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2002年12月25日 第4回社会保障審議会統計分科会 議事録

大臣官房統計情報部企画課統計企画調整室

○日時

平成14年12月25日(水)14:00~16:05


○場所

厚生労働省共用第7会議室(中央合同庁舎第5号館5階)


○出席者

委員

廣松分科会長
阿藤委員
青井委員
今田委員
大江委員
大竹委員
柏女委員
松尾委員
吉村委員

○議題

1.統計行政の新たな展開方向について
2.世界保健機関(WHO)国際分類ファミリー(FIC)協力センター長会議について
3.疾病、傷害及び死因分類腫瘍学委員会における検討の状況について
4.その他

○議事

(1)開会

○高原企画課長 定刻になりましたので、ただいまから第4回社会保障審議会統計分科会を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様方におかれましてはお忙しい中、ご出席くださいましてまことにありがとうございます。
 私、5月から企画課長を務めております高原でございます。よろしくお願いいたします。

                                      (資料確認)

 次に、委員の交代がございましたので、事務局のほうからご紹介申し上げます。
 まず、西島委員が退任されまして、後任に青井委員が就任されました。

○青井委員 青井でございます。よろしくお願いいたします。

○高原企画課長 また、本日は京極委員、津谷委員がご欠席でございます。大江委員と松尾委員は少し遅れるというご連絡をいただいております。
 出席いただきました委員が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 それでは、以後の進行を廣松分科会長にお願いいたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○廣松分科会長 皆様、年末の押し詰まったところ、お忙しいところお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 それでは早速でございますが、議事を進めたいと思います。
 本日の議事は、お手元の議事次第にございますとおり、四つございますが、そのうち、第1の「統計行政の新たな展開方向について」は少しご議論いただきたいと思います。
 その後、報告事項といたしまして、「世界保健機関国際分類ファミリー協力センター長会議」及び、「疾病、傷害及び死因分類腫瘍学委員会における検討の状況」についてご報告いただくことになっております。
 まず、「統計行政の新たな展開方向について」の議論を行いたいと思いますので、事務局のほうからご説明をよろしくお願い申し上げます。

