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2015年7月30日 第13回 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成27年7月30日(金)10:00~12:00


○場所

中央労働委員会 講堂


○出席者

委員

佐藤座長、池田委員、石山委員、神吉委員、武石委員、田代委員、中井委員、両角委員

厚生労働省

安藤局長、蒔苗職業家庭両立課長、中條職業家庭両立課育児・介護休業推進室長、中井職業家庭両立課長補佐、川島老健局振興課長補佐

○議題

1 報告書(案)について

2 その他

○配布資料

資料1 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(案)
参考資料1 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(案)に係る補足資料

○議事

○佐藤座長 それでは、少し早いのですが、ほぼ定刻ですので、ただいまから第 13 回今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会を始めさせていただきます。委員の皆様方には御多忙のところ、御参集いただきまして、ありがとうございます。武石委員は少し遅れて参加されるとのことです。

 本日で研究会は最終回となります。本日は議事次第にありますとおり、本研究会の報告書 ( ) がこれまでの議論を踏まえてリバイスされていますので、それについて御説明いただいて、議論したいと思います。

 あと事務的なことですが、皆様の所のマイクはいつもと違って速記のマイクと全体に流すマイクは一緒で、スイッチを入れなくていいということですので、そのまま御発言いただければと思います。また、いつものようにこれまでの研究会の資料については、お手元のファイルにとじてありますので、必要に応じて御利用いただければと思います。

 それでは、議題 1 の報告書 ( ) について、御説明いただいて、議論したいと思います。まず前回の皆様の御意見を踏まえて、事務局で前回の素案を修正していただいておりますので、修正点を中心に報告書全体の構成を御説明いただくことにしたいと思います。今回は全部御説明いただいて、そのあとの議論については幾つかに分けて御意見を伺うことにしたいと思いますので、最初にまず全体について御説明いただければと思います。

○中井職業家庭両立課長補佐 まず資料 1 です。最初に報告書全体の構成ですが、前回の素案に加えて研究会の参集者の名簿と開催状況について、報告書の最後に追加してあります。また、この報告書の本体にお手元の参考資料 1 がありますが、こちらを研究会の報告書の参考資料として添付したいと考えております。これについては、例えば報告書本体の 2 ページの「はじめに」の横に、参考資料集 P.2 13 とあるとおり、参考ページを参照できるようにしてありますので、適宜御参考にしていただければと思います。

 では、報告書の内容について、まず 2 ページの「はじめ」の最初の部分において、細かいことですが、新しい高齢者人口の数字が出ておりますので、そちらをリバイスをしております。

 同じページの一番下について、男性の仕事と家庭の両立のことについて触れていないという御指摘がありましたので、「また男性も仕事と家庭を両立し」、以下の文章を加えてあります。「出産・子育て期の女性が同時に」としているところを「男女が同時に」としています。

4 ページの「仕事と介護の両立に係る現状」の ( これまでの成果等 ) についてですが、介護休業制度等の歴史的な改正の変遷を書くべきだという御指摘がありましたので、こちらに追記してあります。また、併せて中ほどの「なお」以下で、その間の介護保険制度の改正の変遷についても記載しています。

 次に、同じページの一番下の ( 現在の状況における課題 ) のところですが、もともと介護休業等の存在を知らず、年休等のほかの休暇を使いながら対応していていましたが、例えば経済的理由により年休を利用しているケースもあるという御指摘がありましたので、「介護休業等の存在を知らず」というのを削除しています。

6 ページの一番上の部分は、仕事と育児の両立支援制度のこれまでの成果を書いていますが、育児について法定制度は整ってきているとの意見もあるとしていましたが、それについては少し言い過ぎではないかという御指摘がありましたので「順次課題に対応していきたいところである」としています。

 同じページの中ほどにおいて、男性の育児休業取得率について、次世代法の制定だったり、前回の育児・介護事業法の改正により、男性の育児休業取得の機運は、徐々に高まってきており、更に長期的には上昇傾向にあるということも触れておくべきだという御指摘がありましたので、そこの部分について追記をしています。

 同じ 6 ページの ( 現在の状況における課題 ) についてですが、有期契約労働者の育児休業取得率は 69.8 %と書いている点について、その下の育児休業取得による継続就業の率は 4.0 %の関係が分からない、 68.9 %の数字の意味を書くべきだという御指摘がありましたので「この割合は妊娠後調査時点までに退職していない者のうち、育児休業を取得した者の割合である」と追記しています。

7 ページの 2 の基本的な考え方について、 1 つ目の○の「労働者のニーズと事業主との負担との兼ね合いを十分に考慮した上で」と追記しています。これは素案では「他の個別の論点」でも書いたところ、これは全体に係る話であるという御指摘がありましたので、その旨で修正をしています。

 その次の○の支援について、この部分の趣旨は現在の長時間労働等の働き方が変わらないままで両立支援制度を充実させると、育児や介護を行う労働者のみが特別な働き方をするという形になり、当該労働者のキャリア形成が損なわれる恐れがあるという趣旨だという御議論がありましたので、その旨を反映させる修正をしています。また同じ○の後段において、国と企業がやるべきことを書き分けるべきであるという御趣旨の御指摘がありましたので、「国において」と「企業においても」とそれぞれ書き分ける記載ぶりにしてあります。

8 ページに移り、○の 1 つ目ですが、介護によって仕事を休むニーズとして、(1)(2)とあり、(2)で介護の長期的方針を定めたあとに、日常的に介護する期間においてスポット的に休まざるを得ない場合としていましたが、これについて介護の短時間勤務等が、ここに位置付けられるという御議論が読めない記載ぶりとなっていましたので、「勤務時間や勤務時間帯を調整せざるを得ない場合や」と追記をしています。

9 ページに移り、男性の多様な状況に応じた子育ての関わりや、可能とする働き方の実現の部分です。全体の書きぶりとして、男性の育児休業取得を勧めることは、妻の再就職の促進にも資する等という記載ぶりにしていたのですが、そもそも育児休業の取得を希望する労働者が、その権利を行使することができるというのが、まず一番に目指すべきだと、達成すべきだという御指摘がありましたので、その旨、当該部分の○の 1 つ目で記載をしています。

