ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会新たな児童虐待防止システム構築検討ワーキンググループ)> 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会新たな児童虐待防止システム構築検討ワーキンググループ(第1回)(2015年9月30日)




2015年9月30日 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会新たな児童虐待防止システム構築検討ワーキンググループ(第1回)

○日時

平成27年9月30日(水) 12:30~14:30


○場所

中央合同庁舎4号館1208特別会議室


○出席者

委員

奥山委員 秋山委員 井上委員 岩佐委員
岡井委員 加賀美委員 加藤委員 作本委員
笹井委員 佐藤委員 菅野委員 辰田委員
中板委員 西澤委員 浜田委員 藤林委員
藤平委員 松原委員 武藤委員 山田委員

オブザーバー

法務省
文部科学省
警察庁

厚生労働省

木下大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭、少子化対策担当) 古川総務課長
大隈家庭福祉課長 田村虐待防止対策室長
小松虐待防止対策室長補佐 芦田虐待防止対策室長補佐
大津総務課長補佐 寺澤家庭福祉課長補佐

○議題

(1)座長選任
(2)幹事会の設置及び幹事について
(3)検討事項及びスケジュールについて
(4)検討事項についての意見交換
(5)その他

○議事

○小松虐待防止対策室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第1回「新たな児童虐待防止システム構築検討ワーキンググループ」を開催いたします。

 委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 なお、本日、泉谷委員、磯谷委員、平田委員からは御欠席の連絡をいただいております。

 また、岡井委員からは若干遅れるとの御連絡をいただいております。

 恐れ入りますが、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○小松虐待防止対策室長補佐 初めに、ワーキンググループの運営に当たり、委員の皆様へお願いがございます。

 視覚・聴覚障害をお持ちの方などへ情報保障の観点から、御発言等をされる場合には、発言者は挙手をする。挙手をした発言者に対し、座長から指名する。指名を受けた発言者は、氏名を名乗ってから発言するということを考えておりますので、御協力をお願いいたします。

 最初に資料の確認をさせていただきます。

 配付資料は、本日の座席表の下に、議事次第、A4縦紙1枚で「法改正のための検討事項の整理」という紙を御用意しております。

 左上ホチキスとじの第1回新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会、9月7日にございましたが、このときの塩崎厚生労働大臣の冒頭の御挨拶を資料としてお配りさせていただいております。大臣の御意向を踏まえて御議論していただきたいという趣旨でございます。

 右肩に資料1と書かれた、このワーキンググループの委員名簿を御用意しております。

 資料2と書かれた「『新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会』幹事会について」の資料を御用意しています。

 右肩に資料3-1といたしまして、ワーキンググループ検討事項(案)。

A3でございますが、資料3-2「児童虐待防止対策の強化について(案)」。

 資料4といたしまして「ワーキンググループの検討スケジュールについて(案)」。

 資料5-1といたしまして、児童虐待防止対策強化プロジェクト(施策の方向性)の全体像。

 資料5-2といたしまして「市町村、都道府県、児童相談所の役割等に関する児童福祉法の主な規定について」。

 資料5-3といたしまして「川崎市児童虐待防止センターについて」。

 資料5-4「児童相談所における介入機能と支援機能の分離状況」。

 ホチキスどめが欠落しているのですけれども、5ページまで続きます。資料5-5といたしまして「児童福祉司の概要」。

 資料5-6といたしまして「国家資格について」。

 資料6といたしまして、事務局の方で用意させていただいた検討事項実現のための論点。

 本日、資料7といたしまして奥山委員からの提出資料。

 資料8といたしまして、加藤曜子委員からの提出資料。

 資料9といたしまして、山田委員からの提出資料。

 以上を御用意しておりますので、欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。

 なお、本日のワーキンググループは公開で開催し、資料及び議事録も公開することを原則とさせていただきます。

 本ワーキンググループは9月7日に開催されました第1回新たな子ども家庭福祉のあり方専門委員会において、幅広く深く御議論いただくため、テーマを分けて議論を進めるために設置され、その後、委員の御意向を踏まえ、ワーキングメンバーの構成をさせていただきました。

 本ワーキンググループのメンバーにつきましては、資料1のとおりでございますが、時間の都合上、御紹介は省かせていただきます。

 次に、ワーキンググループ座長の選任でございます。

 本ワーキンググループの座長には、松原委員長の御指名により、奥山委員にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小松虐待防止対策室長補佐 御異議ありませんので、奥山座長には本ワーキンググループの座長をお願いしたいと思います。奥山座長は座長席へお移りください。

(奥山委員、座長席へ移動)

○小松虐待防止対策室長補佐 それでは、これより先の議事は奥山座長よりお願いしたいと思います。

○奥山座長 皆様、こんにちは。お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。

 松原委員長から座長をということでお引き受けさせていただきますが、何分、不慣れなものですので、どうぞ御協力をよろしくお願いしたいと思います。

 座長から一言。先ほど資料にございました前回の大臣の御発言をお読みいただくと分かると思うのですけれども、12月までに法改正に関する事項をこの検討会で検討しなければなりません。非常に時間が短い中で非常に詰めた議論が必要となってきますので、是非とも皆様の御協力が必要と思っております。

 また、大臣のお話の中にもありますように、新たな子ども家庭福祉を考えなければなりません。もちろん既存のものをベースにいたしますけれども、あらたな家庭福祉です。多分皆様方は自分の後ろにいろいろな団体がおありで、その団体が日々子どものために活動はされているのですけれども、皆様方が御発言いただくときには、団体のためであっても、それがどう子どもの権利を守ることにつながるのかということを頭に置いて御発言をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、議事に入りたいと思いますけれども、幹事会の設置及び幹事について事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○田村虐待防止対策室長 それでは、御説明させていただきたいと思います。

 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会、このもとには今この場で開催されております新たな虐待防止対策システム構築検討ワーキンググループ、それから、もう一つが、新たな社会的養護システム検討ワーキンググループの2つのワーキンググループが設置されております。それぞれ幅広い、深い議論が必要な課題もございます。また、そのワーキンググループ相互に関連する課題もあるかと思います。

 これらにつきまして、資料4を見ていただきたいのですけれども、新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の検討スケジュールについてということで、1として新たな児童虐待防止システムの構築検討ワーキンググループでございます。ここに大まかなスケジュール(案)というものを事務局案としてお示ししております。今、座長からもお話がありましたとおり、12月までに、そういう短期間の中でおまとめいただくということでございます。これらを踏まえまして、事務局として、どのように専門委員会及びワーキンググループの議論を進めていただくかということにつきまして、松原委員長に御相談させていただきまして、資料2をご覧いただきたいと思います。

 「『新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会』幹事会について」でございますけれども、資料2にありますとおり幹事会を設置させていただきまして、松原委員長を中心にワーキンググループ相互の議論の調整や連携、また議論の実務的な整理等を行い、専門委員会の運営を効果的・効率的に進めることとしたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○奥山座長 今、事務局から御説明がありましたが、幹事会の件につきまして、よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○武藤委員 武藤です。

 幹事会の件について少し御意見があるので、よろしいでしょうか。

○奥山座長 どうぞ。

○武藤委員 もう10名の幹事ということでお名前も挙がっているのですけれども、私としては人数が多いのではないかと思っております。その場でさらに審議だとか検討ということが多分行われるということになると思いますので、そういう意味からすると、この専門委員会がワーキングと幹事会との関係の中で多少二重構造的になってしまうのではないかという懸念があるところであります。

 幹事会を持つことは反対ではないのですけれども、各ワーキングに座長とか副座長などを置きながら、全体の松原委員長も含めて役割責任として5~6名ぐらいに絞ってワーキングに出た意見を十分に反映されるような方法というものがいいのではないかと思っています。いかがでしょうか。

 あと、今、団体というお話もあったのですけれども、幹事には後段の社会的養護のシステムについての検討ということになるわけですから、社会的養護の現場の意見が反映できるように、是非幹事に御配慮をいただけないかということで意見を申し上げたいと思っております。よろしくお願いします。

○奥山座長 松原委員長、お願いします。

○松原委員長 幹事会の構成をさせていただいた立場から、一言、二言、発言をしたいと思います。

 御指摘のように、少人数であればその分小回りはきくと思うのですが、後で議事に上ってまいりますように、非常に幅広の議論をしなければいけないので、個々優れた委員の方々に参加していただいてはいるのですけれども、人数が少ないと限界があるということで、幹事の数についてはこれで、私を入れて10人ですから何とか回るかなと思っておりますので、御了解いただければありがたいと思います。

 松本先生にお願いをする方のグループにつきましては、確かに幹事の中には現場の方は入っていないのですけれども、幹事会の構成の仕方として特にそういうことを意識したわけではなくて、今、申し上げたように、いろいろな立場から御意見をいただくということと、もう一つは、ワーキンググループでの御意見をこの幹事会に反映していただくということを主たる目的にしておりますので、是非武藤委員におかれましては、このワーキンググループで積極的に御発言いただきまして、それを幹事が反映をするということでさせていただけたらと思います。

○奥山座長 先ほど申し上げましたように、非常に短い時間に法改正というところまで持っていかなければならない。そういうことになりますと、たたき台、そして、ワーキンググループの意見の調整、まとめということがどうしても必要になりますので、それのための幹事会ということになると思います。基本的にはワーキンググループである程度を詰めて、最終的には委員会で決定するということになると思いますので、その辺を御了解いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○松原委員長 ワーキンググループの意見が十分に反映できるように、是非幹事会でも取扱いをよろしくお願いしたいと思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他に何かございますでしょうか。

 では、次にワーキンググループで議論する検討事項及びスケジュールについて、お話を移していきたいと思います。

 事務局から資料が提出されておりますので、資料について御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○田村虐待防止対策室長 続きまして、検討事項についてすが、資料3-1と3-2を見ていただけますでしょうか。

 まず、3-2のA3の大きいものでございますけれども、これは8月28日に児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会。その専門委員会の中で報告書として取りまとめをさせていただいた中に記載された事項というものを左側が事務局の考え方としての整理だけなのですけれども、法律改正を要することがあり得る事項が左側、運用・予算関連事項等々、法改正以外的なものが右側という形で報告書の内容を網羅的に整理させていただいているということでございます。

