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2015年9月7日 第三回特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会議事録

年金局事業管理課

○日時

平成27年9月7日(月)13:30~15:00


○場所

厚生労働省12階専用第14会議室


○出席者

喜田村委員長、片桐委員、白石委員、高橋委員、嵩委員、柳委員、山口委員

○議題

(1)説明誤りについて
(2)説明漏れについて
(3)その他

○議事

○大西事業管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第3回「特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、ご多忙の折、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 まず、委員の出欠状況の報告ですが、全員ご出席でございます。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の横置きの資料で、資料1「前回の委員会でのご指摘について」、資料2「説明理誤りについて」、資料3「説明漏れについて」、参考資料1「参考条文」、それから、参考資料2といたしまして「被保険者への送付物等」という資料があります。こちらは国民年金の保険料の納付に関する資料、あるいは付加保険料、後納制度、免除納付猶予、追納といった際に、手続されているご本人に年金機構等から送付される資料の代表的なものです。説明の中でも適宜使わせていただきますが、必要に応じご参照いただければということでお配りをしています。

 資料は以上でございますが、不足等ございませんでしょうか。

 それでは、議事進行につきましては、ここから喜田村委員長にお願いをしたいと存じます。カメラはここで退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○喜田村委員長 皆さん、お集まりいただきまして、ありがとうございます。これを見ますと、前回が7月31日ということでございましたので、暑い8月が終わりまして、いよいよ秋、我々専門委員会もまとめをそろそろ考えていかなければいけないかなというところでございます。特に今回の説明の問題は非常に難しいものと思っておりますので、ぜひ活発なご意見を頂戴できればと思っております。

 それでは、議事次第に沿ってまいります。

 その前に、資料1になろうかと思いますけれども、前回の委員会での指摘事項への回答につきまして事務局からご説明いただけますでしょうか。

 

○大西事業管理課長 資料1をお開きください。前回の委員会でのご指摘についてです。

 前回、前納や追納については、保険料を納める機会自体を逸していないということで、そういう場合には、追納額、前納額がアップしてしまうことはあるけれども、この制度の対象にならないということを、法律の条文等に即してご説明をしました。

 その関係で、この適用を受けられないことによりどのぐらいデメリットがあるのかということについて資料で整理をいたしました。

 まず、1ページ目、前納制度の説明です。一番上にあるとおり、前納については、一定期間の保険料をまとめて前納すると保険料が割引になり、割引額につきましては年4分の利率による複利原価法ということで、国民年金法施行令に規定されています。

 実際に、現在どうなっているかといいますと、下の表ですけれども、1カ月分、6カ月分、1年分、2年分という前納がありまして、普通に保険料を納めると、一番上の段の定額保険料ですが、1カ月分ですと1万5,590円、6カ月分ですと9万3,540円、以下、ここに記載のとおりとなっているわけです。前納ですと、その一段下、現金による前納と口座振替による前納がありまして、1カ月分ですと、口座振替による前納の場合、50円割引が適用されて1万5,540円になります。最大のところは2年前納ですが、今、現金での前納はできないことになっていますけれども、口座振替で前納する場合には、普通に納めれば、2年分ですと382,200円のところが366,840円ということで、1万5,360円の割引になるというものです。

 下は、400円の付加保険料についてご説明しています。計算の仕方は同じですが、額が400円と小さいので、割引額も小さい額になっているということでございます。

 2ページ目が追納制度です。免除や猶予を受けた方は、その後10年以内であれば、さかのぼって保険料を納める追納制度があります。この追納をする場合には、一定の額が保険料に加算されることになっていまして、加算率については、満期が10年である国債の表面利率をもとに算出されることが決まっております。例えば、この下の表でごらんいただきますと、平成16年度分の月分の保険料は、当時の額は1万3,300円。16年度の月分の保険料を16年度に納めたのだったら1万3,300円ということですが、これを10年後の平成26年度に追納する場合には1万4,750円となります。そのすぐ下の段ですが、17年度ですと1万3,580円であったものが、26年度に追納すると1万4,790円、27年度に追納すると1万4,880円ということで、その差は90円となります。

 最後のページの裏側ですが、具体的事例で「口座振替による前納ができなかったケース」が上の段です。27年4月に1年前納をしようという方が何らかの事務処理誤り等によって希望どおりに前納できなかったというケースを考えました。口座振替によって1年前納した場合は183,160円で、3,920円の割引が受けられるわけですが、事務処理誤りによりその機会を逸して1カ月後にようやく前納できたという場合には、11カ月前納プラス1カ月分の保険料はそのまま定額の割引なしの現金で納付いただくということで、合計184,310円となります。上の場合と比べますと、影響額としては1年分で1,150円ということですから、一月分ですと100円弱ぐらいの影響を受けたということになります。

 それから「(2)追納加算額が高くなったケース」がございます。例えば平成17年度の1年間の追納を希望された方が、26年度中、27年3月に納付できたとすると、この加算額が適用されまして177,480円納めていただくので、加算額は1万4,520円となりますが、何らかの事務処理誤り等によって26年度を過ぎて27年度になってしまった、という場合には、加算額がアップして1万5,600円になり、1年分追納する額としては1,080円アップ、月々で言うと、先ほどの表にもありましたけれども、加算額が90円アップしてしまうことになったということでございます。

 具体的な件数はどれぐらいかというのは統計がなくてとれなかったので、このような定性的なことでご説明をさせていただきます。

 以上です。

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 前回の委員会で出た事柄につきまして事務局から追加の説明ということでございます。数字的には高いのか低いのかというのはいろいろな受けとめ方はあろうかと思いますけれども、実際の数字、影響額としては、ここにあらわれているような数字のようでございます。

 委員の先生方、今の点につきましてご質問、あるいはご意見等ございましたら、頂戴いたしたいと存じます。

 よろしゅうございますか。

 

○喜田村委員長 では、これはこの程度といたします。

 それでは、本来の議事でございますけれども、「説明誤りについて」につきまして事務局からご説明をいただけますか。

 

○大西事業管理課長 それでは、資料2をごらんください。「説明誤りについて」ということで、日本年金機構、市区町村、委託事業者における説明誤りにつきまして、実際にあった事例などを参考にしながらこの資料を作成しております。

 表紙をおめくりいただきまして、1ページ目「日本年金機構のケース」でございます。内容は、後納制度の納期限の説明誤りというものでございます。

 後納制度というのは、過去10年以内、それから3年間の時限措置として設けられておりますので、平成2410月から開始されまして、27年9月30日まで後納保険料の納付ができることになっています。被保険者の方が、平成24年8月、制度が開始するちょっと前の時期でしたけれども、年金事務所を訪問されて、自分は平成14年度に未納期間があるのだけれども、後納はいつまでできるかということで納期限の相談に来訪しました。その際、年金事務所では、平成27年9月30日までに後納保険料を納めれば問題ありませんと回答しましたけれども、後納保険料というのは過去10年以内ということなので、14年度分については24年度中ということで、制度開始後すぐに手続が必要だった。その説明をすべきだったということであります。後日、翌年になって、被保険者の方がこの後納保険料を納付するため年金事務所にお見えになりましたけれども、その時点ではその平成14年度分については既に納付できる期間を経過してしまって納付できないということになりました。事実関係を確認した結果、年金事務所で当初の説明が誤っていたということが判明したという事例でございます。この被保険者の方は、年金事務所の誤った説明によって後納保険料を納付する機会を逸し、将来の年金が減額になってしまったということになります。

