ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会)> 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第71回議事録(2015年8月26日)




2015年8月26日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第71回議事録

○日時

平成27年8月26日(水)10:13~11:18


○場所

厚生労働省講堂(低層棟二階)


○出席者

印南一路部会長 松原由美部会長代理 西村万里子委員 荒井耕委員
白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
鈴木邦彦委員 長瀬輝諠委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
十河功二専門委員 昌子久仁子専門委員 田村誠専門委員
保険医療材料専門組織 渡辺委員長
<参考人>
田倉智之参考人
<事務局>
唐澤保険局長 武田審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 佐々木医療課企画官
込山保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 部会長の選出
○ 特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する保険医療材料専門組織からの意見について
○ 新規特定保険医療材料の保険償還価格算定にかかる原価計算方式での定量的評価について

○議事

○佐々木医療課企画官

 では、おそろいでございますので始めさせていただきます。

 先日、6月24日の総会において御就任された、田辺会長より、当部会に属する委員が指名されたところでございますが、部会の部会長につきましては、それぞれの部会において選挙することとされていますので、新しい部会長が選任されるまでの間、私のほうで司会進行をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○佐々木医療課企画官

 ありがとうございます。新しい部会長の選任までの議事進行については、私のほうで務めさせていただきます。

 それでは、ただいまより、第71回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。

 保険医療材料専門部会に属する委員に異動がございましたので、御報告します。6月23日付で堀委員が退任され、その後任といたしまして6月24日付で遠藤委員が発令されております。

 続きまして、委員の出欠状況について御報告します。本日は、榊原委員が御欠席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は、まず、部会長の選挙を行います。社会保険医療協議会令第1条第6項の規定によりまして、部会に部会長を置き、当該部会に属する公益を代表する委員のうちから、当該部会に属する委員が選挙することとされております。

 部会長につきましては、総会の例によれば、1号側及び2号側の御意見を伺った上で御賛同があれば決めていくということになっております。保険医療材料専門部会の部会長につきましても、このような方法で行いたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○佐々木医療課企画官

 どうもありがとうございます。そのように進めさせていただきます。

 まず、1号側の委員から御推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○白川委員

 私どもとしては、印南委員に引き続き部会長をお願いしたいと御推薦申し上げます。

○佐々木医療課企画官

 続きまして、2号側の委員、いかがでしょうか。

○鈴木委員

 2号側も印南先生にお願いしたいと思います。

○佐々木医療課企画官

 1号側、2号側とも印南委員を御推薦いただきましたが、印南委員に部会長をお願いするということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○佐々木医療課企画官

 どうもありがとうございました。それでは、引き続き、印南委員に保険医療材料専門部会長をお願いいたします。

 印南部会長より、一言御挨拶をお願いいたします。

○印南部会長

 印南でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

○佐々木医療課企画官

 どうもありがとうございました。それでは、今後の議事進行を印南部会長にお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

○印南部会長

 部会長代理につきましては、社会保険医療協議会令第1条第9項の規定によりまして、部会長があらかじめ指名する者が、部会長代理をすることとされております。引き続き、松原委員に部会長代理をお願いすることとしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○印南部会長

 ありがとうございます。それでは、部会長代理は、引き続き、松原委員にお願いいたします。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 まずは、保険医療材料専門組織から、特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する意見が提出されておりますので、保険医療材料専門組織の渡辺委員長より御説明をお願いいたします。

○渡辺委員長

 渡辺です。

 それでは、説明をいたします。中医協材-1の資料をごらんください。

 新規医療材料を審議しております、保険医療材料専門組織の立場から、特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する意見を申し上げます。

 まず「1.内外価格差等の是正について」です。

 新規収載品に係る外国価格調整の比較水準については、現在は、外国相加平均の1.5倍を上回る場合に1.5倍の価格としておりますが、別途、イノベーションの評価を適切に維持しながら、比較水準を1.5倍より引き下げるということで、医療保険財政及び患者負担を軽減できるではないかという意見がありました。

 次に「(2)原価計算の内訳の把握について」です。

 原価計算方式による算定の際、原料費や製造にかかる費用等が詳細に積み上げられ、原価の妥当性の確認が可能であるケースがある一方で、原材料費や製造にかかる経費等が輸入価格として一括して記載され、製造にかかる経費の詳細が把握できないケースがあります。

 この場合、原価の妥当性を十分確認できず、適切な償還価格の算定に関する議論を深めることが困難となることや、新規収載品に係る外国価格調整や再算定について検討する際にも、議論を深めることが困難となることが考えられます。

 これらを踏まえ、費目の定義の明確化や細分化を行う原価計算の内訳を中医協総会に報告する等により、適切な原価の把握に努めることを御提案いたします。

 続いて「(3)再算定について」です。

 外国価格参照制度で参照する価格等については、現在は1.5倍、または1.3倍としている比較水準の引き下げや、海外平均価格の算出方法の見直しを行うことで、企業側は流通改革を進める契機となり、医療保険財政及び患者の負担を軽減する観点のみならず、産業構造の効率化に資するのではないかという意見がございました。

 2ページ目の「2.イノベーションの評価等について」をごらんください。

 まず「(1)既収載品と部分的に機能が類似している場合の評価について」です。

 新規医療材料の価格算定の際、既存の機能区分に属する医療材料のうち一部の機能のみ類似している場合がありますが、現在は、類似機能区分比較方式または原価計算方式のいずれかにより、製品ごとにできる限り適切な方法を選択して価格を算定しています。

