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2015年5月15日 児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会(第9回)

雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室

○日時

平成27年5月15日(金)15:00~17:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

委員

松原委員 秋山委員 泉谷委員 磯谷委員
菅野委員 辰田委員 浜田委員 木ノ内委員
草間委員 平井委員 藤川委員 笹井委員
藤平委員 中板委員

オブザーバー

警視庁

厚生労働省

木下大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭、少子化対策担当) 大隈家庭福祉課長
田村虐待防止対策室長 寺澤家庭福祉課長補佐

○議題

(1)自立に向けた支援のあり方に関する現状・課題について
(2)その他

○議事

○寺澤家庭福祉課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第9回「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。

 本日の出欠状況でございますが、平田委員、ト蔵委員、武藤委員、岡井委員、加藤委員、佐藤委員、作本委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、中板委員は少し遅れていらっしゃるということでございます。

 本日は、自立支援のあり方に関する当面の課題と方向性につきまして、事務局から御提示させていただいた4つの課題に対し、前回、前々回の2回にわたり、委員の皆様からプレゼンテーションしていただき、意見交換を行っていただきましたが、その際の御意見を「これまでの委員会における委員からの主な意見等」という形で取りまとめさせていただきました。これを御確認いただくとともに、一定の報告書としての取りまとめに向けまして、さらに御議論を深めていただければと考えております。

 まず、資料の確認をさせていただきます。

 配付資料につきましては、本日の座席表、議事次第。

 資料1といたしまして「これまでの委員会における委員からの主な意見等について」。

 資料2といたしまして「自立に向けた支援のあり方に関する検討事項等について」という2つの資料でございます。資料2につきましては第6回の専門委員会の際に資料として提出させていただいたものでございます。御確認をお願いしたいと思います。

 議事に入ります前に事務的な連絡でございますが、委員会の運営に当たりましては委員の皆様へお願いでございます。視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言等を行う際には、発言を希望する方は挙手をお願いいたします。挙手をした方に対しまして、委員長から御指名をさせていただきます。指名を受けた方はお名前を名乗ってから御発言いただくようということで、そのような形にしたいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。

 また、本専門委員会は公開で開催いたしまして、資料及び議事録も公開することを原則とさせていただいております。

 それでは、以降の進行につきましては松原委員長にお願いいたします。

○松原委員長 お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。

 前回からの議論を引き継ぎながら、今日は少し全体を俯瞰しながらまとめていくほうの作業にも入ってまいりたいと思います。

 自立支援のあり方に関する当面の課題と方向性についてということで、4つの柱で委員からの御意見をいただき、さらに議論を深めてまいりました。今日もこの作業を続けるということになります。

 最初に、資料1「これまでの委員会における委員からの主な意見等」。これは事務局のほうでまとめていただいておりますので、これを説明をしていただき、さらに深めていこうかと思いますが、課題1、課題2に関する部分を事務局より説明をお願いしたいと思います。

○大隈家庭福祉課長 事務局の家庭福祉課長でございます。

資料1の課題1、課題2に係る部分を御説明させていただきます。資料1をおめくりいただいて、1ページ目からでございます。

 課題の1つ目が「1.児童の安全確保を最優先した一時保護の実施について」ということで、その下に、これまで委員の皆様からいただいた御意見を黒ポツの形で並べてございます。その際に○で分類してございますけれども、いくつかの同じような形の意見をテーマごとに括って事務局のほうで○の形で見出しをつけさせていただいているという構成でございます。

 最初の○でございますが「保護しなければ安全確認に不安がある事例でも一時保護を積極的に行うべきであり、児童相談所の抜本的な体制強化が必要」。その下の具体的な御意見としては、例えば1つ目のところですが「一時保護はもっと積極的に行う必要があり、虐待の恐れのある段階から職権で行うことも必要なのではないか」、「児童相談所の職員配置を抜本的に見直すべきではないか」といった御意見や、児童相談ダイヤルの3桁化や、オートロックマンションの増加などの変化があって、児童相談所の体制は限界に来ているという御意見をいただいていたところでございます。

 2つ目の○ですけれども「いつでも一時保護できる状態を保つために、一時保護所や一時保護委託先の量的拡大が必要」という分類の御意見でございます。

具体的には2ページの上のところになりますが、一時保護所について、年間平均入所率が90%や100%以上になっているところがあるということで、いつでも一時保護できるようにしておく必要があるのではないかという御意見や、児童養護施設や乳児院の一時保護委託を促進したら良いのではないかといった御意見をいただいております。

 施設の暫定定員の関係で、一時保護委託のために空きを確保しているという実態があり、施設の暫定定員の取り扱いについて、もう少し弾力的に運用してもよいのではないかという意見もいただいております。その下の部分で一時保護の量的な拡充を図るべきではないかという御意見をいただいているところです。

 3つ目の○ですけれども「的確なアセスメントを行うために、児童相談所が医療機関や学校等から正確な情報を迅速に入手できる仕組みが必要」ということでございます。

これは最初のところにありますが、幼稚園や学校での児童の面接に非協力的な状況も散見されるであるとか、医療機関からの情報提供を迅速にお願いしたいといった御意見や、3つ目のあたりにありますが、一時保護については情報の精度が重要であるので、調査に協力してもらえたり、迅速に動ける体制が必要といった御意見をいただきました。

 また、3ページ目になりますけれども、乳児の場合につきまして、突然死症候群などの危険もあって、入所前の健康診断や医療機関との連携を通じた情報の入手をできるようにしてほしいといった御意見をいただきました。

 一時保護中における学習支援につきましても、一時保護所の施設整備などの経費、一時保護委託費の改善についての御意見や、教員の派遣、校区単位での里親といったことについての御意見をいただいているところです。

 次の○ですが、一時保護所の運営委託について、社会福祉法人等に委託することについてどう考えるか。これは事務局が提示した課題に対応する部分でございます。

 「○一時保護所の運営委託については、一時保護の責任主体や支援の質の確保に十分に留意して検討することが必要」ということで書かせていただいておりますが、これについては、例えば1つ目のところで、一時保護所の運営を委託することについては、サービスの質をどう担保するのかが大きな課題であるという御意見、今は一つの組織で一時保護所と児童相談所を運営しているということで柔軟性が確保されているが、そこはどうなるのかという御意見や、本来、一時保護というのは一番力を入れてやるべき部分で、児童相談所は外せないのではないかといった御意見をいただいているところでございます。

 これが課題1についての資料の御説明です。続きまして、課題2について、5ページをご覧いただけますでしょうか。

 課題2は「2.親子関係再構築支援のための取組」というテーマで、これまでさまざまな御意見をいただきました。

 最初の○ですけれども「○親子関係再構築のための支援を効果的に行うため、介入機能と支援機能の分離について検討が必要」ということです。

 具体的な御意見としては、最初のポツのところで「児童相談所が強制的に介入し一時保護を実施した場合には、将来の家族再統合に向けた援助活動に支障が生じる可能性がある」という御意見、2つ目のところは「親子分離と再統合を一つの児童相談所でやっている中で、実親から里親に児童相談所は嫌いと面会があったりする」という御意見、それから「親子関係再構築の段階で介入する人と支援する機関が一緒になっていることのひずみが出てきて、客観的な判断ができない」といった御意見をいただいております。

 2つ目ですが「○親子関係再構築が施設の主な機能の1つであることを明確化するとともに、家庭支援専門相談員の充実等の体制強化が必要」という部分です。

 具体的には1つ目のポツのところで「親子関係を調整するのが児童養護施設等の主な機能であることを法律上位置づけることが必要ではないか」といった御意見や、6ページの一番上の3つ目ですけれども、家庭支援専門相談員につきましては、今は150人定員でも30名定員でも配置は1人となっていることについて、児童数や家庭数に応じて配置できるようにすることが必要といった御意見をいただいております。

 続きまして「○児童家庭支援センターについて、児童相談所からの指導委託を推進するなど、児童相談所の補完的役割を果たす拠点として更なる活用が必要」という部分です。

 具体的には、1つ目のところ「児童家庭支援センターは、将来的には児童養護施設や乳児院に標準装備し、全ての施設で配置するという方向が出されているが、その進捗状況は非常に遅れている」という御意見、同じく「児童相談所の補完的役割を果たす拠点として制度化されたが、実際には子ども・子育て支援から家族支援まで幅広く何でも屋という感じで活動している」という実態に関する御意見をいただいております。

 それから、補助基準について、年間920万円といったことで十分ではないのではないかといった御意見や、指導委託について、指導委託費がつけられないかという御意見をいただいております。

 次に「○自立に向けた支援として、保護者や児童に自らの置かれた状況についての理解を促すことが有効」という部分で、これにつきましては、最初のポツでは「虐待した保護者が自己の振り返りを行う児童相談所による保護者支援のプログラムの一層の活用」が求められているという御意見、2つ目のところで、家庭復帰計画の中で、生い立ちや施設入所の理由の整理、現在の自分の状況についての理解を促すというような支援が必要ではないかという御意見をいただいております。

 次に、「○親子関係再構築のための支援の内容は、親子関係の現状や家庭復帰する場合に地域で利用できる支援の状況等によって異なってくるため、支援の入口と出口での関係機関の連携が重要」という部分です。

 具体的な御意見としては、1つ目のところは一時保護を行った後に措置変更とされた場合について、どのようにして保護者との関係性を築いて、児童との関係支援を行っていくのか曖昧模糊のままということも現状ではあるという御意見、保護者との関係の状況によって支援プログラムが違ってくるので、入り口のアセスメントと方向性が非常に重要という御意見、困ったときに誰かに助けを求められるというところまでを設定した家庭復帰というのが重要なので、出口の部分での関係機関との連携をきちんと行えることが大切などの御意見をいただきました。

