ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会))> 平成27年度第6回入院医療等の調査・評価分科会・議事録(2015年7月29日)




2015年7月29日 平成27年度第6回入院医療等の調査・評価分科会・議事録

○日時

平成27年7月29日
14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館省議室(9階)


○出席者

【委員】

武藤分科会長、安藤委員、池田委員、池端委員
石川委員、香月委員、神野委員、佐柳委員
嶋森委員、藤森委員、發坂委員、本多委員

【事務局】

医療課長、保険医療企画調査室長、歯科医療管理官、薬剤管理官 他

○議題

1. 短期滞在手術等基本料について
2. 総合入院体制加算について
3. 地域包括ケア病棟入院料について
4. 有床診療所入院基本料について
5. 医療資源の少ない地域に配慮した評価について
6. 慢性期入院医療について

○議事

○武藤分科会長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「平成27年度第6回診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)」を開催いたしたいと思います。

 本日の委員の出欠状況ですけれども、本日は筒井委員が御欠席ということになっております。

 それでは、議事次第に沿って議事に入らせていただきたいと思います。

 今回と次回で2巡目の議論をしながら、これまでの議論をどう取りまとめていくかを検討していただきたいと思います。

 本日は、ここの議事次第にあるように、1番から6番まで6つの議題があります。項目的にかなり多いので、円滑な議事運営に御協力をお願いしたいと思います。

 まずは、事務局から御説明のほどをお願いしたいと思います。

○事務局

 それでは、資料の説明をさせていただきます。

 まず、最初に短期滞在手術等基本料ということで、「診調組 入-1」の資料をごらんいただければと思います。

 全体の構成としまして、これまで御議論いただいたものを前段にまとめて、その後、宿題事項等、新たに資料を追加して、最後にまとめといった形で資料を御用意させていただいています。なので、短期滞在のところについてですけれども、3ページから12ページまでは既存の資料となっております。12ページにございますように、前回、短期滞在手術等基本料に関する課題と論点ということで12ページの1枚紙を提示させていただいております。

 それを踏まえて、13ページのほうに前回いただいた御意見と宿題事項ということで3点あったかと思いますが、まず1点目として、全身麻酔と全身麻酔以外の方法の両方で実施されている手術について、医療機関によって選択する麻酔方法が異なるのか、あるいは患者によって選択する麻酔方法が異なるのか状況をデータで示せないかというのが1点目。

 もう一つとして、小児で多く実施されているという場合があるようですが、3歳未満、3歳以上から6歳未満と加算に応じて評価を分ける必要があるのかどうなのかデータを示せないかというのが2点目。

 もう1つ目として、標準化が進んだのかどうなのか評価するために改定前後の点数の分布を示せないかということで、3点資料を御用意させていただいております。

14ページの資料が全身麻酔と全身麻酔以外の手術の内訳ということで用意させていただいております。項目としては、全身麻酔、全身麻酔以外の症例がそれぞれ30%以上を占めていた項目をピックアップして5項目出しております。上段が平成25年、下段が平成26年で、症例の内訳としては、それぞれ全身麻酔の症例と全身麻酔以外の症例で示しております。また、一番右側ですけれども、医療機関ごとにどれぐらいの割合、90%以上が全身麻酔という医療機関がどれぐらいあるのか、また、全身麻酔が10%以下、ほとんどが全身麻酔以外の手術でやっているという医療機関がどれぐらいあるのかということを一番右側の2列で示させていただいております。

 全体を見ますと、若干ですけれども、症例ごとに見ると全身麻酔以外の症例が平成25年と比べて少しふえているのかといったことかと思います。また、医療機関別の状況を見ますと、右側の列に示してあるように、多くの場合、医療機関ごとにうちは全身麻酔で多くの手術をやっています、あるいは、うちは全身麻酔以外の方法でほとんどの手術をやっていますといった特性が見られたといったものかと思っています。

 次に、15ページの資料になりますが、乳幼児の症例が多く見られた項目ということで検索しましたけれども、2つ、15歳未満のヘルニア手術、そして、同じく15歳未満の腹腔鏡下の鼠径ヘルニア手術、この2つの項目については乳幼児の手術が一定数見られたといったものです。

 また、表のほうに3歳未満、あるいは3歳以上6歳未満のそれぞれ割合と出来高部分の点数の平均値を示していますけれども、3歳以上6歳未満のところで点数が大きく違っていて、おおむね下の分布のほうを見ていただきますと、年齢の3歳未満あるいは3歳以上6歳未満、それ以外にあわせて点数が分布されているということかと思います。

 続きまして、16ページから18ページになりますけれども、改定の前後で集約したのか、あるいは分布がシフトしたのかといったことになっております。2列右側のほうに、一番右側のほうは25-75tile幅、右から2番目は50tileの値を示していますけれども、25年、26年を比較していただくと、多くのものについて50tileの値が少し安いほうに行っているのかといった状況かと思います。

 また、25-75tile幅も幅が集約したものは青い色を塗らせていただいていますけれども、多くのものについて一定程度標準化され集約されてきたといった状況かと思います。

 これらを踏まえて、19ページになりますけれども、課題と論点ということで示させていただいています。「現状・課題」については、今、御説明させていただいたとおりでして、「論点」として、現行の対象手術等のうち、包括範囲出来高実績点数にばらつきが見られる項目が存在することから、出来高実績点数が全く異なる傾向を示す場合については短期滞在手術等基本料の別の項目を設定することを含め、より実態に即した点数のあり方についてどのように考えるかといったことでまとめさせていただいております。

 加えて、20ページにこれまでの議論に関するまとめといったことで文章にさせていただいていますけれども、1ポツ目として、近年、平均在院日数は短縮していく傾向が見られたが、一部特定の疾患に偏った病院が見られたことなどから、平成26年度の診療報酬改定で短期滞在手術の見直しが行われた。

 2ポツ目として、短期滞在手術の対象となっている項目のうち、以下の特徴が観察された。1点目として、前回御議論いただきましたとおり、水晶体再建術については改定前後で両眼の手術の減少、片眼の手術の増加が見られ、診療形態に大きな変化が見られたといったことがあるかと思います。以降については、本日御議論いただいた内容を反映させていただければと思っています。

 加えて、3ポツ目に関しては、包括範囲とされた部分について改定前後に全体としてはやや低くなる傾向が見られた。また、原則として短期滞在の中では全ての基本診療料・特掲診療料が包括されているが、他の包括入院料に例があるように、高額の医療を要する特定の部分を包括から除外することも考えられることから、例えば透析患者について分析したところ、平均的な症例と比べると大きく上回っていた。

 4ポツ目として、現在、対象となっていない手術のうち、短期滞在の設定の対象となるものについて探索したところ、例えば経皮的シャント拡張術・血栓除去術等の項目が抽出されたといったことでまとめさせていただいております。

 続きまして、21ページ以降、総合入院体制加算についてということで資料をまとめさせていただいております。

 同じように、29ページまでは既存の資料で前回御議論いただいたものになっています。

30ページに前回いただきました御意見と宿題事項を提示していますけれども、宿題事項として3つ、化学療法の実績要件の妥当性を判断するための分布を示せないかというのが1点。2点目として、A項目2点以上の患者の割合による医療機関の実績等を提示できないかということ。3つ目として、認知症患者の受け入れ状況がどうなっているのか提示できないかということで資料を御用意させていただいております。

31ページが、それぞれの実績要件の医療機関のどれぐらいの値になっているのかということを箱ひげ図で示させていただいております。横軸が各実績の件数になっていて、1メモリ目が各項目について実績の基準値になっているものでございます。見ていただきますと、化学療法と人工心肺を用いた手術については中央値が基準値を下回っていて、分布自体もすごく集約されているといった状況かと思います。

32ページをごらんいただきますと、赤い棒グラフのほうが総合入院体制加算の算定を行っている病院、青いほうが行っていない病院ですけれども、両方とも年間4,000件を超えている医療機関が一定数見られていて、それらの病院の特性を見ると、がん診療連携拠点病院等に該当するものが多かったといった状況でした。

 続きまして、33ページのほうは、こちらはA項目が2点以上を満たす医療機関の分布を、赤いほうが同じく総合入院体制加算の届け出を行っている医療機関、青いほうが行っていない医療機関ですけれども、若干の差は見られるもののどちらも幅広い分布を示していたというものでございます。

34ページですけれども、A項目が2点以上の患者が30%以上いる医療機関、また、30%未満の医療機関で病床数当たりの実績を見たものですけれども、多くの場合、平均で見るとA項目を満たしている患者さんが30%以上の医療機関のほうが病床当たりの実績数も高かったといったことかと思います。

 続きまして、35ページのほうですけれども、先ほどは加算をとっている医療機関内でのデータでしたけれども、7対1全体で見た場合に、それぞれ25%未満、2535%、35%以上で同じようにデータを見てみると、総じてA項目の該当割合が高いところが病床当たりの実績も高い傾向が見られたといったところかと思います。

36ページが認知症の患者の受け入れ状況を示したものですけれども、1か月当たりで認知症の救急搬送患者を受け入れた実績を見ると、1件も受け入れていませんというところが35%程度に上っていて、必ずしも積極的に受け入れを行っていないところも一定程度見られるといった状況でした。

37ページは、前回示させていただいたもので、精神疾患を合併している患者の受け入れ状況がこのような状況になっているといったものです。

38ページは、医療機関において精神保健指定医を配置している医療機関の割合がどれぐらいあるのかといったものを左の円グラフのほうで示しておりまして、40%程度は配置をしている。右のほうは配置をしているところとしていないところでどれぐらい緊急入院になった精神疾患の患者がいたのかといったものを示していますけれども、精神保健指定医がいるところのほうが受け入れが多かったといったものでございます。

39ページは、前回も参考までにお示しさせていただいたもので、精神疾患を合併する患者に関連する算定項目でございます。

40ページが総合入院体制加算に関するこれまでのまとめということで、1ポツ目としては、前回、総合入院体制加算の新しい1をつくって、現状の届け出数は総合入院体制加算1が4件、2が311か所であった。

 2ポツ目としては、届け出を行っている医療機関であっても救急患者等の受け入れ状況にはばらつきが見られたといったものです。

 3点目として、満たす必要があるとする実績要件が6つありますけれども、化学療法4,000件という要件を満たすことが困難と答えている医療機関が多かった。

 4点目として、重症度医療看護必要度のA項目の該当患者割合は、手術等の医療機関における件数だけでなく、病床数当たりの件数とも関連が見られており、高度な医療を提供する密度が高い医療機関であることの指標にもなるのではないかと考えられたといったものです。

 最後、5ポツ目になりますけれども、加算2の届け出医療機関のうち約5%程度は当該加算の満たすべきとされる実績要件を1つ以下しか満たしていなかった。これらの医療機関は実績要件の多くを満たす医療機関と比較して手術の実績等に大きな差があるほか、平均在院日数が長い傾向が見られたといったことでまとめさせていただいております。

