ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 周産期医療体制のあり方に関する検討会> 第1回周産期医療体制のあり方に関する検討会(議事録)(2015年8月31日)




2015年8月31日 第1回周産期医療体制のあり方に関する検討会(議事録)

○日時

平成27年8月31日 (月)17:30 ~19:30


○場所

合同庁舎第5号館 共用第9会議室(19階)


○議事

○西嶋救急周産期医療等対策室長 それでは、第1回「周産期医療体制のあり方に関する検討会」をこれより開催いたしたいと思います。

 本日は、構成員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。座長選出までの間、救急周産期医療等対策室長の西嶋が進行を務めさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 開催に当たりまして、二川医政局長より一言、御挨拶を申し上げます。

○二川医政局長 医政局長の二川でございます。

 本日お集まりの構成員の皆様方におかれましては「周産期医療体制のあり方に関する検討会」の構成員をお引き受けいただきまして、ありがとうございます。

 また、本日は1回目の検討会でございますけれども、変則的な時間の開催にもかかわりませず、御多忙のところお集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。

 また、平素より周産期医療体制の整備はもとより医療行政万般にわたりまして、格別の御理解、御協力を賜っているところでございまして、この場をおかりして厚く御礼を申し上げたいと思います。

 さて、皆様御承知のとおり、新生児集中治療室の整備あるいは周産期母子医療センターの整備といったことが進みまして、周産期死亡率などは世界でも有数のレベルに達しているわけでございます。

 しかしながら、一方で皆様も御案内のとおり、周産期医療体制におきましてもさまざまな問題点が指摘されているところでございます。産婦人科医師あるいは小児科医師は数字としてはふえているわけでございますけれども、地域間の格差が指摘されているところでございますし、分娩取扱施設は減少傾向が続いておりまして、地域によっては産科医療機関へのアクセスに影響が出ているといった状況にあろうかと思います。

 また、東日本大震災の経験から災害時における周産期医療体制の整備の重要性が指摘されているところでもございます。

 そういった問題を抱える中、地域の実情に応じた周産期体制の整備をどのように進めていくべきか。今回、人員確保あるいは助産師等の活用を初めとした多職種の連携、災害などの問題といったことにつきまして、さまざまな論点があろうかと思いますけれども、今後の周産期医療の提供体制について、さまざまな視点から検討していただきたいと考えているところでございます。

 検討をいただきました成果につきましては、今後の周産期医療体制の整備、予算、その他もろもろのことにつきまして、反映させてもらいたいと考えているところでございますので、忌憚のない御意見を賜れればと思っております。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 続きまして、構成員の方を御紹介させていただきます。

 資料の3~4枚目に構成員と参考人の名簿をつけさせていただいてございますので、この名簿に従って御紹介をいたします。

 まず、知ろう小児医療守ろう子ども達の会の代表、阿真京子構成員でございます。

○阿真構成員 阿真でございます。よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 共同通信社大阪支社次長の飯田裕美子構成員でございます。

○飯田構成員 よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 国立研究開発法人国立成育医療研究センター理事長の五十嵐隆構成員でございます。

○五十嵐構成員 どうぞよろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 北里大学病院病院長産婦人科(産科)主任教授の海野信也構成員でございます。

○海野構成員 海野でございます。よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会愛育病院院長の岡井崇構成員でございます。

○岡井構成員 岡井でございます。よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 埼玉医科大学総合医療センター小児科学教授の田村正徳構成員でございます。

○田村構成員 田村です。よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 静岡県理事(医療衛生担当)の鶴田憲一構成員でございます。

○鶴田構成員 鶴田です。よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 公益社団法人日本看護協会常任理事の福井トシ子構成員でございます。

○福井構成員 福井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 峯小児科理事長の峯真人構成員でございます。

○峯構成員 峯でございます。よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 公益社団法人日本助産師会副会長の山本詩子構成員でございます。

○山本構成員 山本でございます。よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 また、第1回の参考人といたしまして、国立医療福祉大学大学院准教授の石川雅俊様でございます。

○石川参考人 よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 また、オブザーバーといたしまして、あいち小児保健医療総合センター医長の伊藤友弥様でございます。

○伊藤オブザーバー 伊藤でございます。よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 また、構成員の中で公益社団法人日本医師会常任理事の今村定臣構成員でございますが、本日は御欠席との連絡をいただいてございます。

 続きまして、事務局の御紹介をさせていただければと思います。

 まず医政局長の二川でございます。

○二川医政局長 よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 医政担当審議官の福島でございます。

○福島審議官 よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 医政局総務課長の土生でございます。

○土生総務課長 よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 地域医療計画課長の北波でございます。

○北波地域医療計画課長 よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 医政局看護課長の岩澤でございます。

○岩澤看護課長 よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 医師確保等地域医療対策室長の佐々木でございます。

○佐々木医師確保等地域医療対策室長 よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 小児周産期医療専門官の松本でございます。

○松本小児周産期医療専門官 よろしくお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 雇用均等・児童家庭局より母子保健課長の一瀬課長でございます。

○一瀬母子保健課長 よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 また、私は西嶋でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 本日、医政局長につきましては、別の公務のため、途中で退席させていただくことを御了承いただければと思います。

 続きまして、本検討会の座長の選出をお願いしたいと思います。先ほどの資料に続きまして資料1に本検討会の開催要項をつけさせてございます。その中の「2.構成員」でございますが「(2)座長は構成員の互選による」とさせていただいてございます。

 座長の御推薦をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 海野構成員、お願いします。

○海野構成員 国立成育医療研究センターの五十嵐先生にお願いしてはと思いますけれども、いかがでしょうか。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 ただいま、五十嵐構成員という声がございましたけれども、構成員の方、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○西嶋救急周産期医療等対策室長 ありがとうございます。

 各構成員の御賛同を得ましたので、五十嵐構成員におかれましては本検討会の座長をお願いしたいと思います。

 早速でございますけれども、座長席へお移りいただければと思います。

(五十嵐構成員、座長席へ移動)

○西嶋救急周産期医療等対策室長 それでは、以下の進行を五十嵐座長にお願いしたいと思います。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 御指名いただきました成育医療研究センターの五十嵐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 この検討会は大変重要なミッションがあると思います。皆さんの積極的な御意見をいただきまして実りあるものにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、資料の確認から始めたいと思います。よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 資料の確認でございます。

 まず議事次第がございます。その後、座席表。先ほど御紹介いたしました構成員、参考人、オブザーバーの名簿がございます。

 その後、資料1といたしまして、先ほどの開催要項。

 資料2「周産期医療体制の現状について」というパワーポイント。

 資料3「ご議論いただきたい論点(案)」という1枚紙。

 資料4で本日の参考人である石川先生からのプレゼン資料がございます。

 資料5「分娩機関までのアクセス支援の現状について」。

 以降、参考資料が1~4までございます。

 参考資料1「周産期医療の確保について」という平成22年1月26日の通知。

 参考資料2「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会報告書」。

 参考資料3「周産期医療体制整備指針」。

 参考資料4「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」と、3枚目からは「周産期医療の体制構築に係る指針」を抜粋して参考資料として御用意をさせていただいております。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 資料が足りない方はいらっしゃいますか。よろしいですか。

 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。

 現状とこれから議論する事項につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 それでは、資料2に基づきまして御説明をさせていただければと思います。

 ページをおめくりいただきまして、まず「出生の推移と現状」でございます。

 3ページには、先ほど御挨拶にもございましたけれども、日本の周産期死亡率が諸外国と比べてどういう状況かを示してございます。ほかの先進国と比べると低い2.6が数字として示されてございます。

 妊娠管理中あるいは分娩時のトラブルによる児の死亡が少ないというデータでございます。

 4ページ目ですが、妊産婦死亡の各国の比較でございます。先ほどの周産期死亡率と合わせてグラフにしたものでございますが、左下に日本がございます。いずれも妊産婦死亡率も含めて低い状況にあるということでございます。一番上に18.7と書いてあるのはアメリカということが左の表でわかるかと思います。

 次のページですが、妊産婦死亡率が経年的にどういう状況かをお示ししてございます。各国いろいろ増減がある死亡率でございますが、日本はその中でも一貫して死亡率が減少傾向にあるということがわかります。

 6ページ目は、出生数全体といたしましては減少傾向にあり、現在約103万人の出生数でございますけれども、その中でも体重が2,500グラム未満のいわゆる低出生体重児の方の割合がふえているということが赤い折れ線のグラフでわかるかと思います。

 次の7ページ目には、その中でも特に1,000グラム未満で生まれる超低出生体重児の出生数がふえているということで、例えば昭和55年に1,490件といったものが平成25年には3,099件ということで約2倍を超えて、実数としても増加をしているのが現状としてあります。

 以降は「周産期医療体制(病院)の整備状況」ということで御説明をいたします。

 その前に、医療にのみならず妊娠から分娩、出産、幼児に至るまでどういう支援体制があるかをお示ししているのが9ページ目でございます。妊娠からそれぞれ主体がございますけれども、さまざまな行政あるいは医療機関も当然でございますが支援体制がこのように整備をされているということでございますので、特に医療で言うと妊婦健診あるいは1歳6カ月あるいは3歳児の健診との間に出産というイベントがあるということでございます。

