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2015年7月9日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第1回) 議事録

○日時

平成27年7月9日(木)9:59~12:07


○場所

厚生労働省専用第14会議室(12階)


○出席者

真野主査、五十嵐構成員、石渡構成員、名里構成員、橋田構成員、平井構成員、松原構成員

○議事

(以下、議事録)

○政策評価官

 ただいまから「第1回独立行政法人評価に関する有識者会議医療・福祉WG」を開催いたします。政策評価官の大地と申します、よろしくお願いいたします。

 有識者の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、本WGの構成員にご就任いただき、また本日はお足下の悪い中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。

 今回が初めての開催ですので、このWGの位置付け等についてまず簡単に御説明させていただきます。昨年6月に成立した独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴い、独立行政法人の業績評価等、これまで実施してきた各府省の独立行政法人評価委員会が廃止され、本年度より、主務大臣が独立行政法人の業績評価を実施することとされております。また、主務大臣が実施する評価については、改正独立行政法人通則法第28条の2の規定に基づき総務大臣が定める「独立行政法人の評価に関する指針」において、評価の実効性を確保するために必要に応じて外部有識者の知見を活用すること等が示されております。

 これらを踏まえ、厚生労働省においては、所管する中期目標管理法人11法人の評価に際し、外部有識者の知見を活用することを目的として、客観的かつ専門的な立場から助言をいただくため、独立行政法人評価に関する有識者会議の5WGを開催し、有識者の皆様方から御意見を賜ることとしております。

 本日は第1回目の会合ですので、後ほど、事務局のほうで本WGの主査をお願いしております真野構成員に議事進行をお引き継ぎいたしますが、それまでは私のほうで議事進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本WGの開催に当たり、情報政策・政策評価審議官の安藤から一言御挨拶させていただきます。

 

○情報政策・政策評価審議官

 情報政策・政策評価審議官の安藤と申します。どうかよろしくお願い申し上げます。本日は大変お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。

 また、独法評価委員会に引き続き、本会議の構成員をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。今、評価官から御説明申し上げたとおり独法通則法が変わり、新しく大臣が直接評価をするという形になっております。その趣旨は恐らく独法に対する指導・監督の実効性を高めていくことだと存じます。それについては私どももきちんと取り組んでいきたいと存じますが、何を指導・監督していくのかということについては、長年にわたり適切に独法の評価をしていただきました先生方の意見をきちんと踏まえていく必要があると存じます。そういった意味で、この会議では引き続き忌憚なく御意見を交わしていただき御審議をしていただきたいと存じます。どうかよろしくお願い申し上げます。

 

○政策評価官

 続きまして構成員の皆様方を御紹介させていただきます。お手元に配布しております参考資料15ページに名簿を付けております。こちらに沿って五十音順に御紹介いたします。

 公認会計士の五十嵐邦彦様、東洋英和女学院大学人間科学部教授の石渡和実様、社会福祉法人訪問の家理事長の名里晴美様、京都大学大学院薬学研究科教授の橋田充様、神戸大学医学部附属病院薬剤部長・教授の平井みどり様、明治安田生命福祉研究所医療・福祉政策研究部長の松原由美様、本WGの主査をお務めいただくことになります多摩大学医療・介護ソリューション研究所所長・教授の真野俊樹様、本日は御欠席ですが大阪府立大学地域保健学域准教授の三田優子様、以上8名の皆様に本WGの構成員に御就任いただいております。

 

○松原構成員

 明治安田生活福祉研究所医療・福祉政策研究部長の松原でございます。

 

○政策評価官

 大変失礼しました。

 本WGですが、医薬品医療機器総合機構、福祉医療機構、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の3法人に係る業績評価、すなわち独立行政法人通則法第32条第1項各号に規定される「年度評価」、「中期目標期間見込評価」、「中期目標期間実績評価」について御意見を賜るとともに、これらに関する重要事項についても意見聴取の対象としているところです。

 続いて、本日の議事及び平成27年度以降の中期目標管理法人の評価について、室長補佐の今宮から御説明いたします。

 

○政策評価官室長補佐

 室長補佐をしております今宮です。どうぞよろしくお願いいたします。本日の議事及び平成27年度以降の中期目標管理法人の評価について御説明いたします。

 まず、本日の議事はお手元に配布しております議事次第のとおり、医薬品医療機器総合機構の平成26年度業務実績評価に係る意見聴取です。

 参考資料1を御覧ください。先ほど、大地より御説明させていただいたとおり、改正通則法の施行に伴い、本年度より、主務大臣が法人の評価を実施することとされており、厚生労働省におきましては、所管する中期目標管理法人、11法人ありますが、その評価に際して外部有識者からの意見聴取を行うこととしております。

 本WGにおいては、本年度、担当する3法人の平成26年度業績評価、いわゆる「年度評価」について御意見を賜ることとしております。このうち、本日は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の年度評価について御意見を賜ることとしております。

 続いて、平成27年度以降の中期目標管理法人の評価について御説明いたします。参考資料2を御覧ください。資料の1枚目にありますが、これまでの独立行政法人の評価と平成27年度以降の独立行政法人の評価を対比する形で整理しております。最初に評価主体・評価の体制等についてです。改正通則法の施行に伴い、法人の業績評価につきましては主務大臣が実施・決定することとされており、厚生労働省においては、評価に際して外部有識者の知見を活用し、改正通則法第32条第1項各号に規定される年度評価、中期目標期間見込評価、中期目標期間実績評価を実施することとされております。なお、これまで各府省の評価委員会がその役割を担ってこられました役員の退職金に係る業績勘案率の算定や法人の財務諸表、組織・業務全般の検討、そして中期目標、中期計画等については、改正通則法の施行に伴い、今年度より主務大臣において算定・決定等が行われることになりますので、基本的に、これらの事項については本WGにおける意見聴取の対象事項としては含めておりません。

 続いて評価基準等についてです。これまで各府省の評価委員会がそれぞれ評語、評価基準、評価様式等を定め評価を実施してきました。厚生労働省においては、評価委員会が定める評価基準に基づき、中期目標を定めた項目ごとに5段階の評定を付す個別評価と、法人の全体の状況についての記述による総合評価を昨年度まで実施してきたところです。

 改正通則法の施行に伴い、本年度より改正通則法第28条の2の規定に基づき、総務大臣が定める独立行政法人の評価に関する指針において統一的に示された評語、評価基準、評価様式に基づき評価を実施することとされております。中期目標を定めた項目ごとに評定を付す「項目別評定」と、法人全体の状況について評定を付す「総合評定」により評価を実施するとされています。

 最後に、第三者機関の役割としての各府省の評価等に対する、総務省の関与についてです。これまで、各府省の評価について総務省が二次評価を行い、必要に応じて意見を述べるほか、各府省の評価委員会が算定した役員の退職金に係る業績勘案率について決定前に意見を付すとともに、中期目標期間の終了時においては、法人の組織・業務全般の検討に際し、主務大臣に対して勧告を行ってきたところです。

 改正通則法の施行に伴い、本年度より、中期目標期間の終了時において、見込評価、組織・業務全般の検討、そして次期中期目標の策定に関して、勧告ではなく、主務大臣に対して意見を述べることとされております。

 資料の2枚目は年度評価の流れについてです。基本的に、中期目標期間評価(見込評価・期間実績評価)についても同様の流れで実施することとなります。まず、左側の「評価項目」についてです。評価項目については原則、中期目標を定めた項目を単位として設定することになりますが、的確な評価を実施する観点から評価項目を更に細分化することも可能とされております。

 評価につきましては、これらの評価項目ごとにまず「項目別評定」として、中期目標の達成状況、中期計画の実施状況等を考慮して5段階、SDの評語による評定を付すこととなります。項目別評定においては定量的・定性的双方の観点から評価を実施し、B評定を標準として評定を付すこととなり、定量的指標が設定されている評価項目については、目標値の達成状況が100%以上120%未満の場合には標準であるB評定、120%以上の場合にはA評定、80%以上100%未満の場合にはC評定を付すこととされております。なお、中期目標等において難易度が高いと整理された評価項目については、これらの基準により付した評定を一段階引き上げることを考慮することとしております。

 その後、「総合評定」として、項目別評定を基礎とし、法人全体の状況について記述及び5段階、SDの評語による評定を付すこととなります。そのうち、5段階の評語による評定については、重要度が高いとされた評価項目は、個別評定と同様に十分に考慮するとともに、法人の信用失墜事象が生じた場合は、その程度に応じて項目別評定を基礎とした評定から引き下げることとされております。特に、法人組織全体のマネジメントの改善を求める場合においては、是正措置が実施されるまでは「A」評定以上の総合評定を行わないなどの調整を行うこととされております。

 こうした一連の評価に当たっては、先ほどの資料で言いますと上の緑色の枠で囲っている中の2つ目の○で、独立行政法人の評価に関する指針において、必要に応じて外部有識者の知見の活用等の手法を適用することに加え、監事も含めて法人の長からのヒアリングを実施するほか、監事等からも意見を聴取するなど、役員等から必要な情報を収集し、法人の実情を踏まえた的確な評価を実施するとされております。

 このため、本WGにおいては、まず、中期目標の事項別に2つのパートに区分し、項目別評定について御議論いただいた後、日々のマネジメントや監査等を踏まえ、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等について法人の理事長及び監事からコメント等を頂き、それらを踏まえて、法人全体の状況について評価する総合評定という、3つの段取りで御議論いただくことを考えております。よろしくお願いいたします。参考資料2の説明は以上です。

 なお、本日は議事次第に記載している資料に加え、別途、カラーのパンフレットを配布しております。「社会保障と税の一体改革」というタイトルになっております。こちらは、内閣官房、内閣府、総務省、財務省、そして我々厚生労働省が協力して作成し、内閣府の政府広報室が発行したものです。政府全体で取り組んでいる一体改革の趣旨・背景等を分かりやすくまとめたものです。構成員の皆様方におかれましては、内容的に既に御承知かと存じますが、取組内容の御紹介として参考配布させていただきましたので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○政策評価官

