮を含めて徹底していただかなければいけない部分はあると思います。そのようなところも、今後は文部科学省と連携していく中で、しっかりしていただきたいということも含めて伝えていきたいと思います。

 

○駒村部会長

 縦割りの中ですからなかなか。しかし、 1 億総活躍という話も出ているわけですから、是非ともそういう話も横断的な議論は届くようにしてもらいたいと思います。今のような、現場での感覚があるということ。交通機関のほうでも、そういう対応をきちんとしてもらわないと困るというお話がありましたので、その辺については取りまとめの中でも実効性のある形で、中央の政策が生活の場に届くようにお願いしたいという意見だったと思います。そういう形でまとめさせていただいて、末吉参考人から手が挙がっていたと思いますのでお願いいたします。

 

○末吉参考人

 日本知的障害者福祉協会の橘の代理の末吉でございます。ほかの委員の方から意見がありましたので、同じような意見になってしまいますが、意見を申し上げさせていただきます。
 21 ページの検討の方向性の 2 つ目ですが、就労移行支援や障害児通所支援における通勤・通学に関する移動訓練の着実な実施を促すこととし、これを必要に応じて評価する方向性が示されていますが、このイメージを教えていただきたいと思います。

 参考資料 25 26 ページにもありますが、想定として、 1 つは、現在でも、一定要件の下で、一定期間、通勤・通学に移動支援が利用できる取扱いとしている自治体がありますが、これを全ての自治体で同じような取扱いとすること。もう 1 つは、就労移行支援事業所や障害児通所支援事業所の方で行った移動訓練を評価すること、だと思います。

どちらのイメージなのか。先ほども話題になっていましたが、移動支援は裁量的経費の予算であることから、更なる予算の上積みは難しいと思いますので、移動支援の取扱いを見直しても絵に描いた餅になってしまうのではないでしょうか。本会としては、移動の支援については、まずは個別給付の事業でしっかりやって、更にそこで足りない部分を地域生活支援事業でカバーしていく、といった形でやっていただければと思います。

 あと、先ほどの議論になりますので後ほど教えていただければと思いますが、グループホームの部分で、資料の 6 ページの下から 2 つ目の○に、「利用対象者を見直す方向で検討する」とありますが、これは例えば(参考資料 10 ページの右の下の所で、共同生活援助の利用者の区分ごとの割合がありますが)、障害支援区分が非該当の人はグループホームの対象外にするといったようなイメージがあるのか、後ほど教えていただければと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 ちょっと戻ってしまいますが、どうしましょうか。最初の部分については、これは御意見ですか、それとも、必要に応じて評価するということはどういうことなのかを御説明いただきたいということですか。

 

○末吉参考人

 ちょっとイメージが。

 

○駒村部会長

 そのイメージを説明してくださいと。それから、もう 1 個は、先ほど 1 回議論があった話に戻りますが、今のところをお願いできますか。

 

○田中障害福祉課長

 通勤・通学の所ですか。

 

○駒村部会長

 訓練の所も。

 

○田中障害福祉課長

 お答えさせていただきます。ここの記載は就労移行支援や障害児通所支援においては、当然、その一定の要件や一定の期間とか、その回数とか制限は生じてくるとは思いますが、そのような個別給付の中で工夫することができないかということです。

 

○駒村部会長

 ちょっと戻りますが、 6 ページで先ほど 1 回あった話ですけれども。

 

○田中障害福祉課長

 グループホームの関係については、先ほど河崎委員にもお答えした内容になりますが、新サービスを活用しながら一人暮らしを選択することが可能になれば、軽度の方を含まなくなるということですので、結果とすれば、例えば区分なしとか、軽度の方ということで、そのような方が対象から外れてくるのではないかということを想定しています。

 

○駒村部会長

 竹下委員は手を挙げられていましたか。

 

○竹下委員

 竹下です。短く 3 点について。移動支援の中でまず第 1 点は、自営業者の部分の支援のことをずっと申し上げておりますが、ここが落ちていると思います。先ほど野澤委員がおっしゃったように、一定の就労、それは在宅就労であろうが、通勤であろうが、就労という社会参加によって自立し、あるいは、時には納税者になる。あるいは生活保護から脱することができるという現実があるわけですが、取り分け、視覚障害の場合で、鍼、灸、マッサージで自営業をやっている場合に晴眼者に伍して訪問マッサージができないわけですね。晴眼者は自転車、バイク、乗用車で訪問して業務活動を行うわけですが、視覚障害者はそれができない。だからこそ、外出時の支援をお願いしているわけです。それによって、 1 人の視覚障害者が正に職業的自立が成り立つということを是非ここの部分でも制度的に考えていただきたいことが 1 点です。