 最後ですけれども「○家庭復帰後の虐待の再発防止のため、親子関係再構築について市区町村の役割の明確化や要保護児童対策地域協議会の活用が必要」という部分です。

 これも具体的な御意見としては、1つ目のところで「家庭復帰後の虐待の再発を防止するため、市区町村の子育て支援サービスを活用することが重要」という御意見、家族再統合については、市町村を巻き込んでいかないと意味がないという御意見や、その次の2つは要対協の関係ですけれども、要対協の活性化に取り組むことが必要という御意見をいただいているところでございます。

 課題1と課題2についての資料の御説明は以上でございます。

○松原委員長 ありがとうございました。

 それでは、課題1のほうから議論を深めてまいりたいと思います。事務局が用意した柱は、ここの部分については御意見がいろいろ出ておりますが、こんな方法があるのではないかというようなことも含めて、もう少し具体的な御意見をいただきたいと思います。

日本語の確認ですが、最初の○は「保護しなければ安全確認についても」というほうがわかりやすいかもしれないです。「でも」と言うと否定形になってしまう。

 どうぞ、御自由に御発言いただきたいと思います。

 菅野委員、お願いします。

○菅野委員 失礼します。菅野です。

1の部分で整理されているのですが、児童相談所で行う一時保護と、施設や里親さんに委託していく一時保護委託の部分であるとか、誰が実施するのかといった主語関係というのが明確になっていないのです。そのあたりをはっきりさせなければならないでしょうし、1の全体を通してですが、市町村が取り組んでいくようなショートステイ事業というものと一時保護が混在していたり、整理をしていかないとわかりにくいですし、文言だけを捉えると、これで本当に正しいのかという内容のものが結構あるのです。私が読んだときにわかりにくいなという印象を持ちました。だから少し整理をして、児童相談所が行う一時保護というところと、しかもそれは本体で行う一時保護と、一時保護委託をするというところですね。そのあたりのところをはっきりさせなければいけないのかなと思いました。

 例えば、1ページの一番下の行の黒ポツのところで言うと「要支援家庭や虐待をしそうな家庭に対し、ショートステイのような形で親の状況を観察するなど、児童相談所の一時保護所の機能に併せて、市町村レベルでの利用型の一時保護を創設したらどうか」。この文章の意味するところが汲み取れないのです。これはショートステイを施設で受けていくという今のやり方と何がどう違うのかがわからなかったというのがあります。市町村と受け皿である施設との間の契約で、今ショートステイの事業というのは行われていると思うのですが、そのことは既になされていることなのではないかというのもあります。

 もう一点、ちょっと過激過ぎるのかなと思う部分がありまして、一番上の○のところのまとめの中の一番上の黒ポツです。虐待の恐れがある段階から職権で行う必要があるのではないかという話なのですが、私たちが仕事をしている中で、ひょっとしたら虐待が起きているかもしれないという不安を持っているのですという話はたくさん出てくるのです。そういうレベルから介入していって子どもを保護していくということが本当にいいことなのか。いいことなのかと言うのはおかしいのですが、やはりかなりの権利侵害にもなりますし、介入して保護しましたが、虐待ではありませんでした。間違いでした。よかったです。では済まない内容だと思うのです。やみくもに一時保護すればいいのだという論調に聞こえてしまう部分に関しては危惧を持ちました。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 事務局がまとめていただいている基盤には、この委員会のメンバーの発言があるはずなのですね。

○菅野委員 読みました。議事録で繰っていったのですけれども、文脈から言うとニュアンスが違うのではないかというのもありました。

○松原委員長 これを御発言された方、御記憶があって何かこういう意図で発言をしたのだけれどもという補足があればお願いします。本日はご欠席のようなので。

 一つ目のショートステイとの整理はどうですか。事務局のほうは何かコメントはありますか。確かに、今でも医療型のショートステイというのは行われているので、別に新たな話ではないと思います。

 木ノ内委員。

○木ノ内委員 全国里親会の木ノ内です。

ショートステイなども含めて、里親が地域の中で課題を持った家庭の支援ができるような、現在のところは里親というと児童相談所からの措置という形で、非常に受け身的なのですけれども、それだけではなくて、地域の中で課題を持った家庭に、例えば土日に子どもを預かるとか、何かもっと柔軟なことができないかなと思っています。

もう一つは、一時保護を受けるために、定員型の施設を増やすというのは非常にロスの面でも大きいのではないかなと思います。例えば、いわゆる柔構造化しておく。里親というのはどちらかというと柔構造型で、このときに協力してくださいということで拡大もし、一時保護の子どもが少なければ少ないなりにというようなことも柔構造化した受け入れの仕組みを考えてみるというのもどうなのかなと思いました。

○松原委員長 ありがとうございます。

 そういう意味で考えると、1ページの一番下の文脈というのは、むしろ虐待対応というよりは養育支援かもしれないですね。

 どうぞ。

○笹井委員 沼津市の笹井です。

今、菅野さんがおっしゃっていたところの一時保護とショートステイのところなのですけれども、そもそも10年ぐらい前まで虐待がまだそんなになかったころについては、一時保護というのは、間違いなく子ども達を観察をしたりして、そこで施設入所なり在宅支援をするのだというところの判定機能があったと思います。

もう一つはレスパイトという形で、親と一時冷却という形の部分で離すというようなところがあったかと思うのですけれども、虐待が増えていて、もともとそういう形で一時保護が使えなくなって、要するに虐待を受けた子の安全確保の場所という形に変わってきているようなものです。

 本来的には、ショートステイと一時保護というのは違って、ショートステイはレスパイトでいいのかもしれないですけれども、一時保護は子どもの安全を守るという意味では非常に早いということがあるのですが、逆に、もう少し一時保護をして、きちっとその辺を評価したり親と一緒に考えていったりするような一時保護というのはほとんどしてもらえなくなっている状況にあるので、一時保護と次の2番に出てくる親の支援というのは一体的にあるべきだろうなと思うので、子どもの状況もきちっとわかった上で、もう一回親とその辺をどう考えていくのかというときには、単にショートステイだけでは困るだろうとか、市町村がやるのは、親のレスパイトはできても、いわゆる一時保護中に子どもの行動観察だとかをして、それを親と一緒に考えていくという形のことはできないので、この辺はもう少し整理をされていったらどうかと。市町村では親支援のための、ちょっとお母さん休もうねという形のショートステイはできるかと思います。

 以上です。

○松原委員長 辰田さん、どうぞ。

○辰田委員 八王子児相の辰田です。

一時保護の機能をしっかり児相のほうで強化していく上でというところで、虐待だとか非行の子たちを一時保護して、行動診断等をしていくわけなのですが、その辺をやはり養育困難、親が病気だとかというところで、ちょっと育てられないので保護してほしいということがあるのですが、区市町村の対応力にもよるのでしょうけれども、なかなか使い勝手が悪いですね。3日前の登録でないとだめだとか、2歳から小学校6年生だとか、あと、手帳を持っている子は使えません。父兄で持っている方は使えません。1週間だけですだとか、更新して2週間、3週間とかどこが上限かということもあるのですけれども、そういったところを区市町村のほうできっちり整備。そういった子どもについてはショートステイで対応してもらう。そうすれば学校もこの子たちは通えますし、そういうところをきちっとやっていただいて、一時保護する子どもとショートステイの子ときちんとすみ分けしていくことが必要なのかなと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 藤平さん、どうぞ。

○藤平委員 浦安市の藤平です。

ショートステイの関係なのですけれども、実際には受け入れ可能なところの数も決まっておりまして、私どもの地区に関してもかなりの市区町村が同じところに委託をしているという実態があります。ですので、そういったところに緊急の関係があったときに預けられるかというとそれが定員の問題であるとか、施設数の問題とか、そういったところでの対応の問題があるかと思います。

 あと、市町村レベルでの一時保護の整備というところですが、これについても、市町村単独でやっていくというところになりますと、施設整備の問題だとか運営、人材の確保というところがありますので、そうなっていきますと、ショートステイ事業のような形態の中で委託での運営になってしまうのかなと思います。

 以上です。

 

○松原委員長 ありがとうございます。

笹井さん、藤平さん、木ノ内委員のほうからは里親もぜひというご発言がありました。決定は児童相談所がされるのでしょうけれども、仕組みは今のところ児相を通じてですが、市町村として里親との連携とかをこういうときにはやれるかどうかも課題です。

 辰田さん、どうぞ。

○辰田委員 うちの管内ですが、施設だけではなくて、里親と協定を結びまして、ショートステイを里親にお願いしているといった事例もあります。

○松原委員長 笹井さん、何かあれば。

○笹井委員 沼津の笹井です。

私のほうの市でも、里親さんのほうに委託はできるような形はとっています。

○松原委員長 どうぞ。

○平井委員 平井でございます。

今、いろいろとお話を聞いている中で、私は名古屋なのですが、一応、名古屋も里親支援専門相談員を施設へ配置をしていただいているものですから、一つの例ですけれども、そこの施設と連携しながら里親からのショートステイというのを行っているというのもございます。

 伺いたいのが、一時保護所のことです。名古屋も、実はここ2年間90%以上を超えてきまして、もう満床状態で、施設への一時保護もお願いされるのですけれども、一時保護は一応定員内なものですから、施設もなかなか厳しい。ですから、定員外で一時保護を受けているというような状況もございます。

