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2015年5月1日 平成27年度 第1回 厚生科学審議会 疾病対策部会 議事録
健康局疾病対策課
○日時
平成27年5月1日(金)16:00~18:00
○場所
厚生労働省 専用第22会議室(18階)
○議事
○前田疾病対策課長補佐 定刻でございますので、ただいまから平成27年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会を開会いたします。委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきましてまことにありがとうございます。まず、新任委員の御紹介を申し上げます。今回より臨時委員として、静岡県の医療衛生担当理事の鶴田憲一理事に加わっていただいております。本日御欠席でございますが、御報告申し上げます。また、委員であります福永委員、大澤委員、鈴木委員、本田委員におきましては、平成27年1月末の任期満了に伴いまして、2月1日に再任という形になっています。皆様から特に御意見がないようでしたら、引き続き福永委員に部会長を、大澤委員に副部会長をお願いしたく存じます。
(異議なし)
それでは、福永部会長、大澤副部会長ということで、よろしくお願いをしたいと思います。
引き続き、本日の委員の出欠状況ですが、大澤委員、小幡委員、本田委員、道永委員、先ほど御紹介しました鶴田委員から御欠席の連絡をいただいております。また、本日は参考人として2名お呼びしています。まず、お1人目ですが、日本難病疾病団体協議会の伊藤たてお代表です。続いて、京都大学大学院総合生存学館思修館特定教授で、疾病対策部会指定難病検討委員会の千葉勉委員長です。両2名にお越しいただいております。
引き続き、事務局に異動がございましたので御案内申し上げます。課長補佐の日野です。
開会に当たりまして、傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。また、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。以降の議事進行につきましては、福永部会長にお願いいたします。
○福永部会長 それでは、まず資料の確認をお願いいたします。
○前田疾病対策課長補佐 資料の確認をさし上げます。大部の資料とクリップ止めがありますので、クリップ止めのほうから御紹介を申し上げます。
次第に続きまして、配席図です。部会のメンバーの名簿です。参考人の名簿です。ここから資料でして、資料の1-1として、「指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について」です。続いて、横ですが、別添1と記載してますが、「指定難病の要件について」平成27年4月28日というものです。
また、縦に戻りまして、別添2ですが、「指定難病とすべき疾病の名称」ということです。別添3、「指定難病とすべき疾病の支給認定にかかる基準(個票全体)で、先ほど申し上げた分厚いものというのが別添3のそのものになります。恐縮ですが、机上にはこういう形で配布させていただいてますが、傍聴のほうは、大部ということもあり、これを用意してないということで御了解いただければと思います。
資料1-2ですが、「難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病及び第7条第1項第1号に規定する病状の程度に関する意見について」ということで、案です。別紙は「難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病」です。資料2-1として、横紙ですが、「指定難病に係る今後のスケジュール」資料2-2として、「基本方針の検討状況」、参考資料1として「難病の患者に対する医療等に関する法律において、厚生科学審議会の意見を聴くこととされている事項について」というもの、参考資料2として「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会委員名簿」を御用意しています。不足等ございましたら事務局まで御指摘をお願いします。
○福永部会長 どうもありがとうございました。それでは、早速議事に入りたいと思います。1つ目の議事は「指定難病に係る検討結果について」です。昨年の5月の疾病対策部会で、医療費助成の対象となる指定制難病を客観的かつ公平に選定するために「指定難病検討委員会」を設置することについてお認めいただき、昨年10月の部会で千葉委員長に第一次実施分につき御報告をいただきました。そういうことで今回、第二次実施分の取りまとめをいただきましたので、千葉委員長から御報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○千葉参考人 それでは、資料1-1「指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について」に従って御報告いたします。まず、1ページですが、「1.はじめに」難病の患者に対する医療等に関する法律の規定に基づく指定難病の(案)につきまして、昨年10月8日の疾病対策部会で、110の疾病について指定難病とすべきという案を指定難病検討委員会として結論を御報告させていただきました。これに引き続きまして、本年1月から第二次実施分の指定難病の検討を行い、先日までで計7回の議論を行いまして、資料1-1のとおり、指定難病検討委員会としての結論を取りまとめましたので、ここに委員長として御報告いたします。
「2.指定難病に係る検討の進め方」ですが、今回、第二次実施分の指定難病の検討におきましては、検討段階において指定難病としての要件に関する情報収集がなされた疾病を対象としました。具体的には、これまで難治性疾患克服研究事業において研究されてきた疾病及び小児慢性特定疾病の対象疾病について、関係する研究班や学会に情報提供を求めまして、平成27年2月時点までに指定難病の要件に関する情報が得られた疾病として615疾病を検討の対象としました。