 想定されるケースとしまして、ここに書いてあるのは、必要な書類等があって説明誤りが証拠によって認められれば、特定事由に該当すると考えられるのではないかということを記載しております。

 また、具体的な証拠の例としては、2ページ目にありますようなものが考えられるということで、日本年金機構におきましては相談の受付に関する資料等でありますし、ご本人がメモあるいはテープなどをとっている場合には、そういったものも証拠になろうかということでございます。

 続いて、3ページ目が合算対象期間の説明誤りの事例でございます。4ページ目に合算対象期間の説明がございますが、私ども、この合算対象期間を俗に「カラ期間」と呼んでおります。年金の額には反映しないけれども、年金の25年の受給資格期間に算入する期間が合算対象期間です。任意加入しようと思えばできるのに任意加入しなかったという期間が、この合算対象期間として取り扱われることになっております。下のほうに「国民年金の適用の推移」という図があります。昭和36年4月に国民年金の保険料徴収が始まってからですけれども、自営業者は強制加入となっています。会社員とか公務員は厚生年金などに加入しますので、国民年金は適用除外、また会社員・公務員の被扶養配偶者などは任意加入となっておりました。当時、「サラリーマンの妻」は国民年金に任意加入できることとされ、この任意加入期間は、現在、年金を受けるときにカラ期間としてカウントされることになります。図の下から2番目に「大学生」があります。大学生も昭和36年以降はずっと任意加入という取り扱いでございましたけれども、図の一番下にある、専修学校等に通われている学生さんは、昭和36年から昭和61年までは強制加入、昭和61年の制度改正により大学生と同様の任意加入という扱いに変更されたということでございます。

 3ページ目にお戻りいただきまして、年金の増額や受給資格期間(25年)を満たすため、60歳から65歳の期間については、「高齢任意加入」と呼んでいますが、任意で国民年金に加入することができます。また、65歳時点で受給資格期間を満たしていない場合には、70歳までという限定つきで受給資格期間を満たすまで任意加入でき、これが特例的な任意加入ということで「特例高齢任意加入」と呼んでいます。ある60歳の被保険者の方が年金相談で年金事務所を訪問された際に、25年を満たしていませんという説明を受けました。その際、この方は、過去に専門学校に在籍していたという話をされましたので、年金事務所の職員Aさんが、それは証明書があれば合算対象期間になりますよという説明をしたということです。その方は、次回、また年金事務所を訪問された際に卒業証明書を持参されて、そこでも別の職員からやはり合算対象期間になりますねという説明を受け、年金見込み額の交付も受けたということであります。では、年金をもらおうということで、65歳になって年金事務所へ手続にお見えになったら、それは合算対象期間になりません。先ほどの昭和61年3月以前の専門学校期間は強制加入期間だったので合算対象期間にはならなかったわけであります。この方の場合は、年金事務所の最初あるいは2回目に行ったときの説明が間違っていたことによって、高齢任意加入する機会を逸失し、受給資格期間を65歳までに満たすことができませんでした。この方は、その後、65歳以降、特例高齢任意加入をなさいまして、25年を満たし、年金受給権を得ていらっしゃるということですが、仮に正しい説明を受けていたとしたならば、もっと早く年金をもらえたはずであったということで、不利益を受けているということであります。

 論点といたしまして、まず1点目ですが、説明誤りがあったことと、任意加入するかどうかということの直接的な関係について考えてみますと、この方が仮に60歳の時点で正しい説明を受けていたとするならば任意加入をしていたかどうかということは定かではないということであります。この方の場合、その後65歳で特例高齢任意加入されているので、多分、60歳でその説明を受けていたならば加入したであろうとも考えられますけれども、60歳の時にはお金がないので保険料を納められないということもあったかもしれないということで、直接的には明確でない部分があります。そういったところをどう考えるのかというのが論点の一つ目です。

 それから、二つ目の論点です。この方の場合、結局、特例高齢任意加入をしたので、年金受給権を得られています。仮に、この制度を利用して特定事由が認められ高齢任意加入するとなりましても、もう年金受給権を得てしまっていますので、もはやメリットがないということでございます。これもケース・バイ・ケースになってこようかと思います。この方が、例えば、5年間分に年金受給資格期間を満たしていない方で、65歳から70歳までフルに任意加入して受給資格期間を満たした方だったとするならば、多分、高齢任意加入しても同じ60歳から65歳まで任意加入するということで、その年金額には差はありませんけれども、例えばこの方が3年足りない方だった場合には、65歳から68歳まで特例高齢任意加入をされるということしかできなかったわけです。60歳からの任意加入ですと、年金の増額のためにも加入できるということですから、プラス2年加入するメリットがあるということで、ケース・バイ・ケースでご本人にメリットがあるかないかが分かれてくるということでございます。

 3点目ですが、仮にこの方が特定事由が認められて任意加入できるのであれば、この際ぜひ付加保険料にも入りたいということを言われた場合にはどうなるかということであります。当時、付加保険料に入る意思があったにもかかわらず入れなかったということであるならば、当時の状態に復するという意味では、付加保険料を希望すれば納付できるということになろうかと思います。当時は全く希望していなかったけれども、今は希望するという場合には果たしてどうなるかということです。以上が3件目の事例です。

 5ページ目が免除申請の説明誤りの事例です。免除については、制度の変遷がありますが、このケースでは、失業による免除制度というものと、継続申請を不要とする免除、我々は「継続免除」と呼んでいますけれども、平成17年以降、継続免除という手続をとっていまして、それとの関係でこのような事例が発生しているというものです。具体的な中身をごらんいただきますと、ある被保険者の方が平成221231日に会社を退職され、そのときに失業による免除ということで、平成23年1月から23年6月について、退職証明書を持参の上、免除の申請をされました。年金事務所では、その免除申請を受け付ける際に、全額免除が承認された場合は、翌年度の免除の手続はご本人が手続をしなくても年金機構で審査を継続してやりますので大丈夫ですよという説明を行ったわけであります。確かに、平成17年7月以降、前年の所得が免除承認基準内であって全額免除が認められて、ご本人が継続審査を希望される場合には、翌年度も継続免除の取扱いをしているのですけれども、この継続免除制度というのは、失業による免除については適用しておらず、翌年度改めてご本人の申請が必要になります。24年7月になってから、被保険者の方に年金事務所からの特別催告状、すなわち保険料を納めていない方にすぐ納めてくださいというお知らせが送付されたので、継続免除になっているはずなのにおかしいなということで問い合わせを行ったところ、継続免除が適用されておらず、改めて免除の申請の手続が必要だったのですよという説明を受けました。しかし、特例免除の申請期限は、離職日の属する年度と翌年度に限られていますので、判明した時点では、もはや失業による特例免除が受けられず、所得による審査になってしまい、全額免除を受けられないことがわかったという事例です。