(2)「1 統計行政の新たな展開方向について」

○赤木統計企画調整室長 赤木と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、資料の1をご覧いただきたいと思います。タイトルとしましては、「統計行政の新たな展開方向」となっております。現在、国全体の統計行政の関係の審議会として統計審議会があるわけでございますけれども、統計審議会が、先般の行政改革の審議会の改編の関係で、政策事項ではなくて、行政手続型の審議会というものになりました。従来は、ポリシー的な事項も審議し、統計審議会の答申として、統計行政の新中・長期構想ということで、今後の改善事項とか、調査体系の整備というようなものを提言していたわけですけれども、審議会の性格が変わってできなくなったということであります。しかしながら、その一方で、社会経済情勢の変化、新たな電子化のような技術の進歩、あるいは統計に対するニーズの高まりとか、様々な対応を要する事項が出てきたので、審議会でできなくなった部分を行政レベルで対応していく必要性があるということになりまして、14年6月に、各府省の統計主管部局長等会議の申合せというのができ、統計行政の新たな展開方向について検討していこうという体制ができております。
 下に○で書いてございますように、統計行政の新中・長期構想では、社会経済の変化に対応した統計調査の見直し、主要調査の実施時期の調整、報告者負担の軽減と地方統計機構、調査結果の利用の拡大、調査の効率的実施と正確性の確保、また、国際協力の推進と、このような大きな枠の中で、色々課題とか提言等を整理をしたわけでございますけれども、これにかわるものとして、新たに行政レベルで対応していこうということになったわけでございます。
 2にございますように、検討体制といたしましては、関係行政機関と学識経験者等の方が構成員となりまして、検討会議を設置いたしております。
 これについての詳しい部分が、後ほどご説明をいたします参考1に示しております。この検討会議の中には、五つのサブ会議が設置されており、サブ会議ごとにテーマを分担して検討することになっております。
 最初の資料1の2枚目に、検討対象事項といたしまして、サブ会議の1が、産業・経済統計と主要調査の実施時期の調整、サブ会議の2が、国民生活・社会統計関係、サブ会議の3が、調査への協力確保、結果の利用促進、分類の見直し、サブ会議の4が、個々の統計データの利用促進、関係事務の円滑化・効率化、秘密の保護、地方統計機構との関係、職員研修、サブ会議の5が国際協力関係というような分担関係になっております。
 次に参考1をご覧下さい。統計行政の新中・長期構想後の色々な状況の変化が、1の「答申後の状況変化の例」にございます。経済のグローバル化とか、変化の急速化、IT革命等に伴う情報通信技術の進歩、それから、産業構造あるいは雇用失業構造の変化、環境問題、少子高齢化、男女共同参画、統計調査環境の変化というのがございます。
 あと、行政制度・施策絡みの関係では、個人情報保護、地方分権、政策評価の重視がございます。
 また、(3)にございますように、統計事務について、行政改革の関連で、簡素合理化、あるいは統計情報提供についての様々な要請というのがございます。
 (4)として、「政府統計に対する新たなニーズの高まり」ということで、ニーズに対応した統計データの整備、調査データの迅速な提供、ITの活用による報告者負担の軽減、調査の効率化、経済統計の一層の改善、国際協力・国際貢献の推進等の状況の変化があるわけで、これを踏まえて、新たな方向からの検討を行おうということになったわけでございます。
 検討のスケジュールでございますが、3のところにございますように、10月から検討を行っておりまして、15年の春から6月を目途に取りまとめるということになっております。
 「統計行政の今後の展開方向」という形で取りまとめを行って、各府省の統計主管部局長等会議の申合せにする方向が考えられているところでございます。
 次に参考2でございますが、五つのサブ会議の検討項目をそれぞれ挙げておりますので、それぞれにつきまして、ある程度ブレークダウンして、ご説明したいと思います。
 ご説明の前に、各サブ会議での検討事項として挙げられているのは、検討の予定項目ということでございます。項目自体をどうするか、検討の方向をどうするかという部分で検討が行われておりまして、この項目がそのまま検討事項に確定して、中身になるわけでは必ずしもないわけでございます。予定項目ということでご理解をいただきたいと思います。
 サブ会議1でございますが、まず、産業・経済関係統計の整備という大きな枠がございます。
 その中の、経済統計の体系的整備として大規模経済統計のあり方、事業所・企業統計調査を中核に、経済統計をどういう形で整備していくかの検討を行います。
 商業統計、サービス業基本調査の一元化、調査の有効性の整理、サービス業基本調査のあり方をどうするか。大規模統計の統廃合、経済関係統計の統廃合、大規模な経済統計調査の周期、実施体制、あるいは国と地方の連携、調査系統の問題。経済関係統計というのは、都道府県の統計主管課を主に経由して行っておりますので、地方の業務調整という部分。
 それから、企業を中心にした統計の整備ということで、主要な企業統計で、金融保険業が除かれているので、その辺をどうしていくのか。
 また、最近の企業・会計制度絡みの部分で、連結決算や持ち株会社制度の導入、従前の企業の親子関係の変化の把握の問題、生産が中国とか東南アジア等へシフトしているということで、空洞化をどう把握するのか、設備、人員、工程におけるアウトソーシングをどうしていくのか。
 また、私どもに非常に関係の深い部分で、雇用形態の変化に対応して、いわゆる経済関係統計をどうしていくのか。
 それから、グローバル化とかバーチャル化に対して調査をどうしていくのかというような部分がございます。
 GDP関係統計の見直しということで、GDP推計絡みと、公表の早期化にどう対応していくのか、また、従前から問題になっているストック統計の整備をどうするか。
 未整理分野の統計整備では、サービス分野の統計整備。あと、知的財産化とかソフト開発、コンサルティング、バイオ、そのような新しい分野の活動の把握をどうしていくのか。それから、クロスボーダーになっている電子商取引の問題。
 その他の重要な課題として、主要な統計調査、特に大規模経済統計調査の実施時期の調整、周期調整のあり方を検討することになっております。
 サブ会議の2でございますけれども、この関係の検討事項として、IT関連統計の体系的整備ということで、ITの定義や分類をどうするか、いまIT産業というのが、経済構造、経済活動の中で重要視されているわけで、ITがどういうもので、どう把握したらいいのか。あと、SOHOとか、BtoC取引を、どういう形で把握するか。
 SOHOなどは、世帯面からでないとわからなければ、私どもの省にも関係しなくもない課題でございます。
 次に、国民生活に関する統計の体系的整備というのがございます。これにつきましては、充実すべき分野として、育児世代に関するデータ、高齢者及びその家族の扶養、介護の実態の把握、ライフコースを通してフォローしていくコーホート調査が挙げられております。私ども、コーホート調査で、出生児、成年者と整備したわけでございますけれども、中高年のライフコースを通したコーホート的なフォローアップの調査というのが必要ではないかということです。
 それから、生涯教育、社会教育の実態把握、世帯、家族の概念の変化、実態の変化、多様化などの概念整理、あるいは分類等からの整理。
 プライバシー性が高いが、情報としては欲しいものの対応をどうしていくのか、調査のやり方として、モニター制の採用はどうかなどの課題がございます。
 それから、ジェンダー統計と言われているものをどのような形で整備していくのか。
 ジェンダー統計の中では不十分と見られる分野の例として議論されている、家族の内部構造や機能の把握、家族間の収入・資産の分割状況、就業者の労働内容、労働時間、収入、経済状態をどうしていくのか。
 基本的に、ジェンダー統計というのは何であって、どのようなデータがないのか、あるいはあるのか、重点的にどういう分野を整備していく必要があるのかなどについて、基本的な部分を議論する形になっております。
 次に、雇用関係統計の体系的整備の部分につきましては、経済の変化に対応した雇用の実態をより的確に把握するために、スパンの短期化、地域別データの必要性、就業プロファイルの把握、産業・職業別の人員数、賃金のマトリックス、多様化する就業形態の把握の仕方、あるいは用語定義の検討が議論されております。
 次がサブ会議の3の関係でございまして、こちらは、調査の実施絡みの部分も含めた課題の検討を行っておりまして、統計調査の効率的実施、この中の、調査環境の変化への対応ということで、世帯調査関連で、新たな調査手法の開発が必要であるのか、標本調査とモニター制の調和の問題、報告者負担の軽減方策、これは、行政記録の活用、負担の計測方法のあり方、負担を軽減するためのデータ共有化の方法があるのかどうか、IT技術を活用した統計調査の推進ということで、統計調査のオンライン化のような形で、各省共通的に対応していく事項があるのか、それをどのように考えていくのかという課題が挙げられております。
 情報関連では、セキュリティ対策として、統計調査データに関してどのような対応策をとっていくのか。
 それから、調査技術研究の推進、調査結果の有効な活用という部分では、統計情報の高度利用ということで、統計分析の高度化のための効率的な方法の検討、事業所・企業データベースの充実活用の問題、統計調査の集計結果データの府省間及び地方公共団体の共有化の推進、提供の高度化につきましては、ポータルサイトの構築、雇用形態の多様化、早期化、メタデータの提供。メタデータと申しますのは、統計調査結果データで、精度関係の情報等を含めた、いわゆる調査に関連しての情報の提供でございますけれども、メタデータの提供のあり方をどうするのかというような課題が検討項目に挙がっております。
 次がサブ会議の4でございまして、事務手続部分とか、地方の統計機構の関連という課題をメインに検討を行っておりまして、まず、統計利用者とのコミュニケーション方策ということで、今後の統計利用者の意見や要望の反映のさせ方の方策について。
 たとえばパブリックコメントを統計調査に導入するのか、どのような方法なのか、範囲がどうかなどの検討をこれからやるということになっており、ユーザーとの定期的な意見交換の場の設定というようなことが議論になっております。
 ニーズに即した統計データの整備、調査データの迅速な提供でございますけれども、ニーズに即した統計データの整備ということでは、ミクロデータにつきまして、個人の識別情報を除いたデータの提供ができないのかどうか、実際にやるとすればどのような体制、制度的な問題があるかなどの検討を行うということで、テーマに挙がっております。
 オーダーメード集計につきまして、これは個別の集計のニーズに応えるために、一定の要望に応じて、どこかで集計をして、提供するものです。
 目的外使用では、利用者がみずから集計するわけですけれども、それを、統計を作成しているサイドでオーダーに応じて集計して、提供する。それがどのような体制、方法で可能なのか。事務的なことになりますけれども、目的外使用の承認の基準の見直し。従来より、目的外使用につきましては、公益性という概念に基づいて行われているわけでございますが、その範囲、承認基準を明確にするとか、包括承認として、各省等でデータを使う場合は、個別の承認によらず包括的な承認手続で利用しているわけですが、これの柔軟な対応、また、目的外使用の手続きにかなり時間がかかっているので、電子化等も含めて、時間の短縮など効率化についての検討。あと、官庁間の話ではございますけれども、各府省が調査を実施する場合は、総務省の承認を得て行われております。これに際しての、承認の基準とか事務手続の短縮化の検討。
 また、機動的な統計調査を実施する方法の検討も提案されております。
 それから、統計調査の処理については外注化を進めておりまして、特に指定統計等の外注化をする場合の基準とか、あるいは秘密保護の問題をどのようにしていくのかという部分で、指定統計の外注化等に関する問題点の整理という課題がございます。
 サブ会議の5でございますけれども、こちらは国際関係の協力等の問題に対応しているサブ会議でございまして、国際比較性を向上するための統計調査の見直しということで、分類の問題とかの検討をしております。
 統計調査のデータには、それぞれの制度によって、比較が非常にむずかしい分野があるので、比較可能なものと、比較が難しいものに選り分けする必要があるのではないか。特に経済関係統計で、価格、売上高等については、単純に比較しても難しいので、購買力平価ということでの比較、いわゆる国際比較性の検討という課題がございます。
 あと、統計データの品質の評価という課題がありまして、IMFで、統計品質のフレームワークということで検討しており、そのようなものの日本での採用についての検討。
 国際的な統計調査の結果データの提供の改善ということで、ホームページの中で、統計結果データを提供をしているわけですけれども、英語による部分をさらに拡充していくという課題。
 これは各府省でかなり、提供内容の差があるので、どの程度まで英語のデータを提供するのか、その辺についての検討をするということでございます。
 それから、国際機関に対する報告とか、国際機関からのデータ提供で、データの形式等を共通化しようという話がございまして、その対応の有効性の問題とかを検討する。
 あと、統計分野での国際協力の推進ということで、二国間とか多国間の統計分野の協力の問題、それから、国際協力が担当できるような統計集計の要請をどうするのか、項目をどうするかも含めて検討されているということでございます。
 以上が、政府全体レベルで行っております統計行政の新たな展開方向についての、現在の状況ということになっております。
 次に参考3がございますけれども、これは社会保障制度、年金、医療、介護、少子化、それぞれ制度改革を行っておりまして、こういうスケジュールになっております。
 年金につきましては、今年末までに、改革の基本的方向と論点の公表を行う。それで、15年春から、社会保障制度審議会の年金部会で議論を行って、15年内に改革案の取りまとめ、16年度に年金制度改正というようなスケジュールが立てられております。年金関係の制度改革の論点として、いま取り上げられているものとしては、長期的な給付と負担の均衡の確保をどうしていくか、年金保険料の引き上げの凍結解除の問題、基礎年金の国庫負担率の引き上げの対応、少子化や女性の社会進出に対応したもの、それから、就業形態の変化に対応して、短時間労働者に対する厚生年金適用の問題、女性の年金で三号被保険者の給付負担関係の問題とかがあります。
 医療関係でございますけれども、14年度に健保法等の改正が成立しまして、次いで、医療制度改革の厚生労働省のたたき台を取りまとめて公表するということになっており、これは先般示されております。
 それを受けまして、色々議論・整理が行われて、医療保険制度体系のあり方等に関する基本方針の策定となっていくのではないかと考えております。
 医療関係では、保険者の再編・統合問題、制度を通じた年齢構成や所得に着目した負担の公平化の問題、将来における制度の一元化の問題、それから、診療報酬体系の見直し等、診療報酬体系の基準とか尺度の明確化とか、あるいは診療報酬体系のあり方というのが、検討の大きなテーマになってくるということでございます。
 介護関係でございますけれども、介護給付費分科会で、介護報酬の見直し、改定の考え方を年末までに取りまとめて、15年の春に、介護報酬改定について諮問・答申ということでございまして、法施行後5年を目途に全般的な見直しを行うことになっておりますので、こういう基本的なスケジュールで進んでいくということになっております。
 少子化の関係につきましては、今年14年9月に少子化対策プラスワンというのを公表いたしておりまして、内容をかいつまんでご説明しますと、男性を含めた働き方の見直し、地域における子育て支援、社会保障における次世代支援を組み込んでいくとか、子どもの関係の自立の促進というのがございます。
 少子化絡みでは、15年度予算で、様々な対応が取られているということでございまして、「立法措置を含む具体的措置の取りまとめ」とございますけれども、育児支援で、企業に対して義務化をするということで、次世代育成支援対策推進方策、これはまだ仮称でございますけれども、こういうものを事務サイドでは考えております。
 次に参考の4というのがございまして、これは先般の社会保障審議会の本会議のほうで周知がございまして、社会保障分野での制度横断的な検討項目として、事務局サイドは念頭に置いております。
 ただ、これにつきましては、まだ、議論は行われていないわけでございまして、これも夏を目途に、審議会等でも色々議論が行われ、内容を詰めていくというスケジュールになっております。
 項目の1は、社会保障の給付と負担の在り方、2番目が社会保障の支え手、3番目が、社会保障と関連する税制の在り方、4番目が、社会保障における地域の役割、5番目が、社会保障全体における国民にわかりやすい情報提供の在り方、6番目が、社会保障における給付の重複の調整、7番目が、雇用・就労形態の変化と社会保険制度の在り方という形になっておりまして、このような問題意識を持って、事務サイドも整理をするという形でございます。
 いま、厚生統計を取り巻く環境というのは、以上のような状況になっているわけでございます。
 私どもといたしまして、このような環境の中で、厚生統計あるいは厚生労働統計に対する対応を色々検討していく必要があるわけでございます。本日ぜひご意見を、フリーディスカッション的に伺いたいと思う項目がございまして、1点は、世帯面から見た就業とか雇用実態をどのように把握していったらいいかということでございます。
 就業の問題は、失業の問題、パートタイムも含めた非正規労働者、あるいは女性の社会進出による就業とか、色々ございまして、企業・事業所側からは、労働関係統計を中心に把握されているわけでございます。世帯面から、簡単な形で、就業の実態を把握しているわけでございますが、厚生労働行政の今後を考えますと、世帯面から、就業・雇用の実態をきちんと把握していく必要があるのではないかと考えておりますので、その辺をどのような考え方にしたらいいか、ご意見を伺いたいというのが第1点でございます。
 もう1点は、先ほど統計行政の新たな展開方向の中でございましたように、ライフコースを通じてフォローアップするような調査ということの中で、中高年のコーホート的な調査をどうしたらいいのかということでございます。
 内容的には、就業から退職をして年金生活に入るというプロセスになるわけでございますけど、その中で、年金の問題、就業の問題、健康の問題を含めて、様々な事項があるわけでございますけれども、やはり厚生労働省にかなり関連の深い調査内容と申しますか、情報になるわけでございますので、私どもとしても、これを何らかの形で整備していく必要性があるのではないかと考えておりますので、ぜひこの辺、どのような考え方、あるいはどのような視点で整備を考えるべきか、概括的なご意見を伺えればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○廣松分科会長 どうもありがとうございました。ただいま、政府全体の統計行政を取り巻く状況が大きく変化していることに関してご説明をいただきました。
 ご説明の内容として、一つが、資料の1及び参考の1、2にございます「統計行政の新たな展開方向について」でございます。
 これに関しましては、いまご説明いただきましたとおり、現在進行中でございますので、様々な議論が行われており、取りまとめがどういう形になるか、まだよく見えないところがございますが、基本的な趣旨としては、各府省共通事項といいましょうか、あるいは府省横断的な事項をメインに議論をするということになっております。
 2番目のご説明は、社会保障審議会に関するもので、いま検討がなされております社会保障制度改革のスケジュール、さらに制度横断的な検討項目です。これについては貝塚会長のお考えでは、来年に入ってから、社会保障審議会全体としてどういう考え方に立つかということに関して、審議会の開催頻度も高めて検討したいというご意向のようでございました。