個々の疾病につきまして、5つの要件として、「発病の機構が明らかでない」「治療方法が確立していない」「長期の療養を必要とする」「患者数が人口の0.1%程度に達しない」「客観的な診断基準等が確立している」の5要件を満たしているか、否かの確認を行いました。
2ページ目になりますが、3.「指定難病の要件について」です。指定難病の要件については、難病法に規定されておりますが、さらに具体的に、医学的な観点で判断可能なように、別添1「指定難病の要件について」のとおり取りまとめています。これは、前回御報告させていただいたものと大きく変わるものではありませんが、より適切な判断を行うために必要な整理を行い、いくつか補足を加えています。別添1を御覧ください。
3ページ目ですけれども、法律に基づいて施策が実施されているなど他の施策体系が確立されている疾病の取扱いを、より明確にするために発病の機構が明らかでないことについて要件を満たすことが明らかでない疾病として整理しています。4、5ページでは、「がん」及び「精神疾患」について具体的な取り扱いについてまとめています。8ページですけれども、ここでは「致死的な合併症を発症するリスクが高い疾病について」ということで、脂質代謝異常症のような疾病について、1:致死的な合併症を発症するリスクが若年で通常より著しく高いこと。2:致死的な合併症を発症するリスクを軽減するための治療として、侵襲性の高い治療、例えばアフェレーシス治療などを頻回かつ継続的に必要とすることを満たす場合は「長期の療養を必要とする」という要件に該当するものとするということで、考え方の整理をしています。また、11ページ目ですけれども、客観的な診断基準等が確立していることの検討に当たっては、小児慢性特定疾病の「診断の手引き」についても整理し、小児を前提とした診断の手引きのみを根拠とする場合には、同じ基準を成人に適応することが適切かどうか、個別に検討を行うこととするとして補足しています。これらの考え方に基づいて個々の疾病が要件を満たすかどうかについて、またその基準について、それぞれ検討を行っています。
本文のほうに戻っていただきまして、4.「指定難病とすべき疾病の案及び支給認定に係る基準の案」についてです。本委員会では615の疾病を検討の対象としまして、そのうち225疾病について指定難病の各要件を満たすと判断いたしました。更に、それらの疾病について類似する疾病を統合するなどの再整理を行い、別添2のとおり196疾病を第二次実施分の指定難病とすべきといたしました。なお、具体的な個々の疾病の支給認定に係る基準につきましては、別添3として、こちらのファイルのとおりとしています。詳細の説明は行いませんが、適当に御参照ください。また、現時点では615疾病のうち390疾病については、要件を満たすことが明らかでないと判断しています。5.「今後の検討の進め方」ですけれども、今回の報告で指定難病検討委員会としては、第一次実施分の110疾病と合わせて計306疾病について指定難病とすべきとしたことになります。しかし、これで終わりというわけではなくて、今後も引き続き情報収集や整理を行い、指定難病の検討を行う予定です。
具体的には、平成27年秋から検討に向けた情報収集を開始して、平成27年度中に指定難病検討委員会を再開する予定としています。その際、十分に情報収集ができた場合には新たな疾病についての検討を行うとともに、これまで検討してきた306疾病の診断基準等につきましても医学の進歩に合わせて必要に応じて適宜見直しをしていくことと考えております。以上、疾病難病検討委員会からの御報告とさせていただきます。
○福永部会長 引き続いて、事務局より資料の説明をお願いします。
○前田疾病対策課長補佐 資料1-2及び参考資料1、参考資料2を用いて御案内を差し上げたいと存じます。まず、参考資料1として、「平成26年第1回(5月28日)疾病対策部会資料再掲」の参考資料を御覧ください。難病の患者に対する医療等に関する法律において、厚生科学審議会の意見を聴くこととされている事項については大きく2つあります。個々に見てまいりますと3つになるのですが、今回、千葉委員長より御報告をいただきましたのは下側にありますが、指定難病病状の程度です。第5条、第7条関係の厚生科学審議会の下に新たに設置する委員会において検討という部分です。
裏返していただきますと、第5条、第7条の所で具体的な文言があります。第5条は、指定難病とすべき疾病について、「厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するものという」とされております。また、支給認定の中で病名とともに重症度分類を定めますが、その程度というのが、「厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて定める程度である」べきという所の2つの規定について、これはどのように取り扱うかというところです。これは厚生科学審議会の運営規定に基づいて疾病対策部会の議決をもって同審議会の議決ということにされるということですので、本日、御意向を確かめさせていただきまして、御了承、議決を頂きましたら認定という形になるものです。
その議決を頂くに当たりまして、2つお認めいただいたこととしましては、部会の下に委員会を作成し、これを指定難病検討委員会として置かせていただき、ただいま御報告いただきましたが、千葉委員長に御議論いただきまして取りまとめいただいたものです。
また、これは指定難病検討委員会を作成する際に御了解いただいたものですが、審議の結果について部会に御報告する際には、参考人として患者の立場を代表する者の同部会への参加を求めることとするという形で認めていただきましたので、今回、JPAの伊藤代表にお越しいただいたということです。
