ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 子ども家庭局が実施する検討会等> 小児慢性特定疾病対策等の基本方針検討会> 第2回小児慢性特定疾病対策等の基本方針検討会議事録(2015年7月16日)




2015年7月16日 第2回小児慢性特定疾病対策等の基本方針検討会議事録

雇用均等・児童家庭局母子保健課

○日時

平成27年7月16日(木) 12:30~14:00


○場所

中央合同庁舎第4号館 1階 共用123会議室


○出席者

委員

五十嵐座長 安達委員 石川委員 及川委員 小林委員
春名委員 松原委員 山本委員

事務局

安藤雇用均等・児童家庭局長 一瀬母子保健課長 田中母子保健課課長補佐
平本母子保健課課長補佐 高橋母子保健課課長補佐

オブザーバー

田原疾病対策課長

○議題

(1)小児慢性特定疾病対策等の基本方針について
(2)その他

○配布資料

議事次第
資料

○議事

一括ダウンロード

○高橋課長補佐
   ただいまから、「第2回小児慢性特定疾病対策等の基本方針検討会」を開催いたします。委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、前回欠席されました日本医師会石川委員に出席を頂いております。

   検討会の進行について前回同様のお願いですが、改めてお伝えいたします。視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、委員の皆様におかれましては御発言の際に発言者は必ず挙手いただき、挙手をした発言者に対し座長から指名をし、指名を受けた発言者は氏名を名乗ってからの御発言をお願いいたします。御協力よろしくお願いいたします。カメラの撮影は、ここまでとさせていただきます。

   傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。それでは、議事に移ります。座長、よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長
   皆さん、こんにちは。早速議題に入ります。お手元にお配りしております資料について、事務局から確認をお願いいたします。

○高橋課長補佐
   お手元の資料ですが、座席表、委員名簿、議事次第のほか、資料として「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針(素案)」があります。そのほか参考として、委員のお手元に前回の資料を置かせていただいております。

○五十嵐座長
   皆さん、よろしいですか。不足等はありませんか。それでは、資料の内容について事務局から説明をお願いいたします。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。資料について説明いたします。今回お示ししている素案は、前回の検討会での御指摘を踏まえて修正をしております。また、全体を通じて目的や例示を追加しているほか、文言の適正化を図っております。また、実施する施策の目的が、基本方針の複数の項目に対応するために一部記載が重複している部分もありますが、そういう観点から盛り込んでいるものですので、御了承ください。

   前文については、文言の適正化をしているのみの修正です。

   第一の一は「国並びに都道府県、指定都市及び中核市は」の後に「当事者である小児慢性特定疾病児童等やその家族の意見を踏まえつつ」という文言を追加し、「施策の実施及び充実に努める」としております。
   二は、文章全体について御指摘を踏まえて修正しております。「疾病児童等の健全な育成に係る施策は、疾病児童等の社会参加の機会の確保を旨として、行政機関、医療機関、教育機関、就労支援機関、患者会、家族会等の関係機関等の理解と参加を促し、就学前教育、学校教育、福祉サービス、就労支援をはじめとする関連施策との有機的な連携に配慮し総合的に実施し、疾病児童等や家族の個別のニーズへの対応を図るものとする」としております。

   三も、文章全体を修正しております。「国、地方公共団体及び関係団体は、小児慢性特定疾病について、啓発活動を通じて、学校や地域社会にとどまらず、広く国民や事業主などの理解を得るとともに、小児慢性特定疾病児童等の健全な育成に係る施策についての協力の促進を図る」としております。四と五については、文言の適正化を図っております。

   第二は、医療費の支給に関する事項です。一は、文章全体を修正しております。「小児慢性特定疾病については、法第六条の二第一項に定められた要件を満たす疾病を小児慢性特定疾病医療費の支給対象とするよう、国は、疾病について情報収集を広く行い、それぞれの疾病が置かれた状況を踏まえつつ、小児慢性特定疾病の要件の適合性について適宜判断を行う。併せて、国際的な状況も含めた医学の進歩に応じ、小児慢性特定疾病の診断の手引き及び法第六条の二第二項に基づき小児慢性特定疾病ごとに厚生労働大臣が定める疾病の状態の程度等について見直す」としております。

   二も、文章全体を修正しております。「小児慢性特定疾病医療費の支給の目的が、小児慢性特定疾病児童等の健全な育成の観点から、患児家庭に対する経済的支援を行うとともに、小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進に資することであることに鑑み、国は、小児慢性特定疾病児童等であって医療費助成の申請をした患児に係る臨床データを収集し、管理及び活用を行うため、医学的データベース(以下「小児慢性特定疾病児童等データベース」という)を構築する。小児慢性特定疾病児童等データベースの構築及び運用に当たっては、国及び都道府県等は、個人情報保護等に万全を期すとともに、小児慢性特定疾病児童等やその家族は、必要なデータの提供に協力し、指定医は、正確な小児慢性特定疾病児童等のデータの登録に努める」としております。

   第三の一は、目的と団体名について修正をしております。「小児慢性特定疾病について、できる限り早期に正しい診断が行われるよう、国及び都道府県等は、日本医師会や小児慢性特定疾病に関係する学会等の協力を得て、指定医の育成に努める」としております。

   二は目的を追加し、「国は、小児慢性特定疾病の診断の際に活用できるよう、国際的な状況も含めた医学の進歩に応じ、診断の手引きの見直し及びその周知を図る」としております。
   三も目的を追加しております。「小児慢性特定疾病の診断後は、できる限り身近な医療機関で適切な治療が受けられるよう、都道府県等は、小児慢性特定疾病医療支援を行うことが可能な医療機関に対して、指定小児慢性特定疾病医療機関の指定申請を促す等、医療提供体制の確保に努める」としております。

   四は、医療計画に盛り込む内容の例示を追加しております。具体的には、四の一番最初で、「小児慢性特定疾病児童等への支援策等」と追記しております。

   五は、文章全体を修正しております。「小児慢性特定疾病児童等が成人後も必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、国は、モデル事業を実施し、小児期を担当する医療機関から成人期を担当する医療機関に移行する際に必要なガイドを作成する。また、都道府県等は、そのガイドを活用し、小児期及び成人期をそれぞれ担当する医療提供者間の連携を推進する」としております。

   第四、自立支援事業に関する事項です。一は、事業内容を具体的に記載する修正をしております。「小児慢性特定疾病児童等の将来の自立を支援するため、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の積極的な実施に取り組むものとする。小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たっては、都道府県等は、地域において疾病児童等の自立を支援する体制を確立するために都道府県等が設置する慢性疾病児童等地域支援協議会における検討内容を踏まえ、相談支援に加えて、一時預かり等の日常生活支援、患児同士の相互交流支援、雇用情報の提供や資格取得支援等の就労支援、通院の付添い等の介護者支援、学習支援等を実施するなど、事業内容の充実に努める」としております。

   二も、文章全体を修正しております。「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たっては、小児慢性特定疾病児童等とその家族の意見を踏まえるとともに、疾病児童等を支援する多くの関係機関等の間で、共通認識を持って、連携した支援を行うことが重要であることから、都道府県等は、慢性疾病児童等地域支援協議会に患者会や家族会の代表者又は当事者をはじめ、教育関係者、就労支援関係者、事業主、医療関係者等を加え、事業内容を検討し、実施するよう努める」としております。

   三は、文言の適正化を図りました。

   四は、目的を追加しております。具体的には、「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の積極的な実施及び内容の充実を図るとともに、地域間格差が生じないようにするため、国は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の先進的事例や好事例等の情報提供を行うなど、都道府県等の取組を支援する」としております。