 申請時期の違いによって特例免除の扱いが相違するという問題については、26年4月以降は解消していますので、今ではこういう事例は起こらないようになっているかもしれませんが、過去にそういう事例があった場合、どうするかということです。説明誤りの証明の問題というのが、論点の一つ目です。証明されれば特定事由に該当すると考えられます。論点の二つ目ですが、例えば、この方が今になってみると、2分の1免除とか4分の1免除とかを希望するという場合には認められるかということであります。この事例ですと、ご本人はもともと全額免除が継続されるだろうと思っていたわけですので、当時は全額免除の希望だったということですけれども、後から、せっかくだったら全額免除ではなくて一部免除にしてほしいと言われた場合には、これを認めるのかどうかという論点もあります。

 それから、6ページ目、納期限の説明誤りという事例です。ある被保険者の方が、過去2年以内分の未納期間、それから後納保険料の対象となる期間、つまり2年よりもさかのぼって10年以内の分の未納期間があるわけですが、その納付対象期間について、一度に全部を納められないので、どういう順番で納めたらいいかということを年金事務所に相談されました。年金事務所では、メモを書きながらご説明をして、被保険者の方にそのメモをお渡ししました。ところが、後日、また改めて年金事務所へ相談に来られた際、既に一部の未納期間については納められない、時効消滅が判明したということであります。当時の説明メモの内容から、年金事務所は納期限を誤って説明していることが判明しました。結果的に、納められなくなってしまった分について年金が減額になってしまうわけですが、この不利益についてどういった救済が図られるかということが問題になります。

 論点として、被保険者の方のお手元に渡っている納付書を見ると、正しい使用期限が記載されているというときに、この点をどう考慮するかということです。年金事務所による口頭での説明と、お手元に届いている資料に記載されている使用期限の説明が相違していることについてどう考えるかということが論点になります。

 以上が日本年金機構における説明誤り事例ですが、7ページ目からが市区町村のケースになります。

 まず、7ページ目の1つ目が、付加保険料の納期限に係る説明誤りの事例です。被保険者の方が市区町村の窓口で付加保険料の納付申出書を提出した際、付加保険料はすぐに納めることができませんということを窓口の職員の方に伝えました。しかし、その窓口の職員は、被保険者の方に対して、付加保険料は3カ月後に納付しても問題ありませんよという説明をされたということであります。後の事例でも繰り返し出てまいりますが、付加保険料につきましては、翌月末までに納付しないと自動的に脱退したものとみなして、もう一回手続が必要になるということが法律上のルールになっていました。26年4月以降は、定額保険料と同様に2年間納付することができるようになっていますが、この自動脱退の法律の規定があったので、この方の場合、本当は翌月末までに納めなければならなかったというわけであります。その後、ご本人に送られている納付書や同封されている納付案内書を見ると、付加保険料の納期限は翌月末であるということは明記されていました。ただ、この方の場合は、市町村の窓口で受けた説明を信じて、結局、納付機会を逸してしまったので、その分、付加年金の額が下がってしまうということになります。

 証拠があれば認められるかどうかという論点があるということと、説明資料と口頭での説明との間にそごがあったということで、説明書を見落としている部分について本人にも一定の過失があると書かせていただきましたが、その点をどう考えるかという論点があります。

 それから、8ページ目、免除の説明誤りの事例です。被保険者の方が10年前に市町村の窓口で年金の加入手続と免除申請の手続を相談されました。市町村の窓口では、あなたは所得が高いのでこの免除には該当しません、免除申請を仮に提出されたとしても却下されるので意味がないですよという説明をし、そのような説明を受けたので、免除申請も、資格取得届も提出しなかったので、この方の場合は、10年間、国民年金に未加入という状態が続きました。10年後、年金の未加入を解消するために改めて市町村の窓口に手続に来られたところ、今度は免除が認められました。免除は、2年間は遡及して認められますが、3年以上前については認められません。被保険者ご本人の方は、自分の所得は10年以上前から変化はないので、10年前の市町村でのあの説明が間違っていたのではないかとおっしゃられているということです。論点としては、証拠の問題、それから、一部免除にしたいと言われた場合はどうされるかという問題、それから3点目として、この特定事由の存在、説明誤りがあったかどうかということのほかに、この方の実際の10年前当時の所得がどうであったかということが、間違った説明であったか、間違った説明でなかったかのポイントになってまいります。過去5年以上前の所得などにつきましては、税務の関係などでも書類は残されていないということで、確認は難しい面があります。当時、所得がどうであったかという点についてどうやって確認をしていくかということも、こういう場合の事務処理誤りを認める際のポイントになってくるということでございます。

 最後に、9ページ目、コールセンターにおける付加保険料の納期限に係る説明誤りです。内容ですが、被保険者の方が付加保険料を世帯主の口座で納付をしていたのですが、世帯主が亡くなったので口座が閉鎖された。これに伴って今後どうやって納付すればいいですかということをコールセンターに照会されました。コールセンターでは、また改めて口座振替の手続が必要なので、申出書を提出してくださいという説明に併せて、当月末の口座振替予定だった前月分の保険料は、もう口座が閉鎖されてしまって引き落とされませんから、後日、日本年金機構から送付される納付書を使用して現金で納めてくださいということを説明されて、ほかに手続はないですよということを説明しました。しかし、先ほどもあったとおり、付加保険料にいては、当月末までに納付しないと自動的に脱退となってしまいますので、その分はすぐに納付書を発行してもらうための手続が必要であるということについて説明をしなかったというわけであります。被保険者の方は、後日送られてきた納付書が定額保険料のみで付加保険料が入っていないのでおかしいなと思い、年金事務所へ問い合わせをしたところ、付加保険料は過去の分は納められません、納期限を経過してしまっていますと言われたということであります。被保険者としては、ほかに手続はありませんよというコールセンターの説明を信じていたのに、それが間違っていたために付加保険料の納付機会を逸してしまったということであります。こういった事例につきましては、説明誤りがあったということが認定されますと特定事由に該当するのではないかということです。

 私からの説明は以上です。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 この送付物等についての説明は漏れのほうでおやりになりますか。

 

○大西事業管理課長 そうですね。

 

○喜田村委員長 そうであれば、別にそれでいたします。

 ありがとうございました。

 非常に多種多様なといいますか、レベルも違いますし、難しいところがありますけれども、この後のご説明になります説明漏れと違いまして、今ここで問題にしておりますのは、誤った説明があった、その場合にどうするかということになろうかと思います。まず、この場合が特定事由に当たるのか当たらないのかということが一番大きな論点になろうかと思います。その次に、これは次回の委員会になりますけれども、どのような証拠をもってそのような誤った説明があったということを認定できるか、そういった論点があろうかと思います。