参考資料2ですが、これは厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会の名簿です。千葉委員長のほかに、大澤委員も含めまして、こういうメンバー、医療のメンバーで議論をさせていただいたものです。委員会のまとめといたしましては、先ほど資料1-1で千葉委員長より御報告いただいたものですが、その御報告を聴いていただいた上で、資料1-2という形で部会の意見としてまとめていただいてはどうかというところで、これが案です。
読上げさせていただきます。「難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病について、本部会としての意見は以下のとおりとする。」ということです。「法第5条第1項に規定する特定医療費の支給対象となる指定難病に196疾病を追加し、別紙のとおり306疾病とすること」という形にしております。
指定難病は、先ほど法律の御案内で申し上げましたが、「難病のうち当該難病の患者数が本邦において厚生労働省令で定める人数に達せず、かつ、当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていること、その他の厚生労働省令で定める要件を満たすものであって、当該難病の患者におかれている状況からみて、当該難病の患者に対する良質、かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するもの」です。それについては、別紙という形で御用意しています。
資料1-2の後ろに付けてある別紙です。1の球脊髄性筋萎縮症から始まる表があります。1の球脊髄性筋萎縮症から110のブラウ症候群までは、既に平成27年1月から医療費助成の対象にしているものです。本日の指定難病検討委員会からの報告を踏まえまして、111の先天性ミオパチーから始まり、112のマリネスコ・シェーグレン症候群と表が続いていますが、111から210の単心室症までと、211の左心低形成症候群から306の好酸球性副鼻腔炎まで、これは111から306までの合計が196ですので、合計に加えて306という形で、これを指定難病の全体像として、御意見として伺いたいという提案です。
なお、これは306ということですが、前回、110をおまとめいただいた際には、告示で110の名称を記載させていただいて、昨年10月にまとめさせていただいたので、その全部を改正という形で、改めて306を指定する形になりますが、そういう形で進めさせていただければという御提案です。事務局からは以上です。
○福永部会長 次に、患者の立場を代表するものとして、本日、参考人として御出席いただいている伊藤参考人の御意見を伺いたいと思います。いかがですか。よろしくお願いします。
○伊藤参考人 指定難病の検討に当たっては、千葉先生をはじめ検討会の委員の先生方には大変御尽力されたと伺っておりますし、また、先ほど伺った話でも、研究班にも大きな刺激を与えたということも伺っております。そういう御努力、御尽力に感謝しつつ、患者側としては合計3点ほどお願いしておきたいと思っております。
1つは、指定難病の要件から外れた疾患も、あるいは、検討の材料からも外れた疾患がかなりあるわけですが、千葉委員長のお話ですと、今後、そういう情報の収集や資料が集まり次第、今年度の秋から再検討をしていくのだということを伺っておりますが、さらに、これは一般書店などに並んでいる本を見ましても、かなり先端医療とか、再生医療、感染症や様々な疾患についての社会の関心も非常に高まっておりまして、様々な本が一杯出版されているのを見ました。そういう中で、ここまで研究は進んでいるのかという驚くような記事も見るわけですが、今までとは違ったステージでの国際的な研究の進み方によっても新たな疾患の診断の基準なり治療法の見通しは今後出てくることになると思うのです。改めてそういう国際的にも疾患研究が進んでいるのがあった場合にも、情報の収集等の体制になるのかをお伺いしたいと思います。
もう1点は、第二次の発表になってから幾つかの疾患のグループから、なぜこの病気が、我々が資料を見た限りではなかなか大変だという疾患もあるわけですが、そういう疾患が検討の対象に入らなかったのか教えてほしいという相談なども寄せられておりまして、それにはどのようにお答えしていったらいいのか、今後どのように検討の中に入れてもらえるのかということは、これは厚生労働省にお伺いしたいと思っております。
これはこの後の話にもなるのだと思うのですが、難病対策委員会では、研究の対象ということだけではなくて、患者の診断に向けるインセンティブといいますか、そういうものを高めるために、法第5条第1項の認定に係る基準から外れてしまった疾患、特に重症度基準から外れてしまった疾患も、重症化を防ぐという治療を継続しなければならないと。それから、研究に寄与したい。福祉サービスの利用もいちいち診断書が必要なわけで、そのために高い診断書料をいちいち支払ってサービスを申請しても、認定で外されてしまうこともあり得るわけですから、そこにもなかなか結び付かないのではないかと。あるいは、それは主治医の先生方のインセンティブにも結び付かないのではないかということを考えますと、難病対策委員会でかなり議論したような1年限りの更新ということではなくて、3年なり5年なりという長いスパンで有効になるような、その疾患の登録者証を発行すべきかという議論があったのですが、それはまた指定疾患の疾患名が明らかになった段階で、改めてそういうものの議論もお願いしたいと思っております。患者団体からは、この3点についてお願い申し上げたいと思います。
○福永部会長 伊藤委員の今の御意見に対して、千葉委員、事務局、お願いします。