 ページをおめくりいただきますと、その中でも「妊婦健康診査について」でございますが、これは母子保健法の中で根拠として市町村の勧奨がうたわれているわけでございますけれども、望ましい健診回数としては14回程度だということで示されているものでございます。現在、全ての市区町村で公費負担を実施しているという現状でございます。

11ページ以降では、その中でも周産期医療がどういう状況にあるかを御説明いたします。

 まず、分娩のリスクが低いもの、いわゆる正常分娩については、先ほど申し上げました妊婦健診を含めた分娩前後の診察も含めて正常分娩という形で行われているというのが病院、診療所あるいは助産所でございます。

 その中でオープンシステム等による連携等も含めて、比較的高度な医療行為が必要な場合につきましては、地域の周産期医療センターで担っていただいている。さらにリスクが高い妊娠に対する医療及び高度な新生児医療であれば、原則として三次医療圏に1カ所整備をされてございます総合周産期医療センターでそれを中核として担っていただいているというのが現状でございます。

 また、それぞれ先ほどの低出生体重児のことも含めますと、療養・療育支援がそこからつながっていくというのがこの支援の全体像でございます。

 次の12ページ目は、妊娠中にはローリスク・ハイリスクとそれぞれ妊娠がございます。妊娠中においてリスクがない、合併症あるいは妊娠経過が異常ないと判断されたものにおいても、一定の割合で分娩時に命の危険がある異常な分娩になり得るというのを模式的にお示しした図でございます。

 そういったものについて、当然ながらハイリスク妊娠、ハイリスク分娩に対する対応も含めて、どういった対応が必要かを模式的にお示ししてございます。

 下に書いてございますけれども、厚生労働省の研究班においては、妊娠の250例のうち1例が妊産婦の死に直結し得るリスクがあるということが示されてございます。現在は周産期医療によりそのうちの99%は救命をされているという現状が報告されているわけでございます。

13ページは「周産期医療体制の充実」という模式図でございます。先ほど申し上げました総合周産期母子医療センターは全国で104カ所、地域周産期母子医療センターは全国で292カ所整備されてございますけれども、こういったものを中心にそれぞれの地域で医療体制が整備をされているということでございます。

14ページにはその推移をお示ししてございます。少しずつでございますけれども、毎年ふえて整備が進んでいるというのが現状となっております。また、総合周産期母子医療センターについては、47の都道府県で既に整備されているということでございます。

 次の15ページからは、特に医師の配置から御説明をさせていただければと思います。

16ページは医師全体の数でございますけれども、医師数は毎年4,000人程度増加しているということを示してございます。

17ページはそのうち産婦人科・小児科の医師数がどうであるかでございますけれども、実数が棒グラフでございますが、棒グラフでは小児科医は増加傾向。産婦人科あるいは産科の医師数については、平成18年度を境に増加傾向を示していることがこのグラフでわかります。

 また、小児科であれば15歳未満の人口対、あるいは産科であれば1549歳の女性の人口当たりで見ても同様の傾向が見られるというのがこの図でございます。

 ページをめくっていただきますと、その中でも女性の医師の割合がふえているというのが医師全体として言えることでございまして、平成24年度時点では19.7%を女性の医師が占めている。最近においては、医学部入学定員のうち約3分の1を女性が占めるまでに至っているということでございます。

 次の19ページには、診療科ごとにそれをお示ししてございますけれども、特に小児科、産婦人科でその傾向が非常に高いということで、3割を超える方が女性さんであることがわかります。

20ページを見ていただくと、年代別にどういう状況かということで男女比を医師全体について出していますけれども、見ていただいているとおり2030代といったところで女性が多いということが産婦人科で言えることかと思っております。

21ページには、実際に新規で専門医をおとりになる方がどういう状況かということで、傾向として、実数としても減ってきている状況ですが、その割合を見ると女性の数が男性よりも多いという状況が近年続いていることがわかります。

22ページは「分娩施設数の推移」でございますけれども、病院、診療所ともに非常に減少傾向にございます。おおむね半々の割合になっているかと思いますけれども、それに加えまして、平成20年、平成23年のみのデータですが、院内助産所、助産師外来の箇所数を示してございますが、こちらについては増加傾向にあるということでございます。

 次のページは「都道府県別に見た分娩取扱医療機関数」でございますけれども、都道府県別ですが、鳥取県で最も少ない、東京都で多いということで、実数としては12倍を超える差があるということですが、出生数当たりで見た場合、状況は変わっておりまして、最大は長崎県、最少は神奈川県で、その割合が2.8倍ということになっているデータでございます。

 ページをおめくりいただきますと、分娩取扱医師数を出生当たりで都道府県別に見た場合はどうかということですが、最も多いのは秋田県の11.9ですけれども、最少は沖縄県の5.7ということで、都道府県格差を見ると約2倍でございます。

25ページで、都道府県の中で、特に二次医療圏単位で見たときに、これは産婦人科の医師数を機械的にカウントしたものになりますけれども、こういった状況にあるということで、各都道府県においても、二次医療圏ごとに状況が非常に異なるということでございます。

 また、産婦人科医がゼロの二次医療圏も存在するということで、4道県、5医療圏に存在するということでございます。これは分娩ができる医療圏ではなくて、あくまでも産婦人科の医師がいらっしゃるかどうかということのみデータ上で見たものでございます。

 次、26ページは新生児の医療従事医師数を都道府県別に見たものでございます。それぞれの都道府県の左側に、NICUの病床数をお示ししてございます。これについては、近年、NICUの整備について各都道府県で非常に進めていただいてございまして、一定の整備は進めてございますけれども、それに比べるとNICUの専任医師数あるいは新生児の専門医が非常に少ない状況でございます。それぞれ見ていただければと思いますけれども、最少、最大のギャップが非常に大きいというところの領域でございます。

 この集計につきまして、多くは総合あるいは地域の周産期母子医療センターの集計になっておりますけれども、その中でも約10倍の差が見られるということでございます。

 次の27ページは、総合と地域の周産期母子医療センターの常勤の産婦人科医師数がどういう状況かということで、それぞれ総合が20名以上、地域が10名以上の、ある程度手厚く医師が配置されているようなところがいずれも3割程度ございます。

 一方で、数人に満たない体制でこの24時間態勢を維持しているところがごらんのとおりのセンター数あるのが現状となってございます。

 続きまして「助産師を取り巻く環境について」でございます。

29ページで、実数といたしましては、現在3万6,000人余りということで、就業助産師の数は増加傾向にあるということでございます。特にこの青い部分、病院で勤務をする数というのがふえているということでございます。

31ページは、出生場所別の出生者数を見たものでございますけれども、病院が53%、診療所が46%で、助産所が1%、自宅がそれ未満ということになっています。

32ページは、助産所の定義がどのようにされているかでございます。医療法の中において、助産師が公衆または特定多数人のためその業務を行う場所だという定義がございます。

 また、その開設者については、分娩時等の異常に対応するため、嘱託医師を定めておくことになってございます。

 それが困難な状況もあるため、きちんと嘱託する病院または診療所を産婦人科、小児科の中からあらかじめ定めておくことが施行規則の中で示されているということでございます。

33ページは院内助産所・助産師外来の推進について、これまでどういう政策的なことを行ってきたかということですけれども、平成22年のチーム医療の検討会においても、過重労働の産科医に焦点が当てられてございましたので、その中で助産師は正常分娩であればみずから責任をもって助産を行うことができることから、産科医との連携・協力・役割分担を進めつつ、その専門性をさらに活用することが期待されるということが記載されてございます。

 また、平成19年の通知においても、助産師を活用するあるいは先ほどの院内助産所・助産師外来を導入することがうたわれてございます。

 「院内助産所」「助産師外来」の定義については、この資料の下に書いてあるとおりでございますのでごらんいただければと思います。

34ページでは、現在行っている事業で、助産師出向支援導入事業がございます。これは分娩件数に対して十分な助産師の数を確保できていない医療施設が存在するということで、そういうところから助産師の出向の要請を例えば都道府県の協議会にしていただき、あらかじめ出向者の登録をする出向元とマッチングをするような形で出向元から出向先へ在籍出向という形で助産師を動かす事業でございます。

 現在、こういったモデル事業を進めているということで御紹介させていただいてございます。

35ページから「母体救命に関する現況について」ですけれども、36ページにはその推移を示してございます。妊産婦の死亡数、死亡率ともに減少傾向にございます。ただ、現在は年間30例、40例当たりで推移をしているということでございます。

37ページには、その内訳を整理させていただいてございますが、死亡数のうち最も多いのは産科危機的出血と呼ばれるものでございます。疾患ごとに分類をすると左の円グラフのようになるということでございます。

 こういった円グラフを見てみると、直接お産と関係のある死因と、もともとの持病等の死因があるということで、そういった整理をし直すと右側の枠に書いてございますが、約6割、59%が直接産科的死亡ということで、産科が原因でお亡くなりになられた件数。それ以外が間接的なものあるいは不明なものという現状になっているわけでございます。