 各県で保護所が90%を超えているというのはどれぐらいあるのかをお聞きしたい。あとは先ほど言いましたように、児童養護施設とか乳児院とかで一時保護をもちろんするのですが、保護所が満床状態のときに、なかなか施設も厳しい状況から一時保護の委託先をどういうふうに開拓していくか。それが先ほどもありましたように、名古屋も実は第3番目の児相をつくってそこへ保護所をつくるような話も今はしているのですけれども、あとは児童家庭支援センターも、一つそういった意味では一時保護とかショートステイのそういった制度の中で機能できる部分がございますので、その辺もどういうふうに連携して一時保護の機能を生かしていくのかというのはございます。

○松原委員長 ありがとうございます。

 事務局のほうで数字は持っていらっしゃいますか。

○田村虐待防止対策室長 お答えいたします。

 一時保護所内での平成25年度の入所率でございますけれども、65.2%でございます。ちなみに、年間の平均入所率が100%を超える一時保護所でございますけれども、全国で6カ所ございます。

 以上でございます。

○松原委員長 ありがとうございます。

 磯谷委員。

○磯谷委員 論点は今とちょっとまた違いますけれども。

○松原委員長 では、ちょっと待ってください。

○磯谷委員 わかりました。

○松原委員長 ここの部分については、ショートステイ、一時保護をきちっと区分をして議論をすべきだということと、いわゆる養育支援型のショートステイ。それから、虐待対応ということを中心にした一時保護を区分する。その上で、今、事務局から御報告があったように、一時保護の余裕がないところについては積極的に一時保護委託も考える中で、両方の支援としてショートステイ、一時保護の委託先で里親さんということについても、今後、積極的に考えていいだろうということでよろしいですか。

 それでは、磯谷委員、お願いします。

○磯谷委員 一時保護所がいっぱいだということで、いろいろほかの手だても考えられてはいるわけですけれども、やはり振り出しに戻って一時保護所そのものの充実と、一時保護所がより子ども達にとって過ごしやすい場になるということもとても重要なことだと思います。

 たしか私の記憶ではここでの議論で、委員長から、混合収容について少し触れられたのではなかったかなと思うのです。つまり、虐待を受けていた子どもと、非行のお子さんも一緒に収容しているというところはかねてから指摘があるところだと思います。

 私自身は、それは理由のあることだと思っていて、やはり虐待と非行というのはかなり重なる部分が多いし、一律に分けるというのも難しいという中で、一つの理由としてなされているのだろうとは思いますが、一方で、混合収容の弊害として言えるのは、全体的にとても管理的になってしまって、とにかく何か事故が起こらないようにということを優先する余り、心のケアといいますか、穏やかさといいますか、そちらのほうになかなか配慮がいかないという問題があるのだと思います。

 ですから、一時保護所で混合収容を引き続きやるということであれば、一律管理というわけではなくて、より個別的に、もう少し子ども達が、ある意味、中で自由に過ごせるような形にするように配慮をしていただきたいと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 私自身も、たしかそのような発言をした覚えがあって、全体的な日常生活状況の改善というのですか。それは寝起きするスペースの問題から日々の対応まで含めてですけれども、量的拡大と同時に質的な充実も必要かなと思います。

 ところで、もう一点菅野委員から御指摘があった「恐れのある段階から職権で」というところについては、弁護士さんの御意見を伺いたいのですが、浜田委員と磯谷委員といかがですか。

○浜田委員 弁護士の浜田です。

御指摘のとおりでして、「恐れのある」ということは逆に言うと「恐れ」しかないということで、目に見えていますとか、確実なこういう事情だという一時保護を正当化する理由はどうしても弱いのであろうと思います。

 権利侵害の程度のことは先ほど御指摘があったもので、まさにそこは私も申し上げたかったところで、もちろん子ども自身にもそうですし、親御さんの権利という観点でもそうですし、制度全体で見たとしても、やはり恐れのある段階で積極的にという打ち出しの仕方はちょっと違うのかなと。一時保護自体が悩ましいところの積極性という意味合いだったらさておき、恐れのある段階から積極的にとなるとニュアンスが大分ずれてきてしまうといいますか、適切ではない方向ではないかなと感じておりました。

 以上です。

○松原委員長 いいですか。

○磯谷委員 磯谷です。

この手の問題は、我々が相談を受ける際にもよくある話なのですけれども、つまり、児童相談所としては保護した後を考えて保護にはかなり慎重になる一方で、周囲からすると早く保護してほしいと。その思いの差というのがここにも出てきているのかなと思います。

 もちろん一時保護は確たる証拠がなくても、証拠をつかむ、調査をするという意味でも一時保護は可能なわけですから、そういう意味では、何か確定的なものがないとだめだということではないというのは確かだと思います。したがって、全体的な状況から調査を含めて必要性があるということであれば、それは一時保護をするということになるのだろうと思います。

 基本的にはケース・バイ・ケースというところになりますので、私も誤解を招くような表現は避けたほうがいいかなと思います。

○松原委員長 一方で、市町村のほうはなかなか児童相談所が一時保護をしてくれないというご意見もあったり、先ほど笹井委員がおっしゃったように、昔はアセスメントのための一時保護があったのではないかという御意見もありますが、この辺はいかがですか。

○笹井委員 沼津市の笹井です。

先ほど申し上げたことと重複するのですけれども、今の一時保護というのは子どもの安全という部分でいくので、年齢が小さければ保護は早いのですけれども、年齢が大きくて、本当はその子にとってみれば、そこで分離をしてあげてきちっと一遍話を聞いてあげて、親とも整理をしてあげてという形の一時保護等をしてもらえると、その子のこれからにとってとてもいいのではないのかなと思うわけですけれども、なかなかそこがいっぱいで、子どもはすぐに死ぬわけではないからという、言い方は悪いのですけれども、そういうところで、市町村からするとしてもらいたい一時保護と、児相がすべき一時保護とが必ずしも一致しないところがあるのが実情かなと。

○松原委員長 。

 菅野委員、お願いします。

○菅野委員 滋賀の菅野です。

まさしく基準というのは随分動いてきています。それこそ怒られるのですが、ある程度の子どもへの危害が少しでも見えないと動き出すというのは難しくなりますし、その後、子どもの安全を担保するための理屈であるとか、ある程度の情報の精度を持って、子どもの危害、被害としてこれがあるから調査保護をしますという形の保護は確かにやっているのです。

 それが事故なのか、故意なのか、果たして病気なのか。なぜそれが起きたのかということはわからないけれども、子どもにとって危害というかマイナスの体験をしているということで、それを明らかにする保護というのは積極的にしていかなければいけないと思います。

ただ万が一、こんなことが起きたら心配だから保護してくれという話で来る場合も結構多いのです。万が一のところでは動けないですということになってしまうところで、多分、やりとりが続いているのだろうと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 それぞれ思いがあると思うのですが、資料を用意していただいた大きな柱で言うと、安全確保を最優先するというここの確認については共通で了承できていると思うのです。そのためにどうやって資料を集めてくるのか。それから、市町村の情報提供と児童相談所の判断のすり合わせが必要であるということだろうと思います。

 ほかにはいかがですか。今日は社会的養護系の施設の方が余りいらっしゃっていないので、暫定定員ということが余り出てこないのです。先ほど平井委員がおっしゃったのですが、定員内でやらざるを得ないというのが状況ですかね。

○平井委員 基本的には、養護施設等は定員内の中で一時保護委託を受けるということをしておりますが、各自治体によっては先ほど申し上げたように、本当に満床状態なものですから、そういった場合は定員外で一時保護委託を受けて、これは自治体の単費になるかもしれませんけれども、措置費並みの費用をあわせてお支払いするというような形でやっているところもございます。

○松原委員長 ありがとうございます。

 2つ目の○の下から6つ目のポツがそれで「一時保護委託の空きを確保しておきたいとか」ではなくて「確保しておきたいが」だと思うのですけれども、暫定定員との関係が悩ましくて、開けていると施設本体自体が暫定定員になってしまうのが問題だということで、今、事例としては定員の外であっても措置費並みの対応をしてくださっている自治体もあるよという御発言があったので、単にお金だけの問題ではないかもしれませんが、そういう定員外で受けられるような措置も講じておくべきなのかなと思います。

 どうぞ。

○木ノ内委員 木ノ内です。

今、定員のお話もありまして、先ほどそのタイミングといいますか、恐れのあるという問題もやってきているのですが、一時保護の長期化という問題に視点を当てれば、できるだけ早く再統合なり要保護児童への対応ができれば、一時保護所の満杯という問題も避けられるのだろうと思うのですけれども、非常に長期化しているという現実をどう考えていくのかというのも大事ですし、一時保護の子どもと要保護児童の子どもが非常に混在している。里親のもとだと、要保護児童であっても期間が非常に短くなってきているのです。

 今、一時保護の問題をこうやってテーマにしていますけれども、要保護児童も一時保護化してきているといいましょうか、非常に短いものが多いので、その辺の全体をひっくるめて考えることも大事なのかなと思っています。

○松原委員長 ありがとうございます。

 家庭復帰、再統合をやっていけば入所の期間は短くなりますし、ここは両方ともとれるというわけにはいかないのかもしれません。

 ありがとうございました。

 それでは、課題2のところに移りたいと思いますが、よろしいですか。

 秋山委員、お願いします。

○秋山委員 小児科医の秋山です。園医と校医の立場から意見を述べさせていただきます。

 正確な情報を迅速に入手できる仕組みについてですけれども、幼稚園や学校ではある一定の情報を集めています。社会が常に子ども達の状態を保健として知っておくことは必要と思いますので、園や学校が情報を確認していただいて、一時保護の際に必要な情報と統一していくことは必要かと思います。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 辰田委員、お願いします。

