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2015年6月23日 第14回肝炎対策推進協議会 議事録
健康局疾病対策課肝炎対策推進室
○日時
平成27年6月23日(火)15:00~17:00
○場所
厚生労働省 専用第22会議室(18階)
○出席者
大賀 和男 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事) |
岡田 京子 (全国B型肝炎訴訟東京原告団) |
加藤 篤志 (全国中小企業団体中央会理事・事務局長) |
清本 太一 (全国B型肝炎訴訟北海道原告団) |
熊田 博光 (国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院長) |
曽原 倫太郎 (日本労働組合総連合会労働条件・中小労働対策局長) |
武田 せい子 (薬害肝炎原告団) |
田中 純子 (広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授) |
西村 愼太郎 (日本肝臓病患者団体協議会相談役) |
野宮 隆志 (薬害肝炎原告団) |
長谷川 嘉春 (神奈川県保健医療部長) |
林 紀夫 (関西労災病院院長) |
溝上 雅史 (独立行政法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長) |
村上 顕郎 (健康保険組合連合会常任理事 ) |
山中 朋子 (青森県健康福祉部医師確保対策監) |
米澤 敦子 (日本肝臓病患者団体協議会常任幹事) |
脇田 隆字 (国立感染症研究所副所長) |
江口 有一郎 (佐賀大学医学部肝疾患医療支援学講座教授) |
○議題
(1)これまでの取組状況の報告
(2)肝炎対策基本指針の見直しに向けた議論
・委員等からの報告
(3)肝炎対策推進協議会の今後のスケジュールについて
(4)その他
○議事
○鈴木肝炎対策推進室長 定刻になりましたので、ただいまから第14回「肝炎対策推進協議会」を開催させていただきます。
委員の先生方におかれましては、御多用中のところ、本協議会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
本日は、相澤委員、柿嶋委員、小森委員から欠席される旨の御連絡をいただいております。
委員総数20名中17名の委員の先生に御出席をいただき、過半数に達しておりますので、肝炎対策推進協議会令第4条第1項の規定により、本日の会議は成立いたしますことを御報告いたします。
また、本日は参考人といたしまして、佐賀大学医学部の江口教授に御出席いただいております。
会議の開催に当たりまして、健康局長の新村より御挨拶をさせていただきます。
○新村健康局長 それでは、一言御挨拶申し上げます。
委員の皆様方には、大変御多忙のところ御参集いただきまして、ありがとうございます。
昨年より、C型肝炎患者の方には、インターフェロンフリー治療が開始され、最近もソフォスブビルを医療費助成の対象にしております。これは治療効果が高いことや、従来のインターフェロン治療に比べまして身体への負担が少なく、働きながら治療が可能となるといった点から画期的な治療法となっております。
このように、肝炎対策として進展が見られておりますが、肝炎の検査や陽性者への受療促進の必要性など、引き続き課題が残っております。
また、先般の行政事業レビューでは、拠点病院事業につきまして、見直しの指摘を受けたところでございまして、検討が必要となっております。
さて、平成23年に策定されました肝炎対策基本指針につきまして、肝炎対策基本法では、少なくとも5年での見直しが定められております。4年を経過したということから、協議会には見直しに向けた御検討をお願いしたいと考えております。そのため、本日の協議会では、肝炎対策に係るこれまでの取り組み状況を御説明するとともに、委員及び参考人の方々からの御発表をいただく予定にしております。
委員の皆様方におかれましては、肝炎対策基本指針の見直しに向けて、御議論を賜りますようお願い申し上げます。
以上、簡単ですけれども、御挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○鈴木肝炎対策推進室長 カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、カメラ御撮影の皆様は、御退室をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○鈴木肝炎対策推進室長 それでは、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
きょうは2つ大きくとじたものを2つ御用意させていただいておりきます。
「第14回肝炎対策推進協議会 議事次第」と表題に入っているもので、最後のページが57ページ「資料6」というところまでのものが1つでございます。
中身を追わせていただきますと、
3ページ目に資料の目次がございます。
資料1「肝炎対策の取組状況について」が1ページ目。
22ページ目から「肝炎対策基本指針の概要とこれまでの主な取組状況」。
資料3「ウイルス性肝炎研究と治療の進歩(溝上委員提出資料)」が25ページ。
資料4「佐賀県の産官学協働の肝疾患対策を活かして(江口参考人提出資料)」が42ページから。
資料5「肝炎対策基本指針告示後これまでの間で変化のあった主要事項」が56ページからでございます。
資料6「今後のスケジュールについて(案)」が57ページでございます。
もう一つの冊子が参考資料という形でございます。
まず、1ページ目に「肝炎対策基本法」。
7ページ目から、参考資料2「肝炎対策推進協議会令(平成21年政令第309号)」。
8ページ目から、参考資料3「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」。
20ページから、参考資料4「各自治体における肝炎対策の取組状況について」。
53ページから、参考資料5「行政事業レビュー公開プロセス資料(肝炎患者等支援対策事業費)」。
73ページから、参考資料6「B型肝炎訴訟の提訴者数及び和解者数の推移」。
75ページから、参考資料7といたしまして、各委員からの御意見について。
78ページから、参考資料8といたしまして、大賀委員提出資料となってございます。
落丁等がございましたら、事務局に言っていただければと思います。
以後の議事につきましては、林会長、よろしくお願いいたします。
○林会長 それでは審議に入らせていただきます。
本日は少し議題が多くございますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
先ほどの局長からの御挨拶にもございましたように、本日の会議におきましては、肝炎対策基本指針の見直しに向けた議論を行うことになります。そういうことでございますので、本日は、まず、取り組み状況の報告や、委員や参考人からの御報告などをいただいた上で議論を進めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それでは、まず最初の議題(1)「これまでの取組状況の報告」ということで、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○鈴木肝炎対策推進室長 説明させていただきます。
議事次第の冊子の2ページを開いていただければと思います。パワーポイントで、ここから資料がございますが、これを順を追って説明させていただきます。
まず「肝炎対策のねらい」というパワーポイントでございますが、我々は、本年度の予算で172億円の当初予算と、補正予算の繰り越したもの35億円を肝炎対策の推進として、左にあるような慢性肝炎・肝硬変・肝がんをターゲットとした対策を進めております。このことは、最終的なアウトカムといたしまして、肝がん死亡率を下げる方向に向けて有効な予算の消化をしていくことが必要だと考えております。
2ページ目の下でございますが、公衆衛生対策として肝炎対策を行っておりまして、肝炎対策といたしましては、早期発見・早期治療、いわゆる2次予防、そして、肝硬変・肝がんにつきましては、発症予防ということで1次予防といったことで、肝がんの死亡率低下を目指しているものでございます。
続きまして、3ページ目の「肝炎対策基本法の概要」でございますが、本日、後ほど御意見等をいただきます「肝炎対策基本指針の策定・検討」は、真ん中の右のやや下ぐらいの「4.肝炎対策基本指針の策定・検討」というところでございますが、基本法についての概要をつくった資料でございます。この基本指針につきましては、下にございます基本法の「第二章 肝炎対策基本指針」の第9条第2項にございます1号~9号の項目を基本指針につくるという形となっております。
4ページ目が、肝がんの死亡率の現況を都道府県別にしたものでございます。一番高いところで佐賀県の25.8、低いところで新潟県の3.5ということで、大きな地域格差があるということをたどっております。全国平均は、ちょうど真ん中の赤の6.0でございます。
下の資料でございますが、昨年の夏ごろの12回の検討会だと思いますが、田中委員から御報告があった53万人の方が感染が陽性であることが判明しても受診に結びついていないということが今後の大きな課題となっていると考えております。
続きまして、5ページ目が、C型肝炎の治療は格段に進歩いたしまして、先般インターフェロンフリー治療というものが非常に大きく報道等でも取り上げられました。飲み薬で3カ月飲めば治るというお薬が出ております。このお薬も皆さん御存じのとおり、治療効果が非常に高く、そして患者の負担が少なく、治療対象が拡大されるという治療法としては画期的なもの、そして肝炎、肝硬変等に苦しむ方々にとっては朗報になると思います。
このようなインターフェロンフリー治療薬につきましては、戦略会議を別途開催しておりますが、助成の対象としているところでございますが、インターフェロンフリー治療は26年からでございましてまだ入っておりませんが、25年の状況といたしまして、インターフェロン治療、それから核酸アナログ製剤治療、3剤併用療法が、ここに書いてあります数字が申請された交付の実績になっております。
6ページ目につきましては「ウイルス性肝炎患者等の重症化予防の推進」ということで、右側の矢印「肝炎ウイルス検査未受診者」から陽性者、そして経過観察者、治療適応者という形で、この予算のメニューがどのような形で充てられているかというものでございます。
今まであったものの中から、昨年度から特に左のほうに赤く書いてある2つでございますが、「初回精密検査費用の助成」というものは、昨年から、病院に受診したときに検査計画を立てたある日のものを全額補助するという予算。
そしてもう一つが「非課税世帯の者への年2回の定期検査費用の助成」は、昨年が1回、ことしが2回に拡大したものでございます。
このような体系をもって肝炎対策等を進めております。
6ページ目の下でございますが、そのような中でウイルス検査受診状況でございますが、数は若干伸びてきているかなと考えております。しかしながら、この検査はもう少し伸ばしていかなければいけないという現状もあるのかと考えております。
7ページ目の上が、先ほど御説明させていただいた重症化予防推進事業の実施状況でございます。平成26年度につきましては、自治体のほうでもなかなか対応できなかったところが多うございましたが、現状27年度では、初回精密検査につきましては、北海道・長野・大阪以外は補助金をとっております。ちなみに北海道は単独事業としてやっておりますので、これは実際問題患者さんからしてみれば、お金が出る補助制度はあるということでございます。たまたま国の制度を使っていないということでございます。
それから定期検査につきましては、北海道が同様に独自制度、そして残り41都道府県で定期検査の助成を行っているという形になっております。
それから、下が自治体で肝炎検査をどうやってやっているかということでございますが、保健所等の検査ということでございますが、この「無料実施予定」に1というものがございますが、これは昨年中核市になりました越谷市が7月より実施予定という形で1でございます。それ以外、無料で実施するところが122ございますと、設置主体別に書いてございます。
その一方で、委託医療機関と契約をして無料の検査を実施しているというところが105でございます。この中で、例えば特別区が23区あるのですが、16しかないというところでございますが、残りの7つにつきましては「保健所では無料で実施しておりませんが、委託医療機関では実施しています」ということで、保健所では実施していないという状況を確認させていただいています。
8ページ目がフォローアップ事業についてでございます。これを進めておるところでございますが、自治体の中で、全国の特別区、保健所設置市、都道府県で142あるわけでございますが、115の実施でございます。
この中で「※フォローアップ未実施の主な理由」というところでございますが、いただいたものの中では、紹介状等を作成して、それを出すことによって確実に受診に結びつけているのでフォローアップをしていないという理由とか、HIV等の検査でやって、匿名を完全にやっているのでフォローができないという理由も一部の都道府県からは来ております。