 ページをおめくりいただきまして、その背景でどういったところでそういった死亡例が起きているのかですが、まずは病院が42%、診療所が24%でございます。現状としてはこのようになっておりますし、右側にはそういった妊産婦の死亡例がどういう年齢で起きるのかということで、赤い折れ線グラフでお示しをしてございますが、これは年齢別の出生数のデータよりも若干高齢にシフトをしているということが現状としてはわかるというものでございます。

39ページ、先ほど申し上げました最も原因として多い産科危機的出血でございますが、その中でどういったものが原因で出血になるのか、死に至るのかということを左の円グラフでお示しをしてございますが、DIC先行型の羊水塞栓症でございます。

 こういったものの場合、症状出現から6時間以内に約6割が心停止を来していたということで、時間との闘いでもあることが右の棒グラフではわかるということでございます。

 最後の40ページですけれども、総合周産期あるいは地域周産期母子医療センターがこういった重傷な妊婦に対してどういう対応状況にあるのかでございますが、24時間そういった患者さんを診られる医師がいると答えているところが8割、あるいはその検査、処置ができるというのが9割です。また、施設内にICUなどの集中治療病床があるというのが8割。24時間他施設からの受け入れが可能というのが7割6分で、現状としてはこういう状況にあるということでございます。

 現状については、以上でございます。

 続きまして、こういった現状を踏まえまして、資料3「ご議論いただきたい論点(案)」ということで、事務局で整理をさせていただいてございます。

 まず「1.周産期医療体制のあり方について」でございますけれども、本検討会におきましては、先ほど参考資料を御紹介させていただきましたが「周産期医療体制整備指針」が平成22年に改定をされてございます。その中で、おおむね5年に1度この指針の見直しをするということにされてございまして、それを受けて本検討会を開催させていただいているというところでございます。また、その5年の間に総合と地域の周産期母子医療センターの整備は進んだところでございますけれども、一方で分娩件数の減少あるいは分娩取扱施設の減少も進んでいる状況でございます。

 そういったものを踏まえまして、安心安全な分娩環境を提供するために、どういった医療提供体制のあり方があるのかということを1点目の大きな論点としては御議論いただければと思います。

 大きくはそれを2つ分けてございます。

 1つ目は、都市部あるいは地方など地域において環境は異なるということから、それを十分に配慮した体制が必要なのではないか。また、特に地方で分娩取扱医師等を確保するにはどのような方策が必要か。

 2点目としては、総合地域周産期母子医療センターがこれまで以上に分娩の中心的な役割を果たすには、地域においてどのような対応が必要か。

 3点目としては、分娩施設へのアクセスをどのように確保すればいいかということでございます。

 2つ目としては、多職種・診療間の連携ということで、助産師外来、院内助産所をどのように活用すべきか。また、産科医、他科医師との連携についてどのような体制が必要か。

 助産所による分娩時において緊急時の対応についてどのように考えるか。

 3点目としては、特に産科医が不足している地域において、健診から分娩まで地域で対応するにはネットワーク等一体的に妊婦をサポートする仕組みが必要ではないかということでございます。

 大きな2点目としては「周産期医療体制と他分野(救急、災害)との連携について」でございます。

 大きく2つございます。

 裏のページで、1点目としては、先ほど御紹介させていただきました産科危機的な出血、緊急時への準備とその搬送体制についてどのように考えるか。

 2点目としては、災害時の対応ということで、災害拠点病院との連携と周産期災害連絡体制をどのように確保するべきかということでございます。

 最後の3点目ですけれども、中長期的な視点から、今後の周産期医療体制のあり方についてあわせて幅広く御議論いただければ幸いでございます。

 以上でございます。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。

 後ほど分娩施設へのアクセスをどのようにしたら良いのかなど、医療圏の考え方につきましては別個に御議論いただきたいと思います。それ以外の点につきまして、例えば産婦人科医や小児科医あるいは助産師の現状や、周産期医療体制が今、どうなっているかについて御意見をいただきたいと思います。

 どうぞ。

○田村構成員 埼玉医大総合医療センター小児科学の田村でございます。

 今の資料の17ページを見ますと、小児科医は右肩上がりにふえているという折れ線グラフになっておりますけれども、小児科学会の会長でおられる五十嵐先生を目の前にして申しわけないのですが、小児科医の中で新生児を選ぶ医師はほとんどふえておりません。

 ですから、今の産科がふえないという状況とともに、新生児科医は今、実は救急周産期医療対策室が基本的にNICUの必要病床数を従来の出生1,000当たり2から出生1,000当たり3を目標にしたので、全国的にNICUのベッドそのものはどんどんふえていっているのですが、それに対してNICUで勤務する医師は順調にはふえていません。それはどういうことかと言うと、NICU勤務医師の過重労働はどんどん悪化している。そのためにNICUの中で勤務している医師も比較的楽なところに異動して、楽なところもNICUのベッドがふえていますからどんどん来てほしいわけで、地域格差がむしろ拡大しているというのが今の問題点です。

 先ほど都市部と地方は分けて考えるべきだとおっしゃいましたが、都市部の問題も実は東京とか大阪とその周辺とは全く逆の関係になっております。例えば、東京は総合周産期母子医療センターが今、13カ所ありますけれども、埼玉は人口720万で総合周産期母子医療センターは埼玉医科大学総合医療センター1カ所しかありません。

 そういう形で、逆にNICUの医師も比較的恵まれている東京とか大阪の周産期医療施設に、埼玉県の中の新生児科医や小児科医も引き抜かれているのが現状でございまして、そういうことに対する対策もここでぜひ御検討いただきたいと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

NICUの医師の配置の点で格差が出ているという御説明をいただきました。NICUに勤務する小児科医の数が経年的にどのように変化しているかは、資料はございますか。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 NICUのみの調査はやっておりませんけれども、今後そういったものを議論するに当たって必要な資料については事務局で検討してみたいと思います。

○五十嵐座長 田村先生、学会としてお持ちでしょうか。

○田村構成員 学会としては、今は日本新生児成育医学会となっています従来の未熟児新生児学会の会員数がほとんどふえていないという資料は楠田理事長がまとめておられます。また機会があれば皆様に御提示したいと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 今、NICU側の御報告があったわけでございますけれども、産科のほうはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○海野構成員 それでは、産婦人科医の現状につきまして、御説明させていただきたいと思います。今、お示しいただいた資料のうち2021ページをごらんいただきたいと思います。

20ページでごらんいただくとわかりますように、産婦人科医の中で女性医師の割合がふえてきた年代が今、40代の半ばぐらいという感じなのです。それ以降だんだんふえていって、ここ数年余り変わらないのですけれども、おおむね6割強が女性であるというのが、今、産婦人科医の若手の構成ということになっております。

 そういう中で21ページを見ていただきますと、新規専攻医に関しまして、これが絶対数として日本全体の集計でもだんだん減ってきてしまっているという現状がございます。

 あと、もう一点重要な視点といたしましては、地域の格差の問題なのですが、ちょうどこの21ページのグラフを見ていただきますと、2006から2010年にかけてずっと右肩上がりでふえている時期がございますけれども、この時期にどこでふえたのかを学会で調べますと、ほとんどこれは大都市圏です。大都市圏ではかなりこの時期に産婦人科を専攻する医師が多くなったのですが、地方に関しましてはほとんど変わらない状況が続いているということで、決してふえているわけではない。

 一時的に大都市圏でふえていた部分が今、そこもまた減ってきてしまっているというのが現状と御認識いただくとよろしいかと思います。その細かいデータも必要であればお示しできます。

 もう一点、女性医師の年齢構成のことなのですけれども、産婦人科医になろうという先生方なので、とても仕事は熱心ですし仕事が非常にきついことは重々御承知で入ってきてくれて、それで一生懸命やってくれるわけですが、ある程度の年代になりますと結婚されて妊娠、出産ということも経験になる。そういう時期がみんな少し時期をおくらせている努力もしているのかもしれないのですけれども、こういう流れの中でそういうタイミングになる女性産婦人科医師がふえてきているというデータが出ております。

 これは産婦人科以外のデータですけれども、現在、分娩を取り扱う病院で勤務している産婦人科の女性医師が、2013年でこの調査では1,900名ほどなのですが、このうち妊娠、育児中の女性医師が900名ぐらいを占めているということで、半分近くが妊娠あるいは育児中という状況です。

 私どもも何とか人数をふやそうということでやってきて、若い世代は少し、例えば今、50代の産婦人科医の全体よりも30代のほうが多いのですけれども、ただその中でそういう立場になっている女性医師が多くなっているということです。

 現状で総合周産期あるいは地域周産期医療センターは非常に忙しいところですし、若い先生方が多く勤務しています。大体30代前半ですと、男性も女性も含めてみんなフルに働いている人が多いわけですが、そういう中では、約70%が総合ないし地域周産期医療センターで、各地域で働いているというのが現状です。

 ですから、こういう中でそういう女性医師が過半数を占める若手医師が周産期医療体制の現場を支えているという構図になっていることを御理解いただければと思います。

 長い目で見ますと、だんだんその先生たちがこれから中堅から指導層になっていただく必要があるわけですが、その中で持続的にそれぞれの地域の医療機関等や大学で指導的な地位で勤務を続けられるかどうかというのが、産婦人科の全体として医療が今後、継続できるかどうかというところになっています。