 戻りまして資料3-1のA4の1枚ペーパーでございますけれども、そのうち今、A3の資料3-2の中で特に検討が必要と考えられる事項というものを3-1に抜粋させて記載させていただいているということでございます。この資料3-1につきましては、前回9月7日の本専門委員会の中で事務局より提出したものと基本的には同じ資料でございます。

 もう一つ、スケジュール感の話で資料4を見ていただきたいと思います。

 検討スケジュールについてということでございます。今回、9月の第1回というところが本日のワーキングでございますけれども、この後、ざっとスケジュール感を示したものでございます。第2回、第3回、第4回という形でワーキンググループを進めていきたいと思います。数については3回になるのか、4回になるのかというのはまだ決まっておりませんけれども、私どものイメージとしては、こういった流れで進めさせていただきたいと考えているわけでございます。ここの間に※印があるのは、幹事会等がこの間の中に当然開催されるであろうということで印をさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

○奥山座長 ありがとうございました。

 ご覧になってお分かりいただけますように、非常にタイトなスケジュールになると思いますので、よろしくお願いいたします。

 何か御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、先に行かせていただきたいと思います。

 皆様のお手元の方に法改正のための検討事項の整理というA4、1枚の紙をお配りいただいていると思います。これに関しましては、実は松原委員長から座長をということで、松原委員長と私と、次の新たな社会的養育システム構築検討ワーキンググループの座長候補になっておられる松本委員と、先ほど来申し上げていますように時間的にタイトでございますので、法改正としてどのような検討が必要かというのをかなり詰めました。それを1枚の中にまとめてございます。

 左の項目と書いてありますところは、主にこういうところが関わるのではないかという項目ですので、そこにだけ関わるという意味ではございませんが、ある程度の分類があった方が分かりいいかということで、一番左の縦の欄はそういう形で分けております。

 検討事項でございますけれども、まず「理念」に関しましては、前回の会議で相当皆様から理念ということでの議論がございました。そういうことを含めて、やはり法改正として理念は非常に重要なのではないかということです。前回も非常に多くの意見として出ましたけれども、子どもの権利ということを含めて理念を整理するということが必要になってくるだろうと思われます。

 2つ目の「子どもと家庭への支援」というのは分かりづらいかもしれないのですけれども、今、児童福祉法ということで、子どもにしかなかなか目が行かずに、家庭支援ということがおろそかになっている危険性があるので、理念の中に家庭への支援、家族への支援ということも入れていくという方向性が必要なのではないかということ。

 3つ目は、これは大臣からのお話にもありましたように、国、都道府県、市町村の責務をきちんと分けて分かりやすくするということ。

 そして、全体に関する問題といたしまして「児童福祉法の対象年齢の見直し」をどうするかということが1つ挙がっております。これは親権が20歳まであるのに児童福祉法では18歳未満が対象ということになっておりますので、その間のブランクがございます。その辺の整合性をどうするかという問題であったり、これは恐らく新たな社会的養育システム構築の検討会の方で検討されるとは思うのですけれども、社会的養護を受けている方々あるいは要保護児童として育った方々の私たちの責務として、どの年齢までケアをしていく必要があるのか。あるいはケアをどのように次の担い手たちにつなげてくのか、トランジションということも含めて考えていく必要がありますので、この対象年齢をどう考えるかということが含まれてくると思います。

 ここまでに関しましては、新たな児童虐待防止システムの構築検討ワーキンググループと、新たな社会的養育システムの構築検討ワーキンググループ、長いので1と2ということでお話しさせていただきたいのですが、こちらを1といたしますと、1と2と両方で検討する事項というように考えております。

 次の「子ども家庭支援を担う専門職の資格化」、これは従来からいろいろお話が出ていたところですけれども、どんな資格がいいのかということを含めて、こちらの1で検討いたします。それに伴いまして、専門職をどのように配置する、それから配置といったときには定数の決め方とか、そういうことも含まれると思うのですけれども、そういう問題。そして、任用要件の問題ということに関しましても1で検討したいと思います。

 「子どもの権利擁護に関する機関の創設」ですけれども、先ほどの理念で権利ということを言っておりますので、その権利を本当に社会が守っているのかということを検討していくといいますか、見張っているようなオンブズマン制度に近いようなものを考えております。加えて、最近、子どもの後見人が児童相談所を訴えるということもございましたけれども、そういう形で子どもが本当に守られているのかということを代弁するような機能というのをどこかに持たせられないかということも含めて、これは1と2と両方での検討ということを考えております。

 「特別養子縁組制度の見直し」に関してですが、特別養子縁組は民法で規定されているわけですけれども、そのために支援がほとんど入らない状態にあるということが問題だろうということで、児童福祉法の中でも何らかの手当てができないかということ、および、特別養子縁組制度が年齢をもう少し引き上げるということも考えていいのではないかということを考えたいと思います。これは1の方で検討していきたいというように考えております。

 「統計(データベース)の整備と検証の強化」。統計の整備に加え、今、重大事例検証というのがなされているのですけれども、それの充実と、そこでは見逃しが結構あるということがございますので、子どもの死全体の検証の中で虐待事例の見逃しということがないような形で検証ができるという方法について、いわゆるChild Death ReviewCDR)と呼ばれるものについても検討するということで、これは1、こちらのグループでの検討とさせていただきたいと思います。

 「地域子ども家庭支援の拠点の整備」。これまでの御意見でも、子ども家庭総合支援センターみたいなものが必要ではないかという意見がありました。あるいは他のところで議論になっていますネウボラというようなものをモデルにしたような支援のあり方、いろいろなところを見据えながら、地域での子ども家庭支援の拠点をどう整備していくかということ。これは2の方で御検討いただくと考えております。

 「就学前の保育・教育の質の向上」ですけれども、これは待機児童の問題に関しては大分いろいろな形で整備がされてきたのですが、そういう待機児童という量の問題だけではなくて、質の問題があるだろうと考えます。このことに対して、対子どもに関しての職員の少なさとか、あるいは質であるとか、そういうことに関して、もう少し質を上げていかないと新たな子ども家庭福祉につながらないのではないかということで、これも2の方での御検討をお願いするということになっております。

 「虐待対策における母子保健の位置づけ」ですけれども、これは妊娠期から再発予防だけではなくて、母子保健は要対協の中でも非常に重要な役割を占めると思いますので、その位置づけということに関して、これはこちらの1の方で検討したいと考えております。

 児童相談所関係ですけれども、「通告・初期対応システムの整備」ですけれども、これは189ができた現在、児童相談所と市町村に二重になっている窓口をどうするのか。それに関して緊急の担当をどうするのかということもございますので、通告・初期対応システムの整備はこちらで検討したいと思っておりますし、「介入・支援機能の分化」も随分いろいろなところで議論されましたので、これもこちらで議論していきたいと思います。

 「一時保護・アセスメント機能の整備」ですけれども、たてつけといいますか、一時保護をしてアセスメントをする機能をどういうように持っていくかということに関してはこちらで検討が必要ですけれども、一時保護はある意味、社会的養護の一つでもございますので、そういう意味で2の方でも御検討いただくというように考えております。

 司法関与と申しましてもこれはかなり幅が広うございまして、保護の問題、治療命令の問題、いろいろございますけれども、それに関してもこちらの方で検討していきたいと思います。

 通所支援・在宅支援において措置という制度、つまり、行政処分という制度を使えないかということに関して提案をさせていただいておりますが、そのことに関しましては、こちらで検討していきたいと思います。

 一番最後は社会的養護を中心としたシステムに関してです。「継続的な自立支援システムの構築」。これは先ほど申しましたようにトランジション等を含めまして検討を2でお願いしております。

 そして「特定妊婦への保護・支援のあり方」ですけれども、今、特定妊婦の支援ということを要対協ができるようにはなったのですが、本当に困ったときにどこにどう支援をしたらいいのか。保護が必要なときにどうするかとか、そういったことが充実していない現状がございますので、そこに関してはこちらで検討していきたいと思います。

 それとも絡みまして、母子生活支援施設の機能です。一番上で子どもと家庭という話が出ましたけれども、家庭支援ということを考えますと、母子生活支援施設も今までは児童の施設としての母子生活支援施設でしたけれども、家庭ということも考えて、親ということも考えた中でどういうように支援をしていったらいいのかという意味でも機能の見直しが必要ではないかということで、これは2でお願いしていきたいと考えております。

 「里親・養親支援の強化」です。これも2でお願いをしていきたいと思います。

 「施設ケアの小規模化の推進と機能の向上。これに関しましても、施設ケアの小規模化ということに関しましては、必ずしも養護施設だけではなくて全ての施設。一時保護所も含んで考えるということで、これも2で御検討をお願いするというように考えております。

 「乳幼児の里親養育等の推進」です。乳幼児期というのはアタッチメント形成の重要な時期とも言われておりますので、その時期にできるだけ里親を推進するとか、あるいは里親だけではない、家庭の機能を持った養育のあり方ということを推進していくのをどうしたらいいかということに関しましても、2で御検討いただくと考えております。

 これは松原委員長と松本座長候補と私とで少し検討させていただいた結果ですので、皆様からまた他にということがありましたら御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○武藤委員 武藤です。

 社会的養護の分野で母子生活支援施設の機能の見直しということで、これまでの検討の中では項目的には入っていなかったのですけれども、今回、機能の見直しも含めてやるということであれば、母子生活支援施設の方も今、今後のあり方について、割とこれまでも調査したり研究したりしていますので、母子生活支援施設関係者に入っていただいて、そういう当事者も入ってもらった方がいいのではないかと思っていますので、ワーキンググループのメンバー構成の中に是非入れていただけるといいかなと思います。それが1点です。

