ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ> 第6回 医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ議事録(2015年10月14日)




2015年10月14日 第6回 医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ議事録

○日時

平成27年10月14日(水)16:00~18:00


○場所

厚生労働省共用第8会議室
   東京都千代田区霞が関1-2-2 


○議題

・関係団体等からのヒアリング
・その他 

○議事

○吉本医師臨床研修専門官 それでは、定刻になりましたので、第6回「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」を開催いたします。

 本日は、先生方には、御多忙のところ御出席を賜り、まことにありがとうございます。

 本日は、大滝構成員、前野構成員から御欠席との御連絡をいただいております。

また、今回、ヒアリングを行う関係団体等からの参考人といたしまして、日本専門医機構理事長の池田康夫先生、また、卒後臨床研修評価機構専務理事の岩崎榮先生にお越しいただいております。

また、本ワーキンググループの構成員で、日本医師会常任理事の小森先生からもお話をいただくこととしております。

なお、厚生労働科学研究医師臨床研修の到達目標とその評価の在り方に関する研究班より、分担研究「医師養成全体の動向を踏まえた到達目標のあり方に関する研究」御担当で、東京医科歯科大学の奈良信雄先生、そして、分担研究「人口動態や疾病構造、医療提供体制の変化等を踏まえた到達目標の在り方に関する研究」御担当の聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センターの高橋理先生、同じく大出幸子先生にもお越しいただいております。

また、文部科学省医学教育課においては、人事異動がございまして、本日より佐々木企画官にお越しいただいております。

なお、池田先生、佐々木企画官におかれましては途中で退席をなさる予定とのこと、申し添えたいと思います。

以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたします。福井先生、よろしくお願いいたします。

○福井座長 それでは、よろしくお願いいたします。

初めに、事務局より資料の確認をお願いします。

○吉本医師臨床研修専門官 それでは、資料の確認をいたします。

 まず、お手元に議事次第ということで表紙がございまして、その後、座席表がございます。その後、ヒアリング資料といたしまして、池田先生からの資料、小森先生からの資料、そして岩崎先生からの資料と続いております。

その後、事務局からの参考資料といたしまして、1が開催要綱と名簿、そして2が、今回お越しいただいている参考人の先生方の名簿、そして3がこれまでの検討状況、4が臨床研修の到達目標、5が到達目標・評価の在り方にかかる論点について、そして最後に卒前教育・医師国家試験・臨床研修・専門医に関するスケジュールとなっております。

 また、岩崎先生からは、机上配布資料といたしまして3種類の冊子をいただいておりますので、お手元に配布しております。

 以上でございます。不足する資料、乱丁等ございましたらお申しつけください。

○福井座長 資料につきましてはよろしいでしょうか。

 それでは、本日は、前回に引き続きまして関係団体からのヒアリングを行うことになっております。先ほど御紹介ありましたように、日本専門医機構理事長の池田先生から最初にお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○池田参考人 ただいま御紹介に預かりました日本専門医機構の池田でございます。よろしくお願いいたします。

PP

15分ほど時間をいただきましたので、新しい専門医制度、2017年から始まるのですけれども、どんな考え方で、どんな内容で行っているかということをかいつまんで御紹介させていただきたいと思います。

PP

 「専門医制度の意義」については、先生方に改めてお話しすることはないのですけれども、主役は国民と専攻医。専攻医というのはこれから専門医資格をとろうとする医師のことで、言ってみれば、初期臨床研修を終わって後期研修に入る人たちを専攻医と私ども呼んでいるのですけれども、その国民と専攻医のために専門医制度を充実させようということで私どもは始めております。国民からすると、標準的な、安全な治療を受けたい、医療の地域間格差をなるべく少なくしてほしいという、これは切実な願いですし、専攻医からすると、やはり若い先生たちは、自信を持って医療を一人前に担当できる医師になりたいということ、それから、充実した研修を受けたいということを切実に願っていると私は理解しています。

PP

 専門医制度改革の基本的な理念ですけれども、これをもって我々も改革に当たってきたわけですけれども、一番大事なことは、専門医の質を担保できる制度にしなければいけない。これが第一義的であります。

次は、国民目線ということで、患者に信頼されて、受診の良い指針になる制度にしなければいけませんということ。

それから、これまでは学会がそれぞれ専門医を認定していたということですけれども、やはり専門医が国民から評価されるためには、「公の資格」として国民に広く認知されてそして評価されるものでなければいけないということで、そのような制度を目指しています。

 そして、この専門医制度改革に当たるのは、「プロフェッショナル集団としての医師」が誇りと責任を持って、患者の視点に立って自律的に運営する制度にしましょうという基本的な理念を掲げて専門医制度改革に当たってまいりました。

PP

 新しい制度の骨格でございます。厚生労働省が、3年ほど前になりますけれども、専門医の在り方に関する検討会を立ち上げました。本日の座長の福井先生もそのメンバーでいろいろ御意見を伺いましたけれども、そこである程度コンセンサス得られたことが新しい専門医制度の骨格になっております。

 専門医制度は2段階制にしましょうと。初期臨床研修を終わったら、19の診療領域のいずれかの専門医になっていただく。そして、それらの研修が終わって専門医になった後にそれぞれのサブスペシャリティに進んでいただく。こういう2段階制にしようということ。

 もう一つは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、専門医の認定は、各学会と密に連絡をとりながらも、学会がやるのではなくて、中立的な機関をつくって、そこでやりましょうということで、昨年の5月に日本専門医機構が立ち上がったということでございます。

 次が一番大事なのですけれども、専門医の育成でございます。これは研修プログラム制というものをとりましょうと。研修プログラムをしっかりつくって、それに則って若い先生たちに研修をしていただく。中立的な機関では、この研修プログラムの評価をして、そして認定していこう。そして、その研修プログラムが本当に正しく運営されているかどうかを、場合によっては研修施設にサイトビジットをして確認しましょうという制度設計であります。

 そして、きょう詳しくは申しませんけれども、総合診療の専門医というのを基本診療領域の中に位置づけたと。これが専門医制度の骨格になります。

PP

 そして、この制度設計をするに当たって、私ども、専門医というのはどういう医師を指すのかという議論をしたわけです。非常に根本の話題になるのですけれども、これはメディア等が言っている“神の手”を持つドクターとかスーパードクターを意味するものでは決してなくて、それぞれの診療領域において、安全で標準的な医療を提供できて、患者から信頼される医師のことである。こういうお医者さんを専門医としてきちっとつくっていきましょうということです。

PP

その専門医制度の枠組み。先ほどちょっと申し上げましたけれども、基本診療領域が、そこにありますように、内科、皮膚科、外科等々18あって、総合診療に関しては新しくできた専門医ということで19の領域。ですから、初期臨床研修が終わって、繰り返しますけれども、2年終わった後に、この19のいずれかの領域、これでほぼ我が国医療をカバーできるだろうということですので、この研修を3年から5年、最低3年間、長い診療科によっては4年、5年のプログラムをつくっているのですけれども、それを研修していただいて、そして、その基本領域の専門医が資格とれたときに、その後、例えば内科であれば消化器であるとか循環器であるとか呼吸器であるとか血液であるとかというサブスペシャリティ、外科であれば消化器外科とか呼吸器外科とか心臓血管外科とか小児外科に行くという2段階制にするということで、枠組みを決定したわけであります。

PP

 これは専門医機構がどんな役割を持って今作業しているかということですけれども、真ん中に評価・認定部門という緑色で書いたところがございます。この部門が、言ってみれば日本専門医機構の中核になる部門でありまして、左側に専門医の認定・更新を議論する部門、そして右側に専門研修のプログラム、あるいは専門研修施設の評価・認定をする部門、この2つに分かれて、それでそれぞれの下に、例えば内科、小児科、そのような領域別の委員会を置いて、ですから、この専門医の認定・更新部門とか研修プログラム、研修施設の評価・認定部門というのは、言ってみればどこの領域にも当てはまる原則をきちっとつくっていただく。それに従って各領域の事情を勘案しながら、例えばプログラムをつくる、認定の基準をつくる等々を議論していただく、そういう仕掛けになっているということでございます。

PP

 先ほど申し上げましたように、今回の専門医制度改革の一番の狙いは「専門研修プログラム制の採用」ということでございます。今まではどうやって専門医が認定されていたかというと、各学会は、専門医をつくるために研修カリキュラムというのをつくっていまして、到達目標というのを決めて、こういう到達目標で専門医をつくって行きますと。そして、学会が認定する研修施設でそれぞれ2年3年を勤めていただいて、それで一定の条件がクリアーされたらば試験を受けるという仕組みになっていたわけですけれども、この専門研修プログラム制というのは、そのカリキュラムを決めて、あとはお任せというのではなくて、実際にこのカリキュラムのもとで目標が掲げられますので、その掲げられた目標を、基幹になる、中心になる研修施設と複数の研修の連携施設と一緒になって、連携施設群という幾つかの病院が一つのグループをつくっていただいて、そこの中で専門研修プログラムをつくって、そしてそこで専攻医が、そのプログラムに従って専門医がとれるまでの間、研修をしっかり行っていただくという仕組みであります。その研修の内容はこのようなものにしてくれと、研修する機関にはこういうことをやっていただかなければいけないとかいう研修プログラムの整備指針というのをつくりまして、そして、その指針に従ってそれぞれの施設がプログラムをつくっていただく。

