ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 国立研究開発法人審議会(厚生科学研究評価部会)> 第2回厚生労働省国立研究開発法人審議会 厚生科学研究評価部会 議事録(2015年8月5日)
2015年8月5日 第2回厚生労働省国立研究開発法人審議会 厚生科学研究評価部会 議事録
大臣官房厚生科学課
○日時
平成27年8月5日(水) 14:00~16:00
○場所
経済産業省別館 共用第108会議室
○出席者
【委員】
金倉部会長、一條部会長代理、定本委員、清水委員、丸山委員 |
【医薬基盤・健康・栄養研究所】
米田理事長、古野理事、中井川理事長特任補佐、 |
広瀬戦略企画部長、岡村総務部長、小須田総務部次長、 |
武井開発振興部長、清水研究企画評価主幹 |
【日本医療研究開発機構】
陰山西日本戦略企画グループ長 |
○議題
(1)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の中期目標期間実績評価について(医薬基盤研究所、国立健康・栄養研究所)
(2)その他
○配布資料
委員名簿 | |
【医薬基盤研究所】 | |
資料1-1 | 中期目標期間実績評価書(案) |
資料1-2 | 中期目標期間実績評価説明資料 |
【国立健康・栄養研究所】 | |
資料2-1 | 中期目標期間実績評価書(案) |
資料2-2 | 中期目標期間実績評価説明資料 |
(参考資料) | |
1 | 自己評定一覧表 |
2 | 独立行政法人の評価に関する指針 |
○議事
○金倉部会長 定刻よりは少し早いですが、予定の方はそろいましたので、ただいまから第2回厚生労働省国立研究開発法人審議会厚生科学研究評価部会を開催したいと思います。
委員の皆様には、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、本日の議事について、事務局から説明をお願いします。
○手島課長補佐 それでは、事務局からご説明させていただきます。
本日、厚生科学課長ですが、国会の用務で少しおくれて参ります。
それでは、本日の議事につきましてご説明いたします。
初めに、本日の会議資料の確認をさせていただきます。
まず、お手元のほうに座席表がございまして、議事次第の後に委員名簿がございます。その後に、医薬基盤研究所の資料1-1の中期目標の期間評価書。資料1-2で説明資料がございます。国立健康・栄養研究所の資料2-1で中期目標の期間実績評価書がございまして、資料2-2で説明資料が入っております。参考資料としまして自己評定一覧表がございまして、参考2に独法行政法人の評価に関する指針を入れております。資料の不足、乱丁がございましたらお申し出下さい。
本日の議事は、お手元に配付していただいております議事次第のとおり、医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所の中期目標期間実績評価に係る意見聴取でございます。
中期目標期間の実績評価についてですが、こちらは独立行政法人通則法の第32条第1項3号の規定に基づきまして、中期目標期間に実施される中期目標期間全体の業務実績の評価でございまして、中期目標期間における中期目標の達成状況を考慮しまして、年度評価と同様に、項目別評定と総合評定により行うこととされております。
これらは、中期目標の変更を含む法人の業務運営の改善に資することを目的とするほか、評価結果を役職員の処遇に活用すること等を目的として実施するものでございます。
本日は、平成26年度が中期目標期間の最終年度に該当する医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所の中期目標期間実績評価について、本部会のご意見を賜ることとしております。
追加で、前回、7月28日で厚生科学研究評価部会の評価の関係で、委員の先生からもご意見がございましたように評価の指針が変更されましたので、その説明を簡単にさせていただきたいと思います。
お手元にございます参考資料2の25ページをお開きいただけますでしょうか。
こちら、25ページのところは研究開発に係る事務及び事業についてでございます。原則としまして、S、A、B、C、Dの5段階で評語を付すことにより行うものとしまして、Bを標準とするということになっております。Sの評価にございましては、研究の開発成果の最大化に向けての特に顕著な成果の創出や、将来的な特別の成果の創出の期待が認められるものというのがS評価となっております。
Aにつきましては、こちらも同様でございますけれども、研究開発成果の最大化に向けての顕著な成果の創出、将来的な成果の創出の期待が認められる。
Bにつきまして、こちらは標準となっておりますが、成果の創出と将来的な成果の創出というところで着実な業務運営がなされているというところでございます。
研究開発業務以外の部分についての評価につきましては、8ページになりますが、そちらをお開きいただけますでしょうか。
こちらも、同様にBを標準としまして、Sの評価としましては、初期の目標を量的に、質的に上回る顕著な成果が得られるというところで、定量的な指標においては、中期計画値の120%以上、質的に顕著な成果が得られるものというところになっております。
Aの評価につきましては、目標を上回る成果としまして、こちらも中期計画値に対する、計画値の120%以上とする。
標準とするBにつきましては、目標を達していると認められる。100%以上120%未満ということになっております。
Sの評価につきましては、具体的な基準ということでお示ししているのが、31ページをお開きいただけますでしょうか。
こちらに、オというところで、評定区分というところで、初めのぽつのところで、成果・取り組みの科学的意義というところで、例示として、世界で初めての成果や従来の概念を覆す成果など、当該分野にブレイクスルー、画期的にもたらすもの、世界最高の水準の達成というところでなっております。
そのほかで言いますと、あと社会的価値というところで、こちらも研究成果による新たな知見、国や公的機関の基準・方針や取り組みに反映されて、社会生活の向上に著しく貢献をしているというようなところが、Sの具体的な基準ということで示されております。
具体的な評定をするに当たりまして、昨年度までは各省の独法評価委員会の評価において、Bという標準としておりましたけれども、毎年のことで上振れをされておりまして、おおむねAが標準というような感じになっておりましたけれども、昨年度の指針に基づきますと、新たな基準ではBが標準ということで明記されております。
これから法人での中期の評価につきましてご説明いただきますけれども、自己評価S、Aにしたところにつきましては、理由をご説明いただきたいと思っております。
以上、独法評価に関する指針についてご説明をさせていただきまして、事務局からは以上でございます。
○金倉部会長 よろしいでしょうか。
それでは、医薬基盤研究所の中期目標期間の実績評価について議論していきたいと思います。
初めに、研究開発の成果の最大化に関する事項の評価項目1から14に係る業務実績及び自己評価について議論したいと思います。法人からご説明をいただきまして、その後に質疑応答という流れで進めていきたいと思います。時間が限られておりますので、ポイントを絞ってご説明をお願いいたします。
では、よろしくお願いします。
○広瀬戦略企画部長 それでは、医薬基盤研究所分の平成22年度から26年度までの中期目標期間の実績評価につきまして、資料1-1、それから1-2のほうにまとめてございますので、説明用資料ということで資料1-2のほうを中心に、ポイントを絞ってご説明をさせていただきます。
1ページには、旧医薬基盤研究所の事業体系図をお示ししておりますけれども、前回の委員会との説明ともかぶりますので、初めてご出席いただいた先生もいらっしゃいますけれども、説明のほうは割愛をさせていただきます。
次に、2ページをご覧ください。各評価項目ごとの右上のところに最終評価、これも自己評価になってございますけれども、ここの最終評価の算出方法につきましては、平成22年度から平成25年度までの過去4年間、これは委員の評価をいただいているものがございますので、この過去4年間の委員評価と、平成26年度分につきましては、前回の会議から日程的に短いということもございまして、26年度分につきましては、仮に今現在、もともとこちらの医薬基盤研究所でお示しさせていただきました自己評価の数字で入れさせていただいております。これらを足し上げて、5年分になりますので、5で割って平均を出すというような形で、この場合に、これは数字の単純平均になりますので、4.50以上、小数点1桁目が4.5というふうになった場合に四捨五入して5に繰り上がるということで、4.5以上をS評価、3.5以上をA評価、2.5以上をB評価という取り扱いにさせていただいております。
それでは、中身の説明に入らせていただきます。
評価項目1のところですけれども、(1)のにございますように、例えば産学官の連携功労者表彰、これを3年連続受賞していたりですとか、(2)のにありますような、質の高い論文を多数報告させていただいているということなどをご評価いただいておりまして、22年度から25年度までの毎年度、S評価をいただいてきたところでございます。
26年度の自己評価をSとして、これにつきましては、特に委員の方々のご評価をいただいていないものですから、数字が端数という形ではなく、Sについては5点を入れさせていただいておりますが、この数値で加えまして5年間の平均をとりましたところ4.83となりますことから、4.5を超えているということで、最終評価の自己評価としてはS評価とさせていただいております。
以下、各評価項目の最終評価につきましては、同様にして算出したものをお示ししておりますので、よろしくお願いいたします。
3ページ。この下側のところになりますけれども、評価項目2についてでございますが、民間企業等との共同研究の推進とか、3重点分野への研究の重点化と相互連携の推進などをご評価いただいておりまして、毎年度A評価をいただいているというような状況でございます。26年度の自己評価をAといたしますと、最終評価のところもAというふうになると考えております。
続きまして、4ページをご覧ください。
評価項目3につきましては、不正行為とか研究費の不正使用防止、コンプライアンス遵守、それから支出の削減などの取り組みをご評価いただき、毎年度A評価をいただいてございます。それから、26年度自己評価をAといたしますと、最終評価はAとなります。
続きまして、5ページの評価項目4をご覧ください。
こちらも(3)、(4)に記載させていただいたような内容でご評価をいただいておりまして、平成22年度、23年度はB評価。24年度、25年度はA評価をいただいており、26年度の自己評価を反映させていただきますと、最終評価としては、これは数字の平均でとりましたところ3.77となりますことから、A評価とさせていただいております。
続きまして、6ページをご覧ください。
評価項目5でございますが、こちらのほうはスライドの字が小さくて大変申しわけございません。ここに記載させていただいておりますような、アジュバントの発見とか、経鼻ワクチンの開発ですとか、さまざまな成果をご評価いただいておりまして、平成22年度はA評価、23年度から25年度までS評価をいただき、26年度の評価を反映いたしますと、数値的に4.72という形になりますので、最終評価はSなります。