 ですから、その辺でどうやって今までとは違う勤務環境の改善をしていかなければいけないのかが検討課題になっているということでございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 産科側の状況が少し御理解いただけたと思います。助産師の現状につきましては、何かございますか。

 お願いします。

○福井構成員 日本看護協会の福井でございます。よろしくお願いいたします。

 資料の29ページをごらんになっていただきますと、助産師の数はふえてはいますけれども、まだまだ診療所で勤務される助産師の数は追いついていない現状がございます。また、助産師業務に携わっていない助産師数が大変ふえています。理由として、分娩取り扱いを休止または中止した施設にそのまま助産師が勤務することによって、院内潜在助産師になっているということがあげられます。

 つまり、就業助産師数はふえておりますが、一方で、助産師業務を行っておらず、院内に潜在していて看護師業務を行う助産師が増えている状況にございます。院内潜在助産師に関するデータをもとに、そういった助産師の活用のあり方を検討していただきたいと思います。

 助産師の活用のあり方については、助産師出向支援導入事業もしていただいてはいるのですが、まだこれだけでは、もう少し推進するには弱いかなという感じがいたしますので、この機にどのような体制の構築が可能であるかということも御検討いただければと思っています。

 助産師会のほうから何かありますか。

○山本構成員 助産師数に関しては、福井理事のそのままで結構でございます。

○五十嵐座長 今、院内潜在助産師という言葉を初めて私は聞いたのですけれども、その方たちがどのくらいいるのかという経年的なデータはお持ちですか。

○福井構成員 平成17年に厚生労働省看護課が約3分の1の都道府県を対象とし実施された調査によると、助産師業務を行っていない者は病院で3,327人、診療所で546人というデータがございます。平成25年に日本看護協会が実施した「病院における看護職員需給状況調査」では、分娩取り扱いのある733の病院における、産科業務に携わっていない助産師数を明らかにしております。

○五十嵐座長 日本全体をサーベイできるデータはあるのでしょうか。

○福井構成員 限定的になってしまいますので、日本全体をあらわすというのは少し限界がある状況ですが、お示しすることは可能でございます。

○五十嵐座長 推移はわかるということですね。ありがとうございます。

 どうぞ。

○岩澤看護課長 助産師についてのお尋ねですので、少し補足させていただきます。

2012年の衛生行政報告例では、助産師免許を持って働いている人は4万9,000人いるのですけれども、そのうち助産業務を主として働いている人は3万5,000人でございます。

 つまり71%が助産業務を主として働いているのですが、保健師、看護師の免許を持っており、保健師、看護師として働いていらっしゃる方がほかに30%近くいるということ。あと、3万5,000人が助産業務を主として働いているわけですけれども、そのうち、助産業務の割合が100%なのか50%なのかについては、こちらでは把握できない状況でございます。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 ただいまの3つの業種の方たちの現状が少しわかってきたのですけれども、何かそれについて御質問等はございますか。よろしいですか。

 それでは、ほかの点で何か御意見はございますか。

 どうぞ。

○田村構成員 これは産科についても小児科についてもそうなのですけれども、昨年の「地域格差是正を通した周産期医療体制の将来ビジョン実現に向けた先行研究」班で、中井分担研究者にお調べいただきましたところ、やはり研修医が多いところがそのまま将来その地域に残っていただく産科医の確率が高いのだけれども、研修医の人口10万人当たりの人数が4倍ぐらい都道府県によって差がある(京都府84.8名、埼玉県22.9名)という結果が出ています。

 同じようなことは新生児のNICUに勤務する医師の中に後期研修医が一人もいないという県が全国で13カ所もありまして、そういう意味では、今が厳しいというだけではなくて、これから将来ますます厳しくなっていく可能性がある。

 先ほど女性医師が今、産科の中でも非常に多いということですけれども、新生児の中でも相対的に女性医師がふえてきておりますが、彼女たちが今の体制の中でどこまで働くことができるのかとともに、後期研修医がなかなか新生児や産科を選ばないということも一つの大きな将来の課題だと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 大変深刻な内容であると思います。ほかにいかがでしょうか。

○海野構成員 周産期医療体制全般のお話でも結構ですか。

 先ほどの資料で、日本の周産期医療の統計的な数字からは、諸外国と比べてかなり良好な数値が出ているということがお示しいただいていると思うのですけれども、資料2の4ページのグラフを見ていただくとおわかりいただけますように、妊産婦死亡率もかなり下がりましたけれども、まだまだより低い国があります。

 要するに、日本はどちらかと言うと赤ちゃんを助けるということに関しては本当に世界一だと言っていいと思うのですが、お母さんを助けるということに関しては、まだ余地があるのではないかと考えるということになると思います。

 その一つの要因としてずっと指摘されておりますのが、日本の体制が、病院と診療所との間で連携をしながらやっていくという体制の中で、母体救急の症例に関しては、どうしても施設間搬送が出てくる。その体制を充実させようというところが以前の検討会でも岡井先生の懇談会でも議論されたことではあったと思います。

 それも踏まえてこの近年ずっと数字はよくなってきている。妊産婦死亡数の減少等も明らかになっているわけですけれども、まだまだ改善の余地があるだろう。

 その辺に関して、現行の周産期医療体制整備指針は前回改定のときにその部分を踏まえて改定をしていただいたわけですけれども、今回、そこをどう評価して、それをさらに充実させるにはどうしたらいいかという視点も、日本の周産期医療体制をさらに向上させるためにはどうしても必要なのではないかと考えます。

 そのために資料をお示しいただいたのだと思うのですけれども、その辺も御検討をお願いしていかないといけないだろうと考えます。

○五十嵐座長 岡井先生、どうぞ。

○岡井構成員 今、海野先生が母体の死亡の問題に話を移されましたので、その点に関して最近の動きを御紹介させてもらいますと、日本で亡くなられる妊産褥婦さんの統計がここに出ていますが、原因が書いてあるのが37ページです。右の上の4分の1ぐらいが産科危機的出血です。

 その後にも出血など、何か病態が発症してから心停止までの時間が書いてありますが、この辺の部分は対応によっては助けられる可能性がある部分なのです。それは、最近医学が発達していろいろな分野で医療技術等も進歩して、昔ならなかなか難しいという症例でも助かるようになってきているからです。

 しかし、産婦人科単独でやっていると、産婦人科の医師は、昔は母体が出血して大変になっても、人工呼吸まで産婦人科の医師が対応していたのですけれども、この時代よりレベルの高い診療を提供しようとすると、救急医学とか麻酔で全身管理とかになれた先生も手伝ってもらうというか一緒にやってもらうとか、そういうところの知識、技術等も産婦人科の医師や助産師にもある程度導入していってやらなくてはいけないということで、最近、本当についこの間ですが、日本産婦人科医会と日本産科婦人科学会、日本周産期・新生児医学会と日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本麻酔科学会、もう一つはそういうことに早く気がついて京都で地域的に一緒にやって、皆さんで研修してそういう技術を広めていこうということを活動していたグループがあるのですが、そこのグループにも入ってもらって、更に研究班をつくって、ずっと母体死亡の原因解明とかをやってきたグループにも入ってもらって、日本母体救命システム普及協議会を立ち上げました。

 先ほど申しましたように、全国で周産期というか分娩にかかわる多職種、医師だけではなく助産師さん、海野先生が言ったとおり救急搬送も大事なので、搬送にかかわる救急救命士も一緒にそういう勉強をしていこうということで始まりましたので、今、40ぐらいのところで停止している母体死亡率をもう一段、あと1015%下げられる可能性があるかなということを考えています。そこから先でまた医学が進歩すれば、さらにもっと複雑な病態も助けられることになってくるだろうと将来的には思いますが、現在はそういう状況です。

○五十嵐座長 妊産婦死亡をさらに減らそうという学会を挙げての集学的というか、多職種の方を巻き込んだ活動がこれから始まろうというお話をいただきました。

 どうぞ。

○山本構成員 日本助産師会の山本でございます。

 現在、助産師会から要望事項も提出しておりますけれども、周産期医療ネットワークが各都道府県にありまして、ネットワークと協議会の不参加、声かけがなくて参加できないという県がありまして、周産期医療ネットワーク不参加県が10道府県です。それと協議会の不参加が12道県ありますので、この参加を早急にお考えいただきたいというのが一番の願いでありまして、助産所の死亡例が少なからず1%というのを、まだこれからも減少させることができるだろうと本会でも考えておりますので、不加入のところの周産期ネットワークにぜひとも助産師会にお声かけをいただきまして、安心、安全、快適というところの分娩環境をつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 助産師会の活動もこれから大事だということで、今、御報告いただきましたけれども、ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○田村構成員 今、周産期医療協議会のお話が出ましたので、先ほどから言っております地域格差をとりあえず現状で何とかカバーする方策の一つとして、今は都道府県単位で周産期医療協議会が立ち上げられておりますけれども、これを先ほど言いましたように、東京と埼玉だったら本当に逆の関係になって、実際は今、埼玉県の妊婦さんや赤ちゃんたちは東京都に本当にお世話になって、東京都のご支援がなければやっていけない状況なのですが、そういう隣接する県を踏まえた広域の周産期医療協議会を、ぜひ厚労省でも積極的に指導していただきたい。

