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2015年9月18日 平成27年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会 第1回重症心身障害児者支援体制整備活モデル事業分科会

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成27年9月18日(金)10:30~12:00


○場所

厚生労働省 専用23会議室(6階)


○出席者

【検討委員】

大塚委員
田村委員
奈良間委員
米山委員

【実施自治体】

大阪府

○議題

・平成27年度重症心身障害児者支援体制整備モデル事業実施団体ヒアリング

○議事

【第1回重症心身障害児者支援体制整備モデル事業分科会議事録】

○小島障害児支援専門官 委員の皆様がおそろいになりましたので、ただいまより「平成27年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会 第1回重症心身障害児者支援体制整備モデル事業分科会」を開催いたします。

 委員の皆様、実施団体の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。

 本日ですが、障害児・発達障害者支援室長の津曲及び室長補佐の大西ですけれども、急遽国会関係の業務が入りまして、欠席をさせていただくことになりました。

この分科会ですが、重症心身障害児者支援体制整備モデル事業の適切な実施を図るため、関係分野に携わる委員の皆様から、実施自治体に対して御指導、御助言をいただくとともに、モデル事業の成果を踏まえて全国において支援体制の整備を図ることを目的として設置されております。

 本日は第1回ということで、本事業の実施団体として決定されました大阪府に対する事業計画等のヒアリングなどを予定しております。事業内容がモデル事業の目的等に沿った効果的なものとなりますよう、委員の皆様方から御指導、御助言のほどよろしくお願いをいたします。

 次に、本日の流れにつきまして簡単に御説明させていただきます。お手元の議事次第をご覧いただきたいと思います。

 本日は第1回ということで、まずこの分科会の座長の選任を最初に行っていただきます。その後、座長の進行によりまして「議事2」の議事の公開について御確認いただき、その後「議事3」の実施団体からのヒアリングを予定しております。最後に「議事4」として、報告書様式についての御確認をお願いできればと考えております。

 初めに、座長の選任の前に、本日お集まりいただいた委員の御紹介をさせていただきたいと思います。時間の関係上、御所属及びお名前を事務局から御紹介させていただきます。お席の順番で御紹介いたします。

 上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授の大塚委員。

○大塚委員 よろしくお願いします。

○小島障害児支援専門官 名古屋大学教授の奈良間委員。

○奈良間委員 よろしくお願いいたします。

○小島障害児支援専門官 心身障害児総合医療療育センターの米山委員。

○米山委員 米山です。よろしくお願いします。

○小島障害児支援専門官 埼玉医大総合医療センター教授の田村委員。

○田村委員 田村です。よろしくお願いします。

○小島障害児支援専門官 なお、北信圏域障害者生活支援センターの福岡委員におかれましては、本日は他の業務により、やむを得ず欠席をさせていただくとの御連絡をいただいているところでございます。

 本日は、委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、座長の選任をお願いしたいと思います。本分科会の座長については、開催要綱に基づき、座長は「委員による互選」となっております。

 どなたか御推薦いただく方がおられましたら、挙手をお願いしたいと思います。

 米山委員。

○米山委員 米山です。

 大塚委員にぜひ座長をしていただきたく思います。過去3年間でも在宅のモデル事業をやっていらして、本当に重心から幅広く障害児者のかかわりに詳しいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

○小島障害児支援専門官 ただいま、米山委員より、座長として大塚委員の御推薦をいただきました。

 大塚委員に座長をお願いするということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小島障害児支援専門官 どうぞよろしくお願いいたします。

(大塚委員、座長席へ移動)

○小島障害児支援専門官 それでは、座長より一言御挨拶をいただきまして、その後の進行は座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大塚座長 改めて、上智大学の大塚と申します。よろしくお願いいたします。

 第1回の重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業ということで、検討会をよろしくお願いいたします。

 この検討会も年を経てさまざまな形で具体的な施策を結びつつあると思っています。重症心身障害児者の方が地域で生活するための体制整備であるとか、あるいは固有データの配置、それぞれにかかわる人の研修などを通したスキルアップということで具体化されつつありますので、その発展のためにもこのモデル事業をなお一層活用したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に早速入りたいと思います。

 議事を進める前にまず、本日の資料について事務局から説明をお願いいたします。

○小島障害児支援専門官 本日、御用意させていただきました資料は

 資料1 平成27年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会開催要綱

 資料2 公開・非公開の取扱いについて

 資料3 平成27年度重症心身障がい児者支援体制整備モデル事業の取組について

 資料4 重症心身障害児者支援体制整備モデル事業報告書の作成について

 資料5 平成27年度重症心身障害児者支援体制整備モデル事業実施概要

また、資料3の参考といたしまして、公募時に大阪府から提出いただきました事業実施計画書を配付してございます。

 資料の不足等がございましたら、事務局までお願いいたします。

○大塚座長 続きまして、議事次第の「2.本検討委員会の議事の公開の取扱いについて」を事務局から説明をお願いします。

○小島障害児支援専門官 資料2をご覧ください。本分科会の議事の公開については、国の設置する一般的な会議の慣例に則って、原則「公開」としたいと考えております。

 このため、本分科会は「公開」とし、資料及び議事録につきましては、会議終了後厚生労働省ホームページに公開させていただきたいと考えております。

○大塚座長 事務局の説明のとおり、本検討委員会の議事については「公開」ということで、資料及び議事録については、会議終了後厚生労働省ホームページ上に公開するということになりますけれどもよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大塚座長 では、そうさせていただきます。

 次に、議事3「平成27年度重症心身障害児者支援体制整備モデル事業実施団体ヒアリング」に移りたいと思います。実施団体から提出されている事業計画に関するヒアリングをこれから行いたいと思います。