 もう一点は、一番下の里親養育の推進ですけれども、これは乳幼児期が重要ということは分かるのですが、里親養育全般の推進に関しても、ファミリーホームの人たちも入っていますので、乳幼児期に限らず論議もしていいのではないか。中心的にはこの話題になるかもしれないのですけれども、是非よろしくお願いしたいと思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 当然里親養育の推進というのは全体に大きな課題ですので、それは含まれる問題と考えております。制度的にできるだけ乳幼児期の里親養育等を優先させるような方針ということに関して少し検討したいと考えてここに挙げさせていただいております。

  母子生活支援施設の状況、実態、その他に関しましては、少し事務局と詰めさせていただいて、資料をいただいたり、あるいは少しお話を聞いたりということもやっていく必要があるかもしれないと思います。ただ、委員を入れるということは今からはどうなのですか。

○西澤委員 委員の追加がどうなのかはよく分かりませんけれども、現時点でも全体のワーキングのどこで議論するかという位置づけがありますが、加賀美委員は母子生活支援施設理事長としては関係しておられるので、現状とか資料の把握というのは加賀美委員を通じて情報は得られるかなというように思いました。

 重ねてすみません。1ワーキングと2ワーキングのそれぞれ独自の課題が10個と7個でちょっとアンバランスですね。それで考えていたのですが、地域子ども家庭支援の拠点の整備は2の方でやるのだとしたら、通所・在宅支援における措置のあり方も2でやってしまった方が連動性はあるのかな。そうすると、9個と8個という形で、まあまあバランスをとれるかなというような。

○奥山座長 余り数にはこだわらない方がよろしいのではないでしょうか。

○西澤委員 すみません。

○奥山座長 通所・在宅措置支援が何故措置ということで1にしたかというと、行政処分という考え方なので1の方にと考えました。

 岩佐委員、どうぞ。

○岩佐委員 岩佐です。

 法改正との関係では、要はこういう論点をこの2~3回で議論しながら、目の前でできることや法改正にこの範囲で組み込めるとか、長期的になるけれども、こうするとかという振り分けも含めて、この議論の中で一気にやっていくという、イメージ的にはそんなイメージを抱いていたらよろしいのでしょうか。

○奥山座長 はい。それでよろしいと思います。

 よろしいでしょうか。

 武藤委員、どうぞ。

○武藤委員 今、母子生活支援施設の機能の見直しの検討の委員のことですけれども、加賀美先生のところでやってらっしゃるということなのですが、今までずっと業界が中心的に検討をしているのです。ですので、今までもこの委員の追加というのはずっとやってきたわけで、当事者を抜かした検討というのではなくて、必要であれば入れてしっかり検討するということを是非御検討願いたいと思います。

 以上です。

○奥山座長 松原委員長、どうぞ。

○松原委員長 いろいろな方に意見は是非伺いたいところですが、ワーキングを2つ作っていただいた意図というのは、この人数ではなかなか議論ができなくて、前回も本当に失礼な話でしたけれども、お一人2分とか3分でお願いをしてきたということがあるので、もし検討事項の中でそのチャンスがあれば、武藤委員がおっしゃる全母協の方からヒアリングをするということで、何かプレゼンをしていただくという形でいかがでしょうか。

○奥山座長 ヒアリングも含め、資料の提出とかもいただきという形で考えて、先ほどお聞きするというのはその意味で使わせていただいたのですけれども、いかがでしょうか。

 今から委員を追加するという形ではなく、全体の中で母子生活支援施設、先ほど西澤委員から7つだか8つだかと数えていただいたのですけれども、7つの中の1つということで、そこに関してのヒアリングをさせていただくということで。

○武藤委員 委員の追加ができないという理由がよく分からないのです。

○奥山座長 この委員会として委員があって、そして、ワーキンググループが委員の中でできているわけですね。そうすると、また委員会を開いて委員を追加してワーキンググループにならなければならないのだと思うのです。それは時間的に難しいのではないか。

 松原委員長、どうぞ。

○松原委員長 全体の委員会の中で私も発言させていただいていて、母子生活支援施設の意義ということを私自身痛感させていただいていますので、十分に私個人としても全母協の方とも連絡をとりながら、今お考えになっていることは反映できるように少し考えたいと思います。それで御勘弁いただいて、別に委員をシステム的に増やせないということではなくて、議論を実質的に深めていきたいという思いがありますので、これ以上人数が増えるのはいかがなものかなというように思っております。

○奥山座長 武藤委員、よろしいですか。

 では、委員会全体の取りまとめをしていただいております松原委員長からもそういう御意見でしたので、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○奥山座長 では、議論の本質に入らせていただきたいと思います。

 前回理念のことは相当皆様で御議論いただきましたので、本日はそれを踏まえて議論し、今後どこかの時点で再び議論したいと思います。

 本日は国、都道府県、市町村の責務、そして児童福祉法の対象年齢の見直し、それから子ども家庭支援を担う専門職の資格化、そして時間がありましたらば通告・初期対応システムの整備、介入・支援機能の分化というところにできれば入っていきたいというように思っておりますので、御協力をお願いいたします。

 それでは、事務局から参考資料が提出されておりますので、その御説明をよろしくお願いいたします。

○田村虐待防止対策室長 本日のこれからの議論でございますけれども、若干検討項目と違う部分はあるかもしれませんが、事前に事務局として、本日議論になるかなと思われたものとして一応議論の参考にということで揃えさせていただいている資料がありますので、それを御紹介させていただきたいと思います。

 まず、資料5-1から5-6、それから資料6というものでございます。続けて御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料5-1でございます。

 これは8月28日に副大臣等会議で決定されました児童虐待防止対策プロジェクトということで、この中にも施策の方向性ということでございますが、この全体像の中で特に2のところでございますが、関係機関の情報共有により最適な支援ということで、国、都道府県、市町村の役割、責任の分担が不明確等々、責任分担についての課題というのが挙げられているということで、これは前回のときの資料としておつけいたしますが、これも参考につけさせていただいております。

 資料5-2でございます。これが現行の法規の中で、市町村、都道府県、児相の役割等に関する児童福祉法の主な規定というものを整理させていただいているものでございます。

 資料5-3でございます。これは川崎市の児童虐待防止センターという組織でございますけれども、この概要ペーパーでございます。川崎市においては、児相とは違った組織、機関ということで、この川崎市の児童虐待防止センターというものを設けているというところでございます。そういった意味で、組織が児相とは別だという組織ということで参考までに御紹介をさせていただきたいと思い、おつけしていただいております。

 資料5-4でございます。これは私どもで調べたものでございますが、児童相談所における介入機能と支援機能の分離ということで状況を調査したものでございます。分離状況というのは1、2、3というような形で一体的にやっているとか、2のところで介入とその後の支援で担当を分けているとか、事例によっては分けている等々、メリット、デメリットも含めて、若干こちらで調べさせていただいた資料がございましたので、これもつけさせていただいているということでございます。

 資料5-5でございます。すみません、これがばらけてしまっていますけれども、5枚です。現在の児童福祉司の概要でございます。それから、参考資料がその後ろに4枚ほどついているということでございます。

 資料5-6でございます。この資格化の関係でございますけれども、国家資格というものはどういったものがあるかという形で、これを参考までにおつけさせていただいております。以下、2ページ以降に社会福祉士の概要であるとか、精神保健福祉士であるとか、そういった関連するものも若干つけさせていただいているということでございます。

 資料6でございます。本日、検討されると思われる事項でも3項目だけでございますけれども、これを実現する上での論点ということで、こちらの方で若干整理させていただいて、こういう問題があるかなということで論点として整理させていただいているというところでございます。

 以上、このワーキングの御議論の中で参考にしていただければという形で提出させていただいております。

 以上でございます。

○奥山座長 ありがとうございました。

 本日、資料を御提出いただいている委員がございますので、そちらからのプレゼンテーションを4~5分でお願いしたいと思います。

 まず、加藤委員からお願いできますでしょうか。

○加藤委員 加藤と申します。よろしくお願いいたします。

 私の方、本日の論点のおっしゃったものだけを少し取り出してみたいと思います。

 国と都道府県、市町村の役割の責務というところでございますけれども、市町村が支援提供をしているわけですが、児童福祉法の第10条では十分に支援というところが書き切れていないところもありますので、そこをきっちりと根づかせてもらいたいと希望します。

 資料1ページのところでは、前回私が市区町村の虐待対応の相談担当の専門職化というのも必要だというように申し上げて舌足らずでしたので、要保護児童対策地域協議会の調整機関と虐待対応の相談担当がどうあるべき、どういう位置づけなのかということを少し説明させていただいたものです。2と3ページです。市区町村の虐待対応の相談担当についても児童相談所と同様に専門職が必要であるということを訴えたいのが一点です。さらに 調整機関は、相談機関とは役割が異なることを示しています。6ページですけれども、地域の中で児童相談所と市町村の役割分担をしていく際に調整機関の役割は非常に大事になってくる。介入か支援については、支援に軸足をおく市町村が主たる機関になるのか、介入に軸足をおく児童相談所が主たる機関になるのかは段階ごとに連動しながら、変化をいたす事例もあります。そのため、要保護児童対策地域協議会の調整機関は、主たる機関がどちらかにあるかについて進行管理を含め、それぞれの役割を把握し、調整する必要のある場合もでてまいります。虐待対応相談担当者が調整機関役も兼ねている場合も多くあります。しかし以上のような役割をもつ調整機関独自の役割を果たすにはより専門性が担保される必要があります。今回の児童相談所の専門性とともに、市町村の虐待対応の相談担当者の専門性および、要保護児童対策地域協議会の調整機関の専門性について論議をいただきたいというように思っております。

 以上、この関係につきましては、この文と、あともう一つ、都道府県、国、市区町村の責務の中で、8ページですけれども、研修ということが項目の中には余り触れられておりませんでしたが、市区町村研修が必要なのですが、市区町村独自では行われにくい場合や、都道府県自身も研修に十分取り組めているところとそうでないところもあるため、国が都道府県への研修と並行して、へ国は市町村に対しての研修も行うことを視野に入れていただきたいと8ページに書いております。