   五は、御指摘を踏まえ新規に追加しております。「小児慢性特定疾病児童等やその家族のニーズを踏まえた支援が提供できるよう、国は、小児慢性特定疾病児童等の成人後の就労状況や生活実態の把握をはじめ、療養生活、自立支援、家族支援など疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究の実施及び充実に努める。また、都道府県等は、小児慢性特定疾病医療費の支給や小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施を通じて、小児慢性特定疾病児童等やその家族のニーズの把握に努める」としております。

   第五、成人移行に関する事項です。一は、再掲ですので、説明は省略いたします。

   二は、「小児慢性特定疾病であって、指定難病の要件を満たすものについて、切れ目のない医療費助成が受けられるよう、成人後も医療費助成の対象とするよう検討する」としております。
   三は、「成人後の自立を支援するため」という目的を追加しております。国は、その就労状況や生活実態の把握に努めるという部分は再掲になっております。また、「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業と成人に対する各種の自立支援策との連携強化など、その自立支援に資する環境整備を図る」としております。
   四は、御指摘を踏まえ新規に追加をしております。「指定難病に移行しない患児を含む小児慢性特定疾病児童等の成人後の自立を支援するため、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の内容の充実を図る。また、国は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の先進的事例や好事例等の情報提供を行うなど、都道府県等の取組を支援する」としております。

   第六は、調査及び研究に関する事項です。一は、「小児がん等小児慢性特定疾病の根治につながる」という修飾を追加しております。

   二は、文言の適正化を図りました。
   三は、データベースの構築自体は第二の二で触れておりますが、ここでは指定難病の患者のデータベースの構築と連携をすることについて記載しております。
   四は、データベースを構築し調査及び研究に有効活用できる体制に整備することとしております。
   五は、データを研究機関に提供するに当たっては、個人情報の保護に十分配慮することとしております。
   六は、文言の適正化を図っております。

   七は、ほかの調査、研究との適切な連携です。ほかの調査及び研究の例として、「難病の病因や病態の解明、医薬品、医療機器及び再生医療等製品の開発を推進するための実用的な研究や、既に薬事承認、保険収載されている医薬品の適応外使用開発等のドラッグ・リポジショニングのエビデンス構築に係る研究」を例示しております。

   八は、国民に対して広く情報提供する手段として、「ウェブサイトへの情報掲載等を通じて」という文言を追加しております。

   第七は、ほかの施策との連携に関する事項です。

   一、二を新規に追加しております。一は、「疾病児童等の健全な育成に係る施策が、就学前教育、学校教育、福祉サービス、就労支援をはじめとする関連施策との有機的な連携に配慮し総合的に実施されるよう、都道府県等は、慢性疾病児童等地域支援協議会の活用等により、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業等への行政機関、医療機関、教育機関、就労支援機関等の関係機関等の理解と参加が得られるよう努める。また、国は、都道府県等における小児慢性特定疾病児童等自立支援事業等の取組状況や課題を把握し、都道府県等に対し情報提供するとともに、全国の関係機関等に対し、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の趣旨や事業内容等を周知し協力を促すよう努める」としております。

   二は、「小児慢性特定疾病児童等やその家族からの個別の相談に応じた適切な支援が提供されるよう、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援員を配置し、関係機関等との連絡及び調整を行い相談の内容に応じて関係機関等につなぐほか、個別に各種の自立支援策の活用を提案する等に取り組む」としております。

   三は、御指摘を踏まえ、「疾病児童等」という文言に修正しております。「国は、疾病児童等の教育の機会を確保するため、疾病児童等に対する学習支援を含め、特別支援教育を引き続き推進する」としております。ここでいう特別支援教育には、疾病を持ちながら普通学級に通っている児に対する学習支援や教育支援も含まれております。

   四は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」という法律名を追記しております。

   五は、修正はありません。

   六については、文章全体を修正しております。「小児慢性特定疾病児童等の成人後の自立を支援するため、都道府県等は、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の実施に当たり、学校教育段階から疾病の自己管理方法の習得のための支援を行うほか、就労支援機関等の協力の下での雇用情報の提供や疾病の状態等に合わせて働きやすい仕事に就けるよう資格取得等に向けた職業訓練の実施等に取り組むよう努める。また、国は、小児慢性特定疾病児童等の成人後の就労状況や生活実態の把握に努めるとともに、適切な就労支援等を含む小児慢性特定疾病児童等自立支援事業と成人に対する各種の自立支援策との連携強化に取り組む」としております。

   第八は、そのほかの事項です。一は、文言の適正化をしております。

   二は、提供する情報として、医療費助成の申請方法、自立支援事業や相談支援の窓口の紹介といった例を追記するとともに、国だけではなく都道府県等においてもそういった情報の提供に努めていただく意味で、主語を追加しております。
   三は、文章全体を見直しております。「国及び都道府県等は、小児慢性特定疾病児手帳の一層の周知を行う。また、国は、小児慢性特定疾病児手帳や医療受給者証の取得に係る手続の簡素化等、これらの取得を促進する方策について検討する」としております。資料の説明は以上です。

○五十嵐座長
   前回の委員の先生方の御意見を反映したものを、今日お示しいただきました。第一から第八までありますので、これから単元ごとに検討をしていきたいと思いますが、よろしいですか。前文のところはよろしいですね。健全な育成を図ることを目的とするというところまでの前文については、特に御意見はありませんね。それでは、第一の「疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進の基本的な方向」に一から五までありますが、何か御意見はありますか。

○石川委員
   日本医師会の石川です。二の疾病児童等の健全な育成に係る施策のところで、社会参加の機会の確保を旨とし、行政、医療、教育と書いてあります。乳児のいろいろな発達の保障、例えば、私はマザーズホームなどをやって発達を促しているのですが、それは、この中で読み取るとしたら、どこで読み取るようにしたらよろしいでしょうか。乳児期にもそういうところに入って発達を促すのですが。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。乳幼児期の発達を促すための取組という理解でよろしいですか。

○石川委員
   支援をずっと最後までしていくということですが、子どもの場合、特に乳幼児期においては発達を促すことはとても大事です。後で、少しダウンのところにも出てくるのでそこで発言したいのですが、それをここで該当させるとしたら、どこで読み込むのかをお聞きしたいと思います。

○高橋課長補佐
   乳幼児期の発達を促す取組を行っている機関としての例示とすると、例示している機関には当たらず、関係機関等の中に含まれます。また、乳幼児期から発達を一貫して支援する取組は、関連する施策として含まれます。明示はしてはいませんが、関連施策の中に読み込めるかと思います。

○石川委員
   そうですか。分かりました。

○五十嵐座長
   あるいは、文言として乳幼児の発達支援というような言葉を入れることも少し検討していただければ、機関は示さなくていいと思います。いろいろな対応の1つとして、乳幼児の発達支援というようなキーワードを入れられるかどうかですね。それがあれば、石川先生、よろしいですよね。

○石川委員
   そうなのですね。いきなり疾病児童等というところから始まってしまっているので。私はやはり、乳児でも市などが発達を支援しているところもあり、そこも、一丸となって小慢の子どもたちの発達を支援することはやらないといけないと思いますので、それはどこかにあるといいなと思ってお聞きいたしました。

○五十嵐座長
   それでは、検討してください。

○高橋課長補佐
   素案の記述は、施策の例として、就学前教育からスタートしているので、それよりも前に記載するという理解でよろしいでしょうか。

○五十嵐座長
   乳幼児の発達支援という言葉を、就学前教育の前に入れることができるかどうかを検討していただけますか。

○山本委員
   栃木県の山本です。発達支援は、学童でも必要になる部分はあるのではないかと思います。例えば、就学前教育の前に母子保健と書いていただくと、乳幼児も対象にしているという部分が分かりやすくなるのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