 ヒアリング方法について、事務局から説明をお願いいたします。

○小島障害児支援専門官 本日は、大阪府福祉部障がい福祉室地域生活支援課からヒアリングを行います。

 事業計画書のヒアリングの方法ですが、まず事業計画等について20分間で御説明いただき、その後、各委員から大阪府の説明内容に対して疑問点等がありましたら10分程度の時間で各委員から御質問をお願いします。また、大阪府さんに関しましては、各委員からの御質問に御回答をお願いいたします。

 ヒアリングが終了しましたら、大阪府の事業計画書に対しまして、各委員からのコメントをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○大塚座長 それでは、大阪府さんからヒアリングということで、今日はどうもありがとうございます。

 説明をお願いいたします。

○大阪府 大阪府の福祉部障がい福祉室地域生活支援課の三和と申します。このたびはモデル事業に御採択いただきまして、ありがとうございます。

 これから20分間で、大阪府のこれまでの取り組みと今年度に取り組みます事業につきまして、パワーポイントに基づいて御説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。

 お手元の資料とこちらに映させていただいているものは同じものですので、どちらでもご覧いただきましてと思います。

PP

 まず表紙をめくっていただいてパワーポイントの1ページ目で、大阪府の重症心身障害児者の状況についてになります。

 「重症心身障がい児者」の定義なのですけれども、大阪府ではまず「重度の身体障がい」と「重度の知的障がい」が重複されている方ということで、身体障害者手帳の1級または2級と、療育手帳のA(重度)を交付されている方と定義をさせていただいて、まず平成24年7月1日時点で府内の各市町村に調査させていただきましたところ、お手元の表にあるように、府域全域で7,916名、約8,000名の方がおられることがわかっております。

 大体その半数の方に、何らかの医療的ケアが必要であるという推計をさせていただいております。約8,000人のうち約90%以上の方が施設ではなく在宅で生活をされており、その年齢分布は18歳未満が約3割、18歳以上40歳未満が約4割、40歳以上が約3割となっております。

 右側の大阪府域の地図は、二次医療圏域ごとに色分けをさせていただいております。大阪市、堺市の政令市を除く6つの二次医療圏域を府が所管する形で事業を行っております。

PP

 2ページ目は大阪府のこれまでの取り組みなのですけれども、大阪府では「第4次障がい者計画」にて重症心身障害児者とその介護者が安心して地域生活を送るために必要な支援の充実を最重点施策の一つとして位置づけまして、大阪府障害者自立支援協議会のもと、有識者、当事者、各関係機関の代表により構成されました「重症心身障がい児者地域ケアシステム検討部会」を設置いたしまして、平成24年度と平成25年度の2年間で取り組むべき3つの課題について検討し、御提言をいただきました。

 1つ目の課題といたしましては「ライフステージに応じた一貫した相談体制の整備」を提言いただいております。現状では、病院のNICU等で生まれられて、在宅生活以降の準備段階で最初にかかわるのは病院のMSWさんや保健所の保健師などでして、在宅生活移行後は保健所の保健師、訪問看護ステーションの看護師、相談支援事業所の相談員。就学されますと主に学校の先生、卒業後は市町村の職員、相談支援事業所の相談員、福祉サービス事業所の支援員と、当事者にかかわる方が変遷していき、それらをつないでいるのが御家族となっている。その介護者の方の負担はさらに大きいものになっているという現状がございます。

 ですので、当事者を中心といたしましたネットワークを構築し、包括的に支援する機能を整備する必要があり、市町村域を越えた広域的な視野で情報を収集し、当事者にとって身近な場所で、必要な情報を提供する体制づくりに取り組む必要があるのが1点目でございます。

 2つ目は「医療と介護の連携強化」です。先ほど、当事者の方は府内で約8,000人と申し上げまして、その半数の中に何らかの医療的ケアが必要な方がいらっしゃると推計させていただいておりますが、医療的ケアもさまざまな状態です。人工呼吸器管理や気管切開などの高度な医療的ケアから導尿、排便管理、スキンケアなどさまざまなケアが必要となっております。

 当事者にとって、医療も生活と切り離せない重要な一部でございまして、生活を支える役割を担う福祉といたしましては、医療との連携をさらに強化する必要があると認識しております。福祉サービス事業所で実施されている医療的ケアをバックアップする医療機関との連携強化や、医療と介護の互いの課題を共有し、強固な地域ケアシステムの構築に取り組む必要があると思っております。

 3つ目といたしまして「障がい福祉サービス等の充実強化」です。医療的ケアに対応可能な障害福祉サービス事業所はまだまだ十分ではございません。医療的ケアに対応できる福祉サービス事業所を充足させ、地域生活の場の確保に取り組んでいくという3つ目の提言でございます。

PP

 これらの提言を受けまして、大阪府といたしましては、平成26年度から知事重点事業として2つの事業に取り組んでまいっております。

 3ページ目の、まず「(1)ケアコーディネート事業」それから「(2)医療型短期入所整備促進事業」という2つの事業になります。

 「(1)ケアコーディネート事業」なのですけれども、大きく3つの柱の事業になっております。まず医療機関を含む二次医療圏域ケア連絡会議を設置いたします。先ほど言いました二次医療圏域ごとに重症心身障害児者のライフステージに応じてかかわるさまざまな専門機関の代表者に御参画いただきまして、当事者ニーズの把握の方法、傾向分析、有効な情報発信方法等々について検討し、各機関で取り組むべき支援内容を吟味し、実践したいと考えております。

 さらに重症心身障害児者の実態把握ですが、重症心身障害児者とその家族の個別具体的な実態等につきまして、市町村の協力も得ながら調査、集約し、ケア連絡会議で重症度や医療的ケアの必要度などの傾向分析を行ってまいります。

 この調査を行うことで非常に個別性の高い重症心身障害児者とその介護者の生活の状況を把握することができ、地域生活を支えるために具体的にどのような支援が必要なのかなどの今後の支援体制の検討の基礎となると考えております。