 ここには、書いてございませんけれども、例えば、既存の特定保険医療材料が3つのパーツで構成されている場合に、既存品と類似する2つのパーツのみで構成されている新規品や、既存品と同じく3つのパーツで構成されていますが、1つのパーツのみに改良が加えられて、残る2つは、既存品と全く同じ新規製品というような場合があります。

 このような場合に、部分的に類似しているという評価を十分に生かせていない可能性があります。

 そこで、既存の機能区分の基準材料価格の一部を利用して算定するなど、より柔軟な価格設定を行うことによって検討することを提案いたします。

 次に「(2)新たな機能を有した製品について」です。

 新規医療材料価格について審議する際、新たな機能を有しているものの、これまでの価格算定の考え方では、イノベーションというものを十分評価できず、C区分として評価できなかった場合や、当該新規医療材料を用いた技術の評価に関する議論があっても、保険医療材料専門組織として直接的には提案できなかった場合がありました。

 これらを踏まえ、材料制度改革に向けて議論に合わせ、今、まさにお伝えしている保険医療材料専門組織からの制度改革に係る意見に加え、新規医療材料を用いた技術等の評価について、保険医療材料専門組織として提案させていただけないかと考える次第であります。

 3ページ目「3.その他」をごらんください。

 まず「(1)予測販売数の設定と実際の販売実績について」です。

 平成26年度材料制度改革においては、推定適用患者数に加えて、予測販売数を保険適用希望者に記載するとともに、予測販売数に係る設定根拠を提出することといたしましたが、現時点では、実際の販売実績を踏まえた予測販売数等の妥当性の検証は行われておりません。

 価格水準と販売コストの構造に合わせる観点から、実際の販売実績における市場規模を踏まえた償還価格の見直しについて検討することを提案いたします。

 最後に「(2)既存の機能区分の見直しについて」です。

 これまでも診療報酬改定に合わせて実施してきたとおり、今回も臨床上の利用実態等を踏まえ、市場実勢価格や市場規模等にも配慮しつつ、機能区分の細分化、合理化及び定義の見直し等について、特定医療保険材料専門組織で検討することを提案いたします。

 以上が、保険医療材料専門組織からの意見になります。よろしくお願いいたします。

○印南部会長

 どうもありがとうございました。ただいまの御意見について、何か御質問、御意見等ございましたら、お願いします。

 鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員

 幾つか意見と質問を述べさせていただきたいと思います。

 まず、1ページの「1.内外価格差等の是正について」でございますが「(1)価格調整の比較水準について」というのは、1.5倍をさらに引き下げるということですので、よろしいかと思います。

 次の「(2)原価計算の内訳の把握について」ということでございますが、これは、これまで原価計算方式が企業の、ある意味で、言い値になっていた部分があることを見直すということなので、それもよろしいと思います。

 「(3)再算定について」ですが、基本的によろしいと思うのですけれども、この2行目に「企業側は流通改革を進める契機となり」と書いてあるのですが、その流通改革とは何を意味するのか、すなわち現状では、流通において何が問題なのかということについて教えていただきたいと思います。これは、質問です。

 それから「2.イノベーションの評価等について」ということですが「(1)既収載品と部分的に機能が類似している場合の評価について」というところで、説明を聞くと、少しはわかりやすくなるような気もするのですけれども、基本的に、部分的に機能が類似している場合の評価ということなのですが、一般的に考えれば、部分的に機能が異なる場合の評価と考えたほうがわかりやすいのではないかと思うのですが、同じだったら同じだろうと思うし、その辺が、機能が類似している場合に評価するというのは、何となく違和感があるということです。

 それから、イノベーションの評価ということでありますので、単に部分的に、ちょっとした改良をしただけで評価してくれと言われても、そうはいかないということもあると思いますので、こうしたものは、検討が進んだとしても、濫用されないような歯どめが必要ではないかと思いますが、その点についてのお考えをお聞かせいただければと思います。

 「(2)新たな機能を有した製品について」ということでございます。これも1行から2行目にかけまして、これまでの価格算定の考え方では、イノベーションを十分に評価できないと書いてありますが、どうして、今までの考え方では、イノベーションが十分評価できなかったのかを教えていただきたいと思います。

 これも部分的な見直し等で、新たな検討が進んだ場合、こうしたものが濫用されないような歯どめが必要ではないかと思います。

 それと、後半の保険医療材料専門組織としての提案を行えるようにしたいということはよろしいと思うのですが、これに対して、一方の薬価算定組織のほうはどうなっているのかも教えていただきたいと思います。これは、質問です。

 それから、3ページ目「3.その他」でございます。「(1)予測販売数の設定と実際の販売実績について」ということですが、そもそも予測販売数と価格設定との関係というのは、どのようになっているのかを教えていただきたいと思います。

 すなわち、なぜ予測販売数の設定が重要なのかということを教えていただきたいという質問が1つございます。

 「(2)既存の機能区分の見直しについて」でございますが、市場実勢価格や市場規模に配慮した機能区分の見直しというのは何を意味するのか、価格や売上で機能区分を見直すということなのか、よく意味がわからないので、それも教えていただきたいと思います。これも質問でございます。

 以上、質問についてお答えをお願いいたします。

○印南部会長

 渡辺委員長、お願いします。回答できるもので結構です。

○渡辺委員長

 御質問は、企画官のほうから回答させて戴きます。

○印南部会長

 それでは、企画官のほうから。

○佐々木医療課企画官

事務局で、お答えすべきものがございましたので、先に答えさせていただきます。

 まず、1点目の御質問ですが、1ページ目、(3)の再算定についての「企業側が流通改革を進める契機となり」という部分でございますが、以前から、部会で、業界から意見聴取していただいておりますが、その際に、業界から、我が国が医療機器、医療材料の価格が高い理由の1つとして、流通に課題があるのだという御主張をいただいております。