○春名委員
   春名です。一と二の内容の確認です。一の内容ですが、ここに小児慢性特定疾病医療費の支給から、この後にある一から六までの見出しの項目が並んでいるのですが、むしろここで言わんとしていることというか、ここに書いた方がいいのは、疾病児童等の健全な育成に係る施策というものについては、この医療や生活、成人移行ということを総合的に実施することが重要だというようなことであるのではないかという気がいたします。

   それから、二の項目は、患児や児童の意見を踏まえつつ、個別のニーズへの対応を図って社会参加を進めるために、いろいろな関係機関や関連施策との連携に配慮して総合的に実施するというように整理した方が、ここの言わんとしていることが分かりやすいのではないかと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。検討いたします。今の御指摘に関連しますと、今の記述ですと確かに一は施策の例として見出しにある項目を並べているものですので、御指摘を踏まえて修正したいと思います。

○安達委員
   明星大学の安達です。今の議論で、就学前教育をどのように定義しているのでしょうか。我々学校教育関係ですと、就学前教育というと、いわゆる子供が学校に入ってくる前、療育機関などでも子供たちは支援を受けて、発達障害のお子さん等について発達を促すようなプログラムがありますので、それに基づいて学校に入学してきます。この就学前教育の定義をもう少し明確にしていただけますと分かりやすいのかなと思います。

   もう一点は、事務局ではなくて、小林委員にお聞きしたいのですが、患者会、家族会と書いてありますが、私の知る限りでは患者会というのはほとんどなく、保護者会や親の会や、何々を守る会というのが実態なのかなという気がするのですが、もし何かあれば、教えていただけますか。

○小林委員
   小林です。私も今これを見ていて、この間も気が付いたのですが、私たちの概念ですと両方とも同じもので、分けてやるのに何か意味があるのかなと、1つでもいいのかなと思いながら見ておりました。

○五十嵐座長
   例えば、患者の家族会とか、そのようにまとめるということですか。

○小林委員
   まとめてもいいかなと思います。

○五十嵐座長
   最初の御指摘はいかがですか。就学前教育の定義ですが。

○高橋課長補佐
   御指摘いただいた内容で当方も理解しております。基本方針の記述として、就学前教育についての定義を書くことについては、ほかの記載の並びとの関係で難しいかと思いますが、同じ理解でおります。

○五十嵐座長
   安達委員はそれでよろしいですか。ほかはいかがでしょうか。

○春名委員
   三の文章ですが、国、地方公共団体及び関係団体はというところで、結局何をするのかというと、啓発活動をするだけ。啓発活動をすることによって理解を得て、また協力の促進を図るということでしょうか。いろいろと読めるような気がします。それと、啓発活動も小児慢性特定疾病についての啓発活動なのかとか、つながりによっていろいろ読めるので、内容ももう少し確認したいと思います。

○高橋課長補佐
   御指摘の第一の三については、手段としては啓発活動になっており、理解を得る内容が小児慢性特定疾病についてなので、文章の修正を図りたいと思います。伝えたいことは、啓発活動を行うことによって小児慢性特定疾病についての理解を得るとともに、施策についての協力の促進を図るということです。文章については、再検討したいと思います。

○春名委員
   小児慢性特定疾病についてだけの啓発でいいのかとか、例えば事業主の人が病気についてだけ知って、何か理解が進むのかということもありますので、疾病と健全な育成に係る施策について、関連をさせた啓発が必要かなとも思います。

○松原委員
   明治学院大学の松原です。先ほどの患者会の件なのですが、3ページの第四の二にも患者会が出てくるのですね。私の理解としては、成人期に移行していくので、小慢の児童期、そういうことを過ごした方たちの御意見もすごく大切だと思います。それから、今後、相互交流が進んでいけば、思春期辺りで子どもたちの自主的な組織も出来上がってくる可能性もあるのではないかと思いますので、余りまとめてしまわない方がいいのではないかと私は思うのですが。

○五十嵐座長
   そういう意見も出ておりますので、並立したままでもよろしいですか。ほかはよろしいですか。それでは、次の2ページの第二の「小児慢性特定疾病医療費の支給に関する事項」の2つの項目について、御意見を頂きたいと思います。よろしいですか。大分修正を加えていただきましたので、よりいい内容になっていると思います。

   それでは、第三の「良質かつ適切な小児慢性特定疾病医療支援の実施に関する事項」についてはいかがでしょうか。5つありますが、御意見はありますか。

○山本委員
   栃木県の山本です。第三の四「都道府県は、小児慢性特定疾病児童等への支援策等」という例示を加えていただきました。医療計画に書き込む内容、医療体制と疾病児童等への支援策等との関係が余計分かりにくくなったような気がするのです。具体的に、この「支援策等」として医療計画に書くことを想定されている内容をもう少し教えてください。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。ここで念頭に置いているものですが、現在都道府県が定めている医療計画のページを拝見すると、難病の患者への支援策という項目は1つ立てて書いてあるのですが、小慢児童等への支援策を項目立てているところはほとんどない状態でした。このため、難病患者への支援策と同じように項目を立てて、小慢特定疾病児童等への支援策について記述頂きたいと考えています。

   具体的には、医療提供体制や指定医療機関に関する記述だけではなく、現状の把握、医療費の助成事業、また自立支援事業をどのように展開していくかも含め、支援策一般についての記載をお願いできないかと、現時点では考えています。

   医療提供体制との関係では、指定医療機関の指定を促すという取組のほかに、現在、国で行っているモデル事業の成果物としてできるガイドを活用した、小児期と成人期をそれぞれ担当する医療提供者間の連携をどのように県として図っていくかというところについても、盛り込んでいただきたいと現時点では考えております。

○山本委員
   現状の医療計画で、医療体制以外の内容を書き込むというのは、現実にはなかなか難しいと思います。医政局の通知もそのようにはなっていません。医療計画ではなく、子供に関する計画の中になら多分書けると思います。各種計画はたくさんあるので、どこにこの文言を書くのが適切なのか。医療計画の中に、小慢についての記載も必要だと思いますが、他の計画もありますので、適切な記載を調整していただいた上で記載していただいた方がよろしいかと思います。

○高橋課長補佐
   我々の方でも、これから次の医療計画の改定に向けた検討が医政局で始まりますので、そのタイミングで小慢についてどのような中身を盛り込んでいただきたいと示すのが適当かについて調整させていただきたいと考えています。

○山本委員
   分かりました。今後の改定に向けて調整されるということでしたら、現時点では、「図る」ではなく「努める」が適当ではないでしょうか。医療計画改正のタイミング、地域医療ビジョンのタイミングなどもあるので、その辺のスケジュール感もよく御検討いただいた上で記載をお願いします。

○高橋課長補佐
   記載については検討したいと思います。

○五十嵐座長
   例えば、人工呼吸器を装着して在宅医療をしている患者さんがどのぐらい県にいるか、というような調査などもこの文言の中に入ると理解してよろしいのですか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。現在都道府県で定めている医療計画の中には、そういった患者の現状に関するデータも含めて記載しているところもありました。患者の現状に関するデータも念頭に置いております。

○五十嵐座長
   県によって違うわけですよね。

○高橋課長補佐
   はい。

○石川委員
   日本医師会の石川です。第二と第三の大きな項目の頭の書き方が、「慢性特定疾病医療費」、あるいは第三の方は「医療支援」となっています。医療に関してのものは第二と第三のところに集約していると思うのです。基本的には小児慢性特定疾病の全体の中で、先ほど来言っている乳児からの発達支援だとか、そういうものも含めてやって、できれば自立の方向でというようなことまで促していくわけです。