 これは現状での地域格差をある程度緩和するのにも役に立つ可能性があると同時に、先ほどお話の中の論点の最後のほうで災害時の対策がありますけれども、災害がもし起きれば、ひょっとして東京に直下型の地震が起きれば、今までは埼玉が東京にいろいろ患者さんを送ってお世話になったのですが、そのときはそれこそ埼玉や神奈川や千葉、今まで東京にいろいろお世話になっているところが逆に東京都をカバーしないといけないということもあり得るわけです。そこまで踏まえると、やはり広域の周産期医療協議会を立ち上げることは、国民の命の保障という点から非常に大事ではないかと思いますので、ぜひそれも御検討いただければと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 峯先生、どうぞ。

○峯構成員 私は日本小児科学会からこの会に出させていただいておりますが、私どもの多くの会員は開業医ですとか地域の市中病院の小児科医ということで、NICUの専門医ですとかは、それほど多くありません。

 しかし先ほどからいろいろ出ております地域格差はあっという間に埋まるとは到底思えませんので、そうしますとせめて少ない人数で頑張っておられる専門の先生方を何とかサポートできないか。そのためには、今回、議論にならないかもしれませんが、出口論、新生児のある時期を卒業してある一定の安定した状態になったり、あるいは退院したり、そういう子供たちをできるだけほかの我々のような別の環境にいる医師がサポートして、新生児のNICUで働いている先生たちは、むしろ今の本当に特化した医療に全力を注いでいただけるような環境をつくるのが、恐らく我々ができる今の立場かなと思っていますので、最終的に今、とりあえずやるということでは、そういう議論もこれから必要になると思っています。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○海野構成員 分娩取扱施設が減少しているというお話があったと思うのですけれども、今、診療所でも病院でも両方とも減少している状況がございます。そういう中で、特に地方自治体ですとかあるいは地域の住民の方々の中で、住んでいらっしゃるところでの地域それぞれでの分娩環境が確保できるのかどうかという懸念が広がっているところだと思うのです。

 先ほど資料の御説明にありました、参考資料3はこの周産期医療体制整備指針で、参考資料4は地域医療計画の中での周産期医療の分野ということになります。

 地域医療計画の中で周産期医療の分野においては、開業医さんとかも含めた一次施設の内容も含めての医療提供体制について記載がされるわけです。

 周産期医療体制整備指針では、主に周産期センターを中心とする高次医療機関の医療提供体制をどう整備するかという議論になっている。

 ただ、この検討会は周産期医療体制のあり方ですから、それを両方含むのだと思うのです。そういう観点で今後の周産期医療体制整備指針と地域医療計画のあり方といいますか位置づけをどのように考えていただくのか。その中で、地域で今、周産期センターは一応日本全国に整備されて、いろいろな課題を抱えておりますが、みんな一生懸命やってくれているわけですけれども、一次施設が地域によっては非常に減少している部分もあって、特に地方では周産期センターしか分娩施設がないような医療圏とか、かなり大きな地域でそういうものもある。

 後で多分石川先生からのお話があると思うのですが、そういう状況もあるということで、地域の分娩環境を確保ということを、それぞれの県あるいは自治体でどのように考えて進めていただくのが妥当であるか。それも現実的にできないことをやろうとしても非常にそれぞれの地域に無理がかかると思いますので、その辺をそういう観点での御検討も必要なのではないかと思います。

○五十嵐座長 地域差が非常に大きいですので、地域の医療資源をいかに有効に、負担がないように、外から支援できる場合には支援するという体制をどうやってつくるかということがこの委員会の大きな論点になるのではないかと思いますけれども、何かほかにございますでしょうか。

 よろしいですか。きょうは第1回ですので、この点につきましてはディスカッションする機会があると思いますので、後日またやりたいと思います。

 それでは、資料4に基づきまして、石川参考人から説明をお願いしたいと思います。

 それに続きまして、事務局から資料5の説明も続いてお願いしたいと思います。

 よろしくお願いします。

○石川参考人 国際医療福祉大学の石川と申します。よろしくお願いします。

 資料4に基づきましてお話をさせていただきます。

 まず今回の報告内容ですけれども、こちらは平成26年の厚労科研、海野先生が主任研究者をされた研究の一部を報告させていただくものになります。分析対象としたデータとしては、さまざまな公開データに加えて、昨年、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が実施されました分娩医療機関の実態調査の結果を用いております。

 仕事としては大きく2つやっておりまして、1つは将来の需要であるとか現状の供給といったところを都道府県単位あるいは二次医療圏単位で集計をしたという点と、アクセスというといろいろな定義があると思うのですが、ここでは、特に地理情報システムを活用したいわゆる運転時間を活用したアクセスの地域差といったところを分析しまして、本日はそういった需給環境やアクセスの地域差と周産期医療体制の方向性について、特に将来需要とアクセスの視点を中心にお話しできればと思っております。

 ちなみに、都道府県や二次医療圏単位でのさまざまな集計結果に関しては「周産期の広場」というホームページに公開をされております。

 めくりまして2ページで、出生数の将来推計ということで、これは国立社会保障・人口問題研究所が日本の将来人口推計を出しているわけなのですけれども、それに基づきますと2010年に107万人であった出生数は、2025年に6494万人まで減少すると推計をされております。

 この背景には、妊娠可能な女性の人口の減少と出生率の低下がございまして、近時、出生率が1.43ぐらいまで少し上がっておりますので、そのあたりを反映しましても2025年には83万人。現状から約2割減少すると推計をされています。

 これに基づきまして、各二次医療圏で見たのが3ページになります。2010年時点では出生数の最大値が大阪府大阪市の22,626。一方で最小値が島根県の隠岐で109。かなり二次医療圏間で格差があるということでございます。

 出生数の規模と出生数の将来の減少率の相関を見ますと、妊娠可能な女性の都市部への流出が背景にございまして、出生数の小さい医療圏ほど減少率が高いといった傾向も見てとれます。

 そういった観点から、減少する将来需要とその地域差を踏まえて提供体制を検討してはどうかということを書いております。

 次の4ページは「全国の分娩状況」ということで、ここでは大きく総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センター、その他の病院、診療所という分類毎に、その現状を取り纏めております。

 現状、分娩取扱医療機関は2,527存在しているということでございまして、医療機関当たりの医師数あるいは分娩件数は周産期母子医療センターで多く、医師1人当たりの分娩件数は診療所で多いということが現状として把握されております。

 5ページ目は「分娩医療機関の規模」で、これは先ほどの西嶋室長様からのお話にもありましたけれども、分娩件数の規模であるとかあるいは常勤医師の数であるとかといったところには、周産期母子医療センターであっても、かなり違いがあるという現状が確認できました。

 次の6ページは「分娩医療機関の配置状況」で、二次医療圏単位でそれを見ていきますと、例えば全国で344の医療圏があるわけなのですが、産婦人科医師が10名以上在籍をしている医療機関が所在しているのはそのうち82の医療圏で、周産期の母子医療センターがあるけれども医師10名以上の医療機関がないのが138、いずれもないのが124でありまして、それぞれの出生数の規模はこれぐらいになっているということであります。

 また、分娩医療機関が所在しない医療圏が6つ。診療所のみが所在する医療圏が21あることも把握されておりまして、全ての医療圏に基幹病院をつくるということは、なかなか資源の有限性あるいは提供の効率性から困難ということを考えますと、地域特性であるとかアクセスを踏まえた検討も必要ではないかと書いております。

 次のページからアクセス、いわゆる運転時間を活用した分析の結果を御報告申し上げます。

 ここでは年間の分娩件数が1件以上だった医療機関を集計対象にしておりますけれども、全国分娩取扱医療機関に対する出生者の住所から見た受診アクセスを集計いたしました。

 国勢調査の結果で全国の1キロメッシュで出生数が推計をされているということでありまして、そこから見た受診アクセスを推計しております。

 そうすると、全分娩医療機関に対して一般道路のみを活用した場合に、15分未満で分娩できる医療機関に行けるのは9割以上の方々が行けるという推計ができまして、30分以上かかるような出生数の規模は全体の1.8%ということで、日本では分娩医療機関に対するアクセスが本当によいということを改めて確認をしました。

 一方で、総合と地方の両方の周産期母子医療センターに対する受診アクセスは、ハイリスク分娩で救急搬送というところも考慮して、高速道路を利用したという前提で計算をしたところ、60分以上かかる割合が2%程度あったという結果でございます。

 妊婦の居住地、里帰り分娩ですとか実際の受診状況は現状の把握はできないのですけれども、こういった観点からの適正アクセスの確保が必要ではないかということを書いております。

 次の8ページは地図ですけれども、分娩医療機関に対する運転時間でございます。地図上の青い部分が分娩医療機関に対して15分以内に行けますということです。緑色が30分圏内、黄色が60分圏内、赤いところが60分以上という、こういう可視化ができるということでございます。