7ページをご覧ください。
評価項目6でございますが、こちらもここに記載させていただいておりますような医薬品等の毒性等評価系構築に向けた研究内容をご評価いただきまして、22年度から24年度までがS評価、25年度はA評価をいただいております。26年度の自己評価をA評価として平均した場合になりますが、ここで平均値が4.55となりますことから、4.50を超えたということで、最終評価としてはS評価とさせていただいております。
続きまして、8ページをご覧ください。
評価項目7-1についてでございますが、22年度がS評価、23年度から25年度がA評価をいただいております。平成26年度のS評価を、これは自己評価ですが、これを反映いたしましても平均値が4.42となりまして、4.5を下回りますことから、最終評価としてはA評価というふうになります。
続きまして、9ページの評価項目7-2をご覧ください。
こちらは、1の基盤的技術研究の(3)難病等に関する基盤的研究の中から、特に当研究所の新たな柱であります抗体、核酸のスクリーニングについての評価をここの項目の中でさせていただいておりますが、こちらは26年度からの新規事業となりますため、平成26年度の評価結果がそのまま最終評価に反映され、A評価というふうにさせていただいております。
続きまして、10ページをご覧ください。
評価項目8につきまして、難病、それから疾患資源研究でございますけれども、平成25年度まで毎年度A評価をいただいてございまして、26年度を反映し、最終評価はAとなります。
11ページをご覧ください。
評価項目9の薬用植物についてですが、22年度にA評価をいただき、それ以降はS評価を25年度までいただいています。26年度の評価を反映し、最終評価はSとなります。
続きまして、12ページをご覧ください。
評価項目10の霊長類についてですが、22年度から24年度まではA評価、25年度はS評価をいただいておりますが、26年度の評価を反映し、最終評価はAとなります。
また、21ページ以降に参考資料をお示ししております。ご説明した内容の裏づけとなる資料を添付させていただいておりますが、時間の関係もありますので、後ほどご覧いただければと思います。
13ページの評価項目11からは、説明者が変わってご説明させていただきます。
○武井開発振興部長 それでは、続きまして13ページ以降の評価項目11、12、13をまとめて説明させていただきます。この3つの評価項目につきましては全て中期目標を上回っておりましたので、どのように上回っているかという点を中心に説明させていただきます。
まず、評価項目11。13ページでございますけれども、こちらの事業としては、開発上のリスクが高い領域に対しまして先駆的な研究を支援している事業となっておりまして、そちらの評価軸としては2つの数値目標がございます。
1つ目は、プロジェクト1件当たりの論文数の増加率が、平成22年度当初に比べて何パーセント増加しているかというところで、括弧内にその数値が入っております。23年度から括弧内を順次見ていただきますと、18、29、50、66と、それぞれ10%を上回っておりまして、年々増加している傾向が見ていただけるかと思います。
2つ目の数値目標が、実用化が見込まれる課題の割合ということで、これは4割を目標にしておりますが、全ての年度において4割を超えているというのが実績でございます。
中期計画の事業体制について簡単に見ていただきたいと思います。いわゆる質的な部分でございまして、PD、PO、プログラムディレクター、オフィサーを活用しまして評価・助言を行っていると同時に、外部評価委員会を設置しまして、そこにおいて厳正な評価-一次評価、二次評価を行うとともに、その評価結果をホームページで公表しました。それから、評価内容等を本人に通知するとともに、例えばその後の速やかな研究費の交付ですとか、手続の簡素化など、利用しやすい資金の提供に努めてまいりました。
1つだけ具体的な研究実績を紹介させていただきますと、平成22年度に京都大学の山中先生に支援を行いまして、平成24年度にノーベル賞を受賞しております。
それから、成果の創出に関しては、成果発表会などで積極的に広報をしたほか、橋渡しセミナーなども開催しているところでございます。
続いて、評価項目12をご覧ください。こちらは希少疾病用医薬品等開発振興事業となりますが、この事業においては、患者さんが非常に少ない、いわゆるオーファンといわれる領域に対して支援を行っておりまして、こちらの事業で中期計画の期間中、医薬品については28品目、それから医療機器については6品目承認を取っているところです。累積が括弧の中にありますけれども、医薬品が112、医療機器が8品目ということで、特に医療機器については、第2期の間に非常に大きな成果を上げたと考えております。
具体例を1つ見ていただきますと、国内初の抗体医薬品ポテリジオが開発され、既に患者さんに使われているのが大きな実績です。
それと、この事業については年度ごとに改善をしており、例えば、だんだん評価が上がっているのがご覧いただけると思いますが、23年度は広報の充実。24年度は予算額が、表の右側のほうを見ていただきますと、6.5億、6.5億、8.8億と24年度が大きく伸びています。この年度にウルトラオーファン事業というのを新たに創設しました。ウルトラオーファンとは患者さんの数が1,000名未満ということで、非常に開発が進みにくい領域でございますが、こうした分野を積極的に支援するために設けられた事業でございます。その後も25年度には治験を支援するためのオーファン治験ウエブの本格的な始動ですとか、26年度はガイドブックを公表したんですけれども、これは開発事業者さんが使うガイドブックがなかなかアップデートされないということがございましたので、それを当方でコピーライトを譲り受けまして、無償でアップデートしてホームページで公開した、そういった取り組みを進めております。
数値目標は、年1回の説明会でございますが、これは年2回以上、平均しますと3回開催しておりますので、数値目標を大幅に上回る成果であると考えております。
以上のように、評価項目12については、ウルトラオーファン等の事業を開始する等、各年度ごとに改善を重ねて、その支援を充実・強化してきたという実績がございます。
その次に、評価項目13ですけれども、実用化支援事業、承継事業という2つの事業を行っておりまして、こちらはベンチャー企業等を通じて実用化する事業になっておりますけれども、実用化支援事業については19のテーマをフォローアップして、そのうち1テーマで承認が取得されておりまして、2テーマで承認申請が済んでおります。
承継事業については、全ての融資事業の回収を終えているほか、遺伝子治療製剤6件についてはライセンス契約済みとなっております。
納付金については、実用化支援事業で24年に1件、26年に4件ということで、近年納付が増加する傾向にありまして、今後はこうしたライセンスアウトを通じて、さらに開発を支援していくという予定でございます。
実績、数値目標が最後のところに出ておりますが、収益が見込まれる案件5に対して、第二期中期計画中については、合計8件が実績として出ております。
このように、中期目標を上回る実績を得ているのがこの事業でございます。
以上です。
○陰山西日本戦略企画グループ長 続きまして、評価項目14についてご説明させていただきます。
まず、本来であれば、榑林陽一のほうからご説明させていただくところですけれども、本日、所用により欠席ですので、陰山のほうからご説明させていただきたいと思います。
評価項目14につきましては、いわゆる創薬支援ということで、アカデミア等の優れた基礎研究の成果を医薬品として実用化につなげるための支援ということになっております。
平成25年度にS評価をいただいておりますが、平成25年より開始いたしました創薬支援事業におきまして、製薬企業等で医薬品の研究開発にかかわる経験を積んだ専門人材を多く抱えまして、積極的なシーズ収集及び発掘、それから基礎研究者の創薬研究に対する相談を受ける創薬ナビ、それから技術活用の登録事業といたしまして創薬アーカイブということを含めて、最終的に実用化の可能性の高い研究開発を実用化に結びつけるための事業として創薬ブースターという事業を開始しております。順調に実績を積み上げまして、平成26年末の段階で25件の創薬支援を開始したということになっております。
その他、相談、シーズ評価につきましても、開始2年間で順調な推移を、伸びているということで、今回S評価として考えております。
以上でございます。
○広瀬戦略企画部長 最後に補足をさせていただきたいのですが、冒頭に評価基準のお話がございまして、一応、基盤研の自己評価といたしまして、私たちも基本的には目標に到達したものについてはB評価、標準ということで考えて、これまでも自己評価をさせてきていただいたというふうに考えております。
それから、目標を十分上回るようなものがあったものにつきましては、自己評価Aとさせていただいておりまして、なお、さらに画期的なものがたまに出てきたものにつきましては、一応S評価というようなことを基本に自己評価はさせていただいてきたと、私たちとしてはそのように考えておりますので、個々の機関の状況によりましては、若干上振れということはあるのかもしれませんけれども、私たちとしてはこのように対応してきましたということを、一応最後に申し添えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○金倉部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまご説明がございました事項について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
○一條部会長代理 点数化のところの技術的なところでお伺いしたいんですけれども、たしか4.5以上はS、3.5~4.5はAというふうなお話しだったかと思います。それでよろしいですか。
○広瀬戦略企画部長 3.5を上回って4.4までがA。小数点第一位のところを四捨五入する形でというふうに。これは私たちの自己評価としてはそういう取り扱いとさせていただきました。
○手島課長補佐 以前の評価の関係で、その点数で行っておりますけれども、今回、新たに評価基準も見直したという部分もありまして、現状としては過去からので点数を入れさせていただいて、それで26年度は法人の自己評価を入れさせていただいているというところでございます。
○一條部会長代理 それで非常に結構なんですけれども。ただ26年度に関しては、自己評価がSの場合とAの場合があったと思うんですけれども、自己評価Aの場合は4点というふうになったりしていますよね。
○広瀬戦略企画部長 仮に、今、私たちの自己評価ですので4点を入れさせていただいておりまして、本来でしたら、多分、委員の先生方がそれぞれご評価いただいた点数を平均して、例えば3.5から4.4までの数字が入るかと。
○一條部会長代理 それをどう解釈するかで、仮にということで構わないんですけれども、Aの場合は4にしていると。Sは4.5と5の間なんで、本当だったら、Aと同じような解釈をすると、4.75という点数を入れたほうがいいのかなと思ったんです。そのほうが客観性があるかなと。