 第 2 点目は、通勤の訓練に適用することは大きな前進だと思っております。大いに評価したいのですが、気を付けていただきたいことは、訓練だからといって機械的に 3 か月だの、何箇月だのという形で切って、その後、通勤ができなくなって、就労ができなくなる。あるいは通勤ができなくなって、失業をするということが絶対起こらないように弾力的な運用をお願いしたいことが 2 点目です。

 第 3 点目は、先ほど伊藤さんもおっしゃったように地域性というものを少し考慮する必要があると思うのです。取り分け、中山間地域の移動支援において、車の使用は、今や不可欠であります。しかし、現実にヘルパーさんが車を運転して移動している場合には、それは謝金計算されません。そうすると現実には、中山間地域ではガイドヘルパーが使えないということになってしまうわけです。地方では公共交通機関がなくなってきておりますので、そういった実情に対応できる車の使用が一定のルールの下で可能になることもお願いしておきたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 いずれも御意見だったと思います。この移動支援についての議論は、前に進まなければいけないので、 30 分しか残っていませんので一巡したいと思います。急がしてしまって申し訳ありません。次に入ります。最後の障害者の就労支援について議論をしたいと思います。ここについて発言予定の方は手を挙げていただけますか。大勢ですので、すみません、 2 分ぐらいしか多分ないと思います。御協力いただきたいと思います。今度は逆回りでいきます。

 

○竹下委員

 就労支援に関して 1 つは、在職中の障害者が就労移行支援事業を利用できるようにしていただきたい。そのことはノウハウを持っているその事業所の支援を受けることによって、失業せずに済むということが十分に期待できるからです。

 もう 1 点は、就労支援の定数が原則 20 、例外が 10 となっているようですが、現実に視覚障害の場合には、他の障害者と作業を共有することはほぼ不可能です。そうなると、鍼、灸、マッサージなどによって B 型か、 A 型の事業所に通って自立を図ろうとする努力が今されているわけです。その場面において、 10 人、 20 人を集めることは非常に地域的に困難な場合が多いと思われます。そういう実態があり、その点の配慮をいただいた定数の弾力的な運用をお願いしたい。以上です。

 

○駒村部会長

 次に手が挙がっていた方は藤堂委員ですか。

 

○藤堂委員

 簡単にですが、多分ものすごく増えているのが精神の部分で、その中で大部分を発達障害が占めているという中で、移行支援がゼロという所はすごく多いというのは、やはりノウハウがない。それから、分かっていない、ふさわしくない、不適切な指導なりがされていると考えられ、是非、そこのところの人材育成とか、ノウハウの蓄積を全国的に広げていただきたいと思います。

 

○野澤委員

 野澤です。就労の所で定着支援を強化して評価するのは、私は大賛成です。やはり考えてみると、知的、精神の方、伸びていますし、一般のほかの方と違って、知的、精神では、やはり人間関係でつまずいてしまうケースが多いので、就職をするだけではなく、その後のきめ細かいフォローは大事だと思います。ただ、それをやると、では、一体、誰の努力で定着できているのかをきちんと精査することは必要だと思います。

 私は、前に就業・生活支援センターのことをすごく褒めましたが、これも玉石混淆だなと、改めて思い直していまして、というのは、実体験があると、やはりそういうことを強く思って。この前、地元の中ポツセンターの方が来て、会社から相談を受けたのですが、お宅のお子さんは、時々イライラしてほかの従業員の人をつねったりなんかしている、どうなっているのですかと。どうなっているのですかって、なんだ、のような感じで。家庭ではどうですか、会社に何か強く言いましょうかとか何かで、それだけなのですね。自分の所で知識もない、スキルもない、改善するアイディアもなくて、ただ、御用聞きだけしているだけで、それで実際、努力しているのは家庭と会社で、難しい子が定着できているわけですね。ただ単に御用聞きしているだけで、何かカウントされて加算でも付けられたら、ちょっとね。こちらは理不尽だなと思う。その分を移動支援に回してほしいなと、またぶり返して申し訳ありませんが、思ってしまうので、定着は大賛成ですが、これをやるときに、もう一度調査研究をやって、一体、誰がきちんとやれば定着できるのかと。そこにピンポイントで貴重な財源を使っていく方向を是非やっていただきたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 エビデンスに基づいてという話だったと思いますので、行政側も資料を集めて実効性があるものにしてもらいたいと。