 以上でございます。

○奥山座長 ありがとうございました。

 では、続きまして、山田委員にお願いしたいと思います。

○山田委員 山田です。

 ○山田委員 山田です。

 提出した三つの資料に統一性がなくて申し訳ないのですけれども、私からは、国、都道府県、市町村の役割と責務のところと、介入機能と支援機能の分化を中心にお話をさせていただこうと思います。

 まず、私の資料、資料9ですが、その中の1ページ目から数ページを飛ばしていただいて、後ろから3枚目です。勝手に「現状の問題点とりまとめ」とか表題を付けていますけれども、国、都道府県、市町村の役割と責務というので、この後、御説明する全体像から割り出して、こんなように大まかに分けられるのではないかということを記載しております。詳細はまた後でお話ししますが、国の責務としては、こちらのワーキングの大きな論点となっています国家資格化の問題。それを担うのは国の責務だろうということと、ナショナルミニマムですね。配置基準とか任用要件、こういったものを決めるとともに、それを監視、遵守されているかどうかの監督をするのが国の責務だと考えます。

 こちらのワーキングの課題になっています、子どもの権利の代弁をしたり、権利擁護がきちんとされているかどうかの評価をするセンターの設置主体も国が担うべきではないかというのが私の考え方です。それからデータベースです。データベースの取りまとめというのも当然国の仕事になるわけですが、その中に児童虐待統計だけではなく、奥山座長からもお話があったCDRChild Death Review)が実施されるのであれば、それの全体的な取りまとめも国の責務だと考えます。一昨年、昨年あたりから問題となっている居所不明児がなくなることを目指すような、そういった責任というのも国が担うべきではないかと思います。

 立法の専門家ではないので、法律用語としては不適切な文言があるかもしれませんけれども、都道府県の責務としては、今までやっていたこととして、児童相談所が今まで担ってきた業務が含まれます。それから、少してこ入れをしないといけないような特別養子縁組のあっせん等、そういったものを都道府県が果たすべき児童福祉制度として入れ込むことが必要だと思います。つまり、社会的養育のうちでも、主に家庭外措置の責任は都道府県ということですね。そして、本日の議論から外れるかもしれませんが、先ほど言ったChild Death Reviewの実施主体が都道府県になると思います。

 次に、市町村の責務ですが、要対協というのは今までと同じ既存の制度のことですけれども、要対協は、これまで通り市町村の責務になると思いますが、地域の支援センターの監督等も市町村の責務にしてはどうかと考えています。それから社会的養育のうちの在宅措置を市町村の責務として規定できないでしょうか。今後このWGで話していく在宅や通所の行政処分としての措置の責任は、都道府県等児童相談所にすべきか、市町村にすべきか難しいので、これは皆さんと議論したいところですけれども、そういうような内容をこの資料に書かせていただいています。

 どういった構想からこのような仕訳をしたかといいますと、私の資料の中で、資料9の2ページ目の上の方にポンチ図というのでしょうか、全体像を書いた図がございます。都道府県、政令市のところを見ていただきますと、189に通告を一本化して『トリアージ・センター』として、その後、『子ども保護センター』、『家庭支援センター』とフローが続くわけですけれども、現行の児童相談所が調査・介入と、支援の両方をやっているわけで、これを『子ども保護センター』すなわち、調査、アセスメント、介入を専門に行う部署もしくは機関と、支援を行う『家族支援センター』、名称はこの後、詰めていただきたいところですけれども、支援を行う部署もしくは機関と分けるという大まかな流れをこの図にしてございます。

 そして、その間、子どもが一時保護もしくは一時保護委託された場合は、一時保護所等に行くわけですけれども、特に一時保護所については、子どもがそこで何日間か、2カ月以内ぐらい、生活するわけですが、その行動等を見て、行動観察をして、きちんとアセスメントする。すなわち、保護をするという機能だけではなくて、アセスメントをする機能も入れてほしいというようなことで、こんな構造図になっています。

 では、何故、調査介入機関と支援機関を分けるのかと言えば、これは以前から、専門委員会でもたびたび指摘されているとおり、将来、保護者と保護者を支援していかなければいけないという任務を負っている、責務を負っていると、地域担当の児童福祉司さんがついつい子どもの保護に少し遠慮がちになっているということで、適切な保護がなされていないという実態を踏まえて、この部分は分けた方がいいだろうということと、また、保護者の側からも、子どもを保護した対象と、その人の指導を受けるということに対して、なかなか心理的な抵抗があるケースも多いだろうということで分離してはどうかという御提案でございます。

 つけ加えますと、『トリアージ・センター』のことで、事務局から川崎市の取組が資料として出ているわけですが、川崎市児童虐待防止センターというところが受けている通告が川崎市内児童相談所及び川崎市内全区から受けている通告のうち何%を占めているのかというのが分からないので教えていただきたいです。と言うのも、このモデルが資料として適切かどうかというのが私は判断ができないなと思って見ていたのです。

 例えば、大阪市などはかなり一本化して通告を受けているということを伺っているので、むしろ大阪市などのモデルの方が、このポンチ図に載せた『トリアージ・センター』には近いだろうと思われます。もう少し説明すると、189とか、以前のナビダイヤルとか、そういったものにかかってきた通告電話だけを『トリアージ・センター』が扱うのではなくて、個別の児童相談所にかかってきているもの、また、市区町村の児童虐待通告窓口にかかってきているもの、それらを全て一本化して、そこでどこが調査すべきかを振り分けていくというイメージの『トリアージ・センター』を構想しています。

 そうした場合、振り分けの基準も今後もっと詰めなければいけませんが、私の印象としては、面前DVとか、泣き声通告を含めた心理的虐待は主に市町村が初期対応・初期調査をして、それ以外のもの、ネグレクトももしかすると市町村対応になるかもしれませんが、身体的虐待とか性虐待、また中等度以上のネグレクトについては児童相談所もしくはここで書いてある『子ども保護センター』というところが調査をするというような振り分けになるのではないかと考えていて、そうなると、現在の市町村が受けているものと児童相談所が受けている通告とを考えると、多分、児童相談所通告は全体的に減っていって、市町村通告が増えるというような形になろうかと思います。そうした場合、市町村が今のキャパシティーで『トリアージ・センター』で振り分けられてきた初動調査・初期対応ができるかということがこの構想の場合、一番大きな課題になるかなということです。

 以上です。

○奥山座長 ありがとうございました。

 今お話が出ましたように、先ほどの武藤委員からのお話もそうなのですけれども、いろいろなもっとこういう情報を知りたいとか、あるいは今の大阪は一体どうなっているのか、あるいはこれはこちらの検討事項ではないのかもしれないのですけれども、母子生活支援施設がどういうお考えでいるのかというのを知りたいとか、これを知りたいということがあったら是非お出しいただいて、委員の方々の中で御自身がここにあるよというのをお伝えいただいてもいいですし、事務局の方で少しお調べいただくということもあると思います。短期間の中の議論でございますので、多くの資料が必要だと思いますので、こういう資料をみんなで共有したいというのがありましたら、是非御連絡いただければと思います。よろしくお願いします。

 私の資料ですけれども、恐らく本来であれば幹事会の方でたたき台を作って皆様にお示ししてという形になるのでしょうが、そういう形になるかどうかが分からない状況でしたので、私の方で少し以前にお出しした資料につけ加えて書いてございます。ただ、ほとんどが以前の資料と同じなので、議論の要点だけ少しお話をさせていただきたいと思います。

 理念に関しては、前回お話がありました。国、都道府県、市町村の役割というものを大まかに言うと、国はやはり現状の把握と制度・施策、そしてミニマムなものを最低ラインの提示ということと同時に、それが守られているかどうかのウオッチングということになるのだろうと思います。そして、都道府県の方では、これが行政処分といったとき、都道府県だけではなくて、政令市及び今、児童相談所を持っている中核市も実は行政処分をしているわけですので、そこの役割というのは非常に難しくなるなと思いつつ書いたのですけれども、行政処分の実行とその責任があるだろう。それから、それに関わるソーシャルワークがあるでしょうし、市町村へのサポート。そして、行政処分を使った支援の枠組み作りということがあるだろうと思います。

 市町村では、子ども家庭支援のフロントラインとして、民間も活用しながら行っていく。母子保健を中心とした予防、早期発見、そして、福祉としての実際の支援、ソーシャルワーク、連携のかなめになるといったようなことがあるのではないかというような形で思いつくままに書いてみました。たたき台として皆様からまたいろいろな議論がいただければと思います。

 次の資格化に関してはいろいろな考え方があると思うのです。これは私が最近考えついたのを書いてしまったのですけれども、大きくは独立の資格とするのか、既存の資格の上のさらに専門性のある資格にするのかというのが1つ大きな論点だと思っています。

 2つ目は、既存の資格の上に乗せる資格というように考えた場合には、どんな資格の上に乗せるのか。つまり、1つの資格の上に、例えば社会福祉士を持っている方が子ども家庭福祉士としての資格を取るような形にすべきなのか、それとも介護、ケアマネさんのような形で、いろいろな資格の方々で実務経験がある方が取れるような資格というのもございますので、どこにモデルを求めるのかということもあると思います。それと任用要件をどのようにリンクさせるのかという問題がありますし、それが本当に煮詰まってきたら、今度は移行措置をどうするのかということも問題になってくるだろうと思います。その辺を今後のプロセスとして考えていかなければいけないと思います。

 児童相談所の改革、機能分化は、山田委員からかなり御説明があったので重なってしまうと思うのですけれども、とにかく今、通告が二重に市町村と児童相談所に入っているといことをどう考えるべきなのか。そして、一本化するとしたら、どういう形にするのだろうか。これは前回お示しした図は、究極の到達点みたいなところをお示したので、通告をどう受けて、どう振り分けて、どういうところがやればいいのか。山田委員も常々おっしゃっておりますけれども、市町村で受けたら市町村で調査しなければいけない、児相で受けたら児相が全部調査しなければならないという今のあり方が本当にいいのかということもあると思います。

 そういったことを含めて議論をしていきたいというように思いますし、機能分化に関しましても、機能の分化なのか、機関の分化なのかというのは非常に大きなところだろうと思いますし、介入のところは比較的分かりやすいのですけれども、支援の機能を児童相談所がどこまで持つのかというところもまた議論になるところかなというように思います。