それから、その下でございますが、委託医療機関部分につきましては、受診状況が若干低くなって、87の自治体で実施しているということでございます。
実施がなかなかできないところの理由をいろいろ探っていきますと、医療機関でこれをやっておりますので、医療機関にそこまでのことを求めていないという理由ですとか、いろいろな事情があるようでございます。その中でやり方を、我々が医療機関で検査をしている場合はどうすればいいのかということ等を今後提案等をしていなかいと、なかなか進まないのではないかなと考えております。
8ページ目の下が「地方自治体の肝炎対策の取組状況<健康増進事業の個別勧奨>」でございます。そこの実施ができない理由でございますが、我々も指導していかなければいけないところでございますけれども、業務量がふえるですとか、そういった理由が書かれているところが事実でございます。
9ページ目の上が「地方自治体の肝炎対策取組状況<肝炎患者支援手帳>」でございますが、「実施済み」が33自治体、「実施していない」が14自治体でございます。
いろいろな理由があるところでございますが、実施できないものは、ほかの代替でやっているところ、そういったツールを活用することを考えていないということなどがございますので、こういったことを若干分析して、今後の展開を考えなければいけないかと考えています。
9ページ下が「地方自治体の肝炎対策取組状況<地域肝炎治療コーディネーター>」でございます。地域肝炎治療コーディネーターにつきましては、33自治体で実施して、14自治体で実施していないというものでございます。実施している中で、※でその下に書いてあるのですが、コーディネーターを養成して、その後やはりフォローアップがないとこのコーディネーターが動くのがなかなか辛うございますが、活動状況を把握していないという自治体が6自治体ほどございますので、こういったところをしっかりと育てた後、フォローアップを拠点病院等でしていくような仕組みをつくっていく必要があるのかなとは考えております。
10ページ目が、自治体における出張型健診の状況でございます。この出張型健診は、よく皆さんがイメージしやすいものは、イベント等でやるようなものでございますが、今回調査で一つ定期健診時に出張っていって検査をするというところはどれぐらいあるのかという形で調べましたら、5自治体で実施しておりました。岩手、佐賀、大阪、広島、宮城という形でございます。
このやり方は、いろいろハードルがあるところではございますが、後ほど講演もしていただきます佐賀のほうでは、これで年間1万人程度の検査がとれていると聞いておりますので、一つの方法として可能な方法を模索する必要はあるのかと考えております。
10ページ下が「都道府県における肝炎対策に係る計画策定状況」。肝炎に特化した計画は26自治体という形で、それ以外に保健医療計画ですとか、がん対策の推進計画といったところに肝炎のパーツをつくって書いているところを全てあわせますと、47都道府県は一応網羅できているという形でございます。
続きまして「都道府県における肝炎医療提供体制の整備状況について」ということでございます。拠点病院の絡みでございますが、拠点病院の下には「専門医療機関」と言いまして、専門医がいる病院を調べたものですが、先般私が照会をしたところ、若干データがおかしかったので、これは今データを再集計させていただいています。
具体的に申し上げますと、この中身を見ていただきますと、例えばこのカラムで「インターフェロンなどの抗ウイルス療法が可能」というところが全部ではなく一部という答えが出ておるのですが、専門医療機関でインターフェロンの治療ができないというのはあり得ないので、恐らく自治体が間違えた回答をしているのかなということで、何個かの自治体を確認させていただきましたら、やはり勘違いをされておりましたので、これは正しい数字に訂正をさせていただいて、また皆様にもお知らせしたいと考えております。
同じように「学会等の診療ガイドラインに準ずる標準的治療を行っている」というところが一部ができていないのが7あるというのもおかしな話でございまして、こういったところを再度確認させていただきます。大変申しわけございません。
11ページ下が、拠点病院の70施設と専門医療機関の関係を示した図でございます。
続きまして12ページが、先ほど挨拶の中にもございました、いわゆる公開プロセスというものの中で、拠点病院が今回俎上に上がっております。参考資料の後ろのほうの54ページから「行政事業レビュー」という資料がついておりますが、この俎上に上がったものでございます。
その中で、現状で実は相談のことが非常に注目をされておりまして、12ページ下の右側でございますが、相談件数が全国で2万件で大体推移しております。2万件で推移しているのですが、この機能だけを拠点病院の評価としておりましたので、実際拠点病院はそれしかやっていないのかというところをいろいろ調べているところでございます。
その調べている中で、やはりこの12ページの上にありますとおり、その地域にもよるのですが、保健所や、市町村というのは医師がいないところでございますが、そういったところの技術支援、場所によっては出張っていっていろいろな事業の立ち上げを手伝っていたりする、それから事業所に赴いていって、肝炎の重要性を説くような出前講座をしているところ、それから、右のほうでございますが、地域の医療機関、専門医の支援というところもありますが、非専門医の方々の底上げというところをやっている機能、それから肝炎コーディネーター、これは養成するだけではなく活動支援といたしまして、わからなかったこと等を相談支援センターで紹介を受けて支えてあげるという形をしているところがございます。拠点病院の機能というのは、こういったところまでを入れて、これから考えていく必要があるのではないかと考えております。
13ページが、体制等の職種とか、どのような形でやっているかという資料でございます。1点だけ右の下のほうで赤で囲ってございますが、相談支援センターへの相談支援件数はどういったことだったのかということをひもといてまいりますと、やはり病院に来ている方々の相談ということになりますので、どうしても病気の治療とか、医療費助成についての相談とか、そういったことが中心になっているということでございますので、先ほどのような自治体からの紹介ですとか、あるいはコーディネーターの紹介、こういったところを拠点病院にこれから取り組んでもらう必要があるのかなと考えております。
14ページ目が岡山県の取り組みということで、上に例示を書いておりまして、連携パスを活用しながらいろいろとつくられているところでございます。
14ページ目の下が「肝疾患連携拠点病院の相談支援以外の事業の概要」。これは予算のメニュー等を中心に書いておりますが、就労のモデル、それから肝炎専門医療従事者研修、連絡協議会、市民公開講座、一般医療従事者研修、家族支援講座の開催というものがございますが、先ほど御説明したような見えない機能がまだまだあり、実際問題、地域で拠点病院のプレゼンスをつくって活動範囲を広げるためには、先ほど申し上げたようなことをしっかり図って評価をしてあげることが大事なのかなと考えております。
15ページ目は「地方自治体の肝炎対策取組状況」で、一応こういった協議会の設置は、47設置済みということでございます。ただ、この患者さんたちを委員にしていないというところが一部ございまして、その理由についてこのような記載があったところでございます。
15ページ目の下が、前回の協議会で発表もさせていただきました国のほうで指導している「知って、肝炎プロジェクト」普及啓発の事業についての資料でございます。
次の16ページが、こちらの対策といたしましては、国民、企業・団体、地方自治体をターゲットといたしまして、ユーチューブを使ったりスポーツ新聞を使って、今まで到達できなかったような方々に受診勧奨をすること、それから経営者の方々に呼びかけることを去年から始めまして、健康経営の視点からも、こういったものへの協力を依頼すること、そして自治体におきましては、スペシャルサポーターが訪問して首長さんに直接そういった協力をお願いする、このようなことを活動として展開しております。
そして、陽性だとわかっていても病院に行かない方々が前回策定してから一番大きな変化だと思います。これにつきましては昨年、そういったところを念頭に置きましたこちらにあるようなQ&Aとポスターを作成し始めて、取り組み始めたところでございますので、基本指針といたしましては、今後こういった方々をターゲットにすることも大事なのかと考えております。
17ページ目は、先ほどの公開プロセスでもあったわけですけれども、やはり国と地方自治体の広報が重なって無駄があってもいけませんので、そういったところを連携してやっていく必要があるのかなと考えております。
大きな流れは国主導でやり、知財をつくったりする。そして独自の展開を地方でやっていくような形、このような形をつくるためのこともこれからの方向としては必要かと考えております。
ちなみに17ページ下にございますが、地方で行われている現状の普及啓発というものはこのような形となっているというものであります。
18ページ目が、地方自治体での取り組み状況、ポスター、リーフレット等の作成とか、今までの指標でとったものでございますが、ホームページ作成というありふれたものではございますが、このような状況となっています。
19ページ目が、自治体によって知事さんが出ているポスターがあったり、それから埼玉におきましては、ローソンと埼玉医大と連携して、こういったアプローチをされているところがございます。
20ページ目から研究でございますが、研究につきましては44億円というお金をもって我々は進めているわけですが、肝硬変とかそういったところ、治療薬も今はない中、そしてB肝についても創薬という研究がございます。こういったものをやるに当たりまして、我々はウイルス対策と発がんの解明、これはNASH等を念頭に置きますが慢性炎症、それから肝硬変をやはり治療していくこと、こういったところがやはり非常に重要なのかなと考えております。
ちなみにこの「肝炎研究10カ年戦略」が来年度見直しの作業が戦略会議で行われることとなっておりますので、こういったところを念頭に置いた指針の記載も必要になってくるのかと考えております。
21ページ目が、現在55研究班が肝炎等克服実用化研究事業、いわゆるサイエンティフィックな研究でございます。そして肝炎等克服政策研究事業が、いわゆる行政研究というもので8研究班ございまして、この8研究班につきましては21ページの下に一覧として載せていただいております。
続きまして、22ページから資料2でございます。今まで御説明したのは、状況といたしまして、どちらかと言いますと、問題点があぶり出されたり、こういうことを変えていかなければいけないというところを説明させていただきましたが、こちらの資料は基本指針のいわゆる柱に沿った形で、我々が対応ができたところを一覧にして載せさせていただいております。これにつきましては、ここに記載してあるとおりでございますので、この23、24ページというところで取り組みが進みましたという資料となっております。
以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
いろいろな問題を御説明いただきましたけれども、少し時間が短いので、おわかりにならなかった点もあるかとは思いますけれども、御質問、御意見がございましたら、どうぞ。いかがでしょうか。
今後いろいろな検討を行う上の基礎的な。
はい、どうぞ。
○西村委員 詳細にわたりまして取りまとめていただきまして、ありがとうございます。
たくさんの報告がありましたので、たくさん質問したいので、箇条書きでさせていただきます。
日本肝臓病患者団体協議会の西村ですけれども、患者会といたしましては、患者さんがすべからく治療とか療養の支援を国や自治体からいただけるということを願っております。そういう点で、特に地方自治体の取り組みについて詳細に御報告をいただいたのですけれども、47都道府県の中で、いろいろな項目にわたって格差があり過ぎるという問題ですね。それで、その格差をどういうふうに是正していくかということについて、主としてどう考えておられるのかお聞かせ願いたいと思います。
2つ目は、職域の問題ですけれども、啓発事業の中で、去年、経団連会館で企業を対象にイベントをされておられます。職域の検査だとかフォローアップ、患者支援という点で取りまとめが今回ないものですから、その対策をどうされるのかということ。
それから、今日せっかく中小企業団体中央会、それから連合から来ておられますので、それぞれの団体のほうでどういうふうにお考えになって取り組もうとしているのかという御報告を簡単にお願いできたらなと思っております。
それから、研究の問題ですけれども、さまざまな研究がされておりまして、網羅されているとは思うのですけれども、せっかくお金をつけて研究をされているわけですが、例えばこの協議会の第11回で、渡辺先生から職域の検査についての取り組みのやり方を研究されて、まとめて、課題も提示をされておられます。
また、12回の協議会では相崎先生から地域のフォローアップ事業、検査とその後のフォローアップ、陽性者の管理をどうしていくかということにつきまして、都市部と小地域に分けて研究をされて、課題を御報告されております。