 次に、重症心身障害児者とその御家族と事業者のマッチングに向けて2つの取り組みを考えております。まず当事者向けの福祉サービス体験会です。お子さんが小さくて、医療とだけつながっていたり、介護を家族以外の方に任せることに抵抗があり、おうちの中だけにいて福祉サービスを利用されていない方々に、まずおうちから出てきてもらい、御本人には日中の居場所、大人の方であれば生活介護事業所、子ども向けであれば児童の通所事業などを体験いただくとともに、介護者の方には相談員による相談会や介護者同士の交流を体験いただきたいと思っております。その体験を通じまして、福祉サービスの利用につながっていただきたいと考えております。

 さらに、事業者向けの医療的ケア実施相談会です。新たに医療的ケアが必要な重症心身障害児者の受け入れを検討する事業所に対しまして、医療的ケアを実施するための手続や安全性確保のための医療機関との連携方法などを指導するとともに、当事者の現状やニーズなどを的確に事業者へ発信します。

 これらの取り組みも、先ほどの会議にフィードバックしながら進めてまいりたいと思っております。

 3つ目に利用者、支援者への情報発信です。ケア連絡会議を中心にニーズ把握、傾向分析や各専門機関の役割分担や利用促進に係る取り組み等を行いまして、その成果をもとに当事者の方々にはガイドブックをまとめてお手元に届ける形。また、医療機関や福祉サービス事業所などの支援者側には、必要な情報等をマニュアル化してお手元に届く形にさせていただきたいと思っております。

 重症心身障害児者の介護者の方には、なかなか情報が届かないという状況も聞いておりますので、必要な方に必要な情報が届くように、その内容や発信の仕方も会議の中で検討いただく予定としております。

 次に「(2)医療型短期入所整備促進事業」ですが、この事業は先ほどの障害福祉サービスの充実強化という課題がございました。その中で、大阪府で単独で実施しております重度障害者介護手当という、療育手帳Aと身体障害者手帳の1級あるいは2級をあわせて交付されている方の介護者の方に対して支給しております手当がございまして、その手当の受給者の方々にアンケートをさせていただいたところ、介護者が最も希望する福祉サービスでは介護者の年齢、また医療的ケアの有無を問わず、一番ニーズが高いのは短期入所事業ということで、その充実を図るということを考えております。

 特に、人工呼吸器管理などの高度な医療的ケアが必要な重症心身障害児者の受け入れが可能な医療型短期入所事業所が大阪府の中で非常に少なくて、なかなか御希望に沿えていない状態にありますので、まず医療機関の空床を活用させていただき、短期入所事業の実施を促進しようと思っております。

 その空床を活用した場合、通常、病院さんが受け取っていただける入院診療報酬と、福祉サービスの報酬との間に差額が生じた場合に、府が予算の範囲で補助をして事業の促進を図るという取り組みでございます。

PP

 4ページ目は重症心身障害児者とその介護者を支える仕組みといたしまして、私どもケアコーディネート事業を通じまして構築し、実践していく地域ケアシステムの目指すべき姿を具現化させていただいております。個別性が高くて、相談員等に医療的な知識がないとなかなか十分な相談支援ができない重症心身障害児者の支援につきましても、援護の実施者である市町村の責任のもと、市町村や委託、相談支援事業所、基幹相談支援センターなどが、まずステージ1とありますような個別の福祉サービス、医療サービスを結びつける仕組み、ケア会議をやっていただいて、そのサービスをコーディネートしていただくと。

 当事者がサービスを選択できる状況になることが望ましい姿だと考えておりますが、まず先ほど8,000人というニーズを申し上げたのですけれども、各市町村レベルに置きかえますと、政令市を除きましたら1~3桁の前半ぐらいの方々が分布する形になっておりまして、重症心身障害児者の相談事例も市町村におきましては、年間数件程度しかないという、なかなかコーディネートに必要な知識やノウハウなどを身につけた相談事業所や相談員がかかわっているものは少ないのが現状です。

 ですので、そういった部分を補う形でステージ3と書いております二次医療圏域で存在しております機関などが専門的な知識を会議の中などで提供していく形でステージ1の市町村の動きが回っていく形にしていきたいということを考えております。

 こういった形で、今、このシステムの実践に取り組んでいるのですけれども、在宅で生活されている重症心身障害児者の6割以上の方が二十歳以上になっている現状から、その介護を担われている御家族の高齢化も推測されております。そのような方々にも安心して地域で暮らしていただけるように、今から具体的な状況を把握し、本人や介護者がこれからの生活について相談できる体制を続けられることが必要であると考えております。ですのでまずは1年間、圏域ごとの地域ケアシステムの実践に取り組みたいと考えております。

 このような事業を、平成26年度はまず南河内でモデル的に実施させていただきまして、今年度、残りの5つの二次医療圏域で展開していく予定としております。

PP

 5ページ目で、今年度モデル事業として採択いただきました事業の取り組みについて、予定、または進捗状況を御報告させていただきます。

 まず二次医療圏域で、いわゆる協議の場のケア連絡会議には、先ほど申し上げましたとおり、医療・福祉・保健・教育などの機関に御参画いただきまして、重症心身障害児者の方々のニーズ把握の方法・傾向分析等々をやって、今、進めております。

 具体的にはこちらに書かせていただいているのですけれども、会議の構成機関といたしましては、郡市医師会の代表としての先生方、こちらには私どもも医師会にお願いさせていただきまして、在宅医療に実際に取り組んでいただけている先生方に入ってきていただいております。それから、地域病院です。こちらも地域で中核となっていただいている病院さんに入っていただいております。訪問看護ステーションも大阪府訪問看護ステーション協会さんにお願いさせていただいて、各圏域で核となる方に入っていただいております。