 それから、ご説明の中でもありましたけれども、受給者ご本人のほうに過失、あるいは、資料をもう少しよく読めばよかったのではないですかというような事由があったときに、それをどのように評価すべきなのか。国賠などですとその金額で調整ができますけれども、この特定事由の場合にはこれを認めるか認めないかというようなことなるわけですから、その過失割合でという考えがなじむのかどうなのかということもあろうかと思います。

 またさらに付加的な問題として、当時と違う、例えば先ほどのお話ですと、当時は全額免除ということを希望していらしたはずなのだけれども、今は2分の1免除ということも考えたい、あるいは当時希望していなかった付加もできるのではないかとか、いろいろな論点があろうかと思います。事例もたくさんあります。私、勝手に少しまとめましたけれども、これにこだわらずに、委員の先生方、今の事務局からの説明に対して質問あるいはご意見等ございましたら、ご遠慮なくお願いをいたしたいと思います。いかがでしょうか。

 では、山口さん。

 

○山口委員 資料の(2)のアですけれども、合算対象期間の説明誤りということで事例が示されています。今回の救済制度の枠組みの理解というところとも絡めてですけれども、今回の仕組みというのが、今まで説明に誤りがあっても、規定上こうなっていますというところで結局処理されて救済されないものが、説明と規定の間にそごがあった場合に、説明が誤っていたら救済の対象になるということかと思うのです。

 この(2)のアの説明誤りの場合ということでいくつか論点が示されていて、任意加入していたかどうかというのがケース・バイ・ケースで実際はどうかわからないとかあるのですけれども、そういうところで、定型的にどう処理していくかということを考えたときに、仮に機構の場で、間違っているものに対して全部救済しますよという形に考える場合であれば、こういうどちらかわからないようなものまで救済するのかどうかというところがちょっと検討の余地ありということも言えるかもしれないのです。これは本人の申出で救済を受けられるという仕組みだったと思いますので、そういう場合は、実際に申出があったら巻き戻して考えるということで、そこから本人の選択で救済を受けるということも考えられるのかなと思いました。

 この場合はメリットがあるかないかということが、実は、実際メリットがないかもしれないということも含まれるのですが、この場合は、本人の申出の段階で、もう受給権があるので申出しなくてもいいとか、現状追認という形で、特に申し出て救済を受けるという選択をしないということも考えられるので、その辺も含めて定型的に対応するということであれば、ある程度、この事例も救済できるかなと、そういう印象を持ちました。

 以上です。

 

○喜田村委員長 ご本人の選択というところが当然出てくるのだろうと思いますけれども、道としては、救済が可能だという道を残しておいたほうがよいのか、あるいはそういうふうに解すべきではないかと、このようなご意見と承りましたけれども、事務局のほう、何かございますか。

 

○大西事業管理課長 まさに今、おっしゃっていただいたとおりで、ご本人にとってメリットがあるかどうかのところは、この制度を利用される入り口のところでよくご説明をし、そして申出をされるということであれば、この制度をご利用いただくということで、門戸は開いて、あとは、申出主義なので、それを利用するかどうかはご本人のご判断ということで考えればよいのかなと思います。

 

○喜田村委員長 ほかにご意見あるいはご質問も含めて結構ですけれども、ございますでしょうか。

 嵩先生。

 

○嵩委員 先ほどの、一定の過失があるというか、本人がちゃんと確認しておけばよかったみたいな話なのですが、確かにそういうことは言えるのかもしれないのですけれども、そういうケースの場合には、説明を1回誤っているのはきっと特定事由に該当するのではないかと思うのですが、それによって特定手続をすることができなかったというそこの因果関係というか、ここが問題になるのかなと思ったのです。説明を誤ったけれども、後でその人がちゃんと読んで、おかしいなと思って確認をすべきであったのにそれをしていないというほうに重きを置いて、それによって時効が到来しまったとか。そういうことで、そちらの本人の過失を重視するのだったら、「により」というところがないということで、この救済の対象から外すということはあり得るかもしれないですが、そこまで厳格にその人の過失を問うのはちょっと酷かなというのもありますし、そもそも勘違いさせた原因も、恐らくその特定事由というか、誤った説明であると思うのです。これは救済を広く迅速に行うとかそういう趣旨だったと思うので、そこまでは厳密に見ずに、多少過失と言えるものがあったとしても、特定事由によって特定手続ができなかったと判断してもいいのかなと思いました。

 以上です。

 

○喜田村委員長 厳密な因果関係とか、法律的にどうかと言われると、「により」に当たるのかというのは確かにご議論あろうかと思います。現実に誤った説明がなされてしまったということを前提とすると、説明を求めに行った人に誤った説明がなされるとなると、そちらのほうを重く見てもやむを得ないのかなという気もいたしましたけれども、この辺はまた委員の先生方のご議論に委ねたいところだと思います。もしこの点について事務局のほうでコメント等があればお願いします。

 

○大西事業管理課長 まさに我々も迷っているところでございまして、ご議論いただきたいと思います。説明誤りのケースと説明漏れのケースがあって、説明漏れの場合には少し難しいところはあるのですけれども、説明誤りの場合は、嵩先生のおっしゃったようなところが判断のしどころかなとも考えられるなと思っております。

 

○喜田村委員長 今の点で。

 白石さん。

 

○白石委員 今の関連ですけれども、相談に行って、メモを書きながら説明を受けたとなりますと、後で通知文が来ても、大方の方は見ないというのが現実問題です。それは説明を受けた方は、プロから説明を受けていますから、それが正しいと判断してしまい、後では見ないということがあります。メモがある以上やはりここは救済をしたほうがよろしいのかなと。もしメモがなければ話はちょっと変わってきますけれども、メモとか何か証拠があるのでしたら、やはり認めざるを得ないのだと思います。

 

○喜田村委員長 具体的な自分のケースを相談に行って、あなたの場合はこうですよという説明がなされたと。メモが必要なのか、何が必要なのかという証拠の問題は一つ置きまして、自分のケースでこうですかと言ったら、こうですと言われて、それが誤っていたとなると、それを信用してもやむを得ないところが少なくとも一般の方から見るとあるのではないかという気はいたします。この点も含めて、先生方、ほかにご意見。

 柳先生。

 

○柳委員 私も、ここに出ているケースについては、本人に少し過失があったとしても救済すべきではないかと。ただ、事例というのは実はいろいろな可能性があるので、本人に問題があっても、特定事由が認定される限りは常に救済するのだと決めてしまうことまではできないかなとも思ったのです。本人が自分の情報について間違った情報を提供してしまって、それをもとに間違った説明をしてしまう場合もあり得るかなと。その場合についても、行政側がきちんと調べればわかるはずだっただろうということで救済できるかもしれませんが、レベル感がちょっと違ってくるかもしれません。この段階で常に救済してよいとまでは言い切れないかなと思ったのですが、この事案については救済することは結構ではないかと思いました。