○千葉参考人 今回はお話申し上げましたように、時間的な制限とか、一定の期間内にきちっとしたものを出さなくてはいけないということもありまして、当初からその研究班で研究がなされている疾患をベースに検討していくという方針でやってきました。したがいまして、おっしゃられるように、私は個人的にも、例えばそういう研究班のない難病といったものも幾つか具体的に私自身も認識しておりまして、そういったものについては、当然、今後検討の対象にしていくべきであろうと思っております。場合によっては、そういうのは研究班というよりは学会と連携することも必要ですし、あるいは、今後、そうした研究班を立ち上げてもらうといった方向性もあるのではないかと思いました。
その次の問題は、厚労省のほうになされた質問だとは思いますが、3つ目ですが、これは重症度分類で、軽症の人について、登録がなされないといった問題点があるのではないかという御指摘だと思いますが、これは私の意見ですが、ある診断、重症度分類でもって医療費助成がなされる、なされないというところは、ある程度やむを得ないと思います。やはり軽症の方でも登録できるシステムを構築することは必要でしょうと。そもそも、この疾患の克服研究事業では、ある患者に対して医療費助成をすると、その助成をすることによって、逆に患者に疫学調査とか、そういうことに対して協力していただくと、そういうのがもともとの趣旨だったと思うのですが、軽症例もそういう意味でも、疫学といった観点からも、当然登録すべきであると、そういう見方もありますし、是非、そういう意味でそういうシステムが構築されるのがいいのではないかと私自身も考えております。
○福永部会長 事務局、いかがですか。
○前田疾病対策課長補佐 お尋ねは3つありましたうちの1つ目は、委員長からお話いただいたとおりかと思っております。1つ目のお答えの中に2つ目の要素も相当入っていたかと思うのですが、1つは、今回のやり方といたしましては、既に短い時間で法律を成立させていただいてから、この日を迎える約1年という形ですので、既に患者数とか、客観的な診断基準とか、ある程度研究調査が進んでいるところは対象にしたというところがあります。
具体的に申し上げますと、特定疾患治療研究事業でこれまで研究していただいているものでありますとか、あるいは、小児慢性特定疾病として対象になっている疾病であるとか、そういうところを中心に基本的な御議論をいただいて、さらに、成人の学会を中心に御意見を賜って、196という形に定めたという経緯です。当然、そういうやり方でありましたので、まだ客観的な診断基準ははっきりしていないものであるとか、研究者の中に見つけられているものは当然これからもあると思いますので、それは引き続き研究なりで、そういうある程度の要件が見える形で整理をしていただいて、それをまた汲み上げさせていただいて議論するという形でプロセスを進めていきたいと考えております。
3つ目の御質問については、千葉委員長から御意見をいただきましたが、これは千葉委員長も伊藤代表も委員として参加していただいている難病対策委員会で、正に基本方針をどうするかというところで、今、正に御議論をいただいているところですし、その中でもシステムをどうやって構築していくか、患者をどうやって把握させていただくか、またその把握した情報を含めてという形で、福祉サービスや就労支援であるとか、そういうものを提供できていくかということを議論しているところですので、部会委員会の構成上、今日の意見をまた委員会に戻して、実際、委員としてもいらっしゃるのですが、またそれも含めて議論させていただくという形で進めていきたいと思っております。
○福永部会長 伊藤参考人の御意見を踏まえながら、また、先ほど千葉委員長からお話がありましたが、そういうことを踏まえて、委員の皆様方から自由な意見とか、あるいは御質問等があればお聴きしたいのですが、いかがですか。何かありませんか。
○伊藤参考人 ちょっとした質問ですが、実は医療関係者の方や病院などでも福祉に関わる方々から、聞いたこともない疾患が一杯議論されていると。それで検討の中で使った個票があれば、それを参考にしたいのだけれども、手に入らないかというお話が寄せられているのですが、これは今後、印刷物で配布するとか、そういう予定はあるのかどうか伺いたいと思います。
○前田疾病対策課長補佐 今、伊藤参考人から御指摘を賜りましたのを具体的に言いますと、別添3の部厚い資料になります。これについては大きく2つあるのですが、1つは、これそのものではないのですが、これの文言とか、改めて「てにをは」などを修正させていただいて、診断基準、重症度分類ということで、局長の通知という形で、前回の110も同じですが、お示しさせていただくことになります。これは110あって、我々は紙で都道府県にはお配りするのですが、お一人お一人、患者とか医療機関にお渡しすることはなかなか難しいので、厚生労働省としてはホームページに掲示するとか、そういう形にはなるのですが、一部それをベースに冊子として出版されている事例もあると聞いておりますので、それはまたそういうのを活用していだだいて、ベースは局長通知ですので、国としてかっちりした形でお渡ししていますから、それを活用していただければと思っております。
○福永部会長 ほかにいかがでしょうか。
○葛原委員 今日出たのを拝見しますと、神経関係が恐らく難病の4割ぐらいを占めていると思うのですが、大体、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の、我々が関係している全部の病気がほとんど網羅されているということで、こういう形でまとめてくださったのは非常に有り難いというか、誰にとっても良かったことだと思います。
そういう点で、これで言えば、これは頭に浮かぶ難病の代表的なものは大体全部入っているのではないかと思います。非常に患者数が少ない疾患もあるので、そういう点ではこれでやっと一段落したという感じがしています。