 大阪府の機関でございます支援学校、児童相談所、保健所等に入らせていただいて、私どもで重症心身障がい者地域生活支援センターと呼んでおるのですけれども、各二次医療圏域に旧の重症心身障害児施設とか身体障害者療護施設とか一つは病院もあるのですが、重症心身障害児者の方々にかかわった経験、実際に支援等にかかわられている核となる機関に入っていただいて、圏域の拠点・中心となっていただく形でやっていただいております。

 当然、各圏域の市町村や基幹相談支援センターなども参画いただいております。大阪府の私どもの福祉の部局が参画しております。

 こちらなのですけれども、年5回を予定しておりまして、今、見ていただいたらわかりますように、2回目が終わったところでございます。今後、10月以降3回目、4回目、5回目とやっていく形になっております。

PP

 6ページは障がい児者とその介護者の実態把握なのですけれども、先ほどの会議のもと調査をやる形で、各圏域でそれぞれの圏域の実情も反映する形で、基礎的な部分は昨年度やったアンケートをベースとさせていただいて、それぞれの圏域で必要な情報を追加する形のアンケート案をつくっておりまして、今後、11月中旬以降にやっていく予定としております。

 アンケート調査での工夫点といたしましては、お手元に届けるだけではなかなかアンケートとかは協力いただけないものが実際ございますし、記載に関しまして、非常に親御さん方に御負担がかかることも予想されますので、まずかかわられている機関の方々から口コミでお願いをさせていただく、広めさせていただくということと、場合によったら訪問看護師さんが支援に行かれているときに聞きながら書くのを手伝ってあげる形も会議の中で取り組ませていただこうと思っております。

PP

 7ページは福祉サービス等体験会と交流会、相談会の実際の実施状況です。まず先ほど申し上げました5つの圏域で、4つまで現段階で終了させていただいております。

 こちらも、募集とポスターだけ張っていても皆来られるわけではないので、かかわっていらっしゃるヘルパーさんとか訪問看護師さんとかお医者様とか、皆さんから声かけをいただいて、御参加いただいております。実際出てこられた方に関しましては、まずお子さんが外へ出るという機会を得られたことで非常に新たな刺激を受けていて、表情が変わってきていることの受けとめをしていただいていたり、先輩お母さんがピアカウンセラーみたいな形で入っていただくことで、例えばお子さんが今後、股関節の手術をすることを予定しているのだけれども、それをやったらどうなるのかを先輩お母さんから御説明をいただいたりとかいう形で、将来の見通しを少しずつつかんでもらえるようないい機会になったかと思っております。

PP

 8ページ目で、今度は事業者向けという形の取り組みなのですけれども、事業者向けには、先ほど実施相談会という言葉を申したのですが、内容的には事業所向けの研修会というイメージでございます。医療的ケアに取り組むサービス事業所の増加を目的といたしまして、まず圏域にどういう重症心身障害児者の方がいらっしゃって、どういうニーズを持たれているかを明確に事業者へ発信していくことを考えております。

 その中で「在宅重症心身障害者支援者育成研修テキスト」なども活用させていただきまして、重症心身障害児者の基本的な理解や障害者に係る福祉制度についての説明等もさせていただこうと思っております。

 それから、事業所の方に来ていただくために、ただ講義だけだと来ていただけるかどうかという部分もございますので、圏域内の市町村におきまして、日常生活用具として支給実績があるような福祉機器の展示とか、実際使ってみて当事者の方に勧めていただけるような機器の体験なども用意させていただこうと思っています。

 事例研究といたしまして、実際に多職種連携によって重症心身障害児者が地域生活をしているモデルケースを紹介させていただいて、当然、当事者の方にもお願いして出てきていただきまして、実際に支援に入っていただいている医療関係、福祉関係、教育関係等の皆さんにパネリスト的に入っていただきまして、パネルディスカッションで実践、報告等をさせていただいて、皆さんが支援に入るときのヒントをつかんでいただきたいと思っております。

 こちらにつきましては、秋以降の取り組みとして今、用意しております。

PP

 9ページ目は、そういった取り組み以外に当然受け皿といいますか、当事者の方々が利用できる社会資源がなかなか全体的に把握できていない部分もあるのかなと思いますので、まず圏域ごとに重症心身障害児者の支援に必要なサービス事業所、事業所だけではなくていろいろな事業、手当とか制度等を調査させていただいてまとめていきたいと思っております。これも今から取り組む形になっております。

 情報発信といたしまして、重症心身障害児者とその家族の方向けにはガイドブックを作成して、当事者にお配りすると。かつ、支援者側に関しましても、必要な情報をまとめたマニュアル的なものを作成させていただく。

 その関係以外にも、医療や保健など、他分野へ福祉制度などの情報を発信していきたいと思っています。また、大阪府内で私どもがやっている事業とは別に、それぞれ医師会で小児在宅医療を考える検討委員会をされていたり、フェニックスさんを中心にやっていただいておりますショートステイ連絡協議会とか、母子総合医療センターさんで取り組んでいただいている在宅医療を考える会とか、そういったいろいろな取り組みをされている団体さんとも連携をしながら、私どもの情報発信を現在もしておりますし、今後もしていこうと思っております。

 当然、大阪府訪問看護ステーション協会さんとか大阪府看護協会さんとの研修にも、私どもは出させていただいて、当事者のニーズ、状況なども発信させていただいている状況です。

PP

10ページ目は「6.課題」で、こちらは私どもが南河内圏域でのアンケートを昨年度やらせていただいた中で把握している課題で、まだほかの圏域全部を網羅したものではないのですけれども、まず重症心身障害児者の方々は福祉だけではなくて、医療・教育・保健、さまざまな分野の支援者がかかわって多職種で支援していく必要があるということ。それから、それぞれの機関がそれぞれどういう役割をしているかをなかなかわからなくて、うまく連携がとれていない部分がありますので、まずそれぞれの情報を共有していって、機関同士での連携、ネットワークを進めていくことが必要であると考えていると。