○事務局

 続きまして、地域包括ケア病棟入院料について、41ページからお示ししてございます。

 同様に42から59ページまでが、これまで既存でお示ししたスライドでございます。

 それを受けまして、60ページに6月19日の入院分科会でお示しいたしました課題と論点を再掲してございます。6月19日の第3回入院分科会におきまして、これをごらんいただいて御議論いただいた上で、宿題としまして3点ありましたので挙げております。

 1つ目が地域包括ケア病棟の入院患者さんのB項目の内容とか推移から、患者像、特に危険行動について分析できないかというもの。それから、地域包括ケア病棟において手術料が包括外となれば、虫垂炎、骨折等の簡単な手術等が必要な患者さんを在宅から地域包括ケア病棟に直接受け入れるインセンティブになるのではないかという御意見がございました。

 また、地域包括ケア病棟に入棟する前にどのような手術がなされているのかを見ることで、地域包括ケア病棟で完結して対応できるものを探し出せるのではないかという御意見もいただきました。

 宿題事項として3点まとめますと、地域包括ケア病棟における入院後のB項目点数の推移、地域包括ケア病棟における入院患者さんの危険行動の状況、地域包括ケア病棟及びほかの病棟における手術の実施状況について宿題事項としてまとめてございます。

 それを受けまして、62ページ以降、それぞれのいただいた宿題についてスライドをお示ししております。

 まず、62ページが各病棟の入院患者さんのB項目の推移でございます。

62ページから6364ページまでが、それぞれB項目の推移を入院第1週から入院第8週までにかけて、一般病棟7対1、10対1、一般病棟13対1、15対1、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟という形でまとめております。

 それぞれのスライドの違いは、左側の軸の違いでございます。B項目総得点の中央値でとったもの、平均値でとったもの、総得点が3点以上の割合でとったもの、それぞれございます。いずれも入院第1週から第8週までを見ますと、右から2つ目の山でございますけれども、地域包括ケア病棟第1週から第8週まで、特段明瞭な傾向というものは見られませんでした。恐らく入院されてから退院されるまでの間にB項目の推移というのはよくなっていくのだろうと思いますけれども、逆によくなった方は退院されていきますので、結果として残った方のB項目を見るとこういった形になってしまうということでございます。

 それから、各病棟の入院患者さんの危険行動の割合について65枚目のスライドでお示ししてございます。

 B項目において危険行動ありとされる割合というのは、回復期リハビリテーション病棟と療養病棟で比較的高く、地域包括ケア病棟では一般病棟と同程度でございました。

66ページのスライドが、これは以前もお示ししたスライドでございますが、地域包括ケア病棟入院料の包括範囲について、ほかの病棟と比較しながらレビューしたスライドでございます。

 おめくりいただきまして、67枚目のスライド、こちらが地域包括ケア病棟、また、ほかの病棟で実施された手術を入院1日・人当たりの手術点数の形でお示ししたものでございます。入院1日・人当たりの手術点数、これは輸血も含みますけれども、地域包括ケア病棟でいいますと2.9点、それから、既に廃止になっておりますが亜急性1ですと、それが9.9点、療養病棟ですと4.5点という結果でございました。

 また、地域包括ケア病棟等で実施された手術を医療機関提出データ、また、DPCデータから抽出してお示ししたものが68枚目のスライドになります。地域包括ケア病棟で行われた手術の件数というのは、亜急性期の1、2、療養病棟で行われた手術の件数と大体同程度でございました。一般病棟のものよりは少ないというものでございました。

69枚目のスライドが、68枚目のスライドを右に伸ばしたような形でそれぞれの内訳、どういった手術の内訳であるのかというものをお示ししたものでございます。地域包括ケア病棟で行われた手術というのは、皮膚・皮下組織、筋骨格系・四肢・体幹、腹部等についてのものが多くございました。

 それぞれどんな手術が行われたのかというものが70ページ以降にお示ししてございます。地域包括ケア病棟で行われた皮膚・皮下組織の手術の中で多いものというのは、創傷処理と皮膚切開術でございました。これは、亜急性期1や療養病棟でも同様でございました。

 顔面・口腔・頸部の手術としては、地域包括ケア病棟で実施されたものというのはもともと少なかったのですけれども、そのほとんどというのが顎関節の脱臼の非観血的な整復術でございました。

 おめくりいただきまして、71ページのスライドですが、筋骨格系・四肢・体幹の手術についてどういったものが行われていたのかというのをお示ししております。地域包括ケア病棟では、超音波骨折治療法というものが最も多く見られました。亜急性期1では、その超音波骨折治療法のほか、陥入爪の手術、骨内異物除去が多くございました。

 地域包括ケア病棟で実施された心・脈管系の手術についてをお示ししたものが72ページでございます。もともと心・脈管系の手術というのは地域包括ケア病棟で少なかったのですけれども、その中では中心静脈の静注用の植え込み型カテーテルの設置というものが多くございました。

 亜急性期1では、中心静脈静注用の植え込み型カテーテル設置というのも多かったのですけれども、療養病棟では経皮的シャント拡張術・血栓除去術というものが多く見られました。

 腹部につきましては、73ページにお示ししておりまして、地域包括ケア病棟で実施されたものとしては胃ろう造設術が多く見られました。

 療養病棟では同様に胃ろう造設術が多く、亜急性期1では、やはり胃ろう造設のほか、胸水・腹水濾過濃縮再静注法、内視鏡的な手術が幾つか多いものがございました。

 また、輸血でございますが、74ページにお示ししております。地域包括ケア病棟では、入院10万日・人当たり531件ございました。これは亜急性期1や療養病棟より少ない傾向にございました。

75ページには、それぞれ行われた手術を手術それぞれの点数階級別に割合をまとめたものをお示ししてございます。地域包括ケア病棟で行われた手術の7割は5,000点未満のものでした。亜急性期1、療養病棟についても5,000点未満の手術が7割弱を占めておりましたけれども、1万点を超える手術も一定程度見られておりました。

 また、地域包括ケア病棟で実施された麻酔ですが、入院10万日・人当たりの全身麻酔の件数というのは、地域包括ケア病棟で8.5回、亜急性期で130.2回、療養で11.1回でございました。

 また、地域包括ケア病棟への入棟の前に行われた手術としては、骨の観血的な手術というのが大部分でございました。

 それを受けまして、現状課題と論点をおまとめしたものが78ページでございます。

 現状課題の部分は、今、御説明したとおりでございます。

 それを受けまして論点としましては、地域包括ケア病棟が期待される役割を果たすように促す観点から、例えば手術料及びブロック注射を除く麻酔料を包括外とすることについてどう考えるかといった形で論点を挙げさせていただいております。

 また、それを受けまして、「地域包括ケア病棟入院料に関するまとめ(案)」というものを79ページから80ページにお示ししております。

79ページにはポツが5つございまして、1ポツ目が地域包括ケア病棟の新設の経緯でございます。

 2ポツ目ですが、地域包括ケア病棟の届け出は増加の傾向にあって、現在、27年4月現在で3.2万床がございます。どこからの転換が多いかというと、入院基本料7対1、10対1や亜急性期入院管理料からの転換が多いと考えられております。

 届け出の理由としては、よりニーズに合った医療を提供できるため、また、患者さんの状況に即した医療を提供できるためという回答が多く見られたことを挙げております。

 3ポツ目ですけれども、地域包括ケア病棟の入棟前の居場所では、急性期からの受け入れや緊急時の受け入れ、及び在宅復帰支援等の役割が期待されており、調査結果においても地域包括ケア病棟にはそういった役割が期待されており、入棟前の居場所を見ますと、自宅及び自院・他院からの入院患者というのが多数を占めておりました。

 4つ目のポツですけれども、入院患者さんの疾患としては骨折・外傷が多く、入院の目的としてはリハビリテーションを目的の方が多く、手術等の実施は少なく、また、入院患者さんの半数程度において既に退院予定が決まっているなど、受け入れがなされている患者さんは特定の状態に集中する傾向が見られたというところを挙げております。

 地域包括ケア病棟における検査、画像診断、処置、手術等について5ポツ目で挙げておりますけれども、大半の診療が入院料に包括とされていますけれども、ほとんど検査や画像診断を要しない患者さんというのも一定程度入院されていらっしゃいました。

 処置の実施というのは頻繁ではなく、手術の実施というのはほとんど見られなかったこと、また、実施された処置等としては酸素療法、膀胱カテーテル、血糖測定等の頻度が高かったことを挙げております。

 先ほど宿題事項として挙げさせていただいた検討内容を反映させていただく部分が次に来まして、80ページ、次のポツとしましては、個別リハビリテーションの実施について、平均で1日1人2.4単位実施されていて、提供単位の分布は幅広かったこと。それをもって、患者の状態に応じて異なる頻度でリハビリテーションが提供されているものと考えられたという記載をしております。

 それから、地域包括ケア病棟の入院患者さんの退棟先というのは主に自宅であること、在宅復帰率は高い水準にある一方で、家族のサポートや介護施設の確保が困難なために退院予定が立っていない入院患者さんというのも一定程度存在していたということを挙げております。

 また、退院支援のために担当者の配置であるとか、入院時からの多職種カンファレンスなど取り組みが行われていたこと、また、より入念な退院支援を要する状態の患者さんの受け入れを図る方策を探るため、退院支援の取り組みの効果等について分析を行い、次のような結果が得られたとして、その下、小さなフォントでお書きした部分を挙げております。

81ページからが有床診療所入院基本料についてでございます。

 こちらも82ページから87ページまでは、これまでお示ししたスライドでございます。

 それを受けまして、88ページで有床診療所入院基本料に関するまとめとして5ポツでございます。

 まず、1ポツ目が有床診療所の施設数、病床数というのは近年減少傾向にあり、特に外科、小児科等で顕著になっていること。それから、平成26年改定において新たな入院基本料が設定されたこと。有床診療所も入院基本料の算定回数の8割というのが新しい入院基本料として設定されました基本料1、2、3のいずれかであること。1、2、3を届け出る際に満たした要件としては、夜間看護配置加算の1または2、時間外対応加算1の届け出等が多かったということを記載しております。

 それから、有床診療所への入院というのは、診療科別に見ますと内科、外科、整形外科と眼科や産婦人科というのでは、それぞれ傾向が大きく異なっていたことを記載しております。

 入院の多くは自宅からでございましたけれども、内科、外科、整形外科では他院の急性期病床からの入院も一定程度見られました。

 また、内科では介護老人福祉施設からの入院も見られました。

 内科、外科、整形外科では要介護認定を受けた方というのが半数前後に上っており、こうした診療科の有床診療所では地域の医療機関や介護関係者と良好な関係を築いていらっしゃいました。有床診療所からの退院先というのは診療科によらず、そのほとんどが自宅でございました。