それは非常に良いことなのですが、私は少し具体的な問題の質問が2つあります。これは現場で実際にどう扱えばよいかという問題で、今、伊藤さんがおっしゃったことも関連します。例えば今度新しく入りました127番の前頭側頭葉変性症という病気があります。(別添資料3の110ページ)この病気はもともとピック病と言って、WHOの国際分類ICD-10ではF10台ですから、精神科の病気の中に入っているものです。その後にいろいろな神経系の病気が前頭側頭葉変性症の概念に入ってきたということで、昔ピック病と言われていたものから範囲が広がった病気なのですね。ここにも書いてありますが、前頭葉型の昔のピック病と言われているものから、進行性の失語症というタイプまで臨床表現型も原因疾患もは極めて多様です。
もう1つの問題は、110ページの下から5行目ぐらいにありますが、要するに運動ニューロン疾患(MND)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病型のものもあるわけです。ALSとか、その下に書いてある進行性核上性麻痺とか、大脳皮質基底核変性症もここの前頭側頭葉変性症に入っているわけです。ということで、元の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で言うと、第1回目の指定疾患のNo.2がこの病気の概念の中に入っていますし、大脳皮質基底核変性症が7で、進行性核上性麻痺が5です。私は、これは1つの病気のいろいろな表現型だと思うのですが、見かけの症状や病名は相互に全く違うので、現場ではこの病気はいったいどれにすればいいのだろうかということになろうかと思うのです。そこら辺は検討委員会である程度まとめているはずだと思います。こういう病名で括ると、非常にいろいろな病気が入るので、私は賛成ではあるのですが、現場ではかなり問題が出るのではと思います。
もう1つ、去年出た指定疾患のNo.4の原発性側索硬化症が同じ病気の中に入るわけですね。だから、前頭側頭葉変性症の中には、少なくとも既に第1回指定疾患で出ている筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症が含まれるわけです。そういうのをどう扱うかが、具体的には個票などをどう書くか、何の病名で申請するかをきちっと決めておく必要があるように思います。これらはFTDにしてしまえば何でもかんでも全部入ってしまうので、それでもいいかもしれませんが、多少臨床上では曖昧になるのではないかという気がするのです。
もう1つの問題は、精神科で扱っているピック病です。ここで言いますと、112ページにある行動異常型の前頭側頭葉変性症(FTD)が該当します。と、こういうのがどういう具合に扱うかと。例えば、113ページに例としてあるように、万引や交通違反を繰返し指摘されても悪びれないとかが特徴的症状ですが、こういう方たちも同じ病気の中に入ってくるのです。だから、難病で扱うときには、例えばALSのほうで扱うのかFTDで扱うのかなどは、それなりに決めておかないと、現場は非常に混乱するのではないかという気はします。
○千葉参考人 今の御質問ですが、そこの所は例えばこれもそうですが、ほかの疾患でも幾つか似たようなことがあって、つまり一部重複みたいなところがあって、どちらに入れるのかという議論が実際にはなされました。先生の御質問に対して私どもが非常にクリアカットに説明できるような形で今回、御提示させていただいている状況ではないのが正直なところです。基本方針としては、広く拾い上げるということで、どこかの分類の中に患者さんに入っていただくということで、できるだけ広く拾い上げましょうというのが基本的な考えでやってきたというところです。
ただ、おっしゃられるところには問題点が2つあります。今後は学問的に進んでいきますと、そこら辺ももう少し整理されてきたり、あるいは変わってきたりすることもある。ですから、それはリアルタイムで修正をかけていく必要があるということ、正に先生がおっしゃられる現場での混乱については議論もしたのですが、これは行政側の問題にもなりますので、非常にはっきりと私自身が回答を持ち合わせているわけではないというのが正直なところです。
○岩佐疾病対策課長補佐 事務局から少し補足いたします。基本的に指定難病検討委員会の中での議論は、千葉委員長がおっしゃったような形になります。やはり、1つの疾病が様々な表現型を持っているというのは当然、神経型に限らず免疫疾患でも非常に多くあります。そういう場合にどのように考えていけばいいのかという場合に、基本的にこれらは医学的に独立した疾病として、それぞれが医学の世界の中でどのように考えられているのかというところをベースにしております。そういうことから今回、特に診断基準がしっかりと確立されているものという形で要件を定めているところがあります。当然、一人の患者さんを見た場合に、別の方向から見て2つの診断基準を満たすというのも確かにあるというのは、我々としても理解しております。
そういう中で、どちらかというと今後、医学の研究などの整理が進む中で、より正確にこの疾患はこのようにまとめ直していくのが適切なのだとなっていけば、そこはそのような形に修正させていただきます。独立した疾病にするのがいいとされる場合、さらには幾つかの疾病をまとめて1つの疾患概念としてまとめたほうがいいとされる場合は、それは医学の進歩に合わせて、この指定難病検討委員会の中で改めて検討いただいて決めていくという形が適切ではないかと考えております。
○福永部会長 分かりやすい意見だったと思いますが、おそらく、葛原委員が言われたように現場では様々な意見があります。そういう意見はどういう形で整理というか反映させられるような形というか、例えば研究班、事務局の厚労省に、そういう形を整理しながら、今言われた形に将来的にはなっていくと思います。
○前田疾病対策課長補佐 これは、多くは2つの睨み合いだと思いますが、臨床調査個人票を用いて申請をしていただくことの簡便さでいけば、なるべく大きく疾患概念で申請書を書いていただくほうが楽です。他方、指定難病法に基づく医療費助成をなぜ行っているかといいますと、かなり個々の疾病に対して調査研究が進んでいくようにという形で、疾患を極力特定して、その患者の状態を疫学的に取っていこうという調査研究の目的もありますので、これは両睨みだと思っています。