○辰田委員 八王子の辰田です。

3ページ目に「一時保護中における学習支援が必要」という項目の中で「現行の児童養護施設基準に準拠した職員配置基準を改め」というところ、先ほど磯谷先生、松原委員長のほうからありましたが、個別的なこともしっかりと体制をとれる初期配置が必要ですし、あと保護している子どもは虐待だけではない。非行の子もいるのです。夜間、身柄で入って納得していないような状態の中ですぐ受け入れざるを得ない。でも、夜勤の手薄の時間で、限られた人員で対応するという中では、児童養護施設基準には準拠しない体制をとらなければならないというところを盛り込んでいただければと思います。

○松原委員長 少し事務局のほうで工夫をしていただきたいと思います。

 それでは、課題2のほうに行きます。ここも、今と同じように補足的な御意見も伺いたいと思うのですが、御議論いただいた中では時間の関係もあったかもしれませんが、家庭復帰の見込みが立たない児童に対する支援をどう考えるかとか、里親やファミリーホームに委託されている児童に係る親子関係の再構築をどう考えるかということでして、余り御意見が出ておりませんので、この点についても少し補充をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 児童家庭支援センターについても幾つかありますか。

○平井委員 平井です。

親子関係の再構築についてですが、2番目の大きな○のところでも、まずは養護施設等で、児相とももちろん連携しながら再構築というか、親子関係のものをやっているわけなのですけれども、今、家庭支援専門相談員が施設に配置されておりますので、そこが親子関係のかなめというか、親御さんが面会に見えるとか、外泊とか、家庭訪問とか、そういったことも含めてやっておるわけなのですけれども、まずは養護施設等で言いますと、家庭支援専門相談員がかなめの部分ですので、ここに書いてあるとおり、その辺がうまく機能できるように、もう少し家庭支援専門員の増と機能強化を図っていく必要があるのではなかろうかというのが1点でございます。

 それと児童家庭支援センターも、前も私は発言しましたが、児家センの場合は保護に至るまでの支援の段階で機能しますので、保護に至った場合ももちろんそういった支援はできるのですが、できるだけ保護に至る前の支援の段階を児家センが担って、児家センから家庭訪問して調整していくとか、それこそ何回も言いますように、保護に至る前の段階の部分を児家センが担っていく。そうすると、多少、防止策にもなるのではなかろうかなと私は思っているのです。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございました。

 菅野委員、お願いいたします。

○菅野委員 彦根児相の菅野です。

 今、委員長のほうからありました課題の一番最後の「里親やファミリーホームに委託されている児童にかかる」という部分なのですが、実際問題、ファミリーホームとか里親さんに委託して、再統合を目指してやっている事例もあります。基本的に大きな違いはないです。ただ、今お話がありましたように家庭支援専門相談員とか、そういうところに特化した職員さんが里親さんのところ、ファミリーホームさんのほうにはいませんので、負担がかかるというところはあります。

 実際の自分が体験した事例で言うならば、行ったらいけないよと言っていても行ってしまいましたみたいなところで、子どもとのコンタクトが先に始まってしまうということもありました。再統合のプログラムというか、プランをマネジメントしていく上で、なかなかそこの難しさというのはありますが、基本的には、里親さんに委託しているケース、ファミリーホームさんにお願いしているケースも同じように親御さんとやりながら、親子の再接触のプランをつくって、課題を洗い出していって家庭復帰をしていくという基本的なところは違いはないです。児童相談所の取り組みとすると、施設ですと専門相談員さんにお願いをするようなところをうちの職員がやっていかなければいけないというところでの苦労はあるかなと思います。

 以上です。

○松原委員長 里親の立場あるいはファミリーグループホームの立場からは何かありますか。

 木ノ内委員、何かありますか。例えば実親との関係調整。今、菅野委員がおっしゃったように、夜、会いたくなったので来てしまいましたみたいなのはどうでしょう。

○木ノ内委員 木ノ内です。

里親の関係で言うと、基本的に児童相談所から子どもが措置されていて実親との接触がない。それから実親と子どもが会う場合には、里親は児相で待機しているみたいなことで線は切っているわけですけれども、それがたまたまそうではなくなるケース、先日も別々にやったのですが、町の中で子どもがお母さんと言ってしまった。それで出会ってしまったみたいなことがあったり、なかなかきちんとはいかないという問題があるのです。原則は原則ですけれども、子どもを育てれば親と連絡がとれてしまう場合もあったりとか、本当にケース・バイ・ケースでしょうか。

○松原委員長 プログラムの中で、外泊をしますね。児童相談所を施設とします。施設と要対協に関わっていれば市町村と。この帰っている間のアセスメントをするとか、そのときに親と一緒に養育について少しディスカッションをするとか、これはどういう役割分担になっているのですか。

○菅野委員 彦根児相の菅野です。

 役割分担といいますか、基本的に再統合を目指していくときに、最初にアセスメントをして、話をして、市町村にもこういう取り組みをしますよと要対協のほうに話をしていきつつ、外泊の段階ではこういうふうにやりますよという話を持っていくようにとはしていますし、それまでの支援の継続性のある市町村との関係ではそういうことが実際問題の話できますが、親が転居していたりするケースがあって、その場合に市町村との話し合いというのがなかなかうまくいかないとか、現実問題はいろいろあります。

 委員長が言われたのが理想だとは思うのですが、現状は中間段階です。本格的になってくるちょっと手前ぐらいから、帰った後の支援ということを市町村の要対協と一緒に協議しなければいけないので、完全にはできていませんが、帰って行かれる半年ぐらい前からは割とコミュニケーションをとれるように頑張ろうという思いです。

○松原委員長 これは施設側もいろいろ役割があると思うのですが、実際に施設の地域的な配置を考えると、帰っている地元では遠隔地でなかなか訪ねられないということだとか、場合によっては児童相談所もそういうこともあるかもしれないので、市町村との連携というのは必要かなとは思うのですが、今までの想定にはない役割になるので、市町村側の御意見もあるのかなと思います。

○笹井委員 沼津市の笹井です。

このまとめの一番終わりのところに「家庭復帰後の虐待の再発防止のため、親子関係再構築について市区町村の役割の明確化」と書かれているのですけれども、市区町村がどういう役割を持っていくのか。恐らく今、施設対処をされるときに児童福祉指導がつくというのは本当に限られたお子さんで、措置解除で大体終わっているというところがうちの地域です。

 それから、どうしても学齢のお子さんは3月に退所をされるという形になってくるので、そこで退所の書類がどっと来て、4月から新学期を迎えるという形で、要するに、児相のほうも人が変わったり、学校のほうも人が変わったり、地域の人が変わったり、時期的にも非常に難しいところでお子さんが帰ってくるような形のことになります。要対協がここで活用ということになっているのですけれども、要対協を活用するとしたら、ぜひ児相の側から積極的に要対協を使うという形のことをとらない限り、帰ってくるお子さんについて市町村でうちのほうで面倒を見ますから、要対協にどんどん積極的に出してくださいとはとても申し上げられるような状況にはないと思いますので、この中の文面に、児相はなかなか大変だから、人員体制の確保が必要という形になるのですけれども、これは要対協の問題になるのですが、要対協に余りにもいろいろなものが。居所不明についてもまたここに入ってきつつあったり、妊産婦の包括支援についてもここに入ってきたりするという形になっているので、要対協の活性化というよりは、児相が要対協を上手に使っていただくような形のことをむしろ通知をしていただいたりしたほうがいいのかなと思いました。

○辰田委員 八王子の辰田です。

全ての児相がそうということではない。当然、施設や里親に入っている子どもが帰る予定だということであれば、当然、区市町村に子どもが帰る予定ですということは必ず一報を入れています。そして初外泊が始まるということであれば一報も当然入れさせていただいて、その間、児童相談所と施設でその後の養育状況を確認してきます。

 具体的にいつごろ帰るという話になりましたら、当然、要対協で関係者会議を開いてほしいと要請し、当然、保育園や小学校だとかに、今後こういった支援をお願いしたいと、個別検討会議を開いていただくようにしております。

 そこで一緒に同行の家庭訪問をしていただいて親とのつなぎをやったりだとか、こういった地域のサービスがこちらのほうで受けられるとサービスのメニューも展開している。帰った後、終了ということではなくて、最低半年以上は在宅指導、福祉指導をかけて支援をしていくということで国からも言われて、それは徹底されてきていると思っております。

○松原委員長 菅野委員。

○菅野委員 彦根児相の菅野です。

一応、虐待事例で再統合という形でかなりリスクを抱えながら支援をしていくケースに関しては、措置中にも2号指導をかけましょうという御指導をいただいているので、3号、2号という形で、施設入所と児童福祉指導を並行してやっています。したがって、基本的には措置が終わっても児童福祉指導のほうは残っています。大体、困難ケースに関しては2号指導でフォローしていくという感覚ではいるのです。これが全国統一にはなっていないのかもしれませんが、基本的にはそういうふうにして、リスクをマネジメントしつつになります。再度介入しなければならない事につながるリスクを抱えたままの家庭復帰というのも多いので、そこのフォローというのは大事にしなければいけないし、市町村とそこの部分でちゃんとすり合わせてというところは、ここの議論の中にはきちんと盛っておいていただきたいと思います。

○松原委員長 磯谷委員、お願いします。

○磯谷委員 委員長からお話がありました里親とかファミリーホームに委託されている児童と、親子関係再構築という点ですけれども、今、例えば27条1項3号の措置をとるという場面においても、親のほうが、里親は嫌だけれども、施設入所だったら同意するというのはしばしばあって、一つは、里親だと里親のほうに愛着を形成してしまうと自分が阻害されるというものと、里親に行ってしまうと面会交流がなかなか難しいといったような事情があって反対をされるのです。