 ここからの議事進行については真野主査にお引き継ぎいたします。真野主査、よろしくお願いいたします。

 

○真野主査

 それでは議事進行を務めさせていただきます。少しやり方が変わったわけですが、とりあえず医薬品医療機器総合機構の平成26年度業務実績評価に関わる意見についてです。最初に「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」という項目立てがあるわけですが、そこに関する項目別の評定について議論したいと思います。法人及び法人所管課から御説明いただいて、その後に質疑応答という流れでいきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

PMDAの企画調整部長です。どうぞよろしくお願いいたします。資料1-1、右肩に黄色が付いている資料で御説明します。

 その前に、平成26年度の概況について一言御説明申し上げます。昨年1125日に医薬品医療機器法が施行されました。これは医療機器や再生医療等製品の分野を中心にかなり大きな改正で、平成26年度においてはその施行準備、例えば厚生労働省から発出されます通知の実質的な部分、実務的な部分については実はPMDAで検討しておりまして、その案の検討、あるいはシステムの整備、体制の整備といったことに取り組んでまいりました。そして施行となります。かなり業務負荷はありましたが、そういったものをこなす中で、本日、これから御説明しますようにほとんどの目標については達成をしたところですし、幾つかの項目については目標を大きく上回る成果を上げられたものと考えております。

 順次、御説明申し上げます。資料1-1を御覧ください。スライド89です。まず1-1「救済制度の情報提供、相談体制の充実」という項目です。下のスライド9、主要な業務実績を御覧いただくと、広報の関係などについては平成26年度においては全国民放テレビ30局によるインフォマーシャルCMを行ったり、あるいは医療機関に個別にお伺いをして救済制度を説明するなど、その普及啓発に努めたところです。

 その結果として、下の自己評価にありますように、認知度そのものは横ばいだったのですが、集中広報期間(10月~12)に関しては特設サイトへのアクセス数が平月の3.5倍、相談件数も1.6倍となり、そういったこともあって、副作用被害救済制度に係る請求件数も引き続き増加し、対前年比103%という過去最高の請求件数があり、十分な成果を上げたものと考えております。私どもとしては自己評定は「B」ということです。

 

○医薬食品局総務課長

 所管課としての評価も同じく「B」と考えているところです。お手元にA3の横、資料1-2があります。5ページに、主務大臣による評価とあって、評定が「B」となっています。考え方としては、積極的に救済制度に関する広報に努めたということで、アクセス数等も増加しているので一定の成果があったと考えられております。したがってBということで、今後は更なる工夫と努力をお願いしたいと考えているところです。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、資料1-1のスライドの1415です。1-2「業務の迅速な処理及び体制整備(救済)」です。この項目についてはスライド14の上の緑の所を御覧いただきますと、救済業務はPMDAの設立目的そのものでもありますので、非常に重要度が高いと考えております。また、全ての個別の臨床事例ごとに医学・薬学的な事項に関わる調査・整理をする必要もあり、かなり難易度が高いと考えております。

 これにつきましては、スライド17のグラフを御覧ください。平成26年度においては、青い棒グラフが請求件数で、平成26年度は1,412件と過去最高の請求件数でした。これに対して平成26年度の処理件数は1,400件と、対前年の25年度の処理件数から見ると13%増加いたしました。

 では、どれぐらいのスピードでやれたかということに関しては折れ線グラフを御覧ください。60%以上を6か月以内に処理することが目標ですが、平成26年度は25年度よりも更に向上して61.9%の事案を6か月以内に処理したということです。このように請求件数、あるいは6か月以内の処理件数が大幅に増加する中で、かつ処理スピードを増加させたということで、私どもとして自己評定としては「A」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評価ですが、同じく資料1-210ページから始まるのが1-2「業務の迅速な処理及び体制整備(救済)」になります。12ページの右側にありますが、評定としては「A」を考えています。今、御説明申し上げたように、救済業務の請求件数が増加傾向にある中、難易度の高い目標を設定し、処理件数を増加させながら目標を達成したことは高く評価できるものと考えております。通常評定はBとなるところですが、難易度の高い目標を達成したことを考慮して一段階引き上げたというものです。引き続き、今後も増加は考えられますが、同じ数値目標を維持して努力することを期待しております。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて資料1-1、スライドの1819です。救済関係を中心に、1-3「部門間の連携及び保健福祉事業の実施」という項目です。

19のスライドを御覧いただきますと、主要な業務実績があります。例えば一番最初の○にありますように、救済給付請求事例等を通じて把握した情報を安全対策部門に提供するなど行っています。また、3つ目の○にありますように、受給者の方の精神面のケア及び福祉サービスに関する助言を行うような相談事業を引き続き適切に実施したところです。私どもとしては自己評定は「B」と考えおります。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定ですが、同じく15ページから始まる資料の16ページを御覧いただきたいと思います。評定としては「B」を考えております。その理由ですが、部門間における情報共有は適切に実施されていることは評価いたします。また、調査研究事業や相談事業も適切に実施されており、おおむね所期の目標を達成したというところです。以上です。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 資料1-1にお戻りいただき、スライド2223です。1-4「スモン患者及び血液製剤によるHIV感染者等に対する受託支払業務等の実施」です。こちらについてはスモン患者の方、血液製剤によるHIV感染者などの方、あるいは特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者に対して、法律又は委託契約に基づきそれぞれ適切に実施したところです。何人ぐらいの方にどれぐらいお支払いしたのかということについては、右側のスライド24に記載しております。十分な成果を上げたと考えており、自己評定は「B」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣評価ですが、20ページから始まるのが当該資料です。21ページ、評定は「B」です。御説明がありましたように、これらの給付業務等については適切に事業が実施されており、おおむね所期の目標を達成していると評価できるとしてこの評定といたしました。以上です。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、スライド2627です。1-5「業務の迅速な処理及び体制整備(医薬品)」についてです。スライド26を見ていただきますと、迅速な審査については日本再興戦略に基づいているもので非常に重要度が高いと考えております。また難易度についても、先生方御案内のように、第2期については中央値を50%タイル値で目標を設定しておりましたが、第3期は最終的には80%タイル値、早いほうから始めて80%のところまでが目標期間内に収まるようにという大変高い目標を掲げております。審査ラグ「0」はほぼ達成した中で更に高い目標を掲げてやっているところです。

 実績についてはスライド27を御覧ください。主要な業務実績の2番目の○を御覧いただきたいと思います。新医薬品の総審査期間について、優先品目につきましては目標9か月に対して実績8.8か月、通常品目は目標12か月に対して実績11.9か月を達成したところです。さらに、これが昨年度までの目標との関係でどれぐらいのものであるのかを示したのがその括弧内のものです。例えば、優先品目は目標9か月でした。これは昨年度でいけば全品目の中で50%までがこれに収まるようにという目標でしたが、今年度は9か月以内に収まったものが何品目あるかというと75%をカバーしております。そうすると、昨年度の目標50%からいくと75%まで来ておりますので150%の達成率であり、相当努力したつもりです。同じような計算で通常品目も申し上げますと、134.2%の達成状況です。

3つ目の○は新規のジェネリック医薬品、要指導・一般用医薬品及び医薬部品の行政側期間についてもそれぞれ目標を達成したところです。

4つ目の○で、残念ながらジェネリック医薬品等(通常一変)の総審査期間については、目標15か月に対して実績は15.7か月と達成をできなかったところです。これは当初、申請者側期間を15か月のうち5か月と想定して設定してあったのですが、5か月を超えて7.9か月に及んだことが主要な要因です。このため、昨年度途中、11月にジェネリック医薬品等審査部を前倒しで新設し、申請者側の支援等にも取り組んだところです。その結果、※にありますように、平成26年度上期の段階では総審査期間が17.0か月でしたけれども、ジェネリック医薬品等審査部を創設した下期も合わせた通期に関しては15.7か月と、かなり短縮してきたところです。

 これらも含め、新医薬品の自己評価としては、新医薬品の優先品目、通常品目等について目標をかなり上回る成果を上げ、全体としては大きな成果を上げたと考えております。また、目標を達成できなかったことについても、先ほど申し上げたような審査体制の強化を図っているところですので、自己評定としては「A」ということでお願いしたいと考えております。以上です。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定です。1-528ページを御覧いただきたいと思います。評定は「A」です。理由ですが、今説明にありましたとおり、新医薬品の申請件数が増加傾向にある中で目標自体を50%タイル値から段階的に80%タイル値に引き上げるという、難易度の高い目標を設定していると考えます。こうした中、平成26年度は優先品目、通常品目ともに目標を達成している、これは大いに評価できるものと考えています。

 他方、今言及があったように一部達成しないところがあったわけですが、それについても努力はしていますし、そのほかの目標についてもいずれも目標を達成しています。また、そのほか行っている信頼性適合性調査やGMP調査なども円滑に進めるなど、的確かつ迅速な審査が実現されており、おおむね所期の目標を達成したということは評価できます。通常の評定は「B」であるところ、難易度の高い目標を達成し、その進捗状況も今後も達成が見込まれることを踏まえて評定を一段引き上げました。今後、平成27年度以降も総審査期間やタイル値の引き上げがありますので、引き続きこうした努力を期待したいところです。以上です。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、資料はスライドの4041です。1-6「業務の迅速な処理及び体制整備(医療機器、再生医療等製品)」についてです。上の緑色の所ですが、この重要度・難易度については、医薬品同様重要度は高く、難易度も極めて高いものと考えております。この定量的な指標、審査の関係の指標については、端的に申し上げれば平成26年度は、全て目標を達成したところです。

 主要な業務実績です。2番目の○です。新医療機器の総審査期間は、60%タイル値です。優先品目目標10か月に対して、実績は8.8か月です。通常品目は目標14か月に対して、実績は5.6か月です。先ほど医薬品のところで御説明したような、目標期間までに何パーセントのものが入っているかということで考えますと、優先品目については100%、対前年度計画値との比較でいけば200%の達成です。通常品目についても、98.4%ですので、196.8%の達成であると顕著な成果を上げたものと考えています。