 しかし、外科系の領域と内科系の領域では当然違います。皮膚科であったり眼科であったり耳鼻科である単科と、内科、外科、小児科と当然状況が違いますから、それぞれの診療領域の特徴を生かしながら、その整備基準を踏まえて領域別の整備基準もつくっていただくという、そんな形でプログラムをつくっていただくことになります。

 先ほどちょっと申し上げましたように、この研修プログラム制がうまく機能しているかどうかということに関しては、研修施設のサイトビジットというものをきちっと行って評価しましょうという、この仕組みを、我々、研修プログラム制と呼んでいるのですね。

PP

 この研修プログラム制はなぜ必要かということに関しては、研修の「Quality Control」と「Quality Assurance」という考え方に立っております。

 岩崎先生も後でお話になると思いますけれども、専攻医が専門知識や技能について水準を満たしていることを自分自身で自己評価するということも必要。それと同時に、指導医が必ずいますので、指導医のリクワイアメントというのはプログラムの整備基準で決めていますので、その指導医がそれを総括的に評価して、そしてそれぞれの領域のQuality Controlするというのが、専門医を育てるのに1つ非常に大事なことであります。それと同時に、中立的な機関としての専門医機構は、専門医の教育指導体制、あるいは専門医の質を認定するということは、社会に対するQuality Assuranceだという考え方に立っていますので、この2つが相まって、専門医をきちっと育てるという考え方ができるのだろうと思っています。

PP

 専門研修プログラムの構成要素に関しては、ここに書いてありますように、研修基幹施設と研修連携施設がどういう割合で責任を分担して、本当にプログラムをつくり指導する仕組みができ上がっているか。これに関しては、現在、特に地域医療の問題を頭に置きながら、地域を支える医療体制であり、そして研修体制であるという考え方を色濃く出しているというところで、連携施設群という考え方をやっております。

例えばある県である基幹施設が研修プログラムをつくるときには、その基幹研修施設は幾つかの連携施設と一緒になってプログラムをつくるわけですけれども、その県の指導医の数、あるいは症例の数を有効に使って、そして研修を実のあるものにするという、やはり基幹研修施設は責任を持っていただくという考え方をとっております。ですから、この基幹研修施設と連携施設がどうなっているかというのはプログラムを構成するのに非常に重要なファクターです。

それから、当然のことながら、研修指導医という資格があります。基本的には、専門医になった方たちが1回以上専門医を更新したキャリアがあれば、その方たちは指導医としてクォリファイされるだろうという考え方に基づいて、しかし、指導医が何人いるか、指導医1人について何人ぐらい指導できるのかということも含めて整備基準をつくっていると。

それから、研修プログラムの管理・評価体制、これは非常に重要です。それから、研修カリキュラムの整備、これは当たり前の話で、と同時に研修実績の記録システムをしっかりつくっていただく。それぞれの基幹研修施設、連携施設は委員会を設けて、必ず自己評価、あるいは指導者の評価がきちっと毎週、毎週行われているかどうかも記録に残すということをやりましょうということで、あとは、マニュアルの整備とすれば、指導医のマニュアル、研修医のマニュアルというものをつくっていただく。こういうことをプログラムの中に盛り込んでいる。このプログラムができますと、初期臨床研修2年終わったときに、自分はどの領域の専門医になるか、皮膚科に行くか、整形外科に行くか、内科に行くか、小児科に行くか。そして、小児科に行こうとすると、小児科の研修プログラムは全国都道府県どこにどれぐらいの数あるかということが公表されますので、それを見てアプライするという格好になっています。

 この研修プログラムは本当は初期臨床研修との連動のもとになければいけないということで、実は専門医の在り方に関する検討会でも、私どもは、医学教育、そして初期臨床研修、後期研修、これはシームレスに議論していかなければいけないものだということで常々言ってきたのですけれども、それぞれの仕組みはそれぞれ別個に討論されていたものですから、我々が専門医制度の議論をするときに、初期臨床研修がこういう格好になるので、それを踏まえて後期研修のプログラム、あるいは整備基準をつくるという議論になかなかならなかったのですね。

 今、連動ということに関して言うと、初期臨床研修の経験した症例について、専門医研修にある程度組み入れてもいいということをプログラムにうたっているのは、内科とか外科とか麻酔科、これがその初期臨床研修の2年間にある特殊な症例を経験したと。そういうものはあらかじめ決めておけば、それを専門研修の中に入れ込んでもいいのではないかというような議論がされていますけれども、これからはやはり一緒になって考えていかなければ絶対いけないと私は思っているのですけれども、基本的には現時点では別の研修ということでものが進んでいるというところでございます。

PP

 専門研修プログラムは、先ほど申し上げた機構の中の研修プログラム、研修施設の評価・認定部門で審査されて、基準に従って認定を受けるという仕組みになっています。

PP

それで、この研修プログラムをつくるに当たっては、先ほど申し上げましたように、質の高い医師を育てるための研修プログラム制ですので、これが第一義ですけれども、しかし、今以上に医療の地域偏在を起こさせないために、すぐれた専門医制度と地域医療に十分配慮した制度設計との両立を何とか考えていかなければいけないということを現在議論して、プログラムの審査に当たっては、今、各都道府県に、こんな形でプログラムをつくってほしいと、私どもはこんな審査基準でプログラムを審査しますので、ぜひその辺を頭に置いてそれぞれの領域でプログラムをつくってくださいということで、プログラムの審査の方向性みたいなものを開示しております。

PP

 そこに書いてありますように、プログラムの特性/特徴をまず明確にして、そのプログラムでは、同じ、例えば整形外科でも、そのプログラムの特徴はどういうところにあるのか明確にしてほしいということ。場合によっては、フィジシャン・サイエンティストを育成にも重点をおき、研究に関するプログラムも含めたりすると、特徴があってもいいだろうと。

それから、到達目標が明確で具体的に書けていることとか、研修方略が明示されている。評価項目と方法が明示されている。人的・物的資源が十分かどうか。指導医が十分であるかどうか。プログラムの自己改善とサイトビジットへの対応。こういうものを内容としては十分に頭に置きながら審査させていただく。

PP

 外形項目としては、領域のプログラム整備基準に適合した基幹/連携施設の組み合わせになっているかどうか。それから、施設群を組む基準が明らかになっているかどうか。専攻医の受け入れ数の明示ですね。これは非常に重要なのですけれども、都市部の大学病院が10人も20人も本当に指導できるかどうかわからないのにたくさん専攻医を受け入れるということはちょっと難しいわけですから、専攻医の募集数は、指導医1名に対して多くても3名。3名というのは、要するに3年間のプログラムの中で3名ということですから、1年次1名ずつということになるかと思います。

地域の専攻医の募集数は、初期臨床研修の場合には割に法律で決めていて、委員会である程度数を決めているということもありますけれども、私どものところはなかなか強制的に決めるわけにはいかないので、やはり指導医の数と症例数というものを重視して、そこで専攻医の募集数をリーズナブルに決めてほしいということ。それから、地域偏在を助長させない計画をするということ。専攻医の採用と修了要件が明確であるということが一応外形項目として挙げられております。

PP

これは最後ですけれども、現在、2017年に開始するということで、あと1年ちょっとしかないので非常に忙しい思いをしているのですけれども、2015年度中に各診療領域の基幹研修施設にプログラムをつくっていただいて、機構のほうにサブミットしていただく。そして、2016年の前半、6月ぐらいまでに審査を終了して、それを初期臨床研修の2年目の医師に来年の6月ぐらいまでにその研修プログラムを提示できるようにして、そして、夏休み明けからそれぞれの初期臨床研修医が、2017年からどの領域で、どの施設で専門医研修を始めるかということを決めていただくという、こんな形になっているということをお話しさせていただいて、非常に雑駁な話で恐縮ですけれども、限られた時間ですので、このあたりにさせていただきたいと思います。

どうもありがとうございました。

○福井座長 ありがとうございます。

それでは、15分程度質疑応答の時間をとらせていただきたいと思います。いかがでしょうか。

どうぞ、高橋先生。

○高橋構成員 ありがとうございました。

機構内での会議でもいろいろ討議されていると思いますので、私が特に伺いたいのは、初期臨床研修、あるいは卒前教育とのかかわりなのですけれども、卒後の初期臨床研修だと5年に1度の見直しをやることになって支援されているわけですけれども、機構としては、各学会で出します学会ごとのプログラムといいますか、全体的な見直し、例えば3年に1度とか5年に1度とか、あるいは社会情勢の変化に伴って変えるとか、そういった流動的な学会を機構が把握してというような動きにはなっているのでしょうか。

○池田参考人 機構と学会との関係というのはなかなか微妙なところがあるのですけれども、多くの作業は、これまで学会が20年も30年もかけて専門医制度をつくってまいりました。プログラムをつくるに当たっては、その領域のプロフェッショナルはそれぞれの学会にいらっしゃいますので、その先生方の御意見を十分に尊重しなければ専門医制度は成り立たないということはもちろんです。

 しかし、学会間でのばらつき、専門医制度の標準化ということを考えると、整備基準とか整備指針とかいうものを、言ってみれば守るべき規則をしっかりとつくっていき、それに従った形でそれぞれの領域の学会で議論していただくと、そういう建てつけになっています。

 それで、指針とか整備基準は折に触れて直していこうということなので、何年たったら見直すということではなくて、毎年毎年、不都合があったり、あるいは変えなければいけない状況があったら、それは変えていきましょうということがあります。