そういう目で見ると、唯一それで影響を受けるかなと思ったのは、評価項目12のところが、最終評価が4.51になっているので、これをもし平成26年度を4.75にすると、多分最終評価が4.5を切ってしまうかなという気はします。そういうところにちょっと影響するので。
いずれにしても、そこは多分統一されたほうがいいのかなと思いましたけれども、どうなんでしょうか。
○手島課長補佐 そうですね。これはあくまで自己評価を入れておりまして、今度大臣の評価、委員の先生方から評価の参考にいただいてから、その委員の先生方で割り戻して点数を入れさせて、最終的に大臣の評価というようなことでさせていただきますので。目安として考えていただければと思っています。
○一條部会長代理 わかりました。これは全部目安ということですね。
○手島課長補佐 目安で、はい。25までが今まで全体の評価で固まったものでございまして、26年度を踏まえた上での最終評価という形で係数を記載しておりますので。
○金倉部会長 ほかにいかがでしょうか。
細かい点ですけれども、2ページの評価項目1。先ほど一條先生からもお話しがあったんですけれども、この(2)の研究成果の普及及び促進の、例えばNatureが135篇というのは、これは投稿も入れているということですか。Nature等ですね。
○米田理事長 等です。これはNatureだけが135もあったわけでは、もちろんございません。
○金倉部会長 わかりました。了解しました。
ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。
○清水委員 今回は評価基準が変わったんで、なかなか判定をしにくいという側面があるんですけれども。みずからが研究している内容で、結果的に世界で唯一の研究みたいなものが出てくると、Sというのが非常にわかりやすいんですけれども。例えば、ここの14番の創薬支援がありますが、こういう支援業務みたいなもので、例えばSという評価をする場合、どんなことを実際に支援の業務として努力をされて、
支援の結果を出したという説明がないと、私はSにはとても行かないと思うんです。
似たようなものがほかにもいろいろありまして、その辺を今回どう評価するかですよね。これは質の問題もSのところAもそうですけれども、考えていかなきゃならないんで、目標を単純にクリアしたということでは、A、Sはつかないと思うんです。
どういうときにつくかというと、目標設定そのものが非常に高い状態のもので設定されているという説明が必要だと思うんです。それをクリアしていればA評価になりますが、普通に目標を達成した場合はBだと思います。Aというと、はるかにそれよりも高い成果。Sということになると、それは世界で唯一の研究だと。こういうことを今回の評価基準の変更では求められていると思うんですが。
この全体的に評価が高すぎるというふうに私は思うんで、私は独自の視点で、評価をつけさせてもらいますけれども、そういうふうに思いました。
個別に一つ一つ質問すると時間がすごくかかるんで、全体的な評価に対する意見を申しあげました。
○金倉部会長 わかりました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
確かに、先ほどの評価項目の14のところは、数は増えていますけれども、例えば、どういう創薬支援をしたかというようなことをコメントで入れていただいたほうがよかったかなとは思うんですが。その辺はいかがでしょうか。
○米田理事長 実際には、陰山課長がかなり努力して立ち上げてきましたので、彼から言っていただくのが一番いいかなと思います。
○陰山西日本戦略企画グループ長 私のほうからご説明させていただきます。
まず、この創薬支援事業ですが、いわゆる通常の、研究者みずから研究開発を立案・策定して創薬研究を行っていくような、従来のファンディング事業とは若干異なりまして、医薬品としての実用化の可能性が高いというものにつきまして、創薬支援戦略室におります企業出身者が研究開発計画をみずから立案・策定し、そして知財戦略、出口戦略を行うとともに、いわゆる当医薬基盤研究所を中心とした創薬支援ネットワークの構成機関の技術機関と調整をしながら研究開発を進めていくという、通常のファンディングの仕組みとは違うということになっています。まずそれが一つ、通常の仕組みと違う中で行っている。
さらに、実用化の可能性が高いというものにつきましては、4点のポイントで評価を行っております。それは科学的合理性・独創性、それからアンメットメディカルニーズの充足性、それから医薬品としての市場規模、それから技術的実効性、潜在技術。そういったことも全て評価した上で、医薬品としての実用化の可能性を十分な時間をかけて検討していくということです。
そういった観点から、さらに言えば、いわゆるアンメットメディカルニーズという観点も含めまして、企業につなげることができるということも含めまして、低分子化合物から抗体へとさまざまなモダリティーのものについて研究開発、創薬支援を行っているということですので、実績としては、まだ立ち上がって2年というところですので、なかなか実用化の部分までつながっているものはありませんが、そういったところを含めまして、我々は順調に研究成果もしくは実績を進めていったということで、目標設定としては非常に低いものではなかったと理解しております。
○金倉部会長 どうぞ。
○清水委員 今のお話を聞いても、非常にすばらしい取り組みであると思うんですけれども、医薬系の創薬支援というと、そういうことをやっていかないと、今後実用化に結びつかないんで。今の段階では、もうちょっと先に行くとわからないですけれども、今回の基準では、やはりSじゃなくて、やっぱりAという評価が基本的なベースかなというふうにも、今のお話を聞いても思うんですけれども。
さらに、そういう取り組みそのもので、大きな成果がもっとどんどん出るような仕組みになったということを言っていただくと、これはSかなという気もするんですけれども、その辺のところが今回は微妙なんです。
それからもう一つ追加で。評価項目12のところにも、やはりこれは、みずからがやるというか、振興事業としてやっているわけですよね。そうすると、やはり目標どおりのことを通常やったんだろうなというふうに思うんで。私はこれはBなのかなというふうに思うんですけれども。やはり、ここにSという評価が付くというのは。従来の基準だと、これでもいいかなという気もするんですけれども、これだとなかなか今回は他の研究機関がどういう評価をするかわからないですけれども、そういうところと比べても突出した高い評価がどんどん出てくるような形になり余り都合がよくないなというふうに思っているんですけれども。この辺についても、みずからが努力した結果、どういう状態になったということのご説明があると、もう少しわかるかなと思うんですけれども。
要するに、みずからが主体的にどんなことを工夫して、こういう成果に持ってきたかという、そこら辺がもうちょっと明確にわかるといいんですが。数字の結果はわかりましたけれども。
○広瀬戦略企画部長 確かにそうなんですけれども、これも実際にこのシーズとか、実際に支援をしているものにつきましても、単純にお店を広げて飛び込んできたものを受けているという、そういう受け身ではなくて、むしろシーズの探索とか発掘みたいなことも創薬支援戦略室のほうで取り組んでおりますし、また、創薬支援戦略室の活動につきまして、広く世の中に、大学とかにも知っていただくためにも、例えば、内閣府とかとも共同で広報活動、オールジャパンでの創薬支援、日本立国に向けてというような共同でのセミナー、催し物なんかもいたしまして、多くの先生方にまず活動の実績を知っていただきつつ、我々みずからもいろんなシーズを探しながら、相談の種をうまく育ててきて今に至っております。
それから、大変申しわけないのですけれども、医薬品につきましては、冒頭のところにございますように、新薬開発には大体20年ぐらいかかると言われておりまして、なかなか創薬支援をしたことですぐ1年、2年で何か薬が出てくるものではない状況がございますものですから、そこは将来、やはりきちんとしたものが実際に出てくればくれば、胸を張ってこういう成果がありましたということをお話しできるんですが、そこのところはなかなか難しい面もありますことをご理解いただければと思います。
○清水委員 私はやられている業務、あるいは研究が効果がないと言っているんではなくて、非常にすばらしい研究をやっているというふうに理解しています。理解しているんですけれども、今まさにおっしゃったように、何年かに一度出てきた、そのタイミングでの成果がSなんであって、成果が出るまでの時期、その取り組みとかでは、Sという説明を受けましたけれども、やはりAをベースにするんじゃないのかと私は思うんです。
今言われたようなことは、通常、創薬系をやっていくんだったらやらなきゃならない業務の範疇だと思っているんで、それが普通に行われたということだったら、もしかするとBかもしれないとも思っています。S評価というと、やはりこれは偶然じゃないですけれども、突出した成果が本当に出てしまったみたいなタイミングのときにSという評価になるんじゃないかと、今回の評価基準では思っているところです。その辺のところで考えると、ご説明通り、すばらしい研究をやっているなとは思いつつ、今回の基準で評価をつけるということになると、自己評価をそのままというのはなかなか厳しいかなというふうに思っているというのが私の感触です。
○金倉部会長 どうぞ。
○武井開発振興部長 評価項目12についてのご質問がありましたので、通常の支援であればBではないかという話だったかと思います。まさしくおっしゃるとおりで、これはどういう理由でAじゃなくてSかというところなんですけれども、例えば、数値的なところで言いますと、普通、医薬品の開発は、承認されるのは最もハードルが高くて、一番最初からやると、1万分の1とか3万分の1とか言われるんですけれども、実績として、第二期中期のときに医薬品で28、それから、特に医療機器の6品目の承認というのは、今までにない画期的なことです。それに加えて、国内初の抗体医薬品。これ承認を得て国内初というのは、やはりSかなというふうに思います。
それと、やはりご指摘いただいたように質的なアップというのが我々も非常に重要だと思っていて、通常の目標としては、助成金を交付して支援するというところがベースラインになりますので、それをいかに上乗せしたかというのが今回のポイントになっていまして。例えば、年度の中期目標をつくった段階では、ウルトラオーファン事業という、いわゆる1,000人未満の最も開発が難しい領域についての支援というのは当初想定されておりませんでしたが、そういう新規の事業を創設しました。それから、民間でガイドブックをつくっていますけれども、これは売り上げが伸びないから、絶版になったり売れなくなっちゃったりするんですけれども、このコピーライトを我々が受け取って、無償で内容をバージョンアップして、ホームページで公開して皆さんに使えるように。これも当初の目標にはなかったことです。
そういったことに加え、治験がなかなか進みにくいので、特に患者さんが少ないので治験が進みませんが、オーファン治験ウェブというもの、これも目標になかったことを、新たに立ち上げてスタートしたということがあります。非常に厳しい、特にオーファンという状況の中でこれだけの成果を上げてきた、国内初のものを上梓したということは、我々としてはSだと考えております。ありがとうございます。
○清水委員 わかりました。
○金倉部会長 どうぞ。