 次の○です。改良医療機器(臨床あり品目、臨床なし品目)、後発医療機器についても、いずれも目標は達成したところです。

 次のページ、スライドの4243を御覧ください。医療機器に関しては、クラスがリスクの大きさあるいは審査の難しさに応じて、クラス1からクラス4まであるのですが、昨年度の改正法の施行により、PMDAはどちらかというとより難しいものにシフトしていくということで、ペースメーカー、人工心臓、ステントというものを中心に審査することとなっております。その結果、平成26年度に承認されたクラス4のものとしては、純国産では初めての人工心臓のEVAHEARTの承認などを行ったところです。

 スライド41に戻ります。こういったより高度なものにシフトし、逆に言えば、比較的リスクの低いものについては民間の企業でチェックするような仕組みになっており、そういうような認証基準を132PMDAで作成し、厚生労働省に報告したほか、また医療機器は非常に細かい改良が多い分野ですので、従来の再審査あるいは再評価制度に代えて導入された使用成績評価制度を着実に運用するなど、医薬品医療機器法の改正の趣旨を踏まえた対応を行ったところです。

 以上、申し上げましたように、自己評価としては、かなり新医療機器、優先品目、通常品目を中心に顕著な成果を上げ、先ほど御説明したような医薬品医療機器法の趣旨に合ったような対応、審査を行っているということで、私どもの自己評定は「S」ということでお願いしたいと思っております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定は73ページから始まる資料の76ページを御覧ください。評定は「A」としております。機器についても、近年、申請件数が増加傾向にあり、達成目標を段階的に引き上げるという、難易度の高い目標を設定しているところです。そうした中、総審査期間については、いずれも目標を達成しております。信頼性適合性調査、GMP調査等の各調査も、円滑に進めるなど、所期の目標を達成しているものと考えております。

 なお、PMDAで自己評価を「S」としておりますが、これは御説明のあったとおり、前年度の達成率の比較において200%前後という提示ですが、これに対して本評価においては、指針に定める算出方法では、当該年度の計画値との比較の達成率ということで、それぞれ113%、250%で、B区分とA区分となっており、全体としては、通常評定の「B」と考えました。

 ただ、もともと難易度の高い目標ですし、その進捗状況は、今後も十分な目標達成が見込まれるので、評定を一段階引き上げて「A」としたところです。今後の課題としては、引き続き高い目標に向けて努力をお願いしたいというところです。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、資料1-1のスライド4849を御覧ください。1-7「世界に先駆けた革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品の実用化促進のための支援」です。革新的な製品の実用化については、国の健康・医療戦略あるいは日本再興戦略の中核的な目標の1つです。その意味では重要度は非常に高いと考えておりますし、また前例のない革新的な製品の実用化を支援していくということですから、難易度は極めて高いと考えております。

 これに対して業務実績は、革新的な製品の実用化には一定の時間が必要なわけですが、そうしたものにつながるように、地道に取り組んできたところで、例えば科学委員会におけるレギュラトリーサイエンスの積極的な推進、あるいは国の事業の革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品実用化促進事業による外部研究者との人材交流、研究協力、あるいは薬事戦略相談における相談メニューの新設、相談の適切な実施などに取り組んだところです。

2枚おめくりいただき、スライド56を御覧ください。上のスライドの「薬事戦略相談の実施状況」です。平成26年度は御覧のとおりの実施数なのですが、こういった中でベンチャー企業とか、アカデミアの方々ともよく議論して、開発、実用化に向けてのいろいろな課題も整理し、実用化の支援を行っているところで、こういう相談に来られたものの中から、いずれ実際に実用化されるものが出てくるだろうと強く期待しているところです。

 以上のようなことをトータルに踏まえ、自己評定としては「B」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定は、117ページから始まる資料の119ページを御覧ください。評定は「B」です。理由は、世界に先駆けた製品の実用化の促進のために、レギュラトリーサイエンスの普及、あるいは大学との人材交流、研究協力の推進という面には積極的に取り組んでおり、大いに評価できるところです。

 他方、資料概要のホームページへの掲載については、3か月以内というところに対して、医薬品は94%、医療機器は38%と、いずれも平成25年度の実績を下回っているということもあります。ただ、本評価の全体の評価に影響するまでの重大さはないと考えられましたので、おおむね所期の目標を達成しているとして「B」としました。今後の課題としては、今言及した資料概要の公表について、体制の見直し等の改善を求めたいと考えております。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、スライドの5859を御覧ください。安全対策の部分です。1-8「副作用・不具合情報収集の強化並びに整理及び評価分析の体系化」です。これについては、日本再興戦略にも基づき、世界に先駆けて革新的な製品を出すということは、逆に言うと世界初の副作用が出得るということがあり、市販後安全対策の着実な実施は、審査の迅速化の大前提だと考えております。また、医療情報のデータベース整備事業についても、医薬品の有効性・安全性評価や健康寿命の延命につながる重要な事業と再興戦略の中でも位置付けられており、重要度は高いと考えております。

 また、この安全対策業務そのものの本質ですが、患者の安全性に直結する業務ですし、また大量の安全性情報の評価、迅速な対応の決定と情報提供が求められるという意味で、非常に難易度が高いと考えております。また、医療情報データベースは日本で初めてのリアルタイムの医療情報データベースですので、これは先駆的な取組であって、難易度は高いと考えております。

 これに対して、主要な業務実績です。下の59のスライドを御覧ください。最初のスライドの関係は、1枚おめくりいただき、スライドの6263を御覧ください。医薬品副作用・感染症症例報告数の年次推移と、医療機器不具合・感染症症例報告数の年次推移です。御覧のとおり、年々報告が伸びており、これは問題が大きいというより、いろいろなものがきちんと報告されるようになってきたと考えております。例えばオレンジ色でいくと、国内からの企業報告は、平成25年度の38,000件から、平成26年度は49,000件と大幅に増加しております。海外からの報告についても、26万件から30万件と大きく増えております。医療機器についても、平成25年度の国内の企業報告は12,700件余りから、平成26年度は14,000件余りと増えているところです。

 スライド59を御覧ください。そういったような報告が多数ありますが、国内のこのような報告については、全症例の精査を翌営業日中には実施したところです。そうした集積の中で、これは措置を取るべきだろうという104件については、使用上の注意の改訂指示等の安全対策が取られたところです。

 また、2番目の○です。法改正により、医療機関からの副作用報告等の提出先がPMDAとされたことに伴う体制整備等を行っております。医療機関からの報告数も、6,180件と前年から760件増加しましたが、遅滞なく処理しております。

 また、平成26年度から医薬部外品、化粧品の個別症例ごとの副作用報告の受付も開始しており、これについても全症例の精査を翌営業日中に実施しております。非常に地味ですが、重要な事業について迅速に取り組んだと考えております。

 また、4つ目の○です。平成30年度の医療情報データベースの運用開始に向けて、データの質の確保を着実に実施しました。分析する上で、データがきちんとそろっている、きれいなものであるということを確認しておく必要があるわけです。平成26年度については、試行的な利活用には至らなかったものの、データの質の確保の中で、これまで進められてきたSS-MIX等の標準化も必ずしも完璧ではなく、言ってしまうと、方言が一部混じっているようなものもあり、こういったものをそろえるべきであるという提案もし、ここで得られた知見を国内医療情報の標準化仕様規格の改善に貢献させていただいたと考えております。

 以上、申し上げましたように、非常に件数も増える中、個別症例を精査する難易度の高い業務について、滞りなく着実に実施し、また医療情報データベースについても、単に医療情報データベースだけではなくて、日本全体の医療情報データベースの標準化にも資するような提言ができているものと考えており、自己評定は「A」と考えているところです。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定は、150ページから始まる資料の裏の151ページを御覧ください。評定は「A」です。理由は、副作用・感染症・不具合の報告は年々増加傾向にあるが、それについて全症例の精査を原則として翌営業日中に行うこととしており、極めて難易度の高い目標だということですが、平成26年度は当該目標を達成しており、それは高く評価できるのだろうと考えております。

 説明のありました「医療情報データベース基盤事業」については、これ自体難易度の高い目標ですが、平成26年度において予定していた試行的活用に至らなかったわけですが、それについても対策を講ずることなどしており、全体の評価に影響するまでではないだろうと考えられます。

 他方、昨年末に薬事法の改正がありましたが、添付文書の届出などの体制整備など、極めて短期間のうちに迅速かつ適切に対応できたということは、大いに評価できるだろうということで、通常評定「B」のところ、一段階引き上げたというところです。

 今後の課題は、データベース基盤事業について、試行的利活用に至らなかったので、早期に試行的利活用に向けた措置を、引き続き精力的に行っていただきたいと考えております。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、資料のスライド6869の所を御覧ください。1-9「企業・医療関係者への安全性情報の提供とフォローアップ、患者・一般消費者への安全性情報の提供」です。この安全対策全般に、市販後安全対策の着実な実施は審査の迅速化の大前提ですので、再興戦略に基づき、非常に重要度の高い業務であると考えております。

 業務実績は、下のスライドを御覧ください。最初の○です。企業からの副作用報告約5万件について、受理後の死亡症例の評価を迅速に行った上、4か月の期間を遵守して、ラインリストを公表しています。また、医療機関報告についても、医療機関に対して調査した1,067件については調査完了後に速やかに公表したところです。

2番目の○です。添付文書の改訂指示についても、全ての指示を発出から2日以内にホームページに掲載するという対応をしたところです。

3番目の○です。情報発信の重要なツールであるPMDAメディナビ(メールサービス)の登録件数について、平成25年度末より9,289件増加して、112,079件まで伸長したところです。伸び率が平成26年度目標110%のところ、1ポイント足りずに109%と達成できなかったところです。