   実は医療だけではなくて、いろいろな形での生活支援みたいなものがあり、それについて、これはどのようにしていくのかという方向性みたいなものは、今ここで見た限りでは記載されていないような気がします。例えば、小児慢性特定疾病を持ったお母さん方自身が社会参加していくことをどうやって保障するか。例えば子どもたちを受け容れる保育所の問題などもそうです。これについては、全体像の頭が、「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」ですから、医療だけではないわけです。そうすると、生活支援だとか、そういう項目はどの辺に入るのか。親の生活支援だとか、そういうものの項目をどのようにしていくのかについては、どこで読み込めばいいのでしょうか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。御指摘のありました点ですが、第二、第三は医療費の支給、医療支援に特化しています。第四の自立支援事業のところで、事業内容の充実を図り、家族に対する支援、日常生活の支援、介護者の支援も実施していただきたいとしており、ご指摘に対応する部分としては、第四と整理しております。

○及川委員
   聖路加国際大学の及川です。3ページの五に関連すると思うのです。今回は成人移行期に対してモデル事業をすることについてはこれでよろしいと思うのです。移行できない患者さんもいると思うのです。移行していく患者さんたちだけではなくて、なかなか移行の難しい患者さんたちも成人になっていくわけです。そういう方々のことも、ここの中には含まれていると考えてよろしいのでしょうか。要するに、成人移行というと、小児科から内科へ移行していくというようなイメージでいます。でも、小児科でどうしても診ていかなければいけないような患者さんも中にはいるわけです。そういう方々が成人後も、きちんとした自立に向けて支援されるというか、医療等も含めて切れ目なく支援されるような内容もどこかにあったらいいのかと思いました。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。ご指摘の診療科を移行せずずっと小児科で診ていく方についての記載は検討させていただきたいと思います。

○山本委員
   栃木県の山本です。先ほどの計画の部分ですけれども、都道府県等にとっては、計画の有無は重要な部分であります。医療計画での記載が適当なのかどうかという点に加え、お伺いしたいのは、今回基本方針を告示で出された後、それを基に都道府県等で何らかの計画を作る仕組みにはこの法体系ではなっていないのでしょうか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。基本方針に基づいて、都道府県が計画を作り直すことにはなりません。あくまで基本方針は、今後進めていく施策について、どういう認識の下で、どういった方向性に沿って進めていくかを示しているものです。

○山本委員
   法律にないと難しいのでしょうが、都道府県にとっては何らかの形で計画を作ることが決まっていれば、おっしゃるような支援策についても、もう少し計画に盛り込みやすい部分はあります。現状では難しいということかもしれませんが、ほかにも子供の計画はいっぱいあると思いますので、健やか親子21(第2次)なのか分かりませんが、何らかのところに盛り込んでいただくなど、御検討いただければと思います。

○石川委員
   日本医師会の石川です。今の山本委員のお話なのですが、実は御存じのように医療介護総合確保推進法で、地域医療ビジョンの策定を各県でそれぞれやっています。もう一方で、地域包括ケアシステムがあります。この地域包括ケアシステムは、高齢者ばかりではなくて、障害者も含めてやるわけです。私のいる市では、要するにまちづくりですから、子育て支援も地域包括ケアシステムの中で、やっていこうというようにしています。つまり、難病とか小慢については、地域医療ビジョンでの5疾病5事業のうちの小児医療の部分です。それで、きちんとした対応ができる医療機関を県内にどうやって置くのか、難病が診られる医療もどうやって置くのかも含め、私はやるべきだと思って、県ではお話をしています。

   そして地域では、地域包括ケアシステムの中で、小慢の子供たちや、障害をもった難病の方たちをどうやってそのケアシステムの中で対応していくのか、同時進行で検討する必要があります。今は本当にいいチャンスなのです。そのような促しを、厚生労働省の方からもしていただければいいのではないかと思うのです。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。御指摘のとおり、現状では小慢に特化した記載がなかなか見当たりませんので、基本方針でこのように書かせていただき、今後取り組んでいただけるように促していきたいと考えています。

○五十嵐座長
   よろしいでしょうか。それでは3ページの第四の「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業に関する事項」について御意見を頂きます。

○春名委員
   春名です。一のところで、就労支援の例として、「雇用情報の提供や資格取得支援等」として、前回少し例を挙げたものを書いていただきました。これだけが出てくると何か。むしろ、職業相談や進路指導の具体例としてこういうものがあるという形。職業相談や進路指導で、具体的に言うと雇用の提供や資格取得支援なども重要だということです。長くなるのですけれども、職業相談や進路指導ということでの就労支援ということが重要なのではないかということ。

   その前に「患児同士の相互交流支援」とあります。患児同士だけではなくて、就労などの支援として、大人になって仕事に就いている、そういう病気の経験者と子供の交流というものが、将来の展望を得るためには有効だということなどもあったりする。こういうことも示唆されておりますので、「患児同士」というところを、もう少し広げた方がいいのではないかと感じています。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。2点目の相互交流支援の記述に広がりを持たせることについては検討したいと思います。1点目について確認させていただきたいのですが、職業相談や進路指導の一環として、雇用情報の提供だとか資格取得支援というものがあるというご指摘と理解してよろしいですか。

○春名委員
   そうです。基本的に就労支援という中でも、具体的な職業の紹介というところまでは子供には必要ないとしても、どんな仕事に就けるのかとか、今後どういう勉強をしていったらいいのかとか、そういうことの相談をなるべく早い段階から受けられたり、いろいろなアドバイスを受けられるということ、いろいろな訓練を受けられるということが、後々の就労にもつながっていく。そこがまず重要で、その更に具体的な内容として、どんな仕事に就いているのかというような雇用情報の提供をするとか、例えば専門職だとか、デスクワーク系の仕事なら無理なく続けられるので、そういうことの資格取得に向けた支援をしていくというような、更に細かい内容という構造になってくる。ここに、細かい内容がバッといきなり来ているのは、ちょっと違和感があります。

○高橋課長補佐
   趣旨は理解しました。

○小林委員
   難病ネットの小林です。春名委員の意見に賛成です。小児がんだとか、小児の糖尿病などでは、夏にキャンプを開いて、そういうところに先輩のお兄さんやお姉さんたちがボランティアで大勢来ています。それで話合いの中で、自分はこんな経験をしたとか、そのようなことが一部では結構行われています。だから、それをもっと普及していけばというようなことだと思うのです。そういう事例の実績は結構いろいろなところにあると思うので、探せば見付けられると思います。

○五十嵐座長
   それは、先ほどの「患児同士の相互交流支援」のところを、もうちょっと肉付けするということですね。

○小林委員
   そうです。言葉はあれですけれども、そういう経験者同士ということです。

○五十嵐座長
   「雇用情報の提供や資格取得支援等」ということでなく、もう少し大きな枠で、「職業相談」とか、「進路指導」などの就労支援というような文言の方がいいという御指摘ですね。

○春名委員
   スペースの限られた中ですので。

○五十嵐座長
   もし「職業相談」とか、「進路指導」という言葉が入れば、「雇用情報の提供」とか、「資格取得支援等の」というのは不要でしょうか、入れた方が宜しいですか。

○春名委員
   どうかな、そこまで具体的に書くべきところなのかどうなのかというところです。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。「雇用情報の提供」という例は、児童福祉法第十九条の二十二の第二項第三号において「雇用情報の提供その他小児慢性特定疾病児童等の就職に関し必要な支援を行う」と例示されております。

○五十嵐座長
   今の議論を総合的に考えて、変えるのでしたら変えていただくということでよろしいでしょうか。

○小林委員
   今のことに関連しているのですけれども、私たちの耳に届いてくるのは、職場に実際に就職はしたけれども、同僚たちの理解が得られなくて、だんだん居づらくなっていってしまう。例えば残業がやりきれない、ちょくちょく休んでは病院に行くのだけれども、同僚たちの理解がないから、休んでばかりいるとか、楽な仕事ばかりだというようなことがあったりして、人間関係がなかなかうまくいかないという話をよく耳にします。それで、こういう中で相談窓口だとか、そういう愚痴の聞けるような場も読み取れるようになっていればいいのかなと。つまり、就職しておしまいではなくて、そこから先のところに辞めてしまうというデータもありました。ここは、かなり問題があるのだろうという感じが私たちはしています。