○定本委員 12番の、今のところですけれども、このいただいた資料によりますと、小児の補助人工心臓などの開発が非常に進んでいて、将来すごく有効な兆しがあるというようなことが書かれていたんですけれども。そちらについては余りこちらでは強調されていないようなんですけれども、それは。
○武井開発振興部長 小児の補助人工心臓というのは、アメリカで承認が取られて、諸外国では使われています。日本でなかなか承認が取れなかったというのが実態としてあるかと思いますが、これも、ようやく最近、日本でも承認が取れました。それから、ちょっと前ですけれども、国内の企業さんで、こういう小児の補助人工心臓をつくるということは非常にハードルが高くて厳しかったのですが、それを、これは長野県の業者さんが、開発の主体となり、日本で進めました。それから、治験を行った大学も日本で、東京女子医大で行いましたが、そういった国内で一番最初のシーズの段階から、製品化して承認を取った。これは大体15年ぐらい時間がかかっていますけれども、そういった多くのハードルを越えて承認を取れたというのも実績としてございますので、そういったものについても、やはり評価いただけるのではないかなと思っております。
○定本委員 そういうところをもう少し明確にアピールしていただければよかったかなと思います。
○武井開発振興部長 わかりました、ありがとうございます。
○金倉部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、研究開発の成果の最大化に関する事項につきましては、活発なディスカッションをいただきましてありがとうございます。以上にしたいと思います。
それでは、続きまして、業務運営の効率化、それから財務内容の改善及びその他業務運営に関する事項の評価項目の15から18について議論をしたいと思います。先ほどと同様の流れで、法人からまずはご説明いただきまして、その後に質疑応答ということでお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○岡村総務部長 それでは、資料1-2の17ページをご覧ください。
評価項目15、機動的かつ効率的な業務運営ということでございます。
22から25につきましては、Aの評価をいただいておるところでございます。
この事項につきましては、番に業務運営、番に企画・管理機能という項目を挙げさせていただいておりますけれども、幹部会、リーダー連絡会は毎月開催しまして、風通しのよい環境を確保しているということ。
それから、研究所の理念、使命を明確に示しておりまして、一体感のある業務運営に努めております。
それから、研究テーマにつきましてはプロジェクト制を敷いておりまして、組織的な、機動的な再編・改廃を行っております。
ちなみに、26年度につきましては、先般ご説明しましたとおり、難病研究領域につきまして1プロジェクト1研究室を新たに立ち上げたところでございます。
それから、企画・管理機能につきましては、外部資金であります競争的資金の獲得に向けての情報収集、研究者への提供、そういった支援を行っているほか、極めて重要であります研究倫理につきましては、研究倫理審査委員会を内部・外部ともども開いております。ちなみに、審査会につきましては、26年度は年間7回、前年の4回を上回った開催を行っているところでございます。
その他、外部・内部、具体的には独法評価委員会や、それから外部の有識者が参加した運営評議会等々のご指摘を踏まえた上で中期計画の進捗状況を把握し、必要な対応をとっておるところでございます。
この項目につきましては、自己評価は26年度Aを踏まえまして、全体としてAとさせていただいております。
続きまして、おめくりいただきまして、評価項目16、18ページでございます。
こちらにつきましては、数値目標が明確に示されておりまして、まず、のところでございますけれども、一般管理費につきましては、22年度予算と比較して、目標15のところが最終年で23.8。
業務費。これは事業費のことでございますけれども、これにつきましては、目標6.2につきまして、最終年で14.2の節減を果たしております。
その他、給与水準につきましては、国家公務員と全く同一の給与体系を維持しております。
人件費の改革につきましても、目標値としましては、17年度と比較しまして、最終年で9%相当の削減目標につきまして、実績として21.3%。ただ、この中には創薬支援の人件費は除いてあります。
ということで、いずれも目標を上回る削減ということでございます。
その他、支出の削減の取り組みにつきましては、従来から職員の意識改革ということで、人事評価への反映、目標を設定させまして、取り組みに対して人事評価に反映させていくこと。
それから、理事長をトップとしますプロジェクトチームを開催いたしまして、組織的に取り組んでおると。
前回もご紹介しましたけれども、26年度につきましては、ガス供給契約の見直しによりまして約500万程度の削減を図っております。これは25年度を上回る削減というふうに考えております。
以上をもちまして、期間を通じてA評価というふうにさせていただいております。
続きまして19ページ、評価項目17でございます。
こちらはタイトルがちょっと不明確ですが、内容としては、財務の改善に関する事項でございます。内容は、26年の未処分利益、積立金。これは客観的なデータを紹介させていただいております。
ここは不明確で恐縮でございますけれども、ここの趣旨としては、今16のところで申し上げましたとおり、中期計画の目標による節減の範囲内での予算執行を達成したということ。
それから、前回もお話ししました自己収入につきましては、26年度はかなり獲得しておることもございまして、全体としての財務の改善の向上等々が図れたということで、全体をA評価というふうにさせていただいております。
続きまして、評価項目18、20ページをご覧ください。
こちらにつきましては、職員の資質の向上、能力の向上ということでございまして、ここに実績が書いてありますとおり、研究所主催のセミナー、それから他機関のセミナーへの参加、プロジェクトチームによる研究発表会。これを着実に行っておりまして、26年度におきましては25年度を上回る開催実績を図っておりまして、資質の向上が十分に図られたというふうに考えております。
その他の研究環境につきましては、若手を中心とした任期つき採用の促進、それからテニュア・トラックの実施ということで、活性化された研究環境を実現しているものというふうに考えております。
以上をもちまして、期間を通じてA評価ということでさせていただいております。
簡単でございますが、説明は以上でございます。
○金倉部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまご説明がございました項目について、ご意見、ご質問等がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
これは、評価項目の18ですね、このセミナー、学会参加状況等と、回数は出ておりますんですけれども、数とかはいかがでしょうか。例えば参加者がどんどんふえていっているとか。
○岡村総務部長 すみません、網羅的に数は追っていないんですが。年々皆さん参加していただいてきております。
○金倉部会長 活発になってきているということですか。
○岡村総務部長 ええ、参加はかなり促しておりますので、数ともにふえているというか、そういうふうにご理解いただきたいと思います。
○金倉部会長 いかがでしょうか。
どうぞ。
○一條部会長代理 今の18のところで、最後の最後なんですけれども、プロジェクトリーダークラスからテニュア・トラック制度を導入して、2名をテニュアにまで移行したという。具体的には、どのぐらいの年齢の方とか、どのぐらいのクラスの方なのでしょうか。プロジェクトリーダークラスというのは、イメージがすぐには湧かないんですけれども。
○岡村総務部長 すみません、年齢はすぐにはわかりませんが、この方はプロジェクトのリーダーで……。
○一條部会長代理 何プロジェクトあるうちの1つですか。
○岡村総務部長 20近くあるプロジェクトの中の1つです。それから、私どもはセンター制をとっていますので、センターのトップの方です。いずれも研究者でございますけれども、24年度に審査をいたしまして、期間の定めのない職に移行しております。
○一條部会長代理 なるほど。それは過去数年間の業績をベースに判断するということでしょうか。
○岡村総務部長 そうです。それをベースに、外部の方のご意見も踏まえた上でテニュアに移行したということでございます。
○一條部会長代理 なるほど。そのテニュア・トラックというのは、ここでは初めてなんですか。ここでは初めて導入になったんでしょうか。
○岡村総務部長 初めてでございます。
○一條部会長代理 なるほど、わかりました。
○金倉部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、業務運営の効率化、財務内容の改善及びその他業務運営に関する事項につきましては、以上といたします。
以上で、医薬基盤研究所の中期目標期間実績評価にかかわる意見については終了いたします。
続きまして、国立健康・栄養研究所の中期目標期間の実績評価について議論していきたいと思います。
初めに研究開発の成果の最大化に関する事項の評価項目1から12にかかわる業務実績及び自己評価について議論をしたいと思います。先ほどと同様の流れで、法人からご説明をいただきまして、その後、質疑応答ということでお願いしたいと思います。
それではよろしくお願いします。
○清水研究企画評価主幹 資料2-2に、第三期中期目標期間実績の説明の資料がございます。これに従いましてご説明申し上げます。
国立健康・栄養研究所は、平成27年4月に医薬基盤研究所と統合いたしました。このため、当初は中期計画は5年の計画でございましたけれども、平成26年度までの4年で終了いたしました。
1ページは、当研究所の事業概要です。研究に関しては、3つの重点調査研究が中期目標の中で定められています。健康増進法に基づく業務として、国民健康・栄養調査の集計業務と、特別用途食品等の表示許可等に係る試験業務がございます。
その他、国際協力・産学連携、情報発信、栄養情報担当者制度がございます。
以上が事業概要です。
2ページをご覧ください。
評価項目1、生活習慣病予防のための運動と食事の併用効果に関する研究でございます。3つの重点調査研究の1点目に当たります。
主な研究実績として5つ挙げております。
3ページをご覧ください。
中期目標期間中の2013年に身体活動基準と指針の改定が行われましたが、策定に向けて文献をレビューし、また基準で示された身体活動量などの妥当性を評価するために大規模介入試験を継続し、追跡によって身体活動介入による運動継続の効果や腰痛有訴率の低下を明らかにしました。
また、横断調査によって、身体活動基準及び食事摂取と腹囲との関連などを明らかにしました。
なお、横断研究を行いつつ、現在も追跡を継続中であり、26年度の実績に挙げましたレプチンの受容体遺伝子多型と不活動時間との関係はその一例でございます。
アクティブガイドについては、英語版、マレー語版を作成し、海外に発信しました。
4ページをご覧ください。