こういう研究がせっかくされているわけですから、この対策協議会の中で具体的にどういうふうにその研究を活用して、市町村の肝炎対策を進めていくかという具体的な提案もできたらしていただきたいと考えております。
以上です。
○林会長 それでは3点ですね。よろしゅうございますか。
○鈴木肝炎対策推進室長 まず都道府県の差というところでございますが、先ほど来、説明をしていますと幾つかができていないとか、そういったところがございます。地域ごとの理由はあるにせよ、やはり守るべき水準はあるのかなと思います。前回5年前に作業してつくったときにはそういったものは全くない状況から、例えば拠点病院は70できたとか、そういったところに進捗しているわけですから、引き続き、そうしますと、今までどおり「つくれ、つくれ」という形ではない形で何かアプローチしていかなければいけないのかなと考えております。ですので、こういったところを均てん化が図れるような取り組みは必要なのかなという認識でおります。
2点目でございますが、職域での取り組みということでございますが、3点目の研究の職域と若干絡むわけですが、この取り組みは非常に大事なのかなと思います。ただ、使用者の方々の仕組みと我々の仕組みとハードルが若干ございます。そういった中でどういう形ができるかというところが非常に大事なのだと思います。
例えば渡辺先生の渡辺班と言われるものでございますが、これは決して活動がもうとまったわけではございませんで、今、実証的にいろいろな協力をしていただける事業場の産業医の方と何か取り組もうということを今デザインをしておりまして、それを今年度動かせないかなという取り組みをしています。残念ながらまだ交渉中なので、まだ言えるものがないのですが、そういうものができるような時期になりましたら、お話をしっかりさせていただきたいなと考えております。
それから、職域啓発のほうでも、実際疾病肝炎というもので、去年から日経セミナーというものをやりまして、300人を切るぐらいの経営者の方々、大企業の役員から、経営者以外に健保の関係の方々が来ていただきまして、その中で肝炎に対する意識が高いということはよくわかりました。そしてまた、健康経営というものが肝炎とマッチする部分が一部ございますので、そういった切り口で経営者を訪問して、いろいろなお話をさせていただいたりというのは去年から取り組んでいるところでございまして、手探りではございますが、そういったところも進めながらやっていきたいと考えております。
それから、相崎先生の話でございますが、患者さんたちをフォローアップするというもの、データ管理をしてくという話でございますが、これはやはり協力してくれる自治体が必要でございまして、これにつきまして、ちょうど来週まで我々でブロック会議というものをやっておるのですけれども、このブロック会議でことしからの取り組みといたしまして、研究者のそういった方々を連れて行きまして、ちょっとプレゼンをしてもらうという形で今、売り込みの作業をしつつ、手を挙げてくれるところが出てこないかなという形で広げる作業をしているところでございます。
まだ大きな形で、ざっといくような形にはなっておらぬ状態でございますが、たくさんある研究費で成果が出てきたものをさらに広げていくための努力を今、始めたところでございまして、今後指針の策定におきましては、そういったところも念頭に置いて、5年後にはこうとかということを御意見いただければなと考えています。
以上でございます。
○林会長 ありがとうございました。
職域の問題で、他の委員の方で御意見がございましたら。
はい、どうぞ。
○武田委員 薬害肝炎の武田です。
私も中小企業に去年まで勤めていたのですけれども、県のほうから企業について、どのような制度があるとか、そういうことがまだできていない状態ですけれども、今度はそういうことを県単位で厚労省のほうからきちんとした指導があるのでしょうか。
そういう治療とかに関しての職場としての。
○林会長 職域での治療に対して、厚労省から何か指導をするかということですか。
○武田委員 はい。
○林会長 それは個々の問題ですから、ちょっと厳しいのではないでしょうか。
○武田委員 そうですか。わかりました。
○林会長 それ以外に御意見ございませんでしょうか。
はい、どうぞ。
○曽原委員 連合の曽原でございます。
職域での取り組みは非常に重要だと我々も認識をしておりまして、とりわけそもそも肝炎のウイルス検査が職域においても進んでいないということに関しては問題があって、昨年の第11回の会議においても、関東、西日本を平均すると10%半ばの検診率という研究成果報告もされていると認識をしていますけれども、これを高めていくということに関して、我々労働組合としても重要だということで、事業主への周知活動の強化が必要ではないかということをまずは考えていること。
加えて、正社員のみならず全ての働く者という観点で言えば、同じ事業場で非正規雇用で働く方に関する周知活動については、抜ける場合が非常に多いと認識をしておりますので、そういったことの必要性であるとか、あるいはそのほか、40歳以上の生活習慣病予防として行う特定健診の検診率についてそもそも高くない。これに関しても肝炎のウイルス検査に限らず、それを高めていくという観点で言えば、とりわけ中小企業の加入が多い協会けんぽにおいては、どうしても保険者と事業者の間の距離があるため、2012年度で言えば5割に満たない特定健診の実施率ということで、これも現場としても、事業主としても、労働組合としても苦労をしている状況がありますので、我々としては次の基本指針の中で職域での対策についてもしっかり後押しをするような書きぶりであるとか、対策を盛り込むべきだと認識をしているところでございます。
以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。それ以外に。
どうぞ。
○加藤委員 経営者の団体、中小企業団体中央会でございます。
私ども中央会は個々の事業者で集まる協同組合等の団体を所管関与させていただいておりまして、中小企業の分野約270万の事業所のお手伝いをしております。中小企業3団体として商工会議所さん、商工会連合会さんとともに、事業を進めさせていただいています。
今、連合さんのほうからもお話がございましたけれども、特に270万のうちのさらに9割ぐらいの事業所は従業員が20人以下の非常に零細な小規模事業者でございます。そういうところですと、どうしても定期健診等に確実に派遣をしていくという、行かせるというところが、直接経営につながってくるということがございます。休まなければいけないとか、そのあたり機械がとまってしまうとか、そういうところで経営に直結するようなところがございます。そこは私どもとしても啓発をしていかなければいけないし、地方自治体さん、厚労省さんとの連携もとりながら、肝炎対策だけではなくて、健康診断全般にわたりますが、積極的に支援をしていかなければいけないと思っております。具体的に今回のような指針を明確に提起していただければ、私どもはそれをもとにまた3団体連携をとらせていただきながら、自治体さんとも協調させていただけるのかなと考えているところでございます。
以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、それ以外にもうお一方だけ御質問がございましたら、お受けいたします。
はい、どうぞ。
○大賀委員 日肝協の大賀です。
今、室長からるる説明を受けて、私が疑問に思っていたそれぞれの項目についても簡単な答弁の内容が含まれていたのですけれども、改めて何点かお聞きしたいと思います。
資料の8ページに、フォローアップというのが出ております。これは室長も随分大切なことだということで、厚労省も今後さらに力を入れられるみたいですけれども、やはり新薬の開発で、陽性者が、特にC型の場合はウイルスを駆除できる、完全に排除することができる、そういう時代になっているわけですね。これまで以上にやはりフォローアップの大事さと言いますか、ちゃんと陽性者を把握すれば、そしてそれを受診、治療に結びつけていけば、ほぼ完全に100%近く治療を受けた人は救済できるわけですから、ここらあたりは認識の薄い地方自治体に対しまして、ぜひ厚労省から強く働きかけてほしいと思っております。
それから、9ページの肝炎患者支援手帳交付、これも交付しているのは33自治体。そして、14自治体が未実施ということになっております。先ほど、西村委員が自治体間の格差ということを指摘されましたけれども、ここにもそういったところがあらわれているかと思います。それぞれ理由は述べてあるみたいですけれども、これはやはり役立つわけですから、これは予算半々ですか、そういったことも聞いておりますけれども、これもさらに推し進めるように働きかけてほしいと思います。
その下のコーディネーターも同じです。本当に自治体によりましてこれだけの格差がある、コーディネーター育成をしていないという回答がどうして出てくるのだろうかと思うくらいの内容です。これは拠点病院が主体になってやることになっているかと思うのですけれども、そうではないのですか。
では、ぜひ進めてほしいと思います。
それから最後、15ページです。これは数は少ないですけれども、本当に驚きの回答が届いております。肝炎対策協議会、自治体に設置されている協議会ですね。私は福岡県ですけれども、福岡県は年2回は開かれております。そして、必ず新薬が出た場合は、その新薬をどういった医療機関が取り扱うことができるか、治療できる、診断書を書ける医師はどのラインに置くのか、これは都市部、農村部も含めて検討して、そして決まっております。「協議事業がないため」と具体的に三重県と名前が挙がっておりますけれども、「日程調整の不調」とか「理由なし」とか、私たちから見ますとあり得ない回答が寄せられているのですね。強権的に厚労省が「やりなさい」というわけにはいかないかもしれませんけれども、患者サイドからいきますと、本当にこれは個人的でも乗り込んで、理由を聞きたくなるぐらいの気持ち、憤りですね。ゼロなんてあり得ないということをしっかりとこの3県に認識していただきたいな、そのぐらいのデータでした。
室長から一言お言葉をいただければと思います。
○林会長 よろしいですか。
○鈴木肝炎対策推進室長 先ほどのコーディネーターは、都道府県が一応やる形になっておるものが、たまたま拠点病院とかに委託しているものでございますので、拠点病院ではないというジェスチャーをしたものでございます。
それから、今の開催状況等、これはどういう形で、でかい声で「やれ、やれ」と言ってもやらないところはやらないですし、必要がないと思えば必要がないものでございますので、やはりこういったものが大事だということとか、いろいろなアプローチをしながら、これ以外のこともいろいろとありますので、努力をさせていただきたいなとは考えております。
○大賀委員 私の発言の前提としまして、これだけの大事業を多角的にやっていくわけですので、いろいろな課題が出てくるのは当たり前のことだと、私たちはそれを前提に発言しておりますので、別に責め立てる意味合いではありません。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、いろいろ御質問があると思いますが、後ほどまた討論の時間がございますので、そのときにお受けしたいと思います。
続きまして、溝上委員から御発表をお願いしたいと思います。
○溝上委員 5年前に比較して、どれくらいウイルス性肝炎の研究と治療が進歩したかということを触れさせていただきました。
まず、C型肝炎研究と治療の進歩、それからB型肝炎、肝硬変治療ということで、3つに分けてしゃべらせていただきます。
(PP)
まずC型肝炎ですけれども、5年前というと2010年になりますけれども、それまでにはインターフェロンでせいぜい5割ぐらいだったと。ただ、副作用の問題があってなかなか確実にできないということで4割、リアルワールドで現実のところでは4割ぐらいというのが現状だったと思います。
それが初回治療で、ソフォスブビル、レディパスビル、それからリバビリンを入れたという国内治験で行いましたところ100%の治癒率、前にインターフェロンで失敗した症例でも、それから初めての治療でも100%の治癒率ということで、ただリバビリンが入りますと、1例が5日目で皮疹が出て中止しています。1例が心停止で、この方は糖尿病があって、風邪を引いてシンサアルコーイドシスがありまして、心臓に問題がある方という形になっています。1例がリバウンドという形です。
そうしますと、リバビリンをつけない形では100%という形で治っております。もちろん半年後にも問題ありません。
(PP)
問題は、インターフェロン治療をコンビネーションでやっているものから言わせると、本当に軽いです。非常に楽です。自覚症状としては、患者さんは「本当に効いているの」「本当にこの薬はプラセイボウではないのか」と言われるぐらいです。それぐらい楽です。現在審査中で、PMDAは終了していまして、部会にかかっていると聞いています。
(PP)
これはことしのEASL、ヨーロッパの肝臓学会ですけれども、この薬を実はインターフェロンと一緒にやった場合、これが治療前です。ここが12週後、終了時です。そうすると、インターフェロンと一緒にやるとやはり調子が悪い。ところが、これだけだったら終わった後も調子がいい。それから、12週後も調子がいいということで、ほかのリバビリンを組み合わせたりしなければ、非常に楽なことだということで、クオリティーオブライフが全然違うということが、先月のヨーロッパ肝臓学会で報告されております。これくらい副作用が少ないということです。