過去、特定疾患治療研究事業が56疾患ということを考えますと、特に神経領域では疾病の枠組みや名前を何度か変えてということをしたという経験もありますので、また学会からまとめ方として分かりにくいものがあるという形で御意見を頂いて、そのご意見がコンセンサスを広く得られているものでしたら、また、そういう形で見直しをしていくという形で、今回は今の知見の中で整理をするとこういう形でということで、完全体といいますか、また知見を頂きながら修正を加えていくものだと思っております。
○葛原委員 これだけ名前が並んでいるのだから使えばいいと思うのですが、同じ病気であっても当面は一番目立って一番困っている症状を書くというのが一番いいのではないかなと思っています。もう1つ、前頭側頭葉変性症で問題なのは、精神症状だけのピック病を入れるかどうかというのも現場では問題になります。というのは、老健局が担当の認知症の病気としても扱っているわけで、どちらで扱うのが患者さんにとって一番メリットが大きいのかということは、ちょっと考えてあげないといけないのではないでしょうか。
もう1つは、今日、拝見してすごく良いことだと思ったのは、筋ジストロフィー症が入っていることです。私は昔から筋ジストロフィーは難病に入れるべきだと思っていたのですが、研究費の出所が違うのでなかなかこの中に入ってこなかったのですが、本来なら筋ジストロフィー症も含めて難病ということにすると非常に、要するに難病の形がきちんと整うと思ったのですが、今回は、それが入っているのは非常に大きな前進だと思います。
それと関係するのは、今度は1回目の指定疾患に入っていた30番の遠位型ミオパチーという中に三好型が入っているわけです。これは、昔、研究費をもらうときに遠位型ミオパチーという名前にしないと、難病にまとめられないということで無理に入れたという経緯もあるのですが、これは遺伝子から言っても、もともと筋ジストロフィーと同じものです。当分はこれでいいと思うのですが、遠位型ミオパチー、指定疾患一覧の111番の先天型ミオパチーと筋ジストロフィーは相当、無理に分けたというところがあるので、せっかく今度1つに入ったのなら、ある時点で同じ遺伝子の病気は1つの所に集めることも今後の検討課題としていただければと思います。以上です。
○福永部会長 全く同感です。
○山本委員 葛原先生が医療側から医師が見たときに、これをどう考えるかということをお話してくださったのですが、一方で患者さん御本人や御家族の方にとってみると、自分の今の病気がこの中の指定難病に入るか入らないかというのはかなり重要なことだと思います。私は免疫が専門なので、この中からずっと自分の免疫に関係したものがどのぐらいかということを一生懸命に見ていたのですが、56のときは割と簡単にこれとこれとこれだと分かったのですが、306になりますと、作業で、それだけ見つけてくるだけでも大変になってきて、そこのところはある意味では順番として番号を付けるのは重要なことなのですが、これを使って患者さんや御家族が御自分の病気が入っているか入っていないかを調べることは結構難しいことなので、そこの所を幾つかの切り口で、例えば免疫が関係しているものを神経と分けるだけではなくて、皮膚に症状がある病気とか、何とかの病気と層別していろいろなことで分けていくと、そこの病気に到達できるというのをどこかで誰かがやるだろうというのではなくて、最初に出すときにそういうものを含めて出していただくと、非常に国民にとって分かりやすいものになると思います。ですから、その辺の作業もしていただきたいと思います。
○前田疾病対策課長補佐 先ほどの伊藤参考人からの御指摘にもほぼ相似しますが、1つは、通知でお示しするものをどう分かりやすく説明していくか。先ほど私は、通知をベースに申し上げましたが、厚労省からホームページを掲載するということで難病情報センターを財団に委託して実施しているものですので、そういうところで、より分かりやすい形で情報提供させていただくとか、今回1~110でありますとか、極力、111~306は神経疾患から始まって最後にその他の疾患になるようには並べてあるのですが、実際はかなり重なり合って、違う方向から見ると全然違う病気みたいな部分もありますから、完全に分類することはなかなか難しいと思いつつ、実際には対象になっているのに、その制度を利用できないということにならないように情報提供をしていきたいと思っております。
○伊藤参考人 もちろん患者さんが調べるのも大変ですが、福祉では、確か50音で書いた表が出たりいろいろしているのですが、ここに書いてある番号が今後ともこの疾病の個有の番号ということになっていくのでしょうか。それとも、そういう場合に系統別に分けたり、あるいは50音で分けて何か番号を振るとかそういう改変はあるのですか。
○前田疾病対策課長補佐 告示の番号ということでいきますと、余り変えると対象が分からなくなってしまいますので、これは個有の番号という形になると思っています。他方、現行の110で申し上げますと、今、厚労省のホームベージ上は、疾病番号順と、あいうえお順で並べたりして示しております。ただ、あいうえお順の最大の欠点は、疾病名は別名があるケースが多いので、それで逆に見つけにくいという説もあって、いろいろな形で検索できるように工夫したいと思います。
○福永部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○田嶼委員 この度、指定難病が306疾患になりました。大変なご苦労がおありでしたでしょうが、大変すばらしいことだと思います。306疾患が指定難病になって大変な御苦労があったと思いますが、これだけの疾患を選択することができて、患者さんに対する恩恵はとても大きいものがあったと思います。ただ1つ、将来的な心配があるように私は思いました。