 そして、子どもの権利保護に関しましては、先ほど申し上げたように、制度としてのオンブズマン制度のようなものと同時に、子どもの声を代弁して、児相が上手く子どもの保護に働いていないときに子どもの声を代弁する制度というものがつくれないかということを議論したいと思います。

 あとは少し2の方とも関係することになってしまいますので、先へ行きます。今の状態では分離なのか在宅なのか。その間のケアということを是非お考えいただくという中での中間的なケアに関しての通所を行政処分としてできないか。そこに一般であればお金を払ってそのケアを受けに行くようなところを少し補助するというような形も考えられないか。つまり、お金がないということでそういう通所をすることを拒否しているような家族に何らかの手当てができないかということを考えて書かせていただきました。そのようなところで少したたき台として私が書いてきたことに関しての説明は終わらせていただきたいと思います。

 加藤先生、山田先生を含めまして、何か御質問はございますでしょうか。これはあくまでも個人的な意見ですので、これからこれに関して議論をしていくということになると思います。何か確認しておきたいとかございますでしょうか。

 では、まず、総論のところから入りますけれども、一番最初に、対象年齢のことの議論をしていきたいと思います。

 対象年齢ですけれども、先ほど申しましたように、こちらのグループといたしましては、ケアリーバーといいますか、自立のところの問題ではなくて、親権が20歳までであるのに児童福祉法の対象が18歳未満であるという点。また、18歳という年によって規定しているので、同じ高校3年生でも、その誕生日が来てしまうともう対象にならなくなるとか、そういった問題がございますので、その点に関して少し御議論いただきたいと思いますが、どなたか。

 山田委員、お願いします。

○山田委員 山田です。

 今、奥山座長がおっしゃったうちの後段の部分ですけれども、私のNPOでは、通告の仕方に関する研修を全国で展開しているのですが、そのときに、かなり養護教諭の先生とかスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの方たちが受講してくださるのですが、高校3年生から虐待を打ち明けられて通告をしようとしたときに、同じ高校生なのに18歳の誕生日を迎えていると、もう児童相談所が通告を受けてくれないという御指摘をたびたびいただいています。これは、就学して学齢期に入ると、いきなり学年という枠組みに変わっていって、1学年で1つの固まりになっているのに、高校3年生になったら、途中18歳になったから、18歳になった子は児童保護の対象にならないというのは、いかにも不公平、不合理だと思われます。ですので、せめて18歳になる年の年度の終わりまでは、改正児童福祉法の対象年齢にしていただきたいということです。

 以上です。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他に御意見ありますでしょうか。

 加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 加藤です。

 私は実務者会議にて要保護児童対策地域協議会に関わっておりますが、中には無所属で無職の少年たちの事例もございます。ところが、要対協は18歳未満を対象にしておりますので、18歳を超えると終わりという形で対象外になってしまいます。1819歳というところをカバーできるような形で何らかの対策ができないかと思うわけです。本日、私の方のレジュメを出させていただいた資料8、10代の妊産婦さん調査を母子保健に協力を得て行ったところ、1619歳の妊産婦さんで、この13ページですが、居住が定まらないというようなパーセンテージが示されています。そういった子たちがどういう行き場があるのかということについても考えていく必要があると言えます。是非1819歳にも取り組め、カバーできるような形で考えていただければいいかなと思いました。

 以上です。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他にいかがでしょうか。

○岩佐委員 たびたびすみません。岩佐です。

 個別の不都合というのは、今、それぞれの委員の方からお話もあったとおりで、私どもというか、弁護士も1819歳の自立のケースで、結局親権停止とか親権喪失しか使えないというような状況の中で非常に不便を感じているので、そこの問題が個別に大きな問題があるなとは思っています。

 他方で、私もちゃんと勉強できていませんが、何で最初に18歳で線を引いたのかとか、1819歳に増えていくときにどういうようなケースの広がりを見せるのかというと、当然それに対する体制もあるので、そういうところに乗り越えられる理屈をつくりながら、中身としてはそういうケースが救えるように年齢の再検討はしていただきたいと思います。

 あと、現在、民法の成人年齢の関係もあって非常に微妙な論点とも思いますけれども、ただ、この件に関しては、できればそういう方向で検討していただきたいと思っています。

○奥山座長 辰田委員、お願いします。

○辰田委員 八王子児童相談所、辰田です。

 今、18歳の年度末という話が出ていますけれども、あくまでもそれは学校に行っているときの話で議論されていると思います。では、定時制に行っている4年生の子はどうするのか、また、就労している子についても18歳になったけれども、学校に行っていない等、年度末の、議論が合わなくなってくる。18歳という年齢なのか、20歳なのか、年齢で線引きをする考え方の方がいいと思います。

○奥山座長 児童相談所として18歳から20歳までで、非常にケアとして困るとかということは結構ありますか。

 藤林委員、どうぞ。

○藤林委員 福岡市こども総合相談センターの藤林です。

 実際はありますね。18歳、保護してしまったら実は誕生日を超えていましたというケースがあったりもするわけですし、女性の場合には婦人保護がありますけれども、男性の場合に本当に何もないというところがあったりします。その意味では、20歳未満まで適用年齢を上げるというのは非常に大事ですけれども、もう一つの考えは、例えばマイナーな話ですけれども、里親委託中とか施設委託中の子どもで18歳を超えた子どもが上手くいかないというときに一時保護で少し離すといった場合も考えられるわけですけれども、原則一時保護は18歳未満なので、これは違法なことになってしまうというような問題もあったりいたします。

 その意味で、適用年齢を20歳未満まで引き上げるというのは、今までできなかったことができていく非常に大きな改革だと思うのですけれども、同時に受け皿も大事で、では18歳以上の子どもを一時保護した。その子どもたちがなかなか就労もできない、進学もできないといった場合にどこでケアを受けていくのかといった場合に、今の児童養護施設でできるのだろうかとか、自立援助ホームは原則就労が条件であったり、毎月3万幾ら払わないといけないというところもあるので、社会的養護全体の18歳以上の子どもに対するあり方というのと非常にミックスしたところもあるかなと思っています。

 以上です。

○奥山座長 よろしいでしょうか。

○菅野委員 滋賀県彦根児相の菅野です。

 確かに1718歳というあたりで、最近、児童相談所が取扱うケースというのが出てきて、一番困るのが、どこに次、サポートしてもらうところでつないでいくのかということと、この年代の親御さんとの対応というところでも苦労することが多いですし、もうある意味1718歳という大人として扱っていくというところで、児童という範疇で私たちも扱い切れない。本人さんの意思というものも大事になってきます。そのあたりで非常に苦慮しているのは確かにあります。成人年齢というところに上げていただくと、親御さんとの関係というところではいろいろなものが整理できるのかなと思うのですが、また誕生日の話は一緒のことが出てくるのかなと思います。ただ、今まで児童相談所がこの年代のところの相談とかサポート、社会資源的にも整備されていない状況があるというところで、本当にこの子をどういうようにサポートしてあげたらいいのだろうというのは一時保護しながらの悩み。もう誕生日が来てしまう、でも18歳以前に一時保護したからこれは続けようねという形で現実的には仕事をしているというのが実情です。

○奥山座長 ありがとうございました。

 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員 論点は多分出ていると思うので、成人年齢に合わせてそこに引き上げるという形になるのだろうなとは、その方が現場としてもやりやすいだろう。ただ、出口の問題というか、そこについてはまた社会的養護のシステム。例えば、今、出ていたような自立援助ホームの問題なども含めてワーキング2の方で議論していかなければいけないですが、そちらの受け皿がないから20歳まではいけませんというのでは拙速な議論になってしまう。

 それと、先ほど岩佐委員から、なんで18歳なのかというので、私も全然頭になかったのですが、推測するに、恐らくその当時のアメリカのこういう子どもの保護政策が18歳までだったので、それが多分導入されたのではないか。アメリカはそれ以降ずっと変わっていまして、今、28歳ぐらいまでになっているのですが、日本はその改革をしてこなかったのでついてきていないというのが現状ではないかと思います。

○奥山座長 ありがとうございました。

 浜田委員、どうぞ。

○浜田委員 大阪で弁護士をしております浜田です。

今、個別の話が出てきましたが、岩佐委員のおっしゃった理念の話のところに戻るのですけれども、今後、法改正によって成人年齢が変わり、20歳が18歳になってということになる可能性がありますが、一方で、今、西澤委員がおっしゃったような、今度は成年になった人もこの法律の中であくまで支援を提供していくのだということになると、そもそもの理念のつくり方のところがどうなるのか。未成年だから保護・支援するのだという枠組みとは全然違って、大人、成年、成人であるにも関わらず、これこれの理由に基づいて支援するのだというような大もとのたてつけのところをきっちり考えておかないと、法改正がなされた場合に、成人年齢が変わってしまったけれども、どうしましょうかということになってしまうというのが怖いなと思います。

 個別の議論がいろいろある中で、でも、こういった理由で、成人になっているけれども我々はこの年齢まで支援していくのだ、としっかり説明できるような理念をちゃんと持っていかなければいけないのだろうなというように思っております。

 以上です。

○奥山座長 ありがとうございます。

 今、成人年齢が変わったとおっしゃったのですけれども、確かに選挙は変わったのですが、親権のところは変わっていない。

○浜田委員 ごめんなさい。変わっていくとなると、ということです。申し訳ありません。

○奥山座長 どうぞ。

○西澤委員 西澤です。

 アメリカの場合、州によって違いますけれども、いわゆる日本で言う児童福祉法によってカバーされるのは18歳までのところが圧倒的に多いですね。だけれども、その後の社会的自立に向けて別の法律を作って28歳ぐらいまでのサポートを入れるというようなたてつけになっているところが多いと思うので、今回の児童福祉法の改正では、例えば現時点の成人年齢である20歳まで引き上げておいて、でも、その後の支援、必要な支援はまた別法でという考え方にしておいた方がすっきりするかなとは思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 浜田委員、どうぞ。