二重標識水法・ヒューマンカロリーメーターによりエネルギー必要量の推定を行ってきまして、特に、基準値策定のための高齢者や小児のエビデンスは日本人では不足しており、次回の食事摂取基準の改定に向け有用なエビデンスを出すべく、二重標識水法によるエネルギー消費量の推定を継続的に行ってきました。
5ページをご覧ください。
生活習慣病発症の遺伝・環境リスクの相互作用の解明としては、全ゲノム関連解析により2型糖尿病感受性遺伝子を発見しました。従来、GWASで発見されてきた遺伝子は高頻度で低効果のものであることから、さらに糖尿病発症において、低頻度ではあるが比較的大きい効果を持つ遺伝子を探索し、候補遺伝子の絞り込みを行いました。
6ページの、生活習慣病のテーラーメード予防法の開発に資する科学的根拠の提示としては、糖尿病関連遺伝子であるIRS-1、IRS-2、Tcf712について、糖尿病発症における機序をモデル動物で解明しました。
また、高脂肪食がインスリン抵抗性を発症させるメカニズムについて、新たな知見を見出しました。
以上が、評価項目1に関する主な成果ですが、行政施策の遂行に寄与するとともに、生活習慣病予防のための成果も出ていると考えています。
7ページは、評価項目2、日本人の食生活の多様化と健康への影響に関する栄養疫学的研究で、重点項目の2点目に当たります。
主な研究実績として2つ挙げております。
8ページにあるように、食事摂取基準2015年版の策定に向けての取り組みとして、系統的レビューや日本人に不足しているエビデンス創出のため、国民健康・栄養調査の複数年データを用いて再解析を実施しました。
また、食事摂取基準2010年版について、英文概要のホームページ公開などを行いました。
また、災害時でも食事摂取基準を活用した栄養管理が重要であることを普及させるため、DVDの作成などを行いました。
9ページ。国民健康・栄養調査の機能強化及びデータ活用に関しては、「健康日本21」最終評価のための解析や、国民健康・栄養調査の活用に関する技術的な支援、プール解析などを行ってきました。
また、「健康日本21(第二次)」の推進に資するため、昭和48年から平成24年の国民健康・栄養調査の結果を厚生労働省内の専用ホームページで公開しました。
以上が評価項目2に関する主な成果ですが、食事摂取基準の策定に有用な資料の創出や、「健康日本21」への関与など、健康づくりや行政施策に寄与できたと考えています。
10ページからは、評価項目3、健康食品を対象とした食品成分の有効性評価及び健康影響評価に関する調査研究で、重点項目の3点目に当たります。
機能性を有する食品の有用性と安全性の評価として、疾病モデル動物において、健康食品素材であるレスベラトロールの評価や、医薬品との相互作用の検討などを行いました。
11ページですが、ビタミンA結合タンパク質であるRBP4がアディポカインとしてインスリン抵抗性にかかわっていることの解明。ビタミンK誘導体に依存的にBakタンパクに結合し、アポトーシスにかかわる遺伝子の同定など、食品に含まれる微量栄養素の生理機能の評価を行いました。
12ページですが、抗酸化物質の健康影響評価についても行っており、ビタミンC大量摂取による安全性を危惧する結果は、動物実験ではありませんでした。
また、抗酸化物質の健康影響に関する疫学研究に寄与するため、各種食品の抗酸化能のデータ収集を行ってきています。
13ページは、健康食品に関する情報の収集と公開に関してです。
当研究所がホームページで公開している健康食品の安全性・有効性に関するデータベースのアクセス件数は、平成24年度以降、年間511万件、1日当たり1万4,000件のアクセス件数が維持されています。
以上が、評価項目3に関する主な成果ですが、健康食品素材の安全性・有効性の評価や、微量栄養素の生理機能の解明に成果を上げるとともに、健康食品の安全性・有効性に関するデータベースへのアクセス件数も目標を大きく上回った状態が続いています。
14ページは、評価項目4、研究能力の向上と食育でございます。
若手研究者の研究能力の向上や、その応用・発展的な展開を図るため、若手育成型の科学研究費補助金や外部資金の獲得に努めました。
食育については、毎年食育推進全国大会に参加し、展示やアンケート調査の実施を行いました。
15ページの評価項目5、論文、学会発表については、中期目標期間内に400報の論文、口頭発表1,000回の目標としていますが、23年度から26年度までの4年間の累積で、論文401報、口頭発表856回でした。論文は4年間で5年間の目標を達成しました。口頭発表は、平均で年間200件を超える実績となっています。
16ページ。評価項目6、講演会等の開催、開かれた研究所への対応でございます。
一般公開セミナーは、天候が悪いときも含め、多くの参加をいただいてきており、特に平成26年度には800名を超えました。
また、オープンハウスにつきましても、おおむね400名程度のご参加をいただくようになりました。
総合的な学習時間の受け入れも250名を超えるようになりました。
調査及び研究の社会還元や、健康や栄養への興味の醸成に寄与しているものと考えております。
17ページは、評価項目7、研究実施体制等の整備です。
法律に基づく業務や重点調査研究に特別研究員や研究補助員を重点的に配置するなど、効率的な研究・業務の実施を図ってきました。共同研究は目標60件のところ45件、年平均でおおむね11件となっております。
研究員の派遣や受け入れについては、平成24年度以降はともに100名を超えており、連携大学院は、現在10大学までふえております。
18ページは、評価項目8、健康増進法に基づく業務でございます。
これは、国民健康・栄養調査の集計業務と分析業務があります。
19ページは、国民健康・栄養調査についてですが、毎年セミナーの開催や調査ソフトの改訂を行い、効率的な集計の実施に努めてきました。平成24年は、客対数が通常の4倍の拡大調査を初めて実施し、体格及び生活習慣に関する地域格差を明らかにしました。同年の調査では、糖尿病が強く疑われる人と、可能性を否定できない人の割合が減少に転じたことがわかりました。
さらに、平成26年度には、初めて個人別食品摂取量のデータを登録しましたが、これは健康な食事のあり方に関する検討会においても活用されているところでございます。
20ページ。分析試験については、特別用途食品等の表示許可等に係る分析試験の結果を2カ月以内に報告しています。
分析精度や分析法の改良にも取り組んでおり、特に平成26年度には、栄養成分分析の公定分析法の改定案を作成しました。これは食品表示基準の別添として消費者庁より発出されていますが、今後の食品の安全確保や向上に重要な成果であったと考えています。
21ページ。評価項目9、社会や行政のニーズへの対応ですが、関連団体等と毎年意見交換会を実施し、社会や行政のニーズの把握に努めてきました。また、ホームページを利用して意見や要望を把握し、その内容を職員が共有しております。
22ページは、評価項目10の国際連携、産学連携についてでございます。
計画期間開始時にはWHO指定研究センターの指定を目指していましたが、3年目の平成26年3月に栄養と身体活動に関するWHO協力センターとして正式に指定されました。平成26年度からはWHO協力センターとしての行動計画を踏まえた活動を開始しました。
23ページ。産学連携ですが、26年度には「第3回健康寿命を延ばそう!アワード」で厚生労働大臣優秀賞企業部門(生活習慣病予防分野)の企業受賞に共同研究がつながりました。
24ページ。評価項目11の栄養情報担当者制度についてです。
同制度は平成27年7月に一般社団法人日本臨床栄養協会の移管を完了するため、有資格者が不利益を被らないように配慮しつつ、移管完了に向け着実に取り組んでまいりました。
25ページをお願いいたします。評価項目12の情報発信の推進についは、ホームページの見直しを行い、デザインを新しくするとともに、情報環境の変化を考慮して、FacebookやTwitter、LINEなど新たなツールを用いた情報発信を開始しました。これにより、ホームページアクセス件数は544万件、健康食品の安全性・有効性情報を加えると1,000万件まで増加しました。
以上でご説明を終わります。
○金倉部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまご説明がございました事項について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
○定本委員 いつも悩むんですけれども、悩ましいのは評価項目の4と11で、4は次元が本当に違う、研究所の研究能力の向上と食育推進のための調査研究ということで、食育のほうは非常によくわかります。ただ、前半の研究能力の向上に関して、個々の研究者が外部資金を獲得しているという実績は評価しますけれども、それを支援するような体制とか取り組みというところを、Aと判断するにはもう少し説明が欲しいなと思っているんですけれども。ございましたらお願いいたします。
○清水研究企画評価主幹 研究費獲得のための支援体制ということですか。
○定本委員 そうですね。個々の研究者が外部資金を、競争的な資金を獲得しているという実績はわかります。ただ、全体として独創的な研究をするように教育をするとか、サポートをするとか、お互いにどういう努力をしているのかといったところが研究資金だけで見えにくいものですから。いかがでしょうか。
○古野理事 先生のご指摘のとおりで、独創性を高めるためにどういう支援をしているかということ突かれると、胸が痛みます。確かに上のほうの項目については、Aとは判断しがたく、下の活動のほうでAと判断したものとご理解いただきたいと思います。
○定本委員 もう一つ、11の項目ですけれども、こちらは第三者の機関に移行するというようなところでありまして、これをA、B、C、Dで、Sでつけるとしたら、Bしかないと思う項目だと思うんです。これでAとかSとかがないので、非常に難しい判断に至るなと思っているんですけれども。評定を受けられる、この自己評価をされた皆さんはどういうふうにお考えなのかなと。とても難しい項目だと。悩ましいです。
○清水研究企画評価主幹 23年から25年のAという評価をいただいたんですが、特に今回の評価につきましては、特に研究成果の最大化ということをいわれてきておりますので、そういうことも含めまして、同じことをやっておりますけれども、今回はB評価ということにさせていただきました。
○定本委員 これは何か、お気の毒な評価だなというふうに正直思います。
○金倉部会長 ほかに。清水先生どうぞ。
○清水委員 全体の話でお聞きしたいんですけれども。研究ですから、いわゆる結果が出るということは普通のことじゃないかというふうに思うんです。結果が出ないということになれば、それはCとか、そういう話になるんだと思うんです。ということは、結果が出てBというのは、非常に高い研究をおこなったということであり、これが今回の基準になったということだと私は理解しているんです。そうだとすると、今ご説明のあった自己評価ですけれども、1、2、3、4で、A、A、A、Aと評価していますけれども、これは成果が出てすばらしいなと思うんですけれども、これがAであるということを言うためには、特別な成果だという、あるいは非常に高い成果だと説明が必要だとおもいます。またSというのは、先ほども申し上げましたように、世界で唯一の成果みたいな、そういうレベル感が必要なんで、これは私の感覚ですと、Sというのは今度の基準ですと毎年出るような話ではなくて、何年もの研究をやって、たまたまその年には出ましたという、こんなようなイメージを持っているんです。したがって、S評価というのは、よっぽどの成果がないと基本的にはつけないだろうなと思います。