 私は里親認定に関わっていますけれども、一方で里親さんのほうも、もちろん動機はさまざまなのですけれども、例えば、養子縁組里親に本当はなりたかったのだけれども、年齢とかの問題もあって難しかったというところから里親のほうを考える方や、あるいはそう明確ではないけれども、長期にあたかも自分のところの子どもという形で育てるということを想定されている方は少なからずいるように思うのです。

 そうすると虐待のケースで、特に再統合もあり得るというようなケースでなかなか使うことが現実的に難しくなってくるのだろうと思うので、一つは、後から別の話でも出てくるのですけれども、やはり里親さんのほうの認識の改革といいますか、あくまでも公務として一時的にお子さんをお預かりしているのだというところの納得。その納得に基づいて、例えば親子再統合などの場面における自分の立ち位置というのをどういうふうに考えるかというそのあたりも認識を考えていただきたいというのが一つ。

先ほど児童相談所のほうから親子再統合をやっているケースもあるとお話がありましたけれども、多くの方々が、親も含めて、里親に委託された場合でもこういうふうに親子再統合をやっていくのだというモデルみたいなものが示されると一層使えるようになるのかなと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 木ノ内委員。

○木ノ内委員 木ノ内です。

今のお話はとても身につまされるところがあるのですけれども、実は、里親のもとに子どもが来て、再統合というときに役割が非常に不明確なのです。実際に里親は子どもへの応援、そのチームで一員でありたいという思いがあるのですけれども、そこは排除して、これは全部児相がやるからいいということで、これまでつながって養育してきた私たちは、その後は全く関係ないのですねみたいなところに置かれてしまうので、そうではなくて、長期にわたって子どもの応援チームの一人であるという認識、立ち位置に立てれば相当違うかなと。

 それから、専門里親の場合には明確に児相と協力して再統合に協力しなさいということが書いてあるのですけれども、養育里親の場合でも必要なのではないのか。立ち位置を明確にするというのはとても大事なことだと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 最後に再統合は見込めないという場合にはどうするかというところの御意見があれば伺いたいです。実態上、親御さんの状況も考えてなかなか難しいという家族も確かにあると思いますが、いかがですか。

 木ノ内委員。

○木ノ内委員 木ノ内です。たびたび済みません。

最近は、随分28条措置。いわゆる実親が反対しても里親に預けたいのだというような児童相談所側の見解が強ければ訴訟を起こしてまでというのがここのところ2、3件見られますので、私はそういう里親のほうもしっかりと基本を担う立場として、きちっと意識改革をすべきかなと思っております。

○松原委員長 このあたりは児童自立支援施設、児童養護施設からの自立ということにも係ってきて、残念ながら、今日は委員が御欠席ということなので、この部分については次回に送りましょうか。

 どうぞ。

○磯谷委員 磯谷です。

別の論点ですけれども、2のところで一番最初の児童相談所の介入機能と支援機能の分離について、一言だけお話ししたいと思います。

 申し上げたいのは、もう少しこの議論を一歩先に進めて、具体的に検討していただきたいということです。つまり、介入と支援を分けるということについては、いろいろなバラエティーがあるわけです。どういうふうに分けるとかあるいはどの機関が担うとか、それのメリット、デメリットあるいは現状から踏まえた実現可能性とか、いろいろ論点があると思います。それこそ何かタスクフォースではないですけれども、こういうチームで少し整理をされるとか、すぐに決めなければいけないものというよりはある程度しっかり議論をする必要があるテーマだと思うので、この点を何らかの形でもっと深めて議論ができるように省のほうにお願いをしたいなと思います。

○松原委員長 あとはよろしいですか。

 どうぞ。

○木ノ内委員 木ノ内です。

先ほど要対協に対するお話がありましたけれども、要対協に対する期待が随分大きいのですね。残念ながら期待だけが大きくてどういうふうに担っていったらいいのか。例えば、私の地域では里親も見守り家庭の一つとして位置づけてもらっているのです。そういう要対協の役割がきちっと整理されて、期待だけが大きいのではなくて、担えるような体制になっていただきたいなと思っております。

○松原委員長 ありがとうございます。

 それでは、3と4の説明をお願いいたします。

○大隈家庭福祉課長 事務局の家庭福祉課長です。資料の9ページからでございます。

 「3.措置児童の確実な自立につなげていくため、施設、里親等に養育されている間に必要な取組について」の「~1施設として取り組むべき職業指導等のあり方と方法~」でございます。

 その下に、今まで各委員からいただいた意見を並べておりますけれども、1つ目の○のところは「○児童の自立の概念を明確化することが必要」ということで、例えば、児童の目標とするところに各施設による違いがあるというような御意見をいただいております。

 2つ目ですが「○自立支援計画については、措置後の点検等を含め、児童への自立支援が適切に行われるような取組が必要」ということで、具体的には、1つ目のところ。児童相談所と各都道府県が施設措置後の自立支援計画の点検を十分にしておらず、措置後の児童の自立支援が本当にきちんと行われているかどうかをチェックしていないため、各施設間の格差が生じているといった御意見をいただいております。

 続きまして「○進路指導や職業指導等に係る専門的な支援や就業後の支援まで見据えた指導が必要」というところで、1つ目のところで、自立支援計画に基づいて今後の展望をするに当たって、担当職員だけでは難しく、進路指導や職業指導等に係る専門スタッフが必要ではないかという御意見をいただいております。

 それから、18歳までの職業相談はあくまでもスタートラインに立つところまでの相談であって、実際はその後をどう支援していくかを見据えて考えなければ効果はないのではないかといった御意見をいただいております。

 次に「○職場体験などのシステムの構築について検討が必要」というところで、1つ目のところに、社会的養護の児童は偏った経験をしている児童が多いため、学習支援だけではなくて、さまざまな職業体験などが必要であるが、いろいろな企業、団体からの援助のプログラムもあるので、そうしたものを具体的に一覧にして、全国各地で使えるようなシステムにしていく必要があるという御意見がございました。

 3つ目のところで、児童への理解がある協力雇用主を求めて職場体験を実施していくなどのシステムの強化も必要ではないかという御意見もいただいております。

 次のところですが「○大学等への進学を推進するための支援の充実について検討が必要」ということで、ここも多くの御意見をいただいております。

例えば、1つ目のところで、大学進学等を推進するため、施設に在籍する期間に払うべき入学金や授業料などは措置費から支出してもよいこととすべきというご意見、それから、4つ目「社会的養護の課題と将来像」の中でも、大学進学の助成について触れられておりますが、ここがまだ十分ではないという御意見や、その2つ下ですが、現行制度では措置解除になる児童にしか進学支度費が出ていないというところについて、措置延長の児童にもそのような支度費を出してもらいたいという御意見をいただいております。

 次の11ページでの最後のところですが、年齢について、大学卒業までストレートに行けば22歳だけれども、医学部に行った場合は6年になるし、転学した場合とかさまざまなケースがあるので、そうするといつまでの支援かというところが曖昧になるという御意見もございました。

 次に「○当事者による支援は有用性が高いが、専門性をどのように担保するか検討が必要」ということで、社会的養護を経験した当事者が支援者として活動できるような体制の確保が課題だという御意見やピアサポートは良い仕組みだけれども、専門性を担保することが重要という御意見などをいただいております。

 次に「○施設退所後においても児童のやり直しを支える地域の体制づくりが必要」ということで、具体的な御意見としては、児童や若者は失敗を繰り返していく中で成長していくものなので、失敗後のやり直しを支える体制づくりが必要であり、施設の職員、里親、児童相談所の職員や地域の支援者が支援する体制づくりが必要であるという御意見などをいただいております。

 次に措置延長についてですが、「○措置延長の積極的な活用を図るとともに、措置解除日は18歳到達の前日(措置延長した場合は20歳到達の前日)までではなく、当該日の属する年度の末日までとすることについて検討が必要」という部分でございます。

具体的な御意見としては、措置延長については自治体によって運用に違いあるので、運用の改善が望まれるという御意見、措置延長について、現状は20歳の誕生日前日までとなっていますが、これを年度の終わりまで延長していただきたいという御意見や、先ほどと同様に「社会的養護の課題と将来像」の目標の中で、措置延長の積極的活用についてはまだ十分ではないという御意見などをいただいております。

 次に「○18歳を超えた者に係る措置等の取扱いは、児童福祉法や児童虐待防止法における児童の定義との関係など、慎重な議論が必要」ということで、ここもさまざまな御意見をいただいておりますけれども、18歳を超えていつまで支援するのかということについて、年齢で線引きすることは困難ではないかという御意見、成人になった人に対して、措置という考え方が良いのかどうか、慎重に議論をしなければならないのではないかという御意見や、同様に、18歳を超えていつまでを措置期間とするのかということについて、徐々に手を離していくような取り組みが必要ではないかという御意見など、さまざまな御意見をいただいているところでございます。

 続きまして、同じ課題3の2が14ページでございます。「~2里親や里親に委託している児童に対する支援~」でございまして、まず「○里親委託児童に係る自立支援計画を里親支援機関が作成することについては、里親支援機関の体制の確保等の条件整備を行った上で推進することが必要」ということです。

これは事務局から提示させていただいた課題に対応した部分でございますが、里子の自立支援計画を里親支援機関に委託することについては、実感として里親支援が里親に届いていないと感じるので難しいのではないかという御意見をいただいておりますが、次の2つ目のところは、逆に自立支援計画は、できれば里親支援機関と里親で決めてもらう方が良いという御意見もございました。

 それから、3つ目のところで児童養護施設に配置されている里親支援専門相談員の配置がどんどん拡大しているということなので、里親支援専門相談員と共同で自立支援計画を作成していくのも良いのではないかという御意見、都市部にはないなど、施設に偏在があるので利用しにくいという御意見や、条件を整備していけば、将来、可能性はあるのではないか。かえってこれをやらないと前には進めないのではないかといった御意見がございました。