○浜田委員 浜田です。

 西澤委員に今、うまいことまとめていただきましたけれども、要するに、その辺までこの児童福祉法という法律の中でやるのか、それとも別の法律で規定するのかということも含めて、きっちり考えていかなければいけないということを指摘させていただきたかったということです。

○奥山座長 武藤委員、どうぞ。

○武藤委員 社会的養護現場、とりわけ児童養護施設等で里親も含めてそうですけれども、里親で暮らす子どもたちも含めて、なかなか社会的自立が困難な子どもたちも増えている現状であります。とりわけ中学生、高校生時代でなかなか親との関係が上手くいかなくて、そこから社会的養護の保護が始まるというような子どもたちも現に多くなってきているという状況であります。

 ですので、この年齢に関しては、他の法律との関係などからすると、18歳という部分については、ある程度原則的には必要なのかもしれませんが、4年ほど前に児童養護施設等では措置延長の規定というものを新たに見直しして、積極的に活用しましょうということで、措置延長をする子どもたちも結構増えてきているのです。その措置延長というのはいつまでするのかということで、今、20歳未満ということになって、20歳になったらだめですよということになっているのですけれども、中にはもうあと1年とか2年見ていかなければという子どもたちも中にいるわけで、法律は法律ですけれども、制度としてそれをカバーするような制度、そういうものを作ってはどうかと思ってはいます。ですので、子どもの状態で特例として、こういう場合は21までとか22ぐらいまでは見ていいというようなことも含めて、そういうような規定ができないものかと思っているところであります。

 いずれにしろ、緩やかな自立をしていかなければいけない子どもたちがあって、いきなり他の福祉の制度にぱっと移行するということにはなかなか難しい子どもたちもいるので、そういうことをつなげていくという意味からも含めて、措置延長のもっと活用と、それから、年齢要件の緩和、そういうことを考えていく必要があるのではないかと思います。

○奥山座長 ありがとうございます。とても重要な議論なので、これは2の方でも是非十分な御議論をいただきたいと思います。

 まず、入り口のところでといいますか、親権との整合性というところで、とりあえず今の成年年齢に合わせたいということに関して、どういう法律の中でのどういう取扱いになるかは別として、これに関して、そうではない、18歳で切るべきだという方はございますでしょうか。何かそういう御意見はございませんか。

 では、どんな形で、先ほど西澤委員からも同じ法律でいくのか、その辺をどうするのかということも含めて、また2の方での議論もあると思いますので、それを踏まえて今後また検討して、恐らく幹事会の方でまた新たなたたき台を作って皆様にお示しするというような形になるのだろうと思いますけれども、そのような形で議論を進めていきたいと思います。

 では、続きまして、どうぞ。

○芦田虐待防止対策室長補佐 虐待防止対策室長補佐の芦田と申します。

 児童福祉法で現行18歳となっている理由につきまして、一応事実関係だけお伝えいたします。

 児童福祉法における児童の年齢は18歳未満となっていますけれども、法律によりまして、児童の範囲はさまざま定義されております。児童福祉法につきましては、参考にしたのが労働基準法で、労働基準法で18歳未満を年少者として保護の対象としている。それを参考として、児福法でも1つの保護年齢と考え、18歳未満としたものです。

 以上です。

○奥山座長 ありがとうございました。

 余り宿題にすると事務局は大変なのですが、できましたら、例えば少年と言ったり、児童と言ったり、子どもと言ったり、いろいろな法律があると思うのですけれども、その辺の何歳ぐらいまでがどうなっているのかという整理をしていただけると非常に参考になると思うのですが、いかがでございますか。よろしゅうございますか。お願いいたします。

 どうぞ。

○岩佐委員 先ほど発言した関係で、私も年齢を引き上げた方がいいと思うのですけれども、それに合わせて、大体どんなことになっていって、それによってどういう体制整備をしないといけないのかという視点はとても大事だと思いますので、そこは是非並行して御検討をお願いしたいと思っています。

○奥山座長 また少し案とかができましたらば、その中で議論をしていきたいと思います。

 次に、国、都道府県、市町村の責務について、どなたか御意見ございますでしょうか。事務局からの資料もございますので、ご覧になっていただきながら、資料5-2ですか。話が大き過ぎてついていけないですか。そうしたら、これは後に回しましょうか。どうでしょうか。

○岩佐委員 何回もごめんなさい。余り意見が出ないので、岩佐です。

 特に市町村の役割の関係で、先ほど山田委員から出ている初期調査を部分的に担うのか、そこは担わずに基本的に支援的な役割で、むしろトリアージセンターとかどこかセンターがあったら基本的には初期調査は児童相談所になるのか、そういう専門機関になるのか、そこを市町村がどう絡んでいくのかということによって市町村自身の役割がかなり変わってくるのかなというような印象を受けました。

○奥山座長 山田委員、お願いします。

○山田委員 端折ってお話ししたので分かりづらくて申し訳ございませんでした。現在は、奥山座長からも御説明があったとおり、通告を受けたところが調査をするというたてつけになっています。これは児童虐待防止法第8条にそういうように明記されていて、市町村が受ければ市町村が調査をしろ、児童相談所が受ければ児童相談所が調査をしろとなっているわけですけれども、例えばもう少し具体的に言うと、面前DVは警察からほぼ一律、児童相談所に通告が入っています。その場合、児童相談所が面前DVを調査しなければいけないので、結構広範に走り回って調査をしなければならないけれども、DV被害者が子どもを連れて、DV加害者から離れることは少なく、在宅支援でおさまっていることが多いという現実等を見ると、面前DVや泣き声通告は市町村が調査をするという体制に『トリアージ・センター』で振り分けた方がいいのではないかという趣旨でございます。

○奥山座長 岩佐委員、よろしいでしょうか。

○岩佐委員 多分市町村に来たものは市町村が調査をするというのは、調査の内容にもよって、今の児童虐待防止法の読み方というのは、そう単純に読むかどうかという論点はあるとは思うのですけれども、いずれにしても私の趣旨としては、あるべき仕組みとして市町村をどちらの方にどう位置づけていくのかというところについて議論が要るのではないかという趣旨です。

○奥山座長 ありがとうございます。

 恐らく、岩佐委員がおっしゃったように、これから先、通告を受けて、それをどうするかという議論になったときに、例えば市町村がどういう役割になっていくのかというのがさらに細かくなると思うので、ここが非常に重要なポイントなのだと、つまり、常に市町村、都道府県、国の責務ということを考えながら議論する、法律のことを考えていくということで、このあたりにして、議論が進んだところでまたここへ戻って議論したと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 井上委員、どうぞ。

○井上委員 市町村の話が出ましたので少しつけ加えたいと思います。

 こういった虐待のケースの場合はポピュレーションで見ていきますので、市町村から出てきて、そして、ひどい場合は県の方に対応していただいて、また市町村に戻ってくるという形になります。

 ですから、市町村の役割としてあるのは、例えば小さいときからの育ち、学校、特に子どもの年齢が小さい場合は予防接種とか健診とか、そういったもののデータは全部市町村が持っているわけです。ですから、たとえ児童相談所への通告があったとしても、児童相談所が必ず市町村にその方たちがどういう状態で育ってきたのかということを明確にしてくださいという指示を出して、その資料をいただかない限りは、児童相談所は対応できないと思います。ですから、私たちはそこを明確に分けるのではなくて、情報の体系のあり方をしっかり考えていくという方向で行かないとこの話は進まないのではないかと思いますので、それをつけ加えたいと思います。よろしくお願いします。

○奥山座長 ありがとうございました。

 加賀美委員、どうぞ。

○山田委員 もう一点だけ、よろしいでしょうか。

○奥山座長 今、加賀美委員を先に。

○加賀美委員 この議論、責務と括っていますので、役割と責任という2つの中で議論した方がいいような気がしているのです。というのは、一番冒頭の総論というところで考えると、今、市町村の役割というところと責任というところを一緒に考えてしまうと、多分、今のような議論になっていってしまって、議論が煮詰まらない。つまり、後の方で役割ということの議論をするわけですから、そこから始まって戻って責任というようなところに返ってくるというやり方もあろうかとは思うので、余りそこで詰めていくというのは難しいかなと思いました。

○奥山座長 ありがとうございます。

 山田委員、お願いします。

○山田委員 同じです。

○奥山座長 ということで、役割と責任ということを少し分けて考えていこうという御意見で、確かにその形で整理ができるといいかなと思いますが、他にいかがでしょうか。

 では、この問題に関しては、またいずれ戻って議論になると思いますので、次に、児童福祉士、子ども家庭福祉士、あるいはいろいろな呼び方があると思うのですけれども、子ども家庭に関わる専門家の質の向上と国家資格化というところに議論を移したいと思います。どなたか口火を切っていただける方はおられますか。

 岩佐委員が以前、かなり国家資格化が必要ということをお話しいただいたと思うのですけれども、何かつけ加えることはございますでしょうか。

○岩佐委員 私の中では、これからまた検討されると思うのですけれども、さまざまに検討すべき点があると思うのですが、最終的にはそういう資格を持って専門的に対応される方がやっていただくというのが到達点であろうと。学校の先生とかがこれだけ大学の教育システムを受けて専門資格を持って教育に当たっておられる。虐待を受けた子どもに対して対応する人についてはそういう背景がない。ないというと言葉がきついですけれども、というのは余りにも違うのではないかとは思っております。

 本日の加藤委員のお話もお聞きして思ったのですけれども、この専門性の問題と、専門性に対する研修というのがまた非常にセットになっていて、例えば一定の専門家でも大学教育がかなり充実していて専門資格を持ってやる場合もあれば、そうでない場合もあると思うので、例えば資格を受けて児童相談所に任用されたらその後、半年ぐらい研修所に入ってそこで例えば研修を積むとか、分からないですけれども、そういう研修ともまた合わせてセットで考えていかないといけない問題かなと思っております。