研究者は、今の研究環境の中で非常に疲れるだろうなとも思うんです。これは毎年新しいことを研究成果として出せという、こういう世の中の期待があるので。それにこたえていくことも大切ですが、成果を出すたびにSというのは、やはり無理があり、また非常に気の毒な面があると思います。単純に評価という側面で言ったらB評価は高い評価なんであって、これが普通だという話になるからおかしくなる
だと思います。B評価とゆうのは成果がちゃんと出ているんですよということを説明していくことが必要と思います。私はBでいいのではないのかなと思ってお聞きしたんですけれども。この辺については、あえてAであるという説明が何かできたら教えていただきたいと思うんですけれども。
○清水研究企画評価主幹 研究につきましては、当研究所は、かなり行政施策にリンクする研究と、どちらかというとそうではなくて、学術的な側面の強い研究と2種類あると思うんですけれども、特に前者につきましては、例えば「健康日本21」への関与だとか、あるいは身体活動基準、あるいは食事摂取基準、こういったものへのエビデンスの提供ですとか、そういうことを通じて、いわゆる行政施策の推進に寄与してきたというようなことも含めまして、全体としてA評価というふうに。
○清水委員 行政へのいろんなサービスを提供して、それで本来の目的を達成しているんだと思うんです。したがって、それはBということなんじゃないかと私は思っているんですけれども。そこをAと言うんだったら、それは通常期待されているものよりもはるかに高いものを何かやったとか、あるいは突発的に、例えば研究をやっている過程でこういうことがアイデアとしていいという提言みたいなものが行政に出されて、それが採用されるような、そういうことがあったとか、何かがないと、なかなか今回の基準ではAはつけにくいなというのが私の感覚なんですけれども。
○古野理事 一言よろしいですか。先生のご指摘はもっともなことです。今回、評価のあり方に新しい考え方が導入されていますが、それを十分理解して、評点をつけることにはなっていないと思います。Bとするのは、やっぱりよい気分ではないので、Aということになっていると思います。
○清水委員 そうなのかもしれないですね、私もそう思うのですけれども。
○古野理事 強いて言えば、今回Aとしているもので、第1評価項目のスライド5にある日本人あるいは東アジア人に特化した新規遺伝子の発見は、特別であり、Aに十分相当すると思います。次のスライドの新しい分子メカニズムの発見も、Sに近いAだというふうに考えていただけるとありがたいです。
○清水委員 やっぱり説明の中にその辺のところの強弱をつけてされたほうが。わかりやすいですね。
○古野理事 先生のおっしゃるとおりで、来年以降はもっとわかりやすい自己評価になると思います。今回の経験を踏まえて、みんな勉強していると思います。
○金倉部会長 どうぞ。
○丸山委員 かなり今までのご指摘と似た感じのことになるかと思うんですが、例えば、8ページの食事摂取基準の活用に関する研究であるとか、あるいは国民健康・栄養調査の機能強化及びデータ活用に関する成績などについてですけれども、私が認識するところでは、例えば食事摂取基準を長年栄研が中心になってつくっておいでになって、日本人は長生きをやはりしていてと。あるいは、国民健康・栄養調査のようなものは世界に類のないものですから、これを継続的にずっとやってきているということ自体が、そもそも大変なことであるということの認識の中でこれを拝見すると、それがどれほど大変なことで、実際にその中から得られている知見が世界に類のないものであるというふうな示され方がどうもされていない。むしろ、特に平成26年度などの、例えば8ページに書かれているような内容だと、むしろネガティブな、情報支援ツールの認知率がとても低くて問題だったとか、あるいはそれに対してDVDを監修したというふうな、こういう書かれ方だと、むしろ余りよい仕事がなされなかったかのような印象を受けるのですが、これについては。前回、私は26年度の評価のときに参れませんでしたので、もしかしたらそこでご説明いただいたのかもしれませんけれども。もう少しポジティブな結果というのが、少なくとも文言上見られないと、やはり先ほど来のA評価というのにつながりにくいかなというふうに思いましたんですけれども、いかがなものでしょうか。
○清水研究企画評価主幹 ネガティブというつもりでここを書いているわけではないんですけれども。特に、先生ご指摘のように、これまでずっと食事摂取基準あるいは国民健康・栄養調査に関与してきたんですけれども、特にここに挙げておりますが、なかなか実際のところ、特に今回は避難所における食事提供の評価なんかをやったところ、実際、では、どれぐらい使われているのか、認識されているのかということが低かったというようなことが実態として把握できたことですから、それについて、問題点が明らかとなったということを踏まえて、どうやって改善するかというような趣旨で取り組んでいきたいということでございまして、必ずしも全体としてできがよくなかったというような趣旨でここを書いているものではないんですけれども。
○古野理事 一言追加してよろしいですか。宣伝下手という点は否めないと思いますので、もう少し自己宣伝するような形の表現とか図表を示すように指導させていただきたいと考えています。例えば、国調の長期にわたる経年変化をホームページで公表して、みんなが活用できるようになったということは、画期的なことです。
○丸山委員 少なくとも、健康・栄養調査の活用が相当しにくくて、要するに、非常に貴重なデータがありながら、国民が利用できない状況であったものが利用できるようなものになるということ自体が、近年まれに見る大改革かなというふうに私は拝見をしていたんですが、そのようなふうに見えてこないように思いました。
○古野理事 ありがとうございます。
○金倉部会長 ほかにいかがでしょうか。
この評価項目12、これはS評価なんですけれども。確かにいろいろ工夫をされて、新しいFacebook、Twitterとか、いろんなことで情報公開を図っていっておられるんですけれども、ただ一方は、健康・栄養ニュースを、配信希望者数はふえていることはふえているんですが、数は3,100人と、まだそれほど多くはないんですね。ですから、将来的にどのように、今のつながりですけれども、情報発信をしていくのかという方向性というのはどのようにお考えなのかをお聞かせいただければと思います。
○清水研究企画評価主幹 まず、件数につきましては、アクセス件数なんかもかなり毎年ふえているわけでございますけれども、例えば、ここに挙げておりますように、Facebookを初めとして、いわゆる情報発信の状況の変化に応じた対応というのを、これからもしていかないといけないというのが一つあると思っております。それから、あとは、提供している情報がどれぐらい役に立っているのかという、質の中身についてもきっちりとフォローしていくということが、これからは特に必要ではないかというふうに考えております。
○金倉部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
○一條部会長代理 アイデアとしては、どうやってフォローしていくんですかね。その情報がどういうふうな使われ方をしているかというか。それを今後フォローしていくということだったと思うんですけれども、方法論としてはどういうふうな形のことをお考えになっているのか。
○清水研究企画評価主幹 今年度につきまして、前回の26年度の報告のときには、特にはご説明していなかったんですが……
○一條部会長代理 このアクセス件数はすごく、本当にすばらしいと思うんです。
○清水研究企画評価主幹 まず、ホームページ上のアンケート調査というようなものを、26年度につきましてはやっておりまして、どういう方が見ているかというようなことで、全体として、例えば栄養士、管理栄養士、あるいはNRの方が全体の半分近くを占めておったわけですけれども、その利用頻度ですとか、そういったことを調査しておりますので、こういったことを今後も定期的にやっていくということは必要じゃないかというふうには考えております。
○一條部会長代理 そうなんですけれども、それをどう利用していくかという方針ですね、多分それも、今後方策を決めていくということは結構大事なんじゃないかなと思います。ただ情報だけ集めても、それをどう利用するという方策がないと、なかなかうまく使えないということもあるかなと思いますので。非常にすばらしいアクセス件数なので、これは本当にある意味で宝だと思うんですけれども。なので、あえてそういうふうなコメントをさせていただきました。
○清水研究企画評価主幹 全体的に、印象で言いますと、例えば、どれくらい利用しているかというようなことについても、よく利用するというのはいいんですが、例えば、「余り利用しない」ですとか、そういうご回答があったようなものについて、どういうふうな改善をしていくのかというようなことについて、これからは考えていかないといけないということになるかと思います。
○金倉部会長 よろしいでしょうか。いろいろまた今後ご検討いただければというふうに思いますが。
それでは、研究開発の成果の最大化に関する事項につきましては、以上とさせていただきたいと思います。
それでは、続きまして、業務運営の効率化、財務内容の改善及びその他業務運営に関する事項の評価項目13から21について議論したいと思います。先ほどと同様の流れで、まず法人からご説明いただき、その後、質疑応答ということでお願いします。よろしくお願いします。
○小須田総務部次長 それでは、資料2-2、26ページ、評価項目13、運営体制の改善に関しまして、幹部会議や運営会議などにより意思決定や情報共有を図るとともに、研究所セミナーを開催し、研究成果の相互理解を図りました。26年度の自己評価を加えて、暫定の最終評価は3.68点のA評価となっております。
続きまして、27ページ、評価項目14、研究・業務組織の最適化ですが、WHO-CC推進プロジェクトチームや、震災被災者健康・栄養プロジェクトチームといった組織の設置など、必要に応じ研究室の強化を図っております。また、客員研究員などの受け入れも年々増加しております。最終評価は3.86点のA評価となっております。
28ページ、評価項目15、職員の人事の適正化については、公募により任期付きの研究員を採用し、ワーク・ライフバランスへの配慮などからフレックスタイム制としているところでございます。最終評価は3.94点のA評価となっております。
続きまして、29ページ、評価項目16、事務等の効率化・合理化に関しては、各種システムの改良などにより効率化を進めております。最終評価は3.91点のA評価となっております。
30ページ、評価項目17、評価の充実につきましては、内部評価、外部評価は適切に行われ、外部評価の結果を踏まえ、各研究部への予算配分や人事配置を適切に反映させております。最終評価は3.60点のA評価となっております。
31ページ、評価項目18の業務の適正化ですが、一般管理費、人件費、業務経費について、対22年度削減率で、それぞれ16.7%、14.1%、10.2%であり、中間目標の削減率を達成しております。最終評価は4.18点のA評価となっております。