 少し飛んで 11 ページの ( 仕事と介護の両立制度の整理 ) の部分ですが、○の 3 つ目において、介護保険サービスのほかに地域におけるボランティア、 NPO 、民間企業等が提供するインフォーマルサービスも利用している旨を追記すべきだという御指摘がありましたので、その旨、追記しています。

 同じ所の○の 4 つ目の最後の部分について、先ほどの介護の短時間勤務等の位置付けについても明確になっていないという同じ御指摘を踏まえて、同じ趣旨の修正をしています。

 同じページの ( 今後の対応の方向性 ) についての○の 1 つ目の中ほどで、労働者の約 9 割と書いてある部分について、素案では何の 9 割かよく分からない記述になっているという御指摘がありましたので修正しています。

12 ページの 2 つ目の○の最後の部分で、介護休業期間について、素案では施設に入るまでの期間に限って期間を延長すべきとの意見があった旨の記述にしていたところ、それに限定せず期間を延長すべきという意見であるとの御指摘がありましたので、その旨、修正しています。

14 ページは介護の所定労働時間の短縮措置等の ( 今後の対応の方向性 ) の中ほど以下の部分で、研究会で行われた議論がどのようなものだったのかというのが分かりにくい書き方になっているため、整理すべきとの御意見を頂きましたので、整理をしてあります。

 記載内容としては、選択的措置義務について、介護休業の通算して 93 日という期間から切り出した上で、措置の期間について検討すべきとの意見や、当該期間の長さは措置内容に応じて検討すべきとの意見があった。また切り出した場合の措置内容について、(1)従来の選択的措置義務の内容を維持したまま、措置義務を課すこと、(2)選択的措置義務のメニューに、例えば後述する所定外労働の制限を追加するなど変更を加えること、(3)(3)所定労働時間の短縮措置等について、選択的措置義務から単独の措置義務に変更することなどが考えられるとの意見があったという形で意見を整理して書いてあります。

15 ページです。「所定労働時間の制限」の部分です。 ( 今後の対応の方向性 ) の冒頭部分について「介護保険制度においてデイサービス期間の延長が盛り込まれたこと等も踏まえ」という書き方にしていたのですが、具体的に内容がよく分からないとの御指摘がありましたので、少し詳しく説明を加える形にしています。

16 ページです。「仕事と介護の両立に向けた情報提供」の中の ( 労働者個人への情報提供 ) の部分です。こちらはケアマネージャーについて記述している部分、ケアマネージャーも介護保険申請窓口や地域の包括支援センターと同じく、介護サービスの利用の導入時期にも、労働者がまず利用するものであるという御指摘がありましたので、介護サービスの利用について、「導入期から継続期まで」としています。また、介護休業制度に加え、働いている家族の支援のために必要な配慮についての基礎的な知識も必要という御指摘がありましたので、その旨、追加をし、さらに導入期からの適切な情報提供と、要介護者の介護の在り方について、両立という観点からも考えることができるような取組を検討すべきであるとしております。

18 ページの「有期契約労働者の育児休業の取得要件」の部分ですが、 ( 現行制度の状況等 ) の○の 2 つ目について、有期契約労働者の育児休業取得率の説明について、先ほどと同趣旨の修正をしています。

19 ページの ( 今後の対応の方向性 ) についてですが、前回の御議論で有期契約労働者への制度の適用範囲の見直しについては、法として見直すべきかという点についてどうなのかといった御意見もありましたので「有期契約労働者への制度の適用範囲について見直しの検討を行う場合には」という記載ぶりにしています。

 さらに、前回の御議論で、少なくとも雇用契約の終了時までは育休の取得が可能とすべきとの御意見について、契約期間を短く設定するインセンティブが働いてしまうので問題であるとの御指摘があり、それに対して、この案は明らかに雇用契約が更新されないものであっても、少なくとも雇用契約の終了時までは育休の取得可能とすべきとの意見であったという御指摘もありましたので、その点を踏まえて修正を加えてあります。

 今、申し上げた雇用契約を短くするインセンティブの問題がある点なども含めて、 3 つ目の○の中ほどで「契約の更新等に関する不利益取扱い等の検討をすべき課題を整理しつつ」という記載としています。

 一番下の○について、具体的には 20 ページの上辺りですが、有期契約労働者であっても、産前産後休業・育児休業制度を利用できることについて、労働者に周知することが必要である旨、記載をしている部分ですが、事業主に対する周知も同様に重要であるという趣旨の御指摘を頂きましたので、それを踏まえて「事業主や直続の上司を含む労働者に周知することが重要である」としています。

21 ページの子の看護休暇の取得単位の部分ですが、御指摘を踏まえて、時間単位や半日単位での取得を検討すべきであるとしています。さらに、その下の○のひとり親世帯の部分ですが、子の看護休暇及び育児休業の期間の延長について配慮すべきであるとの御意見も前回ありましたのでその旨の「意見があった、一方で」という一文を加えております。

 同じ 21 ページの一番下、育児の所定労働時間の短縮措置等に係る ( 今後の対応の方向性 ) の部分ですが、 1 つ目の○では、制度の対象となる子の年齢を引き上げ、その期間中、ずっと短時間勤務をすることができるようにするということ。

 その次の○では、子の年齢を引き上げた上で、通算の取得期間を設定すること。それぞれの○で「それぞれについて言及している」という言葉は、少し分かりづらくなっていましたので、分かりやすく修正を加えています。

22 ページの「男性の育児休業取得促進」の部分については、全体として他の箇所とは違って、いきなり今後の対応の方向性から始まるような素案になっていましたので、他の箇所と同様に、まず現行制度の状況等のセクションから始める形で修正してあります。その関係で少し重複する記述を整理するなどしています。

 また、今後の対応の方向性について、前回の法改正による「パパ・ママ育休プラス」などが知られていないことに対し、知られていないし、難しいので使われていない面もあるという御指摘もありましたので「分かりやすく周知を行うべきである」と修正しています。