 1つ質問ですが、これを救済するとして、きょう議論するべき論点なのかわかりませんけれども、例えば現在の金額で救済していくのか、それとも10年前にさかのぼってそこでの金額を支払えばいいのか、これはどちらなのでしょうか。

 

○大西事業管理課長 過去、当時の金額で納めればよいという制度になっております。

 

○喜田村委員長 今、柳先生からもありましたけれども、当然、本人の過失があっても何があってもという、まさかそんな基準はつくれないとは思いますけれども、といって、また余りにグラデーションがきつくて基準にもならないようなものになっても困りますので、その辺のところ。どういったものをつくるのかというところは、実はきょうの段階でまとめるというのもちょっと難しいところもあろうかなと思っておりますので、その辺は後で事務局とももう少し相談の上で、どういった方向である程度のガイドラインといったようなものができるのかということは検討いたしたいと思っております。

 ほかに何か。

 高橋さん。

 

○高橋委員 実は私、このケースについては。

 

○喜田村委員長 どのケースですか。

 

○高橋委員 ウですね。「納付書には正しい使用期限が記載されている」と。6ページのケースでございます。このケースは確かに説明誤り、メモで渡しているということはあるのですけれども、「納付書には正しい使用期限」というところを逆に重く見て救済すべきではないのかなとは思っておりました。ですが、各先生方のご意見を伺いますと、制度で可能な限り救っていこうという観点からするならば、メモとはいえ、別なものを渡しているのであれば、これも救済してしかるべきかなという感想を持ちました。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 今の点でなくても結構ですけれども、先生方でほかに。この点はどうだろうかということも含めてご意見がございましたら頂戴したいと思います。

 随分いろいろなバリエーションがありますので、お聞きしても、すぐにこうなのだというようなご意見なりはなかなか難しいかもしれませんけれども。

 よろしいでしょうか。またこの後、説明漏れについてのご説明をいただきますけれども、ご案内のとおり、説明漏れの事案もこちらと今の説明誤りと似たような、しかし、誤った説明と説明がないというところが微妙に違って、そこで結論が分かれるのかもしれません。また、この後の説明漏れの事案のご質疑の中で説明誤りについてのご質疑、ご意見をいただくということでも結構かと思いますので、説明誤りについては一応この程度といたします。これにつきましてはいろいろな先生方のご意見を頂戴いたしましたので、今後の議論においてもう少し整理をさせていただきたいと思っております。

 それでは、議事の「(2)説明漏れについて」ということになってまいります。こちらのほうがより一層難しい点があるのではないかという想像もいたしておりますけれども、事務局の方、お願いをいたします。

 

○大西事業管理課長 お手元の資料3「説明漏れについて」をごらんください。こちらは日本年金機構のケース、市町村のケース、委託事業者のケースをそれぞれまとめております。

 まず、日本年金機構のケースからです。

 一つ目は、後納制度の納期限の説明漏れのケースです。来月65歳に到達するという被保険者の方が年金事務所を訪問されて、後納のご相談と納付申込書の送付の依頼をされたということであります。その際、年金事務所の説明では、後納制度の手続などの一般的な質問に対してはご説明をしたわけですけれども、納期限の詳しい説明はしませんでした。納期限につきましては、過去10年以内かつ70歳までに後納保険料を納付することができるわけですが、下の※にありますように、65歳以上で老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている場合には後納制度の対象にはなりません。この被保険者の方が後日後納の納付申込書を郵送で提出されましたが、その時点では既に65歳に達しており、この方の場合、受給資格期間も満たしていたということで、後納は不承認になってしまったというわけであります。被保険者の方が、不承認という結果を受けて後日問い合わせをした結果、最初に行ったときにそんな説明を受けていないということで、説明漏れがあることがわかりました。きちんと納期限の説明を受け、65歳に達する前に手続きをとっていれば納められたわけで、65歳に達した後に手続に入ったのが納められなかった原因ということになります。仮に65歳到達前に手続をしていれば納められた保険料を納められなかったということでございます。

 想定されるケースとして、仮に証拠書類などが残っていたケースであっても、マル1、マル2で事情が違ってくるかもしれませんが、被保険者の方が個別具体的な自分の状況などをお話しされて、どうすればいいでしょうかという相談を受けていたにもかかわらず、この65歳以上・25年を満たしている場合は対象にならないですよという説明をしなかったということだと、そこは説明漏れがあったのではないかということで特定事由に該当する可能性が高いと思われます。逆に、この方が一切具体的な相談をせずに、後納制度を利用したいのですが、どういう手続をすればいいでしょうかという一般的な質問だけにとどまっていたというように、65歳以上・25年を満たしていない場合は対象になりませんよというところまで説明しなければならないような相談内容ではなかった場合、特定事由に該当しない可能性もあるということで、この辺をどう考えるかという点が論点になろうかということです。また、証拠がなかったらどのように認定していくかということで、2ページ目には具体的な証拠の例を幾つか挙げているところでございます。

 3ページ目、後納制度の説明漏れという事例でございます。66歳の被保険者の方が年金相談にお見えになって、受給資格期間25年にあと2カ月足りませんということで、受給権はありませんという説明を受けました。では、そこでどうすれば年金がもらえるのかということですが、年金事務所のほうでは、特例高齢任意加入というのを申し出て、国民年金保険料を任意加入で2カ月納付すれば年金受給権が得られますよという説明をしました。被保険者はその説明どおりに手続を行い、2カ月分の保険料を納付したので、25年の受給資格期間を満たし、年金請求を行いましたけれども、その際、実はこの方は後納制度を利用することもできたことが判明したということでございます。仮に後納制度を利用していたとするならば、過去の未納期間について直ちに後納保険料を納付することが可能だった。一方、特例高齢任意加入を行うと、1カ月ごとに順番に納めていかなければいけないわけで、後納を利用した場合より受給権の発生が2カ月おくれてしまったことになります。この例について今回の救済の対象になるかどうかということであります。

 まず論点の一つ目としては、後納制度と特例高齢任意加入制度のどちらが有利かということは、いろいろな条件があって一概には言えないということをどう考えるかということであります。制度的な違いもいろいろありますし、当時、ご本人の事情もあるだろうということで、66歳で相談されたときには後納する保険料のお金がなかったという場合にはこの制度を利用していなかったかもしれないというわけであります。仮に被保険者の方が、自分はどうすれば一番早く年金がもらえますかと言って、有利な納付方法について説明を求めたにもかかわらず、年金事務所では特例高齢任意加入しか説明しなかったという場合には、後納制度についての説明漏れがあった可能性が高くなると考えられます。逆に、この方が、自分は特例高齢任意加入をしたいと言って、最初から特例高齢任意加入の申出をしたいということを相談に来られて、それについての説明をしたということで、後納制度は説明しなかったという場合には説明漏れになるのかどうかという問題があるということを論点として挙げさせていただいております。