 ただ、一度サブミットされた研修プログラムというのは一応5年間という格好で運用していただくというお約束になっていますので、5年間でプログラムは新たにリニューアルしていただく。しかし、その間、一年一年にやはりマイナーモディフィケーションは当然ありますので、マイナーモディフィケーションは受け付けて、そして、そのモディフィケーションが整備基準に合っているかどうかということは、その都度、毎年審査させていただくと、そんな感じになっております。よろしいでしょうか。

○高橋構成員 ありがとうございます。となりますと、リニューアルの視点といいますか、機会は各学会ごとに判断されるのか、それとも、それも機構の判断によるのでしょうか。

○池田参考人 プログラムごとと言ってもいいと思いますね。というのは、指導医がいなくなったり指導医が移ったりするということもございます。それから、研修プログラムの中に新しい項目を入れたいということもあると思いますので、その辺はそのときそのときでサブミットしていただければ評価させていただくと、そんな形になっております。

○高橋構成員 ありがとうございます。

○福井座長 金丸先生、どうぞ。

○金丸構成員 御丁寧な御説明ありがとうございました。

1点だけ、わかる範囲というか、現状での時点でということでお尋ねしたいのですが、スライドの1113に出ています「専門医制度と国民医療・地域医療の調和をめざして」という部分の中に、最後のフレーズで、「専門医制度と地域医療に十分配慮した制度設計との両立」、さらに「今以上に地域偏在が起きないように」と。これは非常に大事な視点で、とても大切にここを柱として議論が進んでいただいていることは非常に感謝しているところなのですが、そして13ページの「プログラム審査(外形項目)」の5番目、「今以上に地域偏在を助長させないこと(計画と実績で)」、これは具体的にはどのあたりまで議論というのは、このことに関してはあるのでしょうか。

○池田参考人 現在、各診療領域に基幹研修施設は幾つあって、それが各都道府県にどのように分布しているか。そして、その基幹研修施設はどんな施設と連携するかということの事前調査をさせていただいて、恐らく今月の末ぐらいまでにはその調査結果が出ると思うのですね。まずそれを見て、余りにも地域格差が多くて、この県には基幹研修施設1つしかなくて、連携施設があと数個あって、そこにはもう少し大きな病院があるのにもかかわらず、そこが専攻医の研修に加わらないということがあった場合には、そこはやはり改善しておかないといけないだろうと。プログラムを出していただいてプログラムを審査する前に、まずそういうストラクチャーをちょっと整備させていただきたいなということが今ございます。

それから、プログラムの内容の中に地域医療の経験というものを配慮するということを入れ込むようにということがありますので、そうすると、例えば大きな病院だけとか単一の大学病院だけで一つのプログラムをやろうというと、これは地域医療の経験ができなくなりますので、それはプログラムとしては不適格だと。やはり地域医療を経験するような一定の期間やってもらうようなプログラムにしてほしいということで、これはなかなか難しいところで、一番の目的は専門医の質を上げることですので、地域医療の改善はまた別の方策でやっていかなければいけないのですけれども、しかし、我々も危惧しているのは、もしこの新しい制度で突っ走ってしまって、地域医療が今まで以上に混乱するとか地域格差が出てくるようだと、我々としても大きな責任を負っていますので、そこのところは十二分に配慮しながら進めたいという考えです。

○金丸構成員 ありがとうございます。ぜひその方向で進めていただければありがたいと思います。

○福井座長 神野構成員。

○神野構成員 関連する質問で、2つ、あえてお聞きします。

まず最初の質問は、いろいろQ&A出ていると思うのですけれども、この新たな専門医制度では学会への加入は必須か必須でないかということに関しては。

○池田参考人 これはもう研修プログラムオリエンテッドですから、研修プログラムにアプライしていただければいいわけです。そうすれば専門医の道は開けるというのが基本的な考え方です。今回専門医の更新の基準を新たに提案しました。例えば専門医であれば、こういう共通の講習は受けなければいけませんよねとか、それぞれの領域で、5年なら5年で更新するときに、それまでの領域における診療面での進歩などもキャッチアップしなければいけません。その為にはやはり学会に入っているほうが明らかに有利であるということで、恐らく多くの方たちは学会に入られるだろうということですけれども、学会に入っていなかったらば専門医がとれないということではないと。

○神野構成員 もう一点。学会は学術団体ですのでいろんな研修の機会は当然与えられるものだと思うのですけれども、9番のスライドで、下の※印のところもやはりやや気になるわけです。特にこの委員会は臨床研修制度の到達目標と評価の在り方、特に到達目標のワーキンググループですので、到達目標と大いに関係するのが、例えば「内科、外科、麻酔科等において、予め決められた症例についてのみ考慮されるが、基本的には別の研修と理解されている」、この辺が少し曖昧なところがあって、先生は先ほど、普通の臨床研修の専門医とはつながるべきだとおっしゃいましたけれども、到達目標が曖昧になった場合に、学会等の指導によって、例えば外科に行きたい人は臨床研修で外科症例いっぱいやりなさいとかそういう、到達目標から見るといささか行き過ぎの指導が入らないかという心配をするわけです。

○池田参考人 先ほどもちょっと申し上げましたように、私は、医学教育、初期臨床研修、それから専門医研修、これはシームレスな形で、全国医学部長病院長会議、あるいはこういう初期臨床研修専門医制度検討委員会、全ていろいろ一緒になって議論すべきだということを前から言っていたのですけれども、なかなかそういう形にならなかった。それから、私も初期臨床研修の在り方、少し勉強させていただいていますけれども、余りはっきりした到達目標とか内容に踏み込んだ形では、これからは恐らくそうでないだろうと思うのですが、今まではできてなかったということもあって、この専門医制度を改革するに当たってはそれぞれの領域で議論してきたというところがございます。

ですから、そこはこれからこの先生方の委員会で到達目標をこうしてああしてというふうになった場合に、それを踏まえて整備基準等も少し見直すとかいうことは当然のことながらあるとは思いますけれども、この制度設計をしたときにはなかなかそうでなかったと。ここに書いたのは、これは実際に外科で専門研修をやっていますね。そうすると、外科では、こういう手術は必須でありますよということが書いてあったときに、それを全部その3年間で経験できるかどうかわからない場合があって、その経験がもし初期臨床研修の中であればそれは加味してもよろしいということを、この内科、外科、麻酔科に関しては記載したということでありまして、つくるときにこういう格好でというのではなくて、振り返ってみて、例えば外科の場合は、NCD、ナショナルクリニカルデータベースと言って、手術症例は全部登録することになっています。そうすると、初期臨床研修の間に登録した症例がある。そういう症例で、もし後期研修のときに経験できない症例があったとすれば、それは入れてもよろしいですよと、そういう意味でここに書かせていただいたと理解していただいてよろしいのではないかと思います。わかりにくいかもしれません。

○福井座長 先に中島先生、どうぞ。

○中島構成員 済みません。3つほどお尋ねしたいのです。

池田先生が本当に頑張ってくださっていることはよく存じ上げておりますので敬意を表します。今回、総合診療医等をつけ足してくださったということは非常に大切なことなのですね。しかし現在つくられたこのシステム、機構を見てみますと、若い人はどんどん細分化されたところへ入り込んでしまう。それを防止するための策はどこにつくっておられるのか。それをひとつお尋ねしたい。これが1番目です。まず、お答えください。

○池田参考人 それは、初期臨床研修終わったら、この基本診療領域にまず通っていただかないとサブスペシャリティには行けないという制度設計なのです。要するに、特に内科系は、初期臨床研修終わったら、今までだと1年の内科のトレーニングを終えて、すぐ、自分は循環器に行きたい、血液に行きたいという、先生おっしゃるようなサブスペシャリティ、細分化の方向にどんどん行っているわけですね。そうすると、日本の循環器専門医は、内科医でありながらも、おなかのことは診ないとか、消化器の専門医は内科医でありながら、要するに心臓の音なんか余り聞かないという、これはまずいでしょうということで、内科の専門医というものを3年間でつくっていただいて、その後にサブスペシャリティに行く。外科も3年のプログラムで、外科の専門医をとってからサブスペシャリティに行くという制度設計にしたというところで、先生の御質問のお答えになるのではないかと思いますけれども、いかがですか。

○中島構成員 十分にはなっておりませんけれども、まあよしとして、次に参ります。2番目は、施設群をつくると。それぞれプログラムをつくりましょうと。ただし、科によってはやはり中核となる基幹病院は大学のような大きな病院でないとなり得ないという状況がどうしてもできてしまうということについて、これは結果的には大学が人事権を握るという、昔の博士号の亡霊がまたここで出てきてしまうのではないかという不安を一般の医師はみんな持っているのです。このことについてのお答えをお聞きしたい。

○池田参考人 2つあると思うのですけれども、科によっては、確かに先生おっしゃるように、単科の眼科とか皮膚科とかそういうところは、大学病院と、それから大きな病院が基幹研修施設になるということに関しては否定いたしません。でも、それ以外のところはかなり全国で、例えば内科、外科は数百以上の基幹研修施設が恐らく指定されるということだと思うのですね。

 それが1つと、それから、大学は今まで本当に良質の臨床医を育ててきたかというと必ずしもそうではないですね。ですから、大学に、卒前教育だけではなくて、初期臨床研修、後期研修を通じて質の高い臨床医を育てる責任をやはり負っていただかなければいけないということが1つと、それから、大学は日本に47都道府県全てありますね。そこで大学も地域医療というものに目を向けて、その地域の医療を責任持ってやっていただくという役割も担っていただきたいと。そういうことがあって基幹研修施設、しかし、基幹研修施設だけでやるわけではないので、必ず地域の病院と連携をしながらやっていきなさいという仕組みをつくったということで御理解いただきたいと思います。