(PP)
もう一つは、代償性まで効いていましたけれども、非代償性です。これは、ガストロエントロジーに載ったばかりの論文ですけれども、これが治療前、そして治療したときに非代償性肝硬変のBというステージですけれども、これは下のほうにいっているのは調子がよくなっているということを意味しています。これは悪くなったということです。これは変わらなかったということを意味します。
これはChildBで12週間、24週間、ChildCで12週間、24週間ということです。
ChildCが一番副作用が出て、一番ひどいタイプで、それでも極端なことを言いますと、9割は調子がよくなっています。そして、変わらないのが大体15%ぐらいです。だから、臨床症状は明らかに改善を認める。ただ、こういう悪くなる人と効く人の区別をどうつけるかというのが今、一番大きな問題で、そこさえクリアになれば、非代償性にもこれは使えるだろうというところに来ています。
(PP)
その同じ論文ですけれども、さらに非代償性の中で移植前、移植をアメリカでは肝臓が出てくるまで待っているわけですね。その間に使ってみた。そうしたら、約9割の人は移植前はウイルスは消えた。
ところが、移植した後でやってみると、やはり6割~7割ということで、いま一つということで、早目早目にやることがやはり大事みたいだということがこの論文の中には出ております。
先ほどのこととこれを組み合わせますと、非代償性におきましても、ChildBでもChildCでも、使い方をいかにうまくするかということが今後の大きな課題だと思います。クオリティーオブライフ、それから副作用が少ないという現実を考えるとそこが一番大きな問題だろうと。
(PP)
ただ、この数年で急激にHCVの新しい薬が次々に出てきたのですけれども、これはそこにお見えになります脇田先生たちが2005年にネイチャーメディスンに出されたこの論文のおかげです。この論文は実は、先月末までで2,200回も引用されているくらい世界的に超有名な論文です。
それで何ができたかというと、C型肝炎ウイルスが試験管の中で自由自在にふやすことができるのですね。それまではチンパンジーでしかふやすことができなかったのができるようになった。その結果、いろいろな薬のスクリーニングができるようになったし、それが新規薬剤の開発につながるし、耐性株ができても、それをちゃんとまた試験管でふやしてどういう薬を使えばいいかというのができるようになった。ここのところはブレイクスルーなのです。これが5年後に薬として出てきて、それが臨床的にいろいろ検討されて、10年後、それから5年後にどんどん使えるようになってきたという出発点なのです。
(PP)
その結果、C型肝炎ウイルスのこの3つのプロテアーゼ、それからNS5A、ポリメラーゼ、NS5Bというところがターゲットになって、そこに対する薬が山ほど出てきて、今でもどんどん出てきているわけです。これが基本となります。
その結果、2005年にできて、それから2010年ごろからこの研究が始まって、それで2013年ごろからいろいろな薬が出始めて、今、次から次に出てきている、今後出てくるという状況になっている。
そういうわけで、C型肝炎ウイルスのめどがついたと言われるのはこういうことなわけです。
(PP)
ただ、これはラミブジンなのですけれども、我々は知っておかないといけないのは、どんなにいい薬でもいつかは耐性が出るのです。いつかは効かなくなるのです。これはイタチのつもりですけれどもイタチごっこになるわけです。このことを知っておかないと、B型とか結核とかマラリア、それからエイズのように、次から次に新しい薬をつくっていかないといけない、金ばかりかかるというイタチごっこの状況になるということを知って、いい薬だから使えばいいということにはならないということはぜひ理解しておかないと、C型肝炎の根絶には効かなくなるわけです。
(PP)
例えば、これはNS3、有名なものですけれども、一つ耐性ができれば、ほかのものは全部効かなくなるわけですね。どれかこの薬で耐性ができれば、せっかくつくったものがぱーになるということを我々は知っておかないと、それをよく知った上できちんと使わないといけないということが重要だと思います。
(PP)
どうしてかと言いますと、今の次世代シーケンサーとかいろいろな新しいテクニックが出てきます。MALDI-TOF mass spectrometerといって、一つのプロンずつに分けて、それでシーケンスするというのは超スペシフィックな方法ではあるのですが、それでも0.2%ぐらいしか見つからない。次世代シーケンサーでも一般的には1%です。それを無理やりやっても0.1%です。そうすると、ウイルスが1cc上に10の6乗といったら100万個あるわけですよ。その0.1%だと1,000個しか引っかからない。その1,000個以下のところには、100個や1個しかないようなものは引っかからないのです。検出できないのです。これが原理なのです。これが耐性のもとになるわけです。
したがって慎重に、しかも確実に飲み忘れがない、本当に使うべき人だけにぴちっと使わないといけない、副作用が出て中止になるということが一番耐性をつくるもとなのですね。
(PP)
2番目のB型肝炎研究と治療の進歩です。
(PP)
B型肝炎にはワクチン、それから逆転写酵素、それからインターフェロンという形でやったのですけれども、ワクチンが効かないものが今どんどんふえてきています。それが1つ。
2つ目の逆転写酵素阻害薬が次から次に出てきていますけれども、それでもいつかは耐性は出ますし、少しずつ出てきています。
今一番新しいテノフォというのは、7年間耐性がないと言われていますけれども、このテノフォのゼロをつくっておるインドとかバングラディッシュでは耐性がいっぱいあるそうです。論文にはなっていません。私も見ていませんから話だけしか聞いていませんがそういうことになっています。
インターフェロンというのは、もともと免疫を介するもので、肝臓の中でダイレクトに働くというのはごく少数なのですね。ほとんどが免疫のほうで働きますから、非常にダイレクトにウイルスを殺していくということでは新なのです。
(PP)
それから、E型、これがもとになってウイルスがふえるわけですが、ここのところには3年ぐらい前までは手には出なかった。まず、それでこれを脇田先生たちはどうしたかというと、B型肝炎を肝がん細胞でHepG2というこの細胞にNTCPという肝炎ウイルスのレセプターを入れ込んで、簡単に培養細胞でB型肝炎ウイルスがふえるようにしたのです。これは一つ一つが薬です。もうFDAで認められている天然化合物、オリジナルと。これは認められている薬ということは、人間にもうすぐ使えるということですね。それをやってみた。
(PP)
そうしたら、この丸がついているものはどうもめちゃくちゃ効きそうだと。この試験管の中で、先ほどの培養細胞を入れてB型肝炎ウイルスを入れる。そしていろいろな薬をこの中に一つずつ入れていく。そしてどれが下がるかという形で見ていく。
(PP)
そうしたところ、もう既にシクロスポリン、レチノイド、酸化ステロール、バニタラシン、それから4-H2Gという植物由来のこういうものがもう見つかっています。それを例えば先ほどの培養細胞にかけると、B型肝炎ウイルスがふえているわけです。
ところが、このレチノイドというものを入れると、明らかに明るさが減っていますよね。感染を阻害している。だから、ウイルスの増殖を抑えて、さらにそれでもふえてきたものを今度は別の細胞にふやすときにこれをブロックすれば、1+1が3とか5になるという原理で今やられているわけです。
(PP)
それで、その結果わかったことは、heparan sulfate proにくっつくところはこの4-H2Gという植物由来のものがどうもブロックしているみたいだと。シクロスポリンとバニタらシリンは、NTCPの新しいレセプターというところに効いているみたいと。レチノイドは細胞の中のほうからこれをブロックしているみたいということまで既にわかっておられます。
(PP)
もう一つは、今は細胞ですけれども、今度はB型肝炎ウイルスそのものに蛍光物質、これがB型肝炎ウイルスです。この中に蛍光物質を入れたのです。入れることができるようにしました。
そうすると今、B型肝炎ウイルスを光らせることができるわけですから、どのレベルにあるかということがわかります。ここの段階か、ここなのか。そのとき、どういうホスト、患者さんの、感染している人たちの因子に関係しているかというのが既にわかるわけです。そうすると、そこをターゲットに叩けば、これは入ってきてもふえないわけですね。102のうちから4つまで絞られています。
現在、それを論文化されて、今、投稿中です。これは下遠野先生たちがやられている仕事です。
(PP)
もう一つの問題は、幾らふやすのをとめたり、入ってくるのをとめても、ここでふえれば何にもならない。
(PP)
それをいかにつぶすかというので、遺伝子編集技術というのですけれども、C型がcccDNAというのは二重鎖にならないとふえないのですね。だから二重鎖になるところを狙うわけです。そうすると、こういういろいろなZFNとかTALENとかいうのですけれども、配列特異性が極めて高くて、cccDNAだけをターゲットにできるという新しいテクノロジーが5年ぐらい前に開発されまして、今これがいろいろな方法で使われています。
ただ、B型肝炎ウイルスは、エイズもC型もそうですけれども、ぐるぐる変わりますので、ターゲットが非常に変わるからやりにくい。
(PP)
それをどうするかということで、これは我々がやっているのですけれども、世界中に入っているデータベースのウイルスを持ってきて、それを保存されている領域だけを探し出してきて、そこをターゲットにして、そうすると、こういう低いところで、これは変異が多いところです。低いところは変異しないです。そこで変異をするところを持ってきて、そこをターゲットにして今やっています。それは肝臓へのデリバリーがもううまくいきまして、これは片岡先生、きょう何か新聞に載っていましたね。それとか、各種実験動物で今、これでやっても動物が何ともないかどうかとか、それから培養細胞で今どうなっているかということでやっています。これは根本治療としてのターゲットが今、進んでいます。
(PP)
もう一つの方法は、エコーとかファイブロスキャンとか、そういうものでどんどん肝生検をしなくてもいいのですけれども、本当にそれでいいのかという問題点は実は残っています。これは産総研で、糖鎖と言いますのは、たんぱくの上に乗っている砂糖なのですけれども、このいろいろな形の砂糖があるのですね。これは実はがんとか分化に関係していまして、慢性肝炎から肝硬変へ分化していくと、それによって糖鎖が変わってくるのです。この状態からこの状態になったときは変わってきます。糖鎖が変わります。そうすると、それをターゲットにしてつくるということで、産総研とうちと国立病院機構と大学と組んでこれをつくり上げまして、現在も保健に採用されて、肝生検をしなくても、ファイブロスキャンとこれを使うことによって診断は容易にできるようになりました。
(PP)
先ほど言いましたけれども、肝がん細胞、がんにも関係しているというのですけれども、肝生検では肝硬変というのはあっているのですけれども、これは糖鎖マーカーが低い人は10年たってもがんになっていないのですね。肝生検ではわからないけれども、このマーカーをちゃんと活用していくと、明らかにこのマーカーが低い人はがんにはなっていない。これはがん化に関係しているという根本的な命題から考えて、非常にリーズナブルな結果なのです。
線維化マーカーですけれども、肝がんマーカーという形で、5年ぐらい前、3年ぐらい前からこの人はおかしいというのがチェックできるのではないかという研究が今進んでおります。
(PP)
もう一つ肝硬変の問題としては、なぜ線維化して肝硬変になるかというのは、これは北大の新津先生が見つけられたものなのですけれども、星細胞というのが休止からアクティビティーになる、そのときに炎症を起こすと。そのときに、HSP47というのがどうも大きなファクターをするらしいと。これが線維のもとになるコラーゲンというものをつくり上げるみたいだと。
(PP)
だから、そこをつぶせばいいということで、2014年からもうフェーズ1が済んでいまして、2015年現在、もう今月から実は1相bが進んでおります。来年からはフェーズ2相bが発出になります。これは北大と日東電工というところが手を組んで、これは国内発出です。それで現在うまくいっています。
(PP)
それからもう一つ、これも国内です。あるベンチャー企業とある企業群で、あるベンチャー企業とある病院が組んでいまして、Wntシグナルというところを持ってきています。例えば、これは6回注射を打っているわけです。注射を打つ前がこれ、 線維がいっぱいありますね。これが消えています。2例目もそうです。10mg/平方メートルですが、今40にふやしています。もっと効くだろうと。
これで一番いいのは何かというと、ChildBだった人がChildAになって、今、経口薬を使う、ウイルスを消すことができるようになってきました。これが今進んでおります。もうすぐというところまで来ています。
(PP)
こういう研究がいろいろなところと一緒でありますし、これがうちのやっている連中です。