以上です。

○奥山座長 辰田委員、お願いします。

○辰田委員 八王子児童相談所の辰田です。

 岩佐委員もおっしゃっているところで、当然国家資格として、は知識も大切ですけれども、経験、が、とても重要です。資格を取ってから1年目から担当するわけですが、子どもの命を預かるということ。研修として、例えば家庭裁判所調査官などは、採用されて2年間ぐらい研修されて、そして就くという話を聞きます。ですので、2年というのは長過ぎますけれども、半年、1年、そういった研修、また実務経験を積んだ上で資格としてその配置につく。そういったことも考えていってもいいと思います。

○奥山座長 菅野委員、どうぞ。

○菅野委員 滋賀の菅野です。

 今、多分児童福祉司というところら辺の資格化という話がこの前からの流れの中で出ていたかなと思うのですが、児童相談所では児童福祉司もいますし、児童心理司もいますし、あとは国家資格を持った保健師であるとか、いろいろな職種の方が働いておられるのです。

 ずっと私は児童心理司をしてきたので、例えば児童福祉法の第12条の3というところで、相談所の職員にどんな人を置きましょうという記述があるのですけれども、その中で心理職の項目を見ると、いわゆる心理で診断をしたりするパートに大卒、4年制大学で心理学を勉強した人間が1人いればいいというような規定があります。現実にそんな児童相談所は全然ないのです。これは、児童相談所だけではなくて市町村で働く人であるとか、この後、いろいろ検討されるシステムの中で子ども家庭支援に当たる専門職というような位置づけになるのかなとは思うのですけれども、現状に合わせるということと、いわゆるソーシャルワークだけではないところにも少し視野を広げていただけるとありがたいと思います。

 以上です。

○奥山座長 ありがとうございます。

 山田委員、どうぞ。

○山田委員 9月7日の委員会を受けてのご提案だと思うのですが、9月17日付で児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会、委員長、松原様ということで、日本社会福祉士会、日本精神保健福祉士協会、日本社会福祉士養成校協会、日本精神保健福祉士養成校協会、日本社会福祉教育学校連盟、日本社会福祉学会の6団体の代表から、提案及び依頼というものが出ています。全文を読み上げるととても時間がかかるのですが、私が読んだところでは、内容としては社会福祉士と精神保健福祉士を活用してほしいという御要望だろうと思います。せっかく資格があるので、例えばその上に乗せるとまで具体的には書かれていないのですけれども、活用していただきたいというように御要望が届いているようですので、この御提案の1枚目の最後のところに、専門委員会委員として社会福祉士、精神保健福祉士関係の立場から参加させてほしいということも書いてあるので、社会福祉士、精神保健福祉士の団体の方の御意見を聞くということも必要かなと思います。

○奥山座長 では、議論を整理して議論したいと思うのですけれども、今の皆さんのお話を伺っていると、やはり大学でカリキュラムを終わって、少しの研修をしたとしても、卒業してそれで資格を取れるという資格では不十分であるという考えが大きいように思いますが、いかがでしょうか。だとすると、恐らく基礎資格を持っている方が何らかの形で受験資格を持って受験できる制度が必要ということになるのかなとは思うのですが、その辺の御議論はいかがでしょうか。

 加賀美委員、どうぞ。

○加賀美委員 そういう意味で、目指しているところの子ども家庭福祉士、これは仮称ですが、それに近いところで基礎的な資格と考えたときに、やはり国家資格として今もう既に数十万の方がいらっしゃる社会福祉士というのは、そこが基本的な資格になるのではないか。その上にどういうように乗せていくのかというのを議論するのが一番近いのではないかと私は思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 確認をしたいのですけれども、本日お配りいただいた社会福祉士の養成カリキュラムというのがあるのですが、この中で児童に関わる、児童というより子ども家庭に関わるところというのは、多分大学の先生方が何人かおられるので教えていただきたいのですが、基礎科目、指定科目とあって、「児童や家庭に対する支援と児童家庭福祉制度」というところが必須なのですね。また、30時間の養成の実習が必要と考えればいいのですか。一般養成施設で30時間。このカリキュラムの見方がよく分からなかったので教えてください。

 松原委員長、どうぞ。

○松原委員長 実習に関しては、大学あるいは養成校は23日間、180時間以上というのが義務づけられています。ただ、今ここで議論になっていることと関連して言えば、それは高齢者の施設でも、いわゆる指定施設であればどこでもいいということなので、児童福祉分野での実習ではないところでも社会福祉士は取れるというのが現状です。

 ここから先、私の意見ですが、加賀美委員と同じで、社会福祉士を基礎資格にすることについては賛成をしたいと思います。ただ、その上にどう乗せるかについては是非議論したらいいなと思いますし、その先、試験にするのか、一定の研修を要件にするのかということも議論した方がいいのかなと思います。

 一委員として発言しました。

○奥山座長 皆さん、よろしくお願いいたします。

 辰田委員、どうぞ。

○辰田委員 八王子児相の辰田です。

 松原委員長の方からもありましたとおり、新たに国家資格を作るということではなくて、社会福祉士の国家資格を基礎とし、そこで例えばさらに児童相談所等で、児童の分野で半年とか1年とか、実務経験を積んだ上で改めて児童福祉司として名乗れるというような形で実績、また経験を積んだ方がいいと思います。任用資格を改めていくということを考えています。

○奥山座長 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員 西澤です。

 私も大学で教えている関係で、今、松原委員長が言われたとおり、実習は考えない方がいいと思います。現場を見てくるぐらいのものですから、特に児童相談所に至っては、ケースの守秘性があるのでほとんどケースの実態は分からない。児童相談所によってはと私が言うとY県の地方児相ということになりますが、ほとんど一時保護のアルバイト学生と同じ扱いを受けているというような実態もありまして、これは実習にはならないと思います。

 もう一つは、上に積み上げるとなるとどうしても大学院ということになるので、横に広げるという方法も考えられるかなと。だから、精神保健福祉の場合には、基礎科目は社会福祉士と一緒だけれども、横に広げて、精神保健の分野で専門科目を配置しているので、社会福祉士ではない精神保健福祉士という形で養成も可能なのです。必ずしもそうしなくても、4年制でおさまるように、1つはカリキュラムの側から言うと考えたいと思います。

○奥山座長 ということは、西澤委員はカリキュラムだけで大学卒業で資格ということがいいということですか。

○西澤委員 違います。子ども家庭福祉士という仮称で行くとしたら、それの要件として、カリキュラムを納めた上で、例えば実務経験なり、その中に研修を組み込んで試験を入れるのかどうか、3年後ぐらいに受験資格が出るというような構造がいいのではないかと思っています。

○奥山座長 山田委員、お願いします。

○山田委員 児童福祉司の国家資格化というように、どうも9月7日の我々の発言がメディアを通して伝わってしまった感があって、残念だなと思うのです。新たに作る国家資格を児童福祉司の任用資格にするというのは分かるのですけれども、児童福祉司を国家資格化というものとは意味合いが違うと思うのです。ですので、国家資格化すべき資格というものをどういう特徴を持った資格にするのかという議論と、そういうものを持っている人を積極的に児童福祉司に任用しましょうとか、少なくともスーパーバイザー以上にしましょうとかという、子ども家庭福祉に関わる人材の国家資格化の問題と児童福祉司の任用資格の問題の2つを分けないと、児童福祉司の国家資格化という話だと混乱を招くのではないかと思います。

○奥山座長 先ほどお配りした検討事項の整理の中に資格化の問題と、あと数と任用要件ということで、そこはリンクしたものとして考えていかなければならないので、まずはここでは資格化。これは子ども家庭支援を担う専門職の資格化ということで、児童福祉司の資格化という意味ではございません。それは任用のところで含めるというような考え方で書かれていると思います。

 菅野委員、どうぞ。

○菅野委員 滋賀の菅野です。

 確かに高度な専門性を持った人材の確保ということは現場的に言うと非常にありがたい話ですけれども、人材確保ということが果たしてできるか。要するに、高度な専門性を持っておられても、結局その人が持てる数ですね。先ほど座長から話がありましたように数の問題という。人数がそれなりに機能してもらうためには必要だということで、この辺は資格化の問題と配置の問題といろいろなことがリンクしてくるのではないか。だから、それと確実に一定量の供給できるシステムみたいなこともイメージすると、結構緻密に計画をしていかなければいけないことだと話を聞いていて感じました。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他に御意見はありますか。

 先ほど来、社会福祉士を基礎資格にしたいという御意見なのですが、そうすると、精神保健福祉士はどうなるのかとかいろいろ出てくるかなと思うのですけれども、その辺も含めまして、基礎資格ということに関しては何か御意見ありますか。

 どうぞ。

○藤林委員 藤林です。

 精神保健福祉士は基礎資格にならないのではないですか。多分児童福祉は単位の中に入っていないと私は記憶しているのです。

○奥山座長 事務局資料の中を見ても、確かに精神保健福祉士は児童福祉が入っていないと思います。先ほど見たのです。

○藤林委員 藤林です。

 現場的には精神保健福祉士の方が児童福祉を担っている方も大勢いらっしゃるので、ではどうしたらいいのかな。この方々が子ども家庭福祉士を取るためには一旦社会福祉士を取らなければいけないのかなと思って悩ましいところがあると思うのですが、整理上はそうなるかなと思います。

○奥山座長 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員 西澤です。

 共通科目、精神保健福祉士は社会福祉士の共通科目を持っているので、共通科目の部分はいいとして、子ども家庭福祉に関する科目と新たに立ち上げる部分を研修か何か、あるいはどこかで単位を取ってもらうなりして補って受験資格にするという手はあると思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他に御意見はありますか。

 加藤委員、どうぞ。

○加藤委員 私も精神保健福祉士も社会福祉士もジェネリックなソーシャルワークというのは基本的にはできると思うので、それプラス児童に関するいろいろな科目の研修を受けて、そして、国家資格という形で積み上げてもらうか、あるいは研修という形でその資格を取ってもらうというようなことが一番いいかなと思います。

○奥山座長 他に御意見はありますか。

 恐らく、この資格を持った人が何をできるのかということにも多少絡んでくるのかなとは思うのです。例えば子ども家庭のことに関して、専門家としてはこの資格なのだということになりますと、保健師とか、他の職種の方々も子ども家庭に関わる専門職としてはあり得ます。先ほどの菅野先生の心理司もあるということになりますし、福祉に関してのソーシャルワークに関しての専門職というように考えるということであれば、社会福祉士及び精神保健福祉士をベースにするということが妥当なのかもしれないと思うのですが、他に例えば保健師の立場から中板委員、いかがでしょうか。