○中島構成員 お気持ちはとてもよくわかりますが、一方で、例えば大学が地域医療にもっと目を向けてちゃんとやっていただきたいということは、ではそのための具体策を何か手を打っているかということです。つまり、大学の教授の選任の仕方から間違っているのではないか。いや、全員がではありませんよ。一部、大変問題が起こっているわけです。そうなると、今、佐々木先生もいらっしゃっていますけれども、文科省との連携が非常に大切になるわけですね。そのあたりのことも今後ぜひお考えいただきたい。

○池田参考人 ありがとうございます。実はこの機構の中には全国医学部長病院長会議も社員に入っていただいて、つい先日も全国医学部長病院長会議から要望書が参りまして、情報をもう少し公開しろということと、もう一つは、地域医療はどうするのだ。むしろ全国医学部長病院長会議から地域医療に対して十分な配慮をすべきだという要望書をいただきました。

今、私ども、なるべく全国の大学のほうにも回って、大学のこの専門医制度における責任というものを認識していただくということで一応努力しているつもりでございますので、もし御助力いただけたらありがたいと思っています。

○中島構成員 わかりました。それでは3番目。これで最後ですけれども、簡単です。必ずペケされると思っていますけれども、なぜ患者からの評価を入れなかったか、この点についてのお答えをいただきたい。

○池田参考人 患者からの評価というのは制度設計そのものにですか。

○中島構成員 そうです。

○池田参考人 これは、実は外部評価委員会というのがございまして、外部評価委員会、今まで、この機構が設立されてから2回ほどやらせていただきました。それで外部評価委員会の先生方からなかなか手厳しい御意見をいただいたということだけをお伝えさせていただきたいと思います。

○中島構成員 患者からの評価が全て正しいわけではないのですが、しかし、おおよそにおいては当たっているのです。群馬大のような問題が起これば、あそこで手術の経験をしてもだめだということが言えるようなシステムをつくっていただきたい。ひとつよろしくお願いいたします。

○池田参考人 ありがとうございます。

○福井座長 それでは、奈良先生。先生には医師養成全体の動向を踏まえた研究をお願いしております。

○奈良研究分担者 池田先生、どうもありがとうございました。

ご指摘いただいたように、卒前教育、卒後研修、そして専門医、さらに生涯教育と、医師の養成ではシームレスな教育が大事であります。私どもは卒前教育を担当しており、いみじくも現在、日本医学教育評価機構を立ち上げている段階です。近いうちに一般社団法人として発足させ、2017年からは正式な稼働をする予定であります。

 ぜひ専門医機構とも連携をお願いしたいと思います。私どもが卒前教育で特に重視しているのはグローバル化への対応です。専門医機構を見ますと、渉外関係といいますか、グローバル化の対応が見えていないのでその点をお伺いしたいと思います。それから、卒前教育で気にしているのが、世界の医学教育では、教育を受けた後に到達しておくべきコンピテンシーを策定し、それに基づいた教育が強調されています。この研修プログラムの中にコンピテンシーというのが出てこなかったもで、その辺はどのようにお考えかということについてもお尋ねしたいと思います。

○池田参考人 ありがとうございます。グローバル化に関しては大変ありがたい御質問だと思いますけれども、申しわけないですが、グローバル化に関して新しい専門医制度の中でどのように対応していくか、十分に議論できていないということは申し上げたいと思います。今後の非常に重要な課題だと思っています。

コンピテンシーについては、総合診療の専門医に関してはもう6つのコンピテンシーというのがホームページにも載っていますけれども、こういうコンピテンシーを持った医師を総合診療の専門医を育てるために必要だというような形が書いてあります。それぞれの領域の専門医としての医師像はどういう医師なのかということに関してはしっかりと書くようにという指導はしているということでございます。

○奈良研究分担者 ただ、各領域で専門医として認定していいだろうという評価があると思いますので、ぜひ各領域でコンピテンシーを策定していただければいいかなと思っています。

○福井座長 それではもうお一人だけ。

 伊野先生、どうぞ。

○伊野構成員 恐れ入ります。スライドの8ページの「専門医の育成と社会からの視点」のところで、自己評価と、それから指導医からの総括的評価でクオリティコントロールをしていくと書いていらっしゃるのですけれども、具体的にどんな評価法を推奨されるか、今お考えがあれば教えていただければと思います。

○池田参考人 これはそれぞれの基本診療領域に準備をしていただいて、その研修のプログラムに従ってどの形をとるかというのはお任せしているのですけれども、自己評価という格好でとにかくつくってほしいということが記載されているだけであって、こちらで自己評価表みたいなものをつくって配布しているということではございません。

○福井座長 長い時間、どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、本ワーキンググループの構成員で日本医師会常任理事の小森先生からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○小森構成員 小森でございます。貴重な時間をいただきましてありがとうございました。

 私どもは、与えられたテーマは、このワーキングに資するということではございますけれども、先ほど池田先生もおっしゃいましたように、卒前教育、医師国家試験、そして、今、私どもが取り組んでいる臨床研修制度、さらには、新しく構築されてまいりました専門研修、あるいはサブスペシャリティ、さらには生涯を通しての研修というような、長い医師の生涯教育の中で日本医師会が取り組んできた基本的な考え方と問題点等についてお話をさせていただきたいと思ってございます。

PP

 まず、諸外国の例をとってみます。ある程度類型化しておりますので、各大学や地方によって多少違っている場合がありますので、その点は御容赦いただきたいと思いますけれども、英国の場合は、6年間の卒前教育がありました後、いろいろ歴史がございましたけれども、おおむね2年間の臨床研修の期間がございます。その後、General Physicianを目指される方の道と、そしてSpecialistConsultantの道を選ばれる方々がここで分かれてまいります。ある友人に聞きますと、イギリスにおきましてこの行き来は可能であるということでございますが、極めて難しいということから、余りこの中で移行するということはないとお聞きしてございます。

PP

 続いてフランスの例でございますが、フランスは学部教育6年間が終わりましてから選抜試験を、全国統一のものを行いまして、これはきょうの本筋とずれますけれども、各地域圏それぞれ、医師偏在の是正のために国家管理として専門医の養成数が決まっておりますので、成績の上位の者から選んでいくということになってございまして、General Physicianを目指される方で成績の優秀な方ももちろんたくさんいらっしゃるわけですが、残念なことに、専門医のほうが社会的・経済的なインセンティブが高いということから、ある一定のレベル以下の成績をとられた方は否応なく一般医になっているというような悲しい現実もあるようでございます。

PP

 このように見てみますと、こういった諸国におきましては、学部教育、また臨床研修が終わった後にそれぞれ、2次、3次、高度医療を担うというような方々と、そして、プライマリケアを担うという方がそこで2つにきれいに分かれるということがございます。いいところ、悪いところあるにせよ、そういった特徴があるということでございます。

PP

 我が国におきましては、繰り返すことはございません。先生方御承知のとおりでございますが、全員では決してございませんけれども、多くの方、6~7割の方は、一旦専門医になる。さまざまな分野で専門医として、中核病院におきましては高度医療、あるいは地域の病院等におきましては初期医療や救急等にも当たった上で開業される、あるいはまたさらに専門医を進化させるというような方々が多うございます。

 したがって、そういった意味で見ますと、専門というそれぞれの、狭いかもしれませが、太い、これだけは自分は深くわかっているという背骨を持ちつつプライマリケアを担っていくという特性がございます。これもいろいろな御意見があると思いますが、ビヘイビアとして、一次的な医療においてかなり高水準の医療を受けられるという我が国の仕組みは少なくとも諸外国よりすばらしい点もあると評価していいのではないかと思っています。

PP

 そういったことを含めまして、私ども日本医師会は「かかりつけ医」という言葉を盛んに使うわけでございますが、そこに書いてございます文章、日本医師会と四病院団体協議会が2年前の8月8日に改めて出したという文字でございますが、むしろその次お願いします。

PP

 医療的機能より社会的機能が重要だと考えておりまして、そこに書いてございますような健康相談、健診、がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等、地域における医療ということに積極的にかかわり、あるいは担うということ。そして、住民の一員として、その地域を支えるさまざまな職種、あるいは住民の方々との連携を行い、そして在宅医療に理解を示すというような事柄をぜひ全ての医師には担っていただきたい、そういった機能を強めていただきたいということでございます。

 後ほどお話ししますような、先ほど池田先生から、余りにも狭い領域に行き過ぎている傾向があったのではないかというお話もございますが、少なくとも地域によっては、そういった方々以上に、より広い概念でプライマリケアを担う方々が必要であるというような地域もこれから一層ふえてくると思いますが、そういった方々を養成することが正しいとしても相当年月がかかってくるわけでございまして、現在我が国の地域医療を担っておられる方々がその社会的機能を一層強めていくということが最も喫緊の課題であり、そのことがこの国の医療提供体制に重要な意味があると思っているということでございます。

PP

 また、新しい専門医の在り方に関する、これまで専門医の認定更新につきましては、あくまで比較的技術認定、そして学会の発表、論文はもちろんのこと、学会に参加するということが主体でございました。しかしながら、さまざまな広い分野で地域医療を担っていくという視点、また、医の倫理等を常にリフレッシュしていくという視点が重要であることから、2年前の4月22日に公表されました「専門医の在り方に関する検討会報告書」には、「専門医の認定・更新にあたっては、医の倫理や医療安全、地域医療、医療制度等についても問題意識を持つような医師を育てる視点が重要」と明記されたところでございます。