○赤木統計企画調整室長 あと1点、参考5のほうで、「最近の統計整備の状況」というのを添付してございますので、ちょっとご覧いただきたいのですが、まず、コーホート調査の関係で、出生児調査と成年者調査の縦断調査を整備しております。
 医療施設・患者調査の関係で、医療の情報化の関係、安全対策等々の関係で、調査の整備を行っている。介護関係の調査で、各種の介護サービスの調査を実施しております。
 国民生活基礎調査につきましても、13年に大規模調査を行っておりますけれども、介護票とか、貯蓄関係の実額記入などの整備を行っております。

○廣松分科会長 ありがとうございました。今日の主としてご審議というか、ご議論いただきたい点は、いまご説明いただきました参考5の、最近の厚生労働統計の整備の状況、それから、今後の発展方向、そしてそれをどうやって展開をしていくかということでございます。
 今回は特に具体的な課題は設けておりませんので、ご自由にご意見を伺えればと存じます。
 まず、先ほど申し上げました、統計行政の新たな展開方向、あるいは社会保障審議会の今後の予定等に関しましてご質問、ご意見がございましたら、ご発言いただければと思います。どうぞご自由にご発言をいただきたいと存じます。

○吉村委員 サブ会議1、2、3、4、5の委員といいますか、検討しているメンバーというのは、名前が公表されているんですか。

○赤木統計企画調整室長 これは特段公表はされていません。資料には添付してございませんけれども、リストはございます。特に秘すべきものではないと思っています。

○吉村委員 つまり、どういう方々が現在、どういう作業をされているのか。作業内容は書いてあるんですけれども、どういう方々がされているのかなというのがよくわからなかったものですから。

○赤木統計企画調整室長 それでは簡単にご説明しますと、サブ会議ごとに多少違うわけでございますが、基本的には、各府省のメンバーと、有識者の先生方といたしまして、統計審議会の一部の先生方と、各府省からの専門により先生方が入っておられるということで、大学の教授等の先生方が入っておられます。
 あと、協力者という形で、各サブ会議ごとに、県の課長レベルの方が入っておられるということでございます。
 ただ、サブ会議の5だけは、有識者等の先生方はおられませんで、各府省の事務レベルで検討を行っている。それ以外のサブ会議は、ほぼ同じような構成になっております。

○吉村委員 僕が知りたかったのは、サブ会議1というのは、非常に大局的なことを議論するのか、それとも、非常にテクニカルなことまで含めて議論されているのかということなんですけれども。

○赤木統計企画調整室長 大局的な部分も議論をしていますし、物によっては調査を、どの年にはめ込むかという、テクニカルに近いようなものもございます。
 それから、この中で、ビジネスセンサスという提案が行われており、企業・事業所統計調査という、企業の名簿をつくるような調査があるわけでございますけれども、それよりさらに少し踏み込んで、売上高等の項目もある程度含めて、各省が行っている細部にわたる調査に比べて中間的な調査で、経済全体が見渡せるようなビジネスセンサス構想というのがありまして、そういう調査をどうしていくのか、整備するのか、あるいはどういう形でつくるのか、そのような部分も含めておりますので、主要な大規模経済統計の、産業・経済統計のあり方の大きなフレームの検討も、それぞれの役割について多少検討もしておりますし、ビジネスセンサスをどうするのかという話もしています。また、調査の年次ごとのはめ込みの問題とか、あるいは機能分担のあり方部分もやっているという、かなり幅広な検討をやっているところでございます。

○吉村委員 さっきから私が戸惑っているのは何かというと、ここでフリーディスカッションだと言われても、色々なところがあるわけで、そういうものを、全く何の系統性もなく好き勝手に話をしろと言われているような感じがします。
 こういうところでテクニカルな議論をするんだったら、それなりの材料がなければ議論はできないし、非常に大局的なことで言えということであるならば、何が問題かというのは、ある意味では、大抵の人はわかっているようなことを言うことになってしまうので、一体何を発言すればいいのかというのがよくわからないのです。

○廣松分科会長 その意味では説明が少し舌足らずだったと思いますから、補足をさせていただきますが、今日主としてお話を伺いたいというか、ご議論いただきたいというのは、いまご説明いただいたような大きな流れの中で、厚生労働統計として、今後どういうものを充実していくべきかということです。
 具体的な例として、先ほど二つ上がっておりましたが、一つが、世帯面から見た就労とか雇用の実態をどういう形でとらえるかという点。そして二つ目が、中高年のコーホート調査というか、縦断調査についてであります。現在は出生児と、20歳代から30歳代前半までの世代に関するコーホート調査はスタートしたわけですが、中高年のところが落ちているというか、抜けています。そういうものを考えるとして、どういう方法があり得るかということです。
 もちろん、これは厚生労働統計だけに関わるものではありませんので、必ずしも、ここですべてが決定できるわけではないと思いますが、ただ、少なくとも今後、そういうものに関する統計のニーズは大変大きくなるだろうと、そういう予想というか、想定のもとで、この統計分科会として、どういうふうに整理していけば良いのかというのが、本日の、具体的な論点として想定しているものでございます。
 その意味では、最初にご説明いただきました統計基準部が、いまイニシアチブをとってやっております、統計行政の新たな展開方向に関する検討会議というのは、その大きな流れの一つとしてお考えいただければいいんじゃないかと思います。