続きまして、32ページ、評価項目19の外部資金その他自己収入につきましては、研究資金の外部資金比率は年々増加しており、25年度から目標の50%を達成しております。最終評価は3.59点のA評価となっております。
33ページ、評価項目20の経費の抑制につきましては、コスト管理を徹底し、外部委託などによる効率化を図りました。最終評価は3.82点のA評価となっております。
同じく33ページ、評価項目21、その他業務運営に関する事項は、セキュリティーの確保について毎年見直しを行い、平成26年度にはクラウド型セキュリティーファイアウォールを導入いたしました。最終評価は3.62点でA評価となっております。
資料はございませんが、中間目標になかった統合という特殊要因があり、統合に当たり理事1人、事務部門3人の削減を行い、運営費交付金も9.6%削減の6,200万円を減額するということを実施しました。
以上でございます。
○金倉部会長 ありがとうございました。
それでは、ただか今ご説明がございました項目につきまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
今までの流れですと、多分、どこがAだったのかということでご質問が出るかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
どうぞ。
○清水委員 項目の18なんですけれども、業務運営の全体での効率化で、一般管理費と人件費と業務経費が、もともとあったものからどんどん下がっていくという。業務経費は26年が少し上がりましたが、こういう状況なんですけれども。これは22年度と比較して、実際に何が変わったんですか。どんな努力がずっと継続されて、こう下がってきたんでしょうか。
○小須田総務部次長 経費削減の努力もしましたが、やはり交付金が減っているということが一番大きな原因だと思います。
○清水委員 そうすると、交付金が減って、無理が出たということはなかったんですか。
○小須田総務部次長 無理が出たというと、研究に支障が生じたとか。
○清水委員 そうです。
○小須田総務部次長 そこは、外部資金の確保などにより研究に支障がないように努めております。
○清水委員 これは前回もお聞きしましたが……
○小須田総務部次長 ただ、研究に必要な機械が買えなかったとか、そういうことはあります。
○清水委員 それは、必要なものが手当てできないという課題というのは結構あるんですか。
○小須田総務部次長 そうですね。機械を購入するために必要な設備費がないものですから。
○清水委員 どこかで破綻が来るんじゃないかという気もして。この先ですよ。
○小須田総務部次長 高額な機械が買えないという実情があり、耐用年数が過ぎた機械を修理しながら使っているというものもありますし、そのため研究に支障を生じている場合もあるかもしれません。
○清水委員 それは、今、外部的な資金は別に導入して、その部分で宛てがわれて、間接経費が宛てがわれるのかもしれませんが、何を充てているか存じませんけれども。そういう形で、今はうまくいっているということでいいんですか。
○小須田総務部次長 研究者からは研究に必要な機械を導入してほしいという要望はございます。
○清水委員 このままの趨勢で、一般管理費とか、まだずっと下がっていくんですか。
○小須田総務部次長 やはり予算のほとんどを交付金に頼っている部分がありますから。
○清水委員 逆に言うと、交付金が下がって、下がっていくということは、節減の努力はもっと実際にはできたところをしなかったのかとも読めるし。そうではなくて、本来やるべきものをやらない状態で、いつか破綻が来るぞというふうにも読めるし。その辺のところで、今のA評価というのは、目標をクリアしているから、しようがないというのもあるんですけれども、その辺のところも、本当は絡み合わせて見ないと、適正な評価はできないんじゃないかという気もするんです。
○古野理事 清水先生には、大変ありがたいご意見をいつも言っていただいております。例えば、事務職員の負担が増ふえて、過労死で亡くなるというようなことが起これば非常に問題視されますが、潜在化して、過労状態が続いているということは、こういう評価書ではどこにも出てきません。そういう観点での評価を加えるべきだと考えますが、それは先生方から言っていただけると大変ありがたいです。
○清水委員 私は、そういう課題がどんどんふえていっているという負の側面も、一緒に説明していておいてもらいたいなという思いがあるんですけれども。
○古野理事 ありがとうございます。
○金倉部会長 ほかにはいかがでしょうか。
印象としては、内容がプレーンなので評価が難しいというか、我々も評価がしづらい。数字の問題だけになってしまっているので。その辺を次回からはご配慮いただいてご発表いただければ、メリハリがついてわかりやすいかなというふうに思いました。
いかがでしょうか。
どうぞ。
○定本委員 評価項目13で、昨年度も評価にかかわらせていただいたものですから、すごく気になっているところは、清水委員からのお話もありましたけれども、やはり機器ですね。一番最後のところで、研究所の各運動機器とか、ヒューマンカロリーメーターとか、こういう建屋も要するような大型の機器が非常に古くなっているというふうに認識しております。この辺あたりで共同研究とか、受託研究を通じて外部利用を促進というところに、非常に無理があるような気がしております。ここらは改善が必要なのではないかなと思っております。資金のどこを絞り、どこに力点を置くかというところを、難しいなというふうに思っております。
○小須田総務部次長 研究機器は高額なものですから、新規に購入するというのはなかなか難しいので、そこは課題だと思っております。
○定本委員 そうですね。こういうのは個人個人の研究者が外部資金を幾ら導入してもできないものですので。
○小須田総務部次長 億単位の研究費を確保しないと高額研究機器は導入できないと思っております。
○定本委員 ただ、これは健康・栄養の研究のバックグラウンドとしては非常に重要なものだというふうに認識しておりますので。この辺あたりも勘案されるのがよいかなと思います。
○小須田総務部次長 国の予算で、補正予算とかそういう機会があれば、要求をしていきたいと思っております。
○金倉部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、業務運営の効率化、財務内容の改善及びその他業務運営に関する事項につきましては以上といたします。
続きまして、法人の理事長から、中期目標期間における中期目標の達成状況等を踏まえまして、全体の評定と、今後の法人の業務運営等についてコメントをいただければと思います。
それでは、法人の理事長よりお願いいたします。
○米田理事長 本日は、先日に引き続きまして、金倉部会長初め委員の先生方には貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございます。
本日、中期目標期間中の取りまとめということでございますが、まず私、米田のほうから医薬基盤研究所の5年間の総括をさせていただきまして、引き続き国立健康・栄養研究所の総括につきましては、古野理事のほうからさせていただきます。最後に、再び米田のほうから、今後の法人の運営につきまして抱負を述べさせていただきたいというふうに思っております。
まず、医薬基盤研究所の事業といたしましては、中期期間中に、平成25年度から26年度にかけまして、創薬支援ネットワークの本部機能を担うということで、創薬支援戦略室並びに創薬支援スクリーニングセンターを設置いたしまして、それまで行ってまいりました3つの柱となる事業に加えて、この事業を加えまして、大きく4つの柱で事業を進めるということになりました。つまり、1つ目は、創薬に関する基盤的技術研究。もう一つは、生物資源研究。3つ目が研究開発振興で、4つ目が創薬支援ということで、この4つの柱で進めてまいりました。
この中で、基盤的技術研究は、さらにその中に大きく3つの重点分野を設けまして進めてまいりました。1つは次世代ワクチンの研究開発。それから医薬品等の毒性等評価系構築に向けた基盤的研究。それから難病治療等に関する基盤的研究。この3つの重点分野を掲げて進めてまいりました。
次世代ワクチンの研究開発と、それから医薬品等の毒性等評価系構築に向けた基盤的研究につきましては、世界で初めてのアジュバント、新しいタイプのアジュバントを開発するとか、これまでなかったトキシコゲノミクスのデータベースを開発するなどの進展を踏まえまして、5年間全体として、暫定的ではありますけれども、Sという非常に高い評価をしていただいたというふうに思っております。
また、難病治療等に関する基盤的研究につきましては、抗体や核酸のスクリーニング技術の開発を含めて、私どもの取り組みを高く評価していただけたというふうに思っております。
また、2つ目の柱であります生物資源研究につきましては、難病資源バンクの活動などを行ってまいりました難病・疾患資源研究、主としてカニクイザルの繁殖やそれを用いた研究、並びにその開発による霊長類研究が高く評価していただきますとともに、薬用植物に関する国内唯一の総合研究センターの活動が高く評価していただきまして、厚生労働大臣賞を受けるなど、薬用植物に関しては、暫定的でありますけれども、Sという評価と受けることができたというふうに思っております。
また、3つ目の柱であります研究開発振興につきましては、基礎研究推進事業と実用化研究支援事業及び承継事業につきましては、A評価という評価をいただいておりますが、希少疾病用医薬品開発振興事業につきましては、暫定的ではありますけれども、Sという高い評価を受けることができておりまして、希少疾病は、国の機関が今後担うべき大きな課題の一つだと考えておりまして、その活動が非常に高く評価していただいたというふうに思っております。
また、一昨年より開始いたしました、4つ目の柱であります創薬支援につきましては、2年間の事業ではありますけれども、創薬支援ネットワークの中核としての機能を立ち上げ、それを推進するということができましたことを高く評価していただいたというふうに思っております。
それから、事業運営、業務運営に関します項目も、暫定的ではございますけれども、全てA評価という評価をいただきました。
これらを総合的に判断して、戦略的な事業の展開に関する研究所全体の評価にとりまして最も重要と考えております評価項目1が、こちらもまた暫定的ではございますけれども、S評価という高い評価をしていただきましたことは、非常に喜ばしいことと思っておりまして、これまでの私どもの努力が間違っていなかったというふうに安堵しております。
引き続きまして、古野理事のほうからよろしくお願いいたします。
○古野理事 説明いたします。国立健康・栄養研究所の目的は、国民の健康の保持及び増進に関する調査及び研究、並びに国民の栄養素の他国民の食生活に関する調査及び研究等を行うことにより、公衆衛生の向上及び増進を図ることです。この4年間の中期目標期間内に、身体活動基準や食事摂取基準の改定、「健康日本21」の評価とその改定が行われましたが、これらに貢献する研究成果を上げるとともに、それ以外の研究についても成果を上げてきました。
具体的な研究成果としては、運動基準2006で示された身体活動、運動、体力の基準の妥当性について検討するための大規模無作為割り付け介入研究を継続し、研究成果を上げてきました。
また、ゲノム関連解析により、東南アジア民族に特有な新規の2型糖尿病感受性遺伝子を同定しました。