PP

 こういったことを踏まえまして、「専門医制度の整備指針(第1版)」でございますが、共通講習として、必修のもの、望ましいものと羅列してございますが、こういったものについても常に学び続けるということを専門医の資質として求めていくことになったわけでありまして、日本医師会の生涯教育制度も書いてございます。これは方略として書いてあると御理解賜ればと思います。

PP

 日本医師会は、1987年に生涯教育制度を発足し、さまざまな変遷を経ましたけれども、現在、2013年、若干古いデータですが、単位取得者総数が11万余り、都道府県医師会主催分が5,500以上でございます。実はこの年は五千八百数十回でございましたが、年によって差がございますので、このスライドでは5,500回以上としてございます。郡市医師会開催分を含めますと全国で2万回以上、さまざまな形で開かれている。このインフラを何とかさまざまな形で生かしていくということが必要でしょうし、新しい専門医の制度が稼働していく状況の中でさまざまな研修を受けるために、地域の患者さんに、ある意味、お許しを賜って、学会が開かれている都心部に移動するということは極めて問題でございます。こういった郡市医師会開催分を含めますと2万回以上開かれている日本医師会の生涯教育制度にかかわります研修会を活用していくという視点が重要であると思ってございます。

PP

 これは日本医師会生涯教育制度カリキュラムコード2009でございますが、このカリキュラムコードの作成につきましては、きょう座長をお務めいただいております福井次矢先生が委員長をお務めいただきました日本医師会の生涯教育推進委員会によっておつくりをいただいたところでございます。

 この1番から15番について網かけをしてございますが、これはさらに今バージョンアップをしておりまして、「日本医師会生涯教育制度カリキュラム2016」として明年春に公表する予定のものを、担当理事でございますので、機関決定しておりませんが、先取りでちょっと書かせていただいておりますけれども、この1番から15番について共通講習というものに当たるということでございます。また、16番以降についてはそれぞれの症候論、また、長期的に全体的に見るというカリキュラムになってございます。

PP

 これは一部調整中で、確定ではございません。共通講習等につきまして専門医の更新基準では、現在、10単位を5年間で最低となってございます。もちろん何百単位をおとりになられても結構なわけでございますが、最低10単位。こういったことについて、機構もされる。学会ももちろんされる。そして、都道府県医師会、日本医師会もしてまいります。あるいは、さまざまな病院等の施設内で行われる共通講習に該当するものについては、都道府県医師会等を通して機構に認定していただくことによって、共通講習として御使用いただくという形が現在考えられているということでございます。

PP

 診療領域別講習につきましては、それぞれの領域になりますけれども、都道府県医師会、日本医師会等を通して、日本医師会の専門委員会の中で承認を受けた後に、それぞれの領域別の専門委員会、私も機構の理事でございますのでこのような表現をしてございますが、いわゆる学会から推薦された委員の方々によってオーソライズしていただいた場合には、それぞれの領域の講習として認められるという手順でございます。

PP

 およそこの改革によりまして総合診療専門医について大きな議論がございました。実は専門医の在り方に関する検討会でも、福井先生とはかなり大きな議論をさせていただいたこともございました。

今はこういうイメージでございまして、総合専門診療専門医というのは一体どれぐらいいるかと。これはいろんな意見があると思っていますが、しかし、今私どもが総合診療専門医の委員会、また総合診療専門医の議論をしておりますときに、基本的な合意は、安易に開業医をつくるということではなくて、総合診療という専門領域に生涯、理想を追い続け、そしてそれを学問体系としてもしっかりつくっていくような医師と学問体系をこれからの日本にしっかり根づかせていくというようなことで、2050年に総合診療専門医のn数がどれぐらいであるかということは今後の方々がお決めいただくことであろうと思います。内科はどうなるのだ、皮膚科はどうなるのだ、うちの科はどうなるのだというようなお話がございますが、医師数そのものもふえますので、決して必要な専門家がこれによって減少されるというイメージではなく、新たに我が国の医療、社会にとって極めて重要な役割を担う可能性がある総合診療専門医をしっかり育てていくということの視点と日本医師会は考えているということでございます。

PP

 したがって、最初のスライドに戻りますが、総合診療専門医はどういったことであるのか。各科の専門医の一つとしてそこに存在し、それぞれの科の先生がさらにかかりつけ医機能強化をしていただいて、もちろん専門性を進化させることは必要でございますけれども、一番上のスライドの右側の領域、つまり、例えばナショナルセンターでお働きになっておられるような先生方であっても、地域の介護の状況がどうであるのか、あるいはまたケアマネージャーの方がどういうお働きをしていらっしゃるのかということに常に注目し、また、患者さんにそういったシステムを的確に説明できる方、そういう方々もかかりつけ医の一人と私たちは呼んでいきたいと思っておりますが、そういう方々を育てたいと思ってございます。

PP

 したがって、先ほど言われました基本領域の専門医があり、その上にサブスペシャリティ領域がありますが、それぞれの医師は全てかかりつけ医として国民に寄り添っていただきたい。日本医師会生涯教育制度、もちろん学会等の専門研修制度はそれを支援していくという考えでございます。

PP

 もう一方の視点でございます。これは審議会ではまだ出ていない資料でございますが、厚生労働省が三師調査からつくられた資料でございます。

 専門医の数が中ほどまで書いてございまして、おわかりでしょうか。下のほうが専門医を持っていらっしゃる方。これは認定内科医を含んでいるとお考えください。認定内科医は専門医ではないという整理もあるのですが、そうではなくて、認定内科医の方々はほとんどサブスペも持っていらっしゃる消化器内科とか、そういった方々を全部含んでいるとお考えいただきたいと思いますけれども、おおよそ65%程度の方々が専門医の資格を持っていらっしゃる。逆に言うと、全ての医師の35%は専門医の資格を現在持っていらっしゃらないということでございます。

 ではそういった方々が学んでいないのか。決してそうではない。学ぶ必要がないのか。全くそうではございません。そういった方々もさまざまな御事情によって学ぶ。たまたま専門医の資格を取得するチャンスがなかった、あるいはまた、それを更新する機会がなかなかできなかったという方もほとんど占めているわけでございまして、そういった方々に対してこの生涯教育のチャンスを与えるということは日本医師会の大きな役割だろうと思ってございます。

PP

 これは私が2~3日前につくったスライドですけれども、医学生、臨床研修医、専攻医、専門医、あるいはまた学会に所属しておられるけれども専門医を持っていらっしゃらないさまざまなお立場の方があると思いますけれども、全ての医師が生涯を通して学び続ける機会を日本医師会が担うということが日本医師会の仕事ではないかと思ってございます。

PP

 最後に「まとめ」でございます。こういったことを通しまして、きょうの講演の中では触れることができなかったことが多々ございますが、卒前教育、医師国家試験、臨床研修、専門研修(基本領域)、あるいはSubspecialtyも含むわけでございますし、生涯を通しての研修など、医師の生涯にわたる研修を一連のものとして俯瞰的に捉えて検討すべきではないかということ。

 また、生涯を通してプロフェッショナリズムを学び続ける研修体系が必要ではないかということ。また、医師として、臨床研修につきましては、この研修の第一歩を始めることを自覚するように、到達目標・医師の評価の在り方についても議論すべきではないかということ。また、男女を問わず、妊娠、出産、育児、介護などにかかわるキャリア形成に、より配慮すべき設計目標を考えるべきではないか。また、リサーチマインド、留学などの意欲をそぐことのないように設計すべきではないかということも改めてお願いしたいと思ってございます。

 最後に、改めまして、専門医を取得していない医師、学会に所属していない医師も現実にございます。そういった方々も、懸命に学ぼう、学び続けていらっしゃるわけでございまして、そういった方々を支えるスキーム、フレームワークを日本医師会は常に御提供していきたいと思ってございます。

 どうもありがとうございました。

○福井座長 ありがとうございます。

 それでは、ただいまのご説明につきまして御質問や御意見等伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 田中先生。

○田中構成員 質問させていただきます。スライド7番でかかりつけ医の定義をされているのですけれども、そこには就業形態や診療科を問わないと書いてあるので、病院で勤務している人も何もかも含むということですか。

○小森構成員 現在、日本医師会は、かかりつけ医は就業形態には全くよらないと考えてございます。したがって、もちろん、クリニックの医師のみを指して使っているわけではございません。

○田中構成員 そうしますと、スライド15番なのですけれども、結局、緩やかに移行するというのは何から何に移行するという理解になるのですか。

○小森構成員 これは総合診療専門医のあるべき数ということを指して表現した言葉でございます。総合診療専門医、あるいは、これは国によってかなり形態が違いますので、例えばイギリスでいうGPが全医師数の3割、4割といった議論が別途ございましたので、そういったものを早急に変えるということではなくて、総合診療専門医の医師数の推移については緩やかに、ニーズに沿って設計していくのがいいのではないかということを書いた図でございます。

○田中構成員 これでおしまいですけれども、そうしますと、日医の想定している生涯研修の目標というのは、そのときの社会のニーズにも応じて総合診療能力を高めるということがターゲットになるということなのでしょうか。

○小森構成員 カリキュラム2009の一般目標、狙いというものをお書きになったのは福井先生なので福井先生に伺ったらいいかもしれませんけれども、基本的には広く総合的な診療能力を身につけ、そして、患者さんの視点に立って全人的に診る医師というのが日本医師会の生涯教育制度の理念であると担当は理解してございますが、福井先生、それでよろしいですか。