指定難病の4要件の1つに患者数が人口の0.1%程度というものがあります。この12万7,000人という数値をお出しになるのは大変難しいことであったと思います。ただ、この306疾患のうち治療法が非常に進歩して、そして患者さん方が長生きなさってということは非常に素晴らしいことなのですが、死亡率が低下すれば有病者数は当然のことながら多くなってきて、もはや0.1%程度という範囲には当てはまらなくなってくるかもしれない。そのようなときに一体どのように扱われるのか、予算が拡がるといいのですが、それが無理な場合には疾病の入れ替えということなども考えておられるのか、その点についてお伺いできたらと思います。
○前田疾病対策課長補佐 人口の部分ですが、先ほど千葉委員長から御報告を賜りました資料1-1の9ページの別添1の指定難病の要件についてです。「患者数が本邦において一定の人数に達しないこと」についてという所です。簡単に基本的な考え方ということでまとめております。この中で1つ目の○の3つですが、大体0.1%程度という形で申し上げていますので、四捨五入して0.1で、大体0.149で0.15未満ということで、大体18万人を1つ目安にしております。ただ、18万人を超えたら機械的に対象にしないというわけではなくて、この基準の適用に当たっては、個別具体的に判断を行うという形でお約束しておりますので、18万人を超える、あるいは近い病気が出てきた場合は一つ一つ疾患の状態を拝見して改めて要件を満たすかどうかという形で議論して判断するというのが1つです。また、難病法が成立するときに附帯決議としてお約束しているところでもありますが、患者数に基づいて機械的に運用することがないようにという形で附帯決議としていただいているところが、法律が成立する過程で決議いただいておりますので、混乱することがないように運用していきたいと考えております。
もちろん、患者数のお話の中でそういう御指摘を頂きましたが、当然、治療法が確立していないとか、その辺についても逆に言うと治療が確立した場合に、改めて要件を解放して、もう対象にしないという判断もあると思いますが、これも一つ一つ病気の状況を拝見して最後に改めて御議論する形かと思っております。
○福永部会長 大体この辺りで、よろしいでしょうか。
○倉橋委員 保健所長会の倉橋でございます。保健所、そして行政は、この制度の受付窓口といいますか、そういう形で対応することになっておりますし、現在もしているところです。この基準にしても病名にしても必要に応じてアップデートするというところが特徴です。それから量が膨大であるということが特徴ですので、データベースという形でホームページなり何なりで随時アップデートしていただくというお話がございました。それについてなのですが、患者さんからの直接の相談というのは現場では余りないと思うのですが、むしろ医師が全ての分野に対して詳しいわけではないので、専門家の先生方からこれはどうなのだという質問が現場にくることが想定されます。難病以外でも実際にそういうことが起こっているわけです。
今後こんなにたくさん増えてきますと、大変、申し訳ございませんが、それを受ける窓口側が、これも専門家ではないのです。ですから、それに対応できるように、先ほど難病情報センターという話がありましたが、例えばデータベースを充実していただいて、専門家の照会にも窓口で対応できるような情報サポートを充実させていただきたいと考えております、是非、要望したいと思います。よろしくお願いいたします。
○福永部会長 それでは、資料1-2を御参照ください。厚生科学審議会疾病対策部会の意見として、この資料1-2のとおりでよろしいでしょうか。特に異議がなければ資料1-2の案どおりで皆さんの意見として承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○福永部会長 ありがとうございました。それでは、事務局は指定難病の指定に向けての作業を進めてください。
次に2つ目の議事です。今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いします。
○前田疾病対策課長補佐 資料2-1及び2-2を用いて説明いたします。資料2-1です。「指定難病に係る今後のスケジュールです。一番上側に4月28日の第12回指定難病検討委員会という中で「第二次実施分指定難病に関する取りまとめ」という形でいただいております。それを踏まえまして本日、千葉委員長より御報告を頂きまして先ほどお認めいただいたものです。厚生労動省といたしましては、速やかに頂いた議決を踏まえまして告示という形で最終的にお示しするという形になりますので、告示の作業を進めてまいりたいと思っております。大体、5月の中旬をめどに告示できるように事務を急ぎたいと考えております。
最終的に患者様のお手元に届くという観点で申し上げますと、医療費助成の申請ができる状況にするというところで、それに必要なものとしては当然、病名以外にも診断基準の通知や申請書たる臨床調査個人票の様式の提示がありますので、そういうものをひとそろえそろえさせていただいて、7月には申請できるような形に事務作業を進めて、併せて都道府県も準備体制ができるような形で情報提供を進めていきたいと思っております。
第二次実施分の306の形で申し上げますと、そういうスケジュールで考えておりますが、306以降、二次以降の進め方といたしましては、秋以降、当然、今も含めて情報収集を行っていって新しい疾病の追加がないか要件を満たすものがないかという情報収集をするとともに、110及び今回していただく196で、実際に運用を始めますと診断基準などの見直しの御意見を頂くというところもあると思いますので、そういう話も含めて改めて本年度中に指定難病検討委員会を開催いたしまして、新しく追加が必要かどうかというところもありますし、既存の306についても診断基準等々で見直しが必要ではないかという形で、また改めて御議論を賜わればという形で考えております。