  ○中板委員 私も児童福祉司の資格化となると、児童福祉司というものをいわゆる教育のゼロベースからしなければいけないという話になってくるので難しいのかなと。やはり社会福祉士がベースになって、任用資格ということでしょうか。その際、例えばソーシャルワーク、ケースワークは保健師が当然しております。虐待危機のある家族虐待家族の在宅養育などへの支援ももちろんしております。子ども家庭に携わる職種として、これまでの社会福祉士プラス研修を受けた保健師、精神保健福祉士という形になるのか若しくは、私としては、ソーシャルワーカー、 精神保健福祉士、保健師は、全て子ども家庭福祉の専門ではないので、研修が必要ではない と思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 加賀美委員、どうぞ。

○加賀美委員 私は例えば今、横に広げるという話で保健師であるとか、その他の資格というような人材が足りないという観点から、そういう話になっていく可能性もあるのですが、基本的にはそれぞれの専門性が違うということを考えると、そこを広げるというのはかえってまずいのではないかと思うのです。

 つまり、ネットワークの中で子ども家庭福祉を進めていくという役割とは違ってくるだろうから、例えば保健師をソーシャルワークというように広げる。それはソーシャルワークそのものになることは事実ですけれども、資格を重ねていくというのは余り賛成できない。

○奥山座長 今の御意見に少しだけ質問というか整理させていただきたいのですが、そうすると、ソーシャルワークに関しては子ども家庭の専門家が必要なのだけれども、心理や保健師は子ども家庭の専門家という立ち位置はなくていいと。

○加賀美委員 専門性が違うという。

○奥山座長 専門性は違うのですけれども、社会福祉士という全体の資格がある中で、子ども家庭という専門性を持った人をつくりたいと言っているわけですね。そうすると、保健師の中でも子ども家庭の専門、心理の中でも子ども家庭の専門というのを作っていくということになりはしないかというところは分からなかったので、そこがどういうようになっているのかというのを伺いたかったのです。

 井上委員、どうぞ。

○井上委員 現場の話をしますと、実際、見ていくと、保健師さんの中で持っている方がおられるのです。学校の先生で持っている方というのが多分おられます。ですから、やはり最終的に人数のことを考えると、この分野に関しては向き不向きというのはすごくあるというのもありますので、そういった部分も少し残しておいていただくといろいろな議論が進む。だから、前提として最初にするのは社会福祉士をまずやるということでいいと思いますが、以上です。

○奥山座長 作本委員、お願いします。

○作本委員 市町村の立場であり、保健師でもあります。実際は多職種で動くことを考えると、保健師がコーディネーターの一部というところもあります。多職種というところを含めるとどうなのかという思いがあります。
○井上委員 すみません、どうなのかなというのはどういう。

○奥山座長 先ほどの恐らく社会福祉士だけにするのか、基礎資格を広げた方がいいのかというところでどうなのかなということでよろしいですか。

○作本委員 そうです。

○奥山座長 岩佐委員、どうぞ。

○岩佐委員 今のに足すような感じで、私もそんなに市町村の現場を見られているわけではないのですけれども、市町村のネットワークの中において保健師さんが資格を持っておられて、場合によっては児童相談の専門みたいな感じの立ち位置になってしまい、保健ベースの活動が十分できにくくなっているというような実情もお聞きしたりしていて、そういう意味で丸く資格をしてしまうと、そういう人たちがどちらかというと、ミニ児童相談所のようになってしまいはしないかということで資格の峻別はあった方がいいのかなというのが加賀美委員のお話も聞いて、私も直感レベルですけれども、そのように思いました。

○奥山座長 佐藤委員、どうぞ。

○佐藤委員 佐藤です。

 精神保健福祉士を作って広げるときに、人数を早急に拡大しなければならないという本当に人権上の精神保健福祉上の大きな問題があって、保健師も研修を受けて精神保健福祉士の資格を持っている者がおります。でも、ベースとしての保健師の活動には精神保健福祉士の仕事を重ねてやるということではなくて、そういう部署に行ったときに精神保健福祉士として発揮できているということですので、保健師の中でも例えば市町村の要対協のそういう部署に行っている保健師もありますし、そこに行く保健師は重ね合わせての新たな子ども家庭福祉に関する研修を受けた者が行くということで、さらに充実されるという方向に捉えることができるのではないかというように思っています。

 ですので、全部保健師がこの資格を取るとかということではなく、やはりそこに向かっていこうという人あるいはそこの部署に配属された人がこれを取っていくというように整理すれば、精神保健福祉士の今までの流れから言っても、そう混乱は起きないのではないかというように思います。

 以上です。

○奥山座長 中板委員、どうぞ。

○中板委員 実際に児童相談所の半数ぐらいに保健師がおりまして、さらに児童相談所長をしている保健師もおります。児童相談所に勤務する保健師は、ベースは保健師ですし、活動のスタイルも保健師なのですけれども、職名は児童福祉司であることが多いようです。立ち位置が曖昧でジレンマを抱えるとききます。児童相談所の保健師や市の児童福祉部署の保健師も、不十分さは制度の理解、いわゆる措置制度の運用が主です。それはプラスアルファの研修でいいのではと思います。
○奥山座長 ありがとうございます。

 他に御意見ありますか。

○藤林委員 藤林です。

 今、現に保健師で、児童相談所であるとか、市町村とか、本当にソーシャルワークのような働きをしている方もいっぱいいらっしゃって、その方々が改めて社会福祉士の資格を取って進めていくというのは非常に時間のロスのような気もするのですが、私としては、理念としてソーシャルワーカーなので社会福祉士資格、または精神保健福祉士資格が前提なのですけれども、経過措置として、今、現にソーシャルワークをしていく保健師さんは精神保健福祉士のときの同じように、一定の講習、研修を受けた上で、5年間か何年間か忘れましたけれども、受験資格を与えるというようなやり方も検討していいのではないかと思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他に。

 では、笹井委員、どうぞ。

○笹井委員 沼津市の笹井です。

 その専門職のあり方は別として、市町村というのは規模が小さくて専門職をなかなか採っていないところがある。ただ、保健師と保育士については、かなり市町村でもあるわけですけれども、それらも含めて今の論議が児相の専門職の部分と市町村の専門職の部分と全部総括した形での論議になっているかと思うのですが、できれば市町村で今、考えられるとしたら、保健師さんというのは専門職として市町村にある存在なので、そこが是非上手く活用できればいいのかなと思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 菅野委員、どうぞ。

○菅野委員 菅野です。

 児童相談所の今までの歴史の中で、児童相談所で働いている心理職も何年か心理職をやっていて、児童福祉司をやって、心理職に戻らず児童福祉司をずっと続けているという人間もいたり、心理の中にもソーシャルに向いている人間がいたりとか、グループを扱うとかというタイプの人もいます。私自身も虐待対応の初期対応をしたりとか、福祉司として活動していた時期もあります。ですから、逆に言うと、そういう現場での実務経験で違う職種の人間がそういう仕事を担うということも道は残しておいていただけるといいのかなというように思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他に御意見。

 岩佐委員、どうぞ。

○岩佐委員 この問題は、今の議論も踏まえて考えると、多分市町村の児童相談窓口の専門性と深く関わっていて、恐らく市町村の方で非常に専門性が高ければ、保健師さんは安心して保健ベースで仕事をして、プラスアルファして児童家庭の資格も取っておこうか、保健のもとでやるよと言えるのだけれども、そこがしっかりしていないと、下手にその資格を取ってしまうと、結局市町村の児童相談そのものをさせられて保健の仕事ができないみたいな論点もあるので、そういう意味では、先ほどのプラスアルファをしますというのは何とか理屈としてはいい話だなと思い、でも、それは市町村の相談窓口は専門性が高い。一定の専門性を持っておられる中に場合によっては関わる保健師さんもそういうプラスアルファを持っていきましょうというので、そこと議論が絡むのだなと思いました。

○奥山座長 ありがとうございます。

 だんだん時間が来てしまったので、本日の御議論をまたもとに幹事会の方でたたき台を作るという形になると思うのですけれども、非常に活発に御議論いただきましたので、先へ進む十分な話ができたというように思います。

 本日、御発言いただいていない委員の方が3人ほどおられるのですけれども、何かありますでしょうか。

 どうぞ。

○藤平委員 浦安市の藤平です。

 今、保健師の話が岩佐委員からありましたように、今、市町村の窓口の専門性というのはかなり厳しい状況にありますので、そういった中ではこれから妊娠期の切れ目のない支援のあり方など、保健師の役割が増大してしまいますが、児童家庭の資格も取得できるようなプラスアルファの考え方は重要になってくるかなと思っております。また、市町村職員の専門性については、やはり今後の研修であるとか、実務経験年数も対象となるよう、そういったところも児童家庭の資格が取れるようにしていけないかなと思います。

○奥山座長 ありがとうございます。

 秋山委員、どうぞ。

○秋山委員 子どもたちは市町村で保護されたり介入をされたり支援されたりして、またその子どもたちが最後に市町村に戻ってくるということを考えれば、市町村には大きな支援の手が、たくさんの支援の手が必要だと思います。そう思うと、この専門性を持った人たちが多く市町村にいてほしい、いた方がいいと思っています。

○奥山座長 ありがとうございます。

 他によろしいでしょうか。

 では、事務局の方にお返ししたいと思います。よろしくお願いします。

○小松虐待防止対策室長補佐 次回日程につきましては、改めて委員の皆様の日程を確認させていただき、追って御連絡いたします。

○奥山座長 よろしいでしょうか。

 では、事務局は非常に大変だと思うのですけれども、日程調整、資料の作成などをお願いしたいと思います。

 では、本日のワーキンググループはこれで閉会にしたいと思います。どうも活発な御議論、ありがとうございました。

 


(了)

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