○今田委員 補足の質問で、統計行政の新たな展開というのは、全府省、地方自治体も含めた規模なんでしょうか。

○赤木統計企画調整室長 基本的には、経済産業省、国土交通省、主要府省を含んでおります。

○廣松分科会長 その点に関してもちょっと補足いたしますと、最初にご説明がありましたとおり、現在の統計審議会というのは、2001年の省庁再編に伴い審議会の機能についても再検討が行われ、現在の統計審議会は法施行型となっておりまして、新たな政策の立案をできる権限はもっていません。
 資料1の背景のところにございますように、平成7年に統計行政の新中・長期構想、その10年前に、統計行政の中・長期構想というのが出ているのですが、それらは統計審議会が実際に、建議もしくは答申したものです。特に1985年の中・長期構想は、統計審議会が建議をした形になっております。
 平成7年の新中・長期構想は、当時の総務庁長官から諮問を受けて答申をするという形式をとっています。今回は、そういう形式がとれないので、先ほどご説明があったとおり、統計主管部局長等会議というところがイニシアチブをとって、今後の新たな展開方向に関して意見をまとめるという位置づけでございます。

○大竹委員 新たな展開方向についての会議の位置づけが、いままでの法的なものと変わったということですが、出てきた意見、まとめた意見というのはどのような形で反映されていくんでしょうか。法的なものは何もないわけですか。

○赤木統計企画調整室長 各省の部局長会議の申合せということになりますので、各府省は、それを尊重して対応していくという形になります。

○廣松分科会長 その点、少しわかりにくいところがあるのですが、統計主管部局長等会議の申合せということですので、その意味では、あくまで努力目標ということであり、その申合せには、特に法的な拘束力というか、何かがあるわけではございません。
 ただし、現実には前回の新中・長期構想でも、これは諮問答申という形ですが、いまから振り返りますと、そこで色々な形で提言されていることに関して、必ずしもすべてが実現したわけではございません。かなり宿題として残っているものもございます。

○吉村委員 少し、いままでのお話を聞いた中で感想めいたことを言おうと思います。
 第1は、どんな統計をとるかということについてのわれわれの悩みは、継続性と、新しい状況への適応性がいつも矛盾することだと思います。
 統計の一番重要なことは継続性であって、30年前、20年前、10年前とどうなってきたかと。このためには、基本的には、いろんな項目にしろ何にしろ動かしたくないわけです。ところが、現実に状況がものすごく変わってくると、過去の色々なカテゴリーというのがほとんど無意味になってくることが非常に多くなるし、新しい項目をどんどん入れなければいけなくなってくる。だから、そこをどうバランスするかというのが、こういうシステム変更のときに一番頭の痛いことだと思うのです。
 ただ、最近、それに関して非常にいいことが一つできたのは、コンピュータ化の推進だと思います。
 というのは、色々なところでコンピュータインプットみたいなものができると、それは決まりきったものですから、あらかじめ、ある意味では、統計調査の対象になった人たちにも、決まりきったことだけは、何もしなくたって自動的に入れられますよと。つまり手間をかけないで入れられるという部分がずいぶんできてきたから、これは可能な限りコンピュータ化を進めて、ほとんど手間なしに、過去と同じことだけは入ってしまう。実際、最近のわれわれに対する調査というのは、すべていろんなデータの入ったものが直接、調査票として来ることが珍しくないわけで、変わったことだけチェックしてくださいというのですが、これは非常に楽なんです。
 それに対して、新しいものというのは、それなりに予備調査をキチンとやって、どういう意味で変化しているかというのを掴んで、そこのところだけは全く新しいフォーマットでやらざるを得なくなる。
 そういうシステムにすれば、かなりそれは妥協できるのでないかという気がするんです。
 それを進めるのが一つのアイデアではないかと、僕自身は思っております。これが第1点。
 その次は、先ほど言われた、最近の就業実態みたいなものが、従来の方法では把握できないようになっている。
 それはたしか、若年者のコーホート調査のとき、意見を言ったことがあると思いますけれども、いまの若い皆さんに、就職先はとか、いまどこへ勤めていると言ったって、全然わからないことが非常に多いのです。
 それから、所帯なんて概念もまずなくなってしまっている。収入はどうなっているのかといっても、それは、ある部分は所帯でやっているし、ある部分は個人でやっているというのが非常に強くなっている。私のうちなんか典型で、うちの娘たちの夫婦は、お互いに、自分の給料は自分で管理していて、共通部分だけ出している。それで一所帯になっているわけですね。だから、所帯の収入はどれだけって、子どもに聞いても、両方とも知らないんですよ。お互いに、知らないよとか、共通部分だけ出しているにすぎないと。だから、そんなことで調査されても答えられないと二人とも言うわけですよね。
 そういう状況で調査を、仮にやるとするならば、基本的に、所帯という概念は、いわばサブ概念みたいな形にして、個人というものを中心にした概念というものを、これから作っていって、個人が、たとえば、ある種の連結決算に近いことが可能ならば、それは所帯にもなる。そういうような調査の仕組みをつくらないと、たぶん、これからの就労状況とか収入、支出というものは把握できなくなるだろうと、僕はそう思っているんです。私の家庭はほとんど完全にそうなっていますから。
 その次の、中高年コーホート的調査ということに関して、これはかなり、やりさえすればやさしいんじゃないかと思っているんですね。というのは、若い方においては、ものすごく就労形態にしろ収入形態が変わっていますけれども、逆に、中高年に関しては、あまりにも固定的になりすぎていると言ってもいいくらい、むしろ固定的になっている。つまり、パートタイム的なものはパートタイム的なもの以上出ることができないし、年金は、年金のシステムはもう固定されてしまっているからできない。だから、これはむしろ中高年コーホート的調査をやるんだったら、非常にシンプルな形で、しかも、あんまり規模を大きくしないでやれば、かなり実態は正確に把握できるんじゃないかと思います。
 以上が、いま思った意見です。

○廣松分科会長 ほかにご質問、ご意見ございませんでしょうか。

○柏女委員 いま全体的なことと、特定の二つのテーマについてということでしたので、最初は全体的なことを申し上げさせていただきたいんですけれども、私も3点あったんですが、1点目は、いま吉村委員がおっしゃったことと全く同じことを考えておりました。
 2点目は、サブ会議の4に対応するのか、利用の関係なんですけれども、これは検討状況の中にも入っておりましたけれども、個人が識別できるデータを除いたものを幅広く、ローデータを提供できるようにというご検討があるということで、ぜひそれをお願いできればと思っています。
 もう一つが、そうしたデータの利用のときに、いま研究者のほうから目的外使用の申請をしていて、承認をしていただくというやり方があるかと思うんですが、もう一つ、それとともに、研究事業とリンクができないだろうかというようなことを考えています。
 それぞれ各府省で、たとえば厚生労働省ですと、厚生労働科学研究費とかありますので、そことリンクをさせていくことができないだろうか。
 こういうデータがあるので、これを使って、こういうことをやってほしいというような、応募の仕方、募集の仕方があるのかなということを感じました。それが1点目です。
 もう1点は、参考の5ですが、そこで、最近の統計整備の状況ということで、これに関連して、新たに、これはまた難しいのかもしれないんですけれども、三つ目に、「介護サービス施設・事業所調査、介護給付費実態調査等」というのがあるんですが、これとの並びといいましょうか、少子化関連で、保育サービスについて、まだシステムも違うのでちょっと難しいとは思うんですが、考えられないだろうか。あるいは、保育の需要量調査とか、そうしたものを月単位あるいは年単位で継続的な把握をしながらいけないだろうかというのが、少子化関連で考えられないかなというふうに思っています。
 これが全体的なことなんですけれども、もう一つは、いまお話のありました2点の調査についての、中高年のコーホート調査の関係なんですけれども、私は専門外なので、よくわかりませんが、ぜひ、この調査をしていただくときに、実態だけではなくて、意識の調査項目を入れたらいいのではないかなと思います。
 たとえば仕事がなくなるということについての喪失感の問題とか、あるいは生きがいとか、あるいは心配なこととか、そういう意識面というか、主観的なこともかなり大切になってくるのではないかということを思っていますので、そうしたことも考えられないかなということを思いました。
 以上です。