 保険材料専門組織で、実際に個別の品目の審査をしていただく際に、価格について議論の中で、企業から同趣旨の回答がございます。そのことについて、何か促進されるのではないかという狙いで、まとめていただいたのではなかろうかと思っております。

 また、2ページ目の2.の(1)でございますが、例えば、先ほど渡辺委員長から御説明がありましたように、3つのパーツがあって、そのうち1つが、改良を加えているという場合です。今後、当部会の御議論に資するように、具体例も、可能な範囲で御紹介したいと思っております。

 (2)の新たな機能を有した製品についてでございますが、材料は、技術と一体の部分がございますので、技術料に関して、中医協でどういう御議論がなされるのかについて、専門組織で、議論がございましたので、意見としてまとめられているではないかと思います。

 薬価との関連につきまして、後ほど薬剤管理官からコメントをしていただきます。

 3ページ目にまいりまして、予測販売数の設定と実際の販売実績についての御質問があったと思いますけれども、現状は、企業から予測販売数のデータを出していただいて、事務局でも内容を確認した上で、最終的に、中医協で保険収載の御審議いただく資料に、推定患者数を記載しているところでございます。

 また、機能区分の(2)の見直しについては、現状の機能区分が、例えば、同一区分に、非常に安全性が高い製品が含まれている場合や、区分を分けているのだけれども、臨床現場での使用実態等を踏まえると、区分を統合した方がいいのではないかなどの内容を改定の際に、専門組織で御議論していただき、中医協に提案をいただいておるところでございますので、これは、例年どおりの取り組みをさせていただくと、こういうような趣旨でございます。

 全部お答えし切れているかどうかでございますが、以上でございます。

○印南部会長

 鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員

 答えになっていないお答えという感じなので、もう一回質問させていただきます。最初の1ページの1.の(3)の流通改革というのは、何が今まで問題なのか、今のお話では、さまざまな課題があったのでということなのですが、その課題とは何なのかを聞いているので、それについてお答えいただきたいと思います。

 それから、2ページ目の2.の(2)のところですが、これまでの考え方では、イノベーションを十分評価できずと書いてあるので、何が原因で十分に評価できなかったのかと聞いているので、それもお答えをいただいておりません。

 もう一つ、3ページ目の3.の(1)ですが、これも予測販売数と価格設定の関係について質問しているので、それについても、お答えいただいていないと思いますので、再度お答えをいただきたいと思います。

○印南部会長

 企画官、どうそ。

○佐々木医療課企画官

 大変失礼いたしました。

 ます、1点目でございますけれども、これは、机上に置いておりますファイルに過去の部会の資料がございます。過去の部会における業界からの意見陳述の例としては、古くて恐縮ですが、平成23年9月28日の保険医療材料部会の資料を開いていただきませんでしょうか?

 この中に、AMDDの資料の5ページ目あたりに、我が国では、医療機関の多さや症例の集中度の低さが存在して、そういうところが影響して、医療材料の価格が高いのではないかというような記載、ございます。

 これに関連しては、繰り返しで恐縮でございますけれども、事務局が御説明するべき内容については、対応いたしますが、今後、業界からヒアリングをする際に、詳細に御説明をいただくという要望をいただければ、業界で対応していただけると思います。

 もう一点、2ページ目の「イノベーションを十分評価できず」という部分でございますけれども、中医協で、診療報酬の改定の議論がなされ、様々な点数が設定されております。

 その中で、C2として保険収載が決定されていた医療材料に対応する手術や処置などにつきまして、改定後、医療現場から、様々な御意見が出てまいります。

 材料専門組織の委員の先生方は、学会などの機会でそうしたご意見を直接聞かれる事もあるとのことです。

 そういったご経験を踏まえて、現場から見れば、十分に評価されていないと感じて場合もあると、そういう視点で、記載されていると理解しています。

 また、3ページ目の3.の(1)でございますけれども、26年の材料改革により、保険適用希望書に推定患者数というのを記載していただくことになりました。

 その数字を実際の販売実績と比較して、予想より多く販売されている製品につきましては、取り扱いを部会で議論していただいてはどうかという趣旨で、記載されていると思います。

 十分お答えできていない部分は、今後の部会の中で、わかりやすい資料を事務局で準備して、議論していただきたいと思います。本日の資料はあくまでも専門組織の御意見ですので、事務局から御説明するのは、限界がございますので、御理解いただければと思います。

○印南部会長

 鈴木委員。

○鈴木委員

 再度お答えいただいたのですけれども、それでも答えになっていない部分が多いと思いますので、本気で答える気がないのではないかと受け取らざるを得ないと思います。例えば、流通改革とは何なのかというのを聞いて、医療機関が多いという話をされましたが、問題は、卸に聞いてみるという話でしたけれども、卸が、自分たちが多いと言うわけはないではないですか、それを、何でおっしゃらないのか、その辺が曖昧なままなっていると感じらますし、予測販売数が多い場合には、価格は下がるのですか、上がるのですか、どうなのですか、そういう関係はあるわけでしょう、そのように想定されているのではないのですか、それについてのお考えはどうなのですか。

○印南部会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 現状、予測販売数と実績による差が生じた場合にどうするかというルールはございませんので、どうするかというのを、部会で御議論いただきたいということで7ございます。何か対応するということであれば、今後の部会で御議論いただければと思っております。