 続いて、4ページ目が市町村のケースで、付加保険料の納期限の説明漏れの事案です。内容としまして、ある被保険者の方が市町村の窓口で口座振替の納付申出書と付加保険料の納付申出書を提出されました。市町村の窓口では、口座振替は翌月末か翌々月末から開始されますよという説明をしましたが、付加保険料というのは翌月末までに納めないと自動的に脱退になってしまう。したがって、口座振替が開始されるまでの間は、現金で納めないといけないということの説明まではしなかったというわけであります。実際に、口座振替のスタートは翌々月末となりましたので、被保険者のお宅には付加保険料の納付書は届きましたけれども、口座振替にしたので現金で納付する必要があると思わず、結果的にはこの方は付加年金について非該当となってしまったというわけであります。市町村の窓口での説明がなかったために付加保険料を納められなかった月が出てしまったとも言えるわけですが、このようなケースについてどう考えるか。論点として、証拠の有無が問題になるということでありますけれども、同時に、被保険者に送付されている納付書あるいは納付案内などには正しい納付期限が記載されていることについてどう考えるかという論点があります。ここで参考資料2をごらんいただければと思います。まず11ページ目が付加保険料の申出をするときの届書であります。この届書はいろいろな申請書を兼ねております。真ん中辺に1から13までの記入欄がありますけれども、7番目がこの付加保険料の「申出欄」になっております。また14ページ目になりますが、先ほどの申出書を提出いただいた方に対して年金事務所から送付される受理通知書というのがありますが、受理通知書に同封されるのがこの説明資料であります。お客様から提出いただいた申出書の手続が完了したので送付しますとして、2つ目の○ですが、「付加保険料は納期限(翌月末日)内に納めていただかないと、その納期限の日に付加保険料の納付を辞退したものとみなされます。したがいまして、その後も付加保険料の納付を希望される場合は、改めて付加保険料納付の申出をしていただく必要があります。」ということや、納期限に納めても払い戻しになってしまいますということが3つ目の○にも書いてあります。その次の15ページ目が実際の納付に使う書類で、これを金融機関の窓口へ持っていって現金で納付いただきます。実際のサイズはもうちょっと大きくて、細長い長方形の資料ですが、下の段の裏面のほうをごらんいただきますと、「納付期限は、法令で『納付対象月の翌月末日』と定められております。納付期限までに納めてください」といったことで、以下、詳しく説明が書いてあります。先ほどの市区町村での付加保険料納付漏れというケースにおきましては、申出の手続をされた際に、こういった書類が年金事務所からご本人のお宅に届いていたと考えられるわけでございますが、これらの説明には気がつかなかったというケースだったかと思います。

 続きまして、5ページ目が免除申請の説明不足という事例です。ある被保険者の方が市町村の窓口で2年前の免除申請の書類を提出されました。この方は、その窓口の職員の方といろいろ相談しながら免除の申請書を記入していったのですが、そのときに配偶者の氏名も記入したので、その被保険者の方はこの申請書は自分の分と配偶者の分の2人分と思っていたというわけであります。実際には、2人の手続をする場合にはそれぞれ被保険者ごとに手続をしなければならないということでありまして、後日、保険料が納まっていませんよという納付督励が来た時点で、配偶者の免除が申請されていないということに気がついたというものであります。被保険者の方にしてみると、あのとき市町村でこれは2人分ではないのですという説明がなかったので免除申請の手続を逸してしまったではないかという事例であります。論点として、夫婦2人分を申請したいということを被保険者の方が明示して市町村の窓口で相談をされていたにもかかわらず、1人1枚だけで済ませてしまったという場合と、被保険者の方がそういうことを全然言わないで、単に被保険者の方だけが2人分を申請したと思い込んでしまったという場合とがあり得ると考えられますが、どちらかによってもこの制度の対象になるかどうかが変わってくるのではないかということを書かせていただいております。

 参考資料2をお開きいただいて、27ページ目が猶予の申請のための書類です。28ページ目が記入方法例になっていまして、実際の申請書は29ページ目にあります。29ページ目の申請書の一番上の欄に、申請する方の記名欄、自署または押印をしていただく欄があります。ここに記入された方が申請者ということになりますが、この下をごらんいただきますと、「A.基本情報」とありまして、「基礎年金番号」は申請者の基礎年金番号をお書きいただきます。それから電話番号がマル2、被保険者氏名がマル3、被保険者生年月日がマル4、配偶者氏名がマル5、配偶者生年月日がマル6、世帯主氏名がマル7となっておりまして、先ほどの被保険者の方は、ここに配偶者のお名前も書いたので配偶者の分も申請していると思ってしまったということです。免除の場合は世帯単位で所得を判定するということで、ご本人、配偶者、世帯主といった方の所得を確認した上で免除該当かどうかを判定するので、このような基本情報が必要になってくるわけですが、その辺がわからなかったということです。

 ご参考として、この資料の後ろには、注意事項などを細々と小さい字でいろいろたくさん書いています。例えば先ほどの失業による免除などですと、31ページ目の左側の注意事項欄、「1.記入について」というのがまずあって、「(5)特例認定について」のところに※があって、ちょうどページの左側の真ん中辺に、失業による申請の場合は、翌年度の場合、改めて申請が必要ですなどということが書いてありますが、普通はここに書いてあることになかなか気がつかないということで、先ほどのような事例が生じるのではないかと思います。33ページ目以降は、学生の納付特例のための書類です。

 以上が免除申請の説明不足の事例であります。

 6ページ目にいきまして、委託事業者のケースということです。納付督励を委託している民間事業者を「市場化テスト業者」と呼んでいますが、この市場化テスト業者による説明漏れの事例であります。ある被保険者のご自宅を市場化業者が訪問しまして、その際、被保険者の方は今月から付加保険料を納付したいということをおっしゃられました。市場化業者の訪問員は、付加保険料について説明をして、いつでも市町村または年金事務所の窓口で付加保険料の手続ができますよということを説明しましたが、今月の分は今月中に手続を行う必要があるという説明まではしなかったというわけであります。それで、被保険者は翌月手続に行きましたが、前月の分はもはや納められないということで、この方の場合は、1カ月分、希望する付加保険料を納めることができなかったということであります。今月から納めたいと言ったのにもかかわらず、その場合には今月中に手続してくださいということをきちんと説明しなかったということが確認できれば、特定事由に該当するのではないかということです。