○福井座長 12枚目にカリキュラムコード、目次が示されていますが、確かにこれは私が責任者としてつくったものですが、これの運用自体は私が提唱していたこととは全く違っております。このカリキュラムは全項目を何年間かかけて勉強していただいてかかりつけ医としての資格をとっていただくという目的でつくったのですけれども、その案は否決され、この中の1項目だけでも勉強すれば生涯教育はOKという形でしか使われておりません。項目は幅広い分野をカバーしていますが、実際はそのように使われておりませんので、それだけ説明しておきたいと思います。

○小森構成員 ちょっと話がずれましたので、別途、かかりつけ医というのを、これは都道府県医師会単位で、福岡県医師会、鹿児島県医師会さんが既に始めておりますけれども、例えば福岡県医師会かかりつけ医、認定かかりつけ医、こういったものを都道府県単位でされております。そういったことについてはもう少し厳しい縛りで認定していくということがございますし、これからは本当に病院から地域完結型の医療に変化していく中で、そういったことを特に早急に全ての医師が身につけていくということが必要でございますので、そういったことに特化したところを特に研修していこうということについて今検討しておりまして、明年の平成28年度からそういったことをスタートしていく予定で今検討しているところでございます。

○福井座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 金丸先生、どうぞ。

○金丸構成員 質問なのですが、先ほどの質問にも少しかかわるかなと思ってお聞きしていたのですが、スライド6の「かかりつけ医の機能」というところに医療的機能と社会的機能という表現でわかりやすくくくられているので、まさに現時点において全国の地域の医療の現場で、開業の先生が恐らく中心かもしれませんが、そして山間・離島で勤務する国保の施設、あるいは全自病の施設等がこの機能をまさに担って地域を支えている現状から見たときに、そして一方で、先ほど池田理事長の御説明の専門医機構が、総合診療専門医をどう位置づけて、それをどう育成し、そして新しい専門医制度そのものの中にそれの方向性が先ほど示されたのと照らすと先生の御説明いただいた将来のかかりつけ医と総合診療専門医の姿がどうもわかりにくくなってくるのではと、正直、思うのですね。

 つまり、現在のかかりつけ医はまさにそうであり、そして緩やかにこれを将来に向けて担保していく、地域偏在しないという意味においてはすごく大事な視点なのですが、新しい専門医制度の中ではわかちにくくなるような気がするのですけれども、このあたり、いかがなのでしょうか。

○小森構成員 大変恐縮ですが、反論するようですけれども、先生は例えばどのようなイメージでいらっしゃるのか。といいますのは、総合診療専門医をどのように育てて、何人育てて、どういう医療提供体制にするということを現時点で考えていくということは、先生御自身が、金丸先生のお言葉、大変重いので、金丸先生、宮崎で地域医療をまさに支えておられる方ですから、地域地域でどういう形がいいかということは地域でないとわからないところが多々あると思うのですね。

 そういったものの集積として、先ほど申し上げましたn数というのはこれから決まっていくことなのですね。地域から起こってくるニーズによって、恐らくそういった医師が育てられていくだろうと思います。最初からn数をここで議論しつつ総合診療専門医の議論をするのではなくて、総合的に診るという医師、その専門性をお互いが認め合う、またそういったジャンルをこれからつくっていくということがこの国にとって大事であるということはみんなが合意した事項ですので、そこから、今、n数とか、その地域医療提供体制を我々が描くということではなくて、おのずと地域のニーズがそれを形づくっていくだろうと思っております。

○金丸構成員 済みません。私はn数は一言も述べてなくて、結果として現状がそうあって、本当にたくさんの開業医の先生、地域で現場の国保直診、全自病の先生方が、このまさにかかりつけ医機能で、そしてそれがそのまま現実には総合診療専門医とかなり近似的に活動があるのではないか。これは先生おわかりいただいていると思うのですね。それを踏まえながら、新しい専門医制度の中で、総合診療専門医もその専門医として位置づけがあり、それを育てていくと。結果でn数というのは出てくるだろうと当然私も認識しているところなのですが、ただ、先ほどの説明で将来にわたってという部分がちょっとわかりにくかったので、そこをちょっとお尋ねしたかったというだけの話で、大変言葉が足りなくて申し訳ありませんでした。

○小森構成員 いいえ。ありがとうございました。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。あとお一人。

 中島先生、どうぞ。

○中島構成員 1つだけなのですけれども、15番目のスライドで、数は今すぐ一緒くたにして議論すると無茶苦茶になるので、そうはしないというのはよくわかる。ただ、先生、総合診療専門医は内科専門医の半分の辺まではつくっておいていいのではないですかね。また図をつくられるときにちょっと考えてください。

○小森構成員 承っておきます。

○福井座長 ありがとうございます。

それでは、時間もございますので、これで小森先生への御質問は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、最後になりますけれども、卒後臨床研修評価機構の岩崎先生から御説明を伺いたいと思います。お願いします。

○岩崎参考人 こういう機会をいただきまして、大変感謝しております。

 それでは、早速スライドに基づいて御説明いたします。

PP1,2

 私ども、NPO法人卒後臨床研修評価機構、JCEPと略しておりますので、しばしばこの言葉で申し上げます。特に私どもは研修プログラムを中心にして評価しているということでございます。

私どもの法人の理事長は高久先生でありますが、なぜ高久先生かというと、実は私と富士研の第2回ワークショップで、7泊8日、一緒に同じグループで過ごしたこともあって、理事長になっていただいたという経緯がございます。

PP3

 私どもの病院評価の歴史に少しばかり述べさせてください。ナイチンゲールをもって病院評価の嚆矢としています。あと、アメリカではフレクスナーレポートというのが1910年に出されて、当時の医科大学の教育の質の低下を憂えて、評価のレポートが出されました。

実際にその当時155あった医科大学が75まで減らされたという歴史的事実がございます。その後、Codmanという人が出て、現在のアメリカにおける医療の質評価の祖と言われていますが、マサチューセッツ医科大学の外科医でございます。実際には1951年にJCAHOというのが設立されました。現在はザ・ジョイント・コミッションと言っておりますが、この前身であるJCAHOがサーベイヤー講習会をやっていましたが、1990年にそのサーベイヤー講習会に3週間行ってまいりました。この前お亡くなりになった郡司教授も御一緒いたしましたけれども、そこで勉強したものを日本に持ち帰り、日本の医療機能評価機構の評価項目の元になるものを当時の日本医師会の病院委員会(藤崎委員会)で、つくらせていただきました。

そういう経緯がある中で、どうしても卒後の臨床研修の評価を我が国でも立ち上げる必要があるとして、1995年に設立された日本医療機能評価機構から分離いたしまして、教育研修の面だけを評価していこうという、アメリカでいうACGMEにならって、この評価機構を立ち上げました。

目的はここに書かれたとおりでございます。(PP4

PP3

事業内容はここに掲げたとおりでございます。サーベイヤーの養成をしておりますし、研修プログラムに関する研究開発などなどです。

PP4

 目的は、第三者のサイトビジットによる評価で、研修病院の研修プログラムの質向上・改善を図ることにより、質のよい研修医の育成に資することを目的としており、方法としては書面調査と訪問調査で行っております。

PP5

 調査票の内容ですが、このスライドにあるように、基本情報としては、病床数の他、研修医の研修状況、患者安全管理状況、こういうものを調査票の中に盛り込んで調査させていただいております。そのほか、研修医の満足度のアンケート調査などもしております。

PP6

10月1日現在で、認定病院が179病院あります。1000ほどある基幹型研修病院数からしますとまだ低い数でございます。2年、4年、6年と認定期間をこのような区別をしておりますが、6年というのは余りにも長過ぎるだろうということで、来年からは、6年はやめようということを考えております。

そのほか、申請病院が既に217病院あって、これから評価しなければなりません。

PP7

 これは各都道府県別認定病院であります。下のほうにあるブルーの線が受審病院数で、今のところ、数から言うと愛知県が一番多いということであります。名古屋大学を初め医療センターその他、ほとんど半数は受けたということになっております。東京、神奈川、大阪ということで、まだ1件もないという県が大分県でございます。そういうことで分布表を示したものです。

PP8

 訪問調査日に書類で確認することがあって、特に今回は行動目標、経験目標に絞った形でやりますと、ここでPgはポスト・グラジュエイトの略でございますけれども、Pg.5というところがその評価に関連しているところでございます。プログラムについての評価とかフィードバックを行っていることを示したものです。インシデント・レポート、また疑義照会等の実例があったら、それを示してくださいと。ただ、医療安全に関する委員会等で、研修医がどの程度この委員会に参加しているかとか、参加した実績を示す議事録の提示も求めております。そのほか、オリエンテーションのファイル、研修医のレポート等をその場で見せていただいております。

PP9,10

 何を基準にしているか。Standards(大・中・小項目)を基準としています。この評価項目の全てで、123項目ありますが、この中項目、小項目の中の全てが臨床研修病院の「あるべき姿(What must be done)」を表現して評価させていただいております。

PP11,12

 評価結果でございます。中項目が「適切」と評価された項目の割合で示しており、n数が171でございますけれども、平均値が59.8%で、ほぼ半数以上が適切ということになっております。

PP13

 小項目をa、b、cに分けておりまして、aが「適切」ということで、それで見てみますと、平均値が81.8%。つまり8割の病院がクリアーしているということでございます。

PP14

 以下、各小項目の評価結果については、適切がaで、要検討がbで、cが要改善ということでグラフで示しております。私ども、俗にイエローカード、レッドカードと申し上げております。