 その次が「○里親や里親委託児童に対する支援においては複数の関係者が公的に関わるチーム養育が必要」というところで、これは里親の対応をされているイメージとして、里親仲間、地域社会など、非常に多くの人間関係の中で、チーム養育のようなことを目指したいと考えているという御意見がございました。

 それから、里親の周辺に専門的なアドバイスを受けられる環境がないという御意見もございました。

 続きまして課題4でございまして、16ページをご覧いただけますでしょうか。課題4は「4.施設退所児童等の円滑な自立のための居場所づくりの取組と工夫」ということで「~1自立援助ホームの機能や施設における居場所づくりの取組と工夫」についてでございます。

 1つ目の○は「○自立援助ホーム利用者の様々な状況を考慮し、生活困窮者自立支援制度も踏まえつつ、大学進学者等向けの対応についての検討が必要」という部分でございます。

 具体的な御意見としては、自立援助ホームに大学向けの類型を設けることについてどう考えるか。これも事務局から提示させていただいた課題ですが、それについては良い提案であるという御意見。

 2つ目のところで、この4月から施行された生活困窮者自立支援制度とうまくミックスさせていくという観点が必要だという御意見などをいただいております。

 次が「○施設に多目的に使用できるスペースを設けること等により児童の居場所づくりの推進が必要」という部分でございます。

1つ目のところで、進学はしたがドロップアウトするケースも多いということで、見守りと支援の仕組みをきちんとつくっていくことが必要という御意見、里親が実家のように機能するための制度の整備を進めてほしいという御意見や、現状では児童の居場所が非常に少ないということで、少なくとも県庁所在地に1カ所は児童の居場所を設けて、自立支援や相談援助を行うことが必要で、そうした中ではソーシャルワーク的なセンスを持つ人材も必要だという御意見をいただいております。

 次のページで、居場所づくりについては情報発信をしていくということが必要であるという御意見をいただいております。

 最後のところで、具体的に個々の施設の事例として、卒園した児童が仕事を探すために1週間、10日あるいは1カ月近くいることができる場所を施設の中に設けていいという事例の御紹介で、地域の子育て支援やアフターケアを含めて多目的に使えるような場所やスペースを各施設で用意するべきではないかという御意見がございました。

 最後のところですが、課題4の2で「~2施設退所児童のアフターケア~」についてでございます。

「○退所児童等アフターケア事業の推進が必要」ということで、社会的養護の課題と将来像の目標の中で、アフターケア事業の推進についてはまだ十分ではないという御意見や、実際に退所児童等アフターケア事業による取り組みについて御紹介いただきながら、補助のあり方の検討をしたらどうかなどの具体的な御意見をいただいております。

 それから「○施設退所児童等を長期にわたり地域でサポートする仕組みが必要」という部分で、これは児童が将来どのような生活をするのか。どのような選択肢をとっていくのかについて、地域のさまざまな情報を活用する必要があるという御意見や、18歳を超えても長期間、25歳ぐらいまで地域で児童を支援していく体制をつくっていくことが必要で、それは行政だけではなくて民間機関、当事者や住民の参加も含めて考える必要があるという御意見をいただいております。

 課題3と課題4の資料の御説明は以上でございます。

○松原委員長 ありがとうございます。

 それでは、また課題3から追加の御意見あるいは修正の御意見をいただきたいと思いますが、事務局のほうが提示をいたしました課題のうち、職業指導員の役割についてどう考えるか。福祉施策だけではなくて、労働施策と連携した社会的養護の自立についてどう考えるか。民間企業の取り組みと連携して、児童の自立に向けた選択肢をふやしていくことについてどう考えるかについては余り御発言がなかったということですので、この点についても御意見を伺いたいと思います。

 御自由に御発言をいただきたいと思います。

 泉谷委員、どうぞ。

○泉谷委員 泉谷でございます。

11ページのところにあります当事者支援のことで、もう一度確認をしたいと思います。

 確かに、前回の委員会のときに当事者による支援のところで専門性ということが言われましたけれども、ピアサポートのピアは仲間という意味になります。この仲間による支援というのが専門職による支援にまさることがあることから、当事者支援ということの必要性が言われてきています。精神保健の分野でも、当事者によるサポートというのは非常に活発にされていますし、実際に児童の分野でも、例えば、職員がこういうことをするとうまくいかないからこうしなよと言っても子どもは聞かなくても、先輩からこうやったらうまくいかなかったよ。自分はこうしたよと言われたことで、その先輩の意見も聞いてやってみるということは多々あることかと思います。

ここで大事なのは、当事者による支援の必要性を理解した上で、当事者もいろいろな課題を抱えていると思うので、その当事者による支援をどう専門職がサポートしていくか。その仕組みを考えていくことが大事かなと考えます。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 確かに、ピアサポートはそういう性質を持っているのだろうと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 磯谷委員、お願いします。

○磯谷委員 ニュアンスの問題かもしれませんけれども、12ページのところで、○の「18歳を超えた者に係る措置等の取扱いは」というところは「慎重な」ということが書かれています。2つ目の黒ポツのところも慎重に議論していかなければならないということが書かれておりますので、あながち間違いというつもりはないのですが、多分、後半のほうは私が発言したことがかなり書かれておるとは思うのですけれども、要するに、慎重にというのはいろいろ配慮が必要だということであって、何か消極的に受けとめられると困ってしまいます。

 下から7行目のところの中ほどで、これは18歳から20歳に児童の年齢を引き上げることについて、そこまではやらずにとあるのも、それについて何か消極ということではなく、私が発言した趣旨というのは、それはなかなか容易ではなかろうからという趣旨なので、そのあたりは、もし私のことを書いておられるのだったらニュアンスを訂正していただきたいと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 平井委員、どうぞ。

○平井委員 3番、4番の中でよろしいわけですか。

○松原委員長 3のほうで。

○平井委員 3のほうですね。

 一応、職業指導関係の部分についてのお話ですが、やはり児童養護施設でもちろん自立支援計画に基づいた子ども達の進路とか、その先の将来的な部分についていろいろと検討をしているわけなのですが、今、職業指導員という配置がなされているのですが、これはなかなか使い勝手が悪いというか、多分、全国的にもなかなか職業指導員を申請して活用されているところは少ないと思うのですが、条件が結構あるものですから、それは置いておいて、今、家庭福祉課のほうでも言われているように、できればこれを自立支援の担当職員に変えていただいて、職業指導、進路指導を含めてそういった子ども達に係るいろいろな資格、技術も含めたノウハウを教えながら自立の支援につなげていくという意味では、これは一応、東京都が自立支援コーディネーターというのを都単でつけていると思うのですけれども、これは全国的に、各施設には1人こういった方がお見えになって、子ども達の自立につながるような支援をしていくということは私も必要だと思っています。

 もう一つ、職業体験などのシステムの構築という部分です。これは私が発言をしたと思うのですけれども、自立援助ホームの兼ね合いもございますが、今、子ども達の就労という意味では、なかなか児童養護の子ども達は厳しい現状でございます。ですから、そこに書いたように、協力雇用主を。司法絡みでは協力雇用主という制度はあると思うのですけれども、こういった社会的養護の子ども達のための協力雇用主制度というのも一つ必要でございますし、職親の復活といいますか、これはなかなか減少してきて利用がないということで、多分、平成17年ぐらいに廃止をされたと思うのですけれども、今の状況からいくと、子ども達には協力雇用主プラス職親制度というのが必要になってくると思います。職親さんに、昔と違って今の里親さんと同じように、職親手当を出していただいて、それで活用をしていくというのも一つの手ではないかと思っております。

○松原委員長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 木ノ内委員、お願いします。

○木ノ内委員 木ノ内です。

当事者による支援というのは、先ほど言われましたように、当事者のピアサポートとその専門性というのは切り分けて考えるのだろうと思うのですが、私、実はユースの支援の活動もしていまして、その中で一番出てきたのはIT関連といいますか、スマホだとか携帯あるいはパソコンだとか、この辺のことを全く知らないと社会に出ても動きようがないというのです。そういう意味で、ユースの人たちが施設の子ども達とか里親の子どもを集めて、少なくともITを教えておきたいということを言っていました。

 要保護児童には常識部分がなかなか能力としてない。そうすると、自立という段階よりもそういうスキル問題でつまずいてしまうということがあるので、ユースの人たちが力になれるのはそういうことかなと思いました。

○松原委員長 ありがとうございます。

 草間委員、お願いします。

○草間委員 草間です。

11ページに「当事者参画の仕組みである」ということですが、これは共感はあるのですけれども、こちらについては、この報告書を読んだときに誤解を生じてしまう懸念がありますので、ここは削除してもらったほうがよろしいかと思います。

 専門性といった場合に、要素としては3つの要素を指します。知識、技術、福祉倫理の3要素です。意味としては当事者性や共感性、社会資源については、当事者の方々は経験上からよく知っています。その一方で専門性の確保は、別立てで考えていく必要があります。そういう意味で申し上げました。

 2つ目ですけれども、ハローワーク等との連結ですが、私はこの機能をよく存じ上げず、ピントがずれてしまうかもしれません。ハローワークの中で、ユースや若い人たちを専門とするカウンセリング強化を図ること、青少年担当窓口を設置することが考えられる。子どもの貧困対策等々とリンクさせながら、若い人たちに就労自立をしてもらうという観点から青少年専用窓口を設置する。実際に若い人が窓口に来るかどうかは分かりませんが、窓口をつくることによって認知されやすい、あるいは相談されやすくなる。また専用窓口を通して、特化した情報が入手できるため、次の有効な手だても打ちやすくする。そういう効果も期待されるのではないか。専用窓口が存在することによって、ハローワークの機能が活発化する可能性があるのではないかと考えています。