○鈴木委員

 さっと読みますと、今、言ったような疑問に感じる点が多々ございますので、そうしたところの文言の修正をしていただきたいと思います。

○印南部会長

 具体的に、何か、文言の修正する箇所とか、文言とかあるのでしょうか。

○鈴木委員

 例えば、2.の(2)の2行目の「イノベーションを十分評価できず」と断定的に書いてありますけれども、今の話を聞くと、委員の間に、改定の後に、そういう意見があったという話になっていますから、断定するほどのものなのかという疑問が残りますけれども、それは、いかがですか。

○印南部会長

 渡辺委員長、お願いします。

○渡辺委員長

 私から、これが出てきた背景をお話ししたいと思います。イノベーションとして十分評価できないというのは、今の規定では、薬と違って、どういうものに対してプラスアルファーをつけていくかということが、非常に問題になっております。現状では1つは明らかに、これがいいという臨床的なエビデンスがないと、加算ができない。

 2つ目は、患者さんに非常に負担が少ないということがないと、プラスができない。

 それから、3つ目として、医療従事者に非常に安全であるというようなことがないと加算ができないとなっております。

 すると、この3つのどれも当てはまらないけれども、非常に画期的なものというのは、時々出てくるわけですね。そういうときに、加算が実はできないので、そういう算定も含めて、どうしていくかという議論が出たことをお伝えしておきます。もちろん、持ち帰らせていただいて、詳しくお話しいたしますけれども、このイノベーションの十分な評価というのは、そういう議論の中から出てきたものだったということをお伝えしておきたいと思います。

 それから、予測販売数に関しましては、実は、これも話題に出たのは、実は原価計算方式というのは、予測販売数の設定で、割り算して出すという方式でして、どのような患者数に使われるということを予測して、価格に反映されるというような場合がありますので、それも本当に、それが企業の言い値になっていいのかなという議論の中から出てきました。これに関しましても、詳細に関しまして、また、御報告させていただきたいと思いますけれども、委員の間で出た意見は、その2つでございます。よろしいでしょうか。

○印南部会長

 よろしいですか。

○鈴木委員

 渡辺先生のお答えは、非常によくわかりました。ありがとうございました。

○印南部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 先ほど、薬価についても言及いただきましたので、御回答申し上げます。

 2.の(2)について、薬価算定組織において、これに類似した業務というのは、十分な議論はされてございませんので、もちろん、きょうの御議論を踏まえまして、また、それ以外のものを含めまして、必要に応じて薬価算定組織に、また、相談させていただきたいと思ってございます。

 以上です。

○鈴木委員

 ということは、薬価算定組織には、そういう提案できるような仕組みはないということですね。

○中井薬剤管理官

 薬価算定組織において、ただ、新規医療材料を用いた技術の評価についてと書いてある、これが、一体、どう薬価に当てはまるのかということを含めて検討しなければいけませんので、まさに、この言葉上ではないですけれども、当てはまるかどうかも含めても、それを少し検討させていただきたいと思います。

○鈴木委員

 わかりました。了解しました。

○印南部会長

 それでは、白川委員、お願いします。

○白川委員

 渡辺先生、大変ありがとうございました。

 専門組織で御議論いただいて、今回の御提案ということで、内容は適切なものであると私どもも感謝申し上げたいと思っております。

 議論は、次回以降ということになると思いますので、本日は、質問を3点させていただければと思っております。

 1つ目は、1ページ目の1.の(2)の話でございますが、特に輸入する材料について、原価が十分に把握できないというのは、以前から問題になっておりまして、渡辺委員長の御就任前も、原価の内訳を提出した企業については、外国価格調整から外すというようなインセンティブの御提案があり、それはおかしいと2号側も1号側も反対して撤回していただいた経緯がありますが、今回は、そのようなインセンティブはなしで原価を出していただこうと、努力をしていただこうということでよろしいのかどうかについてです。

 それから、かなりハードルが高い気がしますが、現実的に、ある程度原価の内容を提出していただくことが可能なのかどうかについて御議論があったと思いますので、内容を御紹介いただきたいというのが1点目でございます。

 2つ目は、2ページ目の2.の(1)のアンダーラインの部分でございますが「より柔軟な価格算定」と書かれておりますが、今の材料の価格設定というのは、機能区分ごとに定額という方法になっておりますし、画期性加算といった加算のついたものは、新しい機能区分をある時期につくるという方法が原則になっていると思いますが、この「柔軟な」というのはどのようなことをイメージされているのかと、あるいは、どのような御意見が出ているのかということについて、御質問したいというのが2点目でございます。

 3点目は、3.の(1)でございますが、鈴木先生も質問されたアンダーラインの部分です。薬価でいいますと、市場拡大再算定のようなお考えだと理解をしておりますが、問題となるのは、薬の場合ですと原価計算方式と類似薬効比較方式でその両方を対象とするのか、原価計算方式だけを対象にするのかということが潜在的に議論の焦点になりますが、材料についてはどういうお考えなのか、今時点で、組織としてはどういうお考えなのかということについて御回答いただきたいというのが3点目でございます。