 それから、地域生活を送るために、多岐にわたるサービスコーディネートをする役割が必要である。ただ、その現状という部分では、今、御家族がやられているそのかわりをどなたかほかのものに委ねる形で、お母さんも支援者の一人という形でかかわっていただくことが、長い在宅生活には必要ではないかということを思っております。

 コーディネートの中心を担う役割の支援者はさまざまな分野についてのサービスの知識を持ち、重症心身障害児者、介護者に多くの選択肢を提示できるようなスキルアップが求められていると考えております。

 ただ、一人のスーパーマンを育てたとしても、その一人の方と関わる方はラッキーな方となってしまいますので、そうではなくて、まず親御様方がファーストコンタクトされる信頼されている方が必要な情報を持って、適切に誰かにいざなっていくということをしていく。適切につなげていく、ネットワークの呼びかけ役みたいな形になって、当事者の支援が進んでいくような形になっていきたいと思っています。

 まずはそこからスタートさせていただいて、どんどんケースが積み上がる中で、例えば基幹相談支援センターとか相談事業所とかが中心になっていくことも今後、やっていける形になっていけばと思っております。

 特に医療的ケアが必要な重症心身障害児者を支えるためには、医療的ケアに対応可能なサービス事業所の充足とともに、障害児者に対応可能なお医者様、訪問看護師さん、訪問リハのスタッフの養成も必要であると思っております。

 また、病診連携も促進しまして、重症心身障害児者が地域で安心して医療を受けられる体制を構築することも必要であると思っております。私どもも福祉部だけでなく、大阪府の健康医療部とも連携しながら、今後のあり方等を考えていきたいと思っております。

 長くなりましたが、説明はこれで終了させていただきます。

 御清聴ありがとうございます。

○大塚座長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明内容について、御質問等がございましたら先生方、どうぞ。

○田村委員 埼玉医大の田村と申します。

 小児科でも、特に我々のところは新生児NICU、小児のPICU、そういうところで呼吸障害を起こしているようなお子様などで該当するお子様が結構多いのです。

 今回、取り組みとして重症心身障害児と者と両方含めてということでされておられて、それはそれでもちろん大事なことだと思うのですが、NICU上がりとか、小児のICU上がりのような非常に数は少ないのだけれども、人工呼吸器などの高度医療ケアを必要とする方の場合と、もう一つ、今度は逆に大人の方でむしろ御家族が高齢化して十分な介護ができなくなっているという方と、共通のサポートの仕方と分けてそれをサポートすることを考えられたほうが、よりそれぞれの事例に見合ったサービスができるのではないかと思うので、そこのところを少し。これだけここで見ますと18歳未満が30%と書いていますけれども、例えばこの30%の18歳未満の方の場合と、もう少し大きい方の場合で特に医療的ケアにおいてどういう違いがあるのかあたりも明確にした上で、プランを立てられるといいのではないかと考えました。

 あと、子供だけに限って言いますと、短期入所の支援で、二次医療圏の地域の中核病院や二次医療病院を活用しようということだと思うのです。これは非常にいいアイデアだと私は思います。それは今、日本でも最近やっと先進国並みの予防接種システムになって、感染症の患者さんは確実に減っています。

 ですから、高度医療機関でNICUとかPICUとかそういった先天性の異常とか、そういう患者さんに関してはむしろ救命率がよくなった分だけどんどん増えていて、ベッドがいっぱいで困っていることがあるのですが、二次医療施設においては、どちらかと言うと入院患者さんがむしろ以前に比べて減って、逆にベッドが少なくなったものだから、医師の定員を減らされるなどという動きが出ているというところも聞いておりますので、そのベッドを有効活用しようというのは非常にいいアイデアだと思うのです。

 ただ一方では、小児の場合は患者さんに波がありまして、特に今の予防接種でなかなか防止できない感染症などの場合にはある時期にわっと急に発生しますから、予定で入所を準備してあげるということが、していたつもりなのだけれども急に感染症の患者さんが入ってきたりすると、同じ部屋にはそういう方を入れるわけにはいきませんのでということで、ベッドが使えない。

 そういう問題もありますから、そういうことに対してこういう短期入所に協力する施設が安定して入所を受け入れるシステムをどうやってつくるのか。それには多分、空床を必ず用意しておくことに対する補償とかいうこともしてあげないと、入ったときだけ支援するということでは、なかなか採算がとれないこともあろうかと思うので、それは病院側の医師の立場からその辺も考えて事業を進めてこられたらいいのではないかと思ってお話しさせていただきました。

○大塚座長 ほかには、米山先生、どうぞ。

○米山委員 米山です。

 今、田村委員と似ているところなのですが、最初の18歳までが30%というところの中で、いろいろなサービス利用のことを考えると、いわゆる幼児、就学前のお子さんたちだと、今ある重心の通所事業も全部含めての通所事業になっていると思うのです。そういったことが実際、今後のサービス、いわゆる利用者の支援の計画、専門相談との絡みも含むことになると思うのですが、そのあたりの実態がなかなか足りないと聞いています。

 それと今、話題になっている学齢児の重症児者の学校放課後の事業が、足りているところもあるのですけれども足りていないところもあるので、その辺は教育というよりむしろ福祉のものなので、そのあたりが一緒にアンケートなりで把握できるといいかなということが1点です。

 もう一つは、先ほど言った相談支援事業といいますか、そういった受給者証なりをとっていくということを考えたときに、過去3年の中でもサポートファイルなり、そういったファイルなりをつないでカットしてステージごとという、やはりそこの切れ目のない中だとそういうものの活用が、短期入所などを利用するときもとても役立つと思うのですが、そのあたりの作成だとかが今日見た報告の中では入っていなかったので、どんなものかということ。