 自己評価は、ただいま申し上げましたような様々な報告に関しては、目標期間を守り、迅速に対応し、十分な成果を上げたということです。メディナビについては、1ポイント足りませんでしたが、医薬品医療機器法改正の対応の中で、相当な多忙の中、9,000件強と着実に伸長させたということで、全体としては自己評定は「B」ということでお願いしたいと考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣による評価は、167ページから始まる資料の169ページを御覧ください。評定は「B」で、現在設定されているタイムラインというのはそれなりに厳しいものと考えますが、それを遵守して迅速な情報提供が行われております。また、中身を見てもワクチン関係、あるいはカラーコンタクトレンズの啓発など、新たなことにも取り組んでいるということで、大いに評価できると考えており、おおむね所期の目標を達成していると評価いたします。

 今後の課題としては、今説明があったように、メディナビの登録数が目標を下回ったということなので、今後一層の充実と登録推進の対応を期待したいというところです。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」の項目の最後です。スライドの7475の辺りを御覧ください。1-10「国際化等の推進」です。健康・医療戦略においては、「日本発の高品質の医薬品、医療機器等の国際展開を拡大することを念頭に、我が国の規制・基準等への理解度向上に向けて、新興国、途上国を中心とした国・地域の規制当局等との対話を強化し、我が国の承認許可制度の理解を促して、国レベルでの信頼関係の構築・強化を図る」とされており、国際化の進展は時代の趨勢でもありますが、健康・医療戦略の重要な要素とされておりますので、重要度は高いと考えております。

 また、国際関係は国として相手のあることですので、画一的な業務には到底なりにくいということもあり、多彩な知識や経験に基づく、臨機応変な判断が求められるという意味では、難易度が非常に高いと考えております。

 その意味で業務実績はどうか、下のスライドの75を御覧ください。まず、最初にあるように、米国FDA、欧州EMAも含め、バイラテラルな会合をかなり開催しております。例えばスライドの79、世界地図の所を御覧ください。このバイの関係については、単に協議をしているというだけではなく、☆が付いている所は守秘協定を結んでいる所で、青い四角があるのは職員派遣をしている所です。黄色の所、例えばブラジルや東南アジアを中心に合同シンポジウムをして、彼らと経験や知識を分かち合うこともしており、マルチな会合はもとより、バイの会合を相当程度行い、関係の強化に取り組んでいるところです。

75ページに戻ります。ICH等にも積極的に参加し、ラポーターを務めるなど、議論をリードするようなことにも取り組んでいるところです。

 また、2番目の○にあるようにICMRA、医薬品の関係の規制当局の会議ですが、ここで近藤理事長がManagement Committeeの副議長として活動し、特に日本はCapacity Building、能力開発の担当として国際貢献を行っているところです。

 また、医療機器の規制当局のフォーラム、IMDRFは平成26年度から日本が議長国になっており、PMDAにおいて第7回管理委員会会合も主催しておりますし、また医療機器不具合用語の国際整合化に向けた取組などについても、議長として、作業を進めることを採択するなど、リードしているところです。

4つ目の○にあるように、先ほど世界地図で御覧いただいたように、職員派遣を行うなど、関係性の強化を行っております。更に言えば、アジアの国々の方々に日本に来ていただき、日本の規制や業務手法等を紹介するPMDAトレーニングセミナーというものを実施しており、平成26年度においては、アジアを中心とする規制当局より36名を受け入れて実施したところです。そういった形での貢献も行っているところです。

 以上、申し上げましたように、自己評価としては、国際関係のかなり高度な対応が必要なものについて十分な成果を上げたと考えており、自己評定は「A」と考えているところです。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定は、177ページで始まる資料の179ページを御覧ください。評定は「A」です。今、説明申し上げたように、各国の規制当局との対話は、その国等の事情などもあり非常に難しく、特に国レベルの信頼関係の構築、強化というのは、高度な交渉・調整力も必要だと考えているのですが、非常に積極的に取り組んでいるということは、大いに評価できると思います。また、各種国際会議においても、議長国を務めるなど中心的な役割を果たしたということは、大きな成果を上げていると考えております。

 他方、発信という意味において、英文ホームページの充実も行っておりますが、1つ審査報告書の英訳が計画上40品目のところ、9品目にとどまったという課題もあります。ただ、ほかが順調に進んでいることを考えれば、大きな影響はないと考え、通常評定は「B」ですが、難易度の高い目標の下で大きな成果を上げているということで、評定を一段階引き上げました。

 今後の課題は、引き続き努力していただくとともに、特に審査報告書の英訳作業については、目標が達成できるように体制の見直しなどの改善を求めております。

 

○真野主査

 ありがとうございました。以上が「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」という項目でした。結構項目は多いのですが、構成員の方から、御意見や御質問がありましたらお願いします。

 

○平井構成員

 御説明ありがとうございました。自分が気になるところは、医療情報のデータベースのことです。「MIHARI Project」というのは一時すごく話題になって、幾つかの施設を決めて進んでいるということです。我々はそういう所に入っていないので、感じるのは、医療情報はHISですよね。病院のシステムがベンダーによってもばらばらであるというので、そうするとデータを集めるのが大変だと。

 すごく苦労されているのはよく分かるのですが、HISの統一化、これからクラウドでいけるのかはよく分からないのですが、そういったことの取組については、今後どのようにされていくのでしょうか。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 御案内のとおり、医療情報データベースに関してはデータの品質が命なものですから、ここの確保に大変心を砕いているところです。その意味では、せっかく御質問を頂きましたので、資料で補足説明させていただきます。資料1-167を御覧ください。

 「医療情報(電子カルテデータ)の利活用の課題」ということです。先生は御存じかと思いますが、一応その御説明をさせていただきます。今お話がありましたように、医療機関ごとに電子カルテを入れていても、ベンダーが違うとデータの格納の順番など、いろいろと違うわけです。それだと、そのままだと集められない、分析に耐えられないということがあり、SS-MIX 標準ストレージという標準化されたストレージに各電子カルテから情報を出してきて、そこに格納していく。それを並べると、違う病院の違う電子カルテデータも、比較可能なものになるはずであるという前提で作業を進めてきたところです。

 そうしたところ、このスライドの左側に「データベース構築における課題」とありますが、「医療情報の標準化及び品質管理」と書いています。このSS-MIXストレージは基本的には標準化されているはずなのですが、その一部で、どの日付を取るか、あるいは標準コードなどについて、運用レベルで、ベンダーとか医療機関で、やはり細かいところで違っています。先ほど「方言」と申し上げましたが、小さな違いがあります。あるいは、コード化されていないデータが入っている場合はどうするのかという問題もあります。

 今後、もちろん個人情報に十分配慮した上で、こういう医療情報というのはいろいろな利活用が期待されておりますが、そのためには、私どもは「真の標準化」と言っておりますが、更なる標準化の精緻化が必要だと考えております。

 こういった課題については、正にこの資料も含めて、近藤理事長が委員になっている政府の内閣官房で行っている「次世代医療ICT基盤協議会」といった場でも、このような問題や課題を提起し、こういう問題は重要だということで共有しているところです。

 私どもは先駆者を自任しておりますので、そういう先駆者が苦労した部分を、きちんとほかの医療情報データベースにフィードバックしていくことが今後必要だと思っており、そういうことについて努力を惜しまないことを表明しているところです。今後、政府の場を中心に、そういった議論が進められるものと考えております。

 

○平井構成員

 非常に素晴らしい取組なので、感銘を受けているところですが、私たち現場で使う人間にとってみると、このようにデータを活用する意味でどんどん高度化されていくのは進んでいくと思うのですが、使う個人にすると、結構使いにくい。個人のユーザーの使いやすさというのは、それと相入れない部分、同時に成立しにくい部分が、現時点のシステムではちょくちょく見られるので、その辺りのuser friendly的な部分も同時に検討していただけると、非常に有り難いなと思います。よろしくお願いいたします。

 

○真野主査

SS-MIXの話ですが、以前に国立病院機構ですとか、矢崎先生から「病院の電子カルテからSS-MIXでデータを取り出す」という話をお聞きしたことがあるのですが、そういうほかの取組と、この話というのは連動しているのでしょうか。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 総括調整役です。既に、国立病院機構ともいろいろと実務的な話合いをさせていただいております。国立病院機構は、昨年度の補正予算で取組が始まったという段階ですので、まだまだ私どもからすると初期の段階にあると認識しておりますが、いずれにしても国を挙げて、特に厚生労働省傘下の独法同士ということですので、しっかりと協力してやっていかなければいけないということで、これからも引き続き話合いをさせていただきたいと思っております。

 

○五十嵐構成員

 所管課にお聞きします。179ページで御説明いただいた定量的指標に対する影響ということです。これは象徴的なことだと思うのですが、定量的評価を先ほど御説明していただいたように、120%以上がA80%以上100%未満がCという数値を出されているわけで、これに対して、定量的評価の数値を出していながら、そこに全く到達していないものに対して「影響がない」と言うということは、もともと定量的評価として出したこと自体が、余り意味がないということになるのでしょうか。

 ほかも若干あるのですが、達成した、達成しないというのは、普通の感覚でいくと、100%というのは全て達成したという、ある意味冷徹な事実というのが前提にあると思っているのですが、その辺はどう考えて評価すればいいのでしょうか。

 

○医薬食品局総務課長

 この40分の9ということについて、先ほど評価官室から御説明のあったABCという中で、確かにこれは100%ではございません。

 ここに書いているのは、尚書きの所ですが、各種英訳作業についてPMDA updateはじめ様々ございます。その中で、確かに40分の9ですが、一部であったということで、この項目自体は達成されていませんが、全体としては「B」になるのだろうと考えたということで、この審査報告書の英訳作業だけでは全体としては評価は変わらないのではないかと考えたということです。

 