 最後のポツとしまして、今後5年から10年を見据えた運営の方向性としては、現状を維持したいとお答えになった医療機関が多かった一方で、内科、外科については訪問診療であるとか、自宅介護施設への受け渡し、終末期医療等に力を入れたいとお答えになった施設も一定程度見られました。

 一方、整形外科、産婦人科、眼科では専門的な診療に力を入れたいという御回答が比較的多かったということを記載しております。

89ページからが有床診療所入院基本料に関していただいた宿題事項でございます。2点ございまして、有床診療所について、例えば要介護認定を受けている方に適切に使っていただけると大変有意義な病床であると考えられる。年齢階級別の患者数などを示せないかという宿題をいただいておりました。また、患者さんの入院日数の内訳が示されておりまして、31日以上という区分になっておりましたが、その資料の中で長期の入院患者さんもいると思うので平均在院日数を示せないかという宿題もいただいておりました。

 まず、90ページですけれども、有床診療所の入院患者さんの年齢構成をお示ししております。一番右が、内科でいいますと85歳以上の方が全体の半分弱、外科についても半分弱が85歳以上でいらっしゃいました。また、75歳以上84歳未満も合わせますと8割弱ということになります。また、当然、診療科の特性を反映しまして、例えば産婦人科ですと、そのほとんどが15歳以上40歳未満の方でいらっしゃるという傾向がございました。

 また、要介護度の分布でございますけれども、91枚目のスライドにお示ししてございますけれども、オレンジっぽい部分、また、赤っぽい部分が要支援または要介護とお答えになった部分でございます。内科、外科でいうと約半数程度の方が要支援または要介護を受けていらっしゃるという傾向にございました。

92枚目のスライドには有床診療所の平均在院日数をお示ししております。それぞれ50tileを中央値と、それを挟む25tile75tileについて診療科別にお示ししております。長さでいいますと、75tileで見ていただきますと脳外科が38.9日、整形外科が34.5日、このあたりが31日を超えるところとしてはございます。

○事務局

 続いて、5の「医療資源の少ない地域に配慮した評価について」でございます。

108ページまでは、前に御議論いただいたときの資料をそのままつけさせていただいております。今回の御議論いただくポイントは、これをどうまとめていくかということでございますので、その部分は109ページ、110ページのみ、ここでは御紹介させていただきます。

 1ポツ目でございますけれども、医療資源の少ない地域に配慮した評価として、医療従事者や医療機関が少ないことなどに着目し、対象となる30の二次医療圏内においては施設基準の緩和や入院基本料の病棟ごとの届け出などが認められているが、届け出や算定の状況は極めて低調である。当該評価の対象は、患者流出率20%未満、人口密度300人未満、病院密度が下位15%、または病床密度が下位15%の基準を全て満たす二次医療圏であるが、患者の流出率が一定以上の場合には対象とならない。また、医療従事者数自体は要件とされていないことから、人口密度や人口当たり医療従事者数が極めて低い二次医療圏の多くは対象となっていない。また、二次医療圏の中心部が離島でない場合は、離島に所在する医療機関であっても対象となっていない。こうしたことから、真に医療資源の少ない地域であっても対象となっていない地域が多く見られた。

 このほか、ヒアリングの結果からは、7対1、10対1入院基本料の医療機関は対象となっていないことが、対象となる医療機関が少ない原因であるとの指摘もあった。

 次のページに参りますけれども、医療資源が少ないことが患者の流出の原因にもなり得ることから、対象地域の選定条件として患者の流出率が少ないことよりも、むしろ医療従事者数が少ないことを重視した場合のシミュレーションを実施した。仮に下の表にあるような条件で二次医療圏を選定した場合、すなわち患者流出率を問わずに医療従事者の確保ということについて医師数や看護師数が少ないということを要件とした場合でございますけれども、人口密度、人口当たり、面積当たりの医師・看護師数、病院密度のいずれについても現行より低い二次医療圏が対象となる傾向が見られた。対象となる二次医療圏数は30から41に増加するが、対象となる二次医療圏の面積・人口の合計は現行とほぼ同じであった。このようにさせていただいております。

 続いて、111ページからが慢性期入院医療についてでございます。幾つかの論点に分けて御議論いただきました。まず、在宅復帰機能強化加算でございますが、119ページまでは既にお示しした資料で、120ページがまとめの(案)となっております。

120ページでございます。この加算、17%の医療機関が届け出を行っていたということでございます。その状況を分析したところ、当該加算の届け出医療機関では自宅からの入院が多かったが、在宅復帰機能強化加算を算定している病棟において、必ずしも急性期病棟から受け入れた患者の多くが在宅に復帰できているわけではなかった。病床回転率等の算出に当たって、自宅からの入院と他院からの転院を区別していないことなどが背景にあると考えられた。

 また、在宅復帰の強化加算の届け出病棟では、入院期間が31から60日の退院患者が多く、これは在宅復帰率の算出から入院期間が1か月未満の患者を除くルールから生じる弊害であると考えられた。このルールが設定された本来の目的は、急性期病棟から受け入れた患者の在宅復帰を進めることであったが、必ずしも初期の目的を果たしていないと考えられた。

 こうしたことから、回転率等何らかの指標において、急性期病棟から患者を受け入れ、在宅に復帰させるということを加味して評価すれば、在宅復帰率の算出における入院期間に関するルールを改めることも可能になると考えられる。ただし、急性期病棟から受け入れた患者の在宅復帰には大きな困難を伴うことから、急性期病棟からの受け入れ患者に限った場合、現行の回転率等と同じ水準に基準を設定することは難しいとの意見があった。

 さらに次のページですけれども、あわせて在宅復帰機能強化加算届け出病棟における一層の退院支援の強化について検討するため、取り組みの効果等について分析を行い、以下の結果が得られた。退院支援室を設置している医療機関等では在宅復帰率が高い、平均在院日数が短い等の結果が得られた。病棟への退院支援職員の配置によって、より早期に、より多数の患者に対して退院支援をできるようになるとの効果が見られたが、当該加算の届け出病棟とその他の病棟で職員の配置状況に大きな違いは見られなかった。このようにさせていただいております。

122ページからは、療養病棟入院基本料2についての資料をピックアップした上で126にまとめの(案)をお示しいたしております。

 特に2ポツ目のほうでございますけれども、医療療養病床においては、看護師の配置や入院単価が介護療養病床より高いことからも、医療の必要性の高い患者がより多く入院していることが期待されている。療養病棟入院基本料1については、医療区分2や3の患者を8割以上受け入れることが要件になっているが、療養病棟入院基本料についてはこのような要件はなく、近年、医療区分1の患者が増加している傾向が見られる。介護療養病床との機能分化を図るためには、療養病棟入院基本料2についても医療区分2または3の患者の割合について何らかの要件を設けることも有効であると考えられたとさせていただいております。

127ページからは医療区分に関するもので、137ページまで既にお示しした資料の主なものをお示ししております。

138ページがまとめの(案)となってございます。

 1つ目、鬱状態、頻回の血糖検査の患者は、医療区分2の中では医師による指示の見直しがほとんど必要ない者や看護師による定時の観察のみで対応できる者の割合が高く、介護保険施設で一定程度受け入れが行われていた。酸素療法は、患者の状態によっては在宅でも実施できる治療法であり、医療区分3の中では看護師による定時の観察のみで対応できる患者の割合が高かった。こうした基準に該当する患者の必要とする医療の密度は極めて多様であると考えられることから、密度の高い治療を要するかどうか等に基づいて、さらにきめ細かな評価を行うことで、より適正な評価が可能になると考えられる。

 褥瘡の患者は入院期間が長期に及ぶ患者により多く見られた。現在は、入院期間中に新たに生じた褥瘡についても基準に含まれているが、近年の標準的なケアの質から見れば、入院期間中に新たに生じた褥瘡については医療区分2として高く評価することは妥当でないと考えられる。

 あと、難病につきましても、新たに指定された難病の取り扱いについても定めていく必要がある。

 最後に、なお、医療区分のうち、より重症な患者の評価のあり方などを含め、次の医療・介護の同時改定等に向けて、医療区分のあり方について抜本的な調査や検討を求める意見があったとさせていただいております。

139ページからが脳卒中患者に対する慢性期医療の適切な評価ということで、まとめの(案)が147ページでございます。

147ページを御紹介させていただきますと、障害者施設等入院基本料においては、処置の内容や病態の変動が大きい患者の受け入れを想定して、処置等を出来高で算定できることとされている。また、特殊疾患病棟入院料等についても療養病棟と比べて医療の必要性が高い患者の受け入れを前提とした評価とされている。

 障害者施設等入院料及び特殊疾患病棟入院料等において、意識障害を有する脳卒中の患者など、状態像が療養病棟の対象患者と重複している患者が一定程度入院していた。

 これらの病棟に入院している脳卒中患者について、医療区分の内訳、医師の指示の見直しの頻度、看護師の観察及び管理の頻度等は、療養病棟に入院している患者とおおむね同等であった。また、これらの病棟に入院している脳卒中患者の1日当たりレセプト請求点数は、療養病棟と比較して高額になっていた。

 障害者施設等入院基本料や特殊疾患病棟入院料等に入院する意識障害を有する脳卒中患者の多くは、本来これらの病棟への入院が想定される状態像とは異なっており、引き続きこれらの病棟の入院対象とすることについては課題がある。また、当面の間、引き続きこれらの病棟への入院が必要であるとしても、同一の状態にある患者について病棟間で報酬の評価方法等が大きく異なっていることについては課題があると考えられる。

 なお、これらの病棟に入院する脳卒中患者の中には、医師による指示の見直しの頻度が高い患者が存在することなどから、患者ごとの状態にも留意すべきとの意見があったとさせていただいております。

 お求めのありましたデータにつきましては、148ページにありますように、医療区分1の患者に提供されている医療の状況などが示せないかというものでございました。今回の調査の中では、医療区分1の患者さんのデータというのは全体の中でそれほど多くないということで、一定の限界はございますけれども、ある程度の人数の患者さんのいらっしゃる状態について、医師による指示の見直しの頻度、看護師による観察及び管理の頻度の分布をお示しさせていただいております。

 医師による指示の見直しのほうで見ますと、心不全の患者さんでやや高いというような傾向、看護師による観察及び管理の頻度のほうで見ますと、意識障害のある患者さんでやや高いというような傾向が見られてございました。

 最後に、151ページでございます。中間取りまとめに向けた議論をいただくことになりますけれども、全体の構造としてはこのようなものになるのではないかというふうに想定をいたしております。