○阿藤委員 全体的なことで、一つ小さな質問は、これはサブ会議で検討されている統計というのは、指定統計とか承認統計とか、すべての官庁の統計をカバーしたものなのかどうかということです。
 それから、国際協力の推進というときに何となく、日本の既存の調査データで、国際的にパラレルな質問項目をという発想が中心だと思うんですが、分野によって違うと思いますけれども、しばしば、われわれの分野なんかで、国際的に、新しい企画があって、いろんな国際比較調査のプロジェクトがある、日本も参加しませんかというような話が来るわけですね。そういうときに、どうも日本が、お金の関係とか、組織の関係で対応しにくいということを二、三経験しているんですけれども、その辺の対応関係というものももう少し積極的にできるようになると、本当の意味で国際協力、それから、データや分析方法の協力並びに発展というか、そういうものにつなげやすいということがあるものですから、この辺まで含めて、サブ会議で検討していただけたらということがございます。
 目的外使用の問題は、先ほど柏女委員のほうからお話がありましたが、私も、厚生省の科学研究費で、3、4年ぐらい前に、官庁統計を使って少子化問題を分析するというプロジェクトをつくったんですが、申請してから、データが出てくるのが、プロジェクトが終わる最後の年の末という状況で、もう一回プロジェクトを延長しなければ、とても本格的な分析ができなかったという経験があるんですね。これでは何のために目的外使用があるのかということになってしまうので、もう少しというよりも、抜本的には、アメリカなんかでやられているように、たとえば大きな調査であれば1%とか、そういうものはデータセットとして、すぐに入手できるとか、そういう状況まで持っていく努力がまだまだ必要なんだなということを、常日頃実感しております。
 それから、個別の二つのテーマ、厚生労働省の関係でございますけれども、中高年のコーホート調査といっても、これはテーマによって、何でも入るようなことで、どこかでテーマを絞らないと大変難しいんじゃないかなという感じを持っています。
 たとえばいま、就業から非就業へというようなところが中心の議論があったように思いますけれども、健康寿命の問題なんか、いま大変重視されていて、いわゆる寿命に対して、健康と障害との間を行き来するようなものをコーホート的にとらえて、健康寿命のようなものを推計、推測する、それがどう変わっていくのかというようなことが、いま大変重要なテーマになっていると思いますけれども、もしそういうものをやろうとすれば、それだけで非常に大きな調査になるということですと、一本で一体、どの分野までカバーしたらいいのか、するのかということも大きな問題になるように思います。

○赤木統計企画調整室長 最初のご質問でございます、サブ会議の検討につきましては、個別の調査を取り上げて議論するということではなくて、全体的に、制度的な問題とかの課題を議論しておりますので、実質的にカバーされてしまうという部分がございます。ある個別の承認統計、届出統計を取り上げてどうこうという部分は、経済統計の全般的な議論の中では個別統計が出てくることはございますけれども、全体として個別の調査がどうという議論にはしないという形になっております。
 目的外使用の関係では、いま議論になっておりますのは、まず承認が遅いので、各府省の方としても、総務省の事務処理をもう少しどうにかならないかということで、できれば承認までの期限を目標値を決めるぐらいまでやれないかということで、迫ってはいるところでございます。これは電子申請も含めた方法もあるのではというような議論もあります。
 また、継続的に使用しているケースは、簡易な手続でもいいのではというような議論もございますので、これは何らかの形で、それなりの成果というのは出てくるのでないかと考えております。
 データセットの関係に関しましては、まず基本的な考え方として、アメリカ型のように、データセットを自由にほとんど使わせるケースがあります。つまり、CD-ROM化されたマクロデータについて、基本的には誓約書のサインだけで、誰でも使えるというような形にするのか、それとも、目的外使用の拡張型でいくのか。最終的には統計基準部が決めることになるのですけれども、そこをまずきちんと決めて、どんなデータセットを、どんな手続で使っていただくのかという議論をしなくてはいけないという部分の議論が、行われているという段階にございます。

○今田委員 指定統計及び官庁統計に対するニーズは非常に高いわけです。おそらく、いろんな研究プロジェクトにおいてデータが使用できれば、プロジェクトそのものも効率化が進むということもあって、本当に切実なニーズがあります。だから、どのような提供の仕方が適切なのか、そのためにはどういう、いろんな改正法も含めて、改正とか改良が必要なのかというのを早急に詰めて、ぜひ、そういうデータが簡便に使用できるような体制を整えていただきたいと思います。
 指定統計以外の色々な民間及び研究所とか、個々のものとか、科研費を使った様々の調査について、データの調査を行った人以外の研究者が使えるように、徐々に整備が進んできているわけです。
 日本の場合は、指定統計及び官庁統計が頑として秘密にして、門外不可という形になったもので、それの影響もあって、オープンにしてもいいデータもなかなか外部で使えないというような、そういう日本の調査状況、データ状況があったのですけど、外部の、比較的意識改革が進んで、データの公開という方向で、徐々に色々なところで整備されつつあります。
 最後に、皆のニーズも高くて、難しそうな官庁統計を中心として、この分野が進んだら、日本は画期的に研究に大きな貢献を果たすんじゃないかというふうに思います。ぜひ、色々なご努力をお願いしたいと思います。
 それから、あと二つのテーマについて、特にライフコースの、中高年のコーホート調査というのを、ぜひ実現していただきたいと思うわけです。
 特に中高年、これから年金、就業の問題を考えた場合に、年金到達以降の高齢者が、高齢期にいる人たちが100%年金生活に入るのかどうなのかということが最大の問題になって、全体的な政策的な課題として、それにどういう対応をするのか、いまからキチンと対応しておかなきゃいけないというようなこともあって、中高年のライフコースがどのように、これを実態として、ライフコースをとるのかということについて、いまわれわれは十分なデータを持っていないという状況にあります。
 それについては色々、これまでの既存の調査による仮定みたいなもので、たとえば日本の中高年者は就業継続比率が高いとか、諸外国に比べて高いとかということがあるわけですけれども、それは今後もそういうことは仮定できるのかということに関しては、かなり疑問もあるわけで、その場合に、そういう中高年の人たちがどのような形で、年金及び就業と関わり合っていくのかということ、そのことについて確かな予測というのはなかなか立てにくい状況なわけです。
 そういう意味からも、その問題はかなり、今後のわれわれの団塊世代が年金生活者に入っていくときというのは、最大の日本の課題になるということもあって、ぜひ早急に、中高年のライフコースの調査をしていただきたいと考えます。
 そのときに重要になるのは、就業の、これまでの就業キャリアと、今後の就業キャリアをどのように展望しているのか、それに関わるのが、家族との関わり、家族キャリアと言ってもいいようなもの、それから健康という、個人に影響を与えるライフコースの諸過程、それから、年金生活に入るか、定年以降の就業機会、それはフルタイムだけじゃなしに、いま言っているような就業形態の多様化ということを前提にして、いかなる就業との関わり合いを持つ可能性があるのか。
 さっき委員の方がおっしゃったように、そういうものを規定するものは、人々の価値観とか就業意識とか、そういうようなものでもあるわけですから、ライフコースに関わるキチンとした調査といいますか、調査データというものを、ぜひ確保する必要があります。
 さっき、簡単だとおっしゃったんですけど、なかなか難しいと思うんですけれども、私も色々調べている限りでは、調査方法上も難しいと思いますけれども、ぜひ検討の課題として加えていただきたいと思います。

○青井委員 先ほど阿藤先生からも出たんですけれども、健康寿命というものが、たぶんいまはかなり延びているかと思いますけれども、平均寿命の調査ではなくて、健康寿命の調査をどういうふうにしたら、中高年の人たちの状態を把握するのにいいかということがあります。
 それから、健康寿命というのは、必ずしも、全然病気がなくてというんじゃなくて、たぶん一病息災のような形で保たれているかもしれないということです。
 それから、就業の形態によって、その価値観の変化とともに、たぶん健康度というのが上がっているのではないか。就業していることによって上がっているのではないか。そのような中高年の違いというのが、年々、平均寿命の伸長とともに変わっているのではないかと思うんですが、私どもも調べたかったんですけれども、そういうことを調べられませんでしたので、私たちの医療行為の評価というところにつながると思うので、お願いしたいと思います。

○松尾委員 各サブ会議というところで、何のために統計データをとるのかというところから少しご議論いただきたいと思うんですけれども、たとえば子どもの学校保健統計というのがございますけれども、出てきたデータを活用する方法というのは、いまのところ、非常に貧弱だと思います。ぜひ、データをとる目的というところから一度ご議論いただければと思います。
 子どもの健康を見るときに、身長、体重を測るという単純な作業から、ずいぶん色々なことがわかるわけですけれども、いままでは平均値、ばらつきというところに関心があったわけですけど、両端ですよね。非常にやせている子ども、太りすぎている子どもというところに、実は情報の一番重要なポイントがあるわけで、ぜひ、厚生労働省と文部科学省とがばらばらに統計をとっているということは、子どもの健康を評価する上では非常に不幸なことなので、ぜひそのへんを検討いただきたいと思います。