○印南部会長

 渡辺委員長、お答えできますでしょうか、3点ほど、質問があったのですけれども。

○渡辺委員長

 1つ目の質問のインセンティブということに関してなのですけれども、それは、新しい医療材料専門組織の中では、特に議論されておりません。

 あとは、原価というのは、本当に難しくて、私も委員長になって驚いたのですけれども、海外平均価格よりもずっと高い原価を出してくる場合があり、そうしたら、外国で買ってくればいいのではないかという話も出たぐらいで、ほかの国から直輸入して買ってくれば、もっと安いのではないかというような乖離した原価があります。それをこちらから質問いたしますと、全く答えない企業と、それから、たまに答えてしまう企業があって、答えてしまう企業の中には、その中に、いろんな宣伝のコストとか、いろんな流通コストを入れていると、それを原価だと言っている会社もあります。意識的かどうかわかりませんけれども、原材料費というものが、本当に各会社でちゃんと本来は浸透しているのにもかかわらず、そういうふうに言っているのかもしれませんけれども、本当の材料経費が、我々は把握できませんでしたので、最低限その内訳というのを、やはりきちんとしようというのが、我々の素朴な考えであります。

 2つ目の、より柔軟性ということに関しましては、これは、後で企画官にお答えしていただくことになるかと思うのですけれども、3つ目の原価計算方式と類似機能区分というのは、基本的には、類似機能区分があれば、類似機能区分で算定することがほとんどであります。

 ただ、どうしても、非常に新しい製品や、あまりほかの国で広まっていない製品もございますので、そういう場合には、原価計算方式をとりますし、非常に値段が高いような場合は、原価計算方式をとるわけでございますけれども、その原価計算方式の場合、例えば、非常に希少な疾患で、これは、1,000人しか使えませんと言っていても、確かに、これは1,000人満たないのではないかと、我々も思う場合もありますけれども、実は、ほかに少し適用を拡大すれば、10倍ぐらい使われるのではないかというような製品もございます。我々が質問している間に、実は、予想販売台数が、確かにそういう場合も使われますねということも言ったメーカーもございます。これは、非常に慎重にしなければいけないということで、予想販売台数というのと実績というのが、本当にどうなのかということを、後で再算定のときには必ずやらなければいけないと考えます。特に、原価計算方式のときには、先ほどお答えしましたように、最初の価格設定が予測販売数に応じて割り算しますので、それが保険医療材料専門組織で問題になったことであります。

 以上、2つはお答えしましたけれども、その柔軟性ということに関しては、企画官のほうから答えさせていただきます。

○印南部会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 この「柔軟な」のところは、先ほど、渡辺委員長からの御発言の例示にもありましたが、3つのパーツによって構成されているもののうち、1つに非常に何らかの評価をすべきではないかという改良が加えられた場合ということでございます。、そのパーツが、例えば、安全性を非常に高めているとか、医療従事者の負担軽減につながっているとか、そういったような視点で改良が加えられているというものについて、何らかの評価はできないかという議論がございました。

 組織の議論の中でも、具体的にこういうやり方があるのではないかという意見があったということではなく、何か方法はないかなという段階のところで、こういうまとめになったと理解しているところでございます。

○印南部会長

 白川委員、よろしいですか。

○白川委員

大変ありがとうございました。

 1点目の原価の把握の件でございますが、確かに先生がおっしゃるとおり、出す企業、出さない企業もあると思いますが、ハードルが高いと申し上げたのは、例えば、数字が出てもそれが本当に正しい数字なのかどうか、確かめる術が余りないということからも、、数字の扱いについては、慎重にやらなければいけないという感じがしたものですから、ハードルが高いと申し上げた次第でございます。

 2つ目の件は、今、佐々木企画官から御回答をいただきましたので、今後、深い議論をするということで了解いたしました。

 3番目の件は、原価計算方式は確かに直接的に市場規模を勘案するというお答えでございましたので、多分、薬も同じと考えられますが、類似機能の場合は、直接的な市場規模は関係ないわけですが、我々の気持ちとしては、企業側の利益を考えたらもう少し低くてもいいのではないかという気もしますので、理論と現実との関係について今後、深い議論をさせていただければと思っております。大変ありがとうございました。

○印南部会長

 ほかに、御意見、御質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでしたら、本日、頂戴しました御意見や御提案を踏まえて、平成28年度の保険医療材料制度の改革に関する議論を進めていきたいと思います。

 続きまして「新規特定保険医療材料の保険償還価格算定にかかる原価計算方式での定量的評価について」の議論を行いたいと思います。

 研究代表者であります大阪大学の田倉教授にお越しいただいていますので、研究の概要について御説明をお願いします。

○田倉参考人

 田倉でございます。

 特定保険医療材料の原価計算方式における営業利益率の調整率の定量的算出法に係る研究について、御報告させていただきます。

 スライドの2ページ目に、研究の方法と目的を記載しているところでございますけれども、今回、目的につきましては、新規収載品目における革新性等の程度に応じた調整率を定量的に算出できる方法論の構築を目的とさせていただいております。

 アプローチ、方法でございますけれども、下に図がございますが、大きく5つ設定させていただいております。

 1つは、調整の実績ということで、過去、どんなような数字が出ていたのかということです。その調整率の要因、背景がどういうものであったのかということが2つ目です。

 3つ目として、その評価因子をどのような形で設定し、その妥当性を検証するということになります。

 4つ目は、調整率を実際に当てはめてみて、試算を行ってみるということです。

 最後に、海外のケースは少ないですけれども、参考になるような制度があるかどうかというのを調べながら進めさせていただいているところでございます。

 スライドの3「営業利益率調整の概念と過去の実績」ということで、スライドの4と合わせてごらんいただきたいと思います。既に御存じかと思いますけれども、今回、類似機能区分のないものについて、原価計算方式で算定するということで、新規収載品の革新性の程度に応じて、マイナス50%から100%の範囲内で調整を行うということで、平成23年度から平成26年度の実績を整理させていただいたところ、スライドの4ページ目にあるとおり4品目ございました。