 今、御説明してきた部分が3から8の部分でございますけれども、これ以外に前回御議論いただいた2や9の部分、さらには1の調査概要、こういったものをつけて全体の中間取りまとめをまとめていただく、こんな形でまとめていただいてはどうかというふうに考えているところでございます。

 資料は、説明が長くなりましたけれども、以上でございます。

○武藤分科会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、議事次第に沿っていきたいと思います。

 まず最初に、短期滞在手術等基本料であります。2ページから20ページ、20ページには取りまとめ(案)がございます。この取りまとめ(案)が基本問題小委のほうへの報告につながっていくと思いますので、ぜひとも御議論ください。そして、あわせてまた宿題事項についても御意見をいただければと思います。

 では、ございますでしょうか。神野委員、どうぞ。

○神野委員

 今回で最終になるかどうかわかりませんけれども、取りまとめ(案)についてということだと思うので、20ページの取りまとめ(案)のほうでお話しさせていただきます。透析患者の出来高実績点数、透析患者について包括から除外するということに関しましては賛成でございます。ただ、ここにありますけれども、このほかに短期入院手術で重症患者さんと重症ではない、あるいは副傷病名、合併症を持っている患者さんと持っていない患者さんということで、手のかかり方、医療費のかかり方というのは違ってくるだろう。という意味では、重症あるいは副傷病、副合併症をいっぱい持っている患者さんでも積極的に短期入院手術をやるとするならば、そちらも透析と同様に何らかの合併症を持っている患者さんに関しては除外するということを少し検討いただけないかということが1点でございます。

 それから、もう1点として、短期入院手術をふやすかどうかという話がございます。こうやって分析していってふえるのかもしれませんけれども、在院日数に除外されているわけでありまして、増やすことに関しては慎重にお願いしたいというふうに思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 今の件と似ているのですけれども、7枚目のスライドを御参照しながらと思いますが、透析患者がここで抜き出されております。75tileを外れるところ、この辺が非常に点数が高くなっているということ、これは今のお話で当然であろうかと思うのですが、今、合併症のお話をされましたけれども、あらかじめある合併症以外に処置中に合併症が起こるということも透析を受けている患者さんではある。例えば重症の不整脈であるとか、その辺に対する配慮はしていただかなければいけないというふうに思います。

 それから、今後、対象疾患、対象手術をふやすということでございますけれども、やはり透析の場合と同様の患者個々の状態というものを考えておかないと、また後追いでこういう修正をしなければいけないということがあるから、そういう意味でも慎重にということで同意見でございます。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 今の御意見に関してですが、合併症があるにしても、いずれにせよその辺が明確にわかるような調査をしていただいた上で御検討いただきたいと思います。特に糖尿病等は合併症がかなり多いと思いますが、合併症を入れることとなれば、また包括している意味がなくなってくるかと思いますので、もしそのように検討する場合には、データに基づいて議論を進めていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 まず、小児の加算については、随分点数にインパクトが大きいと思うので、これはきちんと加算で分けたほうがいいのだろうというふうに思います。

 そして、麻酔に関して詳細な分析をありがとうございました。なかなか14枚目のスライドも評価が難しいのですけれども、まだ一定の傾向にはないのだろうということだと思いますので、学会がどう考えるかもあると思うのですけれども、どちらかの麻酔に収束せよというのは今は無理かと思うので、それぞれ全麻と局麻で分けたほうがいいのかなという気は。別にするのか、全麻と局麻で点数を分けるのかという両方の方法はあると思うので、そこがいいのかなと。

 あと、透析はDPCでも透析は出来高ですので、出来高で見ていくのが妥当なのだろうというふうには思っています。

 あと、白内障に関しては、両眼の手術が難しくなってきているという事情があるので、やはりこれも単眼、両眼2つあったほうが自然なのかというふうに考えています。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 何を今さらと思われるかもしれませんけれども、外科サイドの先生からの御指摘がございましたのでお話ししておかなければいけないのですが、14ページに、今、お話しになった全身麻酔、局所麻酔と大きく2つに分かれておりますけれども、実は局所麻酔も大きく2つに分かれる。このことを当分科会でちゃんと議論したかということなのです。局所麻酔といってもリージョナルアネステジアという領域麻酔と本当の局所麻酔(ローカルアネステジア)の2つある。それぞれ対象疾病とか患者への侵襲とかが異なりますので、この辺の配慮は必要ではないかというふうに思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにはございますでしょうか。大体まとめに関しては、皆さんカバーしましたでしょうか。

 特に何か事務局のほうからこれに関してございますか。特にありませんか。

 それでは、また後ほどここに戻ってきてもよろしいので、次の項目に行きたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、総合入院体制加算でございます。21ページから84ページに取りまとめ(案)がございます。御意見、よろしくお願いしたいと思います。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

29ページでございます。「総合入院体制加算に関する課題と論点」というところで、そもそも総合入院体制加算が生まれたきっかけというのが、最初のポツに書いています24時間の救急医療体制や総合的かつ専門的な医療、これは二兎をとるということではないかと思うのです。そのために化学療法とか放射線療法とかの位置づけがなかなか難しい。それから、精神疾患に関してもです。だから、病院によっては無理していろいろな操作をやってマスメディアをにぎわすような病院も出てきたというような感じがいたしますので、この辺は目的をもうちょっと絞るというのが必要ではないか。地域の住民、日本国民に必要な医療、まず最初の入り口は救急としますと、救急に絞り込むというようなところから組み立て直すのが必要ではないか。今、全国に1と2で合わせると三百四、五十あるのですかね。計算しますと大体人口40万人に1つなのですが、これが本当に均等にある一定の密度で配置されているかという視点が全くないと思うのです。地域住民にとっては最後のとりでとなる救急医療という観点から、地域特性というものを加味しなければいけないと思いますが、なかなかそういうのをこの際度外視して、ある一律の要件で見ているというところは若干問題があるというふうに思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 そもそも前回の診療報酬改定で1と2と2つに分かれたわけで、点数が倍違うわけでありますけれども、実際に1が4つしかないということ自体が評価しなければいけないわけで、では、1を緩和するのかという話と、2でも今度は要件の項目数が少ないのがいるから2を厳しくするのかという話が両方出ているわけでありますけれども、ならばまた1つにしてもいいのではないかとかいうような議論もありなのか議論をしなければいけないのかと思います。

○武藤分科会長

 嶋森委員、どうぞ。

○嶋森委員

 まとめの2ポツと4ポツ関してです。33の図をみると、A項目の高いところでも加算をとっていないところがあります。また、A項目の高い人が図の右に行くと多くなっていて、ここでは加算を取っているところが多くなっています。左側の該当患者が20%のところでは加算なしの方が多いという状況があります。これは加算をとっていなくても手の係る人を入れている一方で、加算を取っていてもA項目の高い手のかかる患者は入れていないところがあることを示しています。それは、1つは、要件として体制が整っていれば加算がとれることになっているからだと思います。一方で、34の図を見ますと、人工心肺以外は全部、A項目の2点以上の患者さんの多いところが多くなっています。これはA項目の高い医療機関では重症患者を入れていると考えられます。そこで3ポツですが、、A項目2点以上の患者割合が高い医療機関が手術やその他の手のかかる患者さんを入れていると考えられますので、4ポツのA項目を要件として入れるのは良いと思います。つまり体制はストラクチャーですから、どういう患者さんを入れているかということを要件として見ていくと、例えば精神科とか化学療法は少ないが、重症患者を入れるという要件の考え方ができると思います。つまり、A項目の点数を入れていくことによって、手のかかる患者さんをきちんと入れるところに体制加算がとれるというようににしたほうが良いと考えられます。

○武藤分科会長

 A項目で条件づけするという。

○嶋森委員

 はい。

○武藤分科会長

 ほかにございますか。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 今のところに重複するのですけれども、333435あたりのところで、要するに総合入院体制加算というのは、先ほど安藤委員のほうから御説明ありましたように、24時間一定急性期医療を提供できるというようなことなのですけれども、一定高度なということで考えますと、この3つのところから、例えば、今、御指摘がありました最後のまとめの4つ目のポツのところのことは、高度な医療を提供する密度が高い医療機関であることの指標にもなると考えられたというところへ結論を持っていくのにはちょっと無理があるような気がします。

 それと全体的に、特に認知症の問題と精神疾患の合併症の受け入れの問題、3637の話ですけれども、やはり加算2の届け出医療機関であっても、地域の中での役割とかそういったことを考えますと、この辺については認知症あるいは精神疾患合併の救急患者さん、そういったものの受け入れについて、今後はもう少し受け入れていただけるような配慮を地域のほうで考えていただくとかということは必要かというふうに考えます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 認知症の受け入れは、ぜひとも基準に入れていただきたいと思いますが、そもそも加算が1、2に分かれてまだ時間も経過しておりません。前回も申し上げましたが、加算1の算定は4医療機関ということでございますが、そもそもこのようにあるべき病院の姿という形で定められたものではないかと思います。前回の資料にもありましたが、患者の中には受け入れを断られているというようなデータもかなり出ており、患者側からすれば、地域の中でどのような病気であっても受け入れていただけるような病院を設けてほしいというニーズもあるかと思いますので、まだ時間が経過していない中ですぐにこのような形で基準を緩めるということはいかがなものかと思います。

○武藤分科会長

 香月委員、どうぞ。

○香月委員

 特に認知症と精神疾患の合併症がある方については、なかなか受け入れてもらえないというのが実際上存在していますので、そこはある程度実績というか、そのあたりは少し見ていかなくてはいけないのでは。受け入れているところを評価していくような形をとっていただければと思っています。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 そうはいっても、例えば1の加算がとれるのが4つというのは大変厳し過ぎるのですね。これは中医協のほうで議論していただかなければいけないことだと思うのですけれども、私たち、実際に精神科の医者がどれだけ少ないか、あるいはどれだけ偏在しているかというのを知っていますので、そういう点では、この総合入院体制加算の2というのが、もう少し精神疾患の患者さん、認知症の患者さんが受け入れられるような方向とかそういったものを考えていただくというのは妥当かということを申し添えておきたいと思います。これはここで議論することではないですけれども。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 佐柳委員、どうぞ。

○佐柳委員

 項目としては大体私も妥当だと思うのですけれども、要は、認知症を見ていくのに精神病床がないといけないというのが1になっているのですけれども、これはかなり無理があるのではないかという感じがするのです。精神科医がいるということは、総合的な診療の中にも必須の条件だと思うのですけれども、精神病床が必要かどうかとなってくると必ずしもどうかなという気がします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 嶋森委員、どうぞ。