ちょうど20分になりました。ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○林会長 どうもありがとうございました。
もう一人御発表がございますので、このままの体系で。
御質問がございましたら、先にお受けいたします。
かなり最新のお話でございました。ちょっと難しい。
はい、どうぞ。
○西村委員 ありがとうございます。
日肝協の西村です。
2点御質問させていただきます。
C型肝炎のほうですけれども、新しい経口薬が開発をされて、治療に使えるようになってきたのですけれども、腎臓障害のある方には使いづらいという問題を聞いております。透析患者を含めて、感染者が一般よりも非常に高いということも聞いております。それで、この腎機能と新しいお薬との関係、将来の展望について、ちょっとコメントいただきたいなということ。
B型肝炎につきましては、cccDNAの遺伝子の編集でと、そこへの創薬ということが御説明がありましたけれども、心配するのは、今のテノゼットだとかでも妊娠を希望する方には使いづらい。女性の場合はまだしも、男性の場合は使ったらいかぬと説明を聞いております。その辺で、遺伝子編集と副作用の説明が若干ありましたけれども、副作用の問題でもうちょっとコメントをいただけたらと思います。
以上です。
○林会長 どうぞ。
○溝上委員 テノゼットのほうは、妊娠初期はだめですよ、妊娠後期に飲ませて、ウイルス量をがくんと減らして母子感染を防ぐというのが中国で大々的にやられておりまして、非常にいい結果が出て、副作用がなかったということが報告されております。妊娠初期ではないですよ、妊娠後期でそういう使い方が一応あります。
○林会長 最初の御質問が腎機能ですね。
○溝上委員 腎機能については、まずC型肝炎ウイルスの透析の患者さんというのはがんに非常になりにくい、頻度が低いということがまず一般的に知られております。それが1つ。
2つ目には、ダクラスタというのは肝排泄ですので、それだったら腎臓が悪くてもそれは使える、それでその研究は北大でもう既に繰りにカルトライアルが進んでおります。そのデータを見る限りでは、特に問題はないようです。それが1つ。
3つ目には、ソフォスブビル、レディバスビルについても、透析の患者さんではちゃんととれるから使ってもいいというのがヨーロッパ肝臓学会のデータの中にあります。ことしのものです。
○林会長 ありがとうございました。
もう一人、どなたか。
○岡田委員 B型原告の岡田です。
資料の41ページの上のところなのですけれども、C型肝硬変に対する臨床治験とありますが、これはB型に対してはどうでしょう。効果はありそうなのでしょうか。
○溝上委員 理論的にはあります。実は患者さんの希望者が、ボランティアの参加者が少なくて、まずC型から始まっています。そういう状況です。
もし、御希望の方がありましたら、御連絡ください。
○岡田委員 ありがとうございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、時間の関係がございますので、次は江口先生、どうぞ。御発表をよろしくお願いします。
○江口参考人 それでは、よろしくお願いいたします。佐賀大学の江口と申します。
きょうはお話の機会を与えていただきました各関係の皆様方に深く御礼申し上げます。
きょう私どもが御紹介させていただきますのは、現在、是永先生をリーダーとしてやらせていただいております「効率的な肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステムの構築のための研究」ということで、佐賀の今までやってきたことを少し使っていただけないかということで、一緒に研究させていただいております。その背景と成果と、あと今後の課題を御紹介させていただきたいと思います。
(PP)
これはよく出させていただいておりますが、佐賀県肝臓がんの粗死亡率なのですけれども、15年連続ワースト1ということで、県も非常に大きな問題として捉えてきております。それで、この粗死亡率を何とか減らせなければということで、今お話いただきました溝上先生、それから広島大学の田中先生、いろいろな先生方から御指導をいただきながらプロジェクトを開始したのが、平成24年度でございます。
ようやくちょっと下がってきてはおりますけれども、まだまだ課題があるということでございます。
私が、この肝がん対策に関しての県から大学のほうに講座ができまして、そちらの責任者をさせていただきまして、まず現状を見ようということで、
(PP)
これは過去5年間、佐賀県の医療機関の無料検査で抽出されましたC型肝炎、HCV抗体陽性の方が272名いらっしゃって、その方々が精密検査を受けて、それから「要医療」と診断されて、そして抗ウイルス治療の助成を受けられている方がどのぐらいいらっしゃるのかということで、全部名前を突合させてみました。
そうしますと、驚くべき数字でございまして、当時、まだ対策を打つ前でございますけれども、272名のうち32名、当時は12%しか受療に至っていないということですから、ここまでこなければ肝臓がんのリスクを減らすことができないという大きな現実にぶつかりました。
(PP)
そこで、私どもは全体の状況をとにかく見なければということで、佐賀県と佐賀大学、いろいろなところでまず1枚の図をつくって、漏れなく、ダブりなく状況を見ようということでこういうチャートをつくりました。
検査を受けていない方々がたくさんいらっしゃって、そして肝炎ウイルス検査を「受検」して、そして残念ながら陽性であれば精密検査を「受診」して、そして医療連携等々、保健指導が行われて、治療すべき方が標準的な抗ウイルス治療を「受療」して、そしてかかりつけ医、専門医の連携とともに抗ウイルス治療を行って、患者さんがウイルスを排除する、コントロールする、ここまでたどりついて肝臓がんが減るということでございます。
ところが、いろいろなところで問題があろうというところでありますのが、ボトルネックがどこか。
(PP)
3つ考えられるところがありまして、まずは受検の入り口のステップ1、それから精密検査を受けるところのステップ2、抗ウイルス治療を受けるところのステップ3、この手前でとまっているところがおられるのではなかろうか。それから、大事なことは、ここからここまで30年かかっていってしまえば、追いつかないわけですから、いわゆるスループットをいかに早くするのか、そういうところが課題ではなかろうかということがわかってきました。
まずは、現状を佐賀県民の方々にわかっていただかねばなりません。
(PP)
拠点病院としまして、ありとあらゆるところに出かけていきまして、状況をお話しさせてきました。
向かって左側が県内の肝疾患の対策支援ということで、自治体ですとか、これは専門医がいない病院があるところの自治体ですとか、あとは地域の医療機関、いろいろなところを訪れまして、勉強会を次から次に行いました。
それから、医療を離れまして、今度は啓発のプロジェクトということで、出前講演ですとか、イベント参加等々で、これだけたくさんの方々にわかっていただいて、共鳴いただいて「これは何とか、先生手伝うよ」ということで、いろいろなネットワークで次から次に渡り歩いたといいますか、御紹介から御紹介を重ねて啓発をさせていただきました。
中には、先ほど職域のお話がございましたけれども、各都道府県には産業保健総合支援センターというところがありますから、そちらのほうにもお邪魔しまして、この状況を、協会けんぽさんと一緒にお話しさせていただいて、佐賀県で取り組んでいこうということで、うちでやってまいりました。このたくさんの方々には、この場をおかりしてお礼を申し上げたいと思います。
それから、啓発を続ける場合に、先ほどもありました、佐賀は肝炎コーディネーターと言いますが、コーディネーターをいろいろなところに養成させていただいて、その人たちを中心として、その活動を私どもが支援させていただく、県が支援させていただく、そういうアプローチでやってまいりました。
(PP)
まず、啓発をしようということで、産官学の大きなプロジェクトが始まりまして、まずはなわさんというタレントさんに出ていただいて、CMをたくさん打ちました。1日10回を半年間打つということで、どのぐらい響くだろうか。それから県内のポスター5,000箇所、チラシを協会けんぽの個人の受検者表に3万枚入れさせていただいて、佐賀新聞、いろいろなところで、NHK佐賀放送局にも御協力いただいて、空中戦といいましょうか、いろいろなところで、ここに書いてありますけれども、「無関心期」から「関心期」になるようにということをしましたし、それからダイレクトメールにいろいろなインパクトがあるということがわかってきましたから、3つの市で行いましたけれども、未受検と思われている方々にダイレクトメールを送って、検査の受検を促すことにしました。これは目的としましては「他人事」から「自分事」へ変えることを目的にやってまいりました。
(PP)
そしてこのDTC効果に関して少し御紹介したいと思います。
当時は国民の方々、佐賀県が肝臓がんで亡くなる方が多いということを大部分の方がわかっておられましたけれども、ただ、無料検査があるということは27.3%しか知っておられない。ところが、こういう啓発をやりますと、73%まで無料検査があるという認知度向上に寄与することができました。
それから、肝炎を放置すると肝臓がんのリスクになるかどうかということに関しても、このように前後で地域の認知の向上に寄与することができましたし、肝炎には治療法があるのだということに関しても、このように増加しているということになりました。
そして、受検に関する効果です。
(PP)
こちらでございまして、TVCM等々を約半年間集中的に行いました。それまでは、佐賀県の医療機関で大体月300件から400件の無料検査が行われておりましたけれども、こういうプロジェクトを一斉にやりますと、このように受検数がふえて、佐賀県ではこの当時大体年間2万人から3万人ぐらいの方々が通常の市町村の健診、それから職域の健診で受けていただくようになったということでございます。
いろいろなCM等々のコストかかっておりますけれども、単純にざっくり計算しますと、受検の増し分を考えますと、CM1本あたり約3,000円のコストがかかって検査を受検しているという割り算をしてみました。
そうはいっても検査を受けていただいて引っかかっても、今度は治療に行かなければなりませんので、それを見守る仕組みが必要であるということで、
(PP)
佐賀大学でデータベースをつくったことについて、少し御紹介したいと思います。
先ほども事業者のほうでありましたが、個人情報保護という大事な守るべきものが私どもにはございますけれども、2次医療圏ごとに市町村があって、肝炎ウイルス検査をやって、それからかかりつけ医で精密検査、専門医療機関で抗ウイルス治療、そして都道府県で治療費助成を受ける、こういう仕組みなのですが、個人情報保護法の壁で、ここからここへのデータのハンドリング、申し送りができないということですから、市町村はきちんと治療されているかどうかを把握することができないということでございます。
そこを佐賀大学の医療情報部が連結可能な匿名化のできるAEOSというソフトを開発しまして、そこからVPN回線を使ってデータを暗号化、それから匿名化をしてサーバーに飛ばしました。そして、匿名化の状態で突合をして、それを肝疾患センター拠点病院で分析をして、それから手上げ式で市町村のほうに還元して、そして市町村の地域の肝炎対策に生かしていただくということで、こういうデータを継続することができております。
(PP)
地図に落としたものを一つお見せしようと思います。
向かって左上が、協力医療機関から提供いただきました小地域ごとのHCV抗体陽性の患者さんです。これは郵便番号7桁ごとに点々が示されておりますが、丸の大きさが陽性者の数ということになります。一番ミニマムなところは、個人情報保護を排除しまして、1人~4人、5人未満のところが一番小さなミニマムということで、1人ということを示すものではありません。
それから、助成を受給した小地域が青いところで、助成を受けられた方々です。
そして、この白丸から青丸を引き算したところ、赤が佐賀県はこのようにしてたくさんありますけれども、小地域ごとにまだ助成制度を利用していない、つまり抗ウイルス治療を受療されていない可能性が高い方々がこれだけいらっしゃるということがわかりました。
これを市町村においては、お住まいの市町村のレベルまでズームアップして、どのエリアに啓発活動するべきかということがわかるということをイメージしております。
(PP)
いろいろな地図で見える化をするということが非常に大事だなと思ったわけなのですけれども、この濃い緑は、医療機関に10分以内で行けるエリアということを示すことができます。ごらんのように10分以内のところのほとんどの方が検査を受けているし、それから青い点、治療も受けられているわけなのですけれども、中にはこのようにかなり医療機関から遠いところ、30分ぐらいかかるところなのですが、そこにもやはり治療されている方がいらっしゃるというところが見えてまいりました。
(PP)
一方、こういう中心地をちょっと見てみますと、小さくてちょっと恐縮なのですが、この小さなGと書いてあるところが医療機関になりますけれども、このようにたくさん医療機関がある中でも治療されている人と治療されていない人がたくさんいらっしゃるというところですから、これは距離とか、そういう手間に説明できない阻害要因が存在するのではなかろうかということがわかります。