23 ページの○の 2 つ目、 3 つ目について「妻の出産後 8 週以内に休みを取ることが重要である」という記述をしている所について、この研究会では、育児休業の取得促進について議論しているからという御指摘がありましたので、「この期間に育児休業を取得することを推進することが求められる」とし、また、少子化社会対策大綱において、「配偶者の出産直後の男性の育児休暇取得率を 80 %にする目標が掲げられており、この達成に向け、政府全体で社会的な機運の醸成を図る中で、育児休業取得を促進していくことが求められる」という記載ぶりにしています。

24 ページの (2) 経済的支援の部分ですが、介護休業取得時の経済的負担軽減についての御意見もありましたので、それも踏まえて修正をしています。

24 25 ページに掛けての介護保険サービス等の充実の部分について、介護保険サービスだけではなく、障害福祉サービスの充実も不可欠であることを書くべきだという御指摘がありましたので修正をしています。また、そこの部分の最後の所で、介護保険制度を加え、様々なインフォーマルな活動も重要であるという御指摘もありましたので、その旨、追記をしています。

25 ページの保育サービスの充実の必要性についても、指摘すべきとの御意見がありましたので、 (5) として、保育サービスの充実を追加しています。以上です。

○佐藤座長 前回の研究会で御提案いただいた素案について、皆さんからいろいろ御意見を頂きましたので、そこを中心に修正した所を御説明いただきました。

 先ほど御説明しましたように、今日の議論の仕方は全体について御説明いただきましたが、一応分けて御意見を伺えればと思っています。まず 2 ページの「はじめに」から、 10 ページの各論に入る前の 10 ページの上の所までで御意見があれば出していただいて、順次、 3 つぐらいに分けてと考えていますので、まずは 10 ページの上の「総論」までで御意見があれば出していただければと思います。よろしいですか。また戻ってきますので。

 次に 10 ページの各論で、 1 の「介護離職を予防し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備」、 17 ページの真ん中ぐらいまでになりますが、ここで御意見があればお願いします。

○中井委員  12 ページの中段の 2 つ目の○ですが、介護休業期間の期間延長をすべきとの意見のところで、前回の御意見を反映いただきましてありがとうございます。改めて介護の件について最後の機会でもありますので、繰り返しになりますが、述べさせていただきます。

 介護というのは予測不可能な事象だということ。そして将来の見通しがなかなか予測できないケースが多いということ。そして、今後、要介護者が増加する見込みである中で、施設へ入所するまでの期間が今後は長くなることも想定されるところですので、介護休業期間の在り方についても、まだまだ議論すべき部分はあるのかと考えております。

 介護休業を、介護のセーフティネットとして考えるのであれば、介護をする労働者が、介護をすることによって窮地に陥って継続就業できない、離職に至ってしまうことがないよう、期間延長も含めた見直しについて、引き続き検討すべきであるということを是非記載いただきたいと思います。以上です。

○佐藤座長  12 ページの介護休業期間について、御意見があったのですが、いかがでしょうか。

○田代委員 当然選択肢の 1 つとしてそういう御議論はあってもいいかなと思います。介護の問題は、この研究会の当初から、あくまでも休職期間というのは準備のための期間であるという認識であったと思います。そういう前提を明確にした上で、就労継続のために何をすればいいかということは、いろいろなサービスの充実とか、介護休業の期間に限らず、あらゆる面でできる限りフルタイムで就業を継続するために何をやったらいいかという意味で幅広く議論するということであればいいかと思います。期間の延長に全てが委ねられるのではないということを、是非御留意いただければと思います。

○佐藤座長 ほかにあれば。

○池田委員 介護休業の期間延長というのは、確かに選択肢としては考えられると思いますが、結局どのぐらいの量が総量として必要なのかということが見えません。電機連合は 1 年という話がありましたが、 1 年に何か根拠があるのかという話も議論にあったと思います。そうすると、現状、この研究会で 1 つの結論に達する所まで議論が熟しているかというと、そこまでは行っていないかなというところなので、より調査を積み重ねていって、長期の休業の必要性については、引き続き検討するという程度にとどめるのが、取りまとめとしては適切かなという感想を持っています。

 それ以外に前回余りきちんと話をしてなかったような気がするのが、 13 15 ページのいわゆる勤務時間短縮等の措置に関わるところです。読んでいて、いろいろ頭がこんがらがると思うのが、 1 つが現状の所定外労働時間の短縮等の措置についてというのが 1 つ段落であって、これについて、まずどうするかという話はいろいろ選択肢があるのです。まず 1 つが介護休業と通算して 93 日を別立てにするという選択肢。 14 ページの下の ( 今後の対応の方向性 ) にある従来の選択的措置義務の内容を維持したまま、措置義務を課すことというのは、今の介護休業の 93 日とは別に、外枠は同じまま期間だけを外に出すという理解ですね。確認です。

○佐藤座長 ここ(1)の場合に切り出した場合の措置内容としてと書いたので、これは切り出した場合というように。

○池田委員 要するにメニューは変えずにということですね。

○佐藤座長 そういうことです。

○池田委員 ここに(2)が新規に所定外労働の制限を追加するということですね。

○佐藤座長 ここの書き方は、 1 2 3 全部に切り出した場合の措置内容というのは係かるということです。間違っていたら言ってください。

○池田委員 それと (4) の所定外労働の制限についてというのは、所定外時間の短縮 (3) とは別に (4) を別立てで制限を設けるかどうかという話ですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 この (4) の所定外労働時間の制限につきまして、現行にも書いてありますとおり、育児のほうでは入っていて、介護に入ってないというメニューになっております。項を分けて (4) として議論いただいて、 16 ページの上のほうに 3 つ選択肢を並べてあり、上限を決めずに介護保険終了まで義務化。 2 番目が上限を決めて義務化。 3 番目に選択的措置義務のメニューに所定外労働の今入ってない部分を入れるというところで、 (3) の選択肢の(2)とつながるということです。

○池田委員 つながるということなのですね。

○蒔苗職業家庭両立課長 はい。

○池田委員 ちなみに確認ですが、時間外労働の制限と所定外労働の免除は、子育てだと 2 つ残業に関して規制があると思いますが、介護は時間外労働の制限というのは係かっているのですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 入っています。