○大竹委員 まず全体的な点についての意見を申し上げたい。ミクロデータの提供という方向は、ぜひとも推進してもらいたいと思います。ミクロデータの提供によって、統計の利用者が増えてくると考えます。特に日本国内だけでなく世界中の研究者が使えるようにすることで、利用者が増えて、統計に対するサポートも増えてくると思います。日本の研究者は、外国のミクロデータを使って研究をして、日本のことをしていないというのが現状なので、ミクロデータの提供はぜひともやってほしいと思います。提供方法としては、目的外使用を拡大するというよりも、情報が少し欠けるにしても、オープンな形でしていくほうが、第一段階としては必要だと私は思います。
 次に、具体的な点についてコメントします。国民生活基礎調査について、世帯面から就業を把握するのに、どういう改善が必要かという点については、次の2点があります。私が国民生活基礎調査を使って就業問題を分析する場合に、一番欠けていると感じているのは、労働時間のデータがないということと、学歴のデータがないということです。
 この2点は決定的に重要です。最低この二つの項目を拡充することで、世帯の状況が詳しいデータに、就業関連の情報が充実すると思います。
 中高年コーホート調査ということにつきまして、中高年というのは世代がちょっとわからないんですけが、40歳から60歳という意味でしょうか。
 もう少し年齢が上なのか、どこをターゲットにするのかによってちょっと変わってくるかと思います。この場合、必要な情報としては所得、それから就業構造です。特に失業によって、どれだけ生活水準が大きな影響を受けるのかというのを、コーホートで見るというのは重要なことだと思います。
 いままで、ある程度高い生活水準だった人が失業を経験することで、非常に低いところまでいくのか、あるいはそれほどでもないのかということを分析するということが必要だと思います。そのためには、資産のデータというのも必要になってくると思います。
 それから、同居している子ども、あるいは同居していない子どもの状況というのが必要なのではないかと思います。
 さらには、引退までの連続的な変化という意味では、労働時間だけではなくて、余暇時間でボランティアをどういうふうにしているかというような、引退後の生活への連続的な変化がどうかという形での、時間の使い方というのをとらえることができたら興味深いのではないかと思います。

○廣松分科会長 ありがとうございました。全員の方から、目的外使用およびミクロデータのことに関してコメントがございましたが、実はこの問題自体、先ほど申しました新中・長期構想からの積み残しというか、問題提起そのものはすでになされていて、これまで7年間、ほとんど何もできなかったという問題の一つでございます。
 たまたま私も、サブ会議の4に入っているんですが、全体的な雰囲気としては、ちょっと言葉は悪いですけど、基準部対、われわれも含めて、その他というような状況になっております。おそらく、これは私の個人的な推測でございますが、今回の新しい展開方向を探るときに、この問題について何らかの形で一歩踏み出さないことには済まないのではないかと思っております。
 それが理想的には、先ほども挙がっていました、アメリカのケースのように、たとえば1%とか2%抽出のデータを、必要ならば個々の被調査者が識別されないように統計的に処理したあと、CD-ROMのような形で市販するというのが理想的だろうと思いますが、一足飛びにそこまで行けるかどうか、まだよくわかりません。しかし、少なくとも何らかの形で一歩踏み出すことが必要。私も、会議のメンバーの一人としては、そういうふうに持っていければと考えております。

○阿藤委員 それに関連してなんですけれども、この社会保障審議会の統計分科会と、サブ会議との関係みたいなものですけれども、ここで声を大にして言ったことがフォーマルな形で、サブ会議に反映されるような仕組みというのはあるのですか。
 つまり、各府省でたぶんそういうのがあると思うんですけれども、そこから持ち上がった声が、ここにとうとうとして、反映される余地とか可能性というのはあるんでしょうか。

○廣松分科会長 公式的なことは、あるいは室長さんの方からお答えいただいたほうがいいかもしれませんが、先ほどご紹介がありましたとおり、すべてのサブ会議に、それぞれの府省の関係の課ないし室の責任者の方が出ていらっしゃいますので、その方々に、この場での議論を反映する形で、強い声で発言をいただければ、それなりの意味を持つのではないかと思います。
 私は個人の形で参加しておりますが、これまでも同じことを繰り返して述べております。各サブ会議での議論は、いまはまだ、どちらかというと、問題の摘出というレベルなんですが、これから来年に入って、だんだん議論を収束させるという方向に進むだろうと思います。そのときに、いまの問題を、具体的な形で、申合せの中に書き込むというようなところまで持っていければと考えております。

○吉村委員 一つは質問なんですけれども、実際に目的外使用が、現在、年何件ぐらい申請があり、かつ、それにおいて、申請から、実際に承認されるまで、たとえば平均的に、どれくらい期間がかかっているものか、できれば知りたいことが一つです。
 もう一つは、私が実際に感じている困難点みたいなものが幾つかあるんですけれども、その困難点の一つは、申請者側が一体何を注意して申請すればいいかということがさっぱりわからないのです。たとえば、こういう目的外使用のところで、一体、基準部側のほうは何にこだわって延々と申請書の書き直しを要求してくるのかがあんまりよくわからないのです。したがって、基準部側にしてみれば、申請者側の申請が悪いから時間がかかるんだという話になるんだけれども、申請者側にしてみれば、それは一体何を問題にされているかがあんまりよくわからないのです。
 もう一つは、逆に、そういう色々なチェックをする側のほうが本当にうまく審査しているのかというと、これもかなり危ないところがあるんですね。実際、私の経験からいいますと。
 そうすると、そういう困難点、私自身も結構経験しているんですけれども、そういうことに対して、いまサブ会議というのは、そういう、いわば困難点みたいなものをどれだけシャープに把握しているのかということを、できればお聞きしたいんですけれど。

○廣松分科会長 私の方から申し上げたほうがいいんでしょうか。

○吉村委員 件数とか期間ということはどうでしょう。

○廣松分科会長 それに関して、一部の情報は、検討会議を始めるときに基礎資料という形で出ております。おそらく事務局でもお持ちだろうと思いますので、後ほどご紹介いただければと思います。

○事務局 その点に関してでございますけれども、件数でございますが、厚生統計に関する部分は年間90件ほどでございます。
 期間でございますが、これは非常に幅が広くて、短いものは2カ月ぐらいですが、長いものは1年近くということもございます。

○吉村委員 1年以上かかっている例はないんですか。

○事務局 ちょっと細かいところまではとっておりませんが、かなり幅があるというのは事実でございます。

○渡辺統計情報部長 審査側の意図というのは、統計基準部の方では、使用目的というところが最大のポイントになっていると思います。ですから、使用目的が公的目的になっているかどうかというのが中心です。
 公的というのをどのように考えるかというのが、申請者側と許可する側の一致しないところで、今までのところ、認めるものとしては、行政絡みの目的、行政上の公的目的に合致したものというのが公的であるという考え方が中心になっているようで、個々具体的には、その程度というのは実際には差があると思いますけれども、ねらいとしてはそういうところが焦点であると思います。
 それから、申請の日数については、実際に申請書を正式に出したときからの日数と、事前に、こういうことでやりたいんだけどという話を持っていってからの日数と、どちらをとるかによって大幅な違いがあり、今のところは事前審査、正式に申請書類を出すまでの期間というのが相当あって、その辺が、間に立つ府省としても、どういうふうになれば許可できるのかというのは必ずしも明確ではないということで、先ほどの廣松先生のお話にあったような、基準部対各府省で対立しているような格好になって、各府省がどういう場合なら許可するのか、具体的に基準を示してもらいたいとして議論している所です。

○事務局 先ほどの件数に関しまして、訂正と申しますか、注釈をいたしますと、90件と申し上げましたのは、包括申請も含めてのものでございまして、個別の申請ですと、13年度で48件でございます。

○吉村委員 先ほどの期間というのは、正式に判を押して出してからの期間ですか、それとも、事前審査の期間ですか。

○事務局 事前も含めてでございます。

○廣松分科会長 少なくとも、その点に関しては、いわゆるトランスペアレンシー、そして事務の効率化ということにいささか欠けるところがございまして、それは今回の色々な形で各サブ会議で議論になっていると思います。
 ほかに、この点に関しましてご発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

○廣松分科会長 それでは、最初の問題に関しまして、色々貴重なご意見をありがとうございました。ご意見としまして、政策課題への対応とか、あるいは統計行政の新たな展開方向に関する具体的な対応とか、色々ご批判、課題をいただきました。それに関しましては今後、検討させていただきたいと思います。
 ご指摘いただいた問題点の中には、かなり中・長期的な観点からのものもありますし、国民生活基礎調査の対応に関しましては、ご存じのとおり、平成16年が大規模調査の年に当たります。したがって、その諮問答申を来年度中に上げてしまわないと、具体的な作業に入れないことになりますので、その意味では、来年早々に報告しなくてはならないような緊急を要する課題もございます。
 それらの点に関しましては、事務局のほうで課題を整理した上で、原案等を作成していただいた上で、必要に応じて、この統計分科会でご審議を賜りたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に、本日の2番目の議題でございますが、「世界保健機関国際分類ファミリー協力センター長会議」について、ご報告をお願い申し上げます。