 

○大濱委員
 30 ページの 2 つ目の○で、就労移行支援について記載があります。就労移行という看板を掲げながら、 37 ページの棒グラフにあるように、 35 %の事業所は、移行実績が 0 %という数字です。やはりこの 35 %の事業所は、事業所の実体を成してないと思います。ですから、例えば何年間などの相当の猶予期間を設けて、実際に就労移行ができないのであれば、もう事業所指定を廃止するなど、もう少し厳しい措置に出てもいいのではないかと思います。これが第 1 点目です。
 2 点目として、 30 ページの 3 つ目の○で、就労継続支援の A 型と B 型について記載があります。きちんと取り組んでいるけれども、利用者の障害の程度によってやむを得ないような事業所については、ある程度考慮が必要かもしれませんが、 B 型で工賃 1 万円未満など、賃金や工賃が余りにも安過ぎる事業所については、 A 型でも B 型でも、何らかの規制をしていくべきだと思います。ただ漫然と A 型を続けています、 B 型を続けていますといった実態があるのであれば、ある程度の猶予期間を設けた上で、やはり A 型にふさわしくない、やはり B 型ではなくて生活介護などのほかのサービス種別に移行したほうがいいのではないでしょうか。

 就労移行支援、就労継続支援 A 型、 B 型については、予算の配分も含めてメリハリを付ける必要があると思いますし、今、野澤委員がおっしゃったように、本当に必要な所に予算を配分してもらいたいという思いも強いです。ですから、この 3 事業についてはもう少し精査していただいて、場合によっては猶予期間を設けてもいいですから、新たなサービス種別への移行や事業所指定の廃止も含めて検討していただきたいと思います。以上です。

 

○本條委員

 論点整理の 29 ページの 3 つ目の○の就労定着です。非常に大切なことだと思いますし、生活支援面からの支援も大切だと思います。それから、労働施策等の 4 つ目の○は、それも非常に大事ですが、是非とも進めていただきたいと思います。特に雇用率の関係の納付金を使った就労支援策というか、雇用政策との連携が重要になってくると思います。

 もう 1 つは、定着をした所に対する予算が福祉サービス事業者になっておりますが、やはり定着させるためには企業の方の御協力が是非とも必要であって、それに対する支援というのが必要になってくると思います。例えば、雇用納付金を使ったものをもう少し活用するとか、あるいは税制面で優遇していくということも考えていったらいいのではないかと思います。

 

○駒村部会長

 割と、ここでは 31 ページ辺りの検討の方向性に、どう文言を加えていくのかとかそういったところに、今、入っていますので、少し皆さんの意見をまたもらいたいと思います。

 

○阿由葉委員

 セルプ協の阿由葉です。セルプ協は就労支援施設・事業所の全国団体ですので、各項目について意見があります。 2 分では難しいので、お時間を頂けますよう、よろしくお願いします。

まず、資料 1 31 ページ、検討の方向性の 1 つ目の○です。「工賃向上と一般就労移行の促進の方策検討」と「就労定着支援の在り方検討」を進めること、この内容が正に今回の部会での就労支援の在り方の検討の基本的な方向性だと思いますが、これについては賛成です。
 2 つ目の○の「就労移行支援の一般就労への移行実績を踏まえたメリハリを付けた評価」、これらについても賛成です。ただし、就職だけではなく定着も重要であり、本人の状態によっては十分な支援が提供できる就労継続支援事業等の福祉的就労の場が望ましいケースも当然あります。無理な就職の呼び水になるような見直しにはならないよう強くお願いをしたいと思っています。
 3 つ目の○の1つ目の段落について、まず 1 文目です。「就労継続支援事業における一般就労移行実績を踏まえた評価」については、就労継続支援事業は、就労機会の提供と工賃の支払いを通じて所得保障・地域自立生活につなげていくといった目的を持った事業であることから、そうした目的を果たせるような仕組みにすることが大前提だと思います。その上で、一般就労移行の実績も追加で評価するということであれば賛成です。しかし、一定の就労移行実績を義務付ける、あるいは、移行実績がないから減算するといったことが想定されているのであれば、それについては反対です。一般就労の移行促進の方策の検討の 1 つだと思いますが、そもそも就職支援をするために就労移行支援事業が設けられたという経過があり、就職実績でのマイナス評価が就労移行支援事業であるのは分かりますが、それが就労継続支援に適用されるとなればおかしいと思います。工賃向上への取組と一般就労の移行は、どちらも促進されなくてはいけないものであるはずです。どうぞよろしくお願いいたします。