○嶋森委員

 先ほど、石川委員から4のA項目を入れるのは妥当ではないかもしれないというお話がありました。これについては、前回の議論でもありましたがA項目の内容がICUHCU、一般病棟と違うので、ICUやHCUのない病院では、これらの対象患者が一般病棟に入院しているという現状があります。そのため一般病棟の患者の重症度が高く見えて、A項目の2点以上が本当に重症患者であるという事が見えにくくなっていると思います。それでもこれだけ差が出ています。今後は、項目をそろえて、ICUHCU、一般病棟とそれぞれの病棟にどういう患者さんを受け入れているかということが見えるようにする必要があると思います。、手のかかる患者さんを受け入れていれば、多少体制が整っていなくても体制加算がとれるようにすることです。、また、先ほどから出ている認知症も判断が難しいので、前回議論になりましたB項目の危険行動をを入れて、認知症状のある人を受け入れているところにきちんと加算がとれるようににするのが良いと思います。

○武藤分科会長

 A項目に関しては両論ございますが、ほかにございますか。

 發坂委員、どうぞ。

○發坂委員

 加算の2につきましては、精神科について 24時間対応できる体制があればという条件があるのですが、では、どうあればよいのかをもう少し明確にする必要もあるのではないかと思います。実際の救急の場面などでは、ウオークインも含めてたくさんの方が受診され、受診者も高齢化しているという状況の中で、例えば、今、救急病院ではトリアージナースなどがおられて、トリアージをしたり、そうした中で必要な場合にはオンコールも含めた精神科医の診療を求めるといったような実効ある体制がとれているかどうかということが大変重要だと思いますので、そういった体制がとれているということが必要ではないかと思います。

 あともう一つは、加算の2につきましては、要件を満たさない医療機関も多いという状況もあるのですが、実績要件を満たすかどうかということと救急患者の受け入れを、重症者を含めて幅広く受け入れているかどうかということがパラレルかどうかが問題だと思います。例えば実績要件は満たしていても限定的な対応しかとっていない救急医療機関があるのかどうか、あともう一つは、実績要件は満たすのは少ないけれども幅広く重症者を受け入れているという医療機関があるのかどうか、そういうことも含めて知りたいと思います。

 というのも、今、二次医療圏の数は全国で340ですけれども、この加算の2の医療機関が311でほぼ二次医療圏の数と同じような数なのですが、その医療圏の中で中核的な役割を果たしていて、病床は300床未満ぐらいの中小規模だけれども幅広く救急患者を受け入れているという病院であれば評価してもいいのではないかという気もいたします。少しその辺は、どれに該当するのか、まとめの最後の項目になるのかもしれませんけれども、そういった本来の総合入院体制加算の目的に合致する医療機関はきちんと評価すべきだと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 急性期に門外漢で発言していいのかどうかわかりませんけれども、まとめの最後のポツの内容で25ページのグラフは、私、かなりインパクトがあるグラフだなと思うのですけれども、5項目であと1項目満たせば1に行けるのが、化学療法の4,000件以上という項目だけが満たせないところがこれだけある一方、本来満たしてほしいというところの項目の0、1というところが極端に少ないけれども、ここが2をとっているという現実は少し補正をするべきではないかと。(化学療法については)どういう形がいいかわかりませんし、3,000がいいのか2,000がいいのか、その辺は根拠がどこにあるのかという、化学療法がどれだけあればレベルが高いとみなされるかどうかというのはまた別に根拠を見つけなければいけないのだろうと思いますけれども、何らかの処置をしてもいいのかという気がして、そして1をもう少し増やすことを考えてもいいのかと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 まとめに関しては大体カバーしたでしょうか。

 それでは、次の項目、地域包括ケア病棟入院料についてです。これは41ページからまとめが80ページですね、御意見をいただきたいと思います。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 6月19日、欠席していたものですから確認がてら。今回の分科会のシリーズで出されているデータというのは、全て地域包括ケア病棟が誕生して半年未満ということをよく考えた上でいろいろな解釈を加えなければいけないと思います。

 それからもう一つ、地域包括ケア病棟がどこを出自としているかということのデータが、前回はあったようですけれども今回はありません。例えば亜急性期病床のカテゴリーのやつが廃止になりまして、そこから来たというのもあると思うのですが、さて、この場合、亜急性期病床の場合、7対1病棟とか10対1病棟に一部併設というか設置したものもあったと思います。そうすると、そういうところの病棟の一部の病床を地域包括ケア病棟にした場合、どこをオリジンとするかというのはどうなのでしょうか。7対1をオリジンとするのか、亜急性期病床をオリジンとするのか、今、まだ生まれたばかりの状況で、患者像がどのようになっているのかの判断を下すのは早計と思いますが、ある程度何か解釈に意味が加わるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。亜急性期病床は7対1の一部であったのが地域包括ケアになったとき何をオリジンとするか、いかがでしょうか。ちょっと教えてください。

○武藤分科会長

 これは、7対1からの転換が多かったのでしょうか。

 では、事務局。

○事務局

 出自がどこかということでございますけれども、今回の資料ですと43ページをごらんください。どこから来ているものが多かったかという御質問につきましては、地域包括ケア病棟入院料を届け出た施設におけるほかの病床の変化をお示ししておりまして、多かったところは亜急性入院料管理料が1万2,000減っておりますし、また、7対1が1万1,600減っておりますので、これと引きかえに地域包括ケア病棟をつくられたところが多かったということでございます。

○武藤分科会長

 よろしいですか。

○安藤委員

 ちょっとまだわからない。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 3点ございます。

 まず1点目は、今回新しく出てきた資料ですけれども、626364で、このタイトルなのですけれども、「各病棟の入院患者B項目の推移」とありますけれども、これはもう御承知のとおり、ある1日の患者像を見ているわけなので、1週目にいた方が8週目までにどうなったかという話ではないわけですね。後で出てくる慢性期のときの褥瘡も同じ考え方だと思うのですけれども、そうすると、B項目の低い人はさっさと退院しているわけですね。なので、ここで「推移」と挙げるのはいかがなものか、「患者像」ぐらいなのかなという気がいたします。

 それから、あと、まとめのほうへ行きまして、80の一番下のほうの退院支援、これも前回でしたか前々回、退院支援の話がありましたけれども、「病棟に専任又は専従で」云々ということが書いてあります。確かに退院支援するような担当者は必要であるということは、今までこの会でいっぱいデータが出てきたのですけれども、「専任又は専従で」のところで、ここの議論になると思うのですけれども、専従要件は外していただきたいと強く思います。特にこういった退院支援者というのは、病棟だけではなくて、いわゆる地域に出ていっていろいろな相談ごとをしなければいけないわけでありますので、専任でよろしいのではないかというふうに思います。

 最後もう1点だけ、手術の包括外の話であります。先ほど、安藤委員から出自の話もありましたけれども、例えば私の病院も7対1病棟と地域包括ケア病棟があるのです。そうすると、手術する患者さんは、恐らく多くは7対1病棟で見て、その後、必要あらば包括に移動する、急性期からポストアキュートとしていくというような形になると思います。ここで手術だけ包括外にしてどれだけふえるかという話になってくると思うのですけれども、その中で、もしかしたらこれから急性期医療でいろいろな話が出てくると思うのですけれども、もし7対1病棟が少し減ってくるとするならば、特に中小200床以下、あるいはもっと小さくてもよろしいと思うのですけれども、1病棟、2病棟の病院で全部包括にするという病院もこれから出てくると思われます。全部包括にするような病院は手術は包括外にして、どんどん地域の患者さんを受け入れて、手術もやっていただくということだと思いますし、それから、病床数で切るのは何ですけれども、いわゆるケアミックス的に7対1、10対1を持っている病院で手術を包括外にしたところで、7対1がいっぱいだから、しようがないから包括でやろうかという話が出るかもしれないけれども、余り意味のあることではなくて、もしメッセージを出すならば、全部包括病棟に関しての手術は包括外というのもありかなというふうに思います。

○武藤分科会長

 確かになるほどと思います。

 では、石川委員、どうぞ。

○石川委員

 先ほど、まだこういうのをつくられてから長い期間ではないというふうなことなのですけれども、44の地域包括ケア病棟へ転換した理由なんかを見ますと、こういうふうな感じになっています。それから、7対1、10対1、今ほど神野委員のほうからありましたように、全部地域包括ケア病棟に転換した病院があるかないか、これは出てきているのです。つまり、今の段階では地域包括ケア病棟の使い勝手がどうなのか。44にありますように、地域のニーズに合った医療を提供できるためということで転換したことは本当にそうなのかということで、皆さんかなり実験的にやられているところもあるので、今、いろいろと精緻に出していただいたリハが多いとか少ないとか、手術が多いとか少ないとかということについては、かなりおっ取り刀的なところがあって、様子見でやっているところがあると思うのです。だから、来年の変化の度合いというのを見ることが地域包括ケア病棟ということの真価が問われてくるのではないかというふうに考えます。

 そんなことなのですけれども、だから、正直言って、今の評価は難しいだろうというのが結論です。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 今の手術の話なのですけれども、私も基本的には手術を包括から除外することには賛成です。幾つかの理由があって、現状、資料を出していただいて、地域包括ケア病棟は実際、今、出来高でないから当然手術を算定していることは少ないのですけれども、それでも療養病床よりも少ないというようなデータも出ていますし、逆に地域包括ケア病棟に手術を算定できるようにしたといっても、急に手術をするところがふえてくるわけではない、できる体制にあるということ、いわゆる使い勝手がいい病棟、地域の在宅の患者さんを受けるときに、場合によっては手術もできますよという体制で受けるという、これが一番大事なことで、だからこそ7対1からもそこに降りていきやすくなると思うので、そういう使い勝手がいい病棟にしていくという意味でも、その基準を外していただいたほうがいいのではないか。

 それから、現に今、亜急性期病棟の1は手術が出来高でとれる状態から移ってきてとれなくなっているわけですので、それは外していただいたほうが、より地域包括ケア病棟をとろうというところがふえてくるのではないかという気がしています。

 あと、もう1点ですが、言いたいことは、これをつけたからといって地域包括ケア病棟にどんどん手術をとるところがふえてくるか、出来高をとるところがふえてくるか、それはないと思うので、診療報酬全体としては大勢には余り影響ないのではないかと思います。

 それから、もう一つは退院支援の人員を専従にするか専任にするかということで、私も専従には反対します。なぜかいというと、地域包括ケア病棟というのは、今、石川委員もおっしゃったように、実験的病棟というイメージもあると思うのです。リハを包括にしたという、これはある意味ではアウトカムを求めた実験的なリハの体制なのですね。リハの人数をストラクチャーで縛らなかった。でも、実際、リハを2単位以上やって在宅に復帰させようという機能がある程度認められたわけですから、退院支援ということも同じようにある程度の縛り、専任は必要であっても、専従を何人置きなさいなんていうことをやっていると、これまたストラクチャーで縛ることになって、むしろそれよりも在宅復帰率を高めるというアウトカムを求めていくほうが今後の発展性がある病棟としていいのではないかと思いますので、そうしていただきたいと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 地域包括ケア病棟がケアミックス病院の一部を構成しているという場合と、まだあるのかどうかわかりませんけれども、地域包括ケア病棟が前面というか、そこが入り口という病院、これは大きく性質が違うというところを議論されたのかどうかわかりませんが、ここは注意深く見ておかなければいけない。