こういうものは、やはり陽性者の方々、対象者の方々が治療する気になって、そして動いていただく仕組みが必要だということです。
(PP)
そして、それを棒グラフにしてみますと、医療機関から提供された1,400名のうち治療をされた方が448名、突合率が31.6%ですから、こちらにこの方々がとどまらないメッセージを発信していかなければならないということになります。
(PP)
こちらがそのデータベースから抜いてきました検査を受けている方、受診をされた方、それから受療を受けられた方を各生まれ年で棒グラフに示しております。
精密検査を受けるまではこのような形で出ておりますけれども、受療に至りますと、この1939年よりも高齢の方々、76歳以上の方々の割合がぐっと減るのがわかるということがわかりました。これはインターフェロンによる当時の治療の受療者数の生まれ年で分けたところです。
(PP)
一方、インターフォローフリー、今お話がありました劇的な進歩を遂げておりますが、始まりました平成26年10月以降のデータをサーバーから持ってきてお示しします。
こちらが平成20年~24年、真ん中の段が24年~26年、それから一番下が経口剤が出てきてからになりますが、ぜひ見ていただきたいのはこちらのところのふえ分です。1939年よりも高齢の方々がぐっと治療者がふえてくると。これはどういうことかと言いますと、やはりこの方々は、これまで治療に踏み切れなかった何か、もちろん医学的な状況、身体的な状況もありましょうし、本人の治療に対する恐怖もあったのかもしれませんが、新規治療の対象者を理解した啓発が必要だということをこちらで読み取るべきではなかろうかということでございます。
(PP)
そして、肝炎コーディネーターなのですけれども、佐賀では551名養成しまして、いろいろな活動をやれるようにしております。
(PP)
配置を御紹介しますと、佐賀県は5カ所の2次医療圏がありまして、それぞれのところにいろいろな保健所ですとか、市町村の保健師さん、それから専門医療機関、いろいろな医療機関、健診センター、そして協会けんぽですとか、県警の保健師さんとか企業の保健師さん、NHKのキャスターさんにも入っていただいて、とにかく自分たちができることをやろうということで啓発をやっていただいております。
(PP)
ただ、そうは言いましても、皆さんなかなかお忙しい中、肝炎の詳しい状況全てを全員が詳しく知るというのはなかなか難しいところがございますので、それぞれの職位に応じて、質問を全部コーディネーターさんにお願いしまして、受ける相談内容を全部区別しました。
分析したのが約516件なのですけれども、このように医療行政とか健診の保健師さんと外来の看護師さん、それから病棟の看護師さん、薬局の薬剤師さん、それぞれ質問の内容が全く違うのですね。ということは、それぞれ皆さん551名が自分のポジションを理解して、知るべきところ、患者さんに提供するべき内容をしっかり勉強していただいて、生かしていただくということで、ことしも肝炎コーディネーターの養成研修をやる予定にしております。
この肝炎コーディネーターはどのようにして動いていただくかというところなのですけれども、やはりツールが必要です。
(PP)
そこで、ソーシャルマーケティング手法という方法に私たちは出会いまして、非常に魅力を感じてやっておりますけれども、個々のセグメントに“響く”ツールを開発して、「コール・リコール」、何度も何度もお話ししてわかっていただく、それがアウトプットの向上に効果的ではなかろうかと思っています。
届けるべきセグメントは、陽性指摘直後のセグメント、それから陽性と知りつつ精密検査・治療を思いとどまっているセグメント、この2つに何とか声を届けたいということで研究を行いました。
ここから先が是永先生をリーダーとするフォローアップシステムの構築の研究の一部を御紹介しますけれども、フィリップ・コトラーという先生が「ソーシャルマーケティング」という言葉の大家でございますけれども、この医療者に対して質的調査を行って、どういう思いで治療に行ったか、どういうところがハードルになったかということを深く聞いていって、それらを量的調査によってバリデーションするという作業を行いました。
非常にいろいろなことを教えていただいたのは、かかりつけ医で紹介が上手な先生方に来ていただいて、どういう気持ちで患者さんにアプローチしているかということをたくさんインタビューさせていただいたり、それから治療を開始した患者さん、陽性と指摘されて、スムーズに治療を開始した方、そして10年かかった方、そういう方々がなぜ治療したかということを深堀りしました。
(PP)
これらの成果を簡単にお示ししますけれども、仮説としましては、陽性とわかっても治療に至らない。よくよく聞いてみますと、心理的な要因として、肝炎ウイルスに感染していることの重大性ですとか、治療しなければならない必要性と、できるだけ早くやったほうがいいという緊急性について認知していないということがわかりました。これは、私どもはキャンサースキャンという会社の調査研究グループと一緒にやらせていただいて、医師としても非常にわかりやすい成果にたどりつくことができました。
(PP)
ここに書いてありますとおり、今後、私たちがお伝えしなければならないのは、治療しなければならない「必要性」と放置する「重大性」、それから治療を早くやるべき「緊急性」の3つを何とかしなければならないと思いますし、私ども医療者は“治療“と言いますけれども、一般の方々は治療というのは施術に対する治療「ウイルスを駆除する」ということがやはり大事ですので、がん細胞を叩くという感じで、叩くという言葉が一般の方々には実は響くのだ、そういうところも明らかにすることができましたので、
(PP)
このようなチラシを各自治体の把握している陽性者に配りまして、こちらが拠点病院の番号、ここに電話してくださいということで相談等をお受けするようにしています。
現在、佐賀県内で1,500名の方々に配っておりますし、現在是永班の活動の一環として、各自治体で御希望されているところに、陽性者に対する資材ということで、研究費を使って提供させていただくようなところを進めておりますし、こちらは産業保健総合支援センターに御協力していただいて、協会けんぽ加盟の医療機関の事業所全部にこのチラシを送りまして、忙しい人も働きながら治療できますということを訴求する内容
(PP)
それから、先ほどの3つの項目を生かしたチラシを使ったり、そういうことでやってきております。
(PP)
これが最後のスライドなのですけれども、少し早口でございましたが、医療情報学的なアプローチと、それから社会行動医学的なアプローチ、こちらは私たち臨床の専門医がなかなか今までは知らなかったところなのですが、やはり一般の方々、対象者をしっかり見据えて、どういう方々にどういう声を届けるべきかということを専門家の方々と協力しながらやっていく、そしてそれを全国展開できればと思っております。
今後も、何か皆様のお役に立てればということで研究していきたいと思っております。
以上です。御清聴ありがとうございました。
○林会長 どうもありがとうございました。
御質問がございましたら、どうぞ。
はい、どうぞ。
○西村委員 江口先生、どうもありがとうございます。
日肝協の西村です。
何点か御質問があるのですけれども、室長さんの説明資料の中で、年齢調整別の肝がんの死亡者数がグラフになって出ておりまして、全国トップで高いという御紹介がありました。先生の御報告の中でも、これは総死亡者数ですけれども、やはり高くなっております。
日肝協のほうで、肝炎対策基本指針の見直しの準備のために、加盟する患者会のほうにアンケート調査をしております。その中で、佐賀の回答では、専門医療機関が7つで、協力医療機関が287カ所あると患者会のほうから御報告をいただいております。
陽性者を見つけて、治療を始めるに当たって、特に経口2剤につきましては、専門医での診断書が要るという条件もありますので、佐賀県の場合、医療機関の問題でネットワークとか配置で十分できているのかどうかという点を1点、肝がんの治療も含めてですけれども、お聞きしたいと思います。
2点目は、きょうの御報告の中で、45ページに啓発でいろいろな資材を配合されておられるということで、ポスター5,000カ所とか、協会けんぽのチラシを3万枚つくって、こういうのは研究費で賄われているのか、それとも行政のほうから支援があるのかという点です。特に、大阪も含めて、都道府県にいろいろなお願いをしますと「お金がない」とか「人がいない」とかいろいろな理由をつけて、なかなか前向きなコメントがいただけないのですけれども、その辺の手助けになるようなアプローチの仕方という点、御教授いただけたらなと思っております。
○江口参考人 御質問ありがとうございます。
○西村委員 それから最後にもう1点。
○林会長 ちょっと簡潔にお願いできないですか。
○西村委員 はい。
財源の問題、それから人の問題なのですけれども、行政のほうでどちらも不足しているという点で、特にそれについて詳しく。
以上です。
○林会長 どうぞ。
○江口参考人 ありがとうございます。
まず1つ目、医療体制なのですけれども、7つの専門医療機関と言いますのは、肝臓がんの手術までできるところが専門医療機関と佐賀では決めておりまして、主に抗ウイルス治療療養を担当するのは2次医療機関とカテゴリーしておりまして、そこだけでは約100ぐらいの医療機関があるということになっております。
それで、経口剤に関しましては、肝臓の専門医だけですと約50名ぐらいしか県内にはおりませんので、消化器の専門医の方々に勉強会をさせていただいて、それだけではなく5カ所の2次医療圏でそれぞれ講習会を行いまして、医師会の先生方でやってみるということを要望された先生方にはお話をさせていただいて、しっかりとマニュアル等々を配布させていただいて、そしてその治療において不安等々があれば、拠点病院でその治療に対する先生方の御相談もお受けするということで、かなり広いエリアで治療を受けていただくような仕組みづくりをしております。
2点目なのですけれども、啓発の原資でございますけれども、このテレビCMに関しましては、佐賀県の肝がん対策で効果的な啓発手法の開発ということで産官学共同プロジェクトを立ち上げまして、それに手上げ式で、ある製薬メーカーの企業さんが手を挙げられまして「ぜひやってみたい」ということで、共同研究を始めた形でこの大きなものをやりました。
ところが、やはりテレビCMと言いますと、かなりコストがかかります。それで効果的な方法としましては、ダイレクトメールは数万円レベルでできますけれども、そういうダイレクトメールが、実はこれも検証して、きょうはお話ししませんでしたが、CMと同等効果があるということがわかりました。陽性者の方々もしくは検査を受けていない方々、ここにそれぞれ「コール・リコール」と言いましたけれども、何度も何度もダイレクトメールを送って、その方々の背中を押すということに関してもいろいろなノウハウがありまして、無関心期の方は無関心期な資材ですとか、関心期の方には関心期の資材、そういうふうにやはり相手の方の状況をわかってメッセージを送るべきだということで、今そのあたりは研究を続けさせていただいております。
それから、3つ目のところを、西村様、もう一度御質問いただけますか。3つ目は何だったでしょうか。
○西村委員 人の問題なのですけれども、ダイレクトメールを送るにしても、いろいろなチラシをつくるにしましても、ファイルとか、そういうマンパワーはどういうふうに。
○江口参考に ありがとうございます。
基本的には肝疾患センター、拠点病院で全部お手伝いさせていただいておりまして、やはり行政の方々もそのような暇がないと。データヘルスケア等々でお忙しくあられますので、個人情報は私どもは把握できませんので、名前のラベルだけ張っていただけるように、あとは資材等々全部準備して、封筒まで入れて、ラベルだけ張って送ってくださいということでやらせていただいていまして、現在のアクションに関しては、是永班の研究費を使ってさせていただいているところでございます。
以上です。
○西村委員 ありがとうございます。
○林会長 ありがとうございました。
それでは、時間の関係もございますので、これで御質問を終わらせていただきたいと思います。
江口さん、どうもありがとうございました。
○江口参考に ありがとうございました。
○林会長 続きまして、いつもこの時期に要望書をお受けしておりますが、ことしも要望書が出ておりまして、参考資料7、8をごらんいただければと思います。
それをお聞きしようと思うのですが、その前にちょっと時間の都合があるので、この要望書の扱いについてまず議論をしてから、この内容をお聞きしようと思います。例年どおり、この肝炎対策推進協議会から厚労省への要望書として最終的に出したいという御希望かどうかをまずお聞きした上で、御要望書の内容をお聞きしようと思いますが、いかがでしょうか。
どなたにお聞きすればいいでしょうか。
今回の要望書は、この肝炎対策協議会への要望書なのですけれども、ちょうど例年どおり予算の時期に当たりますので、たしか昨年もこの肝炎対策協議会から厚労省への要望書という形に変えて出させていただいたと。
○野宮委員 趣旨はそうです。
○林会長 そうですね。
そういうふうにお聞きかせいただきますので、この要望書は一応肝炎対策協議会への要望書として出ておりますけれども、この内容に類似のものを肝炎対策協議会から厚労省への要望書として出したいという趣旨でございますので、お聞きいただければと思います。