 以上の事例に共通する論点としまして、7ページ目に参考ということで事務局の考え方を少しまとめさせていただいております。説明漏れ、説明誤りとも共通するところがございますけれども、1つは、(1)のマル1ですけれども、どこまで説明が必要かということです。説明が必要な事項の説明や、聞かれたことに対して説明をしなかった、答えなかったという場合には、説明が漏れていたということが言えますが、状況によって説明が必要ではない事項についての説明がなかったという場合については、どこまで説明漏れと言えるかという問題があります。また、先ほどもありましたけれども、説明漏れと結果との因果関係ということで、仮に説明が正しくなされていたとしても、どういった手続をとっていたかというのはケース・バイ・ケースで、その手続を必ずとっていたかどうかということは、過去のことなので一概にはわからないという場合もあります。

 それから「(2)説明漏れと交付文書との関係」ということで、口頭では説明をしていないとしましても、先ほどご紹介しましたような形で、文書の中には説明が書いてあるという場合にどう考えるかということであります。「文書」と一口に言いましてもいろいろな文書がございまして、申請書、あるいは納付書といった手続に必ず伴って、ご本人が記入したり、金融機関の窓口に提出したりするという手続資料そのものに記載されているという場合、あるいはそれと一体的な説明資料に記載されている場合、あるいは説明の際に必ず相手にお渡ししているという資料の場合もあります。あるいは、本来の手続書類とは別の機会に別途送付されている、事前事後に送付されているという資料ですとか、窓口に備えつけられているとか、ホームページに載っているとか、あるいは一般に配付されているリーフレットやチラシに記載がある場合とか、資料の性質によっても違ってくるのではないかと考えております。

 私からの説明は以上です。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 今度は説明漏れですけれども、説明漏れについての事例がいくつかございました。誤った説明があった場合と説明がなかったということをどのように考えるべきかという点で少し整理が必要かなということでおつくりいただいたのだと思いますけれども、7ページに「説明漏れの考え方について」というようなおまとめをいただいております。どこからでも結構ですけれども、委員の先生方でご質問は。

 では、片桐さん。

 

○片桐委員 1ページ目と4ページ目と6ページ目のケースは、相談に来た人に納付期限ですとか手続の期限というのを言及していなかったというケースだと思うのですが、それはやはり不十分なのかなと感じます。納期限、手続期限、非常に重要な事項だと思うので、それについては相談に来た人には注意喚起をしてあげたほうがいいのではないかと思います。文書から読み込むというのは私たち素人にはなかなか難しい部分があると思うので、こういった部分、納期限、手続の期限といったものに関しては、説明しなかったということ自体が不十分なのではないかなと思います。

 一方で、5ページ目の配偶者の分の申請についてというところです。申請の書類を見るとわかりにくいなと思うのは確かなのですけれども、その後の決定の通知もあるはずでしょうし、説明した側に過失があるケースには該当しないのではないかとこちらのほうは思いますので、これは過失はなかったのではないかと思いました。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 具体的にその人が、こんなことができますかとか、このようにしたいのですと言ってきて、それについてこういうやり方がありますと説明するわけでしょうから、その中で納期限というのは当然重要だと思うのです。こちらの6ページの例でいくと、今月から付加保険料を付したい旨の相談を行ったということであれば、今月の納付はいつまでかというのに対しては、当然答えるべき信義則というか条理上の任務があるのではなかろうかという気もします。もちろん、法令上の義務があれば別ですけれども、たとえそうでなくても、信義則あるいは条理上、当然説明すべき事柄について説明がなかったということは、やはり誤認を生じさせるという、少なくとも相当の蓋然性はあるのだろうなという感じはいたします。

 今の例でも結構ですし、ほかの事例でも結構ですけれども、ほかにご意見あるいはご質問等ございましょうか。

 白石さん。

 

○白石委員 今の点ですが、やはり納期限というのは、この7ページにまとめていただいたマル1の「説明責任の有無」の1つ目の必要的説明事項に該当すると思います。いくら納付書に書いてあっても、普通、住民税の納付書を見ても、納付期限日というのは私たちでも結構見落とすので、年金が初めてという方たちは当然見落とします。この説明書にこれだけ細かいことを書いてありますけれども、例えば「定期便」がスタートしたときに、非常にいっぱい書いてあったが内容がよくわからないというご批判があったのも事実です。この説明文を全部読むというのは、生命保険の定款を読むのとはちょっと違うと感じます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 片桐さんの先ほどの例でいくと、配偶者のほうは、5ページの(論点)のところで、夫婦2人分を申請したいという被保険者の意思が明示されていれば当然2枚出すと思うので、それがないということは、多分、そういう意思の明示がなされていないわけで、そういう中で、下のほうに配偶者を書く欄があったからというのはちょっと難しいのではないかなと。これは印象ですけれども、私自身も片桐さんと同じような判断に達してはおります。

 ほかにいかがでしょうか。

 では、山口さん。

 

○山口委員 3ページの事例で、この制度の説明漏れということで、受給資格期間に2カ月不足していて月数が足りていないということなのですが、3つ論点が示されているのです。本人の聞き方の違いで対応が変わってくることになると、今、ご意見がありますように、制度の理解度というと、そこまでわかって言っているかというと、気がついたキーワードを言ってみたという程度かもしれないので、この場合は、現時点で足りていないときにこういう選択肢がありますよというのはやはり説明をしていただいたほうがよいのかなと思いました。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 この3ページは、論点のマル2とマル3、事務局からのご説明でも対になっているということでございまして、マル2のほうは、有利な納付方法について説明を求めたという設例でございまして、マル3のほうは、ピンポイントで特例高齢任意加入を申し出たいという申出があったということであります。純粋にマル3だったならば、それ以外の説明をしなかったということは、別に説明漏れには当たらないとは思うのです。

 事例のときにもちょっと申し上げましたけれども、法律事務所や弁護士のところに相談に来る方というのは、どうしたらいいでしょうかとか、何をしたらいいでしょうか、こんなに困っているのですけれども、どうしたらいいでしょうか、何とかしてくれと言って説明を求めに来る場合がよくあるのです。これで言うと、マル2のような説明を求めに来るわけです。どこかの誰かから聞いてきて、こんなことできるのではないですかというマル3のような説明をする方もいらっしゃいます。それはそれで当たっている人もいますけれども、全く聞きかじりで、間違っているという例もあるわけです。そのときにマル3を質問されて、それはだめですよ、お帰りくださいというのだと、専門家の説明としてはやや不足するところがあるのかなという感じもいたします。

 ほかにそれぞれの分野の専門の先生方がいらっしゃいますので、それぞれのお立場からのご説明を後でお伺いしてもよろしいと思います。

 一般的に言うと、依頼者あるいは受給者の方というのは、何とかしてください、何ができるのでしょうかという質問をされると考えると、マル2的な質問のほうが多いのかなと。片言隻句でマル3のようなことを言ったからといって、それだけで、それに答えないということをもって直ちに説明漏れに当たらないと言うのもちょっと難しいところがあるのかなという気がいたします。ただ、これも、それこそ事例、事例、グラデーションで全部違いますので、受給者に考えつく限りのことは全部先回りして言いなさいということまで申し上げるつもりは全くありませんけれども、条理上容易に想定がつくようなことであれば、ご説明していっても過度な要求をすることにはならないのかなという気もいたします。ほかの先生方のご意見も賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 では、白石さん。