 地方ごとの格差もある程度ありまして、例えば北海道では9.5%であるとか、東北は4.9%あるいは関東では0.3%といったところが結果として出ております。

 次の9ページは周産期母子医療センターへの同様の運転時間の計算結果でございます。60分以上かかる割合を計算して出しておりますけれども、ここでは北海道は比較的各医療圏に周産期母子医療センターが配置をされているということで、3.9%で分娩医療機関に対するアクセスよりもいい結果が出ています。一方で、九州が7.5%で最大値であったということでございます。

 次の10ページは少し繰り返しになりますけれども、これを医療圏単位で見てみるとどういう結果が出てくるかということを書いております。30分以内のカバー割合という指標で見たとき、出生数が多いところはやはり都市部でアクセスもいいという結果が出ておりまして、一方で過疎地域ではカバー率が60%未満の医療圏も13存在していたという結果が出ました。

 次の11ページは同様に、周産期母子医療センターへの運転時間の分析を行っております。ここでは60分以内のカバー割合で計算をしますと、こちらも出生数が5,000以上ではほぼ100%という数字が出ている一方で、60%未満の医療圏が34存在していたということでございます。

 ここに関して、センターをそこに配置するのか、現状も恐らくドクターヘリであるとか高速道路の整備をされていると思いますが、そういったところで対応するのか、あるいは遠隔医療で対応するのか、そのあたりは検討の余地があると思っております。

 また、あくまで物理的なアクセスがいいということでありまして、必ずしも受け入れキャパシティーがあるかどうかといったところは検証しておりません。

 次の12ページは「基幹病院に対するアクセスを踏まえた配置の検討」で、横軸が医師10名以上の医療機関に対する出生数のカバー率を計算しておりまして、縦軸が出生数の規模ということで示しております。

 例えば右側であれば、ある程度出生数のカバー率が高いということですから、より既存病院の充実をしていくという方向ではないかということを書いております。また左上に所在する医療圏に関しては、ある程度出生数の規模もあるということで、その中で基幹病院をより優先的に配置してはどうかということを書いております。

 次の13ページは、先ほど御報告した運転時間に関しては県境を越えるという前提で集計をしていたのですが、仮に県境を越えないということで集計をするとどうなるかをお示ししております。

 結果としては、これは周産期母子医療センターに対してですが、60分以上かかる地域の割合が2.9%で、0.8%程度高くなることが結果として出てきました。そういった観点からも県境を越えた体制のあり方について検討してはどうかということを書いております。実際50%以上変動した医療圏の中にも、西多摩といったような東京都の医療圏も該当していたということでございます。

 ただ、このデータはあくまで出生数と分娩医療機関とのアクセスといったところで見ておりまして、実際の出生者の住所地だとか分娩医療機関の住所地といったところの突合はできておりませんので、実際の受診はもっと県を越えているのではないかということが考えられます。

 次の14ページ、先ほど来、産婦人科あるいは小児科、新生児科医、麻酔科医の診療体制の充実といったお話が出ておりますけれども「重点化・大規模化のイメージ」ということで書かせていただいております。恐らく適正なアクセスを一定程度確保しながら基幹病院の重点化・大規模化を進めていく。その中で特にハイリスク分娩に対する診療体制を充実させていくということではないかと書いております。

 ここでは、シミュレーションを行っておりまして、仮に真ん中にある病院に対して重点化・大規模化を行った場合に、一部地図上で赤い部分が少し広くなっていると思うのですけれども、これは60分圏内のエリアが少し広がるというところを図示しております。

 なかなか適正なアクセスを定義することは難しいと思いますけれども、一方で救急体制が整った先へのアクセスはむしろ向上するという観点も考えられるのではないか。そういう意味では、住民であるとか診療所にとってもメリットがあるのではないかという視点も重要であると考えられます。

 それから、診療体制が充実することで労働環境が確保される。その中で医師の安定的確保にもつながっていくのではないかということも考えられるのではないかと思っております。

 次の15ページは「持続可能な周産期診療体制を実現するには」ということで、オプションとして3つ挙げておりますが、現状恐らく基幹病院の機能強化と、ネットワーク化が重要ではないかと書いております。大都市部ではより充実をさせていく一方で、過疎地域とのネットワーク化はICTの活用も含むのだと思います。それから、医師派遣等を行って過疎地域の病院をある意味サテライト化というか連携先としていく。

 一方で過疎地域からは紹介、転送という形で大都市と連携していくというところかと思います。

 一方で適正なアクセスの確保、絶対的な医師不足における従事者の確保が大きな課題でありますし、そこにおいては恐らく大学医局、医師会、あるいは首長・議員、住民等、関係者が連携して支える視点が不可欠だろうということを書いております。

 次の16ページ「周産期医療圏の提言」ということで、医療圏を定義するに当たって、恐らく2つの方法があるのではないかということを書いております。

 1点目としましては左側で、これはまさに地域医療計画の策定において用いられている手法ですけれども、現行の二次医療圏を原則として出生数の規模や流出の割合を考慮して設定をしていくという方法と、もう一つは右側で、基幹病院とその連携病院群の適切なアクセスのカバーエリアを考慮して設定していくような方法が考えられるのではないかということを書いております。

 次の17ページは、周産期医療協議会で既にさまざまな検討をされていると思いますので、これはおこがましい部分もありますけれども、各種データを用いて周辺の都道府県を含めた診療体制の課題や解決の方向性について議論を始めていくことが考えられるのではないかということを書いています。

 その中で施設・症例データベースの構築であるとか、さまざまな分析資料の検討であるとか、モデル事例の共有と策定の支援であるとか、さまざまな情報提供、医局との調整であるとか、そういったところが必要ではないかということを書いております。

 最後の18ページはまとめになりますけれども、医師が絶対的に不足し、かつ分娩医療機関が減少傾向にある点を考慮すれば、専攻医の安定的な確保に加えて、適正なアクセスを一定程度確保しながら、計画的な整備を進めていくことが考えられます。

 並行して、減少する出生数やそれに占めるハイリスクの割合、妊婦の受診動向や分娩休止の動向、地域の特性等も考慮しながら、基幹病院とほかの医療機関とのネットワーク化を通じて、地域格差の解消を進めていくことが考えられます。

 3点目として、このような検討の実施に当たって、医療機関や従事者の配置、分娩件数、新生児あるいは助産師等も含めての基礎的データに加えて、DPCデータあるいは救急搬送データ等も活用した医療対応状況を含めた患者フロー、診療アクセス、勤務環境、医療の質の「見える化」が有用ではないかということを書かせていただきました。

 その後の資料に関しては、参考までに掲載しておりまして、19ページは出生数の規模から二次医療圏を例えば大都市、地方都市、過疎地域といった形で分けてはどうかということを書いています。

 次の20ページは「出生数と地域完結率」で、地域完結率、分娩数と出生率の比率を見てはどうかということを書いています。

 次の21ページは「『周産期の医療密度』の検討」で、アクセス等を踏まえた形での分析、すなわち、医療圏単位だとどうしても人口当たりの何々ということですと、隣の医療圏とのバランスが悪い場合、そこはアクセスを踏まえて全体としてどうかがなかなか見えづらい部分がありますので、そういうものをこういった形の手法を使ってはどうかということを書いております。

 次の22ページは近時、北海道の遠軽の厚生病院の分娩の縮小というニュースがありましたが、その中でアクセスがどう変化するかといったところのシミュレーションも可能であるということを書いております。

 次の23ページは「集約度の分析」ということで、例えば病院当たりの分娩数、医師数といったところを見てはどうかということを書いております。実際、地方都市、特に金沢や静岡といった県庁所在地等でもこのあたりが少し低目の医療圏もあるということを掲載しております。

 最後の24ページは「将来需要と必要医師数(簡易試算)」ということで、ここは相当議論になるところだと思いますけれども、将来、需要は出生率が今後も維持されるという前提ですと出生数は減っていくわけで、そこにおける医療体制を検討することが必要だということを書いております。

 早口になりましたが、以上でございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 では、続きまして、資料5の御説明をお願いいたします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 資料5「分娩機関までのアクセス支援の現状」に基づきまして御説明をいたします。

 2ページ目でございますが、先ほど御紹介がございましたけれども、周産期母子医療センター、分娩医療機関までのアクセス数をグラフにしたものでございます。上は、まず87%の妊産婦が30分以内にセンターに到着ができるということでございます。

 一方で、赤い丸で囲んでいますけれども、一部の僻地あるいは離島に在住されている妊婦について見ると、非常にアクセスの時間がかかるという現状があるということでございます。

 そういった背景がございまして3ページでは、そういったことについて、都道府県ごとに市町村で独自に行っている妊産婦に対する主にアクセスに対する支援について、どういう対策を行っているかを調査させていただきました。

 それがこの左の円グラフと右の棒グラフですけれども、何かしらの金銭的な支援を行っていると答えた市町村を含む都道府県と、非金銭的な支援ということも含めて何かしらかそういった補助を行っていると答えた市町村を含む都道府県の数が36あるということでございます。

 その中で当然、複数の市町村がございますので、どういう支援を行っているかを都道府県別に示しておりますけれども、具体的に4ページ以降でお示しをしておりまして、金銭的なアクセスの支援ということです。