 それらは、15%からプラスの50%というような分布になっておりました。

 これらをもとに、いわゆる評価の因子について整理をしておりますけれども、5ページ目に調整のコードについて、簡単に記載をさせていただいております。

 左側に、調整実績のある加算的な調整の評価というふうに書かれておりますけれども、基本的に、大きく2つに分けております。

 1つ目は、加算的な調整と減算的な調整のうち、今回、実績があったのは、加算的な調整のみなので、加算的な調整を中心に整理をさせていただいております。加算的な調整については2つございまして、1つは、ここに書かれておりますとおり、基本的な革新性の評価ということで、臨床面を主体とした評価、特に技術的な工夫とか、患者への貢献とか、適用方法で新しいイノベーションがあるかどうかというものを議論しております。

 2つ目は、その他の革新性の評価ということで、こちらは医薬品と違って、医療機器の場合、運用、オペレーションの要素がございますので、運用面を主体とした評価ということで、医療者への貢献、もう一つは、使用方法を工夫しているとか、その他の特異的な革新性を評価するという方針で整理をしているところでございます。

 スライドの6ページ目に、少し字が小さくて恐縮なのですが、今回、整理をさせていただいた営業利益率の評価要素について、まとめさせていただいております。

 多少繰り返しになりますが、大きく加算的な要件と減算的な要件に分けた上で、加算的なものについては、基本的な革新性ということで、患者への直接的な貢献として4つの要素、すなわち簡単に申し上げますと、臨床上有用な新規の機序、2番は、高い有効性、安全性、3番は、対象疾病の治療方法の著しい改善ということにしおります。

 3つ目は、その他のものということで、どちらかというと運用面、その他の新しい革新性を評価するということで、1番に、医療従事者への貢献、2番に環境に対する貢献、3番としては、患者にとっての負担の軽減、4番に、小児もしくは難病への適用拡大というようなもの、5番に、長期使用とか、在宅での展開を促すような医療技術について評価していきましょうということ、6番に、いわゆる保材専等でエキスパートの補正をするような形にさせていただいているところでございます。

 減算のほうにつきましては、今回、実績がございませんでしたけれども、一応、3つ項目を設定させていただいております。

 1つは、当該材料の性質ということで、これは、何を申し上げているかというと、他分野もしくは先行の技術において、同じような技術を応用しているようなものについて、改めて評価をするようなケースにおいては、少し減算をするような話です。2つには、対象疾病の特性として、こちらについては、多少、新しい製品でございますので、有害事象等を含めた不確定要素が懸念されるのが多少あるのであれば、そこを少し臨床面から緩和するような算定をしていこうということで設定させていただいているところでございます。

 以上につきましては、昨年度、御報告させていただいた類似機能区分の比較方式の構造と基本的には整合性をとるような形にさせていただいておりますし、もちろん、医薬品のほうと同じような概念をできるだけ取り入れるような形で進めさせていただいているところでございます。

 スライドの7に、今、申し上げた項目についてのポイント、基本的には、これを5%の換算係数で、実際の調整率を算定することになりますけれども、いわゆる加算分については、最大で20ポイントになるように設定させていただいております。

 減算につきましては、合計で10ポイントという形で、制度上の整合性を担保させていただいております。

 これらに基づいて、実際、幾つかの品目の試算例について御紹介をさせていただきたいと思います。定量的な評価のものについて、1つは、再生医学系のジャックにつきまして御報告させていただきますけれども、スライドの8をごらんいただけますでしょうか。

 こちら、実績としては50%の調整率でございました。今回、今、申し上げた新しい定量的な評価で算定させていただいたところ、55%になったということでございます。

 内訳でございますけれども、総評は割愛させていただきますが、3つの項目が該当しておりました。

 1つ目は、先ほど申し上げた項目1の(1)、いわゆる臨床上有用な新規の機序や構造があったということで、これは再生医学の臨床応用という点でイノベーションとして評価できるということです。

 2つ目は、項目の1の(3)、対象疾病の治療方法の著しい改善ということで、こちらは健常部を完全に切除することなく、細胞のみを抽出し、培養・充填するということを評価させていただいております。

 3つ目は、項目の2の(3)になりますけれども、低浸襲治療の推進、合併症の軽減ということで、これは、アプローチとして低浸襲な治療になるということで、項目1、3の流れの中から導き出しているところでございます。

 次の品目、サピエンXTについても御紹介させていただきます。スライドの9となります。

 こちらについても、一度、御議論いただいていると思いますので、総評は割愛させていただきます。

 3つの評価項目がございまして、項目の1の(1)、臨床上有用な新規の機序について、これは、新しい弁構造、バルーン型の拡張型の人工心臓弁を導入したということについての評価しております。

 2つ目は、1の(3)、いわゆる治療方法の著しい改善ということで、開胸手術ができない患者への治療介入ができるということを評価させていただいております。

 3つ目が、2の(3)になりますけれども、いわゆる低浸襲の評価にあたり、まさに低浸襲の治療ということで、トータルで11ポイントという評価になっておりまして、実績が47.5%でしたけれども、55%になっております。

 対象の4品目は非常に数が少ないのですけれども、まとめさせていただいたものがスライドの10、いわゆる既存の従来方式のものと、今回の定量的な方式で算定したものとの比較をマトリックスで説明させていただきますが、ごらんいただくとわかるとおり、基本的には一致する傾向になっているところでございます。