○五十嵐座長
   就労後の支援ということですか。

○小林委員
   はい。

○春名委員
   春名です。大人の方の難病対策と連携を図るということもあります。そちらの方の基本方針のところにも定着支援をするとか、職場の理解が進むように啓発をするとか、差別をなくすようにするとか、そういう内容が含まれておりますので、そういうところと連携し、難病の就労支援については、当然そういうことが子供の就労支援にも波及していくというか、提供されていくのだと思います。

○五十嵐座長
   今、難病の方も基本方針を検討していますので、それと整合性を図って、もし就労後のこうした方たちへの支援の具体的な内容がある程度書き込めるのでしたら、書くことも検討するということでよろしいですか。

○春名委員
   はい。

○五十嵐座長
   それを検討していただけますか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。難病の基本方針との連携については、第一の四で、全体を通じて、難病の基本方針を踏まえて取り組むよう留意するとしております。個別の施策の項目で、改めて難病の基本方針の記述に触れながら記載を盛り込めるか検討してみたいと思います。

○石川委員
   日本医師会の石川です。第四のところに、「自立支援事業」と書いてあります。それから、5ページの第七に、「自立支援員」というのが具体的に都道府県で出てきて、関連します。私たちも実際に難病の子供たちを診ているので、今回難病の枠が広がったのを非常にうれしく思っています。実は、とても自立支援など考えられないぐらい重い子供もいっぱいいるわけです。自立できる子供については、支援というのはいいと思うのです。しかし、この大きな項目で、第四からずっと「自立支援」と書いてありますが、自立支援だけが、小慢の目標ではないと思うのです。やはり、大変症状が重い子供たちが生活していく、障害をもちながら生活していくところの支援も必要なわけですから、自立支援だけではなくて、生活支援の支援員はいるのかいないのか、作るのか作らないのか。こういうところはすごく大事になると思うのです。そのことを強調したいのです。

   ここでは「自立支援事業」ということで大きく書かれていますけれども、私はこの病名を見ると、これはとても自立まではほど遠い子どもたちもたくさんいると感じます。五十嵐先生は、そういうお子さんたちをたくさん診てこられているので、もっとよくお分かりになると思うのです。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。自立支援事業が今回法律に位置付けられ実施することになったことを受けて、自立支援事業として実施する相談支援を行う者として、自立支援員の配置を都道府県等にお願いしているところです。現行の自立支援事業では、生活支援までを担当する人を配置するような仕組みにはなっておりません。今後どういった支援の在り方が必要かについては、改正法施行後5年以内を目途として行う検討において、考えていきたいと思います。

○山本委員
   栃木県の山本です。先ほど石川委員が仰った話とも関連しますけれども、地域包括ケアとか、障害施策との連携、相談員との連携は重要です。市町がそちらの実施主体になりますので、そこと具体的にどのように連携していくのか。多分、小慢だけでは負いきれないのが実態だと思います。自立支援だけでは支えられない部分を、ほかの施策でどのようにカバーしていくのかという部分が少し分かるような、応援するような記載を御検討いただければと思います。

   もう一点は、自立支援事業なのですけれども、基本的にこの法律の立て付け上、対象者は18歳なのか20歳までの児童なのだと思いますけれども、成人後のアフターケアのようなこと、就労後のフォローアップみたいなものを、誰かが何らかの形でできる仕組みがあるのかないのか、というのは大きなところだと思います。この法律の立て付け上は、恐らく18歳、20歳の壁というのが発生してしまうのだと思うのです。就労後のフォローをしようと思っても、仕組みが無いと難しい部分もあると思いますので、そこを、何らかの支える仕組みみたいなものを、もし御検討いただけるのであれば御検討いただけたらと思いました。

   第四の五の部分です。医療費の終わりの3行です。医療費の支給や自立支援事業の実施を通じて、ニーズの把握に努めると書かれています。医療費の支給と自立支援事業はひとつの大きなチャンネルだと思いますが、そのほかにもニーズを把握する場は都道府県等にはあると思いますので、そこに「実施等を通じて」という形で記載していただければと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。御指摘ありがとうございます。最初の、成人後を支える仕組みについては御指摘も踏まえ、今後どういう対応ができるかを検討させていただきます。「等」の追加については、そのようにしたいと思います。

○松原委員
   明治学院の松原です。先ほどの石川委員の御意見に賛成です。いろいろな子供たちがいます。最後に発言しようかと思ったのですが、6ページも「自立を支援するため」という文章で始まっていて、これをずうっと読んでいくと、順番でここが就労支援なことは分かるのですけれども、どうも働いていないと駄目だというメッセージが出るような気がしています。やはり、いろいろな生活の仕方があるので、そこは配慮をした記載の仕方をしていただけたらと思います。

○五十嵐座長
   後で御指摘いただいて、そこで修正が必要なところをまた御指摘いただきたいと思います。よろしいようでしたら、4ページの第五「小児慢性特定疾病児童等の成人移行に関する事項」について御意見を頂きます。

○小林委員
   難病ネットの小林です。移行期の問題なのですけれども、日本小児科学会でも、移行期のワーキンググループが活動し、報告書をまとめました。その時に、先ほどもお話が出ましたけれども、一人一人の状況や病気の種類によってもかなり状況が違うので、一律に成人診療科に移らなければいけないということではなくて、個別に考えていくというような、最終的にはそのような報告書になりました。

   その時にも話題になったのですけれども、小児科から、例えば循環器であれば、今は先天性循環器内科という診療科目がどんどんできてきています。成人に達した先天性の心臓病の子供が44万人になったということで、そういうものが必要になってきて作られてきています。そういう病気も、ほかのいろいろな病気もそういう時代になってきたと思うのです。

   この文章を拝見していると、やはり小児科だけではなくて、ほかのいろいろな医療機関というか、診療科と連携していくのがとても大切だと思っています。第三の中で、具体的に「日本医師会や、小児慢性特定疾病に関係する学会等の協力を」という文言が入っていたのに、ここでは逆に相当曖昧で、「小児期及び成人期をそれぞれ担当する医療提供者間の連携を推進する」と。せっかく具体的にこのような名前が出てきているので、こういうところも、具体的に掲示してもらったらどうかと感じました。

○五十嵐座長
   第五の1の2行目から4行目のことですね。

○小林委員
   はい、そうです。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。「医療提供者間」としているところを、より具体的に書くべきではないかという御指摘と理解してよろしいでしょうか。

○小林委員
   はい。2行目から3行目も同じようなことになります。「小児期を担当する医療機関から成人期を担当する医療機関」という、非常に曖昧な表現になっているのですけれども、第三の一の2行目では、「日本医師会や小児慢性特定疾病に関係する学会等の協力を」というように、具体的な名称が挙がっているので、ここも同じように具体的に書いてはいかがかということです。

○高橋課長補佐
   今触れていただいた第三の一については、指定医の育成に資する教材を作成していただいたり、実際に研修を行っていただいたりする団体、学会の例として挙げている記述です。もう一方のモデル事業の方の記述は、医療機関を念頭に置いて、小児期を担当する医療機関と成人期を担当する医療機関というようにしているので、団体名がここに入ってくることはないかと思いますが、医療機関をもう少し具体的に説明する修文ということでよろしいでしょうか。