 これは具体的には分娩施設までの交通費あるいはそこでの宿泊費の補助、お祝い金を使ってそれを交通費等に役立ててもらいたいという市町村でございます。これにつきましては、特に分娩機関がほとんどないような地域あるいは離島のようなところで導入されているというものでございますが、その額は非常にさまざまでございます。

 いずれにしても、こういった自治体独自の支援を行っているというのが、この4ページでございます。

 5ページ目には、お金を伴わないアクセスの支援はどのようなものを行っているかということで、これは北海道と岡山ですけれども、2道県の中の15の市町村で行われていますが、具体的にはどちらも同じ内容で、消防と連携をしたシステムになっています。

 事前に妊婦さんが希望すれば消防に登録をしておいて、いざというときに救急搬送を迅速にするという支援でございまして、こういったものを行っているということでございます。

 6ページ目で、そういった金銭的あるいは非金銭的な自治体を日本地図上にプロットしたものでございます。説明の前に、少し修正がございまして、これは金銭的なアクセス支援の実施自治体が180となっていますけれども、181の間違いでございます。内訳ですけれども、2点ございまして岩手県が(2)と書いてありますが、これは(4)の間違い。島根県が(6)と書いてあるのが(7)の間違いということで、合計して181となってございます。

 これを見ていただきますと、まずは非金銭的なアクセス支援は先ほど御紹介させていただきました北海道、岡山県内の市町村ということで、救急との連携をやっているというものでございますが、金銭的なアクセス支援を見ていただきますと、プロットを見ていただければわかりますように、おおよそ3分の1強が離島での支援。それ以外にも、いわゆる僻地の支援がございます。

 またそれ以外にも都市部ということで、都市部においてもこういった支援が行われているのが一部あるということでございます。

 7ページ目で、先ほど御紹介してございますように、地方においては「交通費、宿泊費、祝い金」といった支援が中心に行われています。

 一方で、特に大都市においては分娩前後数カ月、例えば兄弟を保育園で優先的に預かっていただくショートステイを充実させることとか、そういったことが行われているというのが現状としてあるということでございます。

 「『その他』の取り組み具体例」はここに記載をしてあるとおりでございまして、この調査を通じて区市町村がそれぞれの実態に応じてさまざまな支援を行っていることがわかったということで御報告をさせていただきます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、妊産婦の分娩施設へのアクセス、医療圏の考え方について、先ほども田村先生から御指摘いただきましたけれども、改めて御意見をいただきたいと思います。

 どうぞ。

○岡井構成員 石川先生が今、御発表なさった話の中では、周産期医療圏を、基幹病院を中心としてアクセスをカバーするエリアだという形で、今まで考えていた二次医療圏と違う周産期の医療圏をつくるという話を大変興味深く聞かせてもらったのですけれども、最初にこれまで言われている二次医療圏はどういうことで決まってきた一つの地域の単位になっているのかを根本的に教えていただきたいと思います。周産期医療特有のものがもし可能であれば、そういうことはできるのかどうか。いろいろな議論はあると思いますけれども、そういうことを考える上の基本知識にしたいと思いますので、お願いします。

○五十嵐座長 どうぞ。

○北波地域医療計画課長 地域医療計画課の北波と申します。

 二次医療圏は医療法で規定がされていまして、全国で344カ所という形で切っております。医療計画上は救急であるとか周産期医療であるとか、独自のやり方をしてもいいのですけれども、基本的にはその圏域内で医療が完結をするというのが基本的な考え方になっております。

 それぞれの患者さんで、それぞれ圏域を越えて移動される場合、ある一定以上の規模で移動がありましたら見直しをしてくれとかいうことをしますが、基本的に一つの域内では、それぞれの医療提供の要素がきちんとそろっている単位として捉えていただければと思います。

○岡井構成員 それはそれぞれの地域で設定してくださいということを、国が地方自治体に依頼して設定してもらったものなのですか。

○北波地域医療計画課長 そのようなことでございます。

○岡井構成員 ありがとうございます。

○五十嵐座長 どうぞ。

○福井構成員 石川先生のデータを興味深く聞かせていただきました。まとめで医療機関や従事者の配置に助産師も含めてということをお話になっておられましたが、分娩機関の確保について、医師の必要人数に関する議論は出てまいりますが、助産師の必要人数について、特にリスク度も考慮した必要人数について、これまで議論されてきたことがありますでしょうか。

 過去に議論がされていた議事録などを参照いたしますと、ローリスクの場合、年間分娩30件に対して助産師1人ぐらいという御意見もあったりするわけですけれども、そういった実際の分娩件数と医師の数と助産師の数をプロットした場合に、先生の手法を用いてどの地域にどのくらいの偏在があるのかということをお出しいただくことは可能でしょうか。

 日本看護協会で持っているデータは、施設で取り扱う年間の分娩件数に対して助産師が何人いるかを見て、助産師の就業先に偏在があるというデータをまとめているのですが、先生が用いられている手法ではどのような形で示すことができるのでしょうか。分娩機関の確保をどのようにしていくかといったときに、診療所で働く助産師や開業助産所でどのような機能を持つべきなのか、ネットワークをつくることが可能になるのかを考えるために、先生の手法が役に立つのではないかと思いましたので、御意見を伺いたいと思います。

○五十嵐座長 どうぞ。

○石川参考人 今のデータ精度では、ローリスク、ハイリスクといったところまでのデータまではありませんので、そこの分析はなかなか難しいのですけれども、いずれにしても分娩医療機関ごとの助産師数であるとか、小児科医数はありますので、そこは分析をしてみたいと思います。

○福井構成員 ありがとうございます。

○五十嵐座長 どうぞ。

○海野構成員 今、福井先生がおっしゃられたのは非常に重要な視点だと思います。特に、助産師さんがこれから助産能力を上げていただいて、より充実した助産ケアを行っていただくということをそれぞれの分娩施設でやることによって、全体の質を上げながら人材不足を何とか補っていただければというのが、私ども産婦人科の立場でも考えていることですし、今、どちらかと言うと就業助産師さんたちが病院に偏在している状況がありますけれども、それがハイリスクとローリスクの、病院と診療所との間のバランスの中で適正なのかどうかが非常に重要なところだと思います。

 ですから、むしろローリスクの多いところに充実した助産師さんがおられることによって、より効率のいい分娩管理ができる可能性はあるということになると思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 そういう検討も石川先生、していただけそうですか。ぜひお願いしたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○飯田構成員 御質問になるかもしれないのですけれども、運転時間という観点で拝見したのは初めてで、大変おもしろく読ませていただきました。

 一つ思いましたのは、運転というのはどういう車を想定しているかということなのですけれども、まず都会ですと、タクシー業者さんがマタニティー講習までしてくれるような都会もありますが、一方地方ですと、運転イコール本人が自動車を運転すること以外はほとんどないような車との関係もあるかと思いまして、時間数だけでははかり切れない不便さみたいなものもあるのかなと思ったものですから、これは救急車が来てくれる時間、どういった運転を想定して計算されているのかをお願いします。

○石川参考人 ありがとうございます。

 ここでの集計時間は、国土交通省が公開をしている交通センサスに基づいていて、基本的には国道であるとか一般道の、一般的に昼間に一般道路を活用した場合あるいは高速道路を活用した場合の運転時間になっていますので、恐らく救急車の場合には、搬送時間を別途検討する必要があると思います。

○五十嵐座長 普通の自家用車のようなものを使ったときに、どれくらい時間がかかるかというデータですね。

 ありがとうございます。

 どうぞ。

○鶴田構成員 先ほどのローリスク、ハイリスクとも関係あるのですけれども、石川先生の資料の4ページに医師1人当たり分娩件数という数字があります。総合と地域と診療所に分類されており、総合に比べて診療所では医師一人当たり大体4倍ぐらいの分娩を取り扱っています。従って、産科医が限られる中で、地域とか総合ばかり整備すると、分娩を取り扱えないという状況が起こり得ます。

 診療所は比較的ローリスクのものを取り扱っているので、数多くの分娩数を取り扱うことが出来るのですが、診療所と地域と総合のいいバランス配置がないとうまく分娩数を取り扱えない。

 私は10年ぐらい前に医師数と分娩数の試算をしたことがあります。いわゆる県立大野病院の医療事故問題が起こったときに、2人で帝王切開をするとか、医師が3交代制勤務をするとか、普通のお産は5日で帝王切開は10日で退院するとか、いろいろな条件の下で試算をやりましたけれども、当時、そういう理想的な分娩をするとすれば、分娩数は実際の数の半分か3分の1かは取り扱えない。今までは多くの産婦人科の努力で分娩を取り扱っているというデータがあるものですから、周産期医療体制をつくるときには、国民もどのように受診するかということも考えてもらわないと、医療提供側だけの観点では体制がつくれないような気がします。

 例えば、今後、出生数が少なくなると言っても、35歳以上とかハイリスクの低出生体重児が増えれば、そうした患者さんに対しては多くの医療従事者が必要で、1人の正常分娩児と25週とか30週の低出生体重児とでは、医療従事者にかかる負担は何十倍も大きいということも含めて、ただ単に数だけの議論ではないと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 その点はいかがですか。

 お願いします。

○海野構成員 実際にそれぞれの地域によって医療機関の構成が異なっておりまして、高次医療機関と一次医療機関が両方存在する地域もありますけれども、今の状況ですとだんだん分娩施設が減ってきている影響もあって、両方の機能をあわせ持たねばならないような状況が特に地方では多くあると思います。