 もう一つは質問です。不勉強で申しわけないのですが、大阪府の医療圏域は大阪市と堺のあたり、フェニックスさんあるいは母子センターも大阪市にあるものなのですか。その医療圏域がどのようなものなのかがちょっとわからない。そこも一つ教えていただきたいのです。

○大阪府 まず二次医療圏域なのですけれども、大阪市はおっしゃるようにフェニックスさんがあります。堺市には児玉先生のベルデ堺があります。大阪府立母子保健総合医療センターは和泉市になりますので、泉州圏域になります。それから、愛仁会高槻病院さんとかは三島の圏域になります。大阪府所管の重心施設でしたら、北河内圏域に枚方療育園さんがあります。それから、南河内に四天王寺和らぎ園さん。金剛コロニーの中にあります、すくよかさんがあります。あと、東大阪療育センターというお子様向けの重心なども受けながらやっていらっしゃる事業所は中河内圏域にある形になります。

 それが二次医療の状況になります。

○米山委員 細かい話ですみません。その医療圏域の医療型の短期入所利用という場合に、そこを今のその地域の圏域を越えての利用がもっと、先ほど田村委員からあった中規模とかそういった病院の利用が必要になってくるのだと思うのですが、その辺はどのようなものですか。

○大阪府 ショートステイの事業につきましては、政令市は除きますけれども大阪府内に在住の方は圏域を越えての利用も可能な制度設計をしております。

○大塚座長 いいですか。

 奈良間委員、どうぞ。

○奈良間委員 大変貴重な取り組みをいただきましてありがとうございます。

 2点伺ってみたい点があるのですが、一つはまず、現状把握のところで、状況を報告いただきましたけれども、約半数に医療的ケアが必要というところと年齢分布が別々に書いてございますが、これは両方かけ合わせたときに何か特徴が見えることがあるのでしょうかということです。それによって医療的ケア度が高い方で年齢層が低い方が多いとすると、ただ単に高度医療で対応できるところでその方たちを受け入れるということだけではなくて、例えば保育のニーズを満たす取り組みですとか、そういうことにつながってくると思うのですが、その点をお聞きしたいことが1点です。

 あわせて、具体的なサービスの取り組みのところで、相談に対応することですとか研修があったかと思いますが、最も移動等が大変な方においては最もニーズが高いと思うのですが、そういうところに参加しにくい状況もおありかと思いますが、そこへの支援は検討いただいているのでしょうか。

○大阪府 先ほどの人数と年齢のお話なのですけれども、まずこのときには手帳と年齢しか聞いておらないので、平成24年7月1日の時点では、それぞれの方の医療度は把握しておりません。

 ただ、推計という部分はその前の平成23年に悉皆ではないのですけれども、当事者団体さんの御協力を得ながらその団体の方々の医療の状況を調べさせていただいたときの率で推計をさせていただいております。

 今年度、調査させていただく中で、年齢と医療の必要度とか支援の必要度も同じような形で聞かせていただいて、クロス集計をかけていく中でそういった細かい状況は出てくるかと思っております。

 ただ、保健所等に確認しておりますところ、ここ10年ぐらいが、人工呼吸器などが在宅で使えるようになってきているということもありまして、一番医療度が高い方が出てきてこられているのが大体10歳未満ぐらいの方々ではないかというお話は聞いております。その中で、おっしゃっていただいたような保育とか日中の活動の支援の部分も課題かなというのは認識しております。

 そういった部分も今後、分析してまいりたいと思っております。

 移動の部分なのですけれども、私どもも移動のことは大変重要な課題であるとは考えております。ですので、体験会に関しましては、バスとかを用意した方がと思ってはおるのですけれども、なかなかそこまで事業所で準備とかができない形で、今年度は移動の足は用意させてはいただけていないのですが、できるだけ土曜日とか日曜日とかで御家族みんなで参加いただけるような感じの体験会という形を設けまして、一緒に来ていただいて参加いただいている形で行っております。

○大塚座長 よろしいですか。

 あとは、米山先生。

○米山委員 もしできたらなのですが、アンケート調査といいますか御家族と事業者さんとかをやる中で、豊富になり過ぎるのかもしれませんが、自然災害がすごく多くなっているので、要は災害時にどこに行くというのが、今、特別支援学校がかなり避難先になったり、東京もそうだったと思うのですが、そういったことの利用もあると思うのです。ですから、その辺が少し把握できるといいかと。多分、今、重心学会もやっているのですが、いろいろな地域でマッピングをかなりしてというところで、長岡のといいますか中越の震災のときもそうですが、マッピングがきっちりできていると駆けつけられるのはあると思うので、どうせそこまでいろいろ調査していくのでしたら、災害のことも含めて調査されたらと思います。

○大阪府 検討させていただきます。

○大塚座長 私から2点です。一つは、先ほどお話が出ましたフェニックスさんの、大阪市なのでしょうけれども、あそこの主体がこのモデル事業を第1回か第2回にとってやっているのです。その事業との整理はどうなっているのかと。あれは政令市がやっていることだから私たちは全く関係なく、でも、今日のお話だとショートステイは相互の売り上げみたいなところで非常に関係が深いもので、もう既にやったモデル事業をどのように生かしながら、あるいは全く新しいものとしてこれを構築するのかどうかということが1点です。

 2点目は、重症心身障害児者のための地域の支援システムを構築するということで、ケア会議や基幹センターなどを中心ということで、コーディネートという言葉も出てケアコーディネート事業で出ているのですが、コーディネートをどう考えるかはいろいろあるのですけれども、この事業の一つの目的がちょっとミクロのところなのですが、例えば重症心身障害児者に特化したコーディネーターを配置して、その人が保健医療あるいは福祉などを総合的に結びつけながら支援体制をつくっていくということも、そのとき一体このコーディネーターはそもそもどういう役割があってどんな仕事をするのですかということも明らかにして、これを全国に発信したいと。そういう意味でのモデル事業をしているわけです。