○池田委員 それではなくて、今議論しているのは所定外労働の免除に当たる部分ですね。

○蒔苗職業家庭両立課長 はい。

○佐藤座長 ですから、ここはもし選択的措置義務に所定外労働の制限を入れる企業があれば、ここはあれですが、そこに入れない企業もあるわけですね。そうすると、ここは残っているということです。

○池田委員 なるほど。

○佐藤座長 育介法のほうも、今はそういう形になっているのでということです。

○池田委員 では、単独で所定外労働免除を別立てでメニューに入れるという、規制に加えるのもあるということですね。

○蒔苗職業家庭両立課長 ええ。それが (4) だと思います。

○池田委員 ああ、そうですか。

○佐藤座長 一応分かりやすいようにしてもらったのですが、まだ分かりにくければ考えます。確かにいろいろ選択がある組合せなので、このときは前のほうの組合せはどうなるのかというのは常にあるのですが、それは確かに御指摘のとおりです。

○池田委員 研究会で少しこういう話があったと思いますが、介護の場合は余り大幅に勤務時間を短くしなくても、ある程度定時で帰れれば両立ができるとか、いつまで続くか分からない部分、なるべく普段どおり働ける中で小まめに調整できることがいいだろうという話があったと思うので、なぜ介護の所定外労働免除が必要なのかというところに、ある程度フルタイムでも継続できるということが一言あると良いと思いました。

○佐藤座長 池田委員が言われた 1 つは 14 ページの下からで、これは所定労働時間短縮措置等で書かれているところですが、介護の場合、フルタイムの働き方が柔軟であれば、子育てとは違って、短時間勤務の必要な人はもちろんいるわけですが、必要のある時期とか、期間とか、人によっては減るのではないかという趣旨で 14 ページの下から 15 ページの上にあると御理解いただければと思います。

○両角委員 今の話との関連で、なるべくフルタイムで働ける、柔軟にするのがいいと。ただ、その前提として必要なデイサービスなどが必要なだけ受けられることが満たされていないと、それは短縮勤務が必要になってしまうので、その辺のことを具体的には 11 ページの ( 仕事と介護の両立支援制度の整理 ) 4 番目の○の辺りかと思ったのですが、報告書だと 9 ページの一番上の所に介護サービスと育児介護休業法は車の両輪だと総論が書いてあって、 11 ページの 4 つ目の○辺りで、その介護についてのバランスの必要性を書いて、更に 14 ページ、 15 ページの辺りがその具体例という感じになるといいかなと思います。

○佐藤座長 確かに御指摘のとおりで、前回もデイサービスのも少し制度的には伸びた。ただ、石山委員が言われるように、実際に利用できるかというと、課題もあるという話だったので、そちらが十分サービスを提供されるという前提というのはすごく大事なので、そこも考えてみます。保育サービスと同じように保育園に入れないので、育休 1 年で半年延ばすみたいなのが常態化したら余り望ましくないので。もちろん長く取りたいという人は別ですが、そういうのは問題です。

○池田委員 例の短縮措置の部分の期間の話です。これは一応報告書としては、 15 ページの上に、前回も言及されたと思いますが、期間設定に当たっては介護離職に至る期間のデータ等を踏まえることが適当であるというのは、三菱の例の期間のデータを踏まえて今後検討を重ねるということですね。

○蒔苗職業家庭両立課長  14 ページの現状の所にあります。平均的介護期間 46 か月、在宅期間 30 か月を指しています。

○池田委員 せっかく調査したので。

○佐藤座長 ですから、期間もややこれを検討する。十分いろいろ議論は検討してきたのですが、期間を切り出す場合でもどのぐらいかというのは、なかなか難しいので、もし切り出すとすれば期間をどうするか、中身をどうするかという両方の議論をしなければいけないので、それは池田委員が言われたように、データ等を踏まえてやることになると思います。つまり、もともと中の 93 日も休業だったわけです。だから、今あるのも 93 日でいいかどうかということはもちろんあるので、休業のほうの議論で 93 日があったというだけの話なのです。もし切り出した場合の期間は、またゼロから議論する必要があるかと思います。

○石山委員 期間の議論のときに御配慮を頂きたいのが、実際にどれだけ今まで取っておられるかということも重要ですが、今後、認知症の方々が増えていくことを考えますと、認知症の方の場合に疾患別の休業の取り方、休暇の取り方では、実際に介護をなさっている期間中の休みの取得が多かったので、その辺りを配慮して御検討いただければと思います。

○佐藤座長 あと、先ほど中井委員が言われた介護休業にしても、今の短時間勤務等の措置義務については、期間を考えるときになかなか難しいのは、現状、つまりいろいろな両立の仕組みを組み合わせて使うわけです。人によっては別の組合せのほうがいいという場合もあり得るので、現状の使い方が望ましいかどうかというのもあるのです。結構判断が難しくて、ほかの所でも両立のために必要な情報を得るには、現状でいうと、得られていない人が結構多いわけです。そういう意味では本来は別の組合せのほうがいい場合もある。そういうことも考慮しながら、実態の利用期間を見ないと。そういう意味では非常に難しい面もあるかと思います。

 実際上、企業からすると、例えば電機もそうですが、介護休業を延ばしてきてしまったのは事実なのですが、それもいろいろ考えて延ばした労使ばかりではないので、何となく子育てのほうに合せて延ばしてしまったというのは多いのです。延ばしている企業が多いから、それは合理的とはなかなか言えないかと思います。ほかにはいかがですか。また戻ってきますが。

 それでは、次の 17 ページの 2 の多様な家族形態・雇用形態に対応したというのと、 3 の最後までで、有期と男性の関わりをどう進めるかの大きな課題が書いてある所ですが、いかがですか。

○中井委員  18 ページの一番下の○の所です。数値は前回より分かりやすく記載を頂いていますが、前回この部分に有期契約労働者への制度適用範囲について見直しを含めて検討する必要があるという記載があったかと思います。今回はその記載が削除されたことでトーンが弱くなっているとの印象を受けました。