 スライドの11をご覧願います。この結果について、第三者を入れたレビューを実施しております。今回はデルファイ法と呼ばれるものですが、これは、いわゆる科学的な不確定要素があるものについて、その分野の専門家が、合意形成をしながら評価をしていくというアプローチでございます。ジャックについて評価をしたものを御紹介させていただきますが、右側に表がございますけれども、縦に各評価項目について、今回、再生医学のジャックについての定量的な新しい試行の評価が、どのように妥当性があるかということをチェックしていただきましたが、ごらんいただくとわかるとおり、おおむね100%に近い形で、エキスパートが評価をしているということでございます。

 最後に、スライドの12で、まとめと考察を説明させていただきますけれども、ごらんいただくとわかるとおり、いわゆる本研究で行った方法の調整率と、実際の算定ですけれども、おおむね一致しております。差がもちろんございましたけれども、5%から8%の範囲に収まっていたということであります。

 念のため、試行評価を検証させていただきましたけれども、デルファイ法によっておこなった検証は、高い評価を得ていたということであります。

 結果のまとめになりますけれども、本研究で検討した営業利益率の調整にかかわる定量的評価手法でございますけれども、今後、運用を評価するような議論を進めていって、より制度の高いものを目指していくということは、それなりに意義があるのではないかと考えているところでございます。

 ただし、当該分野は、不確定要素が非常に多いので、やはり、革新性、前向きな評価をしていく意味では、保材専のようなエキスパートの評価による緩和を含めた調整というものは、引き続き必要ではないかと考えている次第でございます。

 御説明は、以上でございます。

○印南部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの田倉教授からの御説明に関しまして、御意見、御質問等ありましたら、お願いします。

 鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員

 ありがとうございました。

 少し質問と意見がございます。まず、質問のほうでございますが、7ページ目の図表の右側に「ポイント(例)」とありますけれども、例と書いてあるということは、ポイントが可変的なものなのでしょうか、これは、これで一応、設定したものだということにしないと、なかなか今後検討が進まないのではないかと思うのですが、例というのは、どういう意味なのかということが1つあります。

 それから、合計最大20ポイントということは、1.のほうの4項目があって、これを足しますと、16ポイントになるわけですが、その場合でも12ポイントまでしか認めないということなのかと思うのですけれども、それで、よろしいのかということを教えていただきたいと思います。

 それから、最後の12ページを見ての意見でございます。4例では、何とも言えないのではないかという気もいたしますし、ある意味では、このぐらいだと結果に合わせることもできるのではないかという気もしますけれども、とにかく、さらに実例を積み重ねることが必要だと思いますので、継続されるということはよろしいと思いますが、最後のほうの4行目ぐらいからを見ますと、一様のルールでは考慮し切れない要因の存在もあるということで、保険医療材料専門組織による革新性等の判断に基づくポイントを一定範囲で加味するなど、必要に応じて調整率の緩和の考え方も適用するということです。確かにそういうものを入れていけば、よりきれいな形にはなるのでしょうが、そうすると、定量的ではなくて、だんだん定性的に戻ってしまうのではないかという気もするのですけれども、その辺について、これは、やはり、完全に定量的にするのは無理だというのが現時点での意見なのでしょうか。これから、さらに症例を積み重ねるにしても、定量と定性の組み合わせについて、これも意見というより質問ですが、お答えいただければと思います。よろしくお願いします。

○印南部会長

 では、田倉教授、お願いします。

○田倉参考人

御質問ありがとうございます。

 1点目のポイントにかかるところの表記の例でございますけれども、これは、この場で御報告させていただいて、御承認いただけるような形であれば、今後、確定という形にさせていただきたいということで、基本的には、完了形の位置づけで、今回はお持ちしておるところでございます。

 2つ目は、20ポイントのお話でございますけれども、今回、制度上は加算方式においては、トータルで100%ということで、それとの整合性も考慮しながら議論をさせていただいているところでございます。スライドの6ページ目をごらんいただけますでしょうか。

 先ほど、御説明を割愛して失礼しました。右側にいわゆる選定、算定のための条件を記載してり、いわゆる重複な選定ができないようなものを一応設定させていただいているところでございます。

 例えば、1番の(1)について、これは、革新性があるということで、技術が非常に新しいといっても、やはり、医療機器で患者様の健康改善が主たるアウトカムであれば、有効性とか安全性とか、いわゆる効果・効能等の議論がないといけないということで、これは、単独で算定できないという条件を複数入れております。これを考慮すると、トータルで12ポイントおよび8ポイント、トータルで20ポイントという形になっております。

○鈴木委員

 わかりました。

○田倉参考人

 最後、3番目の御指摘、御示唆、御質問でございますけれども、大変ありがとうございます。

 研究班でも、非常にいろんな議論をさせていただいているところでございますが、過去の後ろ向き、今回、レトロスペクティブに分析をさせていただいておりますので、マトリックスも非常に数が少ないということであれば、一致をするような傾向にありますけれども、問題は、未来に向けて、今後、どのような新しい技術で、新しい品目が出てくるのか、不確定要素がある中において、過去の実績と過去の考え方に基づいたフレームでは、新しいものに対応できなくなる可能性もあるのではないかということであります。そこは、やはり、専門家で臨床現場、もしくは研究開発をされた先生方の御知見というのは非常に重要であるということで、そのために、今回、評価項目の中にも、最後に必ず保材専の意見を入れるような形にさせていただきます。

 ただし、それが大きな割合を占めるということは、定量的評価の主旨から外れ、定性的な評価になってしまいますので、ごらんいただくとわかるとおり、先ほどの加算方式の中における20ポイントの中でも、いわゆる保材専における御意見で調整できる範囲というのは、3ポイントにしかすぎないということであります。若干の補正ではありますが、救済や補正という形で、新しいものに対応していくというような枠組みをつくらせていただいているところでございます。