(3)「2 世界保健機関(WHO)国際分類ファミリー(FIC)協力センター長会議について」

○木村疾病傷害死因分類調査室長 疾病傷害死因分類調査室長の木村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料2の「世界保健機関国際分類ファミリー協力センター長会議について」ご報告させていただきます。
 この会議は2000年よりWHO国際分類ファミリー戦略会議、国際分類ファミリーWHO協力センター長会議の二つの部門に分かれました。私は、ICDの関連部分についての二つの事項につきまして説明させていただきます。
 最初にWHO国際分類ファミリー戦略会議が、平成14年10月11日より12日まで、オーストラリアのシドニー市で行われました。
 WHOは、健康の指標分類の上で、いままで指導的な役割を果たしており、様々な国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、並びに解釈、比較を行うために設けられたICD 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」を中心に啓発、普及活動を行ってまいりました。
 1998年、現WHO事務総長ブルントラントの就任以来、統計における指標分類に従来以上の重きが置かれるようになり、担当のCAS(主にサーベイランスを担当、FICの母体となる組織)が中心となりまして、健康統計指標の拡大が行われてまいりました。
 2001年5月のWHO総会において、WHO-FIC 国際分類ファミリーという概念が採択されました。
 この概念につきましては、国際分類ファミリーという、一枚で示した資料がございますのでご覧下さい。ICDとICF(国際生活機能分類)を中心に色々な統計分類を包括した、ファミリーという概念でございます。
 元来は国際分類ファミリーではなくて、ICD協力センター長会議が行われてまいりましたが、2001年5月の総会を機会に、各国の代表者のみが集うWHO国際分類ファミリーの戦略会議というものが開かれるようになり、今年で2年目になります。
 最初の年は、協力センター長会議の前に1~2時間程度行われただけでしたが、今年は二日間となり、来年はますます長くなるであろうことが予想されます。
 次に会議の概要についてです。
 先ほどお示しいたしました図のように、WHOは、ICDとICFを中心としながら、腫瘍、神経学、プライマリ・ケアなどの新しい分類を加えることにより、健康に関する国際統計分類をあらわす概念であるFICを拡張し、最終的には世界健康調査 World Health Surveillance を行う意図がございます。
 現在のWHOの課題といたしましては、ICDを中心に、ICFやその他の分類ファミリーを普及拡大することでございまして、今回の会議の議題は、2002年春に、フランスのクルセイユで行われましたWHO-FIC代表者会議の決定に基づいた13項目についてでした。
 次に、場所を、同じオーストラリアのブリスベンに移しまして、10月14日より10月19日まで、国際分類ファミリー・WHO協力センター長会議が行われました。
 WHOは1979年より毎年、世界各国のICDセンター長を招いて、(現在、このセンターは10カ国)センター長会議を開催し、今後の活動、問題点などを話し合っておりまして、日本はセンター国ではございませんが、1979年の初回よりオブザーバーとして参加しております。
 センター長会議は、ICDセンター長会議から、WHO-FICセンター長会議と名称が変更されております。
 この会議の内容につきましては、ほとんどの議論はICDに関するもので、ICDとICFとの統合について検討がなされているものの、両者の共通性があまり見られないということから、両者の専門家が、それぞれの活動を個別に行い、他の新分類については、その専門家が試験的に行っている段階でございます。
 センター長会議では、まず戦略会議での検討内容が発表され、これからのFICの方向性が討議されました。
 引き続き、七つの委員会に分かれて議論が行われました。
 今回、わが国からは、ICDに関する2001年の年報を提出いたしますとともに、研究報告として、日本の健康に関する統計、ICDの導入の歴史などを発表いたしました。
 この七つの委員会のうち、ICDは六つに関連しております。
 七つの委員会につきましては、資料2をご参照下さい。
 まず1番目は、WHO WONCA(国際家庭医学機構)の作業班である国際分類ファミリー拡張委員会 FDCと略されるものでございます。
 ICD、ICFに関連する新たな分類の導入、例えば口腔、神経の分類、医療行為の分類、訴えの分類など多岐にわたっております、これらの分類の検討及び普及・啓発に関わるものでございます。
 2番目にICD普及委員会というものがございます。
 この委員会は、ICD-10がまだ導入されていない途上国にICD-10を広めるということを目的として結成されました。
 戦略会議でもかなり熱心に議論が行われました。途上国のインフラストラクチャーは、先進国とはかなり異なっておりますし、また、途上国間でも、そのレベルというものはかなり差がございます。そのためインフラの整っていない途上国でもICD-10が容易に導入できるように、先進国並みの詳細なものは含まず、コンパクトなツールを集約するというICD in a box という概念が提唱されました。
  今後は、その詳細について検討することと、また、ICD-10を導入するに当たって、その基盤となります動態統計の確立をめざすということで結論いたしました。
 3番目は、トレーニング・認定グループ T&Cと略されます、主に死因及び疾病のコーダーの育成・認定に関する検討グループでございます。
  この育成・認定に関しては、各国の非常に関心の高いところでございますが、いずれにしても歴史の浅いグループでございますので、各国のトレーニング等に関する情報交換の段階でおります。
  4番目は、分類改正委員会です。
 これは、WHOが10年ごとにICDの修正を行っておりますが、現段階ではICD-11を作らず、ICD-10の改訂でつなごうということを決めております。
 今回の委員会では、2004年の小改正、2006年の大改正に向けての話し合いがなされまして、今年検討されました12項目のうち、精神疾患、糖尿病に関わる3項目につきましては、用語が大幅に変わって、統計に大きな問題が出てくるということから、今後、WHOが専門委員会を設けて、来年にもう一度検討し直すということになりました。
 そのほかの9項目につきましては、ほぼ全員一致で改正を認めました。
 次に死因分類改正グループでございます。
 MRGと略されますURCの下部組織でございまして、ほとんどすべてがコーダーです。
 6番目は電子媒体委員会です。ここでは、これはクルセイユでも、シドニーでもかなり熱の入った議論が行われました。
 と申しますのも、WHOがずいぶん前から約束していました、ICD-10のCD-ROM版の出版がなされていない。このために、グループが結成され、メンバーであるドイツ、フランスによりまして、試験的にではございますが、英語版、仏語版の作成を終え、4月の正式出版に向けて準備が進んでおります。
 そのほか、WHOの汎アメリカ事務局(PAHO)が主体となり、スペイン語、ポルトガル語などの作成も進んでおります。
  最後に国際生活機能分類についての委員会がありますが、これは私の室の担当外でございますので、省略させていただきます。
 以上でございます。

○廣松分科会長 ありがとうございました。ただいまのご報告に関しまして、何かご質問等ございますでしょうか。

○松尾委員 資料2の2ページ目の一番下のところに、国際分類ファミリー拡張委員会と書かれていて、横の資料では、開発委員会になっているんですが。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 申しわけございません。拡張委員会のほうでございます。

○大江委員 ご存じのように日本では、これまではICD-10のコーディングというのは、どちらかというと紙のカルテから、病歴室の診療情報管理士の方がコーディングするという形が多かったわけですが、急速に、病院の臨床現場での電子カルテの導入とか、オーダリングシステムの導入ということが進みつつある中で、昨年以降、標準病名マスターというような電子的な、臨床病名を自動的にICDコーディングするというようなテーブルができて、それを使い始める病院が、いまかなり増えつつある段階です。すでにICD-10が出て10年を超えている状況では、疾患のカテゴリーによっては、現在の分類に合わないということで非常に苦労していることがありまして、そういうことが、電子カルテとかのシステム化をするに当たって、現場での不満にもつながっているわけです。
 分類改正委員会が2004年の小改正、特に2006年の大改正に向けて活動を始めているということになりますと、こういう大改正が予定されているということに対して、これまでに蓄積されている色々な分類上の問題、あるいは現在、電子化に伴って発生してきている新たな分類上の問題の指摘というものを、日本としては、どのように反映させていくような体制をつくっていかれる予定なのかということについて、ぜひお聞きしたいんですが。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 この問題については非常に大きな問題でございまして、確かに医療の情報というものはアップデートしてまいりますし、先ほどおっしゃられましたような電子カルテ等の需要も大きくなっておりますので、いままで、ICDセンター長会議にはICD室のみが関わってきたという経緯はございますが、今後は省内の連携を密にいたしまして対応していきたいと思っております。

○大江委員 12項目というふうに挙げておられますが、それぞれに対応して、特に国内、日本の臨床では重要な領域に対しては、国内でそういう委員会的なものを、専門委員会とか、そういうものを立ち上げて、早めにWHOのほうに意見を言うというような体制を、ぜひとっていただきたいと思います。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 検討させていただきたいと思います。

○大江委員 もう1点、国際分類ファミリー FICの、現時点でのFICの構成要素というのは、ICD-10とICFというふうに理解してよろしいでしょうか。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 現時点では、ICD-10とICFのみならず、もうすでにICD-O、ICD-NA、DA、IND等全体を国際分類ファミリーとお考えいただいて結構だと思います。