○小林委員
   成人を担当する医療機関だとか、何かあるのかなと思いました。

○高橋課長補佐
   具体例が追記できるかを含めて検討させていただきます。

○五十嵐座長
   小児科だけではなくて、小児外科とか、小児期の診療を担当する医療機関ということを仰っているのですよね。大人になってからはいろいろな診療科がありますから、内科だけではなくて、外科も含めて。ここでは少し曖昧に書いているのではないかとは思うのです。

○山本委員
   栃木県の山本です。今の部分に関しては、恐らくガイドを作成して、それを普及するに際しては、医師会とか関係学会の協力があった方が広まりやすいという趣旨で小林委員は仰ったのではないかと。モデル事業を実施する医療機関ではなく、普及のためにという趣旨だと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。勘違いしていました。すみませんでした。ありがとうございます。

○五十嵐座長
   4行目、5行目の方ですね。分かりました。

○春名委員
   春名です。重複はあるという話でしたけれども、第五の一と第三の五が全く同じ内容になっています。全く同じ文章を書くというよりは、ここは成人移行に関する事項ですので、先ほどからも結構いろいろな御意見や議論があったかと思いますが、成人移行の問題について、もう少し何か。例えば、医療でも子供の医療と大人の医療の谷間があるとか、いろいろな制度で谷間があるとか、自立支援での谷間もあるというようなところを埋めていくということで、何か整理ができないかなと。一は医療の問題、二は医療費助成制度の問題、三と四が自立支援の関係です。先ほどからあったような、就労の問題だとか、幾つか成人移行に関する事項ということで、もう少し整理できないかと。先ほどからのいろいろな議論を整理すれば、第三の五をもう一回書くというよりは、もう少し何か書けるのではないかと思うのです。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。先ほど山本委員からも、地域包括ケアとか、障害福祉の部分も含め、全体で見て小慢をどう支えるかという視点が盛り込めないかという御指摘がありました。それとも併せて今の御指摘を踏まえて、第五で記載ができないかを検討したいと思います。

○及川委員
   聖路加国際大学の及川です。それに関連して、第五の四のところが多分一番難しい人たちなのではないかと思います。大人の制度もうまく使えないような方々になり得るのかと思うと、その辺の内容に余り具体性がないというか、もっと書けないのかと思うのです。整理する過程で、その辺をもう少し御検討いただけると有り難いかと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。検討したいと思います。ありがとうございます。

○小林委員
   やはり同じことですが、確か委員会のときにも自立という意味について単に就労するとか、単に就学するというだけではなく、委員会の中でももっと広く取り上げて考えられていたと思うのです。本当に重いお子さんの場合にはどうするのかということです。これも家族支援という考え方という話も確かあった記憶があります。

   今から十何年前に、及川先生も一緒にいた小慢の検討会のときは、やはり病気があっても地域の中でより良い暮らしをして、地域参加、社会参加をするという。最終目的が子供の社会参加と地域の中でより良く病気と上手に付き合いながら生きていこうという中身だったと思います。

   ですから、小慢の場合には個人だけにスポットを当てるだけではなく、個人もそうですが、家族にも視点を置いてサポートできるような仕組でいきたいと。今回もそういった話も何度かあったかと思いますので、是非その辺も留意していただいてはどうかと。

○高橋課長補佐
   そういった視点も含めて、もう一度、全体を通じて記載を見直したいと思います。

○五十嵐座長
   ほかはよろしいですか。それでは、次の第六の「疾病児童等の健全な育成に資する調査及び研究に関する事項」について、8項目ありますがいかがですか。

○山本委員
   栃木県の山本です。第六の一と二が、一は「根治につながる」で、二は「現状の把握、疾病概念の整理、診断の手引き」で、少し違うような気もするのですが、関連するような気もします。あと一の方は、「小児がん等」となぜわざわざ小児がんが明示されているのかもよく分からないので、一と二の違いと、なぜ一だけ小児がんが明示されているのか教えていただけないでしょうか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。一はその目的が、病態の解明や治療方法の確立のための研究事業です。二は診断の手引きを作成したり、改訂を推進するための事業ということで、目的が分かれているので2つに分けて記載をしています。

 一に小児がんを書いたのは、根治につながる小慢の例として挙げているものです。

○山本委員
   根治はなかなかしにくい疾病もあると思います。根治につながる研究だけをするわけではないのだという趣旨だとは思いますが、根治しそうな疾病だけの研究をするように見えるので、もう少し小慢全体の研究を進めるように書いた方がいいのではないかという部分もあるので、御検討いただければと思います。

   一と二の違いは趣旨はわかりましたが、基本方針を見る分には少し分かりにくい印象があります。もう少し違いが分かる形の記載を追加いただければと思いますので、御検討をお願いいたします。

○高橋課長補佐
   御指摘を踏まえて、改めて検討したいと思います。

○春名委員
   春名です。同じことに関してですが、二のところで、「疾病概念の整理」とか「診断の手引きの作成や改訂」だけではなく、難病対策の方では、それにプラスして、「適切な診療のためのガイドラインの作成」というのが入っています。根治には至らないのですが、進行を抑えるだとか、症状を抑えるだとか、そういう治療に関しての研究という内容で、多分、そういうのが入っているのではないかと。そういうところが、あえて抜かされているのか、あるいは今後付け加えた方がいいのか、御検討をいただけたらと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。今御指摘のあった難病にある診療のガイドラインに対応するものを、小慢では「診断の手引き」としておりまして、それが二の研究として念頭に置いているものです。

   それを超えて、山本委員と春名委員から御指摘のあった点については、全体の記載を考えたいと思います。

○五十嵐座長
   そうですね。「診断の手引き」だと、診断だけの手引きみたいだから、「診断・治療のガイドライン」とか、そんなふうに書いてもいいのかもしれませんね。

○田中課長補佐
   事務局の田中です。山本委員の御指摘の小児がんの例示についてですが、第五の四に、以前御指摘がありましたように、「指定難病に移行しない患児を含む」について、現在の整理では、指定難病の中に小児がんを含めて、がんは含まれないことになっております。今後、研究の面も含めて、健康局に小慢の制度が移管された場合にも、指定難病に含まれない小児がんも含めて、他施策、つまりがん対策とも連携しながら研究事業を実施していただきたいということもありまして、小慢の例示として「小児がん等」を挙げさせていただいております。

○山本委員
   一だけを読んだときに、「根治につながる」の部分は若干違和感がありますので、そこは御検討をいただきたい。また、難病の研究と小慢の研究というのはどういう違いがあるのか。難病も治療研究ですし、小慢も一応治療法の研究ということだと思いますが、両者の対象疾病であった場合には、どのように役割分担をされる予定なのでしょうか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。今の山本委員の御指摘にお答えする前に、先ほど私が申し上げた内容で一部間違いがありましたので訂正させてください。

 難病の診療ガイドラインにあたるものが診断の手引きと申し上げましたが、それが誤りで、難病の診断基準に相当するものが「診断の手引き」です。春名委員が仰ったことは、それを超えて診療、治療も含めたガイドラインの策定を念頭に置いた研究を進めるべきではないかという御指摘だったと思います。その部分に対応する研究を今実施しているかというと、実施をしていない状況です。今後、研究を進めていく必要があるかどうかも含めて検討させていただきたいと考えております。

   今の山本委員の御指摘は、難病の研究とのすみ分けはどうなっているのかという点ですが、第六の七のところで、「他の調査及び研究との適切な連携を図る」としております。現状において、小慢で疾病ごとの研究はしておらず、難病と小慢とで対象が重なる部分について、難病で疾病ごとの研究を進めているという状況にありますので、そうした研究の棲み分けを図りながら、難病で行われている研究を重ねて小慢で行うということはせずに、役割分担をしながら進めていきたいと考えております。