では、よろしくお願いします。
時間の関係があります。要点だけ言っていただけると非常に助かるのですが。
○野宮委員 わかりました。
薬害肝炎原告団の野宮です。
私たちの患者さん団体から肝炎対策推進協議会に厚労大臣に向けて、毎年この時期に意見書を出すのですけれども、それに盛り込んでいただきたい内容を要望書として提出しました。
内容としては3つありまして、そこに書いているのですけれども、1つは、全てのウイルス性肝硬変・肝がん患者に係る医療費の助成制度の創設に向けて、早期に検討を進めてくださいということです。
2つ目は、きょうの結構大きなテーマだと思うのですけれども、肝炎ウイルス検査の未受検者の一層の受検推進、及び検査の陽性者を治療に結びつけるより効果的な取り組みを図ってくださいということです。
3つ目は、5月1日に身体障害者の肝臓機能障害の基準の見直しの検討会を今開いている最中なのですけれども、ぜひ患者団体としても身体障害者福祉法上の肝臓機能障害による身体障害者手帳の認定基準に関して、認定の基準を緩和して、患者の実態に応じた認定制度にしてくださいということです。
理由を全て述べると時間がかかってしまうので、すごく簡単に言うのですけれども、2ページ、3ページ目の「要望書の理由」を読んでいただけるとわかると思うのですけれども、要望の2点目の未受検者の受診促進と治療のフォローアップに関しては(1)の前半の部分が対応しています。
あと3つ目の要望の身障の基準の見直しに関しては(5)の部分が対応しています。
あと残りの(1)の後半と(2)(3)(4)は、全て1番目の肝硬変・肝がんの医療費助成の創設に向けて早急に検討していただきたいという部分が対応しています。
この3つの中でぜひ検討していただきたいのが、1番目の全てのウイルス性肝硬変・肝がんの医療費の助成制度の創設に向けて早急に検討を進めてくださいということです。
実は、これを出したのは先週の木曜日なのですけれども、つい先日、6月30日に肝炎対策推進議員連盟というのが、参議院のほうで17時ごろから始まる予定なのですけれども、議員連盟も創設されるので、この肝炎対策推進協議会としても、あとちょっと余談なのですけれども、厚生労働省としても、ぜひこの問題に対応していただきたいというお願いがありまして、要望書として提出いたしました。
以上です。
○林会長 どうもありがとうございます。
もう1件ございますので、大賀さんにお聞きしてから御意見をお聞きします。
○大賀委員 日肝協の大賀です。
ただいま3団体の説明をしたのですけれども、個人名で1件出させていただきました。
この委員会というのは、肝炎対策総体を進める委員会ですので、1つのことを主張するのはちょっと気が引ける部分があるのですが、私は九州肝臓友の会の会長をしておりまして、ちょうどことしが会発足35年です。本当に長期にわたって活動してきた団体なのですけれども、この半年間で実は長い間一緒に行動をともにしてきた患者さんが、相次いで3人亡くなられたのです。
本当に辛い思いを私たちはしているのですけれども、ちょうど今、検討会で支援手帳認定基準の緩和、見直しが進められているということで、委員の先生方の前向きな発言があがっております。私たちは非常に期待しているところなのですが、そういった中で、本当に1日も早くその見直しを進めてほしい、そういう趣旨でこの個人の意見書を出させていただきました。
78ページにありますように、3人男性です。
萩原さんといわれる方は、79ページにありますように、これは4年前に私宛てに提出された手書きの自分の闘病記録です。何月何日にどういう治療を受けて、何日間入院して、幾らの費用がかかったということを本当に克明に記録されているのですが、このときにも、この委員会にこのデータを既に提出しておりますけれども、この萩原さんが先月29日に亡くなられました。息子さんから「長い間お世話になりました。」という電話の中で、さらにこの2年間で実に8回、トータルで18回のがん治療をされたわけです。腹水もあり、黄疸も進み、本当にすさまじい闘病生活をされたのですが、手帳を交付されずに亡くなられました。この萩原さんはテニスプレーヤーで、プロの方、基礎体力があったために18回の治療を受けるまで体力がもったということが言えるかと思います。
それから、最後の80ページに木藤さん、77歳。そして79歳。このお二方もいずれも10回以上がん治療をされまして、そして、この木藤さんといわれる方は、途中で保健所に相談に行っているのですね。それでその保健所の担当者の方がよくその制度を認識しておられなかったみたいで、こんなものがあるのというような、けんもほろろ、冷たくされて、それで御本人が「そんなことだったらもういらぬ」と怒って帰宅されて、奥様の話では「もうそれから申請しようともしませんでした」というお話でした。
村上さんは、そこにも書いてありますように、この方も10回以上治療を受けて、とうとう手帳は交付されなかったと。
これが実態なのですね。認定基準の見直しが進んでいますけれども、ぜひ早めてほしいという気持ちでこの意見書を提出させていただきました。
以上です。
○林会長 ありがとうございました。
という要望書が提出されております。ということで、この要望書の扱いでございますが、例年どおりこの肝炎対策協議会から厚生労働省に対する要望書とさせていただくということでよろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○林会長 それでは、その内容でございますが、今お2人の御意見をお伺いいたしましたけれども、大賀さんも最初のものに名前が加わっておりますので、要望書としてはかなり具体的ことを書く必要がございますので、75ページに1)、2)、3)と具体的な要望が書いてございますので、この3点に沿う内容の要望書を出すということでいかがかと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
よろしければ、例年どおり事務局のほうでまた文章の案をおつくりいただきまして、委員の皆様方に一度メール等でお諮りをさせていただいて、最終的な要望書とさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○大賀委員 お願いします。
(首肯する委員あり)
○林会長 それでは、例年どおりそのように扱わせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、事務局から資料5の御説明をよろしくお願いいたします。
○鈴木肝炎対策推進室長 資料5、56ページになります。こちら1枚につきまして、説明させていただきます。
今、溝上委員、それから江口参考人のプレゼンテーションがございましたけれども、肝炎対策基本指針告示というのは、5年前に作成作業をして4年が経過したわけでございますが、その間で当然いろいろな変化がございました。きょうお話ししていただいたようなことが大体この中に書いてあることでございます。
1つ目でございますが、肝炎ウイルス検査のさらなる促進、江口参考人からも話があったようないろいろな形の工夫が必要なのかなと。以前から若干そういったことは書かれておるのですが、こういったところの視点を持たなければいけない、健診の場を活用したような肝炎ウイルス検査の実施、職場健診というのはなかなか難しいところがございますが、それ以外にも特定健診ですとか、そういったものもあるわけでございますので、そういったこともちょっと考えていかなければいけないのかなと思います。
それから、肝炎の重症化予防のための施策の推進、これは陽性者を専門医療機関につなげるための方策、田中委員の発表から特に脚光を浴びているわけですが、江口参考人の話でございますと、以前からそういったことは佐賀県でもあったということでございます。陽性者をどのような形で受療につなげるか、これは余り今まで取り組んでいないかなというところがございますが、こういった視点はこれから非常に大事なのかなと。検査をやるということが、予算の最終的な目標に達するためには必要な事項と考えております。
3つ目でございますが、肝疾患診療体制の整備の促進、これは公開プロセスの話もございましたが、肝疾患の連携拠点病院、これは70できてきました。そうすると、その70がどのような形でいろいろな地域で活躍していくかということがあると思います。
一例は、きょうの江口参考人からの話という形で、熱心にやられている例として出てくるかと思います。
それ以外にも、それぞれの拠点病院で、単なる相談を受けるということだけではないことをされているかと思いますので、こういったところも強化していく必要があるかと思っています。肝疾患機能としてそういったもの。
それから、やはり専門医療機関、肝臓専門医が5,000人全国におりまして、2,700~2,800の専門医療機関があると言われています。こういった専門医療機関とのつながり、そういったことで効果的に治療することも模索していかなければいけない。
そして、やはり拠点病院を束ねていくためには、公開プロセスでも指摘されておるのですが、国立国際医療研究センターの中に、きょう溝上委員のところの肝炎免疫研究センターというのがございまして、その中に肝炎情報センターというのがございます。ここがかなめとなって、いろいろな調整等を図っていく機能を我々は考えていかなければいけないのかと考えております。
4つ目でございますが、肝炎研究の推進、きょう溝上委員のプレゼンテーションでもございましたが、やはり肝硬変、これは特に治療というもの、治験等も始まっているところでございます。そして肝がんの発がん防止、こういったがんを一次予防してしまうということが、研究としては非常に必要だと思います。
それからB肝については創薬ということが必要だと思います。
来年度10カ年戦略を見直すという作業がございますので、そういったことを念頭に置いた、細かいところまではこの研究会では難しいところだと思いますが、そういったことを念頭に置いて作業はする必要があるかと考えております。
それから最後に、肝炎に対する正しい知識のさらなる普及啓発、これは言うのは非常に簡単なのですが、やはり先ほどのソーシャルマーケティングとか、そういった手法はあるようでございますが、そういったものを使いながら、我々は「知って肝炎プロジェクト」というものに力を入れているところがございます。自治体、広報と一体となった形で、広報を適正な費用として資産に変えていく必要があるのかなと考えています。
このような視点が新たに出てきた視点としてはあるのかなと思いましたので、1枚の資料にまとめた次第です。
以上でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
冒頭にも申し上げましたけれども、ここから少し進めさせていただきたい指針の見直しに当たって、一応主要事項を事務局でおまとめをいただきました。今後の見直しを進める上で非常に重要な件でございますので、ぜひ御意見等をお聞かせいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
どうぞ。
○米澤委員 一番最後の広報の部分なのですが、室長におかれましては非常に御尽力いただいておると患者のほうも感じております。
私どもの事務所に室長にお出でいただいたときに、16ページにありますポスターをお持ちいただきました。非常に大きなポスターで、肝炎の研修のフォローアップを促すものと、それから健診そのものを訴えるものだと思います。私どもの事務所にメディアの方ですとか、医療関係者がたくさんいらっしゃるのですが、それを見て「このポスター初めて見た」とおっしゃる方が非常に多くて、せっかくこうやってお金をかけてつくっていただいているものですから、ぜひたくさんの目に触れる形で使っていただきたいなと希望しております。
以上です。
○林会長 よろしいですか。
○鈴木肝炎対策推進室長 全国に配ってはおるのですが、恐らく部数がちょっと足らないのかなと思いますので、積極的にそういった形で進めていきたいと思います。患者会のほうでも全国でいろいろと御協力いただければ、目につくところに張れるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
○米澤委員 ぜひ患者会にお配りいただければと思います。
○林会長 それ以外にいかがですか。
西村さん、どうぞ。
○西村委員 最後の広報の部分になるのですけれども、室長さんの説明の中で「知って肝炎プロジェクト」の関係で広報大使だとか、サポーターたちがたくさん御協力いただいております。この1年間、3カ所の事業について広報がされています。山口県とか、熊本県ですね。ぜひ1年間で47都道府県全部やれるように頑張っていただきたいと思います。
以上です。
○鈴木肝炎対策推進室長 特別参与をしています杉良太郎さんからも、最低でも30やれと檄が飛んでおりますので、どこまでいけるかわかりませんが頑張らせていただきます。
○林会長 それ以外にいかがでございましょうか。
どうぞ。
○武田委員 武田です。
溝上先生にちょっとお尋ねしたいのですけれども、今度、秋ぐらいにまたHCVのよい薬が出そうなのですけれども、私はずっと仕事をしながら治療をしていたものですから、3回していても3回とも、1回目はしている途中に乳がんになったりとか、2回目のときにはまた肝数値がもっと高くなったりとかして、仕事を休めないこともあって、すごく苦労して結局治らなかったのですけれども、今回の秋にできるというのは入院をしなくても、そういう副作用がひどくない、すごくいいお薬なのでしょうか。