 それからもう一つ、手術に関してですけれども、66ページの包括範囲の一覧表を御参照しながら聞いていただくといいのですけれども、地域包括ケア病棟入院料が一番左にございまして、下の「K 手術」が全部包括になっているというのですけれども、短期滞在手術基本料の3、4泊5日までの基本料3はDRGみたいなものですけれども、要するにこれは値段が、ここにカテゴライズされる手術は2530ぐらいあるのですけれども、かなり高額の点数があって、それは別途請求できるという形になっているのですね。ところが、これはどうも余り認識されていないような気がするのです。内科病院では余りこういうことをしないと思いますけれども、外科病院でも余り認識されていないのではないか。

 それで、この短期滞在手術基本料3をどうするかということをきちんとやっておかないと、輸血を出来高にするとか、ある一部の虫垂炎とか簡単な手術は出来高にするというのはまだ早計のような気もします。

 以上です。

○武藤分科会長

 御意見ありがとうございます。

 嶋森委員、どうぞ。

○嶋森委員

 看護必要度のB項目の推移についてです。今、神野委員が推移でないだろうとおっしゃったのですが、1週ごとにどんな患者さんがいるかを現しています。62から64の図を大変興味を持って見ました。63がわかりやすいかと思います。7対1では3点ぐらいで入ってきて、1週間ごとにB項目が改善しない人残って、8週ぐらいで、B項目の高い人は、多分A項目が下ってよその医療機関や施設に行ってしまって、B項目が下がっていると思われます。

13対1と15対1はもう少し患者さんがばらけています。7対1より、様々な患者さんがいるということです。

 回復期は大体4点か5点ぐらいで入院して、回復した人が退院するので同じ高さで推移しています。回復期の特徴をあらわしているという印象があります。地域包括はできたばかりなので、今後どう動くか興味があるのですが、7週目にかなり下がっているのは、B項目の高い人をきちんと自宅や施設等へ退院を促進している結果かと思われます。

 療養病棟はB得点が高くて、どこででも見られないので療養で見ているという印象があるわけです。これは現場の実感を踏まえた印象ですが、、それがどうかというのは確認していく必要があると思います。こういう形でB項目をそろえて見ていくと経過が見えてきます。先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、地域包括をこれからどういう形でやっていくかというときに、病棟の性格がB項目を見れば、ある程度見えてくると思いますので、A項目もですが、B項目も全病棟で、そろえていくという方向で検討していただくと大変いいと思います。

 退院調整については、A項目が0になって、B項目が3点ぐらいになるとそろそろ退院を考えるというのが現場の看護職の実感です。これは前回、筒井委員がおっしゃていましたが、退院のときに病院もしくは訪問看護ステーション等と連携して訪問看護をやることを一緒に評価する仕組みを作って評価するのが良い思います。これについては、介護報酬と診療報酬改定が一緒になるときに検討できるのではないかと思います。そういう形で退院のときに、家で安心して生活できるところまで見るという仕組みをつくれば、かなり退院促進がうまくいくのではないかと考えられます。

○武藤分科会長

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 端的に、78ページの論点整理のところで、手術料と麻酔ですけれども、実際見せていただくと非常に軽微なものが多くて、恐らく、いわゆる1入院に対する点数のインパクトは少ないと思いますので、シンプルに包括のままでいいのではないかと考えております。特に先ほどのケアミックスの病院は一般病棟のほうで行うでしょうからそれは結構でしょうし、地域包括ケア病棟だけで持つというのは、それは経営判断でそうされるわけですから、それはそれで機能分化という意味ではいいのかと思いますので、むしろ現状どおり手術と麻酔は包括のままでいいというふうに私は考えます。

○武藤分科会長

 佐柳委員、どうぞ。

○佐柳委員

 もう一つ、地域包括ケア病棟がスタートするに当たって一番の関心の一つというのが、いわゆる急性期の病院で救命救急センターとか重厚なところに、比較的軽症という、軽症という表現がいいのか、重症なのですけれども、要はあれもこれも悪くて、決してドラスチックな治療には適していないという症例だろうと思うのです。そういう方をこの地域包括ケア病棟で受けられないかというのが一つあったと思うのです。そういう意味でいけば、今回、使い方という意味でいけば、ポストアキュートで整形外科とか、一つの在宅復帰の流れというのはでき上がってきていると思うのですけれども、やはり受け皿の部分でもう少し、先ほど、オペがあったらもっとふえるのかとか、そういう意味ではそんなに多くふえるのではないのだと思うのです。むしろ内科的な疾患で、肺炎とか脱水とかそういったちょっと体調を整え直して、もう一度とにかく自宅に早く帰してあげようという症例をこの病棟でどれだけ受けられるかというところだと思うので、そういう観点から見れば、どの部分に少しインセンティブをつければいいのかわかりにくいのですけれども、例えば入院初日については肺炎とかで抗生物質が相当必要だったら、そういうものについても出来高的な要素を見るのかとか、あるいは、点滴なんかももう少しやりやすくするとか、若干のそういうものを引っ張ってくるような何かの処置というのが、まだ地域包括ケア病棟はこれからの大きな推移を見ていかなければいけないのですけれども、今、見ている限りではまだそれが動いていないのではないかという気がするのです。

○武藤分科会長

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 先ほど藤森委員からこのままでいいのではないか、そういう御意見もあると思うのですけれども、ただ、6月19日の第3回の地域包括ケア病棟のときの資料を見ると、自宅から入られる方は15%だけであって、あとの85%は自宅以外からいらっしゃる。この包括ケア病棟をつくったときのお題目の一つが在宅を支援する病棟であり、これを増やすとするならば、先ほど私が申しましたように、地域包括ケア病棟だけやっていらっしゃるような病院さんに関しましては、大きな病院に入らなくてもいいような褥瘡のここに書いてあるような手当て、手術とか、避難的な輸血とか、そういうのは包括外で認めてもいいのではないかというふうな気がいたします。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 先ほど、まだこの病棟の位置づけみたいなものについて全国的に定まっていないのかもしれないというふうに言ったのですけれども、せっかく先ほど嶋森委員の御指摘があったB項目の推移という、今回、これは1週から8週までやったすばらしい統計だと思うのです。この会議が評価分科会ということで言うならば、64のグラフは、例えば急性期から退院するまでのところでB項目の推移がどういうふうになっているのかというところでは、一般病棟の7対1、10対1と回復期リハをくっつけるときれいに山になっていて、在宅への流れというのがつくれるというふうに非常にきれいに見えるのです。遠くで目を細めてみないとわからないかもしれないのですけれども、ほかのところはそうではなくて、B項目の64のやつで見ると、今、7対1、10対1から回復期リハ、これが理想の入院の形のB項目の推移だと思うのです。例えば地域包括もそういうふうな形になっていただければいいのだけれども、8週目でぽこっと上がっているからわからないのですね。これで何だかわけわからなくなってしまうということであれなのですけれども、この64のコメントが全然まとめのほうに一言も書いていない、B項目について、ちょっと載っけたほうがいいかという気がします。

○武藤分科会長

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 今、いろいろ議論を聞いていまして、前回、まだ始まったばかりということもあり余り触れないほうがいいのではないかと思っておりましたが、地域包括ケア病棟は42ページの図にありますように、いわゆる急性期からの受け入れ、在宅復帰支援、緊急時の受け入れの3つの機能を満たし、地域包括ケアシステムをサポートするために創設されたものと認識しております。データ上、現状では当該病棟が骨折や外傷の受け入れが多くなっていることが示されておりますが、そのようなことから考えると、3番目の緊急時の受け入れについては、在宅療養支援病院としての役割を踏まえると、地域包括ケアシステムを進めていくにあたり、もう少し地域において緊急時の受け入れができるような形で検討していただくという意味で、中医協に出される際には、各委員がイメージしやすいように、こういった機能について強化を促したいといった観点から御提案いただければ議論をしやすいのではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 もうそろそろ次に移りたいと思いますけれども、地域包括ケア病棟入院料に関しては、手術の取り扱いに関してはどうであるか、この論点に両論が出てまいりました。今、本多委員がおっしゃったように、最初の包括ケア病棟のあるべき姿、そこに立ち返って議論していくということが重要だと思います。

 では、次に移りたいと思います。

 次は、4番目、有床診療所の入院基本料、これは81ページから92までですけれども、取りまとめが88ページにございます。これに関して御意見、いかがでしょうか。

88ページの取りまとめに関して、何か御意見ございますか。

 特にないようでしたら先に行きたいと思いますが、よろしいですか。

 では、また戻ってきてもよろしいので、先へ進みたいと思います。

 次は、5番目の医療資源の少ない地域に配慮した評価です。93ページから、取りまとめ(案)に関してが109ページ、110ページです。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 前回もお話ししましたけれども、現在、実態としてほとんど機能していないわけですので、そういった意味では、今回の事務局案で見直すことに関しましては賛成いたします。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 私も賛成の立場から、110ページにその根拠が書いていますね。ポツは1つしかありませんけれども、6行目、最後の段、「対象となる二次医療圏の面積・人口の合計は現行とほぼ同じであった」と。要するに、ふやしても持ち出しというか、費用の増はほとんどないということがここに書かれているというふうに存じます。

 この件に関しては以上ですが、実は、101、「ヒアリング調査の結果」というところを見ていただきたいのですけれども、「特定地域に含まれていない離島」の沖縄の図があって、その次のページです。「ヒアリング調査の結果」で、ヒアリングは全30地域にされたのですか。

○武藤分科会長

 事務局、いかがですか。

○事務局

 一応、委託先のほうが30医療圏の中から幾つかの医療機関にお伺いしてヒアリングをしたものでございます。

○安藤委員

 対象が30、要件を緩和しても41ぐらいですから、これはその地域地域、恐らく厚労省は相当な特定地域にふさわしい地域だという現地情報はお持ちでしょうから、このくらいの数だったら直接聞かれて実情を調査したほうがいいのではないかと思うのです。数字で縛るというのは、ばかばかしいと言ったらいけませんけれども、手法としては適当ではないような気がします。