○及川委員
   聖路加の及川です。この研究の一つは、年齢が18歳か20歳で切られるのかどうかですが、先ほどの第五の四のところにもありましたように、結局、難病に移行しない人たちが、その先どのようになっていくのかということです。本当に、成人移行した後に、どのような自立の状況や生活の状況で、その把握は具体的には、どのようにされるのでしょうか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。第六の六に書いておりますが、小慢疾病児童等の成人後の就労状況や生活実態の把握を、厚生労働科学研究等の研究事業において行っていきたいと考えております。

○小林委員
   この文言とは直接イコールではないのですが、第六の七のところに、いろいろな医薬品や医療機器のうんぬんと書いてあります。また、前の方に国際基準でしたか、国際的な状況もというようなことが書いてあります。実は、最近分かったのですが、子供さんの胃瘻のチューブができて、それにシリンジでミルクを入れたり、点滴で入れたりするのですが、このサイズが今度、国際規格で合わせて改定になるということです。それは間違いを防ぐために、ほかのチューブと間違いを起こさないようにするために改定になるらしいです。その胃瘻の部分が今の半分近くの太さになるのです。

   そうすると、ヨーロッパの場合には、本当に液体で入れているわけですが、日本の場合には、ミキサーとか、あるいは半固形みたいな、ドロドロとしたもので入れています。それは日本人の独特のウエットな情感があって、口から入れるのと同じようなものを入れてやるとか、そういう重症心身障害の子供を育てた親や教員や看護師さんたちは、みんなそんなふうにしてやってきているわけです。

   ところが、小さいものだと詰まってしまう恐れがあったりとか、コネクターを付けなければいけなくて、その部分が、これまでとオスメスが逆になるために、衛生管理がとても問題になるとか、幾つかの問題点が出ているのです。しかし、国際規格に変わると、自動的に変えなければならないわけです。このようなことが、これからいろいろなところで出てくる可能性があるものですから、外国はこうしたから全てこうという移行が安直にいかない。そういう患者の状態や医療の状況をよくよく考えた上で、そんなことが進められるようなことも考えていっていただきたいと思います。

○石川委員
   私も要望ですが、この制度は今後、健康局疾病対策課が所管されると伺っていますが、5ページの七に関係すると思うのですが、例えば、筋ジストロフィーが今回難病に入りました。しかし、これは条件が合って小慢認定されます。呼吸器や循環器の問題が出てきたときです。しかし、これは明らかに遺伝の問題があって、遺伝の治療ができるとしたら、早くからやった方がいい。その際には、やはり認定の前倒しとか、これからどんどんいろいろ医学が発展するときに、新たな治療法が出てきて、その運用のときにどういう柔軟な対応をしていただけるか。

   例えば川崎病というのは冠動脈瘤を形成するので、この合併症を予防するためにガンマグロブリン療法を用います。ガンマグロブリンの使用に当たってはさまざまな要件がついていたのですが、実際には、川崎病に対して、臨床の現場では小児科の先生方が小児慢性特定疾患として高額なガンマグロブリンを使い、そのアウトカムとして、合併症が少なくなったという現象が実際に起こっているわけです。

   ですから、第六の疾病に対しての研究、治療については、運用上非常に柔軟にしていただくということを、どこかに盛り込んでいただいた方がいいです。ですから、この七のところに新しい研究に対応して、そういうことをどんどん広げていくということをやっていただければ、子供たちの幸せにつながるのではないかと思います。

○五十嵐座長
   よろしいですか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。七のところにということでしたが、研究を踏まえた対応として盛り込めるかどうか検討したいと思います。

○五十嵐座長
   ほかはよろしいですか。それでは、5ページの第七の「疾病児童等に対する学校教育、福祉サービスに関する施策、就労の支援に関する施策との連携に関する事項」について御意見を頂きたいと思います。

○松原委員
   明治学院の松原です。第七のところは、いろいろなサービス、支援が並んでいますので、6ページの六のところ、「成人後の自立を支援する」と言うと概念が広がってしまいます。いろいろな福祉サービスと一緒の並びですから、「成人後の就労とその継続を支援するため」としていただくと、それぞれがこの項目の中で独立してやるべきことと読み取れて、私が懸念したことも解消されると思いますので御検討をいただきたいと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。御指摘いただいた方向で修正するようにいたします。ありがとうございます。

○五十嵐座長
   ありがとうございます。ほかはいかがですか。

○春名委員
   先ほどの6ページの六の「就労支援」のところも、同じように端的に書き過ぎたところがあるかと思いますので、そこはお願いしたいと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。御指摘を踏まえて検討したいと思います。

○石川委員
   日本医師会の石川です。たびたびですが、運用のところでのお願いと、第七に関して、将来、自立、就労というところまで目指すということであれば、例えば、ダウン症候群は今回条件付きで疾患として並びました。拡大自体は歓迎するのですが、基本的には乳幼児のときからの発達支援によって、ダウン症候群のお子さんたちは、本当に自立できる可能性はたくさんあるのです。そこのところに医療の資源を投入するということはすごく大事です。

   先ほど申し上げた柔軟な運用ですが、ダウン症は、例えば循環器の問題や呼吸の問題がないと支援できないことになっているのですが、医療の発達支援で結構お金がかかるのです。そういったものもできるような運用の仕方で、将来的には、成人になってからも自立できるという可能性は出てきますので、そこのところは運用でできるよう頑張っていただきたいと思います。

○田中課長補佐
   事務局の田中です。先ほど自立ができない児について、自立支援事業のところで、石川先生、山本委員からも御指摘があったところですが、第七の四の、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、障害者総合支援法ですが、この中で、障害福祉サービス等の対象となる疾病がございます。お手元にある第1回目の資料の参考資料2、28ページから30ページにかけて、332疾病が掲載されています。これらがどのような疾病かと言いますと、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持たなくても、また、指定難病や小慢の医療費助成の基準に該当しなくとも、この対象疾病に該当すれば、障害福祉サービス等が利用できるという対象疾病です。この332疾病の中には、指定難病は全て含まれております。当然小慢と重複する疾病も含まれております。

   石川先生から御指摘がありました筋ジストロフィーは28ページの78番にございます。ダウン症候群は、29ページの196番にございます。このような疾病は、具体的には参考資料2の3233ページにあるような障害福祉サービス等が利用できることになっております。「児」と書かれてあるところは障害児へのサービス、「者」と書かれてあるところは、障害者へのサービスが提示されています。医療の部分ではないのですが、福祉の部分に関しては、このような他施策と連携しながら、自立支援事業では十分に対応できない部分も補えるよう、今後とも連携して取り組んでまいりたいというところです。

○五十嵐座長
   石川先生、御理解いただけましたか。

○石川委員
   はい。

○山本委員
   栃木県の山本です。第七の一の4行目、小児慢性特定疾病児童等、自立支援事業等への関係機関の理解と参加が得られるよう努めると書かれていて、その次の行にも自立支援事業等の取組状況や課題を国が把握しうんぬんと書かれています。確かに自立支援事業は、小慢で重要な事業だと思います。ただ第七は、他施策との連携に関する事項に関する部分で、自立支援事業を前面に出すのが一番適切なのかどうか。医療支援でも他施策との連携は必要な場合もありますし、自立支援事業での連携も必要ですし、医療費助成での連携なり理解も必要だと思いますので、自立支援事業を出す趣旨は重要だと思いますが、全般に理解が進むような形で御検討をいただけたらと思います。ほかの委員の先生方からも、御意見をお伺いできればと思います。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。今、山本委員から御指摘のあった自立支援事業等としている趣旨は、御指摘いただいたとおり、自立支援事業を例に出していますが、それも含めて小児慢性特定疾病対策全体を指す意味で「等」を付けております。代表例として、自立支援事業が良いかどうかということについて、御意見いただけるのであればお伺いしたいです。あるいは、このように、自立支援事業を特出しするのではなく、小児慢性特定疾病への対策というように全体を括る記載とした方がよろしいですか。