 それから、2文目の「 B 型の高工賃の事業所にメリハリを付けての評価」については、本会がこれまで再三再四主張をしてきたことであるので、強く賛成します。既存の制度では、目標工賃達成加算がメリハリを付ける仕組みではありますが、前年度実績を上回る、目標工賃額を 1 円でも下回ってはいけない等の要件が、最低賃金の 3 分の 1 以上、あるいは 2 分の 1 以上といった高工賃を実現している事業所を、必ずしも評価しない仕組みになっているので、そこは是非見直しをお願いします。
 3文目の「
A 型の適切な事業運営が図られるような見直し」についても賛成します。 9 8 日に適正な事業運営に向けた指導を求める通知が出ていますが、その趣旨が運営基準に反映されることが望ましいと思います。
 3
つ目の○の 2 つ目の段落の、「就労アセスメントについて、効果的かつ円滑な実施と対象範囲の拡大の 2 つを検討する」とありますが、効果的かつ円滑な実施についての検討こそ実施すべきであり、対象範囲の拡大については効果的かつ円滑な実施方策の検討の結論が出た後に、その検討自体が必要かどうかを改めて議論をすればよいのではないでしょうか。経過措置が終わり、この 4 月から全面的に動き始めたこのアセスメントの仕組みを、まずは検証することが最重要です。当然、「 B 型は一般就労できる方を抱え込んでいる可能性があるので、客観性が必要」との指摘に応えられるものにしていく必要がありますが、その一方で、本人の希望を阻害する、本人の状態と合わない就労系サービスが勧められる、様々な問題を抱えながらも働くことを希望するいわゆる困難ケースにも一律な対応がされる、などといったことがないようなものにするということを強くお願いします。

 加えて、参考資料にある財政審の指摘の中で、「就労系サービスの利用者も支援区分の対象にしては」との指摘があります。今回の見直し検討の方向性として出されているものではありませんが、以前の部会でもお話させていただいたとおり、支援区分自体は就労に係る能力を評価できるものではありませんので、この指摘は実態を踏まえたものではなく、反対であることを意見させていただきます。
 4
つ目の○です。「就労定着支援の強化のために、労働施策等と連携して、定着支援を集中的に提供する」については、定着の重要性は 2 つ目の○でも主張したとおりですので賛成です。更に言えば、この部会でも障害福祉サービスの財源をどう確保していくかという大きな課題があるので、障害福祉サービスの中で実施される定着支援について、労働財源のこれまで以上の活用につながっていくのであれば、なお良いと考えます。また、定着支援の強化のためには、離職者数の正確な把握も必要です。自己都合退職と言いながらも、その実態は異なる例も多く聞いています。より実態の正確な把握のために、労働サイドとの連携に努めていただきたいと考えます。
 5
つ目の○です。「情報の公表」については、障害者やその家族からの選択に資するものをという希望には当然応えなければいけないので、賛成です。十分な就労機会を提供しない、あるいは適切な支援を行わない A 型事業所の問題の指摘がヒアリングでも相当数ありましたので、 3 つ目の○の「 A 型の適切な事業運営が図られるような見直し」にもつながるものと考えております。ただし、しっかりと取り組んでいる事業所にとって、この事務が大きな負担となることだけは避けていただきたいと思います。例えば、 B 型事業所であれば、所轄行政庁への工賃向上計画とその実施状況の報告が毎年求められていますので、その仕組みを活用し、事業所の負担がさらに増えることがないようなことを検討いただきたいと思います。