 以上です。

○鈴木委員

 わかりました。ありがとうございました。

○印南部会長

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 大変ありがとうございました。

 2点質問させていただきたいのですが、1つは、7枚目のシートに評価項目とウェイトづけが出ておりますけれども、現在、参考値として使われている類似機能区分比較方式の加算の評価項目ですと比較して、両者の差はあるのでしょうか。あるとすれば、どういうことでその差が出ているのかというのが1点目でございます。

 2つ目は、むしろ事務局への質問ですが、これは薬も同様ですが、定量評価をするということで、それから2年とは言いませんが1年半ぐらいは既に経過をしておりますが、今後どういうタイミングで評価方式の切りかえを考えていらっしゃるのでしょうか。これは、個人的な意見でございますが、田倉先生が御苦労して、原価計算方式についてたった4例しかない中で、このようなやり方をやっていただいたのですが、はっきり申し上げて細かいところまで全部精緻に万人が納得する定量化方式は、まずあり得ないわけで、どこかで割り切らざるを得ないと思っています。

 ということで、今後、本格導入に向けて、どのようなスケジュール感をお持ちなのかということを、事務局に2点目として質問させていただきたいと思います。

○印南部会長

 それでは、まず、1点目について田倉先生、お願いします。

○田倉参考人

 御指摘ありがとうございます。

 前回の類似機能区分比較方式とのポイントの差の御質問と理解しております。項目が多少、前回御報告させていただいた類似機能区分比較方式と、今回の原価計算における利益率の調整というのは違いますので、単純な比較はできないのですが、結論申し上げますと、前回、御報告させていただいている類似機能区分比較方式と基本的には、評価について大きく差が出る、要するに重みづけでポイントに差が出るような形にはしておりません。後で比較をしていただければと思いますけれども、いわゆる類似機能区分比較方式のほうで高く評価しているポイントについては、今回も同じような項目があれば、高く評価をし、低いものは低くするという形で、バランス、整合性をとっております。そこは御安心いただければと思います。

 以上です。

○印南部会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 2点目の御質問でございますが、本日、部会のほうで、この原価計算方式での定量的算出法を御議論いただき、後ほど総会のほうでも御了承いただければ、今後、原価計算方式で保険償還価格を検討する際は、この算出法を参考としまして、保険材料専門組織からの報告の中にも、記載するという運用をさせていただこうと思います。

 なお、今回の算出法は、あくまでも過去の実績に基づいたものでございます。今後、具体例を積み重ねながら、議論をしていただいて修正等を行うことも考えられますし、ある程度安定的に評価に使えるということであれば、正式に制度に組み込んで使うというようなこともあると思います。どの程度の期間ということについては、実例を、ある程度積み重ねからでないと、お示しすることが難しいと思っております。

○印南部会長

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 1点目の質問につきましては、よく理解できました。大変ありがとうございました。

 2点目の件でございますが、佐々木企画官の回答も理解して、私も個人的な意見で、どこかで割り切るべきだと申し上げましたが、やはりターゲットを決めて、そこに向かって議論をしていくという形にしないと、いつまでたっても先に進まないと思います。例えば、原価計算方式は実例がまだ4例しかないわけで、1年に1件か2件しかない実例を積み重ねることが、どれだけ意味があるのかと思いますので、いつがいいとは今の時点では言いにくいのはわかりますが、どこかで割り切って、定量方式でいくことで切りかえていくべきだという意見を申し上げておきたいと思います。

○印南部会長

 ほかに、安部委員、お願いします。

○安部委員

 7ページの表で、教えていただきたいのですが、評価因子の中の加算のところにポイントがあって、例えば、(1)であれば5ポイントというふうになっているわけなのですが、これは、0か5ということと考えてよろしいのでしょうか。

 例えば、臨床上有用な新規性の機序や構造があったというときに、非常に画期的なものは5だけれども、それ以外は0という評価で、つまり、画期的なのだけれども、5ポイントまでいかないものは0になってしまうのか。イメージ的には、ちゃんと評価するには、0から5まである中で、例えば、3ポイントのものも評価をするという方法はないのかと、素人考えではそう思うのですけれども、オール・オア・ナッシングなのか、その程度によって評価するのが良いのかというのは、御研究の中で、何か御議論というか、お考えがあったら教えていただければと思います。

○印南部会長

 どうぞ。

○田倉参考人

 非常に重要な御指摘、ありがとうございます。

 研究班の中でも、このポイントにグレードをつけるかどうかということについては議論がございました。

 実は、結論は出ていないところでありまして、最大で5ポイントはつけましょうということはコンセンサスを持っていますけれども、0はともかくとして、その間の中間の1、2、3および4をどうするかというような議論については、結論は出ておりませんでした。

 もし、そこのグレードについて、まさに定量的な、客観的な判断がつく議論がでるのであれば、そこはグレードをつけるべきだという話ですけれども、もし、できない場合においては、もしかすると、0、1というか、0もしくは5というような算定のほうが、逆に説明能力が高くなる可能性もあるという議論があったということを申し添えさせていただきます。

 以上です。

○安部委員

 ありがとうございました。

○印南部会長

 ほかに、御意見等、御質問等、よろしいですか。

 それでは、この議題については、このあたりとしまして、本日の総会へ報告させていただきたいと思います。

 それでは、本日の議論は、このあたりにしたいと思います。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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