 これからこれが本格的になるとき、この中においてそういう人材としてのコーディネーターという言葉はないのですけれども、どのようにお考えですかということです。

○大阪府 1点目のフェニックスさんとの関係なのですけれども、先ほど冒頭に言いました私どもの検討委員会にも船戸先生に委員として入っていただいておりまして、当然大阪市は政令市となるのでそれぞれ取り組み主体は違うのですが、情報共有をしながら事業をやっておりまして、まず大阪市さんとも情報共有をさせていただいて、ほぼ同内容の事業をやらせていただいておりますし、フェニックスさんがやられていますショートステイ連絡協議会にも当然府域の関係者も参加して、モデル事業後もずっと続けさせていただいておりまして、連携は図らせていただいているということで、オール大阪で考えさせていただいております。

 それから、コーディネーター、人のことなのですけれども、私どもも本来役割としては、高齢者で言うケアマネジャーみたいな役割が相談支援事業所なのだと思っておるのですが、なかなかそこのノウハウとか経験値が積み上がらない形ですので、そこを頑張って動いていただける形でそれぞれの専門機関がバックアップをするというイメージでのスーパーバイズみたいな形の会議体での応援という形をさせていただいていて、当然その中で個別の当事者の方を呼ぶことも会議の中で考えておりまして、その場ではどういう形でサービスをコーディネートすればいいかというモデルケースなども共有できたら、それがまたそれぞれの現場に戻って、動く形になっていく、実例が積み上がる一つのきっかけになるのではないかと思っております。

○大塚座長 ありがとうございます。

 質問はよろしいですか。

 では、これから御意見で皆様のコメントということで、ただいまの大阪府さんの説明について、やりとりになってしまうのかもしれないのですけれども、事業計画書に対してコメントなど、あるいはアドバイスをいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 田中専門官。

○田中障害福祉専門官 本日御欠席の福岡委員から事前にコメントをいただいておりますので、発表させていただきます。

 パワーポイントを見させていただきました。大阪府の本気度を感じるパワーポイントでした。スタンダードになり得るシステムの提案だと思います。

 2つ気づいた点ですけれども、1点目の個別ケア会議について、基幹センターが核になっていますが、基幹センターとサービス等利用計画を作成する指定特定相談支援事業所、障害児相談支援事業所の連携の中で、困難事例に対して基幹相談センターからの後方支援を受けながらサービス等利用計画を作成するという相談支援専門員が個別ケア会議の中心にいるという図にしたらどうでしょうかという点。

 2点目が、個々の支援に関して、支援ネットワークの構築がゴールになっておりますが、個々の支援に対して生活支援チームと医療的ケア等のスキル支援方法統一チームがベン図のように重なり合うイメージも示していただけるといいのではないかと思いますということです。

 以上です。

○大塚座長 ありがとうございます。

 先生方の御意見をどうぞ。

 田村先生、お願いします。

○田村委員 先ほど言ったようなことではあるのですけれども、大阪の場合、我々新生児の世界でいくとNMCSとかそういう大きな周産期センター同士のネットワークも非常に先駆的な取り組みがされていて、それが今度、船戸先生の新生児医療から重心に移られたところとの連携で、NICUの長期入院中の子供がそういうところを介して在宅に移行するというところが非常にうまくいっているという話は我々もよく知っております。

 一方で見えてこないのが、医師会がどの程度小児を含めた在宅医療、当然高齢者に対する在宅医療という点ではどこの医師会も一生懸命取り組んでおられるのですけれども、小児の在宅医療となるとなかなか高度医療を必要とするということと、広い地域にぱらぱらと存在するので、そういうお子さんを専門で見たりしてもなかなか開業の小児科の先生にとっては、どちらかと言うと本当にボランティアでしか採算が成り立たないところが多いと思うのです。

 埼玉県でも実は同じような事情がありまして、それに対して埼玉県の医師会が今、やっていただいているのは、今の二次医療圏より小さな医療圏になろうかと思いますけれども、埼玉県の32の郡市医師会に小児科のクリニックの先生と、在宅診の先生とでペアをつくっていただいて、その地域に例えばうちの医療センターとか県立小児医療センターから人工呼吸器をつけているお子さんを介したりするときには、ペアで見ていただくという運動を今、展開しております。

 小児科の先生がそういうところに協力することをやっているところはまだまだ少ないみたいで、一方で私たちは小児の在宅であれば小児科の先生に頼むのが当然だろうと思って一生懸命やったのですけれども、それでは行き詰まってしまって、むしろ大人の在宅診をやっている先生方にアドバイサー役として小児の先生をつけていって、同じアドバイザーをするにしても、大学病院とか大きな総合医療センターみたいなところだと、ふだんから余り顔なじみがないので、在宅診の先生もこんなことでわざわざ電話して聞いたりしてもいいのかなということで遠慮があるようですが、同じ地区で開業している先生同士で顔がよく見える関係になるとそういったことも頼みやすいということで、それがやっと埼玉県で小児の在宅が少し動き出したいいきっかけといいますか、下地になっていますので、医師会の先生方に対してもそういうアプローチをして協力を求められたらいいのではないかと思います。

○大塚座長 ありがとうございます。

 ほかには、奈良間先生、どうぞ。

○奈良間委員 今回のケアシステム整備ですと、とかく全体像といいますか、組織的な整備に終始しがちだと思うのですけれども、今回の大阪府さんの取り組みは必ず個のニーズを全体に吸い上げていくというところの意向や方針がとても見えてくるので、それが最終的には本来の目的である個々のニーズを充足するためのケアシステムにかなっていくのだろうと思って見せていただきました。

 そういう視点からしますと、このステージ1~3をどうつなげていくかが非常に重要だと思うのですが、そこにぜひ大阪府さんの取り組みの特徴を出していただいて、標準化できるように示していただけるとありがたいと思いました。