さらに、食事摂取基準の策定において、日本人で不足しているエビデンスを創出するために、国民健康・栄養調査結果を活用して新たな知見を示しました。
国民の関心の高い健康食品については、安全性・有効性について信頼性の高いデータを提供するなど、国民の期待に応える役割を果たしてきました。
健康増進法に基づく国民健康・栄養調査の集計業務につきましては、毎年速やかに正確な集計を実施しておりますが、例年の4倍規模の平成24年の拡大調査でも、確実に業務を遂行できました。
また、公平性、中立性を高く求められる特別用途表示の許可にかかわる試験業務については、適切にこれを実施し、公定分析法の改定業務等も行っています。
国際協力の観点では、WHO協力センターとして正式に承認されたことが重要な成果です。
業務運営の効率化や経費の節減などに関する項目も含めて、評価項目ごとの評価はおおむねA評価をいただき、研究所の活動は当初の目標を上回る成果を出せたものと考えております。
最後に、情報発信については例年S評価を受けていますが、健康食品の安全性・有効性情報データベースは特筆すべきものであり、さらなる充実と展開が望まれます。
以上です。
○米田理事長 それでは、最後に米田のほうから、今後の法人の運営方針について簡単にご説明させていただきます。
これまで、アカデミア発の創薬に向けて多大な努力を続けてまいりました。今回の法人統合を受けまして、創薬支援戦略室という部署はAMEDのほうに移管されましたけれども、これまで築き上げてきました環境を活用して、さらに連携を深めながら創薬支援ネットワークの中心的な役割を担っていきたいというふうに考えております。
そのため、研究所の中に新たに創薬デザイン研究センターというセンターを設けまして、これまでのスクリーニングセンターの機能を強化するとともに、デザイン研究センターの中には創薬支援課というものを設けまして、AMEDとの窓口として機能させることによって、これまで以上に創薬の橋渡し研究ができる研究所として発展してきたいというふうに考えております。
それから今回、医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所が統合されまして、医薬品の開発をしていた研究者と、食や栄養、運動などを研究していた研究者が、これまでできなかったような、全く新しいタイプの研究を始めるチャンスをいただいたというふうに考えておりまして、シナジー的な効果が得られるような、未知の研究領域を開発できるような研究をしていきたいというふうに考えております。
具体的には、先日も少し申し上げましたが、テレビ会議システムが導入されましたので、それらを活用して、お互いの研究所がこれまで実施してきたセミナーを両方の研究所の研究者が互いに聞くということなどを通してお互いのコミュニケーションを活発にして、まずお互いを理解するというところから始めていきたいと思っております。
また、先日、清水先生のほうからご指摘がありましたように、理事長としてどうするかということなんですけれども、私自身もできる限り両方の研究所のセミナーに参加したり、それから個々の研究者と一対一で対話するなどして、研究所の進むべき方向性を踏まえて、各研究者と研究内容などのディスカッションをしていきたいというふうに考えております。
また、先日お話しすることができませんでしたけれども、現在、既に3カ月に1度、各研究者から広瀬部長が担当しております戦略企画部に研究の進捗状況を報告していただくという取り組みを開始しておりまして、それらを踏まえて研究所全体の研究開発を一層効率よく進めて、研究成果の最大化に努めていきたいと考えております。
また、先日も少しお話ししましたように、社会への貢献ということも強く考えておりまして、特に、健康・長寿や食文化の向上などに貢献するために、地域での社会活動を重視して、例えば、箕面市と健康に関する連携協定を結ぶ協議が進んでおりまして、近くプレス発表もしたいというふうに考えておりますけれども、こういった形で地域社会での健康増進などにも統合法人として取り組んでいくことができればと考えております。
以上のような具体的な研究開発を進めるためには、財務的な裏づけがどうしても必要でありますので、今後、外部資金の獲得などの努力をこれまで以上にしていかないといけないと考えておりますけれども、例えば、最近、2つの研究所に所属する研究者が提案しました共同研究に対して競争的基金が採択されて、シナジー効果があらわれることが期待できるような共同研究がスタートしております。今後、さらにそういった共同研究を活発化させることによって、2つの研究所が統合してよかったと言ってもらえるような法人を目指したいと考えております。
以上でございます。
○金倉部会長 ありがとうございました。
ただいまのご発言内容について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。シナジー効果が統合して出るという、楽しみなご意見を今伺いましたが、いかがでしょうか。
○一條部会長代理 全体としては、もう何もないんですけれども、本当に今後の評価体制ということについて、将来的に考えていただければなと思うことで1つだけ発言します。
先ほど申し上げたことなんですけれども、どうしても、やっぱり最終評価のところは、何点だからA、何点だからSというふうに、やっぱり点数に引っ張られるところが大きいと思うんです。引っ張られるというか、もとにしているところが大きいと思いますので、やはり、自己評価Aの場合は4点を充当して、Sの場合は4.75にするべきじゃないかなとは思うんですが。今回は5ということで一貫しておられるので、それはそれでいいと思うんですけれども。将来的には、そこの部分というのは、最終的な評価として点数に基づいてS、A、Bというのを決めるんであれば、そこは何かの形で評価基準を一定にしたほうがいいんじゃないかなというふうに思いました。
それに関して、先ほど手島さんから、我々にとってはもちろん参考なんですけれども、自己評価として点数をどうするかということに関しては、これは一定の基準があるべきかなと思いますので、今後の参考にしていただければと思うんですけれども。
○手島課長補佐 それで、いろんな他省庁もございまして、この最終的な評価の点数というのは、中期目標を評価する上での算定の点数の流れになっていると思うのですけれども、まだこれは、他省庁のもいろいろ話を聞いていて、ちょうど今、26年度のところで最終評価という形になっているんで。新たな基準が26年度の基準から適用ということになっているので、本当にこれを今までのような形の流れの中でそれを評価すると、AだったらAになるとかという流れになってしまうんですけれども、その評価が本当にそれでいいのかという話も、いろんなところから意見が出ておりまして、今回、状況によっては年度評価も新たな評価に基づいて評価をさせていただいて、それに基づいての中期期間の最終目標の評価ということになると、今までの点数制ということでの流れにはならない可能性もあるということで、まだ最終的には決定していない状況です。
○一條部会長代理 それはよくわかりますが、ただ単純な話で、Aを3.5と4.5の間で4にするんであれば、やっぱりSはそういう考え方が普通なんじゃないかと思うのですが。それはそういう考え方が、一つの考え方としてはあるかもしれないということで、今後の評価基準として考えていただければと思います。ただ今回は、Sは5.0と決めるということで一貫しておられるので、それはそれで結構だと思います。
○広瀬戦略企画部長 私からお話ししてよろしいのかわからないんでけれども、今回、たまたま日にちの関係でこういう形になりましたけれども、本来でありましたら1カ月ぐらい間がありまして。
○一條部会長代理 そうか。決まっているわけですね。
○広瀬戦略企画部長 先生たちのご評価が決まった数字を26年度のところに入れるということで。今回は自己評価でさせていただくという暫定的な取り扱いでしたので、単純にこの数値を入れさせていただいたというもので。これが決まった数字ということではないと私たちも理解しております。
○米田理事長 一條先生が非常に違和感を持っておられるのは、Sだから即5点だというのを非常に懸念されていると思うんですが、私の理解では、評価委員の先生方のほうでつけられたS、A、B、Cの評価のときには、Sであれば5点ということで点数化し、最終的にはそれらの平均点をとっていただいているというふうに理解していますので、我々は自己評価としてSをつけて、平均点ではなく、評点として5点というふうにしております。
○一條部会長代理 そういうお話し合いの中に立っておられるんだろうなということは何となくわかりました。
○金倉部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の中期目標期間の実績評価に係る意見につきましては、以上とさせていただきたいと思います。
これで本日の議事を終了いたしますが、最後に法人の所管課より一言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○椎葉課長 厚生科学課長でございます。委員の皆様方には、大変ご多忙の中、またお暑い中、2日間にわたって評価をいただきありがとうございました。先月の7月28日には26年度の評価、本日は中長期目標の期間の評価ということでございました。
私は前に医政局の研究開発振興課長をやって、基盤研と一緒に業務をしていたこともございますし、それから前職は健康局のがん対策・健康増進課長ということで、まさに「健康日本21」とか、健康・栄養調査だとか、本当に栄養研と一緒に仕事をしてまいった身といたしましては、大変耳の痛い、いろんな評価をいただきまして、自分のことのように、本当に「もっと頑張れ」と言われているなと思ったわけでございます。本当にありがとうございました。
きょう、2日間にわたっていただきましたいろんなご意見でございますけれども、これにつきましては、これを踏まえまして、厚生労働大臣の評価ということで検討させていただきたいと考えているところでございます。
また、全体の評価が決定したところで、先生方にはご報告をさせていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。
○金倉部会長 それでは、今後の流れにつきまして連絡をお願いいたします。
○手島課長補佐 事務局から、今後の流れについてご連絡申し上げます。本日ご議論いただきました中期目標期間の実績評価につきましては、この後、本部会におけるご意見、あと理事長のコメントも踏まえまして、厚生労働大臣による評価を行いまして、その評価結果につきましては法人に通知するとともに、公表をいたしたいと思っております。
決定した内容につきましては、後日、委員の皆様にお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
最後に、本日配付しました資料の送付をご希望される場合は、事務局より送付いたしますので、机上そのままにしてご退席いただきますようお願いいたします。
事務局からは、以上でございます。
○金倉部会長 それでは、本日は以上とさせていただきます。
長時間にわたりまして熱心なご議論をいただきまして、本当にありがとうございました。
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