すみません、長くなりましたが以上です。よろしくお願いいたします。

 

○石野委員

 全日本ろうあ連盟の石野です。意見が 2 点あります。 1 点目は、就労移行支援事業に関してです。確かに障害者が働く場合、この事業は重要です。ただ、問題は、障害福祉サービスの事業所に聾者が就労移行をしている場合、その多くは 2 年間終わった後の職場定着がなかなか進まないという実態があります。そういう悩みがたくさん相談が持ち込まれています。

 また、来年 4 月から障害者差別解消法がスタートします。厚生労働省としては、障害者に対して対応指針、また対応要領、具体的に検討をしているようですが、民間事業者については合理的配慮の提供は努力義務になっており、徹底するには時間がかかると思います。職場定着をサポートするための体制を考えるべきだと考えています。
 2
点目は、先ほど委員の中からも御指摘がありましたが、就労移行の期間が 2 年間というのは、非常に厳しい条件だと考えています。事業所としては、なかなか計画を作っても定着が進まないという実態があります。 2 年を過ぎて延長又は減額というような形ではなく、 3 年間、あるいは 5 年間でも計画的に進められるような制度にすべきと考えております。以上、 2 点です。

 

○石原委員

 全国就労移行支援事業所連絡協議会の石原でございます。 5 項目ありますが簡単にやります。 1 つは、 31 ページの○の 5 番目の情報公開です。今、皆様方が御指摘されている実績が上がっている所と、上がっていない事業所に二極化していることは事実だと思います。ゆえに、情報公開をしてどこの事業所が上がっていないのか、どこの事業所が成果を出しているのかをはっきりさせればいいと思います。そのためにも、是非、情報公開は実現していただきたいことが 1 点目です。
 2
つ目は、○の 4 番目に絡みますが、就労定着支援の強化についても、高く評価します。いろいろ御指摘があるとおり、労働と福祉、これが噛み合っていないという御指摘もあります。一体的に展開できるようにしていただきたいと思います。

 次に、一般就労移行の実績に応じて、就労移行支援事業の評価にメリハリを付けるということで、上から 2 番目の○ですが、これも必要だと私どもとしては考えています。

 意見になりますが、○の 3 番目です。就労アセスメントに関して、対象範囲の拡大は将来的に必要ですが、拙速な拡大は混乱を招くだけだと思っています。

 先ほどもお話がありましたが、今年度から本格的に始めた事業所も多くあります。実績のある就労移行支援事業所の数が、まだまだ足りない現状です。実施状況の把握と公表を行うとともに、就労アセスメントの実施期間や実施方法の検討を踏まえた上で、対象範囲の拡大を検討していただきたいと、慎重にあってほしいと思います。

 就労継続支援事業から一般就労への移行実績を評価することは、これも必要ですが、現行の、就労移行の就労定着支援体制加算のような詳細な評価ではなく、 3 段階程度の大まかな評価にしたり、又は、移行支援事業所への事業移行を評価したりするなど、それぞれの事業の趣旨や対象者像を踏まえた上で、評価をすることが重要だと思います。

 最後ですが、駒村部会長には、私が属している法人を御視察いただきました。移行支援事業所が、いかに頑張っているかということを御覧いただいております。是非、理解して応援していただきたいと思います。中ポツセンターも労働側ですが、私どもも 2 か所で中ポツセンターをやっております。是非、御関心のある方は御視察いただき、御理解いただきたい。厚生労働省の方々も何回も足を運んでいただいておりますので、御理解いただいていると思います。余分なことながら、最後に付加をいたします。ありがとうございました。

 

○伊藤委員

 就労支援の特に継続支援についてお願いをしたいと思います。様々な工夫をされ、取組をされておられて、また、今後もそれをということでありますが、どうしても期限を切られたり、あるいは加算、減算ということが目に付きますと、実際、現場では本当に就労が困難な、特に難病だけではないと思いますが、就労困難な人たちを抱えた所では、それがいき過ぎた指導になったり、いき過ぎた競争になるという面も見られます。不適切な就労で、結局は、自信を失って戻って来るということも往々にして見られます。是非、ここではもうちょっとこの内容を分化して、社会参加という面を捉えた、ゆったりとした就労継続支援というようなものも考慮に入れていただきたいと。競争の激化が、かえってついていけない障害者、難病患者を生み出してしまうことがあるということで、お願いをしておきたいと思います。