PP15

 これがPg5.1、研修プログラムが適切に策定されているかどうかを見る項目が小項目として4つあるということで、それぞれ、4つの項目で一番問題なのは、5.1.2というレッドカードが多くて、イエローカードも非常に多いということです。5.1.2は、研修プログラムには必要事項が明示されている。ここで必要事項と申しますのは、コンピテンシーではなく、GIOSBOsLSEv、といわれる研修(学習)のプロセスがきちっと研修プログラムの中に明記されているかどうかということが、5.1.2では問われていて、これが問題だということになります。

PP16

 次いで、5.2は、研修の期間、スケジュールがどうなっているか、それから、それが研修に適切に設定されて目標達成できるようにスケジュールが組まれているのかどうか見るというのがここの5.2でありまして、イエローカード等が出ているわけであります。

PP17

5.3「医療人として必要な基本姿勢・態度」が身につけられる内容がプログラムの中に適切に組み込まれているかということで、グラフの中でイエローカード多いのが5.3.4安全管理についてで、ここのところの組み込みがない。病院として安全管理委員会があって、きちっとしたことが行われているはずでございますけれども、臨床研修病院においてもこういうことが行われてないということがわかるわけでございます。

PP18

5.4が「経験すべき診察法・検査・手技」が身につけられる内容がプログラムの中に適切に組み込まれているかということで、一番下から2番目の5.4.7というところがレッドカードとイエローカードが出ている。5.4.7は何かというと、医療記録の問題、診療録を初めとした処方箋、指示箋、診断書、死亡診断書、証明書、CPCレポート、こういうものが全部この中で見ることになっていますが、死亡診断書を2年間で一つも書いたことがないということで、そういうままで本当に3年目にいっていていいのかということで、実はここのレッドカードのところは1%ですけれども、そういう病院もあった。死亡診断書は研修医に書かせないという、そこは基本方針の中にあったということで、それはまずいのではないですかということで、その場でフィードバックをした例もございます。

PP19

Pg5.5、経験すべき症状・病態・疾患について鑑別診断、初期治療を行う能力が身につけられる内容が適切に組み込まれているかというところで、下の方を見ていただきますと、5.5.3というのが一番高いわけですけれども、経験が求められる疾患・病態について(患者を受け持ち診断・検査・治療方針、術後管理等の症例レポート)でありますけれども、症例レポートがきちっと受け持った症例について出されないままで修了認定を出している病院があるということで、これもかなり厳しく評価して、コメントをつけて病院にお返ししたということであります。

 以上が詳細であります。

PP20

小項目がc評価(レッドカード)となった評価項目及び小項目がb評価(中項目が要検討)となった評価項目について考察を加えました。

PP21

繰り返しになりますけれども、Pg.5.1「プログラムが適切に策定されていない」ということで、プログラムの中に目標・方略・評価などが明示されていない。特に目標は定められていても、適切な評価がきちっと書かれていない、評価が行われてないという病院もございました。

それから、プログラムが研修医に周知されていない。研修医のインタビューをするわけですが、来月のあなたのプログラムはどこですかと聞きますと、知りませんという答えで、本当に知らないのと言うと、はい、聞いていませんと。今の若い人たち、正直だなあと思いますけれども、そういう病院もございました。私どもは研修医の答えを信じて評価しております。

PP22

5.2「プログラムが研修プロセスに沿って実施されていない」。スケジュールの設定、プロセスの評価が行われてない病院もございました。

PP23

Pg.5.3でございますが、「医療人としての必要な基本姿勢、態度を身につける内容がプログラムに組み込まれていない」。赤で示したのがインフォームド・コンセントを研修医に書かせてないという病院もございました。インフォームド・コンセントは必ず出すようにというフィードバックをかけております。先ほど、安全管理については申し上げました。それから、医療の社会性の研修は意外と行われてないということもわかりました。

PP

Pg.5.4「経験すべき診察法・検査・手技の研修がプログラムの中に組み込まれていない」。医療面接が卒前教育で行われているのですが、卒後、患者さんと対面するという意味において、医療面接の教育指導がやや欠けているのではないか。それから、基本的な臨床検査。自ら行うというのが厚労省の方針ですが、そういうことがない。それから、基本的治療法。治療法の適応決定が自分でまずやってみるということで、指導医がそれを指導しないで行うということが見られました。医療記録のことは先ほどスライド18Pg5.4.7で申し上げました。

PP25

Pg.5.5「経験すべき症状、病態、疾患について鑑別診断、初期治療」。これも赤字で示した通りですが、症例不足によって経験ができてないという病院もございました。

また、特定の医療現場、とくに予防医療の関与が少なくて、地域医療の研修に計画性が欠如し、小児・成育医療・精神保健・医療、緩和ケア・終末期医療の経験が乏しいということで、これは地域医療の現場に研修医を出しているのですが、そこの先生方との連携がうまくいかずに、プログラムがきちっとしたものがつくられてないということによって、計画性が欠如して、ほとんど基幹病院の関与が少ないのではないかということであります。

PP26

「まとめ」でありますが、行動目標・経験目標に関連した評価項目(Pg.5)の評価結果からは、80%以上の病院で適切と評価されました。

Pg.5に関連した評価項目で不適切(b、c)と評価された項目は以下に示す通りです。

行動目標は、医療人として必要な基本姿勢・態度の中の不適切と評価されたものを%で示していますが、患者-医師関係の中のインフォームド・コンセントが9%、チーム医療の中の2345)主としてコミュニケーションの問題ですが、この研修指導が十分に行われてない点が24%、それからEBM11%、安全管理、意外とこれが多いのは残念ですが、53%、症例提示、医療の社会性という順になっております。

PP27

経験目標に関しては、経験すべき診察法・検査・手技について、医療面接が24%と問題ある病院がございました。それから、基本的な診察法・検査・手技。診察法がきちっと教えられてないというか、独自のもので行っているということで、これは全て私どもは研修医たちのインタビューで確かめております。

先ほども申しました基本検査が自ら実施というのが少ない。また、基本的手技も28%、基本的な治療法14%。医療記録が、38%。経験すべき症状・病態・疾患が25%。頻度の高い症状・病態・疾患の経験が欠けているという病院が4分の1ぐらいにございました。緊急を要する症状・病態、これは少ない。経験が求められる疾患・病態25%、こういうことになっております。

PP28

特定の医療現場の経験が、19%に問題があった。特に予防医療の現場経験が少ない。周産・成育医療の現場経験が少ない。精神保健・医療の現場経験が少ない。臨終の立ち会い経験が少ない。こういうことであります。

PP29

外来研修を特に取り上げましたのは、私どもJCEPにおいては一般外来研修を重視して評価しております。要改善の病院はありませんが、7割程度の病院が適切に実施されておりましたけれども、2割程度の病院が要検討でありました。

一般外来はないという病院もございました。したがって、救急外来でやっているからいいのだと。

次いで3番目に、外来研修での指導医による直接指導、フィードバックを含めて、いわゆるOMPみたいなものが行われていない傾向にあります。

また、外来研修でのカルテ記載について適切な指導医によるチェックがなされておりません。外来における指導体制に問題があると結論いたしましたので、これについては、今年の第25回日本医学教育学会で発表いたしました。

○福井座長 少し急いでいただけますでしょうか。

○岩崎参考人 はい。あと、アンケート(PP30,31)でございまして、これは御参考までにお読みいただきたいと思います。また、PP32,33,34と評価の総括を示したものがあります。

PP35,36

これら2枚のスライドは、要望として、同じことを繰り返しておりますので、ここにまとめて書かせていただきました。

そのほか参考資料を載せておりますので、後でお読みいただきたいと思います。

御清聴ありがとうございました。

○福井座長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見等伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

高橋先生。

○高橋構成員 丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございました。第三者評価の重要性は非常によくわかりましたし、受けることが望ましいというのは事実だと思うのですけれども、実際にその第三者評価を全研修病院が受けることになった場合に、どのように対応、実際にまだ百七十数施設しか受審していらっしゃらない状態で、評価は可能でしょうか。

○岩崎参考人 可能だと考えております。現在、サーベイヤーが480名ほどおりまして、フル稼働することによって可能ではないかと。今、480名の中の、サーベイ、実際に行っておられるのはその中の1割程度ですね。それをフル稼働させればできないわけではないと。2年間に1回ですから、今、800ぐらいの病院で。そうなればいいと思っていますけれども、立ち上げて7年目を迎えるのですけれども、7年目で180という程度でございます。

○福井座長 神野先生、どうぞ。

○神野構成員 質問というよりは意見かもしれませんけれども、先生が問題提示された外来研修です。救急外来をイコール外来研修とするにはやはり問題があるというか、家族歴とか既往歴とか、いろんな背景を聞くのが一般外来でしょうし、救急は当たり前ですけれども、とにかく急いでやるというのが救急だと思います。そういった意味では、今、この臨床研修の到達目標に関して外来のコンピテンシーというのは余り大きな比重を占めてないように思うのですけれども。

○岩崎参考人 先生おっしゃるとおりで、到達目標の中にもきちっと明記されてないこともあって、外来はどうでもいいということで、一般的に救急外来でそういうことはやらせているからいい。それから、地域に出たときに外来研修を地域の先生たちが教えられていると。そういう答えなのですけれども、きちっとした外来の在り方というものを身につけないで、3年目からは指導的立場にならないといけないわけですね。指導していく立場に立たなくてはいけない。そういうことを危惧しているわけでございます。