 有期契約労働者に関わる育児休業の取得要件に関しては、前回もありましたとおり、国会による 2 回の附帯決議にもありますし、昨今の世論の盛り上がりもあります。そういったことを踏まえると、研究会として見直しに前向きの姿勢を見せるべきではないかと考えています。

 また、今回私はこの研究会に参加させていただくに当って、非正規労働の方からご意見を聞かせていただきました。その中で、やはり育児休業の取得要件に関わる見直しをしていただきたいという意見が多く出ていました。繰り返しになりますが、そういったことも踏まえますと、育介法の趣旨が就業の意思がある労働者の就業継続を支援するということであるならば制度を取って働き続けたいという労働者の希望がかなえられるような法にすべきであると考えますし、現行の有期雇用労働者の要件について見直しが不可欠であることを是非明記いただきたいと思います。以上です。

○神吉委員 今のことに関連して、 18 ページの有期契約労働者のうち育児休業を取得した者の割合が 69.8 %という数字についての意見です。 6 ページにも同じ数字があり、「この割合は妊娠後調査時点までに退職していない者のうちの育児休業を取得した者の割合である」と書かれています。有期契約労働者の場合は退職する人が多く、 7 割ぐらいが取れているようにみえるのはミスリーディングなので,同趣旨なのですが、この部分に「退職した者が含まれていないことに留意すべき」だという書き方で明記しておくといいのではと思います。

○佐藤座長 今のは、 18 ページにも前と同じように書けという話ですね。

○神吉委員  69.8 %という所ですね。

○佐藤座長 その下では「 4.0 %で低い」と。

○神吉委員 そうですね。取得して就業を継続する割合が 4.0 %という。その前段階のところで、この 69.8 %というのが低い割合となっているのだけれども、本当は更に低いということなので、 7 割はあるということではないことが、もう少し明確になるといいかなと思っています。

○佐藤座長 前のような書き方にするということかな。前のほうはきちんとそのことが書いてあるから。

○神吉委員 前は有期で、 4 %のところはパート・派遣ということですよね。

○蒔苗職業家庭両立課長 対象は同じです。

○佐藤座長 同じだよね。

○蒔苗職業家庭両立課長 下の調査ではパート・派遣という区分で聞いていますが、いわゆる有期の方でして、上の調査は有期契約労働者ということで、指している層は一緒です。

○神吉委員 でも、法律的には、有期、パート、派遣は全然違うので、そこが整理されるといいかと思います。

○佐藤座長 分かりました。

○両角委員 有期雇用のところです。先ほど中井委員が言われたこととも少し関係するかもしれませんが、根本的に考え方から見直すという話と、今の法的ルールが余りにも不明確なので「紛争になりかねない」と書いてあるように、明確化する必要があるという話があって、後者についてはかなりコンセンサスがあったのではないかという気もしています。つまり、現在の要件が法的ルールとしてよくないというか、明確でないという問題を、もう少しきちんと指摘してもいいのではないかと思います。だから、「要件の見直しを検討するに当たっては」という 3 番目の○の所でも、「育休取得者の契約更新に関する法的ルールの明確化」とか、そういうような表現が出てきてもいいように思いました。

○池田委員 私もここの部分は書き方の整理ができる余地があると思っています。ある程度有期の育休の規定が今のままで大丈夫だとはなっていないと思うので、検討すべき課題があるということは書いても良いと思います。もちとん前段の所で、「即座に見直すべきだ」という言い方は田代委員からも言い過ぎだという御発言はあったと思いますので、そこは書きぶりに注意しなければいけませんが。

 その上で、どういう課題があるかというのは、正に両角委員の整理がそうだと思います。私も前回、要件の明確化と要件緩和の議論を分けたほうがいいという話をしましたが、 19 ページの ( 今後の対応の方向性 ) の○に当たる所の「紛争の原因になりかねない」ということが、この研究会で一番問題になったというか、「問題だよね」と皆さんがおっしゃったことだと思います。これについては、ある程度白黒はっきり付くような、要件の規定の書き直しという面が強いですよね。適用範囲をどうこうするという話ではないです。

( 今後の対応の方向性 ) 2 つ目の○にある、例えば「子が 1 歳に達する日までに労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がないことが明らかである者のみ、育児休業が取得できないこととすべき」ということは、多分、上の紛争との関係で似たような話はあったと思うのです。完全に見込みがない人を外すのか、多少なりとも見込みがあったら OK にするのか、かなり見込みがないと駄目なのか、その辺が曖昧だという話は研究会の議論でもあったと思うので、そのように規定をより明確化していくということは、研究会の 1 つのコンセンサスとしてはっきり明記していいのだと思います。

 その上で、範囲を見直すというのは、要するに要件の緩和とか、労働組合のほうから「撤廃したほうがいい」という意見もありましたし、今回の報告書に「明らかに契約が更新されない人も含めていいのではないか」と。これについては、もっといろいろな意見がこの研究会で出ていたと思うのです。そもそも両角委員、神吉委員が、「外国ではこのような後要件を課している国はないから、あること自体に違和感がある」というお話もありましたし、この点については今後いろいろと検討しなければいけない余地が多いと思います。ですが、 3 つ、 4 つ研究会で各委員から出た御発言で、こういうのがあったということをもう少し列記する形で、議論の広がりと深みを両方、今後の展開に期待するような書き方になっていてもいいのかなと思いました。だから、要件の明確化と緩和について、範囲をどうするかという話と、範囲の境界線が曖昧だという話で、 2 つを分けて書いたほうがいいのではないかと思いました。

○両角委員 少しだけ補足してよろしいでしょうか。

○佐藤座長 どうぞ。

○両角委員 前回も少しお話になったかと思うのですが、それを完全に分けるということができなくて、今ここにある意見のように明確化すると、その意味では緩和するということになる、つまり明らかに更新しない人だけを外すということにすると、範囲としては広がるということにはなると思うのですが。

○池田委員 実際上は、今まで取れていなかった人が取れるようになるので、「範囲としては広がる」という見方もできますが、今言っている緩和とか撤廃というのは、後要件そのものがそもそも必要なのかとか、そちらのほうの話。