 二度と今日中には発言のチャンスは巡ってこないかと思いますので、先ほどのところに戻って大変恐縮ですが、 2 点ほどこの時間で言わせていただきます。

 実は、北欧のほうでは先ほどの移動支援は、通学や就労支援の施設というか、そういった所の通所について、タクシーの共同利用をしている所がたくさんありました。これは施設側にとっても無駄の排除、あるいは大きな負担の軽減にもつながりますので、また、地域社会では、タクシーの利用によって、その地域の産業への支援にもなります。そういうものも御利用いただき、必ずしも送迎専門の車であるとか、あるいは施設側がしなければならないということではなくて、自由な発想で通勤・通学を支援していただければ、特に公共インフラが整っていない地域では助かるのではないかと思います。

 また、一番最初に言いました ALS 等の難病患者についての支援区分の 6 となっているのをほかの疾患に合わせて 5 にしていただきたいことについて、事務局側がどのようにお考えになっているかの御返事がありませんでしたので、そのことも是非お願いしたいと思います。以上です。

 

○小澤委員

 小澤です。 2 点ほどあります。 31 ページの方向性の 2 番目の移行支援です。これは前の部会のときに私が質問させていただき、要するに 7 年間にわたって結果が余り出ていないと言ったら悪いのですが、少なくとも 0 という数字に限って言えば、ほとんど推移が余り変わっていない。この問題に関して、いかがかと。この質問に対する回答が多分、これだと思いますが。私はこのとおりでいいと思います。問題は、 7 年間取り組んで、結果が出ないのは深い理由があるはずだから、そこにやはりもうちょっと分析の視点を入れた上で、更に今回の報酬改定は、いかなる効果があるのかと、そういう検証をしていただきたいことを切にお願いしたいです。

 つまり、 7 年間何もやっていなかったわけではないと私は思います。だから、その間に様々な方策を取り組む。私も幾つか移行支援事業所を知っていますし、一部は関わっていますが、やはり 2 年間で結果を出すことは結構厳しいですね。だからその問題も含めて、この制度設計はいかがかというのは、この機会ですから十分検討していただきたいことが 1 点です。
 2
点目は、継続支援事業所 B 型の高賃金の評価です。あくまで評価視点は事業所へ向いているようですが、実は議論されていないので私は残念だったのですが、「優先調達法」が施行された理由というのは、そもそも工賃引上げのためになされたというのが私の理解ですので、優先調達法は実は都道府県データを見ると、ものすごい差があります。ものすごい大量の予算をそれに使っている都道府県もあれば、正直言いまして、この額でいいのかというような額の所まで千差万別です。要はその優先調達法の効果も含めて、環境整備もしないと、そもそも仕事がないのに工賃を上げられませんので、その問題も含めてセットで、これを検討していただきたいことが、私から 2 点です。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。報酬上の動機付けを事業者に付けるのは、いいとしても、きちんとした実証をやらないと、伊藤委員がおっしゃったように、いいところ取りのようなことも起きるだろうということで、これは丁寧な議論をやって、あるいはファクトを出してくださいという意見だと思います。これは、事務局、対応をよろしくお願いします。

 

○久保委員

 育成会の久保でございます。育成会は就労支援について、かなり思い切った提案を以前にしておりました。それは、本日の資料を見ても分かるように、先ほどの意見にあるように、二極化してしまっているところを整理する必要があるという思いがあって、提案をさせていただいておりました。

 本日お示しいただいている検討の方向性ですが、就労移行支援は、本人の意向によって就労の願いを実現するということが基本です。制度の都合上で就労移行支援に期間が設けられていますけれども、その期間が終わったら本人の就労をしたいという思いが終わるわけではないので、また、期間終了後においても、就労できるというような機会をきちんと作っておくことが必要です。本日の資料のように継続 B 型とか A 型からも就労の希望があれば、叶えられる仕組みをきちんと構築していただく必要があるかと思っております。このことは、卒業してすぐの就労 B 型から始めないルールという直 B の問題です。していることも含めて就労の A 型、 B 型からも就労希望がきちんと叶えられて、 A 型も B 型も就労移行も含めて強力に就労に向けて全体に押し出していくようなルールを決めていただく必要があると思っております。