○五十嵐構成員

 確認ですが、ほかでも定量的評価というのが、いろいろな項目が出てくるのですが、これの100とか、120とか、80というのは、特に数字的なことではないということになるのでしょうか。

 定量的評価というのは、ある意味では数字が出しやすいから出したという評価の項目だと思いますが、それが余り全体に影響されないという話になると、何のために定量的評価の数字を出すのかなというのが、客観的に考えると疑問を感じるので、そこはどのように全体の定性的、定量的という辺りのウエイトを考えたらいいのでしょうか。

 

○医薬食品局総務課長

 総務大臣の決定した評定の付け方ですが、なぜその評定に至ったのかの根拠を明確に記載するということで書いているわけです。確かに100%でないもの、特に40分の9という低いものもあります。それは事実です。

 その上で、これはこの項目だけで判断するのではなくて、「国際化の推進」という項目全体を見て、この評定を付けたわけですので、この40分の9というものがある中で、他の事業、各国との調整作業にどのように取り組んでいるのか、あるいはここに書いているような国際会議においての達成状況、これはなかなか数値化できないのですが、そうしたものの評価、更に同じように定量的に測れるものについての評価を踏まえて、全体として考えさせていただいたということです。決して、これを軽んずるというわけではなく、この40分の9を踏まえつつ、他の業務との勘案で決めたということです。

 

○真野主査

 ほかはいかがでしょうか。

 

○石渡構成員

PMDAの評価と主務大臣の評価が分かれている1-6の医療機器の評価の部分です。私は医療については素人なので、市民感覚的な意見という感じで申し上げます。

 主務大臣の評価としては、全体評価が「B」レベルということですが、難易度の高い目標を達成しているから「A」ということです。難易度の高いところが、例えば新医療機器の通常品目ですと、パーセンタイル値も50%から60%に変わったところでの達成度という、かなり指標が厳しい中で、優先品目については113%、通常品目が250%というような数字を達成しているというのは、かなり努力が顕著であったと感じますし、今までいろいろと御説明を頂いている中で、法律の改正があり、いろいろな業務が通年よりも厳しい中での達成率というお話もお聞きしていますので、私はこれだけの業務を達成しているということであれば、「S」という評価にしてもよろしいのではないかという、余り科学的根拠というか医療サイドが分からないところからでの意見ではあるのですが、この辺りは医療の御専門の先生方にお聞きしたいところでもあるのですが。

 

○真野主査

 割と重要なことかもしれませんが、ほかの先生で、何かここで御意見はございますか。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 この評価については、私どもの自己評価は「S」のところ、厚労省からは「A」ということで、非常に残念に思っております。

 ポイントは2つあり、1つは御指摘がありましたように、目標の50%タイル値を60%タイル値に引き上げる中でのことであって、したがって我々は10%の差というものも評価に反映させることが必要なのだろうと思ったわけです。それに対して、厚生労働省は、あくまでも今年度の目標値と今年度の実績値を比較して評価している。すなわち、これは高い目標を掲げることが評価されないということで、もっと言えば、高い目標を掲げたら馬鹿を見るという評価になっているということです。

2つ目には、定量的目標以外の定性的な取組。先ほど縷々申し上げましたように、法改正がある中で、様々なことをやり、それで大いに厚生労働省の業務も助かったことは、そこにいる総務課長もよく分かっていると思うのですが、そういうことが十分に勘案されていないという点もあります。

 したがって、私どもは、是非とも現場が勇気付けられる、元気付けられるような評価の仕方をしていただきたいと思っておりますし、こういう画一的な、形式的な評価というのは、よく考え直していただければ有り難いと切に思っている次第です。

 

○石渡構成員

 市民感覚なところでは、「現場が勇気付けられる」というところを私としても言いたかったのですが、今、御自身のお立場からだと思います。

 私も、全体を拝見して、本当に職員の方々が近藤理事長の下で、本当に一体となっていろいろな努力をされているということをつくづく感じるものですから、現場のモチベーションを高める評価というのは、主務大臣としても大事なところではないかなと思います。

 

○松原構成員

 感想です。第一に感じたのは、今までと比べて、PMDAさんの場合には、達成したということに対して「A」を付けることが多い印象を持っていて、今回は達成したことは「B」、ただ非常に困難なことは「S」や「A」だということで、非常にめりはりが付いて、従来と比べて分かりやすい評価になったと思いました。

2点目は、正に営利企業並みに、目標に対して我武者羅に取り組んでいらっしゃることが伝わってきました。例えば1-5の「業務の迅速な処理及び体制整備」のジェネリックです。目標を達成できなかったとなったら、今度は前倒ししてその審査部を新設して上げていくとか、本当に目標達成に向かって何とかやるぞという取組をなされているのだなということが、非常によく分かりました。

 一方で、これを見て、お話を伺って感じたのは、先ほどの御発言もありましたように、普通の産業であれば市場が評価してくれるから、それでもういいわけです。その市場の評価が冷徹な結果であって、それに合わせるように、もっと市場に評価されるように努力していくというのは分かるのですが、これは市場ではなく人為的な目標を決められて、それに向かっていくわけですから、その人為的な目標が正しくないと、正にmoral downにもなるでしょうし、間違った方向に行くかもしれませんので、そこについては、ここに医薬品の専門の先生たちもいらっしゃるわけですし、目標自体は変えられないようなことは伺っていますが、評価の部分で、もっと弾力的に評価してもらえるような、お互いの取組というか、そういうことも非常に重要なのだろうと思っております。

 特に、先ほど五十嵐委員がおっしゃったような、国際化への取組というのも、非常に定量的に測るのは難しいことだと思うのです。正に、議長国として取り組んだというのは、これをどう定量的に評価するかというのは難しいのですが、大きな成果を上げているというのは事実です。ただ、誉めているだけではなくて、40を英訳しなければいけないところを9というのは、国際化に向けては足を引っ張るところですので、ここは真剣に取り組んでいただきたいと思います。

 言いたいことは、評価は定性、定量の両方が必要なのですが、定性のほうが難しい分、定量だけに頼るのもいけない、その辺の評価の弾力的な在り方も工夫が必要だろうという感想です。

 

○橋田構成員

 今の御議論の直接のお答えにはならないかと思うのですが、こういう定量的評価をどうするか、特に定量的な結果が出ているものに対して、それをどのように総合評価に反映させるかという議論がありました。それから、目標値との兼ね合いだという御意見も頂きました。

 そういう意味では、特に定量的な評価を大事にしていこうと思いますと、まず、評価の定義というか、どういう条件でやっているかということを明確にしていただき、どういう背景の下に目標値を立てて、実績はこうだったということだと思うのです。

 目標値というのは、中期目標か何かで全部入っているのか分かりませんが、先ほどおっしゃいましたように、例えばですが、先ほど御議論に出ましたので、スライドの3435の辺りを見ますと、今回はジェネリック医薬品、要指導・一般用医薬品といった薬に対しても、審査の期間の報告をしていただき、非常によく分かったわけです。

 そうすると、そのときのここにある目標値、例えばジェネリックで平成25年度の実績は、10か月にしていたものを5.3か月、だけれども平成26年も一応目標は10か月に置いて、実績はこうだという見方で合っておりますでしょうか。下の、要指導もそうかもしれません。例えばこういう辺りも、1つずつ見ていくと、いろいろ御質問させていただきたいところもあるのですが、その辺をどのように考えながら総合評価をさせていただくかということだと感じております。

 

○真野主査

 時間の都合で深入りはできませんし、我々は今回は評価をする立場ではなく、あくまでも意見ということです。

 ある意味で、そういう意味では我々は第三者になったわけですが、評価の目的というのは松原構成員が言われたように、市場で冷徹に判断するというよりも、石渡先生も言われましたように、世の中をよくするというか、そういった視点も入っていると思いますので、是非その辺は意見として考慮いただけるといいのかなとも少し思ったりもしました。まだ幾つかありますので、取りあえずよろしいでしょうか。

 次の事項です。次は「業務運営の効率化に関する事項」というテーマ、「財務内容の改善に関する事項」、更に「その他業務の運営に関する重要事項」に係ることの項目別の評定について議論したいと思います。やり方は同じように、法人と所管課ということでお願いします。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 資料1-1のスライド8081です。2-1「目標管理による業務運営・トップマネジメント、審議機関の設置による透明性の確保、相談体制の整備・業務内容の公表等」です。下の81のスライドは、主な業務実績です。先ほど御指摘がありましたように、先ほどの目標は全て中期目標に掲げたものです。これに基づいて毎年度業務計画表を作成して、目標管理型の業務運営を実施しております。この中では第3期中期計画、どのように対応すべきなのかについて、いろいろな環境変化にも対応できるような実行基本方針も策定し、毎週幹部会を開催し、また理事長のトップマネジメントによる効率的かつ組織的な業務運営を推進しております。そのほか透明性という意味では、外部有識者で構成される運営評議会において、これは公開の会議であり、また議事録もホームページに載せるなど公正性あるいは透明性の確保にも取り組みました。このような形で、計画に掲げた各事項について十分な成果を上げたと考えており、自己評定としては「B」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定については、A3横の202ページに始まる資料の203ページです。評定は「B」でして、今、説明にあったように理事長の経営判断が迅速に反映される体制が整備されているものと考えております。又さまざまなことにより、業務の公正性や透明性の確保も図られていると考えております。更にいろいろな相談窓口などについても、柔軟に取り組むなど各種において、積極的、適切な取組がなされているということは言えると思いますので、所期の目標を達成しているとして「B」としました。以上です。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて資料1-1、スライド8889です。2-2「各種経費節減」です。こちらについては一般管理費あるいは運営費について平成26年度予算と比べて、中期計画の目標期間終了時には一般管理費は15%以上の節減、運営費は5%以上の節減が目標です。これに対しては、業務実績ですが、引き続き一般競争入札等を促進して、コスト管理に努めております。特に平成26年度は審査手数料がかなり予想より少なかった、10億円余り少なかったこともあり、それを見越したコスト削減に取り組みました。その結果として、一般管理費は今申し上げたようなシステムの最適化、業務改善等に取り組んだ結果、予算比で27.7%の節減を達成、事業費については予算比14.2%の節減を達成です。先ほど申し上げた定量的な指標との関係でいっても、目標を大きく上回る成果を上げたと考えており、自己評定は「A」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定については、222ページから始まる資料の223ページです。評定としては「A」です。御説明がありましたように、大きな節減を達成して、中期目標期間終了時である平成30年度に達すべき目標を既に達成していることは大いに評価できますし、内容としても努力の成果があり、所期の目標を上回った成果を達成していると評価できます。今後も引き続き大変かと思いますが、経費節減に取り組んでいただきたいと考えております。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて資料1-1、スライド9293です。2-3「拠出金の徴収及び管理」です。目標は拠出金の収納率99%以上という極めて高い目標ですので、これについては主要な業務実績は御覧のとおりで、3つの各拠出金について99.7%~100%、ほぼマキシマムの実績です。高い目標を上回っておりますので、十分な成果を上げたということで、自己評定は「B」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定は、229ページから始まる資料の230ページ、「B」ということです。御説明があったように収納率は計画の99%を上回る実績を上げたということで、所期の目標を達成していると考えました。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて資料1-1のスライド96973-1「予算、収支計画及び資金計画」です。主要な業務実績の関係です。計画と実績の間の差異について発生理由を明らかにすることが求められており、副作用の救済勘定の減収の主な要因について、拠出金徴収対象事業者の出荷額が見込みを下回ったことによるものであるなど、その要因分析を行った結果として、いずれも発生理由は明らかであり、かつ合理的であったことを確認しております。