 

○白石委員 年金相談に来て、多分、ウインドウマシンをたたいた結果、2カ月間不足という結果になっていると思います。そうなると、当然、年金事務所のほうは特例高齢任意加入と後納制度があるということを説明しなければならないと思います。それでどちらを選ぶかは被保険者自身になりますので、これは説明漏れという部分で、本人に有利になるような取り扱いをしてあげたほうがよろしいのではないかなと思います。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかに先生方、何かございましょうか。

 

○嵩委員 事実の確認というか、この事例の確認ですが、「受給資格期間(25年)に2ヶ月不足しており」というのはどこで。その人がそう言ってきたのか、それとも年金事務所のほうでこうやってやって、そのときにいつの分が不足しているかということまで容易にわかり得るのかということです。

 

○喜田村委員長 いずれか、どちらかでも結構です。事務局でご説明いただけますか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 この事例で申し上げますと、まずご相談にお見えになって、その方の基礎年金番号ですとか氏名で本人特定して記録を確認します。記録を一つ一つ見ていく中で、ここにありますように、過去の未納期間のところを見落としていたために、特例高齢任意を申し込むことによって2カ月間納付できれば受給資格期間を満たしますという説明だったと思います。ですから、この相談を受けたときに、よく記録を見て、未加入期間があって、ちょうど後納制度ができていたので、後納制度を使えば、その未加入期間の保険料を納めることによって65歳前に25年を満たすという説明ができたということだと思います。

 

○嵩委員 ありがとうございました。

 

○喜田村委員長 窓口の実務としては、両方見ていれば、こういうやり方もありますし、こういうやり方もありますよと説明するのが普通ではないかということなのでしょうか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 そのように考えていただいて結構でございます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 

○柳委員 今の(2)の問題については、先ほど出た、本人に過失があるような場合でしょうけれども、説明する側でもう少し注意すればよかったというところがあるとすれば、こういう場合も救済してあげるほうがいいかなと思います。また、この資料で見ると、被保険者の年齢が高いのです。こういう方々に対して難しい仕組みを説明する場合、説明しなくてはいけないという必要的な事項というのはある程度広目に考えておかないといけないかなと思うのです。

 その前提でお聞きするのですが、機構には説明しなくてはいけないようなものについてマニュアルみたいなものがあるのかどうか、あるいはチェックリストみたいなものがあるのかどうか、この辺はいかがでしょうか。

 

○喜田村委員長 どうぞ。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 今のお尋ねでございますけれども、まず、結論から申し上げますと、国民年金の適用関係で、こういう事項につきまして具体的に何と何を説明しなければいけないか、まだ一般的な重要説明事項みたいなもので別個に整理をされていないというのが現状でございます。ただし、我々もそういう事務処理誤りといいますか、こういうお客様がいるということで、少なくしていかなければいけないと考えております。

 年金相談の窓口として、お客様相談室がありますが、お客様から相談を受けたものは、今、全部事跡を残すようにしておるというのが1つ。それから、内容によりまして、給付関係でございますけれども、難しい年金の選択。要するに、Aという年金とBという年金のどちらか一方がもらえるときに、どちらを選択したらいいのかというのはなかなか難しいものがあります。そういうものにつきましては個別にチェックリストをつくりまして、チェックリストでチェックをしながら確認をしていくというような仕組みで取り組んでいます。しかしながら、国民年金においてはここに例示されているようなことが、まだまだできていないという状況でございます。

 

○喜田村委員長 制度もたくさんありますし、どんどん変わってもいますから、そこのところで1つのマニュアル的な、あるいは重説のようなものをつくるというのは難しいような気もします。ただ、この問題は、せっかく特定事由をつくったのだったら何か考えたほうがよいのかもしれないなという気はいたします。

 ほかにご意見、ご質問等ございましょうか。

 先ほどもちょっと申し上げました。弁護士でもそうですし、公認会計士もそうかもしれませんけれども、一般の方がそういう専門家のところに説明を求めに行ったならば、専門家はやはり相当広い範囲での説明をしなければいけない義務というのが出てくるのだろうと思うのです。それと同じように考えられるのかどうかというのが一つの論点かと思いますけれども、年金の事務所で働く方のところに一般国民あるいは受給者が行ったときに、それぞれの立場をどのように考えるのか。そこで先ほどから私が申し上げている条理上あるいは信義則上の義務というのが生まれるのか生まれないのかといったことが関係してくるのかなとも思います。また、年金機構と市町村などでまた少し違ってくるのかどうか、そういった点も検討といいますか、考慮の対象で考えていかなければいけないのかなという気もいたします。ただ、余り分けるのも難しいというのも一方にございます。

 この程度でということでございますが、一応、この説明漏れにつきましても今回いろいろなご議論が出ましたので、事務局も含めましてさらに整理をさせていただきたいと思っております。

 では、議事次第の2(2)まで終わったということでございます。

 「その他」ですけれども、委員の先生方あるいは事務局から、この機会にということがございましょうか。

 高橋さん。

 

○高橋委員 今回、説明誤り、説明漏れということでございました。恐らく、市区町村どこでも同じような傾向ではないかと思うのです。次回の議論になるのだと思うのですが、その証拠があるなしというところが非常に難しいのだろうなと思います。実際、実務の中では、説明誤り、説明漏れというのが非常にごった煮になっておりまして、どちらかどうだかわからない。それから、証拠となるようなものも見当たらないというケースが実際は多いのではないかと思います。せっかくこういう救済の制度でございますので、今回、承認基準ということの委員会でございますけれども、救済という観点からいたしますと、今まで各自治体において市民の方と言った言わないでずっと議論していたことが少しでも救済のほうに傾けばありがたいなと思ってございます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 そこはまさに、今、先生から出ましたように、次回の委員会で、証拠というとちょっと大げさ過ぎるのかな、裏づけとなるような資料としてどのようなものが考えられ、どのようなものがあると一応の疎明ありといいますか、特定事由存在ということの認定に結びつくのか、それを考えたいと思います。

 ほかに「その他」として、先生方、ございましょうか。

 それでは、予定されておりました議題等はただいまをもちましてとりあえず終了といたしたいと思います。

 それでは、次回の日程、あるいはそこで行うべき事柄、さらにそれ以降の日程の進行予定等、何かございましたら、事務局からご説明をお願いいたします。

 

○大西事業管理課長 次回の日程につきましては、9月30日水曜日の10時からを予定しております。場所については後日改めてご連絡をしたいと思います。

 次回の議題ですが、今も、ご議論がありましたような証拠の考え方等についてご審議をお願いしたいと考えております。そうすると、次回で議論が一巡するということでございますので、次々回以降につきましては具体的な基準の内容についての審議に入っていただくということで考えております。

 以上です。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 それでは、予定の時間より少し早いとは思いますけれども、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。ありがとうございました。


(了)

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