○溝上委員 この治験そのものが入院せずにやりました。341人、基本的に入院せずに治験をやりました。
○武田委員 そうですか。それで皆さん治癒をなさった。
○溝上委員 それで、先ほどの3例の方だけが入院と、1つは中止したり、お1人は救急車でお見えになったり、1人は治った後に出たということで、結局入院した人は1人ということです。
○武田委員 期待しているのですけれども、今までが本当に仕事をしながらするということがすごく苦労なのですね。
○溝上委員 ですから、朝1回飲むだけです。したがって、朝起きたときに飲んでいただくだけですから、時間ごととか、そういうことはありませんので、それは非常に楽でございます。
○武田委員 そうですか。ありがとうございます。
○林会長 ほかに御意見。
よろしゅうございましょうか。
どうぞ。
○大賀委員 これはお願いなのですが、自治体の格差是正のためには、私は福岡県で佐賀県の実態をすごく進んでいるということは知っておりましたけれども、ここまで進んでいるというのはきょう初めて知りまして、年1回ほど担当者の課長会議とか開かれているのですかね。そういう場で先進県の事例を報告する機会を持たれて、ぜひやってほしいと思うのですが、実は、福岡に見習ってほしいのです。
○林会長 はい、どうぞ。
○鈴木肝炎対策推進室長 まさしくつい先週、福岡でブロック会議を開きまして、講師は江口先生でございました。当然福岡の御担当者もいました。全国のブロック会議でも、江口先生は全部行けませんので、それぞれそういった取り組みを先進的に自治体とやっているところの発表を織りまぜてやって、あと今週、北海道が最後でございますけれども、市役所等も呼んでやるような形をさせていただいております。
○大賀委員 ぜひお願いします。
○林会長 ほかにいかがでしょうか。
はい、どうぞ。
○山中委員 青森県の保健所の所長をしております山中と申します。
私どもの保健所では、昨年度病院の立入検査というもので毎年病院に行っておりますが、そのときに、術前検査として肝機能検査をした場合には、陽性であっても陰性であっても、ぜひ患者様に説明していただきたいというお話をさせていただきました。もちろん陽性の方々については説明をしていただいているのですけれども、フォローアップがやはり十分なされていないというお話は伺っております。
例えば、先ほどのコーディネーターのお話がありましたけれども、そういう肝炎コーディネーターを病院に配置していて、きちんとフォローアップしている病院については、例えば診療報酬上の加算をするとか、そういったインセンティブがありますと、医療現場ではかなりわかっているはずですので、その辺がきちんとできていく仕組みになるのではないかなと感じました。
それから、先ほど保健所の対応が悪かったというお話がありまして、私は大変残念に思っております。
1つには、保健所の場合は、医療費の公費負担についてはきちっとやっているのですけれども、身体障害者の手帳の交付、もちろんそういう制度がありますよとか、あるいは厚生医療はこういうものがありますよという御説明はできるのですけれども、実際の申請の窓口が市町村になっているという点では、患者様にとっては保健所に行って全てが完結できるとか、用が足せるという状況ではないということがやはり御不満につながっているのかなと先ほど感じまして、大変申しわけなく思っておりました。
以上です。
○林会長 ありがとうございました。
それ以外に御質問、御意見等よろしいですか。
はい、どうぞ。
○岡田委員 B肝の岡田です。
資料について要望なのですけれども、資料の7ページに重症化予防推進事業の実施状況がありますが、平成27年度見込みで大分ふえてきてはいるのですが、まだそこにも×が載っている県が幾つかあると思うのですけれども、厚労省からこの未実施の県に対してどのような働きかけをしているのかということと、あと資料も○と×だけの表記となっておりまして、できれば具体的な件数、どれぐらいの申請があったとか、実施したかの件数を表記いただければという要望です。
○林会長 いかがでしょうか。
○鈴木肝炎対策推進室長 後段については一応御要望で承ります。
前段につきましては、実はここまで書いたものをここまでやるかぐらいやっておりまして、昨年度の末にありました課長会議では、この27年度見込みというものはもうちょっと×が多かったのですが、これを全国に会議で配らせていただいて、最近のブロック会議では、このバージョンを各自治体に配らせていただいて、そうしますと×がついているところが大体終わったころに寄ってまいりましていろいろと申すので、そのときにいろいろ申し上げさせていただいているという形の指導をまずさせていただいております。
いずれにせよ、こういう資料は余り出すものではないのですが、重症化予防は非常に大事でございますので、こういった資料をつけて、会議も開催させていただいて、全て見える化しているという形でございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
それでは、もうしばらくで5時になりますので、大体御意見はお聞きできたのではないなかと思っております。
はい、どうぞ。
○清本委員 北海道の清本です。
今後の指針のことについてですけれども、資料の16ページに「今後取組が必要な事項について」のウのジェノタイプAについて、慢性化することが多いということに鑑みというところで、ここら辺の数字がそろそろ見えているのであれば、後日でいいので教えていただきたいというところ。
あと、先ほど加藤委員からも、10名程度の会社だとなかなか休めないというところで、議事の5ページ、これも何回も言っているのですけれども、核酸アナログ製剤治療の新規と更新が、9割ぐらい更新しているというところで、これを3年ぐらい更新にできるように何とかしていただけないかというお願いです。
以上です。
○林会長 これはまた見直しの課程で御意見を言っていただければと思います。
それでは、今後の見直しの枠のところでございますが、本日事務局のほうから主要課題等御提示いただきましたので、これを受けまして、今後指針で達成が不十分な内容、それから新たに出てきた課題、それから各委員の方から出てまいりました新しい内容等を盛り込んでいくという感じのイメージで今後の指針の見直しを進めさせていただきたいと思います。その過程で、ぜひ御意見をいただければと思っております。
そういう進め方でよろしければ、今後の予定について事務局から御提案をいただきますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○林会長 それでは、最後に事務局から今後の方向性をよろしくお願いします。
○鈴木肝炎対策推進室長 資料57ページの「肝炎対策推進協議会の今後のスケジュール(案)」でございます。
通常これは年2回の開催の協議会でございますが、今年度は4回開催を検討させていただいております。お忙しい中でございますが、御協力いただければと思います。
まずは本日6月23日、きょうはスケジュール、いろいろと御意見等もいただきました。
そして、9月~10月ごろに次回開催して、またいろいろなお話も聞きながら、意見をつくっていく形かなと考えております。
そして、遅くとも12月ごろには骨子案が出てまいりまして、2月には取りまとめをするという形に持ち込みたいなと。
いずれにせよ、2回のものを4回にふやした検討スケジュールを組ませていただいている次第でございます。
以上でございます。
○林会長 という予定で進めさせていただきたいと思いますので、御迷惑をかけて申しわけございませんが、改定の時期でございますので、御協力を賜ればと思っております。
肝炎の治療あるいは肝がんの治療状況、日本の患者さんの状況というのは、これを作成した当時とはかなり変わってきておりますので、できましたらそういう変化に対応した指針の見直しにさせていただきたいと思っております。
よろしゅうございますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○林会長 はい、どうぞ。
○米澤委員 C型肝炎の2型の治療が既に先月保険適用になりまして、ソフォスブビルとリバビリンの治療が始まっておりますけれども、これの医療費助成について、最後で申しわけないのですけれどもお願いがございます。
現在、医療費助成が申請できる都道府県が数少なく限られております。申請がまだできないところが圧倒的に多い状態になっております。状況は御存じかと思いますけれども、私たちは毎日電話で問い合わせを受けておりまして「自分たちの県はいつになったら医療費の助成が申請できるのだ」という内容の電話が殺到していますものですから、私からお願いをさせていただきたいのですが、厚労省のほうから急ぐように通達などを出していただいたら大変ありがたいかと思います。
よろしくお願いします。
○林会長 いかがでしょうか。
○鈴木肝炎対策推進室長 一応、今回インターフェロンフリーが入ったことに伴いまして、要綱の改正というのが大分入っております。それにつきましては、私どもは策定の段階から、戦略会議が決まってから作業をするわけですが、自治体に情報提供しながらやって、恐らくその5自治体というのは、そういったところも踏まえて先駆的にやられたのだと思います。また、自治体でやらないところはなくて、順次そろそろどっと出てくるのかなと思っております。また、戦略会議でもそのように決まったのですが、その前にやったものでも、先月の20日以降であればさかのぼって取り扱うという形の決定がされておりますので、一応その分では制度的には医療受給者証がないということがありますけれども、一応対応させていただきます。
いずれにせよ、我々はそういった自治体からの紹介等しっかりと受けながら、要綱をちゃんとつくるように今も指導させていただいておりますので、もうちょっとのところだと思いますので、申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。
○林会長 今回の助成の内容自身は、従来からはそれほど複雑になっているわけではありません。むしろ単純化されていると思います。ただ、恐らく医療費助成が認められたとしても、それぞれの先生方が治療を始めるには従来の使用法よりは少し時間がかかるかもわかりません。処方薬等のいろいろな規制がありまして、薬局等はかなり大きな問題を抱えておりますので、恐らくそういう問題がきちっと整理されないと、先生方もなかなか治療を始められない可能性もございますので、そういう点も少し御考慮をいただければと思います。それは医療助成の申請とは別ですが、今回は少しそういう問題等も含んでいますので、恐らくドクター側も薬局もそういうものの整理に少し時間がかかっている可能性はあるとは思います。ただ、医療助成の問題は、今、事務局からお答えさせていただいたとおりだと思います。
○米澤委員 わかりました。
○林会長 どうぞ。
○大賀委員 指針の見直しにつきまして、次回9月、10月の2カ月のスパンがあるのですが、大体イメージとしてはいつぐらいという。
○鈴木肝炎対策推進室長 この協議会は非常に大きゅうございまして、皆さんが集まれる日を模索をするのに、必ず1月から2月みないと、人数が少ない形での開催、きょうぐらい来ていただけると非常にありがたいので、そういったところでございまして、9月の半ばから10月の中旬ぐらいの間にできればいいかなとは思っておりますけれども、調整次第だと思っております。
○大賀委員 どうして質問したかと言いますと、実はこの指針の見直しにつきましては、患者3団体で今検討しております。患者サイドからどういった見直し案として提案したらいいのかとかなり詳細に詰めて、今、意見交換しているところです。それで、3団体で次回の委員会で提案を目指していこうという申し合わせをしているところです。
以上です。
○林会長 具体的に前にしたほうがいいのか、後ろにしたほうがいいのか、何か御要望があれば言っておいていただいたら、それは勘案していただけると思います。
○大賀委員 真ん中辺がよろしいかなと。早過ぎますとちょっと私たちもかなりドタバタ劇になるかと思いますので。
○林会長 はい、わかりました。
ほかはよろしいですか。
それでは、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○鈴木肝炎対策推進室長 済みません、最後にまだあるので。
○林会長 どうぞ。
○鈴木肝炎対策推進室長 本日予定させていただいた議題は以上で終わります。先生ありがとうございます。
本日の議事録についてだけお伝えしておかなければいけないので、お伝えさせていただきます。
原案ができた段階で委員の皆様方に御確認いただきまして、ホームページで公表するという形をとらせていただきたいと思います。
スケジューリング等については今、申し上げたとおりでございます。
本日はどうも御苦労さまでした。ありがとうございます。
○林会長 どうもありがとうございました。
<本件に関する問い合わせ先>
健康局疾病対策課肝炎対策推進室
新川智之: | 代表電話: 03-5253-1111(内線2948 ) |
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