 一方で、先ほど平井先生がおっしゃった職親になっていたたいだ方に手当をつけるというのは、私もインセンティブになり、職業開拓の部分で広がりがあるのではないかと感じています。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 職親というだけではなくて、事務局がおっしゃっている民間企業の取り組みであれば、そこにも一定の補助金等を出すということは検討されてもいいのかなと思います。

 藤川委員、藤平委員どうぞ。

○藤川委員 藤川でございます。

実は、職場の経営者より去年の暮れぐらいから2日に一度、「施設出身の子を雇いますよ」というご連絡をいただいております。ご連絡を下さる雇用主さんは当事業部のホームページをご覧になったり大阪府や大阪市などの行政や社会福祉協議会、児童相談所等に「施設出身の子を雇いたいがどこに連絡をすれば良いか?」などとお電話をされて、皆さんは当事業部を教えて下さるようです

 実際にそういう雇用主さんにお会いして、「何故施設出身の子を雇いたいと思って下さるのでしょうか」とお聞きすると、驚いたことに「施設の子は帰る家がないのでしょう。帰る所がないのだから、大変な仕事も頑張れるだろう」あるいは「施設出身児には親がいないのだから、仕事が厳しいからと親が職場に文句を言ってこないだろう」と何度か雇用主さん達に言われました。私が「実は施設出身の子ども達には支援している弁護士さんがたくさんついておられるし、当事業部も支援は続けていきます。むしろ普通の家庭の親よりよっぽどうるさいですよ。それでもよければ、ぜひ雇用してください、お願い致します。」と申し上げたらその後は連絡が来なくなるというのがほとんどでございます。以前「きちんとした寮がありますし是非雇用したい」と言って下さったので施設出身児に繋いで失敗したケースがありました。それは雇用主さんの言葉だけを信じて寮の見学にも行かず雇用していただき、子どもからの連絡で「一度寮を見に来てよ!」とのことで行きましたら、タコ部屋と言うんですか?何人もが同じ部屋で寝ていてあまりに住環境が悪い職場の寮でしたのでびっくりしたことがありました。そして、施設出身児を雇用して下さるというだけで全てを好意と信じてその職場に繋げた子ども達に対して申し訳なく、すぐに新たなきちんとした職場に転職してもらった事例です。施設児童を雇用したいとのお申し出に対し、誰にでも軽々にお願い出来ないと実感しています。その反省も踏まえ今は「親からの支援はなくても、支援体制はきちんとあります」とあらかじめ申し上げてご理解いただいた雇用主さんに子ども達をお願いしています。雇用して頂くには職場の見極めも必要かと思います。実際に当事業部経由で施設退所児を雇用して下さるご理解のある協力雇用主さんはたくさんおられます。

 当事業部ではそういう雇用主さんたちと児童相談所の所長さん、施設長さんや弁護士さんなど、施設出身児の支援者が集まる「雇用主様感謝懇談会」という会を開催して雇用主さんから「実際に雇用していて出身児のここが欠落しているよ」などのご意見も頂き、施設長からは「こういう気持ちで施設では大切に育てています」などと交流会の中で今後も一層施設出身児に対して理解を深めて頂く努力をしているのが大阪のうちの現状でございます。以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 藤平委員、お願いします。

○藤平委員 浦安市の藤平です。

参考というところのお話なのですけれども、10ページのところの大学の進学に対する支援の充実というところで給付型の奨学金制度という話がありますけれども、実は、私どもの浦安市のほうで、4月から給付型の奨学金制度ということを取り組んでおります。4月からなのでまだ具体的なところにはなっておりませんが、大学に行きたくても行けないというところであるとか、ある程度の基準、生活レベルというのはあるかとも思いますが、そういったところで、浦安市は取り組んだところだということを参考としてお伝えします。

○松原委員長 草間委員、お願いします。

○草間委員 先ほどの発言と関連するのですけれども、民間企業との活用ということで、民間企業に補助金としてユースの就職あっせん事業というのをできないのかどうか。多分、民間は市場のあるところでのビジネス展開ですけれども、一方で知見というか、データをとるということで、ハローワークと同時でやりながら、もう一方で民間企業で、公募か何かで一定期間、例えば3年間やっていただくと。それで報告書を出していただいて、どんな支援をしていけば就労につながっていくのか。こういうものも考えるかどうかと検討してみる価値があるのではないかと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 少し急ぎたいと思います。もう一つの課題をカバーしなければいけないので、よろしいですか。

 では、課題4について追加の御意見等をいただきたいと思います。ここにつきましては、自立援助ホーム利用者のさまざまな状況を考慮して、大学進学者向けの対応ということの検討が必要だとか、アフターケア事業の推進が必要という御意見をいただいております。いかがでしょうか。

 平井委員、どうぞ。

○平井委員 自立援助ホームをやっておりますので、自立援助ホームの兼ね合いから少し追加というかお話をしたいと思います。

 一番最初に挙げられているとおり、新たな類型を設けると。それは本当にいい提案でございます。自立援助ホームの場合は正確に言いますと、今は20歳の誕生日の前まで措置ができるわけです。そのあたりをもちろん大学向けと。

 大学向けになるとこういうのはまた22歳の問題とかいろいろ出てくると想定されますけれども、今の状況ではそのあたりまでは難しいのではなかろうかなとはもちろん思っておりますが、自立援助ホームで20歳までが措置ができるといういい部分を利用してといったら言い方はおかしいですけれども、必要な子ども達のために、何とか、今の自立援助ホームの機能というのは就労を前提として、そういった子ども達を自立させるために機能しているわけなのですけれども、今の自立援助ホームの状況は、なかなか就労まで至らない子ども達も結構いるわけなのです。その中には自立援助ホームの70%ぐらいの入所者が何らかの虐待を受けたというのもありますし、虐待を受けたから就労できないというわけではないのですが、虐待の傷もあれば、今は発達障害とかそういったものを抱えている子ども達も結構多く、自立援助ホームに相談があって、やはり行き場がないものですから、最終的に自立援助ホームに20歳までの枠の中で受けざるを得ないというのを受けているわけなのです。

 そのような実態も含めまして、子ども達の自立に向けた自立援助ホームの機能強化も必要なのでしょうけれども、機能の中身、役割のあたりを少し整理して、大学も含めて、どういった形の自立援助ホームというのがいいのか。我々も考えなくてはいけないですけれども、そこは考えていってほしいなというのがあります。

○松原委員長 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 木ノ内委員、お願いします。

○木ノ内委員 木ノ内です。

先ほどの職親だとかと関連してくるのですけれども、仕事と住まいを一緒に自立をさせようというところで、そうすると仕事につまずくと家もなくす。いわゆるホームレスになりやすいということがありますので、その辺は一緒に考えないほうがいいのではないかと思うのと、実は、私は里親をやっていると、里親仲間から、実はうちは実家が空き家になっているのだとかが非常に多いのです。そこをユースに使って欲しいのだけれどもと言うのですが、なかなかそこのマッチングができなかったりする。そういうことから言えば、社会の中に随分空き家が目立っているのであれば、そういうものを社会的養護の子どもに提供してくれとか、社会の力を借りるといいますか、そういうことも可能なのかと思ったものです。

○松原委員長 ありがとうございます。

 ほかにいかがですか。

 どうぞ。

○草間委員 草間です。

居場所づくりについて発表させていただいたのですけれども、平成23年に国で実施した調査と東京都で実施した調査をつぶさに見ますと、退所した子ども達の一番の課題点は孤独感というのが挙げられていました。退所後に孤独になってしまって、そこで生活が崩れていくという実態が明らかになっています。退所児童本人が施設等にアクセスしなければ、どういう状況に置かれているのか正確に掴めないということです。実際に施設で把握しているのもそんなに多くないということです。このような状況を鑑みると、居場所をつくって孤独感緩和を図る施策がとても大事になります。

 お金をどうするか。ここについては、一つの案としては厚労省で予算をつける事が考えられる。

2つ目としては、民間資金の活用というスキームで整備をしていくことです。これらの具体的な展開は、子供の未来応援運動という国民運動のほうとうまく連動して、民間から集めたお金を子ども達の居場所づくりの支援に持っていけないかなと考えています。

 いずれにしても、財源をつくっていかないと整備が進まないということが言えますので、どのようにお金を創出していくかということを、いろいろ知恵を絞って考えていく必要があると考えています。

○松原委員長 ありがとうございます。

 アフターケアのことを考えたときに、施設というのは子どもがずっと生活していたところですから大きな役割を果たすと思うのですが、地方に行きますと、施設卒園後、そこの県庁所在地にしか職がないとかあるいは逆にそこもなくて、東京、大阪、名古屋あたりに就労で出ていってしまうというと今度はなかなか戻りにくいというのも実態であって、特に都市部でそういう子ども達のアフターケアをしていくという引っかかりがないと、なかなか施設があるところへ戻っておいでというだけでは解決しないのかなというのは考えてはいるのですが、いかがですか。

○草間委員 草間です。

委員長がおっしゃったとおりだと思います。政策効果が高いのは、大都市に整備をすることです。人口規模が大きくなるに比例して職数が増加するからです。職と住と一体です。茨城県で言えば水戸市になりますが、十分な職があるかというと、必ずしもそうではない。やはり東京圏や大阪、名古屋といった三大都市に重点的に整備していくことが雇用の吸収の可能性は高いと思います。次にどこかの自治体で居場所づくりに手を挙げてくれたところで先行的に実施していただくという形もあると思っています。