○神野構成員 ありがとうございます。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

金丸先生、どうぞ。

○金丸構成員 岩崎先生、ありがとうございました。改めてこういう評価の姿が大事だということを認識させていただきました。細かいこういうことを踏まえて次に生かしていくと。さっき質問あったように、ぜひ全体にこれが動くように進むといいのかなと思ったところです。感想でした。

○福井座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

片岡先生。

○片岡構成員 ありがとうございました。

ちょっと教えていただきたいのですけれども、レッドカードが少数ありますけれども、これは同じ施設に集積しているのか、それとも、ほかの項目はいいけれども、何個かのレッドカードがある病院がたくさんあるのかといったあたりはいかがでしょうか。

○岩崎参考人 そんなにたくさんあるわけではないです。先ほど言ったように、8割はちゃんとやっているという。ただ、個々に見ていくとそういう場面があるということを申し上げたわけです。しかし、それは私ども評価する立場からすると、ささいだということではなくて、非常に重要なところの研修が十分に行われてない。

私は、きょう参考のところに書いてあるのですけれども、指導医と研修医とのかかわりが問題であって、1日に1回は指導医が研修医を見るという習慣がついてない病院が非常に多い。そういうことからすると、私は、研修医の数と指導医の数の適正数というのがあるのではないかと思っています。大病院は40名とか50名、もっと大病院になると100名近くというのが本当にそれで指導ができるのかということで、指導体制の在り方というものを私は考えていく必要があると。

そういう指導体制というのは方略の中で考えられることでありますので、指導医の数と研修医の数との適正数というもので決めていかないと、ただベッド数が多いからということだけで決められないのではないか。だから、ちゃんとした症例が得られるということ、そういうものが条件になっていくであろうと思います。

○片岡構成員 第三者評価、非常に重要だと思いますので、やはり理想的には全部受けるという方向性が必要で望ましいのではないかと思います。ありがとうございます。

○福井座長 ありがとうございました。

 清水先生。

○清水構成員 ありがとうございました。

スライド番号25の経験すべき症状ですが、症例不足のために、頻度の高い症状とかが経験できなかったり、症例不足でレポートが書けなかったりという、症状や病態の名称について、もしデータをお持ちでしたらお教えいただきたいと思いますが。

○岩崎参考人 ここに持ってきていません。

○清水構成員 またどこかでお教えいただけますと、次の目標設定のときに参考にさせていただけるかなと存じます。ありがとうございました。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

伴先生。

○伴構成員 卒前のほうはWFME(世界医学教育連盟)のベイシックというものをベースにした卒前の医学教育分野別評価が既にパイロット的に始まって、今年中にも『日本医学教育学会教育評価機構』が本格的に発足する予定なのですけれども、WFMEがポスト・グラジュエイトのグローバルスタンダードも提案していて、これは、日本で言うと卒後初期臨床研修と、それから先ほどの池田先生の専門医研修と両方をターゲットにしたようなグローバルスタンダードになっていると思うのですけれども、先生の機構では、WFMEのポスト・グラジュエイトのグローバルスタンダードというのはどのように考えておられますか。

○岩崎参考人 それは今のところはどちらかというとアメリカのACGMEを参考にさせていただいているということであります。先生から文献いただきました。まだそこまで手をつけておりません。ありがとうございました。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

それでは、本日予定していたヒアリングを終了したいと思います。岩崎先生、どうもありがとうございました。

最後に、3つのテーマでも結構ですけれども、何か御意見、御質問がございましたら、数分時間をとりたいと思いますが、いかがでしょうか。

どうぞ。

○清水構成員 池田先生はもうお帰りになってしまったのですが、先ほど議論にありました、例えば総合診療医について若い方たちに見える形での専門医の将来像みたいなものがちょっとわかりにくいのかなと思います。卒前から卒後、専門医に至るまで、一貫した明確な、つくりにくいのかもしれませんけれども、もう少しはっきりとしたモデルみたいなものがございましたら、きっと若い方々がそういうのを目指そうと思えるのではないのかなと思います。そういう意味で、最初からこの会で問題になっている卒前から専門医に向けてのシームレスな議論というのをもう少しどこかでやれたらいいのかなと思いました。

○福井座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 古谷先生。

○古谷構成員 私は学生とよく話をするのですけれども、学生と話をしていますと、とりあえず専門医まではとって、その後開業していこうとかいった意見がよく聞かれるのですね。そういう人生設計をしている方も多いと思うのですけれども、そうすると、専門医まではいいかもしれませんが、その後、生涯教育としてどのようにしていくのかという部分が、先ほど小森先生が提示されたような生涯教育プログラムというのが重要になってくると思うのです。そのときに、例えば専門医は、非常に専門性に特化した形にはなっていきますが、さらにそこから開業していくといったときに、もう少しいろいろブロードな形で知識をふやしていったり、かかりつけ医ですので、いろんなことに対応していけるという別の知識体系が必要になってくると思うのです。

そういった意味では、先ほど示されたコード表の中でも、特に、ある一領域だけでいいということから、もう少し幅広い領域を学んでいけるように、もしくは学ばなければそういったステータスが与えられませんよということがあったほうがいいのかなとちょっと思っているのですけれども、御意見ありますでしょうか。

○福井座長 小森先生、お答えになります? どちらでも結構ですが。

○小森構成員 古谷先生のおっしゃるとおりです。ただ、私ども、郡市区医師会も含めますと20万人の方が参画している団体として、やはりさまざまな声を包括して最適解を見つけるという大変苦しい作業の毎日がございます。さっき福井先生おっしゃられたようなことを含めて、ただ、日本医師会が担う作業というのは、今言われたような、生涯を通してどう支えていくかということと、もう一つは、さっき申し上げましたような、少なくともこれからそういった方がどれぐらい生まれてくるかは別としまして、いわゆる専門医を持っていらっしゃらない、さまざまな事情でそういう方々もいらっしゃる。しかしながら、医師としてやはり学び続けていく。それから、かかりつけ医というのを、大変わかりにくいと言われつつも整理してきた日本医師会の考えがございます。

 過去においては、もう少し狭く、開業医師のみを、なおかつ、内科の方々のみを指していた時代もございました。ただ、そうではなくて、全ての医師がかかりつけ医機能を持たなければならないと。このような時代の要請と、総合診療専門医の方々のみが担う時代が本当にいいのかどうかは別の議論ですけれども、総合診療専門医という方々が育ってくるためには相当な時間がかかる。

最も大切なことは、そういった機能を全ての医師が持つということで、ただ、機関決定をしていく過程の中で、私はそのときは違う立場で、石川県の医師会長をしておりましたので、個人的な意見は別途持っておりましたけれども、今こういう立場ですのであくまで公式的なお話しかできませんが、そういう中で、全ての医師を包含して、そして一つの教育体系をつくっていくという作業は大変難しいのですね。

 内科は医師集団の中で最も大きいので大変なのでしょうけれども、全ての医師のさまざまな御事情とさまざまな地域のニーズに応えて最適解をつくっていくということで、ある意味、場面的には最適解になってない部分がたくさんあるという御不満と問題点は承知しております。ただ、それを改良するという過程の中で我々が担うべき作業を着実にやっていきたいと。済みません。全然回答になっていないのですが。

○古谷構成員 苦しい御立場、よくわかりました。ありがとうございます。

それと、今回の専門医のお話ですごく気になっているのは、先生もおっしゃっているように、専門医を持たない人たちが物すごく不安になっている、もしくは専門医を持てないかもしれない人たちがすごく不安になっていて、もしかしたら医療機会を削減されてしまったり、処方できないお薬が出てしまったり、そういったことが起こり得るのではないかということですね。専門医を持たない、もしくは持つ予定がない方というのが結構いらっしゃるので、そういったことに関して今後どうなっていくのか、もしくはそういったところを医師会がうまく対応していっていただけるのかどうかということがすごく気になっております。ありがとうございました。

○福井座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

 田中先生、どうぞ。

○田中構成員 小森先生のスライドの1番目にイギリス、2枚目にフランスが出てきますけれども、要するに日本の臨床研修の位置づけから考えると、ジェネラルフィジシャン、GPになるトラックと、それから専門医になるトラックの両方の基盤になるという位置づけだと思うのですね。それは、GPの比率がどれぐらい、コンサルタント、スペシャリストの比率がどれぐらいというのは、いろいろ議論がありますけれども、どっちもなくならない、重要なトラックなので、その両方に共通する臨床研修という位置づけでは、フランスはモデルにちょっとなりがたいとなれば、やはりイギリスだと思うのですね。イギリスのファウンデーションプログラムというのも実はいろいろ批判もあって、既に改変されていると思うのですけれども、最新の状況についてどこかでリポートを誰かがしてくださると一番参考になるのではないか。特に評価方法と目標については、イギリスはそういうシステムは非常に進んでいる面もあるので、ここでの議論の参考になるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○福井座長 では、また相談したいと思います。日本人で、イギリスで医師になってプラクティスしている人が何人かおります。今後、可能でしたらそういう方からの話が聞ければいいのではないかと思います。

ほかにはいかがでしょうか。

 それでは、本日はほぼ時間になりましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

事務局より今後の予定等について説明をお願いいたします。

○吉本医師臨床研修専門官 本日はありがとうございました。本日は3回目のヒアリングということでしたが、次回も関係団体等からのヒアリングなどを行う予定でして、1028日に予定しております。また詳細につきましては追って御連絡させていただきたいと思います。

○福井座長 ありがとうございました。

 それでは、これで本日の会議は終了といたします。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ> 第6回 医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ議事録(2015年10月14日)

ページの先頭へ戻る