 あとは、就労継続 B 型ですが、高工賃の事業所の実績を評価するその必要性があるというように私も思っておりますし、一方で、そのタッキンも事業所として就労継続 B 型と生活介護のプログラムを柔軟に上手に使っておられる所も多く見受けられます。余り画一的なプログラムの低工賃事業所よりも、その充実した内容であるという実態についても、今の実態を踏まえて評価基準について検討していただきたいと思っています。

 先ほど野澤委員がおっしゃったように、定着支援ですが、実際に地域ではお母ちゃんが月に 1 回会社に訪問をして、何かありますかということを聞いて、課題があれば家で一生懸命教えながらということをやっているのは、現状、大変多いというのはありますので、中ポツセンターも一生懸命頑張ってはいただいていますが、家族がかなり頑張っているところもあります。その辺のところを仕組みとしてうまく回っていけるようにしていただけると家族も助かるという思いがあります。定着支援をできるだけ進めていけるような仕組みを作っていただけたらと思っております。以上です。

 

○駒村部会長

 広田委員、ありますね。手短にお願いします。

 

○広田委員

 就労のことですが、私は精神科に行く前も精神科の被害者になってからも、「とても仕事ができる有能な人」ということで働いてきましたが、所得倍増と騒ぐけど、精神科の患者になった後、作業所のメンバーとして就労した所は、前にも発言していますが、社長が、「あなたは作業所から来たから時給 500 円、できたらあげる、できなかったら辞めてもらう」と、率直だった、企業はこれなんですね。経団連が望む人材というのを見ましたが、私と一致していました。アンケートの 1 位はコミュニケーション能力。ここで聞いていると話は立派なんだけど、難し過ぎる、もっとわかりやすく国民が分かるように話してほしい。それがコミュニケーションだと思います。企業に行ったときに長く働くためにも重要です。コミュニケーション能力のある障害者になるためには職員がプライドもあって、人間的にも成熟していて、対等の関係じゃないと無理。それが社会資源ではできてない。

 それと、倍増と言うのですが、昨日もテレビでやっていた、労働基準監督署に何か弁護士が訴えるとか騒いでいました、“あの、おじさんたちは果たして、仕事できているのかな”と。私は 500 円から始まった。そして仕事ができて上がった。それが当たり前と私は思う。できない人に精神障害者だからお金を出してくれということが倍増計画なのということを、いつかゆっくり厚生労働省とか、こちらの業界の方々に伺いたい。

 障害者が働くことによってインクルージョンだけど、私たちも近付かないことには、何もかも障害者に近付いてということでは日本経済はパンクしてしまう。

 福祉事務所の話によると、驚いたことに、厚労省保護課が資産申告調査を始めているらしいです。これは、厚生労働省の障害保健福祉部で、反対していただきたい、 4 階の保護課に。なぜかといえば、生活保護制度を使っている人のほうが使っていない人よりもすでに自殺が高い。それで、こんなことやっていると現金等を箪笥に入れる。泥棒が発生する。本人も悔しい。警察も忙しい。誰も得しない。

 貯めていつか生活保護を切ろうとしたけど、こんなことやるんだったら、遊びに行こうということで、遊んで、より元気になればハッピー。例えば、精神障害者仲間の A 君ですけど。「お姉さん、ソープランド行ってきた。」「どうだった。」「良かった」「男として最高ね。彼女もいないし、いたら駄目よ」っていう話を電話でするわけですよ。 1 2 万円だそうです、月に一度ソープランド行く。ところがそれは「そういう使い方は生活保護で認めていない」と聞いたことあります。男性の仲間で「性的不能」で悩んでいる人が多くて、副作用によるものですが、かつて私は「精神保健福祉法 32 条、通院公費負担でバイアグラ出して」と発言したところ議事録を読んだ男性仲間から「広田さん!せっかく発言してくれるなら、漢方薬の方がいいんだ」と言われました。 A 君の場合、その後やがて就職しました。皆さんいいですか、会場の男性たち。「決められた項目で生活するのが生活保護だ」というけど、藤井さんより給料のいい人はここにいないのかもしれない、部長だから。ここに課長が何人かいると、同じ給料だとしたら、同じ男性でも飲みに行く頻度やスーツの値段とか、趣味とか、いわゆる価値観とかで変わるじゃないですか、生活が。それを生活保護だから一律にというのは、憲法第 25 条違反。そんなことをやって調査している時間も人手ももったいない、やめるべき。人道上の問題、自殺者も減らない。精神障害の場合、入院も増える。薬も増える。そして医療費が上がる。場合により信頼関係も損なう。日本の生活保護制度はアメリカに行った時、仲間にうらやましがられました。障害保健福祉部ガンバッテ下さい。