○松原委員長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 泉谷委員、お願いします。

○泉谷委員 泉谷でございます。

先ほど、木ノ内委員のほうからお話がありました空き家の活用等についてなのですけれども、そういう申し出があってもそれをうまく実際の活動に結びつけていくというところが、実際に里親さんのお仕事などをしている中での限界等もあると思うので、そういうところこそ、逆に民間企業ですとか社会的企業というもので、ノウハウがあるところに投げてみて、一緒に手を組んでやっていけるかということを検討していくこともいいのかなと思います。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 磯谷委員、どうぞ。

○磯谷委員 別の論点でよろしいですか。最後の18ページの下のところですけれども、施設あるいは里親さんのところとか退所していった後、特に想定しているのは里親さんですけれども、このときもお話ししたように、措置が切れた後もいい関係をつないでいただくというのはとてもすばらしいことだと思う一方で、そこの関係というのが、例えば、子どもに対して押しつけになっていたりとか、子どもの利益に反するような形になると非常にこれはまずいと思うのです。

 公的な支援が、その後、私的な関係になっていくという話をしましたが、私が一つ考えているのは、その措置が切れた後の里親さんと子どもさんとの関係について倫理的なものを少し何か目安をつくっていただくというのもいいのではないか。私が不勉強で、ひょっとしたらあるのかもしれません。

もう一つが、ケースとしては多くないでしょうからなかなか規模は悩ましいのですが、要するに委託終了後に里親さんと子どもとの間に何らかの問題が生じたとき、その間を調整をする。そういったことについて相談に乗って、その関係を調整するというところも、何か仕掛けを持っておくとよろしいのではないかなと。

 これは里親さんのほうから悩みという形で出てくるのもあるでしょうし、一方で、子どものほうから悩みという形で出てくるのもあるのではないか。そういった措置後の調整のようなことも視野に入れる必要があるのではないかと思います。

○松原委員長 ありがとうございます。

 それでは、今日の全般を通じて言い残してしまったこと、あるいは3、4を議論していて1、2についてこのことは追加しておくことがあったというようなことがあれば御発言をいただきたいのですが、いかがですか。

 どうぞ。

○草間委員 草間です。

子ども達の家庭復帰は別にして、例えば、高校あるいは中学まで施設にいて、そこで就労自立をしていくといった場合に必要なのが、どれだけ職業意識というか、職業観を醸成していくかというのは、これはなかなかできないのですけれども、これをアフターケアの前にやっていくと。その中に包含すれば、ソーシャルスキルトレーニングですけれども、どのような職業についたらいいかとか、そういう職業観の醸成というのはとても必要になるのではないかと思っておりまして、報告書の中にも盛り込んだらいいのではないかと思っております。

○松原委員長 ありがとうございます。

 藤川委員が御所属の団体でそれをされているのですが、それが全国的かというとなかなかそれぞれのところにはないというのが現状です。

 中板委員、どうぞ。

○中板委員 日本看護協会の中板です。

里親支援のところで、出口のところの話が今はメインであることは承知していますが、入り口のところを話してもいいですか。

 まず、乳児院から里親に移行する場合ですが、里親をお受けになる方たちの多くは実子がいない場合が多かろうと考えます。研修をお受けになっており、また、前向きに受けて頂いていることは承知していますが、里親さんにとっても子育てはそう容易ではありません。母子保健サービスは全ての子育て家庭に開かれており、活用して頂きたいと思います。孤立化してしまったり、密室化は子育てにとって、良いことではありません。

 地域の中で、里親家庭の存在あるいは認知がまだ低いし、その連携、共同という意味でも不十分かなと思っております。母子保健を担う保健師等も、母子保健の視点で里親さんたちとの関わりに積極的になれる仕組みをどのように育てていけばいいのか考えなければなりません。

 何人かの委員がおっしゃっているとおり、里親制度は法的制度の一つですので、制度として里親を支えて、施設ではない家庭で育つ利益を得られるよう努力したいです。地域、社会とのつながりですとか、いろいろな人たちとのつながりというものを子ども達が体感できるために、どのような調整が必要なのかということはぜひ考えていかなければなりません。これは地域側も非常に大きな課題として受けとめなければならないなと思っております。それが1点です。

もう一点よろしいでしょうか。先ほどの家庭復帰後の虐待の再発防止、親子関係再構築の市区町村の役割の明確化というところですが、家庭復帰される判断についてです。親御さんの精神的な問題を抱えている場合も非常に多く、その基礎疾患となるものを明確にし、その病理への適切な対応も必要と考えています。

 単に鬱状態だけですご、基礎となる疾患が不鮮明なまま、親教育が成されたり、成されなかったりします。内分泌系、あるいは内臓系の疾患からくるうつ状態の場合などもあり、心的支援より治療を優先しなければならない場合もあります。このように基礎疾患があることによって養育困難となってしまわざるを得ないといった状況もあり、支援の仕方には濃淡と支援の方法論が変わってくるのではないかと思っております。

 その判断によって再統合プログラムも構成されるはずですから、在宅復帰を支えていくときの非常に重要な情報として重視して頂きたいと思っています。

 情報収集というところについては、児童相談所から情報収集するという仕組みだけではなく、いわゆる医療機関とか保育所、学校等々、そういったところが積極的に情報を提供するということについても、児童相談所が入手できる仕組みだけではなくて、提供できる仕組みを通知等々も含めてぜひお願いしたいと思います。これまでも出されているのですが、特に医療機関はなかなか進みませんので、積極的に情報を提供するということを打ち出していただきたいと思いました。

 以上です。

○松原部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょう。

 秋山委員、どうぞ。

○秋山委員 18ページで、長期に支えていくことが必要という文言があります。医療機関は、年齢に関係なく受診をして見守ることができます。また、医療機関同士というのは比較的情報を確実につないでいくという体制があります。

 しかし、医療の中が虐待とかこの分野に関しては未知数というか、未知の分野でありますので、医療側からもっと調査研究をして、この分野に関われるようなシステムづくりが必要かなと思います。情報の提供の在り方にしても同じだと思います。

 以上です。

○松原委員長 菅野委員、お願いします。

○菅野委員 彦根児相の菅野です。

今は情報という話がいろいろあるのですけれども、共通のアセスメントを小さいときからずっとその家族や、子ども、そこの支援に関わった人間たちが共有する。障害を持っている子どもさんの場合に、最初の関わりから支援ファイルというか、どういう一連の関わりがあったのかというのを、親御さん・御本人さんが管理していくという形で情報を管理して支援に一貫性を持たせるシステムがあります同じようにというのは難しいかもしれませんが、要保護の子ども達に対しても、情報をどのように管理し、その情報は次にどこへつないでいくのか。その情報を誰に使ってもらうのかという総合的なシステム。だから、共通のアセスメントで言うようなものがどこかで必要になってくるのではないかと考えます。

 ある時期、例えば再統合のときの情報。その情報は児童相談所が持っているのですけれども、その児童相談所が持っている情報を次にどこへつないでいくのか。どう受け渡しをしていくのか。誰が管理して、マネジメントしてくれるのか。逆に言えば、自立していくというときに、自分自身はどんな支援を受けてきたのかということの振り返りも子ども達は必要になってくるのかなと。そういう子ども中心に考えた情報の管理と維持というか、本当にものすごく大きな話になるとは思うのですけれども、そのあたりです。

 ある時期は関わっていて情報はあるけれども、その情報は次にどこへ持っていったらいいのかということも含めて、それこそ磯谷先生に言っていただいたように、いわゆる介入と支援という総合的なシステムを考えていく上でも、その辺のところを大きなところで御検討いただければありがたいなと思いました。

 以上です。

○松原委員長 ありがとうございます。

 先ほどの磯谷委員の御意見も含めて、今後、この委員会ではないところで考えなければいけないところもいろいろ出てきたかと思いますが、実は、今日議論してきたところは、今、立ち上がっているほかの会議・委員会とも係る部分があります。そのことも含めて、今後の進め方について、事務局のほうから御説明をお願いしたいと思います。

○大隈家庭福祉課長 事務局の家庭福祉課長でございます。

今回、取りまとめいただく予定の内容につきましては、一つには児童虐待防止対策の中での自立支援のあり方についての議論でありますが、その一方で、社会的養護のあり方にも関係する内容でございます。

 したがいまして、同じ社会保障審議会児童部会に設置されております社会的養護専門委員会におきましても、この委員会におけるこれまでの議論を報告させていただきまして、こちらの委員会の報告書の取りまとめに向けて、社会的養護専門委員会の各委員からの御意見もあわせて伺いたいと考えておりますので、その点は御承知おきいただければ幸いでございます。

○松原委員長 この点は、両方が共同してやっていくということでよろしいですね。

 ありがとうございました。

 次回の日程と、これでまとまってきますから、次々回以降の日程というよりは、どんなことをここで取り上げていくかということも含めて御案内をお願いしたいと思います。

○寺澤家庭福祉課長補佐 本日はありがとうございました。

 次回の日程でございますが、5月29日の15時から17時ということで、同じく9階の省議室を予定しております。

○大隈家庭福祉課長 それから、次々回以降でございます。

 次回に、今日も含めてこれまでの御意見をまとめた形で一回まとめをさせていただければと思っておりますが、さらに次からは、当初、議論しておりました初期対応の関係と自立支援の関係をあわせて、もう一度総合的に御議論いただければと考えております。

○松原委員長 ありがとうございます。

 まだ確定できないでしょうが、次々回以降もだんだん日程が埋まってきますので、早目に御確定をいただければありがたいかなと思います。

 それでは、今日の専門委員会を閉じたいと思いますが、よろしいでしょうか。

ありがとうございました。


(了)

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