 以上です。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに取りまとめ(案)に関してございますか。

 發坂委員、どうぞ。

○發坂委員

 医療従事者や医療機関が少ないこと等に着目した見直しは、非常に妥当な方向ではないかと思います。といいますのも、医政局の医療計画の資料では、医療圏を4つに分類しておりますが、その分類は流出患者の多い流出型、流入患者の多い流入型、そして流出入ともに多い流出入型、さらにはどちらも少ない自己完結型という分類が以前なされたことがありますが、その資料で見ますと、実は流出率が高い医療圏としては人口20万人以下の医療圏では流出率が高いという傾向が見られますし、さらに、流出率が少ないということは、そこで自己完結するか、あるいは流入して当該医療圏に患者が来ているということになりますので、これを外して医療従事者が少ないことに特化するという方向は妥当なのではないかと思います。ちょっと日本語が難しいのですけれども、要は、流出率が少ないところというのはよそから来ているのか、あるいはそこで完結しているという医療圏ですので、案外人口規模が多くて医療機能が充実した医療圏であり、むしろ流出率が高い医療圏は人口20万人以下の医療圏が多く、そういうところが医療面で不十分な地域ということもございますので、この要件を外して、むしろ医療従事者や医療機関が少ないことに特化するというのは妥当な方向ではないかと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 藤森委員、どうぞ。

○藤森委員

 ちょっと突拍子もない意見で申しわけないのですけれども、実際、今回対象になっている二次医療圏を見ると、どうしてここがというような結構いい過密な病院もあったりするところもあって、ただ、医療圏が大きくて結果的にこうなっているみたいなのもあって、二次医療圏という区切りそのものが無理があるのだろうなと思うので、時間をかけてで結構なので、恐らくこれは地域包括ケアを考えてみると、市町村単位ぐらいで考えないといけないサイズなのだろうというふうに思いますので、今回はこれで結構ですけれども、もしこういう医療資源のことを考えるのであれば、むしろ行政単位である市町村のほうがいいのかというふうには思っています。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 では、これに関しては、おおむね皆さん御賛同だと思います。

 それでは、先に移りたいと思います。

 次は、慢性期入院医療についてですが、これに関してはこの中に5項目ございまして、その5項目ごとに取りまとめがございますので見ていきたいと思います。

 池端委員、慢性期入院に関しては何か資料を御用意していただいていますか。それをまず最初に。

○池端委員

 では、「診調組 入 1参考1」の「池端委員提出資料」というところをごらんください。

 この資料の最後にも関係するところなのですけれども、一応、当協会が医師の指示の見直し等も含めて近々で協会の会員に対しての緊急アンケート調査を1週間の範囲でやったので、回収率は2割程度だったのですけれども、それでも資料2のほうにありますように、回答施設が194件で、対象患者数は3万ぐらいのデータが出ましたので、簡単に御報告させていただきたいと思います。

 次の3、4をごらんください。これは、平成22年に厚労省がやった調査と、今回、当協会がやった調査の比較をさせていただいています。下のグラフのほうが見やすいかと思いますが、明らかに違うのは、その前に当協会でも7対1の一般病床から全ての病床を持っている、その全ての病床について統計をとらせていただきました。ただ、(統計学上)n数によっては十分評価にたえない数の病棟種別もありますので御理解いただければと思います。

 そういった目で4ページのほうを見ていただきますと、オレンジの経管栄養、胃ろう、喀痰吸引のブルーが明らかに医療療養病床あるいは介護療養病床で少しふえているということが出ています。

 次の5のところですが、よく医療区分2、3以外が医療区分1ということで、医療区分1は軽いのだというイメージで持たれていますが、医療区分1ではどういうものがあるかというと、これは当協会なりに医療区分1の中で一番重いのを5として、医療区分1 5から1 1まで簡単に分けてみて、全部データをとらせていただいています。例えば医療区分1 5で言うと、重度意識障害(JCS100)の状態とか、がんのターミナルでも抗がん剤、あるいは麻薬を使っていなければ医療区分1になります。こういう患者、あるいは肝不全で高度の腹水貯留があってという患者さん、あるいは慢性腎不全の方、喘息の重積発作の方等々、一見、医師、看護師の方はおわかりのように、重症だろうなと思われるような病態像でも現時点では医療区分1に入っているということを御理解いただければと思います。

 そういった上で、あと、重症度、医療・看護必要度という項目で全ての病棟をとらせていただきましたのが下の6の図です。これで見ていただくと、これらの4項目については、一般の慢性期とジャンル分けしていますけれども、13対1、15対1と20対1の状態は比較的似ている状態であり、当然、一般病床よりは重症度が低い状態になっています。

 7、8を見ていただきますと、7では、A項目が2点以上、かつB項目が3点という同じ基準で見た場合に、当然きれいに並んでいるわけですけれども、A項目2点かつB項目3点以上は一般と7対1、10対1は18%ですけれども、20対1でも10.7%あるということで、この重症度が正しい評価かどうかというのはまた別の議論になるかと思いますけれども、療養病床でもこういう(一定程度の重症度がある)状態だということもご理解下さい。

 それから、8のほうは栄養状態がどうなっているかということで、これも非常にきれいに出たデータなのですけれども、当然、一般病床は口から食べる自分の経口摂取が圧倒的に多くて、だんだん療養になっていくと20対1、障害者病棟、あるいは特殊疾患というところは経口摂取が非常に難しくて経管別の栄養ルートになっていることが非常に多くなった。オレンジ(の棒)が自分で食べている方で、どんどん減っているというデータが出ていますので、また御参照ください。

 それから、9ページが、今度はリハビリですけれども、リハビリはどこの病床もある程度行って、いずれの病床も介護保険施設でもリハビリは提供されており、ある程度高いリハビリ提供を整えることが必須ということが全病床にわたって必要だとこれで言えるかということで解釈しています。

 あと、10ページは、よく医師の指示の見直しということで出てきたグラフなので、これはあえて項目を少し変えてみました。医師の指示の見直しがないということは医師が見ていないというふうに思われてしまうので、「医師による指示の見直し」という項目を、ブルーの四角にあるように、医師による指示管理(回診を含む)をほとんど必要としていない、あるいは週に1回、あるいは週2 3回という項目で同じようなデータをとらせていただいたところが、厚労省のデータと当院のデータが上と下でそれぞれありますけれども、医療料20対1で言えば、1週間に1回以上の赤のところ、それから、グリーンのところ、週2 3回医師の指示管理が必要だというところが6割以上になっているということで、ある程度こういう病棟が圧倒的に、こういうとり方をすれば医師がちゃんと関わっているのだということがわかるだろうということでとらせていただいたデータです。ただ、25対1では若干20対1よりも低い数字になっています。

 それを、各病棟種別毎に通してとっていただいたほうがわかりやすいと思い、11ページに当協会が持っている一般病床から介護施設までの横断調査をさせていただいた結果がこのグラフです。ブルーが全然見なくていいというところですけれども、赤、グリーンがある程度一般病床から出ていますけれども、20対1、25対1が極端に医師の指示管理が必要でないところが少ないかというと、そうではないということが御理解いただけるかと思っています。

 直接の看護提供頻度に関しては、これは全く同じ項目でとらせていただきましたけれども、どういうバイアスでこうなったのか、全体に厚労省のデータよりも当協会のデータが少し高いデータになっています。

 強調したいところは、医師の指示の見直しが必要ないということは、医者がほとんど見ていないということではないということをこのグラフから御理解いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 日慢協のデータを拝見しました。

 では、今の件に関して特に何か御発言なければ取りまとめのほうに移りたいと思います。

 先ほど言いましたように5項目ありますので、まず、慢性期に関する最初の項目に関しては、120ページ、在宅復帰機能強化加算に関する取りまとめのところでございます。これに関してございますでしょうか。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 黒ポツの3つ目、1か月未満の患者を除くルールをどうするかという問題だと思いますけれども、当協会の会員というか、慢性期で20対1、25対1を持っていらっしゃる方はいろいろ御意見をいただくのですが、前回お話もさせていただいたように、やはり在宅復帰率ということで、なるべく一般病床から療養までそろえた判断基準ということをしていただきたいということもありまして、今回、こういう1か月未満のルールがあるから弊害があるということであれば、一般病床と同じようにそれを除いていただくことに対しては賛成したいと思います。

 なお、以前、他の委員から、そうすると2、3日入れてすぐ帰して在宅復帰率を早くするところが出てくるのではないかという御意見もいただきましたけれども、基本的に自院の病院に行ってそれを入れた場合にそういうことがあるかもしれませんが、もしそれがどうしても心配ということであれば、自院からの転院等を除くということにしていただければ、他院、あるいは自宅からの患者さんを入れたときに2、3日で帰すということはあり得ないので、そういう変なバイアスはかからないかと思うので、それも一つの方法かと感じますけれども、いずれにしても外すことには賛成したいと思います。

 それから、120ページの4番目のポツですけれども、ここにも書いていただいたように、大きな機能の一つとして急性期から受けて、在宅へ帰す機能を在宅復帰加算の療養病床はとっていただきたい、これは理解できますが、これを別分けで評価するということもある程度理解したいと思いますが、ここに書いていただいているように、より厳しい患者がこれから療養病床に送られてくることを考えると、それをこの算定条件にしてしまうと、今、やっと17%とれてきたところに、さらにこういう病棟をふやしていこうというときに、要件が厳しくてとれなくなってしまうのでは地域包括ケアに対する支援ということから考えてもなかなか逆行すると思うので、それについてはつけ足し、あるいは加算、急性期からの患者をこれぐらいの回転率で帰したらさらに加算をつけるとか、そういう形で何か見ていただくことで、条件をさらに厳しくするという方向では考えていただきたくないというのが個人的な感想で、中医協で御議論いただきたいと思います。

 以上です。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

120ページの取りまとめ(案)に関して、ほかにございますでしょうか。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 前回からも議論のあった113114を見て、自宅からの入院を除くと自宅に帰る人が非常に少ないということに関しては、急性期から受け入れて自宅に帰す療養病床にはきちんとした評価が必要であるというふうに思われます。

 そういった意味では、立てつけをどうするかという話があるかもしれませんけれども、急性期病床からくる患者の在宅復帰率を下げてもいいかもしれませんけれども、急性期から来て在宅へ帰るのと、自宅から来て自宅へ帰るのとは分けてきちんと評価すべきかというふうに思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 なければ、次の項目、療養病棟入院基本料2、ページ数で言いますと126ページ、いかがでしょうか。特にございませんか。基本料2の医療区分、要件からです。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

126ページですね。

○武藤分科会長

126ページです。

○池端委員

 ここに書いてあることに関しては、125ページの医療区分年次推移ということで、療養1と療養2がきれいにある程度データが分かれています。医療療養に関しては20対1の医療区分1がどんどん減っていって、逆に療養2は医療区分1が少しずつ段階的にふえているという流れがあるので、これに対してある程度歯どめをかけるということに対しての何らかの処置が必要ということに対しては、私自身も私の協会としてもある程度そういう方向はやむを得ないのかなという気はいたします。ただ、その基準はどれくらいなのかということに対しては慎重に御議論いただいて、患者さんを急に追い出さなければいけないとか、そういうことにだけはならないように御配慮いただければというようなことを中医協で御議論いただければと思います。よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 これもおおむね御賛同いただけたと思いますので、よろしいでしょうか。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