 また先ほど御説明したように、収入が年度計画を下回っております。これは相手があることで、やはりあれだけの審査実績を上げても、審査の件数が少なければ結果的に減収もあり得ることで、そういう収入に見合った支出削減を実施して、支出の年度計画を上回る削減を達成しました。

 もう1点の御報告は、副作用救済給付等の責任準備金について、平成26年度決算を行ったときに、過年度平成19年度~平成25年度における責任準備金算出誤りによる繰入不足額101,500万円の臨時損失があり計上したものです。この臨時損失の影響は、平成26年度決算における責任準備金は201億円、それとは別に利益剰余金122億円と財政的には健全な状態を保っておりまして、救済給付の受給者の給付額や、あるいはこういうような臨時損失がなかったとした場合の拠出金率1000分の0.27への影響はなかったことを確認しております。

 自己評価は、この責任準備金の誤り自体はよろしくないことですが、平成26年度において過年度における誤りを発見し、原因である計算表の基礎データの並び順、データ値の是正等を行いまして、また監査法人とのダブルチェックを今後は行うというような再発防止を講じるとともに、この件について運営評議会、つまりマスコミの方も入っておられるような場において公表いたしました。これらを総合的に勘案して、自己評定としては「B」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定は232ページで始まる資料の233ページです。評定としては「B」です。勘定ごとの理由が分析されていること、それから利益剰余金の発生要因や業務運営は適切と判断されます。今、言及がありました副作用救済勘定における計上の誤りについてですが、受給者の給付額、あるいは拠出金率への影響はなかったということで、全体の評価に重大な影響を及ぼさないと考えており、所期の目標を達成していると考えました。今後とも効率化、経費の節減をお願いしたいと考えております。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 続いて最後の事項です。スライド100ページ、101ページです。4-1「人事に関する事項及びセキュリティの確保」に関してです。これについては日本再興戦略上も、PMDAの体制を質・量両面で強化して、これによって審査を迅速化することになっておりまして、重要度は非常に高いと考えております。また難易度についても、当職員には非常に技術系の高い資質を持った職員を集める必要があり、特に薬学系などは製薬企業などとも非常に競合するということで、募集そのものもかなり厳しいものがあり、難易度は高いと考えております。

 こうした中で、主要な業務実績です。第3期中期計画期間中は常勤職員を314人増員することにしておりますが、もちろん退職もありますが、平成26年度については公募によって104人を採用しております。これは事務系、技術系合わせてですが、うち48人は博士号又は修士号の取得者という高い資質を持った者を採用しております。これは若干余談ですが、新入社員全員に対してTOEICのテストも行っておりまして、TOEICのテストの平均点、上は970点ぐらいもおりますが、平均は650点辺りということで、一般の企業の平均をTOEICを行っている所が公表しておりますが、510点ぐらいというところからすると、その一端が伺い知れるのではないかと考えております。

 それからPMDAは女性職員も大変多く、男女ともに働き続けられる職場環境を整備するという意味では、「子の看護休暇」、「育児時間」等の対象を拡大するなど、子育て支援策を大幅に拡充いたしました。スライド104ですが、これが何歳からどのような制度が使えるかのPMDAの制度の説明をしたものです。黄色になっている所が今回、平成271月から拡充した部分です。特に昨年の独法評価委員会でもこういうワークライフバランスにはもっと取り組むべきではないかという御指摘を頂いておりまして、それに勇気づけられましてかなり拡充いたしました。例えば黄色が全く新しく付けられておりますのは、通常の子の看護休暇に加えて、例えば風疹、インフルエンザ、おたふく風邪など学校を1週間休まざるを得ないというような病気になった場合には、通常の看護休暇とは別途に設けるという、かなりPMDAオリジナルの制度も導入するなど、給与水準はなかなか国家公務員並びで上げられない中、こういったような工夫にも取り組みました。

 スライド101に戻ります。セキュリティに関しても、入退室管理、物理的な管理、その他情報管理にも取り組みました。

 自己評価に関しては、職員の採用については、特に薬学、臨床医学、システム、毒性担当等の製薬企業や医療機関等との競合が極めて厳しい中で、能力が高い職員を採用することができたと考えております。今し方御説明したように、ワークライフバランスの実践につながるような先駆的な取組を実施して、国内で企業も含めて何番目というのは申し上げられませんが、かなり制度的にはトップクラスになったのではないかと思っております。そして更にこれらの職員の資質を高めるための63種類の多様な研修なども行っております。

 それからセキュリティの観点につきましては、それこそセキュリティの観点からここに文字で記載できませんが、エリアごとの入退室管理のほかに、例えば年金機構で問題になったのは実行ファイルが添付されたメールが来たときに、それを開けてしまったというのがあるわけですが、PMDAの場合には実行ファイルが添付されたメールが来た場合には、基本的にその実行ファイルは削除する仕組みになっていて、入口対策を行っております。また出口、情報が出ていくことに関しては、人為的によるものと機械的なウイルス等によるかにかかわらず、怪しげなサイトにアクセスしようとするものはそこは完全に防ぐ仕組みで行っているほか、例えばメールで大量に何らかの文書、ファイルを添付した場合には、自動的に暗号化をする形で、ただ暗号化付きのファイルが届いただけでは情報は流出しないセキュリティ対策も実施して、平成26年度においてシステムによる情報流出事故等の事故を防止しました。以上のようなことから自己評定としては「A」と考えております。

 

○医薬食品局総務課長

 主務大臣の評定については、237ページから始まる資料の238ページです。評定は「A」です。今ありましたように人数を増やせという中で、製薬企業など競合が極めて厳しいと考えておりますが、それだけ多くの専門性の高い職員を確保したことは、難易度が高い目標だと考えております。それも実行したということで大いに評価できるということです。一方、御説明した職場環境の整備、職員能力の向上の取組も積極的に行っているということは、高く評価できるということでして、通常評定であれば「B」ですが、十分な成果を上げたということで、評定を一段階引き上げました。

 

○真野主査

 ありがとうございました。ただいま御説明がありました事項について、委員から御意見、御質問があればお願いします。

 

○五十嵐構成員

 こちらの御説明いただいた資料の99ページ、責任準備金の誤りに関する件です。再発防止策の所に、「監査法人での再計算によるダブルチェック体制」とあるのですが、これは通常の会計監査ではなくて、それとは別にここだけ精査をするというような特別な契約を今後やっていくという意味でしょうか。つまり会計監査ですから、当然、責任準備金の所も監査対象ですから、監査として監査人の立場で当然チェックはするわけです。ですからそれは今までも変わらなかったはずなのです。ですから再発防止策としてわざわざ掲げているということは、それとは別に特約というか、特別の契約で更にここだけ詳細なチェックをするということを再発防止策として、これからやっていくという意味でしょうかという質問です。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 一般的な契約の中で、そこも見ていただくということには一応はなっていたのですが、やはりそこは入念に見ていただかないと分からないことでありますので、今後はそういった所を入念に見てもらうという形での契約の在り方を考えていきたいと思っております。

 

○五十嵐構成員

 この辺、監査と作成の二重責任の問題で、当然、作成者側の責任と監査人の責任とあるわけですけれども、監査人の責任として当然、チェックをして監査証明を出すわけですから、それは当然やるわけで、わざわざここで掲げたという意味は、何か特別なことという理解でよろしいのでしょうか。それともそうではなくて、別に今までと形式的、契約的には変わらないということなのでしょうか。そこだけ確認させていただければと思います。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 これまでは実際に責任準備金の再計算というところまでは、やっていなかったというのが実情ですので、再計算までやっていただく形にしていきたいと思っています。

 

○五十嵐構成員

 ということは、それは別の特別の契約でやってもらうという意味でよろしいですね。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 契約の中にどのように盛り込んでいったらいいのかは、これからよく考えていきたいと思いますが、当然ながら再計算もやっていただくことを前提とした契約にしていきたいと思っています。

 

○真野主査

 ほかの先生はいかがでしょうか。

 

○平井構成員

2-2の「各種経費節減」の件です。ここの数字だけ見て思ったのですが、目標値をはるかに超えた節減効果が出ているということで、自己評定を「A」とされていますけれども、これはもう「S」クラスになってもいいのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

 