○両角委員 そうです。その議論と。では、言っていることは同じだと思います。

○池田委員 そうですね。イメージしていることはほぼ変わらないと思います。

○佐藤座長  19 ページの上から 4 つ目の○で、ここの「見直しの検討」といったときの見直しが、 19 ページの上の基本的には現状の枠組みを想定して、明確化する範囲と、 4 つ目が読めるかどうなのだけれども。

○池田委員  4 つ目は、「要件自体を撤廃したほうがいい」という意見もニュアンスとしては入るので。

○佐藤座長 そうですね。

○両角委員 多分、雇用継続のための休業なのだから、継続する見込みのない人は外すという考えは維持しながら、もっと明確な法的な要件にするのか、それともその考え方自体を根本的に考え直すのかという話があって、後のほうについてはコンセンサスは得られていないと思うのですが、前のほうについては、ある程度はあったのではないかというように。

○田代委員 この問題は、明らかに雇用継続の見込みがある人にとっては現行法でも当然取れるということなので、それ以上のものがあるのかなと思います。そもそも雇用継続ができるかできないか、これは労働者側の意思だけではなくて、経営者側の意思もありますから、その問題は育児休業をとるとらないというよりも、正に雇用をどうするかという議論ですので、そこを明らかにできるかできないかというのは、育児休業法の問題とは別の話であって、育児休業取得者だけは明らかにすべきだと言われても、それとは別の議論ではないかと思います。

 そうすると、結果的にいうと、雇用継続が明らかな人に対して、継続就労を支援するという観点で、当然そういう人たちは取るのだという、それ以上の表現ができるのかなというのが、よく分からないところです。

 一方で、逆に育児休業を取るということを理由に、雇用継続を断つということはあってはならない、雇用継続を前提にしている人が申し出たことによって、それを不利益な扱いをするというのは、当然できないわけですが、逆に育児休業を申し出たから当然の如く雇用継続をしなければならないというものではないと思います。明確にということを突き詰めると、結局明確になったものが、育児休業を取るのだという記述に落ち付くのではないかと思います。

○池田委員 「引き続き雇用されることが明らかであること」となっていたら、今より範囲が広くなるか狭くなるかはともかくとして、紛争にはならないと思うのです。雇い入れると言っていないから取れないよと。ただ、今の「見込まれる」というのが、田代委員がおっしゃるように、本来あってはならないことなのですが、申し出た時点で「 1 年後に仕事あるかな」となるケースが相談事例などでもありましたが、そういう意味では、やはり現状の曖昧だという問題はあると思うのです。

 それに関して、神吉委員か両角委員がおっしゃった話だと思うのですが、取りあえず取るだけ取らせて、派遣の人などはそうですが、復職のときに仕事はありませんよと。それで復職できないということが不利益取扱いになるかどうかで判断すればよくて、取りあえず分からないなら取らせてしまえばいいではないかという考え方もあると思うのです。そういう意味でいうと、要件を撤廃して、続けたいという人は取りあえず取らせて、復職できるかどうかのところで判断すればいいというのも、乱暴な議論としてはあると思うのです。ただ、その辺についてはコンセンサスがないので、そういうことは上から 4 つ目の所に、「いろいろ議論がありました」ということを書いておけばいいと思うのです。

○佐藤座長 現行の枠組みの中で議論するというときに、妊娠、出産した人の雇用の継続、これを変えない中でどう検討するかということと、もう 1 つは今言ったように、継続が分からなくても取れるようにすると。これはかなり大幅な変更です。これについてはいろいろと議論があって。ただ、特にこの場合は所得保障のほうなので、所得保障をどうするかということもかなり関わって、これは雇用継続というわけでもなくて、海外の場合は所得保障のほうが大きいのかなという気がして。多分雇用の継続ではないのです。育休を取ると所得保障が付いてくるということで、これは現行の枠組みと相当違うので、これについては議論も十分にしていないので、そこは今回は書けないけれども、前半のほうですよね。

 雇用の継続を前提とした上で、つまり、雇用が継続されるのは明らかというところで限定するのと、もう 1 つは継続されないことは明らかという両極があります。その辺の幅はあるかなと。そこでの議論の必要性はそれぞれ、どこにウエイトを置くかはありますが、基本的に雇用の継続が目的で、これは動かさない中でも、もう少し検討の余地があるのではないか。どれに落とすかは議論があると思うのだけれども、「この中での議論の必要性はあるのではないか」ぐらいのコンセンサスはあったかなというところなのですが。

○田代委員 そういう議論があったということは理解しております。

○佐藤座長 そこは考えさせてください。そのように書けるかどうかです。ほかにはどうですか。全体を通じて何かお気付きの点があれば。 1 つは、介護休業の期間について、セーフティネット等でもう少し長くしたらどうかという御意見が中井委員からありました。ただ、他方で、見通しが付かないからこそ長く取れるのがいいのかという話もあって、やはり全体のシステムとしてどう整備していくかというのと、そこだけではなく、全体の働き方なり、もう少しフルタイムの柔軟化ということを整備していけば、分割は必要かもしれないけれども、いろいろな調査を入れていいのではないかという方は結構多かったかなという気はします。あと、短時間勤務のところの 93 日の中から取り出した場合に、分かりにくいとか、所定外免除とか、もう少し分かりやすくするという御意見がありました。あと、有期の方の育休のデータが違うところは分かりやすく、特に 18 ページは書き直す形にさせていただければと。

 あと、有期のところの育休の要件については、基本的には雇用の継続の可能性のある人が取れる。ただ、その中でもう少し分かりやすくできないか。この答えも幾つかメニューはあるのですが、そこの範囲内で明確にするという、幾つか選択肢があるということではないかというのは、合意できたのではないかという御意見がありましたが、今、そうは読めないのではないかという話もあったので、それは検討させてください。