126の下のポツは、この分科会の判断を若干超えているようなことが言われているのではないかとずっと考えているのですけれども、要するに、なかなか言い方は難しいのですけれども、医療区分2または3の患者さんの割合について何らかの要件を求めることも有効であると考えられているというようなことなのですけれども、そういうふうなことで、余り言わないほうがいいのではないかと思って。

○武藤分科会長

 文言については少し工夫が必要でしょうかね。

○石川委員

 もう少し柔らかい表現。

○武藤分科会長

 ほかにございますでしょうか。

 では、次の項目に行ってよろしいでしょうか。

 3番目は、医療区分の項目の評価ということで、ページ数でいいますと138ページです。いかがでしょうか。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 これは、先ほどのB項目の話のときにもちょっと申しました褥瘡に関しては、135、前回も出ましたけれども、結局、短い方は退棟してしまっている可能性があるわけで、長い人が残っているわけでありますので、入っていたうちに新たに褥瘡ができたような書き方がまとめの2番目にあったような気がするのです。「新たに生じた褥瘡についても」と書いてあるので、その証明はどこにもないと思われますので、この「新たに生じた褥瘡」という表現に関してはおかしいのではないかというふうに思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 褥瘡のことですけれども、私も神野委員と同じ意見で、60日たつとまた減っていっているのですね。減っていくか横ばいという感じになっているのですけれども、深い3度、4度の褥瘡だと60日、90日ぐらいかかって治っていって、それでも治らない患者さんが残っていくことでだんだん割合がふえていっているという可能性はあるかと思うので、療養病床で褥瘡が発生している患者が長くなるとふえているというような書き方は、できるだけ避けていただきたい。同じ意見ですけれども、よろしくお願いします。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 なければ、4番目の項目で脳卒中患者に関する慢性期医療の適切な評価ということで、ページ数でいいますと147です。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

147の一番下のポツでありますけれども、その最後に「なお、これらの病棟に入院する脳卒中患者の中には、医師による指示の見直しの頻度が高い患者が存在する」ということを書いていただいたことはありがたく思うのであります。つまり、143とか144で障害者施設等で安定しているのは確かに療養病床と障害者、特殊疾患は余り変わらないかもしれないけれども、逆にこの赤枠以外の右のほうの指示の見直しが必要だというものの数は明らかにこの病棟は多いので、いろいろな患者像の方がいらっしゃるということを御理解いただきたいと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 これも一番下のところで、「病棟間での報酬の評価方法等が大きく異なっていることについては、課題があると考えられる」。今までのところで読み取れるかどうかというのはあれかなと思うのです。書き過ぎのところがあるかというように思っているのですけれども、このグラフとかそういったものを正直にぱっと出して評価すればいいのであってというふうに思うのですけれども、全部これは上の中医協のほうでやっていただければいい問題なのではないかと思います。

○武藤分科会長

 という御意見もありますが、ほかにございますか。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 池端先生、先ほど先生が御提示された日慢協独自の調査の中に障害者施設、特殊疾患療養施設、その辺を区分してデータをとってありますけれども、脳卒中に関するものではないと思いますけれども、病棟の特性というのは際立っておるようなところはないですか。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 これは疾患別にはとれていないので、つくってもケアミックス等々で持っている日慢協の会員の中の障害者病棟という位置づけですので、どういう特性があるかというのまで把握していないです。済みません。

○安藤委員

 ありがとうございました。

○池端委員

 もし機会があったら検討してみたいと思います。

○武藤分科会長

147ページの取りまとめに関して、ほかに御意見ございますか。

 なければ、全体を通じて何か言い残されたこと、補足はございますでしょうか。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 戻って34なのですけれども、総合入院体制加算の、要するに総合的に高いレベルの病院がなっているかどうかということのところで、34の表なのですけれども、これは基本的には、例えば人工心肺を用いた手術が9と15というふうになっていて、A項目2点以上の患者が30%以上の医療機関では9ということで、低いレベルなのではないかとやっているのですけれども、よく見るとnがすごく少ないのです。この表は全体の中で1つだけ突出しておかしいので、ここは省いたほうがいいかというふうに先ほどから考えていたのですけれども、思いました。ちょっと当たっていないというか、ここに挟まっているというのは。

○武藤分科会長

 本多委員、どうぞ。

○本多委員

 確認ですが、先ほどの褥瘡のところで、スライド135のグラフですが、先ほどの御指摘のように、本当にこれが入院中に出来たものかどうかはこのグラフだけではわからないのでしょうか。事務局に確認させていただきたいと思います。通常これを見ると、何となく入院期間中に増えているとも思えますが、いかがでしょうか。

○武藤分科会長

 事務局、よろしいですか。

○事務局

 事務局でございます。135ページのグラフは、事実としては入棟期間が長い患者さんに褥瘡の患者さんが多かったということでございますが、ずっと同じ患者さんをフォローしたわけではなくて、軽い患者さんが退院されていくというようなこともあり得ますので、そういう意味では入院中に褥瘡ができてふえたということ以外にも、例えば褥瘡のない患者さんが先に退院されたというような場合にもこういう現象が起こり得るものというふうに考えております。

 そういったことから、138ページのほうでは入院期間が長期に及ぶ患者により多く見られたという事実のみを記載しておりまして、そこの部分、途中でできたということは少なくとも138ページのほうには記載していないつもりでございます。

○本多委員

 ありがとうございます。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 全体についてほかにございますか。

 神野委員、どうぞ。

○神野委員

 けんかを売るつもりではないのですけれども、日慢協の資料の11番で、医療側が言うのも何ですけれども、7対1なのだけれども全然見ていない患者さんがこの青いところに結構いるのですね。10対1より多いのですよね。これはまずいといえばまずいし、「なんちゃって」なのではないかとか、この辺のところの解釈をきちんとしておかないと変なほうに世の中に伝わるとまずいなと思いまして、一言コメントいただけるとうれしいと思います。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 よくぞ気づいていただきました。私もこの資料を見ながらまずいなと思っていたのですけれども、よく精査させていただきます。

○武藤分科会長

 嶋森委員、どうぞ。

○嶋森委員

 先ほどの石川委員の御指摘になった34は、確かにnが少ないのですけれども、今、先生の御指摘の人工心肺のところだけが逆転していますので、多分これはもう少し集めないと見えないかなというのと、多分、大きな医療機関でICUHCUを持っているところと持っていないところにこういう違いがあるのかどうか、そのあたりが今のところどういうところでA項目を見たのかというのがわからないので、もう少し数を集める必要があるかなというふうに私自身も思います。ただ、こういう結果が出ているということは評価として見る必要はあるというふうに思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございます。

 安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

138枚目、慢性期入院医療についての入院基本料2に関するまとめのところですが、ポツの3つ目、難病患者のことです。56疾病から306疾病になる。今まで56疾病は病名だけで医療区分2であったのを、どう取り扱うかは検討すると書いてありますけれども、これはそのまま2に入れるのは問題があるかなと。例えば、医療区分の考え方をここに入れるのか。そうすると、既に定められている56の難病はどうするのか、ちょっと懸念しておりますけれども、特にお答えは要らないのですけれども、何かアイデアはありますか。

○武藤分科会長

 事務局のほうで何かありますか。

○事務局

 これは、おいおい中医協でも議論していくべきことだと思いますけれども、何かいいアイデアがありましたら、事後でも構いませんのでお聞かせいただけると、参考にさせていただきたいと思います。

○武藤分科会長

 石川委員、どうぞ。

○石川委員

 それでは、池端委員の出した資料で、もっと矛盾があることは、この5なのです。5の医療区分1の分類で、要するに、これは見れば見るほどおかしいなと思うのは、医療区分1の患者さんで、日慢協のほうでは1-5とかランクづけしましたけれども、1-5なんていうのが医療区分1でも入っていて、これを軽いと見るという人の顔が見たいといいますか、そういうふうな感じになっていますよね。だから、こういうものを見直していただく、これはひとり言ではなくて、我々の判断することではないですけれども、要望ですね、そこは大事なことだと思うのです。

○武藤分科会長

 池端委員、どうぞ。

○池端委員

 ありがとうございます。本当にそういう意味を理解していただいて、2、3や1ということがどういうものかということを、実は中にはこういうのが入っているのですよということを、だから、療養2を見直すときも、実はこういうことを見ているところもあるのだということも慎重に考えていただきたいというデータです。

 もう1点よろしいですか。

○武藤分科会長

 どうぞ。

○池端委員

88ページの有床診療所の件なのですけれども、このデータから云々といったことではないのですけれども、まとめを見ていると、有床診療所のあり方というか、機能としては意外というか、資料92を見ると有床診療所の平均在院日数というのは、50tileで見ると内科系は2週間ちょっとということで、かなり回転率もよく頑張っている有床診療所も多いということですね。昔、私のイメージで、もっと長いイメージがありましたけれども、だから有床診療所の場合にも長期療養の有床診療所は療養病床に行ってしまっているので、それ以外のことは地域密着で軽度の救急とかもやりながら機能している病棟も結構いらっしゃるのではないかと思うので、しかも在宅へ帰しているということがデータで出ていますので、こういう有床診療所がもっと頑張れるようなメッセージもまとめの中に機能として残してもいいのではないか。有床診療所の生かし方というか、そういうこともデータを出しながらやってみていただいたらどうだろうか。これからデータといっても難しいかもしれませんけれども、私、あるところで言われたのは、救急指定を受けて一人で頑張ってやっている有床診療所も結構あって、地域からすごく信頼されている。ただ、これは救急加算をとれないのです。当直以外にもう一人医者を配置しなければいけないということでとれないと(厚生局から)言われて非常に憤慨している先生がいらっしゃいまして、そういうことも含めて有床診療所のあり方も検討していただければと思います。

○武藤分科会長

 ありがとうございました。

 そろそろ時間にもなりましたので、この辺で切り上げたいと思いますが、きょうは大変貴重な御意見をたくさんいただきましてありがとうございます。今後、事務局と相談しながら、本日の議論いただいた内容を踏まえて、当分科会の検討内容を取りまとめていければと思います。

 次回日程に関して何かございますか。

○事務局

 次回の日程は、恐らく本日中に正式にお示しすることになると思いますけれども、8月5日、来週の水曜日の午後2時からを予定しております。頻回の開催になりまして、大変御多忙中、また来ていただくことになりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 それでは、本日の「平成27年度第6回診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)」は、これで終了させていただきたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会))> 平成27年度第6回入院医療等の調査・評価分科会・議事録(2015年7月29日)

ページの先頭へ戻る