資料2-2です。もう1つ議論を検討しているものとしては、基本方針を検討しております。先ほど指定難病の所で紹介いたしましたが、現在、基本方針は疾病対策部会の難病対策委員会で議論しているところです。難病対策委員会自体は、平成25年12月に一度、定義をまとめていただいて以降は開催しておりませんでしたが、平成27年2月17日に開催いたしまして、逐次ヒアリングを進めております。
具体的に申し上げますと、2月17日では患者団体の代表という形で患者の方々にも御参加いただいて、その際に本日御参加いただいております伊藤代表からも少し御意見を頂いたりしながら基本方針の全体像について御議論いただいております。3月26日には、療養生活の環境に関することや福祉サービスに関する話を関係する方々から御意見を頂きました。先般4月21日に第38回を開かせていただきました。この中では研究や医薬品の開発の御意見を頂いたところです。5月以降の予定といたしまして、医療提供体制や人材育成は、まだ議論いただいていない所ですので、そういう所を中心に関係者からヒアリングを頂いて最終的に基本方針という形でまとめていくべく作業を進めていきたいと考えており、最終的には夏に取りまとめという形で難病対策委員会で取りまとめた後に改めて疾病対策部会を開催して、改めて御議論を賜わって最終的に告示をするという段取りで進めていきたいと考えております。現在の議論の進捗状況という形で報告いたしました。事務局からは以上です。
○福永部会長 それでは、今後のスケジュール、基本方針の検討状況の説明がありましたが、何か御質問や御意見はございますか。
○伊藤参考人 5月以降の関係者からのヒアリングというのは、どういうところを想定しておられるのでしょうか。
○前田疾病対策課長補佐 参考資料1の中の「難病の患者に対する医療等に関する法律において、厚生科学審議会の意見を聴くこととされている事項について」の上側の基本方針[第4条関係]があり、(参考)として法律の一部を抜粋しております。第4条の中に基本方針を定めなくてはいけないものという所で、どういう項目を含むべきかで1~8番まであります。この中で基本的な方向としては、例えば患者会の代表に来ていただいてお話をいただいたとか、そういうところで意見を頂いているというところがありますので、今、意見を頂いていない、あるいは専門の所にヒアリングを頂いていないという観点でいきますと、例えば3番の「医療に関する人材の養成に関する事項」や2番の「医療を提供する体制の確保に関する事項」という所がヒアリングをまだ行っていない所ですので、こういう所は最低、議論して御意見を頂く所かと思っております。
ほかの部分も当然、まだまだ意見を聴きたいという御意向がありましたら、当然、追加して、さらに意見を頂く、あるいは御議論いただくという形で、最終的には8つの要素が抜けていない形で方針案という形で定めていきたいと考えております。
○福永部会長 伊藤参考人、よろしいですか。
○伊藤参考人 はい。
○福永部会長 ほかにいかがですか。
○葛原委員 法案の中に書いてあったか、それとも実際の検討の中にあったのか、各都道府県に1つ以上の難病医療センター(難病拠点病院)を置くという方針がありました。多分、今準備が進んでいるのだと思うのですが、先ほどの倉橋委員の保健所からのご意見にもありましたように、おそらく、この306のうちの普通の人が分かる病気は50ぐらいではないかと思うのです。50名とか100名ぐらいまでの患者数の本当の気象難病もこの中に入っていますので、各都道府県での難病センターに行っても診断がつかない病気は相当あると思うのです。1つは都道府県ごとの難病センターをきちんと整備するのと一緒に、難病センターでも診断がつかないような場合に、どこに問い合わせたり、あるいは、どういう所にいろいろな情報を送れば診断ができるかというのも一緒に整備していただく必要があります。ほとんどの人が見たことがない病気の診断を付ける道筋作りを一緒にやっていかないと、せっかくこういう疾患を決めても有効に活用されないということにもなりかねない、それを一緒にお願いしたいということです。
○福永部会長 いかがでしょうか。
○前田疾病対策課長補佐 今、御指摘いただきました拠点としては、実は法律に明確に規定されているものではなくて、難病対策委員会で正に法律を作る際にどういう要素を今後、難病患者さんに対するサービス提供として考えられるかという話の中の提言の中に、平成25年12月にまとめていただきましたが、その中に位置づけられているものです。これは、法律の文言に書いてあるかどうかで言えば、ないのですが、実際に提供するときにどういう形であるかというのは、難病対策委員会の報告、提言に基づいて御案内していく、法律には書いてないですが最終的な形としては、こういうものをイメージしていますという形で御案内してきて、それで法律が成立したというところがあります。
こういうイメージなのですと話していたものを正に形にするのが基本方針ですので、これは5月以降のまだ議論していない分野に属しますから、その中で、また改めて議論を頂戴しまして、どのように進めていくと一番効率的、かつ患者さんが納得できるサービス提供ができるかという形で御議論を賜わればと思っております。
○福永部会長 是非ともよろしくお願いします。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようですので、今後の予定について事務局から説明をお願いします。
○前田疾病対策課長補佐 委員の皆様方、ありがとうございました。次回の疾病対策部会の日程については、追って連絡させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○福永部会長 それでは、「厚生科学審議会疾病対策部会」を閉会いたします。御出席の皆様どうも本当にありがとうございました。
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