 他方で、大幅に変更することについては、雇用見込みがなくても取れるというのは枠組みを変えなければいけない議論で、確かにその必要性はあるかも分からないけれども、今回の議論の中ではできなかったかなと思いますので、中に入れられるかどうか、あるいは議事録でということになるかもしれませんが、所得保障のことも含めて全体の設計をし直すということになるかなと思いますので、それは確かに大事な点だとは思います。働き方にかかわらず、ある面ではその期間の所得保障があるという形に組み変えてしまうかどうかですよね。ほかにはいかがですか。

 広い意味でワーク・ライフ・バランスに関わるテーマなので、 2 時間あるからといっても 2 時間やる必要はないので、十分に議論を尽くせば、内容の問題ですので、早く終えても問題はないです。いかがでしょうか。

○中井委員 介護休業の期間についてですが、ほかの仕組みとの組合わせであったり、長期に取れることがどうかといった皆さんの御意見も、十分に理解している部分もあるのですが、先ほどもお話をさせていただいたように、セーフティネットという意味であったり、あとは石山委員もおっしゃっていたように今後認知症が増えていきます。そこに付きっきりで休業することがいいのかということもありますが、施設に入所するまでの期間が長くなることも見込まれるということもあるので、今回の研究会での最終的な結論ということでなくても、先ほど池田委員がおっしゃったように、今後の検討課題ということに、是非していただければなと思っております。

○佐藤座長 セーフティネットというのは、介護休業だけではなくて、全体がセーフティネットと考える必要があるかなと思っていて、極端な言い方をすると、人によっては短時間勤務をずっと取れるほうがいいという考えもあり得るので、そこはいろいろ議論はあるかなと思います。

○池田委員 報告書の中の総論の部分か、各論の前段の所でしょうか、 10 ページの辺りかもしれませんが、制度をうまく組み合わせることを前提で考えていくということを書いておいてもいいのかもしれないですね。

 今、中井委員がおっしゃった話というのは、私もこのテーマをずっとやっていて思うのですが、例えば期間でずっと見たときに介護休業がどのぐらい必要なのかというと、なかなか答えは出ないと思うのですが、石山委員がおっしゃったように年単位で見たときに、今の介護休暇の日数で足りるのかと考えたら、月に 1 回はケアマネに会わなければいけないし、年に 1 回ぐらいは体調を崩すかもしれないとか、インフルエンザになって入院するとか、そういったことがあった場合に、介護休暇のほうの期間でいろいろな長期的な対応を考えていくというのも、 1 つの発想だと思うのです。 1 回の介護休業をどんと延ばすのではなくてということです。いろいろな制度の組合せのバリエーションがあって、その中で一つ一つの介護休業の期間がどうとか、短時間勤務の期間がどうとか、介護休暇の日数がどうということは決まっていくものだと思うので、単体でそれぞれが全部、 1 年取れるし、介護休暇も 2 週間取れるとなれば、安心は安心かもしれませんが、法律で無用の長物を増やすのもよくないと思いますので、全体のミックスで両立が成り立つことを前提に考えたほうがいいということを書いておくと良いかもしれません。当然介護保険のサービスも含めて。前段に少しそういうことも書いておけばいいのではないか。そうすると中井委員がおっしゃるような問題提起を、どのように今後考えていったらいいかという方向性を示すことにもなるのではないかと思うのです。

 単に、 1 個の制度、制度を増やしたからいいということではないというか、そもそも 93 日というのは介護休業が全然使われていないということから問題がスタートしているので、それを 1 年にしたら使われるというのは、唐突な感じがするのです。

○佐藤座長  7 ページの全体の議論、子育てと違って介護の場合の両立支援の在り方というのはシステムとして考えなければいけないというようなことで、もちろんその中である程度組み合わせていくのだけれども、 1 1 個後ろでは議論するのだけれども、全体として、セーフティネットとして出来上がっているかどうかが大事だということを書くかどうか。 7 ページの 2 の最初の○の 3 つ目、この辺かも分からないのですが、検討させていただければと思います。

○池田委員 はい。

○佐藤座長 後ろのほうは 1 1 個議論されているので、個別に考えてしまうということになりがちなのです。大前提は介護保険によるサービスのほうもやりながら、それを前提として、システムとしてセーフティネットを張れているかどうかということで検討するということを、書いたほうがいいかもしれないですけれども、検討させてください。

○田代委員 そういう観点で整理いただいたほうがいいと思います。それぞれ個々人のいろいろなニーズを個々のアイテムで解決しようとすると、全体が非常に重くなりますので、周知の問題も含めて、組合せで、いろいろな形で乗り切っていくのだということが、特に介護の場合は個別性が高いので、非常に大事なポイントだと思います。

○佐藤座長 まだまだ仕事と子育ての両立と同じような枠で考えてしまう嫌いがあるので、基本的に違うということで、取り分け全体のシステムとしてが介護の場合は大事だということを書いたほうが、それは企業だけではなく、実際に介護に直面した人も十分にそこを理解されていないところがあるので、そうしないと介護休業を延ばしてという話にもなるし、実はほかのものを組み合わせればそのような必要はないというのを知らないとか、そういうこともあるので。そうすると、大体よろしいですか。

○石山委員  2 点ございます。まず 11 ページの○の 2 つ目の「このため」という段落です。「介護休業については、急性期や在宅介護から施設介護へ移行する場合や末期の看取りが必要な場合など」となっているのですが、介護の体制を構築する必要性がある場合として、これだけではなくて、在宅の継続期間中であり、大きく状態が変化した場合、特に入院等の必要性はないのだけれども、大きく状態が変化したときには、改めて体制を立て直さなければならないということもあるので、ここだけを見ると病気が発生したとき、住まう場所が変わるとき、本当にいよいよ最後のときという大きなイベントにしか見えないのです。ただ、在宅を継続しながら就労継続ができるということが目的の 1 つでもあるので、在宅でも大きく状態が変化した場合というのを付け加えてくださると、利用する側の方の目的、利用の仕方がもう少し。

○佐藤座長 分割の議論をしたのはそのためですからね。

○石山委員 はい。恐らく要介護 2 から要介護 3 に転換するときぐらいが、見守りの介護から実際に手を使わないといけない介護に変わってくるので、ここを上手に越えることができれば、施設入所というのではなく、在宅を継続することもできると思いますので、こういったところを入れていただければなと思います。