○山本委員
   私はどちらかというと、「小児特定疾病児童等への対策」とした方が、幅広く見えるのではないかと思います。必要な部分には、「自立支援事業」という形で書いた方が幅広く読めるのではないかと思います。

○五十嵐座長
   ほかの先生方もそれでよろしいですか。それでは、対応を考えていただきたいと思います。

○安達委員
   明星大学の安達です。6ページの六の2行目、「自立支援事業の実施に当たり、学校教育段階から疾病の自己管理方法の習得のための支援を行うほか」と書いてありますが、一応、御承知いただきたいのですが、学校教育現場では、いわゆる領域の部分で、自立活動という領域があります。その中で、自立活動については6つの区分があって、「健康の保持」というのがひとつあります。その中で、いわゆる「セルフコントロール」という言葉を使っておりますが、学校教育の中では、特別支援学校に在籍している子供たちに、疾病の自己管理方法について、授業を行っているということを、一応御理解していただければと思います。恐らく、切れ目のない支援ということで、このような形で特出しをしているのかと理解しておりますが、ということで御承知いただければと思います。

○五十嵐座長
   ありがとうございます。ほかはいかがですか。よろしいですか。それでは、6ページの最後のブロックの第八「その他疾病児童等の健全な育成に係る施策の推進に関する事項」について、御意見を頂きたいと思います。よろしいですか。特段ありませんか。それでは、全体を通して、言い残された意見や質問はありませんか。

○松原委員
   文言修正の提案ではないのですが、やはり、こういうものを動かしていくときには、実際そこの場にいる人が一番大きいと思うのです。具体的に言えば、今回出ている自立支援員の方たちの資質がきちんと整ってこないと、絵に描いた餅になってしまうと思うのです。将来的には、こういう仕事に就く方の資格も含めて、御検討いただければと思います。コメントです。

○五十嵐座長
   ありがとうございました。小林委員、何か補足はありますか。

○小林委員
   自立支援員のことではなく、ほかのことをまずよろしいですか。先ほど安達委員がおっしゃった件ですが、学校教育段階からの疾病の自己管理方法の習得のための支援を行うというのは、学校に何かしてもらうということではないですよね。それはほとんど無理だと思いますので、それを確認したかったのです。

   自立支援員については、成育医療研究センターと私どもの難病の子ども支援全国ネットワーク共催で研修会を開いております。何と言っても、そういうお子さんや家族のことをよく知ってもらうことがまず第一だろうと思いますので、そういったことに主眼を置きながら、私たちが主催なものですから、やはり民間人らしい発想をしたいと。今ある制度や何かに子供たちを合わせるのではなく、その子供たちや家族に合わせられる制度の運用にしていただけるような意図で、研修会をさせていただいています。

   前回、2月に成育医療研究センターで開催したときも、五十嵐先生が2日間ともずっと一緒におられて、本当にお忙しい中で居ていただいたのです。患者、家族は7家族、14人出て講義をしてもらったのですが、アンケート結果も非常に良くて、地方からも関心を持たれていました。仰るように、将来、資格や、そういうようなことが必要になれば、またそれはそれであれでしょうが、今言ったような意図、趣旨で開催を続けていきたいと思っているところです。

○山本委員
   栃木県の山本です。関連して、地方では自立支援員になる方を探すのはなかなか困難で、うちでも行政の保健師がなっている状況です。研修の実施とか、情報提供の充実というのは、国の方でも予算的な措置も含めて十分に御検討いただきたいと思います。可能であれば基本方針の中に、書いてもいいのかもしれません。

○五十嵐座長
   ありがとうございました。他はいかがですか。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。今の自立支援員に対する研修等については、記載できないか検討したいと思います。

○五十嵐座長
   いずれにせよ、始まったばかりですので、これを地道に継続してやっていくことが大事なわけです。資源が限られていますから、最初のうちは小さくやるしかないでしょうが、もう少し仲間が増えてきて、その方たちが次の人たちを教えていく様な形で広がっていくといいと思います。国、国以外の組織、学会も含めて、皆で協力してそういう方たちを育成したいと希望しているわけです。何かほかにありますか。よろしいですか。

○石川委員
   また要望になるのですが、この別刷りの第1回の資料の中で、疾病の名前が全部出ているのですが、私たち臨床で子供たちを診ていると、新しく拡大した疾病はすごく有り難いのですが、それが実際に子供たちの病状と合わせてみると、なかなかその条件に合わない例も幾つか出てくるのです。そのときになるべく柔軟な運用をしていただきたい。治療が一生なので、家族や子供たちはその疾病で苦しんでいることは間違いないのです。そういった運用上の柔軟性をこの制度の中で是非発揮していただきたいと思います。

   そのひとつが、特にダウン症候群やトリソミーのお子さんたちです。この条件の中には知的障害がないのです。先ほど言ったダウン症もそうですが、循環器や呼吸器の障害があって、そのときに申請が初めて受理されるということです。しかし、歌舞伎症候群などでは知的障害が見られるわけで、それを援助すると本当に自立ができるので、そういうような運用を可能とする柔軟な制度にしていただきたいという要望があります。これは臨床からの要望ですので、是非よろしくお願いします。

○五十嵐座長
   よろしいですか。ありがとうございます。ほかはいかがですか。よろしいですか。それでは、大体皆さんの御意見を全て拝聴することができたと思いますので、今日頂きました貴重な御意見については、基本方針にできるだけ盛り込むことを念頭に、事務局に頑張っていただきたいと思います。その記載方法については、座長に御一任いただいてよろしいですか。

   ( 異議なし)

○五十嵐座長
   ありがとうございます。それでは、この検討会の議論の取りまとめを、そういう形で出したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。それでは、基本方針策定のこれからのスケジュールについて、事務局から説明をお願いします。

○高橋課長補佐
   事務局の高橋です。本日はありがとうございました。御意見を踏まえて、基本方針の見直しを進めたいと思います。今後の予定ですが、9月頃の告示の公布を目指して、8月中にパブリックコメントを実施する予定でおります。その後、告示の公布までの間に、社会保障審議会児童部会への報告をすることも考えております。以上です。

○五十嵐座長
   最後に、議論が一応取りまとめに至りましたので、安藤局長から一言御挨拶を頂きたいと思います。

○安藤雇用均等・児童家庭局長
   雇用均等・児童家庭局長の安藤です。委員の皆様に置かれましては、前回と今回にわたりまして、小児慢性特定疾病対策等の基本方針()について、大変限られた時間の中で精力的な御議論を頂きましてありがとうございました。

   皆様方からは基本方針()の各項目について、大変貴重な御意見をたくさん頂戴したところです。本日の御議論で、方針案の内容について、委員の皆様方の一定の御理解が得られたということになりますので、本日頂いた御意見も踏まえて、座長ともよく相談させていただき、厚生労働大臣告示として9月の公布に向けた必要な作業にかかっていきたいと思います。

   この方針は、長期の療養を必要とする疾病にかかっている児童の健全な育成のために、国や地方公共団体等が取り組むべき方向性を示すものということですので、私どもとしても、基本方針の理念、内容を尊重して、施策の充実に今後とも努めていきたいと考えております。最後に議論の取りまとめをいただきました座長をはじめ、委員の皆様方に改めて感謝を申し上げまして、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

○五十嵐座長
   それではこれで、この検討会を閉会にしたいと思います。御出席いただきまして誠にありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 子ども家庭局が実施する検討会等> 小児慢性特定疾病対策等の基本方針検討会> 第2回小児慢性特定疾病対策等の基本方針検討会議事録(2015年7月16日)

ページの先頭へ戻る