○医薬品医療機器総合機構企画調整部長

 ありがとうございます。本当にそうしていただければ有り難いですが、一応「S」に関しては、量的なものだけではなくて、質的な大きな改善が図られたというのが、一応評価基準だと承っておりますので、そういう意味ではお金を節約したということで、頑張ったのは事実なのですけれども、やや謙虚になりすぎたかもしれません。

 

○真野主査

 ありがとうございました。

 

○石渡構成員

 最後の104のスライド、ワークライフバランスの所です。本当にここまで考えていらっしゃるのだとちょっと感動しまして、私も働く女性として本当に良い環境が整備されつつあるなと思いました。昨年も申し上げましたが、子育ては本当にもう完璧に近い形になっていらっしゃるのではないかなと思うのです。やはり今、話題になっているのは、親の介護で優秀な方が辞めざるを得ないというのは去年もちょっと指摘させていただきました。まだ若い方が多いので切実な課題にはなっていないのかもしれないのですけれども、その辺りについて何か今、お考えがあればお願いします。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 今、御指摘いただきましたように、介護の問題はこれからしっかり対応していかなければいけないと認識しております。ちょうど国で制度の見直しの議論も行われておりますので、その結果も見た上で、更にその上乗せで、私どもがやるべきことがあるかどうかを考えていかなければいけないと思っておりますので、その点、PMDA内にワークライフバランス推進委員会を設けておりますので、その場でそうした点もこれからしっかり議論していきたいと思っています。

 

○真野主査

 ありがとうございました。

 

○橋田構成員

 人事と言いますか、人の関係のところで質問します。非常にPMDAは規模も大きくなっていますし、質も非常に高度化されているということで、その中で優秀な人を多く採用されていることも分かりましたし、また、いろいろな教育もしているということですが、前からバディー制度という言葉が出まして、今日の資料でいうと、再生医療、機器の所で言葉が出ていましたが、それに限らず特に若い人、新人の教育は非常に大事だと思います。その辺がここ何年か恐らくそういうことに注力してやっていられると思います。実際の結果としてどういうような手応えと申しますか、それを受けていらっしゃるか、ちょっと御説明いただけますでしょうか。

 

○医薬品医療機器総合機構理事(北條)

 基本的には若手の研修については、入社後1か月半ぐらいのいわゆる初任者研修をやりまして、PMDA全体の業務の理解をさせるという意味でやっております。審査部門になると、配属されるとここは基本的にはチーム審査を採用しておりますので、そのメンバーの中に入って、いわゆるOJTの形で、先輩から後輩へと業務を受け継いでいくことになると思います。

 更に初任者研修以外でも、専門性の高い分野ですので、例えば臨床評価の統計の研修、それから臨床試験のデザインに関する研修など、あるいは外部の講師の方を招いたセミナーなど、かなりいろいろな、私の印象では他の大学等と比較しても充実した内容になっているのではないかと思います。私どもは発足後12年目になるわけでして、まだまだ若いのですが、実感としてはかなり人材が育ちつつあるような印象です。ただ、先ほども議論に出ましたが、これからは国際化に向けて、特に英語力の充実が我々の世界ではmustになってきておりますので、そういう意味でTOEICの受験を義務付けるなど、英語力もレベルアップを図っていきたいと考えております。

 

○医薬品医療機器総合機構理事(重藤)

 実感と言うか、体感ということで御質問にありましたので、体感ということで申しますと、以前に私は医療機器の担当でして、そのときにちょうど30何人から104人に増やす最中でした。そのとき今から5年ぐらい前ですが、まだ遅いといって叱られている時代でした。そのとき採用した職員たちが頑張って能力を高めて、医療機器の審査で今S評価をもらうまでになったということです。ということは正に教育の成果が実感できたところではないかなと感じているということです。

 

○橋田構成員

 ありがとうございます。人材の育成が非常に順調に進んでいるということです。特におっしゃったように国際化が非常に大事なキーワードだと思いますので、是非、そういった環境を作っていただくようお願いしたいと思います。ありがとうございました。

 

○真野主査

 評価と直接関係ないのですが、少し気になったのは、収入の所で2度ほど言われておりましたが、もちろん客先があってということなのですが、更にPMDAの全体の収益に特に影響が大きくあるわけではないと思っていますが、相談が減って、収入が減ったというのは、どういう理由でしょうか。単純に治験数が減っているということなのでしょうか。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 私どもの財政構造を申しますと、実は国から頂いている補助金や委託費などは全体の78%でして、それ以外は企業さんから申請の手数料や安全対策の拠出金などの形で頂いているわけです。毎年度、毎年度、今後の状況も企業から聞きながら予算の計上もやっているわけですが、先ほど申しましたようにたまたま昨年度は手数料が10億円少なかったということですが、全体からするとそれほどのものでもなく、毎年度、毎年度、申請の数はある程度は波があるものですので、その波の範囲内のことではあると認識しております。

 

○真野主査

 分かりました。何か抗がん剤などは治験は増えているかと思いますけれども、別に日本での治験の全体の数が減っているなどという、そういう大きな話ではなくて、単なる波だということですね。

 

○医薬品医療機器総合機構総括調整役

 趨勢的に見れば増加をしていると思っております。たまたまそこでのちょっとした波だと思います。

 

○真野主査

 なるほど安心いたしました。ほかはよろしいでしょうか。それでは次に、法人の監事の方から、業務の監査結果等を取りまとめた監査報告について御説明いただくとともに、監査等を踏まえた現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等についてコメントをお願いすることになっております。最初に事務局から法人の監事及び監査報告について説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 法人の監事につきましては、法人の理事長と同様に、主務大臣から任命された独立の機関であり、法人の業務を監査することにより、法人の適切な業務運営を確保し、統治体制の確立に資すべき責務を負っております。このため、監事が監査等において把握した業務の運営状況や問題点等について、直接監事から意見を聴取するなどの機会を設けることにつきましては、冒頭でも御説明したとおり、評価に関する指針等においても記載されており、主務大臣による評価に資するというような観点から、独立行政法人改正通則法第19条第4項の規定に基づき作成されます監査報告について御説明いただくとともに、監査等を踏まえたコメントを頂くこととしております。

 それでは、法人の監事より御説明及びコメントをよろしくお願いいたします。

 

○医薬品医療機器総合機構監事

 監事の疋田でございます。よろしくお願いします。資料1-4を御覧ください。これは平成26事業年度のPMDAの「監事監査報告書」になります。先月の末日に厚生労働大臣のほうに提出を完了しております。

1ページ目から主な内容について御説明させていただきます。1の所に「監査の方法及びその内容」の記載がございます。監事監査は2つの監査から構成されており、1つが業務監査、もう1つが会計監査という形になります。会計監査においてはPMDAの場合は会計監査人による監査を実施しております。その監査の適正性などを見るといった形になります。中身については監事監査指針にのっとった形で対応しているという状況です。

 2「監査結果」です。まず法令遵守並びに中期目標達成状況で、これは業務監査の主要項目の1つになります。今年度の監査については、健康被害救済、審査、安全対策といったいわゆる主要3業務の記載にしています。第3期中期計画の初年度ということもあり、いずれも法令面の問題等はなく、課題は若干ありますが、中期目標計画に向けて業務が効果的かつ効率的に遂行され、達成基調であることを確認しております。

 課題というのは、例えば、(2)審査部門の3)に「中期目標の達成に向けては、申請時期の集中といった他律的な要因もあり、増員と併せて個人能率の引上げや戦略性をもった採用に連動した適在適所人事の実現及びステイクホルダーとの更なる連携強化が不可欠である」といったようなコメントを付記しております。いずれもこういった形での監査を実施しているというところです。

2.「PMDAの内部統制システムの整備とその運用状況」です。これも業務監査の主要項目の1つになります。基本的な要素として(1)統制環境、(2)リスクの評価と対応、(3)統制活動、(4)情報と伝達、(5)モニタリング体制、(6)ICTへの対応といった内容についての監査を行っています。

2ページに戻っていただき、(1)統制環境の記載があります。内部統制が機能する中で一番重要な項目が統制環境といったところになりますので、これはどういった視点から監査をしているかを御説明いたします。1)については、法人の長である理事長自身の行動といったものがどうであるかの視点から監査をしています。2)については、機構内に対する仕組みをどう構築しているか。PDCAの中でいうと、CとかAとかがきちんと機能するかといったところの中身を見ています。3)では、機構として対外的な発信をどのようにやっているかといった視点からの検証をやっています。 以下、内部統制を構成する基本的な要素、先ほど申し上げました6項目の様々な視点から監査をしているところです。

 その結果が5ページの一番上になります。PMDAにおいては、内部統制システムといったものは適切に整備され、運用されているといったところです。また、その内部統制システムに関わる役員の職務執行についても、指摘すべき重大な事項は特に認められないという状況です。

3.「役員の職務執行に関する違法、不当な行為」については、記載のとおりです。

4.は、監事監査のもう1つの柱、会計監査になります。先ほど申し上げましたように、当機構については、外部の会計監査人を入れて監査をしている関係から、財務諸表の信頼性と会計監査人の適正性といった側面からの監査を行っております。今回は(3)に違う記述があります。副作用救済給付等に関わる責任準備金の過年度の繰入れ不足が判明していますので、その適正な必要額の修正を行ったかどうかといった確認。それから最も大事なところでは再発防止に向けたチェック体制で、当然、担当部署内における相互チェックがあるのですが、会計監査人とのチェック体制、これはいわゆる基礎データからの再計算をやっていただくということで、私どもの年金数理人であります数理役とほぼ同様の作業をやっていただくような形での二重チェック体制を確立したいといったところの確認をしています。

5.「事業報告書」については記載のとおりです。

 3については、過去に閣議決定等で定められた監査事項についての意見を記載しています。1つ目が1.「給与水準の状況」で、2つ目は2.「随意契約の適正化を含めた入札・契約の状況」といった2点についての意見を述べています。給与水準についてはラスパイレス指数は国家公務員より高いという状況ではありますが、その合理性、妥当性について確認しているという状況です。随意契約についてはその適切性を確認しておりますが、課題がないわけではなく、(4)では、一者応札については、一般競争入札における件数割合が前年度より若干増えているので、今も対応は取ってはいるのですが、もう一段、効果的な対策を講じる必要があるという記載をしています。