○大江委員 そうしますと、出された時期の違いとか、考え方の、若干、専門性の違いなどもあって、特に診断関連の腫瘍学とか、こういったものと、基幹になるICD-10との間での微妙な不整合というものはかなり生じていると思いますが、そういうことに対する調整というのを、国際分類ファミリー開発委員会が役割を担っているということなんでしょうか。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 そのように理解しておりますし、実際、会議でも、そのようなことが話し合われました。
 しかしながら、いずれにしても大変大きな問題ですので、すべての問題を一時に片づけられないと思います。ICD-10のCD-ROM版でさえまだ出ていないような状態でございますので、順次処理していかなければならないと考えております。

○田村人口動態・保健統計課長 ちょっと補足します。国内の適用ですけれども、ICD、ICF、FICの会議自体は行政レベルでやっているものではないので、行政レベルでどうするかというのは、色々なところに影響がありますので、その辺も含めて考えたいと思います。

○大江委員 もう一つ、もしわかればでいいんですが、国際分類ファミリーの開発委員会が、資料2の文章によりますと、WHOのWONCAの作業班であるというふうに書かれていますが、それは何か理由があるんでしょうか。
 といいますのは、ファミリーの中で左下に位置づけられているプライマリ・ケアに対する国際統計分類、ICPCのことだと思いますが、これを開発している母体がWONCAだと思いますので、そこの作業班が、国際分類ファミリー全体の開発委員会を担当しているというのは、そういう役割になった理由というのがあると思うのですが、その情報を把握しているのでしょうか。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 いまのところ、そういった情報は手元にございません。

○吉村委員  そのように、FICのほうがどんどん先へ先へと進んでいるのに対して、先ほど、ICD-10でも、そのままでは、途上国では普及することは難しいから、何らかの意味で簡単化してやっと普及するという状況になっているわけですね。
 ICDの一番主要な特徴は、それによって、世界的なものが共通的に把握できるということが非常に重要だったことだと思うんですね。
 ところが、そういうふうにして、いわば先進国のほうがどんどん先端技術的なものをやって、分類までやってしまったときに、ますます途上国のほうがおくれてしまって対応できなくなるおそれというのはないのですか。
 そうすると、インターナショナルなスタティスティックスというものが機能しなくなるというおそれはないのでしょうか。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 そのとおりだと思います。そのために、まずICD-10を途上国に導入する前に、きちんとした人口動態統計をとれるという枠組みをつくってから、そこに導入するという形でないと、統計自体が混乱してしまうということがあると思います。

○吉村委員 そういうことに対する配慮というのは、WHOレベルでは一体どの程度できているのでしょうか。
 もしできていないとするならば、少なくとも、せめて日本発ででも、そういうことに対する注意は発言すべきなのではないでしょうか。

○田村人口動態・保健統計課長 後者はちょっとわかりませんけど、WHOとFICないし、この会議には、先ほど申しましたように、疾病分類の専門家が参加しています。
 したがって、専門家の先生から見れば当然だとおっしゃるかもしれませんけれども、非常に細かいことを区別しておられます。
 かつ、いまWHOがディスアビリティのほうにかなり力を入れているやに理解をしております。
 したがって、会議の議論と実際に流布していることはかなり違ってきているという気がします。
 世界の動きを見ても、アメリカがICD-10を入れたのが1999年から2000年です。日本が1995年から入れていますけれども、これはかなり進んだところです。
 かつ、各国ともに電算化が、先ほどの話で、進んでいますので、そうなりますと、とてもじゃないがさわれない。
 だから、行政ベースじゃなくて、専門家が非常に進んでやっておられるということで、そういう点で評価をすればいいかなというのが私の意見です。
 後者のほうは、過去に会議に参加した者がその場でも発言してきていると思いますし、毎回、3年に一度変更される、それも、あまり大々的な議論なく、ここの会議で決まれば、こう決まったよというふうにやられるのは非常に困るというのは、日本からも申し上げております。
 先ほど室長から話がありましたけれども、3年に一度ないし6年に一度大規模改正されると、統計の連続性が全く失われますと、これも非常に問題です。WHOでも気がついているようですので、検討しているというふうにお話がありましたので、そんなところかと思います。

○廣松分科会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ちょっと時間も押しておりますので、次の議題に移りたいと思います。「疾病、傷害及び死因分類腫瘍学委員会における検討の状況について」でございます。
 これに関しましては、同委員会の委員長をお務めいただきました松尾委員のほうから、恐れ入りますが、ご報告をいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

(4)「3 疾病、傷害及び死因分類腫瘍学委員会における検討の状況について」

○松尾委員 資料3の中に、「日本語版作成の経過等」と書かれているところでございますけれども、当分科会の下部組織として小委員会を設置いたしまして、大江先生を含む6人の委員の先生で、事務局で用意していただきましたICD-10の腫瘍部分の改訂について、日本語原案を提示していただきまして、チャプターを分担いたしまして、日本病理学会の協力を得て作業をいたしました。これがお手元に届いているアウトプットでございます。
 詳細は事務局のほうからご説明いただけますでしょうか。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 それでは、ICD腫瘍学第3版日本語版についてご説明させていただきます。
 WHOは、腫瘍学の分野を広く保管するために、補助分類を作成してまいりました。第1版は1976年、ICD-9のもとに、第2版は1990年、ICD-10のもとに作成いたしました。
 通常、WHOは、ICD本体の修正に合わせて補助分類を改訂してまいりましたが、白血病及びリンパ腫の分野が、医学の急速な進歩に伴い、大幅に変更されたことによりまして、WHOが、それらに迅速に対応するために、ICD-10のもとではありますが、2回目の、2000年に第3版を作成したものでございます。
 第2版と第3版の大きな違いは、リンパ腫と白血病に対応する形態コードに、国際がん研究所とWHOの分類が用いられていることです。
 いままで、リンパ腫に対するREAL分類や、白血病に対するFAB分類が用いられてまいりましたが、これらはヨーロッパとアメリカがつくったものでありました。これに対して、WHO独自分類を第3版に用いているという意味で画期的なことと言えると思います。
 このWHO分類のもとでは、形態学と細胞遺伝学異常を明確に知ることが可能でございます。
 今般、社会保障審議会統計分科会に、疾病、傷害及び死因分類腫瘍学委員会を設置していただきまして、国際疾病分類腫瘍学第3版の日本語版を作成することにいたしました。
 委員会は、松尾宣武国立成育医療センター総長を委員長といたしまして、大江和彦東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻医療情報経済学分野教授、石原謙愛媛大学医学部附属病院医療情報部教授、坂本穆彦杏林大学医学部病理学講座教授、丸林葉子元順天堂医学部附属順天堂医院診療録管理室課長、元吉和夫防衛医科大学内科学第三講座教授の6名の委員で、計3回にわたって、事務局で準備いたしました翻訳をもとに、適切な用語の選択等を中心にご検討いただきました。
 特に電子化に対応するため、それまで、1コードに丸括弧や山括弧などを利用して、複数の疾患名が連記されていたものを、日本病理学会の作業協力を得て、1コード1疾患になるよう用語整理を行いました。
 腫瘍という重要な疾病、死因の統計データの収集のみならず、診療録管理や学術研究等に広く活用されるよう期待しております。
 なお、この本は、すでにお手元にお送りしてございますが、ご参考までに、「国際疾病分類腫瘍学第3版」の日本語版を置かせていただきましたので、どうぞご覧いただきたいと思います。
 以上でございます。

○廣松分科会長 どうもありがとうございました。ご質問、ご意見等ございますでしょうか。

○吉村委員 第3版と書いてあるんですけれども、今後もさらに第4版、第5版といくのか、これで一応決まりというのかが一つ。
 もう一つは、これはこういうブックレットになっているんですけれども、CD版はないのかとか、あるいは市販されているのかいないのかということについて教えていただければ。

○木村疾病傷害死因分類調査室長 最初のご質問についてですが、今回、第3版が出されましたのは、血液疾患の分野で医学の進歩が著しく、それに対応するということでございまして、この先、どの程度医学の進歩があるのか、第4版が出るか、第5版が、ICD-10の中に出るかというのは予想ができません。
 2番目についてでございますが、これは一般向けに厚生統計協会から出版いたします。CD-ROM版につきましてはございませんが、今後、何らかの電子媒体での提供を検討したいと思います。

○廣松分科会長 ほかにご発言ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで、用意しておりました議事がすべて終わりました。全体を通しまして、何かご発言ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 ちょっと時間が過ぎてしまいましたが、それではこれで、本日の分科会を終了したいと存じます。
 事務局の方から連絡事項がございますでしょうか。

○高原企画課長 本日、各委員からいただきましたご意見、統計行政の新たな展開方向に関する検討会議におけるの検討の状況も踏まえまして、もう少し具体的な検討事項として整理いたしたいと存じます。
 次回の日程につきましては、別途、各委員のご都合をお伺いいたしまして調整をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○廣松分科会長 それでは本日、これで閉会いたします。お忙しいところ、ありがとうございました。

(5)閉会


 


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部 企画課
統計企画調整室 統計企画係

電話: 03-5253-1111(内線7373)

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