 やはり人口の少ないところでは、なかなか開業の先生で分娩の取り扱いを続けることが難しいという現実があって、そういう中で地域周産期センターしか分娩取扱施設がないというところもありますし、その地域周産期センターは、実は常勤医がいなくて、交代で非常勤医が基幹病院や大学から派遣されて、何とかその機能を確保しているというのが北海道では数カ所あります。

 そういう状況ですから、そこも地域のそれぞれの非常に難しい事情を勘案しながら御検討いただく必要があるのではないかと思います。

 先ほど周産期医療圏という言葉が出ましたけれども、これは二次医療圏の中でも実際の出生数や人口に大きな差があるというのは、先ほど石川先生もお示しいただいたと思うのです。現実に今、都道府県でつくられている周産期医療システムを見ますと、基本的には三次医療圏としては都道府県ごとという単位になっていて、どのように周産期のブロックをつくっていくかということに関しては、各県で二次医療圏そのままではなくて、幾つかを合わせているような形で、医療圏あるいはブロックを設定して、その中で実際の計画を立てていくということが行われていると思うのです。

 ですから、そういう意味で、難点は二次医療圏とか救急医療におけるMC協議会でのブロック分けがありますね。それと必ずしも一緒ではないということで、いろいろな救急の連携の中でそごが生じる場合があるということがございます。

 それから、これは産婦人科学会や医会でも懸念をしているところなのですけれども、現在、地域医療構想の検討がそれぞれ都道府県で進んでいて、基本的には絶対そうしないといけないとは書いていないのですけれども、基本的には二次医療圏単位でどうしようということが検討されていますが、そういう中で高度周産期の分野に関しては、もう少し広域で医療提供体制を考えていったほうが現状に即していますし、今後の分娩施設がより減っていく流れを考えると、そのほうが現実的かというところがございますので、その辺をどのように考えていくかということについては整理が必要だろう。

 今後、地域医療構想はどんどん内容が充実してくると思うのですけれども、それとそれぞれのほかの分野もあるかもしれませんけれども、五事業のそれぞれの構造をどのような形で整備するのかということがうまくそれぞれの都道府県でわかる形になっているとよろしいかと考えております。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○山本構成員 日本助産師会の山本でございます。

 資料5の4~5ページの「市町村の妊産褥婦に対するアクセス支援」で、交通費・宿泊費とありますけれども、離島、僻地におきましては、長いところでは7~8週ぐらい前にホテル住まいあるいは親戚に身を寄せてというところが問題として指摘されているところです。

 特にホテル住まいの場合は、食事が自炊できる状況下にないので、簡易な食生活が続くということで、食生活の乱れ等も報告されておりますし、家族分離によるストレス、諸問題等も報告されていました。

 そこで、日本全国に400弱の入院施設を有する助産所施設がありますので、そこで陣痛が来るまで待機をする。病院での分娩になるかと思いますけれども、待機をして保健指導を受けたり、いろいろなクラスに参加したり、食生活指導も含め、精神的なサポートができるのではないかと考えますが、まだ助産所の可能受け入れ実数が調査段階ではありませんので、今後、もしそういうことが方向性として可能であれば、また調査をして僻地、離島からの妊産婦の受け入れも検討していきたいと思いますので、御検討をよろしくお願いします。

○五十嵐座長 御指摘ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○海野構成員 アクセスの件で、研究班で検討いたしましたのは分娩施設までのアクセスだったのですけれども、もう一点、妊産婦さんのケアを充実させるという観点では、妊婦健診施設へのアクセスという観点も必要だと思います。

 現在、だんだん分娩施設が減るに従って、分娩施設で妊婦健診を受けるということがなかなか難しくなっているところもありますので、妊婦健診施設と分娩施設が分離した場合にどういう形でケアの継続を行うかという観点も必要だと思いますし、お産された後の産後のケアに関しても、非常にそこが重要になると思います。

 先ほどの妊婦健診の助成の話は医政局マターではないのかもしれないのですけれども、助成の件がございましたが、今、14回出ているわけですが、いろいろな課題が実際にはあると思います。

 一つは、市町村によって実際に補助されている金額にかなり差がある。それが本当に実際にお産をされている方々の実情に即しているのかどうかというところがあると思いますし、ほかにも御意見があると思いますけれども、現状では妊婦健診の補助は妊娠中はあるのですが、産褥に対してはないのです。ですから、産後の1カ月検診とかは補助のない状態になっているということもございますので、その辺もこの検討会のマターかどうかはわかりませんが、検討が必要な部分だろうと思います。

○五十嵐座長 どうぞ。

○福井構成員 妊婦健診を受ける施設と分娩する施設が別になった際に、どのようにつないでいくかということですけれども、分娩を取り扱う医師が不在となり、分娩の取扱いを休止した施設で助産所を開設し、妊婦健診はその助産外来で、分娩はセミオープンシステムを活用し周産期センターで行い、産褥3日ほど経過した後、自施設の助産所に戻り、産後ケアを実施している施設が、把握しているだけでも3カ所ございます。

 ですので、このようにどうしても1カ所でできないということであれば、こういうやり方も考えられるのではないかと思います。

 もちろん、院内助産所や助産外来を担当できる助産師の質を担保することが必要になってまいりますので、それはまた別に議論が必要だと思いますけれども、医師との連携の中で、どういう役割をどのような形で担っていくのかということも改めて議論していただくことが必要ではないかと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○峯構成員 今の医療のアクセスに対する支援のことですが、いろいろなところで随分とばらつきがあったり、いろいろな工夫をされておられるようですが、例えばこの支援に関しては非常にうまく活用されているけれども、この支援に関してはどうも活用が十分ではない。そういう結果に対する分析はなされているのでしょうか。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 この調査につきましては、4月に都道府県を通じて市町村に現時点においてどういう枠組みがあるのかということを調査したものです。

 具体的に、例えば全額を補助しているのかとかいうことを含めてやっていますけれども、全然アクセスについて実態がわからなかったので、我々でまずは枠組みについて調査をさせていただいてございまして、これがどの程度、どういう評価をそれぞれ受けていて、どういう活用状況なのかについては把握をしていないという状況でございます。

 ただ、複数年度続いているという事業が多いものですので、一定のニーズがあるとは推察されます。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○鶴田構成員 先ほどの私の発言に対する追加ですけれども、資料3「ご議論いただきたい論点(案)」に1と2がありますが、私が言いたかったのは、もう一つ論点に追加し、どういう考えのもとで周産期体制が整備されているか。それに対して、国民はどのように受診すべきか、分娩するかについて周知させるべきではないか。周産期医療提供体制だけを議論しても、本来であれば昔なら助産所から診療所、診療所から地域中核へと行くのでしょうけれども、みんな、より安全なところで分娩したい、大きな総合で分娩しようということになると、周産期医療提供体制をこういう風に持って行こうとしても、そのように国民が動かなければ、きっとお産難民が増えるばかりになるのではないかという印象を持つので、国民啓発とか考え方の周知とか、そういうものが必要ではないかという意味を込めて、先ほど発言しました。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、きょうはたくさん御意見をいただきましたけれども、事務局におかれましては、今までいただきました御意見を踏まえて、次回以降の検討会の資料を御用意いただきたいと思います。

 もし助産師会、新生児学会等が独自に出される資料が、きょうディスカッションしたときに出てきたデータがあるということもお話しいただきましたので、もし間に合うようでしたら、そうしたデータにつきましても事務局に提出していただけると、大変皆さんの役に立つのではないかと思いますので、その点もお願いしたいと思います。

 そろそろ時間が近づいてきましたけれども、何か事務局からございますでしょうか。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 特にございません。

○五十嵐座長 どうぞ。

○阿真構成員 集中してお話をお聞きしていて、2時間近くたっていることに全然気づいておりませんで失礼いたしました。

 本日出てきた議題などで、産婦人科の先生の現状ですとか、新生児科の先生の現状ですとか、分娩の施設で1人で対応している産婦人科の先生の現状ですとか、さまざまな難しい問題があるのだということを改めて認識しました。

 平成22年の懇談会で、かなり前ですけれども、さまざまに検討したことをその後NICUの看護師さんですとか先生方から非常に改善した、すごくやりやすくなったという声をいただいて、今回もまたこうして検討会が行われることになって、今、たくさん出ている課題の中でこれはやってみようというものをきちんとやっていくことが大事かなと思います。

 先ほど国民の啓発というお話があったのですけれども、妊産婦さんに関しては、母親学級というすばらしいものがありますので、今回のこの検討会の所管ではないと思うのですが、母親学級のプログラム自体を改善していって、産婦人科の現状であったり新生児科の現状であったりといったものを組み込んでいくということが多くの母親、父親両方に伝えられるものかと思います。

 以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 ほかはよろしいですか。

 それでは、事務局、よろしくお願いします。

○西嶋救急周産期医療等対策室長 次回の本検討会につきましては、改めて日時について構成員の皆様方に御連絡させていただきます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。

 長時間にわたりまして、御意見を戴き、どうもありがとうございました。


(了)

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