 もう 1 点は、 13 ページの上から 2 つ目の○で、「この点について」という段落の最後です。「介護休暇制度の活用・利用拡大を進める必要がある」という所で、ここに入れるのが適切なのかどうかは別として、検討いただきたいのが、先ほど「介護休暇、介護休業といったことだけがセーフティネットではなく、全体がセーフティネットだ」というお話がありました。正に、ケアマネージャーとしっかりと相談していただくというところから全体の資源を使っていくということにつながりますが、この介護休暇制度の活用の前に周知をしておかないと、このような使い方ができる、ケアマネージャーと相談することに使うのだということそのものが、発想がなければつながっていきませんので、周知というものをどこかに入れていただければなと思います。

○佐藤座長 つまり、 16 ページのほうに周知はずっと書いてあるので、一応こちらには「ケアマネージャーに相談して」ということは書かれていますが。

○石山委員 そうですね。

○佐藤座長 例えばケアマネージャーに相談するときに、介護休暇も使えますよというようなことの周知ですか。

○石山委員 それも周知ですよね。

○佐藤座長 周知の中身ですね。

○石山委員 そうですね。あとは、改めて周知という言葉が、例えばパパ・ママ育休プラスであれば 22 ページに「周知を行うべきである」と「周知」という言葉が明確に書かれているので。

○佐藤座長 中にもあるのではないかということですね。分かりました。もしかしたら 16 ページでやれるかもしれません。

○武石委員 遅れて来て済みません。細かいのですが、先ほどの「介護休業、介護休暇、選択的措置義務は全体として機能する」の延長なのですが、 14 ページの「所定外労働時間の短縮措置」の所での流れで、 ( 今後の対応の方向性 ) の下から 8 行目の辺りです。「介護休業と通算して 93 日間という期間から切り出した上で、措置の期間について検討すべきとの意見や」という言い方なのですが、介護休業と切り離すというのは、「そういう意見があった」というよりもかなり強い意見だったかなという気がするので、要は介護休業というのは集中的に必要なところで取る。介護休暇、選択的措置義務というのは、先ほども議論のあった、その後の長い介護の中で、そのときどきで必要な対応でということで、そもそもの位置付けが違うので、別物と考えていいのではないかという議論であったように思うので、そういう意味では 93 日という期間から切り出すことが、まずは必要だということはもう少し強く言ってもいいのではないかと思いました。

○佐藤座長 介護休業の趣旨をどうかということで考えたときに、この中にほかのものと一緒に入っているのはどうかという議論もあったので。その辺はいかがですかね。ただ、切り出した後、どういう期間にするか、中身をどうするかについてはいろいろな意見があって、介護休業は分割で延ばさないとした場合には切り出してということは、ある程度のコンセンサスはあったのではないかということですが、いいですか。そこは検討させてください。

 大体御意見を伺って、具体的にどう文章に落とし込むかは検討しますが、一応このように整理すればいいかということについては、大体御意見を伺えたかなと思いますので、今日の御意見を踏まえて修正させていただいて、その案を皆さんにお送りして見ていただきます。その後の意見については、私と事務局で調整させていただいて確定する形でよろしいでしょうか。

 そのようにさせていただきます。至急、今日の御意見を踏まえて改訂版を作っていただきます。かなり御意見についても議論しましたので、事務局で早い時間でまとめていただけるかと思いますので、いつ頃というのは言わなくてもいいですか。

○蒔苗職業家庭両立課長 来週ぐらいには。

○佐藤座長 来週とはいえ幅はありますが、夕活もありますので余り残業などしないで、やれる範囲内でやっていただくということで。皆さんには数日で見ていただいて、お戻しいただいて、後は事務局と調整させていただいて、確定し次第公表という形になるかと思いますので、そのように進めさせていただければと思います。そのようなやり方で御了解いただいたとさせていただければと思います。

 今日は最後の研究会ということですので、安藤局長から御挨拶いただけるということですので、よろしくお願いいたします。

○安藤局長 雇用均等児童家庭局長の安藤でございます。委員の皆様方におかれましては、今後の仕事と家庭の両立支援の施策の在り方につきまして、昨年の 11 月から計 9 回のヒアリングも含め、 13 回にわたり御議論いただいたところです。育児休業法は平成 3 年に成立し、平成 7 年に介護が入り、通算今回で 5 回目の改正になります。振り返ってみますと、その都度重要な改正項目があったわけですが、介護の関係で本格的な見直しをしたというのは今回が初めてだと言っていいかと思います。また、今回は育児につきましても、最近の社会の変化に対応すべく非常に広範な課題について取り上げていただきました。本当に多くの論点がある中で熱心に御議論いただきまして、大変深い内容の濃い御議論をいただいたと思っております。もう少し聞いていたいと思うぐらいでございました。

 本日、報告書の取りまとめに向けて、最後の詰めをしていただきましたので、これから私どものほうで座長とよく御相談をしながら、最終取りまとめに向けた事務を早急に進めていきたいと思います。

 報告書が取りまとまりました後には、秋以降、労働政策審議会雇用均等分科会に御報告し、育児・介護休業法の見直しについての本格議論に入っていくという段取りを考えています。

 委員の皆様方、本当にお忙しい中での御協力に改めて御礼を申し上げるとともに、今後とも私どもの雇用均等行政につきまして、御理解、御支援、また御指導を賜りますようお願いを申し上げまして、御礼の御挨拶にさせていただきます。本当に、どうもありがとうございました。

○佐藤座長 ありがとうございました。今の局長からも話がありましたが、 27 ページに 13 回やったとあり、 8 か月で 13 回ですから、本当にお忙しい中御参加いただくだけではなく、熱心に議論をしていただきました。私は仕事と介護の両立支援については、かなり議論を深められたかなと思います。論点はきちんと整理できたかなと思いますので、これを踏まえて法改正の議論をしていただければと思います。どうもありがとうございました。

 


(了)
<<照会先>>

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
電話 03-5253-1111(内7864)

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