 4については、過年度の監事監査における指摘事項に係る改善状況を記載しています。この説明は単年度で決着しない項目が多くあり、継続監査となっているので、次の項で御説明したいと思いますので、7ページを御覧ください。

 5「是正又は改善が望まれる事項」があります。この説明に入る前に、PMDAにおける主な環境変化があります。報告書には記載がありませんが、1つは内部環境の変化です。先ほど来お話が出ていますように、組織の急拡大が挙げられます。これは人の数だけではなくて、部署の数も短期間で増えているといった内部環境変化があります。

 もう1点、外部環境変化としては、国際化が加速度的に進展しているといった点があります。加えて事業領域が拡大しているといったところで、例えばですが、先駆け審査指定制度の創設とか、再生医療等の条件・期限付きの承認制度とか、今までなかったものが続々と出てきますということで、PMDAにおいては内部・外部ともに非常に大きな環境変化が起きているといったところがありますので、それを踏まえた上で改善が望まれる事項といった視点から記載しております。

 説明は前後しますが、3.から御覧ください。3.「人材育成による強靭な組織作りに向けて」という所に書いてありますが、PMDAの財産は人と言い切っていいものだと思っておりますので、人の採用や育成、労働環境の整備、もっと言うと労働条件も含めた整備が必要だといったところで指摘をしております。

1つ戻って2.には「事務管理部門の機能強化」を記載しております。ドラッグラグやデバイスラグといった、いわゆる技術系の仕事はそういった解消が進んでいるのですが、一方でその仕事を後方で支えるミドルバックの体制は、若干、整備が遅れているところもありまして、その体制強化の必要性について記載しております。ただ頭数を増やすということだけではなくて、業務を見直し、改善をした上で、システム化も活用した中でやっていくといった指摘をしております。それから、最終的に、また戻ってしまうのですが、1.に今、何をやるにしてもシステム開発が切り放せないといった状況になりますので、情報システム開発体制の強化とその開発手法の高度化にも引き続き取り組むといったところを記載しております。

 最終ページ、4.PMDAは御存じのとおり、唯一無二の医薬品や医療機器等の審査また安全対策、健康被害救済の組織になりますので、首都圏に大規模災害があったとしても、短期にでも業務を停止することができないといったミッションがあります。業務継続計画については、昨年度、整備が終わったのですが、計画の実効性を持たせるといった意味で、今後、災害時の対応マニュアルや模擬訓練といったものにも取り組む必要があることから、このような記載をしております。

5.は「財務データ分析の高度化」と書いていますが、これは今年度からようやく管理会計が動き始めるといったところもありますので、本来、事務管理部門の機能強化の1つ、前述の2.に含まれる内容ではありますが、1つ項立てをして今回は記載しております。

 改善すべき課題はこのようにあるのですが、先ほど申し上げましたように、PMDAは組織が非常に拡大している途上で、このような課題は避けては通れないと考えております。もう1点、人や組織の立付けや事務体制の整備、システム開発といったところは合格点を1回もらっても、同じことをやっていては合格点が維持できるわけではありませんので、不断の努力が必要な項目ということの認識もありまして、このような指摘を掲載しております。

 最後になりますが、監事監査結果としては、先ほど申し上げた業務監査、会計監査ともに問題がなかったことを申し添えたいと思います。報告は以上です。

 

○真野主査

 続いて法人の理事長から、日々のマネジメントを踏まえて、現在の法人の業務運営の状況や今後の課題、改善方針等について、コメントを頂ければと思います。よろしくお願いします。

 

○医薬品医療機器総合機構理事長

 理事長の近藤でございます。本日は平成26年度のPMDA業務実績評価に当たり、大変貴重な御意見を頂きまして感謝申し上げます。平成26年度の業務実績については、これまで説明させていただいたとおりですが、せっかくの発言の機会を頂きましたので、この場をお借りして現在のPMDAの業務運営の状況や今後の課題などについて申し上げたいと思います。

 まず、理念についてですが、平成209月に着任した当時450名だったわけですが、その職員の全員に呼びかけたところ、ちょうど1割の職員からいろいろな御意見を頂いて、それを取りまとめて、約3か月かかってこの理念を作りました。これによって、バラバラだった職員を1つにまとめることができたと思っております。この理念において、絶対的な使命として、「国民の命と健康を守る」ということを掲げて、高い透明性と科学的視点、社会に信頼される事業運営といった内容を定めており、レギュラトリーサイエンスを第一義とした業務運営を行っているところです。レギュラトリーサイエンスに関しては様々な意見がありますが、私は常に倫理的な観点を持って、社会や国民に対して科学を運用するという観点で、これを捉えております。そしてまた職員には、常々honest PMDAであることを伝えております。

 業務運営の状況ですが、この理念に基づいて、役職員一丸となって業務に取り組んできた結果、おおむね期待される結果を果たすことができていると考えております。また、審査ラグについてはほぼゼロを達成しましたし、次世代審査やMID-NETなどの先駆けの取組も進めているところです。PMDAの業績については、国内関係業界はもとより、有り難いことに欧米をはじめ、諸外国からも高い評価を頂くようになりました。

 今後の課題ですが、平成26年度から始まった第3期中期計画期間においては、まず最先端科学への対応、国際的な役割の向上、臨床研究の在り方の見直し、これら様々な業務の拡大がありますが、経営環境が変化する中で、年々歳々これらに積極的に対応していくことを求められております。このために、中期計画実行基本方針を昨年11月に決定して、この方針に基づいて業務の各班においてPDCAサイクルを回しながら、中期計画を着実に実行していくこととしております。また、健康・医療戦略の策定により、ライフサイエンスの進行が政府の重点施策分野とされて、PMDAは新たに設置されたAMED(日本医療研究開発機構)とともに、車の両輪として期待されております。

 こうした中で、今後は救済給付の確実・適切な実施はもちろんのこと、次世代審査体制に基づく審査の質の向上、医療情報データベースを活用した能動的な安全対策など、最先端の科学に対応した取組を一層進めてまいりたいと思っております。さらに、先月末には厚生労働省と歩調を合わせて、「PMDA国際戦略2015」を策定したところです。国際的な規制調和活動において、これまで以上に国際的にリーダーシップを発揮するとともに、アジアや途上国における医薬品・医療機器等の規制当局の能力の向上にも大いに寄与してまいりたいと考えておりますので、引き続き御指導のほどお願い申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 

○真野主査

 ありがとうございました。今の幾つかの御発言について、御意見などありますでしょうか。最後に項目別評定におけるこれまでの議論や、ただいまの法人の監事及び理事長の御発言を踏まえて、法人全体の状況について評価する、総合評定の議論に移りたいと思います。法人所管課から総合評定の考え方について、御説明をお願いします。

 

○医薬食品局総務課長

A3横の2ページ、様式1-1-2ですが、全体の評定は「A」としております。理由としては、いろいろ御議論がありましたが、15項目の個別評定のうち「A」が7、「B」が8となっておりますし、更に重要度「高」であるものがそれぞれ6項目及び2項目あります。また、全体の評定を引き下げる事象もなかったということで、評価基準に基づきますと「A」となると考えております。

2番目の法人全体に対する評価ですが、薬や機器の審査業務などについて、従来よりも目標を段階的に上げるという厳しい目標を掲げておりますが、計画を上回る実績を上げたことは評価できると考えております。また、重大な業務運営上の課題もないということで、順調な運営が行われていると考えております。

3番目の項目別評価における主要な課題、改善事項ですが、ドラッグラグ、デバイスラグを解消して、世界に先駆けた実用化の推進において、審査概要の公表について割合を高める、というのが未達成だったこと等は今後の改善の課題ではないかと思いますので、いずれにしても体制の見直し等をお願いしたいと考えております。以上です。

 

○真野主査

 ただいまの御説明について、御意見、御質問はありますか。以上で本日の議事を終了いたします。最後に法人及び法人所管課から一言ずつ頂ければと思いますが、よろしくお願いします。

 

○医薬品医療機器総合機構理事長

 本日は御多忙の中、委員の先生方には大変貴重な御意見を頂き、本当に有り難く思っております。ただいま頂きました様々な貴重な御意見によりまして、PMDAといたしましては今後ますます一生懸命努力してまいりたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

 

○医薬食品局総務課長

 本日はありがとうございました。PMDAは創薬環境の向上という厳しい中で、高いパフォーマンスを上げていると認識しております。いろいろ主務大臣の評定について御意見を頂きましたが、他方、その分我々としてもPMDAを大きく期待しておりますので、引き続き現行のパフォーマンスを維持していけるように所管課も努力してまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

 

○真野主査

 我々は有識者会議ということですので、以降の評価については所管課にお任せしたいと思っております。今日は本当にありがとうございました。事務局から今後の流れと次回の開催について、連絡をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 今後の流れについて連絡いたします。本日御議論いただきました医薬品医療機器総合機構(PMDA)の平成26年度業務実績評価については、この後、本WGにおける御意見、法人の監事及び理事長からのコメントなどを踏まえて、厚生労働大臣による評価として決定をし、その評価結果について法人に通知をするとともに、後日、公表いたします。決定した内容については、皆様方にも後ほどお送りさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 次回の開催については、713()10時から予定をしております。場所は厚生労働省17階にあります専用第21会議室です。議題としては、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成26年度の業務実績評価について、御意見を賜ることとしております。

 最後に、本日配布した資料の送付を希望される場合は、事務局より送付いたしますので、机上にそのままにして御退席いただきますようよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○真野主査

 本日は以上とさせていただきたいと思います。長時間にわたり熱心な御議論を頂きまして、どうもありがとうございました。


(了)

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