 昨日、神奈川県警に行って、警察庁に戻る人と話してきました。新聞を見たら 47 歳と出ていて、イケメン、長身で。県警の人に人気があって、これまでも何人か「将来本部長で戻って来てほしい」という思いをみなさんから聞いてきましたが、私が代弁しておきました。「 47 歳だったのね、」と言ったら、本人は「老けた」と言うから、「そうね、この間来たときには 37 歳だったけど、今日は 47 歳ね」と言った。マスコミがたたき過ぎるから、野澤さん。警察庁から神奈川県警に来た人のこと、県警の人たちは言うんですよ。「死んだつもりで行ってこい。と警察庁で送り出されてるらしい」って。私、聞いたんです、誠実な人に。「…というふうに、みんな噂しているけど、そうなの」って言ったら、「そうは言われてませんが、みんなその覚悟で来てます」って。それで、昨年、神奈川県警から戻る日の夕方、電話で話した人に感想を伺ったら、「毎日、今日は無事何もなければいいけど、今日は何もなくてよかった」と、これが神奈川県警のキャリアの皆さんです。世界の、アジアの情勢、日本の社会の事から、とても話の内容が豊かです。

 それに引き替え、厚生労働省の官僚は意気込みも話の内容もちょっと落ちますから、最近ね。是非、力量を上げていただいて、さすが官僚というふうに、私も、そこの委員やってんのよと、何あんな人たちなのということにならないようにしていただきたい。そして、マスコミの報道が変わらない限り、いつも言っているように広田和子を含めて、地域の中で安心して暮らせない、そして、働きにも行けない。

 精神障害者の就労に関わっている職員は、 1 年に何日間か一般企業に行って自分を磨いて来る。自分自身が一般の会社で勤まらないような人間が、障害者に向き合ったとき足を引っ張っている。今の時代、社会病理のような日本社会で鬱が多発しつづけています。官僚よりも作業所の職員よりも、はるかにとは言わないけど、学歴も同じだったり、上回っていたり、社会体験歴や職歴豊富な人に出会っています。いろいろな社会資源いきますけど、そこでも出会った人たちが、かつてピアサポートみなみの我が家へ来て、大いに語り、「…レベルが低すぎて、もうあの○○へは行かない」等と言って、コンシューマーが馬鹿にして素通りするか、レベルダウンしてしまいますから、職員側のメンテナンスというか、質の向上、自分磨き、教養含めてよろしくお願いしますということで、今日は終わりにします。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。一通り議論が出尽くしたので、本日の議論は以上としたいと思います。最後に事務局からお願いします。

 

○川又企画課長

 先ほど、伊藤委員から療養介護の ALS 等の件ですが、経緯もあるということですので、よく調べさせていただき、また御相談をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次回の部会は、来週の 10 20 日の火曜日、 16 時から TKP ガーデンシティ竹橋ホールで開催いたします。次回のテーマは 3 つあります。「精神障害者に対する支援」「意思決定支援」「意思疎通支援」のテーマについて本日と同じような形で御議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 本日も 10 分ほどオーバーして、申し訳ございません。

 

○河崎委員

 今、 10 20 日のテーマは事前に知らせていただいていますが、 11 月、 12 月とかなりハードなスケジュールを示していただいております。できるだけ早くどの日はどういうテーマをするのかを知らせていただきたいと思います。次回の 10 20 日の段階で、ある程度、各月分のテーマを教えていただきたいので、よろしくお願いいたします。

 

○川又企画課長

 承知いたしました。

 

○駒村部会長

 事務局からその予定表を皆さんに共有してください。それでは、本日は閉会いたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

【社会保障審議会障害者部会事務局】
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係
TEL: 03-5253-1111(内線3022)

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