 また、個のニーズを吸い上げるだけではなくて、それが施策に生かされているということを最終的にはそれぞれの方が実感できるようにしていただけると、それぞれの方の幸福が高まるのではないかということを思ったり、その循環性がより高まるのではないかと思ったりしますので、そこは少し工夫が必要なのかもしれませんけれども、また参考にしていただければと思います。

○大塚座長 ありがとうございます。

 米山先生、お願いします。

○米山委員 先ほどはすみません。質問とアドバイスと意見とが一緒になって申し上げてしまったのですが、先ほど言ったサービス業というか支援利用計画とそのサポートファイルとか、そういったものが在宅の中でコーディネーター養成とそういうものを作成していくのも各地域でだんだん始まっていますが、その辺については計画があるかあるいは支援計画書はもちろん今年度中に子供も大人もできていると思うのですが、結局サービスを利用ということですから、それがもとになりながらショートステイも含めて、医療のことも全部入るのでいいと思うのですが、そのあたりはどのように今回はあるのですか。

○大阪府 今、私どもの府の中の健康医療部で、在宅移行後の維持期のお子様方に必要な機関とか、どの時期にかかわるところがこういうところでこういう項目でみたいな整理をした維持期のシートがございまして、そういったものを使いながら、みんなで共有しながら漏れなくフォローをしていくという取り組みが一つ。

 あと、各市町村さんによって、本当にそれぞれのお子様独自のサポートファイルもつくられておりまして、それを会議の中で共有しながらそれぞれの足らないところとか足りているところとかを共有しながら圏域ごとにそろえていく形をとっていきたいと。

 現状はそこをやっている形です。

○米山委員 ほかに医師会がかなり入っていらっしゃるのだと思うのですけれども、先ほどおっしゃった地域によっては本当に数名とか1~2人しかないところだと、その辺が保健の圏域でということで言うと保健師さんだとか、あるいは学齢期になると特別支援学校が中心になってそこは確実に100%カバーしているわけですので、相談支援もコーディネーターもそういう方がなる地域もきっとあるのだと思うのですが、そういったところをうまいぐあいに調整できると、今のように本人と御家族の支援につながるのではないかと思いますので、ぜひその辺の組み立てをしていただくといいのではないかと。

○大塚座長 私から、今までのモデル事業との異なりは、行政そのもの、大阪府さんがみずから事業主体として出してきたと。事業を委託するということは、それまでの事業と異なるわけです。今までの事業は重心施設や在宅サービス事業所がその地域、周囲のところの重症児のための支援体制の整備をどのようにつくっていっていいかということが中心だったわけですけれども、大阪府さんが出したということは、先ほどのオール大阪を含めて広域ということですね。

 広域の支援体制をどう整備するかは今までにないモデル事業だから、多分これは肝になる一番のポイントだと思うのです。行政課題の中で政令市をどうするのかはもちろんあるのですけれども、大阪府全体としてどうするかという中に、個々の圏域レベルにおける支援体制を構築する。この2つの要素で成り立っている。

 そうすると、各圏域においては、それぞれ差異があるわけですから、それぞれの地域に応じたつくり方が今後は差異として出てくるわけです。それを分析するわけです。どうしたら差異あるいは異なりがあって異なりの違いをうまく充実させたか、圏域同士の連携の中で全体としてどう支援体制をつくったかとかが大きなテーマになります。

 たぶんそれは小さな圏域ではなくて大きなところをモデルとするということはこれから都道府県が、例えば東京都が支援体制を整備するとき、地域の実情に応じたこういうやり方があるのだということのエビデンスが出ていると、非常にこれからのためになると思っています。

 ですから、ある意味では行政がオール大阪をどのように支援体制整備をつくるか。ミクロのところでももちろん、それぞれの圏域レベルにおいて委託した事業者さんが中心にやるのですけれども、その両方を検証していただければと思います。

 以上です。

 御意見はよろしいですか。

 では、これでコメントも終わりましたので、大阪府さんの事業計画のヒアリングを終了したいと思います。

 大阪府さん、今日はどうもありがとうございました。

 次は「議事4」の報告書の作成について、事務局から説明をお願いいたします。

○小島障害児支援専門官 事務局より御説明いたします。

 資料4「重症心身障害児者支援体制整備モデル事業報告書の作成について」をご覧ください。本モデル事業の報告書につきましては、単なる補助事業の実績報告ではございませんで、重症心身障害児者のための地域生活支援を実施するため、全国の都道府県市、これまで全く体制ができていない自治体も含めて幅広く活用されるよう、取り組みの具体的なノウハウをまとめていただくという観点でございます。この観点から、共通の報告書様式をお示しするものでございます。

 大阪府につきましては、この様式に沿いまして、地域の現状と課題、都道府県市におけるこれまでの活動・取り組み、ほかの自治体は体制をこれからつくるというところもございますので、これまでやってきた当初の活動も含めた関係機関への働きかけなども含めて、どのように活動を行ってきたかも含めてお願いできればと思っております。

 また、今回の本事業の取り組みに関しまして、モデル事業の実施体制、間接的な支援、人材育成、その他の取り組みの本事業の取り組みを、また報告書で詳細に書いていただければと考えてございます。

 以上でございます。

○大塚座長 では、時間となりましたので、これで終了させていただきます。

 大阪府さん、改めて御苦労さまでした。長時間にわたってありがとうございました。

 大阪府さんはいろいろなコメント等ありましたので御参考にしていただいて、事業の実践あるいは報告書でまとめていただければと思っております。

 多分、このモデル事業の最終報告会は年度末ぐらいの予定だということですので、そのとき改めてまたすばらしい報告書ができることを期待していますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして「平成27年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会 第1回重症心身障害児者支援体制整備モデル事業分科会」を閉会させていただきます。

 本当にありがとうございました。どうも御苦労さまでした。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3037)
FAX: 03-3591-8914

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